JP2016152810A - 食用油の提供方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物由来の食用油からなり魚臭の問題がなく風味が良いので、成人一人が1日に必要とする量のα‐リノレン酸を食品として気軽に摂取でき、酸化安定性に優れているので保管が容易で、開封すれば一度に必要量を使い切ることができ、外食の際など何時でも何処でも気軽に持ち歩くことのできる食用油の提供方法。【解決手段】エゴマ油、シソ油或いはアマニ油のうち少なくとも1種を含有する食用油を製造し、アルミ箔層を有する携帯用パウチに充填し、充填後の携帯用パウチにより食用油を提供する。食用油は、圧搾法による搾油及び高真空低温法による脱臭により、α‐リノレン酸を55重量%以上含有すると共にトランス脂肪酸の含有量が1重量%未満である。携帯用パウチに対する食用油の充填量は、成人一人が1日の摂取に必要な量のα‐リノレン酸を含み、且つ、携帯用パウチの開封後に一度に使い切れる量である。【選択図】図1
Description
本発明は、成人一人が1日に必要とする量のα‐リノレン酸を含有する食用油を携帯用パウチに充填して提供する食用油の提供方法に関するものである。
生体の維持に必要不可欠な機能を持つ多価不飽和脂肪酸は、人が体内で合成できないので必須脂肪酸と呼ばれ食物から摂取する必要がある。これらの必須脂肪酸には、リノール酸、γ‐リノレン酸、アラキドン酸などのn‐6系脂肪酸(ω6脂肪酸ともいう)とα‐リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのn‐3系脂肪酸(ω3脂肪酸ともいう)とがあり、これらの摂取バランス(ω6/ω3)が健康に重要であるとされている。
ところが、現代の食生活では、ω6脂肪酸が過剰摂取の状態にあり、ω3脂肪酸が不足している。ω6脂肪酸とω3脂肪酸の摂取バランスが崩れたことが、アレルギー疾患や生活習慣病の原因になっていることが明らかになってきた。そこで、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2010年版)によると、1日当りのω3脂肪酸の食事摂取基準(目標量)を2.4g以上(最も多く必要とする50〜59才男性の場合)としている。
従来、ω3脂肪酸は魚油に多く含まれるとされ、EPAやDHAとして抽出され摂取されてきた。しかし、これらの魚油は、魚臭の問題があり食品としての摂取は難しく、摂取時の魚臭を軽減するためカプセル化したサプリメントとして服用されている。また、近年、魚に蓄積した水銀やダイオキシンなどの環境汚染物質の問題、更に、世界的な魚資源の不足という問題を有している。
以上のことから、植物由来の食用油として、ω6脂肪酸であるリノール酸やω3脂肪酸であるα‐リノレン酸などが着目されている。これらの中で、リノール酸は上述のように過剰摂取の状態にあるが、一方、α‐リノレン酸は、植物由来で風味がよく食品として気軽に摂取できるとして、これを積極的に摂取することが重要と考えられている。
そこで、α‐リノレン酸を多く含む植物油として、エゴマ油、シソ油、アマニ油などが注目され、これらの食用油を毎日少しずつ継続して摂取する工夫がなされている。例えば、食事の際にサラダなどに振り掛けて摂取するための卓上型の瓶詰食用油やドレッシングなどが種々販売されている。
しかし、α‐リノレン酸は、他の脂肪酸に比べ分子中の不飽和結合の数が多く、極めて酸化されやすいという欠点を有している。従って、瓶詰食用油やドレッシングは、冷暗所での保管が必要であり、開封後の賞味期限が短いという問題を有していた。従って、外食の際など何時でも何処でも気軽に持ち歩くというには不便であった。
そこで、α‐リノレン酸を含有する食用油の酸化安定性を向上させる試みがなされている。例えば、下記特許文献1においては、α‐リノレン酸を多く含む特定のアマニ油に、酸化安定性に優れた一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸を多く含有する油脂を加えた食用油が提案されている。
ところで、上記特許文献1の食用油は、オレイン酸とα‐リノレン酸との重量比をオレイン酸:α‐リノレン酸=1:0.2〜0.6とし、α‐リノレン酸の含有量を10重量%以上とすることが必要である。このことは、2種類の食用油をその成分の含有量に合わせて調合しなければならず、製造コストが大きくなるという問題があった。
また、α‐リノレン酸を摂取するために、より多くのオレイン酸を摂取しなければならないという問題もあり、必要な量のα‐リノレン酸のみを気軽に摂取することにはならない。また、酸化安定性の向上も十分なものではなく、何時でも何処でも気軽に持ち歩くというには至らない。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、植物由来の食用油からなり魚臭の問題がなく風味が良いので、成人一人が1日に必要とする量のα‐リノレン酸を食品として気軽に摂取でき、酸化安定性に優れているので保管が容易で、開封すれば一度に必要量を使い切ることができ、外食の際など何時でも何処でも気軽に持ち歩くことのできる携帯用パウチに充填した食用油の提供方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、成人一人が1日に必要とする量のα‐リノレン酸を含有する食用油を1つのパウチに充填し、このパウチを紫外線や酸素を透過しないアルミ箔構造として食用油の酸化安定性を向上し、更に、携帯に便利なサイズにすることで上記目的を達成できることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明に係る食用油の提供方法は、請求項1の記載によると、
エゴマ油、シソ油或いはアマニ油のうち少なくとも1種を含有する食用油を製造し、
アルミ箔層を有する携帯用パウチに前記食用油を充填し、
充填後の前記携帯用パウチにより前記食用油を提供する方法であって、
前記食用油は、圧搾法による搾油及び高真空低温法による脱臭により、α‐リノレン酸を55重量%以上含有すると共にトランス脂肪酸の含有量が1重量%未満であり、
前記携帯用パウチに対する前記食用油の充填量は、成人一人が1日の摂取に必要な量のα‐リノレン酸を含み、且つ、当該携帯用パウチの開封後に一度に使い切れる量であることを特徴とする。
エゴマ油、シソ油或いはアマニ油のうち少なくとも1種を含有する食用油を製造し、
アルミ箔層を有する携帯用パウチに前記食用油を充填し、
充填後の前記携帯用パウチにより前記食用油を提供する方法であって、
前記食用油は、圧搾法による搾油及び高真空低温法による脱臭により、α‐リノレン酸を55重量%以上含有すると共にトランス脂肪酸の含有量が1重量%未満であり、
前記携帯用パウチに対する前記食用油の充填量は、成人一人が1日の摂取に必要な量のα‐リノレン酸を含み、且つ、当該携帯用パウチの開封後に一度に使い切れる量であることを特徴とする。
上記構成によれば、携帯用食用油1包を1回使用すれば、1日に必要な量のα‐リノレン酸を確実に摂取することができる。また、この食用油には、α‐リノレン酸の含有量が多いエゴマ油、シソ油或いはアマニ油などが使用されるので、携帯用食用油1包に充填する食用油の量が少なくて済み、より携帯に便利になる。更に、携帯用パウチがアルミ箔層を有しているので、紫外線や酸素を透過することがなく食用油の酸化安定性が向上する。
また、上記構成によれば、携帯用パウチに充填される食用油は、特定の組成のエゴマ油からなる。このエゴマ油は、α‐リノレン酸の含有量が多く、一方、あまり摂取しない方が良いとされるトランス脂肪酸の含有量が少ないことで、より健康に良い食用油を提供することができる。
よって、請求項1に記載の発明においては、植物由来の食用油からなり魚臭の問題がなく風味が良いので、成人一人が1日に必要とする量のα‐リノレン酸を食品として気軽に摂取でき、酸化安定性に優れているので保管が容易で、開封すれば一度に必要量を使い切ることができ、外食の際など何時でも何処でも気軽に持ち歩くことのできる携帯用パウチに充填した食用油の提供方法を提供することができる。
また、本発明は、請求項2の記載によると、請求項1に記載の食用油の提供方法において、
前記携帯用パウチは、扁平な形状の平面視矩形のパウチであって、当該矩形を形成する2辺が55mm以下の辺と85mm以下の辺との組み合わせであって、厚みが前記食用油を充填した時に7mm以下となり、
少なくとも支持層とアルミ箔層と樹脂フィルム層とシーラント層とが積層されてなることを特徴とする。
前記携帯用パウチは、扁平な形状の平面視矩形のパウチであって、当該矩形を形成する2辺が55mm以下の辺と85mm以下の辺との組み合わせであって、厚みが前記食用油を充填した時に7mm以下となり、
少なくとも支持層とアルミ箔層と樹脂フィルム層とシーラント層とが積層されてなることを特徴とする。
上記構成によれば、携帯用パウチが扁平な形状をしており、その大きさと厚みが所定のサイズ以下となっているので、より携帯に便利になる。この2辺のサイズは、クレジットカードなどの各種カードのサイズであり、携帯用パウチがカードサイズ以下であることにより、より携帯に便利になる。また、厚みも携帯に都合の良い薄いサイズになっている。更に、携帯用パウチは、少なくとも支持層とアルミ箔層と樹脂フィルム層とシーラント層とが積層されている。よって、請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明と同様の作用効果をより一層具体的に達成することができる。
また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載の食用油の提供方法において、
前記携帯用パウチには、3g以上5g未満の前記食用油が充填されてなることを特徴とする。
前記携帯用パウチには、3g以上5g未満の前記食用油が充填されてなることを特徴とする。
上記構成によれば、携帯用パウチに充填される食用油の量が3g以上5g未満と少量となっている。この食用油が少量であることにより、携帯用パウチのサイズが小さくなり、より携帯に便利になる。よって、請求項3に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の発明と同様の作用効果をより一層具体的に達成することができる。
また、本発明は、請求項4の記載によると、請求項1〜3のいずれか1つに記載の食用油の提供方法において、
前記食用油は、酸化安定剤を実質的に含有しないことを特徴とする。
前記食用油は、酸化安定剤を実質的に含有しないことを特徴とする。
上記構成によれば、携帯用パウチに充填される食用油には、酸化安定剤を実質的に含有しなくてもよい。これは、携帯用パウチが請求項1に記載のようにアルミ箔層を有することで紫外線や酸素を透過せず、食用油の酸化安定性が向上することによる。よって、請求項4に記載の発明においては、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明と同様の作用効果をより一層具体的に達成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明においては、ω3脂肪酸であるα‐リノレン酸を多く含有する食用油を携帯用パウチに充填している。厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2010年版)によると、上述のように、1日当りのω3脂肪酸の食事摂取基準(目標量)は、最も多く必要とする50〜59才男性の場合には、2.4g以上であり、逆に最も少ない18〜49才及び70才以上女性の場合でも、1.8g以上である。
ここで、本発明においては、α‐リノレン酸を多く含有する植物油としてエゴマ油、シソ油或いはアマニ油を使用する。これらの食用油は、単独で使用してもよく或いは配合して使用してもよい。また、これらの食用油とこれら以外の食用油とを配合して使用してもよい。いずれの場合であっても、1包の携帯用食用油には、成人一人が1日に必要とするα‐リノレン酸を含有するようにすればよい。
例えば、エゴマ油は、シソ科植物であるエゴマの種子から搾油される食用油であって、一般に55重量%以上のα‐リノレン酸を含有している。また、産地や品種及び搾油法によっては、58重量%以上、或いは、60重量%以上のα‐リノレン酸を含有するエゴマ油を得ることも可能である。
このように、55重量%以上のα‐リノレン酸を含有するエゴマ油を使用すれば、50〜59才男性が1日に必要とする2.4gのα‐リノレン酸を摂取するのに、4.4gのエゴマ油があればよい。一方、60重量%以上のα‐リノレン酸を含有するエゴマ油を使用すれば、18〜49才及び70才以上女性が1日に必要とする1.8gのα‐リノレン酸を摂取するのに、3gのエゴマ油があればよい。よって、本発明においては、携帯用食用油1包に充填するエゴマ油の量は、対象となる年齢、性別によって異なるものの、およそ、3g以上5g未満あればよい。
このように、α‐リノレン酸を多く含有するエゴマ油などの植物油を使用することにより、成人一人が1日に必要なω3脂肪酸を少量の食用油で摂取することが可能となる。従って、成人一人が1日に必要とする量のα‐リノレン酸が1包に充填された携帯用食用油は、コンパクトであり持ち運びに便利で何時でも何処でも簡単にα‐リノレン酸を摂取するのに都合がよい。
ここで、エゴマ油を例として、α‐リノレン酸を多く含有する食用油の酸化安定性について説明する。エゴマ油が多く含有するα‐リノレン酸は、上述のように、他の脂肪酸に比べ分子中の不飽和結合の数が多く、熱や紫外線などの外部要因により極めて酸化されやすいという欠点を有している。植物油は、熱や紫外線などにより不飽和結合部分の酸化や分解或いは重合が起こり、このような食用油からはα‐リノレン酸を摂取することができなくなる。従って、本発明に使用するエゴマ油の製造段階では、できるだけ熱処理、特に高温での処理を避けることが好ましい。
そこで、本発明に使用するエゴマ油の搾油においては、熱処理工程を必要とする抽出法ではなく、圧搾法を採用することが好ましい。また、搾油後の精製工程においても、熱処理温度を低く、処理時間を短くすることが好ましい。例えば、脱臭工程においても真空度を高くして熱処理温度を低くすることが好ましい。これらの工程により、本発明に使用するエゴマ油を風味がよく食用に適した食用油とすることができる。
また、製造工程で熱処理温度を低く、処理時間を短くすることにより、更なる効果としてトランス脂肪酸の含有量が非常に少ないエゴマ油を製造することができる。植物由来の不飽和脂肪酸は、その不飽和結合(炭素‐炭素二重結合)の部分がシス型配置をしているが、これに高温などの外部要因が加わることでシス型配置がトランス型配置に異性化する。これを総称してトランス脂肪酸とよぶ。
トランス脂肪酸は、動物由来の不飽和脂肪酸に比較的多く含まれるものではあるが、近年、飽和脂肪酸以上に血中コレステロールを上昇させ、循環器系疾患のリスクを高めるとの報告もあり多く摂取することは好ましくない。本発明が志向する健康目的においては、植物由来の植物油を使用することもあり、極力、トランス脂肪酸の含有量の少ない食用油を使用することが好ましい。
以上の理由から、本発明において使用する食用油には、圧搾法により搾油され、α‐リノレン酸を55重量%以上含有すると共に、トランス脂肪酸の含有量が1重量%未満であるエゴマ油を使用することが好ましい。また、α‐リノレン酸の含有量は、58重量%以上であることがより好ましく、60重量%以上であることが更に好ましい。一方、トランス脂肪酸の含有量は、0.7重量%未満であることがより好ましく、0.3重量%未満であることが更に好ましい。
次に、本発明においては、携帯用食用油に使用する携帯用パウチについて説明する。本発明において、携帯用パウチは、アルミ箔層を有している。このアルミ箔層が外部の紫外線から携帯用パウチ内に充填された食用油を保護すると共に、開封時までは内部に空気(酸素)が流入することがない。よって、携帯用パウチ内の食用油は、酸化されて変質することがない。このことにより、携帯用食用油においては、内部に充填する食用油に酸化安定剤などの添加剤を添加する必要がない。
この携帯用パウチに使用する包装材は、アルミ箔層を有していれば特に限定するものではなく、単にアルミ箔層のみからなるものであってもよく、或いは、アルミ箔層と樹脂フィルム層などが積層されたものであってもよい。通常、各種食品に使用されるアルミパウチと称されるものは、一般には、図4に示すように、支持材21にアルミ箔層22と樹脂フィルム層23とシーラント層24とが積層されている。或いは、支持材21とアルミ箔層22との間に他の樹脂フィルム層が積層されていてもよい。
支持材21には、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどのフィルム、セロハン或いは紙などが使用される。この支持材21の表面には、商品を表示する印刷などが施されている。アルミ箔層22は、必要強度を有して紫外線や酸素を遮断できる厚みがあればよい。樹脂フィルム層23には、支持材同様ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどのフィルムが使用され、これらのフィルムがパウチ内部に充填される食用油にアルミ箔の影響が及ぶことを防止している。また、シーラント層24には、低融点のポリエステルやポリエチレンなどの熱融着樹脂が使用され、パウチの周辺部を熱融着して封鎖する。
本発明において、携帯用パウチの形状は、1回の使用に必要な食用油を充填することができるものであり、且つ、携帯に便利な形状であれば特に限定するものではない。一例を挙げれば、図1〜図3に示すような矩形のパウチなどが好ましい。
この携帯用パウチは、図1〜図3に示すように、扁平な形状をしており、その扁平面の大きさと厚みが所定のサイズ以下であって、小型で薄く携帯に便利な形状をしている。図1は、携帯用パウチ10の扁平面を示しており、この扁平面は矩形をしている。この携帯用パウチ10は、アルミ箔層を有する包装材を二つ折りにした充填部13の内部に所定量の食用油を充填し、矩形の3辺をシール部11a、11b、11cとしてシーラント層の熱融着樹脂で融着している。シール部11bの端部近傍には、携帯用パウチ10を開封するための切り込み12が作られている。
携帯用パウチ10の扁平面は矩形であり(図1参照)、この矩形を形成する2辺(11aと11c及び11bに対応する辺)が55mm以下の辺(11aと11cに対応する辺)と85mm以下の辺(11bに対応する辺)との組み合わせからなっている。この55mmと85mmというサイズは、クレジットカードなどの各種携帯用カードのサイズであり、携帯用パウチがこれらのカードより小さいサイズであることにより、鞄やバッグに無理なく収納することができ、携帯用食用油を気軽に持ち運びすることができる。
また、携帯用パウチは、図2に示す右側面及び図3に示す上面から分かるように扁平な形状をしている。ここで、携帯用パウチの厚みは、内部に充填する食用油の量が少ないことにより薄くすることができる。例えば、所定量の食用油を充填した時に、その厚みが7mm以下となることが好ましく、更に、5mm以下となることがより好ましい。このことにより、鞄やバッグに無理なく収納することができ、携帯用食用油を気軽に持ち運びすることができる。
ここで、本発明に係る食用油の提供方法に使用する携帯用食用油を実施例1に基づいて説明する。なお、本発明は、本実施例1よって限定されるものではない。まず、内部に充填するα‐リノレン酸を多く含有する食用油として、エゴマ油を採用した。このエゴマ油は、圧搾法により搾油され、α‐リノレン酸の含有量は、60重量%であった。また、トランス脂肪酸の含有量は、0.6重量%であった。
このエゴマ油4gを図1〜図3に示した形状の扁平な矩形の携帯用パウチ10に充填した。この携帯用パウチ10には、図4に示す構造からなる包装材20を使用し、この包装材20は、ポリエステル樹脂からなる支持材21の内側にアルミ箔層22、ポリエステルフィルム層23及び低融点ポリエステルフィルムからなるシーラント層24とが順次積層されている。
この携帯用パウチ10は、包装材を構成するアルミ箔層22によって紫外線と酸素を遮断し、3辺(図1において11a、11b及び11cに対応する辺)が、シーラント層24を形成する低融点ポリエステルフィルムによってシールされている。
また、この携帯用パウチ10の扁平面のサイズは、図1において縦35mm(11aと11cに対応する辺)、横85mm(11bに対応する辺)であり、各種携帯用カードよりかなり小さいサイズであった。また、この大きさの携帯用パウチに4gのエゴマ油を充填した時の厚み(最厚部)は、5mmであった。
このように、本実施例1においては、4gのエゴマ油で2.4gのα‐リノレン酸を摂取することができ、ω3脂肪酸を最も多く必要とする50〜59才男性の場合にも、必要量のα‐リノレン酸を提供することができる。
従来の瓶詰エゴマ油は、冷暗所での保管が必要であり、持ち運びすることができず、開封後は速やかに消費する必要があった。これに対して、実施例1の携帯用食用油は、特定のパウチに充填されているので紫外線や空気中の酸素に接することがなく、また、1回の使用で内容量を使い切るので、摂取する前に開封して酸化されることがない。
よって、本発明においては、植物由来の食用油からなり魚臭の問題がなく風味が良いので、成人一人が1日に必要とする量のα‐リノレン酸を食品として気軽に摂取でき、酸化安定性に優れているので保管が容易で、開封すれば一度に必要量を使い切ることができ、外食の際など何時でも何処でも気軽に持ち歩くことのできる携帯用パウチに充填した食用油の提供方法を提供することができる。
10…携帯用パウチ、11a、11b、11c…シール部、12…切り込み、
13…充填部、20…包装材、21…支持材、22…樹脂フィルム層、
23…アルミ箔層、24…シーラント層。
13…充填部、20…包装材、21…支持材、22…樹脂フィルム層、
23…アルミ箔層、24…シーラント層。
Claims (4)
- エゴマ油、シソ油或いはアマニ油のうち少なくとも1種を含有する食用油を製造し、
アルミ箔層を有する携帯用パウチに前記食用油を充填し、
充填後の前記携帯用パウチにより前記食用油を提供する方法であって、
前記食用油は、圧搾法による搾油及び高真空低温法による脱臭により、α‐リノレン酸を55重量%以上含有すると共にトランス脂肪酸の含有量が1重量%未満であり、
前記携帯用パウチに対する前記食用油の充填量は、成人一人が1日の摂取に必要な量のα‐リノレン酸を含み、且つ、当該携帯用パウチの開封後に一度に使い切れる量であることを特徴とする食用油の提供方法。 - 前記携帯用パウチは、扁平な形状の平面視矩形のパウチであって、当該矩形を形成する2辺が55mm以下の辺と85mm以下の辺との組み合わせであって、厚みが前記食用油を充填した時に7mm以下となり、
少なくとも支持層とアルミ箔層と樹脂フィルム層とシーラント層とが積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の食用油の提供方法。 - 前記携帯用パウチには、3g以上5g未満の前記食用油が充填されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の食用油の提供方法。
- 前記食用油は、酸化安定剤を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の食用油の提供方法。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170307 |
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A02 | Decision of refusal |
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