以下では、この発明の一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機が適用される弾球遊技機1の斜視図である。以下、弾球遊技機(パチンコ機)1を例に挙げて説明するが、この発明は弾球遊技機に限られず、スロットマシンに代表される回胴式遊技機などの他の遊技機にも適用することができる。
弾球遊技機1は、遊技店内に配列された遊技島への取付け(設置)のための略四角枠状の外枠2と、外枠2に対し片開き可能に取り付けられた内枠3とを備えている。外枠2の左右一方、たとえば左側部にヒンジ4が取り付けられており、内枠3はヒンジ4の回動軸まわりに回動可能に保持されている。
内枠3の上部分には、遊技盤5(図4参照)が収容保持されている。内枠3の下部分には、発射装置(図示しない)が収容保持されている。内枠3における遊技盤5の下方には、セーフ球回収部(図示しない)が配置されている。内枠3の手前側には、前扉6が開閉可能に設けられている。また、内枠3の手前側には、前扉6の下方に、下部開閉板7が開閉可能に設けられている。前扉6には、遊技盤5に対向する位置に略円形の開口8が形成されている。この開口8には、ガラス板などの透明板9が嵌められていて、前扉6を閉じた状態で、その透明板9を介して、透明板9の奥側の遊技盤5を視認することができるようになっている。前扉6の上部には、左右一対のスピーカ28が配置されている。また、前扉6の下部には、左右一対の遊技ランプ27が配置されている。
下部開閉板7には、遊技に使用する遊技球を貯留しておくための上皿10と、上皿10からオーバーフロー路(図示しない)を通して溢れた遊技球を受け止める下皿11とが上下に並んで設けられている。上皿10の上面左隅には、遊技者が押操作(操作)可能な押ボタンタイプの第1演出ボタン(第1操作手段)12が配置されている。上皿10の上面中央部には、遊技者が押操作(操作)可能な押ボタンタイプの第2演出ボタン(第2操作手段)13が配置されている。また、下皿11の右側には、遊技球を遊技盤5に打ち出す際に操作されるハンドル14が配置されている。遊技者が、ハンドル14を把持して回転操作することにより、発射装置から遊技盤5の盤面に向けて遊技球を発射することができ、また、ハンドル14の回転角度を調整することにより、遊技盤5の盤面に向けて発射される遊技球の勢いを調節することができる。
図2は、弾球遊技機1の第1演出ボタン12の構成を説明するための断面図である。
第1演出ボタン12は、図2に示すように、被操作部121と、たとえば上皿10の上面および前面を覆う上皿カバー111に固定され、かつ被操作部121を非押下位置と押下限界位置との間の可動範囲内で移動可能に支持する支持枠124と、被操作部121を非押下位置側に弾性付勢する戻しバネ125と、被操作部121の操作状態を検出する操作検出部126とを備えている。第1演出ボタン12は、被操作部121を前斜め上向きに若干突出させた状態で上皿カバー111上に配置されている。
支持枠124は、たとえば楕円形断面に形成された有底筒状の収容部127と、この収容部127の端縁から外向きに張り出す鍔部128とを一体に備えている。支持枠124は、上皿カバー111上に形成された開口部内に外側から嵌め込まれ、たとえば収容部127の外周面に設けられた固定爪129と鍔部128とで開口部の縁部を挟持し、かつ上皿カバー111内の固定ブロック130にねじ止め等により結合することにより、上皿カバー111上に固定されている。
被操作部121は、たとえば光透過性を有する合成樹脂により形成されている。被操作部121は、略平坦な楕円形に形成された被操作壁131と、この被操作壁131の外縁側から収容部127の内面に沿って内向きに突設された周壁部132とを一体に備えている。被操作部121は、可動支持部133を介して、支持枠124の収容部127内を移動可能に支持されている。
可動支持部133は、被操作部121の周壁部132内に嵌合する内壁部134と、内壁部134の外縁側から収容部127の軸方向に沿って内向きに突設された複数の規制爪135と、内壁部134のたとえば略中央から収容部127の軸方向に沿って内向きに突設された遮光片136とを備えている。内壁部134、複数の規制爪135および遮光片136は一体に形成されている。可動支持部133では、一端側の内壁部134の外側に、装飾シート137と乱反射板138とを挟み込んだ状態で被操作部121が装着および固定されている。また、他端側の規制爪135が、収容部127の底壁139に形成された嵌合孔139aに貫通し、その裏側に係合されている。これにより、可動支持部133は、被操作部121を非押下位置と押下限界位置との間の可動範囲内で移動可能に支持している。
また、可動支持部133の内壁部134と収容部127の底壁139との間には戻しバネ125が装着されており、被操作部121は可動支持部133を介して非押下位置側に弾性付勢されている。なお、被操作部121が非押下位置にあるときにはたとえば規制爪135が収容部127の底壁139の裏側に係合して外向きの移動が規制され、また被操作部121が押下限界位置にあるときにはたとえば被操作部121の端縁が収容部127の底壁139に当接して内向きの移動が規制されるようになっている。
また、たとえば収容部127の底壁139の裏側には、操作検出部126とLEDとが装着されたセンサ基板140が固定されている。操作検出部126は、たとえば投光部と受光部とを向かい合わせに配置した略コの字型の透過型フォトセンサで、可動支持部133側の遮光片136に対向するように、収容部127の底壁139に形成された嵌合孔139bに外向きに嵌合している。操作検出部126は、被操作部121がその可動範囲内における非押下位置側のOFF領域内にあるときには検出信号がOFFとなり、被操作部121がその可動範囲内における押下限界位置側のON領域内にあるときには検出信号がONとなるように構成されている。
図3は、弾球遊技機1の第2演出ボタン13の構成を説明するための断面図である。
第2演出ボタン13は、たとえばドーム型の被操作部141を有する押しボタン式の操作ボタンである。
第2演出ボタン13は、回転灯142と、回転灯142を覆う発光カバーを兼ねる被操作部141と、たとえば上皿カバー111に固定され且つ被操作部141を非押下位置と押下限界位置との間の可動範囲内で回転灯142の回転軸142aの方向に移動可能に支持する支持枠143と、被操作部141を非押下位置側に弾性付勢する戻しバネ144と、被操作部141の操作状態を検出する操作検出部145と、被操作部141の外周に套嵌され、かつ上端外周が上皿カバー111の開口部に嵌合する反射カバー146とを備えている。第2演出ボタン13は、被操作部141を前斜め上向きに突出させた状態で上皿カバー111内に配置されている。
回転灯142は、回転軸142aを取り囲むように固定的に配置され、かつその表側(被操作部141側)に複数のLED147が配置されたLED基板148と、LED基板148の表側に沿って配置され、かつ回転軸142aを介して回転可能に支持された回転レンズ部149と、回転レンズ部149の表側の外周部近傍に固定され且つLED147から発せられて回転レンズ部149を軸方向に透過した光を径方向外側に向けて反射する反射板150と、回転レンズ部149および反射板150を回転軸142a、ギヤ151等を介して回転駆動するステッピングモータ等の駆動部152と、それらLED基板148、回転レンズ部149、駆動部152等を支持する支持ケース153等とを備えている。支持ケース153は、たとえば支持枠143を介して上皿カバー111に固定されている。
回転レンズ部149は透明な合成樹脂製で、たとえば表側に突出する凸レンズ部149aが回転軸142aの周方向に連続するリング状に形成されている。LED基板148上には、その凸レンズ部149aの裏側に対応するようにLED147が周方向にたとえば等ピッチで配置されている。反射板150は、凸レンズ部149aの外周側に配置され、基部側から先端部側にかけて徐々に回転レンズ部149の中心側に湾曲しており、その内面が凹面状の反射面150aとなっている。LED147から発せられた光は、回転レンズ部149を通過する際にその多くが凸レンズ部149aで集光されて軸方向に進み、その一部が、回転レンズ部149と共に回転する反射板150の反射面150aにぶつかって径方向外側に反射される。なお、被操作部141の外周側に配置される反射カバー146の内面側には、軸方向上向きに開く略漏斗状の反射面146aが形成されており、反射板150によって径方向外側に反射された光は被操作部141を通過し、反射カバー146の反射面146aで軸方向に反射されるようになっている。
被操作部141は、たとえば着色透明の合成樹脂製で、回転灯142の回転レンズ部149および反射板150を覆う略半球状に形成され、その先端側の一部が突出するように反射カバー146内に外向きに嵌合している。この被操作部141は、回転レンズ部149の外周側に配置された可動リング154、可動リング154の裏側に固定された複数の摺動案内軸155を介して支持枠143に対して回転軸142a方向に移動自在に保持されると共に戻しバネ144によって軸方向外向き、即ち非押下位置側に弾性付勢されている。なお、被操作部141が非押下位置にあるときにはたとえば被操作部141の端縁に設けられた鍔部141aが反射カバー146の内端側に当接して外向きの移動が規制され、また被操作部141が押下限界位置にあるときにはたとえば可動リング154の端縁が支持枠143に当接して内向きの移動が規制されるようになっている。
また、たとえば支持枠143には、操作検出部145が装着されたセンサ基板156が固定されている。操作検出部145は、第1演出ボタン12側の操作検出部126と同様、たとえば投光部と受光部とを向かい合わせに配置した略コの字型の透過型フォトセンサで、たとえば可動リング154上に設けられた遮光片157に対応して配置されており、被操作部141がその可動範囲内における非押下位置側のOFF領域内にあるときには検出信号がOFFとなり、被操作部141がその可動範囲内における押下限界位置側のON領域内にあるときには検出信号がONとなるように構成されている。
なお、このような第2演出ボタン13では、第2演出ボタン13の操作が受け付けられる毎に、被操作部141の内側に設けられた回転灯142を作動させるような演出が実行されてもよい。
図4は、弾球遊技機1の遊技盤5の概略構成を示す正面図である。
遊技盤5の盤面には、発射装置から発射された遊技球を、遊技盤5の左側上部に導くためのガイドレール14が配置されている。遊技盤5の盤面には、多数本の障害釘16(図4には一部の障害釘16のみを図示)が配置されており、遊技盤5の左側上部からガイドレール14に沿って右斜め上方に向けて放たれた遊技球は、遊技盤5の盤面に沿って多数本の障害釘16の間を通って流下していく。
遊技盤5の盤面の中央部には、液晶表示ユニット15が配置されている。液晶表示ユニット15は、演出図柄や所定のメッセージなどを表示するためのものである。
液晶表示ユニット15の下方には、第1特別図柄始動口18および第2特別図柄始動口29が上下に並べて配置されている。第1および第2特別図柄始動口18,29は、それぞれ、遊技盤5の盤面に沿って流下する遊技球を入球可能に設けられている。
遊技盤5の盤面には、第2特別図柄始動口29に関連して、1対の羽根を含む電動チューリップ役物(普通電動役物)19が配置されている。電動チューリップ役物19は、通常、各羽根の先端部が互いに接近した状態(狭窄状態)に窄められている。電動チューリップ役物19の狭窄状態では、遊技盤5の盤面に沿って流下する遊技球の第2特別図柄始動口29への入球が、第1特別図柄始動口18の入球役物と1対の羽根とにより阻止されている。そして、電動チューリップ役物19が拡開された状態では、電動チューリップ役物19の各羽根が拡開されることにより、第2特別図柄始動口29に遊技球が入球可能になって、第2特別図柄始動口29が開放される。
なお、電動チューリップ役物19の構成はこれに限定されるものではなく、たとえば、前後方向に出退する構成であってもよいし、次に述べる大入賞口開閉板(特別電動役物)21と同様に回動軸を中心として手前側に傾倒する構成であってもよい。
第1または第2特別図柄始動口18,29に遊技球が入ると、予め定める個数(たとえば、第1特別図柄始動口18への遊技球の入球に対しては5球、および第2特別図柄始動口29への遊技球の入球に対しては3球)の賞球が、賞球払出装置50(図5参照)から払い出される。また、第1または第2特別図柄始動口18,29への遊技球の入球に伴って、特別利益状態を実行するか否かを決定するための大当り抽選(特別利益状態抽選)が実行される。
第2特別図柄始動口29の下方すなわち遊技盤5の盤面の下部には、たとえば、左右に長い長方形状をなす大入賞口20が配置されている。大入賞口20は、左右方向に関して、複数個(たとえば3〜4個)の遊技球が同時に入球可能なサイズに形成されている。大入賞口20に関連して、大入賞口20を開閉可能な大入賞口開閉板21が設けられている。大入賞口開閉板21は、遊技盤5の盤面に沿った状態で大入賞口20を閉塞して、大入賞口20に遊技球が入るのを阻止することができる一方、この状態から大入賞口20の下端縁に沿って配置された回動軸(図示しない)を中心に手前側に傾倒することにより大入賞口20を開放して、大入賞口20上に流下してくる遊技球を大入賞口20内に導き入れることができる。大入賞口20に遊技球が入ると、予め定める個数(たとえば10球)の賞球が、賞球払出装置50(図5参照)から払い出される。
液晶表示ユニット15の右方すなわち遊技盤5の盤面の右部には、遊技盤5の盤面に沿って流下する遊技球が通過可能な普通図柄ゲート17が配置されている。普通図柄ゲート17を遊技球が通過すると、電動チューリップ役物19を拡開するか否か(普通利益状態を実行するか否か)を決定するための普通図柄抽選が実行される。
遊技盤5の右上部におけるガイドレール14の外側領域には、第1特別図柄表示手段22、第2特別図柄表示手段23および普通図柄表示手段26が配置されている。これらの表示手段22,23,26は、遊技盤5の右上部から右下方向に向けて一列にこの順で並んでいる。
第1特別図柄表示手段22は、第1特別図柄始動口18への遊技球の入球に対して実行される大当り抽選の結果を表示するためのものであり、たとえば7セグメント表示器によって構成されている。第1特別図柄表示手段22では、第1特別図柄始動口18へ遊技球が入球したことに関連して、たとえば、図柄が「8」と「−」との間で交互に高速で切り換わる図柄変動動作が、所定の図柄変動時間の間実行される。大当り抽選の結果が大当りである場合(特別利益状態を実行すると決定される場合)には、図柄変動時間の経過後、第1特別図柄表示手段22に大当り用の特別図柄が停止表示され、大当り抽選の結果がはずれである場合は、図柄変動時間の経過後、第1特別図柄表示手段22にはずれ用の特別図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示手段23は、第2特別図柄始動口29への遊技球の入球に対して実行される大当り抽選の結果を表示するためのものであり、たとえば7セグメント表示器によって構成されている。第2特別図柄表示手段23では、第2特別図柄始動口29へ遊技球が入球したことに関連して、たとえば、図柄が「8」と「−」との間で交互に高速で切り換わる図柄変動動作が、所定の図柄変動時間の間実行される。大当り抽選の結果が大当りである場合(特別利益状態を実行すると決定される場合)には、図柄変動時間の経過後、第2特別図柄表示手段23に大当り用の特別図柄が停止表示され、大当り抽選の結果がはずれである場合は、図柄変動時間の経過後、第2特別図柄表示手段23にはずれ用の特別図柄が停止表示される。
普通図柄表示手段26は、普通図柄ゲート17への遊技球の通過に対して実行される普通図柄抽選の結果を表示するためのものであり、たとえば7セグメント表示器によって構成されている。普通図柄表示手段26では、普通図柄ゲート17を遊技球が通過したことに関連して、たとえば、図柄が「8」と「−」との間で交互に高速で切り換わる図柄変動動作が、所定の図柄変動時間の間実行される。普通図柄抽選の結果が当りである場合(電動チューリップ役物19の拡開が決定される場合)には、図柄変動時間の経過後、普通図柄表示手段26に当り用の普通図柄が停止表示され、普通図柄抽選の結果がはずれである場合は、図柄変動時間の経過後、普通図柄表示手段26にはずれ用の普通図柄が停止表示される。
大当り抽選の結果は、第1および第2特別図柄表示手段22,23だけでなく、液晶表示ユニット15にも表示される。すなわち、特別図柄表示手段22,23における特別図柄の図柄変動動作中は、液晶表示ユニット15による演出図柄の変動動作が実行される。そして、大当り抽選の結果が大当りであるときは、演出図柄の変動動作の終了後、大当り用の演出図柄が液晶表示ユニット15に停止表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであるときは、演出図柄の変動動作の終了後、はずれ用の演出図柄が液晶表示ユニット15に停止表示される。
また、遊技盤5の右上部におけるガイドレール14の外側領域には、第1特別図柄用保留球数表示手段(図示しない)と、第2特別図柄用保留球数表示手段(図示しない)と、普通図柄用保留球数表示手段(図示しない)とが配置されている。第1特別図柄用保留球数表示手段は、保留されている第1特別図柄表示手段22の図柄変動動作の数を表示するためのものである。第2特別図柄用保留球数表示手段は、保留されている第2特別図柄表示手段23の図柄変動動作の数を表示するためのものである。普通図柄用保留球数表示手段は、保留されている普通図柄表示手段26の図柄変動動作の数を表示するためのものである。
弾球遊技機1には確率変動遊技が用意されている。確率変動遊技中の大当り抽選における大当り確率はたとえば1/40に設定されている。また、確率変動遊技の非実行時における大当り確率は、確率変動遊技中の大当り確率よりも低い確率、たとえば1/400に設定されている。
また、確率変動遊技中はサポート遊技も併せて実行される。サポート遊技の非実行時、すなわち確率変動遊技の非実行時には、普通図柄ゲート17への遊技球の通過に対する普通図柄表示手段26の図柄変動時間がたとえば27(sec)であり、普通図柄抽選の当選確率がたとえば1/100であり、普通図柄抽選の当選時における第2特別図柄始動口29の開放回数(電動チューリップ役物19の拡開回数)がたとえば1回、各開放に要する時間がたとえば0.2(sec)である。したがって、弾球遊技機1では、確率変動遊技の非実行時には電動チューリップ役物19はめったに拡開状態にならず、そのため、遊技盤5の盤面を流下する遊技球が、第2特別図柄始動口29にほとんど入球しない。
これに対し、サポート遊技中、すなわち確率変動遊技中には、普通図柄ゲート17への遊技球の通過に対する普通図柄表示手段26の図柄変動時間がたとえば2.7(sec)であり、普通図柄抽選の当選確率がたとえば1/1.1であり、普通図柄抽選の当選時における第2特別図柄始動口29の開放回数がたとえば2回、各開放に要する時間がたとえば2.0(sec)である。このようにサポート遊技中では、サポート遊技の非実行時と比較して、普通図柄ゲート17への遊技球の通過に対する普通図柄表示手段26の図柄変動時間が短く、普通図柄抽選の当選確率が高く、かつ普通図柄抽選の当選時における第2特別図柄始動口29の開放度合い(開放回数および各開放に要する時間を含む)が高い。したがって、確率変動遊技中には、電動チューリップ役物19が頻繁に拡開状態になり、遊技盤5の盤面を流下する遊技球が第2特別図柄始動口29に頻繁に入球し易くなる。
なお、前述のサポート遊技では、普通図柄表示手段26の図柄変動時間をサポート遊技の非実行時よりも短縮し、普通図柄抽選の当選確率をサポート遊技の非実行時よりも高くし、かつ普通図柄抽選の当選時における第2特別図柄始動口29の開放度合いをサポート遊技の非実行時よりも高くしている。しかしながら、サポート遊技はこれら3つ全てを行う必要はなく、このうちの少なくとも2つが行われていればよい。また、前述の実施形態
で示されたサポート遊技中の当選確率、サポート遊技中における普通図柄表示手段26の図柄変動時間、ならびにサポート遊技中の第2特別図柄始動口29の開放回数および各開放に要する時間は一例であり、これらに限定されるものでないのは言うまでもない。なお、確率変動遊技およびサポート遊技は本願発明の特徴部分ではないので、確率変動遊技およびサポート遊技を行なうために遊技機1によって実行される処理についてはその説明を省略する。
特別利益状態中は、大入賞口開閉板21が揺動されることにより大入賞口20が開放される。特別利益状態では、所定時間(たとえば30.0(sec)間)が経過するまで、または大入賞口20に予め定める最大入賞口数(たとえば10球)の遊技球が入球するまで、大入賞口20を開放するといった大入賞口開閉板21の動作を1ラウンドとして、このような動作が、インターバルを挟んで複数のラウンド(たとえば2ラウンドや15ラウンドなど)だけ行われる。
また、遊技盤5の盤面には一または複数の普通入賞口25が配置されている。図4では、2つの普通入賞口25が、遊技盤5の盤面の左下部に配置されている。普通入賞口25に遊技球が入ると、予め定める個数(たとえば3球)の賞球が、賞球払出装置50(図5参照)から払い出される。
遊技盤5の盤面に沿って流下する遊技球のうち、第1および第2特別図柄始動口18,29、大入賞口20ならびに普通入賞口25のいずれにも入らなかった遊技球(アウト球)は、遊技盤5の盤面の下部に形成されたアウト口24から機内に回収される。
図5は、弾球遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。
弾球遊技機1は、遊技の動作制御を司る主制御基板30と、演出制御を司る演出制御基板31と、弾球遊技機1から遊技球を払い出すための払出制御基板32とを備えている。払出制御基板32は、CPU32A、RAM32B、ROM32C等を含むマイクロコンピュータを備えており、主制御基板30に接続されている。払出制御基板32には、賞球払出装置50が制御対象として接続されている。
演出制御基板31は、演出インターフェイス基板33を介して主制御基板30に接続されている。演出制御基板31には、演出インターフェイス基板33を介して液晶表示制御基板34が接続されている。
液晶表示制御基板34はCPU34A、RAM34BおよびROM34Cを含むマイクロコンピュータを備えている。液晶表示制御基板34には液晶表示ユニット15が制御対象として接続されている。
主制御基板30は、CPU30A、RAM30BおよびROM30Cを含むマイクロコンピュータを備えている。主制御基板30には、第1および第2特別図柄表示手段22,23ならびに普通図柄表示手段26が制御対象として接続されている。また、主制御基板30には、第1および第2特別図柄始動口18,29(図4参照)への入球をそれぞれ検出するための第1および第2特別図柄始動口入球センサ36,37からの検出出力が入力されるようになっている。
また、主制御基板30には、遊技盤中継基板35を介して、普通図柄ゲート17(図4参照)に遊技球が通過したことを検出するための普通ゲート通過センサ38からの検出出力、大入賞口20(図4参照)に遊技球が入ったことを検出するための大入賞口入球センサ39からの検出出力、および普通入賞口25(図4参照)に遊技球が入ったことを検出するための普通入賞口入球センサ40からの検出出力が入力されるようになっている。
また、主制御基板30には、遊技盤中継基板35を介して、電動チューリップ役物19(図4参照)を駆動するための電動チューリップ駆動機構(たとえばソレノイド類を含む)41や、大入賞口開閉板21(図4参照)を開閉駆動するための大入賞口開閉機構(たとえばソレノイド類を含む)42が制御対象として接続されている。
演出インターフェイス基板33には、枠中継基板43を介してスピーカ28および遊技ランプ27が、制御対象としてそれぞれ接続されている。また、演出インターフェイス基板33には、第1演出ボタン12および第2演出ボタン13がそれぞれ接続されている。
演出制御基板31は主制御基板30からの制御指令信号に基づいて、液晶表示ユニット15の具体的な演出内容を決定し、その演出内容を実行させるための演出情報(制御指令信号)を出力する。具体的には、演出制御基板31から出力される演出情報は、演出インターフェイス基板33を介して液晶表示制御基板34に与えられる。液晶表示制御基板34は、演出制御基板31から送出される演出情報の内容に基づいて液晶表示ユニット15の表示を制御する。
図6は、演出制御基板31および演出インターフェイス基板33に関連する部分における電気的構成を示すブロック図である。
図5および図6に示すように、演出制御基板31は、CPU(第1操作有効手段、第2操作有効手段、モード期間設定手段、モード期間延長手段、第1操作無効手段、第2操作無効手段、待機表示手段)31Aおよびメモリ31Bを含むマイクロコンピュータを備えている。演出インターフェイス基板33にはバッファ回路52,53,54,55が実装されている。
演出制御基板31には、主制御基板30から出力された制御指令信号が演出インターフェイス基板33のバッファ回路52を介して入力されるようになっている。演出制御基板31は、主制御基板30から送出される制御指令信号に含まれる変動パターン指令信号に基づいて具体的な演出内容を決定する。この演出内容は、液晶表示ユニット15(図4等参照)への表示画像などの表示内容に限られず、ランプ類(遊技ランプ27(図1参照)を含む)の点灯や点滅によるランプ演出の内容や、スピーカ28(図1参照)からの音声出力などの音声内容を含む。
演出制御基板31から送信される演出情報(制御指令信号)は、演出インターフェイス基板33のバッファ回路53を経由して、液晶表示制御基板34や枠中継基板43などにそれぞれ出力される。第1演出ボタン12および第2演出ボタン13からの操作入力信号は、それぞれ、演出インターフェイス基板33のバッファ回路54およびバッファ回路55を介して演出制御基板31に入力されるようになっている。
弾球遊技機1には、演出モードの一例として、第1演出ボタン12および第2演出ボタン13を利用したボタン演出処理を行うためのボタン演出モード(操作手段利用演出モード)が用意されている。
この実施形態に係るボタン演出モードは、予告演出PN(図10A参照)またはスーパーリーチSR(図10A参照)のための演出に用いられる演出モードであり、液晶表示ユニット15において登場人物(投手)56(図10D参照)が、パネル枠表示部55(図10D参照)に表示された、たとえば3×3配置の計9枚のパネルを投球で打ち抜く、いわゆるストラックアウト演出である。
ボタン演出モードでは、遊技者が第1演出ボタン12を操作する毎に、液晶表示ユニット15の登場人物56(図10D参照)が1回(1球)投球動作を行う。ボタン演出モードの初期の期間長さはたとえば30.0(sec)に設定されている。1回のボタン演出モードにおいて所定回数(たとえば12回)の投球回数が与えられている。
与えられた投球回数の範囲内で、パネル枠表示部55(図10D参照)において所定の枚数以上のパネルが射抜かれたり、または、パネル枠表示部55の予め定めるパネルが射抜かれたりする等の特別演出移行要件を満たす場合に、次に述べる「特別演出(この実施形態では大当り成立演出)」へと移行する。
この実施形態に係るボタン演出モードは、設定されているボタン演出モード期間(30.0(sec)。操作手段利用演出モードの期間)が満了するか、あるいはボタン演出モードの開始から登場人物56(図10D参照)による投球回数が12回に達したこと(第1演出ボタン12の操作が12回受け付けられたとき)を要件として(いずれか早い方が成立したときに)終了する。
この実施形態では、射抜かれたパネルで縦・横・斜めのいずれかの列が揃うときに前記の特別演出移行要件を満たす、いわゆるビンゴ形式が採用されている。スーパーリーチSR(図10A参照)のための演出のためのボタン演出モードでは、大当り成立演出の実行後、次いで、特別利益状態が実行される。
最初に設定されるボタン演出モードの期間長さはたとえば30.0(sec)であるが、ボタン演出モードにおいて第2演出ボタン13が操作されることにより、残りのボタン演出モード期間が延長される。
ボタン演出モード以外の期間では、第1演出ボタン12および第2演出ボタン13の操作がそれぞれ無効にされる。すなわち、第1演出ボタン12の操作の受付が禁止される状態で、かつ第2演出ボタン13の操作の受付が禁止される状態にされている。そのため、ボタン演出モード以外の期間に第1演出ボタン12または第2演出ボタン13を操作しても、そのボタン操作は受け付けられない。
一方、ボタン演出モード中には、原則的には、第1演出ボタン12および第2演出ボタン13の操作がそれぞれ有効となる。つまり、ボタン演出モード中は、第1演出ボタン12の操作の受付が許可された状態で、かつ第2演出ボタン13の操作の受付が許可された状態にされている。但し、ボタン演出モード中において、第1演出設定ボタン12の操作が一旦受け付けられると、その直後から所定時間(たとえば2.0(sec))が経過するまで、第1演出ボタン12の操作の受付が禁止される第1受付禁止期間が設定される。この第1受付禁止期間においては、第1演出ボタン12の操作の受付が禁止された状態となる。第1受付禁止期間が経過すると、第1演出ボタン12の操作の受付が許可された状態となる。この第1受付禁止期間には、液晶表示ユニット15(図4参照)において、登場人物56(図10D参照)が投球動作を開始してから、その投球動作により投げられた球がパネル枠表示部55(図10D参照)の周囲に届くような演出が行われる。また、ボタン演出モードでは、当該ボタン演出モードにおいて第2演出ボタン13の操作に基づく演出動作のリセットが2回実行されると、その直後から、第2演出ボタン13の操作の受付が禁止された状態にされる。
ボタン演出モード中において第1演出ボタン12の操作が受け付けられると、ボタン抽選が実行される。そして、ボタン抽選結果に応じて演出内容が決定され、決定された演出内容が実行される。この実施形態では、演出内容として、ボタン抽選に当選した場合に実行される「当選演出(所定の演出)」と、ボタン抽選に落選した場合に実行される「はずれ演出(所定の演出)」との2種類がある。ボタン抽選に当選すると、射抜かれていなかったパネル枠表示部55(図10D参照)のパネルが、射抜かれるような「当選演出」が実行される。ボタン抽選に外れると、登場人物56(図10D参照)が投げた球がパネル枠表示部55の側方または上下方を通過したり、「リーチ」成立や「ビンゴ」成立とは無関係のパネルが抜かれたりするような「はずれ演出」が実行される。
ボタン演出モード中において射抜かれたパネルで縦・横・斜めのいずれかの列が揃うと、前記の特別演出移行要件が満たされる。そして、大当り用の演出図柄の組合せが停止表示された後、大当り成立演出(図10E参照。特定演出)が実行される。その後、特別利益状態が実行される。
一方、ボタン演出モードの終了までに、射抜かれたパネルで縦・横・斜めのいずれかの列も揃わなかったときは、その後、液晶表示ユニット15(図4参照)では、外れ用の演出図柄の組合せが停止表示される。
なお、ボタン演出モードの終了までに射抜かれたパネルで、縦・横・斜めのいずれの列も揃わなかった場合でも、その後に大当り成立演出を実行することが可能であってもよい。
メモリ31Bには、ボタン抽選の当選用数値を記憶したボタン抽選テーブル45、ボタン演出モードにおける演出の進行度合い(パネルの射抜き態様)を記憶する進行度合い記憶部46などが設けられている。
ボタン抽選テーブル45には、ボタン抽選の当選用数値が記憶される。なお、ボタン抽選テーブル45に、ボタン演出モードが開始してからの経過時間が長くなるのに従ってボタン抽選の当選確率が高くなるように、ボタン演出モードが開始してからの経過時間に対応してボタン抽選の当選用数値が設定されていてもよい。
進行度合い記憶部46には、ゲーム進行度(たとえば、段階「0」〜段階「3」までの4段階)を表す値(進行度値)が記憶される。進行度合い記憶部46に記憶されている進行度値に基づいて、液晶表示ユニット15(図4参照)におけるパネル枠表示部55(図10D参照)の表示態様が表示される。すなわち、進行度合い記憶部46に記憶されている進行度値がたとえば「3」であるときは、パネル枠表示部55で、縦・横・斜めのいずれかの列が揃う「ビンゴ」が成立している状態である。また、進行度合い記憶部46に記憶されている進行度値がたとえば「2」であるときは、パネル枠表示部55で、残りの一つのパネルが抜かれることにより縦・横・斜めのいずれかの列が揃う「リーチ」が成立している状態である。また、進行度合い記憶部46に記憶されている進行度値がたとえば「1」であるときは、パネル枠表示部55において1つまたは複数のパネルが射抜かれているものの「リーチ」および「ビンゴ」のいずれもが未だ成立していない状態である。
その他、演出制御基板31には、外付けのボタン抽選用乱数カウンタ47、操作タイマ48は、受付禁止期間計時タイマ48、残期間タイマ49などが設けられている。ボタン抽選用乱数カウンタ47は、たとえば「0」から「99」のボタン抽選用乱数をランダムに発生している。CPU31Aはボタン抽選用乱数カウンタ47が発生するボタン抽選用乱数を取得することができるようになっている。
受付禁止期間計時タイマ48は、ボタン演出モード中において、第1演出ボタン12の操作の受付が禁止される第1受付禁止期間を設定するために設けられている。受付禁止期間計時タイマ48は、たとえば減算型のタイマである。受付禁止期間計時タイマ48には、ボタン抽選が開始されたときに所定の第1受付禁止期間(この実施形態では、たとえば一定で、たとえば2.0(sec)の期間。第1時間の期間)がセットされる。なお、セットされる第1受付禁止期間は一定期間であるが、当該第1受付禁止期間が演出内容に対応して変化させることもできる。その後、所定時間毎に、受付禁止期間計時タイマ48の値が減算される。受付禁止期間計時タイマ48に所定の第1受付禁止期間がセットされから、当該第1受付禁止期間が経過して受付禁止期間計時タイマ48の値が零になると、受付禁止期間計時タイマ48は零の値を保持する。
残期間タイマ49は、ボタン演出モードの残り時間を計時するための、たとえば減算型のタイマである。残期間タイマ49には、ボタン演出モードの開始時に、ボタン演出モード期間として予め設定された時間(たとえば30.0(sec))がセットされる。その後、所定 時間毎に、残期間タイマ49の値が減算される。残期間タイマ49にボタン演出モード期間(たとえば30.0(sec))がセットされてから、当該所定の時間が経過して残期間タイマ49の値が零になると、残期間タイマ49は零の値を保持する。
図5に戻って、主制御基板30の制御プログラムは、電源電圧の復旧や投入に基づいて起動されるメイン処理であるシステムリセット処理を含んでいる。
システムリセット処理の実行は、電源が投入され、主制御基板30に対し電源基板(図示しない)からのシステムリセット信号が入力されることに基づいて開始される。この場合に、CPU30Aは、最初に自らを割込み禁止状態に設定し、かつCPU30Aに内蔵されている各レジスタの値を初期設定する。次いで、CPU30Aは、周辺の基板(たとえば、払出制御基板32や演出制御基板31などの基板)の初期設定の完了までウエイトする。
また、電源投入に伴い、電源投入状態を示す電圧レベル(たとえばオン状態)の電圧降下信号が主制御基板30に入力される。電圧降下信号が電源投入状態を示す電圧レベルであると、CPU30Aは、払出制御基板32が正常に立ち上がったことを確認した後、電源基板から付与されているRAMクリア信号のレベルを判別し、RAMクリア信号がLレベルである場合はRAM20Bの全領域を零クリアし、かつRAMクリア信号がHレベルである場合はRAM20Bに記憶されているバックアップデータの有効/無効を判別する。
これらの処理の実行完了に伴い、システムリセット処理が終了され、メイン処理(メインループの処理)を無限ループに入る。メイン処理の無限ループ中には、CPU30Aを割込み禁止状態にセットした状態で、各種のカウンタについて更新処理を実行し、その実行終了後にCPU30Aを割込許可状態に戻す。メイン処理の無限ループ中は、2(msec)毎に、マスク可能なタイマ割込処理が実行される。より詳しくは、CPU30Aでは、当該CPU30Aが割込許可状態にあることを条件に、2(msec)毎にメイン処理が中断され、タイマ割込処理が実行される。
図7は、主制御基板30におけるタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。タイマ割込処理について、図1、図5および図7を参照しつつ説明する。
タイマ割込処理が開始されると、CPU30Aのレジスタを保存することなく、速やかに異常電源チェック処理が実行される(ステップS1)。異常電源チェック処理では、主制御基板30に接続された電源基板(図示しない)から主制御基板30に供給されている電圧降下信号のレベルが判定される。この電圧降下信号のレベルが電源遮断を示すレベルであることが1または複数回のタイマ割込処理に跨って検出されると、その後バックアップ処理に移行する。
一方、電圧降下信号が電源遮断を示さないレベルであることが判定された場合は、遊技動作の時間を管理している各タイマ(タイマ48,49などを含む)について、タイマの減算(タイマ管理)が行われる(S2:タイマ管理処理)。
次いで、入力管理処理が実行される(ステップS3)。入力管理処理は、弾球遊技機1に設けられた各種センサの検出出力の内容(たとえば、各種検出センサがオンオフ信号を出力する場合にはオン状態かオフ状態か)を記憶したり、その信号に基づくデータを定期的に更新したりする処理である。各種センサとして、たとえば第1および第2特別図柄始動口入球センサ36,37、普通ゲート通過センサ38、大入賞口入球センサ39、普通入賞口入球センサ40などを例示することができる。
次いで、後述する普通図柄管理処理(ステップS7)における普通図柄判定で使用される当り判定用乱数カウンタ(図示しない)の値や、後述する第1および第2特別図柄管理処理(ステップS9,S10)における大当り判定用乱数判定処理で使用される大当り判定用乱数カウンタ(図示しない)の値が更新される(S4:タイマ割込内乱数管理処理)。
次いで、賞球払出装置50に遊技球を供給するための球供給機構(図示しない)に対する遊技球の補給停止の有無や遊技球の詰まりの有無を判定するエラー管理処理が行われる(ステップS5)。このエラー管理処理では、弾球遊技機1内部の異常発生の有無も判定されるようになっている。
次いで、入賞口(第1および第2特別図柄始動口18,29ならびに大入賞口20)への入球(入賞)に対し、入賞情報の確認および指令信号データの作成を行う賞球管理処理が行われる(ステップS6)。賞球管理処理では、払出個数を賞球払出装置50に指示するための指令信号データを、各入賞口18,29,20の払出数に基づいて作成する。
次いで、普通図柄管理処理が行われる(ステップS7)。この普通図柄管理処理では、遊技球の普通図柄ゲート17の通過に伴って、電動チューリップ役物19を拡開動作させるか否かを判定する普通図柄判定処理(前述の普通図柄抽選と同等)が実行される。より詳しくはステップS4のタイマ割込内乱数管理処理によって更新された普通図柄判定用乱数カウンタ(図示しない)から取得された普通図柄判定用乱数の値を普通図柄当り数値と対比する。
そして、普通図柄判定処理で普通図柄判定用乱数の値が普通図柄当り数値と一致する場合に、電動チューリップ役物19(図4参照)の拡開動作に向けた処理が実行されるとともに、その後、電動チューリップ役物19の拡開動作を実現するための普通電動役物管理処理が実行される(ステップS8)。普通電動役物管理処理では、次いで、電動チューリップ役物19の拡開動作が実行される。電動チューリップ役物19の拡開動作の実行時間は減算タイマからなる普通電動役物タイマ(図示しない)によって計時されており、この普通電動役物タイマの値が零になるまで、この拡開動作の実行が継続される。
次いで、第1特別図柄管理処理が行われる(ステップS9)。この第1特別図柄管理処理では、第1特別図柄始動口18(図4参照)への入球に伴う一連の抽選処理が実行される。
ステップS9の第1特別図柄管理処理の終了後、次いで、第2特別図柄管理処理が行われる(ステップS10)。この第2特別図柄管理処理では、第1特別図柄始動口18(図4参照)への入球に伴う一連の抽選処理が実行される。
第1または第2特別図柄管理処理に含まれる大当り判定用乱数判定処理において大当りであると判定された場合には、その後、大入賞口20(図4参照)の開放動作(大入賞口開閉板21(図4参照)の開閉動作)に向けた処理が実行され、その後大入賞口20の開放動作を実現するための処理が実行される(S11:特別電動役物管理処理)。
次いで、主制御基板30で管理する所定のランプ(遊技ランプ27等)に点灯動作や消灯動作を行わせるランプ管理処理が実行される(ステップS12)。
次いで、それぞれソレノイドからなる大入賞口開閉機構42(図5参照)を管理するソ レノイド管理処理が実行される(ステップS13)。
次いで、CPU30Aを割込許可状態に戻した後(ステップS14)、タイマ割込処理を終える。これにより、タイマ割込処理のルーチンを脱し、無限ループのメイン処理(システムリセット処理)が実行される。このメイン処理では、電圧異常の監視とタイマ割込処理の有無の監視との確認が行われる。
次に、図7のステップS7の普通図柄管理処理およびステップS8の普通電動役物管理処理についてより具体的に説明する。
RAM30Bには、普通図柄保留記憶エリア(図示しない)が設けられている。普通図柄保留記憶エリアは、普通図柄判定用乱数を最大でたとえば5つまで記憶可能である。具体的には、普通図柄保留記憶エリアには、普通図柄判定用乱数を記憶するための記憶領域が5つ設けられている。これらの記憶領域を、それぞれ第1領域、第2領域、第3領域、第4領域、第5領域ということにする。
第2領域〜第5領域の4つの領域は、実行が保留されている普通図柄判定用乱数を記憶するための領域である。第2領域〜第5領域を総称する場合には、「保留データ用領域」ということにする。普通図柄ゲート17を遊技球が通過したときには、普通図柄保留記憶エリア内の保留データ用領域に、普通図柄判定用乱数が記憶される。具体的には、第2領域が空であれば第2領域に普通図柄判定用乱数が記憶され、第2領域が空でなく第3領域が空であれば第3領域に普通図柄判定用乱数が記憶され、第2および第3領域が空でなく第4領域が空であれば第4領域に普通図柄判定用乱数が記憶され、第2〜第4領域が空でなく第5領域が空であれば第5領域に普通図柄判定用乱数が記憶される。
第1領域は、実行対象となっている普通図柄判定用乱数を記憶するための領域(以下において、「実行データ用領域」という場合がある)である。
普通図柄保留記憶エリア内の第2〜第4領域のうち、少なくとも第2領域に普通図柄判定用乱数が記憶されている場合には、電動チューリップ役物19が拡開動作中でないことを条件として、第2〜第5領域の記憶内容が、第1〜第4領域にそれぞれシフトされるとともに、第5領域が空にされる。そして、第1領域(実行データ用領域)にシフトされた普通図柄判定用乱数が実行される。
具体的には、その普通図柄判定用乱数値と普通図柄当り数値とに基づいて普通図柄抽選が実行されるとともに、その抽選結果に応じた普通図柄表示手段26の図柄変動動作が実行される。そして、普通図柄抽選に当選すると、普通図柄表示手段26における図柄変動動作の終了後、電動チューリップ役物19が拡開する。これにより、第2特別図柄始動口29が開放する。
なお、RAM30Bの普通図柄保留記憶エリアに対する普通図柄判定用乱数値の格納に代えて、取得した普通図柄判定用乱数値と普通図柄当り数値とに基づく普通図柄抽選の結果自体を格納するようにしてもよい。
図8は、ステップS9の第1特別図柄管理処理の流れを示すフローチャートである。
特別図柄管理処理において、CPU30Aは、まず、第1特別図柄始動口チェック処理を行う(ステップS21)。
図9は、第1特別図柄始動口チェック処理の流れを示すフローチャートである。以下、図4、図5、図8および図9を参照しつつ説明する。
RAM30B(図5参照)には、第1保留記憶エリア(図示しない)が設けられている。第1保留記憶エリアには、大当り判定用乱数、特別図柄用乱数、第1変動パターン用乱数および第2変動パターン用乱数(以上の各乱数をまとめて、「始動記憶」という。以下同じ)が最大でたとえば5つまで記憶可能である。具体的には、第1保留記憶エリアには、始動記憶を記憶するための記憶領域が5つ設けられている。これらの記憶領域を、それぞれ第1領域、第2領域、第3領域、第4領域、第5領域ということにする。
第2領域〜第5領域の4つの領域は、実行が保留されている始動記憶を記憶するための領域である。第2領域〜第5領域を総称する場合には、「保留データ用領域」ということにする。第1特別図柄始動口18に遊技球が入ったときには、第1保留記憶エリア内の保留データ用領域に、始動記憶が記憶される。具体的には、第2領域が空であれば第2領域に始動記憶が記憶され、第2領域が空でなく第3領域が空であれば第3領域に始動記憶が記憶され、第2および第3領域が空でなく第4領域が空であれば第4領域に始動記憶が記憶され、第2〜第4領域が空でなく第5領域が空であれば第5領域に始動記憶が記憶される。
第1保留記憶エリア内の保留データ用領域(第2〜第5領域)に記憶されている始動記憶の数(保留されている始動記憶の数)は、RAM30Bに設けられた第1特別図柄保留球数カウンタ(図示しない)に記憶される。第1領域は、実行対象となっている始動記憶を記憶するための領域(以下において、「実行データ用領域」という場合がある)である。第2領域に記憶されている始動記憶を実行させる際には、第2〜第5領域の記憶内容が、第1〜第4領域にそれぞれシフトされるとともに、第5領域が空にされる。そして、第1領域(実行データ用領域)にシフトされた始動記憶が実行される。
また、RAM30B(図5参照)には、第2保留記憶エリア(図示しない)が設けられている。第2保留記憶エリアには、大当り判定用乱数、特別図柄用乱数、第1変動パターン用乱数および第2変動パターン用乱数(以上の各乱数をまとめて、「始動記憶」という。以下同じ)が最大でたとえば5つまで記憶可能である。具体的には、第2保留記憶エリアには、始動記憶を記憶するための記憶領域が5つ設けられている。これらの記憶領域を、それぞれ第1領域、第2領域、第3領域、第4領域、第5領域ということにする。
第2領域〜第5領域の4つの領域は、実行が保留されている始動記憶を記憶するための領域である。第2特別図柄始動口29に遊技球が入ったときには、第2保留記憶エリア内の保留データ用領域に、始動記憶が記憶される。具体的には、第2領域が空であれば第2領域に始動記憶が記憶され、第2領域が空でなく第3領域が空であれば第3領域に始動記憶が記憶され、第2および第3領域が空でなく第4領域が空であれば第4領域に始動記憶が記憶され、第2〜第4領域が空でなく第5領域が空であれば第5領域に始動記憶が記憶される。
第2保留記憶エリア内の保留データ用領域(第2〜第5領域)に記憶されている始動記憶の数(保留されている始動記憶の数)は、RAM30Bに設けられた第2特別図柄保留球数カウンタ(図示しない)に記憶される。第1領域は、実行対象となっている始動記憶を記憶するための領域(以下において、「実行データ用領域」という場合がある)である。第2領域に記憶されている始動記憶を実行させる際には、第2〜第5領域の記憶内容が、第1〜第4領域にそれぞれシフトされるとともに、第5領域が空にされる。そして、第1領域(実行データ用領域)にシフトされた始動記憶が実行される。
図9において、第1特別図柄始動口18に遊技球が入球(入賞)したか否かが判別される(ステップS31)。この判別は、第1特別図柄始動口入球センサ36の検出出力に基づいて実行される。第1特別図柄始動口18に遊技球が入球したと判別された場合には(ステップS31でYES)、第1特別図柄保留球数カウンタの値(第1特別図柄保留球数)が所定の保留球数上限値(第1特別図柄保留球数MAX。たとえば4)に達している否かが判別される(ステップS32)。
第1特別図柄保留球数カウンタの値が保留球数上限値(特別図柄保留球数MAX)に達していない場合には(ステップS32でNO)、すなわち、第1特別図柄保留球数カウンタの値が3以下であれば、第1特別図柄保留球数カウンタの値が1だけインクリメント(+1)される(ステップS33)。
また、始動記憶(乱数)が取得されて、第1保留記憶エリア内の保留データ用領域に記憶される(ステップS34)。具体的には、CPU30Aは、大当り判定用乱数カウンタ(図示しない)から大当り判定用乱数を取得するとともに、特別図柄用乱数カウンタ(図示しない)から特別図柄用乱数を取得し、大当り判定用乱数および特別図柄用乱数を第1保留記憶エリア内の保留データ用領域に格納する。また、CPU30Aは、第1変動パターン用乱数カウンタ(図示しない)から第1変動パターン用乱数を取得するとともに、第2変動パターン用乱数カウンタ(図示しない)から第2変動パターン用乱数を取得し、第1および第2変動パターン用乱数を、第1保留記憶エリア内の保留データ用領域に格納する。この後、図8のステップS22に移行する。
なお、第1保留記憶エリアに対する大当り判定用乱数の格納に代えて、取得した大当り判定用乱数を予め定める大当り数値と比較判定することによる大当り抽選の結果自体を格納するようにしてもよい。
ステップS31で第1特別図柄始動口18に遊技球が入球したと判別されなかった場合(ステップS31でNO)またはステップS32で、第1特別図柄保留球数カウンタの値が保留球数上限値(保留球数MAX)に達していると判別された場合(ステップS32でYES)には、そのまま図8のステップS22に移行する。
図8に戻り、ステップS22では、CPU30Aは、RAM30B内に設けられた小当り中フラグ(図示しない)の値を参照して、弾球遊技機1が小当り遊技中であるか否かを調べる。
この弾球遊技機1では、小当り遊技が実行されているときには、小当り中フラグ(2バイト構成)のフラグ値がたとえば「5A[H]」に設定され、小当り遊技が実行されていないときには、小当り中フラグのフラグ値がたとえば「00[H]」に設定されるようになっている。
ステップS23では、CPU30Aは、RAM30B内に設けられた大当り中フラグ(図示しない)の値を参照して、弾球遊技機1が特別利益状態の実行中であるか否かを調べる。
この弾球遊技機1では、特別利益状態が実行されているときには、大当り中フラグ(2バイト構成)のフラグ値がたとえば「5A[H]」に設定され、特別利益状態が実行されていないときには、大当り中フラグのフラグ値がたとえば「00[H]」に設定されるようになっている。
弾球遊技機1が小当り遊技の実行中または特別利益状態の実行中である場合には(ステップS22またはS23でYES)、ステップS29に移行する。ステップS29では、第1特別図柄表示手段22の表示に用いられる第1特別図柄表示データの更新処理が実行される。そして、図7のステップS10に移行する。
一方、弾球遊技機1が小当り遊技の実行中でなく、かつ特別利益状態の実行中でない場合には(ステップS22およびS23でNO)、第1特別図柄動作ステータスが判別される。第1特別図柄動作ステータスの値が、第1特別図柄変動動作が停止中であることを示す値(たとえば「00[H]」または「01[H]」)である場合には(ステップS24でYES)、CPU30Aは第1特別図柄変動開始処理を実行する(ステップS26)。
ステップS26の第1特別図柄変動開始処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ(図示しない)の値が零であるか否かが判別され、第1特別図柄保留球数カウンタの値が零で あれば、第1特別図柄保留球数カウンタの値が零であるか否かが判別される。第1特別図柄保留球数カウンタの値が零である場合には、第1特別図柄動作ステータスの値が「00[H]」に設定される。そして、ステップS29の第1特別図柄表示データの更新処理が行なわれた後、図7のステップS10に移行する。
第1特別図柄保留球数カウンタの値が零でないとき(1以上のとき)には、第1特別図柄の変動動作を開始させるための処理が実行される。すなわち、第1特別図柄保留球数カウンタの値が1だけデクリメント(−1)されるとともに、第1保留記憶エリア内の保留データ用領域(第2領域〜第5領域)の内容が、それぞれ第2保留記憶エリアの第1領域〜第4領域にシフトされる。これにより、第1保留記憶エリア内の第2領域に記憶されていた始動記憶が実行データ用領域(第1領域)に記憶される。この後、第1保留記憶エリア内の第5領域の内容が空にされる。
そして、第1保留記憶エリア内の実行データ用領域に記憶された始動記憶に含まれる大当り判定用乱数の値と大当り数値とが比較されることにより、特別利益状態が実行される大当りか否かが判定される(大当り判定)。
一方、第1特別図柄保留球数カウンタ(図示しない)の値が零であり、第1特別図柄保留球数カウンタの値が零でないとき(1以上のとき)には、第1特別図柄の変動動作を開始させるための処理が実行される。すなわち、第1特別図柄保留球数カウンタの値が1だけデクリメント(−1)されるとともに、第1保留記憶エリア内の保留データ用領域(第2領域〜第5領域)の内容が、それぞれ第1保留記憶エリアの第1領域〜第4領域にシフトされる。これにより、第1保留記憶エリア内の第2領域に記憶されていた始動記憶が実行データ用領域(第1領域)に記憶される。この後、第1保留記憶エリア内の第5領域の内容が空にされる。
そして、第1保留記憶エリア内の実行データ用領域に記憶された始動記憶に含まれる大当り判定用乱数の値と大当り数値とが比較されることにより、特別利益状態が実行される大当りか否かが判定される(大当り判定)。
大当り判定が行なわれた場合には、大当り判定の結果および始動記憶に含まれる第1特別図柄用乱数の値に基づいて、第1特別図柄変動動作の後に第1特別図柄表示手段22に停止表示すべき第1特別図柄が決定される。また、大当り判定の結果ならびに始動記憶に含まれる第1および第2変動パターン用乱数の値に基づいて、液晶表示ユニット15における演出図柄の変動動作の態様である変動パターンが決定される。主制御基板30において決定された変動パターンは、変動パターン指令信号を介して演出制御基板31に付与される。これにより、液晶表示ユニット15において、演出図柄の変動動作が開始される。
さらに、第1特別図柄の変動時間等を計時するための第1特別図柄動作タイマ(図示しない)に変動時間がセットされる。第1特別図柄動作タイマは、減算型のタイマである。また、第1特別図柄動作ステータスの値が、第1特別図柄変動動作が開始されたことを示す値(たとえば「02[H]」に設定される。第1特別図柄変動開始処理が終了すると、ステップS29に移行し、第1特別図柄表示データの更新処理が実行される。そして、図7のステップS10に移行する。
ステップS24において、第1特別図柄動作ステータスの値が、第1特別図柄変動動作が停止中であることを示す値(たとえば「00[H]」または「01[H]」)でないと判別された場合には(ステップS24でNO)、第1特別図柄動作ステータスの値が、第1特別図柄変動動作が開始されたことを示す値(たとえば「02[H]」)であるか否かが判別される(ステップS25)。
第1特別図柄動作ステータスの値が、第1特別図柄変動動作が開始されたことを示す値(たとえば「02[H]」)であると判別された場合には(ステップS25でYES)、CPU30Aは第1特別図柄変動中処理を実行する(ステップS27)。
第1特別図柄変動中処理においては、第1特別図柄動作タイマの値が零になったか否かが監視される。そして、第1特別図柄動作タイマの値が零になると、第1特別図柄変動動作を停止させる処理が実行されるともに、第1特別図柄動作タイマに所定時間(たとえば500msec)がセットされる。また、第1特別図柄動作ステータスの値が、第1特別図柄変動動作を停止すべき状態になったことを示す値(たとえば「03[H]」)に設定される。第1特別図柄変動中処理が終了すると、ステップS29に移行し、第1特別図柄表示データの更新処理が実行される。そして、図7のステップS10に移行する。
ステップS25において、第1特別図柄動作ステータスの値が、第1特別図柄変動動作が開始されたことを示す値(たとえば「02[H]」)でないと判別された場合には(ステップS25でN0)、CPU30Aは、第1特別図柄動作ステータスの値が、第1特別図柄変動中処理において第1特別図柄変動動作を停止すべき状態になったことを示す値(たとえば「03[H]」)であると判断し、第1特別図柄確認時間中処理を実行する(ステップS28)。
第1特別図柄確認時間中処理においては、第1特別図柄動作タイマの値が零になったか否かが監視される。そして、第1特別図柄動作タイマの値が零になると、第1特別図柄動作ステータスの値が「01[H]」に設定される等の処理が行われる。なお、大当り判定の結果が大当りの場合には、前述した大当り中フラグの値が「5A[H]」に設定される。第1特別図柄確認時間中処理終了すると、ステップS29に移行し、第1特別図柄表示データの更新処理が実行される。そして、図7のステップS10に移行する。第1特別図柄確認時間中処理において、大当り中フラグの値が「5A[H]」に設定された場合には、図7のステップS10の特別電動役物管理処理では、特別利益状態を実現させるための処理が実行される。
図7に戻って、ステップS10に示す第2特別図柄管理処理は、ステップS9の第1特別図柄管理処理(図8参照)と同等の処理である。第2特別図柄管理処理では、第1特別図柄管理処理についての前述の説明において、第1特別図柄と第2特別図柄とを入れ替えた内容の処理が実行される(図8および図9に括弧書きで示す)。
図7のステップS11に示す特別電動役物管理処理では、今回の大入賞口開閉板21(図4参照)の開放動作が、特別利益状態に対応するのか、あるいは小当り遊技に対応するのかが調べられる。そして、今回の大入賞口開閉板21(図4参照)の開放動作が小当り遊技に対応する場合には、小当り遊技が実行されて、その後、特別電動役物管理処理はリターンされる。
一方、前述した大当り中フラグの値が「5A[H]」である場合、特別利益状態の実行を行うために、次いで、特別電動役物動作ステータス(図示しない)の値が調べられる。
特別電動役物動作ステータスは、たとえば00[H]、01[H]、02[H]、03[H]、04[H]および05[H]の値を示し、特別利益状態の進行度合いが進むにつれて、その値が大きくなる。特別電動役物動作ステータスの内容がたとえば00[H]である場合、ファンファーレ等の実行など特別利益状態の開始のための処理(大当り開始処理)が実行される。また、特別電動役物動作ステータスの内容が01[H]である場合、大入賞口開閉板21(図4参照)の開放動作開始のための処理(特別電動役物作動開始処理)が実行される。また、特別電動役物動作ステータスの内容が02[H]または03[H]である場合、大入賞口開閉板21(図4参照)が開放動作する処理(特別電動役物作動中処理)が実行される。また、特別電動役物動作ステータスの内容がたとえば04[H]であると、大入賞口開閉板21(図4参照)の開閉動作を継続するか否かの判定処理(特別電動役物作動継続判定処理)が実行される。また、特別電動役物動作ステータスの内容がたとえば05[H]である場合、特別利益状態を終了するための処理(大当り終了処理)が実行される。そして、図7のステップS12に移行する。
図10Aは、液晶表示ユニット15に表示される演出の流れを示す図である。図10B〜図10Eは、ボタン演出モードに関連して液晶表示ユニット15に表示される画像を示す図である。
図10Aおよび図10Bを併せて参照しつつ、第1または第2特別図柄表示手段22,23の図柄変動動作中に、液晶表示ユニット15に表示される演出図柄について説明する。
図10Bに示すように、液晶表示ユニット15の表示画面内には、たとえば3つの図柄表示位置15L,15C,15Rが左右に並んで設定されている。そして、第1または第2特別図柄表示手段22,23の図柄変動動作中は、3つの図柄表示位置15L,15C,15Rにおいて、複数種類の演出図柄(数字(たとえば「0」〜「9」)がたとえば上方から下方に向けてスクロール表示されることにより、演出図柄の変動動作が行われる。
図10Aに示すように、演出図柄の変動動作には、第1の変動動作と、第2の変動動作と、第3の変動動作とがある。第1の変動動作は、いわゆるリーチ状態を経ないで、3つの図柄表示位置15L,15C,15Rにはずれ用の演出図柄が表示される変動動作である。リーチ状態とは、演出図柄がたとえば左側の図柄表示位置15L、右側の図柄表示位置15R、中央の図柄表示位置の順に停止する場合には、左側および右側の2つの図柄表示位置15L,15Rに停止した図柄の組み合わせが大当りの可能性がある組み合わせ(たとえば、同じ図柄の組み合わせである場合)になった状態をいう。
第2の変動動作および第3の変動動作は、リーチ状態を経た後に、3つの図柄表示位置15L,15C,15Rに大当り用の演出図柄またははずれ用の演出図柄が表示される変動動作である。
より具体的には、第2の変動動作は、ノーマルリーチNRを経た後に、3つの図柄表示位置15L,15C,15Rに大当り用の演出図柄またははずれ用の演出図柄が表示される変動動作である。ノーマルリーチNRとは、たとえば、残り1つの図柄表示位置(たとえば15C)における演出図柄(最終停止図柄)がゆっくりとほぼ一定の速度で変動した後に停止するようなリーチである。
第3の変動動作は、ノーマルリーチNRおよびスーパーリーチSRを順に経た後に、3つの図柄表示位置15L,15C,15Rに大当り用の演出図柄またははずれ用の演出図柄が表示される変動動作である。
また、第1〜第3の変動動作は、それぞれ、予告演出PNが実行される変動動作と、予告演出が実行されない変動動作とを含む。予告演出PNが行われる場合、第1〜第3の変動動作において、たとえばリーチ状態の成立前に予告演出PNが実行される。図10Aでは、第3変動動作でかつ予告演出PNが実行される場合を例に示している。
図11は、演出制御基板31において実行される演出抽選処理の流れを示すフローチャートである。図12は、演出抽選処理に含まれるボタン演出モードの流れを示すフローチャートである。
図5、図6、図10B〜図10E、図11および図12を参照して、演出抽選処理、とくにボタン演出モードの流れを説明する。
図11に示すように、主制御基板30からの予め定められた変動パターン指令信号、たとえば所定のスーパーリーチの実行のための変動パターン指令信号が演出制御基板31に入力されたときには、CPU31Aは、演出種別抽選を実行する(ステップS101)。この演出種別抽選でボタン演出モードが選択された場合(ボタン演出モード当選。ステップS102でYES)には、CPU31Aは、ボタン演出処理を実行するためにステップS103に移行する。一方、ボタン演出モード以外の演出モードが選択された場合には(ステップS102でNO)、CPU31Aは、それに対応した演出処理を実行する(ステップS105)。
以下、演出種別抽選でボタン演出モードが選択された場合について説明する。ステップS103では、予め設定されているボタン演出モード期間(たとえば30.0(sec))が残期間タイマ49にセットされる(ステップS103)。その後、ボタン演出処理が実行される(ステップS104)。このボタン演出処理の開始に合わせて、残期間タイマ49による計時、すなわち残期間タイマ49の減算が開始される。
図10Bに示すように、ボタン演出処理が実行される直前には、液晶表示ユニット15に、たとえば演出図柄のリーチ状態を示す画像が表示されている。ボタン演出処理の実行開始に先立って、この液晶表示ユニット15の表示が、演出図柄のリーチ状態を示す画像(図10B参照)から、ボタン演出モードで演出(この実施形態ではストラックアウト演出)に突入する旨を予告するボタン演出モード予告画像(図示しない)に切り換えられる。
図10Cに示すように、ボタン演出処理が開始されたときには、ボタン演出モードの開始を遊技者に報知するボタン演出モード開始画像(図10C参照)が液晶表示ユニット15に表示される。なお、図10Cでは、液晶表示ユニット15の画面に、ボタン演出モード開始画像のみが示されているが、ボタン演出モード開始画像に、演出図柄の変動動作を示す画像が併せて表示されていてもよい。
次いで、図10Dに示すように、ボタン演出モード中であることを遊技者に報知するボタン演出モード中画像(図10D参照)が、背景画像として液晶表示ユニット15に表示される。このボタン演出モード中画像は、登場人物56(投手)が、パネル枠表示部55のたとえば3×3配置の計9枚のパネルを、投球で打ち抜くようなストラックアウト演出が行われる。なお、ボタン演出モード中画像には、第1演出ボタン12の操作を促す旨のメッセージや画像が含まれていてもよい。なお、図10Dでは、液晶表示ユニット15の画面に、ボタン演出モード中画像のみが示されているが、ボタン演出モード中画像に、演出図柄の変動動作を示す画像が併せて表示されていてもよい。
図12に示すように、ボタン演出処理では、まず、CPU31Aは、ボタン演出モード開始画像(図10C参照)を液晶表示ユニット15に表示させるための演出情報を、液晶表示制御基板34に送信する(ステップS111)。これにより、ボタン演出モード開始画像が液晶表示ユニット15に表示される。
この後、CPU31Aは、ボタン演出モード中画像(図10D参照)を、ボタン演出モードの全期間にわたって、背景画像として液晶表示ユニット15に表示させるための演出情報を、液晶表示制御基板34に送信する(ステップS112)。これにより、ボタン演出モード中画像が背景画像として液晶表示ユニット15に表示される。
次に、CPU31Aは、ボタン演出モード期間が終了したか否かを判別する(ステップS113)。この判別は、残期間タイマ49の値が零であるか否かに基づいて、実行される。
ボタン演出モード期間が終了していないと判別された場合(残期間タイマ49の値が零でない場合)には(ステップS113でNO)、CPU31Aは、第2演出ボタン13が操作されたか否かを判別する(ステップS114)。
第2演出ボタン13が操作されたか否かの判別は、第2演出ボタン13の出力信号に基づいて実行される。第2演出ボタン13の出力信号は、たとえば、常時はLレベルであり、第2演出ボタン13が押されているときにはHレベルになるものとする。ステップS115では、たとえば、CPU31Aは、第2演出ボタン13の出力信号がHレベルであるか否かを判定し、第2演出ボタン13の出力信号がHレベルであれば、第2演出ボタン13が操作された(第2演出ボタン13の操作が受け付けられた)と判別する。なお、たとえば、ボタン演出モード中において、図12のステップS113以降の処理が2(msec)の演算周期ごとに実行されるとすると、第2演出ボタン13の出力信号が10(msec)以上にわたってHレベルを維持しているときに、第2演出ボタン13が操作されたと判別されるようになっていてもよい。
第2演出ボタン13が操作されたと判別されたときには(ステップS114でYES)、次いで、CPU31Aは、リセット回数を計時するためのリセット回数カウンタ(図示しない)の値を参照して、そのボタン演出モードにおける第2演出ボタン13の操作回数(リセット回数)を調べる(ステップS115)。
第2演出ボタン13が操作されたと判別された場合において、ボタン演出モードにおける第2演出ボタン13の操作が2回目以内の操作であるときには(ステップS115でYES)、そのボタン演出モードにおける演出動作がリセットされる。具体的には、CPU31Aは、進行度合い記憶部46の値をゼロクリアさせ、かつ受付禁止期間計時タイマ48の値をゼロクリアさせるとともに(ステップ116)、CPU31Aは、残期間タイマ49に30.0(sec)の値を再度セットし(ステップ117)、かつリセット回数を計数するためのリセット回数カウンタ(図示しない)の値をインクリメント(+1)させる(ステップ118)。さらに、CPU31Aは、ボタン演出モード中画像(図10D参照)を再スタート(初期化)させるための信号を、液晶表示制御基板34に送信する(ステップS119)。これにより、液晶表示ユニット15において、ボタン演出モード中画像の最初の画面からの表示が実行される。
ステップS114において第2演出ボタン13が未操作であると判別された場合には(ステップS114でNO)、CPU31Aは、次いで、受付禁止期間計時タイマ48の値が零であるか否かを判別する(ステップS120)。受付禁止期間計時タイマ48の値の初期値は予め定める値(たとえば2.0(sec))に設定されている。受付禁止期間計時タイマ48は、次に述べるステップS121において第1演出ボタンが操作されたときに、第1受付禁止期間の計時を開始し、第1受付禁止期間が経過すると受付禁止期間計時タイマ48の値が零となる。受付禁止期間計時タイマ48の値となると、受付禁止期間計時タイマ48は、その後に第1受付禁止期間がセットされるまで零の値を保持する。
ステップS120において、受付禁止期間計時タイマ48の値が零でない場合には(ステップS120でNO)、CPU31Aは、第1演出ボタン12の操作の受付が禁止されている状態(第1受付禁止状態)であると判断し、ステップS113に戻る。但し、この第1受付禁止状態中においても、第2演出ボタン13の操作の受付は許容されている。
一方、受付禁止期間計時タイマ48の値が零である場合には(ステップS120でYES)、CPU31Aは、第1演出ボタン12の操作の受付が許容されている状態であると判断する。むろん、この状態において、第1演出ボタン12の操作の受付だけでなく、第2演出ボタン13の操作の受付も許可されている。そして、CPU31Aは、第1演出ボタン12が操作されたか否かを判別する(ステップS121)。
第1演出ボタン12が操作されたか否かの判別は、第1演出ボタン12の出力信号に基づいて実行される。第1演出ボタン12の出力信号は、たとえば、常時はLレベルであり、第1演出ボタン12が押されているときにはHレベルになるものとする。ステップS115では、たとえば、CPU31Aは、第1演出ボタン12の出力信号がHレベルであるか否かを判定し、第1演出ボタン12の出力信号がHレベルであれば、第1演出ボタン12が操作された(第1演出ボタン12の操作が受け付けられた)と判別する。なお、たとえば、ボタン演出モード中において、図12のステップS113以降の処理が2.0(msec)の演算周期ごとに実行されるとすると、第1演出ボタン12の出力信号が10.0(msec)以上にわたってHレベルを維持しているときに、第1演出ボタン12が操作されたと判別されるようになっていてもよい。
ステップS121において、第1演出ボタン12が操作されていないと判別された場合には(ステップS121でNO)、CPU31AはステップS113に戻る。一方、ステップS121において、第1演出ボタン12が操作されたと判別された場合には(ステップS121でYES)、CPU31Aはボタン抽選を実行する(ステップS122)。具体的には、CPU31Aはボタン抽選用乱数カウンタ47からボタン抽選用乱数を取得し、取得したボタン抽選用乱数とボタン抽選テーブル45に記憶されている当選用数値とを比較する。そして、両者が一致すればCPU31Aはボタン抽選に当選したと判別し、両者が不一致であればボタン抽選に落選したと判別する。
ボタン抽選に当選したと判別された場合には(ステップS123でYES)、CPU31Aは、演出内容を「当選演出」に決定する(ステップS124)。また、CPU31Aは、メモリ31B内の進行度合い記憶部46に記憶されている進行度値を1だけインクリメント(+1)する(ステップS125)。なお、ボタン演出処理の開始時には、進行度合い記憶部46内の進行度値は零にされている。
次に、CPU31Aは、進行度値を参照する(ステップS126)。
進行度合い記憶部46内の進行度値が「0」→「1」に移行する場合は、パネル枠表示部55においてパネルが1枚も抜かれていない状態からパネルが1枚抜かれるような演出が実行される。また、進行度合い記憶部46内の進行度値が「1」→「2」に移行する場合は、パネル枠表示部55においてパネルが1または複数枚抜かれている状態からパネルが1枚抜かれ、その結果、残りの一つのパネルが抜かれることにより縦・横・斜めのいずれかの列が揃うリーチが成立するような演出が実行される。また、進行度合い記憶部46内の進行度値が「2」→「3」に移行する場合は、パネル枠表示部55においてリーチが成立している状態から残り1枚のパネルが抜かれ、その結果、縦・横・斜めのいずれかの列が揃う「ビンゴ」が成立するような演出が実行される。
ステップS126において、進行度値が「3」に達したと判別されたときには(ステップS126でYES)、CPU31Aは、それに応じた「当選演出」を実行させるために、「当選演出」を示す情報および進行度合い記憶部46内の進行度値(この場合は「3」)を含む演出情報を、液晶表示制御基板34に送信する(ステップ129)。そして、CPU31Aはボタン演出処理を終了する。
その後、CPU31Aは、液晶表示ユニット15において「特別演出」(図10E参照。大当り成立演出)を実行させる。「特別演出」の実行後、特別利益状態が実行される。これに対し、ステップS126において、進行度値が「3」に達していないときには(ステップS126でNO)、CPU31Aは、それに応じた「当選演出」を実行させるために、「当選演出」を示す情報および進行度合い記憶部46内の進行度値(この場合は「1」または「2」の値)を含む演出情報を、液晶表示制御基板34に送信する(ステップ127)。
一方、ステップS122のボタン抽選の結果、ボタン抽選に落選した場合には(ステップS122でNO)、CPU31Aは、演出内容を「はずれ演出」に決定する(ステップS130)。そして、CPU31Aは、「はずれ演出」を実行させるために、「はずれ演 出」を示す情報および進行度合い記憶部46内の進行度値を含む演出情報を液晶表示制御基板34に送信する(ステップ131)。
これにより、液晶表示制御基板34によって「はずれ演出」が実行される。この実施形態では、「はずれ演出」は進行度合い記憶部46内の進行度値によって異なる。進行度値が「0」であるときの「はずれ演出」は、パネル枠表示部55において、登場人物56が投げた球がパネル枠表示部55の側方または上下方を通過するような演出である。進行度値が「1」であるときの「はずれ演出」は、パネル枠表示部55において、登場人物56が投げた球が、パネル枠表示部55の側方または上下方を通過したり、「リーチ」成立とは無関係のパネルが抜かれたりするような演出である。進行度値が「2」であるときの「はずれ演出」は、パネル枠表示部55において、登場人物56が投げた球が、パネル枠表示部55の側方または上下方を通過したり、「ビンゴ」成立とは無関係のパネルが抜かれたりするような演出である。
ステップS113において、ボタン演出モード期間が終了したと判別された場合(残期間タイマ49の値が零である場合)には(ステップS113でYES)、CPU31Aは、ボタン演出モード期間が終了したことを示す情報(演出モード期間終了情報)を、液晶表示制御基板34に送信する(ステップS133)。そして、CPU31Aは、ボタン演出処理を終了する。
ステップS133で演出モード期間終了情報が液晶表示制御基板34に送信されると、液晶表示制御基板34によって、ボタン演出モード中画像(図10D参照)が消去された後に、リーチ外れの演出図柄の組み合わせが液晶表示ユニット15に表示される。
図13は、ボタン演出モード中の一連の流れを示すタイミングチャートである。
ボタン演出モードが開始されると、まず、ストラックアウト演出の実行を報知するための画像(図示しない)が表示され、その後、ボタン演出モード中画像(図10D参照)が表示される。このボタン演出モード中画像は、ボタン演出モード期間にわたって(ボタン演出処理が終了するまで)表示される。
前述のように、ボタン演出モード中には、原則的には、第1演出ボタン12および第2演出ボタン13の操作の受付が許可された状態にされている。しかしながら、ボタン演出モード中において、第1演出ボタン12の操作が一旦受け付けられると、その直後から第1演出ボタン12の操作の受付が禁止される状態にされる。第1演出ボタン12の操作の受付から、所定時間(たとえば2.0(sec))が経過すると、第1演出ボタン12および第2演出ボタン13の操作の受付が許可された状態に復帰させられる。第1演出ボタン12の操作の受付が許可された状態において、第1演出ボタン12が操作されると、ボタン抽選が実行される。
また、ボタン演出モードでは、当該ボタン演出モードの開始直後から、第2演出ボタン13の操作の受付が許可された状態とされており、第2演出ボタン13が操作されると、ボタン演出モードの演出動作がリセットされる。ボタン演出モード中において、第2演出ボタン13の操作に基づく演出動作のリセットが2回実行された後は、第2演出ボタン13の操作の受付が禁止された状態にされる。
演出動作のリセットの結果、進行度合い記憶部46の値がゼロクリアされるとともに、ボタン演出モード期間を管理するための残期間タイマ49の値が30.0(sec)に再度セットされる。すなわち、残期間タイマ49による計時が再び最初からやり直される。そのため、ボタン演出モード期間長さを、当初設定されているボタン演出モード期間長さよりも延ばすことができる。具体的には、当初のボタン演出モード期間長さは30.0(sec)に設定されているが、第2演出ボタン13の操作による前述のような演出動作のリセット操作が2回まで許容されているので、ボタン演出モード期間長さを、最大90.0(sec)まで延ばすことが可能である。
図13に図10Dを併せて参照して、1回目の演出動作では、登場人物56による6球目の投球動作が終了した時点(第1演出ボタン12の操作が6回受け付けられた時点)で、「特別演出」への移行を諦めた遊技者が第2演出ボタン13を操作するとする。この場合、1回目の演出動作が終了して2回目の演出動作が開始される。また、2回目の演出動作では、登場人物56による8球目の投球動作が終了した時点(第1演出ボタン12の操作が8回受け付けられた時点)で、「特別演出」への移行を諦めた遊技者が第2演出ボタン13を操作することにより、2回目の演出動作が開始される。3回目の演出動作では、当該演出動作の開始から30.0(sec)を経過するのに先立って12球目の投球動作が終了し、ボタン演出モードが終了する。
以上によりこの実施形態によれば、ボタン演出モードにおいて第2演出ボタン13が操作されると、残りのボタン演出モード期間が延長される。したがって、第2演出ボタン13の操作により、ボタン演出モードの全体の期間長さを延ばすことができる。
また、ボタン演出モードにおいて第2演出ボタン13が操作されると、残りのボタン演出モード期間が延長されるだけでなく、進行度合い記憶部46の記憶内容がクリアされ、その結果実行中の演出動作がリセットされる。したがって、ボタン演出モードにおける第2演出ボタン13の操作によって、実行中の演出動作のリセットと、ボタン演出モードの全体の期間長さの延長とを同時に行わせることができる。
図14は、本発明の他の実施形態に係るボタン演出モード中の一連の流れを示すタイミングチャートである。
この図14に示す実施形態が、図1〜図13に示す実施形態と相違する点は、第2演出ボタン13が操作されると演出動作のリセットを行うだけでなく、第2演出ボタン13の操作を契機として第1演出ボタン12の操作の受付および第2演出ボタン13の操作の受付の双方が禁止される双方受付禁止期間を設けるようにした点である。換言すると、双方受付禁止期間とは、前述の第1受付禁止期間と前記第2受付禁止期間とが重なる期間である。この双方受付禁止期間の長さは一定(たとえば10.0(sec)。第2時間)に設定されている。
図14に図10Dを併せて参照して、1回目の演出動作では、登場人物56による6球目の投球動作が終了した時点(第1演出ボタン12の操作が6回受け付けられた時点)で、「特別演出」への移行を諦めた遊技者が第2演出ボタン13を操作するとする。この第2演出ボタン13の操作タイミングを、ボタン演出モードの20.0(sec)経過した時点であるとする。
第2演出ボタン13の操作により、1回目の演出動作が終了して2回目の演出動作が開始される。また、第2演出ボタン13の操作により、図12のステップS116〜S119の各処理が実行されて、演出動作のリセットが行われる。さらに、第2演出ボタン13の操作が受け付けられると、その直後から第1演出ボタン12の操作の受付および第2演出ボタン13の操作の受付の双方が禁止される状態(双方付禁止状態)にされる。このような双方付禁止状態は、ボタン演出モードの30.0(sec)経過した時点まで続行する。
この双方受付禁止期間では、その全期間にわたって、液晶表示ユニット15において、待機演出が行われるようになっている。待機演出の一例として、登場人物56が投球前のウォーミングアップ動作を行っている映像(たとえば2.5(sec)の長さ)が繰り返し流される。なお、双方受付禁止期間の長さは、たとえば、ウォーミングアップ動作を行っている映像の一回分の長さの自然数倍の長さに設定されている。そのため、このような映像の途中で次のボタン演出ボードに移行する事態を未然に回避することができる。
図14に示す実施形態では、双方受付禁止期間における液晶表示ユニット15の表示内容が、他のボタン演出モードにおける表示内容と異なるので、遊技者はボタン演出モードが中断されているような印象を受ける。そのため、双方受付禁止期間の経過後に実行されるボタン演出モードは、「追加された新たなボタン演出モード」であると認識するようになる。換言すると、図14に示す実施形態では、ボタン演出モードにおいて第2演出ボタン13が操作されることにより、ボタン演出モード期間が新たに追加される。
以上により、図14に示す実施形態によれば、ボタン演出モードにおいて第2演出ボタン13が操作されると、ボタン演出モード期間が新たに追加される。したがって、第2演出ボタン13の操作によって、ボタン演出モードの全体の期間長さを延ばすことができる。
また、ボタン演出モードにおいて第2演出ボタン13が操作されると、ボタン演出モード期間が新たに追加されるだけでなく、進行度合い記憶部46の記憶内容がクリアされ、その結果実行中の演出動作がリセットされる。したがって、ボタン演出モードにおける第2演出ボタン13の操作によって、実行中の演出動作のリセットと、ボタン演出モードの全体の期間長さの延長とを同時に行わせることができる。
また、双方受付禁止期間において、液晶表示ユニット15で待機演出が行われる。これにより、前後のボタン演出モードを違和感なくつなぐことができる。
また、双方受付禁止期間が一定期間(たとえば10.0(sec))にされているので、待機演出のパターンとして、少数種類のパターンを用意しておけば足りる。そのため、演出ボリュームを抑えることができる。しかも、図14に示す実施形態においては、待機演出の演出画像が、1つのパターン映像の繰り返し映像によって構成されるので、演出ボリュームを、より効果的に抑えることができる。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、本発明は他の形態で実施するこ ともできる。
たとえば、ボタン演出モード中に、第1および第2演出ボタン12,13の双方を同時に操作することにより(第2演出ボタン13の押下状態で第1演出ボタン12を押下することにより)、ボタン演出モードから離脱(キャンセル)できるようになっていてもよい。
また、前述の各実施形態では、ボタン演出モードにおいて、その開始当初から第2演出ボタン13の操作の受付が許可された状態にされているとして説明したが、ボタン演出モードの開始直後は、第2演出ボタン13の操作の受付が禁止された状態であり、所定の条件が成立した後に、第2演出ボタン13の操作の受付が許可された状態とされるようになっていてもよい。具体的には、ボタン演出モードの開始後所定時間(たとえば15.0(sec))が経過したことを条件として第2演出ボタン13の操作の受付が許可されてもよいし、ボタン演出モードの開始後第1演出ボタン12が所定回数操作されたことを条件として第2演出ボタン13の操作の受付が許可されてもよい。
また、図14に示す実施形態において、双方受付禁止期間の終了タイミング(すなわち、待機演出の実行終了タイミング)が、双方受付禁止期間の開始から予め定める期間(たとえば10.0(sec))が経過したタイミングである場合を例に挙げたが、双方受付禁止期間の終了タイミング(すなわち、待機演出の実行の終了タイミング)を、ボタン演出モードの開始から予め定める期間が経過したタイミングにしてもよい。
この場合、双方受付禁止期間の長さが30.0(sec)であることが望ましい。前述のように、1回のボタン演出モードの期間長さは30.0(sec)に設定されている。そのため、この場合には、ボタン演出モードの全期間の長さを、30.0(sec)の自然数倍に設定することも可能である。したがって、特別図柄の変動パターンの長さを、30.0(sec)や、30.0(sec)の自然数分の1に設定する場合には、ボタン演出モードの全期間の長さを、特別図柄の変動パターンに対応させ易くすることが可能である。
また、図14に示す実施形態において、双方受付禁止期間の全期間にわたって待機演出を行うのでなく、双方受付禁止期間の一部の期間のみ待機演出を行うようにしてもよい。具体的には、第2演出ボタン13が操作されたタイミング(たとえばボタン演出モードの開始から15.0(sec)経過した時点)でリセット受付を表す効果音のみを出力し、その後、ボタン演出モードの開始から20.0(sec)経過した時点で待機演出の実行を開始するようにしてもよい。
また、図14に示す実施形態において、双方受付禁止期間の液晶表示ユニット15において、待機演出を行わないようにしてもよい。とくに、ボタン演出モードで実行される演出動作が、ストラックアウト演出のような長い演出動作でなく、短い演出動作(登場人物(すなわち、待機演出の実行)が会話するような動作)である場合には、待機演出を省略することもできる。
また、前述の各実施形態では、第1演出ボタン12の操作が受け付けられたときにはボタン抽選を行い、ボタン抽選結果に基づいて実行すべき演出内容を決定しているが、演出ボタンの操作が受け付けられたときに実行すべき演出内容を予め設定しておいてもよい。その場合には、ボタン抽選は不要である。
また、前記の各実施形態では、特別演出として大当り成立演出を例に挙げたが、たとえば、ボタン演出モードが予告演出PN(図10A参照)として用いられる場合には、特別演出として他のリーチや予告の実行を採用することもできる。
その他、大当り成立後における確率変動大当りに昇格する昇格演出、大当り成立時の大当り演出、確率変動大当り遊技を確定する確率変動大当り確定演出、ラウンド数の多い大当り遊技を確定する高ラウンド大当り確定演出などを特別演出として採用することができる。
また、受付禁止期間計時タイマ48や残期間タイマ49として加算型のタイマを採用してもよいのはいうまでもない。
また、第1および第2演出操作手段の一例として、それぞれ、押ボタンタイプの第1および第2演出ボタン12,13を例に挙げたが、第1および第2演出ボタン12,13の少なくとも一方の演出ボタンに十字キータイプのものを採用してもよい。このような十字キータイプの演出ボタンとして、たとえば特開2005−78916号公報に記載のボタンを例示できる。
また、第1および第2演出操作手段は、外部から操作可能であれば、他のボタンや他のスイッチなどであってもよいし、たとえば、ハンドル操作の回動であってもよい。
また、第1および第2特別図柄表示手段22,23における特別図柄の変動順について、第1または第2特別図柄始動口18,29への入球順に図柄変動動作を実行する入球順変動の態様であってもよいし、双方が独立して図柄変動動作を実行する同時変動の態様であってもよい。
また、前述の説明では、第1および第2特別図柄始動口18,29を集約して配置した構成を例に挙げたが、第1および第2特別図柄始動口18,29が、遊技盤5上における互いに離間した位置に配置されていてもよい。また、第1および第2特別図柄始動口18,29の2つを設ける構成に限られず、特別図柄始動口18,29として1つを設けるものであってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。