JP2016154614A - 介護補助体 - Google Patents

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Yutaka Sato
侑 佐藤
中村 康寛
Yasuhiro Nakamura
康寛 中村
秀斗 横川
Hideto Yokogawa
秀斗 横川
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Abstract

【課題】介護者と被介護者に体格差があっても、介護者が座位の被介護者を前抱きによって座面から抱き上げる介護作業を容易に行い得るように補助できる、新規な構造の介護補助体を提供すること。【解決手段】座位の被介護者14と対峙した介護者12が被介護者14を前抱きによって座面から抱き上げる介護作業に用いられる介護補助体10であって、被介護者14の胴の背面を覆う胴支持部16を備えていると共に、被介護者14の大腿の背面を覆う大腿支持部18を備えており、更に介護者12が力を及ぼす入力部22,24を備えて、入力部22,24に及ぼされた介護者12の力が胴支持部16と大腿支持部18を介して被介護者14の胴および大腿の各背面に前面側への力として伝達されるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、介護者が座位の被介護者を前抱きして座面から抱き上げる介護作業を補助するための介護補助体に関するものである。
従来から、介護者が自力で移動することが困難な被介護者をベッドと車椅子などの間で移乗させる際に、座位の被介護者と向い合せに対峙した介護者が被介護者を前抱きによって座面から抱き上げる介護作業が行われている。この介護作業では、介護者と被介護者の体格差によっては、介護者が屈んだ姿勢から被介護者を抱き上げる際に、介護者の体に大きな負担を強いる場合があり、介護者の腰痛などが問題になっていた。そこで、特開平11−276533号公報(特許文献1)では、介護者の衣服にリフトベルトを設けた介護補助用の器具が提案されている。これによれば、被介護者が大腿乃至は臀部の下方に回されたリフトベルトによって座面から持ち上げられることから、被介護者を抱き上げる際の介護者の負担が低減されて、介護者の腰痛の発症などが回避され得る。
ところで、上述の如き前抱きによる抱上げ介護作業において、介護者は被介護者を座面から上方へだけ持ち上げるのではなく、上方へ持ち上げながら自分の側へ引き寄せる。これにより、介護者が被介護者を安定して支えることができると共に、抱き上げられる被介護者に安心感を与えることもできる。
しかしながら、特許文献1では、被介護者の上方への抱き上げがリフトベルトによって補助される一方で、被介護者の介護者側への抱き寄せは、介護者が腕を被介護者の胴背面に回して行う必要がある。それ故、例えば、介護者が小柄である場合や、被介護者が大柄である場合など、介護者と被介護者に大きな体格差があると、介護者の腕が被介護者の胴の背面まで回りきらず、被介護者を抱き寄せる動作が介護者にとって大きな負担となるおそれがあった。
特開平11−276533号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、介護者と被介護者に体格差があっても、介護者が座位の被介護者を前抱きによって座面から抱き上げる介護作業を容易に行い得るように補助することができる、新規な構造の介護補助体を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、座位の被介護者と対峙した介護者が該被介護者を前抱きによって座面から抱き上げる介護作業に用いられる介護補助体であって、前記被介護者の胴の背面を覆う胴支持部を備えていると共に、該被介護者の大腿の背面を覆う大腿支持部を備えており、更に前記介護者が力を及ぼす入力部を備えて、該入力部に及ぼされた該介護者の力が該胴支持部と該大腿支持部を介して該被介護者の胴および大腿の各背面に前面側への力として伝達されるようにしたことを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた介護補助体によれば、被介護者への装着状態で介護者が入力部に力を及ぼすことにより、大腿支持部から被介護者の大腿に上方へ持ち上げる力が及ぼされると共に、胴支持部から被介護者の胴(腰)に介護者側へ引き寄せる力が及ぼされる。従って、介護者は被介護者に適切に装着された介護補助体の入力部に力を及ぼすだけで、介護補助体を使わない抱上げ介護作業と同様に、被介護者を上方へ抱き上げながら、介護者側へ抱き寄せることができる。
しかも、大腿支持部を被介護者の大腿背面を覆うように回して装着することで、被介護者の大腿が大腿支持部によって支持されることから、介護者と被介護者の間に体格差があっても、介護者の力が被介護者の大腿に効率的に及ぼされる。更に、胴支持部を被介護者の胴背面を覆うように回して装着することで、被介護者の胴が胴支持部によって介護者側へ引き寄せられることから、介護者と被介護者の間に体格差があっても、介護者の力が被介護者の胴に効率的に及ぼされる。このように、本発明に係る介護補助体を用いることにより、介護者の腕が被介護者の背面まで十分に回り得ないほどの体格差があったとしても、介護者は比較的に小さな力で被介護者を前抱きしながら座面から抱き上げることができて、介護者の身体的な負担が軽減される。
なお、胴支持部と大腿支持部は、硬質材と軟質材の何れでも形成可能であるが、好適には、各被介護者の体表面に沿うように、長さ方向の少なくとも一部が柔軟に変形可能とされる。また、胴支持部と大腿支持部は、好適には、被介護者の姿勢の変化(例えば、座位から立位への変化など)に応じて相対的に変位可能とされており、少なくとも両支持部の連接部分では変形や回動などによる相対変位が許容されることが望ましい。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された介護補助体において、前記胴支持部と前記大腿支持部の少なくとも一方に着脱部が設けられており、該胴支持部と該大腿支持部の少なくとも一方が該着脱部において取外し自在に接続されているものである。
第二の態様によれば、介護者が介護補助体を座位の被介護者に装着する際に、大腿支持部と胴支持部の少なくとも一方を着脱部において外しておくことにより、大腿支持部と胴支持部を被介護者の背面に装着し易くなる。なお、着脱部は、大腿支持部や胴支持部の中間部分に設けられていても良いし、それら大腿支持部と胴支持部の接続部分などに設けられていても良い。
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された介護補助体において、前記胴支持部と前記大腿支持部が何れも柔軟な帯乃至はシートで形成されて折畳み可能とされているものである。
第三の態様によれば、大腿支持部と胴支持部が何れも可撓性を有することで、収納や持ち運びなどの際にコンパクトに折り畳むことができる。しかも、被介護者の体に接触する部分が柔軟性を有して被介護者の体に沿った形状に容易に変形することから、体格の異なる複数の被介護者に対応可能であると共に、抱き起しの力が被介護者に対して広い面積に分散して及ぼされて、被介護者の圧迫感や痛みなどが低減乃至は回避される。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか一つの態様に記載された介護補助体において、前記胴支持部が前記被介護者の胴の背面から両側面までを覆う帯状とされていると共に、前記大腿支持部が該胴支持部の両端部分を相互に繋ぐ帯状とされているものである。
第四の態様によれば、被介護者の胴が胴支持部によって背面から両側面にかけて覆われることから、介護作業時に被介護者の胴が左右方向でも支持されて、被介護者の姿勢がより安定する。更に、大腿支持部を外れた被介護者の臀部が、介護補助体で覆われることなく大腿支持部と胴支持部の間に位置せしめられることから、被介護者の姿勢の変化がより許容され易くなって、介護者が被介護者をより効率的に抱き上げることができる。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか一つの態様に記載された介護補助体において、前記入力部は前記介護者が腕を挿入する筒状のスリーブ部を備えており、該スリーブ部の両端が該介護者に向かって開口しているものである。
第五の態様によれば、介護者は、スリーブ部に挿入した腕をスリーブ部の内周面に押し当てることで入力部に力を及ぼすことができることから、入力部を掴むために必要な力などが低減される。また、スリーブ部の両端が介護者に向かって開口していることにより、介護者は被介護者と向かい合った状態でスリーブ部に腕を挿入し易くなっており、介護者は被介護者に装着された介護補助体を容易に使用することができる。
本発明の第六の態様は、第五の態様に記載された介護補助体において、前記スリーブ部の開口を保持する形状保持体が設けられているものである。
第六の態様によれば、スリーブ部の開口が形状保持体によって介護者側へ開口した状態に保持されることから、被介護者と向かい合った介護者が腕をスリーブ部に簡単に挿入することができる。なお、形状保持体は、スリーブ部の変形によって開口が閉塞されないようにスリーブ部の開口部の形状をある程度保持できれば良く、好適には、折り畳み可能な弾性体や可撓体が採用される。
本発明の第七の態様は、第一〜第六の何れか一つの態様に記載された介護補助体において、前記入力部は前記介護者が手で掴む把持部を備えているものである。
第七の態様によれば、介護者が把持部を掴みながら力を加えることで、入力部により大きな力を効率的に及ぼすことができて、抱き上げ介護作業をより有利に行うことができる。
本発明の第八の態様は、第七の態様に記載された介護補助体において、複数の前記把持部が前記胴支持部の長さ方向で相互に離隔して配設されているものである。
第八の態様によれば、介護者の腕の長さや被介護者の胴回りの寸法などに応じて、介護者が複数の把持部から掴み易いものを選択して掴むことで、体格の異なる複数の介護者や被介護者が使用する場合に対応し易くなる。
本発明によれば、介護者が入力部に力を及ぼすことにより、大腿支持部から被介護者へ大腿を上方へ持ち上げる力が及ぼされると共に、胴支持部から被介護者の胴(腰)に介護者側へ引き寄せる力が及ぼされて、被介護者を上方へ抱き上げながら介護者側へ抱き寄せることができる。更に、介護者の腕が被介護者の背面まで十分に回り得ないほどの体格差があったとしても、介護者は比較的に小さな力で被介護者を前抱きしながら座面から抱き上げることができて、介護者の身体的な負担が軽減される。
本発明の第一の実施形態としての介護補助体を示す斜視図。 図1に示す介護補助体の正面図。 図1に示す介護補助体の平面図。 図3のIV−IV断面図。 図1に示す介護補助体の使用状態を説明する図であって、(a)は座位の被介護者に介護補助体を装着した介護開始時を、(b)は介護者が被介護者を抱き上げた介護完了時を、それぞれ示す。 本発明の第二の実施形態としての介護補助体を示す斜視図。 図6に示す介護補助体の正面図。 図6に示す介護補助体の平面図。 図6に示す介護補助体の右側面図。 図6に示す介護補助体の使用状態を説明する図であって、(a)は座位の被介護者に介護補助体を装着した介護開始時を、(b)は介護者が被介護者を抱き上げた介護完了時を、それぞれ示す。 本発明の別の一実施形態としての介護補助体を示す正面図。 本発明のまた別の一実施形態としての介護補助体を示す図であって、(a)は座位の被介護者に介護補助体を装着した状態を、(b)は介護者が介護補助体の入力部に力を及ぼした状態を、それぞれ示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜4には、本発明の第一の実施形態としての介護補助体10が示されている。介護補助体10は、図5に示すように、介護者12が座位の被介護者14を前抱きして座面から抱き上げる際に用いられる介護補助具であって、本実施形態では略全体が布やシート状樹脂エラストマなどで形成されており、被介護者14の腰を背面から両側面にかけて覆う胴支持部としての腰引寄せ部16と、被介護者14の大腿の背面(座位における下面)を覆う大腿支持部としての大腿持上げ部18とを、備えている。なお、以下において、特に説明がない限り、上下方向とは使用状態での略鉛直上下方向である図2中の上下方向を、前後方向とは使用状態での被介護者14の前後である図4中の左右方向を、左右方向とは使用状態での被介護者14の左右方向である図2中の左右方向を、それぞれ言う。また、周方向とは、平面視で被介護者14の上体を囲む方向であって、後述する腰引寄せ部16の長さ方向を言う。
より詳細には、腰引寄せ部16は、天然繊維又は化学繊維の布などで形成されて長手帯状とされており、上下方向の高さ寸法が長さ方向の全長に亘って略一定とされている。また、腰引寄せ部16の下端には、内周側へ突出する半円環板状の突出片20が一体形成されている。
なお、腰引寄せ部16の高さ寸法は、例えば、平均的な体格を有する被介護者14の座位における座面から肘までの高さに基づいて設定されており、介護者12が腕を後述するスリーブ部22に差し入れた前傾姿勢において、介護者12が被介護者14の脇の下を支え易くなる。また、腰引寄せ部16の左右方向の幅寸法は、例えば、一般的な車椅子の左右の肘置き間の距離と被介護者14の腰の平均的な左右幅とに基づいて設定されて、車椅子からの移乗にも使用し易くなっていることが望ましい。更に、腰引寄せ部16の前後方向の奥行き寸法は、例えば、被介護者14の腰の平均的な前後寸法に基づいて設定されて、被介護者14の腰の側面が広い範囲に亘って腰引寄せ部16で覆われるようになっている。
また、腰引寄せ部16の上部には、スリーブ部22が設けられている。スリーブ部22は、腰引寄せ部16と同様に布などで形成されて筒状とされており、腰引寄せ部16の外周面上を長さ方向の全長に亘って連続して延びるように設けられて、本実施形態では内周側の壁部の一部が腰引寄せ部16によって構成されている。また、本実施形態のスリーブ部22は、座位の被介護者14に装着された使用状態の形状(図1〜4に示す形状)において、介護者12側となる前方に向かって開口している。更に、スリーブ部22の内径寸法は、例えば、介護者12の腕の平均的な太さに基づいて設定されており、衣服の袖があっても腕を簡単に挿入可能な大きさとされている。なお、スリーブ部22は、腰引寄せ部16とは別体とされて、腰引寄せ部16に縫い付けるなどして後固定されていても良いが、例えば、腰引寄せ部16の上端から延び出すように一体形成された部分を外周側に曲げて筒状となすことにより、腰引寄せ部16と一体で形成することもできる。
さらに、筒状とされたスリーブ部22の内側には、介護者12が掴むための複数の把持部24が収容されている。把持部24は、介護者12が手で握り易い大きさとされた略半円環形状の部材であって、合成樹脂などで形成されており、両端部分がスリーブ部22の内周壁部(腰引寄せ部16の外周面)に固定されている。本実施形態では、5つの把持部24が、スリーブ部22の長さ方向で相互に離れて、左右略対称に配置されている。なお、把持部24は、例えば、帯状の布の両端部を腰引寄せ部16の外周面に縫い付けるなどして固定することで、簡単に形成することもできる。
大腿持上げ部18は、腰引寄せ部16と同様に布などで形成されて、腰引寄せ部16よりも狭幅とされた長手帯状とされており、長さ方向の両端部が腰引寄せ部16の長さ方向両端部に繋がっている。これにより、大腿持上げ部18は腰引寄せ部16の周方向両端部の下端間に跨って左右に延びており、大腿持上げ部18よりも後方(図3中、上方)には、大腿持上げ部18と腰引寄せ部16の間を上下に貫通する臀部収容孔26が形成されている。また、大腿持上げ部18は、後述する被介護者14への装着状態における腰引寄せ部16の両端部間の距離よりも長くされており、被介護者14の体表面に沿って適宜に湾曲するように撓んで設けられている。
さらに、大腿持上げ部18は、一端が腰引寄せ部16に対して着脱可能に接続されている。即ち、大腿持上げ部18の一端は、腰引寄せ部16の外周面に面ファスナで取外し可能に取り付けられており、かかる大腿持上げ部18の一端と腰引寄せ部16の面ファスナによる接続部分が、本実施形態の着脱部28とされている。なお、図1では、着脱部28において大腿持上げ部18を腰引寄せ部16から取り外した状態が、二点鎖線で示されている。また、大腿持上げ部18の他端は、腰引寄せ部16に対して縫い付けられるなどして固定されている。なお、着脱部28の長さを大きく確保するなどして、大腿持上げ部18の長さを調節可能とすることが望ましく、これにより、被介護者14の大腿の太さの違いに簡単に対応することができる。
本実施形態の介護補助体10は、腰引寄せ部16とスリーブ部22を構成する第一の帯状体30と、大腿持上げ部18を構成する第二の帯状体32とを備えており、第二の帯状体32が第一の帯状体30(スリーブ部22および腰引寄せ部16)の周方向端部に重ね合わされて固着されている。このように、本実施形態の大腿持上げ部18は、腰引寄せ部16およびスリーブ部22の周方向端部と一体とされており、それによって優れた耐荷重性が実現されている。また、第二の帯状体32は、大腿持上げ部18を構成する部分と第一の帯状体30に固着される部分との境界で分断されており、かかる第二の帯状体32の中間に設けられた分断部分が、大腿持上げ部18の一端を腰引寄せ部16から取り外し可能とする着脱部28(面ファスナ)を備えている。
なお、腰引寄せ部16は、図中では略半円筒形状で示されているが、可撓性を有する柔軟な布などで形成されていることから、容易に変形し得る。同様に、スリーブ部22や大腿持上げ部18も柔軟な布などで形成されて変形が容易に許容されることから、介護補助体10は保管や持ち運びなどに際して折り畳むことが可能とされている。尤も、後述する力の伝達を有効に実現するためには、腰引寄せ部16と大腿持上げ部18とスリーブ部22とを構成する第一, 第二の帯状体30,32は、何れも厚さ方向の変形を容易に許容し得ると共に、面方向で伸縮し難いことが望ましい。
また、腰引寄せ部16と大腿持上げ部18とが、着座姿勢の被介護者14の胴と大腿の各背面に重ね合わされるように、被介護者14の胴の背面に当接する胴当面が略鉛直な面とされていると共に、被介護者14の大腿の背面に当接する大腿当面が略水平な面とされている。なお、胴当面と大腿当面は、必要に応じて被介護者14の体表面に沿うように適宜に湾曲形状とされ得る。
そして、介護補助体10は、図5に示すように、介護者12が座位の被介護者14を前抱きして座面から抱き上げる際に用いられる。即ち、図5(a)に示すように、椅子やベッドなどに腰掛けた被介護者14に対して、腰の背面から側面を覆うように腰引寄せ部16を回して配すると共に、大腿の背面(下面)を覆うように大腿持上げ部18を回して配する。なお、大腿持上げ部18の一端を腰引寄せ部16から取り外した状態で、腰引寄せ部16を被介護者14の腰の周囲に差し入れた後、大腿持上げ部18を被介護者14の大腿の下方に回して、他端部を腰引寄せ部16に面ファスナ(着脱部28)で固着することにより、介護補助体10を座位の被介護者14に容易に装着することができる。
かかる介護補助体10の被介護者14への装着状態において、介護者12は、スリーブ部22の両端開口部に前方から左右の腕を差し入れて、複数から選択された掴み易い把持部24を握る。この時、介護者12は、図5(a)に示すように、左右の腕を被介護者14の脇の下に差し入れて上体を屈めた前傾姿勢になっている。
そして、介護者12は、左右の腕をスリーブ部22に差し入れて把持部24を握った状態で、前傾した上体を徐々に起していくことにより、スリーブ部22および把持部24に斜め上向きの力を及ぼす。これにより、介護者12が及ぼした力は、大腿持上げ部18から被介護者14の大腿の背面に伝達されて、被介護者14の大腿に対して前面側(上方)への力として作用すると共に、腰引寄せ部16から被介護者14の胴の背面に伝達されて、被介護者14の胴に対して前面側(介護者12側)への力として作用する。その結果、被介護者14は、介護者12によって、上方へ持ち上げられると共に、前方(介護者12側)へ引き寄せられて、介護者12に前抱きされた状態を保ちながら座面から抱き上げられる。なお、上記の説明からも明らかなように、本実施形態の介護補助体10では、介護者12が力を加える入力部が、スリーブ部22と把持部24によって構成されている。
このような本実施形態に従う構造とされた介護補助体10によれば、被介護者14の大腿が大腿持上げ部18によって持ち上げられることから、大腿持上げ部18を被介護者14の大腿の背面を覆うように回して装着することで、介護者12と被介護者14の間に体格差があっても、介護者12の力が被介護者14の大腿に対して上方へ向かって効率的に及ぼされる。更に、被介護者14の胴が腰引寄せ部16によって介護者12側へ引き寄せられることから、腰引寄せ部16を被介護者14の胴背面を覆うように回して装着することで、介護者12と被介護者14の間に体格差があっても、介護者12の力が被介護者14の胴に対して前方へ向かって効率的に及ぼされる。従って、介護補助体10を用いて抱上げ介護作業を行うことにより、介護者12の腕が被介護者14の背面まで十分に回り得ない場合などにも、介護者12は比較的に小さな力で被介護者14を前抱きしながら座面から抱き上げることができて、介護者12の身体的な負担が軽減される。
さらに、本実施形態の介護補助体10では、被介護者14の胴が腰引寄せ部16によって背面から両側面にかけて覆われることから、介護作業時に被介護者14の胴が左右方向でも支持されて、被介護者14の姿勢がより安定する。また、大腿持上げ部18を後方へ外れた被介護者14の臀部が、介護補助体10で覆われることなく臀部収容孔26に入り込むことから、被介護者14の姿勢の変化がより許容され易くなって、介護者12が被介護者14をより効率的に抱き上げることができる。
また、介護補助体10の全体が可撓性を有することで、被介護者14の体に接触する部分が被介護者14の体に沿った形状に柔軟に変形することから、体格の異なる複数の被介護者14に対応可能であると共に、抱き起しの力が被介護者14に対して広い面積に分散して及ぼされて、被介護者14の圧迫感や痛みなどが低減乃至は回避される。しかも、収納や持ち運びなどの際には、コンパクトに折り畳むこともできる。
また、腰引寄せ部16の外周面に介護者12が掴んで操作する把持部24が設けられていることから、介護者12が把持部24を掴みながら力を加えることで、より大きな力を効率的に及ぼすことができて、抱き上げ介護作業をより有利に行うことができる。
本実施形態では、複数の把持部24が腰引寄せ部16の長さ方向で相互に離隔して配設されており、介護補助体10の装着状態でそれら複数の把持部24が被介護者14の周囲に配置されるようになっている。それ故、介護者12の腕の長さや被介護者14の胴回りの寸法などに応じて、複数の把持部24から介護者12が掴み易いものを選択することで、体格の異なる複数の介護者12や被介護者14が使用する場合に対応し易くなる。
さらに、介護者12が腕を差し入れるスリーブ部22を備えていることによって、介護者12は、スリーブ部22に挿入した腕をスリーブ部22の内周面に当接させて、介護補助体10に力を及ぼすこともできることから、把持部24を掴む力が小さい介護者12であっても、被介護者14の抱き上げに必要な力を得ることができる。
特に本実施形態では、スリーブ部22の両端が介護者12に向かって開口していることにより、介護者12は、被介護者14と向かい合った状態でスリーブ部22に腕を挿入し易く、被介護者14に装着された介護補助体10を容易に使用することができる。
また、大腿持上げ部18の一方の端部が腰引寄せ部16の周方向端部に対して、面ファスナで構成された着脱部28によって着脱可能に取り付けられていることから、腰引寄せ部16を座位の被介護者14の腰の背面側に差し入れる際に、大腿持上げ部18の一方の端部を腰引寄せ部16から取り外しておくことにより、装着作業が容易になる。
図6〜9には、本発明の第二の実施形態としての介護補助体40が示されている。介護補助体40は、薄肉長手状とされた帯状体42の両端部に、面ファスナによる着脱部44が設けられた構造を有しており、着脱部44によって帯状体42の両端部を相互に固着することにより、環状の使用状態になる。なお、以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことで説明を省略する。
より具体的には、介護補助体40は、帯状体42の両端部が相互に連結された使用状態において、前方に行くに従って上傾する軸を持った略円錐台殻形状の周壁をなしており、該周壁の後端を構成する部分が胴支持部としての腰引寄せ部46とされていると共に、下端を構成する部分が大腿支持部としての大腿持上げ部48とされている。要するに、本実施形態の介護補助体40では、大腿持上げ部48と腰引寄せ部46が1つの帯状体42によって一体形成されている。なお、介護補助体40が全体として略円錐台殻形状をなしていることから、大腿持上げ部48と腰引寄せ部46の前後間には、被介護者14の臀部を収容する臀部収容孔50が形成されている。
さらに、腰引寄せ部46の外周面には、左右一対の把持部24,24が取り付けられている。本実施形態では、スリーブ部22は設けられておらず、左右一対の把持部24,24が腰引寄せ部46の外周面に露出して設けられている。
そして、介護補助体40は、第一の実施形態の介護補助体10と同様に、介護者12が座位の被介護者14を前抱きして座面から抱き上げる介護作業時に使用される(図10参照)。
このような本実施形態に従う構造とされた介護補助体40においても、第一の実施形態の介護補助体10と同様に、座位の被介護者14を前抱きして抱き上げる介護作業を、介護者12と被介護者14の体格差や、介護者12の筋力などによる影響を抑えて、有効に行うことができる。
しかも、本実施形態の介護補助体40では、腰引寄せ部46と大腿持上げ部48が帯状体42によって一体で形成されていることから、構造がより一層簡単とされて、製造の容易化などが図られると共に、耐久性の向上なども期待できる。更に、座位の被介護者14に対する着脱もより簡単であり、介護作業に要する労力を一層低減することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、第一の実施形態では、腰引寄せ部16の長さ方向全長に亘って連続して設けられたスリーブ部22を例示したが、スリーブ部は、例えば、第二の帯状体32で形成されたリング状とされて、腰引寄せ部16の長さ方向の両端部にだけ部分的に形成されていても良い。要するに、スリーブ部としては、介護者12の腕の中間部分が部分的に挿入されるものでも良く、例えば、手が露出するような構造も採用され得る。
また、着脱部の例として、第一の実施形態では、腰引寄せ部16と大腿持上げ部18の接続部分が面ファスナによって着脱可能とされた構造が示されていると共に、第二の実施形態では、腰引寄せ部46と大腿持上げ部48の間の繋ぎ部分が面ファスナによって相互に着脱可能とされた構造が示されているが、着脱部はかかる具体例によって限定的に解釈されるものではない。即ち、例えば、腰引寄せ部16や大腿持上げ部18の中間部分に面ファスナなどによる着脱部が設けられて、腰引寄せ部16や大腿持上げ部18が着脱部で分割可能な構造とされていても良い。
さらに、着脱部は、必ずしも面ファスナによって実現されるものに限定されず、例えば、ベルトのバックルの如き構造や、結び目、フック、ボタン、スナップ、ファスナなど、着脱可能に連結し得る各種の公知構造が採用され得る。
また、第一の実施形態に示す介護補助体10において、スリーブ部22の開口を維持するための形状保持体を採用することもできる。具体的には、例えば、図11に示すように、スリーブ部22に挿入された厚肉板状の形状保持体60が、スリーブ部22の内周部分(腰引寄せ部16の外周面)に重ね合わされて、周方向全長に亘って配設された構造などが採用され得る。これによれば、スリーブ部22の上下壁部が形状保持体60で相互に離れた状態に保たれることによって、スリーブ部22の開口が変形によって閉塞されることなく保持されて、介護者12がスリーブ部22の開口に腕を挿入し易くなる。
さらに、形状保持体の他の態様としては、スリーブ部22の開口部の内周面又は外周面に固着されて、スリーブ部22の開口部を全周に亘って補強する構造なども採用され得る。
なお、形状保持体60は、スリーブ部22の開口部の変形を略完全に阻止する必要はなく、スリーブ部が介護者に向けて開口した状態に保持できるものであれば、開口部が狭まる程度の変形をスリーブ部22に許容するものであっても良い。更に、形状保持体60は、スリーブ部22の開口を保持し得る程度の耐変形性を有することが必要であるが、介護補助体10の折畳みを許容する弾性乃至は可撓性を有することが望ましい。尤も、形状保持体をスリーブ部22に対して取外し可能に配する場合などには、折畳みを許容されない比較的に硬質の形状保持体も採用され得る。
また、入力部は、必ずしも前記実施形態で示したスリーブ部22や把持部24の構造に限定されない。具体的には、例えば、図12(a)に示すように、第二の実施形態に示した介護補助体40において、帯状体42における腰引寄せ部46と大腿持上げ部48の間(被介護者14の腰の側面を覆う部分)が、入力部としての中間入力部70とされており、図12(b)に示すように、介護者12が中間入力部70を掴むようにしても良い。これによれば、介護補助体40の構造の更なる簡略化が図られると共に、介護者12が中間入力部70を掴んで斜め上方へ引く力を及ぼすことにより、被介護者14を抱き上げることができる。特に、介護者12が中間入力部70に及ぼす力Fによって、帯状体42が図12(b)に示すように変形することから、腰引寄せ部46から被介護者14に及ぼされる力Fhと、大腿持上げ部48から被介護者14に及ぼされる力Fvとが、それぞれ被介護者14の体表面に対して略直角に作用して、腰引寄せ部46および大腿持上げ部48が被介護者14の体表面に沿って滑るのを防ぎ易くなる。従って、介護者12の力を被介護者14を抱き上げる方向に効率的に作用させることができて、介護者12の負担を効果的に低減することができる。なお、介護者12の負担の更なる低減などを目的として、図12の構造において、中間入力部70に把持部24やスリーブ部22を設けることも可能である。
また、前傾姿勢で被介護者14を前抱きした介護者12が上体を起こして被介護者14を抱き起す際に、かかる介護者12の上体を起こす動作を補助する機器を本発明に係る介護補助体10と併用すれば、抱上げ介護に必要な介護者12の労力をより一層軽減せしめることも可能になる。また、例えば、介護補助体10の入力部を上述の補助機器に引っ掛けるなどして、補助機器で一時的に支持させることにより、被介護者14を座面から離れた抱き上げ状態に保ちながら、介護者12が被介護者14から離れて別の作業をすることもできる。
10,40:介護補助体、12:介護者、14:被介護者、16,46:腰引寄せ部(胴支持部)、18,48:大腿持上げ部(大腿支持部)、22:スリーブ部(入力部)、24:把持部(入力部)、28,44:着脱部、60:形状保持体、70:中間入力部(入力部)

Claims (8)

  1. 座位の被介護者と対峙した介護者が該被介護者を前抱きによって座面から抱き上げる介護作業に用いられる介護補助体であって、
    前記被介護者の胴の背面を覆う胴支持部を備えていると共に、該被介護者の大腿の背面を覆う大腿支持部を備えており、更に前記介護者が力を及ぼす入力部を備えて、該入力部に及ぼされた該介護者の力が該胴支持部と該大腿支持部を介して該被介護者の胴および大腿の各背面に前面側への力として伝達されるようにしたことを特徴とする介護補助体。
  2. 前記胴支持部と前記大腿支持部の少なくとも一方に着脱部が設けられており、該胴支持部と該大腿支持部の少なくとも一方が該着脱部において取外し自在に接続されている請求項1に記載の介護補助体。
  3. 前記胴支持部と前記大腿支持部が何れも柔軟な帯乃至はシートで形成されて折畳み可能とされている請求項1又は2に記載の介護補助体。
  4. 前記胴支持部が前記被介護者の胴の背面から両側面までを覆う帯状とされていると共に、前記大腿支持部が該胴支持部の両端部分を相互に繋ぐ帯状とされている請求項1〜3の何れか一項に記載の介護補助体。
  5. 前記入力部は前記介護者が腕を挿入する筒状のスリーブ部を備えており、該スリーブ部の両端が該介護者に向かって開口している請求項1〜4の何れか一項に記載の介護補助体。
  6. 前記スリーブ部の開口を保持する形状保持体が設けられている請求項5に記載の介護補助体。
  7. 前記入力部は前記介護者が手で掴む把持部を備えている請求項1〜6の何れか一項に記載の介護補助体。
  8. 複数の前記把持部が前記胴支持部の長さ方向で相互に離隔して配設されている請求項7に記載の介護補助体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021090537A (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 株式会社ソフイア 遊技機

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