JP2016156656A - 荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料片にねじり力を与えつつ、試料片の性質の変化を容易に観察することができる荷電粒子ビーム装置を提供する。【解決手段】試料片に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒と、試料片を固定する試料片ホルダと、試料片ホルダを載置する試料台と、を備える荷電粒子ビーム装置であって、試料片ホルダは、試料台と荷電粒子ビーム鏡筒との間において、ねじり軸を中心として試料片にねじり力を与えることが可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、微小な試料片のねじり特性を評価する荷電粒子ビーム装置に関するものである。
従来、集束イオンビーム(Focused Ion Beam;以下FIBと記載)等を用いて、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy;以下SEMと記載)や透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy;以下TEMと記載)で観察や分析を行なうための試料片を作製することが知られている。
SEMによる観察には種々の態様のものがある。例えば、試料片に引張り力を加えつつ、試料片をSEM観察することにより試料片を構成する結晶粒の形状の変化を検出し、局所的な応力と歪を正確に測定する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2008−191120号公報
最近のMEMS(微小電気機械システム)や3Dプリンタの普及に伴い、微小構造物が作成される一方、作成した微小構造物の機械的特性(引張り、圧縮、ねじり、曲げ、疲労などの特性)評価が求められる。mm(ミリメートル)単位の試料片は現存の評価装置で評価することも可能であるが、mm単位未満、つまり、μm(マイクロメートル)単位以下の試料片については、その評価装置も、その評価すべき試料片を作製することも困難な小ささとなっている。
一般に、数10mm単位の試料片に対する機械的特性は、μm単位の試料片の機械的特性とは一致せず、微小試料片特有の特性が表れるとされている。例えば、シリコン単結晶のmm単位の角柱(例えば、5mm×5mm×100mmの四角柱)は極めて脆性的で、両端と中央に垂直負荷を掛ける、所謂三点曲げ試験を行なうと、試料片は殆ど曲がること無く脆性的に破断する。しかし、同じシリコン単結晶であっても、例えば、1μm×1μm×100μmの微小四角柱に対して三点曲げ試験を行なうと、微小四角柱は大きく撓み弾性的な性質が現れる。
このように、近年、μm単位のMEMSや微細構造物が盛んに作製されているが、それらの微小部品の機械的評価が十分に成されてないのが実情である。
本明細書における微小試料片のねじり評価とは、単にねじり剛性値を求めるだけではなく、ねじり負荷を与えた試料片のμm単位またはそれ以下での試料表面や内部の顕微鏡画像による評価を指す。
上述の特許文献1ではSEM内での微小試料片の引張試験評価が示されているが、微小試料片のねじり評価については示されていない。
本発明は、微小な試料片にねじり力を与えつつ、試料片の微視的な変化を評価できる荷電粒子ビーム装置を提供することを目的とする。
評価対象とする微小試料片が、例えば10μm程度の断面とすると、微小試料片を評価装置外で作製して評価装置に搭載すること自体が試料片を破損させる危険性が極めて高くなる。そこで、人手で扱える1mm〜0.1mm程度の試料片を事前に作成して、この試料片を評価装置に搭載する。次に、その評価装置内でねじり特性評価用の微小試料片に加工し、その場でその微小試料片をねじり負荷を与えて評価する。その場で微小試料片のねじり状態をSEMや走査透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscopy;以下STEMと記載)で観察することが得策となる。この評価装置が、本発明による荷電粒子ビーム装置である。
本発明の荷電粒子ビーム装置は、試料片に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒と、前記試料片を固定する試料片ホルダと、前記試料片ホルダを載置する試料台と、を備え、前記試料片ホルダは、前記試料台と前記荷電粒子ビーム鏡筒との間において、ねじり軸を中心として前記試料片にねじり力を与えることが可能である試料片ホルダを配置している。
本発明の一態様として、例えば、前記荷電粒子ビームは、集束イオンビーム、電子ビーム、気体ガスイオンビームのうちの少なくともいずれかである。
本発明の一態様として、例えば、前記試料片ホルダは、前記試料台に着脱可能に配置される基台と、前記基台の上に配置された回転制御部と、前記試料片の両端を保持する保持部と、前記回転制御部と前記保持部を連結するシャフトとを備え、前記回転制御部の制御信号に基づき前記シャフトが回転し、前記保持部により保持された前記試料片を回転する。
本発明の一態様として、例えば、前記試料片を加熱する加熱器が前記保持部に設けられる。
本発明に係る荷電粒子ビーム装置によれば、微小な試料片にねじり力を与えつつ、試料片の性質の変化を容易に観察することができる。
本発明に係る実施形態の荷電粒子ビーム装置の全体構成図である。 実施形態の荷電粒子ビーム装置の要部構成図であって、試料台の動作と各鏡筒との配置関係を示す図である。 試料台の上に載置され、試料片を保持する試料片ホルダの詳細な構成を示す斜視図である。 試料片ホルダの別実施形態を示す図である。 実施形態の荷電粒子ビーム装置による試料のねじり評価を行う手順を説明するフローチャートである。 実施形態の荷電粒子ビーム装置による試料のねじり評価を行う別の手順を説明するフローチャートである。 (A)〜(D)は実施形態の荷電粒子ビーム装置による試料評価手順を説明するための図である。 実施形態の荷電粒子ビーム装置による試料評価手順を説明するフローチャートである。
以下、本発明に係る荷電粒子ビーム装置の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の荷電粒子ビーム装置100の全体構成を示す。荷電粒子ビーム装置100は、第1の荷電粒子ビームとしてのFIBを照射するFIB鏡筒(集束イオンビーム鏡筒)1と、第2の荷電粒子ビームとしての電子ビーム(Electron Beam;以下EBと記載)を照射するEB鏡筒(電子ビーム鏡筒)2と、第3の荷電粒子ビームとしての気体イオンビーム(Gas Ion Beam;以下GIBと記載)を照射するGIB鏡筒(ガスイオンビーム鏡筒)3とを備えている。荷電粒子ビーム装置100は本発明による荷電粒子ビーム装置の一態様であり、例えば、GIB鏡筒を有しない構成であってもよい。
FIB鏡筒1は、液体金属イオン源を備え、ガリウム等の金属イオンによるFIB(集束イオンビーム)1bを形成する。FIB1bは、直径が1μm程度以下に集束されて電流密度が高いイオンビームである。そのため、FIB1bを試料片7に照射することで、試料片7への穴開けや側面の切削等の加工することができる。
EB鏡筒2は、電子源を備えて集束したEB(電子ビーム)2bを形成する。EB2bを加工面に走査することで、設置した検出器によって二次電子、反射電子、特性X線、微細試料片の透過電子を検出でき、それぞれの画像データとなる。
GIB鏡筒3は、PIG(Penning Ionization Gauge)型やデュオプラズマトロンのような気体イオンを発生する気体イオン源を備え、GIB3b(ガスイオンビーム)を形成する。気体イオン源は、イオン化するガスとしてヘリウム、アルゴン、キセノン、酸素などを用いて、それぞれのイオンを発生させることができ、低エネルギで試料片7に照射することで、試料片7表面に付着した異物やFIB照射によって形成された加工損傷層を除去することができる。
荷電粒子ビーム装置100はさらに、FIB、EB、またはGIBの照射により試料片7から発生する二次電子の二次電子信号を検出する二次電子検出器4を備えている。また、EB照射により試料片7から発生する反射電子(後方散乱電子)の反射信号を検出する反射電子検出器、X線を検出する検出器、試料を透過する透過電子検出器のうちのいずれかを備えていても良い。
荷電粒子ビーム装置100はさらに、試料片7を保持・固定する試料片ホルダ6と試料片ホルダ6を載置する試料台5とを備える。試料台5は、図2に記載したXYZの三軸に移動可能で、さらにX軸中心の傾斜とZ軸中心の回転することもできる。
荷電粒子ビーム装置100はさらに、試料台制御部15を備える。試料台制御部15は図示せぬ駆動機構を制御して試料台5をXYZの三軸方向に移動させる。さらに試料台制御部15は、傾斜駆動部8を制御して試料台5を傾斜させ、また、回転駆動部10を制御して試料台5を回転させることができる。
荷電粒子ビーム装置100はさらに、試料片ホルダ制御部60を備える。試料片ホルダ制御部60は、試料台5に設置された試料片ホルダ6を駆動することにより、試料片7の軸回転、及び、試料片7に所定のねじり力を加えることができる。試料片ホルダ6の構成及び作用の詳細は後に述べる。
荷電粒子ビーム装置100はさらに、FIB制御部11と、EB制御部12と、GIB制御部13と、像形成部14と、表示部18とを備える。FIB制御部11はFIB鏡筒1からのFIB照射を制御する。EB制御部12はEB鏡筒2からのEB照射を制御する。GIB制御部13はGIB鏡筒3からのGIB照射を制御する。像形成部14は、EBを走査させる信号と、二次電子検出器4で検出した二次電子の信号とからSEM像を形成する。表示部18はSEM像等の観察像や装置の各種制御条件等を表示することができる。また、像形成部14は、FIBを走査させる信号と、二次電子検出器4で検出した二次電子の二次電子信号とを含む画像信号からSIM(Scanning Ion Microscopy)像を形成する。表示部18はSIM像を表示することができる。
荷電粒子ビーム装置100はさらに、入力部16と制御部17を備える。荷電粒子ビーム装置100のオペレータは装置制御に関する条件を入力部16に入力する。入力部16は、入力された情報を制御部17に送信する。制御部17は、FIB制御部11、EB制御部12、GIB制御部13、像形成部14、試料台制御部15、表示部18、試料片ホルダ制御部60に制御信号を送信し、荷電粒子ビーム装置100の全体を制御する。
荷電粒子ビーム装置100はさらに、計算処理部21を備える。計算処理部21は、各種制御部の制御条件を記憶するとともに諸条件の最適値を計算処理できる、また、計算処理部21は、像形成部14で形成した画像を記憶するとともに、画像処理、画像解析することができる。例えば、試料片に異なる負荷を与えた時の複数のSEM画像から、特定の結晶粒の変形や変位を解析することや、ねじりによって試料表面に発生した微小な亀裂のみを抽出することができる。
荷電粒子ビーム装置100の制御について、例えば、オペレータは表示部18に表示されたSEM像やSIM像などの観察像に基づいて、FIBやGIBの照射領域を設定する。オペレータは表示部18に表示された観察像上に照射領域を設定する加工枠を入力部16により入力する。さらに、オペレータは加工開始の指示を入力部16に入力すると、制御部17からFIB制御部11又はGIB制御部13に照射領域と加工開始の信号が送信され、FIB制御部11からFIBが、又はGIB制御部13からGIBが、試料片7の指定された照射領域に照射される。これによりオペレータが入力した照射領域にFIBまたはGIBを照射することができる。
また、荷電粒子ビーム装置100は、試料片7のFIB、EB、またはGIBの照射領域を含む領域にエッチングガスを供給するガス銃19を備えている。エッチングガスとして、塩素ガス、フッ素系ガス(フッ化キセノン、炭化フッ素など)、ヨウ素ガスなどのハロゲンガスを用いる。試料片7の材質と反応するエッチングガスを照射しつつ、FIB、EBまたはGIB照射することで、エッチングガスを照射しない時に比べて、加工速度を促進(いわゆるアシストエッチング)することができ、または、特定の材料のみをエッチングすることができる。特にEBによるガスアシストエッチングは、試料片7に照射損傷を与えずにエッチング加工できる利点を有している。ガス銃19はガス銃制御部20によってガス銃19の先端にあるノズル(不図示)の移動、ガス種の選択、ガス照射開始と停止等のうち少なくともいずれかを制御できる。
図2は、荷電粒子ビーム装置100の要部であって、試料台5の動作と各鏡筒との配置関係を示し、図1では点線表示した試料室の内部を説明するための模式図である。FIB鏡筒1のFIB照射軸(集束イオンビーム照射軸)1aとEB鏡筒2のEB照射軸(電子ビーム照射軸)2a、GIB鏡筒3のGIB照射軸(ガスイオンビーム照射軸)3aは、試料台5上で交差するように配置されている。すなわち、FIB鏡筒1のFIB1bの照射位置と、EB鏡筒2のEB2bの照射位置と、GIB鏡筒3のGIB3bの照射位置は、試料台5上でほぼ一致する。
試料台5の上面は、試料台5が基準位置にある時、FIB照射軸1aと直交する関係にあり、また、試料台5の傾斜軸8aは、FIB照射軸1aとGIB照射軸3aとがなす第1の面31の面と試料台5の上面と交差する位置にあり、この傾斜軸8aを中心に傾斜駆動部8により試料台5を傾斜することができる。すなわち、傾斜機構としての傾斜駆動部8が、制御部17さらには試料台制御部15の制御の下で駆動し、矢印Aに示すように試料台5を傾斜できる。
なお、FIB照射軸1aとEB照射軸2aとが成す第2の面32は、第1の面31と直交関係にある。この構成により、FIB1b照射による加工面をEB2b照射により容易に観察する、もしくは、画像化することができる。
試料台5は、また、回転駆動部10によりFIB照射軸1a軸を中心に試料片7を平面内で回転する回転操作が可能である。すなわち、回転機構としての回転駆動部10が、制御部17さらには試料台制御部15の制御の下で駆動し、矢印Bに示すように試料台5を平面内で回転させる。回転機構としての回転駆動部10には圧電素子やサーボモータ等種々のものが使用可能であり特にその種類は限定されない。
次に、試料台5の上に設置される試料片ホルダ6の構成、動作、作用について説明する。図3は、試料片ホルダ6(ここでは試料片ホルダ6A)の一実施形態であり、試料片ホルダ6Aは基台64の上に配置された一組の回転制御部61(61a,61b)と、一組のシャフト62(62a,62b)と、試料片7を保持する保持部としてのクランプ63(63a,63b)とを備える。試料片ホルダ6Aは基台64を介して試料台5の上面に着脱可能に固定できる。
本実施例で示す回転制御部61には、回転可能な圧電素子などを含み、例えば、直径3mm、長さ30mmの大きさの圧電素子は、角度分解能が0.1度の性能を有している。試料片ホルダ制御部60から供給された信号に対応する制御信号に基づきシャフト62を回転制御し、ひいては試料片7を回転制御できる。
一組の回転制御部61(61a,61b)の各々には、回転制御部61(61a,61b)とクランプ63(63a,63b)とを連結するシャフト62(62a,62b)が回転可能に保持されている。シャフト62a,62bの回転軸は同一の回転軸(ねじり軸)AX上にあり、矢印Cで示すように回転制御部61a,61bは各々同一向きに同一速度でシャフト62a,62bを回転する。回転制御部61a,61bは同一タイミングでシャフト62a,62bの回転の開始および停止の操作ができる。回転制御部61a,61bはまた、シャフト62a,62bのいずれか一方を回転できる状態にし、他方を回転できないように固定することもできる。これにより、試料片7にねじり力を与えることができる。また、回転制御部61a,61bによりをシャフト62a,62bを同時に動作させて試料片7の注目面をSEMで観察し易い角度で停止させた後、シャフト62a,62bのいずれか一方を固定状態にし、他方を回転できる状態にして試料片7にねじり力を負荷させることができる。この時、試料片7のねじり軸は上記の回転軸AXと同じである。
クランプ63a,63bの各々は試料片7の両端部を挟み込んで保持する。試料片7はクランプ63(63a,63b)に接着剤で両端を固着させてもよい。
オペレータは、入力部16で試料片7にねじり力を与える条件(例えば、最小ねじり角度、最終ねじり角度、ねじり速度)を入力できる。入力部16は、入力された情報を制御部17に送信する。制御部17は、試料片ホルダ制御部60に制御信号を送信し、試料片ホルダ制御部60は、回転制御部61a,61bに駆動信号を送信してシャフト62a,62bを回転や停止させることができる。
回転制御部61の回転軸AXは試料台5の傾斜軸8aに平行の関係にある。また、試料片ホルダ6の回転軸AXは、試料台5の傾斜軸8aのΔZ(例えば5mm)上空にあるため、試料片7を加工や観察する際には、試料台5をZ軸方向にΔZだけ下げることで、FIB1bとEB2bとは試料片7のほぼ同一箇所に照射でき、試料片7を回転させてもFIB1bによる加工部分をその場で、EB2bによって観察することができる。
荷電粒子ビーム装置100で扱う試料片7は小さく、特に、ねじり評価される領域が1mm未満と微細であるため、この試料片7を人手で扱うと変形し易く、試料片ホルダ6に無負荷状態で設置することは困難である。そこで、荷電粒子ビーム装置100では、ねじり評価される試料は、試料片ホルダへの設置時には人手で扱っても試料片自体が変形し難い形状とし、クランプへの固定後、荷電粒子ビーム装置100設置のFIB1bまたはGIB3bまたはそれら両方で、所望の寸法になるように加工する。
試料片7の寸法例を示す。試料片ホルダ6設置前の試料片7は、全長30mm、全幅10mm、厚さ100μm(図3では模式的に記載されている)で、長手方向の中央で、全幅の中央部に幅1mm、長さ5mmのくびれ部が残るように両側から機械加工で成形されている。試料片7は、両端がクランプ63で固定する固定部で、中央のくびれ部(図3の斜線部)が機械的特性を計測(SEM評価)する部分である。所謂、ダンベル形試験片である。試料片7はくびれ部以外で応力集中を起こさぬように、突起部や切削機械加工痕は除去されている。この試料片7をクランプ63に固定した後、FIB1bまたはGIB3bまたはそれら両方を照射することによって、くびれ部が例えば、幅100μm、長さ200μm、厚さ100μmとなるように、また、先行して行なう機械加工による形状と不連続とならない形状に加工を施す。なお、試料片の形状は上記に限ることは無く、ダンベル形ではない平板でも良いし、角柱でも円柱でも良い。
FIB1bやGIB3bなどのイオンビームによる加工は、加工時に試料片7に応力を与えることがないので、加工による変形や内部応力の蓄積もない。但し、FIB加工面には、厚さ10nm程度のFIB照射損傷層が形成される。このFIB照射損傷層は、試料片の機械的特性を大きく変化させることはないが、試料片7が1μm以下など非常に小さい場合や、試料表面の観察や分析を勘案して、FIB照射損傷層を除去することが望ましい。FIB照射損傷層は、低エネルギのGIB照射によって除去(クリーニング)できる。また、試料片ホルダ6は試料片7に負荷を与えずに回転軸AX中心に360°回転できるため、観察部が四角柱状ならば90°ずつ試料片7を回転させることで、試料片7の全側面をクリーニングして最終的な試料片とする。
試料片7の四面のクリーニングが終了した時点で、注目面をEB照射軸2aに垂直になる角度に設定し、一端の回転制御部61aがシャフト62aを回転しないように固定し、他端の回転制御部61bがシャフト62bを徐々に予め定めた条件に従って回転させ、試料片7にねじり力を負荷していく。
まず、無負荷の状態でSEM画像を取得し、その後、徐々に負荷を加えていく。一定負荷毎に同一領域のSEM画像を取得し、計算処理部21にねじり負荷値と共に記憶する。負荷と画像取得を試料片7が破断するまで繰り返す。これにより、ねじりによる微小亀裂の発生傾向や亀裂成長の様子を結晶粒レベルで把握することができる。また、ねじりによる結晶粒の形状変化、微小亀裂の発生などをリアルタイムで観察でき、また記録できる。
上記実施例では試料表面をSEM像によって観察していたが、これに限ることはなく、EB照射によって試料から発生する反射電子やX線によって画像形成してもよい。反射電子は二次電子より表面状態に敏感に観察することができ、X線信号によって試料片7を構成する元素を明らかにすることができる。
また、試料片7の注目部を数10nm程度まで極細化もしくは薄片化加工して、EB照射して透過した電子を透過電子検出器(不図示)で検出して透過像を画像化してもよい。これにより試料片内部の結晶粒の状態を観察することができる。
次に、本発明による荷電粒子ビーム装置の別の実施形態を説明する。
図4は、試料片7の加熱時のねじり特性を評価する際に用いる試料片ホルダ6Bである。この実施形態ではクランプ63a,63bに加熱器(例えば、セラミックヒーター)65が設けられており、クランプ63a,63bを介して試料片7を加熱できる。試料片7の温度は、赤外放射温度計(不図示)によって荷電粒子ビーム装置の外から非接触で計測できる。このような構成により、ねじり力に加え、試料片7の温度条件をも設定でき、種々の温度におけるねじり試料片表面の結晶粒の挙動を観察することができる。特に、試料片7が例えば、金属Aと金属Bから成る多結晶合金ABの場合、種々の温度における金属Aの結晶粒と金属Bの結晶粒の挙動を、EB照射によって発生する特性X線を検出することでEB照射範囲(SEM観察領域)の元素分布から把握することができる。
このように、本発明による荷電粒子ビーム装置によって、試料片7を加熱状態とねじり力の負荷条件下で、結晶粒の移動、すべり、亀裂の発生などの現象を知ることができる。なお、加熱器65の設置個所は必ずしもクランプ63に限ることはなく、例えば、シャフト62や回転制御部61であっても良く、加熱器は試料片7の両端にあって、同じ温度特性(昇温速度、最高温度、降温速度など)を有して、同時に動作することが望ましい。加熱器は試料片7の片側のみに設置されていても良い。
上記の実施形態では、荷電粒子ビーム装置としてFIB鏡筒、EB鏡筒、GIB鏡筒を備えた荷電粒子ビーム装置100を挙げたが、本発明はこれに限ることはなく、単一のビーム鏡筒、若しくは、上記3鏡筒のうちのいずれか2鏡筒を組合せた荷電粒子ビーム装置にも適用される。また、上記の説明では、FIB鏡筒1が鉛直方向に配置されているが、FIB鏡筒1とEB鏡筒2とを入れ替えて配置しても良い。
図5は、荷電粒子ビーム装置における、微小試料片のねじり評価の手順例を示すフローチャートである。
まず、試料片7を固定した試料片ホルダ6を荷電粒子ビーム装置に装填し、搭載された荷電粒子ビーム(例えば、FIB、EB、GIB)が所定の性能を発揮できる状態であることを確認できた時点を、ねじり評価フローの開始とする(ステップS010)。試料台の回転機能、FIBによる試料側面の切削機能を利用して、試料片ホルダ6に固定された試料片7を所定の形状、寸法への加工と表面クリーニングを施して微小試料片の作製を行う(ステップS100)。注目する試料面をEBによる観察ができる位置になるように試料片ホルダ6の回転軸を調整し、予め定めた一方の回転制御部61(例えば回転制御部61a)によりシャフト62(例えばシャフト62a)の回転機能を固定し、他方の回転制御部(例えば回転制御部61b)によりシャフト62(例えばシャフト62b)予め定めた速度、回転角、負荷で回転させ、試料片7にねじり力の負荷を与える(ステップS200)。予め定めた負荷、角度の時に試料片7にEB照射して画像信号を取得する(ステップS300)。画像信号はEB照射時に発生する二次電子、反射電子(後方散乱電子)、透過電子、X線のうちの少なくともいずれかであって、これらの信号から画像を形成する。また、必要に応じてステップS200の負荷を高め、ステップS300の画像取得を繰り返してもよい。試料片7が破断するか、予め定めた最大負荷、若しくは最大角度に達した時、一連のねじり評価フローは終了する(ステップS400)。これが荷電粒子ビーム装置を用いたねじり評価の基本フローである。
図6は、ねじり評価手順の別の実施例を説明するためのフローチャートである。なお、図6におけるステップS010、S200、S300、S400は、図5の各ステップと同じ工程である。
図5における微小試料片の作製ステップS100は、図6のフローではステップS110からS160に細分化される。荷電粒子ビーム装置の試料台5に設置された試料片ホルダ6は、ねじり評価部となる側面がFIB走査方向と一致するように、試料台5のXYZ面内移動と試料片ホルダ6の回転調整を行う(ステップS110)。次に、試料片7の特定面にFIB照射して試料片7を加工する(ステップS120)。続いて、FIB照射による加工を行なった面にGIBを照射して、FIB照射による加工損傷層を除去(クリーン化)する(ステップS130)。
試料片7の全側面を加工とクリーン化するために、各面の加工とクリーン化が終わるたびに全側面の加工とクリーン化が終了したかの判断を下す(ステップS140)。側面の加工は、全側面の加工とクリーン化が完了していなければ(ステップS140でN)、試料片ホルダ6の回転軸を試料片7の面数に応じた所定の角度だけ回転させる(ステップS145)。所定の角度とは、例えば、試料片の評価部分が四角柱ならば90°である。続いてステップS120とS130を繰り返す。ステップS140で全側面の加工とクリーン化が完了したと判断すれば(ステップS140でY)、次のステップに進む。なお、ステップS140の判断は、予め明らかな試料片の面数、又は、ステップS145での回転角及びステップS120(またはS130)の実行回数から可能である。
ステップS150からS170は試料片7にねじり力を負荷するための準備段階であり、注目する試料片7の観察面がEB照射に最適な位置になるように、試料片ホルダ6の回転軸を調整する(ステップS150)。試料片7に負荷を与える前に注目する試料片7にEB照射して画像を取得する(ステップS160)。その後、試料片ホルダ6における片側の回転制御部61を固定(ロック)する(ステップS170)。なお、ステップS160とS170の順序は逆であってもよい。
引き続いて、上述のステップS200(ねじり力の負荷)とS300(試料片へのEB照射による画像取得)を実施する。ステップS300の後、試料片7に与えるねじり力が予め定めたねじり力に到達したか、若しくは最大ねじり角度に到達したかの判断を下す(ステップS350)。予め定めたねじり力に到達してなければ(ステップS350でN)、更に負荷を高めるためにステップS200とS300を繰り返す。ステップS350において、予め定めたねじり力に到達すれば(ステップS350でY)、若しくは最大ねじり角度に到達した時、一連の手順は終了する(ステップ400)。なお、ステップS200で試料片7が破断すれば、ステップS300を経てステップS400に至る。
なお、図5及び図6に記載のステップS010からS400に至る一連のフローは、図1におけるFIB制御部11、EB制御部12、GIB制御部13、像形成部14、試料台制御部15、試料片ホルダ制御部60、制御部17及び計算処理部21を予め定めたプログラムに従って連続的に自動的に動作させることで実施され、試料片7のねじり評価が自動的に行える。また、自動的に再生画像を表示部18に表示させることができる。
つまり、FIB制御部11は、予め定めた場所を予め定めた切削量だけ加工するために予め定めた加速電圧、FIB直径、ビーム電流、照射時間で試料片の加工するようにFIBを制御する。EB制御部12は、予め定めた加速電圧、EB直径、ビーム電流、照射範囲、照射時間で試料面に照射するようにEBを制御する。GIB制御部13は、FIB加工後に加工面に対して、予め定めた加速電圧、GIB直径、ビーム電流、照射範囲、照射時間で試料面に照射するようにGIBを制御する。試料片ホルダ制御部60は、試料片7をFIB照射、EB照射、GIB照射に最適な角度に、最適なタイミングで回転するように試料片ホルダ6を制御する。像形成部14は、EB照射によって得られた画像信号(二次電子信号、反射電子信号、透過電子信号、X線信号などのうちの少なくともいずれか)を取り込んで、EB照射部の画像を形成する。計算処理部21は、像形成部14で形成した画像データを蓄積し、加工編集し、必要に応じて予め定めたタイミングで表示部に表示する。また、必要ならばガス銃制御部20は、予め定めた時期に、予め定めた位置にノズルを移動させ、予め定めたガス種、照射時間、照射と停止のタイミングなどガス銃を制御する。制御部17は、これら全体を統括制御するように予め仕組んでおけばよい。
次に、本発明による荷電粒子ビーム装置の別の実施形態を説明する。
荷電粒子ビーム装置における試料片ホルダ6は、試料片7を搭載した状態で、ねじり力を与えることなく360°軸回転できることを利用する。
本装置を用いることで、試料面に対して浅い角度でEBを結晶試料に照射することで得られる後方散乱電子(反射電子)信号から結晶方位などの測定、所謂、電子線後方散乱回折像解析(EBSD)ができるため、試料片7の切削加工とEBSD評価を繰り返し実施することができる。さらに、試料片7の切削加工ごとにEBSD評価を行うことで、三次元的なEBSD評価ができる。
図7(A)から(D)は、試料片ホルダ6に搭載された多結晶性の四角柱試料についてEBSD画像を取得する手順を示した図であり、FIB軸とEB軸を含む第2の面32(図2参照)での断面図である。試料片ホルダ6の回転軸は紙面に垂直である。
まず、図7(A)は、四角柱試料片7の特定面のFIB加工を示す図である。試料片7の特定面がFIB照射軸1aに平行に設置し、予め定めた厚さ(例えば100nm)をFIB1b照射によって切削する。
加工面7aにはFIB照射損傷層7bが形成される場合がある。図7(B)は、FIB1b照射による加工直後に、GIB3b照射によるFIB照射損傷層7bの除去の様子を示している。加工面7aがFIB照射軸1aとGIB照射軸3aの成す面に対して時計方向に約10°の角度となるように回転軸AXを回転する。GIB3b照射によって、FIB照射損傷層7bが除去(クリーニング)され、FIB加工面7aから厚さ約10nmの層が除去されてクリーン面7cが露出し、結晶粒が顕著に現れる。
図7(C)は、クリーン面7cにEB照射している様子を示している。試料片ホルダ6を予め定めた角度だけ回転させ、クリーン面7cとEB照射軸2aが所定の角度になるようにする。荷電粒子ビーム装置におけるFIB照射軸1aとEB照射軸2aが成す角度が、例えば反時計方向に−50°の位置関係であれば、試料片ホルダ6の回転軸AXの予め定めた角度は例えば−30°とする。従って、図7(B)の位置から−40°反時計方向に回転させる。このような設定によって、クリーン面7cとEB照射軸2aの成す角度は20°と、比較的低角度となる。このようにクリーンな観察面に対してEBが低角度で照射されることが肝要である。試料片ホルダ6が所定の角度回転した後、クリーン面7cにEB2bを照射し、EB2b照射によって発生する反射電子(後方散乱電子)23を専用の検出器(不図示)で検出し、信号データを計算処理部21に保存すると共に、解析することで観察するクリーン面7cの結晶方位を示す画像化できる。必要ならば表示部18にその画像を表示してもよい。
図7(D)は、続いて、試料片ホルダ6を元の角度(図7(A)と同じ位置)に戻した様子を示している。この時、試料片7を予め定めた厚さ(Δt;例えば100nm)分だけ方向に移動してΔDだけ切削加工する。または、試料片7を予め定めた厚さ分だけ移動せず、FIBを予め定めたΔDだけビーム偏向して切削加工してもよい。以下、予め定めた試料片ホルダ6の回転、加工面のクリーン化(図7(B))、予め定めた試料片ホルダ6の回転、後方散乱電子23の取得(図7(C))、加工面の移動(図7(D))など、上記の手順を繰り返し、切削量の総量、若しくは、切削の回数が予め定めた値に達すればFIB加工を終了する。なお、Δt値は上記に限らず、例えば10nmのように小さくすることで、高分解能の三次元像を構築することができる。
それまでに蓄えた画像データと、各切削量(Δt)のデータから、計算処理部21で三次元的な結晶粒の配置を示す画像を構築することができる。一旦、三次元的な結晶粒配置の画像が構築できれば、その画像内の任意の断面の結晶方位を示す画像を再構築できる。
なお、後方散乱電子23を検出する際の試料片ホルダの回転角は上記に限ることはなく、検出器の設置位置に依存し、検出器が180°回転対象位置にあれば、試料片ホルダ6を時計方向に110°回転させて、クリーン面7cに対して20°の低角度で入射させてもよい。また、これらの角度も一例であり、FIB照射軸1aとEB照射軸2aの成す角度、クリーン面7cに対するEB2bの入射角度、反射電子(後方散乱電子)検出器や二次電子検出器の位置関係により試料片ホルダ6の回転軸AXの回転角を予め定めておけばよい。
図8は、図7で説明した一連の手順を示したフローチャートである。三次元EBSD測定の一連のフローを開始する(ステップS500)。
まず、試料片7の予め定めた面がFIB照射を受ける位置になるように、試料台5と試料片ホルダ6を設定する(ステップS550)。次に、試料片7の一面を予め定めた厚さだけFIB照射によって切削加工する(ステップS600)。FIB照射による加工面には損傷領域(非晶質層)ができ、EBによる観察に影響する場合は、これをGIB照射によって除去(クリーニング)する(ステップS650)。この時、FIBの加工面がGIB照射に対して適切な位置になるように、試料片ホルダ6を予め定めた位置に軸回転させておく。次に、試料片ホルダ6をEB照射するのに最適な位置になるように、予め定めた角度だけ回転させる(ステップS700)。ステップS650でクリーン化された加工面にEB照射して、クリーン面7cの照射部分から発生する後方散乱電子を検出する(ステップS750)。検出した信号は計算処理部21に保存するともに、像形成部14によって画像化し、表示部18に加工面の結晶方位画像形成をする(ステップS800)。これでEBSD像を形成できるが、ある一面の画像に過ぎないので、予め切削の総量を定めておくことで、厚みのある立体(三次元)のEBSD像を形成することができる。
ステップS850では、ステップS800の後、予め定めたFIB照射による切削量(切削厚さ又は切削回数)を完了したかを判断する。もし、所定量に達していなければ(ステップS850でN)、試料片がステップS550と同じ向きになるように試料片ホルダ6を所定角だけ回転させる(S880)。そして、加工面の位置を試料台の移動も含めて所定の位置に設定する。(S550)。以下、ステップ850まで、上記のフローを繰り返す。
ステップS850において、予め定めたFIB照射による切削(切削厚さ又は切削回数)が完了したと判断できたなら(ステップS850でY)、必要に応じて、これまでに計算処理部の蓄えたEBSD画像情報と切削厚さ情報から、三次元のEBSD像を再構築し、表示部に表示する(ステップS900)。これらの手順により一連のフローは完了し、三次元EBSD測定のフローが終了する(ステップS950)。
上記のステップS500からS950に至る一連のフローは、図1におけるFIB制御部11、EB制御部12、GIB制御部13、像形成部14、試料台制御部15、試料片ホルダ制御部60を統括する制御部17、計算処理部21を予め定めたプログラムに従って自動的に連続動作させることができる。自動的に画像を表示部18に表示させてもよい。
また、一般的にGIB3bにより試料片7の仕上げ加工が施されるが、GIB3bの代わりに、EB2bによるガスアシストエッチングや、FIB1bを用いても良い。FIB1bを用いる場合は、試料片7の断面7aを形成する加工と仕上げ加工とにおいて、FIB1bのビームエネルギーを変更することが望ましい。すなわち、試料片7の加工面7aを形成する加工では、加速電圧が30から40kVで加速されたFIB1bを用いて高速に、かつビーム径の小さいビームで急峻な断面を形成し、仕上げ加工では、加速電圧1kVから10kV程度の低加速のFIB1bを用いて、試料片7への侵入長の小さいビームを用いることで、ダメージの小さい加工を施す。これにより、ダメージの小さい仕上げ加工を施すことができる。
また、試料片ホルダ6のサイズや試料片7の取り付け方法等の詳細は特に限定されず、観測に応じて最適なものを選択することが可能である。
尚、上記の実施形態では、試料片ホルダ6の詳細な構成が示されている。しかしながら、試料片ホルダ6の構成は実施形態のものには限定されない。すなわち、試料片ホルダ6が試料台5の上において、ねじり軸を中心として試料片7にねじり力を与えることが可能であれば、試料片ホルダ6の構成は特に限定されない。また、シャフト62a,62bおよび回転軸(ねじり軸)AXは、試料台5の上面に実質的に平行であることが好ましいが、必ずしもこのような形態には限定されない。極論を言えば、回転軸AXが試料台5に対し垂直にならない限り、試料片ホルダ6を任意に構成することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明に係る荷電粒子ビーム装置によれば、試料片にねじり力を与えつつ、試料片の性質の変化を容易に観察することができる。
1:FIB鏡筒(集束イオンビーム鏡筒)
1a:FIB照射軸(集束イオンビーム照射軸)
1b:FIB(集束イオンビーム)
2:EB鏡筒(電子ビーム鏡筒)
2a:EB照射軸(電子ビーム照射軸)
2b:EB(電子ビーム)
3:GIB鏡筒(ガスイオンビーム鏡筒)
3a:GIB照射軸(ガスイオンビーム照射軸)
3b:GIB(ガスイオンビーム)
4:二次電子検出器
5:試料台
6:試料片ホルダ
7:試料片
7a:加工面
8:傾斜駆動部
8a:傾斜軸
10:回転駆動部
11:FIB制御部
12:EB制御部
13:GIB制御部
14:像形成部
15:試料台制御部
16:入力部
17:制御部
18:表示部
19:ガス銃
20:ガス銃制御部
23:後方散乱電子(反射電子)
31:第1の面
32:第2の面
60:試料片ホルダ制御部
61:回転制御部
62:シャフト
63:クランプ(保持部)
64:基台
65:加熱器
100:荷電粒子ビーム装置
AX:回転軸(ねじり軸)

Claims (4)

  1. 試料片に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒と、
    前記試料片を固定する試料片ホルダと、
    前記試料片ホルダを載置する試料台と、を備え、
    前記試料片ホルダは、前記試料台と前記荷電粒子ビーム鏡筒との間において、ねじり軸を中心として前記試料片にねじり力を与えることが可能である荷電粒子ビーム装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置において、
    前記荷電粒子ビームは、集束イオンビーム、電子ビーム、気体ガスイオンビームのうちの少なくともいずれかである荷電粒子ビーム装置。
  3. 請求項1または2に記載の荷電粒子ビーム装置において、
    前記試料片ホルダは、
    前記試料台に着脱可能に配置される基台と、
    前記基台の上に配置された回転制御部と、
    前記試料片の両端を保持する保持部と、
    前記回転制御部と前記保持部を連結するシャフトとを備え、
    前記回転制御部の制御信号に基づき前記シャフトが回転し、前記保持部により保持された前記試料片を回転する荷電粒子ビーム装置。
  4. 請求項3に記載の荷電粒子ビーム装置であって、
    前記試料片を加熱する加熱器が前記保持部に設けられる荷電粒子ビーム装置。
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