JP2016151541A - レーザ測定装置 - Google Patents

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良太 大島
毅 ▲高▼寺
毅 ▲高▼寺
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Abstract

【課題】レーザ測定に用いるレーザ光として不可視レーザ光を用いるレーザ測定装置における安全性を向上する。
【解決手段】
測定用レーザ光源1が出射した測定光と、照準用レーザ光源2が出射した照準光とを、ダイクロイックミラー3で波長合成して形成した合成光を、ビームスプリッタ5で二つの合成光に分岐し、分岐した二つの合成光で異なる方向より被測定物を照射する。分岐した二つの合成光の光路を進行する照準光を検出する第1照準光検出部11と第2照準光検出部12を設け、測定用レーザ光源1の駆動の開始に先立って、照準用レーザ光源2の駆動を開始し、第1照準光検出部11と第2照準光検出部12で照準光を検出し、照準光を検出できた場合のみ測定用レーザ光源1の駆動を開始する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を用いて測定を行うレーザ測定装置に関するものである。
レーザ光を用いて測定を行うレーザ測定装置としては、被測定物にレーザ光を照射し被測定物で反射したレーザ光にドップラ効果によって生じるドップラシフトを利用して被測定物の振動や速度や変位を測定するレーザドップラ振動計(たとえば、特許文献1)や、被測定物にレーザ光を照射し被測定物で反射したレーザ光の強弱より被測定物の変位を測定するレーザ変位計(たとえば、特許文献2)など、種々の測定装置が知られている。
また、赤外光を用いて距離を計測する光学式距離計において、赤外光に可視光を波長合成器で合成して被測定物に出射することにより、被測定物上の赤外光の照射箇所を視認可能とする技術も知られている(たとえば、特許文献3)。
特開2006-010693号公報 特開2011-209034号公報 特開2005-098835号公報
人間の目に対する安全性の観点からは、レーザ測定に用いるレーザ光としては、アイセーフレーザと呼ばれる人の目に損傷を与えにくい近赤外レーザ光を用いることが好ましい。
一方、近赤外レーザ光をレーザ測定に用いた場合、近赤外レーザ光は不可視光であるため照射位置を視認することができなくなる。そこで、上述した赤外光に可視光を波長合成器で合成する技術を応用し、近赤外レーザ光に可視光を波長合成して被測定物に出射することにより、近赤外レーザが出射されているかの認識と、被測定物上の近赤外レーザ光の照射箇所の視認を可能とすることで安全性が向上される。
しかしながら、このようにすると、故障等により可視光が出射されなくなったときに、ユーザが近赤外レーザ光も出射されていないと誤認してしまうこととなり安全上問題がある。
そこで、本発明は、レーザ測定に用いるレーザ光として不可視レーザ光を用いるレーザ測定装置における安全性を向上することを課題とする。
前記課題達成のために本発明は、不可視のレーザ光である測定光を被測定物に出射し、測定光の被測定物による散乱光または反射光を用いて被測定物の測定を行うレーザ測定装置に、前記測定光を出射する測定用レーザ光源と、可視のレーザ光である照準光を出射する照準用レーザ光源と、前記被測定物に出射される測定光に、前記照準用レーザ光源が出射した照準光を波長合成する波長合成器と、前記照準光の出射状態を検出する照準光出射状態検出部と、前記測定用レーザ光源と前記照準用光源の点灯/消灯を制御する光源制御手段とを設けたものである。ただし、前記光源制御手段は、前記測定用レーザ光源を点灯する際に、当該測定用レーザ光源の点灯に先だって、前記照準用レーザ光源を点灯し、前記照準光出射状態検出部が検出している前記照準光の出射状態が正常であるか否かを判定し、前記照準光の出射状態が正常である場合に、前記測定用レーザ光源を点灯する。
また、前記課題達成のために、本発明は、不可視のレーザ光である測定光を被測定物に出射し、測定光の被測定物による散乱光または反射光を用いて被測定物の測定を行うレーザ測定装置に、前記測定光を出射する測定用レーザ光源と、可視のレーザ光である照準光を出射する照準用レーザ光源と、前記被測定物に出射される測定光に、前記照準用レーザ光源が出射した照準光を波長合成する波長合成器と、前記照準光の出射状態を検出する照準光出射状態検出部と、前記測定用レーザ光源と前記照準用光源の点灯/消灯を制御する光源制御手段とを設けたものである。ただし、前記光源制御手段は、前記測定光と当該測定光に合成した前記照準光とを前記被測定物に出射している期間中、前記照準光出射状態検出部が検出している前記照準光の出射状態が正常であるか否かを判定し、前記照準光の出射状態が正常でない場合に、前記測定用レーザ光源を消灯する。
ここで、以上のレーザ測定装置は、前記照準光出射状態検出部において、前記照準用レーザ光源の出力の大きさを前記照準光の出射状態として検出し、前記光源制御手段において、前記照準光出射状態検出部が検出した前記照準用レーザ光源の出力の大きさが所定レベル以上の大きさである場合に、前記照準光の出射状態が正常であると判定するように構成してもよい。
または、以上のレーザ測定装置は、前記照準光出射状態検出部に、光検出器と、被測定物に出射される前記照準光を被測定物に向かう照準光と前記光検出器に向かう照準光とに分岐する光分割器とを設け、前記光検出器において、当該光検出器に入射する前記照準光の検出の有無を、前記照準光の出射状態として検出し、前記光源制御手段において、前記光検出器が前記照準光を検出している場合に、前記照準光の出射状態が正常であると判定するように構成してもよい。
または、以上のレーザ測定装置は、前記照準光出射状態検出部に、光検出器と、被測定物に出射される前記照準光を被測定物に向かう照準光と前記光検出器に向かう照準光とに分岐する光分割器とを設け、前記光検出器において、当該光検出器に入射する前記照準光の強度を、前記照準光の出射状態として検出し、前記光源制御手段において、前記光検出器が検出している前記照準光の強度が所定レベル以上の強度である場合に、前記照準光の出射状態が正常であると判定するように構成してもよい。
または、以上のレーザ測定装置は、前記照準光出射状態検出部において、前記被測定物による前記照準光の散乱光または反射光の有無を、前記照準光の出射状態として検出し、前記光源制御手段において、前記照準光出射状態検出部が前記被測定物による前記照準光の散乱光または反射光を検出している場合に、前記照準光の出射状態が正常であると判定するように構成してもよい。
または、以上のレーザ測定装置は、前記照準光出射状態検出部において、前記被測定物による前記照準光の散乱光または反射光を受光し、受光した前記照準光の散乱光または反射光の強度を、前記照準光の出射状態として検出し、前記光源制御手段において、前記照準光出射状態検出部が検出した前記照準光の散乱光または反射光の強度が所定レベル以上の強度である場合に、前記照準光の出射状態が正常であると判定するように構成してもよい。
ここで、以上の各レーザ測定装置において、前記測定光は、1400nm以上2600nm以下の波長のレーザ光とすることが好ましい。
本発明に係るレーザ測定装置によれば、不可視の測定光に可視光の照準光を同軸に波長合成しているので、測定光の照射位置を視認できるようになる。また、測定光の出射の開始に先立って、照準光の出射を開始し、照準光の出射状態が正常であることを確認してから測定光の出射を開始するので、故障などにより照準光が正常に出射されなくなった場合でも、照準光を伴わずに測定光のみが照射位置を視認できない状態で出射されてしまうことを抑止できる。また、測定光に照準光を合成して出射しているときに、故障などにより照準光が正常に出射されなくなってしまった場合にも、そのこと検出して測定光の出射を停止するので、照準光を伴わずに測定光のみが照射位置を視認できない状態で出射されることはない。
よって、本発明に係るレーザ測定装置において、測定に用いるレーザ光として不可視測定光を用いるレーザ測定装置においても、照準光により測定光の照射位置を視認可能としつつ、故障等により照準光を伴わずに測定光のみが照射位置を視認できない状態で出射されてしまうことを排除できる。
以上のように、本発明によれば、レーザ測定に用いるレーザ光として不可視レーザ光を用いるレーザ測定装置における安全性を向上することができる。
本発明の実施形態に係るレーザ測定装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る光源制御処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るレーザ測定装置の他の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係るレーザ測定装置の他の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係るレーザ測定装置の他の構成例を示す図である。を示す図である。
以下、本発明に係るレーザ測定装置の実施形態を、 被測定物の速度を測定するレーザドップラ速度計への適用を例にとり説明する。
図1に、レーザ測定装置の構成を示す。
図1に示したレーザ測定装置は、被測定物100の速度を測定するレーザドップラ速度計であり、図示するように、測定用レーザ光源1、照準用レーザ光源2、ダイクロイックミラー3、コリメータレンズ4、ビームスプリッタ5、ミラー6、対物レンズ7、光検出器8、計測装置9、照準光出力検出部10、第1照準光検出部11、第2照準光検出部12を備えている。
ここで、測定用レーザ光源1は、計測装置9の制御に従って、近赤外レーザ光を測定光として出射する。測定用レーザ光源1が出射する近赤外レーザ光の波長としては、1400nmから2600nmまでのアイセーフレーザと呼ばれるレーザの波長範囲の波長を用いる。以下では、測定光として波長1550nmの近赤外レーザを用いるものとして説明を行う。
また、照準用レーザ光源2は、計測装置9の制御に従って、可視レーザ光を照準光として出射する。以下では、照準光として波長635nmの赤色のレーザを用いるものとして説明を行う。
そして、照準光出力検出部10は、照準用レーザ光源2の出力の大きさを検出し計測装置9に出力する。ここで、照準用レーザ光源2の出力の大きさは、たとえば、照準用レーザ光源2としてレーザダイオードを用いる場合には、レーザダイオードを流れる電流の大きさから検出することができる。また、照準用レーザ光源2として、モニタ用フォトダイオード内蔵タイプのレーザダイオードを用いる場合には、照準用レーザ光源2の出力の大きさは、モニタ出力の大きさから検出することができる。
次に、測定用レーザ光源1から出射された測定光と、照準用レーザ光源2から出射された照準光とはダイクロイックミラー3に入射し、同軸状に波長合成されコリメータレンズ4に出射される
コリメータレンズ4は、入射する測定光と照準光とを平行光束に変換してビームスプリッタ5に出射する。
ビームスプリッタ5は、コリメータレンズ4から入射する測定光と照準光とをそれぞれ二つに分割し、分割した一方の測定光と照準光とよりなる第1レーザ光群を第1照準光検出部11に取捨し、分岐した他方の測定光と照準光とよりなる第2レーザ光群をミラー6に向けて出射する。
第1照準光検出部11に入射した第1レーザ光群の中の照準光は、二つに分岐され、分岐された照準光は測定光と共に被測定物100に向けて出射される。
一方、ミラー6は、ビームスプリッタ5から入射する第2レーザ光群を第2照準光検出部12に出射する。そして、第2照準光検出部12に入射した第2レーザ光群の中の照準光は、二つに分岐され、分岐された一方の照準光は測定光と共に被測定物100に向けて出射される。
ここで、第1照準光検出部11から被測定物100に向けて出射された第1レーザ光群と第2照準光検出部12から被測定物100に向けて出射された第2レーザ光群は、被測定物100の同じ領域を照射する。また、第1照準光検出部11から被測定物100に向けて出射された第1レーザ光群は、被測定物100の移動方向と垂直な方向から被測定物100の正の移動方向にθ傾けた方向から被測定物100を照射し、第2照準光検出部12から被測定物100に向けて出射された第2レーザ光群は、被測定物100の移動方向と垂直な方向から被測定物100の負の移動方向にθ傾けた方向から被測定物100を照射する。なお、移動方向の正負は、測定の目的に応じて任意に設定してよい。
したがって、第1レーザ光群の測定光と第2レーザ光群の測定光が照射されている被測定物100の領域には、第1レーザ光群の照準光と第2レーザ光群の照準光による可視の光スポットが形成される。
次に、対物レンズ7は、被測定物100で散乱された第1レーザ光群と第2レーザ光群の散乱光を光検出器8に集光し、光検出器8は集光された散乱光中の測定光の成分を光電変換し、測定光の成分の強度を表す検出信号を計測装置9に出力する。
ここで、第1レーザ光群の測定光の散乱光の周波数と第2レーザ光群の測定光の散乱光の周波数には、被測定物100の移動速度に応じた大きさのドップラーシフトが生じており、光検出器8が出力する検出信号には、ドップラーシフトの大きさに応じた周波数のビートが生じている。
そこで、計測装置9は、光検出器8から出力された検出信号のビート周波数を計測し、計測したビート周波数から被測定物100の移動速度vを算定する。
次に、第1照準光検出部11と第2照準光検出部12は、ダイクロイックミラー等のビーム分割器21と集光レンズ22とフォトデテクタ23とより構成されている。ビーム分割器21は入射する照準光のビームを、入射するビームと進路が等しいビームと、集光レンズ22に向かうビームとに分割し、集光レンズ22はビーム分割器21から入射するビームをフォトデテクタ23に集光し、フォトデテクタ23は集光されたビーム中の照準光成分を検出する。
すなわち、第1照準光検出部11のビーム分割器21はビームスプリッタ5から入射する第1レーザ光群の照準光のみをを被測定物100に向かう第1レーザ光群の照準光と、集光レンズ22に向かう第1レーザ光群の照準光とに分割し、集光レンズ22はビーム分割器21から入射する第1レーザ光群の照準光をフォトデテクタ23に集光し、フォトデテクタ23は集光された第1レーザ光群中の照準光成分を検出する。
また、第2照準光検出部12のビーム分割器21はミラー6から入射する第2レーザ光群の照準光のみを被測定物100に向かう第2レーザ光群の照準光と、集光レンズ22に向かう第2レーザ光群の照準光とに分割し、集光レンズ22はビーム分割器21から入射する第2レーザ光群の照準光をフォトデテクタ23に集光し、フォトデテクタ23は集光された第2レーザ光群中の照準光成分を検出する。
なお、第1レーザ光群、第2レーザ光群のどちらも、測定光はビーム分割器21で分割されず、被測定物100に向かう。
以下、このようなレーザ測定装置において、計測装置9が行う光源制御処理について説明する。
図2に、光源制御処理の手順を示す。
図示するように、光源制御処理において計測装置9は、測定の開始に先立って、ユーザから光源の点灯を指示されたならば(ステップ202)、まず、照準用レーザ光源2を駆動して照準光の出射を開始させる(ステップ204)。
そして、照準用レーザ光源2の出力が正常であるかどうかを調べ(ステップ206)、正常でない場合には、照準用レーザ光源2の駆動を停止し、照準光のエラーを提示する表示を行って(ステップ214)、光源制御処理を終了する。
ここで、照準用レーザ光源2の出力が正常であるかどうかの判定は、照準光出力検出部10が所定レベル以上の照準光の出力を検出している場合に、照準用レーザ光源2の出力が正常であると判定し、照準光出力検出部10が所定レベル未満の照準光の出力を検出している場合に、照準用レーザ光源2の出力が異常であると判定することにより行う。
一方、照準用レーザ光源2の出力が正常である場合には(ステップ206)、第1照準光検出部11と第2照準光検出部12の双方で照準光または所定レベル以上の照準光を検出しているかどうかを調べ(ステップ208)、検出していない場合には、照準用レーザ光源2の駆動を停止し、照準光の異常を提示するエラー表示を行って(ステップ214)、光源制御処理を終了する。
一方、第1照準光検出部11と第2照準光検出部12で照準光または所定レベル以上の照準光を検出している場合には(ステップ208)、測定用レーザ光源1を駆動して測定光の出射を開始させ(ステップ210)、測定の準備完了を提示する表示を行う(ステップ212)。
ここで、このようにして照準用レーザ光源2と測定用レーザ光源1の双方が駆動されたならば、以降は、上述のような被測定物100の速度の測定が可能となる。
以上のようにして、測定用レーザ光源1の駆動を開始して(ステップ210)測定光の出射を開始させたならば、以降は、照準用レーザ光源2の出力異常の検出の発生と(ステップ216)と、第1照準光検出部11と第2照準光検出部12の少なくとも一方における照準光または所定レベル以上の照準光の非検出の発生(ステップ218)と、ユーザによる消灯の指示の発生(ステップ220)を監視する。なお、照準用レーザ光源2の出力異常の検出は、照準光出力検出部10の所定レベル未満の照準光の出力の検出を、照準用レーザ光源2の出力異常として検出することにより行う。
そして、ユーザによる消灯の指示が発生した場合には(ステップ220)、測定用レーザ光源1の駆動と照準用レーザ光源2の駆動を停止し(ステップ224)、ステップ202からの処理に戻る。
一方、照準用レーザ光源2の出力異常の検出の発生(ステップ216)、または、第1照準光検出部11と第2照準光検出部12の少なくとも一方における照準光または所定レベル以上の照準光の非検出(ステップ218)が発生したならば、測定用レーザ光源1の駆動と照準用レーザ光源2の駆動を停止し、照準光のエラーを提示する表示を行って(ステップ226)、光源制御処理を終了する。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、図1に示したレーザ測定装置の照準光出力検出部10と第1照準光検出部11と第2照準光検出部12との三つの検出部のうち、任意の一つまたは二つの検出部は、これを省略するようにしてもよい。この場合において、照準光出力検出部10を省略したときには、図2の光源制御処理のステップ206、216は、これを省略するようにする。また、第1照準光検出部11と第2照準光検出部12の双方を省略したときには、図2の光源制御処理のステップ208、218は、これを省略するようにする。また、第1照準光検出部11と第2照準光検出部12の一方を省略したときには、図2のステップ208、218では、省略しなかた方の照準光検出部において、照準光または所定レベル以上の照準光を検出しているかどうかを調べるようにする。
ところで、以上の実施形態では照準光の検出を被測定物100に出射される照準光を検出することにより行ったが、照準光の検出は、被測定物100で散乱した照準光を検出することにより行うようにしてもよい。
すなわち、図3に示すように、図1に示した第1照準光検出部11と第2照準光検出部12に代えて、被測定物100で散乱した照準光を検出する散乱照準光検出部13を設けて、照準光の検出を行うようにしてもよい。
ここで、散乱照準光検出部13は、第1照準光検出部11、第2照準光検出部12と同様に、ビーム分割器21と集光レンズ22とフォトデテクタ23とより構成されている。そして、散乱照準光検出部13において、ビーム分割器21は被測定物100による散乱光のうち、測定光の散乱光を対物レンズ7側に、照準光の散乱光の少なくとも一部を集光レンズ22側に分割し、集光レンズ22はビーム分割器21から入射する照準光の散乱光をフォトデテクタ23に集光し、フォトデテクタ23は集光された照準光成分を検出する。
なお、図3のようにレーザ測定装置を構成した場合には、図2の光源制御処理のステップ208、ステップ218の照準光の検出または所定レベル以上の照準光の検出についての判定は、散乱照準光検出部13のフォトデテクタ23の照準光成分の検出状態に基づいて行うようにする。
ここで、以上では、被測定物100の速度を測定するレーザドップラ速度計への適用を例にとり説明したが、本実施形態の測定用レーザ光源1と照準用レーザ光源2の光源制御の構成は、不可視の測定光と可視の照準光とを用いる、レーザドップラ振動計やレーザドップラ距離計などの任意のレーザ測定装置に適用することができる。
すなわち、たとえば、レーザドップラ振動計に適用する場合には、図4に示すようにレーザドップラ測定装置を構成すればよい。
ここで、図4に示すレーザドップラ測定装置は、レーザドップラ振動計であり、図示するように、計測装置101、測定用レーザ光源102、第1ビームスプリッタ103、第2ビームスプリッタ104、第3ビームスプリッタ105、ミラー106、音響光学素子107(AOM107)、光検出器108、測定光用レンズ109、照準用レーザ光源110、照準光用レンズ111、波長合成器112、対物レンズ113、照準光出力検出部114、出射照準光検出部115を備えている。
このような構成において、測定用レーザ光源102から出射された周波数f0の測定光は、第1ビームスプリッタ103で二分され、二分された一方のビームは、音響光学素子107に入射する。なお、測定用レーザ光源102が出射する測定光の波長は、1400nmから2600nmまでのアイセーフレーザの波長範囲の波長である。
音響光学素子107は計測装置101から入力する周波数fMの参照信号を用いて、第1ビームスプリッタ103から入射した測定光の周波数をfMシフトし、周波数f0+fMの参照光として出射する。そして、音響光学素子107から出射された参照光は、ミラー106、第3ビームスプリッタ105を経由して光検出器108に入射する。
一方、第1ビームスプリッタ103で二分された他方の測定光は、第2ビームスプリッタ104を通過して測定光用レンズ109に出射され、測定光用レンズ109を通って波長合成器112に入射する。
一方、照準用レーザ光源110から出射された可視レーザ光である照準光は照準光用レンズ111を通って波長合成器112に入射する。一方、照準光出力検出部114は、照準用レーザ光源110の出力の大きさを検出し計測装置101に出力する。
波長合成器112は、入射する測定光と照準光とを波長合成し、合成光は対物レンズ113を通って出射照準光検出部115に出射される。出射照準光検出部115に入射した合成光のうち照準光は、ダイクロイックミラー等のビーム分割器21で二つに分岐され、分岐された一方の合成光のうちの照準光は、被測定物100の上に光スポットを形成するように集光される。なお、合成光のうちの測定光は出射照準光検出部115で分岐されず被測定物100の上に光スポットを形成する。
一方、被測定物100で反射した合成光の反射光は、出射照準光検出部115、対物レンズ113を通過して、波長合成器112に入射され、波長合成器112によって測定光の反射光が分離されて、第2ビームスプリッタ104に出射される。そして、第2ビームスプリッタ104に入射した測定光の反射光は、第3ビームスプリッタ105を経由して、光検出器108に入射する。
ここで、被測定物100による測定光の反射光の周波数には、被測定物100の表面の速度に応じたドップラシフトfDが生じており、反射光の周波数はf0+fD+fMとなる。したがって、光検出器108において、第3ビームスプリッタ105からの入射光を検出した信号中には、参照光と反射光との干渉によるfM±fDのビート信号が観測される。
そこで、計測装置101は、光検出器108で検出した信号中のビート信号を参照信号の周波数fMでFM復調して、被測定物100の速度を算出する。また、この速度を解析して、被測定物100の表面の加速度や振動周波数や変位などを算出する。
ここで、出射照準光検出部115は、第1照準光検出部11、第2照準光検出部12、散乱照準光検出部13と同様に、ビーム分割器21と集光レンズ22とフォトデテクタ23とより構成されている。そして、出射照準光検出部115において、ビーム分割器21は対物レンズ113から入射する合成光のうち照準光を被測定物100に向かう照準光と集光レンズ22に向かう照準光とに分割し、集光レンズ22はビーム分割器21から入射する照準光をフォトデテクタ23に集光し、フォトデテクタ23は集光された照準光成分を検出する。
ここで、図4のようにレーザドップラ振動計を構成した場合には、図2の光源制御処理のステップ206、ステップ216の照準光出力レベルの検出についての判定は、照準光出力検出部114の検出状態に基づいて行い、ステップ208、ステップ218の照準光の検出または所定レベル以上の照準光の検出についての判定は、出射照準光検出部115のフォトデテクタ23の照準光成分の検出状態に基づいて行うようにする。
なお、図4においては、照準光の検出を、被測定物100に出射される照準光を検出することにより行ったが、照準光の検出は、被測定物100で反射した照準光を検出することにより行うようにしてもよい。
すなわち、この場合には、図5に示すように、図4に示した出射照準光検出部115に代えて、被測定物100で反射した照準光を検出する反射照準光検出部116を設けて、照準光の検出を行うようにしてもよい。
ここで、反射照準光検出部116には、測定物で反射した照準光が対物レンズ113、波長合成器112、照準光用レンズ111を介して入射する。また、反射照準光検出部116は、図1の第1照準光検出部11、第2照準光検出部12、図4の出射照準光検出部115と同様に、ビーム分割器21と集光レンズ22とフォトデテクタ23とより構成されている。
そして、反射照準光検出部116において、ビーム分割器21は照準光用レンズ111から入射する照準光の反射光の少なくとも一部を集光レンズ22に向かう反射光に分割し、集光レンズ22はビーム分割器21から入射する照準光の反射光をフォトデテクタ23に集光し、フォトデテクタ23は集光された照準光の反射光を検出する。
なお、図5のようにレーザ測定装置を構成した場合には、図2の光源制御処理のステップ208、ステップ218の照準光の検出または所定レベル以上の照準光の検出についての判定は、反射照準光検出部116のフォトデテクタ23の照準光成分の検出状態に基づいて行うようにする。
以上のように、本実施形態によれば、不可視の測定光に可視光の照準光を同軸に合成しているので、測定光の照射位置を視認できるようになる。また、測定光の出射の開始に先立って、照準光の出射を開始し、照準光の出射状態が正常であることを確認してから測定光の出射を開始するので、故障などにより照準光が正常に出射されなくなった場合でも、照準光を伴わずに測定光のみが照射位置が視認できない状態で出射されてしまうことを抑止できる。また、測定光に照準光を合成して出射しているときに、故障などにより照準光が正常に出射されなくなってしまった場合にも、そのことを検出して測定光の出射を停止するので、照準光を伴わずに測定光のみが照射位置が視認できない状態で出射されることはない。
よって、本実施形態によれば、レーザ測定に用いるレーザ光として不可視測定光を用いるレーザ測定装置において、照準光により測定光の照射位置を視認可能としつつ、故障等により照準光を伴わずに測定光のみが照射位置が視認できない状態で出射されてしまうことを排除できる。
1…測定用レーザ光源、2…照準用レーザ光源、3…ダイクロイックミラー、4…コリメータレンズ、5…ビームスプリッタ、6…ミラー、7…対物レンズ、8…光検出器、9…計測装置、10…照準光出力検出部、11…第1照準光検出部、12…第2照準光検出部、13…散乱照準光検出部、21…ビーム分割器、22…集光レンズ、23…フォトデテクタ、100…被測定物、101…計測装置、102…測定用レーザ光源、103…第1ビームスプリッタ、104…第2ビームスプリッタ、105…第3ビームスプリッタ、106…ミラー、107…音響光学素子、108…光検出器、109…測定光用レンズ、110…照準用レーザ光源、111…照準光用レンズ、112…波長合成器、113…対物レンズ、114…照準光出力検出部、115…出射照準光検出部、116…反射照準光検出部。

Claims (8)

  1. 不可視のレーザ光である測定光を被測定物に出射し、測定光の被測定物による散乱光または反射光を用いて被測定物の測定を行うレーザ測定装置であって、
    前記測定光を出射する測定用レーザ光源と、
    可視のレーザ光である照準光を出射する照準用レーザ光源と、
    前記被測定物に出射される測定光に、前記照準用レーザ光源が出射した照準光を波長合成する波長合成器と、
    前記照準光の出射状態を検出する照準光出射状態検出部と、
    前記測定用レーザ光源と前記照準用光源の点灯/消灯を制御する光源制御手段とを有し、
    前記光源制御手段は、前記測定用レーザ光源を点灯する際に、当該測定用レーザ光源の点灯に先だって、前記照準用レーザ光源を点灯し、前記照準光出射状態検出部が検出している前記照準光の出射状態が正常であるか否かを判定し、前記照準光の出射状態が正常である場合に、前記測定用レーザ光源を点灯することを特徴とするレーザ測定装置。
  2. 不可視のレーザ光である測定光を被測定物に出射し、測定光の被測定物による散乱光または反射光を用いて被測定物の測定を行うレーザ測定装置であって、
    前記測定光を出射する測定用レーザ光源と、
    可視のレーザ光である照準光を出射する照準用レーザ光源と、
    前記被測定物に出射される測定光に、前記照準用レーザ光源が出射した照準光を波長合成する波長合成器と、
    前記照準光の出射状態を検出する照準光出射状態検出部と、
    前記測定用レーザ光源と前記照準用光源の点灯/消灯を制御する光源制御手段とを有し、
    前記光源制御手段は、前記測定光と当該測定光に合成した前記照準光とを前記被測定物に出射している期間中、前記照準光出射状態検出部が検出している前記照準光の出射状態が正常であるか否かを判定し、前記照準光の出射状態が正常でない場合に、前記測定用レーザ光源を消灯することを特徴とするレーザ測定装置。
  3. 請求項1または2記載のレーザ測定装置であって、
    前記照準光出射状態検出部は、前記照準用レーザ光源の出力の大きさを前記照準光の出射状態として検出し、
    前記光源制御手段は、前記照準光出射状態検出部が検出した前記照準用レーザ光源の出力の大きさが所定レベル以上の大きさである場合に、前記照準光の出射状態が正常であると判定することを特徴とするレーザ測定装置。
  4. 請求項1または2記載のレーザ測定装置であって、
    前記照準光出射状態検出部は、光検出器と、被測定物に出射される前記照準光を被測定物に向かう照準光と前記光検出器に向かう照準光とに分岐する光分割器とを有し、
    前記光検出器は、当該光検出器に入射する前記照準光の検出の有無を、前記照準光の出射状態として検出し、
    前記光源制御手段は、前記光検出器が前記照準光を検出している場合に、前記照準光の出射状態が正常であると判定することを特徴とするレーザ測定装置。
  5. 請求項1または2記載のレーザ測定装置であって、
    前記照準光出射状態検出部は、光検出器と、被測定物に出射される前記照準光を被測定物に向かう照準光と前記光検出器に向かう照準光とに分岐する光分割器とを有し、
    前記光検出器は、当該光検出器に入射する前記照準光の強度を、前記照準光の出射状態として検出し、
    前記光源制御手段は、前記光検出器が検出している前記照準光の強度が所定レベル以上の強度である場合に、前記照準光の出射状態が正常であると判定することを特徴とするレーザ測定装置。
  6. 請求項1または2記載のレーザ測定装置であって、
    前記照準光出射状態検出部は、前記被測定物による前記照準光の散乱光または反射光の有無を、前記照準光の出射状態として検出し、
    前記光源制御手段は、前記照準光出射状態検出部が前記被測定物による前記照準光の散乱光または反射光を検出している場合に、前記照準光の出射状態が正常であると判定することを特徴とするレーザ測定装置。
  7. 請求項1または2記載のレーザ測定装置であって、
    前記照準光出射状態検出部は、前記被測定物による前記照準光の散乱光または反射光を受光し、受光した前記照準光の散乱光または反射光の強度を、前記照準光の出射状態として検出し、
    前記光源制御手段は、前記照準光出射状態検出部が検出した前記照準光の散乱光または反射光の強度が所定レベル以上の強度である場合に、前記照準光の出射状態が正常であると判定することを特徴とするレーザ測定装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6または7記載のレーザ測定装置であって、
    前記測定光は、1400nm以上2600nm以下の波長のレーザ光であることを特徴とするレーザ測定装置。
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