JP2016156446A - リリーフバルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】厳格な寸法管理を不要としつつ、開弁圧のばらつきを抑制することができるリリーフバルブを提供すること。
【解決手段】シリンダ室22に配置されて流路24を開閉するピストン3の外周面31aに、シリンダ室22の第1内周面22eに接することで流路24を閉鎖するOリング34が設けられる。そして、ピストン3を流路閉鎖方向に付勢するコイルバネ4の初期付勢力FS0を、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pth未満のとき、ピストン3が流路開放方向に移動する大きさに設定する。さらに、シリンダ室22のピストンストローク長Lを、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pth未満の間、Oリング34と第1内周面22eとの接触を確保し、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したとき、Oリング34と第1内周面22eとの接触を解除して流路24を開放する長さに設定する構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】シリンダ室22に配置されて流路24を開閉するピストン3の外周面31aに、シリンダ室22の第1内周面22eに接することで流路24を閉鎖するOリング34が設けられる。そして、ピストン3を流路閉鎖方向に付勢するコイルバネ4の初期付勢力FS0を、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pth未満のとき、ピストン3が流路開放方向に移動する大きさに設定する。さらに、シリンダ室22のピストンストローク長Lを、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pth未満の間、Oリング34と第1内周面22eとの接触を確保し、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したとき、Oリング34と第1内周面22eとの接触を解除して流路24を開放する長さに設定する構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、1次側の流体圧力が予め設定した圧力(バルブ開圧力)に達すると開放するリリーフバルブに関する発明である。
従来、1次側ポートからシリンダ室を経由して2次側ポートへ至る流路が形成されたバルブボディと、シリンダ室に配置されて流路を開閉するピストンと、シリンダ室と1次側ポートの間に配置されてピストン先端に当接する弁座部材と、ピストンを弁座部材に向けて付勢する付勢部材と、を備えたリリーフバルブが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、従来のリリーフバルブにあっては、1次側ポートに流体圧力が作用してピストンが付勢部材の付勢力に抗して微小量だけ開放方向に移動した場合、1次側ポートの流体は、ピストンと弁座部材との間から、ピストン端面とシリンダ室端面との間の第1隙間と、ピストン外周面とシリンダ室内周面との間の第2隙間とを順に通過し、2次側ポートから排出される。
ここで、第2隙間は外気圧に開放した2次側ポートに連通しているため、この第2隙間の寸法管理を精度よく行わないと、第1隙間に流れ込んだ流体がそのまま大気へと排出され、第1隙間を区画するピストン端面に流体圧力を作用させることができなくなってしまう。したがって、この第2隙間に対して非常に厳しい寸法管理が必要であった。
また、従来のリリーフバルブでは、ピストンが移動しない状態が一定期間継続すると、バルブ開放時の1次側の流体圧力(開弁圧)にばらつきが発生するという問題も生じていた。
ここで、第2隙間は外気圧に開放した2次側ポートに連通しているため、この第2隙間の寸法管理を精度よく行わないと、第1隙間に流れ込んだ流体がそのまま大気へと排出され、第1隙間を区画するピストン端面に流体圧力を作用させることができなくなってしまう。したがって、この第2隙間に対して非常に厳しい寸法管理が必要であった。
また、従来のリリーフバルブでは、ピストンが移動しない状態が一定期間継続すると、バルブ開放時の1次側の流体圧力(開弁圧)にばらつきが発生するという問題も生じていた。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、厳格な寸法管理を不要としつつ、開弁圧のばらつきを抑制することができるリリーフバルブを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のリリーフバルブは、1次側ポートからシリンダ室を経由して2次側ポートへ至る流路が形成されたバルブボディと、シリンダ室内に配置されて流路を開閉するピストンと、ピストンを流路閉鎖方向に付勢する付勢部材と、を備えている。
ここで、前記ピストンは、1次側ポートに臨み1次側の流体圧力を受けるピストン受圧面と、外周面に設けられてシリンダ室の内周面に接することで流路を閉鎖する環状のシール部材と、を有している。
そして、前記付勢部材の初期付勢力を、1次側の流体圧力が流路を開放させるバルブ開圧力未満であってもピストンがシリンダ室内を移動する大きさに設定する。
さらに、前記シリンダ室のピストンストローク長を、1次側の流体圧力がバルブ開圧力未満の間、シール部材とシリンダ室の内周面との接触を確保し、1次側の流体圧力がバルブ開圧力に達したとき、シール部材とシリンダ室の内周面との接触を解除して流路を開放する長さに設定する。
ここで、前記ピストンは、1次側ポートに臨み1次側の流体圧力を受けるピストン受圧面と、外周面に設けられてシリンダ室の内周面に接することで流路を閉鎖する環状のシール部材と、を有している。
そして、前記付勢部材の初期付勢力を、1次側の流体圧力が流路を開放させるバルブ開圧力未満であってもピストンがシリンダ室内を移動する大きさに設定する。
さらに、前記シリンダ室のピストンストローク長を、1次側の流体圧力がバルブ開圧力未満の間、シール部材とシリンダ室の内周面との接触を確保し、1次側の流体圧力がバルブ開圧力に達したとき、シール部材とシリンダ室の内周面との接触を解除して流路を開放する長さに設定する。
本発明のリリーフバルブでは、ピストンの外周面にシリンダ室の内周面に接することで流路を閉鎖する環状のシール部材が設けられている。そのため、流路が開放する開弁圧をシール部材の接触状態によって制御することができ、厳格な寸法管理を不要とすることができる。
また、ピストンの移動状態は、ピストン受圧面に作用する1次側の流体圧力によるピストン押圧力と、付勢部材の付勢力及びシール部材の接触抵抗力の合計値と、の差によって変化する。
そして、本発明のリリーフバルブでは、付勢部材の初期付勢力が、1次側の流体圧力が流路を開放させるバルブ開圧力未満であってもピストンが流路開放方向に移動する大きさに設定されている。また、シリンダ室のピストンストローク長は、1次側の流体圧力がバルブ開圧力未満の間は、シール部材とシリンダ室の内周面との接触を確保する長さに設定されている。これにより、1次側の流体圧力がバルブ開圧力未満のときにピストンが流路開放方向に移動可能としつつ、流路が開放することはない。つまり、流路を閉鎖している状態でピストンを移動させることができる。
さらに、このシリンダ室のピストンストローク長は、1次側の流体圧力がバルブ開圧力に達したときには、シール部材とシリンダ室の内周面との接触を解除して流路を開放する長さに設定されている。このため、流路開放時の開弁圧をバルブ開圧力にすることができる。
このように、流路開放前にピストンを移動させることで流路開放時のシール部材の接触抵抗力がばらつくことを防止し、開弁圧のばらつきを抑制して、1次側の流体圧力がバルブ開圧力に達したら流路を適切に開放することができる。
また、ピストンの移動状態は、ピストン受圧面に作用する1次側の流体圧力によるピストン押圧力と、付勢部材の付勢力及びシール部材の接触抵抗力の合計値と、の差によって変化する。
そして、本発明のリリーフバルブでは、付勢部材の初期付勢力が、1次側の流体圧力が流路を開放させるバルブ開圧力未満であってもピストンが流路開放方向に移動する大きさに設定されている。また、シリンダ室のピストンストローク長は、1次側の流体圧力がバルブ開圧力未満の間は、シール部材とシリンダ室の内周面との接触を確保する長さに設定されている。これにより、1次側の流体圧力がバルブ開圧力未満のときにピストンが流路開放方向に移動可能としつつ、流路が開放することはない。つまり、流路を閉鎖している状態でピストンを移動させることができる。
さらに、このシリンダ室のピストンストローク長は、1次側の流体圧力がバルブ開圧力に達したときには、シール部材とシリンダ室の内周面との接触を解除して流路を開放する長さに設定されている。このため、流路開放時の開弁圧をバルブ開圧力にすることができる。
このように、流路開放前にピストンを移動させることで流路開放時のシール部材の接触抵抗力がばらつくことを防止し、開弁圧のばらつきを抑制して、1次側の流体圧力がバルブ開圧力に達したら流路を適切に開放することができる。
以下、本発明のリリーフバルブを実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
図1は、実施例1のリリーフバルブを示す縦断面図である。以下、図1に基づき、実施例1のリリーフバルブの構成を説明する。なお図1には、リリーフバルブの初期閉弁状態を示す。この「初期閉弁状態」とは、1次側の流体圧力によるピストンの移動がない状態である。
図1は、実施例1のリリーフバルブを示す縦断面図である。以下、図1に基づき、実施例1のリリーフバルブの構成を説明する。なお図1には、リリーフバルブの初期閉弁状態を示す。この「初期閉弁状態」とは、1次側の流体圧力によるピストンの移動がない状態である。
実施例1のリリーフバルブ1は、図1に示すように、バルブボディ2と、ピストン3と、コイルバネ4(付勢部材)と、調整ネジ5と、ロックナット6と、を備えている。
前記バルブボディ2は、1次側ポート21からシリンダ室22を経由して2次側ポート23へと至る流路24が内部に形成されている。1次側ポート21は、バルブボディ2の中央軸線CLに沿って図1中上下方向に延在し、シリンダ室22の底面に開口部21aを有している。2次側ポート23は、バルブボディ2の中央軸線CLを中心にして放射方向に延在し、シリンダ室22を外部に連通させる。なお、バルブボディ2には、複数の2次側ポート23を設けることができる。
前記シリンダ室22は、バルブボディ2を中央軸線CLに沿って貫通し、1次側ポート21側から順に連続するピストンヘッド摺接室22a、開弁室22b、ピストンフランジ案内室22c、バネ室22d、を有している。
前記ピストンヘッド摺接室22aは、ピストン3の後述するピストンヘッド31が差し込まれ、ピストン3の軸方向移動に伴って、このピストンヘッド31に設けられたOリング34が内周面(以下、第1内周面22eという)に摺接する部分である。このピストンヘッド摺接室22aの内径寸法は、ピストンヘッド31の外径寸法よりも大きく、Oリング34の外径寸法よりも小さい値に設定される。すなわち、ピストンヘッド摺接室22aにピストンヘッド31が差し込まれた際、Oリング34は数パーセントから十数パーセントの範囲で圧縮されて流路24を閉鎖する。
そして、シリンダ室22のピストンストローク長Lは、1次側の流体圧力Pによるピストン押圧力FPが、コイルバネ4の初期付勢力FS0に、Oリング34がピストンヘッド摺接室22aの第1内周面22eに固着しているときの接触抵抗力(固着時接触抵抗力FRA)を加算した値を超えても、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pth未満の間、Oリング34とピストンヘッド摺接室22aの第1内周面22eとの接触を確保し、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したとき、Oリング34とピストンヘッド摺接室22aの第1内周面22eとの接触を解除して流路24を開放する長さに設定される。
なお、「シリンダ室22のピストンストローク長L」とは、ピストンヘッド31が差し込まれるピストンヘッド摺接室22aの軸方向長さのうち、Oリング34が接触可能な部分の長さである。つまり、シリンダ室22の内周面にOリング34が接触しながらピストン3が移動できる長さである。
また、「1次側の流体圧力P」とは、1次側ポート21に作用する流体の圧力である。「ピストン押圧力FP」とは、1次側の流体圧力Pによってピストン3の後述するピストン受圧面31cに作用するピストン3を流路開放方向に押圧する力である。「コイルバネ4の初期付勢力FS0」とは、1次側の流体圧力Pがゼロのときのコイルバネ4のピストン付勢力である。
そして、「バルブ開圧力Pth」とは、流路24を開放し、1次側ポート21と2次側ポート23を連通させて、1次側の流体圧力Pを開放させる圧力であり、予め任意に設定する。
また、「1次側の流体圧力P」とは、1次側ポート21に作用する流体の圧力である。「ピストン押圧力FP」とは、1次側の流体圧力Pによってピストン3の後述するピストン受圧面31cに作用するピストン3を流路開放方向に押圧する力である。「コイルバネ4の初期付勢力FS0」とは、1次側の流体圧力Pがゼロのときのコイルバネ4のピストン付勢力である。
そして、「バルブ開圧力Pth」とは、流路24を開放し、1次側ポート21と2次側ポート23を連通させて、1次側の流体圧力Pを開放させる圧力であり、予め任意に設定する。
前記開弁室22bは、ピストンヘッド摺接室22aよりも内径寸法を大きい値に設定され、ピストン3の軸方向移動に伴ってピストンヘッド31がピストンヘッド摺接室22aから抜けたとき、このピストンヘッド31に設けられたOリング34と開弁室22bの内周面(以下、第2内周面22fという)との間に隙間を生じさせ、流路24を開放させる部分である。
なお、この実施例1において開弁室22bの内径寸法は、ピストンヘッド摺接室22a側からピストンフランジ案内室22c側に向かって、次第に拡径している。
なお、この実施例1において開弁室22bの内径寸法は、ピストンヘッド摺接室22a側からピストンフランジ案内室22c側に向かって、次第に拡径している。
前記ピストンフランジ案内室22cは、ピストン3の後述するピストンフランジ32が嵌合し、ピストン3の軸方向移動に伴って、このピストンフランジ32を支持する部分である。このピストンフランジ案内室22cの内周面(以下、第3内周面22gという)に対し、2次側ポート23が開放している。
また、このピストンフランジ案内室22cの内径寸法は、ピストンフランジ32の外径寸法よりも大きい値に設定され、ピストンフランジ32と第3内周面22gとの隙間からの流体の流出を可能としている。さらに、ピストンフランジ案内室22cと開弁室22bとの境界位置には、ピストンフランジ案内室22cの内部に張り出したフランジ当接面22hが形成され、ピストンフランジ32のフランジ受圧面32aが干渉する。
また、このピストンフランジ案内室22cの内径寸法は、ピストンフランジ32の外径寸法よりも大きい値に設定され、ピストンフランジ32と第3内周面22gとの隙間からの流体の流出を可能としている。さらに、ピストンフランジ案内室22cと開弁室22bとの境界位置には、ピストンフランジ案内室22cの内部に張り出したフランジ当接面22hが形成され、ピストンフランジ32のフランジ受圧面32aが干渉する。
前記バネ室22dは、ピストンフランジ案内室22cよりも内径寸法を大きい値に設定され、端部が開放した部分であり、内側にネジ溝22jが形成されている。そして、端部開口から調整ネジ5が差し込まれ、ネジ溝22jに螺合する。そして、このバネ室22dと、調整ネジ5と、ピストン3のピストンフランジ32のバネ押圧面32bによってバネ配置空間Bが区画される。
なお、バネ室22dに螺合した調整ネジ5の外面には、バネ室22dと調整ネジ5の間の相対的な変位を防止するロックナット6が螺合している。
なお、バネ室22dに螺合した調整ネジ5の外面には、バネ室22dと調整ネジ5の間の相対的な変位を防止するロックナット6が螺合している。
前記ピストン3は、バルブボディ2のシリンダ室22に配置され、軸方向に移動して流路24を開閉する。このピストン3は、ピストンヘッド31と、ピストンフランジ32と、ピストン本体33と、を有している。
前記ピストンヘッド31は、ピストン3の一端部に形成され、ピストンヘッド摺接室22aに対し出没自在に差し込まれる部分である。このピストンヘッド31の外周面31aには、環状のリング溝31bが形成され、Oリング34(ゴムリング)が嵌着されている。
ここで、Oリング34は、全周がゴムのみによって形成された断面O形状の環状のシール部材であり、ここではNBR(ニトリルゴム)によって形成され、シリンダ室22のピストンヘッド摺接室22aに接することで流路24を閉鎖する。
また、このピストンヘッド31の先端には、1次側ポート21の開口部21aに臨み、1次側の流体圧力Pを受けるピストン受圧面31cが形成されている。このピストン3を流路開放方向に押圧する力(ピストン押圧力FP)は、1次側の流体圧力Pと、ピストン受圧面31cの面積との積によって求めることができる。
ここで、Oリング34は、全周がゴムのみによって形成された断面O形状の環状のシール部材であり、ここではNBR(ニトリルゴム)によって形成され、シリンダ室22のピストンヘッド摺接室22aに接することで流路24を閉鎖する。
また、このピストンヘッド31の先端には、1次側ポート21の開口部21aに臨み、1次側の流体圧力Pを受けるピストン受圧面31cが形成されている。このピストン3を流路開放方向に押圧する力(ピストン押圧力FP)は、1次側の流体圧力Pと、ピストン受圧面31cの面積との積によって求めることができる。
前記ピストンフランジ32は、ピストンヘッド31とピストン本体33との間に形成され、ピストンヘッド31及びピストン本体33から径方向外側に張り出した環状部分である。このピストンフランジ32は、ピストンヘッド31側の端面がフランジ受圧面32aとなり、開弁室22bに流れ込んだ流体の流体圧力を受ける。また、ピストン本体33側の端面がバネ押圧面32bとなり、コイルバネ4の一端部が当接する。
前記ピストン本体33は、バルブボディ2のバネ室22d及びコイルバネ4を貫通し、端部が調整ネジ5のピストン貫通孔5aから突出している。なお、ピストン貫通孔5aは、バルブボディ2に形成された1次側ポート21の開口部21aに対向する穴であり、ピストン本体33がピストン貫通孔5aを貫通することで、ピストン3がバルブボディ2の中央軸線CLに沿った移動を確保する。また、ピストン貫通孔5aの内径寸法は、ピストン本体33の外形寸法よりも大きく、このピストン貫通孔5aからの流体の流出を可能としている。
前記コイルバネ4は、一端がピストンフランジ32のバネ押圧面32bに当接し、他端が調整ネジ5のピストン貫通孔5aの周囲に形成されたバネ支持面5bに当接し、ピストン3を流路閉鎖方向、すなわち1次側ポート21に向けて付勢する。このコイルバネ4は、全長が短くなるほど付勢力FSが大きくなる圧縮バネである。つまり、1次側の流体圧力Pが上昇し、ピストン3が流路開放方向、すなわち開弁室22bに向けて移動すると、このコイルバネ4はバネ押圧面32bによって押圧されて縮み、この縮み量に比例して付勢力FSが上昇する。
また、このコイルバネ4の初期付勢力FS0は、調整ネジ5のバネ室22dに対するねじ込み量によって設定される。実施例1では、このコイルバネ4の初期付勢力FS0が、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したときに生じるピストン押圧力FPから、Oリング34が固着しているときの固着時接触抵抗力FRAを差し引いた値よりも小さい値であって、流路24が閉鎖した状態でピストン3のピストン受圧面31cが受ける1次側の流体圧力Pが経験する値に基づいて、ピストン3が流路開放方向に移動するように設定される。
次に、実施例1のリリーフバルブにおける作用を、「寸法管理の容易化作用」と、「開弁圧の平準化作用」に分けて説明する。
[寸法管理の容易化作用]
図2は、実施例1のリリーフバルブの中期閉弁状態を示し、図3は、実施例1のリリーフバルブの開弁状態を示す。以下、図1〜図3に基づき、実施例1のリリーフバルブにおける寸法管理容易化作用を説明する。なお、「中期閉弁状態」とは、流路開放前に、1次側の流体圧力によってピストンが流路開放方向に移動した状態である。
図2は、実施例1のリリーフバルブの中期閉弁状態を示し、図3は、実施例1のリリーフバルブの開弁状態を示す。以下、図1〜図3に基づき、実施例1のリリーフバルブにおける寸法管理容易化作用を説明する。なお、「中期閉弁状態」とは、流路開放前に、1次側の流体圧力によってピストンが流路開放方向に移動した状態である。
実施例1のリリーフバルブ1において、バルブボディ2に形成された流路24は、ピストン3のピストンヘッド31に設けられたOリング34が、シリンダ室22の内周面に接することで閉鎖される。
すなわち、図1及び図2に示すように、ピストンヘッド31がシリンダ室22のピストンヘッド摺接室22a内に差し込まれ、Oリング34と第1内周面22eが接していれば、このOリング34によって流路24内の流体の流れが阻止されて流路24は閉鎖される。そして、流路24が閉鎖しているために1次側の流体圧力Pは上昇可能となっている。
一方、図3に示すように、ピストンヘッド31がピストンヘッド摺接室22aから抜けて開弁室22bへ入り込むと、Oリング34と開弁室22bの第2内周面22fとの間に隙間が生じ、Oリング34による密封状態が解除されて流路24は開放される。そして、流路24が開放したことで、1次側ポート21からピストンヘッド摺接室22a→開弁室22b→2次側ポート23へと流体が流れて1次側の流体圧力Pが下降する。
このように、流路24の開閉状態をシリンダ室22の内周面に対するOリング34の接触状態によって制御することができる。そして、Oリング34を用いた場合の寸法管理は、Oリング34のつぶし代に基づいて行うが、このOリング34のつぶし代は密封作用に必要なシール力(密封力)、滑り抵抗、Oリング34の永久ひずみ等の諸要素を考慮するものの、金属部品間の隙間管理に比べて緩い。そのため、厳格な寸法管理を不要とすることができ、リリーフバルブ1の製造容易性を向上することができる。
さらに、この実施例1のリリーフバルブ1では、図3に示すように、流路開放時、1次側ポート21からピストンヘッド摺接室22a→開弁室22b→ピストンフランジ案内室22cへと流れ込んだ流体は、ピストンフランジ案内室22cに連通している2次側ポート23へと排出される一方、一部は、ピストンフランジ32とピストンフランジ案内室22cの第3内周面22gとの隙間からバネ室22dへと流れ出す。なお、このバネ室22dへと流れ出た流体は、調整ネジ5に形成されたピストン貫通孔5aから外部へと排出される。
これにより、ピストンフランジ32と、ピストンフランジ案内室22cの第3内周面22gとの間の隙間寸法によって、リリーフバルブ1における吹き止まり圧力を制御することができる。
[開弁圧の平準化作用]
実施例1のリリーフバルブ1において、ピストン3の移動状態は、図4に示すように、1次側の流体圧力Pに応じて変化するピストン押圧力FPと、コイルバネ4による付勢力FS及びOリング34とピストンヘッド摺接室22aの第1内周面22eの間に生じる接触抵抗力FRとの合計値と、のバランスによって決まる。
つまり、下記式(1)が成立する場合では、付勢力FS及び接触抵抗力FRに対抗するピストン押圧力FPが小さいため、ピストン3は流路閉鎖方向に移動する。なお、ピストン3の流路閉鎖方向の移動は、ピストンフランジ32がフランジ当接面22hに干渉することで規制されるので、ピストン押圧力FPがゼロであってもピストン3が1次側ポート21側に抜けることはない。
また、下記式(2)が成立する場合では、付勢力FS及び接触抵抗力FRによるピストン押圧力FPに抗する力が小さいため、ピストン3は流路開放方向に移動する。
さらに、下記式(3)が成立する場合では、ピストン押圧力FPと、付勢力FS及び接触抵抗力FRを合わせた力とが拮抗し、ピストン3は移動しない。
FP<FS+FR …(1)
FP>FS+FR …(2)
FP=FS+FR …(3)
実施例1のリリーフバルブ1において、ピストン3の移動状態は、図4に示すように、1次側の流体圧力Pに応じて変化するピストン押圧力FPと、コイルバネ4による付勢力FS及びOリング34とピストンヘッド摺接室22aの第1内周面22eの間に生じる接触抵抗力FRとの合計値と、のバランスによって決まる。
つまり、下記式(1)が成立する場合では、付勢力FS及び接触抵抗力FRに対抗するピストン押圧力FPが小さいため、ピストン3は流路閉鎖方向に移動する。なお、ピストン3の流路閉鎖方向の移動は、ピストンフランジ32がフランジ当接面22hに干渉することで規制されるので、ピストン押圧力FPがゼロであってもピストン3が1次側ポート21側に抜けることはない。
また、下記式(2)が成立する場合では、付勢力FS及び接触抵抗力FRによるピストン押圧力FPに抗する力が小さいため、ピストン3は流路開放方向に移動する。
さらに、下記式(3)が成立する場合では、ピストン押圧力FPと、付勢力FS及び接触抵抗力FRを合わせた力とが拮抗し、ピストン3は移動しない。
FP<FS+FR …(1)
FP>FS+FR …(2)
FP=FS+FR …(3)
ここで、コイルバネ4による付勢力FSは、バネ縮み量に比例して上昇するが、その変化率は図5に示すように一定である。一方、Oリング34による接触抵抗力FRは、図6に示すように、Oリング34の状態によって大きく変化する。つまり、ピストン3が静止しているときの静止時接触抵抗力FRBと、ピストン3が移動しているときの摺動時接触抵抗力FRCとは、相対的に静止時接触抵抗力FRBの方が高い値であるものの、その差は大きくない。しかし、Oリング34がシリンダ室22の内周面(第1内周面22e)に固着している固着時接触抵抗力FRAは、静止時接触抵抗力FRBや摺動時接触抵抗力FRCと比べると非常に高い値になる。
そのため、Oリング34が固着している場合では、ピストン3を流路開放方向へと動かすために非常に大きなピストン押圧力FPが必要となる。しかし、固着状態が解消してピストン3が動き始めると、接触抵抗力FRが急速に低下し、ピストン押圧力FPが小さくてもピストン3は流路開放方向に移動可能となる。
そこで、コイルバネの初期付勢力FS0を、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したらピストンを移動させる大きさに設定してしまうと、Oリング34が固着している場合での流路24が開放する開弁圧は、バルブ開圧力Pthよりも大幅に高くなってしまう。
そのため、予め設定されたバルブ開圧力Pthよりも1次側の流体圧力Pが高くなってしまい、リリーフバルブとして不適格になるおそれがある。
そのため、予め設定されたバルブ開圧力Pthよりも1次側の流体圧力Pが高くなってしまい、リリーフバルブとして不適格になるおそれがある。
また、コイルバネの初期付勢力FS0を、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pth未満であってもピストンを移動させる大きさに設定すると共に、ピストンストローク長(Oリング102とシリンダ室103の内周面103aとが接触したままピストン101がストローク可能な長さ)を僅かにした図7に示す比較例のリリーフバルブ100を考える。
この場合、ピストン101は、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達する前に流路開放方向に移動可能であり、Oリング102がシリンダ室103の内周面103aに固着していても、開弁圧がバルブ開圧力Pthよりも高くなることを回避することができる。しかし、ピストン101が流路開放方向に移動した途端、Oリング102とシリンダ室103の内周面103aとの間に隙間が生じて流路104が開放する。つまり、ピストン101の移動開始時の1次側の流体圧力Pが開弁圧となる。
この場合、ピストン101は、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達する前に流路開放方向に移動可能であり、Oリング102がシリンダ室103の内周面103aに固着していても、開弁圧がバルブ開圧力Pthよりも高くなることを回避することができる。しかし、ピストン101が流路開放方向に移動した途端、Oリング102とシリンダ室103の内周面103aとの間に隙間が生じて流路104が開放する。つまり、ピストン101の移動開始時の1次側の流体圧力Pが開弁圧となる。
そして、このような比較例のリリーフバルブ100では、固着時接触抵抗力FRAが高いことから、Oリング102が内周面103aに固着している場合では、ピストン101の移動開始時の1次側の流体圧力Pも高くなり、開弁圧も高い値となる。また、Oリング102による静止時接触抵抗力FRBや摺動時接触抵抗力FRCは比較的低いため、Oリング102が内周面103aに固着していなければ、ピストン101の移動開始時の1次側の流体圧力Pも低くなり、開弁圧は低い値となる。
つまり、比較例のリリーフバルブ100において、長期間にわたって閉弁状態が維持されてOリング102が固着している状態から、複数回連続して開閉動作が行われる場合では、Oリング102が固着している最初の開弁時(第1回)には開弁圧が高い値になる。そして、その後開弁したことでOリング102の固着状態が解消すれば、開弁圧は低下し比較的低い値で落ち着く。すなわち、開弁圧にばらつきが生じてしまう(図8参照)。
しかも、Oリング102の固着を見込んでコイルバネ105の初期付勢力FS0を低く設定してしまうと、Oリング102が固着していないときの開弁圧が、バルブ開圧力Pthよりも大幅に低くなるという懸念もある。
しかも、Oリング102の固着を見込んでコイルバネ105の初期付勢力FS0を低く設定してしまうと、Oリング102が固着していないときの開弁圧が、バルブ開圧力Pthよりも大幅に低くなるという懸念もある。
これに対し、実施例1のリリーフバルブ1では、コイルバネ4の初期付勢力FS0を、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したときに生じるピストン押圧力FPから、Oリング固着時の接触抵抗力(固着時接触抵抗力FEA)を差し引いた値よりも小さい値に設定している。すなわち、このコイルバネ4の初期付勢力FS0は、1次側の流体圧力Pが所定のバルブ開圧力Pth未満であっても、ピストン3がシリンダ室22内を流路開放方向に移動可能な大きさになる。
そのため、ピストン3は、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthになる前に流路開放方向に向けて移動することができる。
そのため、ピストン3は、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthになる前に流路開放方向に向けて移動することができる。
特に、この実施例1では、コイルバネ4の初期付勢力FS0が、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したときに生じるピストン押圧力FPから、固着時接触抵抗力FEAを差し引いた値よりも小さい値になっている。
そのため、Oリング34が第1内周面22eに固着していても、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達する前にピストン3を流路開放方向に確実に移動することができる。
そのため、Oリング34が第1内周面22eに固着していても、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達する前にピストン3を流路開放方向に確実に移動することができる。
しかも、このコイルバネ4の初期付勢力FS0は、流路24が閉鎖した状態でピストン3のピストン受圧面31cが受ける1次側の流体圧力Pが経験する値に基づいて、ピストン3が流路開放方向に移動するように設定されている。
ここで、「1次側の流体圧力Pが経験する値」とは、リリーフバルブ1を装着した装置において、1次側の流体圧力Pが達すると想定される圧力値であり、いわゆる非異常圧力値である。
つまり、リリーフバルブ1を装着した装置の通常使用状態で発生しうる1次側の流体圧力Pに基づいてコイルバネ4の初期付勢力FS0を設定することで、この装置が通常使用状態であっても、ピストン3の流路開放方向への移動を可能にすることができる。これにより、ピストン3の移動頻度を高め、Oリング34の固着を防止することができる。
ここで、「1次側の流体圧力Pが経験する値」とは、リリーフバルブ1を装着した装置において、1次側の流体圧力Pが達すると想定される圧力値であり、いわゆる非異常圧力値である。
つまり、リリーフバルブ1を装着した装置の通常使用状態で発生しうる1次側の流体圧力Pに基づいてコイルバネ4の初期付勢力FS0を設定することで、この装置が通常使用状態であっても、ピストン3の流路開放方向への移動を可能にすることができる。これにより、ピストン3の移動頻度を高め、Oリング34の固着を防止することができる。
そして、シリンダ室22のピストンストローク長Lは、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pth未満の間、Oリング34とピストンヘッド摺接室22aの第1内周面22eとの接触を確保し、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したとき、Oリング34とピストンヘッド摺接室22aの第1内周面22eとの接触を解除して流路24を開放する長さに設定されている。
これにより、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pth未満であれば、ピストン3は流路24を閉鎖した状態でシリンダ室22内を移動することができる(図2参照)。つまり、流路開放以前にピストン3を移動させておき、流路開放時にはピストン3がスムーズに移動できる状態にしておくことができる。このため、流路開放時のOリング34による接触抵抗力FRのばらつきを抑制することができる。また、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したら、Oリング34と第1内周面22eとの接触が解除され(図3参照)、速やかに流路開放を行うことができる。これにより、開弁圧のばらつきを抑制しつつ、適切なタイミング(1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthになったタイミング)で流路開放を行うことできる。
これにより、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pth未満であれば、ピストン3は流路24を閉鎖した状態でシリンダ室22内を移動することができる(図2参照)。つまり、流路開放以前にピストン3を移動させておき、流路開放時にはピストン3がスムーズに移動できる状態にしておくことができる。このため、流路開放時のOリング34による接触抵抗力FRのばらつきを抑制することができる。また、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したら、Oリング34と第1内周面22eとの接触が解除され(図3参照)、速やかに流路開放を行うことができる。これにより、開弁圧のばらつきを抑制しつつ、適切なタイミング(1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthになったタイミング)で流路開放を行うことできる。
すなわち、この実施例1では、シリンダ室22のピストンストローク長Lを、図9に示すように、ピストン3を流路開放方向に移動させるために必要な最低限の1次側の流体圧力P(ピストンストローク必要圧)とバルブ開圧力Pthとの圧力差ΔPを、コイルバネ4の縮み量に換算した値に設定する。
ここで、「ピストンストローク必要圧」は、Oリング34の状態によって大きく変化する。つまりOリング固着時では、初期付勢力FS0+固着時接触抵抗力FRAであり、図9中Aで示す値になる。また、Oリング摺動時では、初期付勢力FS0+摺動時接触抵抗力FRCであり、図9中Bで示す値になる。しかしながら、いずれにしても、ピストンストローク長Lを、この「ピストンストローク必要圧」とバルブ開圧力Pthとの圧力差ΔPをバネ縮量に換算した値の分だけ確保すれば、ピストン3が流路開放方向に移動すると同時に流路24が開放されることはなく、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したタイミングで開弁することができる。
ここで、「ピストンストローク必要圧」は、Oリング34の状態によって大きく変化する。つまりOリング固着時では、初期付勢力FS0+固着時接触抵抗力FRAであり、図9中Aで示す値になる。また、Oリング摺動時では、初期付勢力FS0+摺動時接触抵抗力FRCであり、図9中Bで示す値になる。しかしながら、いずれにしても、ピストンストローク長Lを、この「ピストンストローク必要圧」とバルブ開圧力Pthとの圧力差ΔPをバネ縮量に換算した値の分だけ確保すれば、ピストン3が流路開放方向に移動すると同時に流路24が開放されることはなく、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したタイミングで開弁することができる。
さらに、この実施例1では、ピストンストローク長Lが、ピストン押圧力FPが、コイルバネ4の初期付勢力FS0に、Oリング固着時の接触抵抗力(固着時接触抵抗力FRA)を加算した値を超えても、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pth未満の間、Oリング34とピストンヘッド摺接室22aの第1内周面22eとの接触を確保し、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したとき、Oリング34とピストンヘッド摺接室22aの第1内周面22eとの接触を解除して流路24を開放する長さに設定されている。
これにより、Oリング34が第1内周面22eに固着していても、このOリング34の固着状態を確実に解消してから流路開放を行うことができ、Oリング34が第1内周面22eに固着している状態から、いきなり流路24が開放されてしまうことがなくなる。この結果、Oリング34が固着していても、開弁圧のばらつきを抑制することができる。
これにより、Oリング34が第1内周面22eに固着していても、このOリング34の固着状態を確実に解消してから流路開放を行うことができ、Oリング34が第1内周面22eに固着している状態から、いきなり流路24が開放されてしまうことがなくなる。この結果、Oリング34が固着していても、開弁圧のばらつきを抑制することができる。
そして、シリンダ室22のピストンストローク長Lを、Oリング固着時のピストンストローク必要圧(点A)とバルブ開圧力Pthとの圧力差ΔPをコイルバネ4の縮み量に換算した値に設定した場合では、ピストンストローク長LをOリング34の固着解消に必要な最低限の長さに設定することができる。これにより、ピストン3の軸方向長さが長くなることを防止することができる。
また、シリンダ室22内におけるピストンストローク長Lを、Oリング摺動時のピストンストローク必要圧(点B)とバルブ開圧力Pthとの圧力差ΔPをコイルバネ4の縮み量に換算した値に設定した場合では、ピストンストローク長Lが比較的長く設定され、固着時接触抵抗力FRAにばらつきが生じても、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達する前に開弁することを防止できる。
さらに、この実施例1では、シリンダ室22の内周面とピストン3の外周面との間を密封し、シリンダ室22の内周面に接することで流路24を閉鎖する環状のシール部材として、ピストンヘッド31に形成されたリング溝31bに嵌着する全周がゴムにより形成された断面O形状のOリング34を用いている。
そのため、例えばシール部材としてメカニカルシールを用いる場合と比較して、製造コストを安価にすることができる。また、ピストン3への装着作業も容易である。
そのため、例えばシール部材としてメカニカルシールを用いる場合と比較して、製造コストを安価にすることができる。また、ピストン3への装着作業も容易である。
次に、効果を説明する。
実施例1のリリーフバルブ1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例1のリリーフバルブ1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 1次側ポート21からシリンダ室22を経由して2次側ポート23へ至る流路24が形成されたバルブボディ2と、前記シリンダ室22内に配置されて流路24を開閉するピストン3と、前記ピストン3を流路閉鎖方向に付勢する付勢部材(コイルバネ4)と、を備えたリリーフバルブ1において、
前記ピストン3は、前記1次側ポート21に臨んで1次側の流体圧力Pを受けるピストン受圧面31cと、外周面31aに装着されて前記シリンダ室22の内周面(第1内周面22e)に接することで前記流路24を閉鎖する環状のシール部材(Oリング34)と、を有し、
前記付勢部材(コイルバネ4)の初期付勢力FS0を、前記1次側の流体圧力Pが前記流路24を開放させるバルブ開圧力Pth未満のとき前記ピストン3が前記シリンダ室22内を流路開放方向に移動する大きさに設定し、
前記シリンダ室22のピストンストローク長Lを、前記1次側の流体圧力Pが前記バルブ開圧力Pth未満の間、前記シール部材(Oリング34)と前記シリンダ室22の内周面(第1内周面22e)との接触を確保し、前記1次側の流体圧力Pが前記バルブ開圧力Pthに達したとき、前記シール部材(Oリング34)と前記シリンダ室22の内周面(第1内周面22e)との接触を解除して前記流路24を開放する長さに設定する構成とした。
これにより、厳格な寸法管理を不要としつつ、開弁圧のばらつきを抑制することができる。
前記ピストン3は、前記1次側ポート21に臨んで1次側の流体圧力Pを受けるピストン受圧面31cと、外周面31aに装着されて前記シリンダ室22の内周面(第1内周面22e)に接することで前記流路24を閉鎖する環状のシール部材(Oリング34)と、を有し、
前記付勢部材(コイルバネ4)の初期付勢力FS0を、前記1次側の流体圧力Pが前記流路24を開放させるバルブ開圧力Pth未満のとき前記ピストン3が前記シリンダ室22内を流路開放方向に移動する大きさに設定し、
前記シリンダ室22のピストンストローク長Lを、前記1次側の流体圧力Pが前記バルブ開圧力Pth未満の間、前記シール部材(Oリング34)と前記シリンダ室22の内周面(第1内周面22e)との接触を確保し、前記1次側の流体圧力Pが前記バルブ開圧力Pthに達したとき、前記シール部材(Oリング34)と前記シリンダ室22の内周面(第1内周面22e)との接触を解除して前記流路24を開放する長さに設定する構成とした。
これにより、厳格な寸法管理を不要としつつ、開弁圧のばらつきを抑制することができる。
(2) 前記シリンダ室22のピストンストローク長Lを、前記ピストン3を流路開放方向に移動させるために必要な1次側の流体圧力Pと前記バルブ開圧力Pthとの圧力差ΔPを、前記付勢部材(コイルバネ4)の縮み量に換算した値に設定する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、ピストン3が流路開放方向に移動すると同時に流路24が開放されることを防止し、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したタイミングで開弁することができる。
これにより、(1)の効果に加え、ピストン3が流路開放方向に移動すると同時に流路24が開放されることを防止し、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したタイミングで開弁することができる。
(3) 前記付勢部材(コイルバネ4)の初期付勢力FS0を、前記1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達したときに生じるピストン押圧力FPから、前記シール部材(Oリング34)が前記シリンダ室22の内周面(第1内周面22e)に固着しているときの接触抵抗力(固着時接触抵抗力FRA)を差し引いた値よりも小さい値に設定する構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、Oリング34が第1内周面22eに固着していても、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達する前にピストン3を流路開放方向に確実に移動することができる。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、Oリング34が第1内周面22eに固着していても、1次側の流体圧力Pがバルブ開圧力Pthに達する前にピストン3を流路開放方向に確実に移動することができる。
(4) 前記シリンダ室22のピストンストローク長Lを、前記1次側の流体圧力Pによるピストン押圧力FPが、前記付勢部材(コイルバネ4)の初期付勢力FS0に、前記シール部材(コイルバネ4)が前記シリンダ室22の内周面(第1内周面22e)に固着しているときの接触抵抗力(固着時接触抵抗力FRA)を加算した値を超えても、前記1次側の流体圧力Pが前記バルブ開圧力Pth未満の間、前記シール部材(Oリング34)と前記シリンダ室22の内周面(第1内周面22e)との接触を確保する長さに設定する構成とした。
これにより、(1)〜(3)のいずれかの効果に加え、Oリング34の固着状態を確実に解消してから流路開放を行うことができ、Oリング34が固着していても、開弁圧のばらつきを抑制することができる。
これにより、(1)〜(3)のいずれかの効果に加え、Oリング34の固着状態を確実に解消してから流路開放を行うことができ、Oリング34が固着していても、開弁圧のばらつきを抑制することができる。
(5) 前記付勢部材(コイルバネ4)の初期付勢力FS0を、前記流路24が閉鎖した状態で前記ピストン受圧面31cが受ける1次側の流体圧力Pが経験する値に基づいて、前記ピストン3を移動するように設定する構成とした。
これにより、(1)〜(4)のいずれかの効果に加え、リリーフバルブ1を装着した装置が通常使用状態において、ピストン3の流路開放方向への移動を可能にでき、ピストン3の移動頻度を高めてOリング34の固着を防止することができる。
これにより、(1)〜(4)のいずれかの効果に加え、リリーフバルブ1を装着した装置が通常使用状態において、ピストン3の流路開放方向への移動を可能にでき、ピストン3の移動頻度を高めてOリング34の固着を防止することができる。
(6) 前記シール部材を、前記ピストン3の外周面31aに形成されたリング溝31bに装着される全周がゴムにより形成されたゴムリング(Oリング34)によって構成することとした。
これにより、(1)〜(5)のいずれかの効果に加え、製造コストを安価なものとすることができる。
これにより、(1)〜(5)のいずれかの効果に加え、製造コストを安価なものとすることができる。
以上、本発明のリリーフバルブを実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ピストン3を流路閉鎖方向に付勢する付勢部材としてコイルバネ4を用いる例を示したが、これに限らず、通常リリーフバルブで使用される付勢部材であれば適用することができる。
また、実施例1では、ゴムリングとして断面O形状のOリング34を用いる例を示したが、これに限らず、全周がゴムのみによって形成されていればよく、例えば図10に示すような断面X状のXリング34´であっても適用することができる。
1 リリーフバルブ
2 バルブボディ
21 1次側ポート
22 シリンダ室
22a ピストンヘッド摺接室
22b 開弁室
22c ピストンフランジ案内室
22d バネ室
22e 第1内周面
23 2次側ポート
24 流路
3 ピストン
31 ピストンヘッド
31b リング溝
31c ピストン受圧面
34 Oリング(シール部材)
4 コイルバネ(付勢部材)
5 調整ネジ
6 ロックナット
2 バルブボディ
21 1次側ポート
22 シリンダ室
22a ピストンヘッド摺接室
22b 開弁室
22c ピストンフランジ案内室
22d バネ室
22e 第1内周面
23 2次側ポート
24 流路
3 ピストン
31 ピストンヘッド
31b リング溝
31c ピストン受圧面
34 Oリング(シール部材)
4 コイルバネ(付勢部材)
5 調整ネジ
6 ロックナット
Claims (6)
- 1次側ポートからシリンダ室を経由して2次側ポートへ至る流路が形成されたバルブボディと、前記シリンダ室内に配置されて流路を開閉するピストンと、前記ピストンを流路閉鎖方向に付勢する付勢部材と、を備えたリリーフバルブにおいて、
前記ピストンは、前記1次側ポートに臨んで1次側の流体圧力を受けるピストン受圧面と、外周面に装着されて前記シリンダ室の内周面に接することで前記流路を閉鎖する環状のシール部材と、を有し、
前記付勢部材の初期付勢力を、前記1次側の流体圧力が前記流路を開放させるバルブ開圧力未満のとき前記ピストンが前記シリンダ室内を流路開放方向に移動する大きさに設定し、
前記シリンダ室のピストンストローク長を、前記1次側の流体圧力が前記バルブ開圧力未満の間、前記シール部材と前記シリンダ室の内周面との接触を確保し、前記1次側の流体圧力が前記バルブ開圧力に達したとき、前記シール部材と前記シリンダ室の内周面との接触を解除して前記流路を開放する長さに設定する
ことを特徴とするリリーフバルブ。 - 請求項1に記載されたリリーフバルブにおいて、
前記シリンダ室のピストンストローク長を、前記ピストンを流路開放方向に移動させるために必要な1次側の流体圧力と前記バルブ開圧力との圧力差を、前記付勢部材の縮み量に換算した値に設定する
ことを特徴とするリリーフバルブ。 - 請求項1又は請求項2に記載されたリリーフバルブにおいて、
前記付勢部材の初期付勢力を、前記1次側の流体圧力がバルブ開圧力に達したときに生じるピストン押圧力から、前記シール部材が前記シリンダ室の内周面に固着しているときの接触抵抗力を差し引いた値よりも小さい値に設定する
ことを特徴とするリリーフバルブ。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載されたリリーフバルブにおいて、
前記シリンダ室のピストンストローク長を、前記1次側の流体圧力によるピストン押圧力が、前記付勢部材の初期付勢力に、前記シール部材が前記シリンダ室の内周面に固着しているときの接触抵抗力を加算した値を超えても、前記1次側の流体圧力が前記バルブ開圧力未満の間、前記シール部材と前記シリンダ室の内周面との接触を確保する長さに設定する
ことを特徴とするリリーフバルブ。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載されたリリーフバルブにおいて、
前記付勢部材の初期付勢力を、前記流路が閉鎖した状態で前記ピストン受圧面が受ける1次側の流体圧力が経験する値に基づいて、前記ピストンを移動するように設定する
ことを特徴とするリリーフバルブ。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載されたリリーフバルブにおいて、
前記シール部材を、前記ピストンの外周面に形成されたリング溝に装着される全周がゴムによって形成されたゴムリングによって構成する
ことを特徴とするリリーフバルブ。
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JP2015034535A JP2016156446A (ja) | 2015-02-24 | 2015-02-24 | リリーフバルブ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107503783A (zh) * | 2017-09-21 | 2017-12-22 | 鸿大智能机械有限公司 | 安全阀的阀芯 |
WO2021053959A1 (ja) * | 2019-09-20 | 2021-03-25 | Smc株式会社 | ガスシリンダ |
-
2015
- 2015-02-24 JP JP2015034535A patent/JP2016156446A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021053959A1 (ja) * | 2019-09-20 | 2021-03-25 | Smc株式会社 | ガスシリンダ |
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US11898583B2 (en) | 2019-09-20 | 2024-02-13 | Smc Corporation | Gas cylinder |
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