JP2016153386A - 消化管の炎症性疾患の予防および/または治療のための宿主防御タンパク質(hdp)模倣薬 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】以下の式で表わされるブリラシジン(PMX−30063)及びデルパランタグ(PMX−60056)から選択される化合物、並びにその薬学的に許容される塩。
【選択図】図1
Description
・潰瘍性直腸炎−炎症は、肛門(直腸)に最も近い領域に限られ、直腸出血が、この疾患の唯一の兆候であり得る。この形態の潰瘍性大腸炎は、最も軽度である傾向がある。
・潰瘍性直腸S状結腸炎−炎症は、直腸およびS状結腸(結腸の下端)を巻き込む。兆候および症状としては、出血性下痢、腹部痙攣および疼痛、ならびに便意があるにもかかわらず排便できないこと(しぶり)が挙げられる。
・左側結腸炎−炎症は、直腸からS状および下行結腸を通じて上に延びる。兆候および症状としては、出血性下痢、左側の腹部痙攣および疼痛、ならびに意図せぬ体重減少が挙げられる。
・全大腸炎−全大腸炎は、しばしば大腸全体に影響を及ぼし、重度であり得る出血性下痢の発作、腹部痙攣および疼痛、疲労、ならびに著しい体重減少を引き起こす。
・急性重度潰瘍性大腸炎−前名は劇症大腸炎である、この珍しい形態の大腸炎は、結腸全体に影響を及ぼし、激痛、大量の下痢、出血、熱、および摂食不能を引き起こす。
IBDの正確な原因は、依然として完全に理解されていない。累積証拠は、免疫反応がIBDの病因に長く関与していることを示唆する。
腸内微生物叢は、腸に生息する微生物からなる。宿主と腸内微生物叢との相互作用は、互いに有益であり得るか、または有害であり得、腸の炎症を誘発する。腸内微生物叢と消化器系と関連するリンパ系組織との間の界面における腸上皮は、粘膜免疫反応を形成する際に重要な役割を果たす。腸上皮細胞は、腸内腔から循環への細菌および他の抗原の過剰な侵入に対する物理的障壁である。細菌侵入に対する追加の防御は、杯細胞およびパネート細胞を含む、特殊化上皮細胞からなる。杯細胞は、粘液ならびに上皮修復および炎症の調節に寄与する要因の産生を調節する。パネート細胞は、α−デフェンシンのような抗菌ペプチドを分泌する。腸粘液は上皮を覆い、それによって細菌と上皮細胞との間の接触を制限する。しかしながら、炎症性腸疾患において、炎症反応は、しばしば継続的上皮障害をもたらし、それが浸食、潰瘍形成、およびデフェンシンの産生の減少を引き起こす。その結果は、腸内微生物叢への曝露の増加および炎症反応の増幅である。
腸固有層は、内腔微生物叢の免疫寛容に対する要件と、病原体に対して防御する必要性、内腔微生物叢の過剰な侵入、または両方とのバランスを取る免疫細胞の複雑な集団を含む。活動性炎症性腸疾患の特質は、自然免疫細胞(好中球、マクロファージ、樹状細胞、およびナチュラルキラーT細胞)および適応免疫細胞(T細胞およびB細胞)の固有層への顕著な浸潤である。腸粘膜内のこれらの細胞の数の増加および活性化は、インターロイキン−23−Th17経路のTNF−α、インターロイキン−1β、インターロイキン−6(IL−6)、インターフェロン−γ(INF−γ)、およびサイトカインの局所レベルを上昇させる。
炎症誘発性サイトカインTNF−αは、IBDにおいて観察されるように、慢性炎症を引き起こす炎症性カスケードにおいて極めて重要な役割を果たすものとして特定された。循環するIL−6のレベルは、クローン病を含むいくつかの炎症性疾患において上昇する。IL−6は、炎症反応の主要な調整因子である。このサイトカインの産生に影響を及ぼすことにより、エフェクターCD4+ T細胞サブセットのバランスを変更し、B細胞抗体の産生を誘導することができる。さらに、IL−6がマクロファージ、好中球、および肥満細胞のような自然細胞から主に産生されることを考慮すると、それは自然系と適応系との間の戦略的架橋である。
IBDに対する根治療法的治療法はない。UCの唯一の治療法は、大腸の外科切除であり、それは生活の質を低下させる。症状を緩和するために、食事および生活様式の変更が重要である。抗炎症性ステロイドが一般に使用されているが、それらは、重度の副作用を誘導する可能性もある。IBDに使用される抗炎症薬の1つは、メサラジンであるが(メサラミンまたは5−アミノサリチル酸としても知られる)、クローン病よりもUCにおいてより効果的である。アザチオプリン、メトトレキサート、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、およびナタリズマブのような免疫調節薬もクローン病に使用される。抗生物質の長期使用は、クローン病に対してある程度効果的であるが、UCにおいては効果的でない。抗生物質の長期使用は、薬物耐性の微生物を発達させる危険性を伴う。一部の個人は、症状の軽減を試みるために、プロバイオティクス、魚油、鍼、またはホメオパシー療法を用いる。消化器系に対する効果に加えて、IBDは栄養素の欠乏、虹彩炎、ブドウ膜炎、皮疹、関節炎、原発性硬化性胆管炎、強直性脊柱炎、壊疽性膿皮症、および結節性紅斑にもつながる可能性がある。炎症性腸疾患は、約140万人の米国人に影響を及ぼし、その好発は、15歳〜30歳の人においてである。
宿主防御ペプチドは、本来それらの直接抗菌活性について研究され、多面的免疫調節活性を示すことも見出されてきた。HDPにおいて観察される大きな多様性にもかかわらず、それらは通常、親水性および疎水性側鎖が分子の明らかに対向する領域または面に分離する、高度に保存された両親媒性トポロジーを採用する。両親媒性構造を有する分子の例は、マゲイニン2である。マゲイニンは、アフリカツメガエルにおいて最初に発見された[Zasloff M.Magainins,a class of antimicrobial peptides from Xenopus skin:isolation,characterization of two active forms,and partial cDNA sequence of a precursor.PNAS 84:5449−5453(1987)]。
タンパク質およびRNAを含む生体高分子は、一般に、それらの顕著な特性に関与する固有の折り畳み構造を適応させる。最近まで、折り畳みのプロセスは謎と見なされていたが、タンパク質折り畳みの分野として、RNA構造および分子組織が進化し、固有の構造に折り畳む非生体分子を設計する可能性が高くなった。天然タンパク質を模倣するために、調査者は、個々のモノマー単位を順次結合することによってオリゴマーを合成し、全体的に均一の配列および鎖長の均質線状分子を提供した。十分に定義された二次構造に折り畳むオリゴマーは、フォルダマーになった(Hill DJ,et al.,Chem.Rev.2001,101,3893−4012、Horne WS,et al.,Acc.Chem.Res.2008,41,1399−1408、Patch JA,Barron AE,J.Am.Chem.Soc.2003,125,12092−12093)。多くのフォルダマーの合成の構造的簡素性および相対的容易性は、それらが分子認識のための3次元足場として使用されることを可能にする。
a)(R)−(−)−N−Boc−3−ピロリジノールを、カリウムter−ブトキシドの存在下で2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジニトロベンゼンと反応させて、式Iを有する化合物を形成することと、
b)式Iの化合物を、水素の存在下でアルコールおよび遷移金属触媒と反応させて、式IIの化合物を形成することと
e)得られた式IVの化合物を、アルコール、遷移金属触媒、および水素の存在下で還元して、式Vの化合物を得ることと
f)得られた式Vの化合物を、塩基の存在下でジ−N−Bocピラゾールと反応させて、式VIの化合物を提供することと
式VIの化合物を、酸を使用して脱保護し、PMX−30063(ブリラシジン)を産生することと、必要に応じて、薬学的に許容される塩を調製することと、によって調製される。
または塩化メチル、メタノール、もしくは溶媒の混合物のような適切な溶媒での粉砕によって、反応生成物を単離することが所望され得る。再結晶化は、溶媒を用いて、または溶媒の混合物を用いて行うことができる。いくつかの実施形態において、生成物の単離は、反応生成物からの遷移金属触媒の除去を含み、金属触媒のレベルは、誘導結合プラズマ(ICP)のような好適な方法によって決定することができる。単離された(または精製された)生成物の純度は、好適な方法、例えば、HPLCを使用することによって決定することができる。
c)Boc基を、式VIIIの化合物:
またはその薬学的に許容される塩から除去することによって調製して、式VIIの化合物またはその薬学的に許容される塩を形成することができる。
d)式IXの化合物:
またはその薬学的に許容される塩を、式Xの化合物:
またはその薬学的に許容される塩と反応させることによって調製することができる。
2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HBTU)、
O−(7−アザベンゾトリアゾール1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)、
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(Py−BOP)、N,N′−カルボニルジイミダゾール(CDI)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1H−ベンゾトリアゾリウム1−[ビス(ジメチル−アミノ)メチレン]−5−クロロ−ヘキサフルオロリン酸塩(1−),3−オキシド(HCTU)、好適な1,3,5−トリアジン誘導体(例えば、Kaminski,Tetrahedron Letters,1985,26,2901−2904を参照;好適な1,3,5−トリアジン誘導体の例としては、限定されないが、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン;2−クロロ−4,6−ジベンジルオキシ−1,3,5−トリアジン;2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン;2,4−ジクロロ−6−フェノキシ−1,3,5−トリアジン;2,4−ジクロロ−6−ベンジルオキシ−1,3,5−トリアジン;または2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジンが挙げられる)、およびそれらの2つ以上の混合物のような結合試薬の存在下で行うことができる。必要に応じて、ステップd)における結合試薬は、EDACおよびHOBtの混合物、ならびに有機塩基を含み、式VIIIの化合物、またはその薬学的に許容される塩を形成する。
e)式IXの化合物:
またはその薬学的に許容される塩を、アンモニアまたはアンモニア産生試薬と反応させて、式XIの化合物:
f)Boc基を、式XIの化合物またはその薬学的に許容される塩から除去することによって調製して、式Xの化合物またはその薬学的に許容される塩を形成することができる。
g)式XIIの化合物:
h)式XIIIの化合物:
いくつかの実施形態において、ステップh)における有機塩基は、NMMである。
i)式XVの化合物:
k)式XVIの化合物:
化合物ブリラシジン(PMX−30063)およびデルパランタグ(PMX−60056)、および以下で活性化合物とも称される、その薬学的に許容される塩は、消化管の炎症性疾患の治療のために、それらが活性である任意の経路によって、任意の従来の方法で投与され得る。投与は、全身、直腸、または経口であり得る。例えば、投与は、限定されないが、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、経口もしくは口腔、またはデポー注射もしくは埋め込みによってであり得る。故に、これらの化合物の投与形態(単独または他の医薬品と併せてのいずれか)は、限定されないが、舌下、注射(皮下もしくは筋肉内に注射される短時間作用型デポー、埋め込み、およびペレット形態)、または直腸坐薬、子宮内デバイス、ならびにパッチおよびクリームのような経皮形態であり得る。特異的投与経路および用法の選択は、所望の臨床反応を得るために、医師に既知の方法に従って、医師により調整または滴定される。投与される発明の化合物の量は、治療上有効な量である。投与される投与量は、治療される対象の特徴、例えば、治療される特定の動物、年齢、体重、健康状態、併用治療の種類(もしあれば)、および治療頻度に依存し、当業者によって(例えば、医師によって)容易に決定され得る。消化管の炎症性疾患の治療および/または予防において効果的となる、本明細書に記載の化合物の量は、炎症性疾患の性質および重度に依存し、標準臨床技法によって決定することができる。さらに、インビトロまたはインビボアッセイは、最適な投与量範囲を特定するのを助けるように任意に用いられ得る。組成物中に用いられる正確な用量は、投与の形態および障害の深刻度にも依存し、医師および各患者の状況の判断に従って決定されるべきである。しかしながら、経口投与の好適な投与量範囲は、一般に、体重1キログラム当たり約0.001ミリグラム〜約1000ミリグラムである。いくつかの実施形態において、経口用量は、体重1キログラム当たり約0.01ミリグラム〜100ミリグラム、体重1キログラム当たり約0.01ミリグラム〜約70ミリグラム、体重1キログラム当たり約0.1ミリグラム〜約50ミリグラム、体重1キログラム当たり0.5ミリグラム〜約20ミリグラム、または体重1キログラム当たり約1ミリグラム〜約10ミリグラムである。いくつかの実施形態において、経口用量は、体重1キログラム当たり約5ミリグラムである。経口投与の場合、活性化合物は、1錠当たり100mgを含有する錠剤形態、または1〜10mg/mLの濃度に水を溶解することによる液体形態で投与され得る。得られた調合剤は、pH7で無色透明の溶液である。活性化合物は、状態が解決するまで日用量によって付与され得る。直腸投与の場合、25mgまたは50mgが、60mLの滅菌溶液中の停留かん腸として付与される。かん腸は、1日1回就寝時、または1日2回朝および就寝時のいずれかで6週間付与する。ブリラシジン(PMX−30063)およびデルパランタグ(PMX−60056)が単一薬学的組成物で、または同時に投与される場合、2つの化合物の合計日用量は、一般に、単一化合物の日用量について上記の量に相当する。
実施例において論じられる研究は、PMX−30063およびPMX−60056の抗炎症活性を示す:PDE−GloホスホジエステラーゼアッセイにおけるホスホジエステラーゼPDE4の阻害;PDE−GloホスホジエステラーゼアッセイにおけるPDE3の阻害;NR8383ラットマクロファージにおけるリポポリサッカリド(LPS)誘導TNF−α産生のTNF−αの阻害;NR8383ラットマクロファージにおけるLPS誘導単球走化性タンパク質−1(MCP−1)放出の阻害;NR8383ラットマクロファージにおけるLPS誘導マトリックスメタロプロテイナーゼ−9(MMP−9)放出の阻害(PMX−30063のみ);NR8383ラットマクロファージにおけるLPS誘導IL−6放出の阻害(PMX−30063のみ)。経口投与に続いて、PMX−30063は、小腸によって取り込まれるが、0.5%未満が循環に侵入する。全身毒性の危険性が低い腸上皮の治療に対する大きな利点。インビボ潰瘍性大腸炎モデルにおいて、腸重量は、PMX−30063の直腸投与に続く未処理の対照と比較して、著しくはないが減少した。潰瘍性大腸炎スコアの用量依存的な減少が観察された。
本出願の一部である図面を参照して、実施例に言及される研究方法に関する論考が以下に記載される。
ステップ1:N−Boc−3−ピロリジノール(2.2kg)を、テトラヒドロフラン(11.2kg)中に溶解し、10°Cに冷却する。次に、カリウムtert−ブトキシド(1.5kg)を添加し、続いてt−ブチルメチルエーテル(5.1kg)中の2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−1,3−ジニトロベンゼン(3.0kg)の溶液を添加する。得られた混合液を10〜17°Cで16時間攪拌し、次にt−ブチルメチルエーテル(10.7kg)および水(15.6kg)を添加する。有機層を分離し、塩水で洗浄して蒸発乾燥させる。エタノール/水で2回の結晶化の粗生成物は、2.17kg(46.3%)の(R)−3−(2,6−ジニトロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3)を生じ、予想されるHPLC純度は約96.4%である。
ステップ1:化合物11の調製
14.0Lの(ジクロロメタン)中の化合物9(1665g、4.379mol、1.0等量)、化合物10(817g、4.51mol、1.03等量)、およびN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(651g、4.82mol、1.1等量)混合液を、NMM(N−メチルモルホリン)(885g、8.76mol、2.0等量)で処理し、続いてN−(3−ジメチアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(923g、4.82mol、1.10等量)を少量ずつ添加する。反応を20℃で行い、その反応進行をインプロセスHPLCによって監視する。反応が完了した後、反応混合液を標準抽出手順によって処理して、化合物11(2192g、92.1%収率)を得る。HPLC分析は、化合物11の純度が約97〜98%であることを示すと予想される。キラルHPLC方法は、化合物11のエナンチオマー純度が、ステップ1の間に維持される(化合物9から)ことを示すと予想される。望ましくないエナンチオマーが検出されることは予想されない。
化合物1〜3(1250g、2.30mol)、THF(13.8L)、およびメタノール(9.4L)の混合液を10℃に冷却し、水中の5%溶液として送達される水酸化リチウムの4モル等量を30分かけて滴下処理する。反応混合液を攪拌しながら室温まで温め、その進行をインプロセスHPLCによって監視する。反応が完了した後、反応混合液のpHを水性HClで中和し、部分的に濃縮し、水性HClで酸性化して、酢酸エチルで抽出する。化合物1〜4(1175g、96.5%収率)が得られ、それらのHPLC分析は、約96%の純度を示すと予想される。キラルHPLC方法は、化合物13のエナンチオマー純度が、ステップ2Aの間に維持される(化合物11から)ことを示すと予想される。望ましくないエナンチオマーが検出されることは予想されない。
DCM(15.0L)中の化合物1〜3(2556g、4.70mol)の溶液を、p−トルエンスルホン酸(1073g、5.6mol、1.2等量)で処理し、混合液を40℃に加熱する。反応進行をインプロセスHPLCによって監視する。反応が完了した後、反応混合液を室温に冷却し、重炭酸ナトリウム水溶液で処理し、次に標準抽出手順によって処理して、化合物12(2065g、99%収率)を得る。この生成物の純度は、HPLC分析によって約96.4%であると予想される。
クロロホルム(17.6L)中の化合物12(1030g、2.32mol、1.05等量)、HOBt(601g、4.45mol、2.0等量)、およびNMM(670g、6.63mol、3.0等量)の混合液を、クロロホルム(2.0L)中のEDAC(511g、2.65mol、1.2等量)溶液で処理する。この混合液を、クロロホルム(4.2L)中の化合物13(1170g、2.21mol、1.0等量)およびNMM(337g、3.33mol、1.5等量)の溶液の滴下添加によって処理して、得られた反応混合液を20〜25℃で攪拌する。反応進行を、インプロセスHPLC法によって監視する。反応が完了した後、反応混合液を標準抽出手順によって処理する。得られた固相発泡体は、超過重量およびHPLC分析によって約88%の純度を示す。得られた固相発泡体は、ヘプタン/EtOAcからの結晶化にさらされる。化合物14(1287g、61%収率)が得られ、HPLC分析によって決定されるその純度は、約97.2%であると予想される。
化合物14(2516g、2.63mol)、THF(16.6L)、およびメタノール(10.9L)の混合液を10℃に冷却し、水中の5%溶液として送達されるLiOHの4モル等量を45分かけて滴下処理する。反応混合液を攪拌しながら室温まで温め、その反応進行をインプロセスHPLCによって監視する。反応が完了した後、反応混合液を水性HClで中和し、部分的に濃縮し、水性HClで酸性化して、EtOAcで抽出する。化合物15(定量的収量、2813gの粗生成物)が得られ、HPLC分析によって決定されるその純度は、約-94.7%であると予想される。粗生成物を、さらなる精製なしに次のステップで直接使用する。
クロロホルム(13.0L)中の化合物15[上記ステップ4において調製された1490gの粗生成物、1297g(1.38mol)の純化合物15に相当するものであると仮定される]の溶液を10℃に冷却し、1分量のクロロギ酸エチル(302g、2.78mol、2.0等量)で処理し、続いて内部温度を監視しながらDIEA(357g、2.76mol、2.0等量)を滴下添加する。反応混合液を、攪拌しながら周囲温度まで温める。反応進行を、ジオキサン中0.5Mのアンモニアによって急冷された試料のHPLC分析によって反応性混合無水中間物への完全な変換を示すように監視し、化合物16の形成および化合物15の消費について評価する。酸15の無水中間物への完全な変換後、反応混合液を0℃に冷却し、内部温度を監視しながら発泡器を通じてアンモニアガス(151g、8.8mol、6.4等量)で処理する。反応進行をインプロセスHPLCによって監視する。反応が完了した後、反応混合液を水で急冷し、標準抽出手順によって処理する。化合物16(定量的収量、1322gの粗生成物)が得られ、HPLC分析によって決定されるその純度は、約93.2%であると予想される。粗生成物を、さらなる精製なしに次のステップで直接使用する。
DCM(4.4L)中の化合物16(上記ステップ5において調製された1322gの粗生成物、1298g(1.38mol)の純化合物16に相当するものであると仮定される)の溶液を0℃に冷却し、内部温度を約10℃以下に維持しながら、トリフルオロ酢酸(2.1L、28mol、20等量)で滴下処理する。反応混合液を、攪拌しながら周囲温度まで温める。反応進行をインプロセスHPLCによって監視する。反応が完了した後、反応混合液を−20℃に急速冷却し、次に水(9.6L)およびDCM(4.5L)中のNaOH(22等量)の急速攪拌された−5℃の混合液に30分かけて添加することによって急冷する。添加速度は、混合液の内部温度が約10℃以下で維持されるようにする。急冷した反応混合液を標準抽出手順によって処理して、化合物17(1152g、99%収率)を生じ、HPLC分析によって決定されるその純度は、約85.0%であると予想される。
クロロホルム(17.9L)中の化合物15(981g、1.04mol、1.00等量)、化合物17(894g、1.06mol、1.02等量)、およびHOBt(288g、2.1mol、2.0等量)の混合液を、クロロホルム(2.2L)中のEDAC(240g、1.25mol、1.2等量)溶液で処理し、続いてNMM(161g、1.6mol、1.5等量)を添加する。反応混合液を20〜25℃で攪拌し、その反応進行をインプロセスHPLCによって監視する。反応が完了した後、反応混合液を標準抽出手順によって処理して、化合物18(定量的収量、1840gの粗生成物)を固体として得る。粗生成物18の純度は、HPLC分析によって80.0%であることが決定されると予想される。粗生成物は、2−プロパノール/メタノールからの第1の再結晶化にさらされ、続いてクロロホルム/2−プロパノールからの第2の再結晶化にさらされて、精製された化合物18(1280g、69.8%収率)を生じ、HPLC分析によって決定されるその純度は、約95.1%であると予想される。
DCM(3.1L)、THF(3.1L)、およびリン酸(5323g、85%、46.2mol、65等量)の混合液を調製し、ステップ7において調製された精製化合物18(1248g、0.707mol)を30分かけて少量ずつ添加する。反応混合液を20〜25℃で攪拌し、その反応進行をインプロセスHPLCによって監視する。反応が完了した後、反応混合液を水性NaOHで急冷し(反応混合液のpHを8〜9に調整する)、標準抽出手順によって処理して、化合物19(定量的収量、1323gの粗生成物)を得る。粗生成物の純度は、HPLC分析によって約90.5%であることが決定されると予想される。粗生成物19を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。この精製プロセスは、粗生成物19の1グラム当たり30gのシリカゲル(230〜400メッシュ)を使用する。1%メタノール/DCMから10%メタノール/DCM(勾配で)を溶出溶媒として使用する。クロマトグラフィーの後、460g(39%)の精製化合物19が得られる。HPLC分析によって決定される精製化合物19の純度は、約97.5%であると予想される。
ステップ8によって調製された精製化合物19(417g、0.251mol)、炭素上の10重量%パラジウム(167g)、メタノール(16.7L)、およびHCl(5.0等量、7.2重量%水溶液中)の混合液は、70psiの圧力で水素ガスにさらされる。反応混合液を25℃で攪拌し、その反応進行をインプロセスHPLCによって監視する。反応が完了した後、反応混合液を濾過し、アセトニトリルで共蒸留によって濃縮して、固体生成物を得て、それをtert−ブチルメチルエーテル(MTBE)中でスラリー状にして濾過し、乾燥させてデルパランタグを得る。収率:300g(91%)(ペンタHClとして)、予想されるHPLC純度:約97.9%
不純なデルパランタグ(274g、0.209mol)をメタノール(13.9L)に溶解し、その後に28gの3−メルカプトプロピルエチル硫化シリカゲルで処理して、90分間攪拌する。この混合液を濾過し、アセトニトリルでの共蒸留によって濃縮して、固体生成物を得て、それをMTBE中でスラリー状にし、濾過して乾燥させる。この精製プロセスを、前に得られた精製生成物(266g、0.203mol)上で再度繰り返すと、第2の精製プロセスは、219gのデルパランタグをもたらす。予想されるHPLC純度:97.9%、Pd含有量:2.7ppm。
ホスホジエステラーゼ4型(PDE4)は、好中球、T細胞、およびマクロファージ中に発現された優勢ホスホジエステラーゼである。PDE阻害剤は、ほぼ全ての炎症性細胞において、広い範囲の抗炎症効果を示す。PDE4阻害剤は、cAMP上のPDE4の分解作用を妨げ、それによってタンパク質キナーゼのリン酸化を媒介するcAMPレベルの細胞内レベルを増加させる。PDE4阻害剤は、好中球の走化性、動員、および活性化を低減し、CD4+およびCD8+T細胞の活性化を阻害し、単球の走化性を阻害する。したがって、PDEの阻害は、消化管の炎症性疾患のような炎症性疾患において治療効果を有すると予想される。PMX−30063がPDE4ホスホジエステラーゼを阻害することができるかどうかを検証するために、PDE4の阻害アッセイを、PMX−30063を使用して行った。PDE−Gloホスホジエステラーゼアッセイを、図1について記載の方法に従って、8ngのPDE4B、1μMのcAMP基質、およびPMX−30063を使用して行った。データは、発光ユニット(RLU)として示される。
PMX−30063がPDE4を阻害したため、PMX−60056をPDE4活性の阻害について同様にアッセイすることも決定した。したがって、PDE4のホスホジエステラーゼ阻害アッセイを、PMX−60056を用いて行った。
ホスホジエステラーゼは、シグナル伝達分子環状AMP/または環状GMPの分解を触媒する酵素のファミリーである。cAMPおよびcGMPは、多くのシグナル伝達プロセスに関与するシクラーゼの大きなファミリーによって産生された偏在的二次メッセンジャーシグナル伝達分子である。本発明者らは、HDPが、炎症誘発性反応の抑制において、環状AMP/環状GMP経路を通じて機能し得ると仮定した。PDE3阻害剤は、細胞内cAMP/cGMP濃度の増加につながる、cAMPおよびcGMPの両方の分解を妨げる。したがって、PDE3のホスホジエステラーゼ阻害アッセイを、PMX−30063を用いて行った。
PMX−30063がPDE3を阻害したため、PMX−60056をPDE3活性の阻害について同様にアッセイすることも決定した。したがって、PDE3のホスホジエステラーゼ阻害アッセイを、PMX−60056を用いて行った。PDE−Gloホスホジエステラーゼアッセイを、図4について記載の方法に従って、2.75ngのPDE3A、1μMのcAMP基質、およびPMX−60056を使用して行った。化合物およびPDE3Aを混合し、室温で15分間プレインキュベートした。基質を添加し、反応をインキュベートした。
腸固有層は、内腔微生物叢の免疫寛容に対する要件と、病原体に対して防御する必要性、内腔微生物叢の過剰な侵入、または両方とのバランスを取る免疫細胞の複雑な集団を含む。活動性炎症性腸疾患の特質は、自然免疫細胞(好中球、マクロファージ、樹状細胞、およびナチュラルキラーT細胞)および適応免疫細胞(T細胞およびB細胞)の固有層への顕著な浸潤である。腸粘膜内のこれらの細胞の数の増加および活性化は、インターロイキン−23−Th17経路のTNF−α、インターロイキン−1β、インターロイキン−6(IL−6)、インターフェロン−γ(INF−γ)、およびサイトカインの局所レベルを上昇させる。
PMX−30063がTNF−αを阻害したため、PMX−60056をTNF−α活性の阻害について同様にアッセイすることも決定した。TNF−α阻害アッセイは、図6について記載の方法に従って行った。NR8383ラットマクロファージ細胞(CRL−2192、ATCC)を、PMX−60056で45分間前処理し、続いて1μg/mLのLPSで8時間処理した。上清中のTNF−α濃度を、ELISAにより、ラットTNF−αに対して特異的な免疫アッセイキット(R&D Systems)を使用して決定した。
MCP−1は、樹状細胞、マクロファージ、内皮細胞、および線維芽細胞を含む種々の細胞によって産生され、その発現は、IL−1およびTNF−αのような炎症性刺激への曝露の後に上方制御される。MCP−1は、単球特異的走化性因子として最初は特定されたが、後にT細胞、肥満細胞、好塩基球、およびナチュラルキラー細胞に作用することが示された。MCP−1の上昇は、クローン病および潰瘍性大腸炎を有する患者からの粘膜組織において、また大腸炎の実験モデルにおいても観察される。MCP−1がC−Cケモカイン受容体2型(CCR2)に結合し、MCP−1がT細胞および単球移動を誘導することができるため、このケモカインは、消化管の炎症性疾患においてこれらの細胞の動員に寄与し、炎症反応の誘導に重要な役割を果たす。したがって、MCP−1阻害アッセイを、PMX−30063を用いて行った。
PMX−30063がMCP−1を阻害したため、PMX−60056をMCP−1活性の阻害について同様にアッセイすることも決定した。MCP−1阻害アッセイは、図8について記載の方法に従って行った。NR8383ラットマクロファージ細胞(CRL−2192、ATCC)を、PMX−60056で45分間前処理したとき、8時間のLPS(1μg/mL)刺激の後にMCP−1誘導の強い阻害を観察した(図8)。
マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP−9)は、消化管の炎症性疾患のような炎症性疾患の病因に関与することが示された。MMPの不適切な発現および過剰な活性は、消化管の炎症性疾患に関連する組織破壊プロセスに関与していた。慢性炎症は、エラスターゼ、プロテアーゼ、インターロイキン−8(IL−8)、ロイコトリエンB−4(LTB4)、TNFα、および炎症性の高い細胞を誘引するMMPのような炎症誘発性および破壊性メディエーターを放出する炎症性細胞によって組織化される[Gueders,M.M.,Foidart,J.M.,Noel,A.& Cataldo,D.D.Matrix metalloproteinases(MMPs)and tissue inhibitors of MMPs in the respiratory tract:potential implications in asthma and other lung diseases.European Journal of Pharmacology 533,133〜144,(2006)、Hurst,J.R.& Wedzicha,J.A.The biology of a chronic obstructive pulmonary disease exacerbation.Clinics in chest medicine 28,525−536,(2007)]。これらの炎症誘発性サイトカインは、長期周期の慢性炎症につながる。したがって、MMP−9阻害アッセイを、PMX−30063を用いて行った。
腸固有層は、内腔微生物叢の免疫寛容に対する要件と、病原体に対して防御する必要性、内腔微生物叢の過剰な侵入、または両方とのバランスを取る免疫細胞の複雑な集団を含む。活動性炎症性腸疾患の特質は、自然免疫細胞(好中球、マクロファージ、樹状細胞、およびナチュラルキラーT細胞)および適応免疫細胞(T細胞およびB細胞)の固有層への顕著な浸潤である。腸粘膜内のこれらの細胞の数の増加および活性化は、インターロイキン−23−Th17経路のTNF−α、インターロイキン−1β、インターロイキン−6(IL−6)、インターフェロン−γ(INF−γ)、およびサイトカインの局所レベルを上昇させる。
抗炎症薬として、PMX−30063は、TNF−α、MCP−1、MMP−9、およびIL−6のレベルを低減した。PMX−60056もまた、TNF−αおよびMCP−1のレベルを低減した。PMX−30063およびPMX−60056の抗炎症機能は、いくつかの炎症誘発性経路を低減すること、および環状ヌクレオチドの細胞内濃度およびそのシグナル伝達経路を調節することによって媒介され得、結果として消化管の炎症性疾患のような慢性炎症性疾患における無数の生物学的反応に影響を及ぼす。
PMX−30063の投与に続く血漿中への分布の程度を評価するために、図11について記載の方法に従って、雄Balb/cマウスにおいて(研究16009〜12001)、10mg/kgのPO付与または5mg/kgのIV付与に続くPMX−30063血漿中濃度を測定する研究を行った。
10mg/kgのPO投与に続く小腸内のPMX−30063の濃度は、図12について記載の方法に従って行った。1時間で小腸内の濃度は、38,941±4703ng/グラムの組織でピークに達した(図12)。これは、PMX−30063が経口付与されるとき、小腸組織に侵入し、それが局所レベルでその抗炎症効果を発揮し得ることを示す。
PMX−30063の経口投与に続く腸対血漿中濃度の比は、図13について記載の方法に従って、図11および12から得られたデータに基づいて計算した。
PMX−30063を、図14について記載の方法に従って、潰瘍性大腸炎(UC)モデルにおけるインビボ有効性について評価した。つまり、UCは、4%酢酸を直腸に注入することによって誘導された。4日後、1日1回5日間、100mg/kg、200mg/kg、または400mg/kgのいずれかでPMX−30063を用いて直腸内的に、もしくは5−ASAを用いて動物を処理したか、または処理しなかった。
PMX−30063を、図15について記載の方法に従って、潰瘍性大腸炎(UC)モデルにおける有効性について評価した。
要約すれば、抗炎症活性を示し、PMX−30063(ブリラシジン)は、TNF−α、MCP−1、MMP−9、およびIL−6のレベルを低減した。PMX−60056(デルパランタグ)もまた、TNF−αおよびMCP−1のレベルを低減した。PMX−30063およびPMX−60056の抗炎症機能は、いくつかの炎症誘発性経路を低減すること、および環状ヌクレオチドの細胞内濃度およびそのシグナル伝達経路を調節することによって媒介され得、結果として消化管の炎症性疾患のような慢性炎症性疾患における無数の生物学的反応に影響を及ぼす。
活動的な軽度〜中度の潰瘍性直腸炎(UP)または潰瘍性直腸S状結腸炎(UPS)を有する対象における寛解の誘導のために直腸的に投与されたブリラシジン(PMX−30063)の有効性および安全性を評価する第2相非盲検多施設研究。
・臨床反応を有する対象の割合
・直腸出血MMDAIサブスケールスコア0を達成する対象の割合
・6週目に1未満の内視鏡MMDAIサブスケールスコアを有する対象の割合
・糞便カルプロテクチンの変化
・血清C反応タンパク質(CRP)の変化
・血清IL−6の変化
・健康に関連する生活の質(QOL)の改善
・薬物動態データ
Claims (10)
- 哺乳類における消化管の炎症性疾患の予防および/または治療の方法であって、そのような予防および/または治療を必要とする前記哺乳類に、治療上有効な量のPMX−30063(ブリラシジン)およびPMX−60056(デルパランタグ)から選択される化合物、ならびにその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
- 前記消化管の炎症性疾患の治療のための薬学的組成物の使用であって、前記組成物が、治療上有効な量のPMX−30063(ブリラシジン)およびPMX−60056(デルパランタグ)から選択される化合物、ならびにその薬学的に許容される塩およびその薬学的に許容される担体を含む、使用。
- 患者における消化管の炎症性疾患の予防および/または治療のための薬物の調製に使用するための、PMX−30063(ブリラシジン)およびPMX−60056(デルパランタグ)、ならびにその薬学的に許容される塩の活性化合物、またはそれを含む薬学的組成物。
- 前記疾患が、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ球性大腸炎、クローン病、または過敏性腸症候群である、請求項1に記載の方法。
- 前記疾患が、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ球性大腸炎、クローン病、または過敏性腸症候群である、請求項2に記載の使用。
- 患者における消化管の炎症性疾患の予防および/または治療のための薬物の調製に使用するための、PMX−30063(ブリラシジン)およびPMX−60056(デルパランタグ)、ならびにその薬学的に許容される塩、またはそれを含む薬学的組成物。
- 前記化合物が、抗生物質と一緒に投与される、請求項1に記載の方法。
- 前記組成物が、PMX−30063(ブリラシジン)以外の抗生物質も含む、請求項2に記載の使用。
- 前記疾患が、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ球性大腸炎、クローン病、または過敏性腸症候群である、請求項7に記載の方法。
- 前記疾患が、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ球性大腸炎、クローン病、または過敏性腸症候群である、請求項8に記載の使用。
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