JP2016151462A - ロードセル - Google Patents

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松尾 孝徳
Takanori Matsuo
孝徳 松尾
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Abstract

【課題】 ロードセルのSN比を改善し、かつ高速計量を可能とする。
【解決手段】 起歪体2の印加される荷重によって伸縮歪み応力を発生する複数の起歪部12a、12b、14a、14bにそれぞれ歪みゲージ16乃至30が貼着されている。これら複数の歪みゲージそれぞれがブリッジ回路32、34の各辺を構成している。ブリッジ回路32、34における互いに対応する辺の歪みゲージは、同じ起歪部に貼着され、ブリッジ回路32、34の電源端子36、38、44、46は、互いに電気絶縁された電源52、54に接続されている。ブリッジ回路32、34の出力端子40、42、48、50が、互いに直列に接続されて、増幅器56に供給されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ロードセルに関し、特に歪みゲージを使用したものに関する。
歪みゲージを用いたロードセルは、荷重検出用として用いられることがある。このロードセルでは、金属弾性体に、荷重受け部と、支持部と、複数の起歪部とを、形成することによって、平行四辺形型の起歪体を構成する。各起歪部にそれぞれ1つの歪みゲージを貼着し、これら歪みゲージでブリッジ回路を構成している。このブリッジ回路の1対の電源端子に励磁電圧を印加し、ブリッジ回路の1対の出力端子から荷重信号電圧を取り出す。荷重信号電圧は、印加された荷重に比例すると共に、励磁電圧にも比例する。このようなロードセルの一例が、特許文献1に開示されている。
特開平7−239283号公報
特許文献1の技術によれば、励磁電圧が大きい程、同じ印加荷重に対して大きな値の荷重信号電圧が得られる。従って、荷重信号電圧が大きい程、ノイズ信号に対するSN比が大きくなるので、可能な限り大きい値の励磁電圧を使用することが望ましい。しかし、歪みゲージの消費電流による発熱などの影響から、高精度に荷重を測定するための励磁電圧の大きさには限界がある。
ロードセルは、その仕様によって定格容量が定められる。大きい定格容量のロードセルは大きい許容印加荷重に対して起歪部が大きい耐荷重を持つように、バネ定数は大きく設計される。バネ定数の大きいロードセルの起歪部の撓み量や歪み量は、印加される定格荷重の割には小さい。一方、小さい定格容量のロードセルは、許容印加荷重が小さいので、起歪部のバネ乗数は許容耐荷重以内で小さく設計される。バネ定数の小さいロードセルの起歪部の撓み量や歪み量は印加される定格荷重の割には大きい。その結果、ブリッジ回路を同じ大きさの電圧で励磁した場合、定格容量の大きいロードセルであっても、小さいロードセルであっても、それぞれのロードセルに定格荷重を印加した場合の起歪部の撓み量や歪み量は、ほぼ同じになり、定格容量が異なっていても、定格荷重を印加した場合にブリッジ回路からの荷重印加信号電圧の変化量の大きさは、ほぼ等しい。
一般に、荷重信号電圧の大きさは数mVであり、荷重信号電圧を表示重量値に変換したとき、計量装置の精度によって決まる表示重量値の最小表示量を定格容量の重量表示値の数千分の1とすると、最小表示量に対応する荷重信号電圧の大きさのレベルは、0.5乃至1μVと非常に小さい。荷重信号電圧は、A/D変換器を介してデジタル重量表示値に変換するために、演算増幅器等によって増幅される。荷重信号電圧には演算増幅器の入力部に存在する入力ノイズ信号が混入するので、最小表示量が安定するためにはSN比が大きいことが求められる。
一方、上述した平行四辺形型の起歪体を用いたロードセルは、被計量物の計量台上の載置時間が極めて短い自動計量装置に使用されることが多く、高速応答が求められる。そのため、バネ定数が大きいロードセルの使用が望ましい。即ち被計量物の重量の割には定格容量の大きいロードセルであって、荷重印加時に生じる計量部の過度応答振動信号の周波数が大きくなるように、大きい固有振動数を持つロードセルを使用することが望ましい。
しかし、上述したように定格容量の大小に拘わらず、いずれの定格のロードセルを選択しても、ロードセルの定格容量分の荷重の印加に対する荷重信号電圧の変化量は、ほぼ同じであるので、高速計量を目的として被計量物の重量に比較して定格容量の大きいロードセルを選択すると、同じ重量の被計量物を計量台上に載置したときの荷重信号電圧の変化量は定格容量の小さいロードセルを選択した場合に比べて小さくなる。しかし、ロードセルの定格容量の大小に拘わらず、入力ノイズ信号は常に略一定の大きさで荷重信号電圧に加わるので、SN比が小さくなり、表示重量値のばらつきが大きくなる。従って、被計量物の重量の割に大きい定格容量のロードセルを選択できず、その結果、ばらつき量が小さい重量表示値を得ると共に、高速計量を行うことが困難であった。
本発明は、SN比を改善して、ばらつき量が小さい重量表示が可能で、かつ高速計量が可能なロードセルを提供することを目的とする。
本発明の一態様のロードセルは、起歪体を有している。起歪体は、例えば金属製で、印加される荷重によって伸縮歪み応力を発生する複数の起歪部を有するものである。起歪体の形状としては、公知の種々のものを使用できる。これら起歪部それぞれに歪みゲージが貼着されている。これら複数の歪みゲージによって複数のブリッジ回路が構成されている。例えばホイートストーンブリッジ回路が構成されている。歪みゲージは、ブリッジ回路の各辺を構成している。各ブリッジ回路は、1対の電源端子と、1対の出力端子とを、有している。前記複数のブリッジ回路における互いに対応する辺の歪みゲージは、前記複数の起歪部のうち、前記荷重の印加によってほぼ同じ荷重歪み特性が表れるものに貼着されている。例えば、同じ起歪部に貼着された複数の歪みゲージが、複数のブリッジ回路の互いに対応する辺を構成している。前記複数のブリッジ回路の前記1対の電源端子は、互いに電気絶縁された複数の電源に、それぞれ接続されている。即ち、複数の電源は、共通電位で互いに接続されていない。前記複数のブリッジ回路の前記1対の出力端子は、互いに直列に接続されて、増幅手段に供給される。
このように構成されたロードセルでは、複数の起歪部のうち荷重の印加によってほぼ同じ荷重歪み特性が表れるものに貼着された複数の歪みゲージが、複数のブリッジ回路の互いに対応する辺を構成しているので、起歪体に或る大きさの荷重が印加されたとき、同じ大きさの電源電圧が各ブリッジ回路に印加されていると、複数のブリッジ回路の1対の出力端子から、ほぼ同一振幅、同一位相、同一周波数の過度応答信号及び定常信号が得られる。複数のブリッジ回路の1対の出力端子を直列に接続し、しかも電源は互いに独立しているので、これら稼動応答信号及び定常信号は、互いに加算され、単独の値よりも大きな値になり、増幅手段に供給されてもSN比が大きく改善される。このように大きな値にすることができるので、起歪体を固有振動数が高いバネ定数の大きなものとすることによって、過度応答中のまだ振動状態にある荷重信号を測定する必要のある高速計量に適した荷重信号が得られる。しかも、各ブリッジ回路への電源電圧を大きな値にしなくても、大きな値の荷重信号が得られているので、歪みゲージが発熱することもない。
前記直列に接続された複数のブリッジ回路の1対の出力端子は、上述した増幅手段を含む測定手段に接続することができる。この場合、前記測定手段は、前記複数の電源のうち1つに接続される。その測定手段が接続された電源の共通電位に、前記測定手段の共通電位が接続されている。なお、測定手段が接続された電源は、共通電位を中心にして正負の電圧出力を持つものが望ましい。このように構成すると、測定手段の出力と、直列に接続された各ブリッジ回路の出力は、共通電位を基準とするものとなり、直列に接続された各ブリッジ回路の出力をレベルシフトさせる必要がない。
複数の電源の電圧を加算する電圧加算手段と、前記増幅手段の出力を参照電圧入力端子に供給された参照電圧を用いてデジタル変換するデジタル変換手段とを、設けることもできる。この場合、前記デジタル変換手段の前記参照電圧入力端子に、前記電圧加算手段の出力を供給する。このように構成すると、電源の電圧が変動したとしても、レシオメトリックが成立し、電源電圧の変動の影響を受けずに、デジタル変換することができる。
以上のように、本発明によれば、ブリッジ回路への電源電圧の値を大きくしなくても、大きな荷重信号電圧を得ることができ、SN比を改善することができる上に、バネ定数の大きな起歪体を使用することができ、高速計量が可能となる。
本発明の第1実施形態のロードセルの正面図、平面図、左側面図及び底面図である。 図1のロードセルの回路図である。 本発明の第2の実施形態のロードセルの回路図である。 本発明の第3の実施形態のロードセルの正面図及び起歪部の部分拡大図である。 本発明の第4の実施形態のロードセルの正面図及び起歪部の部分拡大図である。 本発明の第5の実施形態のロードセルの正面図及び起歪部の部分拡大図である。 本発明の第6の実施形態のロードセルの斜視図である。
本発明の第1の実施形態のロードセルは、図1に示すように起歪体2を有している。この起歪体2は、例えば金属製の平行四辺形型のもので、固定部4と、これから横方向に離れて位置する可動部6とを有し、固定部4と可動部6との間に上側梁8と下側梁10とが、上下方向に間隔をおいて配置されている。固定部は、基台等に固定され、可動部6には荷重が上方から印加される。上側梁8の一部を薄肉とすることによって、上側起歪部12a、12bが、上側梁8の長さ方向に間隔をおいて上側梁8に形成されている。同様に、下側梁10にも、下側起歪部14a、14bが形成されている。
図1に示すように、固定部4側の上側起歪部12aの歪み応力の集中部には、複数、例えば2枚の引っ張り検出用の歪みゲージ16、18が、固定部4側から可動部6側を向いて貼着されている。同様に可動部6側の上側起歪部12bには、2枚の圧縮検出用の歪みゲージ20、22が貼着され、固定部4側の下側起歪部14aには2枚の圧縮検出用の歪みゲージ24、26が貼着され、可動部6側の下側起歪部14bには引っ張り検出用の2枚の歪みゲージ28、30が貼着されている。
図2に示すように、圧縮及び引っ張り検出用の歪みゲージ16、20、24、28によって1組のブリッジ回路、例えばホイートストーンブリッジ回路32が構成されている。引っ張り検出用の歪みゲージ16が上側辺に位置し、圧縮検出用の歪みゲージ24が下側辺に位置するように直列に接続され、同じく歪み検出用の歪みゲージ20が上側辺に位置し、圧縮検出用の歪みゲージ28が下側辺に位置するように直列に接続され、これら2つの直列回路が並列に接続されている。同様に、圧縮及び引っ張り検出用の歪みゲージ18、22、26、30によって、もう1組のホイートストーンブリッジ回路34が構成されている。ホイートストーンブリッジ回路32、34では、同じ起歪部、例えば上側起歪部12aに貼着された歪みゲージ、例えば歪みゲージ16、18は、ホイートストーンブリッジ回路32、34の同じ辺に位置している。他の歪みゲージも同様である。
ホイートストーンブリッジ回路32は2つの直列回路の接続点に1対の電源端子36、38を有し、各直列回路の上側辺と下側辺との接続点に1対の出力端子40、42とを有している。同様に、ホイートストーンブリッジ回路34も1対の電源端子44、46と、1対の出力端子48、50とを有している。
ホイートストーンブリッジ回路32の電源端子36、38は、直流電源52に接続され、ホイートストーンブリッジ回路34の電源端子44、46は、直流電源54に接続されている。直流電源52は、電源端子36、38間にE1の直流電圧を供給し、直流電源54は、電源端子44、46間にE2(E2≒E1)の直流電圧を供給するものである。これら直流電源52、54は、互いに電気的に絶縁されている。但し、直流電源52は、コモン電位COMを中心に正の+Vと負の−V’(V≒V)を出力し、V−(−V’)=E1の電圧を電源端子44、46に供給している。
上述したように、2つのホイートストーンブリッジ回路32、34における対応する辺に在る歪みゲージは、起歪体2の同じ起歪部に貼着されたものであり、かつホイートストーンブリッジ回路32、34に印加されている電圧は同じ大きさであるので、可動部6に荷重が印加されたとき、ホイートストーンブリッジ回路32の出力端子40、42から出力される荷重信号電圧e1と、ホイートストーンブリッジ回路34の出力端子48、50から出力される荷重信号電圧e2とは、ほぼ同じE0である。但し、荷重信号電圧e1、e2は、被計量物の重量を表す直流成分(定常成分)の他に過度応答成分を含み、その過度応答成分の位相、振動数及び振幅は、同一である。
直流電源52、54は、互いに電気的に絶縁されているので、図2に示すように、ホイートストーンブリッジ回路32の出力端子40とホイートストーンブリッジ回路34の出力端子50とを直列に接続すると、出力端子42及び48間から、それぞれの荷重信号e1とe2とを加算した荷重信号電圧(e1+e2=2E0)が得られる。もし、直流電源52、54が互いに電気的に絶縁されて無く、同じ電圧をホイートストーンブリッジ回路32、34に供給するものであれば、1つの直流電源から1つのホイートストーンブリッジ回路に電源電圧が印加されているのと等価となり、出力端子42及び48間からの荷重信号電圧はE0にしかならない。
この出力端子42、48間の荷重信号電圧2E0は、測定回路の一部をなす増幅手段、例えば複数の演算増幅器を使用したインストルメンテーションアンプ56によって増幅され、測定回路の一部をなすA/D変換器58によってデジタル荷重信号に変換されて、演算回路60に供給され、例えば被計量物の重量がデジタル表示される。
これらインストルメンテーションアンプ56、A/D変換器58の電源は、直流電源52から供給され、また、これらの共通電位は、直流電源52のコモン電位COMである。これは、ホイートストーンブリッジ回路32の出力端子40、42の電位が、直流電源52のほぼ中央の電位であるコモン電位COMに近く、ホイートストーンブリッジ回路32の出力端子40とホイートストーンブリッジ回路34の出力端子50とを接続しているので、出力端子40、42、48、50の各電位はCOMの電位に近いからである。従って、出力端子42、48間の荷重信号電圧を、インストルメンテーションアンプ56に供給する際にレベルシフトが不要になる。
出力端子42、48間の荷重信号電圧2EOに含まれる固有振動成分は、演算回路60中に構成したデジタルフィルタによって除去される。このデジタルフィルタは、固有振動成分の周波数に一致させたノッチを持つものである。このデジタルフィルタは、応答遅れが小さく、種々の低い周波数成分を含むインストルメンテーションアンプ56の入力ノイズは除去しにくい。しかし、出力端子42、48間の荷重信号電圧が加算されて値が大きくなっている荷重信号電圧2E0をインストルメンテーションアンプ56に供給しているので、インストルメンテーションアンプ56のSN比は、通常のロードセルの場合よりも向上している。
発明が解決しようとする課題において記載したように、ロードセルとして被計量物の荷重の割に定格容量の大きいロードセルを使用すると、例えば通常の2倍の定格容量のロードセルを使用すると、同じ荷重の被計量物に対して通常の定格のロードセルを使用した場合の1/2の大きさの荷重信号電圧しか得られず、SN比が悪化する。しかし、本願の実施形態のロードセルを使用すると、インストルメンテーションアンプ56の入力側で、ホイーストントーブリッジ回路32、34の荷重信号電圧e1、e2が加算されているので、通常の2倍の定格容量のロードセルとしても、通常の定格容量のロードセルを使用した場合と同一の荷重信号電圧が得られ、SN比は通常の値が確保できる。一方、ロードセルは2倍の定格容量のものであるので、大きい固有振動の荷重信号電圧が得られ、高速計量にとって好都合となる。
ホイートストーンブリッジ回路32、34の直流電源52、54の電圧が変動する場合、荷重信号電圧e1、e2の大きさが変動する。これに対処するために、直流電源52の電圧のセンシング回路62と、直流電源54の電圧のセンシング回路64とが設けられている。これらセンシング回路62、64の出力電圧は加算回路66によって加算される。この加算値は、直流電源52、54の電圧が変動していると、その変動に追従したものとなる。この加算値が、A/D変換器58の参照電圧端子58refに供給されている。これによって、レシオメトリックが成立し、A/D変換器58によって変換されたデジタル荷重信号は、直流電源52、54の電圧変動の影響を受けない。なお、これらセンシング回路62、64及び加算回路66は、演算増幅器と抵抗器とによって構成され、直流電源52から電源供給を受け、かつ直流電源52の共通電位COMを共通電位としている。
上記の実施形態では、インストルメンテーションアンプ56、A/D変換器58、センシング回路62、64、加算回路66に対して直流電源52から電源供給を行ったが、直流電源52は、ホイートストーンブリッジ回路32の専用でコモン電圧COMを持たない電源として使用し、インストルメンテーションアンプ56、A/D変換器58、センシング回路62、64、加算回路66用に、正の出力電圧+Vと、負の出力電圧―V’と、+VとーV’との中間電位であるコモン電位COMを持つ直流電源を、別途用意し、そのコモン電位COMを、ホイートストーンブリッジ回路32の出力端子40と、ホイートストーンブリッジ回路34の出力端子50との接続点に接続することもできる。
また、上記の実施形態では、ホイートストーンブリッジ回路32は歪みゲージ16、20、24、28によって、ホイートストーンブリッジ回路34は歪みゲージ18、22、26、30によって、それぞれ構成したが、2組のホイートストーンブリッジ回路の荷重信号電圧が同じ過度応答特性、定常特性を持つものになれば、上記の歪みゲージの組合せによってホイートストーンブリッジ回路を構成する必要は無い。例えば、歪みゲージ16、20、26、30によって1組のホイートストーンブリッジ回路を構成し、歪みゲージ18、22、24、28によってもう1組のホイートストーンブリッジ回路を構成することもできる。
図3に第2の実施形態のロードセルの回路図を示す。この実施形態では、図1に示す起歪体2の上側起歪部12a、12b及び下側起歪部14a、14bそれぞれに、2枚ではなく3枚の歪みゲージを貼着してある。これら歪みゲージによって、ホイートストーンブリッジ回路32、34と同様に、3組のホイートストーンブリッジ回路68、70、72が構成されている。これらホイートストーンブリッジ回路68、70、72それぞれの1対の出力端子が直列に接続され、その直列接続された3つの荷重信号電圧が増幅器74によって増幅され、その後にA/D変換器76によってデジタル荷重信号に変換されている。各ホイートストーンブリッジ回路68、70、72には、互いに電気的に絶縁された直流電源78、80、82によってそれぞれ動作電源が供給されている。各直流電源78、80、82のうち1つ、例えば直流電源80がコモン電位COMを中心に正の+Vと負の−V’(V≒V’)の電圧を発生し、+V、―V’、COMが、増幅器74及びA/D変換器76によって使用されている。また、コモン電位COMは、ホイートストーンブリッジ回路70と72との出力端子同士の接続点に接続されている。
また、各直流電源78、80、82の電圧は、増幅器84、86で加算増幅されて、A/D変換器76に参照電圧として供給されている。増幅器84、86も、直流電源80の+V、―V’、COMを使用している。
この実施形態では、3組のホイートストーンブリッジ回路68、70、72の出力を直列に接続しているので、同じ荷重の計量物に対して、通常のロードセルの3倍の荷重信号電圧が得られ、増幅器74において3倍のSN比が得られる。また、増幅器84、86を設けているので、レシオメトリックが成立し、A/D変換器78によって変換されたデジタル荷重信号は、直流電源78、80、82の電圧変動の影響を受けない。
図4に第3の実施形態のロードセルの起歪体2aを示す。この起歪体2aも、固定部4と可動部6と上側梁8と下側梁10とを、有し、上側梁8と下側梁10との間に、固定部4と可動部6とに跨って起歪部88を形成し、この起歪部88の上下面に8枚の歪みゲージ90a乃至90hを貼着したものである。同図(b)に示すように、引っ張り検出用の歪みゲージ90a、圧縮検出用の歪みゲージ90b、引っ張り検出用の歪みゲージ90c、圧縮検出用の歪みゲージ90dが、起歪部88の上面に貼着され、同図(c)に示すように圧縮検出用の歪みゲージ90e、引っ張り検出用の歪みゲージ90f、圧縮検出用の歪みゲージ90g、引っ張り検出用の歪みゲージ90hが、同図(c)に示すように起歪部88の下面に貼着されている。他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図5に第4の実施形態のロードセルの起歪体2bを示す。この起歪体2bは、固定部4と可動部6と上側梁8と下側梁10とを形成し、上側梁8と下側10とを繋ぐように上下方向に起歪部92を形成し、この起歪部92の左右両側に8枚の歪みゲージ94a乃至94hを貼着したものである。引っ張り検出用の歪みゲージ94a、圧縮検出用の歪みゲージ94b、引っ張り検出用の歪みゲージ94c、圧縮検出用の歪みゲージ94dが、同図(b)に示すように起歪部92の同図(a)における右側の面に貼着され、圧縮検出用の歪みゲージ94e、引っ張り検出用の歪みゲージ94f、圧縮検出用の歪みゲージ94g、引っ張り検出用の歪みゲージ94hが、同図(c)に示すように同図(a)における左の面に貼着されている。
図6に第5の実施形態のロードセルの起歪体2cを示す。この起歪体2cも、固定部4と可動部6と上側梁8と下側梁10とを、有し、上側梁8と下側梁10との間に、4つの起歪部96a乃至96dを形成し、これら起歪部96a乃至96dに合計8枚の歪みゲージ98a乃至98hを貼着したものである。同図(b)に示すように圧縮検出用の歪みゲージ98a、98bが起歪部96aに貼着され、同図(c)に示すように引っ張り検出用の歪みゲージ98c、98dが起歪部96bに貼着され、同図(d)に示すように引っ張り検出用の歪みゲージ98e、98fが起歪部96cに貼着され、同図(e)に示すように圧縮検出用の歪みゲージ98g、98hが起歪部96dに貼着されている。
図7に第5の実施形態のロードセルの起歪体98を示す。この起歪体98は、柱型のもので、圧縮形ロードセルに使用されるものである。この起歪体98の4つの面に、圧縮検出用の歪みゲージ100cと引っ張り検出用の歪みゲージ100tとがそれぞれ貼着されている。
第3乃至第5の実施形態に示した起歪体の各歪みゲージは、第1の実施形態と同様に2組のホイートストーンブリッジ回路を構成する。または、各起歪部に貼着する歪みゲージの数を起歪部ごとに1つ増加させることによって、第2の実施形態と同様に3組のホイートストーンブリッジ回路を構成することもできる。
2 2a 2b 2c 98 起歪体
16 18 20、22 24 26 28 30 歪みゲージ
32 34 ホイートストーンブリッジ回路(ブリッジ回路)
36 38 44 46 1対の電源端子
40 42 48 50 1対の出力端子

Claims (3)

  1. 印加される荷重によって伸縮歪み応力を発生する複数の起歪部を有する起歪体と、
    前記各起歪部にそれぞれ貼着された複数の歪みゲージとを、
    有し、これら複数の歪みゲージそれぞれが各辺を構成する複数のブリッジ回路を構成し、
    前記複数のブリッジ回路における互いに対応する辺の歪みゲージは、前記複数の起歪部のうち、前記荷重の印加によってほぼ同じ荷重歪み特性が表れるものに貼着され、
    前記複数のブリッジ回路の1対の電源端子は、互いに電気絶縁された複数の電源に、それぞれ接続され、
    前記複数のブリッジ回路の1対の出力端子が、互いに直列に接続されて、増幅手段に供給される
    ロードセル。
  2. 請求項1記載のロードセルにおいて、前記複数のブリッジ回路の直列に接続された出力端子は、前記増幅手段が含まれる測定手段に接続され、前記測定手段は、前記複数の電源のうち1つに接続され、その電源の共通電位に、前記測定手段の共通電位が接続されているロードセル。
  3. 請求項1記載のロードセルにおいて、前記複数の電源の電圧を加算する電圧加算手段と、
    前記増幅手段の出力を参照電圧入力端子に供給された参照電圧を用いてデジタル変換するデジタル変換手段とを、
    有し、前記デジタル変換手段の前記参照電圧入力端子に、前記電圧加算手段の出力を供給するロードセル。
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