JP2016153376A - シリマリン含有組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリマリン含有水分散性組成物であって、シリマリンの生体吸収性の高い組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上とヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ダイフラクトースアンハイドライド(DFAIII)を含有する水分散性組成物。
【選択図】図3
【解決手段】シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上とヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ダイフラクトースアンハイドライド(DFAIII)を含有する水分散性組成物。
【選択図】図3
Description
本発明は、体内吸収性の良いシリマリン含有組成物に関する。
近年、フラボノイドやカテキン、植物性色素のようなポリフェノール化合物の機能性に着目して、これらを含有する組成物が多く開発されている。
シリマリンは、このようなポリフェノール化合物をふくむ天然成分のひとつであり、マリアアザミ(学名:Silybum marianum)と呼ばれる植物の種子から抽出されたエキスである。シリマリンは、その構成成分としてフラボノリグナンに分類されるシリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンを含むことが知られている。
シリマリンは、このようなポリフェノール化合物をふくむ天然成分のひとつであり、マリアアザミ(学名:Silybum marianum)と呼ばれる植物の種子から抽出されたエキスである。シリマリンは、その構成成分としてフラボノリグナンに分類されるシリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンを含むことが知られている。
シリマリンは肝臓機能強化や老化防止に有用であり、さらには紅斑、火傷、皮膚又は粘膜のジストロフィー状態、皮膚炎等の治療における治癒を促進し、外部環境からの刺激(放射線、風、太陽等)から皮膚を保護するのに有用であることが知られている(特許文献1)。また、シリマリンの皮脂分泌抑制効果(特許文献2)、表皮透過バリア強化効果(特許文献3)、乾癬及びアトピー性皮膚炎の治療効果(特許文献4)、表皮の扁平化改善効果(特許文献5)が知られている。
一方、シリマリンは、水にはほとんど溶解しないため、水系の組成物には配合し難いという課題点を有しており、これに対しシリマリンを分散させた飲料の技術が開示されている(例えば、特許文献6)。また、シリマリンをリン脂質錯体とすることにより生体適性を有利にする技術が開示されている(例えば、特許文献1)。この脂質錯体はシリマリンフィトソーム(商品名)の名称で化粧品用途として一般に流通している。しかし、このシリマリンフィトソームは食品など経口投与では使用できない原料を用いており、食品用途や経口投与を目的とする医薬用途には不適である。
また、シリマリンのアルコール溶液と、糖アルコール水溶液を混合し、これを凍結乾燥又は噴霧乾燥して溶解性を向上させる技術が開示されている(特許文献7)。またシリマリンを、平均分子量が500〜5000のコラーゲンペプチドと乳化剤を含む安定なシリマリン分散溶液とする技術が開示されている(特許文献8)。
しかし、これらの技術を用いてもシリマリンの生体内利用率を必ずしも高めているとは言い難い場合がある。特に分散溶液の場合、経時的にシリマリンに分散物が凝集し、沈殿する現象が発生する。またシリマリンの凝集沈殿やシリマリンの析出を抑制できたとしても、処方設計上の制約がある。シリマリンの生体利用率を高めるため、あるいは、シリマリンの析出を防ぐための新たなシリマリンの分散化又は可溶化技術が必要である。
本発明者らは、これらの課題を解決した新規組成物としてシリマリンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、エリスリトール又はトレハロースを含む水分散性組成物を提案している(特願2014−178621号及び非特許文献1参照)。この組成物は、高圧晶析装置を用いてヒドロキシプロピルメチルセルロースをシリマリンと共存状態で微小な非晶質体とし、さらに、エリスルトール又はトレハロースとシリマリンの粉末を混合し、凍結乾燥して調製している。このようにして調製されたシリマリンを含む組成物は、速やかに水に分散し、凝集沈殿しないという性質を有している。さらに、経口投与したとき、組成物中のシリマリンは、生体内へ速やかに、且つ効率的に吸収されることを本発明者らは、動物試験により確認している(非特許文献1参照)。
また、シリマリンのアルコール溶液と、糖アルコール水溶液を混合し、これを凍結乾燥又は噴霧乾燥して溶解性を向上させる技術が開示されている(特許文献7)。またシリマリンを、平均分子量が500〜5000のコラーゲンペプチドと乳化剤を含む安定なシリマリン分散溶液とする技術が開示されている(特許文献8)。
しかし、これらの技術を用いてもシリマリンの生体内利用率を必ずしも高めているとは言い難い場合がある。特に分散溶液の場合、経時的にシリマリンに分散物が凝集し、沈殿する現象が発生する。またシリマリンの凝集沈殿やシリマリンの析出を抑制できたとしても、処方設計上の制約がある。シリマリンの生体利用率を高めるため、あるいは、シリマリンの析出を防ぐための新たなシリマリンの分散化又は可溶化技術が必要である。
本発明者らは、これらの課題を解決した新規組成物としてシリマリンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、エリスリトール又はトレハロースを含む水分散性組成物を提案している(特願2014−178621号及び非特許文献1参照)。この組成物は、高圧晶析装置を用いてヒドロキシプロピルメチルセルロースをシリマリンと共存状態で微小な非晶質体とし、さらに、エリスルトール又はトレハロースとシリマリンの粉末を混合し、凍結乾燥して調製している。このようにして調製されたシリマリンを含む組成物は、速やかに水に分散し、凝集沈殿しないという性質を有している。さらに、経口投与したとき、組成物中のシリマリンは、生体内へ速やかに、且つ効率的に吸収されることを本発明者らは、動物試験により確認している(非特許文献1参照)。
粉体工学会刊行、粉体工学会2014年度春期研究発表会講演要旨集、68〜69ページ、2014年5月29日発行
本発明者らは、前記のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、エリスルトール又はトレハロースとシリマリンの組み合わせからなる組成物についてさらに研究を進めた結果、エリスリトール又はトレハロースに代えて、公知の2糖類であるダイフラクトースアンハイドライド(DFAIII)を配合することで、よりシリマリンの吸収性に優れた組成物を得ることができることを見いだした。
そこで、本発明は、シリマリンを含有する組成物であって分散性に優れたシリマリン含有水分散性組成物であって、シリマリンの生体吸収性の高い組成物を提供することを課題とする。
そこで、本発明は、シリマリンを含有する組成物であって分散性に優れたシリマリン含有水分散性組成物であって、シリマリンの生体吸収性の高い組成物を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
1.シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ダイフラクトースアンハイドライド(DFAIII)を含有する水分散性組成物。
2.シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンがマリアアザミ由来であることを特徴とする1に記載の組成物。
3.組成物中のシリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上とヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物の非晶性物と、ダイフラクトースアンハイドライド(DFAIII)の含有比率が1:0.7〜1:0.5〜1である1又は2に記載の組成物。
4.1〜3のいずれかに記載の組成物を分散させた水溶液。
5.1〜3のいずれかに記載の組成物を配合した飲食品または健康食品。
6.1〜3のいずれかに記載の組成物を配合した経口用医薬品。
1.シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ダイフラクトースアンハイドライド(DFAIII)を含有する水分散性組成物。
2.シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンがマリアアザミ由来であることを特徴とする1に記載の組成物。
3.組成物中のシリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上とヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物の非晶性物と、ダイフラクトースアンハイドライド(DFAIII)の含有比率が1:0.7〜1:0.5〜1である1又は2に記載の組成物。
4.1〜3のいずれかに記載の組成物を分散させた水溶液。
5.1〜3のいずれかに記載の組成物を配合した飲食品または健康食品。
6.1〜3のいずれかに記載の組成物を配合した経口用医薬品。
本発明によれば、シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上のシリマリン類を含む、シリマリン類の吸収性に優れた組成物が提供される。さらにこの組成物を経口投与した場合、シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンなどの成分の吸収性が向上し、血中濃度の持続性が高い。
また本発明の組成物を配合した飲食品や医薬品は、吸収性が高いため、従来のシリマリンと同様の薬理効果や作用を発揮させる場合、その配合量を減らすことができ、経済的にも有用である。
また本発明の組成物を配合した飲食品や医薬品は、吸収性が高いため、従来のシリマリンと同様の薬理効果や作用を発揮させる場合、その配合量を減らすことができ、経済的にも有用である。
本発明は、シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの非晶性物と、ダイフラクトースアンハイドライド(DFAIII)を含む、シリマリン類の高吸収性組成物に関する発明である。
シリマリン(Silymarin;CAS No.65666−07−1)は、キク科マリアアザミ(学名シリバム・マリアナムSilybum marianum、別名オオアザミ、オオヒレアザミ、ミルクアザミ;CASNo.84604−20−6)から抽出されるフラボノリグナンの総称であり、分子式C25H22O10で表される、シリビン(Silybin;CASNo.22888−70−6)、シリジアニン(Silydianin;CASNo.29782−68−1)、シリクリスチン(Silychristin;CASNo.33889−69−9)、イソシリビン(Isosilybin;CASNo.72581−71−6)などを含有している組成物である(天然薬物事典、奥田拓男編、廣川書店、昭和61年3月3日発行参照)。
シリマリン(Silymarin;CAS No.65666−07−1)は、キク科マリアアザミ(学名シリバム・マリアナムSilybum marianum、別名オオアザミ、オオヒレアザミ、ミルクアザミ;CASNo.84604−20−6)から抽出されるフラボノリグナンの総称であり、分子式C25H22O10で表される、シリビン(Silybin;CASNo.22888−70−6)、シリジアニン(Silydianin;CASNo.29782−68−1)、シリクリスチン(Silychristin;CASNo.33889−69−9)、イソシリビン(Isosilybin;CASNo.72581−71−6)などを含有している組成物である(天然薬物事典、奥田拓男編、廣川書店、昭和61年3月3日発行参照)。
本発明においては、シリマリンを含む植物体から抽出した抽出物に含有されるこれらのフラボノリグナンを含有している組成物を従来技術と同様、シリマリンと呼ぶ。例えば、シリマリンを含む植物体から抽出した抽出物としては、マリアアザミ抽出物がある。シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンなどの成分を、本発明においてはシリマリン類と総称する。
またシリマリンは前記の通りフラボノリグナンの混合物であり、シリマリンとしての植物抽出物や植物中の含有量は、分光光度計による測定に基づいた方法(Wagner,H.,etal.,Arznein.Forsch,18,696,1968.)、薄層クロマトグラフィーによる方法(Wagner,H.,etal.,Arznein.Forsch,24,466,1974.)、高速液体クロマトグラフィーによる方法(Tittel,G.,etal.,J.Chromatogr.,135,499,1977.、Tittel,G.,etal.,J.Chromatogr.,153,227,1978.、Quercia,V.,etal.,ChromatographyinBiochemistry,MedicineandEnviromentalResearch,FrigerioA.(Ed).,ElsevierScientificPublishingCompany,Amsterdam,1983,p1.)により測定可能である。これらの測定法の中でも、分光光度計による測定に基づいた方法の一つである2,4−ジニトロヒドラジン分析は、ドイツ薬局方(Silybum marianumの果実に関するモノグラフ)に報告されており、広く用いられている。
またシリマリンは前記の通りフラボノリグナンの混合物であり、シリマリンとしての植物抽出物や植物中の含有量は、分光光度計による測定に基づいた方法(Wagner,H.,etal.,Arznein.Forsch,18,696,1968.)、薄層クロマトグラフィーによる方法(Wagner,H.,etal.,Arznein.Forsch,24,466,1974.)、高速液体クロマトグラフィーによる方法(Tittel,G.,etal.,J.Chromatogr.,135,499,1977.、Tittel,G.,etal.,J.Chromatogr.,153,227,1978.、Quercia,V.,etal.,ChromatographyinBiochemistry,MedicineandEnviromentalResearch,FrigerioA.(Ed).,ElsevierScientificPublishingCompany,Amsterdam,1983,p1.)により測定可能である。これらの測定法の中でも、分光光度計による測定に基づいた方法の一つである2,4−ジニトロヒドラジン分析は、ドイツ薬局方(Silybum marianumの果実に関するモノグラフ)に報告されており、広く用いられている。
シリマリンをマリアアザミの果実から高純度で単離する方法として、70〜80%の純度で単離する方法や90〜96%の純度で単離する方法(特公昭63−41396号公報)が既に報告されている。シリマリンは通常マリアアザミの種実からエタノール、酢酸エチル、アセトンなどにより抽出し、スプレードライにより乾燥粉末として得られる抽出物原料として市販されている。本発明に使用するシリマリンはこのようにして調製されて、市販されているシリマリンをそのまま用いることができる。また、マリアアザミからシリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンなどのシリマリンの構成成分を濃縮した抽出物及びそれらを単離、精製して化合物として用いることができる。
本発明におけるシリマリンを含む植物体は、葉、茎、芽、花、木質部、木皮部(樹皮)などの地上部、根、塊茎などの地下部、種子、樹脂などのすべての部位が使用可能である。
本発明におけるシリマリン及びそれを含む植物体は、それら自体を乾燥させた乾燥物及びそれらを各種溶媒を用いて溶解した溶解物として使用できる。例えば、水又はエタノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール、エーテル、アセトン、酢酸エチルなどの有機溶媒を用いて溶解した溶解物をシリマリンの原料として使用できる。
本発明におけるシリマリンを含む植物体は、葉、茎、芽、花、木質部、木皮部(樹皮)などの地上部、根、塊茎などの地下部、種子、樹脂などのすべての部位が使用可能である。
本発明におけるシリマリン及びそれを含む植物体は、それら自体を乾燥させた乾燥物及びそれらを各種溶媒を用いて溶解した溶解物として使用できる。例えば、水又はエタノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール、エーテル、アセトン、酢酸エチルなどの有機溶媒を用いて溶解した溶解物をシリマリンの原料として使用できる。
本発明におけるシリマリン原料の植物体は、天然乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥させたり、醗酵させたりしたものをそのまま使用することができる。また植物抽出物を調製する場合は常法に従って、抽出、濃縮、粉末化などの処理を行って得ることができる。
[ヒドロキシプロピルメチルセルロース]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下HPMCという) は、メチルセルロース(MC)に 2-ヒドロキシプロピル基を導入したセルロースエーテルであり、食品添加物公定書に収載されているカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)やカルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC-Ca)と同じ範疇にあるセルロースの誘導体(セルロースエーテル類)であり、メチルセルロース と同様、欧米を中心に一般食品用添加物若しくはダイエタリーサプリメント用のカプセル基剤、錠剤の結合剤、又はコーティング剤として広く使用されている。一般食品用については、例えば可食性フィルムとして使用され、冷凍ピザ(トッピングから生地への水分の移行防止、トッピングの形状保持)、ナッツ製品(酸化防止効果)、肉製品(保水性、退色の防止)、フライドポテト(吸油の防止)等に応用されており、これらの食品添加物用を原料として用いることができる。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下HPMCという) は、メチルセルロース(MC)に 2-ヒドロキシプロピル基を導入したセルロースエーテルであり、食品添加物公定書に収載されているカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)やカルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC-Ca)と同じ範疇にあるセルロースの誘導体(セルロースエーテル類)であり、メチルセルロース と同様、欧米を中心に一般食品用添加物若しくはダイエタリーサプリメント用のカプセル基剤、錠剤の結合剤、又はコーティング剤として広く使用されている。一般食品用については、例えば可食性フィルムとして使用され、冷凍ピザ(トッピングから生地への水分の移行防止、トッピングの形状保持)、ナッツ製品(酸化防止効果)、肉製品(保水性、退色の防止)、フライドポテト(吸油の防止)等に応用されており、これらの食品添加物用を原料として用いることができる。
[ダイフラクトースアンハイドライドIII(以下DFAIII)]
DFAとは、2個のフラクトースが、互いに2点ずつで結合したアンヒドロ化環状二糖である。従来、カラメルなどに存在することが知られていたが、工業的には、イヌリンをイヌリン分解酵素、例えば、Arthrobacter sp.H65−7株が産生するイヌリンフラクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.93)により発酵させたり、レヴァンをArthrobacter nicotinovorans GS−9が産生するレヴァンフルクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.10)により発酵させたりすることにより製造することができる。二分子のフラクトースの結合様式の差異により、誘導体が5種類存在し、それぞれ、DFAI、DFAII、DFAIII、DFAIV、DFAVと称される。本発明においてはDFAIII(di−D−fructofuranose−1,2‘ : 2,3’ dianhydride)、DFAIV(di−D−fructofuranose−2,6‘ : 6,2’ dianhydride)が好ましく使用される。
本発明において用いるDFAIIIは、精製されたものが好ましいが、未精製のDFAIIIであっても良い。
DFAとは、2個のフラクトースが、互いに2点ずつで結合したアンヒドロ化環状二糖である。従来、カラメルなどに存在することが知られていたが、工業的には、イヌリンをイヌリン分解酵素、例えば、Arthrobacter sp.H65−7株が産生するイヌリンフラクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.93)により発酵させたり、レヴァンをArthrobacter nicotinovorans GS−9が産生するレヴァンフルクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.10)により発酵させたりすることにより製造することができる。二分子のフラクトースの結合様式の差異により、誘導体が5種類存在し、それぞれ、DFAI、DFAII、DFAIII、DFAIV、DFAVと称される。本発明においてはDFAIII(di−D−fructofuranose−1,2‘ : 2,3’ dianhydride)、DFAIV(di−D−fructofuranose−2,6‘ : 6,2’ dianhydride)が好ましく使用される。
本発明において用いるDFAIIIは、精製されたものが好ましいが、未精製のDFAIIIであっても良い。
本発明の組成物において好ましくは、シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と、DFAIIIの各成分の含有比率が1:0.7〜1:0.5〜1である。HPMCが0.6以下になると得られる粒子のサイズが1μm以上となる恐れがある。またDFAIIIの比率が0.4以下となると、粒子径が1μm以上となる恐れがある。
HPMCはまた、その水に溶解したときの粘度が重要である。HPMCは、その2%水溶液の粘度が20℃のとき50mPas・s以上であるようなものが好ましい。このようなHPMCとしては、市販品では信越化学株式会社のメトローズ60SH50を例示することができる。
HPMCはまた、その水に溶解したときの粘度が重要である。HPMCは、その2%水溶液の粘度が20℃のとき50mPas・s以上であるようなものが好ましい。このようなHPMCとしては、市販品では信越化学株式会社のメトローズ60SH50を例示することができる。
本発明においては、シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上を含む有機溶媒溶液と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む水溶液を、高圧晶析装置を用いて、シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上を含むシリマリンとHPMCを晶析させて回収し、さらにDFAIIIを添加して乾燥させることによって、目的とする組成物を得ることができる。
晶析とは、水を含む各種の溶媒に対して各々の物質が溶解できる量は、その物質固有の値を持ち、これは温度により変化するため、ある温度で一定量溶解していた物質を、溶液の温度を上げ下げすることで溶解度の低い状態にし、その物質が溶けきれなくさせることで溶液と目的物質を液体と固体という形で分離するものである。
本発明においては、単独の成分を晶析させるのではなく、シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上と、HPMCを含む組成物をナノメートルサイズの粒子として晶析させ、これにDFAIIIを添加して乾燥させることで水分散性の良い組成物の粉末を得ることができる。高圧晶析装置は、水相と有機相を個別に送液し、晶析直後に強い圧力をかけ、衝突噴流場に急速に送液することで高いせん断力を発生させ、晶析した粒子の凝集を防ぎ均一な懸濁液を調製する装置である。装置の構造の簡単な模式図を図1に示した。
このような高圧晶析装置としては、市販の装置を使用することができる。高圧晶析装置としてはパウレック社のPureNanoや株式会社神戸製鋼社製の高圧晶析装置を使用して行なうことができる。
晶析とは、水を含む各種の溶媒に対して各々の物質が溶解できる量は、その物質固有の値を持ち、これは温度により変化するため、ある温度で一定量溶解していた物質を、溶液の温度を上げ下げすることで溶解度の低い状態にし、その物質が溶けきれなくさせることで溶液と目的物質を液体と固体という形で分離するものである。
本発明においては、単独の成分を晶析させるのではなく、シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上と、HPMCを含む組成物をナノメートルサイズの粒子として晶析させ、これにDFAIIIを添加して乾燥させることで水分散性の良い組成物の粉末を得ることができる。高圧晶析装置は、水相と有機相を個別に送液し、晶析直後に強い圧力をかけ、衝突噴流場に急速に送液することで高いせん断力を発生させ、晶析した粒子の凝集を防ぎ均一な懸濁液を調製する装置である。装置の構造の簡単な模式図を図1に示した。
このような高圧晶析装置としては、市販の装置を使用することができる。高圧晶析装置としてはパウレック社のPureNanoや株式会社神戸製鋼社製の高圧晶析装置を使用して行なうことができる。
本発明の組成物を得るためには、シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上(以下「シリマリン類」と略記する。)を溶解させた有機溶媒溶液、(良溶媒としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸メチル、アセト酢酸メチル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルフォキシド、エチレングリコール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等及びそれらの混合物を挙げられる。これらの中でも、食品への用途に限定した場合、エタノール、プロピレングリコール、又はアセトンが好ましく、エタノールが特に好ましい。)、HPMCを溶解させた水溶液(貧溶媒)を、上記の高圧晶析装置を用いて高圧下、好ましくは500〜1000MPaの圧力で処理し、シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上と、HPMCを含む組成物をナノメートルサイズの粒子として晶析させる。かくして得られたスラリー状の組成物から有機溶媒を除去したのち、DFAIIIを添加し、噴霧乾燥あるいは凍結乾燥など各種手段を用いて乾燥すると本発明の組成物を得ることができる。
この組成物は、水への分散性がよく、分散したときの分散粒子は1マイクロメートル未満のいわゆるナノサイズとなる。また、シリマリンと異なり、水に分散しても凝集して沈殿しないという特性を有している。
この組成物は、水への分散性がよく、分散したときの分散粒子は1マイクロメートル未満のいわゆるナノサイズとなる。また、シリマリンと異なり、水に分散しても凝集して沈殿しないという特性を有している。
本発明の組成物は、シリマリン類の安定等の観点から、公知の酸化防止剤(ラジカル捕捉剤)を含んでいてもよい。
ラジカル捕捉剤は、ラジカルの発生を抑えるとともに、生成したラジカルをできる限り速やかに捕捉し、連鎖反応を断つ役割を担う添加剤である(出典:「油化学便覧第4版」、日本油化学会編2001)。
本発明に好適な酸化防止剤(ラジカル捕捉剤)としては、シリマリンの変色を防止する観点から、例えば、アスコルビン酸とその誘導体、を挙げることができる。
ラジカル捕捉剤は、ラジカルの発生を抑えるとともに、生成したラジカルをできる限り速やかに捕捉し、連鎖反応を断つ役割を担う添加剤である(出典:「油化学便覧第4版」、日本油化学会編2001)。
本発明に好適な酸化防止剤(ラジカル捕捉剤)としては、シリマリンの変色を防止する観点から、例えば、アスコルビン酸とその誘導体、を挙げることができる。
アスコルビン酸とその誘導体、及びそれらの塩としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸Na、L−アスコルビン酸K、L−アスコルビン酸Ca、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステルのマグネシウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム塩、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、L−アスコルビル酸パルミチン酸エステル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル等が挙げられる。これらのうち、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸Na、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、L−アスコルビル酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステルのマグネシウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム塩、テトライソパルミチン酸L−アスコルビルが特に好ましい。
また、本発明の分散組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、本発明の分散組成物の用途に応じて、例えば、種々の薬効成分、防腐剤、着色剤など、通常、その用途で使用される他の添加物を併用することができる。
また、本発明の分散組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、本発明の分散組成物の用途に応じて、例えば、種々の薬効成分、防腐剤、着色剤など、通常、その用途で使用される他の添加物を併用することができる。
本発明の組成物は、上記の乾燥した粉末でも良いし、取り扱いの利便性を考慮して、造粒することもできる。
本発明の組成物は、水における分散粒子は、その体積平均粒径が1μm以下であり、好ましくは400nm以下である。分散粒子の平均粒径とは、水相に分散するシリマリン類を含む組成物の分散粒子全体の平均粒径を意味する。
分散粒子の粒径は、市販の粒度分布計等で計測して確認することができる。
粒度分布測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。
本発明の組成物は、シリマリンの吸収性が良いため、従来のシリマリン含有組成物に比して、飲食品や医薬品、化粧品、健康食品への配合量を減らすことができる。
本発明の組成物は、水における分散粒子は、その体積平均粒径が1μm以下であり、好ましくは400nm以下である。分散粒子の平均粒径とは、水相に分散するシリマリン類を含む組成物の分散粒子全体の平均粒径を意味する。
分散粒子の粒径は、市販の粒度分布計等で計測して確認することができる。
粒度分布測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。
本発明の組成物は、シリマリンの吸収性が良いため、従来のシリマリン含有組成物に比して、飲食品や医薬品、化粧品、健康食品への配合量を減らすことができる。
以下、本発明を実施例、比較例、試験例により更に具体的に説明する。
実施例1:シリマリン含有組成物の調製
シリマリンとして市販のシリマリン原末であるシリマリンET(インディナジャパン社)を用いた。
(1)製造方法
発明の組成物を製造するに当たって、上記した高圧晶析装置PureNano(パウレック社)を用い、シリマリンの溶媒としてエタノールを、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の溶媒は、水(蒸留水)を用いた。なおHPMCは信越化学株式会社製メトロース60SH50を用いた。
PureNanoの運転条件は、装置の使用説明書の条件に準じて次の条件とした。
エタノール液 20mL(シリマリン1g溶解液)
水溶液 200mL(HPMC 1g溶解液)
Retract time:300ms
通過回数 :1pass
圧力 :100MPa
回収した懸濁液は、水とエタノールをロータリーエバポレーターで蒸発させて液量が1/5になるまで濃縮した。得られたスラリー状の回収液にDFAIII の粉末を1g添加し、3時間予備凍結した後、凍結乾燥し、乾燥物を粉砕して粉末状の発明組成物(晶析DFAIII)を得た。
製造工程の概略を図2にフロー図で示す。
同様の操作で、DFAIIIに代えて、エリスリトール0.5gを用いて調製した粉末(比較例1)を調製した。
凍結乾燥直後粒子の形状は走査型電子顕微鏡 (SEM) で観察した。本発明品、比較例1の粒子形状は非晶性の形状が観察された。
実施例1:シリマリン含有組成物の調製
シリマリンとして市販のシリマリン原末であるシリマリンET(インディナジャパン社)を用いた。
(1)製造方法
発明の組成物を製造するに当たって、上記した高圧晶析装置PureNano(パウレック社)を用い、シリマリンの溶媒としてエタノールを、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の溶媒は、水(蒸留水)を用いた。なおHPMCは信越化学株式会社製メトロース60SH50を用いた。
PureNanoの運転条件は、装置の使用説明書の条件に準じて次の条件とした。
エタノール液 20mL(シリマリン1g溶解液)
水溶液 200mL(HPMC 1g溶解液)
Retract time:300ms
通過回数 :1pass
圧力 :100MPa
回収した懸濁液は、水とエタノールをロータリーエバポレーターで蒸発させて液量が1/5になるまで濃縮した。得られたスラリー状の回収液にDFAIII の粉末を1g添加し、3時間予備凍結した後、凍結乾燥し、乾燥物を粉砕して粉末状の発明組成物(晶析DFAIII)を得た。
製造工程の概略を図2にフロー図で示す。
同様の操作で、DFAIIIに代えて、エリスリトール0.5gを用いて調製した粉末(比較例1)を調製した。
凍結乾燥直後粒子の形状は走査型電子顕微鏡 (SEM) で観察した。本発明品、比較例1の粒子形状は非晶性の形状が観察された。
(2)組成物粉末を水に分散させたときの分散粒子の粒子径測定
実施例1の組成物を水に分散させたときの粒子径を、動的光散乱法により測定した。また比較例1の組成物についても同様に測定した。測定方法は、粒子径測定装置(F−PAR1000大塚電子製)を用い、凍結乾燥粉末10mgを10mLの蒸留水に溶解させ、2分間の超音波処理により再分散後、粒子径を測定した。
実施例1の組成物は256.4nm、比較例1の組成物は274.2nmであった。いずれの分散液も、室温に長時間放置しても凝集や沈殿は発生しなかった。
実施例1の組成物を水に分散させたときの粒子径を、動的光散乱法により測定した。また比較例1の組成物についても同様に測定した。測定方法は、粒子径測定装置(F−PAR1000大塚電子製)を用い、凍結乾燥粉末10mgを10mLの蒸留水に溶解させ、2分間の超音波処理により再分散後、粒子径を測定した。
実施例1の組成物は256.4nm、比較例1の組成物は274.2nmであった。いずれの分散液も、室温に長時間放置しても凝集や沈殿は発生しなかった。
(3)シリマリン含有組成物の吸収性試験
シリマリン及び実施例1の経口投与による吸収性を、シリマリン原末(シリマリンET)、比較例1の組成物とで比較試験した。また生体内利用性が高いことが知られている特許文献1に記載されたシリマリンの脂質錯体(シリマリンフィトソーム:インディナ社製)を陽性対照として試験に用いた。
なお測定に当たっては、シリビンの濃度を指標としている。
シリマリン及び実施例1の経口投与による吸収性を、シリマリン原末(シリマリンET)、比較例1の組成物とで比較試験した。また生体内利用性が高いことが知られている特許文献1に記載されたシリマリンの脂質錯体(シリマリンフィトソーム:インディナ社製)を陽性対照として試験に用いた。
なお測定に当たっては、シリビンの濃度を指標としている。
1)試験方法
<試験動物>
ラット:Crl:SD雄6週齢を納入後、1週間馴化飼育後、7週齢で1群6匹(n=6)にて実験に供した。飼育方法は1匹/1ケージにて、オリエンタル酵母製CRF−1固型の餌を自由摂取とした。
<投与方法>
投与試験前日の夕刻より絶食し、シリマリン原末換算で200mg/kg/10mLとなるように試験薬液を調製し、ゾンデを用いて強制経口投与した。
<群分け>
投与前日の体重に基づいて群間均一に群分けした。
<採血方法>
投与後0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間にて採血を実施した。
頸静脈からヘパリン処理をした注射筒で0.2mL程度採血し、血漿を遠心分離後、凍結し分析サンプルとした。得られた血液サンプルは実施例1と同様にしてHPLCを用いて、血中シリビン濃度を測定し、これをシリマリン濃度とした。
<試験動物>
ラット:Crl:SD雄6週齢を納入後、1週間馴化飼育後、7週齢で1群6匹(n=6)にて実験に供した。飼育方法は1匹/1ケージにて、オリエンタル酵母製CRF−1固型の餌を自由摂取とした。
<投与方法>
投与試験前日の夕刻より絶食し、シリマリン原末換算で200mg/kg/10mLとなるように試験薬液を調製し、ゾンデを用いて強制経口投与した。
<群分け>
投与前日の体重に基づいて群間均一に群分けした。
<採血方法>
投与後0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間にて採血を実施した。
頸静脈からヘパリン処理をした注射筒で0.2mL程度採血し、血漿を遠心分離後、凍結し分析サンプルとした。得られた血液サンプルは実施例1と同様にしてHPLCを用いて、血中シリビン濃度を測定し、これをシリマリン濃度とした。
<HPLC試験方法>
A.使用機器および分析条件
HPLCシステム:高速液体クロマトグラフシステム;株式会社島津製作所製
分析カラム :Kinetex(登録商標)C18PartNo.00G−4601 −E0
Size 直径250 mm×内径4.6mm 粒子径5μm Ser ialNo.691011−6
ガードカラム :SecurityGuardULTRACartridgesCat logNo. AJO−8768
UHPLC C18 for 4.6 mm ID Columns
カラム温度 :40℃
移動相A :10 mmol/Lリン酸緩衝液(pH 5.45)
移動相B :アセトニトリル
移動相 :(A : B , 60 : 40 )
洗浄液 :水 / アセトニトリル (1:1 , v/v)
流量 :1.0 mL/min
注入量 :20 μL
サンプラー温度 :10℃
検出波長 :288nm
Run time:10min
A.使用機器および分析条件
HPLCシステム:高速液体クロマトグラフシステム;株式会社島津製作所製
分析カラム :Kinetex(登録商標)C18PartNo.00G−4601 −E0
Size 直径250 mm×内径4.6mm 粒子径5μm Ser ialNo.691011−6
ガードカラム :SecurityGuardULTRACartridgesCat logNo. AJO−8768
UHPLC C18 for 4.6 mm ID Columns
カラム温度 :40℃
移動相A :10 mmol/Lリン酸緩衝液(pH 5.45)
移動相B :アセトニトリル
移動相 :(A : B , 60 : 40 )
洗浄液 :水 / アセトニトリル (1:1 , v/v)
流量 :1.0 mL/min
注入量 :20 μL
サンプラー温度 :10℃
検出波長 :288nm
Run time:10min
2)分析方法
B.試料溶液の調製
各ヘパリン血漿15μLをマイクロチューブに取り、アセトニトリル15μLを加え、次いでβ−glucuronidase溶液45μLを加える。ボルテックスでよく混合し、低速遠心機にて遠心した後、37℃の恒温漕で1時間反応させる。その後、9200 Gで5分間遠心する。その溶液の上層30μLをマイクロチューブに分取し、内部標準溶液60μLを加えボルテックスで10秒間撹拌後、9200Gで2分間遠心する。上層を分取し、45μmメンブランフィルターにてろ過し試料溶液とし、分析に供する。
B.試料溶液の調製
各ヘパリン血漿15μLをマイクロチューブに取り、アセトニトリル15μLを加え、次いでβ−glucuronidase溶液45μLを加える。ボルテックスでよく混合し、低速遠心機にて遠心した後、37℃の恒温漕で1時間反応させる。その後、9200 Gで5分間遠心する。その溶液の上層30μLをマイクロチューブに分取し、内部標準溶液60μLを加えボルテックスで10秒間撹拌後、9200Gで2分間遠心する。上層を分取し、45μmメンブランフィルターにてろ過し試料溶液とし、分析に供する。
C.標準溶液の調製
シリビン(東京化成工業株式会社製)10mgを精密にメスフラスコに量り取り、アセトニトリルで正確に100mLとする。その溶液をホールピペットで5mL正確にメスフラスコに量り取り、アセトニトリルで正確に20mLとし、シリビン25μg/mL溶液とする。
シリビン25μg/mL溶液180μLをマイクロチューブに取り、180μLのアセトニトリルを加え、ボルテックスで撹拌し、シリビン12.5μg/mL溶液とする。前述と同様にシリビン6.25、3.125、1.5625、0.78125、0.390625μg/mL溶液を調製する。
次にシリビンを含まないヘパリン血漿15μLをマイクロチューブにそれぞれ取り、各濃度のシリビン溶液をそれぞれ15μL加える。試料溶液と同様に操作し、各濃度の標準溶液とし、分析に供する。
シリビン(東京化成工業株式会社製)10mgを精密にメスフラスコに量り取り、アセトニトリルで正確に100mLとする。その溶液をホールピペットで5mL正確にメスフラスコに量り取り、アセトニトリルで正確に20mLとし、シリビン25μg/mL溶液とする。
シリビン25μg/mL溶液180μLをマイクロチューブに取り、180μLのアセトニトリルを加え、ボルテックスで撹拌し、シリビン12.5μg/mL溶液とする。前述と同様にシリビン6.25、3.125、1.5625、0.78125、0.390625μg/mL溶液を調製する。
次にシリビンを含まないヘパリン血漿15μLをマイクロチューブにそれぞれ取り、各濃度のシリビン溶液をそれぞれ15μL加える。試料溶液と同様に操作し、各濃度の標準溶液とし、分析に供する。
D.含有量計算
試料溶液および標準溶液20μLについて、分析条件に基づき液体クロマトグラフィーにより試験を行い、それぞれの液の内標準物質のピーク高さに対するシリビンのピーク高さの比QT及びQSを求める。
標準溶液の濃度をY、標準溶液の内標準物質のピーク高さに対するシリビンのピーク高さの比QTをXとして検量線を作成し、試料溶液の内標準物質のピーク高さに対するシリビンのピーク高さの比QSからシリビン濃度を求める。
試料溶液および標準溶液20μLについて、分析条件に基づき液体クロマトグラフィーにより試験を行い、それぞれの液の内標準物質のピーク高さに対するシリビンのピーク高さの比QT及びQSを求める。
標準溶液の濃度をY、標準溶液の内標準物質のピーク高さに対するシリビンのピーク高さの比QTをXとして検量線を作成し、試料溶液の内標準物質のピーク高さに対するシリビンのピーク高さの比QSからシリビン濃度を求める。
(4)結果
血中のシリマリン濃度(シリビン濃度)の経時変化を図3に示す。
また血中濃度のAUC、Cmax、Tmax値を表1に示す。
血中のシリマリン濃度(シリビン濃度)の経時変化を図3に示す。
また血中濃度のAUC、Cmax、Tmax値を表1に示す。
図3、及び表1のAUCの値から、本発明の組成物は、経口投与時の吸収性と持続性に優れていることが確認できた。
(5)シリマリン含有組成物の腸管由来細胞Caco2細胞膜透過試験
実施例1の組成物の腸管組織の透過性(腸吸収性)を確認するため、シリマリン原末と比較試験した。また動物試験と同様シリマリンの脂質錯体(シリマリンフィトソーム)を陽性対照として試験に用いた。
試験は、次のように行った。
トランスウエルパーミアブルサポート(コーニング社製)細胞培養装置にコンフルエントになるまでCaco2細胞培養した後、この管腔側に動物試験で調製したものと同様の試料を、シリマリン125μg/mLとなるように添加し、添加1時間後 基底膜側から回収した透過液を、動物試験と同様にして、HPLCによりシリビンを定量した。定量結果は、シリマリン原末の透過量を1とした相対量で表した。結果を図4に示す。なお、実施例1の組成物は図4中「DFAIII」、シリマリンの脂質錯体は「フィトソーム」として表示している。
図4のとおり、本発明の組成物は、シリマリンの約2.5倍の吸収性を有していることが確認された。図4から明らかなように、動物試験での本発明の組成物吸収性、腸管からの吸収性(透過性)改善に基づくことが明らかとなった。
実施例1の組成物の腸管組織の透過性(腸吸収性)を確認するため、シリマリン原末と比較試験した。また動物試験と同様シリマリンの脂質錯体(シリマリンフィトソーム)を陽性対照として試験に用いた。
試験は、次のように行った。
トランスウエルパーミアブルサポート(コーニング社製)細胞培養装置にコンフルエントになるまでCaco2細胞培養した後、この管腔側に動物試験で調製したものと同様の試料を、シリマリン125μg/mLとなるように添加し、添加1時間後 基底膜側から回収した透過液を、動物試験と同様にして、HPLCによりシリビンを定量した。定量結果は、シリマリン原末の透過量を1とした相対量で表した。結果を図4に示す。なお、実施例1の組成物は図4中「DFAIII」、シリマリンの脂質錯体は「フィトソーム」として表示している。
図4のとおり、本発明の組成物は、シリマリンの約2.5倍の吸収性を有していることが確認された。図4から明らかなように、動物試験での本発明の組成物吸収性、腸管からの吸収性(透過性)改善に基づくことが明らかとなった。
Claims (6)
- シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ダイフラクトースアンハイドライド(DFAIII)を含有する水分散性組成物。
- シリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンがマリアアザミ由来であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 組成物中のシリマリン、シリビン、イソシリビン、シリジアニン、シリクリスチンからなる群から選択される1種又は2種以上とヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物の非晶性物と、ダイフラクトースアンハイドライド(DFAIII)の含有比率が1:0.7〜1:0.5〜1である請求項1又は2に記載の組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を分散させた水溶液。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を配合した飲食品または健康食品。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を配合した経口用医薬品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015031454A JP2016153376A (ja) | 2015-02-20 | 2015-02-20 | シリマリン含有組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006022003A (ja) * | 2004-07-06 | 2006-01-26 | Fancl Corp | Dfa含有難吸収水溶性生理活性物質吸収促進剤。 |
JP2016053000A (ja) * | 2014-09-03 | 2016-04-14 | 株式会社ファンケル | 水分散性の良いシリマリン含有組成物 |
-
2015
- 2015-02-20 JP JP2015031454A patent/JP2016153376A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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Title |
---|
"高圧晶析装置を用いた健康食品難水溶性有効成分の製剤化に関する研究", 第39回製剤・創剤セミナー 医薬の概念の変貌と創剤, JPN6018009577, 1 July 2014 (2014-07-01), pages 72, ISSN: 0003893218 * |
粉体工学会2014年度春期研究発表会講演要旨集, 2014, P.68-69, JPN7018003448, ISSN: 0003893217 * |
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