JP2016153164A - ロボット装置およびロボット装置の制御方法 - Google Patents

ロボット装置およびロボット装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な制御系で、ロボットアームの振動、特に作業機構を備えるアーム先端部においての目標位置停止時の振動が抑制できるロボットと制御方法を提供する。【解決手段】アクチュエーターと、アーム連結装置と、アーム体と、前記アーム体が連結された基体と、被作業物保持手段が取り付けられた作業アームにはジャイロセンサーと、を備え、前記アームの角速度を演算する第1演算部と、前記作業アームの角速度を演算する第2演算部と、前記アーム間のねじれ角速度を演算する第3演算部と、被作業物の重量を取得する重量取得手段と、前記ねじれ角速度から、前記作業アームのタクトタイムを演算する第4演算部と、前記タクトタイムとタクトタイム規定値とを比較する比較手段と、前記タクトタイムが規定値を超えた場合に補正ゲインを生成する補正ゲイン生成手段と、を含み、補正ゲインおよび前記ねじれ角速度により制御する制御部と、を備えるロボット装置。【選択図】図2

Description

本発明は、ロボット装置およびロボット装置の制御方法に関する。
ICハンドラーや組立装置の一部として多く使われている多関節構造を有するロボット装置は、様々な産業現場の中で多用されてきている。故に、ロボット装置には今まで以上に、求められる位置にいかに早く且つ正確にアームを移動させることができるかが重要な性能仕様、品質になってきている。一般的にアームを高速に且つ正確に移動させるには、アームに掛かる慣性力を小さくし、駆動用のアクチュエーターの負荷を大きくさせないことが必要である。アームに掛かる慣性力を小さくするには、アームの軽量化が最も効果的な手法として用いられている。しかし、アームを軽量化することによりアーム剛性の低下を招き、アーム停止時に生じるアームの振動を抑制することが困難になり、制御信号に基づいてアーム先端部を目的の位置で停止させたとしても、実際にはアーム自体の振動の振幅分の位置ズレが生じてしまい、振動が減衰する時間まで次の動作を開始することができないという問題があった。
この問題に対して、例えば特許文献1ではロボットアームの弾性変形を考慮したゲイン調整評価関数を設定する手段を備え、モーターなどの駆動源の駆動位置だけに基づく制御ゲインを、設定されたゲイン調整評価関数によって調整された調整後の制御ゲインを用いてロボットアームを制御することで、ロボットアームの弾性変形が考慮された高精度の制御を可能にすることが開示されている。
特開2001−92511号公報
しかし、上述の特許文献1では、ロボットアームを駆動する制御系に加えてゲイン調整評価関数を設定し調整された制御ゲインを生成する振動制御の制御系を備えなければならず、複雑な制御系の構築をしなければならなかった。
そこで、簡単な制御系であっても、ロボットアームの振動、特に作業機構を備えるアーム先端部においての目標位置停止時の振動が抑制できるロボット装置およびその制御方法を提供する。
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
〔適用例1〕本適用例のロボット装置は、アクチュエーターと、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーを含むアーム連結装置と、複数のアームが、前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、前記アーム体の一方の端部に設けられた前記アクチュエーターと前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーを含む基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、複数の前記アームの内、被作業物保持手段が取り付けられた作業アームの前記被作業物保持手段が取り付けられる取付位置には、ジャイロセンサーと、を備え、前記角度センサーの回転角度検出データより、前記アームの角速度を演算する第1演算部と、前記ジャイロセンサーの検出データより、前記作業アームの前記取付位置での角速度を演算する第2演算部と、前記アームの前記角速度および前記ジャイロセンサーの前記検出データによって演算された前記アームの前記角速度の差より、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターに連結される前記アームとの間のねじれ角速度を演算する第3演算部と、前記被作業物保持手段によって保持される被作業物の重量を取得する重量取得手段と、前記ジャイロセンサーの検出データから、前記作業アームのタクトタイムを演算する第4演算部と、前記作業アームの前記タクトタイムと前記重量に基づくタクトタイム規定値とを比較する比較手段と、前記比較手段において前記タクトタイムが前記タクトタイム規定値を超えた場合に、前記重量に基づき前記ねじれ角速度にかけるゲインを減らした補正ゲインを生成する補正ゲイン生成手段と、を含み、前記補正ゲインおよび前記ねじれ角速度により前記アクチュエーターを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本適用例におけるオーバーシュートおよびタクトタイムを、図1により説明する。図1に示すように、本適用例のロボット装置のアーム体における被作業物保持手段が設けられる作業アームは、作業アーム待機位置から動作指令を受けて、被作業物保持手段が取り付けられている取付位置が所定の作業アーム停止規定位置まで駆動される。この際、作業アーム停止規定位置にアーム体の取付位置が到達しても、アーム体の慣性によってアーム体はアーム体の弾性範囲において弾性変形し、作業アーム停止規定位置を越えて振れ、最初の振幅から時間の経過とともに徐々に振幅が減衰し、アーム体は停止する。この最初に現れる作業アーム最大振れ位置までの作業アーム停止規定位置からの移動量を「オーバーシュート」と言う。また、作動アーム待機位置から駆動を始めて取付位置が作動アーム停止規定位置に到達するまでの時間を「タクトタイム」と言う。
適用例1のロボット装置によれば、被作業物の重量変化に対して、被作業物の重量に対する適正ゲインを示すジャイロゲインテーブルから、ねじれ角速度にかけるジャイロゲインを取得する。このジャイロゲインテーブルを、ロボット装置の経時変化に対応して補正された補正テーブルを補正ゲイン生成手段によって作成することによって、補正テーブルに基づく最適なゲイン設定が行われ、ロボット装置の振動抑制を適正に行うことができる。補正テーブルは、ロボット装置の経時変化によって生じるタクトタイムの変化、すなわちタクトタイム規定値を超えた場合に実行するようにタクトタイムとタクトタイム規定値とを比較する比較手段を備え、その比較結果によって生成される。従って、駆動中であっても最適のジャイロゲインが得られ、タクトタイムを容易に規定値以内にしてロボット装置を稼動させることができる。すなわち、ロボット装置の経時変化が生じても、ロボットアームの振動、特にアーム先端部に備える被作業物保持手段の設置位置における目標位置停止時の振動を抑制できるロボット装置を得ることができる。また、ロボット装置の駆動中に個々の被作業物の重量を測定し、測定された重量に最適なジャイロゲインを、補正ゲイン生成手段によって作成された補正テーブルから取得することによって、安定的にタクトタイム規定値内で駆動させることができるため、長期的な動作の安定性、高い生産性を初期の性能で維持できるロボット装置を得ることができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記比較手段は、前記作業アームのオーバーシュートとオーバーシュート規定値とを比較し、前記制御部は、オーバーシュート比較結果と、前記タクトタイムと前記重量に基づく前記タクトタイム規定値との比較結果と、により前記アクチュエーターを制御することを特徴とする。
上述の適用例によれば、タクトタイムの比較に加えて、オーバーシュートとオーバーシュート規定値とを比較することにより、オーバーシュートがオーバーシュート規定値を超える状態になっても、所定のロボット装置の制御を可能にすることができる。これにより、ロボット装置の異常発見を確実に行い、安全な駆動、高い生産性を維持することができる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記重量取得手段が、前記作業アームに備えられる力覚センサーであることを特徴とする。
上述の適用例によれば、被作業物の実重量を基に適正なジャイロゲインを設定させることができるため、安定したロボット装置の駆動を可能にする。また、被作業物に対象物ではない物、あるいは重量の過不足がある不良品、などが混入した場合であっても、力覚センサーによって個々の被作業物の重量を測定することができるため、非対象物、不良品の排除が確実に実行できる。従って、ロボット装置の故障、暴走、生産停止、などを回避することができ、高い安全性と生産性を備えるロボット装置を得ることができる。
〔適用例4〕本適用例のロボット装置の制御方法は、アクチュエーターと、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーを含むアーム連結装置と、複数のアームが、前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、前記アーム体の一方の端部に設けられた前記アクチュエーターと前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーを含む基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、複数の前記アームの内、被作業物保持手段が取り付けられた作業アームの前記被作業物保持手段が取り付けられる取付位置には、ジャイロセンサーと、を備え、前記角度センサーの回転角度検出データより、前記アームの角速度を演算する第1演算工程と、前記ジャイロセンサーの検出データより、前記作業アームの前記取付位置での角速度を演算する第2演算工程と、前記アームの前記角速度および前記ジャイロセンサーの前記検出データによって演算された前記アームの前記角速度の差より、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターに連結される前記アームとの間のねじれ角速度を演算する第3演算工程と、前記被作業物保持手段によって保持される被作業物の重量を取得する重量取得工程と、前記ジャイロセンサーの前記検出データから、前記作業アームのタクトタイムを演算する第4演算工程と、前記作業アームの前記タクトタイムと前記重量に基づくタクトタイム規定値とを比較する比較工程と、前記比較手段において前記タクトタイムが前記タクトタイム規定値を超えた場合に、前記重量に基づき前記ねじれ角速度にかけるゲインを減らした補正ゲインを生成する補正ゲイン生成工程と、を含み、前記補正ゲインおよび前記ねじれ角速度により前記アクチュエーターを制御する制御工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例のロボット装置の制御方法によれば、被作業物の重量変化に対して、被作業物の重量に対する適正ゲインを示すジャイロゲインテーブルから、ねじれ角速度にかけるジャイロゲインを取得する。このジャイロゲインテーブルを、ロボット装置の経時変化に対応して補正された補正テーブルを補正ゲイン生成工程において作成することによって、補正テーブルに基づく最適なゲイン設定が行われ、ロボット装置の振動抑制を適正に行うことができる。補正テーブルの生成は、ロボット装置の経時変化によって生じるタクトタイムの変化、すなわちタクトタイム規定値を超えた場合に実行するようにタクトタイムとタクトタイム規定値とを比較する比較工程を実行させることで、駆動中であっても最適のジャイロゲインが得られるロボット装置の制御を可能にする。従って、ロボット装置のタクトタイムを規定値以内に維持する制御を簡単な構成で可能にすることができ、高い生産性が維持できるロボット装置を得ることができる。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記比較工程は、前記作業アームのオーバーシュートとオーバーシュート規定値とを比較する工程を含み、前記制御工程は、オーバーシュート比較結果と、前記タクトタイムと前記重量に基づく前記タクトタイム規定値との比較結果と、により前記アクチュエーターを制御することを特徴とする。
上述の適用例によれば、タクトタイムの比較に加えて、オーバーシュートとオーバーシュート規定値とを比較することにより、オーバーシュートがオーバーシュート規定値を超える状態になっても、所定のロボット装置の制御を可能にすることができる。これにより、ロボット装置の異常発見を確実に行い、安全な駆動、高い生産性を維持することができる。
オーバーシュートおよびタクトタイムの定義を説明する図。 第1実施形態に係るロボット装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図。 第1実施形態に係るロボット装置に備える力覚センサーの一例を示す、(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A´部の断面図。 第1実施形態に係るロボット装置の構成を示す制御ブロック図。 第1実施形態に係るロボット装置の、ジャイロゲインテーブルの一例を示す線図。 図2に示すロボット装置を、特性模型で表した連結装置で示す構成図。 図4に示す制御部に含む制御手段の構成を示すブロック図。 アーム振動の挙動を示す図。 第2実施形態に係るロボット装置の制御方法のフローチャート。 第2実施形態に係るロボット装置のゲイン調整方法のフローチャート。 第2実施形態に係るロボット装置のゲイン調整方法によって生成される補正ゲインの例を示す線図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図2は第1実施形態に係るロボット装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。本実施形態のロボット装置は、水平方向に回転可能に2本のアームが連結された、いわゆる2軸水平多関節ロボット100(以下、ロボット装置100という)である。
ロボット装置100は、第1アーム11と第2アーム12とがアーム連結装置20によって回転可能に連結されて構成されるアーム体10を備えている。アーム体10は、基体連結装置30により、基盤に固定された基体40と回転可能に連結され、ロボット装置100を構成している。アーム連結装置20は、アクチュエーター51と、アクチュエーター51のトルクを所定の減速比で伝達するトルク伝達装置61と、を含む。また、基体連結装置30は、アクチュエーター52と、アクチュエーター52のトルクを所定の減速比で伝達するトルク伝達装置62と、を含む。
第2アーム12は、アーム連結装置20に連結される連結アーム12aと、加工用ツールもしくは被加工物を保持する被作業物保持手段としてのワーク保持装置70が保持される保持アーム12bとを備えている。更に、第2アーム12には、連結アーム12aと保持アーム12bとを、被作業物の重量を測定する重量取得手段としての力覚センサー13を介して図示しない固定手段によって連結している。力覚センサー13は、ワーク保持装置70が、被作業物を保持することによって生じる第2アーム12に掛かる応力、あるいはモーメント(曲げ応力)を検出するセンサーであって、検出された応力あるいはモーメントから図示しない演算手段によって被作業物の重量が演算、計測される。
ここで力覚センサー13について説明する。本実施形態に係るロボット装置100に備える力覚センサー13を図3に示し、(a)は平面図。(b)は(a)に示すA−A´部の断面図である。図3(a)に示すように、力覚センサー13はセンサーデバイス13aを配置した構成となっている。図3(b)に示すようにセンサーデバイス13aは、例えば圧電体と電極を交互に積層し、図示するx,y,zの各方向に掛かる力に対して発生するひずみによって電荷を発生させるデバイスである。このセンサーデバイス13aが連結アーム12aと保持アーム12bとの間に配置し、連結アーム12aと保持アーム12bをボルト12cによって締結して固定されている。このように構成することによって、連結アーム12aと保持アーム12bとの間に働く力もしくはモーメント力(曲げ力)、言い換えると第2アーム12に掛かる力もしくはモーメント力を検出する。この力覚センサー13によって、図示されない被作業物がワーク保持装置70に保持された場合の力覚センサー13からの検出データの変化から、被作業物の重量を計測することができる。なお、力覚センサー13は、上述の圧電体を用いたセンサーには限定されない。例えば、第2アーム12にひずみゲージを固着し、第2アーム12のひずみを計測し、力に演算することもできる。また、ワーク保持装置70に重量測定装置を組み込んで、直接的に被作業物重量を測定してもよい。
アーム連結装置20に含まれるアクチュエーター51には回転角度を検出する角度センサー81が備えられている。また、基体連結装置30にも、アクチュエーター52に角度センサー82が備えられている。また、第2アーム12のワーク保持装置70が備えられる取付位置Pに対応する位置にジャイロセンサー90が備えられている。ジャイロセンサー90は、ワーク保持装置70の取付位置Pでの角速度および位置の検出を可能にしている。
図4は、本実施形態に係るロボット装置100の構成を示す制御ブロック図である。CPU200は、後述する第1演算部510、第2演算部520、第3演算部530、第4演算部540、重量演算部550および制御部600を含み、ROM300に記憶されたプログラムを読み出して実行する。また、RAM400はCPU200におけるプログラム実行によって得られるデータを保存し、CPU200へ保存されたデータから必要なデータを送出する。
ロボット装置100の第2アーム12に備える力覚センサー13によって、ワーク保持装置70に保持された被作業物の重量によって検出された電荷より、重量演算部550において重量値(以下、計測重量という)として演算される。演算された計測重量は制御部600へ送出される。制御部600では、計測重量に基づき適正なタクトタイムでロボット装置100が駆動されるように、制御部600に備える制御手段620に含まれる後述するジャイロゲインの値を、被作業物の重量に対するジャイロゲインの値を示す図示しないジャイロゲインテーブルより読み出し、設定する。なおジャイロゲインテーブルは、例えば予めROM300もしくはRAM400に書き込み、随時、読み出せるように格納されている。また、ジャイロゲインテーブルは、本実施形態のロボット装置100では、図5に示すような特性線図として格納されている例で説明するが、これに限定はされず、例えば近似式、一覧表などの形式であってもよい。
また、ロボット装置100に備える角度センサー81,82によって検出されたアクチュエーター51,52の回転角度データは、第1演算部510においてアクチュエーター51の回転角度θ1、アクチュエーター52の回転角度θ2、に換算され、換算されたそれぞれの回転角度θ1、θ2を時間で1回微分し、アクチュエーターの回転角速度を演算する。
得られたアクチュエーターの回転角速度から、アクチュエーターが駆動するアームの回転角速度を求める。第1アーム11の場合は、アクチュエーター52から減速比1/N2を持つトルク伝達装置62によって駆動されるため、基体連結装置30の出力部の回転角速度ω2は、
ω2=(dθ2/dt)×(1/N2)
となる。
同様に、第2アーム12を駆動するアクチュエーター51を含むアーム連結装置20の出力部の回転角速度ω1は、
ω1=(dθ1/dt)×(1/N1)
1/N1:トルク伝達装置61の減速比
となる。
第2演算部520では、第2アーム12に備えられたジャイロセンサー90が検出した検出値から、アーム体10の角速度としての基体連結装置30を回転軸とするジャイロセンサー90の配置位置、すなわちワーク保持装置70部の角速度ωaが演算される。
第3演算部530では、上述のように演算されたアクチュエーター51の回転によるアクチュエーター51を含む連結装置を回転軸とする第2アーム12の角速度ω1、第1アーム11の角速度ω2と、第2アーム12に取り付けられたジャイロセンサー90から得られた基体連結装置30を回転軸とする第2アームの角速度ωaとの差であるねじれ角速度ωbが、
ωb=ωa−ω2−ω1
によって得られる。得られたねじれ角速度ωbは、第1アーム11に起因するねじれ角速度ωb1と、第2アーム12に起因するねじれ角速度ωb2と、が合成されたものと考えられ、
ωb=ωb1+ωb2
と表される。換言すれば、ねじれ角速度ωbを、各アーム11,12に起因するねじれ角速度ωb1,ωb2に分解することによって、アーム体10の振動を適正なタクトタイムになるようにアクチュエーター51,52を制御するためのジャイロゲインの調整をすることができる。
ねじれ角速度ωbを、各アーム11,12に起因するねじれ角速度ωb1,ωb2に分解する方法を説明する。図6は、図2に示すロボット装置100のアーム連結装置20および基体連結装置30を、ばね特性と減衰特性(ダンパー特性)の特性模型で表した図である。図4に示すように、ロボット装置100のアーム連結装置20は、仮想ばね20aと仮想減衰装置20bとを備えて第1アーム11と第2アーム12が連結され、基体連結装置30は、仮想ばね30aと仮想減衰装置30bとを備えて第1アーム11が基体40に連結されている、と模型的にロボット装置100を示すことができる。この模型化したロボット装置100において、第1アーム11と第2アーム12では、重量、長さ、剛性などが異なることが一般的であり、そのことによって第1アーム11が基体連結装置30に備えるアクチュエーター52によって駆動される場合の周波数応答と、第2アーム12がアーム連結装置20に備えるアクチュエーター51によって駆動される場合の仮想ばね20a,30aと仮想減衰装置20b,30bとの構成を用いて算出される周波数応答と、では異なる特性を示す。
すなわち、第1アーム11は、基体連結装置30に備えるアクチュエーター52は高出力のものを備えることができるため、高い剛性を備え、重量も重くすることができる。一方、第2アーム12は、第1アーム11にアーム連結装置20を備えるため、小型で低出力のアクチュエーター51とする必要があることから、軽量化が図られている。そのように構成されることにより、第1アーム11と第2アーム12とでは周波数特性が異なることに注目し、ねじれ角速度ωbを、各アーム11,12に起因するねじれ角速度ωb1,ωb2に分解することができる。具体的には、第3演算部530に、第1アーム11と第2アーム12とで異なる周波数特性に対応したそれぞれの特性を備えるバンドパスフィルターによってねじれ角速度ωbをフィルタリングすることによって、第1アーム11のねじれ角速度ωb1成分と、第2アーム12のねじれ角速度ωb2成分と、を抽出し、得ることができる。
このようにして得られた、第1アーム11のねじれ角速度ωb1成分と、第2アーム12のねじれ角速度ωb2成分と、を第4演算部540において積分し、取付位置P(図2参照)における図1に示すような振動を算出し、タクトタイム、およびオーバーシュートも取得する。
算出された振動による取付位置Pのタクトタイムのデータは、制御部600に送られる。制御部600では、ロボット装置100の仕様として規定されている、タクトタイム規定値と、第4演算部540から送られたタクトタイムと、が比較手段としての比較部610において比較され、その比較結果が、タクトタイム規定値をタクトタイムが上回る場合、制御部600は被作業物の重量に対するジャイロゲインの値を示すテーブルを補正した補正ジャイロゲインテーブルを作成し、作成された補正ジャイロゲインテーブルから被作業物重量に対応したジャイロゲインの値を取得し、ロボット装置100が駆動される。
図7に制御手段620の一例としての制御ブロック図を示す。図7の制御ブロック図に示すように、制御手段620はKg(ジャイロゲイン)620a(以下、Kg620aという)を含む制御ループにより構成されている。比較部610におけるタクトタイムの比較結果に基づき、ゲイン調整指示部620bは、図5に示すようなジャイロゲインテーブルから被作業物重量に対応するゲイン値を取得し、取得したゲイン値をKg620aに指示し、ねじれ角速度にかけるゲインが設定される。具体的には、図示しない取付位置Pの軌道を含む軌道生成手段からの位置指令と、アーム連結装置20に備える角度センサー81および基体連結装置30に備える角度センサー82とが検出した現在位置との差分を基にゲインKppによる比例制御による位置ループが速度指令を生成する。速度指令と角速度センサー81,82が検出した位置を微分して求められる実際の速度とねじれ角速度にジャイロゲインを乗じた値との偏差に対して比例ゲインKpによる比例制御と、積分と積分ゲインによる積分制御と、を実施し速度指令の基づく速度になるようにトルク指令が生成される。生成されたトルク指令によってアクチュエーター51,52が駆動されることのよって位置指令および速度指令に従った動作が実行される。
ここでジャイロゲインの調整について説明する。本来、本実施形態に係るロボット装置100において、ロボット100の手先となる取付位置Pのタクトタイムおよびオーバーシュートは、できるだけ小さいことが好ましい。しかし、上述したように、アーム11,12の弾性変形によるアーム体10の停止時に生じる振動は避けられず、予めロボット装置100に行わせる作業内容によって所定の仕様に基づくタクトタイム規定値およびオーバーシュート規定値が定められる。図8(a)は要求仕様であるタクトタイム規定値およびオーバーシュート規定値の範囲内で制御された状態の取付位置Pの動作軌跡を示し、図8(b)はオーバーシュートが規定値内であるがタクトタイムが規定値を超えた状態の取付位置Pの動作軌跡を示し、図8(c)はタクトタイムが規定値内であるがオーバーシュートが規定値を超えた状態の取付位置Pの動作軌跡を示す。
ロボット装置100において、ワーク保持装置70に保持される被作業物の重量が変化することによって、アーム11,12の停止時の慣性力は変化し、同じ駆動条件でアーム11,12を駆動させることで、アーム11,12の停止時のタクトタイムおよびオーバーシュートは異なってくる。そこで、ロボット装置100では振動抑制の制御においては、被作業物の重量が重くなれば、振動を抑制するように角速度を下げる制御が実行される。しかし、角速度を下げることによって、図8(b)に示すようにタクトタイムTbはタクトタイム規定値Tsを超えてしまい、生産性を低下させてしまう。そこで、常時タクトタイムを監視し、タクトタイム規定値Tsを超えるタクトタイムTbを検出した場合には、ねじれ角速度にかけるジャイロゲインを下げることによって図8(a)に示すように、タクトタイム規定値Ts以内に入るタクトタイムTaになるように駆動制御する。Kg620aにおけるジャイロゲインの調整は、1回の調整動作では5%減少させることが好ましい。
また、図8(c)に示すように、動作軌跡F2は、オーバーシュートDcはオーバーシュート規定値Dsを超える振動である。図からも明らかなように、取付位置Pの停止規定位置Ssまでの移動は図8(a)に示す動作軌跡F0と比べ急峻で、アーム体10の移動速度が速くなっていることを示している。しかし、上述の図8(b)に示す動作軌跡F1に対して実行されるジャイロゲインを減少させタクトタイムTbを短くすることによって、オーバーシュートDbを大きくすることになり、図8(c)に示す動作軌跡F2のようになる状態にまで至らせないように制御しなければならない。すなわち、タクトタイムTcはタクトタイム規定値Tsより短くなるが、オーバーシュートDcがオーバーシュート規定値Dsを超えて生じているためにワーク保持装置70は被作業物の保持動作には移行できず、次のオーバーシュート規定値Ds領域になる動作可能開始時間Tnになって、被作業物の保持動作を実行させることができる。すなわち、実質的にタクトタイムが長くなることを意味し、ワーク保持装置70が被作業物の保持動作開始までの時間が長くなり、サイクルタイムの低下、すなわち生産性を低下させてしまう。従って、ジャイロゲインの調整によるタクトタイムおよびオーバーシュートは、図8(a)に示す状態を維持するように制御される。
なお、図4に示すように、ロボット装置100には表示部700を備えていてもよい。表示部700は、第4演算部によって演算された取付位置Pの図8に示す移動軌跡F0,F1,F2などや、具体的なオーバーシュートDa、Db,DcあるいはタクトタイムTa,Tb,Tcなどの数値表示、制御部600によるKvi620aにおけるゲインの数値表示、更には調整範囲を超えた場合の異常表示をして、オペレーターへ情報を提供することができる。
以上説明した本実施形態に係るロボット装置100は、ワーク保持装置70に保持した被作業物の重量を重量測定手段の力覚センサー13によって計測された計測重量に対応したジャイロゲインを、ジャイロゲインテーブルから取得し、第1演算部510、第2演算部520、第3演算部530、第4演算部540により演算されるねじれ角速度にかけることによって、タクトタイム規定値以内のタクトタイムとなるように制御される。従って、被作業物の変更による重量変動、重量ばらつきによる重量変動、などに対してジャイロゲインの調整で、タクトタイム規定値Ts内でロボット装置100を稼動させることができ、長時間に亘って動作の安定性、生産性を初期値のレベルで維持することができる。
更に、オーバーシュートがオーバーシュート規定値を超えないように制御させることにより、オーバーシュート規定値Ds内でロボット装置100を稼動させることができる。また、表示部700に所定の表示内容を表示させることができるため、オペレーターの判断によってロボット装置100の駆動を制御することも可能となり、特に安全性を更に高めることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態として、第1実施形態に係るロボット装置100の制御方法を説明する。図9はロボット装置100の制御方法を示すフローチャートである。
〔重量取得工程〕
ロボット装置100の稼動状態において、ワーク保持装置70に被作業物が保持され重量を計測する重量取得工程(S110)が実行される。重量取得工程(S110)では、第2アーム12に掛かる力によって第2アーム12に備える重量取得手段としての力覚センサー13に発生した電荷量が重量演算部550に送出され、保持された被作業物の重量mが計測され、その重量mはRAM400などの記憶装置に記憶される。次にゲイン取得工程(S120)に移行する。
〔ゲイン取得工程〕
測定された被作業物の重量mから、ロボット装置100のねじれ角速度にかけるジャイロゲインGm(以下、ゲインGmという)を、図11に示すロボット装置100に格納されているジャイロゲインテーブルの基準値線Lsにおける重量mに対応するジャイロゲインの値であるゲインGmを取得する。取得されたゲインGmがゲイン調整指示部620bを介してKg620aに設定される。設定されたゲインGmに基づいて、ロボット装置100のアーム体10は所定の位置まで作業位置Pを移動させる駆動が開始される。この駆動の状態から、以降の工程によって振動を抑制するための制御方法が実行される。
〔第1演算工程〕
先ずはロボット装置100の稼動状態において、第1演算工程(S131)が実行される。第1演算工程(S131)では、第1演算部510においてアクチュエーター51,52に備える角度センサー81,82から回転角度データを入手する。得られた回転角度データから、回転角度へ換算し、回転角度を時間で1回微分を行い、第2アーム12を駆動するアクチュエーター51を含むアーム連結装置20の出力部の回転角速度ω1、基体連結装置30の出力部の回転角速度ω2を演算する。
〔第2演算工程〕
同時に第2演算工程(S132)において、第2演算部520に第2アーム12に備えるジャイロセンサー90から角速度データを入手し、アーム体10を連結駆動する各連結装置20,30を回転軸とする各アーム11,12の角速度を演算する。すなわち、上述したようにジャイロセンサー90から得られたデータから、基体連結装置30を回転軸とするアーム体10のジャイロセンサー90の配置位置での角速度ωaが演算される。
〔第3演算工程〕
次に、第3演算工程(S140)に移行する。第3演算工程(S140)では、第1演算工程(S111)で演算された角速度ω1,ω2と、第2演算工程(S132)においてジャイロセンサー90の検出データから演算されたアーム体10の角速度ωaから、
ωb=ωa−ω2−ω1
によって、ねじれ角速度ωbを演算する。演算されたねじれ角速度ωbを、バンドパスフィルターによってフィルタリングし、第1アーム11のねじれ角速度ωb1、第2アーム12のねじれ角速度ωb2、を抽出、演算する。
〔第4演算工程〕
次に、第4演算工程(S150)に移行する。第4演算工程(S150)では、第3演算工程(S140)で演算された、第1アーム11のねじれ角速度ωb1成分と、第2アーム12のねじれ角速度ωb2成分と、を積分し、取付位置P(図2参照)における図1に示すような振動を算出し、タクトタイムを演算する。その結果に基づき制御工程としての補正ゲイン生成工程(S160)に移行する。なお、第4演算工程(S150)では、オーバーシュートも取得する。
〔補正ゲイン生成工程〕
制御工程としての補正ゲイン生成工程(S160)は、図10に示すフローチャートで構成されている。補正ゲイン生成工程(S160)では、制御部600において、得られた第4演算工程(S150)における演算結果であるタクトタイム(以下、タクトタイムTという)を基に、ゲイン取得工程(S120)においてゲインGmを取得するためにジャイロゲインテーブル格納部800に格納された参照されるジャイロゲインテーブルの基準値線Lsに対して、補正の要否の判定、補正が必要と判定された場合にジャイロゲイン補正テーブルを作成し、ジャイロゲインテーブル格納部800に格納する。そして、常にタクトタイム規定値Ts以内にタクトタイムTがあるようにKg620aのゲインをジャイロゲインテーブル、あるいはジャイロゲイン補正テーブルによってゲインGmを取得し、Kg620aのゲインを最適化する。
〔数量判定工程〕
図10に示すように、第4演算工程(S150)から先ずはロボット装置100の作業が終了したか、すなわち予め入力された被作業物が予定数量に達したかを判定する数量判定工程(S210)に移行される。数量判定工程(S210)において、予定数量に達している(YES)と判定された場合には、後述するロボット装置停止確認工程(S170)へ移行する。数量判定工程(S210)において、予定数量に達していない(NO)と判定された場合には、次の規定値読込工程(S220)へ移行する。
〔規定値読込工程〕
規定値読込工程(S220)は、予め仕様、あるいは要求基準、更には被作業物の重量によって基準値として決められたタクトタイム規定値Tsおよびオーバーシュート規定値Dsを制御部600に読み込む。タクトタイム規定値Tsおよびオーバーシュート規定値Dsは、予めRAM400に書き込んでおくか、ROM300に入力手段によって入力して記憶させ、RAM400もしくはROM300から呼び出して読み込むことができる。また、入力手段によって制御部600に直接入力することでもよい。次に、第4演算工程(S150)において演算されたタクトタイムTと、タクトタイム規定値Tsと、を比較する比較工程としてのタクトタイム比較工程(S230)へ移行する。
〔タクトタイム比較工程〕
タクトタイム比較工程(S230)では、第4演算工程(S150)で演算されたタクトタイムTと規定値読込工程(S220)で取得されたタクトタイム規定値Tsと、が比較される。タクトタイムTがタクトタイム基準値Tsを超えている、すなわちT>Tsと判定された場合、オーバーシュート比較工程(S240)に移行する。なお、タクトタイムTがタクトタイム規定値Ts以内、すなわちT≦Tsと判定された場合には、後述するロボット装置動作停止確認工程(S170)に移行する。
〔オーバーシュート比較工程〕
タクトタイム比較工程(S230)において、T>Tsと判定されたことでKg620aに先に入力されたゲインGmで設定されることで、タクトタイム規定値Tsを超えてロボット装置100が駆動されたことを示している。従って、被作業物の重量mに対して補正ゲインGm´がKg620aに指示されることが必要になる。しかし、上述の図8を用いて説明したように、長くなったタクトタイムTbを短くすることによってオーバーシュートDbが大きくなるため、図8(c)に示す動作軌跡F2のようになる状態にまで至るかどうかの判定が必要である。従って、オーバーシュート比較工程(S230)では、タクトタイムTを短くするジャイロゲインの調整によって、オーバーシュート規定値Dsに対してオーバーシュートを大きくする余裕があるかを判定する。
従って、オーバーシュート比較工程(S240)において、D>Dsと判定された場合には、タクトタイムTを短くすることによってオーバーシュートを増加させることができる余地が無い状態であることを示し、ロボット装置100の動作停止(S280)に移行する。この時、ロボット装置100に備える表示部700に、ロボット装置100の停止、いわゆる「非常停止」を伝えるメッセージ、記号、コードなどを表示させることによって、ロボット装置100のオペレーターに対し適切な処置を促すことができ、駆動復帰を短時間に可能にさせることができる。
オーバーシュート比較工程(S240)において、D≦Dsと判定された場合には、タクトタイムTを短くすることによってオーバーシュートが増加してもオーバーシュート規定値Ds内にすることができる可能性があることから、次の補正ゲインテーブル生成工程(S260)に移行する。
〔補正ゲインテーブル生成工程〕
補正ゲインテーブル生成工程(S260)では、図11に示すように、基準値線Lsに対してゲインを減少させた補正線LR1を生成する。この補正線Lrは、1回の補正ゲインテーブル生成工程(S250)において基準値線Lsに対する補正量R1は5%程度が好ましい。このように基準値線Lsよりゲインを減少させた補正線LR1に基づいてKg620aのジャイロゲインを設定することによって、作業位置Pでのねじれ角速度に掛かるゲインが減少し、アーム体10の角速度を上げてタクトタイムTを減少させることができる。生成された補正ゲインテーブルとしての補正線LR1のデータは、例えば記憶部としてのRAM400などに書き込まれ、格納される(S260)。生成された補正ゲインテーブルとしての補正線LR1によって、例えば重量mの被作業物をワーク保持装置70に保持すると、Kg620aに設定されるゲインはGm1、すなわちゲインGmから補正量R1を減少させたゲイン値が設定される。
〔テスト動作工程〕
次に、生成され格納された補正ゲインテーブルの補正線LR1を用いてテスト動作工程(S270)が実行される。テスト動作工程(S270)は、調整されたゲインを有するKg620aによってロボット装置100をテスト駆動させ、上述した重量取得工程(S110),補正線LR1からのゲイン取得工程(S120)、第1演算工程(S131)、第2演算工程(S132)、第3演算工程(S140)、第4演算工程(S150)を実行し、調整された、タクトタイムT´およびオーバーシュートD´と、を演算、計測し、再度タクトタイム比較工程(S230)に移行し、タクトタイム比較工程(S230)以降の工程が実行される。この時、タクトタイムT´をタクトタイムTに、オーバーシュートD´をオーバーシュートDに、それぞれ書換えて実行される。このテスト動作工程(S270)によって、タクトタイム比較工程(S230)の比較結果がT≦Tsとなれば、ロボット装置動作停止確認工程(S170)に移行する。
〔ロボット装置停止確認工程〕
ロボット装置動作停止確認工程(S170)では、ロボット装置100が動作状態であるか、を確認し、動作状態(No)である場合には、重量取得工程(S110)に戻り、制御を繰り返す。動作停止状態(Yes)である場合には、制御は終了する。
上述したロボット装置100の制御方法において、ロボット装置100の駆動が繰り返されることで、経時変化によってタクトタイムTが徐々に長くなり、タクトタイム規定値Tsを超えるごとに補正ゲイン生成工程(S160)において、ゲイン取得工程(S120)におけるゲインを取得するゲインテーブルに対して補正ゲインテーブルが生成される。すなわち、図11に示すように初期値である基準値線Lsに対して、1回目の補正ゲインテーブルとしての補正線LR1が生成され、次には、1回目の補正ゲインテーブルの補正線LR1を基準として、2回目の補正ゲインテーブルとしての補正線LR2が生成される。このように、動作停止(S280)に至るまで順次、補正ゲインテーブルとしての補正線LRnまでが生成される。この場合、基準値線Ls、補正線LR1,LR2,…LRnの全てのデータテーブルをRAM400に残してもよく、また、最新の補正線LRnだけを残してもよい。
なお、ロボット装置100の制御方法において、基準値線Lsと、最新の補正線LRnとの比較を行い、テーブル値の差、すなわち補正量の総和Rsを、
Ls−LRn=R1+R2+…+Rx=Rs
とした場合、Rsが所定の値(閾値)を超えた場合に、ロボット装置100の異常と判断して動作停止(S280)に移行する工程を備えてもよい。なお、この場合の異常と判断される閾値は、ロボット装置100の仕様、駆動環境などから適宜決定される。
また、テスト動作工程(S270)によって、タクトタイム規定値Ts以内にタクトタイムTが到達しない場合には、更にオーバーシュート比較工程(S240)から以降の工程を実行する。
上述の制御方法によって、被作業物の重量変化に対して、被作業物の重量に対する適正ゲインを示すジャイロゲインテーブルから、ねじれ角速度にかけるジャイロゲインを取得するロボット装置100は、ロボット装置100の経時変化に対応して補正テーブルを作成することによって最適なゲイン設定が行われ、ロボット装置100の振動抑制を適正に行うことができる。補正テーブルの生成は、ロボット装置100の経時変化によって生じるタクトタイムの変化、すなわちタクトタイム規定値を超えた場合に実行される。従って、ロボット装置100のタクトタイムを容易に規定値以内に維持させることができ、高い生産性が維持できるロボット装置100を得ることができる。
また、被作業物の重量測定をロボットアームに備えた力覚センサーを用いて計測しながら制御することにより、被作業物の実重量を基に適正なジャイロゲインを設定させることができるため、安定したロボット装置100の駆動を可能にする。また、被作業物に対象物ではない物、あるいは重量の過不足がある不良品、などが混入した場合であっても、力覚センサーによって個々の被作業物の重量を測定することができるため、非対象物、不良品の排除が確実に実行できる。従って、ロボット装置100の故障、暴走、生産停止、などを回避することができ、高い安全性と生産性を備えるロボット装置100を得ることができる。
10…アーム体、11,12…アーム、13…力覚センサー、20…アーム連結装置、30…基体連結装置、40…基体、51,52…アクチュエーター、61,62…トルク伝達装置、70…ワーク保持装置、81,82…角度センサー、90…ジャイロセンサー、100…ロボット装置。

Claims (5)

  1. アクチュエーターと、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーを含むアーム連結装置と、
    複数のアームが、前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、
    前記アーム体の一方の端部に設けられた前記アクチュエーターと前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーを含む基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、
    複数の前記アームの内、被作業物保持手段が取り付けられた作業アームの前記被作業物保持手段が取り付けられる取付位置には、ジャイロセンサーと、を備え、
    前記角度センサーの回転角度検出データより、前記アームの角速度を演算する第1演算部と、
    前記ジャイロセンサーの検出データより、前記作業アームの前記取付位置での角速度を演算する第2演算部と、
    前記アームの前記角速度および前記ジャイロセンサーの前記検出データによって演算された前記アームの前記角速度の差より、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターに連結される前記アームとの間のねじれ角速度を演算する第3演算部と、
    前記被作業物保持手段によって保持される被作業物の重量を取得する重量取得手段と、
    前記ジャイロセンサーの検出データから、前記作業アームのタクトタイムを演算する第4演算部と、
    前記作業アームの前記タクトタイムと前記重量に基づくタクトタイム規定値 とを比較する比較手段と、前記比較手段において前記タクトタイムが前記タクトタイム規定値を超えた場合に、前記重量に基づき前記ねじれ角速度にかけるゲインを減らした補正ゲインを生成する補正ゲイン生成手段と、を含み、前記補正ゲインおよび前記ねじれ角速度により前記アクチュエーターを制御する制御部と、を備える、
    ことを特徴とするロボット装置。
  2. 前記比較手段は、前記作業アームのオーバーシュートとオーバーシュート規定値とを比較し、
    前記制御部は、オーバーシュート比較結果と、前記タクトタイムと前記重量に基づく前記タクトタイム規定値との比較結果と、により前記アクチュエーターを制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  3. 前記重量取得手段が、前記作業アームに備えられる力覚センサーである、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のロボット装置。
  4. アクチュエーターと、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーを含むアーム連結装置と、
    複数のアームが、前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、
    前記アーム体の一方の端部に設けられた前記アクチュエーターと前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーを含む基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、
    複数の前記アームの内、被作業物保持手段が取り付けられた作業アームの前記被作業物保持手段が取り付けられる取付位置には、ジャイロセンサーと、を備え、
    前記角度センサーの回転角度検出データより、前記アームの角速度を演算する第1演算工程と、
    前記ジャイロセンサーの検出データより、前記作業アームの前記取付位置での角速度を演算する第2演算工程と、
    前記アームの前記角速度および前記ジャイロセンサーの前記検出データによって演算された前記アームの前記角速度の差より、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターに連結される前記アームとの間のねじれ角速度を演算する第3演算工程と、
    前記被作業物保持手段によって保持される被作業物の重量を取得する重量取得工程と、
    前記ジャイロセンサーの前記検出データから、前記作業アームのタクトタイムを演算する第4演算工程と、
    前記作業アームの前記タクトタイムと前記重量に基づくタクトタイム規定値とを比較する比較工程と、前記比較手段において前記タクトタイムが前記タクトタイム規定値を超えた場合に、前記重量に基づき前記ねじれ角速度にかけるゲインを減らした補正ゲインを生成する補正ゲイン生成工程と、を含み、前記補正ゲインおよび前記ねじれ角速度により前記アクチュエーターを制御する制御工程と、を含む、
    ことを特徴とするロボット装置の制御方法。
  5. 前記比較工程は、前記作業アームのオーバーシュートとオーバーシュート規定値とを比較する工程を含み、
    前記制御工程は、オーバーシュート比較結果と、前記タクトタイムと前記重量に基づく前記タクトタイム規定値との比較結果と、により前記アクチュエーターを制御する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のロボット装置の制御方法。
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