JP2016152278A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
たとえば、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置は、複数本のチャックピンで基板をほぼ水平に保持しつつ、その基板を回転させるスピンチャックと、このスピンチャックによって回転される基板の表面に処理液を供給するためのノズルとを備えている。
そこで、本発明の目的は、基板の主面における第1の流体の流速を速めることができ、これにより、基板の主面に付着したパーティクル等の異物を良好に除去することができる基板処理装置を提供することである。
この構成によれば、拡径内壁がラッパ状に広がる凸湾曲壁を含むので、第1の流路から第1の吐出口に至る処理液の流れに乱流が発生せず、そのため、第1の吐出口に向けて処理液をスムーズに案内することができる。
請求項4に記載の発明は、前記拡径内壁は、前記基板の前記主面へ向かって広がるテーパ壁を含む、請求項1に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、拡径内壁が基板の主面に向かって広がるテーパ壁を含むので、第1の流路から第1の吐出口に至る処理液の流れに乱流がほとんど発生せず、そのため、第1の吐出口に向けて処理液を比較的スムーズに案内することができる。
請求項6に記載の発明は、前記第1の筒体の前記先端縁は、前記基板の前記主面に沿って延びる平面部を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、第1の筒体の先端縁に設けられた平面部が基板の主面に沿って延びる。平面部は、第1の吐出口から吐出される処理液を基板の主面に沿う方向に案内する。そのため、第1の吐出口から吐出される第1の流体の、基板の主面に沿う方向の流速をより一層速めることができ、ゆえに、基板の主面に付着したパーティクル等の異物を良好に除去することができる。
この構成によれば、基板の主面とノズルの先端縁(第1の筒体の先端縁)との間に形成された環状の第1の吐出口から、基板の主面に沿って放射状に液体が吐出される。第1の吐出口から吐出される液体の流量を適当量に設定することにより、ノズルの先端縁と基板の主面と間に、極めて微小間隔の隙間を設けることができる。すなわち、環状の第1の吐出口における、法線方向の開口幅を極めて微小な幅に設けることができる。したがって、第1の吐出口から吐出される液体の流速を速めることができ、これにより、基板の主面に付着したパーティクル等の異物を良好に除去することができる。
この構成によれば、第2の筒体の先端縁と第1の筒体の先端部分とによって、環状の第2の吐出口を区画形成することができる。これにより、環状の第2の吐出口を簡単な構成で設けることができる。
この構成によれば、第1の吐出口よりも基板の主面から離反する方向側に形成された環状の第2の吐出口から、処理液が放射状に吐出される。第2の吐出口から吐出された処理液は、第1の吐出口から吐出される処理液を、基板の主面から離反する方向側から覆う。第1の吐出口から吐出される処理液から見て基板の主面から離反する方向側に、第2の吐出口から吐出される処理液の流れが形成される。そのため、第1の吐出口から吐出される処理液が基板の主面から離反する方向に向けて流れることを阻止できる。これにより、第1の吐出口から吐出される処理液を、基板の主面に沿って流通させることができる。
この構成によれば、第1の吐出口よりも基板の主面から離反する方向側に形成された第2の吐出口から、第2の液体が放射状に吐出される。第1の吐出口の開口幅が極めて微小な幅にされている場合には、第1の吐出口から吐出される第1の液体が強い吐出圧で噴射されて周囲に飛散し、パーティクル発生の原因になるおそれがある。しかしながら、第2の液体によって第1の液体が覆われているので、第1の吐出口から吐出される第1の液体の飛散を抑制または防止できる。
この構成によれば、第2の吐出口から吐出された液体に対し、基板の主面に沿って高速の気体が吹き付けられる。これにより、基板の上面に着液する直前において、液体と気体とが衝突し、液体の液滴が形成される。形成された液体の液滴が基板の主面に供給される。形成される。この液滴は、噴流となって、基板の主面に供給される。この液体の液滴の運動エネルギーによって、基板の主面から異物を物理的に除去できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置1を水平方向に見た図である。
基板処理装置1は、円形の半導体ウエハ等の基板Wのデバイス形成領域側の表面に対して処理液を用いた薬液処理(洗浄処理やエッチング処理など)を施すための枚葉型の装置である。基板処理装置1は、内部空間を有する箱形のチャンバ2と、チャンバ2内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持して、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック(基板保持手段)3と、スピンチャック3に保持されている基板Wの上面に、処理液を吐出するためのノズル4と、ノズル4に処理液を供給するための処理流体供給ユニット5と、スピンチャック3を取り囲む筒状の処理カップ6と、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する制御装置7とを含む。
FFU9は隔壁8の上方に配置されており、隔壁8の天井に取り付けられている。FFU9は、隔壁8の天井からチャンバ2内に清浄空気を送る。排気装置10は、処理カップ6内に接続された排気ダクト11を介して処理カップ6の底部に接続されており、処理カップ6の底部から処理カップ6の内部を吸引する。FFU9および排気装置10により、チャンバ2内にダウンフロー(下降流)が形成される。
スピンベース14の上面には、その周縁部に複数個(3個以上。たとえば6個)の挟持部材15が配置されている。複数個の挟持部材15は、スピンベース14の上面周縁部において、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。
ノズル4は、基板Wの上面における処理液の供給位置を変更できるスキャンノズルとしての基本形態を有している。ノズル4は、スピンチャック3の上方でほぼ水平に延びたノズルアーム(支持部材)17の先端部に取り付けられている。ノズルアーム17は、スピンチャック3の側方でほぼ鉛直に延びたアーム支持軸18に支持されている。アーム支持軸18には、モータ等で構成されるアーム揺動ユニット19が結合されている。アーム揺動ユニット19により、ノズルアーム17をスピンチャック3の側方に設定された鉛直な揺動軸線A2を中心として水平面内で揺動させることができ、これにより、揺動軸線A2まわりにノズル4を回動させることができるようになっている。アーム支持軸18には、サーボボータやボールねじ機構などで構成されるアーム昇降ユニット20が結合されている。アーム昇降ユニット20により、アーム支持軸18を昇降させてアーム支持軸18と一体的にノズルアーム17を昇降させることができる。これにより、ノズル4を、その下端縁がスピンチャック3に保持されている基板Wの上面と所定の間隔W2(たとえば5mm。図2参照)を空けて対向する下位置と、スピンチャック3に保持されている基板Wの上方に大きく退避する上位置との間で昇降させることができる。このように、アーム昇降ユニット20は、ノズル4を基板Wに接近/離反させるための接離駆動機構を構成している。
図2は、ノズル保持ユニット16およびノズル4の構成を図解的に示す図である。
図2に示すように、ノズル4の後述する内筒35に接続される第1の処理液配管52は、鉛直方向に延びる鉛直配管部21と、鉛直配管部21の上端部から屈曲し水平方向に延びる水平配管部22とを一体的に含む。鉛直配管部21と水平配管部22との間の接続部分23は、ホルダ24の内部を貫通しており、これにより、第1の処理液配管52がホルダ24に固定されている。ホルダ24は上面25を有している。ノズルアーム17の下面と、ホルダ24の上面25との間には、エアシリンダ(第1の荷重付与手段)26およびコイルばね(第2の荷重付与手段)27が介装されている。第1実施形態では、ノズル保持ユニット16は、ホルダ24、エアシリンダ26およびコイルばね27を含む。
図2に示すように、エアシリンダ26は、伸縮可能な伸縮部28を備えたシリンダである。伸縮部28としてたとえば長手方向に伸縮可能な伸縮ロッドを例示できる。伸縮部28は、鉛直姿勢で配置されている。伸縮部28の内部には、空気供給バルブ29を介して空気供給配管30が接続されている。空気供給配管30には、空気供給配管30の開度を調整するための空気調整バルブ(荷重調整手段)31が介装されている。伸縮部28の内部には、リークバルブ(荷重調整手段)32を介してリーク配管33が接続されている。伸縮部28は、その内部に圧縮空気を導入することにより伸長し、その内部から圧縮空気を抜くことにより短縮する。伸縮部28の最短縮状態における、伸縮部28の上下高さ(エアシリンダ26の上下高さと略同じ)が、コイルばね27にホルダ24を吊り下げた状態におけるコイルばね27の長さよりも短く設けられている。そのため、伸縮部28の最短縮状態では、伸縮部28の下端部分がホルダ24の上面25に接触していない。伸縮部28が最短縮状態にある状態において、リークバルブ32が閉じられつつ空気供給バルブ29が開かれると、圧縮空気が空気供給配管30を通って伸縮部28の内部に供給される。これにより、伸縮部28が伸長し、伸縮部28の長さがコイルばね27の長さと一致すると、伸縮部28の下端部分がホルダ24の上面25に当接する。圧縮空気の供給がさらに継続されることにより、伸縮部28が、コイルばね27のばね力に抗ってその状態からさらに伸長する。すなわち、伸縮部28に下端部分がホルダ24を下方に向けて押圧することによりホルダ24が下降する。これにより、ノズルアーム17の下面とホルダ24の上面25との間の間隔が拡大する。
また、伸縮部28の周囲は、耐薬性を有する樹脂材料を用いて形成されたベローズ34によって取り囲まれている。ベローズ34は、ノズルアーム17の下面とホルダ24の上面25との間の間隔の増減に応じて伸縮する。
ノズル4は、内筒(第1の筒体)35と、内筒35に外嵌され、内筒35を包囲する外筒(第2の筒体)36とを有している。内筒35および外筒36は、各々共通の鉛直軸線A3上に同軸配置されている。図3に示すように、内筒35は、下端部分(先端部分)37を除いて、円筒状をなしている。内筒35の下端部分37は、下方に向かって広がるラッパ状部38を含む。換言すると、内筒35の下端部分37は、下方に向かってラッパ状に広がる凸湾曲壁41を含む。さらに換言すると、内筒35の下端部分37が、下方に向かうに従って鉛直軸線A3から離れるように拡径する拡径内壁を含む。ラッパ状部38の周縁部(先端縁)39は、水平方向に沿って延びる平板状部(平面部)40を含む。ラッパ状部38の周縁部39は、平面視で、外筒36よりも径方向の外方に張り出している。内筒35の内部空間は、後述する第1の処理液配管52からの処理液が流通する直線状の第1の流路42となっている。
内筒35の下端部分37が基板Wの上面へ向かって広がるラッパ状部38を含むので、第2の流路45の下流端部分がラッパ状の凹湾曲壁62によって構成される。そのため、処理液が第2の流路45を上吐出口48に向けて流れる過程で、水平方向の流れが形成される。加えて、凹湾曲壁62がラッパ状をなしているから、第2の流路45から上吐出口48に至る処理液の流れに乱流が発生せず、これにより、上吐出口48に向けて処理液をスムーズに案内できる。
基板処理装置1により基板Wに対して処理を行う際には、ノズルアーム17の揺動および昇降によりノズル4が下位置に配置される。この状態で、ノズル4のラッパ状部38から処理液が吐出される。この状態で、ノズル4が下位置よりもさらに下方の近接位置に向けて下降されると、図4に示すように、ラッパ状部38の周縁部39と、基板Wの上面との間で、環状の下吐出口(第1の吐出口)49が区画される。
第1のリンス液バルブ56および第2のリンス液バルブ61が閉じられた状態で、第1の薬液バルブ54および第2の薬液バルブ59が開かれることにより、ノズル4の第1の流路42および第2の流路45の双方に薬液(SC1)が供給される。これにより、下吐出口49および上吐出口48の双方から薬液(SC1)を同時に吐出できる。
図1に示すように、処理カップ6は、スピンチャック3に保持されている基板Wよりも外方(回転軸線A1から離れる方向)に配置されている。処理カップ6は、スピンベース14を取り囲んでいる。スピンチャック3が基板Wを回転させている状態で、処理液が基板Wに供給されると、基板Wに供給された処理液が基板Wの周囲に振り切られる。処理液が基板Wに供給されるとき、上向きに開いた処理カップ6の上端部6aは、スピンベース14よりも上方に配置される。したがって、基板Wの周囲に排出された薬液や水などの処理液は、処理カップ6によって受け止められる。そして、処理カップ6に受け止められた処理液は、図示しない回収装置または廃液装置に送られる。
本願発明者らは、基板Wの上面に付着しているパーティクルPを除去するための除去モーメントMRは、パーティクルPに作用する横向きの力(以下、「パーティクル除去力FD」という)に依存していることを見出した。基板Wの上面に処理液(たとえば洗浄薬液)を供給した場合、パーティクル除去力FDは、パーティクルPの近傍を流れる処理液の流速に依存していると本願発明者らは考えている。
FD=32・μ/ρ・(r/v)2・2τ/ρ ・・・式(1)
(但し、式(1)において、μは処理液の粘度を示し、ρは処理液の密度を示し、rは、パーティクルPの半径を示し、vは処理液の動粘度を示し、τは、処理液の横向きの流速を示す。)
パーティクルPは、基板Wの表面近傍に付着している。すなわち、除去モーメントMRは、基板Wの表面近傍における処理液の横向きの流速τに依存していると考えることができる。
環状の下吐出口49の半径、すなわちラッパ状部38(図4参照)の半径をR(図4参照)とすると、下吐出口49の開口面積Sは、次の式(2)で表すことができる。
S=2・π・R・W3 ・・・式(2)
この場合、第1の流路42を流通する処理液の単位時間当たりの流量をf(図示しない)とすると、下吐出口49における処理液の流速τ(図示しない)は、次の式(3)で表すことができる。
τ=f/(2・π・R・W3) ・・・式(3)
すなわち、下吐出口49の開口幅W3を小さくするのに従って、下吐出口49における処理液の流速を速めることができる。
以下、図1、図2、図4、図7および図8を参照しつつ洗浄処理の一例について説明する。この洗浄処理では、薬液(洗浄薬液)として、SC1が用いられる。
洗浄処理に際しては、チャンバ2の内部に未洗浄の基板Wが搬入される(ステップS1)。基板Wは、その表面(デバイス形成面)を上方に向けた状態でスピンチャック3に受け渡される。具体的には、制御装置7は、ノズル4がスピンチャック3の上方から退避した退避位置に配置された状態で、基板Wを保持している基板搬送ロボット(図示しない)のハンド(図示しない)をチャンバ2の内部に進入させる。これにより、基板Wが処理対象となる主面を上方に向けた状態でスピンチャック3に受け渡され、スピンチャック3に保持される(基板保持工程)。
基板Wが液処理速度に達すると、次いで、制御装置7は、アーム揺動ユニット19を制御して、ノズル4を退避位置から基板Wの上方へと引き出す(ステップS3)。
ノズル4が下位置に配置されると、制御装置7は、第1の薬液バルブ54および第2の薬液バルブ59を開く。これにより、ノズル4からのSC1の吐出が開始され(ステップS5)、ノズル4の下吐出口49および上吐出口48の双方からSC1が吐出される。
また、下吐出口49の上方に隣接した配置された環状の上吐出口48から、SC1が水平方向に放射状に吐出される。上吐出口48から吐出されたSC1は、下吐出口49から吐出されるSC1を、上方側から覆い、下吐出口49から吐出されるSC1の上方側に、上吐出口48から吐出されるSC1の流れが形成される。そのため、下吐出口49から吐出されるSC1が上方に向けて流れることが阻止される。これにより、下吐出口49から吐出されるSC1を、水平方向に流通させることができる。
次いで、制御装置7は、アーム昇降ユニット20を制御して、ノズルアーム17を上昇させる(ステップS11)。ノズルアーム17の上昇により、ノズル4が、基板Wの上面から大きく上方に上昇させられる。
また、制御装置7は、スピンモータ12を制御して、基板Wを高回転速度(たとえば1000rpm以上)で回転させる。これにより、基板Wの上面に付着しているリンス液が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wから液体が除去され、基板Wの上面が乾燥させられる(S13:スピンドライ)。スピンドライ処理が予め定める期間に亘って行われると、制御装置7は、スピンモータ12を制御して、スピンチャック3の回転(基板Wの回転)を停止させる(ステップS14)。これにより、一枚の基板Wに対する洗浄処理が終了し、搬送ロボットによって、処理済みの基板Wがチャンバ2から搬出される(ステップS15)。
図9に示す第1の変形例に係る内筒(第1の筒体)111は、外郭円筒状を有している。内筒111は、鉛直軸線A3上に配置されている。内筒111の内部空間は、第1の処理液配管52(図1参照)からの処理液が流通する直線状の第1の流路112となっている。内筒111の内壁の下端部分113には、下方に向かってラッパ状に広がる凸湾曲壁(拡径内壁)114が形成されている。内筒111は、水平な平坦面からなる下面(平面部)115を有している。凸湾曲壁114は、下面115を含む。内筒111を、スピンチャック3(図1参照)に保持されている基板W(図2参照)に接近させた場合、下面115の外周縁と基板Wの上面との間に、横向きの環状の下吐出口(図4の下吐出口49に相当)が形成される。
図10に示す第2の変形例に係る内筒(第1の筒体)121は、外郭円筒状を有している。内筒121は、鉛直軸線A3上に配置されている。内筒121の内部空間は、第1の処理液配管52(図1参照)からの処理液が流通する直線状の第1の流路122となっている。内筒121の内壁の下端部分123には、下方に向かって広がるテーパ壁124が形成されている。内筒121は、水平な平坦面からなる下面125を有している。テーパ壁124は、下面125を含む。内筒121を、スピンチャック3(図1参照)に保持されている基板W(図2参照)に接近させた場合、下面125の外周縁と基板Wの上面との間に、横向きの環状の下吐出口(図4の下吐出口49に相当)が形成される。
内筒121の下端部分123が、テーパ壁124を含むので、第1の流路122から下吐出口に向けて流れる過程で、横向きの流れが形成される。加えて、テーパ壁124がテーパ状に広がっているので、第1の流路122から下吐出口に至る処理液の流れに乱流が発生せず、そのため、下吐出口に向けて処理液をスムーズに案内できる。
図12に示す第4の変形例に係る内筒(第1の筒体)141は、下端部分がフレア状をなしている。換言すると、内筒141は、その下端部分を除き円筒状をなしている。内筒141は、鉛直軸線A3上に配置されている。内筒141の内部空間は、第1の処理液配管52(図1参照)からの処理液が流通する直線状の第1の流路142となっている。内筒141の下端部分143には、下方に向かって広がる円錐台状(テーパ状)のテーパ部144が形成されている。テーパ部144の内周には、下方に向かって広がるテーパ壁145が形成されている。内筒141を、スピンチャック3(図2参照)に保持されている基板W(図2参照)に接近させた場合、テーパ部144の外周縁(下端縁)と基板Wの上面との間に、横向きの環状の下吐出口(図4の下吐出口49に相当)が形成される。
図3および図9〜図12に示す内筒35,111,121,131,141は、略円筒状をなしているとして説明したが、水平方向の一方向に長手を有する略方形筒状をなしていてもよい。
内筒151は、下端部分(先端部分)152を除いて、方形筒状をなしている。内筒151の下端部分152は、下方に向かって広がる凸湾曲部153を含む。凸湾曲部153は、鉛直方向に沿う断面形状が、下方に向かうラッパ状をなしている。凸湾曲部153の内壁は、下方に向かってラッパ状に広がる凸湾曲壁154を含む。内筒151の内部空間は、後述する第1の処理液配管52からの処理液が流通する直線状の第1の流路155となっている。凸湾曲部153の周縁部(先端縁)156は、水平方向に沿って延びる平板状部(平面部)157を含む。内筒151を、スピンチャック3(図2参照)に保持されている基板W(図2参照)に接近させた場合、平板状部157と基板Wの上面との間に、横向きの環状の下吐出口(図4の下吐出口49に相当)が形成される。
図14は、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置201に含まれるノズル202を拡大して示す断面図である。
第2の実施形態に係る基板処理装置201に含まれるノズル202が、第1の実施形態に係る基板処理装置1に含まれるノズル4と相違する点は、第1の流路42に供給する液体の種類と、第2の流路45に供給する液体の種類とを、互いに異ならせた点にある。
この場合、下吐出口49から薬液が吐出され、上吐出口48からH2Oが吐出される。下吐出口49の開口幅W3が極めて微小にされている場合には、下吐出口49から吐出される薬液が強い吐出圧で噴射され、周囲に飛散してパーティクル発生の原因になるおそれがある。しかしながら、下吐出口49から吐出される薬液が上吐出口48から吐出される薬液によって覆われるので、下吐出口49から吐出される薬液の飛散を防止できる。
このような第1の液体と第2の液体との組合せ([第1の液体;第2の液体])として、[SC1;DIW]の組合せ、[HOT SC1(高温(たとえば60℃〜80℃)のSC1;HOT DIW(高温(たとえば60℃〜80℃)のDIW]の組合せ、[H2O2;NH4OH+H2O]の組合せ、[SC2;DIW]の組合せ、[HOT SC2(高温(たとえば60℃〜80℃)のSC2;HOT DIW(高温(たとえば60℃〜80℃)のDIW]の組合せ等を例示できる。
第3の実施形態において、第1の実施形態に示された各部に対応する部分には、図1〜図13の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
第3の実施形態に係る基板処理装置301に含まれるノズル302が、第1の実施形態に係る基板処理装置1に含まれるノズル4と相違する点は、第1の流路42に供給する気体を供給し、かつ第2の流路45に処理液(液体)を供給するようにした点である。
また、気体と処理液との組合せ([気体;処理液])の他の例として、[O3;NH4OH+H2O]の組合せを例示できる。この場合、(NH4OH+H2O)と、高速度のO3とを基板Wの上面に着液する直前に混合させることができ、O3が混合された直後の(NH4OH+H2O)を基板Wの上面に供給することができる。O3と(NH4OH+H2O)との混合後は、時間の経過に伴って、O3がNH4OHによって分解されるのであるが、(NH4OH+H2O)とO3とを基板Wの上面に着液する直前に混合させることにより、分解の進んでいない新鮮な(NH4OH+H2O+O3)を基板Wの上面に供給することができる。
第4の実施形態において、第1の実施形態に示された各部に対応する部分には、図1〜図13の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
第4の実施形態に係る基板処理装置401に含まれるノズル402が、第1の実施形態に係る基板処理装置1に含まれるノズル4と相違する点は、その内部に、第1の流路409および第2の流路413に加え第3の流路422を設けた点にある。
内筒403は、下端部分(先端部分)406を除いて、円筒状をなしている。内筒403の下端部分406は、下方に向かって広がる第1のラッパ状部407を含む。換言すると、内筒403の下端部分406は、下方に向かってラッパ状に広がる第1の凸湾曲壁412を含む。さらに換言すると、内筒403の下端部分406が、下方に向かうに従って鉛直軸線A4から離れるように拡径する拡径内壁を含む。第1のラッパ状部407の周縁部(先端縁)408は、水平方向に沿って延びる平板状部(平面部)439を含む。第1のラッパ状部407の周縁部408は、平面視で、中筒404の筒状部410よりも径方向の外方に張り出している。内筒403の内部空間は、後述する第3の液体配管430からの第1の液体が流通する直線状の第1の流路409となっている。
内筒403の下端部分406は、下方に向かって広がる第1のラッパ状部407を含むので、第2の流路413の下流端部分が、ラッパ状の第1の凹湾曲壁424と、ラッパ状の第2の凸湾曲壁416とによって区画される。そのため、第2の液体が第2の流路413を後述する第2の下吐出口437に向けて流れる過程で、水平方向の流れが形成される。加えて、第1の凹湾曲壁424および第2の凸湾曲壁416がラッパ状をなしているから、第2の流路413から第2の下吐出口437に至る第2の液体の流れに乱流が発生せず、これにより、第2の下吐出口437に向けて第2の液体をスムーズに案内できる。
中筒404の筒状部410の下端部分423が基板Wの上面へ向かって広がる第2のラッパ状部415を含むので、第3の流路422の下流端部分がラッパ状の第2の凹湾曲壁426によって構成される。そのため、第3の液体が第3の流路422を上吐出口438に向けて流れる過程で、水平方向の流れが形成される。加えて、第2の凹湾曲壁426がラッパ状をなしているから、第3の流路422から上吐出口438に至る第3の液体の流れに乱流が発生せず、これにより、上吐出口438に向けて第3の液体をスムーズに案内できる。
基板処理装置401により基板Wに対して処理を行う際には、ノズルアーム17の揺動および昇降によりノズル402が、ノズル402の下端縁が基板Wの上面と間隔(図2の間隔W2と同程度の間隔)を空けて対向する下位置に配置される。このとき、内筒403の下端縁(第1のラッパ状部407の周縁部408)と、中筒404の下端縁(第2のラッパ状部415の周縁部417)とは、鉛直方向の高さが揃っている。この状態で、第3の液体バルブ431、第4の液体バルブ433および第5の液体バルブ435がそれぞれ開かれる。これにより、ことにより、第1の流路409に第1の液体が供給され、第2の流路413に第2の液体が供給され、かつ第3の流路422に第3の液体が供給される。この状態で、ノズル402が下位置よりもさらに下方の近接位置に向けて下降されると、第1のラッパ状部407の周縁部408と基板Wの上面との間で、環状の第1の下吐出口(第1の吐出口)436が区画されると共に、第2のラッパ状部415の周縁部417と基板Wの上面との間で、環状の第2の下吐出口(第1の吐出口)437が区画される。
第2の流路413を第2の下吐出口437に向けて第2の液体が流通することにより、当該第2の液が第1のラッパ状部407を下向きに押し付ける。また、第3の流路422を上吐出口438に向けて第3の液体が流通することにより、当該第3の液体が第2のラッパ状部415を下向きに押し付ける。すなわち、第2の流路413を流通する第2の液体および第3の流路422を流通する第3の液体によって、ノズル402に下向きの力が作用する。
たとえば、前述の各実施形態では、荷重付与手段として、下向きの荷重を付与するエアシリンダ26(第1の荷重付与手段)26および上向きの荷重を保持するコイルばね(第2の荷重付与手段)27を設けるものとして説明したが、コイルばね(第2の荷重付与手段)は廃止してもよい。
また、第2〜第4の実施形態の内筒として、第1の実施形態の第1〜第5の変形例に係る内筒111,121,131,141,151を採用してもよい。
また、ノズル4,202,302,402が、内筒35,111,121,131,141,151、403と、外筒36,405(および中筒404)とによって構成されているものとして説明したが、外筒36,405や中筒404の構成を廃止するようにしてもよい。すなわち、ノズル4,202,302,402が、内筒35,111,121,131,141,151、403のみを備える構成であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
3 スピンチャック(基板保持手段)
16 ノズル保持ユニット(ノズル保持手段)
17 ノズルアーム(支持部材)
31 空気調整バルブ(荷重調整手段)
32 リークバルブ(荷重調整手段)
35 内筒(第1の筒体)
38 ラッパ状部
39 周縁部(先端縁)
40 平板状部(平面部)
41 凸湾曲壁(拡径内壁)
42 第1の流路
49 下吐出口(第1の吐出口)
50 第1の処理液供給ユニット(第1の流体供給手段)
51 第2の処理液供給ユニット(第2の流体供給手段)
111 内筒(第1の筒体)
112 第1の流路
114 凸湾曲壁(拡径内壁)
115 下面(平面部)
121 内筒(第1の筒体)
122 第1の流路
124 テーパ壁(拡径内壁)
131 内筒(第1の筒体)
133 テーパ部
134 第1の流路
135 テーパ壁(拡径内壁)
141 内筒(第1の筒体)
142 第1の流路
144 テーパ部
145 テーパ壁(拡径内壁)
151 内筒(第1の筒体)
154 凸湾曲壁(拡径内壁)
155 第1の流路
157 平板状部(平面部)
201 基板処理装置
203 第1の液体供給ユニット(第1の流体供給手段)
204 第2の液体供給ユニット(第2の流体供給手段)
301 基板処理装置
303 気体供給ユニット(第1の流体供給手段)
304 処理液供給ユニット(第2の流体供給手段)
401 基板処理装置
403 内筒(第1の筒体)
404 中筒(第1の筒体)
407 第1のラッパ状部
408 周縁部(先端縁)
409 第1の流路
412 第1の凸湾曲壁(拡径内壁)
415 第1のラッパ状部
416 第2の凸湾曲壁(拡径内壁)
417 周縁部(先端縁)
418 平板状部(平面部)
427 第3の液体供給ユニット(第1の流体供給手段)
428 第4の液体供給ユニット(第1の流体供給手段)
429 第5の液体供給ユニット(第2の流体供給手段)
436 第1の下吐出口(第1の吐出口)
437 第2の下吐出口(第1の吐出口)
439 平板状部(平面部)
Claims (12)
- 第1の流体を含む処理液を用いた処理を基板に施すための基板処理装置であって、
基板を保持するための基板保持手段と、
第1の流体が流通するための第1の流路が内部に形成された第1の筒体を有し、前記第1の筒体の先端縁が、前記主面との間で、前記第1の流路を流れる流体を前記基板の前記主面に沿って放射状に吐出するための環状の第1の吐出口を区画するノズルと、
前記ノズルを、前記第1の筒体の前記先端縁が前記基板の前記主面に間隔を隔てて対向した状態で保持するノズル保持手段と、
前記ノズルの前記第1の流路に第1の流体を供給する流体供給手段とを含み、
前記第1の筒体の先端部分は、前記基板の前記主面に接近するに従って前記法線から離れるように拡径する拡径内壁を含む、基板処理装置。 - 前記拡径内壁は、前記基板の前記主面へ向かってラッパ状に広がる凸湾曲壁を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記第1の筒体の先端部分は、前記基板の前記主面へ向かって広がるラッパ状部を含む、請求項2に記載の基板処理装置。
- 前記拡径内壁は、前記基板の前記主面へ向かって広がるテーパ壁を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記第1の筒体の先端部分は、前記基板の前記主面へ向かって広がるテーパ部を有している、請求項4に記載の基板処理装置。
- 前記第1の筒体の前記先端縁は、前記基板の前記主面に沿って延びる平面部を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記第1の流路を流通する前記第1の流体は液体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記基板処理装置は、前記第1の流体および第2の流体を含む処理液を用いた処理を基板に施すための基板処理装置であって、
前記ノズルが、前記第1の筒体を包囲する第2の筒体であって、流体が流通する第2の流路を前記第1の筒体との間で区画する第2の筒体をさらに有し、
前記第2の筒体には、前記第1の吐出口よりも前記基板の前記主面から離反する方向側において、前記第2の流路を流れる流体を前記基板の前記主面に沿って放射状に吐出する環状の第2の吐出口が開口しており、
前記基板処理装置は、前記ノズルの前記第2の流路に第2の流体を供給する第2の流体供給手段をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記第2の吐出口が、前記第2の筒体の先端縁と前記第1の筒体の前記先端部分との間に区画されている、請求項8に記載の基板処理装置。
- 前記第1の流路を流通する前記第1の流体は液体であり、
前記第2の流路を流通する前記第2の流体は、前記第1の流体と同じ種類の処理液である、請求項8または9に記載の基板処理装置。 - 前記第1の流路を流通する前記第1の流体は第1の液体であり、
前記第2の流路を流通する前記第2の流体は、前記第1の液体と種類の異なる第2の液体である、請求項8または9に記載の基板処理装置。 - 前記第1の流路を流通する前記第1の流体は気体であり、
前記第2の流路を流通する前記第2の流体は液体である、請求項8または9に記載の基板処理装置。
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