JP6734886B2 - アダプタ、及び、レーザドップラ速度計システム - Google Patents
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Description
なお、第1ビームと第2ビームとして用いる波長が不可視領域のレーザ光については、その波長が1400nm以上である場合には、クラスの条件として、波長が可視領域のレーザ光とは異なる条件が適用される。
図1aに、本実施形態に係るレーザドップラ速度計システムの構成を示す。
図示するように、レーザドップラ速度計システムは、センサユニット1と、1または複数のアダプタ2と、制御装置3とを含んでいる。
センサユニット1は、先端に設けたセンサユニット光学窓11から第1合成ビームと第2合成ビームを両ビームの交差点での交差角が2×θ0となるように出射し、センサユニット光学窓11に入射する第1ビームと第2ビームの被測定物による反射光を光電変換した検出信号、もしくは、検出信号に所定の信号処理を施した信号を制御装置3に出力する。
図示するようにセンサユニット1は、測定用レーザ光源101、照準用レーザ光源102、ファイバ型WDM光カプラ103、コリメータレンズ104、ビームスプリッタ105、ミラー106、対物レンズ107、光検出器108、計測制御部109を備えている。
ビームスプリッタ105は、コリメータレンズ104から入射する測定光と照準光とをそれぞれ二つに分岐し、分岐した一方の測定光と照準光とよりなる合成光を、上述した第1合成ビームとして、センサユニット光学窓11を通して被測定物100に出射し、分岐した他方の測定光と照準光とよりなる合成光をミラー106に向けて出射する。
ここで、第1合成ビームと第2合成ビームとは、交差角が2×θ0となるように出射する。
ここで、出射された第1合成ビームと第2合成ビームは、被測定物100の同じ領域を照射する。そして、第1合成ビームの測定光と第2合成ビームの測定光が照射されている領域には、第1合成ビームと第2合成ビームの測定光が照射されると共に、第1合成ビームの照準光と第2合成ビームの照準光による可視の光スポットも形成される。
図1に戻り、制御装置3は、センサユニット1から出力される信号に基づいて被測定物100の速度の計測などの各種計測処理を行う。
ここで、第1合成ビームの測定光の散乱光の周波数と第2合成ビームの測定光の散乱光の周波数には、被測定物100の移動速度に応じた大きさのドップラーシフトが生じており、光検出器108が検出した検出信号には、ドップラーシフトの大きさに応じた周波数のビートが生じている。そして、センサユニット1の計測制御部109を、光検出器108で検出した検出信号を制御装置3に出力するように構成した場合には、制御装置3は、当該検出信号のビート周波数を計測し、計測したビート周波数から被測定物100の移動速度vを算定する処理等を行う。
次に、アダプタ2は、図1bに示すように、ネジ等によりセンサユニット1の先端に選択的に装着して使用される装置であり、装着時にセンサユニット1と反対側となる面にアダプタ光学窓21が設けられている。
まず、上述のように、センサユニット1は、第1合成ビームと第2合成ビームを両ビームの交差点での交差角が2×θ0となるように出射する装置であり、センサユニット1をアダプタ2を装着せずに単体で使用した場合、図3aに示すように、センサユニット1の先端から第1合成ビームB1と第2合成ビームB2の交差点Pまでの距離であるワーキングデスタンスはL0となる。
図示するように、アダプタ2の内部には、第1合成ビーム用折返ミラー22、第1合成ビーム用出射ミラー23、第2合成ビーム用折返ミラー24、第2合成ビーム用出射ミラー25が配置されている。また、アダプタ光学窓21を形成する光学フィルタ26が、第1合成ビーム、第2合成ビームが光学フィルタ26を通って外部に出射されるように設けられている。
アダプタ2の装着時にセンサユニット1側となる面は開放されており、センサユニット1から出射された第1合成ビームB1と第2合成ビームB2は、アダプタ2の内部に進入する。
また、第1合成ビーム用出射ミラー23と第2合成ビーム用出射ミラー25の向きは、センサユニット1の先端から第1合成ビームB1と第2合成ビームB2の交差点Pまでの距離がL0となるように設定している。
実際にはレーザビームの太さを考慮する必要があるが、以下説明を簡略にするため、レーザビームの太さを考慮しない状態で説明する。
1550nmの測定光については、センサユニット単体でも第1のアダプタ2を装着した状態でもレーザ装置の先端(センサユニット単体ではセンサユニット1の先端、第1のアダプタ2を装着した状態では第1のアダプタ2の先端)から100mm離れた位置において第1合成ビームと第2合成ビーム間の距離は3.5mm超離れるので、3.5mmの開口内には第1合成ビームか第2合成ビームの一方のみが通ることとなり、センサユニット1が単体で1550nmの測定光についてのクラス1の条件を満たしている場合、センサユニット1に第1のアダプタ2を装着しても1550nmの測定光についてはクラス1の条件が満たされる。
図示するように、この例では、光学フィルタ26の透過特性は、測定光の波長1550nm周辺の光をほぼ減衰させず、照準光の波長635nm周辺の光を60%から70%程度減衰させるものとなっている。ただし、光学フィルタ26の透過特性は、波長635nm周辺の光のパワーを半分未満とするものであれば充分である。
以下、本実施形態に係る第2のアダプタ2について説明する。
図5aに、第2のアダプタ2の構成を示す。
図5aに示すように、第2のアダプタ2の構成は、図3bに示した第1のアダプタ2と同様に、第1合成ビーム用折返ミラー22、第1合成ビーム用出射ミラー23、第2合成ビーム用折返ミラー24、第2合成ビーム用出射ミラー25、光学フィルタ26を備えている。また、第2のアダプタ2は、補正レンズ27を備えている。
センサユニット1の対物レンズ107は、光軸J方向にセンサユニット1の先端からセンサユニット1を単体で用いた場合のワーキングデスタンスL0離れた位置で反射した第1合成ビームと第2合成ビームの反射光を、光検出器108に良好に集光できるように焦点距離が設定されている。
第2のアダプタ2によれば、第1合成ビームB1と第2合成ビームB2交差角を変化させることなくワーキングデスタンスを小さくすることができる。
ここで、第2のアダプタ2においても、センサユニット1に第2のアダプタ2を装着した状態で、第2のアダプタ2の先端から100mm離れた位置において、第1合成ビームと第2合成ビームの距離が3.5mm超かつ7mm以下離れ、第1合成ビームと第2合成ビームが出射されるように、第2のアダプタ2の各部のサイズや配置や向きは設定されている。
図5bに、第3のアダプタ2の構成を示す。
図示するように、第3のアダプタ2は、図5aに示した第2のアダプタ2において、第1合成ビームB1と第2合成ビームB2との交差点における交差角2×θ2がセンサユニット1を単体で使用した場合の交差角より小さくなり、ワーキングデスタンスL2がセンサユニット1を単体で用いた場合のワーキングデスタンスL0より小さくなるように第1合成ビーム用出射ミラー23と第2合成ビーム用出射ミラー25の向きを設定したものである。
図5cに、第4のアダプタの構成を示す。
図示するように、第4のアダプタは、図5aに示した第2のアダプタ2において、第1合成ビームB1と第2合成ビームB2との交差点における交差角2×θ3がセンサユニット1を単体で使用した場合の交差角より小さくなり、ワーキングデスタンスL3がセンサユニット1を単体で用いた場合のワーキングデスタンスL0より大きくなるように第1合成ビーム用出射ミラー23と第2合成ビーム用出射ミラー25の向きを設定したものである。
ここで、第4のアダプタ2においても、センサユニット1に第4のアダプタ2を装着した状態で、第4のアダプタ2の先端から100mm離れた位置において、第1合成ビームと第2合成ビームの距離が3.5mm超かつ7mm以下離れ、第1合成ビームと第2合成ビームが出射されるように、第4のアダプタ2の各部のサイズや配置や向きは設定されている。
ところで、以上に示してきた第1のアダプタ2や第3のアダプタ2や第4のアダプタ2をセンサユニット1に装着して計測を行う場合、センサユニット1を単体で使用した場合と交差角が異なるので、観測されるビート信号の周波数と速度の関係が変化する。
このような設定の変更は、ユーザが、装着したアダプタ2に応じて、制御装置3に対して行うようにする。
以上の実施形態においては、光学フィルタ26をアダプタ2のアダプタ光学窓21を形成するように設けたが、これは、図6aに示すように、アダプタ光学窓21を形成する保護ガラス600を設け、光学フィルタ26を、保護ガラス600とは別に、第1合成ビームB1と第2合成ビームB2が光学フィルタ26を通るように設けてもよい。
また、この場合、光学フィルタ26による反射光rの光路が、第1合成光や第2合成光や第1合成光の反射光や第2合成光の反射光の光路外において吸収体700によって光学フィルタ26による反射光を吸収できる光路となる入射角度で第1合成ビームB1と第2合成ビームB2が入射するように、光学フィルタ26の形状や配置をを設定する。たとえば、図7bに示すように、光学フィルタ26の形状を屈曲させた形状として、第1合成ビームB1と第2合成ビームB2が入射する位置における面が、光軸Jを法線とする面から傾けて設けることにより、第1合成光や第2合成光や第1合成光の反射光や第2合成光の反射光の光路外に配置した吸収体700に向かう光路に反射光rの光路を設定する等してよい。
Claims (8)
- 測定に用いる不可視領域の波長の測定光に、当該測定光の照準用の可視領域の波長の照準光を合成して形成した、第1の合成ビームと第2の合成ビームとを、出射面の離間した位置から、当該出射面から第1の所定距離離れた位置で所定の交差角で交差するように出射するレーザ測定装置の前記出射面に装着されるアダプタであって、
前記レーザ測定装置から出射された前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームの光路を変更して出射する光路変更光学系と、
前記測定光の波長の光に比べ、前記照準光の波長の光を大きく減衰する光学フィルタとを備え、
前記光路変更光学系は、当該アダプタの前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームの出射位置から、第2の所定距離離れた位置における前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビーム間の間隔が、当該アダプタを装着しない状態で前記レーザ測定装置が前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームを出射した場合における、前記レーザ測定装置の出射面から前記第2の所定距離離れた位置における前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビーム間の間隔よりも小さくなるように、前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームの光路を変更して出射し、
前記光学フィルタは、前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームの光路が通る位置に設けられていることを特徴とするアダプタ。 - 請求項1記載のアダプタであって、
前記測定光の波長は1400nm以上4000nm未満の波長であり、前記照準光の波長は400nm以上の可視領域の波長であり、前記第2の所定距離は100mmであり、
当該アダプタを装着しない状態で前記レーザ測定装置が前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームを出射した場合における、前記レーザ測定装置の出射面から前記第2の所定距離、離れた位置における前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビーム間の間隔は7mm超であり、
前記光路変更光学系は、当該アダプタの前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームの出射位置から、前記第2の所定距離、離れた位置における前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビーム間の間隔が、3.5mm超7mm以下となるように前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームの光路を変更して出射することを特徴とするアダプタ。 - 請求項1または2記載のアダプタであって、
前記光路変更光学系は、前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームが、前記所定の交差角と異なる交差角で交差するように、前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームの光路を変更することを特徴とするアダプタ。 - 請求項1、2または3記載のアダプタであって、
前記光路変更光学系は、前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームが、前記第1の所定距離と異なる距離、前記レーザ測定装置の出射面から離れた位置で交差するように、前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームの光路を変更することを特徴とするアダプタ。 - 請求項1、2、3または4記載のアダプタであって、
前記第1の合成ビームと前記第2の合成ビームが当該アダプタ内からアダプタ外に出射される光学窓を有し、
前記光学フィルタは、前記光学窓を形成していることを特徴とするアダプタ。 - 請求項1、2、3または4記載のアダプタであって、
前記光学フィルタとして、前記第1の合成ビームの光路が通るように配置された第1の
光学フィルタと、前記第2の合成ビームの光路が通るように配置された第2の光学フィルタとの二つの光学フィルタを備えていることを特徴とするアダプタ。 - 請求項1、2、3、4、5または6記載のアダプタであって、
前記レーザ測定装置は、被測定対象物で反射して入射した第1の合成ビームと第2の合成ビームの反射光に含まれる前記測定光の反射光を検出し、第1の合成ビームに含まれる前記測定光の反射光と前記第2の合成ビームに含まれる前記測定光の反射光との干渉によるビート信号の周波数から前記被測定対象物の速度を計測するレーザドップラ速度計であり、当該レーザドップラ速度計に装着されることを特徴とするアダプタ。 - 1または複数の請求項7記載のアダプタと、当該アダプタが前記出射面に選択的に装着されるレーザドップラ速度計を有することを特徴とするレーザドップラ速度計システム。
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