JP2016150518A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザーの希望に応じて巻取りテンションを切り替えることができる記録装置を提供する。【解決手段】転写用紙100に対して昇華型インクを付与することによって記録を行う記録部5と、記録部5により記録が行われた転写用紙100を巻き取る巻取り部13と、テンション設定操作を受け付ける操作部と、操作部が受け付けたテンション設定操作に基づいて、転写用紙100の巻取りテンションの設定値である設定テンションを設定し、設定テンションに基づいて、巻取り部13を制御する制御部とを備えた。【選択図】図1
Description
本発明は、媒体を巻き取る巻取り部を備えた記録装置に関するものである。
従来、被記録媒体に対して記録を行う記録部と、記録部により記録が行われた被記録媒体を巻き取る巻取り部とを備えた大型プリンターが知られている。この大型プリンターは、被記録媒体にテンションを掛けながら巻き取るテンション巻き取り方式と、被記録媒体にテンションを掛けずに巻き取る緩み巻き取り方式とを切替え可能である(特許文献1参照)。
本発明者は、以下の課題を見出した。
従来の大型プリンターのような記録装置では、媒体に掛かる巻取りテンションを設定するための操作を受け付ける操作部が設けられていないため、ユーザーが希望する巻取りテンションで媒体を巻き取ることができない。
従来の大型プリンターのような記録装置では、媒体に掛かる巻取りテンションを設定するための操作を受け付ける操作部が設けられていないため、ユーザーが希望する巻取りテンションで媒体を巻き取ることができない。
本発明は、ユーザーの希望に応じて巻取りテンションを切り替えることができる記録装置を提供することを課題としている。
本発明の記録装置は、媒体に対してインクを付与することによって記録を行う記録部と、記録部により記録が行われた媒体を巻き取る巻取り部と、テンション設定操作を受け付ける操作部と、操作部が受け付けたテンション設定操作に基づいて、媒体の巻取りテンションの設定値である設定テンションを設定する設定部と、設定部により設定された設定テンションに基づいて、巻取り部を制御する巻取り制御部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、例えば、設定テンションが小さい値に設定されるテンション設定操作を操作部が受け付けると、設定テンションが小さい値に設定され、弱い巻取りテンションで媒体が巻き取られる。一方、設定テンションが大きい値に設定されるテンション設定操作を操作部が受け付けると、設定テンションが大きい値に設定され、強い巻取りテンションで媒体が巻き取られる。したがって、本発明の記録装置は、ユーザーの希望に応じて巻取りテンションを切り替えることができる。
この場合、設定部が設定可能な設定テンションの値には、0[gf]以上100[gf]未満の値と、100[gf]以上の値と、が含まれることが好ましい。
この構成によれば、設定テンションが100[gf]以上の値に設定された場合には、強い巻取りテンションで媒体が巻き取られる。この場合、媒体が巻き取られたロール体に巻きずれが生じ難くなる。これに対し、設定テンションが0[gf]以上100[gf]未満の値に設定された場合には、弱い巻取りテンションで媒体が巻き取られる。この場合、巻き重なった媒体間で、裏移りが生じ難くなる。このため、ユーザーは、巻きずれの抑制が重視される場合には、設定テンションが100[gf]以上の値に設定されるテンション設定操作を操作部に対して行えばよい。また、ユーザーは、裏移りの抑制が重視される場合には、設定テンションが0[gf]以上100[gf]未満の値に設定されるテンション設定操作を操作部に対して行えばよい。
この場合、設定部は、設定テンションとして、第1テンションと、第2テンションと、を設定し、巻取り制御部は、巻取り部の稼動開始時に、第1テンションに基づいて、巻取り部を制御する第1制御と、第1制御の後、第2テンションに基づいて巻取り部を制御する第2制御と、を行い、設定部が設定可能な第2テンションの値には、0[gf]以上100[gf]未満の値と、100[gf]以上の値と、が含まれることが好ましい。
この構成によれば、第2テンションが100[gf]以上の値に設定された場合には、第2制御時に強い巻取りテンションで媒体が巻き取られる。この場合、媒体が巻き取られたロール体に巻きずれが生じ難くなる。これに対し、第2テンションが0[gf]以上100[gf]未満の値に設定された場合には、第2制御時に弱い巻取りテンションで媒体が巻き取られる。この場合、巻き重なった媒体間で、裏移りが生じ難くなる。このため、ユーザーは、巻きずれの抑制が重視される場合には、第2テンションが100[gf]以上の値に設定されるテンション設定操作を操作部に対して行えばよい。また、ユーザーは、裏移りの抑制が重視される場合には、第2テンションが0[gf]以上100[gf]未満の値に設定されるテンション設定操作を操作部に対して行えばよい。
この場合、設定部は、第2テンションを0[gf]以上100[gf]未満の値に設定した場合は、第2テンションを100[gf]以上の値に設定した場合に比べ、第1テンションを小さい値に設定することが好ましい。
この構成によれば、第2制御時に強い巻取りテンションで媒体が巻き取られる場合には、第1制御時にも強い巻取りテンションで媒体が巻き取られ、第2制御時に弱い巻取りテンションで媒体が巻き取られる場合には、第1制御時にも弱い巻取りテンションで媒体が巻き取られる。したがって、本構成によれば、第1制御時にも、第2制御時の巻取りテンションに応じた巻取りテンションで、媒体を巻き取ることができる。
この場合、設定部が設定可能な設定テンションの値は、7000[gf]以下であることが好ましい。
この構成によれば、第2制御時に巻取りテンションが7000[gf]を超えることが抑制されるため、媒体が巻取り部側へ引っ張り出され難くなる。したがって、本構成によれば、媒体の送り精度を向上させることができる。
この場合、操作部は、テンション設定操作として、巻取りテンションに関連付けられた複数の選択肢のなかから、一の選択肢を選択するための操作を受け付けることが好ましい。
この構成によれば、ユーザーは、複数の選択肢のなかから一の選択肢を選択することで、テンション設定操作を行うことができる。したがって、本構成によれば、操作部の操作性を向上させることができる。
この場合、記録部は、インクとして昇華型インクを媒体に対して付与することが好ましい。
昇華型インクにより記録が行われた媒体については、巻き重なった媒体間で、媒体の表裏一方の面に付与された昇華型インクが、媒体の表裏他方の面に移る裏移りが生じると、媒体の表裏一方の面に付与された昇華型インクのインク量が不均一となるため、昇華型インクが転写された転写対象物において色むらが生じるおそれがある。
これに対し、本構成によれば、そのような裏移りが生じる場合には、ユーザーは、設定テンションが小さい値に設定されるテンション設定操作を操作部に対して行えばよい。これにより、弱い巻取りテンションで媒体が巻き取られるため、巻き重なった媒体間で裏移りが生じることが抑制される。したがって、本構成によれば、昇華型インクが転写された転写対象物において色むらが生じることを抑制することができる。
これに対し、本構成によれば、そのような裏移りが生じる場合には、ユーザーは、設定テンションが小さい値に設定されるテンション設定操作を操作部に対して行えばよい。これにより、弱い巻取りテンションで媒体が巻き取られるため、巻き重なった媒体間で裏移りが生じることが抑制される。したがって、本構成によれば、昇華型インクが転写された転写対象物において色むらが生じることを抑制することができる。
以下、添付の図面を参照し、本発明の一実施形態に係る記録装置1について説明する。この記録装置1は、転写用紙100に対し、昇華型インクをインクジェット方式で付与することにより画像を形成する。画像が形成された転写用紙100は、熱転写装置に供せされ、布帛等の染色対象物に重ねられた状態で加熱されることにより、転写用紙100に形成された画像が染色対象物に転写される。
図1を参照して、記録装置1の概略構成について説明する。記録装置1は、媒体送り機構2と、プラテン3と、記録部5と、乾燥部6と、これらを支持する支持フレーム7とを備えている。また、図1では図示省略したが、記録装置1は、制御部9を備えている(図2参照)。
媒体送り機構2は、連続紙である転写用紙100を、ロール・ツー・ロール方式で送る。媒体送り機構2は、繰出し部11と、送り部12と、巻取り部13とを備えている。
繰出し部11には、転写用紙100がロール状に巻かれた繰出し側ロール体101がセットされる。繰出し部11は、繰出し側支持部14と、繰出しモーター15(図2参照)とを備えている。繰出し側支持部14は、繰出し側ロール体101を回転可能に支持する。繰出しモーター15は、繰出し側ロール体101を回転させる駆動源となる。繰出しモーター15が稼動すると、繰出し側ロール体101が繰出し方向に回転し、繰出し側ロール体101から転写用紙100が繰り出される。
送り部12は、繰出し側ロール体101から繰り出された転写用紙100を、巻取り部13に向けて送る。送り部12は、ローラー対16と、送りモーター17(図2参照)とを備えている。なお、ローラー対16の個数は特に限定されるものではなく、転写用紙100の送り経路に沿って複数を並び設けてもよい。ローラー対16は、駆動ローラー18と従動ローラー19とを備えている。駆動ローラー18は、送りモーター17から動力が伝達されることにより回転する。従動ローラー19は、駆動ローラー18に対して従動回転する。駆動ローラー18と従動ローラー19との間に、転写用紙100が挟持される。送りモーター17は、駆動ローラー18を回転させる駆動源となる。送りモーター17が稼動すると、駆動ローラー18が回転し、駆動ローラー18に向かって押し当てられる従動ローラー19が駆動ローラー18に従動し回転する。これにより、駆動ローラー18と従動ローラー19との間に挟持された転写用紙100が、巻取り部13に向けて送り出される。
なお、駆動ローラー18には、ロータリーエンコーダーを有する送り側検出部21(図2参照)が設けられている。送り側検出部21から出力されるパルスに基づいて、駆動ローラー18の回転角度α1が検出される。
なお、駆動ローラー18には、ロータリーエンコーダーを有する送り側検出部21(図2参照)が設けられている。送り側検出部21から出力されるパルスに基づいて、駆動ローラー18の回転角度α1が検出される。
巻取り部13は、送られてきた転写用紙100をロール状に巻き取る。本実施形態においては、巻取り部13は、転写用紙100を、記録部5により昇華型インクが付与された記録面100aが外側となり、昇華型インクが付与されていない非記録面100bが内側となるようにして、巻き取る。なお、記録部5により昇華型インクが付与された記録面100aが内側となり、昇華型インクが付与されていない非記録面100bが外側となるようにして、巻き取ってもよい。巻取り部13は、巻取り側支持部22と、巻取りモーター23(図2参照)とを備えている。巻取り側支持部22は、巻取り用の紙管24を回転可能に支持する。紙管24には、転写用紙100の先端部が取り付けられている。紙管24は、巻取りモーター23からギア列を介して動力が伝達されることにより回転する。巻取りモーター23は、紙管24を回転させる駆動源となる。巻取りモーター23が一方側に回転すると、紙管24が巻取り方向に回転し、紙管24に転写用紙100が巻き取られる。紙管24に転写用紙100が巻き取られることにより形成されたロール体を、巻取り側ロール体102という。巻取りモーター23が他方側に回転すると、紙管24が巻取り方向とは逆の逆回転方向に回転し、紙管24に巻き取られた転写用紙100が巻き解かれる。
なお、巻取りモーター23には、ロータリーエンコーダーを有する巻取り側検出部25(図2参照)が設けられている。巻取り側検出部25から出力されるパルスに基づいて、巻取りモーター23の回転角度α0が検出される。
なお、巻取りモーター23には、ロータリーエンコーダーを有する巻取り側検出部25(図2参照)が設けられている。巻取り側検出部25から出力されるパルスに基づいて、巻取りモーター23の回転角度α0が検出される。
プラテン3は、ローラー対16よりも転写用紙100の送り下流側に設けられている。プラテン3は、上面を通過する転写用紙100を支持する。プラテン3の上面には、複数の吸引穴26が設けられている。吸引穴26は、図示省略した吸引ファンに連なっている。吸引ファンが稼動すると、吸引穴26に負圧が作用し、プラテン3の上面に転写用紙100が吸着される。これにより、プラテン3の上面から転写用紙100が浮き上がることが抑制され、転写用紙100が記録部5の記録ヘッド27(後述する)と干渉することが防止される。
記録部5は、プラテン3の上面に対向して設けられている。記録部5は、キャリッジ28と、キャリッジ28に搭載された記録ヘッド27とを備えている。記録ヘッド27は、プラテン3の上面に吸着された転写用紙100に対して、昇華型インクを吐出する。記録ヘッド27が搭載されたキャリッジ28は、転写用紙100の送り方向と交差する方向に、往復移動可能に構成されている。
乾燥部6は、記録部5よりも転写用紙100の送り下流側に設けられている。乾燥部6は、媒体支持部31と、媒体支持部31の裏面に設けられたヒーター線32とを備えている。ヒーター線32が発熱することで、昇華型インクが付与された転写用紙100が媒体支持部31の表面を通過する際に、転写用紙100の乾燥が促進される。
支持フレーム7は、バー部材33を有している。バー部材33は、乾燥部6と巻取り部13との間において、転写用紙100の送り経路を構成している。
以上のように構成された記録装置1は、媒体送り機構2による転写用紙100の間欠送りの停止時に、キャリッジ28が移動しながら記録ヘッド27から昇華型インクを吐出する動作と、媒体送り機構2が転写用紙100を間欠送りする動作とを、交互に繰り返し行う。これにより、転写対象物に転写される画像が転写用紙100に形成される。
図2を参照して、記録装置1の制御系について説明する。操作部8は、ユーザーからの各種操作を受け付ける。操作部8は、選択肢を表示するディスプレイと、表示された選択肢を選択・決定するための各種キーとを備えている。なお、操作部8は、タッチパネルなど、他の構成であってもよい。
制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えている。制御部9のCPUは、ROMからプログラムをロードしてRAMを用いて実行し、記録装置1の各部を制御する。また、制御部9には、図示しないホスト装置(例えばパソコン)が通信可能に接続されている。制御部9は、印刷画像を表す画像データを、ホスト装置などから取得する。制御部9は、画像データに基づいて、記録ヘッド27の吐出動作を制御する。
制御部9は、後述するように、転写用紙100の巻取りテンションの設定値(以下「設定テンションF」という。)に基づいて算出した設定トルクTにより、巻取りモーター23を制御する。より具体的には、制御部9は、巻取りモーター23の稼動開始時に、巻取りモーター23を加速しながら回転させる加速制御と、加速制御の後、巻取りモーター23を定速で回転させる定速制御とを行っている。制御部9は、設定テンションFとして、加速時テンションF1と定速時テンションF2とを設定する。制御部9は、加速制御では、加速時テンションF1に基づいて算出した設定トルクTにより、巻取りモーター23を制御する。制御部9は、定速制御では、定速時テンションF2に基づいて算出した設定トルクTにより、巻取りモーター23を制御する。ここで、巻取りモーター23の稼動開始時には、巻取り側ロール体102のイナーシャの影響により、送り部12による転写用紙100の送り速度に比べ、巻取り部13による転写用紙100の巻取り速度が遅れることから、巻取り速度が送り速度に追い付くように、加速時テンションF1は、定速時テンションF2よりも大きい値に設定される。
以下、加速時テンションF1および定速時テンションF2の設定方法と、設定トルクTの設定方法とについて、順に説明する。
以下、加速時テンションF1および定速時テンションF2の設定方法と、設定トルクTの設定方法とについて、順に説明する。
図3および図4を参照して、加速時テンションF1および定速時テンションF2の設定方法について説明する。操作部8は、所定のキー操作が為されると、図3に示したテンション設定画面50を表示する。テンション設定画面50には、複数のテンションレベル(例えば、レベル1〜レベル9の9つのテンションレベル)が選択可能に表示される。すなわち、テンション設定画面50には、選択候補となるテンションレベルが、白黒反転して表示される。操作部8は、テンション設定操作、すなわち、テンション設定画面50に表示された複数のテンションレベルから、1つのテンションレベルを選択するためのキー操作を受け付ける。
制御部9は、図4に示した制御テーブルを記憶している。この制御テーブルは、転写用紙100の送り速度ごとに、テンションレベルと、割合設定値F1_ratio、オフセット値F1_offsetおよび定速時テンションF2とを関連付けたものである。転写用紙100の送り速度は、テンション設定操作とは別の操作によって選択された記録モードなどに応じて設定された値である。
制御部9は、操作部8がテンション設定操作を受け付けると、制御テーブルを参照し、定速時テンションF2を設定する。例えば、操作部8がレベル1〜3のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を受け付けると、制御部9は、定速時テンションF2を0[gf]に設定する。一方、操作部8がレベル4〜9のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を受け付けると、制御部9は、定速時テンションF2を2000〜7000[gf]に設定する。
また、制御部9は、操作部8がテンション設定操作を受け付けると、制御テーブルを参照し、割合設定値F1_ratioおよびオフセット値F1_offsetを設定する。制御部9は、設定した割合設定値F1_ratioおよびオフセット値F1_offsetと、別途算出した基準加速テンションF0とに基づいて、加速時テンションF1を算出する。
F1=F0・(F1_ratio/128)+F1_offset_
ここで、基準加速テンションF0は、巻取り側ロール体102のロール半径R(ロール半径Rの算出方法については後述する)と、予め操作部8から入力された転写用紙100の紙幅とに基づいて、算出された値である。具体的には、制御部9は、ロール半径Rが大きくなるほど、基準加速テンションF0が小さくなるように、紙幅が大きくなるほど、基準加速テンションF0が大きくなるように、基準加速テンションF0を算出する。基準加速テンションF0は、例えば、2000〜16000[gf]の値に設定される。
図4に示した制御テーブルによれば、制御部9は、レベル1〜3が選択され、定速時テンションF2を0[gf]に設定する場合は、レベル4〜9が選択され、定速時テンションF2を2000〜7000[gf]に設定する場合に比べ、加速時テンションF1を小さい値に設定する。
F1=F0・(F1_ratio/128)+F1_offset_
ここで、基準加速テンションF0は、巻取り側ロール体102のロール半径R(ロール半径Rの算出方法については後述する)と、予め操作部8から入力された転写用紙100の紙幅とに基づいて、算出された値である。具体的には、制御部9は、ロール半径Rが大きくなるほど、基準加速テンションF0が小さくなるように、紙幅が大きくなるほど、基準加速テンションF0が大きくなるように、基準加速テンションF0を算出する。基準加速テンションF0は、例えば、2000〜16000[gf]の値に設定される。
図4に示した制御テーブルによれば、制御部9は、レベル1〜3が選択され、定速時テンションF2を0[gf]に設定する場合は、レベル4〜9が選択され、定速時テンションF2を2000〜7000[gf]に設定する場合に比べ、加速時テンションF1を小さい値に設定する。
次に、設定トルクTの設定方法について説明する。制御部9は、まず、巻取りモーター23を停止した状態で、送りモーター17を回転させる。これにより、ローラー対16と巻取り部13との間で転写用紙100が弛んだ状態となる。制御部9は、転写用紙100が弛んだ状態で、巻取りモーター23を回転させる。これにより、制御部9は、巻取りモーター23のオフセットトルクT0を取得する。オフセットトルクT0は、静負荷時の巻取りモーター23を回転させる際に必要な電流値に基づいて取得される。
続いて、制御部9は、ローラー対16と巻取り部13との間の転写用紙100にテンションが掛かった状態で、送りモーター17および巻取りモーター23を回転させる。制御部9は、このときに送られた転写用紙100の送り量である設定時送り量Lを、送り側検出部21により検出された駆動ローラー18の回転角度α1と、既知である駆動ローラー18のローラー半径rとに基づいて、次式の関係から算出する。
L=r・α1
そして、制御部9は、巻取り側ロール体102のロール半径Rを、設定時送り量Lと、巻取り側検出部25により検出された巻取りモーター23の回転角度α2と、既知である、巻取りモーター23と紙管24との間のギア列の減速比Nとに基づいて、次式の関係から算出する。
R=(L/α2)・N
なお、減速比Nは、紙管24の回転角度をα0としたときに、N=α2/α0で与えられる値である。
L=r・α1
そして、制御部9は、巻取り側ロール体102のロール半径Rを、設定時送り量Lと、巻取り側検出部25により検出された巻取りモーター23の回転角度α2と、既知である、巻取りモーター23と紙管24との間のギア列の減速比Nとに基づいて、次式の関係から算出する。
R=(L/α2)・N
なお、減速比Nは、紙管24の回転角度をα0としたときに、N=α2/α0で与えられる値である。
制御部9は、このようにして取得したオフセットトルクT0と、ロール半径Rと、上述したように設定した設定テンションF(加速時テンションF1または定速時テンションF2)とに基づいて、巻取りモーター23の設定トルクTを、次式の関係から算出する。
T=(F・R−T0)/N
T=(F・R−T0)/N
ここで、強い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られると、巻取り側ロール体102において端面が揃わない巻きずれが生じ難くなる。しかしながら、この場合、巻き重なった転写用紙100間で、転写用紙100の記録面100aに付与された昇華型インクが、転写用紙100の非記録面100bに移る裏移りが生じやすくなる。巻取り側ロール体102において裏移りが発生すると、裏移り分だけ記録面100aに付与されている昇華型インクの量が減ってしまい、記録面100aの場所により、転写用紙100の記録面100aに付与された昇華型インクのインク量が不均一となり、転写対象物に転写される色材の量にムラが生じるため、熱転写装置により転写対象物に転写された画像に色ムラが生じるおそれがある。一方、弱い巻取りテンションで転写用紙100が緩く巻き取られると、巻き重なった転写用紙100間で、裏移りが生じ難くなる。また、この場合、巻取り側ロール体102に巻きずれが生じやすくなるが、転写用紙100が緩く巻かれているため、ユーザーが巻きずれを直すことは容易である。そのため、巻きずれの抑制が重視される場合には、強い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られることが好ましく、裏移りの抑制が重視される場合には、弱い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られることが好ましい。そこで、記録装置1は、テンション設定操作において、ユーザーが、強い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる場合と、弱い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる場合とを、選択できるようになっている。
例えば、操作部8が、レベル4〜9のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を受け付けた場合には、上述したように、定速時テンションF2が2000[gf]以上の値に設定されるため、定速制御時に、強い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる。つまり、巻取り部13において転写用紙100が固く巻かれる。これにより、巻取り側ロール体102に巻きずれが生じ難くなる。これに対し、操作部8が、レベル1〜3のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を受け付けた場合には、定速時テンションF2が0[gf]に設定されるため、定速制御時に、弱い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる。つまり、巻取り部13において転写用紙100が緩く巻かれる。これにより、巻き重なった転写用紙100間で、裏移りが生じ難くなる。したがって、昇華型インクが転写された転写対象物において色むらが生じることを抑制することができる。
また、操作部8が、レベル4〜9のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を受け付けた場合には、加速制御時にも、比較的強い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる。これに対し、操作部8が、レベル1〜3のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を受け付けた場合には、加速制御時にも、比較的弱い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる。
以上のように、本実施形態の記録装置1によれば、レベル1〜3のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を受け付けた場合には、定速時テンションF2が0[gf]に設定され、弱い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる。一方、レベル4〜9のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を受け付けた場合には、定速時テンションF2が2000[gf]以上の値に設定され、強い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる。したがって、本実施形態の記録装置1は、ユーザーの希望に応じて巻取りテンションを切り替えることができる。具体的には、ユーザーは、巻きずれの抑制が重視される場合には、定速時テンションF2が2000[gf]以上の値に設定される、レベル4〜9のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を、操作部8に対して行えばよい。また、ユーザーは、裏移りの抑制が重視される場合には、定速時テンションF2が0[gf]に設定される、レベル1〜3のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を、操作部8に対して行えばよい。
本実施形態の記録装置1によれば、定速制御時に強い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる場合には、加速制御時にも強い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られ、定速制御時に弱い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる場合には、加速制御時にも弱い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られる。したがって、本実施形態の記録装置1によれば、加速制御時にも、定速制御時の巻取りテンションに応じた巻取りテンションで、転写用紙100を巻き取ることができる。
本実施形態の記録装置1によれば、制御部9が、定速時テンションF2を7000[gf]以下の値に設定することから、定速制御時に巻取りテンションが7000[gf]を超えることが抑制される。これにより、送り部12に対して転写用紙100が巻取り部13側へ引っ張り出され難くなる。したがって、本実施形態の記録装置1によれば、送り部12による転写用紙100の送り精度を向上させることができる。
本実施形態の記録装置1によれば、操作部8に表示されたレベル1〜9のなかから一のテンションレベルを選択することで、テンション設定操作を行うことができる。したがって、本実施形態の記録装置1によれば、操作部8の操作性を向上させることができる。
本実施形態の記録装置1によれば、上述したように、操作部8がレベル1〜3のいずれかのテンションレベルを選択するための操作を受け付けた場合には、定速時テンションF2が0[gf]に設定され、弱い巻取りテンションで転写用紙100が巻き取られるため、巻き重なった転写用紙100間で裏移りが生じることが抑制される。したがって、本実施形態の記録装置1によれば、昇華型インクが転写された転写対象物において色むらが生じることを抑制することができる。
なお、制御部9は、「設定部」および「巻取り制御部」の一例である。転写用紙100は、「媒体」の一例である。加速制御は、「第1制御」の一例であり、定速制御は、「第2制御」の一例である。加速時テンションF1は、「第1テンション」の一例であり、定速時テンションF2は、「第2テンション」の一例である。
本発明は上記した実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用可能であることは言うまでもない。例えば、本実施形態は、以下のような形態に変更することができる。
本発明は上記した実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用可能であることは言うまでもない。例えば、本実施形態は、以下のような形態に変更することができる。
操作部8は、複数のテンションレベルから一のテンションレベルを選択するための操作を受け付ける構成に限定されるものではなく、例えば、複数の定速時テンションF2の値から、一の定速時テンションF2の値を選択するための操作を受け付ける構成であってもよく、定速時テンションF2の値を所定範囲内で任意に入力するための操作を受け付ける構成であってもよい。
制御部9が設定可能な定速時テンションF2の値は、特に限定されるものではなく、例えば、0[gf]以上100[gf]未満の値と、定速時テンションF2を100[gf]以上7000[gf]以下の値とが含まれる構成であってもよい。
制御部9は、加速制御時にも、定速時テンションF2と同じ値に基づいて、巻取りモーター23を制御する構成であってもよい。
制御部9が設定可能な定速時テンションF2の値は、特に限定されるものではなく、例えば、0[gf]以上100[gf]未満の値と、定速時テンションF2を100[gf]以上7000[gf]以下の値とが含まれる構成であってもよい。
制御部9は、加速制御時にも、定速時テンションF2と同じ値に基づいて、巻取りモーター23を制御する構成であってもよい。
記録部5が吐出するインクは、昇華型インクに限定されるものではなく、例えば、水性インク、油性インク、溶剤インク、紫外線硬化型インクであってもよい。また、媒体の材質は特に限定されるものではなく、紙系、フィルム系など、種々の材質のものを用いることができる。
1 :記録装置
5 :記録部
8 :操作部
9 :制御部
13 :巻取り部
100 :転写用紙
5 :記録部
8 :操作部
9 :制御部
13 :巻取り部
100 :転写用紙
Claims (7)
- 媒体に対してインクを付与することによって記録を行う記録部と、
前記記録部により記録が行われた前記媒体を巻き取る巻取り部と、
テンション設定操作を受け付ける操作部と、
前記操作部が受け付けた前記テンション設定操作に基づいて、前記媒体の巻取りテンションの設定値である設定テンションを設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記設定テンションに基づいて、前記巻取り部を制御する巻取り制御部と、
を備えたことを特徴とする記録装置。 - 前記設定部が設定可能な前記設定テンションの値には、0[gf]以上100[gf]未満の値と、100[gf]以上の値と、が含まれることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記設定部は、前記設定テンションとして、第1テンションと、第2テンションと、を設定し、
前記巻取り制御部は、前記巻取り部の稼動開始時に、前記第1テンションに基づいて、前記巻取り部を制御する第1制御と、前記第1制御の後、前記第2テンションに基づいて前記巻取り部を制御する第2制御と、を行い、
前記設定部が設定可能な前記第2テンションの値には、0[gf]以上100[gf]未満の値と、100[gf]以上の値と、が含まれることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記設定部は、前記第2テンションを0[gf]以上100[gf]未満の値に設定した場合は、前記第2テンションを100[gf]以上の値に設定した場合に比べ、前記第1テンションを小さい値に設定することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
- 前記設定部が設定可能な前記設定テンションの値は、7000[gf]以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の記録装置。
- 前記操作部は、前記テンション設定操作として、前記巻取りテンションに関連付けられた複数の選択肢のなかから、一の選択肢を選択するための操作を受け付けることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の記録装置。
- 前記記録部は、前記インクとして昇華型インクを前記媒体に対して付与することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015029302A JP2016150518A (ja) | 2015-02-18 | 2015-02-18 | 記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015029302A JP2016150518A (ja) | 2015-02-18 | 2015-02-18 | 記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016150518A true JP2016150518A (ja) | 2016-08-22 |
Family
ID=56694964
Family Applications (1)
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JP2015029302A Pending JP2016150518A (ja) | 2015-02-18 | 2015-02-18 | 記録装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2016150518A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230007634A (ko) * | 2021-07-06 | 2023-01-13 | 주식회사 모엔 | 권취직경 설정이 필요 없는 언와인더 발전제동 시스템 |
JP7497661B2 (ja) | 2019-11-21 | 2024-06-11 | 株式会社リコー | 搬送装置及び画像形成装置 |
-
2015
- 2015-02-18 JP JP2015029302A patent/JP2016150518A/ja active Pending
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