JP2016154109A - 微生物燃料電池用アノード及び微生物燃料電池 - Google Patents

微生物燃料電池用アノード及び微生物燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】微生物燃料電池の電気の回収効率を高めることができる微生物燃料電池用アノードを提供する。
【解決手段】本発明に係る微生物燃料電池用アノード1は、アノード1と、アノード1と対向するように配置されるカソードと、アノード1と前記カソードとを接続している導線とを備える微生物燃料電池において、アノード1として用いられ、微生物を担持可能である導電性基材11を備え、導電性基材11が、導電性基材シートが少なくとも1つの折り曲げ部11cを有するように成形された導電性基材11である。
【選択図】図1

Description

本発明は、微生物燃料電池に用いられる微生物燃料電池用アノードに関する。また、本発明は、上記微生物燃料電池用アノードを用いた微生物燃料電池に関する。
近年、廃水等の有機性廃棄物を分解する際にエネルギーを回収する方法として、燃料電池のしくみを利用した微生物燃料電池が注目されている。微生物燃料電池では、排水及び廃棄物等に含まれる有機性物質を分解する際に微生物が放出した電子を電極により回収することによって、直接的に電気エネルギーを回収することが可能である。
上記微生物燃料電池は、アノード(負電極)とカソード(正電極)とを備えており、かつアノードとカソードとが導線で負荷回路に接続されている。上記微生物燃料電池を使用する際には、アノードに接するように、嫌気性下で生育可能な微生物及び有機性物質を含む液を流す。アノードでは、微生物の代謝により有機性物質から電子(e)が生成される。アノードとカソードとを導線で負荷回路と接続し、閉回路を形成すると、アノードとカソードとの間に電位差が生じ、電位差と負荷回路に流れた電流との積の分、電力エネルギーを得ることができる。
上記のように、微生物燃料電池は、微生物が持つ有機物の代謝機能を利用する電池である。このため、アノードに効率よく有機物を接触させることが重要である。有機物の接触効率を向上させた微生物燃料電池の一例が、下記の特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載の微生物燃料電池(微生物発電装置)は、微生物を保持し電子供与体を含む原液が供給されるアノード室と、電子受容体が供給されるカソード室と、上記アノード室と上記カソード室との間に配置され互いに向かい合う第1及び第2の面を有する非導電膜と、上記非導電膜の上記第1の面に密着して拡がる面を有し、上記アノード室の内部と略同一形状とされた多孔体で構成され上記アノード室内に配置された第1の導電性充填材と、上記非導電膜の前記第2の面と密着して広がる粗面を有する第2の導電性充填材とを含む。
特開2009−152091号公報
特許文献1では、アノードの外表面は略平滑である。このような外表面が略平滑であるアノードを備える従来の微生物燃料電池モジュールでは、エネルギーの回収効率が低いという問題がある。また、アノードの厚みを厚くすれば、微生物燃料電池のエネルギーの回収効率が高くなる傾向がある。しかし、アノードの厚みを厚くすると、例えば有機性物質を含む液とアノードの接触効率が低下するために、エネルギーの回収効率を十分に高めることが困難であるという問題がある。
本発明の目的は、微生物燃料電池の電気の回収効率を高めることができる微生物燃料電池用アノードを提供することである。また、本発明は、上記微生物燃料電池用アノードを用いた微生物燃料電池を提供することである。
本発明の広い局面によれば、アノードと、前記アノードと対向するように配置されるカソードと、前記アノードと前記カソードとを接続している導線とを備える微生物燃料電池において、前記アノードとして用いられ、微生物を担持可能である導電性基材を備え、前記導電性基材が、導電性基材シートが少なくとも1つの折り曲げ部を有するように成形された導電性基材である、微生物燃料電池用アノードが提供される。
本発明に係る微生物燃料電池用アノードのある特定の局面では、前記導電性基材が、第1の表面側において、前記折り曲げ部の先端が凸部であり、かつ前記第1の表面側と反対の第2の表面側において、前記折り曲げ部の先端が凹部であり、前記凸部と前記凹部とが、前記導電性基材の両側の前記第1の表面及び前記第2の表面に対向するように配置されている。
本発明に係る微生物燃料電池用アノードのある特定の局面では、前記導電性基材が、厚み方向の断面形状が、波状又はジグザグ状である領域を有する。
本発明に係る微生物燃料電池用アノードのある特定の局面では、前記折り曲げ部が複数である。
本発明に係る微生物燃料電池用アノードのある特定の局面では、前記導電性基材の材料が、ステンレス、チタン、カーボン被覆金属又はカーボン被覆樹脂である。
本発明に係る微生物燃料電池用アノードのある特定の局面では、前記導電性基材の厚みが、1mm以上、30mm以下である。
本発明に係る微生物燃料電池用アノードのある特定の局面では、前記導電性基材の厚みが、前記導電性基材シートの厚みの2倍以上、100倍以下である。
本発明に係る微生物燃料電池用アノードのある特定の局面では、前記導電性基材の表面積の、前記導電性基材シートの表面積に対する比が1.2以上、10以下である。
本発明に係る微生物燃料電池用アノードのある特定の局面では、前記導電性基材で構成される微生物燃料電池用アノードの抵抗率が10−5Ω・cm以上、10Ω・cm以下である。
本発明の広い局面によれば、上述した微生物燃料電池用アノードと、前記アノードと対向するように配置されているカソードと、前記アノードと前記カソードとを接続している導線とを備える、微生物燃料電池が提供される。
本発明に係る微生物燃料電池のある特定の局面では、前記アノードの前記折り曲げ部の先端が、前記カソード側に突出しているか、又は前記カソード側と反対側に突出している。
本発明に係る微生物燃料電池用アノードは、微生物を担持可能である導電性基材を備え、上記導電性基材が、導電性基材シートが少なくとも1つの折り曲げ部を有するように成形された導電性基材であるので、アノードを用いた微生物燃料電池の電気の回収効率を高めることができる。
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る微生物燃料電池用アノードを模式的に示す正面図及び断面図である。 図2(a)〜(d)は、図1に示す微生物燃料電池用アノードに用いられる導電性基材シートを模式的に示す正面図及び断面図である。 図3(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る微生物燃料電池用アノードを模式的に示す正面図及び断面図である。 図4(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る微生物燃料電池用アノードを模式的に示す正面図及び断面図である。 図5は、本発明の第4の実施形態に係る微生物燃料電池用アノードを模式的に示す斜視図である。 図6(a)及び(b)は、図1に示す微生物燃料電池用アノードを用いた微生物燃料電池の一例を模式的に示す側面断面図及び上面図である。 図7(a)及び(b)は、図5に示す微生物燃料電池用アノードを用いた微生物燃料電池の他の例を模式的に示す側面断面図及び上面図である。 図8は、図1に示す微生物燃料電池用アノードを用いた樹脂製不織布の一例を示す断面図である。 図9は、本発明の実施形態に含まれない微生物燃料電池用アノードを模式的に示す断面図である。 図10は、本発明の実施形態に含まれない微生物燃料電池用アノードを模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(微生物燃料電池用アノード)
本発明に係る微生物燃料電池用アノードは、導電性基材を備える。上記導電性基材は、微生物を担持可能である。上記導電性基材は、微生物を担持可能であるように、例えば、孔又は空隙を有し、例えば、多孔質体である。上記導電性基材は、導電性基材シートが少なくとも1つの折り曲げ部を有するように成形された導電性基材である。
本発明では、上記の構成が備えられているので、アノードを用いた微生物燃料電池の電気の回収効率を高めることができる。
本発明では、微生物燃料電池の全体の厚みを厚くしなくても、微生物燃料電池の電気の回収効率を高めることができる。さらに、本発明では、微生物燃料電池の一部の厚みが厚くない場合には、微生物燃料電池の電気の回収効率を高めることができる。例えば、厚みが厚い部分を設けないか又は少なくすることによって、有機性物質を含む液とアノードの接触効率低下を抑制でき、微生物燃料電池の電気の回収効率を高めることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る微生物燃料電池用アノードを模式的に示す正面図及び断面図である。図1(b)は、図1(a)におけるI−I線に沿う断面図であり、図1(c)は、図1(a)におけるII−II線に沿う断面図であり、図1(d)は、図1(a)におけるIII−III線に沿う断面図である。なお、図1及び後述する図では、大きさ及び厚み等は、図示の便宜上、実際の大きさ及び厚み等と異なっている。
図1(a)〜(d)に示すアノード1は、微生物燃料電池に用いられる。アノード1は、導電性基材11を備える。導電性基材11は、微生物を担持可能である。
導電性基材11は、図2(a)〜(d)に示す導電性基材シート16が複数の折り曲げ部11cを有するように成形された導電性基材11である。
なお、図2(a)は、図1(a)に対応する正面図であり、図2(b)は図1(b)に対応する断面図であり、図2(c)は図1(c)に対応する断面図であり、図2(d)は図1(d)に対応する断面図である。
導電性基材シート16の第1の表面16aが、導電性基材11の第1の表面11aに対応している。導電性基材シート16の第2の表面16bが、導電性基材11の第2の表面11bに対応している。導電性基材シート16は折り曲げ部を有さない。導電性基材シート16は、折り曲げ成形前の状態である。従って、例えば、図1(a)及び図2(a)に示す方向からみた大きさに関しては、導電性基材シート16は、導電性基材11よりも大きい。また、折り曲げ成形前の導電性基材シート16の厚みは、折り曲げ成形後の導電性基材11の厚みと略等しい。但し、折り曲げ成形前の導電性基材シートの厚みと、折り曲げ成形後の導電性基材の厚みとが、異なっていてもよい。
図2(a)〜(d)に示すように、折り曲げ成形前の導電性基材シート16は平らである。折り曲げ成形前の導電性基材シート16の厚みは略均一である。折り曲げ成形前の導電性基材シート16の折り曲げられる部分の厚みと折り曲げられない部分の厚みとは略均一である。
なお、平らな導電性基材シートを得た後に、平らな導電性基材シートを折り曲げて、導電性基材を得てもよい。導電性基材シートを得る際に、折り曲げ部を有するように導電性基材シートを成形し、この導電性基材シートを導電性基材として用いてもよい。
導電性基材11は、複数の折り曲げ部11cを有する。導電性基材11では、折り曲げ部11cの先端は曲面である。折り曲げ部11cの先端に、曲面部が連なっている。上記折り曲げ部の先端は、線状であってもよく、点状であってもよい。上記折り曲げ部の先端は、曲面、線状又は点状であってもよい。上記折り曲げ部の先端は、直線状に延びていてもよく、曲線状に延びていてもよい。上記折り曲げ部の先端に、平面部が連なっていてもよく、曲面部が連なっていてもよい。なお、図1(a)では、折り曲げ部11cの先端は、曲面であり、位置を分かりやすくするために破線で示されている。図1(a)における折り曲げ部11cの先端を示す破線の両側が、破線部分から図1(a)における奥側又は手前側に延びている。
また、導電性基材11では、折り曲げ部11cの先端が直線状に延びている。導電性基材11は、厚み方向(厚み方向の第1の方向)の断面形状が、波状である領域を有する(図1(b)参照)。図1(b)における厚み方向の断面形状は、波状である。なお、導電性基材11は、厚み方向(厚み方向の上記第1の方向と直交する方向)の断面形状が、矩形状(表面が平らな形状)である領域を有する(図1(c)及び図1(d)参照)。図1(c)及び図1(d)における厚み方向の断面形状は、矩形状である。
上記導電性基材は、折り曲げ部を有していればよく、厚み方向の断面形状が、ジグザグ状である領域を有していてもよい。さらに、上記導電性基材は、厚み方向の断面形状が、V字状又はU字状である領域を有していてもよい。上記導電性基材は、厚み方向の断面形状が、波状、ジグザグ状、V字状又はU字状である領域を有することが好ましく、波状又はジグザグ状である領域を有することがより好ましい。
図1(b)〜(d)に示すように、導電性基材11では、折り曲げ部11cの先端と、折り曲げ部11cの先端に連なる部分とで、厚みが略等しい。折り曲げ部の先端と、折り曲げ部の先端に連なる部分とで、厚みが異なっていてもよい。
導電性基材11は、第1の表面11a側において、折り曲げ部11cの先端が凸部であり、かつ第1の表面11a側と反対の第2の表面11b側において、折り曲げ部11cの先端が凹部である。上記凸部と上記凹部とが、導電性基材11の両側の第1の表面11a及び第2の表面11bに対向するように配置されている。
図9及び図10に、本発明の実施形態に含まれない導電性基材101,102をそれぞれ示す。図9及び図10は、図1(b)に対応する図である。
導電性基材101,102では、導電性基材101,102の第1の表面101a,102aにおいて、凸部101c又は凹部102cがあり、第1の表面101a,102aとは反対の第2の表面101b,102bにおいて、平らである。このような導電性基材101,102と比べて、上記凸部及び上記凹部を有する導電性基材11全体の厚み及びアノード1全体の厚みの均一性は高くなる。このため、アノード1では、同じ大きさでのアノードの表面積を大きくすることができ、アノードを用いた微生物燃料電池の電気の回収効率を高めることができる。
また、導電性基材11は折り曲げ部11cを有するので、平らな導電性基材シート16をアノードとして用いる場合と比べて、同じ大きさでのアノードの表面積を大きくすることができる。導電性基材11では、折り曲げ部11cが複数である。このように、上記導電性基材の折り曲げ部が複数であると、同じ大きさでのアノードの表面積をより一層大きくすることができ、微生物燃料電池の電気の回収効率をより一層高めることができる。但し、上記導電性基材は、少なくとも1つの折り曲げ部を有していればよく、折り曲げ部は1つであってもよい。
図3(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る微生物燃料電池用アノード1Aを模式的に示す正面図及び断面図である。図3(a)は、図1(a)に対応する正面図である。図3(b)は、図3(a)におけるI−I線に沿う断面図であり、図3(c)は、図3(a)におけるII−II線に沿う断面図であり、図3(d)は、図3(a)におけるIII−III線に沿う断面図である。
図3(a)〜(d)に示すアノード1Aは、微生物を担持可能である導電性基材11Aを備える。
導電性基材11Aは、複数の折り曲げ部11cを有する。導電性基材11Aでは、折り曲げ部11cの先端は線状であり、尖っている。折り曲げ部11cの先端に、平面部が連なっている。なお、図3(a)における折り曲げ部11cの先端の両側が、先端から図3(a)における奥側又は手前側に延びている。導電性基材11Aでは、折り曲げ部11cが直線状に延びている。導電性基材11Aは、厚み方向(厚み方向の第1の方向)の断面形状が、ジグザグ状である領域を有する(図3(b)参照)。なお、導電性基材11Aは、厚み方向(厚み方向の上記第1の方向と直交する方向)の断面形状が、矩形状である領域を有する(図3(c)及び図3(d)参照)。
図3(b)〜(d)に示すように、導電性基材11Aでは、折り曲げ部11cの先端と、折り曲げ部11cの先端に連なる部分とで、厚みが略等しい。
導電性基材11Aは、第1の表面11a側において、折り曲げ部11cの先端が凸部であり、かつ第1の表面11a側と反対の第2の表面11b側において、折り曲げ部11cの先端が凹部である。上記凸部と上記凹部とが、導電性基材11Aの両側の第1の表面11a及び第2の表面11bに対向するように配置されている。
図4(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る微生物燃料電池用アノード1Bを模式的に示す正面図及び断面図である。図4(a)は、図1(a)に対応する正面図である。図4(b)は、図4(a)におけるI−I線に沿う断面図であり、図4(c)は、図4(a)におけるII−II線に沿う断面図であり、図4(d)は、図4(a)におけるIII−III線に沿う断面図である。
図4(a)〜(d)に示すアノード1Bは、微生物を担持可能である導電性基材11Bを備える。
導電性基材11Bは、複数の折り曲げ部11cを有する。導電性基材11Bでは、折り曲げ部11cの先端は点状であり、突出している。なお、図4では、折り曲げ部11cの先端の位置が分かるように、先端に点を付して示している。折り曲げ部11cの先端は曲面である。折り曲げ部11cの先端に、曲面部が連なっている。なお、図4(a)における折り曲げ部11cの先端の周囲が、先端から図4(a)における奥側又は手前側に延びている。導電性基材11Bは、厚み方向(厚み方向の第1の方向)の断面形状が、波状である領域を有する(図4(b)及び図4(c)参照)。なお、導電性基材11Bは、厚み方向(厚み方向の上記第1の方向と直交する方向)の断面形状が、平らである領域を有する(図4(d)参照)。複数の折り曲げ部の先端11cは、導電性基材11Bの厚み方向と直交する第1の方向と、その第1の方向と直交する第2の方向とに、それぞれ、間隔を隔てて等間隔に並んで配置されている。また、隣り合う折り曲げ部の先端11cが、導電性基材11Bの第1の表面11a側と第2の表面11b側とに交互に突出している。
図4(b)〜(d)に示すように、導電性基材11Bでは、折り曲げ部11cの先端と、折り曲げ部11cの先端に連なる部分とで、厚みが略等しい。
導電性基材11Bは、第1の表面11a側において、折り曲げ部11cの先端が凸部であり、かつ第1の表面11a側と反対の第2の表面11b側において、折り曲げ部11cの先端が凹部である。上記凸部と上記凹部とが、導電性基材11Bの両側の第1の表面11a及び第2の表面11bに対向するように配置されている。
図5は、本発明の第4の実施形態に係る微生物燃料電池用アノード1Cを模式的に示す斜視図である。
導電性基材11Cは、1つの折り曲げ部11cを有する。導電性基材11Cでは、折り曲げ部11cの先端は線状である。折り曲げ部11cの先端に、平面部が連なっている。導電性基材11Cは、1つの導電性基材シートが面接触しないように、2つに折り曲げられて形成されている。
導電性基材11Cでは、折り曲げ部11cの先端は直線状に延びている。導電性基材11Cは、厚み方向(厚み方向の第1の方向)の断面形状が、V字状である領域を有する。なお、導電性基材11Cは、厚み方向(厚み方向の上記第1の方向と直交する方向)の断面形状が、矩形状である領域を有する。
導電性基材11Cでは、折り曲げ部11cの先端と、折り曲げ部11cの先端に連なる部分とで、厚みが略等しい。
導電性基材11Cは、第1の表面11a側において、折り曲げ部11cの先端が凸部であり、かつ第1の表面11a側と反対の第2の表面11b側において、折り曲げ部11cの先端が凹部である。上記凸部と上記凹部とが、導電性基材11Cの両側の第1の表面11a及び第2の表面11bに対向するように配置されている。
なお、図1,3〜5に示す折り曲げ部の形状、大きさ等は例示であり、適宜変更することができる。
電気エネルギーの回収効率をより一層高め、上記被膜の耐久性を高める観点からは、微生物燃料電池用電極の抵抗率は、好ましくは10−5Ω・cm以上、好ましくは10Ω・cm以下である。電気エネルギーの回収効率を更に一層高め、上記被膜の耐久性をより一層高める観点からは、上記微生物燃料電池用電極の抵抗率は、より好ましくは10−4Ω・cm以上、より好ましくは10Ω・cm以下、更に好ましくは10−3Ω・cm以上、更に好ましくは10Ω・cm以下である。なお、上記抵抗率は、後述する実施例の評価の欄の記載に従って、測定することができる。
上記導電性基材は、導電性を有し、導電性材料により形成されている。上記導電性基材の材料は、特に限定されない。導電性に優れており、電気を効率的に回収することができることから、上記導電性基材の材料が、ステンレス、チタン、カーボン被覆金属又はカーボン被覆樹脂であることが好ましい。また、これらの導電性基材を用いれば、折り曲げ成形された形状を良好に維持することができる。上記導電性基材の材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
微生物燃料電池の電気の回収効率を効果的に高める観点からは、平らな上記導電性基材シート(折り曲げ成形前の上記導電性基材シート)の厚みは、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、好ましくは10mm以下、より好ましくは3mm以下である。微生物燃料電池の電気の回収効率を効果的に高める観点からは、上記導電性基材の厚みは、好ましくは300μm以上、より好ましくは1mm以上、好ましくは100mm以下、より好ましくは30mm以下である。上記導電性基材の厚みは、上記導電性基材シートの厚みの1.2倍以上、10倍以下であることが好ましい。
上記導電性基材シートの厚みは、平らな導電性基材シートを平滑面上に置いた状態で、平滑面から、導電性基材の上端までの距離として測定することができる(図2(b)に示す厚みT)。上記導電性基材の厚みは、導電性基材を平滑面上に置いた状態で、平滑面から、導電性基材の上端までの距離として測定することができる(図1(b),図3(b)及び図4(b)の厚みT)。
上記導電性基材の表面積は、適用される微生物燃料電池の大きさに応じて、適宜変更することができる。上記導電性基材の表面積は、特に限定されないが、好ましくは0.001m以上、より好ましくは0.005m以上、好ましくは5m以下、より好ましくは3m以下である。
微生物燃料電池の電気の回収効率を効果的に高める観点からは、上記導電性基材の表面積の、平らな上記導電性基材シート(折り曲げ成形前の上記導電性基材シート)の表面積に対する比は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.4以上、好ましくは3以下、より好ましくは5以下である。
(微生物燃料電池及び他の詳細)
上記微生物燃料電池用アノードを用いて、微生物燃料電池を得ることができる。
本発明に係る微生物燃料電池は、微生物燃料電池用アノードと、カソードと、上記微生物燃料電池用アノードと上記カソードとを接続している導線とを備える。
図6(a)及び(b)は、図1(a)〜(d)に示す微生物燃料電池用アードを用いた微生物燃料電池の一例を模式的に示す断面図である。
図6(a)及び(b)に示す微生物燃料電池21は、アノード1と、エアカソード22と、有機性物質を含む液23と、導線とを備える。導線は、図示しない位置に配置されている。有機性物質を含む液23は、容器24内に配置されている。図6(a)では、アノード1の断面は、図1(c)に対応している。図6(a)及び(b)で用いられたアノード1は、図1(a)〜(d)に示すアノード1と大きさのみが異なる。
アノード1は、有機性物質を含む液23内に配置されており、有機性物質を含む液23の液面よりも下方に位置しており、有機性物質を含む液23内に浸漬している。アノード1の全体が、有機性物質を含む液23内に配置されていることが好ましい。
微生物燃料電池21では、複数のアノード1と複数のエアカソード22とが間隔を隔てて、交互に並んで配置されている。アノード1とエアカソード22との間の空隙を、有機性物質を含む液23が流れる。
エアカソード22は、対向するように配置された2つのカソード31と、2つのカソード31間に配置された空気室33とを有する。従って、カソード31は、空気室33と接している。空気室33は空気層である。エアカソード22は、空気室33の下端において枠部材を有し、枠部材により空気室33からの空気の流出が防がれている。
エアカソード22は、空気をカソード31内に取り入れるための空気取り入れ部32を有する。空気取り入れ部32は、例えば、空気が流れる流路を有する枠状部材である。
エアカソード22では、空気取り入れ部32から、空気室33内に、空気を取り入れ可能である。空気取り入れ部32の一端は、空気室33に接続されている。空気取り入れ部32の他端は、有機性物質を含む液23の液面よりも上方において、容器24の外部に至っている。容器24の外部から、空気が、空気取り入れ部32を通過して、空気室33内に取り入れ可能である。空気室33には、空気透過性部材が配置されていてもよい。
容器24は、有機性物質を含む液23の流入口24aと、有機性物質を含む液23の流出口24bとを有する。容器24内で、有機性物質を含む液23が流入口24a側から流出口24b側に流れる。容器24内において、有機性物質を含む液23の液面上に、容器24は内部空間(空隙)を有する。容器24内の内部空間には、ガスが配置されている。容器24内の内部空間に配置されたガスは、一般的には、酸素を含む空気である。但し、内部空間に、酸素を含まないガスが置換されていてもよい。
上記導線は、図示しない位置において、アノード1とカソード31とを接続している。上記導線は、図示しない外部回路に接続されている。アノード1とカソード31とが上記導線を介して負荷回路に接続されていることによって、アノード1とカソード31との間に電位差が生じる。上記導線を通して負荷回路に流れる電気エネルギーは、回収することができる。
微生物燃料電池21では、アノード1の一部の折り曲げ部11cの先端が、カソード31側に突出しており、アノード1の残りの折り曲げ部11cの先端が、カソード31側とは反対側に突出している。上記アノードの上記折り曲げ部の先端が、上記カソード側に突出しているか、又は上記カソード側と反対側に突出していることが好ましい。この場合に、上記アノードの全ての上記折り曲げ部の先端が、上記カソード側に突出していてもよく、上記アノードの一部の上記折り曲げ部の先端が、上記カソード側に突出していてもよく、上記アノードの全ての上記折り曲げ部の先端が、上記カソード側と反対側に突出していてもよく、上記アノードの一部の上記折り曲げ部の先端が、上記カソード側と反対側に突出していてもよい。また、上記アノードの上記折り曲げ部の先端が、上記カソード側及び上記カソード側とは反対側のどちらにも突出していなくてもよい。
また、図7(a)及び(b)は、図5に示す微生物燃料電池用アノード1Cを用いた微生物燃料電池の他の例を模式的に示す上面図である。
図7(a)及び(b)に示す微生物燃料電池21Cでは、アノード1Cの折り曲げ部11cの先端が、カソード31側に突出しておらず、カソード31とは反対側にも突出していない。アノード1Cの折り曲げ部11cの先端が、エアカソード22におけるカソード31と対向しないように、アノード1Cが用いられてもよい。
微生物燃料電池において、アノードと、上記アノードと対向するように配置されている上記カソードとの対向する表面同士の間隔の最小値(図6(b)及び図7(b)に示す間隔の最小値D1)は、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは30mm以下、より好ましくは10mm以下である。
微生物燃料電池において、アノードと、上記アノードと対向するように配置されている上記カソードとの対向する表面同士の間隔の最大値(図6(b)及び図7(b)に示す間隔の最大値D2)は、好ましくは20μm以上、より好ましくは50μm以上、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下である。
微生物燃料電池の他の実施形態として、アノードとエアカソードとの間に、非導電性で多孔質なセパレーターが配置されてもよい。例えば、微生物燃料電池において、セパレーターとして樹脂製不織布、樹脂製織布、ガラス製不織布などが用いられてもよい。
本発明に係るセパレーターは、微生物燃料電池に用いられる。本発明に係るセパレーターは、カソードを少なくとも1つ有するエアカソードと、上記エアカソードの第1の表面側に配置された第1のセパレーターと、上記第1のセパレーターの前記エアカソード側とは反対の表面側に配置された第1のアノードと、上記エアカソードの上記第1の表面側とは反対の第2の表面側に配置された第2のセパレーターと、上記第2のセパレーターの上記エアカソード側とは反対の表面側に配置された第2のアノードとを備える。上記第1のアノード及び上記第2のアノードの内の少なくとも一方が、上記微生物燃料電池用アノードである。
図8は、図1に示す微生物燃料電池用アノード1を用いたセパレーターの一例を示す断面図である。
セパレーター51は、1つのエアカソード22と、2つのアノード1(第1のアノード1Xと第2のアノード1Y)と、2つの第1,第2のセパレーター52X,52Yとを備える。第1のセパレーター52Xは、エアカソード22の第1の表面側に配置されている。第1のアノード1Xは、第1のセパレーター52Xのエアカソード22側とは反対の表面側に配置されている。第2のセパレーター52Yは、エアカソード22の第1の表面とは反対の第2の表面側に配置されている。第2のアノード1Yは、第2のセパレーター52Yのエアカソード22側とは反対の表面側に配置されている。なお、図8では、第1,第2のアノード1X,1Yは、図1に示すアノード1である。図8では、アノード1の断面は、図1(c)に対応している。
微生物燃料電池では、複数のセパレーター51が用いられていてもよい。
上記セパレーターは、有機性物質を含む液を通して上記アノードから発生した水素イオン(H)や液に含まれる電解質を透過可能である。上記セパレーターは、耐水性・耐生物分解性・絶縁性にすぐれる材料が好ましく、例えば、樹脂性不織布であることが好ましい。
上記セパレーターの材料は特に限定されない。上記セパレーターの材料としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等のが挙げられる。上記セパレーターの材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記セパレーターの厚みは、好ましくは10μm以上、好ましくは1mm以下である。上記セパレーターの目付量は、好ましくは10g/m以上、好ましくは1,000g/m以下である。上記セパレーターの厚みが上記下限以上であると、破損がより一層生じ難くなる。上記セパレーターの厚みが上記上限以下であると、水素イオンがより一層効率的に移動する。
水素イオンの移動効率を高めるためには、上記エアカソードと上記セパレーターとの間の間隔はなるべく狭いほうがよく、上記エアカソードと上記セパレーターとは接していることが好ましい。
上記カソードにおいて、空気との接触面に、撥水層が設けられていることが好ましい。上記撥水層は、上記導電性基材に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂を塗布することにより形成されていてもよいし、液体を透過せず、気体を透過する通気性膜が積層されていてもよい。例えば、通気性膜としては、セルポア(積水化学工業社製)が挙げられる。
上記アノードにおいて、表面に触媒部が配置されていてもよい。上記カソードにおいて、空気との接触面とは反対側に、触媒部が配置されていてもよい。上記触媒部は、例えば、酸化還元触媒とバインダーとを含む。
上記酸素還元触媒としては、白金等の貴金属触媒、鉄系触媒、マンガン系触媒及びカーボンアロイ系触媒等が挙げられる。上記白金等の貴金属触媒を用いる場合には、酸化還元性能がより一層高くなる。上記鉄系触媒、上記マンガン系触媒及び上記カーボンアロイ系触媒を用いる場合には、コストがより一層低くなる。上記酸素還元触媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記バインダーとしては、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。上記バインダーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機性物質を含む液としては特に限定されないが、廃水、廃液、し尿、食品廃棄物、その他の有機性廃棄物及び汚泥等が挙げられる。上記微生物燃料電池は、エネルギーを回収可能な廃液処理装置として好適に用いられる。
上記微生物としては、嫌気性微生物及び好気性微生物が挙げられる。微生物燃料電池の運転開始時に汚泥・土等の適当な植種を施すことにより適当な微生物が増殖する。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)アノードの作製
ステンレスメッシュ(材質S304、40メッシュ、線径0.12mm)にカーボン含有溶液を塗布し、乾燥し、カーボン被覆ステンレスメッシュ(最小厚み120μm、最大厚み240μm)を得た。
平らな上記カーボン被覆ステンレスメッシュを、導電性基材シートとして用意した。導電性基材シートを縦136mm×横90mmの大きさに切断し、5mm間隔でジグザグ状に折り曲げて、図2に示す形状の導電性基材(縦80mm×横90mm×厚み4mm)を得た。得られた導電性基材を、アノードとして用意した。このアノードでは、縦80mm×横90mmの大きさであるのに対し、表面積は0.0122mであり、表面積が大きい。
(2)セパレーター付きエアカソードの作製
カーボンペーパー(東レ社製「TGP−H−120」)にポリテトラフルオロエチレン層を焼結させたエアカソードを用意した。カソードの触媒として、白金触媒(田中貴金属社製「TEC10E70TPM」)を用い、触媒のバインダーとしてナフィオン溶液(シグマアルドリッチジャパン社製「Nafion perfluorinated resin solution」)を用いた。カソードの両側の外表面にセパレーターを設置した。白金は、担持量が4mg/cmになるように、上記カソードのセパレーターを設置した側に塗布した。セパレーターには、ポリエチレン/ポリプロピレン不織布を用いた。2つのカソードの間には、空気透過性部材として、厚み3mmの枠部材を設置した。このようにして、セパレーター付きエアカソードを得た。2つのカソードの間隔は3mmであった。
(3)微生物燃料電池の作製
セパレーター付きエアカソードの両側にアノードを1つずつ配置して、300mLの容器内に入れて、微生物燃料電池を作製した。
(実施例2)
(1)アノードの作製
実施例1で得られたカーボン被覆ステンレスメッシュ(最小厚み120μm、最大厚み240μm)を、導電性基材シートとして用意した。上記導電性基材シートを縦160mm×横90mmの大きさに切断し、80mm間隔でジグザグ状に折り曲げて、図2に示す形状の導電性基材(縦80mm×横90mm×厚み1mm)を得た。得られた導電性基材を、アノードとして用意した。このアノードでは、縦80mm×横90mmの大きさであるのに対し、表面積は、0.0144mであり、表面積が大きい。
(2)微生物燃料電池の作製
実施例1で得られたセパレーター付きエアカソードの両側に、得られたアノードを1つずつ配置して、300mLの容器内に入れて、微生物燃料電池を作製した。
(比較例1)
(1)アノードの作製
実施例1で得られたカーボン被覆ステンレスメッシュを、導電性基材シートとして用意した。導電性基材シートを縦80mm×横90mmの大きさに切断した。この平らな導電性基材シートをアノードとして用意した。このアノードでは、表面積が0.0072mmであった。
(2)微生物燃料電池の作製
実施例1で得られたセパレーター付きエアカソードの両側に、得られたアノードを1つずつ配置して、300mLの容器内に入れて、微生物燃料電池を作製した。
(比較例2)
(1)アノードの作製
実施例1で得られたカーボン被覆ステンレスメッシュを、導電性基材シートとして用意した。導電性基材シートを縦80mm×横90mmの大きさに切断した。この表面が平である導電性基材シート2枚重ね合わせた積層体を、アノードとして用意した。このアノードでは、表面積が0.0144mであった。
(2)微生物燃料電池の作製
実施例1で得られたセパレーター付きエアカソードの両側に、得られたアノードを1つずつ配置して、300mLの容器内に入れて、微生物燃料電池を作製した。
(微生物燃料電池の出力の評価)
得られた微生物燃料電池を用いて、出力を評価した。上記微生物燃料電池内に、メタノール等を含む人口廃水を、所定のCOD負荷(1.9kg/m/日)で連続的に流入させつつ、40日間にわたり、上記微生物燃料電池を連続運転した。このときの負荷回路の外部抵抗(抵抗値15Ω)の両端における電位差を測定した。出力は下記式(1)により求めた。
P−V2/R …式(1)
P:出力
V:負荷回路の外部抵抗の両端における電位差
R:負荷回路の外部抵抗の抵抗値
上記人口廃水中には、発電を担う嫌気性微生物として、土壌微生物を植種した。得られた微生物燃料電池の出力は以下の値を示した。
実施例1:3.0mW
実施例2:2.7mW
比較例1:2.4mW
比較例2:2.4mW
(電極(アノード)の抵抗率の評価)
抵抗率の測定:
得られた電極の電気抵抗率を、下記の独自の手順に従って測定した。
4探針法の測定の原理に関しては、JIS K7194−1994の図2に示されるように、試験片に4本の針状の電極を直線上に設置した。探針Aと探針Dとの間に電流(I)を流したときに、探針Bと探針Cとの間に生じる電位差(V)を測定し、その抵抗(V/I)を求めた。次に、求めた抵抗(R)と試験片の厚さ(電極の厚さ)(t)とを乗じて、抵抗率(ρ)を算出した。
試験装置は、JIS K7194−1994の図3に示されるように、定電流源、電圧計、探針及び切替スイッチにより構成した。
定電流源は、試験片の抵抗によって印加電流Iを流すことのできる電流源である。印加電流Iの決め方は、次の通りとした。電流Iを探針Aから探針Dに向かって流したとき、探針Bと探針Cとの間に生じる電位差をVとすると、抵抗は、V/Iとなる。この抵抗に対応する電流を選び、これを印加電流Iとした。印加電流Iは、試験片の抵抗によって選び、200mΩ未満のとき100mA、200mΩ以上、20Ω未満のとき10mA、20Ω以上、2kΩ未満のとき1mA、2kΩ以上、20kΩ未満のとき100μA、20kΩ以上、200kΩ未満のとき10μA、200kΩ以上、2MΩ未満のとき1μAを選んだ。
探針は、直径が0.5〜0.8mmの金属製の棒であり、棒の先端を球面状に加工した探針とした。4本の探針は、一直線状に等間隔に配列し、球面状に加工した一端を試験片に接触させた。隣り合う探針の間隔は5mmとし、隣り合う探針間の絶縁抵抗は1010Ω以上とした。測定中、各探針には、適切な力、例えば、1〜2Nの力を加えた。探針が試験片に深くめり込むような場合には、各探針に加える力を減じた。
試験片の形状及び寸法に関しては、長さ80.0±0.2mm、幅50.0±0.2mm及び厚さ20mm以下の直方体とした。なお、今回は上記寸法にて測定したが、上記寸法の試験片が得られない場合、寸法を変更することも可能である。
抵抗率の測定方法に関しては、JIS K7194−1994の図3に示された測定回路を用いて、印加電流Iを探針Aから探針Dに向かって流し、探針Bと探針Cとの間に生じる電位差Vを測定した。このときの探針Bと探針Cとの間の抵抗RはV/lとなる。次に、切替スイッチによって印加電流Iを逆方向(探針Dから探針A)に流し、探針Bと探針Cとの間に生じる電位差Vを測定した。このときの抵抗Rは、V/lの絶対値となる。探針Bと探針Cとの間の抵抗Rは、RとRの平均値とした。この抵抗Rは、抵抗率を算出するときに用いた。なお、印加電流Iの方向を切り替えると、電位差Vは負の値として電圧計に表示される。この場合、抵抗Rとして、V/Iの絶対値を採用する。
被膜と導電性基材とで構成される電極の抵抗率(ρ)は、式(1)により求めた。測定は、5つの試験片について行い、平均値を抵抗率として採用した。
ρ=t・R (1)
(ρ:抵抗率(Ω・cm)、t:試験片の厚さ(cm)、R:抵抗(Ω))
本測定手順は独自の手法であり、JIS K7194−1994を参考にしているが、補正係数(F)を用いない点はJIS K7194−1994と異なる。一方、明示していない部分はJIS K7194−1994に従う。
実施例1,2では、抵抗率(ρ)は、10−5Ω・cm以上、10Ω・cm以下であった。
1,1A,1B,1C…アノード
11,11A,11B,11C…導電性基材
1X…第1のアノード
1Y…第2のアノード
11a…第1の表面
11b…第2の表面
11c…折り曲げ部
16…導電性基材シート
16a…第1の表面
16b…第2の表面
21,21C…微生物燃料電池
22…エアカソード
23…有機性物質を含む液
24…容器
24a…流入口
24b…流出口
31…カソード
32…空気取り入れ部
33…空気室
51…セパレーター
52X…第1のセパレーター
52Y…第2のセパレーター

Claims (11)

  1. アノードと、前記アノードと対向するように配置されるカソードと、前記アノードと前記カソードとを接続している導線とを備える微生物燃料電池において、前記アノードとして用いられ、
    微生物を担持可能である導電性基材を備え、
    前記導電性基材が、導電性基材シートが少なくとも1つの折り曲げ部を有するように成形された導電性基材である、微生物燃料電池用アノード。
  2. 前記導電性基材が、第1の表面側において、前記折り曲げ部の先端が凸部であり、かつ前記第1の表面側と反対の第2の表面側において、前記折り曲げ部の先端が凹部であり、
    前記凸部と前記凹部とが、前記導電性基材の両側の前記第1の表面及び前記第2の表面に対向するように配置されている、請求項1に記載の微生物燃料電池用アノード。
  3. 前記導電性基材が、厚み方向の断面形状が、波状又はジグザグ状である領域を有する、請求項1又は2に記載の微生物燃料電池用アノード。
  4. 前記折り曲げ部が複数である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用アノード。
  5. 前記導電性基材の材料が、ステンレス、チタン、カーボン被覆金属又はカーボン被覆樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用アノード。
  6. 前記導電性基材の厚みが、1mm以上、30mm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用アノード。
  7. 前記導電性基材の厚みが、前記導電性基材シートの厚みの2倍以上、100倍以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用アノード。
  8. 前記導電性基材の表面積の、前記導電性基材シートの表面積に対する比が1.2以上、10以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用アノード。
  9. 前記導電性基材で構成される微生物燃料電池用アノードの抵抗率が10−5Ω・cm以上、10Ω・cm以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用アノード。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用アノードと、
    前記アノードと対向するように配置されているカソードと、
    前記アノードと前記カソードとを接続している導線とを備える、微生物燃料電池。
  11. 前記アノードの前記折り曲げ部の先端が、前記カソード側に突出しているか、又は前記カソード側と反対側に突出している、請求項10に記載の微生物燃料電池。
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