JP2016155263A - プライ材料とその製造方法、生タイヤとその成形方法、および空気入りタイヤ - Google Patents

プライ材料とその製造方法、生タイヤとその成形方法、および空気入りタイヤ Download PDF

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黒木 武
Takeshi Kuroki
武 黒木
知大 津川
Tomohiro Tsugawa
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Abstract

【課題】ジョイント部と他の部分との剛性差を十分に小さくすることにより、製造後の空気入りタイヤにおいて、外観では判別できない程度までデントレベルを改善することができる空気入りタイヤの製造技術を提供する。
【解決手段】所定のピッチで平行に配列された複数のコードがトッピングゴムにより被覆されたトップ反を裁断して複数のプライ片を作成し、裁断後のプライ片の側縁部同士をオーバーラップさせてジョイントすることにより長尺のプライ材料を製造するプライ材料の製造方法であって、オーバーラップさせる上側および下側のプライ片のそれぞれの側縁部の上面に、所定の条件を満足するようにコードに沿った複数の凹溝を形成した後、プライ片の側縁部同士をオーバーラップさせてジョイントすることによりプライ材料を製造することを特徴とするプライ材料の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のコードが所定のピッチで平行に配列された長尺のプライ材料とその製造方法、長尺のプライ材料が用いられた生タイヤとその成形方法、および前記生タイヤを用いて得られた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤの製造工程においては、平行に配列されたコードがトッピングゴムにより被覆されたトップ反をコードに対して所定の角度で裁断して複数のプライ片を作成し、裁断後のプライ片の側縁部同士をオーバーラップさせた後、ジョイントする(裁断ジョイント)ことにより長尺のプライ材料を製造している(特許文献1)。
そして、次工程の生タイヤの成形工程において、上記で製造された長尺のプライ材料を所定の長さに裁断し、筒状の成形ドラムに巻回した後、巻回しの始端部と終端部とをオーバーラップさせてジョイントする(成形ジョイント)ことにより筒状に成形している。
しかし、このようにして成形された生タイヤでは、上記した裁断ジョイントや成形ジョイントによって形成されたジョイント部と、それ以外の部分との間に剛性差が生じるため、製造後の空気入りタイヤにおいてジョイント部とその近傍が適切に膨らまず、サイドウォール部のラジアル方向に凹み(デント)が生じる(デントレベルが悪化する)恐れがある。
そこで、従来より、このような剛性差の発生を抑制してデントレベルを改善するために、裁断ジョイントや成形ジョイントにおいて、ジョイント部分のオーバーラップ量を小さくする極小ジョイントや、オーバーラップさせずにジョイントをするジッパージョイント、爪ジョイントなどが採用されているが、生産性が低下する問題があった。そして、ジッパージョイント、爪ジョイントの採用には、多額の費用が掛かるという問題もあった。
これらの問題に対処する技術として、本発明者はプライ片をオーバーラップさせてジョイントするに際して、ジョイント部の上側のプライ片の側縁部に複数の凹溝を形成させることを提案している(特許文献2)。
これにより、ジョイント部の剛性を低下させることができるため、ジョイント部と他の部分との剛性差を小さくしてデントレベルの改善を図ることができるが、その程度は未だ十分とは言えず、ジョイント部と他の部分との剛性差をさらに小さくして外観では判別できない程度までデントレベルを改善することが望まれている。
特開2010−111082号公報 特開2014−133316号公報
そこで、本発明は、ジョイント部と他の部分との剛性差を十分に小さくすることにより、製造後の空気入りタイヤにおいて、外観では判別できない程度までデントレベルを改善することができる空気入りタイヤの製造技術を提供することを課題とする。
本発明者は以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
所定のピッチで平行に配列された複数のコードがトッピングゴムにより被覆されたトップ反を裁断して複数のプライ片を作成し、裁断後のプライ片の側縁部同士をオーバーラップさせてジョイントすることにより長尺のプライ材料を製造するプライ材料の製造方法であって、
オーバーラップさせる上側および下側の前記プライ片のそれぞれの側縁部の上面に、下記(a)〜(c)を満足するように前記コードに沿った複数の凹溝を形成した後、
前記プライ片の側縁部同士をオーバーラップさせてジョイントすることによりプライ材料を製造することを特徴とするプライ材料の製造方法である。
(a)0.2b≦a≦0.9b
(b)c≦1.5d
(c)0.5w≦e<1.0w
但し、a:凹溝の深さ
b:プライ片の厚み
c:凹溝の形成ピッチ
d:コードの配列ピッチ
e:凹溝の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝間の間隔
w:プライ片同士のオーバーラップ量
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のプライ材料の製造方法を用いて製造されていることを特徴とするプライ材料である。
請求項3に記載の発明は、
複数のコードが所定のピッチで平行に配列された長尺のプライ材料を裁断し、裁断後の前記プライ材料を円筒状の成形ドラムに巻回した後に始端部と終端部とをオーバーラップさせてジョイントすることにより生タイヤを成形する生タイヤの成形方法であって、
オーバーラップさせる前記プライ材料の始端部と終端部の上面に、下記(a)〜(c)を満足するように前記コードに沿った複数の凹溝を形成した後、
前記プライ材料の始端部と終端部とをオーバーラップさせてジョイントすることにより生タイヤを成形することを特徴とする生タイヤの成形方法である。
(a)0.2B≦A≦0.9B
(b)C≦1.5D
(c)0.5W≦E<1.0W
但し、A:凹溝の深さ
B:プライ材料の厚み
C:凹溝の形成ピッチ
D:コードの配列ピッチ
E:凹溝の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝間の間隔
W:始端部と終端部とのオーバーラップ量
請求項4に記載の発明は、
前記プライ材料の裁断予定箇所に前記凹溝を形成した後、前記プライ材料を前記裁断予定箇所で裁断し、裁断された前記プライ材料の始端部と終端部とをオーバーラップさせてジョイントすることにより生タイヤを成形することを特徴とする請求項3に記載の生タイヤの成形方法である。
請求項5に記載の発明は、
請求項2に記載のプライ材料を用いて、生タイヤを成形することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の生タイヤの成形方法である。
請求項6に記載の発明は、
請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の生タイヤの成形方法を用いて成形されていることを特徴とする生タイヤである。
請求項7に記載の発明は、
請求項6に記載の生タイヤを用いて製造されていることを特徴とする空気入りタイヤである。
本発明によれば、ジョイント部と他の部分との剛性差を十分に小さくすることにより、製造後の空気入りタイヤにおいて、外観では判別できない程度までデントレベルを改善することができる空気入りタイヤの製造技術を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るプライ材料の製造方法において形成されるジョイント部を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るプライ材料の製造方法を模式的に説明する図である。 本発明の第1の実施の形態に係るプライ材料の製造方法における凹溝の形成方法を模式的に説明する図である。 凹溝の断面形状の例を模式的に示す図である。 凹溝を形成する方法の他の例を模式的に説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る生タイヤの成形方法を模式的に説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る生タイヤの成形方法において形成されるジョイント部を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る生タイヤの成形方法における凹溝の形成方法を模式的に説明する図である。
以下、実施の形態に基づいて本発明を具体的に説明する。
(1)第1の実施の形態
第1の実施の形態として、プライ材料の製造方法について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るプライ材料の製造方法において形成されるジョイント部を模式的に示す断面図であり、図2は本実施の形態に係るプライ材料の製造方法を模式的に説明する図である。
図2に示すように、本実施の形態に係るプライ材料の製造方法は、基本的には従来と同様に、所定のピッチで平行に配列された複数のコード1がトッピングゴム2により被覆されたトップ反T1を、裁断線L1に沿って裁断して複数のプライ片3を作成し、裁断後の各プライ片3の側縁部3a、3b同士をオーバーラップさせてジョイントすることにより長尺のプライ材料T2を製造する。
しかし、本実施の形態においては、図1および図2に示すように、オーバーラップさせる2枚のプライ片3のそれぞれの側縁部3a、3bの上面に、コード1に沿った複数の凹溝5を形成する、即ち、従来のように、上側のプライ片3の側縁部3aだけではなく、下側のプライ片3の側縁部3bにも凹溝5を形成する点が従来と異なる。
このように、上側のプライ片3の側縁部3aだけでなく、下側のプライ片3の側縁部3bにも凹溝5を形成することにより、プライ片3の側縁部3a、3b同士をオーバーラップさせてジョイントした後のジョイント部4の剛性を、ジョイント部4以外の部分の剛性と同等程度まで低減させることができ、外観では判別できない程度までデントレベルを改善することができる。
次に、上記した凹溝の形成方法について具体的に説明する。図3は、本実施の形態に係るプライ材料の製造方法における凹溝の形成方法を模式的に説明する図である。
本実施の形態においては、トップ反T1を裁断してプライ片3を作成した後、作成したプライ片3の側縁部3a、3b同士をオーバーラップさせる前に、それぞれの側縁部3a、3bの上面に凹溝5を形成する。
具体的には、図3に示すように、トップ反T1(図2参照)を裁断して作成されたプライ片3の側縁部3bを、外周面に凸条11が複数形成された押圧ローラー10を用いて押圧することにより、側縁部3bの上面に図1のような複数の凹溝5を形成する。なお、図3では、プライ片3の一方の側縁部3bへの凹溝の形成を示しているが、他方の側縁部3a(図2参照)にも同様の手順で凹溝を形成する。
このとき、図1に示すように、隣接した2本のコード1の間に凹溝5が形成されるように、押圧ローラー10の凸条11(図3参照)がプライ片3を押圧する位置を調整することが好ましい。凸条11がプライ片3中のコード1上を押圧すると、形成後の凹溝5の形状が不安定になり、ジョイント部4の剛性を十分に低減させることが難しくなる恐れがある。
そして、上記のように両側縁部3a、3bに凹溝5が予め形成されたプライ片3をオーバーラップさせてジョイントすることにより、図1に示すような上側と下側の両方のプライ片3の側縁部3a、3bに凹溝5が形成された状態でジョイントされて、図2に示すように、長尺のプライ材料T2が製造される。製造された長尺のプライ材料T2は、その後、リール30に巻き取られて次工程に搬送される。
本実施の形態においては、上記したように、2枚のプライ片3のそれぞれの側縁部3a、3bの上面に凹溝5が形成された状態で、オーバーラップさせてジョイントしているため、製造後のプライ材料T2のジョイント部4の剛性を、従来の方法で製造されたプライ材料よりも低減させて、ジョイント部4の剛性をジョイント部4以外の部分と同等程度にして、製造後のタイヤのデントレベルを外観では判別できない程度にまで改善することができる。
また、本実施の形態に係るプライ材料の製造方法は、通常のオーバラップジョイントでプライ片3同士をジョイントしているため、オーバーラップ量を極小ジョイントよりも容易にコントロールすることができ、生産性が低下することを適切に防止できる。また、ジッパージョイントや爪ジョイントのような複雑な機構が不要であるため、設備コストを削減すると共に作業時間を短縮することができ、生産性が低下することを適切に防止できる。
なお、本実施の形態においては、プライ片同士を適切にジョイントしてジョイント部の剛性を十分に低減させるために、下記(a)〜(c)を満足するように凹溝を形成する。以下、それぞれの条件について具体的に説明する。
(a)0.2b≦a≦0.9b
(b)c≦1.5d
(c)0.5w≦e<1.0w
但し、a:凹溝の深さ
b:プライ片の厚み
c:凹溝の形成ピッチ
d:コードの配列ピッチ
e:凹溝の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝間の間隔
w:プライ片同士のオーバーラップ量
(a)凹溝の深さaとプライ片の厚みbとの関係
凹溝の深さaとプライ片の厚みbとの関係は、0.2b≦a≦0.9bとなるようにする。凹溝の深さaを0.2bよりも浅くした(a<0.2b)場合、プライ片の厚みbに対して凹溝の深さaが浅過ぎるため、ジョイント部の剛性を十分に低減させることが難しい。一方、a>0.9bの場合、プライ片を貫通する凹溝が形成されてしまい、適切にジョイントすることが困難になる。
なお、凹溝の深さaが0.2b以上、0.8b以下(0.2b≦a≦0.8b)であると、プライ片を貫通させることなく凹溝を形成すると共に、ジョイント部の剛性を十分低減させることができ好ましい。
(b)凹溝の形成ピッチcとコードの配列ピッチdとの関係
凹溝の形成ピッチcとコードの配列ピッチdとの関係は、c≦1.5dとなるようにする。凹溝の形成ピッチcを1.5dよりも広くした(c>1.5d)場合、凹溝の形成ピッチが疎になり過ぎるため、ジョイント部の剛性を十分に低減することが難しい。
この凹溝は、上記したように、隣接した2本のコード1の間に形成されていることが好ましいが、凹溝の形成ピッチcを0.4dよりも小さくして凹溝の形成ピッチcを密にし過ぎると、押圧ローラーの凸条がコード上を押圧する可能性が高くなるため、凹溝の断面形状が不安定になる恐れがある。
なお、0.5d≦c≦0.9dであると、2本のコードの間に確実に1〜2本の凹溝を形成させることができ、ジョイント部の剛性を効果的に低減させることができ好ましい。
(c)プライ片同士のオーバーラップ量wと、凹溝の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝間の間隔eとの関係
プライ片同士のオーバーラップ量wと、凹溝の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝間の間隔eとの関係は、0.5w≦e<1.0wとなるようにする。e<0.5wの場合、ジョイント部の剛性を十分に低減させることが難しい。
一方、e≧1.0wの場合、ジョイント部以外の部分にも凹溝が形成されて、この部分の剛性が低減するため、ジョイント部とそれ以外の部分との剛性差がより大きくなってデントレベルの悪化を招いてしまう。
本実施の形態において、凹溝の断面形状は、特に限定されるものではない。凹溝5は、例えば、図4(a)のような断面三角形、(b)のような断面四角形、(c)のような底面が円形の断面形状などのいずれを採用しても、同様の効果を得ることができる。
また、上記した実施の形態においては、図3に示すような複数の凸条11を有する押圧ローラー10を用いて凹溝5を形成しているが、凹溝5を形成するための部材は、これに限定されず、図5に示すような圧着面に凹凸が形成された棒状の押し当て部材20を用いることもできる。
(2)第2の実施の形態
次に、第2の実施の形態として、長尺のプライ材料を用いた生タイヤの成形方法について説明する。
図6は本発明の第2の実施の形態に係る生タイヤの成形方法を模式的に説明する図であり、図7は本実施の形態に係る生タイヤの成形方法により形成されたジョイント部を模式的に示す断面図である。なお、本実施の形態に係る生タイヤの成形方法においては、上記した第1の実施の形態に係るプライ材料の製造方法により製造された長尺のプライ材料T2を用いている。
図6に示すように、本実施の形態に係る生タイヤの成形方法は、基本的には従来と同様に、複数のコード1が所定のピッチで平行に配列された長尺のプライ材料T2を所定の長さとなるように、裁断線L2に沿って裁断し、裁断後のプライ材料T2を円筒状の成形ドラム40に巻回してプライ材料T2の始端部T2bと終端部T2aとをオーバーラップさせてジョイントすることにより生タイヤを成形する。
しかし、本実施の形態においては、従来と異なり、オーバーラップさせる2枚のプライ材料T2の始端部T2bと終端部T2aの上面に、コード1に沿った複数の凹溝5を形成する点が従来と異なる。
これにより、図7に示すように、プライ材料T2の始端部T2bと終端部T2aとをジョイントする成形ジョイントにおいても、上側のプライ材料T2と下側のプライ材料T2の両方に凹溝5を形成して、ジョイント部4の剛性を適切に低減させることができ、ジョイント部4とジョイント部4以外の部分との剛性差を小さくして、製造後のタイヤのデントレベルを外観では判別できない程度にまで改善することができる。
以下、本実施の形態に係る生タイヤの成形方法において、プライ材料T2の始端部T2bと終端部T2aの両方に複数の凹溝5を形成する方法を説明する。図8は本実施の形態に係る生タイヤの成形方法における凹溝の形成方法を模式的に示す図である。
本実施の形態においては、図8(a)に示すように、プライ材料T2の裁断に先立って、外周面に凸条11が複数形成された押圧ローラー10を用いて、プライ材料T2の裁断予定箇所を押圧することにより複数の凹溝5を形成する。
なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の観点から、下記(a)〜(c)を満足するように凹溝5を形成する。
(a)0.2B≦A≦0.9B
(b)C≦1.5D
(c)0.5W≦E<1.0W
但し、A:凹溝の深さ
B:プライ材料の厚み
C:凹溝の形成ピッチ
D:コードの配列ピッチ
E:凹溝の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝間の間隔
W:始端部と終端部とのオーバーラップ量
次に、図8(b)に示すように、長尺のプライ材料T2の凹溝5が形成された領域を凹溝5に沿った裁断線L2で裁断することにより、始端部T2bと終端部T2aのそれぞれに複数の凹溝5が形成された定尺のプライ材料T2を作製する。
そして、裁断後のプライ材料T2を成形ドラム40(図6参照)に巻回した後、図8(c)に示すように、プライ材料T2の始端部T2bと終端部T2aとをオーバーラップさせてジョイントする。これにより、生タイヤの成形における成形ジョイントの場合でも、図7に示すように、オーバーラップされる始端部T2bと終端部T2aの両方に凹溝5が形成された状態でジョイントを行うことができる。なお、図7および図8(c)におけるプライ材料T2は、本来、成形ドラム40の外周面に沿って湾曲しているが、説明の便宜上、平坦状に図示している。
特に、本実施の形態のように、上記した第1の実施の形態に係るプライ材料の製造方法により製造された長尺のプライ材料T2を用いた場合、成形ドラム40に巻回されたプライ材料T2の全てのジョイント部4が図1や図7に示すような構造になるため、全てのジョイント部4の剛性を他の部分と同等程度まで低減させて、剛性差によるデントレベルの低下を確実に防止することができ好ましい。
なお、本実施の形態に係る生タイヤの成形方法は、巻回するプライ材料T2の枚数が1枚である1−0構造の空気入りタイヤの製造において特に好ましく用いることができる。このような1−0構造の空気入りタイヤの場合、ジョイント部4のみが局部的に2枚構造になってジョイント部4以外の部分との剛性差によるデントレベルの悪化が生じやすいため、本発明の効果をより顕著に発揮させることができる。
1.試験用空気入りタイヤの作製
(1)実施例1〜実施例3
上記した第1の実施の形態に係るプライ材料の製造方法および第2の実施の形態に係る生タイヤの成形方法を用いて、全てのジョイント部において上側と下側の両方のプライ材料の上面に凹溝が形成された生タイヤを成形した後、加硫成形を行い、タイヤサイズ215/45R17のPCRタイヤ(プライ構造:1−0HTU)を作製した。
なお、実施例1〜実施例3では、上記した(a)〜(c)の条件を満たすように、凹溝の深さa、Aと、凹溝の形成ピッチc、Cと、凹溝5の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝5間の間隔(両外側の凹溝の間隔)e、Eとを表1の通りに設定した。
また、プライ材料の製造においては、以下のスペックのトップ反を用いた。
コード径φ :0.68mm
コードエンズ :5.0/5cm
コード構成 :1670dtex/2
トップ反ゲージ:0.95mm
(2)比較例1
凹溝を形成しないことを除いて、上記した実施例1〜実施例3と同様にしてPCRタイヤを作製した。
(3)比較例2〜比較例6
凹溝の深さや形成ピッチ等が上記した(a)〜(c)の条件の何れかを満たしていないことを除いて、上記した実施例1〜実施例3と同様にしてPCRタイヤを作製した。
(4)比較例7〜比較例9
ジョイント部において、従来の方法のように上側にのみ凹溝を形成したことを除いて、上記した実施例1〜実施例3と同様にしてPCRタイヤを作製した。なお、凹溝の形成に際しては、比較例7は実施例1と同じ、比較例8は実施例2と同じ、比較例9は実施例3と同じとした。
2.評価
(1)デント評価
各試験用タイヤの内圧を3.0kPaにして、FV測定用ドラムを回転させ、距離測定センサーにてショルダー部のデント量を測定し、比較例1の測定結果を100とする指数で評価した。評価結果を表1に示す。なお、指数が高いほどデントレベルが良く、低いほどデントレベルが悪いことを示す。
(2)耐久評価
各試験用タイヤについて、耐久性能を測定し、比較例1の測定結果を100とする指数で表して耐久性を評価した。評価結果を表1に示す。なお、指数が高いほど耐久性が高く、低いほど耐久性が低いことを示す。
Figure 2016155263
表1より、実施例1〜実施例3は、何れにおいても、比較例7〜比較例9のような上側にのみ凹溝を形成する従来の方法では実現することが困難であったデント評価150程度という高いデントレベルを実現することができ、デントが外観では判別できない程度まで改善されていた。また、実施例1〜3はいずれも耐久性が悪化していないことが分かった。
一方、凹溝の形成ピッチcが広過ぎる比較例2では、ジョイント部の剛性が十分に低減できず、デント評価が110に留まった。また、凹溝の深さaが浅過ぎる比較例3についても、ジョイント部の剛性が十分に低減できず、デント評価が105に留まった。
また、凹溝の深さaが深過ぎる比較例4では、凹溝5がプライ片を貫通しているため、製造後のタイヤのジョイント部に目開きが発生し、耐久レベルが90と悪化した。また、デント評価が98と若干悪化した。
また、凹溝の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝間の間隔eが狭過ぎる比較例5では、ジョイント部の剛性を十分に低減できず、デントのレベルが105に留まった。一方、両外側の凹溝の間隔eが広過ぎる比較例6では、オーバーラップ部分以外に凹溝が形成されて、デント評価が80まで低下し、ジョイント部の目開きが発生するとともに耐久レベルも80と悪化した。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
1 コード
2 トッピングゴム
3 プライ片
3a、3b プライ片の側縁部
4 ジョイント部
5 凹溝
10 押圧ローラー
11 凸条
20 押し当て部材
30 リール
40 成形ドラム
A、a 凹溝の深さ
b プライ片の厚み
B プライ材料の厚み
C、c 凹溝の形成ピッチ
D、d コードの配列ピッチ
E、e 凹溝の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝間の間隔
L1、L2 裁断線
T1 トップ反
T2 プライ材料
T2a 終端部
T2b 始端部
w プライ片同士のオーバーラップ量
W 始端部と終端部とのオーバーラップ量

Claims (7)

  1. 所定のピッチで平行に配列された複数のコードがトッピングゴムにより被覆されたトップ反を裁断して複数のプライ片を作成し、裁断後のプライ片の側縁部同士をオーバーラップさせてジョイントすることにより長尺のプライ材料を製造するプライ材料の製造方法であって、
    オーバーラップさせる上側および下側の前記プライ片のそれぞれの側縁部の上面に、下記(a)〜(c)を満足するように前記コードに沿った複数の凹溝を形成した後、
    前記プライ片の側縁部同士をオーバーラップさせてジョイントすることによりプライ材料を製造することを特徴とするプライ材料の製造方法。
    (a)0.2b≦a≦0.9b
    (b)c≦1.5d
    (c)0.5w≦e<1.0w
    但し、a:凹溝の深さ
    b:プライ片の厚み
    c:凹溝の形成ピッチ
    d:コードの配列ピッチ
    e:凹溝の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝間の間隔
    w:プライ片同士のオーバーラップ量
  2. 請求項1に記載のプライ材料の製造方法を用いて製造されていることを特徴とするプライ材料。
  3. 複数のコードが所定のピッチで平行に配列された長尺のプライ材料を裁断し、裁断後の前記プライ材料を円筒状の成形ドラムに巻回した後に始端部と終端部とをオーバーラップさせてジョイントすることにより生タイヤを成形する生タイヤの成形方法であって、
    オーバーラップさせる前記プライ材料の始端部と終端部の上面に、下記(a)〜(c)を満足するように前記コードに沿った複数の凹溝を形成した後、
    前記プライ材料の始端部と終端部とをオーバーラップさせてジョイントすることにより生タイヤを成形することを特徴とする生タイヤの成形方法。
    (a)0.2B≦A≦0.9B
    (b)C≦1.5D
    (c)0.5W≦E<1.0W
    但し、A:凹溝の深さ
    B:プライ材料の厚み
    C:凹溝の形成ピッチ
    D:コードの配列ピッチ
    E:凹溝の形成領域の両外側に形成された2つの凹溝間の間隔
    W:始端部と終端部とのオーバーラップ量
  4. 前記プライ材料の裁断予定箇所に前記凹溝を形成した後、前記プライ材料を前記裁断予定箇所で裁断し、裁断された前記プライ材料の始端部と終端部とをオーバーラップさせてジョイントすることにより生タイヤを成形することを特徴とする請求項3に記載の生タイヤの成形方法。
  5. 請求項2に記載のプライ材料を用いて、生タイヤを成形することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の生タイヤの成形方法。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の生タイヤの成形方法を用いて成形されていることを特徴とする生タイヤ。
  7. 請求項6に記載の生タイヤを用いて製造されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
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