JP2016156395A - 無段変速機の制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】吸気ポート内に設けられた開閉弁の開閉に伴うエンジントルクの増減に起因するエンジン出力の変化を低減できる無段変速機の制御システムを提供する。【解決手段】無段変速機の制御システムSは、吸気ポート10と、燃料と吸気ポート10から導入した空気とを含む混合気を燃焼する燃焼室12と、吸気ポート10の一部を開閉して吸気ポート10から燃焼室12への空気量を調整する開閉弁102とを備える内燃機関1と、内燃機関1の回転数を所定の回転数に変速する無段変速機(CVT24)と、開閉弁102の開閉動作に伴って生じるエンジントルクの増減に応じて、エンジン出力の変化を小さくする変速比に変更するようにCVT24を制御する無段変速制御部32とを備える。開閉弁102の開閉の切替え時にエンジントルクが一時的に増減しても、変速比を変更してエンジン回転数を増減することで、エンジン出力の変化を小さくできる。【選択図】図1
Description
本発明は、車両などに搭載される内燃機関の回転数を変速比に応じて所定の回転数に変速する無段変速機の制御システムに関する。
自動車などの車両に搭載される内燃機関として、吸気ポートに開閉弁を備えて、開閉弁を閉じることで、吸気ポートの断面積を絞って吸気流速を高速化し、スワール渦を形成するものがある(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、軽負荷時に開閉弁を閉じてスワール渦を形成することで、空燃比が高いリーン域での燃焼を可能にするとしている。また、特許文献1では、エンジンに連結された自動変速機での変速中に、上記開閉弁の開閉の切替えを禁止することで、開閉弁の開閉に起因するエンジントルクの変化と、変速の際のイナーシャトルクによる出力軸トルクの変化とが重なって変速ショックが大きくなることを防止できるとしている。
吸気ポートに開閉弁が設けられた内燃機関を備える車両に対して、開閉弁の開閉に伴うエンジントルクの増減に起因するエンジン出力の変化を低減できることが望まれている。
特許文献1に記載されるように吸気ポートに設けられた開閉弁の開閉を切替える際、エンジントルクが変化し、一時的な増減が生じる。このエンジントルクの一時的な増減によって、エンジントルクに比例するエンジン出力も一時的に増減する。このエンジン出力の変化を乗員がショックとして感じることがある。例えば、高負荷時に空気量を確保するために開閉弁を閉じた状態から開くと、空気量が急激に増加して空燃比が一時的に希薄になってトルクが一時的に減少することがある。従って、エンジン出力を一定に維持して、より快適に運転できることが望まれる。
そこで、本発明の目的の一つは、吸気ポート内に設けられた開閉弁の開閉に伴うエンジントルクの増減に起因するエンジン出力の変化を低減できる無段変速機の制御システムを提供することにある。
本発明の一態様に係る無段変速機の制御システムは、吸気ポートと、燃料と前記吸気ポートから導入した空気とを含む混合気を燃焼する燃焼室と、前記吸気ポートの一部を開閉して前記吸気ポートから前記燃焼室への空気量を調整する開閉弁とを備える内燃機関と、前記内燃機関の回転数を所定の回転数に変速する無段変速機と、以下の無段変速制御部とを備える。
無段変速制御部は、前記開閉弁の開閉に伴って生じるエンジントルクの増減に応じて、エンジン出力の変化を小さくする変速比に変更するように前記無段変速機を制御する。
無段変速制御部は、前記開閉弁の開閉に伴って生じるエンジントルクの増減に応じて、エンジン出力の変化を小さくする変速比に変更するように前記無段変速機を制御する。
上記の無段変速機の制御システムは、開閉弁の開閉に伴ってエンジントルクが一時的に増減しても、この一時的な増減に応じて変速比を変更する。特に、エンジントルクとエンジン回転数との積で表されるエンジン出力の変化を小さくするように、エンジントルクの一時的な増加に対応してエンジン回転数を一時的に減少させる変速比に変更する。又はエンジントルクの一時的な減少に対応してエンジン回転数を一時的に増加させる変速比に変更する。このような上記の無段変速機の制御システムは、開閉弁の開閉に伴ってエンジントルクに一時的な変化が生じても、エンジン出力を一定に維持し易い。
以下、図面を参照して、本発明の無段変速機の制御システムを具体的に説明する。図中、同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
・全体構成
実施形態1の無段変速機の制御システムS(以下、単に制御システムSと呼ぶことがある)は、自動車といった車両(図示せず)に搭載されて、車両が走行する駆動力を発生する内燃機関1と、内燃機関1に連結されて内燃機関1の回転数(以下、エンジン回転数と呼ぶ)を所定の回転数に変速する変速機2とを備え、変速機2の制御に利用される。内燃機関1は、燃料と、吸気ポート10から導入した空気との混合気を燃焼室12で燃焼して上記駆動力を発生する。この内燃機関1は、シリンダヘッドに設けられた吸気ポート10の一部を開閉する開閉弁102を備え、開閉弁102の開度によって、吸気ポート10から燃焼室12への空気量が調整される。変速機2は、自動変速機の一つである連続無段変速機(CVT)24を備えて、車両の走行状況に応じて無段階に変速比を変更する。開閉弁102の開閉動作とCVT24の変速比の変更動作とを行うために、制御システムSは、開閉弁102を制御する開閉弁制御部31と、CVT24を制御する無段変速制御部(CVT−ECU)32とを含む電子制御装置3を備える。
・全体構成
実施形態1の無段変速機の制御システムS(以下、単に制御システムSと呼ぶことがある)は、自動車といった車両(図示せず)に搭載されて、車両が走行する駆動力を発生する内燃機関1と、内燃機関1に連結されて内燃機関1の回転数(以下、エンジン回転数と呼ぶ)を所定の回転数に変速する変速機2とを備え、変速機2の制御に利用される。内燃機関1は、燃料と、吸気ポート10から導入した空気との混合気を燃焼室12で燃焼して上記駆動力を発生する。この内燃機関1は、シリンダヘッドに設けられた吸気ポート10の一部を開閉する開閉弁102を備え、開閉弁102の開度によって、吸気ポート10から燃焼室12への空気量が調整される。変速機2は、自動変速機の一つである連続無段変速機(CVT)24を備えて、車両の走行状況に応じて無段階に変速比を変更する。開閉弁102の開閉動作とCVT24の変速比の変更動作とを行うために、制御システムSは、開閉弁102を制御する開閉弁制御部31と、CVT24を制御する無段変速制御部(CVT−ECU)32とを含む電子制御装置3を備える。
そして、実施形態1の制御システムSは、開閉弁102の開閉を切替えるなどしてエンジントルクが一時的に増減した結果、エンジン出力も増減することを低減するために、CVT24の変速比を一時的に変更するようにCVT24を制御する点を特徴の一つとする。この点に関して、制御システムSは、無段変速制御部32を、開閉弁102の開閉に伴って生じるエンジントルクの増減に応じて、エンジン出力の変化を小さくする変速比に変更するように構成している。以下、構成要素ごとに説明する。
・内燃機関
内燃機関1は、代表的には、オイルパン、シリンダブロック、シリンダヘッド、カバーが下から順に組み付けられた積層物を主体とする(いずれも図示せず)。シリンダブロックは、図2に示すようにシリンダ11を有し、シリンダ11内で往復動するピストン150などの主運動系を収納する。シリンダヘッドは、空気を導入する吸気ポート10と、燃料と吸気ポート10から導入した空気とを含む混合気を燃焼する燃焼室12と、燃焼室12で生じた排気ガスを排出する排気ポート14とを有し、各ポート10,14と燃焼室12との境界に配置されて、燃焼室12を開閉する吸気バルブ100及び排気バルブ140などの動弁系を収納する。内燃機関1は、吸気ポート10を経て燃焼室12に導入された空気と、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料とを利用して、吸気、圧縮、燃焼、排気の4サイクル運転などを行って上記駆動力を生成する。燃料は、インジェクタから燃焼室12に直接噴射したり(噴射式)、吸気ポート10に噴射したりする(ポート噴射式)。燃料をガソリンとする場合、内燃機関1は燃焼室12に点火プラグ120を有する。各ポート10,14には吸気マニホールド、排気マニホールドがそれぞれ接続される。
内燃機関1は、代表的には、オイルパン、シリンダブロック、シリンダヘッド、カバーが下から順に組み付けられた積層物を主体とする(いずれも図示せず)。シリンダブロックは、図2に示すようにシリンダ11を有し、シリンダ11内で往復動するピストン150などの主運動系を収納する。シリンダヘッドは、空気を導入する吸気ポート10と、燃料と吸気ポート10から導入した空気とを含む混合気を燃焼する燃焼室12と、燃焼室12で生じた排気ガスを排出する排気ポート14とを有し、各ポート10,14と燃焼室12との境界に配置されて、燃焼室12を開閉する吸気バルブ100及び排気バルブ140などの動弁系を収納する。内燃機関1は、吸気ポート10を経て燃焼室12に導入された空気と、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料とを利用して、吸気、圧縮、燃焼、排気の4サイクル運転などを行って上記駆動力を生成する。燃料は、インジェクタから燃焼室12に直接噴射したり(噴射式)、吸気ポート10に噴射したりする(ポート噴射式)。燃料をガソリンとする場合、内燃機関1は燃焼室12に点火プラグ120を有する。各ポート10,14には吸気マニホールド、排気マニホールドがそれぞれ接続される。
内燃機関1は、更に、吸気ポート10内に開閉弁102を備える。開閉弁102は、吸気ポート10の断面積を小さくして、吸気ポート10を絞るものであり、閉じた場合でも所定の断面積を確保して、空気の導入を可能にする。
開閉弁102の開閉は、開閉弁制御部31によって制御され、例えば、エンジン回転数とエンジン負荷とで表される運転領域マップに基づいて行う。具体的には、運転領域が大きなトルクを必要としないと考えられる低回転低負荷領域である場合には、開閉弁102を閉じて、吸気ポート10の断面積が小さい状態を維持すると、開閉弁102が開いた場合と比較してシリンダ11内への空気の流速を速められて、タンブル渦(図2)やスワール渦といった乱流を形成し易い。この乱流によって、希薄混合気の燃焼の安定を可能にしたり、燃焼速度の向上によってノッキングを抑制し、点火プラグ120の点火時期を進角側に制御することで燃費の向上などを図ったりすることができる。一方、運転領域が大きなトルクを要すると考えられる高回転高負荷領域である場合には、開閉弁102を開いた状態に維持すると、吸気抵抗を低減できて燃焼室12に吸気を十分に導入でき、大きなトルクを得易い。
開閉弁102には、タンブルコントロールバルブ(TCV)、スワールコントロールバルブ(SCV)に利用される公知の弁を利用できる。電磁弁や電動弁などといった電気的に制御可能な弁、例えばバタフライ弁などであれば、開度を調整し易く、好適に利用できる。内燃機関1は、電磁弁などの開度の調整を直接行う動作部を備えておく。
図1,図2では、一つの吸気ポート10の途中に一つの開閉弁102を備えて、一つの吸気ポート10を部分的に絞る形態を示す。図1に示すように吸気マニホールドが分岐されて、一つの燃焼室12に対して複数の吸気ポート10,10を備える場合には(図1では二つ)、各吸気ポート10,10に開閉弁102を設ける形態の他、一方の吸気ポート10にのみ開閉弁102を設け、他方の吸気ポート10は常時開いた形態とすることができる。開閉弁102を設ける一方の吸気ポート10は、上述の乱流が生じ易い形状、例えば螺旋状などとすることができる。
・変速機
この例の変速機2は、スターティングディバイスとするトルクコンバータ20と、車両の前進・後進を切替える前後進切替装置22と、CVT24と、変速及び増速されたCVT24からの回転数を減速する逆転減速装置26と、減速された動力を車輪(図示せず)に伝達するディファレンシャル装置(図示せず)とを備える。
この例の変速機2は、スターティングディバイスとするトルクコンバータ20と、車両の前進・後進を切替える前後進切替装置22と、CVT24と、変速及び増速されたCVT24からの回転数を減速する逆転減速装置26と、減速された動力を車輪(図示せず)に伝達するディファレンシャル装置(図示せず)とを備える。
CVT24は、例えば、駆動軸の一端に接続される駆動プーリ242と、従動軸の一端に接続される従動プーリ244と、両プーリ間に巻き掛けられたベルト240とを備えるベルト式のものが挙げられる。ベルト240は、例えば、一対の無端状張力帯と、これら張力帯に支持された多数のブロックや板状のエレメントとで構成された公知の金属ベルトが挙げられ、Vベルトと呼ばれるものを利用できる。各プーリ242,244はそれぞれ、駆動軸、従動軸に一体に固定された固定シーブと、駆動軸、従動軸の軸方向に移動自在にかつ一体に回転可能に支持された可動シーブとを備える。無段変速制御部32は、代表的には、各可動シーブの位置を油圧制御することで、所定の変速比に変更する。
・電子制御装置
内燃機関1及び変速機2は、電子制御装置3によって制御される。電子制御装置3には、各種センサ5からの信号が入力され、適宜、入力信号を演算などして、内燃機関1や変速機2に所定の動作を命令する。制御に利用するパラメータとして、エンジン回転数、エンジン負荷、アクセル開度又はアクセル踏込量、車速(車速センサ)、吸気量(エアアフロセンサやスロットルバルブの下流に設けられる負圧センサ)、スロットルバルブ開度(スロットルセンサ)、冷却液温(温度センサ)、空燃比、排気ガス中の酸素量などが挙げられる。この例の電子制御装置3は、内燃機関1の制御を行うエンジン制御部(ECU)30と、変速機2(主としてCVT24)の制御を行う無段変速制御部32とを備え、エンジン制御部30は、開閉弁制御部31を備える。両制御部30,32間は、通信用バスによって相互に連係される。
内燃機関1及び変速機2は、電子制御装置3によって制御される。電子制御装置3には、各種センサ5からの信号が入力され、適宜、入力信号を演算などして、内燃機関1や変速機2に所定の動作を命令する。制御に利用するパラメータとして、エンジン回転数、エンジン負荷、アクセル開度又はアクセル踏込量、車速(車速センサ)、吸気量(エアアフロセンサやスロットルバルブの下流に設けられる負圧センサ)、スロットルバルブ開度(スロットルセンサ)、冷却液温(温度センサ)、空燃比、排気ガス中の酸素量などが挙げられる。この例の電子制御装置3は、内燃機関1の制御を行うエンジン制御部(ECU)30と、変速機2(主としてCVT24)の制御を行う無段変速制御部32とを備え、エンジン制御部30は、開閉弁制御部31を備える。両制御部30,32間は、通信用バスによって相互に連係される。
開閉弁制御部31は、例えば、上述のエンジン回転数とエンジン負荷とで表される運転領域マップなどを記憶するメモリと、各種センサ5からの信号によってエンジン回転数及びエンジン負荷を演算する演算部と、演算部で求めた演算値と運転領域マップとを照合して開閉弁102の開度を選択する選択部と、選択した開度となるように上述の動作部に命令する命令部とを備えることが挙げられる(いずれも図示せず)。エンジン回転数は、例えば、センサ5として、クランク角センサを備えてクランク軸の回転角に関する信号などを利用して演算によって求められる。エンジン負荷は、例えば、センサ5として、アクセルセンサを備えてアクセル開度に関する信号などを利用して演算によって求められる。その他、エンジン負荷の演算に利用するパラメータとして、車速、スロットルバルブ開度、冷却液温などが挙げられる。開閉弁制御部31は、各運転領域に望ましい状態となるように、エンジン回転数及びエンジン負荷に基づいて開閉弁102の開度を調整する。
その他、エンジン制御部30は、ノッキングの防止、燃費向上などを目的として、点火プラグ120による点火時期の制御を行う点火制御部(図示せず)などを備える。
無段変速制御部32は、例えば、車速、アクセル開度、エンジン回転数などに応じて予め設定された変速マップを記憶するメモリと、各種センサ5からの信号と変速マップとを照合してプライマリ回転数の目標値を決定する設定部と、目標値となるように油圧制御を行う油圧装置に命令する命令部などとを備えることが挙げられる(いずれも図示せず)。
特に、実施形態1の制御システムSでは、無段変速制御部32は、開閉弁102の開閉に同期してCVT24を制御する。具体的には、開閉弁102を閉からopenに切替える際又はopenから閉に切替える際、この切替えによってエンジントルクが一時的に変動してもエンジン出力が実質的に一定になる変速比に変更するように、CVT24を制御する。この制御を行うために、無段変速制御部32は、例えば、開閉弁102の開閉の切替えの有無を判定する切替判定部と、後述するトルク変動マップを記憶するメモリと、開閉を切替える際に各種センサ5からの信号とトルク変動マップとを比較参照してエンジントルクの増減を判定する増減判定部と、判定結果に応じて変速比を選択する変速選択部と、選択した変速比となるように油圧装置に変更を命令する変更命令部とを備えることが挙げられる。
トルク変動マップは、例えば、エンジン回転数と吸気量とで表される各座標点に対して、開閉弁102を閉からopenに切替えた場合又はopenから閉に切替えた場合にエンジントルクの減少量又は増加量を表す配列データが挙げられる。上記エンジントルクの減少量及び増加量を予め求めておき、lookup tableとしてメモリに保存しておくことで、各種センサ5から得られるエンジン回転数及び吸気量に関する信号を取得すれば、無段変速制御部32は、トルクの増減を容易に判定できる。エンジントルクの減少量又は増加量に対応した変速比であってエンジン出力の変化を小さくできる変速比についても、予め、配列データをメモリに保存しておくことで、減少量又は増加量に関する信号を取得すれば、無段変速制御部32は、変速比を容易に決定できる。
・開閉弁と無段変速機との協調制御
以下、図3を参照して、実施形態1の制御システムSによって、開閉弁102の開閉動作に伴って、CVT24の変速動作を行う協調制御の具体的な手順の一例を説明する。
以下、図3を参照して、実施形態1の制御システムSによって、開閉弁102の開閉動作に伴って、CVT24の変速動作を行う協調制御の具体的な手順の一例を説明する。
まず、無段変速制御部32の切替判定部は、開閉弁102が開閉の切替えを行うか否かを判定する(ステップS10)。開閉の切替えの有無は、例えば、開閉弁制御部31からの切替え信号の有無を判定することが挙げられる。開閉の切替えは、開閉弁102の開度の変更量に応じて予め設定するとよい。開閉弁102の開度の変更量が所定値以上であれば、吸気ポート10の断面積の変更量が大きいといえ、吸気ポート10からの空気量が変動してエンジントルクが一時的に増減し得るからである。開閉弁制御部31は、開閉弁102の開度の変更量が所定値以上であれば、切替え信号を無段変速制御部32に発信し、所定値未満では発信しないように構成することが挙げられる。
切替判定部が上述の切替え信号を受信して、開閉弁102が開閉を切替えると判定した場合(Yes)、エンジントルクの増減が一時的に生じ得ると考えられる。そこで、無段変速制御部32の増減判定部は、エンジントルクが一時的に減少するか否かを判定する(ステップS11)。詳しくは、増減判定部は、上述のようにエンジン回転数及び吸気量に関する信号を取得し、取得した信号とメモリから呼び出したトルク変動マップ(lookup table)とを照合して、切替え直後の減少量又は増加量を取得し、減少量に関する信号の有無を判定するように構成することが挙げられる。
増減判定部が減少量に関する信号を受信して、エンジントルクが一時的に減少すると判定した場合(Yes)、エンジントルクの一時的な減少に伴うエンジン出力の一時的な減少を低減するために、エンジン回転数を増大する。そこで、無段変速制御部32の変速選択部は、取得した減少量に応じたローギヤの変速比を選択する(ステップS12)。上述のように、取得した信号とメモリから呼び出した配列データとを照合することで、変速比を容易に選択できる。
エンジントルクが一時的に減少すると考えられる場合としては、例えば、開閉弁102を閉からopenに切替えて、吸気ポート10から燃焼室12に導入される空気量が一時的に多くなり、空燃比が希薄になった状態や、空燃比が希薄になったことに伴うノッキングの発生によって点火時期を遅角した場合などが挙げられるが、この限りではない。
一方、増減判定部が、増加量に関する信号を受信して、エンジントルクが一時的に減少しないと判定した場合(No)、即ちエンジントルクが一時的に増加する場合、エンジントルクの一時的な増加に伴うエンジン出力の一時的な増加を減少するために、エンジン回転数を減少する。そこで、変速選択部は、取得した増加量に応じたハイギヤの変速比を選択する(ステップS13)。
エンジントルクが一時的に増加すると考えられる場合としては、例えば、開閉弁102をopenから閉に切替えて、吸気ポート10から燃焼室に導入される空気量が一時的に少なくなり、空燃比が濃くなった状態や、空燃比が濃くなったことに伴ってノッキング余裕度が大きくできて点火時期を進角した場合などが挙げられるが、この限りではない。
次に、無段変速制御部32の変更命令部は、変速選択部が選択した変速比となるように、CVT24の油圧装置に命令して、変速比を変更する(ステップS14)。
更に、エンジン制御部30は、開閉弁102の開閉の切替えに応じて、点火時期も制御することが好ましい(ステップS15)。例えば、開閉弁102を閉からopenに切替えると、タンブル渦などの乱流が形成され難く、燃焼が遅くなることでノッキングが発生し易くなる。そのため、点火プラグ120による点火時期を一時的に遅角側とすることでノッキングを抑制できる。開閉弁102をopenから閉に切替えてタンブル渦などの乱流が形成され易い場合には、乱流の形成によって燃焼が早くなることでノッキングが発生し難くなる。そのため、点火プラグ120による点火時期を一時的に進角側にすることで、燃費を向上できる。
開閉弁102の切替えが完了すれば、上述のエンジントルクの一時的な変動が実質的に無くなることから、一時的に変更したCVT24の変速比を、上述の運転領域に応じた適切な変更比に変更することが望まれる。そこで、無段変速制御部32は、例えば、切替判定部が切替え有りとの判定を行ってから所定時間経過後、又は変更命令部が変速比の変更を命令してから所定時間経過後などに、各種センサ5からの信号に基づき、適切な変速比を選択してCVT24に変速比の変更命令を出すように構成することが挙げられる。
無段変速制御部32の切替判定部が上述の切替え信号を受信しない場合、即ち、上記ステップS10でNoの場合とは、開閉弁102を閉じた状態に維持する、又はopen状態に維持する、又は開閉するが開度の変更量が小さく、エンジントルクの一時的な増減が非常に小さい場合などと考えられる。この場合には、エンジン制御部30は、空燃比やノッキングなどに応じて点火時期の制御を行うとよい(ステップS15)。
・効果
実施形態1の無段変速機の制御システムSは、吸気ポート10に設けられた開閉弁102の開閉に伴って生じ得るエンジントルクの増減に対応させて無段変速機(CVT24)の変速比を一時的に変更して、エンジン回転数を増減する。即ち、この制御システムSは、開閉弁102の開度の変化量に応じて、エンジン回転数を一時的に変化させる。こうすることで、実施形態1の無段変速機の制御システムSは、開閉弁102の開閉に伴ってエンジントルクが一時的に増減しても、エンジントルクとエンジン回転数との積で表されるエンジン出力を一定に維持し易く、エンジン出力の変化に起因するショックを低減できる。
実施形態1の無段変速機の制御システムSは、吸気ポート10に設けられた開閉弁102の開閉に伴って生じ得るエンジントルクの増減に対応させて無段変速機(CVT24)の変速比を一時的に変更して、エンジン回転数を増減する。即ち、この制御システムSは、開閉弁102の開度の変化量に応じて、エンジン回転数を一時的に変化させる。こうすることで、実施形態1の無段変速機の制御システムSは、開閉弁102の開閉に伴ってエンジントルクが一時的に増減しても、エンジントルクとエンジン回転数との積で表されるエンジン出力を一定に維持し易く、エンジン出力の変化に起因するショックを低減できる。
本発明の無段変速機の制御システムは、吸気ポートに開閉弁が設けられた内燃機関に連結されて、エンジン回転数を変速する無段変速機の制御に利用できる。例えば、本発明の無段変速機の制御システムは、上述した前後進切替装置22と逆転減速装置26とがCVT24を挟んで独立して備える構成の他、前後進切替装置22が逆転減速機能を備えて、前後切替え装置22を経たCVT24の回転をディファレンシャル装置に伝達する3軸CVTと呼ばれる変速機を備える場合に適用することができる。
S 無段変速機の制御システム
1 内燃機関
10 吸気ポート 11 シリンダ 12 燃焼室 14 排気ポート
100 吸気バルブ 120 点火プラグ 140 排気バルブ 150 ピストン
102 開閉弁
2 変速機
20 トルクコンバータ 22 前後進切替装置 24 無段変速機(CVT)
240 ベルト 242 駆動プーリ 244 従動プーリ 26 逆転減速装置
3 電子制御装置
30 エンジン制御部(ECU) 31 開閉弁制御部
32 無段変速制御部(CVT−ECU)
5 各種センサ
1 内燃機関
10 吸気ポート 11 シリンダ 12 燃焼室 14 排気ポート
100 吸気バルブ 120 点火プラグ 140 排気バルブ 150 ピストン
102 開閉弁
2 変速機
20 トルクコンバータ 22 前後進切替装置 24 無段変速機(CVT)
240 ベルト 242 駆動プーリ 244 従動プーリ 26 逆転減速装置
3 電子制御装置
30 エンジン制御部(ECU) 31 開閉弁制御部
32 無段変速制御部(CVT−ECU)
5 各種センサ
Claims (1)
- 吸気ポートと、燃料と前記吸気ポートから導入した空気とを含む混合気を燃焼する燃焼室と、前記吸気ポートの一部を開閉して前記吸気ポートから前記燃焼室への空気量を調整する開閉弁とを備える内燃機関と、
前記内燃機関の回転数を所定の回転数に変速する無段変速機と、
前記開閉弁の開閉に伴って生じるエンジントルクの増減に応じて、エンジン出力の変化を小さくする変速比に変更するように前記無段変速機を制御する無段変速制御部とを備える無段変速機の制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015032687A JP2016156395A (ja) | 2015-02-23 | 2015-02-23 | 無段変速機の制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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