JP2016152154A - 電気化学セル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート状の正極シート3および負極シート4がセパレータを介して重ね合わされた電極体を備える非水電解質二次電池であって、正極シート3および負極シート4は、それぞれ、正極集電体30、負極集電体40と、正極集電体30、負極集電体40の両側の表面に塗布された正極材料層31,負極材料層41と、少なくとも正極材料層31,負極材料層41に対向する側に、非金属の導電性材料からなる導電性コート層33,43を有し、正極集電体30、負極集電体40に電気的および機械的に接続される正極タブ端子32、負極タブ端子42と、を備える。
【選択図】図5
Description
また、例えば特許文献2には、タブをステッチング(針カシメ)により電極シートに接合する構成が開示されている。
また、特許文献3には、タブをレーザ溶接によって電極シートに接合する構成が開示されている。
そこで、特許文献1および2に開示された構成においては、電極シートにおいて電極材料を未塗布とし、集電体を形成する金属が露出する未塗工部分を設けている。この未塗工部分にタブを配置し、タブと集電体とを金属同士で直接接合することで、タブと集電体との電気的および機械的な接続を行っている。
また、特許文献3に開示された構成においては、タブにおける集電体を貫通する部分の外周部のみで電気的および機械的な接続を行っている。
また、特許文献3に開示された技術にあっては、タブと集電体との電気的接続部分における面積が限られるため、導電性に限界がある。
図1は、本発明の電気化学セルの実施形態である非水電解質二次電池の分解斜視図である。図2は、本実施形態における非水電解質二次電池の断面図である。図3は、本実施形態における電極体の構造を示す斜視図である。
図1から図3に示すように、本実施形態の非水電解質二次電池1(請求項の「電気化学セル」に相当。)は、いわゆるラミネート型のものである。非水電解質二次電池1は、ラミネートフィルムにより構成された外装体2に電極体10が収容されてなる、略扁平形のものである。
また、電極体10が収容される外装体2の収容部21aおよび収容部22a内には、不図示の電解液が充填されている。これにより、電極体10には、電解液が含浸される。
また、あらかじめ、第1容器部21および第2容器部22をそれぞれ別々に製造する方法を採用してもよい。具体的には、アルミラミネートフィルムを金型にセットした後、圧力を加えて絞り加工成型を行うことで収容部21aおよび収容部22aを形成し、その後、収容部21aおよび収容部22aに電極体10を装填するとともに電解液を注入してから、第1容器部21および第2容器部22の周縁部同士を接着してもよい。この場合には、これら周縁部同士を溶着あるいは接着することが、収容部21aおよび収容部22a内に収容される電解液が漏洩するのを防止できる点から好ましい。
図1から図4に示すように、正極集電体30および負極集電体40の各々には、それぞれ、外部端子として正極タブ端子32(請求項の「タブ端子」に相当。)および負極タブ端子42(請求項の「タブ端子」に相当。)が設けられている。正極タブ端子32および負極タブ端子42は、それぞれ電流を取出し可能となっている。図1に示すように、非水電解質二次電池1は、正極タブ端子32および負極タブ端子42の引き出し部周辺においても、第1容器部21と第2容器部22とが重ね合わせられて封止されることにより、外装体2の密閉性が確保されている。
図5に示すように、正極シート3は、正極集電体30と、正極集電体30の両面に塗布された一対の正極材料層31(31A,31B)(請求項の「電極材料層」に相当。)と、を有している。
正極集電体30としては、例えばアルミニウム合金、若しくは純アルミからなる金属箔が好適に用いられる。
また、正極バインダは、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極タブ端子32としては、例えば、例えばアルミニウム合金、若しくは純アルミからなる金属材料が好適に用いられる。
導電性コート層33を形成するには、アセチレン等の原料ガスを用い、CVD(化学気相成長:Chemical Vapor Deposition)法、PVD(物理蒸着:Physical Vapor Deposition)法、溶射等の手法により、正極タブ端子32の一方の側面に、炭素またはSiCを含む薄膜を形成することができる。また、炭素やSiC等の炭素を含む導電性材料、フェノール樹脂等のバインダと混合させた導電性ペーストや導電性接着剤を、正極タブ端子32の対向面32sに、転写や塗布等することでも、導電性コート層33を形成することができる。
正極タブ端子32と正極シート3とには、それぞれその積層方向(厚さ方向)に貫通孔32h、貫通孔3hが形成される。ここで、正極タブ端子32は、針カシメによって、貫通孔32hの周囲に、正極シート3を貫通する筒状部32c(請求項の「貫通部」に相当。)が形成される。さらに、筒状部32cの先端部の外周側には、正極シート3側に折り返されたフランジ状の折返し部32dが形成される。
負極集電体40としては、例えば銅合金や、純銅、ニッケル等の金属箔が好適に用いられる。
負極材料層41としては、例えば負極活物質や、導電助剤(例えば、グラファイト等)、バインダ(例えば、ポリフッ化ビニリデン等)、溶剤(例えばN−メチルピロリドン等の任意の溶媒)を混合し、負極集電体40に塗布・乾燥させることで形成される。
負極材料層41は、C、SiOx(0<x<2)、Siのうちの少なくとも何れかを負極活物質として含有する。
負極バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド(PI)、ポリイミドアミド(PAI)等が挙げられ、中でも、ポリアクリル酸が好ましく、架橋型のポリアクリル酸がより好ましい。また、負極バインダは、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極タブ端子42としては、例えば、例えばニッケル等の金属材料が好適に用いられる。
導電性コート層43を形成するには、アセチレン等の原料ガスを用い、CVD法、PVD法、溶射等の手法により、負極タブ端子42の一方の側面に、炭素またはSiCを含む薄膜を形成することができる。また、炭素やSiC等の炭素を含む導電性材料を用いた導電性ペーストや導電性接着剤を、負極タブ端子42の対向面42sに、転写や塗布等することでも、導電性コート層43を形成することができる。
負極タブ端子42と負極シート4とには、それぞれその積層方向(厚さ方向)に貫通孔42h、貫通孔4hが形成される。ここで、負極タブ端子42は、針カシメによって、貫通孔42hの周囲に、負極シート4を貫通する筒状部42c(請求項の「貫通部」に相当。)が形成される。さらに、筒状部42cの先端部の外周側には、負極シート4側に折り返された折返し部42dが形成される。
セパレータ5としては、従来から非水電解質二次電池のセパレータに用いられるフィルム状のものを何ら制限無く適用でき、ラミネート型の電池の場合には、電池の異常による加熱により空孔の閉塞によるシャットダウン機能をもったポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン、ポリアミド、あるいはポリエチレン/ポリプロピレン複合膜などが挙げられる。またボタン型においては、例えば、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、鉛ガラス等のガラス、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド、ポリイミド(PI)等の樹脂からなる不織布等が挙げられる。
また、正極シート3および負極シート4の厚さについても、上記同様、非水電解質二次電池1の大きさに応じて決定される。具体的に正極シート3および負極シート4は、非水電解質二次電池1が小型電子機器用のラミネート型のものであれば、例えば、10〜500μm程度のフィルム状、コイン型のものであれば、例えば、300〜1000μm程度とされる。
例えば、正極シート3および負極シート4の製造方法としては、活物質と、必要に応じて導電助剤およびバインダの少なくともいずれか一方と、を混合して正極材料、負極材料とし、この正極材料、負極材料を、フィルム状等の任意の形状に加圧成形する方法が挙げられる。例えば、正極材料層31、負極材料層41は、任意の溶媒と正極材料、負極材料とを混合してスラリーを作製し、正極集電体30、負極集電体40の両面全体に塗布して乾燥した後、圧縮成形することにより形成できる。
支持塩としては、非水電解質二次電池の電解液に支持塩として用いられる公知の物質を用いることができ、例えば、LiCH3SO3、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiN(CF3SO3)2、LiN(FSO2)2等の有機酸リチウム塩;LiPF6、LiBF4、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr等の無機酸リチウム塩等のリチウム塩等が挙げられる。なかでも、リチウムイオン導電性を有する化合物であるリチウム塩が好ましく、LiN(CF3SO2)2、LiN(FSO2)2、LiBF4がより好ましく、耐熱性および水分との反応性が低く、保存特性を充分に発揮できるという観点から、LiN(CF3SO2)2が特に好ましい。また、導電性ポリマー等の固体電解質を電解液に用いてもよい。
支持塩は、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このように、正極タブ端子32および負極タブ端子42において、少なくとも正極シート3および負極シート4の正極材料層31および負極材料層41に対向する側に、それぞれ導電性コート層33および導電性コート層43を形成することで、正極タブ端子32および負極タブ端子42を取り付けた状態で、導電性コート層33および導電性コート層43と、正極材料層31および負極材料層41とが接触する。これによって、正極タブ端子32および負極タブ端子42と、正極シート3および負極シート4とを、それぞれ確実に電気的に接続することができる。
このような構成によれば、正極シート3、負極シート4において、正極材料層31,負極材料層41は正極集電体30、負極集電体40の全体に塗布すればよく、正極シート3、負極シート4を容易に生産することができる。
その結果、正極タブ端子32、負極タブ端子42を正極シート3、負極シート4も容易かつ確実に接合し、生産性の向上および製造コストの抑制を図ることができる。また、正極タブ端子32、負極タブ端子42と、正極シート3、負極シート4とを電気的に接続する表面積が大きくなるので、大電流での使用にも適したものとなる。
このような構成によれば、正極タブ端子32および負極タブ端子42は、正極集電体30および負極集電体40の一方の側の正極材料層31および負極材料層41と、他方の側の正極材料層31および負極材料層41と、筒状部32cおよび筒状部42cの内周面とで、正極シート3および負極シート4に対して、電気的に確実に接続される。
次に、上記実施形態の変形例を示す。上記実施形態では、正極タブ端子32および負極タブ端子42に対し、正極シート3および負極シート4に対向する一方の対向面32sおよび対向面42sに導電性コート層33および導電性コート層43を形成したが、これに限らない。
図6は、本発明の実施形態の変形例としての正極シート、負極シートの構成を示す図であり、捲回された正極シート、負極シートを展開した状態を示す図である。
図6に示すように、正極タブ端子32および負極タブ端子42に対し、正極シート3および負極シート4に対向する一方の対向面32sおよび対向面42sに加え、その反対側の反対面32tおよび反対面42tの両面に導電性コート層33および導電性コート層43を形成してもよい。
例えば、上記実施形態およびその変形例においては、図1から図6に示すようなラミネート型の構造を有する非水電解質二次電池を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ボタン型の構造や、セラミックス製の容器本体の開口部が、金属製の封口部材を用いたシーム溶接等の加熱処理によってセラミックス製の蓋体で封止された構造の非水電解質二次電池であってもよい。
また、上述した実施形態およびその変形例では、電気化学セルの一例として、非水電解質二次電池を例に挙げて説明したが、電気二重層キャパシタや一次電池であってもよい。また、各電極や電解液に用いる材料についても、適宜変更が可能である。
Claims (6)
- シート状の正極シートおよび負極シートがセパレータを介して重ね合わされた電極体を備える電気化学セルであって、
前記正極シートおよび前記負極シートは、それぞれ、
集電体と、
前記集電体の両側の表面に塗布された電極材料層と、
を備え、
前記集電体には、タブ端子が電気的および機械的に接続され、
前記タブ端子は、少なくとも前記電極材料層に対向する側に、非金属の導電性材料からなる導電性コート層を有することを特徴とする電気化学セル。 - 前記タブ端子は、前記集電体の一方の側の前記電極材料層に対向するよう配置されるとともに、前記集電体を他方の側に貫通する貫通部と、前記集電体の前記他方の側において前記電極材料層に対向するよう折り返された折返し部と、を備え、
前記導電性コート層は、前記貫通部の外周面、および前記折返し部において前記他方の側の前記電極材料層に対向する部分に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。 - 前記貫通部および前記折返し部は、前記タブ端子を前記集電体に対して針カシメすることによって形成されることを特徴とする請求項2に記載の電気化学セル。
- 前記貫通部および前記折返し部は、複数形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電気化学セル。
- 前記導電性コート層は、前記タブ端子において、前記集電体の一方の側の前記電極材料層に対向する対向面と、前記対向面の反対側の反対面とに形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気化学セル。
- 前記導電性コート層は、炭素を含む材料により形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気化学セル。
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