JP2016154568A - リールシート - Google Patents

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Abstract

【課題】常に良好なグリップ力で把持することができ、握り込まなくても滑り難い、安定した握持性と操作性の向上を図ることができるリールシートを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のリールシート1は、固定フード5の開口部5aの幅方向両側から竿尻側へ傾斜しながらリールシート本体2の長手方向に沿って延設される段差状の第1の稜線部30と、少なくともリール脚載置面3に載置されるリール脚R1の載置部R1aの長さ範囲にわたって第1の稜線部30と略平行に傾斜しながらリールシート本体2の長手方向に沿って延設される段差状の第2の稜線部32とを備える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、リールを装着するために釣竿に設けられるリールシートに関する。
従来から、リールを装着して使用できる釣竿においては、リールの脚部(以下、リール脚と称する)が着脱自在に装着されるリールシートが設けられる。このようなリールシートは、様々な形態のものが知られているが、一般的には、釣竿の竿杆に取り付けられ(あるいは、竿杆と一体に形成され)且つリール脚を載置するためのリール脚載置面を有するリールシート本体と、リールシート本体に設けられ且つリール脚を受け入れる開口部を有する固定フードと、固定フードと対向して移動可能にリールシート本体に設けられ且つリール脚を受け入れる開口部を有する移動フードとを備える。そして、このようなリールシートに対するリールの装着は、リール脚載置面上にリール脚を載置した状態で固定フードの開口部にリール脚の一端を挿入し、その状態で、移動フードを固定フード側へ移動させてリール脚の他端を移動フードの開口部に挿入して固定することで行なわれる。
ところで、このようにしてリールシートにリールを装着した状態で釣竿を握って釣りを行なう場合には、一般に、リール脚を跨いでリールシートを手で把持することが多い。こうした把持形態では、釣竿およびリールを望み通りに操作するべく、しっかりとした握持力をもって把持できることが望まれる。
そのため、例えば特許文献1には、リールシートの固定フードの開口部の幅方向両側から竿尻側へ傾斜するように稜線を形成し、この稜線を人差し指と中指との間に入り込ませるようにリールシートを把持することでグリップ力を確保できるようにした構成が開示されている。
特開2004−201513号
しかしながら、特許文献1に開示されるリールシートの稜線は、竿尻側へと傾斜してはいるが、固定フードの開口部の幅方向両側から斜めに立ち上がるようにリール脚載置面と反対側の面へ向けて大きな傾斜角度で延びているため、前述したようにリールと共に釣竿を把持する際、稜線を人差し指と中指との間に常に入り込ませるようにリールシートを把持できるとは限らず、把持したとしてもその把持状態を長時間続けると疲れ易く、また、グリップ力を弱めれば滑り易くなる。特に、リールを横にして手で釣竿を支えるように操作する際には、回転し易い構造となっている。
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、常に良好なグリップ力で把持することができ、握り込まなくても滑り難い、安定した握持性と操作性の向上を図ることができるリールシートを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、釣竿の竿杆に設けられ、リール脚を載置するためのリール脚載置面を有するリールシート本体と、該リールシート本体に設けられ、リール脚を受け入れる開口部を有する固定フードと、該固定フードと対向して移動可能にリールシート本体に設けられ、リール脚を受け入れる開口部を有する移動フードとを備えるリールシートであって、前記固定フードの開口部の幅方向両側から竿尻側へ傾斜しながら第1の傾斜角度で延びた後、前記第1の傾斜角度よりも小さい第2の傾斜角度へ移行してリールシート本体の長手方向に沿って延設される段差状の第1の稜線部と、少なくとも前記リール脚載置面に載置されるリール脚の載置部の長さ範囲にわたって前記第1の稜線部と略平行に傾斜しながらリールシート本体の長手方向に沿って延設される段差状の第2の稜線部とを備え、前記第2の稜線部は、前記固定フードの開口部よりも竿先側の位置から前記第1の傾斜角度よりも小さい角度で竿尻側へと斜めに延び、その延在長さのほぼ中間部分において前記第1の稜線部と所定の間隔を隔てた状態で前記第1の稜線部と略平行に延びることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明によれば、段差状の2つの稜線部が略平行に並んで延びており、しかも、これらの稜線部が少なくともリール脚載置面に載置されるリール脚の載置部の長さ範囲にわたってリールシート本体の長手方向に沿って延設されているため、釣竿を握ってリールシートに指を沿わせるだけで、指先が常に2つの稜線の少なくとも一方に掛止され、常に良好なグリップ力で把持することができる。つまり、握り込まなくても滑り難く、安定した握持性と操作性の向上を図ることができ、特にリールを横にした釣竿操作が滑らずに楽にできる。また、2つの稜線部の存在により、把持すべき位置が固定されないため、良好な把持性を確保でき、長時間把持しても疲れ難い。
なお、上記構成では、前記第2の稜線部に溝が形成されてもよく、その場合には、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、溝によって指先が引っ掛かり易くなり、安定して握持できる。
また、上記構成では、前記第1及び第2の稜線部を含めて稜線部の数が3つ以上であってもよい。
本発明によれば、常に良好なグリップ力で把持することができ、握り込まなくても滑り難い、安定した握持性と操作性の向上を図ることができるリールシートを提供できる。
釣竿の竿杆に設けられた本発明の一実施形態に係るリールシートの側面図である。 図1のリールシートの平面図である。 移動フードと抜け止め部材とをリールシート本体から取り外した状態を示す平面図である。 移動フードと抜け止め部材とをリールシート本体から取り外した状態を示す側面図である。 (a)は移動フードを後方側から見た背面図、(b)は図2のA−A線に沿う断面図である。 釣竿の竿杆に設けられた図1のリールシートにリールを装着して手で握った状態を示す側面図である。 リールシート本体に形成される稜線部の拡大側面図である。
以下、本発明に係るリールシートの一実施形態について、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図5は、本発明に係るリールシートの基本構成を示しており、図1は側面図、図2は平面図、図3は移動フードと抜け止め部材とをリールシート本体から取り外した状態を示す平面図、図4は移動フードと抜け止め部材とをリールシート本体から取り外した状態を示す側面図、図5の(a)は移動フードを後方側から見た背面図、図5の(b)は図2のA−A線に沿う断面図である。なお、以下の実施形態では、釣竿の軸方向(長手方向)Xに対して、図2で示す直交するY方向を左右(幅)方向と定義し、図1で示す直交するZ方向を上下方向と定義する。
本実施形態に係るリールシート1は、釣竿の竿杆80に対して嵌入される筒状のリールシート本体2(以下、シート本体と称する)を備えており、このシート本体2に、以下の構成部材が設けられている。なお、シート本体2は、図示しない金型を用いて合成樹脂を射出成形することで一体形成することが可能である。
シート本体2は、リールRの脚部R1の載置部R1a(脚部R1の一部を形成し、脚部R1の本体の先端でこれに対して略垂直に延びる所定の長さを有する部分)が載置されるように平坦面となったリール脚載置面3と、その前後に対向して配置され、リール脚R1(具体的には、載置部R1aの前端および後端)を受け入れる開口部5a,6aを有する一対のフード5,6とを有している。これらの一対のフード5,6のうち、少なくとも一方は移動式に構成されており(本実施形態では、後方側が移動フード6になっており、前方側が固定フード5となっている)、公知のように、移動フード6に一体的に設けられた緊締レバー7の係止爪7aを、緊締レバー7を倒伏させてシート本体2に設けられた移動フード係止凹凸部材9に係合することで、リールRを締め付け固定できるように構成されている。
シート本体2には、移動フード6が軸方向Xに沿って移動できるように、左右両側面に、移動フード6の移動を案内する案内部(案内溝)10が軸方向Xに沿って所定範囲にわたり形成されている。この案内部10には、図5に示されるように、移動フード6の本体6Aに一体形成された係合部6bが係合するようになっており、これにより、移動フード6がシート本体2から外れることなく軸方向Xに沿って案内されるようになっている。なお、移動フード6は、図2のX1方向から案内部10に係合され、その端部に、抜け止め部材20を止着することで、軸方向Xへ抜け止めされるようになっている。
リール脚載置面3の後方側には、案内部10に対応して移動フード係止凹凸部材9が取着されている。この移動フード係止凹凸部材9は、リール脚載置面3の表面に形成された凹所3a内に嵌合した状態で止着されている。
移動フード6、緊締レバー7、係止爪7a、および、移動フード係止凹凸部材9は、例えば、ステンレス、アルミニウム合金、チタン、真鍮等の金属によって一体的に形成されており、移動フード6の内面には、樹脂等によって形成されてリールの脚部R1が当て付く当て付け部材6dが取着されている。
また、本実施形態では、リールシート1にリールRを装着した状態で釣竿80を握って釣りを行なう場合において特にリール脚R1を跨いでリールシート1を手で把持する際の把持性を向上させるための手段が設けられる。このような手段は、シート本体2の外周面の所定の部位に形成される2つの段差部(段差溝)によって構成される。具体的には、図1に明確に示されるように、シート本体2は、その外周面の左右両側に、固定フード5の開口部5aの幅方向両側(図2中のP1,P2で示される部位)から竿尻80a側へ傾斜しながらシート本体2の長手方向Xに沿って延設される段差状の第1の稜線部30と、少なくともリール脚載置面3に載置されるリール脚R1の載置部R1aの長さ範囲Lにわたって第1の稜線部30と略平行に傾斜しながらシート本体2の長手方向Xに沿って延設される段差状の第2の稜線部32とを備える。
各稜線部30,32を形成する段部はそれぞれ、シート本体2の左右方向Yに所定の幅(例えば、0.3mm〜1.5mm)をもって延在しており、その幅寸法は各稜線部30,32同士で同じであってもよく或いは異なっていてもよい(第1の稜線部30が第2の稜線部よりも幅狭であってもよく、あるいは、その逆であってもよい)。また、各稜線部30,32の幅寸法は、その全長にわたって一定であってもよく、または、全長に沿って連続的に或いは段階的に変化してもよい。
また、本実施形態において、第1の稜線部30は、固定フード5の開口部5aの幅方向両側からリール脚載置面3と反対側の面へ向けて比較的大きな傾斜角度θ2(シート本体2の長手方向中心軸Oに対して成す角度θ2は例えば40°〜50°)で延びた後、その延在長さのほぼ中間部分で滑らかな傾斜角度θ1へ移行して(シート本体2の長手方向中心軸Oに対して成す角度θ1は例えば5°〜20°)、リール脚載置面3に載置されるリール脚R1の載置部R1aの長さ範囲Lを越えて延びつつ、リール脚載置面3と反対側の面へとほぼ達している。これに対し、第2の稜線部32は、固定フード5の開口部5aよりも前方側(釣竿の穂先側)の位置(例えば、リール脚載置面3とその反対側の面との間のほぼ中間位置)から第1の稜線部30の初期傾斜角度θ2よりも緩やかな角度(例えば5°〜25°)で竿尻80a側へと斜めに延び、その延在長さのほぼ中間部分において第1の稜線部30と所定の間隔H(例えばH=3mm〜10mm)を隔てた状態で第1の稜線部30と略平行に延びつつ、リール脚載置面3と反対側の面へとほぼ達している。
また、ここで、図7に明確に示されるように、第2の稜線部32には例えばその段部とほぼ連続して溝50が形成されており、この場合、シート本体2の最も外径の小さい(肉厚が薄い)基準外周面2aとこの基準外周面2aから径方向外側に隆起するように第1の稜線部30の段部を規定する(したがって、基準外周面2aよりも大きい外径(肉厚)を有する)第1の拡径外周面2bとの間の段差寸法(外径寸法差の1/2)をt1、第1の拡径外周面2bとこの外周面2bから径方向外側に隆起するように第2の稜線部32の段部を規定する(したがって、第1の拡径外周面2bよりも大きい外径(肉厚)を有する)第2の拡径外周面2cとの間の段差寸法(外径寸法差の1/2)をt2、溝50の深さをt3とすると、t1≧t2およびt1≧t3が成り立つように稜線部30,32および溝50が形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、段差状の2つの稜線部30,32が略平行に並んで延びており、しかも、これらの稜線部30,32が少なくともリール脚載置面3に載置されるリール脚R1の載置部R1aの長さ範囲Lにわたってシート本体2の長手方向Xに沿って延設されているため、釣竿の竿杆80を握ってリールシート1に指を沿わせるだけで、指先が常に2つの稜線30,32の少なくとも一方に掛止され、常に良好なグリップ力で把持することができる。具体的には、図6に示されるように、リール脚載置面3を下側にして親指100Aをリール脚載置面3と反対側の面に当て付け且つ人差し指100Bを固定フード5付近に軽く当てた状態でリール脚R1を跨いでリールシート1を手100で把持すると、中指100Cが第1の稜線部30の前方側に引っ掛かり(指先が段差部に載置されるように掛止される)、薬指100Dが第1の稜線部30を跨いで第2の稜線部32に引っ掛かり(指先が段差部に載置されるように掛止される)、小指100Eが第1の稜線部30の後方側に引っ掛かり、強固な握持力を得ることができる。つまり、握り込まなくても滑り難く、安定した握持性と操作性の向上を図ることができ、特にリールを横にした釣竿操作が滑らずに楽にできる。また、2つの稜線部30,32の存在により、把持すべき位置が固定されないため、良好な把持性を確保でき、長時間把持しても疲れ難い。
また、本実施形態によれば、第2の稜線部32に溝50が形成されているため、溝50によって指先が引っ掛かり易くなり、安定して握持できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述した実施形態では、溝50が第2の稜線部32に設けられていたが、溝50が第1の稜線部30にも設けられてもよい。また、稜線部の数が3つ以上であってもよい。
1 リールシート
2 リールシート本体
3 リール脚載置面
5 固定フード
5a 開口部
6 移動フード
6a 開口部
30 第1の稜線部
32 第2の稜線部
50 溝
80 釣竿竿杆
80a 竿尻
R リール
R1 リール脚
R1a 載置部
X 長手方向

Claims (3)

  1. 釣竿の竿杆に設けられ、リール脚を載置するためのリール脚載置面を有するリールシート本体と、該リールシート本体に設けられ、リール脚を受け入れる開口部を有する固定フードと、該固定フードと対向して移動可能にリールシート本体に設けられ、リール脚を受け入れる開口部を有する移動フードとを備えるリールシートであって、
    前記固定フードの開口部の幅方向両側から竿尻側へ傾斜しながら第1の傾斜角度で延びた後、前記第1の傾斜角度よりも小さい第2の傾斜角度へ移行してリールシート本体の長手方向に沿って延設される段差状の第1の稜線部と、少なくとも前記リール脚載置面に載置されるリール脚の載置部の長さ範囲にわたって前記第1の稜線部と略平行に傾斜しながらリールシート本体の長手方向に沿って延設される段差状の第2の稜線部とを備え、前記第2の稜線部は、前記固定フードの開口部よりも竿先側の位置から前記第1の傾斜角度よりも小さい角度で竿尻側へと斜めに延び、その延在長さのほぼ中間部分において前記第1の稜線部と所定の間隔を隔てた状態で前記第1の稜線部と略平行に延びることを特徴とするリールシート。
  2. 前記第2の稜線部に溝が形成されることを特徴とする請求項1に記載のリールシート。
  3. 前記第1及び第2の稜線部を含めて稜線部の数が3つ以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリールシート。
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