JP2016152186A - 水密型絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】水密型絶縁電線の要求特性を維持しつつ、導体の酸化および腐食に起因する導体変色を効果的に抑制できるようにする。【解決手段】水密型絶縁電線1は、導体11と、導体11の周囲に被覆される絶縁体13と、導体11と絶縁体13との間の間隙に充填される水密材12とを有し、水密材12は、少なくもEVAを含むポリマーと、受酸剤とを含む。この受酸剤は、酸化マグシウムである。【選択図】図1

Description

本発明は、水密型絶縁電線、より詳細には、導体の周囲に絶縁体を被覆し、導体と絶縁体の間に水密材を充填した水密型絶縁電線に関する。
屋外の架空線用の絶縁電線にあっては、導体の周囲に被覆した絶縁体の内部への雨水などの進入を防止するために、導体素線間の間隙及び導体と絶縁体との間隙に樹脂コンパウンド(混和物)による水密材を充填し、この周囲に絶縁被覆層を形成したタイプのものが広く使用されている。
例えば特許文献1には、極性基を有する水密材のベース樹脂と、当該ベース樹脂よりメルトインデックスが大きく、かつ軟化温度の高い樹脂材料とからなる混和物であって、これら混和物の極性基の割合が10〜35%で、かつメルトインデックスが2〜80g/minである電線用水密混和物が開示されている。この電線用水密混和物を用いて水密電線を形成することにより、広範な温度範囲において、水密性、口出し性及び密着性のすべての特性のバランスを安定して維持することできる、とされている。
また、特許文献2には、塩化ビニルと酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸の共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルと不飽和ジカルボン酸の共重合体または両者の混合物を使用し、共重合体中の酢酸ビニル部分の含有量割合を共重合体の10〜12重量%に制御するとともに、150℃における、せん断速度1000s-1での水密材の粘度を10〜100Pasとする水密用共重合体が開示されている。これにより、良好な水密性が得られ、かつ絶縁体と撚線との隙間および撚線間の隙間への一括充填が可能な程度に粘度が制御され、充填性が良好である水密材および絶縁電線が得られる、とされている。
また、特許文献3では、素線間に水密材料を充填してなる撚線導体上に、ポリ塩化ビニル絶縁体を被覆してなる水密OW電線において、水密材料として、ポリ塩化ビニル(PVC)と酢酸ビニル(VA)とアクリル酸(AA)との3元共重合体を用いるものが開示されている。ここではPVCは、重合度が1000以下のものが用いられ、PVC100重量部に対して、VAを1〜30重量部、AAを0.01〜10重量部配合する。これにより素線導体との密着性、PVCからの可塑剤の移行抑制、絶縁体の剥ぎ取り性等を最適化できる、とされている。
特開2001−93347号公報 特開2013−75988号公報 特開昭63−245815号公報
導体の周囲に絶縁体を被覆し、導体と絶縁体との間の間隙に水密剤を充填した水密型絶縁電線では、各種の要求特性を満足する必要があるが、従来の水密型絶縁電線では、導体の酸化および腐食による導体変色が発生しやすい、という課題がある。
導体変色は、水密材に配合されている、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)および可塑剤に起因する。EVAおよび可塑剤は、接着性や柔軟性を付与するため従来の絶縁電線用の水密材に一般的に用いられているが、これらの化学構造にはエステル結合が含まれるため熱分解や加水分解によりカルボン酸やフタル酸等を生じ、これにより導体変色が発生すると考えられる。
導体変色は、酸により促進された導体の酸化および腐食によるものであり、水密材を使用した絶縁電線の信頼性を確保するために導体変色の発生を防止する必要がある。
水密材を用いた絶縁電線においては、導体変色防止性の他、所定の要求特性を満足する必要がある。例えば、絶縁体の内部への水の進入を防止する水密性を確保するために、導体および絶縁材に対する接着性や、水密材の柔軟性が必要となる。また、絶縁電線の設置工事等の作業性の観点から、導体表面の水密材が絶縁体とともに剥離される特性、すなわち皮剥性を満足する必要がある。そしてこれら要求特性を、使用環境に応じた広範な温度範囲で適正に維持する必要がある。また、樹脂コンパウンドからなる水密材を押出機等により導体と絶縁体との間に充填するときに、適切に充填ができる加工性が必要となる。
水密材を使用した水密型絶縁電線では、上記課題となっている導体変色を抑えるとともに、上記の水密性、皮剥性、加工性、等の要求特性を阻害することなく、適正な範囲で維持することが求められる。特許文献1〜3に記載された発明は、このような水密型絶縁電線の各種の要求特性を阻害することなく、導体変色を抑える、との課題を解決するものではない。
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、水密型絶縁電線に係る、水密性、皮剥性、加工性の要求特性を維持しつつ、導体の酸化および腐食に起因する導体変色を効果的に防止できるようにした水密型絶縁電線を提供することを目的とする。
本発明による水密型絶縁電線は、導体と、該導体の周囲に被覆される絶縁体と、該導体と絶縁体との間の間隙に充填される水密材とを有する水密型絶縁電線であって、前記水密材は、少なくもエチレン−酢酸ビニル共重合体を含むポリマーと、受酸剤とを含み、該受酸剤は、酸化マグシウムである、水密型絶縁電線である。
本発明によれば、水密型絶縁電線に係る、水密性、皮剥性、加工性の要求特性を維持しつつ、導体の酸化および腐食に起因する導体変色を効果的に防止できるようにした水密型絶縁電線を提供することができる。
本発明に係る水密型絶縁電線の一実施形態における断面構成を示す図である。 水密型絶縁電線に使用する水密材の樹脂コンパウンドの配合仕様の一例を示す図である。 受酸剤評価用の試料における配合仕様を示す図である。 受酸剤の評価における酸発生試験と銅腐食試験の試験方法を説明するための図である。 受酸剤の配合内容に応じた酸発生試験と銅腐食試験による結果を示す図である。 受酸剤の配合量を異ならせた配合仕様を示す図である。 受酸剤としてMgOとMgCO3を用いた樹脂コンパウンドによる酸発生試験と銅腐食試験の結果を示す図である。 酸発生試験における受酸剤の配合部数とpHとの関係を示す図である。 水密性および皮剥性の評価方法を説明するための図である。 水密性及び皮剥性の評価結果を示す図である。 皮剥性の評価における、対Cu剥離強度、水密材強度、対PVC剥離強度の関係をグラフにした図である。 水密材の加工性評価結果を示す図である。 水密材を使用した水密型絶縁電線の性能を評価した結果を示す図である。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本願の絶縁電線用水密材に係る発明は、導体と、該導体の周囲に被覆される絶縁体と、該導体と絶縁体との間の間隙に充填される水密材とを有する水密型絶縁電線であって、前記水密材は、少なくもエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含むポリマーと、受酸剤とを含み、該受酸剤は、酸化マグシウムである、水密型絶縁電線である。これにより、水密型絶縁電線の要求特性を維持しつつ、導体の酸化および腐食に起因する導体変色を効果的に防止できるようにした水密型絶縁電線を提供することができる。
(2)前記ポリマーは、EVAとポリ塩化ビニル(PVC)のグラフト共重合体であって、さらに前記水密材は、柔軟性を付与させるための可塑剤を含むことが好ましい。酸化マグネシウムの存在により水密材と可塑剤の相溶性が向上し、可塑剤のブリードを抑えて導体変色を効果的に防止できる。
(3)前記水密材は、さらに熱可塑性ポリエステルを含み、該熱可塑性ポリエステルは、−10℃から60℃の温度範囲において、ヤング率が30〜160Paの範囲にある熱可塑性ポリエステルであることが好ましい。これにより、広範な温度領域にて柔軟性が維持され、水密性および可撓性を安定させることができる。
図1は、本発明に係る水密型絶縁電線の一実施形態における断面構成を示す図である。水密型絶縁電線1は、複数本の導体11と、導体11の周囲に被覆された絶縁体13と、導体11と絶縁体13の間の間隙に充填された水密材12とから構成されている。導体11には銅が用いられる。また絶縁体13は、PVCによる樹脂材料からなる。水密材12は、導体11と絶縁体13との間に充填された樹脂コンパウンドにより形成されている。ここでは、水密材12は、導体11を構成する複数の導体素線間の間隙および導体11の周囲に充填され、導体11および絶縁体13に接着して水密性を付与する。水密型絶縁電線1の表面には、品名、製造者名、製造年等を示す図示しないエンボス表示を絶縁体13の外周表面の長手方向に施すことができる。
本発明に係る水密型絶縁電線の実施形態は、水密型絶縁電線の要求特性を維持しつつ、導体の酸化および腐食に起因する導体変色を効果的に防止できるようにしたもので、特に水密材の配合にMgOによる受酸剤を加えることを特徴としている。また、水密材には−10〜60℃でヤング率が10〜160MPaの範囲の熱可塑性ポリエステルを使用することで、広範な温度領域にて水密性や可撓性などの特性を維持できるようにしている。
図2は、水密型絶縁電線に使用する水密材の樹脂コンパウンドの配合仕様の一例を示す図である。絶縁電線用水密材の実施例に係る配合では、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)にポリ塩化ビニル(PVC)をグラフト共重合させた樹脂材料を用いる。EVAにより、水密性を得るための接着性、柔軟性を付与し、これにグラフト共重合させたPVCにより、PVCからなる絶縁体13に対する接着性を向上させている。
フタル酸ジオクチル(DOP)は、その添加量に応じて水密材を軟質化させ、適度な柔軟性を付与する(DOPは、可塑剤として機能する)。また、水密材の押出加工時の熱劣化等を抑えて加工性を安定させるため、錫系安定剤を用いる。本例では、EVA‐PVC共重合体100重量部に対して、DOPを25〜45重量部、錫系安定剤を5重量部、カーボンブラックを1重量部配合している。
導体11および絶縁体13に対する水密材12の接着性を向上させるために熱可塑性ポリエステルを用いる。本実施形態の例では、配合する熱可塑性ポリエステルは、−10〜60℃の環境で、ヤング率が10〜160MPaの特性で接着性を有するものとする。この場合、一例として熱可塑性ポリエステルのガラス転移点(Tg)が−20℃、分子量が約19000のものを用いることができる。上記のようなヤング率を有することで、広範な温度領域にて柔軟性が維持され、水密型絶縁電線の水密性および可撓性を安定させることができる。本例の接着剤の配合量は80〜160重量部、望ましくは110〜150重量部とされる。
水密材12には、さらに酸化マグネシウム(MgO)を用いた受酸剤を配合する。金属化合物からなる受酸剤は、酸を中和する機能を有する。水密材12にMgOによる受酸剤を添加することで、水密材から発生した酸と受酸剤とを反応させる。これによって、酸を不活性化させることができるため、酸による導体11の酸化および腐食を抑制できる。また、MgOによる受酸剤は、水密材と可塑剤との相溶性を向上させ、水密型絶縁電線における水密材からの可塑剤のブリードを抑制し、ブリードした可塑剤の分解生成物による導体変色を防止する効果が得られる。本発明に係る実施形態では、MgOを受酸剤として水密材の樹脂コンパウンドに添加することにより、導体11の変色を効果的に防止できることが見出された。
以下に、水密材の樹脂コンパウンドの配合仕様に応じた評価結果を示す。
(受酸剤の効果の評価)
上記のように、導体変色が生じる要因として、水密材に含まれるEVAおよび可塑剤から発生する酸が考えられるため、酸を不活性化して導体変色を抑える、受酸剤の効果を比較評価した。受酸剤としては、MgO、MgCO3、CaCO3、ハイドロタルサイト、カルボジイミドを用いた。
ハイドロタルサイトは、一般式[M2+ 1-x3+ x(OH)2][An- x/n・mH2O](式中、M2+は2価の金属イオンを、M3+は3価の金属イオンを表し、An- x/nは層間陰イオンを表す。また0<x<1であり、nはAの価数、0≦m<1である)で表される化合物の一つとされる。
図3は、受酸剤評価用の試料における配合仕様を示す図である。ここでは、試料S1〜S10、及び比較用の試料としてS01、S02を用意した。比較用の試料S01として、樹脂コンパウンドを使用せず純水のみの試料を用意した。各試料S02,S1〜S10において、EVA−PVCグラフト共重合体を100重量部、DOPを45重量部、錫系安定剤を5重量部配合した。そして試料S1〜S10には、さらにそれぞれ後述する受酸剤を1重量部配合し、比較用の試料S02には受酸剤を配合しなかった。
受酸剤として、試料S1,S2はMgOを用い、試料S3はMgCO3を用い、試料S4,S5はCaCO3を用い、試料S6,S7はハイドロタルサイトを用い、試料S8,S9,S10はカルボジイミドを用いた。同一の受酸剤で複数の試料があるものは、同一物質で異なるグレードの物を用いている。
受酸剤の導体変色防止効果に係る評価において、(1)酸発生試験と、(2)銅腐食試験とを行った。
(1)図4(A)により酸発生試験方法を説明する。酸発生試験においては、純水21を入れた容器20内に、配合仕様に基づき配合した樹脂コンパウンド22を純水21に浸るように投入し、この容器20を70℃の恒温槽内に置く。そしてこの状態で14日間経過後に、容器20内の純水のpHを測定した。
(2)図4(B)により銅腐食試験方法を説明する。銅腐食試験においては、純水21を入れた容器20内に、配合仕様に基づき配合した樹脂コンパウンドを純水21に浸るように投入し、さらにその純水21に部分的に浸るように銅板23を固定する。この容器20を70℃の恒温槽内に置き、14日間経過後に、容器20内の銅板23の変色状態を観察した。
(受酸剤評価結果)
図5は、受酸剤の配合内容に応じた酸発生試験と銅腐食試験による結果を示す図である。
評価試料としては、上記図3に示す受酸剤を添加した試料S1〜S10と、樹脂コンパウンドを使用せず純水のみの試料S01と、試料S1〜S10と同様にEVA‐PVCグラフト共重合体(100重量部)にDOP(45重量部)、および錫系安定剤(5重量部)を配合し、これに受酸剤を添加しない試料S02とを用いた。
図5に示すように、酸発生試験において、MgOを用いた試料S1,S2のpHが最も高く、次いで、純水のみの試料S01、MgCO3を用いた試料S3、CaCO3を用いた試料S4,S5、ハイドロタルサイトを用いた試料S6,S7、カルボジイミドを用いた試料S8〜S10の順でpHが低下した。すなわち、受酸剤としてMgOを用いた配合仕様では、酸発生試験における純水のpHが明らかに高く、樹脂コンパウンドから生成された酸が受酸剤と反応してpHが高くなったことが考えられる。
銅腐食試験においては、酸発生試験においてpHが低い試料ほど、銅板の変色が進行することが確認された。銅板の変色の進行は、銅板表面の酸化および腐食が進行していることを示す。すなわち銅腐食試験による銅板の酸化および腐食進行は、酸発生試験におけるpHの値に連動し、MgOを用いた試料S1,S2が最も変色がなく良好であり、次いで、純水のみの試料S01、MgCO3を用いた試料S3、CaCO3を用いた試料S4,S5、ハイドロタルサイトを用いた試料S6,S7、カルボジイミドを用いた試料S8〜S10の順で変色の程度が大きくなり、変色が進行していることが確認された。
図6は、受酸剤の配合量を異ならせた配合仕様を示す図である。
上記の受酸剤の種類の検討結果において、結果が良好であったMgO、及びMgCO3について配合量を変化させ、上記と同様に酸発生試験と銅腐食試験とを行った。
ここでは、比較のために受酸剤を配合しないS011と、MgOまたはMgCO3による受酸剤を配合した9種類の試料S11〜S19を作成した。各試料S011、S11〜S19において、EVA−PVCグラフト共重合体を100重量部、DOPを45重量部、錫系安定剤を5重量部、カーボンブラックを1重量部、Tg(ガラス転移点)が−20℃の熱可塑性ポリエステルを130重量部配合した。Tgが−20℃の熱可塑性ポリエステルは、−10〜60℃の温度範囲でヤング率が10〜160MPaの範囲にある。
受酸剤を添加した試料S11〜S16では、受酸剤としてMgOを使用し、配合量をEVA‐PVCグラフト共重合体100重量部に対して0.25、0.5、1重量部のいずれかとした。S11〜S13と、S14〜S16とでは異なるグレードのMgOを用いている。また、試料S17〜S19では、受酸剤としてMgCO3を使用し、配合量をEVA‐PVCグラフト共重合体100重量部に対して0.25、0.5、1重量部のいずれかとした。受酸剤を添加した全ての試料S11〜S19では、接着剤として、上記のTgが−20℃の熱可塑性ポリエステルを用いた。
図7は、受酸剤としてMgOとMgCO3を用いた樹脂コンパウンドによる酸発生試験と銅腐食試験の結果を示す図である。
評価試料としては、樹脂コンパウンドを使用せず純水のみの試料S01と、上記図6に記載した試料S011(受酸剤がなく、Tgが−20℃の熱可塑性ポリエステルを配合)、およびMgOまたはMgCO3による受酸剤を配合した試料S11〜S19を用いた。
図7に示すように、酸発生試験において、純水のみの試料S01が最もpHが高いが、樹脂コンパウンドを用いた試料では、受酸剤としてMgOまたはMgCO3を使用した試料S11〜S19において、受酸剤を用いない試料S011よりもpHが高くなっている。また、受酸剤としてMgOを用いた試料S11〜S16は、受酸剤としてMgCO3を用いた試料S17〜S19よりも明らかにpHが高く、1重量部配合した試料S13,S16は中性であることが確認された。
図8は、上記の酸発生試験における受酸剤の配合部数とpHとの関係を示す図である。
図8に示すように、受酸剤の配合量の増加に従ってpHが高くなっていることがわかる。つまり、受酸剤を増量させることにより、樹脂コンパウンドから発生した酸の反応が促進され、pHが高く抑えられるものと考えられる。
また、MgOを用いた試料は、MgCO3を用いた試料よりも明らかにpHが高く、受酸剤としてMgOを用いることで、酸発生試験における良好な結果が得られた。
また、銅腐食試験の結果、酸発生試験においてpHが低い試料ほど、銅の変色が進行する傾向が確認された。特に受酸剤を配合していない試料S011では、銅板が黒色に変色し、変色が顕著であった。また、受酸剤を配合した試料S11〜S19では、銅板の変色が抑えられ有意に優れた効果が見られた。また、MgOを用いた試料S11〜S16は、MgCO3を用いた試料S17〜S19よりも変色がなく良好であった。また、受酸剤の添加量が増加するほど、変色が抑えられる傾向があった。特にMgOを1部配合した試料S13,S16では、銅板の変色がなく、最も良好な結果が得られた。
上記の結果から、MgOによる受酸剤を用いた樹脂コンパウンドによって、明らかに酸発生および銅の導体変色を防止することができることが確認された。
(水密性、皮剥性評価)
上記のようにMgOによる受酸剤を用いた樹脂コンパウンドにより導体変色が改善されるが、MgOによる受酸剤を配合したときに水密性、皮剥性の要求特性が阻害されないことを次に記載の評価で確認した。
図9(A)により水密性評価方法を説明する。水密性の評価においては、配合仕様に基づき配合した樹脂コンパウンドを熱成形して厚さ1mmの板状の水密材サンプル31を作成し、この水密材サンプル31の両面に銅板32融着させ、両面の銅板32の端部を両側から引張試験機のチャックに固定し、チャック間を開くときの引張速度を50mm/minとして剥離強度を測定した。水密材サンプル31の幅は20mmであり、剥離強度としてN/20mmの値を求めた(以降、対Cu剥離強度と呼ぶ)。
図9(B)、図9(C)により皮剥性の評価方法を説明する。図9(B)に示すように、皮剥性の評価として、水密性評価と同様に配合仕様に基づき配合した樹脂コンパウンドを熱成形して厚さ1mmの板状の水密材サンプル31を作成する。そして皮剥性評価においては、水密材サンプル31の両面にPVCシート33を融着させ、両面のPVCシート33の端部を両側から引張試験機のチャックに固定し、チャック間を開くときの引張速度を50mm/minとして剥離強度(N/20mm)を測定した(以降、対PVC剥離強度と呼ぶ)。
また、図9(C)に示すように、皮剥性の評価として、配合仕様に基づき配合した樹脂コンパウンドを厚さ1mmの板状に熱成形し、20mm幅の領域をもつ所定形状に打ち抜いて水密材サンプル34を作成する。この水密材サンプルの両端を引張試験機のチャックに固定して、50mm/minの引張速度でチャック間を開いて水密材サンプル34が破断するときの引張強度(N/20mm)を測定した(以降、水密材強度と呼ぶ)。
図10は、水密性及び皮剥性の評価結果を示す図である。試料は図6の配合に基づく試料と同じものとした。すなわち、受酸剤がなくTgが−20℃の熱可塑性ポリエステルを配合した試料S011と、MgOまたはMgCO3による受酸剤の配合量を変えた試料S11〜S19とを用いた。
対Cu剥離強度により、水密型絶縁電線における銅製の導体と水密材との密着性を評価することができる。比較例の配合による試料S011は、受酸剤を配合せず、またTgが−20℃の熱可塑性ポリエステルを用いているが、このときの対Cu剥離強度は7.6(N/20mm)であった。
これに対してTgが−20℃の熱可塑性ポリエステルを使用し、さらに受酸剤としてMgOを配合した試料S11~S16では、いずれの試料においても、試料S011よりも対Cu剥離強度が大きくなり、11.8~16.4(N/20mm)の範囲となった。なお、受酸剤としてMgCO3を配合した試料S17〜S19では、対Cu剥離強度が6.5~11.2(N/20mm)の範囲となり、比較例の配合による試料S011に対して、試料S17では対Cu剥離強度が小さく、他の試料S18,S19では対Cu剥離強度が大きい結果となった。
上記に示すように、MgOによる受酸剤を配合して導体変色防止に係る特性を向上させるときに、Cuを使用した導体に対する剥離強度は低下することはなく、本試験に関しては上記の受酸剤の配合を要因とする水密性の低下はないものと考えられる。
また、皮剥性を判断するための水密材強度と、対PVC剥離強度とが評価された。皮剥性においては、対Cu剥離強度<水密材強度<対PVC剥離強度の数値が得られることが好ましい。上記のように水密型絶縁電線の絶縁体を剥がすときに、導体に絶縁体が残留することなく剥がれることが求められる。この特性を実現するためには、水密材とCuとの界面の剥離強度が最も小さく、これよりも水密材が破断する強度が大きく、さらに絶縁体に用いられるPVCと水密材との剥離強度が最も大きいことが好ましい。この特性を有することにより、水密型絶縁電線の絶縁体を導体から剥離するときに、導体のCuと水密材との界面で界面剥離し、皮剥性が良好となる。
図11は、上記の皮剥性の評価における、対Cu剥離強度、水密材強度、対PVC剥離強度の関係をグラフにした図である。
上記の皮剥性の評価結果においては、受酸剤を配合しない試料S011、およびMgOまたはMgCO3による受酸剤を配合した試料S11〜S19では、対Cu剥離強度<水密材強度<対PVC剥離強度となり、水密型絶縁電線における皮剥性は良好であると考えられる。上記の結果から、受酸剤を配合したことにより、水密性が低下することなく、かつ皮剥性が良好であることが確認された。
(加工性評価)
図12は、水密材の加工性評価結果を示す図である。ここでは、水密材を溶融して導体間および導体の周囲に充填するときの加工性を評価するためにMFR(Melt Flow Rate)を測定した。測定条件としては、測定温度を150℃とし、加重条件を1.20kgとした。
評価試料として、受酸剤がなく、接着剤としてTgが−20℃の熱可塑性ポリエステル(−10〜60℃の温度範囲におけるヤング率が10〜160MPaのもの)を用いた試料S011、および試料S011に対してMgOによる1受酸剤を1.0重量部配合した試料S13、及び試料S16を使用した。
この結果、試料S13、S16では、試料S011に対してMgOによる受酸剤を1.0重量部配合することで、MFRが向上した。このレベルであれば、水密材の充填加工性は問題がないといえる。すなわち、MgOによる受酸剤を所定量配合することによる水密材の加工性低下は生じないといえる。
(水密材と可塑剤との相溶性評価)
本発明に係る実施形態においては、水密材に柔軟性を付与させるための可塑剤が配合される。水密材と可塑剤の相溶性が悪いと、水密材内部で可塑剤が遊離し、加工成形した水密材の表面にブリードしてくる。水密材からブリードした可塑剤の分解生成物により、水密材に接触している導体が変色する。
相溶性を評価するために、水密材の樹脂コンパウンドをシート状に熱成形し、水に浸漬させて表面の可塑剤のブリードを観察した。
使用した試料は、受酸剤がなくTgが−20℃の熱可塑性ポリエステルを使用した試料S011と、これにMgOの受酸剤を0.25部配合した試料S11と、同じくMgOの受酸剤を0.5重量部配合した試料S12と、同じくMgOの受酸剤を1.0重量部配合した試料S13とした。
水密材の成形シートの大きさは1×3cm角で厚さ1mmとし、これを70℃の水に浸漬させ、その状態のまま14日間経過後に成形シートの表面の状態を観察した。
この結果、受酸剤を添加しない試料S011では、水密材の成形シートの表面に斑点状に可塑剤がブリードしていた。これに対して、MgOによる受酸剤を配合した水密材の成形シートでは、可塑剤のブリード量が減少した。特に受酸剤の配合量が多くなるほど、成形シートの表面の可塑剤のブリード量は減少し、受酸剤を1.0重量部配合した試料S13では、成形シート表面への可塑剤のブリードは観察できなかった。
この結果により、水密材の樹脂コンパウンドにMgOによる受酸剤を配合することにより、可塑剤と水密材との相溶性が向上し、可塑剤のブリードが抑えられることが確認された。MgOによる受酸剤により、可塑剤のブリードが抑えられることで、水密型絶縁電線において、水密材からブリードした可塑剤の分解生成物による導体変色を防止できる。
(電線性能のまとめ)
図13は、水密材を使用した水密型絶縁電線の性能を評価した結果を示す図である。水密型絶縁電線としての要求性能としては、雨水進入防止性(水密性)、皮剥性、低温可撓性、加工性、および導体変色防止性の各項目があり、これらの要求性能を満たす必要がある。各要求性能に対する評価結果を○(良好)、△(良)、×(不良)により示す。
雨水進入防止性(水密性)は、水密材の接着性に関わる特性である。雨水進入防止性では、水密型絶縁電線の端末に49kPaの水圧を24時間加え、水密型絶縁電線内の走水長が所定長以下であることが要求される。ここでは水密型絶縁電線の内部を走水する水の走水長が250mm未満であれば評価結果を○(良好)とし、走水長が250〜400mmの範囲であれば△(良)とし、走水長が400mm以上であれば×(不良)とした。
また、皮剥性は、水密型絶縁電線において、絶縁体を剥ぎ取ったときに、導体上に水密材や絶縁体が残留することなく絶縁体を剥離できることが要求される。このとき導体上に水密材や絶縁体が残留することなく絶縁体が剥離できれば評価結果を○(良好)、そうでなければ×(不良)とした。
低温可撓性は、低温領域における柔軟性に関わる特性であり、低温下で当該水密型絶縁電線を使用する際に求められる特性である。低温可撓性は、−10℃の雰囲気で水密型絶縁電線を180°屈曲させ、このときに水密型絶縁電線の絶縁体にひびわれを生じないことが要求される。ここではひびわれがない場合、評価結果を○(良好)とし、ひびわれが生じた場合を×(不良)とした。
また、加工性は、水密材を加熱溶融して導体内および導体周囲に充填するときに、充填不良なく良好に充填できることが要求される。充填不良なく水密材を充填できれば評価結果を○(良好)、そうでなければ×(不良)とした。
また、導体変色防止性では、水密型絶縁電線を水中に浸漬し、所定のヒートサイクル(8時間加熱ON(このうち4時間以上60℃)、16時間加熱OFF)を1か月間与え、導体に黒色変色がないことが要求される。ここで導体に変色がなければ、評価結果を○(良好)とし、若干変色がある場合には△(良)とし、黒色に変色していれば×(不良)とした。
上記の要求性能について、受酸剤がなくTgが−20℃の熱可塑性ポリエステル(−10〜60℃の温度範囲でヤング率が10〜160MPaの特性を実現するもの)を用いた水密材の試料S011と、上記のTgが−20℃の熱可塑性ポリエステルを使用し、さらにMgOによる受酸剤を1.0重量部配合した水密材の試料S13,S16とを使用した水密型絶縁電線を評価した。
この結果、受酸剤を使用しない試料S011では、雨水進入防止性、皮剥性、低温可撓性、および加工性の要求が満足されたが、導体変色防止性については不良であった。−10〜60℃の温度範囲でヤング率が10〜160MPaの特性熱可塑性ポリエステルを使用したことにより、良好な水密性が得られ、また低温領域での柔軟性が維持されることで、良好な低温可撓性が得られたものと考えられる。
さらに、Tgが−20℃の熱可塑性ポリエステルを使用し、さらにMgOによる受酸剤を1.0重量部配合した試料S13,S16においては、導体変色防止に係る特性が改善され、図13の要求特性が全て良好となる結果が得られた。
MgOによる受酸剤は、水密材から発生する酸と反応して不活性化し銅の酸化および腐食を抑える効果が得られる。また上記のように、MgOによる受酸剤は、水密材と可塑剤との相溶性を促進し、水密材からの可塑剤のブリードを抑える。これにより、ブリードした可塑剤の分解生成物による導体変色を防止する効果を得ることができる。MgOによる受酸剤を配合することで、水密型絶縁電線における水密性、皮剥性などの各種の要求特性を阻害することなく、導体変色の要因となる導体の酸化および腐食を抑えて、高品質の水密型絶縁電線を提供することができた。
1…水密型絶縁電線、11…導体、12…水密材、13…絶縁体、20…容器、21…純水、22…樹脂コンパウンド、23…銅板、31…水密材サンプル、32…銅板、33…PVCシート、34…水密材サンプル。

Claims (3)

  1. 導体と、該導体の周囲に被覆される絶縁体と、該導体と絶縁体との間の間隙に充填される水密材とを有する水密型絶縁電線であって、
    前記水密材は、少なくもエチレン−酢酸ビニル共重合体を含むポリマーと、受酸剤とを含み、該受酸剤は、酸化マグシウムである、水密型絶縁電線。
  2. 前記ポリマーは、エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリ塩化ビニルのグラフト共重合体であって、
    前記水密材は、さらに柔軟性を付与させるための可塑剤を含む、請求項1に記載の水密型絶縁電線。
  3. 前記水密材は、さらに熱可塑性ポリエステルを含み、
    該熱可塑性ポリエステルは、−10℃から60℃の温度範囲において、ヤング率が10〜160MPaの範囲にある熱可塑性ポリエステルである、請求項1または2に記載の水密型絶縁電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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