JP2016157525A - 第一級及び/または第二級アミン化合物を含む非水電解質を有する非水電解質二次電池 - Google Patents

第一級及び/または第二級アミン化合物を含む非水電解質を有する非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】負極活物質にチタン酸リチウムを使用した高安全性、および長寿命性の二次電池であって、サイクル試験中に電池内に発生するガスを低減することが可能であり、かつ優れたサイクル安定性を有する非水電解質二次電池の提供。
【解決手段】負極活物質としてチタン酸リチウムを含む負極と、正極と、非水電解質と、を有する非水電解質二次電池であって、該非水電解質が第一級及び/又は第二級アミン化合物を含む非水電解質二次電池。前記第一級及び/又は第二級アミン化合物を0.01〜10wt%含み、非水電解質内で発生する炭酸化炭素と反応して炭酸アミン塩を形成する非水電解質二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、負極活物質にチタン酸リチウムを含む非水電解質二次電池に関し、更に詳しくは第一級及び/または第二級アミン化合物を含む非水電解質を用いた非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯機器、ハイブリッド自動車、電気自動車、家庭用蓄電用途に非水電解質二次電池の研究開発が盛んに行われている。これらの分野に用いられる非水電解質二次電池は、長期間充放電サイクルを繰り返す必要がある。しかしながら、従来の非水電解質二次電池では、負極材料としてカーボン材料が使用されているため、充放電サイクルを繰り返すとリチウムの挿入・脱離に伴う体積変化によりこのカーボン材料が劣化し、結果として電池の容量が低下する問題がある。この問題点を解決するために、非特許文献1のような、負極材料としてリチウムの挿入・脱離による体積変化のほとんどない堅牢な材料であるスピネル構造を有するチタン酸リチウムを含む非水電解質二次電池が提案されている。しかしながら、負極にチタン酸リチウムを含む電池は、サイクル試験を行うと負極付近で電池内に含まれる水の分解により水素ガスが発生し、さらにある程度試験を継続すると電解液の酸化還元分解反応により炭酸ガスが発生する。このような発生したガスが電池内に残存したままである場合、そのガスの存在自体により電池性能が低下し、結果としてサイクル寿命が低下するという課題がある。
特許文献1には、このように電池内に発生した炭酸ガスを吸収する材料を電極材料と混合して使用することで、二次電池の信頼性を向上させることに関する記載があるが、使用されている炭酸ガス吸収材料が固体物質であるため、ガス吸収効率が低く、また電極材料と混合して使用した場合にはその分電極材料の電池性能を低下させることに繋がると考えられ、改善が必要である。さらに、負極にチタン酸リチウムを含む電池での水素ガスの抑制に関しては何ら記載が無い。よって、サイクル試験中に発生する炭酸ガスと水素ガスの両方を効率よく低減させる方法が必要であった。
特開2007−242454号公報
Chemistry Letters, 35, 848(2006)
本発明の課題は、負極活物質にチタン酸リチウムを使用した高安全性、および長寿命性の二次電池であって、サイクル試験中に電池内に発生するガスを低減することが可能であり、かつサイクル寿命に優れる非水電解質二次電池を提供することである。
上記課題に鑑み、発明者らが鋭意検討を重ねた結果、負極活物質にチタン酸リチウムを含む非水電解質二次電池において、非水電解質が第一級及び/または第二級アミン化合物を含むことによって、上述の炭酸ガスをアンモニウム炭酸塩として捕捉することができ、また、これらのアミン化合物は、電池の充電時に負極の表面に吸着し保護膜を形成するために、前記水素ガスの発生を抑制することも可能となるため、全体として、電池内に発生したガスが低減するので、電池性能の低下が抑制され、結果的に、サイクル安定性に優れる非水電解質二次電池を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。前記アミン化合物は電解液中に溶解して存在するため、固体物質を使用した場合と比べてガス吸収効率が高く、また、電池性能を阻害するようなことも無い。
すなわち、本発明は、負極活物質としてチタン酸リチウムを含む負極と、正極と、非水電解質と、を有する非水電解質二次電池であって、該非水電解質が第一級及び/または第二級アミン化合物を含む、非水電解質二次電池に関する。
本発明の第一級及び/または第二級アミン化合物は、非水電解質二次電池空間内で発生する炭酸ガスと反応してアミン炭酸塩を形成することが好ましい。
本発明の第一級及び/または第二級アミン化合物は、非水電解質に0.01〜10wt%含まれることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、負極活物質にチタン酸リチウムを使用した高安全性、および長寿命性の電池であり、このような構成の電池であっても、サイクル試験中に発生するガスを低減することが可能であり、かつサイクル安定性に優れる。
本発明の一実施形態について説明すれば以下の通りである。なお、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
<1.負極>
本発明に用いる負極活物質はチタン酸リチウムを含むことを要する。チタン酸リチウムは、スピネル構造であることが好ましく、分子式としてLiTi12で表されるものが好ましい。スピネル構造の場合、リチウムイオンの挿入・脱離の反応における活物質の膨張収縮が小さいため材料の劣化が少なく、結果として高安全で長寿命な二次電池とすることができる。チタン酸リチウムには、たとえばNbなどのリチウム、チタン以外の元素が微量含まれていてもよい。
前記チタン酸リチウムは、CuKαによる粉末X線回折の(400)面の半値幅が0.5°以下であることが好ましい。0.5°より大きいと、チタン酸リチウムの結晶性が低いため、電極の安定性が低下する場合がある。
前記チタン酸リチウムは、X線回折によるリートベルト解析法による8aサイトに占めるリチウム含有率が90%以上であることが好ましい。90%未満であると、チタン酸リチウムの結晶中の欠陥が多いため、電極の安定性が低下する場合がある。
前記チタン酸リチウムは、リチウム化合物、チタン化合物を500℃以上1500℃以下で加熱処理することによって得ることができる。500℃未満、または1500℃より高いと、所望の構造をしたチタン酸リチウムを得ることができにくい傾向がある。チタン酸リチウムの結晶性を向上させるため、加熱処理後、再び500℃以上1500℃以下で再加熱処理してもよい。再加熱処理の温度は、最初に行った温度と同じでもよいし、違っていてもよい。加熱処理は、空気存在下でもよいし、窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスの存在下でおこなってもよい。加熱処理には、特に限定されないが、例えば、箱型炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を用いることができる。
前記リチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、ハロゲン化リチウムなどを用いることができる。これらリチウム化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
前記チタン化合物としては、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン、一酸化チタンなどのチタン酸化物を用いることができる。
前記リチウム化合物、および前記チタン化合物の配合比は、原料の性状や加熱条件によってリチウム、およびチタンの原子比、Ti/Li=1.25前後で多少の幅をもたせてもよい。
前記チタン酸リチウムの表面は、導電性向上、あるいは安定性向上のため、炭素材料、金属酸化物、あるいは高分子等で覆われてもよい。
前記チタン酸リチウムの粒子径は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上、30μm以下であることは取り扱いの観点からさらに好ましい。前記粒子径はSEM、TEM像から各粒子の大きさを測定し、平均粒子径を算出した値である。
前記チタン酸リチウムの比表面積は、0.1m/g以上50m/g以下であることが所望の出力密度を得やすいことから好ましい。前記比表面積は、水銀ポロシメータ、BET法での測定により算出するのがよい。
前記チタン酸リチウムの嵩密度は、0.2g/cm以上1.5g/cm以下であることが好ましい。0.2g/cm未満の場合では後述のスラリー作製時に多量の溶媒が必要となるため経済的に不利となる傾向があり、1.5g/cmより大きいと後述の導電助材、バインダーとの混合が困難となる傾向がある。
本発明の負極は導電助材を含有しても良い。
前記導電助材としては、特に限定されないが、炭素材料が好ましい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられる。これら炭素材料は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
前記導電助材の量は、負極活物質100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下が好ましい。より好ましくは2重量部以上7重量部以下であり、上記範囲であれば、負極の導電性が確保され、また、後述のバインダーとの接着性も維持されるため、集電体との接着性が十分となり、高いエネルギー密度が得られる。
本発明の負極はバインダーを含有しても良い。
前記バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミドおよびそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、またこれらを混合して用いても良い。バインダーは負極の作製しやすさから、非水溶媒または水に、溶解または分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、およびテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
前記バインダーの量は、負極活物質100重量部に対して1重量部以上10重量部以下が好ましい。より好ましくは2重量部以上7重量部以下であり、上記範囲であれば、負極活物質と導電助材との接着性が維持され、後述の集電体との接着性が十分となり、優れたサイクル安定性が得られる。
本発明の負極は、作製方法の容易さから、負極活物質、導電助材、バインダーおよび溶媒でスラリーを作製し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去する方法が好ましい。
本発明の集電体は、0.3V(vs.Li+/Li)以上2.0V(vs.Li+/Li)以下で安定な金属材料、例えば、銅、SUS、ニッケル、チタン、アルミニウムおよびそれらの合金が好ましく、安定性が高いことからアルミニウムであることが特に好ましい。アルミニウムは、正極および負極の電極反応雰囲気下で安定であることから、特に限定されないが、JIS規格1030、1050、1085、1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウムであることが好ましい。
前記集電体は、アルミニウム以外の金属材料(銅、SUS、ニッケル、チタン、およびそれらの合金)の表面にアルミニウムを被覆したものも用いることができる。
前記集電体の表面粗度Raは、0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。0.05μm未満であると、電極との接着性が低下する場合があり、0.5μmより大きいと、電極を均一に形成することが困難となる場合がある。なお、表面粗度Raは、光波干渉式表面粗さ測定器を用いて測定できる。
前記集電体の電気抵抗は、5μΩ・cm以下であることが好ましい。5μΩ・cmより高い場合は、電池の性能が低下する恐れがある。電気抵抗は、四端子法で測定することができる。
前記集電体の厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。10μm未満では作製の観点から取り扱いが困難となる場合があり、100μmより厚い場合は経済的観点から不利になる場合がある。
前記スラリーの作製には、特に限定されないが、負極活物質、導電助材、バインダー、および溶媒を均一に混合できることから、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。前記スラリーは、特に限定されないが、負極活物質、導電助材、およびバインダーを混合した後に溶媒を加えて作製してもよいし、負極活物質、導電助材、バインダー、および溶媒を一緒に混合して作製してもよい。
前記スラリーの固形分濃度は、30wt%以上80wt%以下であることが好ましい。30wt%未満の場合、スラリーの粘度が低すぎる傾向があり、一方、80wt%より高い場合は、スラリーの粘度が高すぎる傾向があるため、後述の電極の形成が困難となる場合がある。
前記スラリーに用いる溶媒は、非水溶媒、あるいは水であることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、およびテトラヒドロフランなどを挙げることができる。また、これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。
前記集電体上への負極の形成は、特に限定されないが、例えば上記スラリーをドクターブレード、ダイコータ、コンマコータ等により塗布した後に、溶剤を除去する方法、あるいはスプレーにより塗布した後に溶剤を除去する方法が好ましい。溶媒を除去する方法は、オーブンや真空オーブンを用いた乾燥が簡単であり好ましい。雰囲気としては室温、あるいは高温とした空気、不活性ガス、真空状態などが挙げられる。負極の形成は、正極を形成する前でも、後でもよい。また、負極作製後、ロールプレス機などを用いて負極を圧縮させてもよい。前記電極の圧縮は、正極を形成する前でも、後でもよい。
本発明において、負極の厚みは、10μm以上400μm以下であることが好ましい。10μm以下では、所望の容量を得ることが難しい場合があり、400μmより厚い場合は、所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。
本発明の負極は、密度が0.8g/cm以上4.0g/cm以下であることが好ましい。0.8mg/cm未満であれば、チタン酸リチウム、導電助材との接触が不十分となり電子伝導性が低下する場合がある。4.0g/cmより大きい場合は、後述の電解液が負極内に浸透しにくくなり、リチウム伝導性が低下する場合がある。負極は、所望の厚み、密度まで圧縮させてもよい。圧縮は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いて行うことができる。電極の圧縮は、後述の正極を形成する前でも、後でもよい。
本発明の負極は、1cmあたりの電気容量が0.5mAh以上5.0mAh以下であることが好ましい。0.5mAh未満である場合は所望する容量の電池の大きさが大きくなる場合があり、一方、5.0mAhより多い場合は所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。
なお、負極の1cmあたりの電気容量の算出は、負極作製後、リチウム金属を対極とした半電池を作製した後に、充放電特性を測定することによって算出できる。
本発明の負極1cmあたりの電気容量は、特に限定されないが、集電体単位面積あたりに形成させる負極の重量で制御する方法、例えば、前述の負極塗工時の塗工厚みで制御することができる。
<2.非水電解質>
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質、ポリエチレンオキシド、ポロプロピレンオキシドなどの高分子固体電解質あるいはサルファイドガラス、オキシナイトライドなどの無機固体電解質を用いることができる。
前記非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/または鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルなどが例示される。また、上記に加えアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質を溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。
前記溶質は、特に限定されないが、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCFSO、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SOCFなどは溶媒に溶解しやすいことから好ましい。電解液に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。0.5mol/L未満では所望のリチウムイオン伝導性が発現しない場合があり、一方、2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合がある。非水電解質には、難燃剤、安定化剤などの添加剤が微量含まれてもよい。
前記非水電解質の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上であることが好ましい。0.1mL未満の場合、電極反応に伴うリチウムイオンの伝導が追いつかず、所望の電池性能が発現しない場合がある。非水電解質は、あらかじめ正極、負極およびセパレータに含ませても良いし、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを捲回、あるいは積層した後に添加しても良い。
<3.アミン化合物>
本発明のアミン化合物は、第一級及び/または第二級アミン化合物を使用し、それらを2種以上混合して用いてもよい。
本発明で使用される、負極にチタン酸リチウムを含む非水電解質二次電池は、サイクル試験を行うと、負極付近で電池内に含まれる水の分解による水素ガスが発生する。さらに、ある程度試験を継続すると、電解液が酸化還元分解されてガス(炭酸ガス)が発生する。これらの発生したガスを電池内に放置すると、そのガスの存在自体により電池性能が低下し、結果的にサイクル寿命が短くなることとなる。
そこで、非水電解質が第一級及び/または第二級アミン化合物を含むことにより、上述の炭酸ガスをアンモニウム炭酸塩として捕捉することができ、さらに、これらのアミン化合物は、電池の充電時に負極の表面に吸着し保護膜を形成するために、水素発生を抑制する働きもあり、全体として、電池内にガスが滞留しないので、電池性能の低下が抑制され、結果的に、サイクル寿命が向上する。前記アミン化合物は電解液中に溶解して存在するため、ガス吸収効率が高く、また、電池反応を阻害するようなことも無い。
なお、第三級アミン化合物は炭酸ガスと反応してアンモニウム炭酸塩を形成することが難しいため、サイクル寿命の向上の効果が見られない。
本発明の第一級アミン化合物は式(I)で示され、
−NH (I)
式(I)のRは、特に限定されるものではないが、アルキル基、アリール基、アミノ基等が挙げられ、ハロゲンや酸素を含んでいてもよい。具体例として、メチルアミン、エチルアミン、アニリン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノルアドレナリン、フェネチルアミン、トルイジン、ベンジジンが挙げられる。
本発明の第二級アミン化合物は式(II)で示され、
−NH−R (II)
式(II)のRおよびRは、特に限定されるものではないが、アルキル基、アリール基、アミノ基等が挙げられ、ハロゲンや酸素を含んでいてもよい。具体例として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、アドレナリン、モルホリンが挙げられる。
とRは同じ基でも異なる基でもどちらでもよい。
本発明の第一級及び/または第二級アミン化合物は、上述の非水電解質に0.01以上10wt%以下添加することが好ましい。0.01wt%よりも少ない場合、発生ガスを十分に捕捉することが難しく、所望のサイクル特性が発現しない場合がある。一方、10wt%よりも多い場合、非水電解質のイオン伝導性が悪くなってしまう場合がある。
本発明のアミン化合物は、上述の非水電解質を作製した後に添加してもよいし、溶質を非水溶媒に溶解させるときに同時に添加してもよい。
本発明のアミン化合物は、イオン液体であってもよく、特に限定されるものではないが、例えば、1−エチル−3メチルイミダゾリウムアミノアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(S)−2−アミノプロピネートが挙げられる。
<4.非水電解質二次電池>
本発明の非水電解質二次電池は、負極、正極、セパレータ、および非水電解質を備え、負極として、上述の負極を使用する。また、非水電解質に上述の非水電解質を使用する。
本発明の非水電解質二次電池に用いる正極に含まれる正極活物質としては、特に限定されないが、リチウム遷移金属化合物であればよく、リチウムコバルト化合物、リチウムマンガン化合物、リチウム鉄化合物などが例示される。中でもサイクル安定性から、リチウムマンガン化合物が好ましい。また、遷移金属は1種類に限定されず、2種類以上であってもよい。例えば、リチウムコバルトニッケルマンガン化合物、リチウムニッケルマンガン化合物などが挙げられる。また、リチウム遷移金属化合物の安定性を向上する効果が高いことから、例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタンなどの元素が微量ふくまれていてもよい。
リチウムマンガン化合物としては、例えば、LiMnO、LiMn1−b(0<a≦2、0≦b≦0.5、1≦c≦2、Mは2〜13族でかつ第3、4周期に属する元素、Nは14〜16族でかつ第3周期に属する元素)、Li1+xMn2―x―y(0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)で表されるリチウムマンガン化合物が挙げられる。ここでのMは、2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素から選ばれる少なくとも1種であるが、安定性向上の効果が大きい点から、Al、Mg、Zn、Ni、Co、FeおよびCrが好ましく、Al、Mg、Zn、NiおよびCrがより好ましく、Al、Mg、ZnおよびNiがさらに好ましい。また、ここでのNは安定性向上の効果が大きい点から、Si、PおよびSが好ましい。
中でも、正極活物質の安定性が高いことから、Li1+xMn2―x―y(0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)で表されるリチウムマンガン化合物であることが特に好ましい。x<0の場合は、正極活物質の容量が減少する傾向がある。また、x>0.2の場合は炭酸リチウムなどの不純物が多く含まれるようになる傾向がある。y=0の場合は、正極活物質の安定性が低くなる傾向がある。また、y>0.6の場合はMの酸化物などの不純物が多く含まれる傾向がある。
Li1+xMn2―x―y(0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)は、スピネル構造であることが好ましい。スピネル構造の場合、リチウムイオンの挿入・脱離の反応における活物質の膨張収縮が小さいので好ましい。
Li1+xMn2―x―y(0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)は、CuKαによる粉末X線回折の(400)面の半値幅が0.5°以下であることが好ましい。0.5°より大きいと、正極活物質の結晶性が低いため、電極の安定性が低下する場合がある。
Li1+xMn2―x―y(0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)は、X線回折によるリートベルト解析法による8aサイトに占めるリチウム含有率は、90%以上であることが好ましい。90%未満であると、正極活物質の結晶中の欠陥が多いため、電極の安定性が低下する場合がある。
Li1+xMn2―x―y(0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)の粒子径は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上30μm以下であることは取り扱いの観点からさらに好ましい。ここでの粒子径はSEM、TEM像から各粒子の大きさを測定し、平均粒子径を算出した値である。
Li1+xMn2―x―y(0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)の比表面積は、0.1m/g以上50m/g以下であることは所望の出力密度を得やすいことから好ましい。比表面積はBET法での測定により算出できる。
Li1+xMn2―x―y(0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)の嵩密度は、0.2g/cm以上2.0g/cm以下であることが好ましい。0.2g/cm未満の場合では後述のスラリー作製時に多量の溶媒が必要となるため経済的に不利となり、2.0g/cmより大きい場合では上述の導電助材、バインダーとの混合が困難となる傾向がある。
Li1+xMn2―x―y(0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選ばれる少なくとも1種)は、リチウム化合物、マンガン化合物、Mの化合物を500℃以上、1500℃以下で加熱処理することによって得ることができる。500℃未満、または1500℃より高いと、所望の構造をした正極活物質を得ることができない場合がある。加熱処理は、リチウム化合物、マンガン化合物、およびMの化合物を混合して加熱処理をしてもよいし、マンガン化合物とMの化合物とを加熱処理した後に、リチウム化合物と加熱処理してもよい。正極活物質の結晶性を向上させるため、加熱処理後、再び500℃以上、1500℃以下で再加熱処理してもよい。再加熱処理の温度は、最初におこなった温度と同じでもよいし、違っていてもよい。加熱処理は、空気存在下でもよいし、窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスの存在下でおこなってもよい。加熱処理には、特に限定されないが、例えば、箱型炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を用いることができる。
前記リチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、ハロゲン化リチウムなどを用いることができる。これらリチウム化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
前記マンガン化合物としては、例えば、二酸化マンガン等のマンガン酸化物、炭酸マンガン、硝酸マンガン、マンガン水酸化物などを用いることができる。これらマンガン化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
前記Mの化合物としては、例えば、炭酸化物、酸化物、硝酸化物、水酸化物、硫酸化物などを用いることができる。Li1+xMn2―x―yに含まれるMの量は、加熱処理時におけるMの化合物の量で制御することができる。Mの化合物は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
前記リチウム化合物、マンガン化合物およびMの化合物の配合比は、リチウム、マンガンおよびMの原子比をそれぞれ1+x(リチウム)、2−x−y(マンガン)、およびy(M)、但し、0≦x≦0.2、0<y≦0.6を満たす範囲で選択される。例えば、Mn/Liの原子比1.5の正極活物質を作製する場合、原料の性状や加熱条件によって前記配合比1.5前後で多少の幅をもたせてもよい。
本発明の非水電解質二次電池に用いられる正極活物質の表面は、導電性向上、あるいは安定性向上のため、炭素材料、金属酸化物、あるいは高分子等で覆われてもよい。
前記正極には、導電助材およびバインダーを、前述に記載した種類および組成で用いることができる。
本発明の正極に用いる集電体はアルミニウムが好ましく、前述に記載したアルミニウムの種類を用いることができる。
前記正極の製造方法としては、前述の負極の作製方法と同様の方法を用いることができる。正極活物質、導電助剤、及びバインダーの混合物を上記集電体上に塗工することによって製造する方法が挙げられるが、製造方法の容易さから、前記混合物および溶媒でスラリーを製造し、得られたスラリーを集電体上に塗工した後に、溶媒を除去することによって正極を製造する方法が好ましい。
本発明において、正極の厚みは、10μm以上400μm以下であることが好ましい。10μm以下では、所望の容量を得ることが難しい場合があり、400μmより厚い場合は、所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。
本発明の正極は、密度が0.8g/cm以上4.0g/cm以下であることが好ましい。0.8mg/cm未満であれば、正極活物質、導電助材との接触が不十分となり電子伝導性が低下する場合がある。4.0g/cmより大きい場合は、後述の電解液が負極内に浸透しにくくなり、リチウム伝導性が低下する場合がある。正極は、所望の厚み、密度まで圧縮させてもよい。圧縮は、特に限定されないが、例えば、ロールプレス、油圧プレス等を用いて行うことができる。電極の圧縮は、前述の負極を形成する前でも、後でもよい。
本発明の正極の1cmあたりの電気容量は0.5mAh以上3.0mAh以下であることが好ましい。0.5mAh未満である場合は所望する容量の電池の大きさが大きくなる傾向があり、一方、3.0mAhより大きい場合は所望の出力密度を得ることが難しくなる傾向がある。
なお、正極の1cmあたりの電気容量の算出は、正極作製後、リチウム金属を対極とした半電池を作製した後に、充放電特性を測定することによって算出できる。
本発明の正極1cmあたりの電気容量は、特に限定されないが、集電体単位面積あたりに形成させる正極の重量で制御する方法、例えば、前述の正極塗工時の塗工厚みで制御することができる。
本発明の非水電解質二次電池は、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを捲回したものであってもよいし、積層したものであってもよい。正極、負極、およびセパレータには、リチウムイオン伝導を担う非水電解質が含まれている。
本発明で用いるセパレータは、前述の正極と負極との間に設置され、電子伝導性がなくかつリチウムイオン伝導性を有する物質であればよく、例えば、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリポロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、およびそれらを2種類以上複合したものの織布、不織布、微多孔膜などが挙げられる。セパレータには、各種可塑剤、酸化防止剤、難燃剤が含まれてもよいし、金属酸化物等が被覆されていてもよい。
前記セパレータの厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。10μm未満の場合、正極と負極との接触する場合があり、100μmより厚い場合は電池の抵抗が高くなる場合がある。経済性、取り扱いの観点から、15μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の非水電解質二次電池の正極及び負極は、集電体の両面に同じ電極を形成させた形態であってもよく、集電体の片面に正極、一方の面に負極を形成させた形態、すなわちバイポーラ電極であってもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、上記積層体を捲回、あるいは複数積層した後にラミネートフィルムで外装してもよいし、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形の金属缶で外装してもよい。外装には発生したガスを放出するための機構が備わっていてもよい。積層体の積層数は、所望の電圧値、電池容量を発現するまで積層させることができる。
本発明の非水電解質二次電池は、複数接続することによって組電池とすることができる。本発明の組電池は、所望の大きさ、容量、電圧によって適宜直列、並列に接続することによって作製することができる。また、各電池の充電状態の確認、安全性向上のため、前記組電池に制御回路が付属されていることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(実施例1)
(負極の作製)
負極活物質のLiTi12は、文献(Journal of Electrochemical Sosiety,142,1431(1995))に記載されている方法で製造した。
すなわち、まず二酸化チタンと水酸化リチウムを、チタンとリチウムとのモル比を5:4となるように混合し、次にこの混合物を窒素雰囲気下800℃で12時間加熱することによって負極活物質を得た。
得られた負極活物質を100重量部、導電助材(アセチレンブラック)を6.8重量部、およびバインダーとしてPVdF(固形分濃度12wt%、NMP溶液)を固形分換算で6.8重量部混合してスラリーを調製した。このスラリーをアルミニウム箔(20μm)に塗工した後に、150℃で真空乾燥することによって負極(50cm)を作製した。
なお、上記塗工は、アルミニウム箔の片面に実施して片面電極とする場合と、アルミニウム箔の両面に実施して両面電極とする場合との両方を実施し、両方の電極を作製した。
負極の容量は次の充放電試験で測定した。
アルミニウム箔の片面に負極スラリーを塗工して片面電極とした負極を16mmΦに打ち抜き動作極とし、リチウム金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ(セルガード社製#2500)/リチウム金属の順に試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=30/70vol%、LiPF1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、25℃、0.4mAで定電流放電(終止電圧:1.0V)および定電流充電(終止電圧:2.0V)を5回繰り返し、5回目の放電容量の結果を負極の容量とした。その結果、負極の容量は、2.5mAh/cmであった。
(正極の作製)
正極活物質のLi1.1Al0.1Mn1.8(LAMO)は、文献(Electrochemical and Solid−State Letters,9(12),A557(2006))に記載されている方法で製造した。
すなわち、二酸化マンガン、炭酸リチウム、水酸化アルミニウム、およびホウ酸の水分散液を調製し、スプレードライ法で混合粉末を得た。このとき、二酸化マンガン、炭酸リチウムおよび水酸化アルミニウムの量は、リチウム、アルミニウムおよびマンガンのモル比が1.1:0.1:1.8となるように調製した。次に、この混合粉末を空気雰囲気下900℃で12時間加熱した後、再度650℃で24時間加熱した。最後に、この粉末を95℃の水で洗浄後、乾燥させることによって正極活物質を得た。
得られた正極活物質を100重量部、導電助材(アセチレンブラック)を6.8重量部、およびバインダーとしてPVdF(固形分濃度12wt%、NMP溶液)を固形分換算で6.8重量部混合してスラリーを調整した。このスラリーをアルミニウム箔(20μm)に塗工した後に、150℃で真空乾燥することによって正極(50cm)を作製した。また、負極の場合と同様に片面電極及び両面電極の両方を作製した。
正極の容量は次の充放電試験で測定した。
アルミニウム箔の片面に正極スラリーを塗工して片面電極とした正極を16mmΦに打ち抜き動作極とし、リチウム金属を16mmΦに打ち抜き対極とした。これらの電極を用いて、動作極(片面塗工)/セパレータ(セルガード社製#2500)/リチウム金属の順に試験セル(HSセル、宝泉社製)内に積層し、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=30/70vol%、LiPF1mol/L)を0.15mL入れ、半電池を作製した。この半電池を25℃で一日放置した後、充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、25℃、0.4mAで定電流充電(終止電圧:4.5V)および定電流放電(終止電圧:3.5V)を5回繰り返し、5回目の放電容量の結果を正極の容量とした。その結果、正極の容量は、2.0mAh/cmであった。
(非水電解質の作製)
エチレンカービネート/ジメチルカーボネート=30/70vol%混合溶媒にLiPFを1mol/Lの割合で混合し、さらにアミン化合物であるエチレンジアミンを0.1wt%の割合で混合し、非水電解質を作製した。
(非水電解質二次電池の製造)
非水電解質二次電池を次のとおりに作製した。
最初に、前記作製した正極(両面塗工;50cm)13枚、負極(両面塗工;50cm)14枚を、セパレータを介して交互に積層した。セパレータには、セルロース不織布を使用した。次に、正極および負極にそれぞれアルミニウムタブを振動溶着させた後に袋状のアルミラミネートシートに入れ、前記作製した非水電解質5mlを添加し、減圧しながら封止することによって非水電解質二次電池を作製した。
(サイクル寿命試験)
作製した非水電解質二次電池を充放電装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、サイクル寿命試験を行った。サイクル寿命試験は、60℃、500mA定電流充電(充電終止電圧:2.7V)、および500mA定電流放電(放電終止電圧:2.0V)を1000回繰り返した。容量維持率(%)は、1000サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量×100とした。
(発生ガス量の測定)
前記アルミラミネートシートに、非水電解質二次電池を包囲する部分とは別に、発生したガスを貯蔵するガスポケットをあらかじめ形成し、前記非水電解質二次電池の電極及びセパレータを含む部分を、アルミラミネートシートの上から固定治具で押さえつけ、サイクル寿命試験中に発生するガスが、アルミラミネートシートのガスポケットに集積するようにした。
サイクル寿命試験中に発生したガス量は、ガスポケットの面積及び発生したガスにより膨れ上がったガスポケットの高さから計算した。なお、アルミラミネートシート封止時に電池内を完全真空状態にはできないため、サイクル寿命試験前のガスポケットは一定の体積を有しているとする。
(発生ガス中の炭酸ガスの割合)
サイクル寿命試験後に発生したガスを大気圧イオン化測定法で分析し、発生ガス中の炭酸ガスの割合を測定した。
1000サイクル後の容量維持率(%)、発生ガス量(mL)、発生ガス中の炭酸ガスの割合(%)は表1に示すとおりである。
(実施例2)
アミン化合物として、エチレンジアミンを8.0wt%の割合で混合し、非水電解質を作製したこと以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製し、評価した。
(実施例3)
アミン化合物としてジエチルアミンを5.0wt%の割合で混合し、非水電解質を作製したこと以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製し、評価した。
(実施例4)
正極活物質として、LiCoO(LCO)を用いた以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製し、評価した。
なお、LCOは文献(Journal of Electrochem.Soc,2972−2977,Vol141(1994))に記載されている方法で製造した。すなわち、炭酸リチウム、酸化コバルトをリチウムとコバルトのモル比が1:1となるように混合した。次に、この混合物を空気雰囲気下650℃で加熱した後に、再度850℃で加熱することによってLCOを得た。
(実施例5)
アミン化合物として、エチレンジアミンを8.0wt%の割合で混合し、非水電解質を作製したこと以外は、実施例4と同様に非水電解質二次電池を作製し、評価した。
(実施例6)
アミン化合物として、ジエチルアミンを5.0wt%の割合で混合し、非水電解質を作製したこと以外は、実施例4と同様に非水電解質二次電池を作製し、評価した。
(比較例1)
非水電解質にアミン化合物を混合せずに、非水電解質を作製したこと以外は、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製し、評価した。
(比較例2)
非水電解質にアミン化合物を混合せずに、非水電解質を作製したこと以外は、実施例4と同様に非水電解質二次電池を作製し、評価した。
Figure 2016157525
表1から明らかな通り、本発明の実施例1〜6の非水電解質二次電池は、比較例1、2の非水電解質二次電池よりも発生ガス量が少なくなり、かつサイクル寿命が向上している。これは、非水電解質中のアミン化合物により、発生した炭酸ガスが炭酸塩として捕捉されたことや、アミン化合物が負極の表面に吸着し保護膜を形成して水素ガスの発生が抑制されたことによる。また、表1によると、発生ガス中の炭酸ガスの割合は実施例1〜6が比較例1、2よりも低いことから、特に炭酸ガス捕捉の効果が大きいものと考えられる。

Claims (3)

  1. 負極活物質としてチタン酸リチウムを含む負極と、正極と、非水電解質と、を有する非水電解質二次電池であって、
    該非水電解質が第一級及び/または第二級アミン化合物を含むことを特徴とする、非水電解質二次電池。
  2. 前記第一級及び/または第二級アミン化合物が、非水電解質二次電池空間内で発生する炭酸ガスと反応してアミン炭酸塩を形成することを特徴とする、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記第一級及び/または第二級アミン化合物が、前記非水電解質に0.01〜10wt%含まれることを特徴とする、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
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