JP2016156871A - 電子写真用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電オフセット及び剥離オフセットを低減し、画質不良の少ない電子写真用部材を提供する。
【解決手段】シリコーンゴムを含む弾性層とフッ素樹脂を含む離型層とを備えた電子写真用部材であって、弾性層は導電性フィラーを含み、該導電性フィラーは、その誘電率εがシリコーンゴムのεよりも大きく、かつ、体積抵抗率が1.0×10−5Ω・cm以上1.0×1015Ω・cm以下であり、該弾性層と該離型層とに跨って炭素繊維が存在している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真用部材に関する。
例えば、複写機やプリンターなどの画像形成装置には、熱定着部材を含む像加熱定着装置が用いられている。
ここで、像加熱定着装置は、画像を担持した記録材を熱と圧力により加熱処理する装置である。そのような像加熱定着装置としては、記録材上の未定着トナー像を加熱処理して定着或いは仮定着する定着装置が挙げられる。
電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備される定着装置においては、トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回転するヒータ部を有する定着ローラと加圧ローラとで形成されるニップ部を通過させることにより、上記トナー像を記録材上に永久画像として定着させる、いわゆる加熱定着装置が広く用いられている。また、特にスタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く押さえた方法、詳しくはヒーター部と加圧ローラの間に薄肉のフィルムを介して記録材上のトナー像を加熱定着させるフィルム加熱方式による加熱定着装置がある。また、熱定着部材は、通常、耐熱性の基材の上に少なくとも弾性層と、フッ素樹脂プライマー層と、フッ素樹脂よりなる離型層を有する部材であり、像加熱定着装置における定着ローラ、定着用フィルム、加圧ローラ、搬送用ローラなどとして使用できるものである。
従来、複写機、プリンター、ファクシミリなどの像加熱定着装置に用いられるローラとしては、主としてシリコーンゴムなどを用いたゴムローラが弾性層として用いられている。またこれらゴムローラの表面には、離型層としてフッ素樹脂のコーティングが施されたものが用いられ、離型層と弾性層との間には接着性を維持するためにプライマーを有する中間層が具備されている。また、良好な画質を得るためにこれらの層を導電化することで静電オフセット、剥離オフセットを低減させる試みが行われている。
ここで静電オフセットとは、記録材上の未定着画像を構成するトナーが、電気的にフィルム部材表面に引き寄せられ、引き寄せられたトナーがフィルム部材表面に付着したまま、フィルム部材とともに回転し、加圧ローラ、又は再び記録材上に転写される現象である。
また、記録材には、画像が一部欠落した部分と、再転写された画像が定着される。また、記録材が定着ニップ部から排出される際に、記録材の後端が定着フィルムから剥離することにより剥離放電を起こす。記録材は、トナーを保持するようにトナーとは逆極性の電荷が与えられているため、剥離放電をおこした部分は、局所的に記録材と同極性、つまりトナーとは逆極性の電荷が与えられる。よってこの部分が、定着フィルムの他の部分に比べて、トナー電荷と逆極性の電荷を保持したまま次に搬送された記録材のトナー像を定着する。この結果、画像形成部で帯電されたトナー像は定着フィルムの局所的な逆極性の帯電によって画像が剥ぎ取られる。この現象が剥離オフセットである。
特許文献1には静電オフセットを防止するために、離型層中にカーボンブラック等の導電部材を混入させる技術が提案されている。
特許文献2にはプライマー層に炭素材料を混入させた定着部材が提案されている。また、特許文献3にはオフセットを低減する為に、熱定着部材部材にバイアス電圧を印加し、搬送された記録材Pがニップ部から排出されるタイミングでバイアス電圧をオフにする画像形成装置が提案されている。
しかし近年、印刷スピードの高速化、またユーザの厳しい省エネニーズを満たすための定着温度の低下に伴い、良好な画質を得るためには静電オフセットと剥離オフセット双方をより高いレベルで抑制させることが求められている。
特許第4054488号公報 特開2007−179009号公報 特開2013−105079号公報
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものである。その目的は、シリコーンゴムを含む弾性層とフッ素樹脂を含む離型層とを具備している電子写真用部材において、画質不良の原因となり得る静電オフセット及び剥離オフセットを抑制し、良好な画質を得ることのできる電子写真用部材および像加熱定着装置を提供しようとするものである。
本発明によれば、
シリコーンゴムを含む弾性層と、フッ素樹脂を含む離型層と、を備えた電子写真用部材であって、
該弾性層は導電性フィラーを含み、該導電性フィラーは、その誘電率εが該シリコーンゴムの誘電率εよりも大きく、その体積抵抗率が1.0×10−5Ω・cm以上1.0×1015Ω・cm以下であり、
該電子写真用部材は、さらに、該弾性層と該離型層との両方に跨って存在している炭素繊維の1本以上を有している電子写真用部材が提供される。
また、本発明によれば、電子写真用部材を定着部材として具備するとともに、該定着部材のヒータと、該定着部材と対向して配置されている加圧部材と、を具備している像加熱定着装置が提供される。
本発明に係る電子写真用部材によれば、シリコーンゴムを含む弾性層とフッ素樹脂を含む離型層との界面に、両層に跨って存在している1本以上の炭素繊維が存在する。以降、かかる炭素繊維を、「界面フィラー」ということもある。ここで、1本の炭素繊維が弾性層と離型層の両層に跨って存在しているとは、1本の炭素繊維について見たときに、当該炭素繊維の一端が弾性層中に存在し、他端が離型層中に存在していることをいう。
この界面フィラーは、弾性層中に含まれる導電性フィラー(以降、「弾性層フィラー」ということもある)近傍に存在できる。このため熱定着部材は静電容量の大きい形態となり、未定着画像を構成するトナーを電気的に反発する作用を有し静電オフセットを抑制し得る。更に、弾性層は導電性フィラーを有し、界面フィラーとしての繊維状の炭素材料が弾性層内に一部侵入した形態により、トナーを引き寄せる要因となり得る剥離帯電を速やかに減衰させ得る。従って、本発明によれば、単純にフッ素樹脂を含む離型層又はプライマー層に導電材料を混入させた熱定着部材に比べ、良好な画質を得ることのできる電子写真用部材が提供される。
(a)は本発明に係る電子写真用部材の製造方法を説明する断面斜視図、(b)は本発明に係る電子写真用部材(例えば、定着フィルム)の層構成を示す断面斜視図である。 (a)は画像形成装置の構成の一例を示す模式図、(b)は像加熱定着装置の概略を示す横断面模式図である。 は本発明に係る電子写真用部材を作製するためのリングコート塗布機の模式図である。
(1)画像形成装置
図2(a)は、本発明に係る電子写真用部材の一使用例である定着部材としての定着フィルムを用いた像加熱定着装置114を、記録材上の未定着トナー像を加熱処理して定着する定着装置として搭載した画像形成装置100の一例の構成を示す模式図である。この画像形成装置100は電子写真方式を用いたカラープリンタである。画像形成装置100は、パーソナルコンピュータ、イメージリーダー等の外部ホスト装置200から画像形成装置側の制御回路部(制御手段)101に入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(記録メディア)としてのシート状の記録材Pにカラー画像形成を行う。制御回路部101はCPU(演算部)、ROM(記憶手段)などを含み、ホスト装置200や画像形成装置100の操作部(不図示)との間で各種の電気的な情報の授受を行う。また、制御回路部101は画像形成装置100の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
Y、C、M、Kは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの色トナー画像を形成する4つの画像形成部であり、図2(a)に示す画像形成装置内において下から上に順に配列されている。各画像形成部Y、C、M、Kは、それぞれ、像担持体としての電子写真感光体ドラム51と、このドラム51に作用するプロセス手段としての、帯電装置52、現像装置53、クリーニング装置54等を有している。イエローの画像形成部Yの現像装置53には現像剤としてイエロートナーが収容されている。シアンの画像形成部Cの現像装置53には現像剤としてシアントナーが収容されている。マゼンタの画像形成部Mの現像装置53には現像剤としてマゼンタトナーが収容されている。ブラックの画像形成部Kの現像装置53には現像剤としてブラックトナーが収容されている。
ドラム51に露光を行うことにより静電潜像を形成する光学系55が上記4色の画像形成部Y、C、M、Kに対応して設けられている。光学系としては、レーザー走査露光光学系を用いている。各画像形成部Y、C、M、Kにおいて、帯電装置52により一様に帯電されたドラム51に対して光学系55より画像データに基づいた走査露光がなされる。これにより、ドラム面に走査露光画像パターンに対応した静電潜像が形成される。それらの静電潜像が現像装置53によりトナー画像として現像される。即ち、イエローの画像形成部Yのドラム51にはフルカラー画像のイエロー成分像に対応したイエロートナー画像が形成される。シアンの画像形成部Cのドラム51にはフルカラー画像のシアン成分像に対応したシアントナー画像が形成される。マゼンタの画像形成部Mのドラム51にはフルカラー画像のマゼンタ成分像に対応したマゼンタトナー画像が形成される。ブラックの画像形成部Kのドラム51にはフルカラー画像のブラック成分像に対応したブラックトナー画像が形成される。
各画像形成部Y、C、M、Kのドラム51上に形成された上記の色トナー画像は各ドラム51の回転と同期して、略等速で回転する中間転写体56上へ所定の位置合わせ状態で順に重畳されて一次転写される。これにより中間転写体56上に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。本画像形成装置においては、中間転写体56として、エンドレスの中間転写ベルトを用いており、駆動ローラ57、二次転写ローラ対向ローラ58、テンションローラ59の3本のローラに巻きかけて張架してあり、駆動ローラ57によって駆動される。各画像形成部Y、C、M、Kのドラム51上からベルト56上へのトナー画像の一次転写手段としては、一次転写ローラ60を用いている。ローラ60に対して不図示のバイアス電源よりトナーと逆極性の一次転写バイアスを印加する。これにより、各画像形成部Y、C、M、Kのドラム51上からベルト56に対してトナー画像が一次転写される。
各画像形成部Y、C、M、Kにおいてドラム51上からベルト56への一次転写後、ドラム51上に転写残として残留したトナーはクリーニング装置54により除去される。上記工程をベルト56の回転に同調して、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対して行い、ベルト56上に、各色の一次転写トナー画像を順次重ねて形成していく。なお、単色のみの画像形成(単色モード)時には、上記工程は、目的の色についてのみ行われる。一方、記録材カセット61内の記録材Pが給送ローラ62により所定のタイミングで一枚分離給送される。そして、その記録材Pがレジストローラ63により所定のタイミングで、二次転写ローラ対向ローラ58に巻きかけられている中間転写ベルト部分と二次転写ローラ64との圧接部である転写ニップ部に搬送される。ベルト56上に形成された一次転写合成トナー画像は、二次転写ローラ64に不図示のバイアス電源より印加されるトナーと逆極性のバイアスにより、記録材P上に一括転写される。二次転写後にベルト56上に残留した二次転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置65により除去される。
記録材P上に二次転写された未定着トナー画像は、定着装置114により記録材P上に溶融混色定着され、フルカラープリントとして排紙パス66を通って排紙トレイ67に送り出される。
(2)像加熱定着装置
図2の(b)は本発明に係る電子写真用部材を定着部材の定着フィルムとして用いた像加熱定着装置114の要部の横断面を示す模式図である。ここで、以下の説明において、像加熱定着装置及びこの像加熱定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。長さとは長手方向の寸法である。
図2(b)に示す像加熱定着装置114は、基本的には公知技術であるいわゆるテンションレスタイプのフィルム加熱方式の像加熱定着装置である。このタイプのフィルム加熱方式の像加熱定着装置は、定着部材として、可撓性を有するエンドレスベルト状若しくは円筒状の耐熱性の定着フィルム2を用いている。そして、この定着フィルム2の周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、定着フィルム2は加圧ローラ(加圧回転体)6の回転駆動力で回転駆動するようにした装置である。本発明に係る電子写真用部材は、定着部材を構成する定着フィルム2として用いられている。
図2(b)において、加熱体支持部材兼フィルムガイド部材としてのステー1は、その長手方向(図面に垂直方向)に長い、横断面が略半円形の樋の形状をなす、耐熱樹脂製の剛性部材である。本像加熱定着装置では、ステー1の材料として高耐熱性の液晶ポリマーを用いた。また、ステー1の長手方向の中央部の近傍には、ヒータ3に接触するように配置されるサーミスタ(温度検知素子)5を収納する孔1bが溝部1aと連通させて設けてある。ヒータ3は、本像加熱定着装置においては、所謂セラミックスヒータであり、ステー1の下面において短手方向中央にステー1の長手方向(図面に垂直方向)に沿って設けられた溝部1a内に嵌入させて固定支持させてある。定着部材としての、可撓性を有し、耐熱性に優れた円筒状の耐熱性の定着フィルム2は、ヒータ3を支持させたステー1の外周に、周長に余裕を持たせてルーズに外嵌されている。さらに定着フィルム2の内周面(内面)には、ヒータ3との摺動性を向上させるためにグリスが塗られている。上記のステー1、ヒータ3、定着フィルム2等により加熱アセンブリ4が構成されている。バックアップ部材としての加圧ローラ(加圧部材)6は、本像加熱定着装置では、鉄、ステンレス、アルミ等の丸軸の芯金6a上に、耐熱性弾性層6bとして、シリコ−ン発泡体を被覆し、さらにその上に離型層6cとしてフッ素樹脂チューブを被覆したものである。加圧ローラ6はステー1に保持されているヒータ3と定着フィルム2を挟んで対向している。そして、加圧機構(不図示)によりステー1と加圧ローラ6の間には所定の圧力が掛けられている。この圧力によりローラ6の弾性層6bが定着フィルム2を挟んでヒータ3に沿って長手方向に弾性変形する。これによってローラ6は定着フィルム2を挟んでヒータ3と記録材Pが担持する未定着トナー画像Tの加熱定着に必要な所定幅のニップ部(定着ニップ部)Nを形成する。
加圧ローラ6は、少なくとも画像形成実行時には、制御回路部101で制御されるモータ(駆動手段)Mによって所定の速度で矢印の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ6の回転による加圧ローラ6と定着フィルム2とのニップ部Nにおける摩擦力で定着フィルム2に回転力が作用する。これにより、定着フィルム2は、その内面がニップ部Nにおいてヒータ3の面に密着して摺動しながら矢印の時計方向にステー1の外回りを加圧ローラ6の回転周速度にほぼ対応した周速度で回転する。即ち、画像転写部側から搬送されてくる、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で回転される。
また、ヒータ3は電源装置102から電力が供給されて昇温する。そのヒータ3の温度がサーミスタ5で検知される。その検知温度情報が制御回路部101にフィードバックされる。制御回路部101はサーミスタ5から入力する検知温度が所定の目標温度(定着温度)に維持されるように電源装置102からヒータ3に入力する電力を制御する。ヒータ3が所定の定着温度に立ち上げられて温調され、またローラ6が回転駆動されている状態において、ニップ部Nに、未定着トナー画像Tを有する記録材Pがそのトナー画像担持面側を定着フィルム2側にして導入される。記録材Pはニップ部Nにおいて定着フィルム2の外面に密着して定着フィルム2と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。これにより、記録材Pに対してヒータ3の熱が定着フィルム2を介して付与され、またニップ部Nの加圧力が付与されて、未定着トナー画像Tが記録材Pの表面に熱圧定着される。ニップ部Nを通った記録材Pは定着フィルム2の外周面から自己分離して定着装置外へ搬送される。
図2(b)において、41は定着フィルム2に直流のバイアス電圧としてのトナーと同極性、或いはトナーと逆極性の定着バイアス電圧を印加するための電源である。42は電源41から供給された定着バイアス電圧を定着フィルム2に給電する為の給電ブラシである。定着バイアス電圧のオンオフは所定のタイミングで行われる。所定のタイミングとは、記録材Pの先端が、センサ(不図示)を切ってからニップ部Nに到達するまでの時間経過後のタイミングでオンし、そして記録材Pの後端がニップ部Nから抜けるタイミングでオフするように電源41をエンジンコントローラ43が制御する。
(3)定着フィルムの構成
図1(b)は、上記の定着装置114における定着部材である定着フィルム2の一部分の層構成を示した断面斜視図である。2Aは定着フィルム2の基材であり、金属乃至耐熱性樹脂よりなる無端状のベルト部材である。定着フィルム2は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、総膜厚が薄いほど良く、基材2Aの厚みも薄いほど、定着装置114のクイックスタートに有利となる。しかし、薄すぎると強度が不十分となることから、基材2Aの厚みとしては、20〜100μmであることが望ましい。
また、基材2Aの外周面には、弾性層2Bが形成されている。弾性層2Bは、記録材Pや未定着トナー画像Tの凹凸に追従して包み込むようにして、ヒータ3からの熱を記録材Pや未定着トナー画像Tへ伝える役割を有する。弾性層2Bの材料としては高熱伝導性フィラー2Eを混ぜた耐熱性のゴムを用いることができる。ここで、高熱伝導性フィラーとは、熱伝導率が10W/mK以上のフィラーを指し、好ましくは20W/mK以上のフィラーを用いることができる。熱伝導率は例えば、ホットディスク法により測定可能であり、熱伝導率が高く、更には弾性層2Bの膜厚が薄いほど定着装置114のクイックスタートに有利となる。しかし、薄すぎると記録材Pやトナーを包み込む効果がうすれるため、弾性層2Bの層厚としては50μm〜1mmの範囲内であることが良く、より望ましくは80μm〜300μmに形成することが望ましい。
定着フィルム2の最表層は離型層2Dであり、記録材P上のトナーTがオフセットしないように良好な離型性を有するフッ素樹脂よりなる。また、弾性層2Bと離型層2Dの間には、好適には、中間層(不図示)とプライマー層(不図示)が設けてある。
さらに、弾性層2Bと離型層2Dの間には両層に跨って炭素繊維フィラー2Cが設けてある。
(3−1)基材2A
基材2Aとしては、SUS、ニッケル、ニッケル合金などの金属の他に、耐熱性、強度、耐久性等のある熱硬化性樹脂であるポリイミド、ポリアミドイミドなどを使用できる。
(3−2)弾性層2B
弾性層2Bはシリコーンゴムを含む。特にシリコーンゴムの中でも付加硬化型シリコーンゴムは加工性の観点から最も多く使用されている。
(3−2−1)シリコーンゴム
一般に、付加硬化型シリコーンゴムは、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、及び架橋触媒として白金化合物を含む。
上記の不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンの例は以下のものを含む。(a)分子両末端がR1R2SiO1/2で表され、中間単位がR1SiO及びR1R2SiOいずれか一方又は両方で表される直鎖状オルガノポリシロキサン。(b)中間単位にR1SiO3/2及びSiO4/2いずれか一方又は両方が含まれる分岐状ポリオルガノシロキサン。
ここで、R1はケイ素原子に結合した、脂肪族不飽和基を含まない1価の非置換又は置換炭化水素基を表す。具体例は、以下のものを含む。(c)アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)。(d)アリール基(フェニル基等)。(e)置換炭化水素基(例えば、クロロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−シアノプロピル、3−メトキシプロピル等)。特に、合成や取扱いが容易で、優れた耐熱性が得られることから、R1の50%以上がメチル基であることが好ましく、すべてのR1がメチル基であることが特に好ましい。また、R2はケイ素原子に結合した不飽和脂肪族基を表しており、ビニル、アリル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニルが例示され、合成や取扱いが容易で、架橋反応も容易に行われることから、ビニルが好ましい。
また、上述したケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンは白金化合物の触媒作用により、上記の不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のアルケニル基との反応によって架橋構造を形成させる架橋剤である。ケイ素原子に結合した水素原子の数は、1分子中に平均3個を越える数である。ケイ素原子に結合した有機基としては、上記の不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のR1と同じ範囲である非置換又は置換の1価の炭化水素基が例示される。特に、合成及び取扱いが容易なことから、メチル基が好ましい。ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの分子量は特に限定されない。また、当該オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、好ましくは10mm/s以上100,000mm/s以下、さらに好ましくは15mm/s以上1,000mm/s以下の範囲である。保存中に揮発して所望の架橋度や成形品の物性が得られないということがなく、また合成や取扱いが容易で、系に容易に均一に分散させることができるからである。
シロキサン骨格は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでも差支えなく、これらの混合物を用いてもよい。特に合成の容易性の観点から、直鎖状のものが好ましい。Si−H結合は、分子中のどのシロキサン単位に存在してもよいが、少なくともその一部が、R1HSiO1/2単位のような分子末端のシロキサン単位に存在することが好ましい。
付加硬化型シリコーンゴムとしては、不飽和脂肪族基の量が、ケイ素原子1モルに対して0.1モル%以上2.0モル%以下であるものが好ましい。特には、0.2モル%以上1.0モル%以下である。
また、不飽和脂肪族基に対する活性水素の数の割合が、0.3以上0.8以下となるような割合で配合されていることが好ましい。不飽和脂肪族基に対する活性水素の数の割合は水素核磁気共鳴分析(例えば、1H−NMR(商品名:AL400型FT−NMR;日本電子株式会社製))を用いた測定により定量・算出することができる。不飽和脂肪族基に対する活性水素の数の割合が上記数値範囲内とすることで、硬化後のシリコーンゴム層の硬度を安定なものとすることができ、また、硬度の過度の上昇を抑えられる。
このように、本発明においては弾性層2Bの材料としては付加硬化型シリコーンゴムが好適に使用できる。
(3−2−3)弾性層2B中の導電性フィラー(弾性層フィラー)
弾性層2Bのゴム材料中に混ぜる導電性フィラー2Eとしては、アルミナ、酸化亜鉛、炭化ケイ素、金属ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などが熱伝導率、及び帯電減衰の点から望ましく、これらを単独ないし混ぜて用いることができる。特にコスト及び、クイックスタート性の観点より、低熱容量の金属ケイ素、炭化ケイ素が好適に選択される。
(3−3)中間層
弾性層2Bと離型層2Dとの間には、離型層2Dを接着させるための中間層(不図示)を設けることが好適である。中間層の材料は、フッ素樹脂と芳香族ポリイミド樹脂の混合物を用いることができる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)であることが望ましい。芳香族ポリイミド樹脂材料の具体例としては、例えば、ポリピロメリット酸イミド系のポリイミド樹脂材料、ポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料などの熱硬化性樹脂、ポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド系樹脂材料、ポリエーテルイミド樹脂などの熱可塑性ポリイミド樹脂を挙げることができる。
(3−4)離型層2D
離型層2Dはフッ素樹脂から構成され、フッ素樹脂は結晶性フッ素樹脂を含むフッ素樹脂混合物からなる。このため、フッ素樹脂は溶剤に不溶である。そのため、フッ素樹脂としてはフッ素樹脂の微小粉体を水などの溶媒に分散させた分散液(塗工液)にして使用する。
結晶性フッ素樹脂は高耐熱かつ高耐久性を有し、一般に融点は200℃以上であるが、本発明の定着部材に用いる場合には、連続使用で200℃以上に耐えられることが好ましい。通例、高分子では融点以下の温度でも部分的な溶融がおきており、融点を中心にして上下に樹脂の溶融する温度域が幅をもって存在しているため、連続的な使用に耐える狙いとしては、融点が250℃以上であることが好ましい。
具体的なフッ素樹脂としては、PFA(テトラフロロエチレンとパーフロロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体樹脂)、FEP(テトラフロロエチレンとヘキサフロロプロピレンとの共重合体樹脂)、それらの共重合体、及びそれらを変性させた樹脂であれば用いることができる。特に、PFAは融点が280℃〜320℃であり、非常に良好な耐熱性を有し、加工性も良いことから本発明に用いるフッ素樹脂としては最適な材質である。
(4)定着フィルムの製造方法
(4−1)弾性層2Bの形成
予めプライマー処理された基材2Aの上に弾性層2Bを形成する。弾性層2Bを形成する方法としては、リングコート法を用いることができる。
リングコート法を実施するために使用する塗布機の概略を図3に示す。リングコート法は基材2A上に弾性層2Bとなるシリコーンゴム層を形成する工程の一例である。図3を参照しつつ、所謂リングコート法を説明する。断面が真円であり、その円の長さが基材2Aの内周長とほぼ等しくした円筒状の中子18を用意し、これに、無端状のベルト部材である基材2Aを被せ、基材2Aがルーズにならないように中子18に装着する。次に、基材2Aを装着した中子18をチャッキングアタッチメント35により、移動ステージ34に固定する。付加硬化型シリコーンゴムと高熱伝導性フィラーとが配合された高熱伝導付加硬化型シリコーンゴム組成物をシリンダポンプ32に充填する。そして、その組成物を圧送モータM1で圧送することで、組成物を塗布液供給ノズル33から基材2Aの周面に塗布する。このとき塗布と同時に、基材2Aと中子18を固定した移動ステージ34ごと、駆動モータM2により図面右方向(矢印で示す)に一定速度で移動させる。これにより、弾性層2Bとなる付加硬化型シリコーンゴム組成物Gの塗膜を基材2Aの外周面全域に形成することができる。
弾性層2Bとなる該塗膜の厚みは、塗布液供給ノズル33と基材2A表面とのクリアランス、シリコーンゴム組成物の供給速度、基材2A(ステージ34)の移動速度などによって制御することができる。
弾性層2Bを形成する方法としては、上記のリングコート法に限定されない。例えば、液状のシリコーンゴム等の材料をブレードコート法などの手段によって基材上に均一な厚みでコートする方法も用いることもできる。
(4−2)炭素繊維フィラー2Cの弾性層表面への塗布及び架橋工程
弾性層と離型層とに跨って1本以上の炭素繊維を存在させる方法について以下に説明する。
まず、弾性層2Bの塗膜表面に炭素繊維フィラー2Cを塗布する。その方法としては、予め炭素繊維フィラー2Cを揮発性溶剤に分散させた分散液をスプレー塗布する方法を用いることができる。弾性層2Bが硬化する前に、炭素繊維フィラーの塗布を行い、その後電気炉や赤外線ヒータなどの従来公知である加熱手段によって一定時間加熱して、架橋反応を進行させることにより、硬化シリコーンゴム層である弾性層2Bとすることができる。また、弾性層2Bの塗膜表面に粉体塗布機を用いて炭素繊維フィラー2Cのみを塗布してもよい。
これらの方法によれば、図1(a)に示されるように、炭素繊維フィラー2Cの一端側が、弾性層中に侵入し、他端側が、弾性層の表面から露出した状態を形成することができる。
炭素材料として炭素繊維フィラー2Cを用いることにより球状のフィラーを用いる場合に比べて、炭素繊維を弾性層内の導電性フィラー(弾性層フィラー)近傍に存在させることができる。
本発明において弾性層内の導電性フィラー2Eは、シリコーンゴムの誘電率εよりも大きい誘電率εをもつフィラーである。炭素繊維フィラー2Cと弾性層内の導電性フィラー2Eを接近させることで、介在するシリコーンゴムが少なくなり、定着フィルム2の表面部分、特に離型層2Dと弾性層2Bの界面近傍の静電容量をさらに増大させることが可能となる。その結果、更なる静電オフセットの抑制が可能となる。
一方、記録材Pが定着ニップ部Nから排出される際に、記録材Pの後端が定着フィルムから剥離することにより剥離放電を起こした場合、トナーとは逆極性の電荷が定着フィルム2の表面部分に与えられ、剥離帯電する。剥離帯電はトナーと逆極性の電荷となりトナーを引き寄せる性質をもつことから、次の記録材Pがニップ部Nに挿入されるまでの間に帯電を減衰させる必要がある。
本発明においては、弾性層内のフィラー2Eとして導電性フィラーが適用され、かつ、炭素繊維フィラー2Cが離型層2Dと弾性層2Bの界面に跨る形態で存在することで導電性フィラー2E近傍に存在でき、導電パスが形成される。
本発明において適用可能な導電性フィラー2Eの体積抵抗率の範囲は1.0×10−5Ω・cm以上1.0×1015Ω・cm以下が好ましい。導電性フィラー2Eは体積抵抗率が1.0×1015Ω・cm以下であれば良好な導電パスを形成可能となり、剥離帯電を減衰させることが可能であるが、体積抵抗率が1.0×10−5Ω・cm未満になると帯電減衰が支配的となり、未定着画像であるトナーを電気的に反発させる極性の電荷までもが減衰する。その結果、静電オフセットの抑制効果が薄れてしまう。
従って、導電性フィラー2Eの体積抵抗率の範囲を1.0×10−5Ω・cm以上1.0×1015Ω・cm以下にすることで、ニップ部Nに記録材Pが通紙されている間はトナーを電気的に反発させる極性の電荷を十分帯電できる。一方、記録材Pが定着ニップNから排出されてから次の記録材Pが挿入されるまでの間は、速やかに剥離帯電を減衰させることができる。従って、静電オフセットと剥離オフセットの双方を低減することが可能となる。
炭素繊維フィラーとして用い得る炭素繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長法炭素繊維を挙げられる。例えば、気相成長法炭素繊維は、炭化水素と水素を原料とし、加熱炉内において気相で熱分解反応させ、触媒微粒子を核に繊維状に成長させたものである。繊維径、繊維長は原料および触媒の種類・大きさ・組成、反応温度・気圧および時間などによって制御され、反応後、熱処理によって黒鉛構造を更に発達させた炭素繊維が知られている。繊維の径方向は複層構造になっており、グラファイト構造が筒状に積層された形状を有している。
グラファイト構造はラマン分光スペクトルを測定した際に、1570〜1580cm−1付近に非常にシャープな吸収ピークを示すことから、その存在が確認できる。このグラファイト構造は自由電子を有しているため導電性を示し、マイクロ波を吸収した際に電流が流れて発熱することが可能となる。炭素繊維の平均繊維径は80〜150nm程度、平均繊維長は6〜10μm程度のものが好ましい。
ここで、弾性層中に含有される炭素繊維の平均繊維径及び平均繊維長は、以下の方法により求められるものである。
すなわち、弾性層からカミソリ等を用いて所定量(例えば、10g程度)のサンプルを切り出す。これを磁器製のるつぼに入れ、窒素雰囲気下、600℃で1時間程度加熱して、弾性層中の樹脂、ゴム等の有機物成分を灰化させて除去する。窒素雰囲気下での焼成では、炭素繊維は分解されず、るつぼ中に残渣成分として残っている。
この残渣成分中の炭素繊維を無作為に1000本選択し、走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−5910V、日本電子株式会社製)を用いて3万倍の倍率で観察し、デジタル画像解析ソフト(商品名:Quick Grain Standard(クイック グレインスタンダード)、イノテック社製)を用いて、それらの繊維長及び繊維端部における繊維径を測定した。そして、各々の炭素繊維の繊維長及び繊維径の算術平均値を平均繊維長及び平均繊維径とする。
気相成長法炭素繊維は繊維長方向に約1.0×10−4Ω・cm程度の導電性を有する。そのため、導電性フィラーを含む弾性層と離型層とに跨って気相成長法炭素繊維を存在させることにより、弾性層と離型層との間に導電路を形成することができる。
本発明に用い得る気相成長法炭素繊維は、例えば、「カーボンナノファイバー・VGCF−S」、「カーボンナノファイバー・VGCF−H」、「カーボンナノファイバー・VGCF」(いずれも商品名、昭和電工株式会社製)として市販されているものを用いることができる。
(4−3)弾性層への表面処理(1)
炭素繊維の他端が露出してなる弾性層2B表面に対しては、後述する中間層の形成を行う前に表面処理(コーティング前処理)をすることが望ましい。例えばUV処理(紫外線照射処理)などにより親水化処理することが望ましい。このUV処理は必須ではないが、これによりシリコーンゴム表面が親水化され、本工程以降の膜形成が容易になる。
(4−4)弾性層への表面処理(2)
上記(4−3)に係る表面処理を行った弾性層2B表面に、更に、アミノシランカップリング剤を用いた表面処理を行う。すなわち、炭素繊維の他端が露出してなる弾性層2B表面に、スプレーなどによりアミノシランカップリング剤を均一に塗布し、常温常湿環境下で乾燥させる。これにより弾性層表面にアミノ基を含むポリシロキサンの層を得ることができる。
アミノ基を含有するシランカップリング剤としては、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
(4−5)中間層の形成
上記(4−4)に係る表面処理を行った、炭素繊維の他端が露出してなる弾性層2Bの表面に、アミノ基含有ポリシロキサンを塗布し、乾燥又は軽く湿潤状態のうちにポリアミック酸含有のフッ素樹脂プライマーの水系分散液(塗工液)をスプレーで塗布し、乾燥させる。乾燥後のプライマー層の厚みとしては約1μm程度になるようにする。ポリアミック酸樹脂含有のフッ素樹脂プライマーとしては、公知のものを用いることができる。フッ素樹脂については、PFA(テトラフロロエチレンとパーフロロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体樹脂)、FEP(テトラフロロエチレンとヘキサフロロプロピレンとの共重合体樹脂)、それらの共重合体、又はそれらを変性させた樹脂を適用することが可能である。
(4−6)離型層2Dの分散液(塗工液)の塗布
前述したとおり、離型層2D用のフッ素樹脂は、結晶性フッ素樹脂を含むフッ素樹脂混合物からなるため溶剤に不溶である。そのため、フッ素樹脂としてはフッ素樹脂の微小粉体を水などの溶媒に分散させた分散液(塗工液)にして使用する。
またさらに、その表面に離型層用のフッ素樹脂の分散液(塗工液)を塗布し、乾燥させる。離型層2D用フッ素樹脂の分散液の塗布方法としては、分散液がローラ表面でレベリングされて凹凸の少ない平滑な未焼成フッ素樹脂層が形成されれば良い。塗布方法としては、スプレーコーティングが扱いやすいため好ましいが、ディッピング法なども用いることができる。
離型層2Dとなる未焼成フッ素樹脂層はその塗布厚みが厚いほど、塗布後の乾燥や焼成時にヒビが入りやすく、逆に塗布厚みが薄い程、塗布時にレベリングしにくく、斑になり易いので、塗布厚みとしては4μm以上〜25μm以下の範囲内であることが望ましい。
(4−7)焼成
離型層2Dとなる未焼成フッ素樹脂層の焼成手段としては、少なくともフッ素樹脂の融点以上、より望ましくは融点から20度から50度程度高温の温度まで加熱できるものであれば良い。熱風を循環させる電気オーブンや、放射により加熱する赤外線ヒータ、筒状ないしコイル状の発熱体などにより高温の空気を局所的に作り出し、局所的に熱い空気の中を通すことで焼成させるやり方などが例示できる。しかし離型層2Dの下の弾性層2Bは通例フッ素樹脂ほどの耐熱性を有していないため、焼成手段とその焼成条件は、離型層の成膜性とともに弾性層の劣化が極力生じない、両立したやり方で行う必要がある。
このようにして得られた離型層中には、一端が弾性層中に存在してなる炭素繊維の他端が存在することとなる。その結果、1本以上の炭素繊維が、一端が弾性層中に存在し、他端側が離型層中に存在する。すなわち、1本以上の炭素繊維が、離型層2Dと弾性層2Bの界面に跨った状態で存在することになる。
本発明においては、炭素繊維を離型層2Dと弾性層2Bの界面に跨った形態で設けることにより、離型層2Dの離型性を保ちつつ、定着フィルム2の表面部分の静電容量を増大させることが可能となる。このため、ニップ部N(図2(b)参照)に記録材Pが通紙されている間は定着バイアス電圧の印加により、未定着画像であるトナーを電気的に反発させる極性の電荷を定着フィルム2表面により帯電させることが可能となり、その結果静電オフセットが抑制される。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(5−1)定着フィルムの弾性層の形成工程
基材として、長さ240mm、厚さ40μm、外径30mmのSUS製金属ベルト(可撓性を有する無端状のベルト部材)を用いた。基材の外周面上の、両端5mmを除く長さ230mmの領域に、ゴム系プライマー(信越シリコーン社製X−33−174A/B)を塗布してプライマー層を薄く均一に塗布した。そして、これを電気オーブンに入れ、200℃にて30分間乾燥させた。
また、弾性層の材料として、側鎖がメチルタイプの周知の付加硬化型液状シリコーンゴムを用い、これに熱伝導性充填剤として金属ケイ素フィラー(商品名:M−Si#600;キンセイマテック社製、平均粒径が約6.0μm、破砕形状)を、シリコーンゴムに対して50体積%となるように混入した。その後、均一になるまで撹拌し、減圧雰囲気下に放置し脱泡した。
一方、金属ケイ素フィラーの熱伝導率測定を行った。予め粉末成形金型を用いて、直径30mm、長さ0mmの金属ケイ素フィラーテストピースを作製した。次に、得られたテストピースをホットディスク法熱物性測定装置(商品名:TPA−501、京都電子工業社製)を用いて測定した。フィラーの誘電率、体積抵抗率及び熱伝導率は後掲する表1に示す。
得られた混合物を前記のリングコート法(図3)により、厚さ300μm、長さ230mmに基材上のプライマーを塗布した領域に塗布して弾性層を成膜した。
(5−2)弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程
エタノール100gに対して、気相成長法炭素繊維(商品名:VGCF、昭和電工社製)を0.2g分散させた液(以下、「炭素繊維分散液」ともいう)を調製した。次いで、(5−1)より成膜した弾性層の表面が硬化する前に、上記炭素繊維分散液を弾性層にスプレー塗布した。その後、140℃に設定したオーブンにて10分間一次加硫し、続いて同オーブンにて200℃にて4時間焼成することで、シリコーンゴム弾性層を形成した。こうして得られた、基体(SUS製金属ベルト)上に形成されたシリコーンゴム弾性層の断面を図1(a)(斜視図)に示す。図1(a)に示すように、基体2A上の弾性層2B中には、導電性フィラー2Eが含まれている。
(5−3)定着フィルムの弾性層の表面処理工程及び中間層の形成工程
次に、基材としてのSUS製金属ベルト上に形成した弾性層の表面をUV処理した。具体的にはUV装置にて約100秒間のUV照射を行った。これによりシリコーンゴムである弾性層2Bの表面の撥水性が変化し親水性になった。
このUV処理を行ったのちに、シランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−903)をエタノールで重量比5倍に希釈した液を弾性層2Bの表面にスプレーにて塗布し、常温常湿(23℃/45%)にて自然乾燥させて中間層を形成した。乾燥後の中間層は膜厚が1.0μmになるようにした。
(5−4)接着用プライマー液の調製プライマー層の形成工程
水とN−メチルピロリドンとフルフリルアルコールをそれぞれ6:1:1の質量比で混合した溶媒を準備した。溶媒100重量部に対し、芳香族ポリイミドの前駆体として下記式(5)に示すポリアミック酸を3.75重量部、フッ素樹脂としてテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を15重量部、無機充填剤として酸化鉄(ベンガラ、粒径0.1μm)を5重量部、界面活性剤としてトリメチルナノナール1.25重量部をそれぞれ加えた後、均一に混合・分散させて、接着用プライマー液を調製した。これを乾燥後のプライマー層の膜厚が1.0μmになるようにスプレーにて塗布し、自然乾燥させ、プライマー層を形成した。
Figure 2016156871
(5−5)離型層の形成工程
次に、以上の方法で形成したプライマー層の上に離型層となるPFA(テトラフロロエチレンとパーフロロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体樹脂)のディスパージョン(三井デュポンフロロケミカル社製EM−500)をスプレーコートした。この場合、塗出量と往復回数を調整し、表面をウェットに塗布し、常温常湿(23℃/45%)環境下で乾燥するまでの間に充分にレベリングするようにした。
これら焼成前かつ乾燥後の中間層とプライマー層そして離型層も含めた総膜厚は15μmになるようにコーティングした。
(5−6)定着フィルムの離型層の焼成工程
上記の離型層コーティングを終えた定着フィルムを、350℃の電気オーブンに入れて、5分間焼成した後、風冷した。これにより、本実施例1の定着フィルム2(離型層厚み15μm)を得た。ここで得られた定着フィルム2の断面の斜視図を図1(b)に示す。すなわち、本実施例で得られた定着フィルムのシリコーンゴム弾性層とフッ素樹脂離型層との界面においては、一端がシリコーンゴム弾性層中にあり、他端がフッ素樹脂離型層中にある1本以上の炭素繊維(VGCF)の存在が確認された。
(5−7)定着フィルムの画質評価試験
得られた定着フィルムを評価するために、図2と同等の構成からなるカラーレーザープリンターの定着部に定着フィルムを装着し、表面温度205℃にてオフセット評価パターンを用いて定着性の評価を行った。 評価基準は以下の通りである。
A:オフセットが全くない、
B:ややオフセットが確認される、
C:オフセットが多数確認される。
定着フィルムの画質評価試験結果を表1(後記)に示す。なお、表1には、使用した弾性層フィラー誘電率及び体積抵抗率、及び界面フィラー(炭素繊維フィラー)の誘電率及びアスペクト比も併せて記載する。
(実施例2)
弾性層の形成工程において、充填剤として金属ケイ素のかわりに炭化ケイ素(太平洋ランダム社製緑色炭化ケイ素)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
(実施例3)
弾性層の形成工程において、充填剤として金属ケイ素のかわりにアルミナ(昭和電工社製アルミナビーズCB−P15)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
(実施例4)
弾性層の形成工程において、充填剤として金属ケイ素のかわりに酸化亜鉛(和光純薬工業社製酸化亜鉛和光一級)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
(実施例5)
弾性層の形成工程において、充填剤として金属ケイ素のかわりに窒化アルミニウム(古河電工社製高熱伝導AlNフィラーFAN−f05)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
(実施例6)
弾性層の形成工程において、充填剤として金属ケイ素のかわりに窒化ホウ素(昭和電工社製六方晶窒化ホウ素粉末ショウビーエヌUHP−2)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
(比較例1)
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、炭素繊維の塗布を行わなかったこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
(比較例2)
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、エタノール100gに炭素繊維(VGCF)を分散させるかわりに、カーボンブラック(電気化学工業社製デンカブラック粒状品)を0.2g分散させた溶液を作製し、弾性層にスプレー塗布したこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
(比較例3)
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、エタノール100gに炭素繊維(VGCF)を分散させるかわりに、酸化亜鉛(パナソニック社製酸化亜鉛ウィスカパナテトラ)を0.5g分散させた溶液を作製し、弾性層にスプレー塗布したこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
(比較例4)
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、炭素繊維(VGCF)混入エタノール溶液を弾性層表面にスプレー塗布しなかったこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
(比較例5)
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、炭素繊維の塗布を行わない代わりに、接着用プライマー液の調製及び中間層の形成工程において、接着用プライマー液に炭素繊維(VGCF)を1重量%となるように混合し、プライマー液を塗布したこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
(比較例6)
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、炭素繊維の塗布を行わない代わりに、離型層2Dの形成工程において、PFAのディスパージョンに炭素繊維(VGCF)を1重量%となるように混合し、PFAのディスパージョンを塗布したこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
Figure 2016156871
なお、上記表1中、「界面フィラーの有無」の項目においては、一端が弾性層中に侵入し、他端が離型層中にある炭素繊維が1本以上存在することを確認できた場合に「あり」、確認できない場合に「なし」と記した。
100 画像形成装置
114 像加熱定着装置
2 熱定着部材としての定着フィルム
2A 基材
2B 弾性層
2C 炭素繊維フィラー
2D 離型層(表面層)
2E 導電性フィラー

Claims (5)

  1. シリコーンゴムを含む弾性層と、フッ素樹脂を含む離型層と、を備えた電子写真用部材であって、
    該弾性層は導電性フィラーを含み、該導電性フィラーは、その誘電率εが該シリコーンゴムの誘電率εよりも大きく、その体積抵抗率が1.0×10−5Ω・cm以上1.0×1015Ω・cm以下であり、
    該電子写真用部材は、さらに、該弾性層と該離型層との両方に跨って存在している炭素繊維の1本以上を有していることを特徴とする電子写真用部材。
  2. 前記導電性フィラーが、アルミナ、酸化亜鉛、炭化ケイ素、金属ケイ素、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1に記載の電子写真用部材。
  3. 前記導電性フィラーが、炭化ケイ素及び金属ケイ素の少なくとも一方である請求項2に記載の電子写真用部材。
  4. 前記炭素繊維が、気相成長法炭素繊維である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用部材を定着部材として具備するとともに、該定着部材のヒータと、該定着部材と対向して配置されている加圧部材と、を具備していることを特徴とする像加熱定着装置。
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