JP2016156871A - 電子写真用部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコーンゴムを含む弾性層とフッ素樹脂を含む離型層とを備えた電子写真用部材であって、弾性層は導電性フィラーを含み、該導電性フィラーは、その誘電率εfがシリコーンゴムのεrよりも大きく、かつ、体積抵抗率が1.0×10−5Ω・cm以上1.0×1015Ω・cm以下であり、該弾性層と該離型層とに跨って炭素繊維が存在している。
【選択図】図1
Description
また、記録材には、画像が一部欠落した部分と、再転写された画像が定着される。また、記録材が定着ニップ部から排出される際に、記録材の後端が定着フィルムから剥離することにより剥離放電を起こす。記録材は、トナーを保持するようにトナーとは逆極性の電荷が与えられているため、剥離放電をおこした部分は、局所的に記録材と同極性、つまりトナーとは逆極性の電荷が与えられる。よってこの部分が、定着フィルムの他の部分に比べて、トナー電荷と逆極性の電荷を保持したまま次に搬送された記録材のトナー像を定着する。この結果、画像形成部で帯電されたトナー像は定着フィルムの局所的な逆極性の帯電によって画像が剥ぎ取られる。この現象が剥離オフセットである。
シリコーンゴムを含む弾性層と、フッ素樹脂を含む離型層と、を備えた電子写真用部材であって、
該弾性層は導電性フィラーを含み、該導電性フィラーは、その誘電率εfが該シリコーンゴムの誘電率εrよりも大きく、その体積抵抗率が1.0×10−5Ω・cm以上1.0×1015Ω・cm以下であり、
該電子写真用部材は、さらに、該弾性層と該離型層との両方に跨って存在している炭素繊維の1本以上を有している電子写真用部材が提供される。
また、本発明によれば、電子写真用部材を定着部材として具備するとともに、該定着部材のヒータと、該定着部材と対向して配置されている加圧部材と、を具備している像加熱定着装置が提供される。
この界面フィラーは、弾性層中に含まれる導電性フィラー(以降、「弾性層フィラー」ということもある)近傍に存在できる。このため熱定着部材は静電容量の大きい形態となり、未定着画像を構成するトナーを電気的に反発する作用を有し静電オフセットを抑制し得る。更に、弾性層は導電性フィラーを有し、界面フィラーとしての繊維状の炭素材料が弾性層内に一部侵入した形態により、トナーを引き寄せる要因となり得る剥離帯電を速やかに減衰させ得る。従って、本発明によれば、単純にフッ素樹脂を含む離型層又はプライマー層に導電材料を混入させた熱定着部材に比べ、良好な画質を得ることのできる電子写真用部材が提供される。
図2(a)は、本発明に係る電子写真用部材の一使用例である定着部材としての定着フィルムを用いた像加熱定着装置114を、記録材上の未定着トナー像を加熱処理して定着する定着装置として搭載した画像形成装置100の一例の構成を示す模式図である。この画像形成装置100は電子写真方式を用いたカラープリンタである。画像形成装置100は、パーソナルコンピュータ、イメージリーダー等の外部ホスト装置200から画像形成装置側の制御回路部(制御手段)101に入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(記録メディア)としてのシート状の記録材Pにカラー画像形成を行う。制御回路部101はCPU(演算部)、ROM(記憶手段)などを含み、ホスト装置200や画像形成装置100の操作部(不図示)との間で各種の電気的な情報の授受を行う。また、制御回路部101は画像形成装置100の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
図2の(b)は本発明に係る電子写真用部材を定着部材の定着フィルムとして用いた像加熱定着装置114の要部の横断面を示す模式図である。ここで、以下の説明において、像加熱定着装置及びこの像加熱定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。長さとは長手方向の寸法である。
図1(b)は、上記の定着装置114における定着部材である定着フィルム2の一部分の層構成を示した断面斜視図である。2Aは定着フィルム2の基材であり、金属乃至耐熱性樹脂よりなる無端状のベルト部材である。定着フィルム2は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、総膜厚が薄いほど良く、基材2Aの厚みも薄いほど、定着装置114のクイックスタートに有利となる。しかし、薄すぎると強度が不十分となることから、基材2Aの厚みとしては、20〜100μmであることが望ましい。
基材2Aとしては、SUS、ニッケル、ニッケル合金などの金属の他に、耐熱性、強度、耐久性等のある熱硬化性樹脂であるポリイミド、ポリアミドイミドなどを使用できる。
弾性層2Bはシリコーンゴムを含む。特にシリコーンゴムの中でも付加硬化型シリコーンゴムは加工性の観点から最も多く使用されている。
一般に、付加硬化型シリコーンゴムは、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、及び架橋触媒として白金化合物を含む。
弾性層2Bのゴム材料中に混ぜる導電性フィラー2Eとしては、アルミナ、酸化亜鉛、炭化ケイ素、金属ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などが熱伝導率、及び帯電減衰の点から望ましく、これらを単独ないし混ぜて用いることができる。特にコスト及び、クイックスタート性の観点より、低熱容量の金属ケイ素、炭化ケイ素が好適に選択される。
弾性層2Bと離型層2Dとの間には、離型層2Dを接着させるための中間層(不図示)を設けることが好適である。中間層の材料は、フッ素樹脂と芳香族ポリイミド樹脂の混合物を用いることができる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)であることが望ましい。芳香族ポリイミド樹脂材料の具体例としては、例えば、ポリピロメリット酸イミド系のポリイミド樹脂材料、ポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂材料などの熱硬化性樹脂、ポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド系樹脂材料、ポリエーテルイミド樹脂などの熱可塑性ポリイミド樹脂を挙げることができる。
離型層2Dはフッ素樹脂から構成され、フッ素樹脂は結晶性フッ素樹脂を含むフッ素樹脂混合物からなる。このため、フッ素樹脂は溶剤に不溶である。そのため、フッ素樹脂としてはフッ素樹脂の微小粉体を水などの溶媒に分散させた分散液(塗工液)にして使用する。
(4−1)弾性層2Bの形成
予めプライマー処理された基材2Aの上に弾性層2Bを形成する。弾性層2Bを形成する方法としては、リングコート法を用いることができる。
弾性層と離型層とに跨って1本以上の炭素繊維を存在させる方法について以下に説明する。
まず、弾性層2Bの塗膜表面に炭素繊維フィラー2Cを塗布する。その方法としては、予め炭素繊維フィラー2Cを揮発性溶剤に分散させた分散液をスプレー塗布する方法を用いることができる。弾性層2Bが硬化する前に、炭素繊維フィラーの塗布を行い、その後電気炉や赤外線ヒータなどの従来公知である加熱手段によって一定時間加熱して、架橋反応を進行させることにより、硬化シリコーンゴム層である弾性層2Bとすることができる。また、弾性層2Bの塗膜表面に粉体塗布機を用いて炭素繊維フィラー2Cのみを塗布してもよい。
これらの方法によれば、図1(a)に示されるように、炭素繊維フィラー2Cの一端側が、弾性層中に侵入し、他端側が、弾性層の表面から露出した状態を形成することができる。
すなわち、弾性層からカミソリ等を用いて所定量(例えば、10g程度)のサンプルを切り出す。これを磁器製のるつぼに入れ、窒素雰囲気下、600℃で1時間程度加熱して、弾性層中の樹脂、ゴム等の有機物成分を灰化させて除去する。窒素雰囲気下での焼成では、炭素繊維は分解されず、るつぼ中に残渣成分として残っている。
この残渣成分中の炭素繊維を無作為に1000本選択し、走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−5910V、日本電子株式会社製)を用いて3万倍の倍率で観察し、デジタル画像解析ソフト(商品名:Quick Grain Standard(クイック グレインスタンダード)、イノテック社製)を用いて、それらの繊維長及び繊維端部における繊維径を測定した。そして、各々の炭素繊維の繊維長及び繊維径の算術平均値を平均繊維長及び平均繊維径とする。
炭素繊維の他端が露出してなる弾性層2B表面に対しては、後述する中間層の形成を行う前に表面処理(コーティング前処理)をすることが望ましい。例えばUV処理(紫外線照射処理)などにより親水化処理することが望ましい。このUV処理は必須ではないが、これによりシリコーンゴム表面が親水化され、本工程以降の膜形成が容易になる。
上記(4−3)に係る表面処理を行った弾性層2B表面に、更に、アミノシランカップリング剤を用いた表面処理を行う。すなわち、炭素繊維の他端が露出してなる弾性層2B表面に、スプレーなどによりアミノシランカップリング剤を均一に塗布し、常温常湿環境下で乾燥させる。これにより弾性層表面にアミノ基を含むポリシロキサンの層を得ることができる。
上記(4−4)に係る表面処理を行った、炭素繊維の他端が露出してなる弾性層2Bの表面に、アミノ基含有ポリシロキサンを塗布し、乾燥又は軽く湿潤状態のうちにポリアミック酸含有のフッ素樹脂プライマーの水系分散液(塗工液)をスプレーで塗布し、乾燥させる。乾燥後のプライマー層の厚みとしては約1μm程度になるようにする。ポリアミック酸樹脂含有のフッ素樹脂プライマーとしては、公知のものを用いることができる。フッ素樹脂については、PFA(テトラフロロエチレンとパーフロロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体樹脂)、FEP(テトラフロロエチレンとヘキサフロロプロピレンとの共重合体樹脂)、それらの共重合体、又はそれらを変性させた樹脂を適用することが可能である。
前述したとおり、離型層2D用のフッ素樹脂は、結晶性フッ素樹脂を含むフッ素樹脂混合物からなるため溶剤に不溶である。そのため、フッ素樹脂としてはフッ素樹脂の微小粉体を水などの溶媒に分散させた分散液(塗工液)にして使用する。
離型層2Dとなる未焼成フッ素樹脂層の焼成手段としては、少なくともフッ素樹脂の融点以上、より望ましくは融点から20度から50度程度高温の温度まで加熱できるものであれば良い。熱風を循環させる電気オーブンや、放射により加熱する赤外線ヒータ、筒状ないしコイル状の発熱体などにより高温の空気を局所的に作り出し、局所的に熱い空気の中を通すことで焼成させるやり方などが例示できる。しかし離型層2Dの下の弾性層2Bは通例フッ素樹脂ほどの耐熱性を有していないため、焼成手段とその焼成条件は、離型層の成膜性とともに弾性層の劣化が極力生じない、両立したやり方で行う必要がある。
このようにして得られた離型層中には、一端が弾性層中に存在してなる炭素繊維の他端が存在することとなる。その結果、1本以上の炭素繊維が、一端が弾性層中に存在し、他端側が離型層中に存在する。すなわち、1本以上の炭素繊維が、離型層2Dと弾性層2Bの界面に跨った状態で存在することになる。
(5−1)定着フィルムの弾性層の形成工程
基材として、長さ240mm、厚さ40μm、外径30mmのSUS製金属ベルト(可撓性を有する無端状のベルト部材)を用いた。基材の外周面上の、両端5mmを除く長さ230mmの領域に、ゴム系プライマー(信越シリコーン社製X−33−174A/B)を塗布してプライマー層を薄く均一に塗布した。そして、これを電気オーブンに入れ、200℃にて30分間乾燥させた。
また、弾性層の材料として、側鎖がメチルタイプの周知の付加硬化型液状シリコーンゴムを用い、これに熱伝導性充填剤として金属ケイ素フィラー(商品名:M−Si#600;キンセイマテック社製、平均粒径が約6.0μm、破砕形状)を、シリコーンゴムに対して50体積%となるように混入した。その後、均一になるまで撹拌し、減圧雰囲気下に放置し脱泡した。
一方、金属ケイ素フィラーの熱伝導率測定を行った。予め粉末成形金型を用いて、直径30mm、長さ0mmの金属ケイ素フィラーテストピースを作製した。次に、得られたテストピースをホットディスク法熱物性測定装置(商品名:TPA−501、京都電子工業社製)を用いて測定した。フィラーの誘電率、体積抵抗率及び熱伝導率は後掲する表1に示す。
得られた混合物を前記のリングコート法(図3)により、厚さ300μm、長さ230mmに基材上のプライマーを塗布した領域に塗布して弾性層を成膜した。
エタノール100gに対して、気相成長法炭素繊維(商品名:VGCF、昭和電工社製)を0.2g分散させた液(以下、「炭素繊維分散液」ともいう)を調製した。次いで、(5−1)より成膜した弾性層の表面が硬化する前に、上記炭素繊維分散液を弾性層にスプレー塗布した。その後、140℃に設定したオーブンにて10分間一次加硫し、続いて同オーブンにて200℃にて4時間焼成することで、シリコーンゴム弾性層を形成した。こうして得られた、基体(SUS製金属ベルト)上に形成されたシリコーンゴム弾性層の断面を図1(a)(斜視図)に示す。図1(a)に示すように、基体2A上の弾性層2B中には、導電性フィラー2Eが含まれている。
次に、基材としてのSUS製金属ベルト上に形成した弾性層の表面をUV処理した。具体的にはUV装置にて約100秒間のUV照射を行った。これによりシリコーンゴムである弾性層2Bの表面の撥水性が変化し親水性になった。
このUV処理を行ったのちに、シランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−903)をエタノールで重量比5倍に希釈した液を弾性層2Bの表面にスプレーにて塗布し、常温常湿(23℃/45%)にて自然乾燥させて中間層を形成した。乾燥後の中間層は膜厚が1.0μmになるようにした。
水とN−メチルピロリドンとフルフリルアルコールをそれぞれ6:1:1の質量比で混合した溶媒を準備した。溶媒100重量部に対し、芳香族ポリイミドの前駆体として下記式(5)に示すポリアミック酸を3.75重量部、フッ素樹脂としてテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を15重量部、無機充填剤として酸化鉄(ベンガラ、粒径0.1μm)を5重量部、界面活性剤としてトリメチルナノナール1.25重量部をそれぞれ加えた後、均一に混合・分散させて、接着用プライマー液を調製した。これを乾燥後のプライマー層の膜厚が1.0μmになるようにスプレーにて塗布し、自然乾燥させ、プライマー層を形成した。
次に、以上の方法で形成したプライマー層の上に離型層となるPFA(テトラフロロエチレンとパーフロロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体樹脂)のディスパージョン(三井デュポンフロロケミカル社製EM−500)をスプレーコートした。この場合、塗出量と往復回数を調整し、表面をウェットに塗布し、常温常湿(23℃/45%)環境下で乾燥するまでの間に充分にレベリングするようにした。
上記の離型層コーティングを終えた定着フィルムを、350℃の電気オーブンに入れて、5分間焼成した後、風冷した。これにより、本実施例1の定着フィルム2(離型層厚み15μm)を得た。ここで得られた定着フィルム2の断面の斜視図を図1(b)に示す。すなわち、本実施例で得られた定着フィルムのシリコーンゴム弾性層とフッ素樹脂離型層との界面においては、一端がシリコーンゴム弾性層中にあり、他端がフッ素樹脂離型層中にある1本以上の炭素繊維(VGCF)の存在が確認された。
得られた定着フィルムを評価するために、図2と同等の構成からなるカラーレーザープリンターの定着部に定着フィルムを装着し、表面温度205℃にてオフセット評価パターンを用いて定着性の評価を行った。 評価基準は以下の通りである。
A:オフセットが全くない、
B:ややオフセットが確認される、
C:オフセットが多数確認される。
弾性層の形成工程において、充填剤として金属ケイ素のかわりに炭化ケイ素(太平洋ランダム社製緑色炭化ケイ素)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
弾性層の形成工程において、充填剤として金属ケイ素のかわりにアルミナ(昭和電工社製アルミナビーズCB−P15)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
弾性層の形成工程において、充填剤として金属ケイ素のかわりに酸化亜鉛(和光純薬工業社製酸化亜鉛和光一級)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
弾性層の形成工程において、充填剤として金属ケイ素のかわりに窒化アルミニウム(古河電工社製高熱伝導AlNフィラーFAN−f05)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
弾性層の形成工程において、充填剤として金属ケイ素のかわりに窒化ホウ素(昭和電工社製六方晶窒化ホウ素粉末ショウビーエヌUHP−2)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、炭素繊維の塗布を行わなかったこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、エタノール100gに炭素繊維(VGCF)を分散させるかわりに、カーボンブラック(電気化学工業社製デンカブラック粒状品)を0.2g分散させた溶液を作製し、弾性層にスプレー塗布したこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、エタノール100gに炭素繊維(VGCF)を分散させるかわりに、酸化亜鉛(パナソニック社製酸化亜鉛ウィスカパナテトラ)を0.5g分散させた溶液を作製し、弾性層にスプレー塗布したこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、炭素繊維(VGCF)混入エタノール溶液を弾性層表面にスプレー塗布しなかったこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、炭素繊維の塗布を行わない代わりに、接着用プライマー液の調製及び中間層の形成工程において、接着用プライマー液に炭素繊維(VGCF)を1重量%となるように混合し、プライマー液を塗布したこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
弾性層表面への炭素繊維フィラーの塗布工程において、炭素繊維の塗布を行わない代わりに、離型層2Dの形成工程において、PFAのディスパージョンに炭素繊維(VGCF)を1重量%となるように混合し、PFAのディスパージョンを塗布したこと以外は実施例1と全く同様にして定着フィルムを作製し、画質評価試験を行った。試験結果を表1(後記)に示す。
114 像加熱定着装置
2 熱定着部材としての定着フィルム
2A 基材
2B 弾性層
2C 炭素繊維フィラー
2D 離型層(表面層)
2E 導電性フィラー
Claims (5)
- シリコーンゴムを含む弾性層と、フッ素樹脂を含む離型層と、を備えた電子写真用部材であって、
該弾性層は導電性フィラーを含み、該導電性フィラーは、その誘電率εfが該シリコーンゴムの誘電率εrよりも大きく、その体積抵抗率が1.0×10−5Ω・cm以上1.0×1015Ω・cm以下であり、
該電子写真用部材は、さらに、該弾性層と該離型層との両方に跨って存在している炭素繊維の1本以上を有していることを特徴とする電子写真用部材。 - 前記導電性フィラーが、アルミナ、酸化亜鉛、炭化ケイ素、金属ケイ素、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1に記載の電子写真用部材。
- 前記導電性フィラーが、炭化ケイ素及び金属ケイ素の少なくとも一方である請求項2に記載の電子写真用部材。
- 前記炭素繊維が、気相成長法炭素繊維である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用部材を定着部材として具備するとともに、該定着部材のヒータと、該定着部材と対向して配置されている加圧部材と、を具備していることを特徴とする像加熱定着装置。
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