本明細書において、用語の意味は、以下の通りである。
「遊技媒体」とは、遊技の用に供する媒体をいい、本実施形態では「メダル」である。ただしこれに限らず、遊技球を使用することも可能である。また、遊技媒体には、実際のメダルの他に、遊技機内部に電気的に貯留(クレジット、記憶)された遊技媒体(遊技媒体に係るデータ)も含まれる。
「ベット」とは、遊技を行うためにメダル(遊技媒体)を賭けることをいう。本実施形態において、ベット可能な最大(限界)枚数は、通常遊技では「3」枚、MB遊技中では「2」枚に設定されている。
「貯留」とは、上記「ベット」とは異なり、スロットマシン10内部にメダルをクレジットすることをいう。「貯留」は、ベットを含む意味で用いられる場合もあるが、本明細書では、「貯留」というときは、「ベット」を含まない意味で使用する。本実施形態において、貯留可能な最大(限界)枚数は、遊技状態等にかかわらず、「50」枚に設定されている。
「手入れ」とは、遊技者が、後述するメダル投入口43からメダルを直接投入することをいう。
「手入れベット」とは、遊技者が、メダル投入口43からメダルを手入れすることにより、メダルをベットすることをいう。
「手入れ貯留」とは、遊技者が、メダル投入口43からメダルを手入れすることにより、メダルを貯留する(クレジットを加算する)ことをいう。
「ベットメダル」とは、ベットされているメダルをいう。
「貯留メダル」とは、クレジットとして貯留されているメダルをいう。
「貯留ベット」とは、遊技者が後述するベットスイッチ40を操作することにより、当該遊技でベット可能な範囲内において、クレジットとして貯留されているメダルの一部又は全部を、遊技を行うためにベットすることをいう。
「自動ベット」とは、リプレイが入賞したときに、スロットマシン10の内部制御処理により、前回遊技でベットされていた数のメダルを自動でベットすることをいう。なお、上記の手入れベットしたメダル、貯留ベットしたメダル、及び貯留メダルは、その後に精算可能であるが、リプレイの入賞により自動ベットされたメダルは精算を行うことができないように設定されている。
「投入」とは、上記の手入れベット、手入れ貯留、貯留ベット、及び自動ベットを含み、メダルをベット又は貯留することをいう。
「精算」とは、ベットメダル及び/又は貯留メダルを遊技者に対して払い出すことをいう。
「払出し」とは、上記精算によりメダルを払い出すこと、又は役の入賞に基づきメダルを遊技者に払い出すことをいい、クレジットとして貯留すること、又は払出し口14からの実際のメダルを払い出すことをいう。本実施形態における払出しは、「50」枚を限界枚数として貯留し、役の入賞に基づき貯留数が「50」を超えた分のメダルは、遊技者に対して払い出すように制御する。
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、スロットマシン10(遊技機)を示す外観斜視図である。
また、図2は、図1中、スロットマシン10のフロントカバー11を内面側から見た(遊技者側を見た)正面図である。
さらに、図3は、図1中、フロントカバー11を開放し、基体部12の内部を遊技者側から見た正面図である。
以下の図1〜図3の説明では、スロットマシン10に設けられている各装置の配置を中心に説明し、各装置の具体的説明は、後述する図4(ブロック図)等において行う。
図1に示すように、スロットマシン10の筐体は、フロントカバー11(「前扉」ともいう。)と、フロントカバー11によって前面側を閉じられた基体部12(「裏箱」又は「キャビネット」ともいう。)とから構成されている。図1では図示しないが、フロントカバー11を開けると、その開放が後述するドアスイッチ16によって検知される。
このフロントカバー11は、基体部12の前面(開口面)を覆うようにして、基体部12に開閉可能に取り付けられたものである。図1に示すように、フロントカバー11の遊技者側には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、3つのストップスイッチ42、メダル投入口43等が配置されている。さらに、ベットスイッチ40の左側には、貯留数表示LED71、獲得数表示LED72及び情報表示LED73が設けられている。
また、フロントカバー11の略中央部には、内部に配置されたリール31の一部が透視可能に形成された表示窓13が形成されている。
なお、表示窓13上(たとえば、リール31の視認領域の左側)に、貯留数表示LED71、獲得数表示LED72及び情報表示LED73を設けることも可能である。この場合、後述する表示基板70は、表示窓13の裏面側に配置される。
さらにまた、フロントカバー11の上方部及び側面部には、略枠状に演出ランプ21(フロントカバー11に設けられた当該ランプを枠ランプ21と称する場合がある)が配置されている。さらに、表示窓13の上方部には、画像表示装置23が設けられ、さらにその両側にはスピーカ22が配置されている。
さらに、フロントカバー11の下方部には、メダル払出し口14と、メダル受け皿15が設けられている。さらにまた、メダル払出し口14の両側にもスピーカ22が設けられている。
図2に示すように、フロントカバー11の裏面側において、表示窓13の上方部、すなわち画像表示装置23が配置されている部分には、画像表示装置23に重なるように、第2サブ制御基板(第2サブ制御手段)90が配置されている。なお、第2サブ制御基板90は、透明な基板ケース内に収容されている。
一方、基体部12は、木材等を組み立てて、前面側が開口する中空箱形に構成したものである。そして、図3に示すように、基体部12の内部において、その下方部には、スロットマシン10の電源をオン/オフする電源スイッチ51を有する電源ユニット50と、ホッパータンク35aを含むメダル払出し装置35が設けられている。なお、図3中、ホッパー35aの右側には、ホッパー35aからあふれたメダルを収容するためのサブタンク35bが配置されている。
また、メダル払出し装置35の上方部には、板状のリールベースが固定されており、このリールベース上に、3つのリール31を含む図柄表示装置30が設けられている。そして、リール31上には、後述するように図柄が配置されており、リール31上の図柄が表示窓13を通して遊技者から視認可能となっている。
さらにまた、基体部12の内面側であって、図柄表示装置30の上側には、メイン制御基板(メイン制御手段)60が配置されている。メイン制御基板60は、透明な基板ケース内に収容されている。この基板ケースは、メイン制御基板60の不正(ROM交換等)を防止するため、メイン制御基板60を内部に収容した後、かしめや、溶着(超音波による溶着、UV硬化剤による溶着、電熱による溶着等)により封止されている。このメイン制御基板60は、上述した第1サブ制御基板80と、図示しないハーネスや光ファイバー(電気配線の束)によって電気的に接続されている。
なお、図3に示すように、メイン制御基板60の右側に隣接するように、メイン制御基板60とは別の基板(メイン制御基板60と電気的に接続されている基板)が設けられ、この基板上に設定キースイッチ52及び設定変更/リセットスイッチ53が実装されている。
メイン制御基板60上には、設定値を表示するための設定値表示LED63が実装されている。また、図3において、メイン制御基板60の右側には、設定キースイッチ(設定キー挿入口)52、設定変更/リセットスイッチ53が設けられている。これらの設定キースイッチ52及び設定変更/リセットスイッチ53は、透明なカバーによって覆われており、このカバーを開閉したか否かを検知するための設定ドアスイッチ54(後述)が設けられている。
さらにまた、図3中、左リール31のさらに左側であって、基体部12の左内側側面には、第1サブ制御基板(第1サブ制御手段)80が配置されている。第1サブ制御基板80は、基板ケース内に収容され、メイン制御基板60と同様に、その基板ケースは、かしめや溶着により封止されている。
図4は、第1実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。
第1実施形態において、スロットマシン10は、メイン制御基板60とサブ制御基板(第1サブ制御基板80及び第2サブ制御基板90)とを備える。
メイン制御基板60は、入力ポート(0〜2)及び出力ポート(0〜6)を有し、RWM(メインメモリ)61、メインCPU62等を備える(図1で図示したもののみを備える意味ではない)。
なお、実際には、メイン制御基板60上には、メインCPU62、RWM61、及びROMを含むMPUが搭載される。以降の説明において、MPUを指す場合においてもメインCPU62と称する場合がある。また、記憶手段というときは、MPU内蔵のRWM61、ROM、レジスタ(記憶回路)を含む意味で使用する。
これに対し、後述する第1サブ制御基板80上には、メインCPU82、RWM81、及びROMを含むMPUが搭載されるとともに、MPUの外部に外部RWM81を備える。
第2サブ制御基板90も同様に、メインCPU92、RWM91、及びROMを含むMPUが搭載されるとともに、MPUの外部に外部RWM91を備える。
なお、メイン制御基板60、第1サブ制御基板80、及び第2サブ制御基板90のいずれも、ROMは、MPU内に搭載されるもの以外に、外部ROMを備えていてもよい。
メイン制御基板60と、図1で図示したベットスイッチ40等の操作スイッチを含む遊技進行用の周辺機器とは、入力ポート又は出力ポートを介して電気的に接続されている。入力ポートは、操作スイッチ等の信号が入力される接続部であり、出力ポートは、モータ32等の周辺機器に対して信号を送信する接続部である。
なお、図4において、入力用の周辺機器は、その周辺機器からの信号がメイン制御基板60に向かう矢印で表示しており、出力用の周辺機器は、メイン制御基板60からその周辺機器に向かう矢印で示している(第1サブ制御基板80及び第2サブ制御基板90も同様)。
なお、第1サブ制御基板80と接続されたプッシュボタン83(「プッシュボタンユニット」ともいう。)は、双方向で信号の送受信が可能となっている。具体的には、プッシュボタンの操作に基づいて第1サブ制御基板80に操作が行われた旨の信号を送信し、第1サブ制御基板80又は第2サブ制御基板90からプッシュボタン83に設けられたランプを発光させる。
また、プッシュボタン83を発光させるタイミングとしては、遊技に関する履歴情報(通常遊技の合計実行回数、ATの実行回数、サブBBの実行回数、等)が表示可能な遊技待機時や、現在出力中の演出が切り替え可能な特定演出を出力しているときのスタートスイッチ41の操作後、リール31の第1停止操作後、等が挙げられる。このとき、発光色は、遊技待機時は「白色」、遊技中はAT当選の期待度に応じて「白色、青色、赤色等」にすることが考えられる。
RWM(メインメモリ)61は、遊技の進行等に基づいた各種データを記憶(更新)可能な記憶媒体である。
ROMは、遊技の進行に必要なプログラムや各種データ(たとえば、データテーブル)等を記憶しておく記憶媒体である。
メインCPU62は、メイン制御基板60上に設けられたCPUを指し、遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等を行い、具体的には、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等を実行する。
図4に示すように、メダル投入口43から投入されたメダルは、メダルセレクタを通過するように構成されている。
メダルセレクタは、図4に示すように、通路センサ43a、ブロッカ45、投入センサ44a及び44bを備え(ただし、これらに限定されるものではない)、メイン制御基板60と電気的に接続されている。
メダル投入口43からメダルが投入されると、最初に、通路センサ43aにより検知されるように構成されている。
さらに、通路センサ43aの下流側には、ブロッカ45が設けられている。ブロッカ45は、メダルの投入を許可/不許可にするためのものであり、メダルの投入が不許可状態のときは、メダル投入口43から投入されたメダルを払出し口14から返却するメダル通路を形成する。これに対し、メダルの投入が許可状態のときは、メダル投入口43から投入されたメダルをホッパー35aに案内するメダル通路を形成する。
ここで、ブロッカ45は、遊技中(リール31の回転開始時から、全リール31が停止し、役の入賞時には入賞役に対応する払出しの終了時まで)は、メダルの投入を不許可状態とする。すなわち、ブロッカ45がメダルの投入を許可するのは、少なくとも遊技が行われていないときである。
ブロッカ45のさらに下流側には、投入センサ44a及び44b(光学センサ)が設けられている。したがって、メダル投入口43から投入されたメダルは、通路センサ43aによって検知された後、さらに、投入センサ44a(上流側)及び44b(下流側)により検知されるように構成されている。なお、図4に示すように、後述する説明においては、上流側の投入センサ44aを投入センサ1、下流側の投入センサ44bを投入センサ2と称する場合もある。
また、図4に示すように、メイン制御基板60には、遊技者が操作する操作スイッチとして、精算スイッチ46、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
精算スイッチ46は、スロットマシン10内部に貯留(クレジット)されたメダルを払い戻す(ペイアウトする)ときに遊技者が操作するスイッチである。
ベットスイッチ40は、貯留されたメダルを当該遊技のためにベットするときに遊技者が操作するスイッチである。ベットスイッチ40は、最大枚数(たとえば3枚)のメダルをベットするためのベットスイッチのみが設けられる場合と、1枚投入用の1ベットスイッチ40、3枚投入用の3ベットスイッチ40、のように複数設けられる場合がある。
さらに、これに限らず、2枚ベット用のベットスイッチを設けてもよい。また、1枚、2枚、3枚ベット用のベットスイッチのうち、スロットマシン10の仕様に応じて、2つ又は3つ設けることも可能である。
また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
また、図4に示すように、メイン制御基板60には、表示基板70が電気的に接続されている。なお、実際には、メイン制御基板60と表示基板70との間には、中継基板が設けられ、メイン制御基板60と中継基板、及び中継基板と表示基板70とが接続されているが、図4では中継基板の図示を省略している。このように、メイン制御基板60と表示基板70とは、直接ハーネス等で接続されていてもよいが、両者間に別の基板が介在してもよい。
さらに、図4で示したように、制御基板同士が直接(ハーネス等で)接続されていることに限らず、他の別基板(中継基板等)を介して接続されていてもよい。たとえば、メイン制御基板60と第1サブ制御基板80との間に1つ以上の他の別基板(中継基板等)が介在してもよく、第1サブ制御基板80と第2サブ制御基板90との間に1つ以上の他の別基板(中継基板等)が介在してもよい。
この表示基板70には、貯留数表示LED71、獲得数表示LED72、及び状態表示LED73が接続されている。これらのLED71〜73は、図1に示すように、遊技者が操作する操作スイッチの左側端部に設けられ、遊技者が常に視認できる位置に設けられている。なお、1つの表示基板70上にすべてのLED71〜73が設けられている必要はなく、たとえば表示基板70A、70B、・・・のように複数の表示基板70を備え、いずれかの表示基板70にいずれかのLED71〜73が設けられていればよい。
図5は、貯留数表示LED71、獲得数表示LED72、及び状態表示LED73をより詳細に示す平面図である。図1中、真上から貯留数表示LED71、獲得数表示LED72、及び状態表示LED73を見ると、図5に示すようになっている。
また、図5において、これら貯留数表示LED71、獲得数表示LED72、及び状態表示LED73の下側であってスロットマシン10内部に表示基板70(図5中、点線で示す)が配置されている。
貯留数表示LED71は、スロットマシン10内部に貯留されたメダル枚数を表示するLEDであり、上位桁を表示するデジット1と、下位桁を表示するデジット2とから構成されている。すなわち、貯留数表示LED71は、2桁を表示する。
また、「デジット」とは、表示部(ディスプレイ)を意味し、特に本実施形態では、セブンセグメントディスプレイ(セブンセグメント表示部、いわゆる7セグ)から構成されている。
また、獲得数表示LED72は、役の入賞時に、払出し数を表示するLEDであり、上位桁を表示するデジット3と、下位桁を表示するデジット4とから構成されている。したがって、獲得数表示LED72は、貯留数表示LED71と同様に、2桁を表示する。
なお、獲得数表示LED72は、通常は獲得数を表示するが、エラー発生時にはエラーの内容(種類)を表示するLEDとして機能するため、「獲得数(又はエラー)表示LED72」と称する場合もある。
貯留数表示LED71は、貯留されているメダル枚数を表示するものであり、本実施形態では、「00」〜「50」(整数)の間の数字を表示する。
たとえば、メダルが全くベット及び貯留されていない状態では、貯留数表示LED71の表示は、「00」となっている。ここで、1枚のメダルが手入れされると、当該遊技のためにその1枚のメダルがベットされる。さらに2枚を追加投入すると、当該遊技のために3枚のメダルがベットされる(ベット限界枚数が3枚の場合)。したがって、手入れされたメダルが3枚までのときは、そのメダルはベットされ、貯留されない。さらにメダルが手入れされ続けると、スロットマシン10内部にメダルが貯留されるとともに、その貯留枚数が貯留数表示LED71によって表示される。
本実施形態では、最大で50枚までのメダルを貯留可能となっている。したがって、貯留枚数が50枚となったとき(貯留数表示LED71に「50」と表示されたとき)は、それ以上、メダルは貯留されない。この状態で、仮に、メダル投入口43からメダルが手入れされると、ブロッカ45により、手入れされたメダルは、払出し口14から返却される。
また、獲得数表示LED72は、役の入賞時に、払い出されるメダル枚数を表示する。さらに、獲得数表示LED72は、エラー発生時には、それまで表示していた獲得数に代えて、エラーコードを表示する。
獲得数表示LED72は、払い出されるメダルがないときは、表示は「00」であるが、たとえばベル02が入賞して1枚のメダルが払い出されると、獲得数表示LED72の表示は、「00」から「01」となる。
なお、獲得数表示LED72は、払い出されるメダルがないときは、消灯するように制御してもよい。
ここで、メダル払出しのある役(リプレイを除く)が入賞してその役に対応するメダルが払い出されるときは、払出し口14から払い出されることよりも優先して、スロットマシン10内部にメダルが貯留される。たとえば、ベル02入賞前の貯留枚数が「10」であるときは、ベル02の入賞により、獲得数表示LED72の表示が「00」から「01」に更新されるとともに、貯留数表示LED71の表示が「10」から「11」に更新される。
さらにまた、役の入賞時に、貯留枚数が「50」を超えるときは、「50」を超えた分については払出し口14から払い出さされる。たとえば、役の入賞前に貯留枚数が「47」であり、ベル01の入賞によって8枚のメダルが払い出されるとき、3枚は貯留されて貯留枚数が「50」となり、「50」を超える5枚については払出し口14から払い出される。
さらに、リプレイの入賞時は、メダルの貯留及び払出しは行われず、当該遊技でベットされていた枚数のメダルが再遊技のために自動ベットされる。たとえば、当該遊技を2ベット(2枚)で行い、リプレイが入賞したときは、2枚のメダルが自動ベットされる。同様に、当該遊技を3ベット(3枚)で行い、リプレイが入賞したときは、3枚のメダルが自動ベットされる。そして、リプレイの入賞に基づく自動ベットは、再遊技を行うためのメダルの投入であるので、その後に精算(返却)操作を行っても、当該メダルを精算することはできない。
なお、「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」では、リプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、再遊技に係る条件装置の作動であって「入賞」ではないと解釈されている。しかし、本願(本明細書等)では、リプレイについても役の1つとして扱い(再遊技役)、リプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したことを「リプレイの入賞」と称する。
図5において、状態表示LED73は、7個のLED(73a〜73g)から構成されている。
リプレイ表示LED73aは、リプレイの入賞時に点灯するLEDであり、リプレイの入賞に基づく自動ベットが行われると、ほぼ同時に、リプレイ表示LED73aが点灯し、自動ベット状態であることを遊技者に知らせる。
なお、ノーマルリプレイの入賞時には、全リール31の停止後、すぐにメダルが自動投入され、リプレイ表示LED73aが点灯する。これに対し、ベルリプレイの入賞時には、フリーズが実行され、このフリーズ中は、リプレイ表示LED73aは消灯状態を維持する。そして、フリーズが解除され、メダルの自動投入が行われると、リプレイ表示LED73aが点灯する。このフリーズの解除条件としては、所定時間(たとえば5秒)の経過だけでなく、通路センサ43aによりメダルを検知したことを解除条件としてもよい。このとき、通路センサ43aにより検知したメダルを正常のメダル投入とするため、通路センサ43aによるメダル検知を条件に(かつ、貯留枚数が50枚でないことを条件に)ブロッカ45をオンにするようにしてもよい。
さらに、ベルリプレイの入賞時は、フリーズを伴わなくてもよい。その場合において、所定の条件(たとえば、通路センサ43aによりメダルを検知したこと、スタートスイッチ41の操作を検知したこと、又はベットスイッチ40の操作を検知したこと、の少なくとも1つ)を満たしたことにより、リプレイ表示LED73aを点灯するように構成することもできる。また、同様の条件により、メダルの自動投入処理が行われるように構成することもできる。
ここで、本実施形態では、「ベル」図柄揃いが表示窓13内で一直線上に(無効ライン上に)停止表示可能なリプレイをベルリプレイと称しているが、たとえば「チェリー」図柄が左回胴に停止表示可能なチェリーリプレイ、「スイカ」(「スイカA」又は「スイカB」)図柄が表示窓13内で一直線上に停止表示可能なスイカリプレイを設け、上記ベルリプレイと同様な入賞時の処理を実行してもよい。
このように、ベルリプレイ等、小役に見せかけたリプレイ(以下、「小役リプレイ」とも称する。)が入賞したときには、リプレイ表示LED73aをすぐに点灯しないことにより、遊技者に対して小役が入賞したと認識させることができる。このとき、第1サブ制御基板80や第2サブ制御基板90側においても、遊技者に対して小役が入賞(当選)したと認識させるような演出(たとえば、小役に対応する図柄のバックランプの点灯、ベットスイッチ40の操作を促すベットランプの点灯や、画像表示装置23による演出)を実行することにより、小役が入賞したと認識させることができる。特に、リプレイの当選確率が高い状態においてこのような小役リプレイが当選・入賞することにより、遊技者に対して遊技の単調化(1種類のリプレイだけが頻繁に入賞する状態)を防ぐことができる。
また、小役リプレイが当選した遊技では、ストップスイッチ42の押し順によって停止表示される図柄組合せが異なるようにすることも可能である。
たとえば、ベルリプレイA及びベルリプレイBを設け、ベルリプレイAに当選した遊技では、中右左の押し順でストップスイッチ42が操作されたことにより「ベル」揃いが所定の図柄組合せライン(無効ライン)上に停止表示される(リプレイXが入賞する)ようにし、それ以外の押し順では「ベル」揃いが図柄組合せライン上に停止表示されない(ただし、リプレイX、又はベルリプレイAを構成する他のリプレイが入賞する)ように制御する。
一方、ベルリプレイBに当選した遊技では、中左右の押し順でストップスイッチ42が操作されたことにより「ベル」揃いが図柄組合せライン(無効ライン)上に停止表示される(リプレイY、又はベルリプレイBを構成する他のリプレイが入賞する)ようにし、それ以外の押し順では「ベル」揃いが図柄組合せライン上に停止表示されない(ただし、リプレイYは入賞する)ように制御することが挙げられる。
上記の方法は、たとえばAT遊技中において、「ベル」揃いが表示されることによりチャンス(ATの上乗せ等)を示唆する場合に用いることができる。たとえば、サブ制御手段側の遊技状態(高確率等)に応じて、ベルリプレイA又はリプレイBに当選した遊技において、「ベル」揃いが表示される押し順を報知するか否かを決定し、AT遊技中において「ベル」揃いの表示頻度を異ならせることが可能となる。
このとき、上述したように、小役リプレイの当選時におけるベット処理や報知処理を採用することが好ましい。
なお、小役リプレイに当選したときに、必ずしもこのような処理を実行する必要はなく、たとえば、一部の当選役や遊技状態(RT状態や、サブボーナス状態、サブ制御手段の遊技状態)に応じて実行する場合と実行しない場合とを制御するようにしてもよい。
投入可表示LED73bは、メダルを投入可能な状態のときに点灯するLEDである。すなわち、遊技が終了し、次遊技に移行するためのメダルが投入される前に点灯し、いわゆるベット待ち状態を示す。なお、本実施形態ではリプレイが作動した後であっても貯留枚数に応じてベット可能なときには点灯する。
精算表示LED73cは、本実施形態では、精算処理中に点灯するLEDである。貯留メダル及び/又はベットメダル(リプレイ入賞時の自動ベットを除く)を有する状態で、精算スイッチ46がオンされたときに、メダルを実際に払い出している最中に点灯する。
遊技開始LED73dは、メダルが投入され、スタートスイッチ41を操作可能な状態となったときに点灯するLEDである。したがって、メダルがベットされていない(又はリプレイの自動投入がされていない)状態では点灯しない。
(1枚、2枚、3枚)投入表示LED73e〜73gは、それぞれ、ベットされているメダル枚数を表示するLEDであり、1枚のメダルがベットされたときは「1BET(1枚投入表示LED73e)」が点灯し、2枚のメダルがベットされたときは、「1BET(1枚投入表示LED73e)」及び「2BET(2枚投入表示LED73f)」が点灯し、3枚のメダルがベットされたときは、「1BET(1枚投入表示LED73e)」、「2BET(2枚投入表示LED73f)」及び「3BET(3枚投入表示LED73g)」が点灯する。
図6及び図7は、メイン制御基板60、表示基板70、デジット1〜5と、状態表示LED73との電気信号の配線を示す回路図である。
本実施形態では、デジットは、デジット1〜5の5個を備える。そして、上述したように、デジット1及び2は、貯留数表示LED71を構成し、デジット3及び4は、獲得数表示LED72を構成する。さらに、デジット5は、設定値表示LED63に相当する7セグである。図6に示すように、デジット5である設定値表示LED63は、メイン制御基板60上に搭載されている。これに対し、デジット1〜4(貯留数表示LED71及び獲得数表示LED72)は、上述したように、表示基板70上に搭載されている。さらに、状態表示LED73を構成する7個のLEDについても、表示基板70上に搭載されている。
図6に示すように、メイン制御基板60上には、メインCPU62と、3つのIC(IC1、IC2及びIC3)が搭載されている。なお、メイン制御基板60には、実際にはこれら3つ以外にもICが設けられているが、本実施形態では図示を省略している。
IC1は、デジット信号の制御に係るICであり、IC2は、セグメント信号の制御に係るICである。また、IC3は、中リール31のモータ32、及び投入表示LED73e〜73gの制御に係るICである。
IC1〜IC3には、それぞれクロック信号入力端子を備える。一方、メインCPU62には、XCS1、XCS2、及びXCS3出力端子を有し、XCS1出力端子とIC1のクロック入力端子とが接続され、XCS2出力端子とIC2のクロック入力端子とが接続され、XCS3出力端子とIC3のクロック入力端子とが接続されている。
また、メインCPU62には、D0〜D7出力端子を有する。そして、IC1のD0〜D4入力端子と、メインCPU62のD0〜D4出力端子とが接続されている。さらにまた、IC1には、D5〜D7入力端子が設けられているが、これらはグラウンドと接続されている。
さらに、メインCPU62のD0〜D7出力端子と、IC2のD0〜D7入力端子とがそれぞれ接続されている。
また、メインCPU62のD0〜D3、及びD5〜D7出力端子と、IC3のD0〜D3、及びD5〜D7入力端子とがそれぞれ接続されている。さらにまた、IC3には、D4入力端子が設けられているが、D4入力端子はグラウンドと接続されている。
IC1には、D0〜D7出力端子からなる出力ポート0(後述する図12参照)を有し、D0〜D7入力端子とD0〜D7出力端子とがそれぞれ対応している。そして、D0〜D4出力端子からそれぞれデジット1〜5信号線が出て、図7中、表示基板70のデジット1〜5信号線(3番〜7番)に繋がる。なお、図12に示すように、出力ポート0のD5〜D7出力端子は、未使用(NC)である。
また、IC2には、D0〜D7出力端子からなる出力ポート1(図12参照)を有し、D0〜D7入力端子とD0〜D7出力端子とがそれぞれ対応している。そして、D0〜D7出力端子からそれぞれセグメントA〜P信号線が出て、図7中、表示基板70のセグメントA〜P信号線(8番〜15番)に繋がる。
さらにまた、IC1のD4出力端子からの信号線は、デジット5、すなわち設定値表示LED63に接続される。
また、デジット5は、7個のLED(a〜g)を有し、a〜gのLEDと、それぞれ、セグメントA〜G信号が接続されている。
さらに、IC3には、D0〜D7出力端子からなる出力ポート4(図13参照)を有し、D0〜D7入力端子とD0〜D7出力端子とがそれぞれ対応している。D4出力端子は未使用(NC)である。また、D0〜D2出力端子は、図13に示すように、中リール31のモータ32の励磁信号線と繋がるが、図6及び図7の説明では、割愛する。
さらにまた、出力ポート4のD5〜D7出力端子から、それぞれ1枚投入表示信号線、2枚投入表示信号線、及び3枚投入表示信号線が出て、図7中、表示基板70の1枚投入表示信号線(16番)、2枚投入表示信号線(17番)、3枚投入表示信号線(18番)に繋がる。
なお、上記のIC1〜IC3のD0〜D7出力端子からの出力は、クロック入力端子の入力がオンからオフになるまで継続し続ける。
また、図7に示すように、表示基板70には、デジット1〜4が接続されている。表示基板70のデジット1信号の出力端子(3番)とデジット1とが接続されている。
同様に、表示基板70のデジット2〜4信号の出力端子(4〜6番)とそれぞれデジット2〜4とが接続されている。
また、デジット1〜4のいずれも、上述のデジット5と同様に、7個のLED(a〜g)を有する。そして、デジット1〜4のa〜gの各LEDは、それぞれ、セグメントA〜G信号の出力端子(8〜14番)と接続されている。
さらに、図7に示すように、表示基板70には、状態表示LED73を構成する7個のLED(図5参照)、具体的には、遊技開始LED73d、精算表示LED73c、投入可表示LED73b、リプレイ表示LED73a、1枚投入表示LED73e、2枚投入表示LED73f、3枚投入表示LED73gが接続されている。
そして、遊技開始LED73d、精算表示LED73c、投入可表示LED73b、及びリプレイ表示LED73eの4つは、セグメントP信号の出力端子(15番)と接続されている。
さらに、遊技開始LED73dはデジット1信号の出力端子(3番)と接続され、精算表示LED73cはデジット5信号の出力端子(7番)と接続され、投入可表示LED73bはデジット3信号の出力端子(5番)と接続され、リプレイ表示LED73aはデジット4信号の出力端子(6番)と接続されている。
また、図7に示すように、表示基板70の1枚、2枚、3枚投入表示信号の出力端子(16〜18番)は、それぞれ、1枚、2枚、3枚投入表示LED73e〜73gに接続されている。さらに、表示基板70の+5Vの電源電圧端子(1番及び2番)と、1枚、2枚、3枚投入表示LED73e〜73gとが接続されている。
上記構成において、図6中、メインCPU62は、通常時は、XCS1〜XCS3出力端子にハイレベル(約5V。以下同じ。)の電圧を印加しており、ハイレベルからローレベル(ほぼゼロV。以下同じ。)にしたとき(メインCPU62内に設けられたスイッチ(回路)により電圧を変化させる)にアクティブとなる。たとえば、IC1を駆動(選択、指定)したい場合には、XCS1出力端子をアクティブにする。これにより、アクティブ信号(チップセレクト信号)がXCS1出力端子から出力され、IC1のクロック入力端子に入力される。これにより、IC1が駆動状態(選択状態、又は指定状態ともいう。)となる。上記と同様にしてXCS2、XCS3出力端子をアクティブにすれば、それぞれIC2、IC3が駆動状態となる。
また、メインCPU62のD0〜D7出力端子は、通常、ローレベルの電圧が印加されており、「1」のデータ(データ信号)を出力するときにハイレベルの電圧が印加される。
たとえば、メインCPU62のD0出力端子から「1」のデータ信号を出力すると、それぞれIC1〜IC3のD0入力端子にデータ信号が入力されるが、この瞬間に、XCS1出力端子がアクティブであるとき、IC1のD0入力端子にそのデータ信号が入力される。
さらにまた、IC1の出力ポート0には、通常時、ハイレベルの電圧が印加されており、データ信号が入力された入力端子に対応する出力端子にローレベルの電圧が印加される。たとえば、メインCPU62のD4出力端子から「1」のデータ信号を出力し、この瞬間に、XCS1出力端子がアクティブであるとき、IC1のD4入力端子にそのデータ信号が入力されるので、これに対応して、IC1のD4出力端子をローレベルにすると、デジット5のa〜gのLEDに電流が流れることが可能となる。
さらにまた、メインCPU62のD0及びD1出力端子から「1」のデータ信号を出力するとともに、XCS2出力端子をアクティブにすると、IC2のD0及びD1入力端子にデータ信号が入力される。
IC2の出力ポート1は、通常時、ハイレベルの電圧が印加されている。ハイレベルの電圧が印加されているときは、図6中、トランジスタ以降の回路は、ハイ・インピーダンス(ローでもハイでもない状態)となっている。
そして、IC2のD0及びD1出力端子をローレベルにすると、エミッタとベース間の電流の変化に伴い、ハイレベル(+5V)と繋がるトランジスタのエミッタからコレクタに電流が流れ、セグメントA及びB信号線に電流が流れる。
したがって、上記のように、IC1のD4出力端子をローレベルにし、デジット5のa〜gのLEDに電流が流れることが可能な状態であるときに、上記のようにIC2のD0及びD1出力端子をローレベルにすると、セグメントA及びB信号線に電流が流れ、デジット5のa及びbのLEDが点灯するようになる。
いいかえれば、デジット1〜5のセグメントA及びB信号線に電流が流れるものの、デジット1〜4にも約5Vの電圧が印加されているため、電位差が生じず、デジット1〜4に対応するa及びbのLEDは点灯しない。つまり、約0Vが印加されているデジット5に対して電流が流れることとなり、デジット5のa及びbのLEDが点灯するようになる。
また、たとえばIC1のD0出力端子をローレベルにする。
さらに、IC2のD7出力端子をローレベルにすると、エミッタとベース間の電流の変化に伴い、ハイレベルと繋がるエミッタからコレクタに電流が流れ、セグメントP信号線に電流が流れる。その結果、図7中、遊技開始LED73dが点灯する。
いいかえれば、デジット1〜5のセグメントP信号線に電流が流れるものの、デジット2〜5にも約5Vの電圧が印加されているため、電位差が生じず、デジット3に対応付けられている投入可表示LED73b、デジット4に対応付けられているリプレイ表示LED73a、及びデジット5に対応付けられている精算表示LED73cは点灯しない。つまり、約0Vが印加されているデジット1に対して電流が流れることとなり、デジット1に対応付けられている遊技開始LED73dが点灯するようになる。
さらに、IC3の出力ポート4のD0〜D7出力端子には、通常時はローレベルの電圧が印加されている。そして、IC3のD5〜D7出力端子のいずれかにハイレベルの電圧を印加すると、トランジスタのコレクタからエミッタに電流が流れ、トランジスタのコレクタ側がローレベルとなる。
これに対し、図7に示すように、1枚、2枚、3枚投入表示LED73e〜73gの上流側と繋がる電源電圧端子(1番及び2番)には、常時、ハイレベルの電圧が印加されている。したがって、図6中、たとえばIC3のD5出力端子をハイレベルとすると、図7中、1枚投入表示信号の16番端子はローレベルとなり、1枚投入表示LED73eに電流が流れ、1枚投入表示LED73eが点灯する。
なお、図6及び図7に示すように、本実施形態の回路構成では、デジット1〜5のうち、いずれか1つのデジットのみを点灯可能に設定されている。ここで、全デジットを個別に点灯可能にするには、各デジットごと、かつ各セグメントごとに、それぞれ独立した配線を設ける必要がある。しかし、このように設定すると配線数が多くなり、コストが増加し、組立負担も増大する。
これに対し、図6及び図7のように、たとえばセグメントA信号であれば、全デジット1〜5のセグメントA信号と接続される回路構成とすれば、配線数を少なくすることができる。
そして、本実施形態のような回路構成であっても、割込み処理ごとに点灯させるデジットを順次切り替えれば、実質上、全デジットを同時点灯させている状態とほとんど変わりなく(ヒトの目視では同時点灯しているかのように)見せることができる。
また、割込み処理ごとに点灯させるLEDを異ならせれば、消費電力を抑え、LEDの焼き付きも抑制することができる。
さらに、常時点灯しているLEDと比較して、点発光を繰り返すことにより、輝度を高くすることができる。
図8は、デジット1〜5と、セグメントA〜Pとの関係を示す図である。
各デジットは、セグメントA〜Pから構成され、そのうちのセグメントA〜Gにより、いわゆる7セグを構成している。さらに、セグメントPは、状態表示LED73のいずれか1つ(ただし、デジット2を除く)を構成している。
図8に示すように、たとえばデジット1のうち、セグメントA〜Gは、貯留数表示LED71の上位桁の7セグを構成するとともに、セグメントPは、遊技開始LED73dを構成している。図7に示すように、デジット1信号の出力端子(3番)は、デジット1の信号線に繋がるとともに、遊技開始LED73dの信号線にも繋がっている。また、遊技開始LED73dは、表示基板70のセグメントP信号の出力端子(15番)と接続されている。
また、図8において、デジット3のうち、セグメントA〜Gは、獲得数表示LED72の上位桁の7セグを構成するとともに、セグメントPは、投入可表示LED73bを構成している。図7に示すように、デジット3信号の出力端子(5番)は、デジット3の信号線に繋がるとともに、投入可表示LED73bの信号線にも繋がっている。また、投入可表示LED73bは、表示基板70のセグメントP信号の出力端子(15番)と接続されている。
同様に、図8において、デジット4のうち、セグメントA〜Gは、獲得数表示LED72の下位桁の7セグを構成するとともに、セグメントPは、リプレイ表示LED73aを構成している。図7に示すように、デジット4信号の出力端子(6番)は、デジット4の信号線に繋がるとともに、リプレイ表示LED73aの信号線にも繋がっている。また、リプレイ表示LED73aは、表示基板70のセグメントP信号の出力端子(15番)と接続されている。
また、図8において、デジット5のうち、セグメントA〜Gは、設定値表示LED63の7セグを構成するとともに、セグメントPは、精算表示LED73cを構成している。図6に示すように、デジット5自体は、メイン制御基板60上に搭載されているが、図6に示すように、デジット5信号の出力端子(7番)は、精算表示LED73cの信号線に繋がっている。また、精算表示LED73cは、表示基板70のセグメントP信号の出力端子(15番)と接続されている。
以上より、たとえばデジット1の全セグメント(セグメントA〜P)を点灯させたときは、セグメントA〜Gの点灯により、貯留数表示LED71(上位桁)は、「8」を表示するとともに、セグメントPの点灯により、状態表示LED73中、遊技開始LED73dが点灯する。
図9は、LED表示要求フラグ及びLED表示要求カウンタを示す図である。
LED表示要求フラグは、どのLEDが点灯可能であるかを示すフラグであり、8ビット(D0〜D7)からなる1バイトデータとしてRWM61に記憶される。
そして、LED表示要求フラグは、たとえばデジット1及び2、すなわち貯留数表示LED71の上位桁及び下位桁が表示可能であるときは、D0及びD1ビットが「1」となり、他のデジットが表示不可でれば、他のビットは「0」となる。したがって、この場合のLED表示要求フラグのデータは、「00000011」となる。
図9に示すように、本実施形態では、通常中(遊技中及び遊技待機中)は、デジット5(設定値表示LED63)をオフ、デジット1〜4をオンとする。よって、通常中のLED表示要求フラグは、「00001111」となる。
また、設定変更中は、デジット5に設定値を表示するのでD4ビットが「1」となり、デジット1及び2(貯留数表示LED71)を非表示とするため「0」となり、デジット3及び4(獲得数表示LED72)には「−−」を表示するため「1」となる。よって、設定変更中のLED表示要求フラグは「00011100」となる。
さらにまた、設定確認中は、設定変更中と同様にデジット5に設定値を表示するのでD4ビットが「1」となる。さらに、デジット1〜4は、通常中と同じである。よって、設定確認中のLED表示要求フラグは「00011111」となる。
上記のLED表示要求フラグは、通常中、設定変更中、設定確認中に応じて値が異なるフラグである。
これに対し、LED表示要求カウンタは、LED表示要求フラグと同様に、8ビット(D0〜D7)からなる1バイトデータであるが、タイマ割込み(2.235ms)ごとに値が更新されるデータである。図9に示すように、初期値として、「00010000」をとり、割込み処理ごとに、オン(「1」)となるデジットが一桁ずつ右にシフトする(シフト命令を実行)ように更新される。そして、LED表示要求カウンタの値が「00000001」のときに、次の割込み時には、「00000000」となるが、更新後に「0」になったときは、その割込み時に、再度、初期値である「00010000」に設定される。なお、全ビットが「0」になった次の割込み時に、初期値である「00010000」に設定しても良い。
また、図9に示すLED表示要求フラグ及びLED表示要求カウンタの各ビットへのデジットの割り当ては、図9に示すものに限らず、種々設計することができる。たとえば、D0〜D2を未使用とし、D3〜D7を各デジットに割り当てることも可能である。
詳細な説明は後述するが、本実施形態では、LED表示要求フラグとLED表示要求カウンタとをAND演算した結果、「1」であるデジットが当該割込み処理時の点灯対象となる。
なお、後述するように、スロットマシン10に復帰不可能エラーが生じた場合のエラー内容(番号)をLED表示するときには、LED表示要求フラグやLED表示要求カウンタを参照することはない。
これに対し、通常エラー(電源のオン/オフ等なく復帰可能なエラー)時には、通常中と同様に、LED表示要求フラグとLED表示要求カウンタとをAND演算した結果、「1」であるLEDが点灯対象となる。
図10は、ROMに記憶されたLEDセグメントテーブルを示す図である。LEDセグメントテーブルは、アドレス及びオフセット値(先頭アドレスからのズレ)と、各アドレスにごとにセグメントデータ、すなわちどのセグメントを点灯させるかのデータを記憶しているデータテーブルである。たとえば、アドレス「1211」は、LEDセグメントテーブルの先頭アドレス、すなわちオフセット値「0」となり、そのセグメントデータとして、16進数で「3F」(2進数で「00111111」)を記憶している。
そして、セグメントデータを2進数で表したときの8ビットデータを、「D7,D6,D5,D4,D3,D2,D1,D0」で表し、D0〜D7のデータがそれぞれLEDセグメントA〜P信号のオン/オフを表す。
たとえば、デジットに「0」と表示させるためには、図8中、セグメントA〜Fがオン、セグメントGがオフである。したがって、このときのセグメントデータは、「00111111」となる。
よって、図10中、アドレス「1211」のセグメントデータは、「00111111」、すなわち、デジットに「0」を表示するデータとなる。
以上のように、アドレス「1211」を先頭として、順に、デジットに「0」、「1」、「2」、・・を表示するためのデータを記憶している。
また、図10にけるオフセット値の使用については、後述する(図49のステップS635)。
説明を図4に戻す。
メイン制御基板60には、図柄表示装置30のモータ32等が電気的に接続されている。
図柄表示装置30は、図柄を表示する(本実施形態では3つの)リール31と、各リール31をそれぞれ駆動するモータ32と、リール31の位置を検出するためのリールセンサ39とを含む。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段62cによって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。なお、リール31上の図柄の具体的配置は、後述する(図14)。
また、各リール31には、1個(2個以上であってもよい)のインデックスが設けられている。インデックスは、リール31の例えば周側面に凸状に設けられており、リール31が所定位置を通過したか否かや、1回転したか否か等を検出するときに用いられる。そして、各インデックスは、リールセンサ39により検知される。リールセンサ39の信号は、メイン制御基板60に電気的に接続されている。そして、インデックスがインリールセンサ39を検知する(切る)と、その入力信号がメイン制御基板60に入力され、そのリール31が所定位置を通過したことが検知される。
また、リールセンサ39がリール31のインデックスを検知した瞬間の基準位置上の図柄を予めRWM61(メインROM)に記憶している。これにより、インデックスを検知した瞬間の基準位置上の図柄を検知することができる。
また、メイン制御基板60には、メダル払出し装置35が電気的に接続されている。メダル払出し装置35は、メダルを溜めておくためのホッパー35aと、ホッパー35aのメダルを払出し口14から払い出すときに駆動するホッパーモータ36と、ホッパーモータ36から払い出されたメダルを検出するための払出しセンサ37a及び37bを備える。
メダル投入口43から手入れされ、受け付けられたメダルは、所定の通路(「シュート部」とも称する。)を通してホッパー35a内に収容されるように形成されている。
払出しセンサ37a及び37bは、投入センサ44a及び44bと同様に、上流側に払出しセンサ37aが設けられ、下流側に払出しセンサ37bが設けられている。
なお、図1に示すように、後述する説明においては、上流側の払出しセンサ37aを払出しセンサ1、下流側の払出しセンサ37bを払出しセンサ2と称する場合もある。
払出しセンサ37aと37bとは、所定距離を隔てて配置され、メダルが払出しセンサ37aにより検知されてから所定時間を経過した後に払出しセンサ37bにより検知されるように構成されている。そして、払出しセンサ37a及び37bがそれぞれオン/オフとなるタイミングに基づいて、メダルが正しく払い出されたか否かを判断する。
たとえば、ホッパーモータ36が駆動しているにもかかわらず、払出しセンサ37a及び37bの信号がいずれもオフであるときは、メダルが払い出されていないと判断し、ホッパーエラー(メダルなし)と検知される。
一方、払出しセンサ37a又は37bの信号の少なくとも1つがオンのままとなったときは、メダル詰まりが生じたと検知する。なお、払出しセンサ37を1つだけ設け、上記エラーを検知するようにしてもよい。
満杯センサ38は、ホッパー35aから溢れたメダルを収容するサブタンク35b(図3参照)の満杯を検知するセンサであり、サブタンク35bのメダルが満杯となったときにメダルが接触することで通電する回路から構成される。
また、図4において、ドアスイッチ16は、スロットマシン10のフロントカバー11を開けたときにオンとなるスイッチであり、フロントカバー11の開閉状態を検知するためのものである。
また、電源スイッチ51は、スロットマシン10の電源のオン/オフを行うスイッチである。
設定キースイッチ52は、設定キー挿入口から設定キーが挿入され、右90度に回転しているときにオンとなるスイッチであり、設定確認時や設定変更時にオンとなる。
設定変更/リセットスイッチ53は、1つのスイッチで設定変更スイッチとリセットスイッチとを兼ねているスイッチである。なお、設定変更スイッチとリセットスイッチとは、別々に設けられていてもよい。
設定変更/リセットスイッチ53は、設定値を変更するときに操作される。また、設定キースイッチ52をオンにしつつ電源スイッチ51がオンにされると、リセットすなわち初期化処理が行われ、RWM61に記憶されている所定のデータがクリアされる。
設定ドアスイッチ54は、上述した設定ドア(設定キースイッチ52及び設定変更/リセットスイッチ53を覆うドア)の開閉を検知するスイッチである。たとえば設定ドアスイッチ54がオフ、すなわち設定ドアが開けられていない状態で設定キースイッチ52がオンであるとき等は、エラーとなる。
図11は、メイン制御基板60に設けられた入力ポート0〜2を示す図である。また、図12及び図13は、メイン制御基板60に設けられた出力ポート0〜6を示す図である。
本実施形態の入力ポート0〜2及び出力ポート0〜6は、D0〜D7の8ビットが入力又は出力可能な1バイトのポートである。
なお、入力ポート及び出力ポートは、図示したもの以外にも設けられているが、本実施形態では説明を省略する。
また、図11〜図13中、未使用と表示したポートは、実際に使用されていないか、又は本実施形態において説明を省略する信号の入出力ポートを意味する(信号の入出力がないポートは、すべて未使用という意味ではない)。
入力ポート0は、操作スイッチである精算スイッチ46、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42の各信号が入力される。なお、図11の例では、1ベットスイッチ信号(D1ビット)と3ベットスイッチ信号(D2ビット)とを分けているが、3ベットスイッチ40のみが設けられる仕様のスロットマシン10であるときは、入力ポート0のD1ビットは未使用となる。
また、入力ポート1には、通路センサ43a、ドアスイッチ16、設定ドアスイッチ54、設定キースイッチ52、設定変更/リセットスイッチ53、(左、中、右)リールセンサ39の各信号が入力される。
さらにまた、入力ポート2には、電断信号(電断が発生したときに出力される信号)、投入センサ1(44a)及び2(44b)の信号、払出しセンサ1(37a)及び2(37b)の信号、満杯センサ38の信号が入力される。なお、設定ドアスイッチ54を設けていない仕様のスロットマシン10であるときには、入力ポート1のD2ビットは未使用となる。
そして、後述するように、遊技を進行する情報処理として、1遊技あたり1回行うメインループないしメイン処理(M_MAIN)が設けられている。メインループでは、投入されたメダルの検知や、全リール31が停止した後の入賞処理等が行われる処理である。
このメインループ中に、メインループを一旦抜けて、割込み処理(タイマ割込み処理)を実行する。そして、割込み処理では、入力ポート0〜2を検知する処理(図48のステップS607)を実行し、その処理の実行後、再度、メインループに戻る処理を定期的に行っている。その割込み時間の間隔は、本実施形態では2.235msである。すなわち、2.235ms間隔の割込み処理ごとに、入力ポート0〜2のデータを取得する。そして、取得したデータに基づいて、入力ポートのレベルデータ(各ビットのオン/オフを示すデータ)、入力ポートの立ち上がりデータ(前回割込み時がオフで、今回割込み時がオンになったデータがどのビットであるかを示すデータ)、入力ポートの立ち下がりデータ(前回割込み時がオンで、今回割込み時がオフになったデータがどのビットであるかを示すデータ)を生成し、記憶する。したがって、これらのデータは、2.235msごとに更新されていく。
また、割込み処理がいつ行われたかにかかわらず、入力ポート0〜2のD0〜D7ビットのすべてを検知する。たとえば、リール31の回転中(ストップスイッチ42が操作される前)は、遊技者によってベットスイッチ40が操作されることはあり得ないので、必ずしも入力ポート0のD1及びD2ビットのデータを取得する必要はないが、本発明では、すべてのビットのデータを取得する。そして、全ビットのデータを取得すれば、エラー判定を行うことも可能となる。たとえばリール31の回転中にベットスイッチ40の立ち上がりデータがオンになった場合が挙げられる。
また、たとえば入力ポート0の1バイトデータ(8ビット)を取得すれば、すべての操作スイッチのオン/オフの状況を知ることができる。
図12において、出力ポート0は、LEDデジット信号の出力用に用いられる。また、出力ポート1は、LEDセグメント信号の出力用に用いられる。これらのLEDデジット信号及びLEDセグメント信号は、設定値表示LED63、貯留数表示LED71、獲得数表示LED72、状態表示LED73を点灯/消灯させるための信号である。
具体的には、たとえば出力ポート0のデータが「00000001」であるときは、デジット1のみがオンとなるので、貯留数表示LED71の上位桁のみがオンとなる。さらに、出力ポート1のデータが「00111111」であるとき、セグメントA〜Fの信号がオンとなるので、デジット1には「0」と表示される。
以上のように、出力ポート0でどのデジットを点灯させるかを定め、出力ポート1でどのセグメントを点灯させるかを定める。
また、図1〜図4では図示していないが、本実施形態では、3ベットスイッチ40及びストップスイッチ42の周囲部(ストップスイッチ42のユニット内)にはLEDが設けられている。
そして、出力ポート2では、3ベットスイッチ40及びストップスイッチ42の上記LEDを点灯させるための信号が出力される。「赤」は操作不可時に、「青」は操作可時にそれぞれ点灯させる。
出力ポート3では、D0〜D3ビットからは、左リール31のモータ32の各φ0〜φ3信号が出力される。本実施形態のモータ32は、1−2相励磁によりリール31を回転するように構成されており、φ0〜φ3の4相の励磁の組合せでリール31を駆動するようにしているため、各相の信号がそれぞれ所定のビットから出力される。
また、D6ビットからは、ブロッカ45の信号が出力される。さらにまた、D7ビットからは、ホッパーモータ36の駆動信号が出力される。
ここで、ブロッカ45は、ブロッカの信号が「1」(オン)であるときは、メダル投入口43とホッパー35aとを連結するメダル通路を形成し、「0」(オフ)であるときは、メダル投入口43と払出し口14とを連結する通路(返却通路)を形成する。
そして、たとえばブロッカ45の駆動時には、割込み処理によって、出力ポート3のD6ビット(図12参照)からブロッカ信号を出力する。
図13において、出力ポート4のD0〜D3ビットからは、中リール31のモータ32の各φ0〜φ3信号が出力される。同様に、出力ポート5のD0〜D3ビットからは、右リール31のモータ32の各φ0〜φ3信号が出力される。
また、出力ポート4のD5〜D7ビットからは、状態表示LED73中、1枚、2枚、3枚投入表示LED73e〜73gの信号が出力される。
さらにまた、出力ポート6からは、外部集中端子板100への外部信号が出力され、本例では、外部信号の種類に応じて外部信号1〜3を有している。なお、外部信号は、外部集中端子板100を介してスロットマシン10の外部(ホールコンピュータや、ホールに設置されているデータカウンタ等)に出力するための信号である。
以上のようにして、1割込み内で、入力ポート0〜2の信号に基づくデータを記憶するとともに、出力ポート0〜6に対しては、記憶されている制御データに基づき信号を出力する。
次に、メイン制御基板60の具体的構成について説明する。
図4に示すように、メイン制御基板60のメインCPU62は、以下の設定変更手段62a等を備える。なお、以下の各手段は例示であり、例示した手段に限定されるものではない。
設定変更手段62aは、設定値を変更・決定する手段である。
ここで、設定値とは、遊技者の有利度、より具体的にはメダルの投入枚数に対する払出し枚数の期待値(遊技者が獲得できるメダル)の程度を定めるものであり、本実施形態では設定1〜設定6の6段階を設けている。
そして、設定値が高くなるほど、少なくとも一部の役の当選確率が高く設定される等、遊技者にとっての有利度が高くなるように設定している。
また、設定値が高くなるほど、ATに移行する確率が高くなり、遊技者にとっての有利度が高くなるように設定している。
なお、ATに移行する確率を高くすることのみに限られるものではなく、たとえばAT中の遊技回数や払出し枚数を上乗せする確率を高くしたり、ATを継続する確率を高くしてもよい。
設定値を設定・変更するには、電源スイッチ51、設定キースイッチ52、設定変更/リセットスイッチ53が用いられる。
本実施形態では、電源スイッチ51を一旦オフにし、電源断をした後に、設定キー挿入口に設定キーを差し込み、これを時計回りに90度回転させると、設定キースイッチ52がオンとなる。この状態で電源スイッチ51を再度オンにすると、設定変更中、すなわち設定変更モードになる。この場合、通常の立ち上げ処理は行われない。したがって、設定変更中にするためには、電源スイッチ51のオン/オフ操作が必要である。
なお、設定キー挿入口に設定キーを差し込み、これを時計回りに90度回転させて設定キースイッチ52をオンにし、この状態で電源スイッチ51を一旦オフにした後に再度オンにしても良い。
設定変更モードでは、設定変更手段62aは、設定値表示LED63に、現在の設定値を表示する。
また、設定変更手段62aは、設定変更/リセットスイッチ53が1回操作(オン)されるごとに、設定値の表示を、・・・→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→「2」→・・・と順次変化させる。
さらに、設定変更手段62aは、スタートスイッチ41がオンにされると、このときに設定値表示LED63に表示していた数値で設定値を決定し、設定値が決定されたことを示す「0」を設定値表示LED63に表示する。
そして、設定変更手段62aは、設定キーを反時計回りに90度回転させて設定キースイッチ52をオフにすることで、決定した設定値をRWM61中の所定の記憶領域に記憶し、設定変更後の設定値で遊技が可能となる。
なお、本実施形態では、設定キースイッチ52のオフの判定は、設定キースイッチ52の立下りデータに基づいて実行されるように構成されているが、設定キースイッチ52のオン/オフの状態に基づいて実行されるように構成してもよい。
また、設定キー挿入口から設定キーを抜かなければ設定変更後の設定値で遊技ができないように構成してもよい。
さらに、設定キーを反時計回りに90度回転させて設定キースイッチ52をオフにし、設定キー挿入口から設定キーを抜き、この状態で電源スイッチ51を一旦オフにした後に再度オンにしなければ、設定変更後の設定値で遊技ができないように構成してもよい。
また、メイン制御基板60は、RWM61に記憶された設定値を、第1サブ制御基板80に送信する。そして、第1サブ制御基板80側でもRWM81に設定値を記憶し、第1サブ制御基板80においてもメイン制御基板60のRWM61に記憶された設定値と同一の設定値を共有する。そして、第1サブ制御基板80側でも、その設定値に応じた確率でATの抽選を実行する等、ATに関する変数を決定する。
また、メダルがベットされていない状態で、かつ役抽選が行われていない状態(スタートスイッチ41の操作前)で、設定キーが設定キー挿入口に挿入され、設定キースイッチ52がオンにされると、「設定確認中」になる。すなわち、設定値を確認するだけの場合には、電源スイッチ51のオン/オフは不要である。設定確認中は、設定変更中と同様に、現時点での設定値が設定表示LED63に表示される。
さらにまた、設定キースイッチ52がオンにされた状態で、電源スイッチ51がオンにされると、リセット、すなわち初期化処理が行われる。この初期化処理については後述する。
役抽選手段62bは、遊技ごとに、遊技開始時に、役の抽選を行うものである。
ここで、本実施形態の役、図柄の組合せ等について説明する。
図14は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図14では、図柄番号を併せて図示している。たとえば、左リール31において、図柄番号20番の図柄は、「ベル」である。
図14に示すように、本実施形態では、各リール31は、20コマに等分割され、各コマに所定の図柄が表示されている。
なお、図14に示すように、本実施形態では、「スイカ」は、異なる図柄である「スイカA」と「スイカB」とを備える。さらにまた、「BAR」は、異なる図柄である「黒BAR」と「白BAR」とを備える。
さらに、「ブランク」は、所定の図柄を有するものであり、当該コマに図柄が何も表示されていないという意味ではない。
また、図15は、スロットマシン10のフロントカバー11に設けられた表示窓13(透明窓)と、各リール31の位置関係と、有効ラインとを示す図である。
各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。なお、各図柄の右下の数字は図柄番号を示している。
なお、本明細書では、図15中、左リール31の「スイカA」、中リール31の「リプレイ」、及び右リール31の「スイカB」の図柄が停止している位置を「上段」と称し、左、中及び右リール31の「ベル」の図柄が停止している位置を「中段」と称し、左リール31の「リプレイ」、中リール31の「スイカA」、及び右リール31の「リプレイ」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
さらにまた、図15に示すように、表示窓11から見える9個の図柄に対し、有効ラインが設定されている。
ここで、「有効ライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させる図柄組合せラインであり、かつ、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。本実施形態では、図6に示すように、水平方向中段の有効ライン(1本)のみが定められ、他の図柄組合せラインは、全て無効ラインとなっている。
たとえば、図15中、各リール31の上段を通過する図柄組合せラインや、左リール31の下段、中リール31の中段、及び右リール31の上段を通過する図柄組合せラインも考えられるが、このようなラインは、本実施形態では無効ラインとなっている。無効ラインは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
また、従来より、メダルの投入枚数に応じて有効ライン数が異なるスロットマシンが知られている。たとえば、メダル投入枚数が1枚のときは有効ラインは1本、メダル投入枚数が2枚のときは有効ライン数は3本、メダル投入枚数が3枚のときは有効ライン数は5本に設定すること等が挙げられる。これに対し、本実施形態では、遊技中は、2枚又は3枚のメダルを投入して遊技を行うとともに、すべての遊技において、常に水平方向中段の1本のみが有効ラインとなる。
図16及び図17は、本実施形態における役(役抽選手段62bで抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。
本実施形態の役は、大別して、特別役、小役、リプレイを有する。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(役が入賞する。以下同じ。)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。
ただし、特別役(MB)の入賞時の払出し枚数は0枚に設定されている。また、リプレイは、メダルが自動投入される。さらに、小役(ベル)のうち、ベル01においては、特別遊技を除く遊技での払出し枚数は8枚であるが、特別遊技(MB遊技:規定数が2枚)では2枚の払出しとなる。
小役は、図16及び図17に示すように、ベル、チェリー、スイカを備える。さらに、ベルは、ベル01〜ベル33の33種類を有する。また、チェリーは、中チェリーと角チェリーとを有する。なお、中チェリーにおける「ANY」とは、いずれの図柄でもよいこと(任意の図柄)を意味する。さらにまた、リプレイは、ノーマルリプレイ、ベルリプレイ(2種類)、特殊リプレイを有する。
ベル01は、いわゆる「ベル」揃いの図柄の組合せであり、ストップスイッチ42の押し順正解時(後述)に停止する図柄の組合せである。また、ベル02〜ベル33は、押し順不正解時に停止表示可能な図柄の組合せである。ベル02〜ベル25は、左リール31の図柄は「リプレイ」に設定されている。さらに、ベル02〜ベル07の右リール31の図柄は「赤7」、ベル08〜ベル13の右リール31の図柄は「青7」、ベル14〜ベル19の右リール31の図柄は「黒BAR」、ベル20〜ベル25の右リール31の図柄は「白BAR」である。
さらに、ベル02〜ベル25において、右リール31の図柄が同一であるベルについては、中リール31の図柄が、「スイカA」、「黒BAR」、「赤7」、「チェリー」、「青7」、又は「白BAR」のいずれかに設定されている。
さらにまた、ベル26〜ベル29については、中リール31の図柄は、「ベル」に設定されており、ベル30〜ベル33については、右リール31の図柄は、「ベル」に設定されている。
さらに、図16及び図17に示すように、ベル02〜ベル33の入賞時のメダル払出し枚数は、常に1枚に設定されている。
また、リプレイ(再遊技役)とは、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した(メダルを自動ベットする)再遊技が行えるようにした役である。
本実施形態のリプレイは、ノーマルリプレイ、2種類のベルリプレイ、及び特殊リプレイを備え、それぞれ図柄の組合せが異なる。
ベルリプレイとは、実際の入賞役は「リプレイ」であるが、遊技者には小役であるベルに見せるようにしたリプレイである。
図15で示したように、有効ラインは、「中段」−「中段」−「中段」であり、その他の一直線状のラインは、いずれも無効ラインに設定されている。
そして、ベルリプレイ1の当選時には、中段ライン(有効ライン)には、ベルリプレイ1に対応する図柄の組合せを停止させる。
ベルリプレイ1の当選時に、たとえば「リプレイ(14番)」−「スイカA(18番)」−「リプレイ(04番)」が中段ラインに停止したとする。なお、かっこ書きで示す番号は、図14の図柄番号である。これにより、中段ラインには、ベルリプレイの図柄の組合せである「リプレイ」−「スイカA」−「リプレイ」が停止したこととなるのでベルリプレイの入賞となる。さらに、この図柄の組合せの停止時に、「上段」−「上段」−「上段」の無効ラインには、「ベル(15番)」−「ベル(19番)」−「ベル(05番)」、すなわちベル揃いが停止する。
なお、図14に示すように、中リール31の停止時に、中段に「スイカB」又は「白BAR」が停止しても、上段ラインには上記と同様に常にベル揃いが停止する。
上記と同様に、ベルリプレイ2の当選時に、中段ライン(有効ライン)に、ベルリプレイ2に対応する図柄の組合せである「リプレイ」−「ベル」−「スイカA/スイカB」を停止させると、右下がりライン、すなわち「上段」−「中段」−「下段」には、常に、「ベル」揃いが停止する。たとえば、中段ラインに、「リプレイ(09番)」−「ベル(14番)」−「スイカB(01番)」が停止したときは、「上段」−「中段」−「下段」のライン上には、「ベル(10番)」−「ベル(14番)」−「ベル(20番)」が停止する。
そして、ベルリプレイの入賞時には、有効ラインである中段ライン上の図柄ではなく、「ベル」の図柄を点滅する等して、「ベル」(小役)が入賞したかのような演出を出力する。
さらに、ベルリプレイの入賞時に、直ちにメダルの自動ベットを行うと、リプレイの入賞に見えてしまうため、ベルリプレイの入賞と同時にたとえばフリーズを実行する。
ここで「フリーズ」とは、遊技の進行を、所定期間一時停止状態にして、遅延させることであり、たとえば、メダルの受付け、ベットスイッチ40の操作の受付け、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42の操作の受付け(リール31の停止操作の受付け)に関する機能を一時停止状態にすることである。さらに、前記一時停止状態の間に、リール31が通常動作とは異なる動作をする等の演出期間として使用されることもある。この動作は、擬似遊技とも称される(擬似遊技については後述する)。
本実施形態では、ベルリプレイの入賞と同時にフリーズを開始するとともに、その経過時間を計測する。そして、所定時間(たとえば20秒)を経過する前にベットスイッチ40が操作されたときは、そのベットスイッチ40の操作を契機としてフリーズを解除(キャンセル)する。メイン制御基板60は、フリーズを解除すると、ベルリプレイの入賞に基づくメダルの自動ベットを行うように制御する。
よって、3枚のメダルをベットして遊技を行い、ベルリプレイが入賞したとき、その入賞時から20秒を経過する前に遊技者がベットスイッチ40を操作したときは、3枚のメダルが自動ベットされる。これにより、遊技者に対し、ベットスイッチ40の操作により3枚のメダルがベットされた印象を与えることができるので、ベルリプレイを、擬似的にベル(小役)に見せることができる。
また、フリーズの解除は、ベットスイッチ40の操作時に限らず、遊技者によるメダル投入口43からのメダルの手入れ時に行うことも可能である。
ベルリプレイの入賞時に、遊技者は、ベルリプレイを小役であると認識していれば、3枚のメダルがクレジットに加算されると考える。したがって、その3枚のクレジットを用いて、ベットスイッチ40の操作により、次遊技を開始できると考える。
さらに、小役の入賞後、次遊技の開始前(スタートスイッチ41を操作する前)に、メダルを手入れベットして遊技を行うことは、当然に可能である。ここで、ベルリプレイの入賞後、次遊技の開始前に、遊技者がメダルを手入れしたときに、そのメダルを受け付けずに、払出し口14から返却してしまうと、ベルリプレイを小役のように見せることができない。そこで、ベルリプレイの入賞時に、メダル投入口43からのメダルの手入れを検出したときに、フリーズを解除するとともに、そのメダルを受け付け、貯留するように制御する。
この場合、通路センサ43aによりメダルが検知された時にフリーズを解除するとともに、ベルリプレイの入賞に基づくメダルの自動ベットを行う。さらに、手入れされたメダルについては、貯留処理を行う。なお、通路センサ43aに限らず、投入センサ44a又は44bがメダルを検知したときにフリーズを解除してもよい。あるいは、スタートスイッチ41が操作されたときにフリーズを解除してもよい。
さらにまた、リプレイのうち、特殊リプレイは、ATを開始させるときに入賞させる(「赤7」揃いさせる)役である。特殊リプレイの当選時に、所定の押し順(本実施形態では、右中左)でストップスイッチ42を操作し、かつ、各リール31の「赤7」図柄を有効ラインに停止するように目押しすると、有効ライン上に「赤7」揃いが停止するように設定されている。
また、特別役は、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、図17に示すように、特別役として、MB(ミドルボーナス。第2種ビッグボーナス(2BB)ともいう。)のみが設けられている。
なお、特別役としては、他に、1BB(第1種ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
MBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技に相当するMB遊技に移行する。
なお、上記の1BBやRBの入賞によってそれぞれ移行する1BB遊技及びRB遊技は、出玉率が1を超えるように設定されていることで、通常遊技以上にメダル獲得が期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。
これに対し、本実施形態のMBは、MB遊技でメダルを増加させることを直接の目的としたものではなく、MBに当選した後、入賞前の遊技状態(内部中)を作り出すことを主目的とする。
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役は、特別役であるMBである。MBに当選したときは、MBが入賞するまでの遊技において、MBの当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
一方、MBの当選は持ち越されるのに対し、MB以外の小役及びリプレイは、持ち越されない。役の抽選において、小役又はリプレイに当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが入賞可能にリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
なお、特別役(MB)に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役が入賞していない遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
説明を図4に戻す。
役抽選手段62bは、たとえば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数や、MPUに備えられている乱数生成回路等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、所定の領域(たとえば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、たとえば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数(ハードウェア乱数)や予め定められたランダムな数値順序(数列)に対してMPUに入力されるクロックの周期毎に更新する乱数(内蔵乱数)であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、役抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。たとえば、抽出した乱数値がMBの当選領域に属する場合は、MBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
なお、抽出した乱数を演算により加工して役抽選テーブルと照合してもよい。
役抽選テーブルは、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。役抽選テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
図18は、各遊技状態で抽選される当選役の種類を示す図である。
ここで、本実施形態の「遊技状態」としては、通常遊技と特別遊技とを有する。通常遊技は、MBの非内部中遊技と内部中遊技とを有する。内部中遊技におけるリプレイの当選確率(合算値)は、約47%である。また、非内部中遊技におけるリプレイの当選確率(合算値)は内部中遊技よりも低く設定されている。このように内部中遊技におけるリプレイの当選確率が高い状態を内部中RTと称し、非内部中遊技におけるリプレイの当選確率が低い状態を非RTと称することもある。
また、非内部中遊技は、常に非ATであり、ATである場合はない。さらにまた、内部中遊技は、非ATであるときと、ATであるときとを有する。また、MB遊技は、上述のように特別遊技である。
そして、各遊技状態ごとに役抽選テーブルが設けられているとともに、図12に示すように、抽選される役の種類や当選確率が設定されている。
まず、非内部中遊技では、MBが抽選される。そして、MBに当選したときは、次遊技から内部中遊技に移行する。内部中遊技に移行すると、MBは抽選されない。
特別遊技以外の遊技状態では、リプレイの当選として、4種類を有する。
また、小役の当選の種類としては、第1に、複合ベルA1〜複合ベルD3の12種類を有し、いずれも複数種類のベルが重複当選するものである。そして、これらの各当選確率は1/24であり、合算の当選確率は1/2に設定されている。
内部中遊技は、複合ベル合算の当選確率が1/2、リプレイ合算の当選確率が約47%であり、他の小役の当選確率を含めると、非当選確率は、ほぼ「0」(極めて低確率)に設定される。
また、MB遊技では、すべての役の抽選が行われない。なお、リプレイについては抽選を行うことも可能である。後述するように、MB遊技では、すべての小役の当選フラグがオンとなり、いずれかの小役が入賞可能な遊技状態となる。
図19は、重複当選の種類、内容、及び押し順との関係を示す図である。
まず、リプレイ重複当選は、ノーマルリプレイと特殊リプレイとの重複当選である。そして、このリプレイ重複当選時には、右中左の押し順(逆押し)でストップスイッチ42が操作されると、特殊リプレイが入賞可能となる(本実施形態では常に入賞する)。一方、第一停止左又は中の押し順では、常にノーマルリプレイが入賞し、特殊リプレイは入賞しない。さらに、右左中の押し順では、右リール31の停止時に「赤7」が停止したときには特殊リプレイが入賞し、「赤7」が停止しなかったときはノーマルリプレイが入賞するように設定されている。
また、複合ベルA1〜D3は、いずれも、5種類のベル(ベル01〜ベル33のいずれか)の重複当選であり、いずれの複合ベルも、ベル01の当選を含む。
さらにまた、たとえば複合ベルA1では、ベル02及びベル03の当選を含むが、ベル02及びベル03の中リール31に係る図柄は、図16に示すようにそれぞれ「スイカA」と「黒BAR」である。
同様に、複合ベルA2では、ベル04及びベル05の当選を含むが、ベル04及びベル05の中リール31に係る図柄は、図16に示すようにそれぞれ「赤7」と「チェリー」である。
さらに同様に、複合ベルA3では、ベル06及びベル07の当選を含むが、ベル06及びベル07の中リール31に係る図柄は、図16に示すようにそれぞれ「青7」と「白BAR」である。
他の複合ベルについても上記と同様に、たとえば複合ベルB1においては、ベル08とベル09の中リール31の各図柄は、「スイカA」と「黒BAR」である。
また、図19に示すように、各複合ベルには、正解押し順が割り当てられている。
具体的には、複合ベルA1〜A3の正解押し順は、中左右であり、複合ベルB1〜B3の正解押し順は、中右左である。さらにまた、複合ベルC1〜C3の正解押し順は、右左中であり、複合ベルD1〜D3の正解押し順は、右中左である。
たとえば複合ベルA1では、中左右の押し順が正解押し順であり、他の5通りの押し順は不正解押し順となる。そして、正解押し順のときは、ベル01を常に入賞させる。これに対し、不正解押し順の場合において、順押し(左第一停止時。順挟みを含む。以下同じ。)のときは、ベル02又はベル03を入賞可能とし、変則押し(ここでは、中第一停止かつ右第二停止、又は右第一停止を指す。)のときは、ベル26又はベル27を入賞させる。
メインCPU62は、役抽選手段62bによる役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグのオン/オフを制御する。本実施形態では、すべての役について、各役ごとに当選フラグ(RWM61の記憶領域の一部)を備える。そして、役抽選手段62bによる役の抽選においていずれかの当選となったときは、当該当選に対応する役の当選フラグをオンにする(当選フラグを立てる)。
たとえば、非内部中遊技において、複合ベルA1に当選したときは、ベル01、02、03、26、27(合計5個)に係る当選フラグがオンとなり、それ以外の役の当選フラグはオフとなる。
さらに、上述したように、特別役以外の小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で小役又はリプレイに当選し、これらの役の当選フラグがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグがオフにされる。
これに対し、MBの当選は持ち越されるので、当該遊技でMBに当選し、当選したMBに係る当選フラグが一旦オンになったときは、そのMBが入賞するまでオンの状態が維持され、そのMBが入賞した時点でオフにされる。
たとえば役抽選手段62bでMBに当選し、当該遊技でMBが入賞しなかった場合において、次遊技(内部中遊技)で複合ベルA1に当選したときは、前遊技で当選したMB、及び当該遊技で当選したベル01、02、03、26、27(合計6個)の当選フラグがオンにされる。そして、この遊技でMBが入賞しなかったときは、MBの当選フラグのオンの状態は維持される。これに対し、当該遊技での遊技結果(入賞/非入賞)にかかわらず、当該遊技の終了時に複合ベルA1に係る5個の当選フラグはオフにされる。
リール制御手段62cは、リール31の回転開始命令を受けたとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段62cは、役抽選手段62bにより役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグのオン/オフを参照して当選フラグのオン/オフに対応する停止位置決定テーブルを選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
たとえば、リール制御手段62cは、少なくとも1つの当選フラグがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでの時間又はリール31の回転量(移動コマ(図柄)数)の範囲内を意味する。
本実施形態では、リール31は、定速時は1分間で約80回転する速度で回転される。
そして、MB遊技以外の遊技では、ストップスイッチ42が操作されたときは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が190ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数が4コマに設定されている。
また、MB遊技中の左リール31については、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が75ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数が1コマに設定されている。なお、MB遊技中の中及び右リール31については、上記と同様に190ms以内(最大移動コマ数が4コマ)に設定されている。
そして、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間に、リール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが所定の有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が所定の有効ラインに停止するように制御される。
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が所定の有効ラインに停止しないときには、リール31を停止させるまでの間に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄をできる限り所定の有効ラインに停止させるように制御する(引込み停止制御)。
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように制御する(蹴飛ばし停止制御)。
さらに、複数の役に当選している遊技では、入賞させる役の優先順位が予め定められており、所定の優先順位によって、最も優先する図柄の引込み停止制御を行う。
さらに、リール制御手段62cは、ストップスイッチ42の押し順(操作順番)を検出する。
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号がリール制御手段62cに入力される。この信号を判別することで、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。
さらに、本実施形態では、非AT中(後述するAT準備中を除く)は、最初に操作すべき(第一停止の)ストップスイッチ42は、左(順押し)と定めている(左第一停止指示)。ここで、中又は右第一停止(変則押し)でストップスイッチ42が操作されたときは、たとえば所定遊技回数の間、ペナルティ期間に設定するための条件としている。つまり、変則押しをしても必ずしもペナルティ期間に設定されるわけではない。たとえば、いずれかの複合ベルに当選し、かつ押し順正解となり、8枚の払出しとなったときにペナルティ期間に設定するようにする。しかし、変則押しを抑制するために、当選役等によらずにペナルティの押し順であることを、音、画像、ランプ等により警告報知している。
これにより、遊技者は、変則押し(第一停止が中又は右)の押し順報知が行われたとき以外は、常に左第一停止として遊技を消化する。
なお、AT中に押し順報知が行われた場合において、その報知内容が中又は右第一停止であるときはペナルティは設定されない。
また、変則押し時に設定するペナルティは、種々挙げられるが、本実施形態では、ペナルティ期間中は、AT抽選を遊技者にとって不利な確率で実行する(たとえば、後述する低確率よりもさらに不利な確率で実行する)こと、及び当選役の報知を行わないことに設定されている。
停止位置決定テーブルは、当選フラグのオン/オフの状態ごと、すなわち役抽選手段62bによる役の抽選結果ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブルには、たとえば01番の図柄(左リール31であれば「スイカA」)が中段(有効ライン)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を中段に停止させる、というように停止位置が事前に定められている。
停止位置決定テーブルは、以下のものを備える。
MBテーブルは、MBの当選フラグのみがオンであるとき、すなわち当該遊技でMBに当選したとき、又は当該遊技以前にMBに当選し、かつ当該遊技で非当選であるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、MB以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
本実施形態では、MBに係る図柄は、すべてのリール31において「ブランク」である(図17)。さらに、「ブランク」は、左及び右リール31では1個、中リール31には2個設けられている。したがって、遊技者は、「ブランク」が有効ラインに停止するタイミングでストップスイッチ42を操作しなければ、「ブランク」を有効ラインに停止させることはできない。
ここで、上記のように、適切なリール31の位置で(対象図柄を最大移動コマ数の範囲内において停止可能な操作タイミングで)ストップスイッチ42を操作しなければ、対象図柄を有効ラインに停止させる(有効ラインまで引き込む)ことができないことを、「PB(引込み率)≠1」と称する。
これに対し、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31がどの位置であっても(ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず)、対象図柄を常に有効ラインに停止させる(引き込む)ことができることを、「PB=1」と称する。
そして、「PB=1」は、その役について、全リール31がそのようになっている場合と、特定の(一部の)リール31についてのみそのようになっている場合とを有する。
上述したように、第1実施形態では、最大移動コマ数は「4」であるので、5図柄以内の間隔で対象図柄が配列されているときは、「PB=1」となり、5図柄を超える間隔で配列されているときは、「PB≠1」となる。
さらに、本実施形態では、非内部中遊技におけるMB当選時の遊技、又はMB内部中遊技における役の非当選時の遊技、すなわちMBが入賞可能な遊技では、右中左の押し順でストップスイッチ42が操作されたときに限り、MBの入賞を許可する。それ以外の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、MBは入賞しない(役の非入賞となる)。
また、非内部中遊技におけるMB当選時の遊技は、常に非ATであるので、押し順報知が行われることはない。したがって、遊技者は、ペナルティとならないように左第一停止でストップスイッチ42を操作するので、当該遊技でMBが入賞することはない。
さらにまた、内部中遊技においても、非AT中は、左第一停止でストップスイッチ42を操作するので、当該遊技でMBが入賞することはない。
さらに、内部中遊技において、AT中であって、MBが入賞可能となった遊技では、左第一停止となる(ダミーの)押し順を報知する。これにより、MBの入賞を回避し、役の非当選時には、当選しているMBを入賞させないようにする。
また、MBの入賞を回避する方法として、たとえば、遊技者に対して所定の目押しを行わせることにより、当選しているMBの入賞を回避させる方法が挙げられる。たとえば、MBが入賞可能となった遊技では、左リール31について、「「赤7」を狙え!」等を報知し、左リール31の2番の「ブランク」が有効ラインに停止させないようにする報知を行うことが挙げられる。このとき、狙った「赤7」図柄を有効ライン上に停止するように制御してもよいし、無効ライン上に停止するように制御してもよい。
あるいは、左及び中リール31の停止時には何ら報知を行わず、「ブランク」−「ブランク」−「回転中」となってMBのテンパイ形を形成したときに限り、右リール31について報知を行う(たとえば、「「赤7」を狙え!」等)ことも考えられる。
これに反し、MBを入賞させてしまったときは、ペナルティを課すようにしてもよい。たとえば、MB遊技の終了後は、所定遊技回数の間、ATの抽選を行わないことが挙げられる。
複合ベルA1テーブルは、複合ベルA1の当選となったとき(ベル01、02、03、26、27の各当選フラグがオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順及び操作タイミングに応じて、当選したベルを入賞させる又は入賞可能となるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
また、複合ベルA2〜D3の当選となったときの停止位置決定テーブルとして、それぞれ複合ベルA2テーブル〜複合ベルD3テーブルが設けられている。
ここで、複数の役が同時に当選(重複当選)している場合のリール31を停止制御する方法として、「枚数優先」と「個数優先」とが挙げられる。
「枚数優先」とは、重複当選している役のうち、払出し枚数の最も多い役に係る図柄を優先して有効ラインに停止させる(引き込む)ように、リール31の停止位置を定めている。
一方、「個数優先」とは、リール31の停止時に、その図柄を有効ラインに停止させたときに入賞可能となる役の数が最も多くなるように、リール31の停止位置を定めている。
本実施形態では、複合ベルA1の当選時は、8枚役のベル01、1枚役のベル02及び03、同じく1枚役のベル26及び27の重複当選となる。
複合ベルの当選時は、8枚役のベル01と、1枚役の4種類のベルとの重複当選になることは、他の複合ベルについても同様である。
そして、本実施形態では、いずれかの複合ベル当選時において、ストップスイッチ42の押し順が正解押し順であるときは枚数優先に基づく停止制御を行い、押し順が不正解押し順であるときは個数優先に基づく停止制御を行う。
以下、複合ベルA1当選時を例に挙げ、停止制御について説明する。
図19に示すように、複合ベルA1では、正解押し順は「中左右」である。したがって、中第一停止のときは、最初のストップスイッチ42の押し順は正解であるから、リール制御手段62cは、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する。
次に、左第二停止のときは、2番目のストップスイッチ42の押し順も正解であるから(6択押し順の場合には、第二停止で押し順正解が確定する)、リール制御手段62cは、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する。
最後の右第三停止時は、左及び中リール31と同様に、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する。これにより、有効ラインにはベル01の図柄の組合せが停止するので、ベル01の入賞となり、通常遊技であれば8枚の払出しとなる。
一方、複合ベルA1当選時に、押し順不正解の場合において、左第一停止時は、個数優先を行うことにより、ベル02又はベル03を入賞可能に制御する。
左第一停止において、左リール31の「ベル」は、ベル01に係る図柄である。これに対し、左リール31の「リプレイ」は、ベル02及び03に係る図柄である。したがって、左リール31の停止時に、「ベル」を有効ラインに停止させると、その時点で入賞可能となる役の数は1個(ベル01)であるが、「リプレイ」を有効ラインに停止させると、その時点で入賞可能となる役の数は2個(ベル02及び03)となる。したがって、個数優先では、「リプレイ」の図柄を有効ラインに停止させる。
なお、左リール31の「リプレイ」は、「PB=1」であるので、左ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず常に停止させることができる。
また、左リール31の停止時に「リプレイ」を停止させると、左リール31の図柄が「リプレイ」でない図柄となっているベル01、26、27は、その時点で非入賞が確定する。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル02に係る「スイカA」又はベル03に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。
ここで、図14に示すように、中リール31において、ベル02又はベル03に係る図柄である「スイカA」又は「黒BAR」は、17番及び18番に配置されている。
そして、たとえば17番の「黒BAR」を有効ラインに停止させるためには、13番〜17番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。
同様に、18番の「スイカA」を有効ラインに停止させるためには、14番〜18番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA1当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、13番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、17番の「黒BAR」のみが有効ラインに停止可能であり、18番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、18番の「スイカA」のみが有効ラインに停止可能である。一方、14番〜17番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「黒BAR」及び「スイカA」のいずれも有効ラインに停止可能である。
一方、17番の「黒BAR」又は18番の「スイカA」が有効ラインに停止可能なタイミング以外のタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、17番の「黒BAR」又は18番の「スイカA」を有効ラインに停止させることができないので、その時点で、ベル02又はベル03の非入賞が確定する。
また、ベル02又はベル03の右リール31に係る図柄は、「赤7」であり、12番に配置されている。そして、右リール31において、12番の「赤7」を有効ラインに停止させるためには、08番〜12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に右ストップスイッチ42を操作する必要がある。一方、12番の「赤7」を有効ラインに停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、その時点で、ベル02又はベル03の非入賞となる。
一方、中リール31の停止時には「スイカA」又は「黒BAR」が有効ラインに停止したが、右リール31の停止時には「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、右リール31の停止時には、有効ライン(中段)に「ベル」を停止させる。右リール31において、「ベル」は、5図柄以内の間隔で配置されているので、常に有効ラインに停止させることができる。
また、左リール31の停止時に有効ラインに「リプレイ」を停止させた後、中第二停止時に、「スイカA」又は「黒BAR」のいずれも有効ラインに停止させることができないときは、他の役の図柄の組合せが有効ラインに停止しないことを条件に、どの図柄を有効ラインに停止させてもよい。
たとえば、中リール31の停止時には「ベル」を有効ライン(中段)に停止させることが挙げられる。
一方、この場合には、中リール31の停止時点で、複合ベルA1に係る当選役の非入賞が確定する。したがって、右リール31の停止時には、他の役の図柄の組合せが有効ラインに停止しない限り、どのような図柄を有効ラインに停止させてもよいが、たとえば「リプレイ」を中段に停止させることが挙げられる。右リール31の「リプレイ」は、「PB=1」の図柄配置であるので、常に停止させることができる。これにより、複合ベルA1当選時において、中及び右リール31の双方を取りこぼしたときの役の非入賞時は、「リプレイ」−「ベル」−「リプレイ」となる。そして、この図柄の組合せを、複合ベル当選時の1枚ベル取りこぼし出目としてもよい。
なお、複合ベルA1当選時に、左中右の押し順であり、中リール31の停止時点で役の非入賞が確定したときは、右リール31の停止時に、たとえば複合ベルA1の当選役であるベル02又はベル03に係る「赤7」の図柄が有効ラインに停止可能であるときは、「赤7」を停止させてもよい。
また、複合ベルA1の当選時に、左右中の順(順挟み)でストップスイッチ42が操作されたときは、上述の左中右の押し順時と同様の停止制御を、中及び右リール31に対して行う。
一方、複合ベルA1当選時において、AT中は、正解押し順である「中左右」が報知され、かつ、非AT中は、左第一停止と定めている。したがって、一般には、非ATでは、「中右左」や、「右第一停止」の押し順は、想定されない。しかし、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等でそのような押し順となったときは、以下のように制御する。
まず、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」である場合において、中第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、中リール31の停止時には有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、右第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて右リール31を停止する。右リール31の停止時に、「ベル」を中段に停止させると、その時点で入賞可能性を有する役は、ベル01(1個)となるが、「リプレイ」を中段に停止させると、その時点で入賞可能性を有する役は、ベル26又はベル27(2個)となる。よって、ベル26又はベル27の入賞を優先し、「リプレイ」を中段に停止させる。
そして、最後の左リール31の停止時には、ベル26に係る「スイカA」、又はベル27に係る「ブランク」を有効ラインに停止させる。
ここで、図14に示すように、左リール31においては、5図柄以内の間隔で、「スイカA」又は「ブランク」のいずれかが配置されている。したがって、左リール31において、ベル26又はベル27に係るいずれかの図柄は、「PB=1」の配置である。
以上より、中右左の押し順では、常に、ベル26又はベル27を入賞させることができる。ただし、ベル26又はベル27は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
なお、非AT中において、複合ベルA1当選時に中右左の押し順でストップスイッチ42を操作したときは、ペナルティとなる。
次に、複合ベルA1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右第一停止」である場合においては、右第一停止時点で、押し順不正解となる。そして、押し順不正解であるので、個数優先によりリール31を停止制御する。ここで、右リール31の停止時に中段に「赤7」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル02又はベル03の2個となり、「リプレイ」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル26又はベル27の2個となる。このように、個数優先時に入賞可能性を有する役の数が同一となる場合には、いずれを優先してもよく、いずれを優先するかを予め定めておけばよい。仮に、ベル02又はベル03を優先するのであれば、左第一停止時と同様に、各リール31を停止制御する。
これに対し、ベル26又はベル27を優先するのであれば、右リール31の停止時には「リプレイ」(右リール31では「PB=1」)を有効ラインに停止させる。そして、左リール31の停止時には「スイカA」又は「ブランク」を有効ラインに停止させ、中リール31の停止時には「ベル」を有効ラインに停止させる。これにより、右第一停止時には、上述の中右左の押し順時と同様の停止制御となり、「PB=1」でベル26又はベル27が入賞する。
次に、複合ベルA2当選時について説明する。複合ベルA2では、正解押し順は「中左右」である。したがって、中第一停止のときは、最初のストップスイッチ42の押し順は正解であるから、リール制御手段64は、有効ラインに「ベル」を停止させる。
次に、左第二停止のときは、2番目のストップスイッチ42の押し順も正解であるから、リール制御手段64は、有効ラインに「ベル」を停止させる。
最後の右第三停止時は、左及び中リール31と同様に、有効ラインに「ベル」を停止させる。これにより、有効ラインにはベル01の図柄の組合せが停止する。よって、個々のリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様となる。
一方、複合ベルA2当選時に、押し順不正解の場合において、左第一停止時は、個数優先を行うことにより、ベル04又はベル05を入賞可能に制御する。
左第一停止において、左リール31の「ベル」は、ベル01に係る図柄である。これに対し、左リール31の「リプレイ」は、ベル04及びベル05に係る図柄である。したがって、左リール31の停止時に「ベル」を有効ラインに停止させると入賞可能となる役の数は1個(ベル01)となり、「リプレイ」を有効ラインに停止させると入賞可能となる役の数は2個(ベル04及びベル05)となる。したがって、個数優先では、「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
また、左リール31の停止時に「リプレイ」を停止させると、左リール31の図柄が「ベル」でない図柄となっているベル01、26、27は、その時点で非入賞が確定する。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル04に係る「赤7」又はベル05に係る「チェリー」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」又は「チェリー」を停止させる。
ここで、図14に示すように、中リール31において、ベル04又はベル05に係る図柄である「赤7」と「チェリー」は、それぞれ12番と11番に配置されている。
そして、「赤7」又は「チェリー」を有効ラインに停止させるためには、07番〜12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA2当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、07番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、11番の「チェリー」のみが有効ラインに停止可能であり、12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、12番の「赤7」のみが有効ラインに停止可能である。一方、08番〜11番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「チェリー」及び「赤7」のいずれも有効ラインに停止可能である。
最後の右リール31については、複合ベルA1当選時と同様に、「赤7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させることができない。
中リール31の停止時に「赤7」又は「チェリー」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、複合ベルA1当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
さらに、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」又は「右第一停止」であるときは、上述した複合ベルA1当選時と同様である。
複合ベルA3当選時において、押し順正解時の停止制御は、複合ベルA1と同様である。また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル06又はベル07を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル06に係る「青7」又はベル07に係る「白BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「青7」又は「白BAR」を停止させる。
ここで、図14に示すように、中リール31において、ベル06又はベル07に係る図柄である「青7」と「白BAR」は、それぞれ06番と03番に配置されている。
そして、「青7」又は「白BAR」を有効ラインに停止させるためには、19番〜20番、又は01番〜06番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA3当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、19番〜20番、及び01番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、03番の「白BAR」のみが停止可能であり、04番〜06番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、06番の「青7」のみが停止可能である。02番又は03番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、03番の「白BAR」及び06番の「青7」のいずれの図柄も有効ラインに停止可能である。
最後の右リール31については、複合ベルA1当選時と同様に、「赤7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させることができない。
中リール31の停止時に「青7」又は「白BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、複合ベルA1当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
さらに、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」又は「右第一停止」であるときは、上述した複合ベルA1当選時と同様である。
複合ベルB1当選時において、正解押し順は、中右左であり、複合ベルB1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル08又はベル09を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル08に係る「スイカA」又はベル09に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル08又はベル09に係る図柄は「青7」であるので、図14中、07番の「青7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「青7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「青7」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「青7」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルB1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「中左右」である場合において、中第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、左第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて左リール31を停止する。すなわち、ベル28又はベル29の入賞を優先するように制御する。これにより、ベル01よりもベル28又はベル29の入賞が優先されるので、左リール31の停止時には「スイカA」(左リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の右リール31については、「チェリー」又は「ブランク」を有効ラインに停止させる。図14に示すように、右リール31においては、5図柄以内の間隔で、「チェリー」又は「ブランク」のいずれかが配置されている。したがって、右リール31において、ベル28又はベル29に係るいずれかの図柄は、「PB=1」の配置である。
以上より、複合ベルB1当選時の中左右の押し順では、常に、ベル28又はベル29を入賞させることができる。ただし、ベル28又はベル29は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、ストップスイッチ42の押し順が「右第一停止」である場合においては、右第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、右第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するので、「青7」(ベル08又はベル09)、又は「チェリー」若しくは「ブランク」(ベル28又はベル29)を停止させる。
右第一停止時に「青7」を停止させたときは、中リール31の停止時には、「スイカA」又は「黒BAR」を停止可能であるときは、これらのいずれかの図柄を停止させる。
また、右第一停止時に「チェリー」又は「ブランク」を停止させたときは、中リール31の停止時には、「ベル」(PB=1)を停止させる。
複合ベルB2当選時の停止制御は、上述の複合ベルB1当選時に対し、ベル08又はベル09をベル10又はベル11と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルB3当選時の停止制御は、上述の複合ベルB1当選時に対し、ベル08又はベル09をベル12又はベル13と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
複合ベルC1当選時において、正解押し順は、右左中であり、複合ベルC1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル14又はベル15を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル14に係る「スイカA」又はベル15に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル14又はベル15に係る図柄は「黒BAR」であるので、図14中、17番の「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「黒BAR」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「黒BAR」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルC1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右中左」である場合において、右第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、中第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて中リール31を停止する。すなわち、ベル30又はベル31の入賞を優先するように制御する。これにより、中リール31の停止時には「リプレイ」(中リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の左リール31については、「スイカA」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
以上より、複合ベルC1当選時の右中左の押し順では、常に、ベル30又はベル31を入賞させることができる。ただし、ベル30又はベル31は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、ストップスイッチ42の押し順が「中第一停止」である場合においては、中第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、中第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するが、「スイカA」又は「黒BAR」のいずれかを停止させると、その停止時点で入賞可能性のあるベルは、1つに絞られるが、「リプレイ」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル30又はベル31の2個となる。よって、個数優先により、中第一停止時には「リプレイ」(「PB=1」)を停止させる。
そして、左リール31の停止時には「スイカA」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させ、右リール31の停止時には「ベル」(「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
複合ベルC2当選時の停止制御は、上述の複合ベルC1当選時に対し、ベル14又はベル15をベル16又はベル17と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルC3当選時の停止制御は、上述の複合ベルC1当選時に対し、ベル14又はベル15をベル18又はベル19と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
複合ベルD1当選時の正解押し順は、右中左であり、複合ベルD1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル20又はベル21を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル20に係る「スイカA」又はベル21に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル20又はベル21に係る図柄は「白BAR」であるので、図14中、02番の「白BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「白BAR」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「白BAR」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「白BAR」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルD1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右左中」である場合において、右第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、左第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて左リール31を停止する。すなわち、ベル32又はベル33の入賞を優先するように制御する。これにより、左リール31の停止時には「スイカA」(左リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の中リール31については、「スイカB」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
以上より、複合ベルD1当選時の右左中の押し順(不正解時)では、常に、ベル32又はベル33を入賞させることができる。ただし、ベル32又はベル33は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、複合ベルD1当選時において、ストップスイッチ42の押し順が「中第一停止」である場合においては、中第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、中第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するが、「スイカA」(ベル20)、「黒BAR」(ベル21)、「スイカB」(ベル32)、又は「ブランク」(ベル33)のいずれを停止させても、その停止時点で入賞可能性を有する役は、1個となる。
このような場合には、いずれを優先してもよく、いずれを優先するかを予め定めておけばよい。たとえば、中第一停止時に、16番の「スイカB」が有効ラインを通過する直前に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカB(16番)」、「黒BAR(17番)」、又は「スイカA(18番)」のいずれかを有効ラインに停止可能となる。
ここで、仮に、ベル20又はベル21を優先し、中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」のいずれかを停止させたときは、左リール31は「PB=1」、右リール31は「PB≠1」となる。
これに対し、ベル32又はベル33を優先するのであれば、中リール31の停止時には「スイカB」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。そして、左リール31の停止時には「スイカA」(「PB=1」)を有効ラインに停止させ、右リール31の停止時には「ベル」(「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
複合ベルD2当選時の停止制御は、上述の複合ベルD1当選時に対し、ベル20又はベル21をベル22又はベル23と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルD3当選時の停止制御は、上述の複合ベルD1当選時に対し、ベル20又はベル21をベル24又はベル25と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
中チェリーテーブルは、中チェリーの当選となったときに用いられ、左リール31の停止時に、「チェリー」を有効ライン(中段)に停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
なお、左リール31の「チェリー」の図柄は、「PB≠1」配置である。
また、中チェリーテーブルにおいては、中及び右リール31の停止時における図柄の制限は特にないが、たとえば「赤7」揃い、「青7」揃い、「黒BAR」揃い、「白BAR」揃い、「リプレイ」揃い、「ベル」揃い、「スイカ(A、B)」揃いが一直線状のラインに停止しないように制御する。
また、角チェリーテーブルは、角チェリーの当選となったときに用いられ、角チェリーに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
ここで、角チェリーである「黒BAR/赤7/青7」−「チェリー」−「黒BAR/赤7/青7」が有効ラインに停止すると、「下段」−「中段」−「上段」の無効ライン(右上がりライン)には、「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」、いわゆる3連チェリーが停止する。角チェリーの各リール31の図柄配置は、いずれも「PB≠1」である。
さらにまた、スイカテーブルは、スイカの当選となったときに用いられ、左リール31については「スイカA」を、中及び右リール31については「スイカB」を有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
なお、左リール31の「スイカA」の図柄は、「PB=1」配置であり、中及び右リール31の「スイカB」の図柄は、「PB≠1」配置である。
次に、リプレイに係る停止位置決定テーブルについて説明する。
まず、ノーマルリプレイイテーブルは、ノーマルリプレイの当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ノーマルリプレイを入賞させるとともに、ノーマルリプレイ以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
図14に示すように、すべてのリール31において、「リプレイ」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。したがって、ノーマルリプレイについては、ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず、ノーマルリプレイを常に入賞させることができる(PB=1)。
非内部中遊技及び内部中遊技のいずれも、ノーマルリプレイの当選時は、「PB=1」でノーマルリプレイが入賞する。
ベルリプレイ1テーブルは、ベルリプレイ1の当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ベルリプレイ1を入賞させるとともに、ベルリプレイ1以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。ベルリプレイ1の図柄の組合せは、図17に示すように、「リプレイ」−「スイカA/スイカB/白BAR」−「リプレイ」である。ここで、左及び右リール31の「リプレイ」は、上述したように「PB=1」の図柄配置である。
また、中リール31については、5図柄以内の間隔で、「スイカA」、「スイカB」、又は「白BAR」のいずれかが配置されている。これにより、これら3図柄の合算で「PB=1」となっている。したがって、ベルリプレイ1の当選時は、「PB=1」でベルリプレイ1が入賞する。
また、上述したように、ベルリプレイ1の入賞時には、「上段」−「上段」−「上段」の無効ラインに、「ベル」揃いとなる。
また、ベルリプレイ2テーブルは、ベルリプレイ2の当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ベルリプレイ2を入賞させるとともに、ベルリプレイ2以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。ベルリプレイ2の図柄の組合せは、図17に示すように、「リプレイ」−「ベル」−「スイカA/スイカB」である。ここで、左リール31の「リプレイ」及び中リール31の「ベル」は、上述したように「PB=1」の図柄配置である。
また、右リール31については、5図柄以内の間隔で、「スイカA」又は「スイカB」のいずれかが配置されている。これにより、これら2図柄の合算で「PB=1」となっている。したがって、ベルリプレイ2の当選時は、「PB=1」でベルリプレイ2が入賞する。
また、上述したように、ベルリプレイ2の入賞時には、「上段」−「中段」−「下段」の無効ラインに「ベル」揃いとなる。
リプレイ重複テーブルは、ノーマルリプレイ及び特殊リプレイの重複当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が右第一停止のときは特殊リプレイを入賞させ、左又は中第一停止となる押し順ではノーマルリプレイを入賞させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
特に本実施形態では、ATを開始するときに、リプレイ重複当選となるのを待ち、リプレイ重複当選となった遊技において、右中左の押し順でストップスイッチ42を操作すべきこと及び「赤7」図柄を狙うべきことを遊技者に報知する。
ここで、右第一停止時に12番の「赤7」を狙い、中第二停止時に12番の「赤7」を狙い、さらに左第三停止時に13番の「赤7」を狙うと、有効ライン上に「赤7」揃いとなる特殊リプレイが停止する。一方、右第一停止、中第二停止の押し順において、右及び中リール31の停止時に「赤7」を停止させることができないときは、それぞれ「リプレイ」を停止させる。さらに右第一停止の押し順において、左リール31の停止時に「赤7」を停止させることができないときは「ベル」を停止させる。
一方、左又は中第一停止となる押し順ではノーマルリプレイテーブルを用いて各リール31を停止させる。
なお、右第一停止の押し順をした場合において、遊技者の目押しミスにより、「赤7」揃いを取りこぼしても、特殊リプレイの図柄は、全リール31で「PB=1」の配置であるので、特殊リプレイ当選時には常に特殊リプレイが入賞する。
MBの当選を持ち越しているとき(内部中)にいずれかの小役又はリプレイに当選したときは、以下の停止位置決定テーブルを用いてリール31を停止制御する。
先ず、内部中遊技のリプレイ当選時は、リプレイの入賞を優先する停止位置決定テーブルが用いられる。そして、リプレイは、上述したように、常に入賞するので(PB=1)、内部中遊技におけるリプレイの当選時は、当選を持ち越しているMBが入賞する場合はない。
また、内部中遊技における複合ベル当選時は、ベルの入賞を優先し、ベルを入賞させることができないときは、当選を持ちしているMBを入賞させる停止位置決定テーブルが用いられる。
まず、内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順正解時には、常にベル01を入賞させる停止位置決定テーブルが用いられる。したがって、内部中遊技における複合ベル当選時かつ押し順正解時は、「PB=1」でベル01が常に入賞し、当選を持ち越しているMBが入賞する場合はない。
また、内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順不正解時(第一停止左時)には、1枚ベルを入賞させることを優先し、MBが入賞する場合はない。
上述したように、複合ベル当選時の押し順不正解時において、第一停止左時は、常に、中段に「リプレイ」が停止する。これに対し、MBの左リール31の図柄は、「ブランク」であるから、左第一停止時点でMBの非入賞が確定する。したがって、MBの内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順不正解時、かつベル取りこぼし時であっても、MBが入賞する場合はない。
なお、ベル29については、右リール31の図柄がMBと同一の「ブランク」である。そして、複合ベルB1〜B3の当選時には、ベル29の当選を含む。このため、複合ベルB1〜B3のいずれかの当選時に、右第一停止時(押し順不正解時)には、右リール31の「ブランク」が有効ラインに停止する場合がある。しかし、ベル29の左リール31の「スイカA」、中リール31の「ベル」は、いずれも「PB=1」の配置であるので、常にベル29が有効ラインに停止する。よって、MBが入賞する場合はない。
さらに、複合ベルD1〜D3の当選時において、中第一停止時(押し順不正解時)には、ベル33の「ブランク」を停止させる場合がある。しかし、ベル33の左リール31の「スイカA」及び右リール31の「ベル」は、いずれも「PB=1」配置であるので、ベル33が常に入賞する。したがって、この場合にもMBが入賞する場合はない。
MB遊技中テーブルは、MB遊技中において役の抽選が一切行われないか、又は役(たとえば、リプレイ)の抽選が行われる場合にあっては当該役に当選していないときに用いられ、全小役の当選フラグがオンとなり、リール31の停止制御の範囲内において、いずれかの小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
本実施形態では、左リール31については75ms以内(最大移動コマ数が1コマ)の停止制御、中及び右リール31については190ms(4コマ以内)の停止制御が行われる。
さらに、MB遊技中は、どのような小役を入賞させるように制御してもよいが、本実施形態では、ベル01を入賞させるように制御する。
非当選テーブルは、すべての当選フラグがオフであるときに用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
図4において、メインCPU62の入賞判定手段62dは、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否かを判断する。入賞判定手段62dは、たとえばリールセンサ39がインデックスを検知してからのモータ32のステップ数を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。ただし、入賞判定手段62dは、ストップスイッチ42が操作され、リール31の停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
払出し手段62eは、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したと判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出す。払出しは、上述したように、貯留枚数として加算するか、又は貯留枚数が「50」を超えるときは実際にメダルを払出し口14から払い出す。メダルを実際に払い出すときは、ホッパーモータ36を駆動制御して、所定枚数のメダルを払い出す。メダルの払出し時には、払い出されたメダルを払出しセンサ37a及び37bにより検知し、正しく払い出されたか否かをチェックする。
コマンド制御手段62fは、メイン制御基板60から第1サブ制御基板80に対し、各種のコマンド(情報)を送信する手段である。送信される情報としては、設定変更処理を開始した旨を示す情報、設定変更処理を終了した旨を示す情報、異常(エラー)が発生した旨の情報、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作されたかの情報、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(有効ラインに停止した図柄)の情報、入賞役の情報、メダルの払出しの情報、遊技状態(非内部中、内部中、MB遊技中)の情報、フリーズに関する情報等が挙げられる。
また、図4において、メイン制御基板60は、外部集中端子板100と電気的に接続されている。そして、メインCPU62は、ATを実行することに決定されたときに、外部集中端子板100に対して外端信号(ATの実行信号)を送信する。その外端信号は、たとえば外部集中端子板100から、スロットマシン10上に設けられたホールの遊技情報表示装置や、ホールコンピュータ等に送信される。
なお、外端信号は、上述したように出力ポート6(図13)から出力される。
本実施形態では、メインCPU62は、ATの開始時、すなわち特殊リプレイの入賞時に外端信号を送信する。なお、これに限らず、AT当選時から、そのAT終了時までの間において、どのタイミングで外端信号を送信してもよい。たとえば、他の例として、AT当選時(レア役に当選し、かつAT抽選で当選したとき)、前兆中、前兆終了時、AT準備中の開始時、ATの最初の遊技開始時等が挙げられる。
また、複合ベル当選時に、3連続で正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、AT中であると判断し、外端信号(AT開始時の信号)を送信することができる。さらに、複合ベル当選時に、3連続で不正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、ATが終了したと判断し、外端信号(AT終了時の信号)を送信することができる。
以上説明したように、遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、リール制御手段62cは、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓13内で上下方向に移動表示される。また、スタートスイッチ41が操作されると、役抽選手段62bは、役の抽選を行う。
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、リール制御手段62cは、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、当該遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
図4において、サブ制御基板は、本実施形態では、第1サブ制御基板80と第2サブ制御基板90とを備える。サブ制御基板は、遊技中及び遊技待機中における演出(情報)の選択や出力等を制御するものである。
第1サブ制御基板80及び第2サブ制御基板90は、メイン制御基板60の下位に属する制御基板である。そして、メイン制御基板60と第1サブ制御基板80とは電気的に接続されており、メイン制御基板60のメインCPU62内にあるシリアル通信回路により、第1サブ制御基板80に一方向で演出等に必要な情報(信号、データ、制御コマンド等)を送信する。
なお、メイン制御基板60と第1サブ制御基板80とは、電気的に接続されることに限らず、光通信手段を用いた接続であってもよい。さらに、電気的接続及び光通信接続のいずれも、シリアル通信に限らず、パラレル通信であってもよい。
さらに、第1サブ制御基板80と第2サブ制御基板90とは、第1サブ制御基板80内に設けられた第1サブCPU82と、第2サブ制御基板90内に設けられた第2サブCPU92とにそれぞれ設けられたシリアル通信回路により、双方向通信を行う。すなわち、第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90に対して必要な情報を送信するとともに、第2サブ制御基板90は、第1サブ制御基板80に対して必要な情報(チェックサム等)を送信する。
なお、第1サブ制御基板80と第2サブ制御基板90との間の接続についても、上記と同様に、電気的接続に限らず、光通信接続であってもよい。さらに、電気的接続及び光通信接続のいずれも、シリアル通信に限らず、パラレル通信であってもよい。
第1サブ制御基板80に接続される演出用の周辺機器(プッシュボタン83及び十字キー84)とは、入力ポート又は出力ポート(図4では図示を省略する)を介して電気的に接続されている。プッシュボタン83及び十字キー84の使用方法については後述するが、遊技者が意図する情報を表示させたりするときや、ホール管理者(店長等)が各種の設定を変更するとき等に用いられる。
また、メイン制御基板60と同様に、第1サブ制御基板80は、RWM81及び第1サブCPU82を備える。
RWM(サブメインメモリ)81は、第1サブCPU82が演出を制御するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶可能な記憶媒体である。
また、ROM(サブメインROM)は、演出用データとして、AT(サブボーナスを含む)の抽選を行うとき等のプログラムや各種データ等を記憶しておく記憶媒体である。
上述したように、第1サブ制御基板80上には、第1サブCPU82、RWM、及びROMを含むMPUが搭載される。さらに、MPU内蔵のRWMとは別個に、MPUの外部(第1サブ制御基板80上)にRWMが搭載される。そして、RWM81というときは、MPU内蔵のRWM、外部RWM、ROMを含む意味で使用する。
第1サブ制御基板80は、当選役及び遊技状態等に応じて、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を抽選によって決定する。
そして、第1サブ制御基板80のコマンド制御手段82bは、決定した演出内容に係るコマンドを第2サブ制御基板90に送信する。
第1サブCPU82は、AT制御手段82aを備える。このAT制御手段82aは、所定のプログラムに従って、遊技回数や当選役等に基づいて、AT(サブボーナス)等に関する抽選を実行する。
本実施形態では、第1サブ制御基板80により制御されるサブ内部状態として、非AT、AT準備中、ATを備える。
ここで、「AT」とは、ストップスイッチ42の操作態様に応じて、当該遊技の遊技結果又はその後の遊技において有利/不利が生じる役(単独及び重複の双方を含む)に当選したときに、遊技者にとって最も有利となるストップスイッチ42の操作態様を遊技者に対して報知する遊技(報知遊技)をいう。特に本実施形態では、上述した複合ベル当選時に、正解押し順(8枚の払出しとなる押し順)を報知する遊技である。
非AT中は、複合ベル当選時に正解押し順を報知しない。さらに、非AT中は、左第一停止指示であり、変則押し(中又は右第一停止)はペナルティとなる。これにより、非AT中に左第一停止を遵守して遊技を行う限り、複合ベル当選時に正解押し順となる場合はない。そして、非AT中は、複合ベル当選時の中及び右リール31の停止時には、偶然に、当該遊技で当選しているベルに係る図柄の組合せを構成する図柄を有効ラインに停止可能な操作タイミングでストップスイッチ42を操作すれば、1枚ベルを入賞させることは可能である。
よって、AT中は、複合ベル当選時に8枚の払出しとなるベル01を入賞させることができるが、非AT中は、偶然で1枚の払出しとなるベル02〜ベル25を入賞させることができだけである。したがって、AT中は、非AT中よりも、メダル払出し枚数の期待値が高くなる。
なお、AT中等、ストップスイッチ42の正解押し順を報知した遊技では、その報知に従って変則押しを行ったとしても、ペナルティになることはない。
非ATは、ATに当選する確率が異なる低確率、通常確率、及び高確率を備える。さらに、これら低確率、通常確率、高確率中にATに当選すると、ATに当選しているがATの開始前の遊技期間である前兆に移行する。この前兆中において、ATに当選していることが遊技者に報知される。
また、前兆の終了後、AT開始時(特殊リプレイ入賞時)までの間の期間は、AT準備中となる。
さらにまた、ATは、ATの遊技回数が上乗せされる期待値が異なる通常確率と高確率とを備える。ここで、ATの遊技回数(総じて、「AT実行可能数」ともいう。)とは、AT期間のゲーム数、AT期間中に払い出される払出し枚数、複合ベル当選時に報知を行う報知回数(ナビ回数ともいう)、投入枚数と払出し枚数との差枚数等を指す。
これらの内部状態の移行は、当該遊技における当選役によって行われる。また、一つの内部状態から他の内部状態に移行するときは、前記一つの内部状態における遊技終了時(全リール31が停止して当該遊技の遊技結果を表示した時)に行われる。
本実施形態では、内部状態のうち、前兆に移行することに決定したときが、ATの当選に相当する。
内部状態において、非AT(ATに当選している前兆を除く。)では、低確率、通常確率、高確率間を移行する。たとえば、中チェリー当選時、角チェリー当選時、スイカ当選時に、それぞれ、その当選時における内部状態に応じて、所定の確率で、遊技者に有利となる内部状態(たとえば、低確率から通常確率への移行)に移行する。また、リプレイ当選時に、所定の確率で、遊技者に不利となる内部状態(たとえば、高確率から低確率への移行)に移行する。
AT制御手段82aは、AT抽選において前兆に移行することに決定したときは、前兆の遊技回数を、「1」〜「32」の範囲内において抽選で決定し、カウンターにその値をセットする。そして、カウンター値を毎遊技「1」ずつ減算し、「0」となったときは、前兆を終了してAT準備中に移行する。
なお、一旦前兆に移行したときは、前兆から、低確、通常確率、又は高確率に移行する場合はない。また、ATに当選したときや天井ゲーム数に到達したときは、その時点でAT確定である旨を報知し、前兆を経由せずに(前兆の遊技回数を「0」にして)AT準備中としてもよい。
また、前兆の終了時は、AT確定演出を表示し、リプレイ重複当選となるまで待機する。したがって、前兆の終了後、リプレイ重複当選となるまでの遊技がAT準備中となる。
AT準備中に複合ベルに当選したときは、正解押し順を報知する。そして、リプレイ重複当選となったときは、上述したように、逆押しし、かつ「赤7」を狙うべき旨の演出を出力する。当該遊技では、「赤7」揃いであるか否かにかかわらず常に特殊リプレイが入賞する。そして、特殊リプレイの入賞時には、ATを開始する旨の演出を出力し、その次遊技からATを開始する。
なお、本実施形態のようにAT準備中を設けなくてもよい。たとえば、前兆の残り遊技回数が「0」となったときは、次遊技からATを開始することも可能である。
また、AT準備中での差枚数が過多となるとき(たとえば、AT準備中で、リプレイ重複当選にならずに複合ベルの当選が続いたとき)には、複合ベル当選時に報知と非報知とを繰り返すことで、AT準備中の差枚数を調整するように制御してもよい。
なお、ATに当選していない非AT(報知なし時)において、リプレイ重複当選時に遊技者が逆押しをし、特殊リプレイを入賞させても、AT制御手段82aは、ATを開始しない。また、次遊技から、ペナルティ期間を設定することもできる。
ATを開始した後、ATの終了条件としては、種々挙げられる。たとえば、
(1)遊技回数が所定回数(たとえば初期遊技回数を「50」とし、この「50」に「N」が上乗せされた場合には、「50+N」)に到達したとき
(2)払出し枚数又は差枚数(払出し枚数から投入枚数を引いた枚数)が所定枚数(たとえば、300枚)に到達したとき
(3)複合ベル当選回数(正解押し順時)が所定回数(たとえば40回)に到達したとき
が挙げられる。
なお、ATの初期値は、たとえば遊技回数によってATの終了条件を定めるときは、「50」のように固定する場合と、「50」、「60」又は「70」の中から抽選で選択する方法がある。そして、ATの初期遊技回数を抽選で決定する場合の決定タイミングは、AT当選時、前兆終了時、AT開始時(特殊リプレイ入賞時)等、種々設定することが可能である。
また、AT中は、内部状態として、通常確率と高確率とを有する。たとえば第1に、ATの開始時は常に通常確率に設定する方法と、ATを開始するまでに、ATの初期内部状態を通常確率とするか高確率とするかを抽選で決定する方法とが挙げられる。
本実施形形態では、AT中にレア小役であるチェリー又はスイカに当選したときには、ATの上乗せ抽選を行う。そして、通常確率よりも高確率の方が、上乗せされる確率が高く、かつ遊技回数が多くなるように設定する。
たとえば、ATの終了条件を遊技回数とし、遊技回数の初期値を「50」に設定する。そして、チェリー又はスイカ当選時に、遊技回数を上乗せするか否か、及び上乗せ遊技回数を抽選で決定する。上乗せ遊技回数を決定したときは、その時点でのATの残り遊技回数に上乗せ遊技回数を加算する処理を行う。
また、特殊リプレイとノーマルリプレイの重複当選時に、第1サブ制御基板80の遊技状態に基づいて、特殊リプレイが入賞する押し順を報知する(いいかえると、「赤7」揃いが可能となる)か否かを決定し、特殊リプレイが入賞する押し順を報知した遊技において上乗せ遊技回数を加算することもできる。この場合、上乗せ遊技回数は、役抽選の結果よりも、第1サブ制御基板80の遊技状態に大きく依存することとなるスロットマシン10を提供することができる。
また、AT中における通常確率と高確率の移行は、役の抽選結果や、役抽選とは別個に行う抽選で行うことが挙げられる。
役抽選結果に基づいて内部状態を移行する場合、たとえば、通常確率中は、中チェリー当選時の70%、角チェリー当選時の20%、スイカ当選時の40%で高確率に移行することが挙げられる。
また、高確率中は、リプレイ当選時の10%で通常確率に移行することが挙げられる。
また、第1サブCPU82は、コマンド制御手段82bを備える。コマンド制御手段82bは、後述するように、第2サブ制御基板90に対し、画像表示や音声出力等に必要な制御コマンドや認証コマンド等を所定のタイミングで送信する。
第2サブ制御基板90は、第1サブ制御基板80のさらに下位に属する制御基板である。第1サブ制御基板80を、サブメイン基板と称し、第2サブ制御基板90をサブサブ制御基板と称する場合もある。
また、第2サブ制御基板90は、第1サブ制御基板80と同様に、RWM91及び第2サブCPU92を備える。
RWM(サブサブメモリ)91は、第2サブCPU92が各種の演出を出力するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶可能な記憶媒体である。
また、ROM(サブサブROM)は、演出ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23から出力する演出用データ(演出パターン等)を記憶しておく記憶媒体である。
上述と同様に、第2サブ制御基板90上には、第1サブCPU92、RWM、及びROMを含むMPUが搭載される。さらに、MPU内蔵のRWMとは別個に、MPUの外部(第2サブ制御基板90上)にRWMが搭載される。そして、RWM91というときは、MPU内蔵のRWM、外部RWM、ROMを含む意味で使用する。
第2サブCPU92は、所定のプログラムに従って、演出の実行を行う。
ここで、第2サブCPU92は、コマンド制御手段92a及び出力制御手段92bを備える。
コマンド制御手段92aは、第1サブ制御基板80から送信されたコマンドを受信し、受信したコマンドに基づいて所定の処理、例えばチェックサムを第1サブ制御基板80に送信すること等を実行する。
また、出力制御手段92bは、第1サブ制御基板80から送信されたコマンドに基づいて演出を選択し、演出用の周辺機器から各種の演出を出力するように制御する。
また、第2サブ制御基板90の出力ポート(図4では図示せず)には、演出ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出用の周辺機器が電気的に接続されている。
演出ランプ21は、たとえばLED等からなり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、演出ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ、リール31の上部からリール31上の図柄を照光する蛍光灯、スロットマシン10のフロントカバー11前面に配置され、役の入賞時等に点滅する枠ランプ21(図1参照)等が含まれる。
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像(フリーズ中の演出画像、AT中の押し順、役の抽選結果に対応する演出等)や、遊技情報(AT中の遊技回数や獲得枚数等)等を表示するものである。
スロットマシン10におけるスピーカ22及び画像表示装置23の配置は、図1等で説明した通りである。
続いて、メイン制御基板60(メインCPU62)による情報処理について、フローチャートに基づき説明する。
第1実施形態において説明するメイン制御基板60による情報処理は、以下の図20〜図54である。以下に、各図の処理概要を示す。
図20;プログラム開始(M_PRG_START )
図21;設定変更処理(M_RANK_SET)
図22;制御コマンドセット1(S_CMD_SET )
図23;制御コマンドセット2(SS_CMD_SET)
図24;電源復帰処理(M_POWER_ON)
図25;復帰不可能エラー処理(SS_ERROR_STOP )
図26;メインループ(M_MAIN)
図27;遊技開始セット(MS_GAME_SET )
図28;遊技状態セット(MS_ACTION_SET )
図29;遊技状態出力(MS_STATUS_SET )
図30;貯留枚数読み込み(S_CREDIT_READ )
図31;ブロッカオン(MS_BLOCKER_ON )
図32;メダル1枚の加算(MS_MEDAL_INC)
図33;メダルの読み込み(S_PLAYM_READ)
図34;メダル限界枚数のセット(MS_MMAX_SET )
図35;メダル投入待ち(MS_STANDBY_DSP)
図36;メダル管理(MS_MEDAL_CHK)
図37及び図38;メダルの手入れ時のチェック(MS_INSERT_CHK )
図39;ブロッカオフ(MS_BLOCKER_OFF)
図40;貯留枚数1枚加算(MS_CREDIT_ADD )
図41;貯留ベット処理(MS_BET_IN )
図42;貯留枚数から1枚を減算する処理(MS_CREDIT_DEC )
図43;精算処理(MS_MEDAL_RET)
図44;貯留メダルの精算処理(MS_CREDIT_RET )
図45及び図46;メダル1枚の払出し処理(MS_1MEDAL_PAY )
図47;エラー表示(MS_ERROR_DSP)
図48;割込み処理
図49;LED表示制御(IS_LED_OUT)
図50;電源断処理(IS_POWER_DOWN )
図51;入力エラーチェック処理(IS_ERROR_CHK)
図53;入力エラーセット処理(IS_ERROR_SET)
図54;制御コマンド送信
図20は、メイン制御基板60によるプログラムを開始するときの処理(M_PRG_START )を示すフローチャートである。
図20において、ステップS11でプログラムが開始されると、次のステップS12において、メイン制御基板60は、レジスタを初期化する。具体的処理としては、たとえば、メインCPU62に設けられているシリアル通信回路の通信速度の設定、割込みの種類の設定(たとえば、マスカブル割込みに設定すること等)、送信する制御コマンドに付与するパリティビットの設定(たとえば、偶数パリティに設定すること等)が挙げられる。
いいかえれば、スロットマシン10を正常に動作させるために必要な初期値を各種レジスタに設定する。
なお、本実施形態では、レジスタは複数(たとえばAレジスタ〜Lレジスタや及び送信用レジスタ等)設けられている。
次にステップS13に進み、メイン制御基板60は、電源断実行処理フラグが正常値であるか否かを判断する。本実施形態では、電源断時に、後述するステップS652(図50)において、電源断実行処理フラグを記憶する。この電源断実行処理フラグは、電源オン時に、前回の電源断が正常に行われたか否かを判断するためのフラグである。そして、電源断実行処理フラグが正常値であると判断したときは、ステップS14に進み、正常値でないと判断したときはステップS16に進む。
ステップS14では、RWM61のチェックサムの算出を実行する。具体的には、電源断処理によって実行したRWM61のチェックサムと同範囲(たとえば、プログラムで使用する作業領域、未使用領域、スタックエリア)のチェックサム算出を実行する。ここで、ステップS14では、RWM61に記憶された1バイトデータを加算する。
ステップS15では、チェックサムを算出するRWM61の範囲が完了したか否かを判定する。具体的には、現時点でのチェックサムを算出したRWM61のアドレスから次のアドレスを指定し、次のアドレスがチェックサムを算出するアドレスであるか否かを判断する。チェックサムの算出が終了していないと判断したときはステップS14に進む。一方、チェックサムを算出するRWM61の範囲が完了したと判断したときはステップS16に進む。
また、以降の処理においてもRWM61の複数範囲(アドレス)に記憶されたデータを初期化する場合には、本実施形態では指定されたRWM61の範囲で同様の処理を実行するものとする。
なお、ステップS13において電源断実行処理フラグが正常値でないと判断されたときは、RWM61のチェックサム算出を実行せずに、電源断復帰データとして異常値をセットする。
ステップS16では、メイン制御基板60は、電源断復帰データを所定のレジスタ(たとえば、Bレジスタ)に記憶する。ここで、電源断実行処理フラグが正常値であり、かつRWM61のチェックサム算出(全範囲)が正常終了したと判断したときは、電源断復帰データとして正常値を記憶する。一方、電源断実行処理フラグが異常値であったとき、及び/又はRWM61のチェックサム算出(全範囲)時に異常があったと判断したときは、電源断復帰データとして異常値を記憶する。
次のステップS17では、入力ポート1のデータを所定のレジスタ(たとえば、Aレジスタ)に記憶する。入力ポート1は、図11で示したデータである。次にステップS18に進み、入力ポート1のデータに基づいて、指定スイッチがオンであるか否かを判断する。ここで「指定スイッチ」とは、本実施形態では、入力ポート1のうち、ドアスイッチ16の信号(D1)、設定ドアスイッチ54の信号(D2)、設定キースイッチ52の信号(D3)の3つである。
そして、ドアスイッチ16の信号がオンであり(フロントカバー11が開けられており)、設定ドアスイッチ54の信号がオンであり(設定ドアが開けられており、)、かつ、設定キースイッチ52の信号がオンであるとき(設定キーが挿入されているとき)に限り設定変更を許可する。3個全ての指定スイッチがオンであるときは、ステップS22の設定変更処理に移行可能となるが、少なくとも1つの指定スイッチがオンでないときは、ステップS22の設定変更処理に移行することを許可しない。
つまり、ドアスイッチ16の信号がオフのときや(フロントカバー11が閉じられている)、設定ドアスイッチ54の信号がオフのとき(設定ドアが閉じられている)にもかかわらず、設定キースイッチ52の信号がオンになることはあり得ず、不正の可能性が高いことから、設定変更処理への移行を許可しない。
したがって、ステップS18で全指定スイッチがオンであると判断したときはステップS19に進み、オンでないと判断したときはステップS21に進む。
ステップS19では、メイン制御基板60は、電源断復帰データが異常であるか否かを判断する。この電源断復帰データは、ステップS16でレジスタに記憶したデータである。
そして、電源断復帰データが異常であると判断したときはステップS22の設定変更処理(M_RANK_SET)に進み、異常でないと判断したときはステップS20に進む。ステップS20では、設定変更不可フラグがオンであるか否かを判断する。ここで、設定変更不可フラグは、RWM61に記憶されるデータの1つであって、後述する役抽選処理(ステップS109)〜遊技終了チェック処理(ステップS117)までの間は不可にされるフラグである。そして、設定変更不可フラグがオンであるときはステップS21に進み、オンでないときはステップS22の設定変更処理(M_RANK_SET)に進む。
なお、本実施形態では、設定変更不可フラグを設けたが、常時設定変更が可能に構成されている場合には、設定変更不可フラグを設けなくてもよい。その場合、ステップS20に相当する処理は不要となる。
ステップS21では、メイン制御基板60は、電源断復帰データが正常値であるか否かを判断する。この処理は、ステップS19と同等の処理である。そして、電源断復帰データが正常値であると判断したときはステップS23に進んで電源復帰処理(M_POWER_ON)を行う。これに対し、電源断復帰データが正常値でないと判断したときはステップS24に進んで復帰不可能エラー処理(SS_ERROR_STOP )を行う。ステップS21において電源断復帰データが正常値でないと判断されたときのエラーは、本実施形態では「E1」エラーと称し、「E1」である旨を所定のデジットに表示する(後述)。復帰不可能エラーは、設定変更処理が実行されないと解除されないエラーである。
図21は、ステップS22における設定変更処理(M_RANK_SET)を示すフローチャートである。
先ず、ステップS31において、RWM61の初期化範囲として、「所定範囲」をレジスタに記憶する。ここでは、電源断処理が正常に実行されたと判断した場合に備えるためのセットであり、設定値データ、遊技状態(たとえば、RT状態)、当選フラグを初期化しないようにした初期化範囲を「所定範囲」とする。
次にステップS32に進み、メイン制御基板60は、電源断復帰データ(ステップS16で記憶した値)が正常値であるか否かを判断する。電源断復帰データが正常値であると判断されたときは、ステップS34に進み、ステップS31における「所定範囲」の記憶を維持する。一方、ステップS32において電源断復帰データが正常値でないと判断されたときはステップS33に進み、メイン制御基板60は、RWM61の初期化範囲として、「特定範囲」をレジスタに記憶する。ここで、電源断が正常でないと判断したときは、設定値データ、遊技状態、当選フラグについても初期化の対象とした初期化範囲として、「特定範囲」とする。
そして、ステップS34に進み、ステップS31でセットした所定範囲又はステップS33でセットした特定範囲の初期化を開始する。次のステップS35では、ステップS34で開始した初期化が終了したか否かを判断する。初期化が終了したと判断したときはステップS36に進む。
ステップS36では、割込み処理の起動設定を行う。ここでは、ステップS12で指定した割込み処理に対応する各種レジスタの設定を行う。本実施形態では割込み処理としてタイマ割込み処理を使用しているため、タイマ割込みの周期(本実施形態では、「2.235ms」)を設定する処理等が対応する。そして、このステップS36の処理後に割込み処理が実行される。いいかえれば、「割込み起動」前は、割込み処理が実行されないように構成されている。次のステップS37では、設定変更開始時の出力要求セットを行う。この処理は、設定変更処理を開始することを第1サブ制御基板80側に知らせるために、第1サブ制御基板80に送信する制御コマンドをレジスタにセット(記憶)する処理である。
なお、「出力要求セット」は、以下に説明する処理においてもしばしば実行されるものであるが、このステップS37と同様に、第1サブ制御基板80に送信するための制御コマンドをセットする処理を意味する。また、ここでの制御コマンドは、実際に送信するコマンドのみを意味しているものではなく、実際に送信するコマンドの元となるコマンドも意味している。
次にステップS38に進み、メインCPU62は、制御コマンドセット1を実行する。この処理は、制御コマンドバッファ(RWM61)に、第1サブ制御基板80に送信するための制御コマンドを記憶する処理である。なお、「制御コマンドセット1」は、以下に説明する処理においてもしばしば実行されるものであるが、このステップS38と同様に、第1サブ制御基板80に送信するための制御コマンドを記憶する処理を意味する。
本実施形態では、制御コマンドデータは、第1制御コマンドデータ及び第2制御コマンドデータからなり、出力要求に応じて、異なる第1制御コマンドデータ及び第2制御コマンドデータが送信される。
次にステップS39に進み、メイン制御基板60は、待ち時間をセットし、次のステップS40においてその待ち時間の間、ウェイト処理を実行する。本実施形態では、待ち時間として、割込み回数「224」がセットされる。そして、ステップS40において、割込み回数が「224」をカウントするまで(割込み回数ごとに1減算し、セットされた割込み回数が「0」となるまで)ウェイト処理が実行される。
これにより、1割込みあたり、上述したように「2.235ms」であるので、「2.235ms×224回=500.64ms(約0.5秒)」のウェイト処理が行われることとなる。
以降、「ウェイト処理」とは、所定の時間が経過するまで次の処理(ステップ)を実行しないように待機する処理を指す。ただし、後述する図48の割込み処理は実行される。
この処理は、メイン制御基板60側におけるRWM61の初期化処理(ステップS34)は比較的短時間で終了するのに対し、第1サブ制御基板80側のRWM81の初期化処理(後述する図55のステップS702)には時間がかかるため、メイン制御基板60側でウェイト処理を実行している。特に、メイン制御基板60側では、第1サブ制御基板80側で初期化処理が終了したか否かを知り得ないからである。
具体的には、メイン制御基板60のRWM61のクリア範囲(設定変更に伴いクリアされる範囲)は、たとえばアドレス「F000(H)〜F1FF(H)」(バイト数で512バイト)であり、第1サブ制御基板80のRWM81のクリア範囲は、たとえばアドレス「000000(H)〜800000(H)」(バイト数で約12〜13ギガバイト)である。
したがって、第1サブ制御基板80側で未だ初期化処理中のときに、メイン制御基板60側では初期化を既に終了し、さらに処理が進んで、メイン制御基板60の制御処理の進行と、第1サブ制御基板80の制御処理の進行とが同期しなくなることを防止することができる。
また、設定変更開始時の出力要求セット及び制御コマンドセット1の実行後、第1サブ制御基板80がRWM81の初期化を開始するが、RWM81の初期化が終了するために十分な時間をウェイト時間として設定する。これにより、第1サブ制御基板80側でRWM81の初期化処理を終了した後に、メイン制御基板60側でステップS41以降の処理に進むようにする。
なお、ステップS37及びステップS38においてセットした設定変更開始時の制御コマンドは、ステップS40のウェイト処理中であっても第1サブ制御基板80に送信される。ただし、ステップS40でウェイト処理が実行されている間は、ステップS41以降の処理には進まない(メインループが進行しない)。
このように構成することによって、第1サブ制御基板80に対し、設定変更開始時の制御コマンドを送信することができる。また、ステップS41以降の処理(設定変更の終了や、遊技の開始等)を、ウェイト時間だけ遅延させることができる。さらにまた、ステップS41以降の処理の遅延により、ステップS41以降の処理に付随する各種制御コマンド(設定変更終了時のコマンド、ベットスイッチ40の操作時のコマンド、スタートスイッチ41の操作に基づく役抽選結果に関するコマンド等)の送信タイミングを遅らせることができる。これにより、第1サブ制御基板80は、メイン制御基板60の処理と同期したタイミングで、各種コマンドに基づいて演出の制御及び出力が可能となる。
これに対し、ステップS40のウェイト処理を実行しなかった場合には、メイン制御基板60の処理が先に実行されてしまう。その結果、たとえばスタートスイッチ41の操作に基づき役抽選結果Aとなり、リール31の回転開始時に演出aを出力したいとき、リール31の回転開始のタイミングで演出aが出力されず、少し遅れて演出aが出力されてしまう。
ウェイト処理の終了後、ステップS41に進み、設定値が正常範囲であるか否かを判断する。本実施形態では、設定値は、「1」〜「6」のいずれか(整数)であるので、これら「1」〜「6」のいずれかであるかを判断する。設定値が正常範囲であると判断したときはステップS43に進み、設定値が正常範囲でない(設定値を記憶するRWM61の記憶領域に「7」や「255」などを示す値が記憶されている)と判断したときはステップS42に進む。ステップS42では、設定値として「1」を記憶する。
ステップS43では、設定変更中に特有のLED表示制御を行う。具体的には、第1に、LED表示要求フラグ(図9)の値を、「00011100」に更新する処理である。これにより、デジット3〜5の点灯が可能となる。また第2に、獲得枚数表示データを「FF」に更新する処理を実行する。ここでの「F」は、図10のオフセット値に相当する。したがって、デジット3及び4の表示データがいずれも「F」となるので、実際の表示は、「−−」となる。
これにより、当該処理以降に割込み処理が実行されたとき、LED表示要求フラグが「1」となっているデジットの点灯が可能となる。
なお、上記の各値は、ステップS34において初期化されているので、更新前は「0」である。
次にステップS44に進み、設定変更スイッチ53の操作を検出したか否かを判断する。ここでは、入力ポート1の立ち上がりデータを判断し、D4ビットが「1」となったか否かを判断する。設定変更スイッチ53の操作を検出したと判断したときはステップS45に進み、検出していないと判断したときはステップS46に進む。
ステップS45では、設定値を更新する。具体的には、設定値をRWM61の所定領域に記憶(更新)する。また、設定値が更新された後に割込み処理が実行されることにより、設定値表示LED63の表示値は更新された値を表示する。
次のステップS46では、スタートスイッチ41の操作を検出したか否かを判断する。本実施形態では、設定変更中にスタートスイッチ41が操作されたときは、その時点における設定値を確定させる。
スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS47に進み、操作されていないと判断したときはステップS44に戻る。
ステップS47では、設定キースイッチ52がオフにされたか否かを判断する。設定キースイッチ52がオフにされたと判断すると、ステップS48に進み、設定変更終了後のLED表示制御を行う。具体的には、第1に、LED表示要求フラグ(図9)の値を、「00001111」に更新する処理である。これにより、デジット1〜4の点灯が可能となる。また第2に、獲得枚数表示データを「00」に更新する処理を実行する。ここでの「0」は、図10のオフセット値に相当する。したがって、デジット3及び4の表示データがいずれも「0」となるので、実際の表示は、「00」となる。
これにより、当該処理以降に割込み処理が実行されたとき、LED表示要求フラグが「1」となっているデジットの点灯が可能となる。
次にステップS49に進み、ステップS37と同様に、設定変更終了時の出力要求セットを行う。この処理は、設定変更処理を終了すること、及び決定された設定値を第1サブ制御基板80側に知らせ制御コマンドをセットする処理である。次に、ステップS50に進み、ステップS38と同様に、メインCPU62は、制御コマンドセット1を実行する。
そして、ステップS100のメインループ(M_MAIN)(図26)に移行する。
続いて、図21中、ステップS38等における制御コマンドセット1(S_CMD_SET )について、より詳しく説明する。
RWM61内には、複数アドレスが設けられ、各アドレスごとに、制御コマンドバッファの記憶領域が設定されており、これらの記憶領域には、第1サブ制御基板80に送信するための制御コマンドデータ(本実施形態では、32コマンド(64バイト))が記憶される。なお、RWM61内に制御コマンドバッファの記憶領域のみが複数アドレス設けられているという意味ではない。
図22は、制御コマンドセット1(S_CMD_SET )の処理を示すフローチャートである。本実施形態において、制御コマンドセット1の処理時には、図22に示すステップS501以降の処理が実行される(他のフローチャートにおける「制御コマンドセット1」についても同様である)。
まず、ステップS502では、割込み禁止処理を実行する。次のステップS503では、制御コマンドセット2(SS_CMD_SET)(図23)を実行する。そしてステップS504に進み、ステップS502で禁止した割込み処理を解除(すなわち割込み許可)を実行する。以上の処理により、制御コマンドセット2の実行中は、割込み処理が禁止される。
そして、制御コマンドセット2では、以下に示すように、制御コマンドの書き込みを行うが、制御コマンドセット2の実行中は、上述したように割込み処理が禁止されている。したがって、制御コマンドの書き込み処理中に割込み処理が実行されることによる誤作動(正常の書き込み番地とは異なる番地に書き込んでしまうこと等)を防止することができる。
ここで、割込みの禁止/解除を記憶するための割込みフラグが設けられている。割込みフラグは、ステップS502で割込み処理を禁止した後、次の割込み処理を実行するタイミング(割込み処理を禁止した時から2.235ms以内)が到来したときにオンにされる。そして、メインCPU62は、禁止した割込み処理を解除するときは、その後、割込みフラグをクリアする。
メイン制御基板60は、割込み処理を実行するタイミングが到来したときは、割込みフラグのオン/オフを判断し、割込み処理の禁止/許可を判断する。
図23は、制御コマンドセット2(SS_CMD_SET)を示すフローチャートである。
まず、ステップS511では、制御コマンドバッファのアドレスをセットする。この処理は、制御コマンドバッファの先頭アドレスをセットする処理である。
次のステップS512では、書き込みポインタの取得を行う。書き込みポインタとは、制御コマンドのデータを、RWM61のどのアドレスに書き込むかを指定するためのものであり、現時点での書き込みポインタが記憶されているので、その書き込みポインタを読み込む処理を行う。
次のステップS513では、指定アドレスを取得する。この処理は、制御コマンドバッファの先頭アドレスと、書き込みポインタの現在位置を示すデータとから、書き込む(RWM61の)アドレスを求めるものである。
次にステップS514に進み、指定アドレスのデータを取得する。この処理は、前処理のステップS513で求めたアドレスのRWM61の記憶領域に保存されているデータを読み込む処理である。
次のステップS515における「制御コマンド<32?」では、指定アドレスのデータが「0」であるか否かを判断する処理を行う。指定アドレスのデータが「0」でないときは、指定アドレスに既にデータが存在することである。そして、指定アドレスのデータが「0」であるとき、すなわち指定アドレスにデータがないときはステップS516に進み、「0」でないときは本フローチャートによる処理を終了する。すなわち、指定アドレスにデータがあるときは、データの書き込み処理を実行しない。これにより、指定アドレスにデータがあるときは、上書きが防止される。
次のステップS516の「RWM指定?」では、制御コマンドバッファに書き込むデータが、RWM61に記憶されているデータを参照する必要があるデータであるか否かを判断する。たとえば、リプレイ入賞時の自動ベット時のメダル投入枚数は、前回遊技に依存するために、RWM指定となる(なお、RWM指定となるか否かについての詳細な説明は割愛するが、Dレジスタに記憶されている値のD7ビットが0か否かで判断する。
RWM指定であると判断されたときはステップS517に進み、RWM指定でないと判断されたときはステップS518に進む。
ステップS517では、第2制御コマンドを示すデータを所定のレジスタ(Eレジスタ)に記憶する。この処理は、第2制御コマンドとして書き込むデータをRWM61から読み込んで、レジスタに記憶する処理を行う。そしてステップS518に進む。
ステップS518では第1制御コマンドを示すデータをRWM61に記憶する。ここでは、ステップS513における「指定アドレス取得」で取得したアドレスに、第12制御コマンドを記憶する処理である。具体的には、制御コマンドセット2処理の前に記憶したDレジスタの値を記憶する処理である(RWM指定の場合は、Dレジスタの値に80(H)を加算した値を記憶している。)。
次にステップS519に進み、第2制御コマンドを示すデータをRWM61に記憶する。この処理は、第1制御コマンドを記憶した次のアドレスに第2制御コマンドを記憶する処理を行う。
そしてステップS520に進み、書き込みポインタの値を「+1」更新する処理を行う。なお、第1制御コマンド及び第2制御コマンドを示すデータを、2か所のRWM61の記憶領域に書き込むが、ステップS513における「指定アドレス取得」処理の演算において、書き込みポインタのデータを2倍にして演算を行うので、書き込みポインタの値としては「1」だけインクリメントする。
以上説明したように、図21中、ステップS37における設定変更開始時の出力要求セット及びステップS38における制御コマンドセット1(S_CMD_SET )を実行することにより、設定変更開始時の制御コマンドデータ(第1サブ制御基板80に送信するデータ)が所定番地の制御コマンドバッファに書き込まれる。そして、これらの制御コマンドデータは、後述する割込み処理により、第1サブ制御基板80に送信される。他の「出力要求セット」及び「制御コマンドセット1」のときも同様である。
図24は、図20中、ステップS23の電源復帰処理(M_POWER_ON)を示すフローチャートである。
先ず、ステップS51では、設定値を読み込み、設定値の範囲が正常範囲であるか(1「1」〜「6」であるか)否かを判断する。設定値が正常範囲であると判断したときはステップS52に進み、設定値が正常範囲でないと判断したときはステップS24に進み、復帰不可能エラー処理(SS_ERROR_STOP )に移行する。この場合のエラーは、本実施形態では「E6」エラーと称し、「E6」である旨を所定のデジットに表示する(後述)。
ステップS52に進むと、RWM61の未使用領域の初期化範囲をレジスタにセットする。そして次のステップS53において、ステップS52でセットした範囲のRWM61の初期化を実行する。ここで、未使用領域であってもノイズ等によりRWM61に値が記憶されてしまうことが考えられる。万が一、未使用領域に値が記憶されると、不正等のゴトにつながる可能性があるため、未使用領域は電源の投入時に(通常であれば1日に1回)初期化するようにしている。
次のステップS54では、RWM61の初期化を終了したか否かを判断し、終了したと判断したときはステップS55に進む。ステップS55では、入力ポート0〜2の値(図11)を読み込む。この処理は、電源断前の入力データから最新の入力データに更新するための処理である。
次のステップS56では、割込み処理を起動させる。ここでは、割込み処理に対応する各種レジスタの設定を行う。本実施形態では割込み処理としてタイマ割込み処理を使用しているため、タイマ割込みの周期(本実施形態では、「2.235ms」)を設定する処理等が対応する。そして、この処理後に割込み処理が実行される。また、次のステップS57では、電源断実行処理フラグを示すデータをRWM61からクリアする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
図25は、図20及び図24中、ステップS24の復帰不可能エラー処理(SS_ERROR_STOP )を示すフローチャートである。
なお、本実施形態において、復帰不可能エラーと判断されるのは、以下の場合である。ただし、本実施形態で示した復帰不可能エラーに限定されるものではない。
E1エラー:図20のステップS21において、電源断からの復帰が正常でないと判断されたとき
E5エラー:図26のステップS115において、表示エラーが発生したと判断されたとき
E6エラー:図24のステップS51において、設定値が正常範囲でないと判断されたとき
E7エラー:図48のステップS609において、乱数エラーが発生したと判断されたとき
先ず、ステップS61において、メイン制御基板60は、割込み処理を禁止する。この処理は、上述したステップS502と同様である。割込み要求信号(INT信号)が入力されても割込みが発生しないように制御するものである。いいかえれば、タイマ割り込みの周期(2.235ms)が到来してもタイマ割込み処理を実行しない。これにより、割込み処理によってRWM61に記憶された各種データの更新、入力/出力等は実行されないようにするとともに、誤った情報を第1サブ制御基板80に送信したり、ホールコンピュータに送信したりすることを防止している。
次にステップS62に進み、出力ポート0〜6を順次オフにする。具体的には、図12〜図13で示した出力ポート0〜6を示す各アドレスから、1つの出力ポートずつ、全「0」(「00000000」)を出力する。ステップS63では、次の出力ポートアドレスをセットする。すなわち、出力ポートを示すアドレスを「1」インクリメントする。たとえば、出力ポート0のアドレスが「0F1(H)」であるときは、次のアドレスとして、出力ポート1のアドレス「0F2(H)」をセットする。
次にステップS64に進み、全出力ポートが終了したか否か、すなわち出力ポート6まで終了したか否かを判断する。終了していないと判断したときはステップS62に戻り、終了したと判断したときはステップS65に進む。
つまり、全出力ポート0〜6をオフにすることにより、当該処理が実行される前に出力されていたアクティブ信号がオフされることとなる。これにより、LEDの焼き付きやモータ32の焼き付き、メダルの飲み込みを防ぐことができる。例えば、ブロッカ信号を出力している状況において電源断が起こった場合、当該処理を実行しないとブロッカ45がオンの状態(メダル流路を形成している状態)が続くことになる(メダルの検知処理は起こらないのでメダルが飲み込まれる)。
また、モータ32がφ1を出力している状況において電源断が起こった場合、当該処理を実行しないとリセット信号が入力されるまでφ1を出力し続けることとなる。本来であればリセット信号が入力されるまでの時間は短いが、瞬間的に電源電圧が低下したことにより電源断処理が実行され、その後通常の電源電圧が供給されてしまうと、リセット信号が入力されることなくリセット待ちを繰り返すことになる。このため、φ1が出力され続ける状況も起こり得る。
ステップS65では、エラー表示データとして、下位桁をセットする。具体的には、Hレジスタに「08(H)(00001000)」を記憶する。ここで、Hレジスタに記憶される値は、LED表示要求フラグ(図9)を示し、その値が「00001000」であることは、デジット4のみが「1」すなわちオンであることを示す。デジット4は、獲得数表示LED72の下位桁を示すデジットである(図5)。
次にステップS66に進み、エラー表示データとして、上位桁をセットする。具体的には、Dレジスタに「04(H)(00000100)」を記憶する。ここで、Dレジスタに記憶される値もまた、Hレジスタと同様に、LED表示要求フラグを示し、その値が「00000100」であることは、デジット3のみが「1」すなわちオンであることを示す。デジット3は、獲得数表示LED72の上位桁を示すデジットである。
さらにステップS66では、Eレジスタに、「79(H)(01111001)」を記憶する。ここで、Eレジスタに記憶される値は、セグメントデータ(図10)であり、「01111001」は、表示上、「E」を示すデータである。
次にステップS67に進み、LEDデジットをオフにする。この処理は、出力ポート0を示すアドレスに「00000000」を出力する処理である。したがって、ステップS67の時点では、全デジットの出力が「0」(消灯)となる。これにより、LEDのちらつきを防止することができる。
そして、次のステップS68の「エラー表示出力」処理は、出力ポート1を示すアドレスにLレジスタの値を出力する処理を行う。Lレジスタには、復帰不可能エラー処理に移行する前に、セグメントデータが記憶される。そして、Lレジスタに記憶されている値は、下位桁の表示データである。
たとえば、図20中、ステップS21において電源断復帰データが正常値でないと判断されたときは、Lレジスタに、「06(H)(00000110)」が記憶される。この値の表示は、「1」となる(図10参照)。
また、図24において、ステップS51で設定値の範囲が正常範囲でないと判断したときは、Lレジスタに「7D(H)(011111101)」が記憶される。この値の表示は、「6」となる(図10参照)。
さらにまた、後述する図26のステップS115において、蹴飛ばし図柄が有効ライン上に停止していると判断して復帰不可能エラー処理に移行した場合には、Lレジスタに「6D(H)(01101101)」が記憶される。この値の表示は、「5」となる(図10参照)。
以上のようにして、エラー表示内容は、「E1」、「E5」、「E6」、「E7」(後述する図48)等を表示する(これら以外にも復帰不可能エラーは存在するが説明を省略する。)
次にステップS69に進み、LEDデジットをオンにする。この処理は、出力ポート0を示すアドレスにHレジスタの値を出力する処理である。Hレジスタの値は、ステップS65でセットした「08(H)(00001000)」である。すなわち、デジット4をオンにするデータである。
次のステップS70では、表示ウェイトが終了したか否かを判断する。ここで、表示ウェイトは、Bレジスタの値を「−1」減算し、Bレジスタの値が「0」となったか否かを判断する処理である。
本実施形態では、ステップS68の処理開始時に、Bレジスタの値として「255」を設定する。そして、減算処理は、Bレジスタ値が「0」になるまで行う。本実施形態では、内部システムクロックが16MHzであり、おおよそ、
「1/内部システムクロック(16MHz)」×256×8(命令)+α(その他命令)≒0.128ms
の時間で、Bレジスタが「255」→「0」になるように設定されている。
そして、表示ウェイトが終了したと判断したときはステップS71に進む。
ステップS71では、上位桁と下位桁との切替えを実行する。具体的には、DEレジスタとHLレジスタを入れ替える。例えば、上記例の場合には、
Dレジスタ:04(H)(00000100)
Eレジスタ:79(H)(01111001)
Hレジスタ:08(H)(00001000)
Lレジスタ:6D(H)(01101101)
であるので、DEレジスタとHLレジスタを入れ替えると、
Dレジスタ:08(H)(00001000)
Eレジスタ:6D(H)(01101101)
Hレジスタ:04(H)(00000100)
Lレジスタ:79(H)(01111001)
となる。
そして、ステップS67に戻る。これにより、同一のプログラム処理により下位桁の表示から上位桁の表示に切り替えることができる。また、上位桁/下位桁の切替え周期は、約0.128msとなる。したがって、上位桁を0.128msの間点灯させたら、次に下位桁を0.128msの間点灯させる処理を繰り返す。
上記ステップS67〜ステップS71の処理により、たとえば「E1」エラーをデジット3及びデジット4で表示する場合、デジット3に「E」を約0.128msの間表示した後(この間は、デジット4は消灯)、次に、デジット4に「1」を約0.128msの間表示する(この間はデジット3は消灯)。
また、上位桁/下位桁の切替え周期は、タイマ割込み周期(2.235ms)よりも早くなり、エラー表示時の輝度が高くなる(詳細は後述する)。
いいかえれば、デジットを用いてエラー表示を行う場合に、復帰不可能エラーの方が通常エラーよりも輝度が高いので、サブ制御基板側の機器(演出ランプ21、スピーカ22、画像表示装置23)を用いたエラー報知を行わなくても(行えなくても)、ホール店員が気づきやすくなる。
以上の通り、タイマ割込み処理が実行されない(実行したくない)期間においてエラーが発生した場合であっても、レジスタを用いた演算処理、及びハード構成により適切にLEDを用いてエラーの表示を実行することができる。
図26は、第1実施形態におけるメインループ(M_MAIN)処理を示すフローチャートである。図21において、ステップS100に進んだときは、図26の処理に移行する。
そして、このメインループの処理中に、2.235msごとに割込み処理(図48)を行う。
図26において、ステップS101では、スタックポインタをセットする。ここで、スタックポインタとは、電断が生じた場合に、電断発生時のデータ(例えば、レジスタ値、割込み処理前のメインループの命令処理等)を保存するRWM61の領域を指し、スタックポインタのセットとは、そのRWM61の領域において、レジスタ値を初期値にセットする処理である。
次のステップS102では、遊技開始セット(MS_GAME_SET )を行う。ステップS102に進むと、後述する図27の処理に移行する。
次のステップS103ではベットメダルの読み込みを行う。この処理は、現時点においてベットされているメダル枚数が何枚であるかを読み込む処理である。以下の説明において、「メダル読み込み」とは、ベット枚数の読み込みを指し、貯留枚数の読み込みとは異なる。
次のステップS104では、ステップS103で読み込んだベット枚数に基づき、ベットメダルの有無を判断する。
ステップS104でベットメダルありと判断したときはステップS106に進み、ベットメダルなしと判断したときはステップS105に進んでメダル投入待ち処理(図35;MS_STANDBY_DSP)を行い、ステップS106に進む。
ステップS106では、投入されたメダルの管理処理(MS_MEDAL_CHK)を行う。ステップS106に進むと、後述する図36の処理に移行する。
次のステップS107では、ソフト乱数の更新処理を行う。この処理は、役抽選手段62bで使用する乱数を更新(「1」加算)する処理である。ソフト乱数は、0〜65535の範囲を有する16ビット乱数であり、更新時には、更新前の値に、割込みカウント値(割込み時にインクリメントされるカウント値)を加算する処理を実行する。
次のステップS108では、メイン制御基板60は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときは、ステップS109に進み、スタートスイッチ41が操作されていないと判断したときはステップS103に戻る。
ステップS109では、役抽選手段62bは、スタートスイッチ41が操作されたタイミングで、すなわちスタートスイッチ41の操作信号の受信時に、乱数値を抽出し、役の抽選を実行する。
次のステップS110では、リール制御手段62cは、リール31の回転を開始する。次にステップS111に進み、リール31の停止受付けをチェックする。ここでは、ストップスイッチ42の操作信号を受信したか否かを検知し、操作信号を受信したときは、役の抽選結果とリール31の位置とに基づいてリール31の停止位置を決定し、その決定した位置にリール31を停止させるように制御する。
次のステップS112では、リール制御手段62cは、全リール31が停止したか否かをチェックし、ステップS113に進む。ステップS113では、全リール31が停止したか否かを判断し、全リール31が停止したと判断したときはステップS114に進み、全リール31が停止していないと判断したときはステップS111に戻る。
ステップS114では、図柄の表示判定を行う。ここでは、入賞判定手段62dにより、有効ラインに、役に対応する図柄の組合せが停止したか否かを判断する。次にステップS115に進み、図柄の表示エラーが発生したか否かを判断する。図柄の表示エラーが発生したと判断したときはステップS24に進み、表示エラーが発生していないと判断したときはステップS116に進む。
ここで、リール31の停止は、停止位置決定テーブルに基づき実行されるので、通常は、停止位置決定テーブルで定められた位置以外の位置でリール31が停止する場合はない。しかし、図柄の表示判定の結果、有効ライン上に、本来表示されてはいけない図柄(蹴飛ばし図柄)が表示されたときは、異常であると判定し、ステップS24に進んで上述した復帰不可能エラー(SS_ERROR_STOP )を実行する。このときのエラー表示は、上述したように「E5」である。
次にステップS116に進み、役の入賞があったときは、払出し手段62eは、入賞役に対応するメダルの払出しを行う。
次にステップS117に進み、メイン制御基板60は、遊技終了チェックを行う。この処理は、当選役フラグ(RWM61)のクリア、ウェイトのセット、フリーズを行う場合にフリーズ状態の移行処理、外端信号を送信する場合の外端信号データの生成処理等を実行する処理である。なお、後述する作動状態フラグは、当該遊技の開始時(役抽選後)に、当選役に応じてオンとなり、このステップS117においてオフにされる。
また、ステップS117では、入力ポート2のD5ビットである満杯センサ38の信号を判断し、オンであるときは、満杯エラーを表示する。満杯エラーは、本実施形態では「FEエラー」と称し、獲得数表示LED72(デジット3及び4)に「FE」と表示するため、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)に「EA」の値を記憶し、第1サブ制御基板80に「FEエラー」を示すためのコマンド(エラー番号)を送信するため、所定のレジスタ(たとえばEレジスタ)に「9」の値を記憶する。このため、満杯センサ38信号のオンを検知したときは、エラー表示(MS_ERROR_DSP;図47)に移行する。
次のステップS118では、遊技終了時の出力要求をセットする。この処理は、1遊技が終了した旨を第1サブ制御基板80に送信するための制御コマンドデータをセットする処理である。
次にステップS119に進み、メインCPU62は、制御コマンドセット1を実行する。この処理は、制御コマンドバッファに、第1サブ制御基板80に送信する制御コマンドデータを記憶する処理である。
そして、ステップS119の処理を終了すると、再度、ステップS100に戻る。
図27は、図26のステップS102における遊技開始セット(MS_GAME_SET )を示すフローチャートである。
まず、ステップS121では、遊技待機表示時間をセットする。本実施形態では、遊技待機表示時間としては、「26846」割込み(≒60000ms、すなわち約60秒(1分))をセットする。このステップS121で遊技待機表示時間がセットされると、この時点から割込み回数がカウント(減算)される。
次のステップS122では、メイン制御基板60は、遊技状態のセット処理(MS_ACTION_SET )を行う(図28)。この処理は、遊技の開始前に前回遊技の結果に基づきリプレイ作動時やMB遊技、CB遊技であるときにはその状態をセットする処理である。次のステップS123では、メイン制御基板60は、遊技状態出力(MS_STATUS_SET )を行う(図29)。この処理は、第1サブ制御基板80に対し、遊技状態に係るコマンドを送信する処理である。
ステップS124では、メイン制御基板60は、作動状態フラグをチェックする。作動状態フラグのチェックは、作動状態フラグをオン/オフを判断することにより行う。より具体的には、本実施形態では、次のステップでリプレイの作動状態であるか否かを判断する。
次にステップS125に進み、ステップS124におけるチェックに基づいて、リプレイ作動時であるか否かを判断する。ステップS125でリプレイ作動時であると判断したときはステップS126に進み、リプレイ作動時でないと判断したときはステップS129に進む。
ステップS126では、メダルの自動投入処理を終了させるために、所定時間のウェイト処理を実行する。たとえば、約500msのウェイト時間を設定するために、割込み数のカウント値が「237」(237×2.235ms=約529.7ms)になるまで、ウェイト処理を実行することが挙げられる。このウェイト処理を設けるのは、遊技終了直後にリプレイ表示LED73aが点灯してしまう(ステップS132)ことや、遊技終了直後に自動ベットされてしまう(ステップS135及びステップS136)ことを防止するためである(見た目上、この好ましくないからである)。なお、自動ベット時のベット音は、ステップS133及びステップS134で記憶されるコマンドに基づいて出力される。
さらにまた、入賞したリプレイの種類に応じてウェイト時間を異ならせることが挙げられる。たとえば「7」揃いの特殊リプレイ入賞時(すなわち、AT開始時)には、1秒以上のウェイト時間を設定してもよい。
次にステップS127に進み、メダルの貯留枚数の読み込み処理(S_CREDIT_READ )(図30)を行う。次のステップS128では、貯留枚数が限界枚数に達しているか否かを判断する。具体的には、ステップS127により所定のレジスタ(たとえばAレジスタ)に記憶した値を用いて判断を行う。本実施形態では、上述したように、貯留(クレジット)メダルは50枚まで可能であり、現時点で貯留枚数が50枚であるときは、貯留限界枚数であると判断する。貯留限界枚数であると判断したときはステップS132に進み、貯留限界枚数でないと判断したときはステップS129に進む。
ステップS129では、ブロッカ45をオンにする処理(MS_BLOCKER_ON )(図31)を実行する。ここで、ブロッカ45がオンであるときは、メダル通路を形成するときである。すなわち、前回遊技においてリプレイが入賞し、かつ、貯留限界枚数に達していないときは、その後のメダルの手入れによる貯留を許可するためブロッカ45をオンにするが、前回遊技においてリプレイが入賞し、かつ、貯留限界枚数に達しているときはその後のメダルの手入れを不許可にするため、ブロッカ45のオフを維持する。
一方、ステップS125で「NO」と判断された場合には、ステップS128の判断を行うことなく(貯留枚数にかかわらず)ステップS129を実行する。これは、少なくともベット枚数が「0」となっているため、手入れ投入が可能であるためである。つまり、余計な判定を行うことなくブロッカ45をオンにすることができるため、遊技者は直ぐにメダルを投入できる状態にしている。
なお、ブロッカ45は、図26のステップS108(スタートスイッチ41オン?)で「Yes」と判断されたことを契機に一律にオフにするように(リール31が回転しているときにはメダルが投入できないように)制御している。
次のステップS130では、ステップS124と同様に、作動状態フラグをチェックし、次のステップS131では、リプレイ作動時であるか否かを判断する。リプレイ作動時であると判断したときはステップS132に進み、リプレイ作動時でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS132では、リプレイ表示のLEDの点灯処理を行う。
ここで、本実施形態では、メダル管理フラグが設けられている(RWM61に記憶される)。メダル管理フラグは、D0〜D7の8ビットからなる1バイトデータであり、以下の状態を示すデータである。
D0:スタートスイッチ41が操作可であるときに「1」
D1:未使用
D2:ブロッカ45がオン状態(メダルの手入れが可能な状態)のときに「1」
D3:リプレイ作動時(メダルが自動投入された状態)のときに「1」
D4:精算処理中であるときに「1」
D5:未使用
D6:設定変更不可フラグ(設定変更が不可状態であるときに「1」)
D7:メダル限界判定(メダル限界枚数であるときに「1」)
そして、ステップS132では、このメダル管理フラグのD3ビットをオン(「1」)にする処理を実行する。
なお、リプレイ表示LED73aを実際に点灯させる処理は、後述する割込み処理(図48)におけるステップS606のLED表示制御(図49;IS_LED_OUT)中の処理(具体的には、ステップS640)にて行う。
リプレイ表示LED73aを実際に点灯させるには、IC1のD3出力端子からデータ信号(デジット4をオンにする信号)を出力し、かつ、IC2のD7出力端子からデータ信号(セグメントPをオンにする信号)を出力する。
そして、次のステップS133では、第1サブ制御基板80に対し、自動ベットが行われたことを示すコマンドを送信するための出力要求セット処理を行い、次のステップS134で制御コマンドセット1処理を実行する。
次のステップS135では、メダルを1枚加算する処理(ここでは、自動ベット処理を意味する)、すなわち、リプレイの入賞に基づき、3枚又は2枚の自動ベットを行うために、1枚ずつメダルの自動ベット(加算)処理を行う(MS_MEDAL_INC)(図32)。次のステップS136では、メダル限界枚数になったか否か(たとえば通常遊技時では、3枚)を判断し、メダル限界枚数となったと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。一方、メダル限界枚数になっていないと判断したときはステップS135に戻り、メダル1枚の加算(自動ベット処理)を継続する。
なお、上記処理では、自動ベット時の出力要求セット処理(及び自動ベット時のコマンドの送信後)後に自動ベット処理(ステップS135〜S136)を行うが、これに限らず、自動ベット処理の終了後に、自動ベット時の出力要求セット処理(及び自動ベット時のコマンドの送信)を行ってもよい。
図28は、図27のステップS122における遊技状態のセット処理(MS_ACTION_SET )を示すフローチャートである。
まず、ステップS141では、図柄組合せ表示フラグのデータを取得する。この処理では、前遊技でのリール31の停止後における有効ライン上の図柄組合せ、すなわち入賞役に関するデータをRWM61からレジスタに記憶する処理である。次のステップS142では、作動状態フラグを生成する。たとえばリプレイの入賞時には、ステップS141で記憶したデータに基づいてリプレイに係る作動状態フラグを生成する。次のステップS143では、作動状態フラグの更新を行う。すなわち、それまでの作動状態フラグに代えて、ステップS142で生成した作動状態フラグに置き換える。
次にステップS144に進み、ステップS143で更新した作動状態フラグを保存(記憶)する。
次のステップS145では、ステップS141で取得した図柄フラグデータに基づいて、リプレイの図柄の組合せが表示されたか(リプレイが入賞したか)否かを判断する。リプレイの図柄の組合せが表示されたと判断したときはステップS146に進み、表示されていなと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS146では、メイン制御基板60は、ベットメダルの読み込みを行う。この処理は、前遊技でベットされていたメダル枚数を読み込む処理である(図33)。次にステップS147に進み、自動ベット数データをセットする。この処理は、自動ベット数を記憶した番地のデータをセットする処理である。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
図29は、図27のステップS123における遊技状態出力(MS_STATUS_OUT )を示すフローチャートである。
まず、ステップS148では、作動状態の出力要求をセットする。次のステップS149では、制御コマンドセット1を実行する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。具体的には、リプレイが作動したことやMBが作動したことを示す情報を第1サブ制御基板80に送信している。なお、図示していないが、今回遊技の設定値に関する情報や、今回遊技のRT状態に関する情報等も送信している。
図30は、図27のステップS127等における貯留枚数読み込み処理(S_CREDIT_READ )を示すフローチャートである。先ず、ステップS151において、メイン制御基板60は、貯留枚数のデータを読み込む。ここでの処理としては、たとえばRWM61に記憶された貯留枚数のデータを所定のレジスタ(たとえばAレジスタ)に記憶する処理である。次にステップS152において、ステップS151で読み込んだ貯留枚数のチェックを行う。具体的には、Aレジスタの値が「0」を示す値となっているときに、ゼロフラグ(フラグレジスタ)を「1」にする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
図31は、図27のステップS129等におけるブロッカオンの処理(MS_BLOCKER_ON )を示すフローチャートである。
先ず、ステップS161において、メイン制御基板60は、ブロッカ監視時間の経過をチェックする。ブロッカ監視時間は、予め所定値(46割り込み:約102ms)に設定されており、通路センサ43aがオンとなったとき(メダルを検知したとき)に計時を開始する。次にステップS162に進み、タイマによる所定時間が経過したか否かを判断する。経過したと判断したときはステップS163に進み、経過していないと判断したときはステップS161に戻る。
ステップS163では、メイン制御基板60は、この時点からの割込みを禁止する。上述したように、メインループ(M_MAIN)の実行中には、2.235msごとに1回のタイマ割込み処理が入るが、ステップS163における「割込み禁止」の処理の実行後は、当該割込み禁止が解除されるまで、割込みを許可しないように制御する。
次のステップS164では、メイン制御基板60は、ブロッカ信号をオンにする処理を行う。この処理は、出力ポート3のD6ビットの信号を「1」にするためのRWM61にデータを記憶する処理である。本実施形態では、出力ポート3に限らず各出力ポートに対して最大8つのデータを出力することが可能である。また、割込み処理により出力を実行している。つまり、このタイミングにおいて、出力ポート3のD6ビットをオンにするのではなく、一度RWM61に記憶した後、出力ポート3を出力する処理時にRWM61に記憶されたデータに基づいて出力している。
さらに次のステップS165では、投入監視カウンタの値をクリアする。ここで、投入監視カウンタとは、通路センサ43aがメダルを検知すると、「+1」とし、投入センサ44a及び44bがメダルを検知すると、「0」とするカウンタである。すなわち、正常時には、「+1」と「0」とを繰り返すカウンタである。ブロッカ45をオン、すなわちブロッカ45によりメダル通路を形成したときは、通路センサ43aをメダルが検知するようになるからである。
次のステップS166では、ブロッカ信号状態のフラグをオンにする。ここでは、上述したメダル管理フラグのD2ビットをオン(「1」)にする処理を行う。そしてステップS167に進み、ステップS163で設定した割込み禁止の解除、すなわち割込みを許可する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
上記において、ステップS164〜ステップS166の処理間に割込みを発生させないのは、以下の理由による。
本実施形態では、ステップS164において、ブロッカ信号をオンにし、ステップS166において、ブロッカ状態信号をオンにする処理を行う。この場合、ステップS164とステップS166との間に割込みが入ると、一方がオン、他方がオフの状態になってしまう。具体的には、途中で入った割込み処理により、ブロッカ45に対してはオンを出力するのにもかかわらず、投入可表示LED73bにはオンを出力しない(非点灯)という不整合が生じることとなる。つまり、そのような状態を避け、双方の値を一気に更新するために、割込み処理を禁止することにより、遊技者に混乱を与えないように制御することを可能としている。なお、本実施形態でステップS164、S165、S166の順で処理を実行しているが、これらの順序は本実施形態と同様の処理順序ではなくてもよい。たとえば、ステップSS166、S165、S164の順序でもよい。
また、図31の処理により、通路センサ43aがメダルを検知してから約100ms経過後にブロッカ45がオンとなり、メダル通路を形成する。このように設定したのは、投入されたメダル(通路センサ43aにより検知されたメダル)がブロッカ45に到達した瞬間にブロッカ45がオンとなり、メダルがブロッカ45に挟まることを防止するためである。よって、通路センサ43aがメダルを検知した後、所定時間(メダルが挟まる可能性のある時間)を経過するまで、ブロッカ45をオンにしないように制御している。
図32は、図27のステップS135等におけるメダル1枚の加算処理(MS_MEDAL_INC)を示すフローチャートである。
先ず、ステップS171では、メイン制御基板60は、ベットされたメダルの読み込みを行う(S_PLAYM_READ)(後述する図33)。
次のステップS172では、メダル枚数を「1」加算する処理(「+1」)を行う。
ここでの処理は、具体的には、RWM61には「メダル枚数データ」が記憶されており、このメダル枚数データに「1」を加算する処理を行う。そして、その演算結果をCレジスタに記憶する。たとえば、それまでのメダル枚数が「0」枚であったときは、「1」を加算することにより、
Cレジスタ値=00000001
となる。
次のステップS175では、メイン制御基板60は、獲得枚数表示クリアを行う。ここで、本実施形態では、RWM61に記憶されるデータとして、「獲得枚数表示データ」を有する。獲得枚数表示データは、「00(H)」〜「08(H)」からなり(本実施形態では、1遊技での最大払出し枚数が8枚であるため)、いずれかの値をRWM61に記憶しているが、このステップS175では、それまでの値にかかわらず、「00」に設定する処理を行う。
なお、獲得数表示LED72の表示を「00」にする処理は、後述する割込み処理でのLED表示制御(IS_LED_OUT;図49)にて行われる。
次にステップS176に進み、メイン制御基板60は、投入表示LED73e〜73gの点灯データを生成する。なお、投入表示LED73e〜73gを実際に点灯させる処理は、上記と同様に、後述する割込み処理でのLED表示制御(IS_LED_OUT;図49)にて行われるが、ここでは、投入表示LED73e〜73gの信号データを更新する処理を行う。具体的には、以下の通りである。
先ず、Aレジスタの値に「1」を加算する。加算前のAレジスタ値が「0」であるときは、
Aレジスタ値(加算前):00000000
Aレジスタ値(加算後):00000001
となる。
次に、Aレジスタ値を右に一桁シフトする。本シフト処理は、単に右シフトを行うだけでなく、D0ビット目の値をD7にする循環的なシフト命令であるため、ローテートシフトとも呼ばれる。この処理により、
Aレジスタ値(シフト前):00000001
Aレジスタ値(シフト後):10000000
となる。
次のステップS177では、メイン制御基板60は、投入枚数分の点灯データの生成を終了したか否かを判断する。具体的には、以下の通りである。
先ず、Cレジスタ値から「1」を減算する。Cレジスタ値は、上記のように、「1」であるので、
Cレジスタ値(演算前):00000001
Cレジスタ値(演算後):00000000
となる。
そして、Cレジスタ値が「0」でないときは、ステップS177で「No」となり、「0」であるときは「Yes」となる。
ステップS177において投入枚数分を終了していないと判断したときはステップS176に戻り、点灯データの生成を継続する。一方、投入枚数分を終了したと判断したときはステップS178に進み、メイン制御基板60は、投入表示LEDの点灯データをRWM61に記憶する制御を行う。
実際に投入表示LED信号データを用いて点灯制御を実行するのは、後述する割込み処理にて実行される。
ステップS178の処理は、具体的には、以下の通りである。
先ず、Aレジスタ値を、投入表示LED信号データに記憶する。したがって、
投入表示LED信号データ:10000000
となる。
なお、既に1枚のメダルが投入されていたときは、以下のようになる。
ステップS172では、
Cレジスタ値=00000010
となる。
また、ステップS176では、
Aレジスタ値(加算前):00000000
Aレジスタ値(加算後):00000001
となる。
さらに、
Aレジスタ値(シフト前):00000001
Aレジスタ値(シフト後):10000000
となる。
次のステップS177では、
Cレジスタ値(演算前):00000010
Cレジスタ値(演算後):00000001
となる。
したがって、Cレジスタ値≠「0」であるので、ステップS176に戻る。
そして、ステップS176では、
Aレジスタ値(加算前):10000000
Aレジスタ値(加算後):10000001
となる。
さらに、
Aレジスタ値(シフト前):10000001
Aレジスタ値(シフト後):11000000
となる。
次に、ステップS177に進み、
Cレジスタ値(演算前):00000001
Cレジスタ値(演算後):00000000
となる。
そして、Cレジスタ値=「0」であるので、ステップS177で「Yes」となり、ステップS178に進む。
これにより、ステップS178では、
投入表示LED信号データ:11000000
となる。
このようにして、レジスタ(Cレジスタ、Aレジスタ)とシフト処理を用いることで、少ないプログラム処理(簡素なプログラム)で対応したデータに投入表示LED信号データを記憶することができる。
ステップS178の後、ステップS179に進み、メイン制御基板60は、メダル限界枚数をセットする(MS_MMAX_SET )(後述する図34)。
ここで、メダル限界枚数とは、そのスロットマシン10でベット可能となっているメダル枚数の最大値(又はその遊技でベットしなければいけないメダル枚数)を意味する。具体的には、本実施形態ではベット可能な最大メダル枚数が遊技状態で異なっているので、その遊技状態でベット可能な最大メダル枚数を意味する。特に本実施形態では、通常遊技では、最大3枚のメダルがベット可能であり、MBゲーム中では、最大で2枚のメダルをベット可能である。よって、MBゲーム中を除くメダル限界枚数は3枚となり、MBゲーム中のメダル限界枚数は2枚となる。
次にステップS180に進み、メイン制御基板60は、ベットされたメダルの読み込み処理(S_PLAYM_READ)を行う(ステップS171と同一)。
そして、次のステップS181において、メイン制御基板60は、ベット枚数が限界枚数であるか否かを判断する。具体的には、メダル限界枚数(Aレジスタの値)からベット枚数(Cレジスタの値)を減算することにより、「0」であればベット枚数が限界枚数であると判断する。ベット枚数が限界枚数でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、限界枚数であると判断したときはステップS182に進む。ステップS182では、メダル限界フラグ(RWM61に記憶されている情報の1つ)をセットする。すなわち、現時点でベット限界枚数になっていることを示すフラグをオンにし、本フローチャートによる処理を終了する。
上述したステップS176〜ステップS178(2点鎖線で囲む部分)では、投入枚数分の点灯データのすべてを作成し、投入枚数分の点灯データのすべてを作成した後(ステップS177で「Yes」)に、投入表示LED73e〜73gの点灯制御が実行されるようにした。これにより、たとえば3(MAX)ベットスイッチ40の操作によりメダル3枚を投入したときは、割込み処理により、一瞬で、投入表示LED73e〜73gの3個全てがほぼ一斉に点灯する。
しかし、これに限らず、1枚投入表示LED73e、2枚投入表示LED73f、3枚投入表示LED73gを目視にてわかる程度に順次点灯させることも可能である。
その方法としては、
1)たとえばステップS175とS176との間にウェイト処理(たとえば、46割込み(約102ms))を設ける
2)たとえばステップS136で「No」と判断した後、ステップS135を実行する前にウェイト処理を実行する
こと等が挙げられる。
図33は、メダルの読み込み処理(S_PLAYM_READ)(図32のステップS171等)を示すフローチャートである。先ず、ステップS191において、メイン制御基板60は、メダル枚数データを読み込む。ここでの処理としては、たとえば読み取ったベットメダル枚数データを所定のレジスタ(Aレジスタ)に記憶する処理である。
次にステップS192において、メイン制御基板60は、ステップS191で読み込んだメダル枚数のチェックを行う。たとえば読み取った値が「0」であるか否かをチェックするためである。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
図34は、図32のステップS179等におけるメダル限界枚数のセット処理(MS_MMAX_SET )を示すフローチャートである。ステップS201では、自動ベット時の限界枚数をセットする。なお、自動ベットとは、リプレイ入賞時におけるメダルの自動ベットを指し、当該遊技でベットされた枚数が自動ベット時の限界枚数となる。次のステップS202では、上述した作動状態フラグをチェックする。
そして、次のステップS203では、メイン制御基板60は、リプレイ作動時であるか否かを判断する。リプレイ作動時であるときは、本フローチャートによる処理を終了し、オンでないときはステップS204に進む。ステップS204では、メダルの限界枚数として2枚をセットする。
次にステップS205に進み、メイン制御基板60は、当該遊技がメダル限界枚数2枚の遊技時であるか否かを判断する。上述したように、たとえば通常遊技であるときはメダル限界枚数が2枚でないと判断し、MBゲーム中であるときはメダル限界枚数が2枚であると判断する。
メダル限界枚数が2枚であるときは、既にステップS204で2枚をセットしているので本フローチャートによる処理を終了する。一方、メダル限界枚数が2枚でないと判断したときはステップS206に進み、メダル限界枚数3枚をセットする。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
図34でセットされるメダル限界枚数は、所定のレジスタ(たとえばCレジスタ)に記憶する。
図35は、図26のステップS105におけるメダル投入待ち(MS_STANDBY_DSP)を示すフローチャートである。
先ず、ステップS411では、メイン制御基板60は、設定キースイッチ52の信号がオンであるか否かを判断する。ここでは、入力ポート1の立ち上がり信号において、D3ビットが「1」であるか否かを判断する。設定キースイッチ52の立ち上がり信号がオンであるときはステップS412に進み、オンでないと判断したときはステップS421に進む。すなわち、メダル投入待ち状態において、設定キースイッチ52がオンにされると(設定キー挿入口から設定キーが挿入されると)、設定確認モードとなり、ステップS411〜ステップS420の処理が実行される。設定確認モードは、現設定値を確認(管理者が目視にて確認)するモードであり、設定値の変更はできない。
なお、本実施形態では、設定キースイッチ52の立ち上がり信号によってステップS411の判断を行っている。これにより、たとえば遊技中に設定キースイッチ52がオンにされた場合において、ステップS411による判断を行っても立ち上がり信号はオフ(設定キースイッチ52はオン)であるため、設定確認モードには移行しないようにし、不正に設定値を確認できないようにしている。もちろん、これらを考慮しない場合には、設定キースイッチ52のオン、オフによりステップS411や、後述するステップS416の判断を行ってもよい。
ステップS412では、ブロッカ45がオフにされる(MS_BLOCKER_OFF;後述する図39)。これにより、メダルがメダル投入口43から投入されても払出し口14から返却される。
次のステップS413では、メイン制御基板60は、設定値表示開始時の出力要求をセットする。そして、次のステップS414で、第1サブ制御基板80に対して送信する、設定値表示開始時の制御コマンドデータをセットする。
次にステップS415に進み、メイン制御基板60は、設定値表示LED63を点灯させる処理として、LED表示要求フラグ(図9)のD4ビット(デジット5)をオン(「1」)にする。なお、このときの処理は、LED表示要求フラグのD0〜D3ビットは、「1」のままである。これにより、設定値表示LED63(デジット5)を点灯可能とし、現在の設定値を表示することができる。なお、設定値表示LED63を実際に点灯/消灯する処理は、割込み処理におけるLED表示制御(IS_LED_OUT)にて行われる。
次にステップS416に進み、設定キースイッチ52の信号がオフになったか否かを判断し続ける。この処理は、ステップS411とは反対に、入力ポート1のD3ビットの立ち下がり信号が「1」になったか否かを判断する。設定キースイッチ52の信号がオフになったと判断されたときはステップS417に進み、メイン制御基板60は、設定値表示LED63を消灯させる処理として、上述したLED表示要求フラグのD4ビット(デジット5)をオフ(「0」)にする。なお、このときの処理は、LED表示要求フラグのD0〜D3ビットは、「1」のままである。このれにより、設定値表示LED63(デジット5)を消灯させることができる。
次に、ステップS418に進み、メイン制御基板60は、設定値表示終了時時の出力要求をセットする。そして、次のステップS419で、第1サブ制御基板80に対して送信する、設定値表示終了時の制御コマンドデータをセットする。
次のステップS420では、メイン制御基板60は、ブロッカをオンにする処理(MS_BLOCKER_ON ;図31の処理)を行う。次にステップS421に進み、メイン制御基板60は、遊技待機表示時間が、ステップS121(図27)でセットした「26846」割込み(約60秒)を経過したか否かを判断する。
遊技待機表示時間を経過したと判断したときは、ステップS422に進み、獲得数表示LED72の表示をクリアする処理を実行する。この処理は、上述した図32のステップS175の処理と同一である。そして、本フローチャートによる処理を終了する。一方、ステップS421において、遊技待機表示時間を経過していないと判断したときは、本フローチャートによる処理を終了する。
つまり、本実施形態では、所定時間、遊技が行われなかった場合には、獲得数表示LED72の表示をクリアするが、リプレイ表示LED73a、貯留数表示LED71、投入表示LED73e〜73gはクリアしないように構成している。これにより、ベットされていること、再遊技が可能なこと、又は精算可能な貯留枚数は、表示され続けているため、遊技者が一旦離席しようとしたときに、他の遊技者やホール関係者に対してその遊技者が遊技を終了したとは感じさせないことが可能となる。これにより、遊技者が不利益を被ることを少なくすることができる。
また、獲得枚数(たとえば8枚)の獲得があった旨を表示し続けることは、遊技者が遊技を終了(精算処理等を行って離席)したときに、獲得枚数が表示され続けることによって、他の遊技者やホール関係者に対してその遊技者が遊技を終了したとは感じさせないこと(まだ遊技者が遊技をしようとしているかも)と混同してしまうため、獲得枚数はクリアしている。
図27のステップS121及び図35のステップS421、ステップS422の処理により、遊技開始時には、約60秒のタイマーがセットされ、遊技開始時から60秒を経過すると、獲得数表示LED72の表示内容をクリアする(「00」にする)。
これにより、たとえば、リール31の回転中や、全リール31の停止時における役の非入賞時(役の当選を有無を問わない)には、獲得数表示LED72には「00」が表示された状態である。また、たとえば全リール31の停止時にベル01が入賞したとき(通常遊技中)は、獲得数表示LED72の表示が「00」から「08」となる。
また、図32のメダル1枚加算(MS_MEDAL_INC)においては、ステップS175で獲得枚数の表示がクリアされるので、メダル投入があったとき(ベットメダルの投入、メダルの手入れ投入、リプレイ入賞時のメダルの自動投入時)は、獲得枚数の表示がクリアされることとなる。
なお、上記の制御は一例であるので、たとえば、リール31の回転中、全リール31の停止時における役の非入賞時、メダル投入時には、獲得数表示LED72には何も表示しないようにしてもよい。
さらに本実施形態では、ステップS416における設定キースイッチ52オフ時の操作スイッチの操作に基づいて、サブ状態の消費電力を異ならせる制御を備える。
具体的には、「通常モード」と「省電力(エコノミー)モード」とを有し、これらのモードに応じて、遊技待機中や遊技中の演出ランプ21の点灯の種類や輝度の低下、通常時の音量(ボリューム)の低下等が異なるように制御する。
本実施形態では、設定キースイッチ52をオフにしたときに、左及び右ストップスイッチ42のオン/オフにより、通常モードを省電力モードとを設定する。
具体的には、以下の通りである。
1)左ストップスイッチ42オフ、右ストップスイッチ42オフ:モード移行なし
2)左ストップスイッチ42オン、右ストップスイッチ42オフ:通常モードに移行
3)左ストップスイッチ42オフ、右ストップスイッチ42オン:省電力モードに移行
4)左ストップスイッチ42オン、右ストップスイッチ42オン:モード移行なし
また、情報処理は、以下の通りである。
ステップS416において、設定キースイッチ52がオフであると判断されたときは、入力ポート0のレベルデータを取得する。そして、入力ポート0のレベルデータをAレジスタに記憶する。
次に、入力ポート0のレベルデータ(Aレジスタに記憶したデータ)と、「10100000」とをAND(論理積)演算し、演算結果をAレジスタに記憶する。
図11に示すように、入力ポート0のD5ビットが左ストップスイッチ42の信号であり、D7ビットが右ストップスイッチ42の信号である。よって、入力ポート0のレベルデータと、「10100000」とをAND演算すれば、左又は右ストップスイッチ42がオンであるか否かのデータを作成することができる。
次に、Aレジスタに記憶したデータを、第2制御コマンドデータとするために、演算結果を1桁右にシフトする。たとえば、Aレジスタ値が「10100000」であったとき(左及び右ストップスイッチ42オン時)は、「01010000」となる。また、Aレジスタ値が「10000000」であったとき(右ストップスイッチ42オン時)は、「01000000」となる。さらにまた、Aレジスタ値が「00000000」であったとき(左及び右ストップスイッチ42オフ時)は、「00000000」のままである。
このように制御するのは、本実施形態では、メイン制御基板60から第1サブ制御基板80に送信する制御コマンドは、第1制御コマンドと第2制御コマンドとからなり、第1サブ制御基板80は、受信したコマンドのうち、最上位ビットが「1」であるか「0」であるかによって、第1制御コマンドであるか第2制御コマンドであるかを判断する。本実施形態では、最上位ビットが「1」の制御コマンドは第1制御コマンドであり、最上位ビットが「0」の制御コマンドは第2制御コマンドである。したがって、最上位ビットを「0」にするために、ビット値を右側に一桁シフトを行う。
そして、ステップS418における設定値表示終了時の出力要求セットにおいて、Aレジスタ値をEレジスタに記憶する。本実施形態では、設定値表示終了時の制御コマンドのうち、第1制御コマンドはDレジスタに記憶され、その値は「10001111」(8F(H))である。また、第2制御コマンド(Eレジスタ値)は、左及び右ストップスイッチ42のオン/オフに応じて、
1)01000000(40(H))(右ストップスイッチ42オン時)
2)00010000(10(H))(左ストップスイッチ42オン時)
3)01010000(50(H))(左及び右ストップスイッチ42オン時)
4)00000000(0(H))(左及び右ストップスイッチ42オフ時)
のいずれかとなる。
そして、ステップS419における制御コマンドセット1において、Dレジスタ値を第1制御コマンドデータとしてセットし、Eレジスタ値を第2制御コマンドデータとしてセットする。
そして、これらのデータが第1サブ制御基板80に送信されると、その制御データがさらに第2サブ制御基板90に送信される。第2サブ制御基板90は、通常モードであるか省電力モードであるかに応じて、それぞれ所定のパターンで、遊技待機中の演出ランプ21の点灯を制御する。
図36は、図26のステップS106におけるメダル管理処理(MS_MEDAL_CHK)を示すフローチャートである。
図36において、ステップS211では、メイン制御基板60は、ブロッカ信号がオンであるか否かを検知する。ブロッカ信号がオンであるときはステップS212に進み、ブロッカ信号がオンでないときはステップS213に進む。ここで、「ブロッカ信号がオン」であるというのは、ブロッカ45によりメダル通路が形成されている場合に相当する。本実施形態では、メダル管理フラグのD2ビットのデータがオンであるか否かを検知する。
ステップS212では、メイン制御基板60は、投入センサ信号に係るデータがオンであるか否かを検知する。投入センサ信号に係るデータがオンであると判断したときは、メダルの手入れ投入を意味するので、ステップS222(MS_INSERT_CHK :図37)に進み、メダルの手入れ時のチェック処理を実行する。これに対し、オンでないと判断したときは、ステップS213に進む。
ステップS213では、ベット操作、精算操作の受付けが可能であるか否かをチェックする要求をセットする。そして、次のステップS214において、これらの操作受付けが可能であるか否かをチェックする。
次にステップS215に進み、メイン制御基板60は、操作受付けが可能であるか否かを判断する。可能であると判断したときはステップS216に進み、可能でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、メインループに戻る。
上記のステップS213〜S215の処理により、ベット処理又は精算処理を行う前に、ベットスイッチ40及び精算スイッチ46の操作受付けが可能な状態であるか否かを判断し、可能な状態である場合のみ、ベット処理又は精算処理に移行するようにしている。
ステップS216では、ベットスイッチ信号及び精算スイッチ信号の確認要求をセットする。
次のステップS217では、ステップS216での確認に基づき、ベットスイッチ40又は精算スイッチ46のうち、いずれかの信号の立ち上がりがあるか否かを判断する。いずれの信号の立ち上がりもないと判断したとき、すなわちベットスイッチ40及び精算スイッチ46のいずれも操作の変化がないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、メインループに戻る。
ステップS217で、いずれかの信号の立ち上がりがあると判断されたときはステップS218に進む。ステップS218では、スタートスイッチ41の受付け許可フラグをクリアする。このフラグは、上述したメダル管理フラグを意味し、メダル管理フラグのD0ビットを「0」にする処理である。スタートスイッチ41の受付け許可フラグが「0」のときは、スタートスイッチ41は有効にはならない(操作されても無効となる)ことを示すために、遊技開始LED73dを消灯する。一方、スタートスイッチ41の受付け許可フラグが「1」のときは、スタートスイッチ41が有効となっていることを示すために、遊技開始LED73dを点灯する。なお、遊技開始LED73dの点灯/消灯の実際の出力は、割込み処理で実行される。
したがって、ベットスイッチ40又は精算スイッチ46のうち、いずれかの信号に変化があったときは、スタートスイッチ41を受付けを許可しないことを報知するために、RWM61のデータを更新してから、ベットスイッチ40又は精算スイッチ46の操作に基づく処理(図36中、精算処理(MS_MEDAL_RET)、又は貯留ベット処理(MS_BET_IN ))を実行する。
なお、スタートスイッチ41に基づく処理(たとえば役抽選処理等)は、メインループで実行され、精算処理や貯留ベット処理もメインループで実行されることから、たとえば精算処理中にスタートスイッチ41に基づく処理が実行されないように構成されている。
次にステップS219に進み、メイン制御基板60は、精算スイッチ46信号に係るデータの確認要求をセットする。
そして、次のステップS220で、メイン制御基板60は、ステップS219での確認に基づき、精算スイッチ46信号の立ち上がりがあるか否かを判断する。精算スイッチ46信号の立ち上がりがあると判断したときはステップS221に進み、精算処理(MS_MEDAL_RET:図43)を実行する。一方、精算スイッチ信号の立ち上がりがないと判断したときは、ベットスイッチ信号の立ち上がりがあることを意味するので、ステップS223に進み、貯留ベット処理(MS_BET_IN :図41)を実行する。
図37及び図38は、図36のステップS222におけるメダルの手入れ時のチェック処理(MS_INSERT_CHK )を示すフローチャートである。図38は、図37に続くフローチャートである。
図37において、ステップS231では、メイン制御基板60は、スタートスイッチ41の受付け許可フラグ(上述したように、メダル管理フラグのD0ビット)をクリアする。
次にステップS232に進み、メイン制御基板60は、投入センサ1(44a)信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。
投入センサ1信号に係るデータがオンであるときはステップS233に進み、オンでないときはステップS238に進む。ステップS233では、投入センサ1の通過チェック時間(割り込み回数が64、約143ms)をセットする。ここで、投入センサ1によりメダルが検知されると投入センサ1信号に係るデータがオンとなるが、その後、所定時間を経過しても投入センサ1信号に係るデータがオフにならないときは、メダル詰まり等が考えられるので、投入センサ1の通過チェック時間を計測する。
次にステップS234に進み、メイン制御基板60は、ステップS232と同様にして、投入センサ1及び2信号に係るデータがオフであるか否かを判断する。投入センサ1及び2信号に係るデータがオフであると判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ここで、ステップS232で投入センサ1信号に係るデータがオンになった後、ステップS234で投入センサ1信号に係るデータがオフと判断されることは稀であるが、ノイズやセレクタ内でメダルが暴れる等により投入センサ1信号に係るデータが一時的にオンとなり、ステップS232でそのオンが検出される場合がある。そして、ノイズやセレクタ内でメダルが暴れる等により投入センサ1信号に係るデータが一時的にオンとなっても、ステップS234の処理により、ステップS235以下に進まないようにしている。つまり、このような現象が発生しても、エラーと判定してエラー報知等を行わないので、遊技をスムーズに進行することができる。
ステップS234において、投入センサ1及び2信号に係るデータがオフでないと判断したときはステップS235に進む。ステップS235では、投入センサ1及び2信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。投入センサ1及び2信号に係るデータがオンであると判断したときはステップS240に進み、オンでないと判断したときはステップS236に進む。
ステップS236では、メイン制御基板60は、投入センサ1信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS237に進み、オンでないと判断したときはステップS238に進む。
ステップS237では、メイン制御基板60は、投入センサ1の通過チェック時間が経過したか否かを判断する。すなわち、ステップS233でセットした時間が所定時間を経過したか否かを判断する。通過チェック時間を経過したと判断したときはステップS248に進み、通過チェック時間を経過していないと判断したときはステップS234に戻る。
ステップS232において投入センサ1信号に係るデータがオンでないと判断されたとき、又はステップS236において投入センサ1信号に係るデータがオンでないと判断されてステップS238に進むと、メイン制御基板60は、メダルの不正通過エラーの表示要求をセットする。このメダル不正通過エラーは、本実施形態では「CPエラー」と称し、獲得数表示LED72(デジット3及び4)に「CP」と表示するために、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)に「CB」の値を記憶し、第1サブ制御基板80にコマンド(エラー番号)を送信するために、所定のレジスタ(たとえばEレジスタ)に「5」の値を記憶する(なお、エラー番号一覧は後述する)。そしてステップS239に進み、エラー表示(MS_ERROR_DSP;図47)に移行する。
また、ステップS235において投入センサ1及び2信号に係るデータがオンであると判断され、ステップS240に進むと、メイン制御基板60は、投入センサ2の通過チェック時間(割り込み回数が、約143ms)をセットする。次にステップS241に進み、メイン制御基板60は、投入センサ2信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。投入センサ2信号に係るデータがオンであるときはステップS245に進み、オンでないときはステップS242に進む。ステップS242では、メイン制御基板60は、投入センサ1及び2信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。オンであるときはステップS243に進み、オンでないときはステップS238に進む。
ステップS243では、メイン制御基板60は、投入センサ2の通過チェック時間が経過したか否かを判断する。すなわち、ステップS240でセットした時間が所定時間を経過したか否かを判断する。投入センサ2の通過チェック時間が経過したと判断したときはステップS248に進み、通過チェック時間が経過していないと判断したときはステップS244に進む。ステップS244では、メイン制御基板60は、投入センサ1の通過チェック時間が経過したか否かを判断する。投入センサ1の通過チェック時間が経過したと判断したときはステップS248に進み、通過チェック時間が経過していないと判断したときはステップS241に戻る。
ステップS241において投入センサ2信号に係るデータがオンであると判断され、ステップS245に進むと、メイン制御基板60は、投入センサ1及び2信号に係るデータがオフであるか否かを判断する。投入センサ1及び2信号に係るデータがオフであると判断したときは図27のステップS249に進み、オフでないと判断したときはステップS246に進む。ステップS246では、メイン制御基板60は、投入センサ2信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。
投入センサ2信号に係るデータがオンでないと判断したときはステップS238に進み、オンであると判断したときはステップS247に進む。ステップS247では、メイン制御基板60は、投入センサ2の通過チェック時間が経過したか否かを判断する。投入センサ2の通過チェック時間が経過したと判断したときはステップS248に進み、通過チェック時間が経過していないと判断したときはステップS245に戻る。
ステップS248に進むと、メダル滞留エラーの表示要求をセットする。メダル滞留エラーとは、投入センサ1や2信号に係るデータが、通過チェック時間の経過後もオンの状態となり、メダル通路にメダルが滞留していることを意味するので、そのエラーを表示するためである。このメダル滞留エラーは、本実施形態では「CEエラー」と称し、獲得数表示LED72(デジット3及び4)に「CE」と表示するために所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)に「CA」の値を記憶し、また、第1サブ制御基板80に「CEエラー」を示すコマンド(エラー番号)を送信するために所定のレジスタ(たとえばEレジスタ)に「4」の値を記憶する。そしてステップS239に進み、エラー表示(MS_ERROR_DSP;図47)に移行する。
ステップS245において投入センサ1及び2信号に係るデータがオフであると判断し、図38のステップS249に進むと、メイン制御基板60は、メダル異常投入エラーの表示要求をセットする。ここで、メダル異常投入エラーとは、通路センサ43aと投入センサ1、2の通過異常があったことを示すエラーである。メダル異常投入エラーは、本実施形態では「C1エラー」と称し、このメダル異常投入エラーが発生したときは、獲得数表示LED72(デジット3及び4)に「C1」と表示するために所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)に「C1」の値を記憶し、また、第1サブ制御基板80に「C1エラー」を示すコマンド(エラー番号)を送信するために所定のレジスタ(たとえばEレジスタ)に「8」の値を記憶する。
次にステップS250に進み、メイン制御基板60は、投入監視カウンタの値を「1」減算する。ここで、投入監視カウンタとは、上述したように、通路センサ43aがメダルを検知すると、「+1」とし、投入センサ1及び2がメダルを検知すると、「0」とするカウンタである。すなわち、正常時には、「+1」と「0」とを繰り返す。
次にステップS251に進み、メイン制御基板60は、投入監視カウンタの値が「0」〜「3」の範囲であるか否かを判断する。当該範囲内であると判断したときはステップS252に進み、範囲内でないと判断したときは、図37のステップS239に進み、上記と同様にエラー表示(MS_ERROR_DSP;図47)に移行する。
たとえば、当該カウンタの値が「−1」となるのは、通路センサ43aを通過せずに投入センサ1、2を通過した場合が挙げられる。
また、当該カウンタの値が「+4」となるのは、通路センサ43aを通過したメダルが投入センサ1、2を通過する前に滞留している場合が挙げられる。
ステップS252では、メダル限界枚数をセットする(MS_MMAX_SET :図34)。次にステップS253に進み、ベットメダル(現時点でベットされているメダル枚数)の読み込みを実行する(S_PLAYM_READ:図33)。
次のステップS254では、貯留枚数の読み込みを実行する(S_CREDIT_READ :図30)。
次にステップS255に進み、メイン制御基板60は、現時点でベットされているメダル枚数及び貯留枚数の合計数を算出する。次のステップS256では、メダルの投入を有効とした後に、その後のメダル投入は不可能であるか否かを判断する。本実施形態では、
「現在のベット枚数」+「現在の貯留枚数」−49=「メダル限界枚数」
という式が成立するか否かを演算する。
ここで、「現在のベット枚数」とは、現在通過したメダルを加算する前のメダル枚数を指す。たとえば、現在のベット数が「2」であり、現在の貯留数が「50」であるとき、メダル限界枚数は「3」となり、この式が成立するので、現在通過したメダルの投入後は、その後のメダル投入は不可能であると判断する。
そして、投入不可能と判断したときはステップS257に進んでブロッカ45をオフにする処理を実行する(MS_BLOCKER_OFF:図39)。そしてステップS258に進む。一方、投入可能と判断したときは、ステップS257をスキップしてステップS258に進む。
そして、ブロッカ信号がオンであるときは、投入センサ1及び2を通過するメダル通路を形成させ、オフであるときは、メダル投入口43から投入されたメダルを払出し口14から返却するメダル通路を形成する。
次のステップS258では、メイン制御基板60は、メダル手入れ時の出力要求をセットし、次のステップS259では、制御コマンドセット1を実行する。
次のステップS260では、メイン制御基板60は、現時点でメダルのベット枚数が限界枚数(上限枚数)であるか否かを判断する。ベット枚数が限界値であると判断したときはステップS262に進み、貯留(クレジット)枚数の加算処理(MS_CREDIT_ADD :図40)を実行する。これに対し、ベット枚数が限界枚数でないと判断したときはステップS261に進み、メダル1枚のベット加算処理を行う(MS_MEDAL_INC:図32)。
図39は、ブロッカオフの処理(MS_BLOCKER_OFF)を示すフローチャートである。上述したように、メダルの手入れが有効になった後、メダルの手入れが不可能(受付け不可能)となったときは、ブロッカ45を駆動して、メダル投入口43から手入れされたメダルを払出し口14から返却するメダル通路を形成するように制御する。
先ず、ステップS271において、メイン制御基板60は、ブロッカ信号の確認処理を行う。ここでは、RWM61の記憶領域に記憶された1バイトデータのD6ビットを確認する。ここで、この1バイトデータは、D0〜D5ビットが未使用であり、D6ビットがブロッカ信号データであり、D7ビットがホッパーモータ駆動信号データを示すものである。なお、ブロッカ信号データは、以下のステップS272で使用し、ホッパーモータ駆動データは、後述するステップS356等で使用する。
次にステップS272に進み、メイン制御基板60は、ブロッカ信号がオフ(上記のブロッカ信号データが「0」)であるか否かを判断する。オフでないと判断したときはステップS273に進み、オフであると判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。すなわち、既にブロッカ45がオフであるときは、ブロッカ45をオフにする本処理を進めることなく本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS272においてブロッカ信号がオフでないと判断し、ステップS273に進むと、メイン制御基板60は、この時点からの割込みを禁止する。上述したように、メインループ(M_MAIN)の実行中には、2.235msごとに1回のタイマ割込み処理が入るが、ステップS273のような「割込み禁止」の記述があるときは、当該割込み禁止が解除されるまで、割込みを許可しないように制御する。
次のステップS274では、メイン制御基板60は、ブロッカ信号をオフにする処理を行う。この処理は、出力ポート3のD6ビットを「0」にするための処理である。具体的には、上記のブロッカ信号データを「0」にすることにより、次の割込み処理時に出力ポート3のD6ビットが「0」となる。さらに次のステップS275では、ブロッカ信号状態をオフにする処理を行う。この処理は、メダル管理フラグのD2ビットを「0」にする処理である。
そしてステップS276に進み、メイン制御基板60は、投入センサ2の異常入力の検出時間をセットする。
ここで、本実施形態では、ブロッカ45をオン(メダル通過)からオフ(メダル返却)にした後、所定時間を経過する前には投入センサ2のオン信号を検出しても投入センサ2の異常入力とは判断しないが、所定時間を経過した後に投入センサ2のオン信号を検出したときは投入センサ2の異常入力と判断する。具体的には、ブロッカ45が物理的にオフになった直後やオフに制御している途中でメダルが投入センサ44a(1)や44b(2)を通過することがあり得るため、そのような場合においてエラーとして検知しない(正常の通過とみなす)ようにするためである。このため、ステップS276のタイミングで、投入センサ異常入力の検出時間(以下の500.64ms)をセットする。
なお、500.64msの計測は、割込み回数のカウント値「224」をセットすることにより行う(1割込みの時間「2.235ms」×回数「224」=500.64ms)。
ステップS276で投入センサ異常入力の検出時間をセットすると、ステップS277に進み、ステップS273で設定した割込み禁止の解除、すなわち割込みを許可する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
上記処理において、ステップS274〜ステップS276の処理間に割込みを発生させないのは、ブロッカオンの処理時と同様である。
すなわち、ブロッカ信号をオフにする処理、及びブロッカ状態信号をオフにする処理との間に割込みが入ると、一方がオフ、他方がオンの状態になってしまうが、そのような状態を避け、双方の値を一気に更新するために、割込み処理を禁止している。
図40は、図38のステップS262における貯留枚数1枚加算(MS_CREDIT_ADD )を示すフローチャートである。
ステップS278では、貯留枚数の読み込みを実行する(S_CREDIT_READ )。この処理は、図30の処理と同一である。次のステップS279では、貯留枚数に「1」を加算する処理(「+1」)を行う。この処理は、RWM61に記憶されている貯留枚数データを更新する処理である。そして、次のステップS280において、貯留枚数データを保存し、本フローチャートによる処理を終了する。なお、ステップS280では、貯留枚数データを10進数データに変換した値をRWM61に保存する。
図41は、図36のステップS223における貯留ベット処理(MS_BET_IN )を示すフローチャートである。
先ず、ステップS281において、メイン制御基板60は、メダル限界フラグがオン(「1」)であるか否かを判断する。ここで、メダル限界フラグは、メダルが限界枚数(たとえば通常遊技では3枚)までベットされているときはオンとされ、データとして「1」が記憶されるフラグである。そして、メイン制御基板60は、このデータを読み込むことにより、メダル限界フラグがオン(「1」)であるか否かを判断する。
ステップS281において、メダル限界フラグがオンであるときは、既に最大ベット状態であることを意味するので、本フローチャートによるベット処理を終了する。すなわち、図36のステップS220においてベットスイッチ40の操作を検知し、「MS_BET_IN 」の処理に移行したとしても、最大ベットが既になされているときは、ベット処理を行わない。
メダル限界フラグがオンでないと判断したときはステップS284に進み、メダル限界枚数(たとえば、通常遊技では3枚)をセットする。この処理は、図34で示した「MS_MMAX_SET 」と同じである。
次のステップS285では、(ベット)メダルの読み込み処理を行う。この処理は、図33で示した処理(S_PLAYM_READ)と同じである。次に、ステップS286に進み、投入要求枚数を演算する。
この処理は、メダル限界枚数セット(ステップS284)の値から、ベットメダルの読み込み(ステップS285)で読み込んだ値を減算する処理である。たとえばメダル限界枚数セットで3枚がセットされ、ベットメダルの読み込みで1枚が既にベットされていると判断されたときは、「3−1」を実行する処理に相当する。
次に、ステップS287に進み、ベット要求枚数修正を行う。この処理は、ステップS286で算出した値をベット要求枚数としてセットする処理である。
次に、ステップS288に進み、現時点における貯留枚数の読み込みを行う。この処理は、図30で示した処理(S_CREDIT_READ )と同じである。
次のステップS289では、メイン制御基板60は、メダルの貯留の有無を判断する。メダルの貯留なしと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、メダルの貯留有りと判断したときはステップS290に進む。
ステップS290では、ベットスイッチ40信号の立ち上がりデータをクリアする。このようにして、ステップS289で貯留メダルありの場合には、ベットスイッチ40信号の立ち上がりデータをクリアした後、ベット処理を実行する。
上述したように、入力ポート0〜2の立ち上がりデータは、割込み処理によって生成され、記憶される。
一方、ベット処理を実行する場合には、割込み処理によって生成・記憶した立ち上がりデータを、メインループ内でクリアする処理を実行する。
ここで、立ち上がりデータをクリアしなかった場合には、再度割込み処理が実行されるまで、立ち上がりデータが維持される。この場合、メインループのベット処理では、立ち上がりデータが「1」であることに基づいて、再度、1ベット処理が実行されてしまう。
このような不都合を回避するために、メダルの貯留がある場合には、ベット処理の開始前に、立ち上がりデータをクリアしている。
次にステップS292に進み、メダル貯留枚数(ステップS288で読み込んだ枚数)が、ベット要求枚数(ステップS286でセットした枚数)以上であるか否かを判断する。メダル貯留枚数がベット要求枚数以上であると判断したときはステップS294に進み、メダル貯留枚数がベット要求枚数以上でないと判断したときはステップS293に進む。
ステップS293では、メダル貯留枚数をセットする。この処理は、貯留枚数をベットする処理である。すなわち、ステップS292で「No」のときは、貯留枚数がベット枚数に満たない場合であるので、この場合には貯留枚数をベット枚数とする処理を行う。そしてステップS294に進む。
ステップS294では、貯留ベット時の出力要求をセットする。次にステップS295に進み、制御コマンドセット1を実行する。
次のステップS296では、メダル1枚の加算(ベット)処理を行う(MS_MEDAL_INC:図32)。次にステップS297に進み、貯留枚数から1枚を減算する処理を行う(MS_CREDIT_DEC :後述する図42)。次のステップS298では、メイン制御基板60は、要求枚数のベットが終了したか否かを判断する。終了したと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、終了していないと判断したときはステップS296に戻る。これにより、2枚以上をベットするときは、1枚ベットの処理(ステップS296及びS297)を繰り返す。
図42は、図41のステップS297における貯留枚数から1枚を減算する処理(MS_CREDIT_DEC )を示すフローチャートである。
ステップS301では、貯留枚数の読み込みを実行する(S_CREDIT_READ )。この処理は、図30の処理と同一である。次のステップS302では、貯留枚数から「1」を減算する処理(「−1」)を行う。この処理は、図40で示したように、RWM61に記憶されている貯留枚数データを更新する処理である。そして、次のステップS303において、貯留枚数データを保存し、本フローチャートによる処理を終了する。なお、ステップS303では、ステップS280と同様に、貯留枚数データを10進数データに変換した値をRWM61に保存する。
図43は、図36のステップS221における精算処理(MS_MEDAL_RET)を示すフローチャートである。
先ず、ステップS311では、メイン制御基板60は、貯留枚数の読み込み処理(S_CREDIT_READ )を行う。この処理は、図30の処理と同一である。次のステップS312では、メイン制御基板60は、(ベット)メダルの読み込み処理(S_PLAYM_READ)を行う。この処理は、図33の処理と同一である。
次に、ステップS313に進み、メイン制御基板60は、作動状態フラグをチェックする。続いて、ステップS314では、メイン制御基板60は、当該遊技がリプレイ作動時であるか否か(リプレイの作動状態フラグがオンであるか否か)を判断する。
ステップS314においてリプレイ作動時でないときはステップS316に進み、リプレイ作動時であるときはステップS315に進む。
ステップS315では、精算可能なベット数をクリアする。この処理は、ステップS312で読み込んだベット枚数を、リプレイ作動時には「0」にする処理である。
なお、本フローチャートに示すように、リプレイの作動による自動ベットを有するときであっても、その自動ベットを維持した状態で、貯留メダルの精算が可能である。
次のステップS316では、メイン制御基板60は、精算可能なメダルの有無を判断する。この処理は、ステップS311で読み込んだ貯留(クレジット)枚数と、ステップS312で読み込んだベット数とを「OR」演算し、精算可能なメダルの有無を判断する。なお、ステップS311で読み込んだ貯留枚数及びステップS312で読み込んだベット枚数(又はステップS315による処理後のベット枚数)は、いずれも、上述したようにレジスタに記憶されている。ここで、リプレイ作動時の場合には、ステップS315において精算可能なベットメダル枚数を「0」(クリア)にしているため、貯留枚数がある場合にのみ「Yes」となる。
ステップS316において精算可能なメダルありと判断したときはステップS317以降の処理に進むが、精算可能なメダルなしと判断したときは、本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS317では、ブロッカ45をオフにする処理(MS_BLOCKER_OFF)を行う。この処理は、上述した図39の処理と同じである。
次に、ステップS318に進み、メインCPU62は、精算開始時の出力要求をセットし、次のステップS319では制御コマンドセット1を実行する。
次のステップS320及びステップS321の処理は、上述したステップS313及びステップS314の処理と同一である。
そして、ステップS321において、リプレイ作動時であると判断したときはステップS324に進み、リプレイ作動時でないと判断したときはステップS322に進む。
ステップS322では、メダル(現在ベットされているメダル枚数)の読み込み処理(S_PLAYM_READ)(ステップS312と同じ)を行う。
次にステップS323に進み、メイン制御基板60は、ベットメダルの有無を判断する。ベットメダルありと判断されたときはステップS327以降の処理に進み、ベットメダルなしと判断されたときはステップS324以降の処理に進む。
ここで、ベットメダルありの場合には、ステップS327以降の処理を行うことによって、ベットメダルの精算処理を行う。これに対し、ベットメダルなしの場合には、ステップS324以降の処理を行うことによって、貯留メダル、すなわちクレジットされているメダルの精算処理を行う。
したがって、ベットメダル及び貯留メダルの双方を有する場合には、ベットメダルの精算を先に行う。
ステップS323からステップS324に進むと、メイン制御基板60は、精算表示LED73cを点灯する処理を行う。本実施形態では、貯留メダルの精算処理を行っている間は、精算表示LED73cを点灯させる。
ステップS324では、上述したステップS132と同様の処理を行う。具体的には、RWM61に記憶されているメダル管理フラグ中、D4ビット(精算処理中であるときに「1」)をオンにする処理である。
なお、精算表示LED73cを実際に点灯させる処理は、LED表示制御(図49;IS_LED_OUT)中の処理(具体的には、ステップS640)として行う。
精算表示LED73cを実際に点灯させるには、IC1のD4出力端子からデータ信号(デジット5をオンにする信号)を出力し、かつ、IC2のD7出力端子からデータ信号(セグメントPをオンにする信号)を出力する。
次にステップS325に進み、貯留メダルの精算処理(MS_CREDIT_RET )を行う(後述する図44)。この精算処理後は、ステップS326に進み、ステップS324で点灯させた精算表示LED73cの消灯処理を行う。この処理は、ステップS324とは逆の処理であり、RWM61に記憶されているメダル管理フラグ中、D4ビット(精算処理中であるときに「1」)をオフ(「0」)にする処理である。そして、ステップS336に進む。
一方、ステップS323においてベットメダルありと判断され、ステップS327に進むと、メイン制御基板60は、メダル1枚の払出し処理(MS_1MEDAL_PAY )を行う(後述する図45〜図46)。
次にステップS328に進み、メイン制御基板60は、投入数を表示するLED(投入表示LED73e〜73g)のいずれか1つを消灯する処理を実行する。
たとえば、現時点で3枚のメダルがベットされているときは、投入表示LED73e〜73gの3個全てが点灯状態にある。そして、この状態でステップS328に進んだときは、3枚投入表示LED73gのみを消灯する(1枚投入表示LED73e及び2枚投入表示LED73fの点灯は維持)するように制御する。
また、1枚投入表示LED73e及び2枚投入表示LED73fが点灯している状態でステップS328に進んだときは、2枚投入表示LED73fのみを消灯する(1枚投入表示LED73eの点灯は維持)するように制御する。
さらにまた、1枚投入表示LED73eのみが点灯している状態でステップS328に進んだときは、1枚投入表示LED73eを消灯する(これにより、投入表示LED73e〜73gが全消灯となる)ように制御する。
また、ステップS328では、上述したステップS176〜S178と同様に、記憶している投入表示LED信号データを更新する処理を行う。上述のように、投入表示LED信号データは、投入数に応じて、
投入表示LED信号データ(1枚投入時):10000000
投入表示LED信号データ(2枚投入時):11000000
投入表示LED信号データ(3枚投入時):11100000
となっている。
したがって、ステップS328の直前で、投入表示LED信号データが3枚投入時の「11100000」であるときは、2枚投入時の投入表示LED信号データとなるように、演算を行って「11000000」とする。
つまり、左にシフトする命令を出すことで、「11100000」→「11000000」となる(先述したローテート式ではない命令を用いている。)。
次のステップS329では、(ベット)メダルの読み込みを行う(S_PLAYM_READ;図33)。次にステップS330に進み、メダル枚数の減算処理を行う。この処理は、RWM61に記憶しているベット枚数データから「1」を減算する処理を行う。
次のステップS331では、メダル枚数表示の出力要求をセットする。この処理は、1枚のメダルを減算した後のメダル枚数の表示の要求である。次のステップS332では、メイン制御基板60は、制御コマンドセット1を実行する。
さらに、次のステップS333で(ベット)メダルの読み込みを行う(S_PLAYM_READ;図33)。このステップS333では、1枚減算後のメダル枚数が読み込まれる。
そしてステップS334に進み、メイン制御基板60は、ステップS323と同様に、ベットメダルの有無を判断する。ベットメダルありと判断されたときはステップS327に戻り、上記と同様に、メダル1枚の払い出し処理を行う。これに対し、ベットメダルなしと判断されたときはステップS335に進み、メイン制御基板60は、メダル限界フラグをクリアする処理を行う。次にステップS336に進み、メイン制御基板60は、精算終了時の出力要求をセットする。次のステップS337では、メイン制御基板60は、制御コマンドセット1を実行する。そして次に、ステップS338に進んでブロッカ45をオンにする処理(MS_BLOCKER_ON ;図31)に移行する。
以上の精算処理において、ステップS318及びステップS319では、精算を開始したことを第1サブ制御基板80に送信するため、制御コマンドデータのセットを行う。
また、ステップS336及びステップS337では、精算を終了したことを第1サブ制御基板80に送信するため、制御コマンドデータのセットを行う。
図44は、図43のステップS325における貯留メダルの精算処理(MS_CREDIT_RET )を示すフローチャートである。
図44において、まず、ステップS341では、メインCPU62は、現時点における貯留枚数の読み込み処理(S_CREDIT_READ ;図30)を行う。次にステップS342に進み、メイン制御基板60は、ステップS341で読み込んだ結果に基づいて、貯留メダル、すなわちクレジットの有無を判断する。貯留メダルあり(ゼロフラグが「0」)と判断したときはステップS343に進み、貯留メダルなし(ゼロフラグが「1」)と判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS343では、貯留メダルから、メダル1枚の払出し処理(MS_1MEDAL_PAY )(後述する図45〜図46)を行う。次にステップS334に進み、貯留メダル枚数から1枚を減算する処理(MS_CREDIT_DEC ;図42)を行う。その後、ステップS341に戻る。つまり、貯留メダル精算では、貯留メダルが「0」となるまで処理が実行される。このとき、後述する図45〜図46の処理により正常に1枚のメダルが払い出されるよう制御されたときに、約100msの時間を要するように設計されている。いいかえれば、1枚のメダルを払い出す際に貯留枚数表示データが約100msの間隔で更新され、この間に割込み処理が実行されることにより、貯留数表示LED71の表示が1枚ずつ減算されることが視認できるように構成されている。
図45及び図46は、図43のステップS327(及び図44のステップS343)におけるメダル1枚の払出し処理(MS_1MEDAL_PAY )を示すフローチャートである。図46は、図45に続くフローチャートである。
図45のステップS351では、メイン制御基板60は、エラー未検出をセットする。すなわち、初期状態ではエラーを検出していない状態をセットする。次のステップS352では、メイン制御基板60は、メダル詰まりエラー表示要求をセットする。
なお、メダル詰まりエラーは、本実施形態では「HPエラー」と称し、このメダル詰まりエラーが発生したときは、獲得数表示LED72(デジット3及び4)に「HP」と表示するために、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)に「DB」の値を記憶し、また、第1サブ制御基板80に「HPエラー」を示すためのコマンド(エラー番号)を送信するために所定のレジスタ(たとえばEレジスタ)に「1」の値を記憶する。
次にステップS353に進み、メイン制御基板60は、エラーを検出したか否かを判断する。エラーを検出したと判断したときはステップS354に進んでエラー表示(MS_ERROR_DSP;後述する図47)を行う。そしてステップS355に進む。一方、ステップS353でエラーを検出していないと判断したときはステップS355に進む。
ステップS355では、メイン制御基板60は、メダル払出し装置の制御時間(たとえば2686割込み、約6000ms)をセットする。ここでは、制御時間の計時を開始する。次にステップS356に進み、ホッパーモータ36を駆動するための処理を行う。具体的には、上述したホッパーモータ駆動信号データを「1」にすることにより、次の割込み処理時に出力ポート3のD7ビットが「1」となる。次にステップS357に進み、メイン制御基板60は、ステップS355でセット後の制御時間の読み込みを行う。
そして、次のステップS358において、メイン制御基板60は、制御時間が所定時間を経過したか否かを判断する。所定時間を経過したと判断したときはステップS361に進み、所定時間を経過していないと判断したときはステップS359に進む。
ステップS361では、ホッパーモータ36の駆動信号をオフにするための処理を行う。具体的には、上述したホッパモータ駆動信号データを「0」にすることにより、次の割込み処理時に出力ポート3のD7ビットが「0」となる。そして、次のステップS362では、払出しセンサ1の検出時間(たとえば27割り込み、約60ms)をセットし、検出時間の計時を開始する。次にステップS363に進み、メイン制御基板60は、払出しセンサ1信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS355に進み、オンでないと判断したときはステップS364に進む。
ステップS364では、メイン制御基板60は、払出しセンサ1の検出時間が所定時間を経過したか否かを判断する。所定時間を経過したと判断したとき、すなわち払出しセンサ1信号に係るデータがオンでなく、かつ払出しセンサ1の検出時間が所定時間を経過したときは、メダルが払い出されていないこととなるので、ステップS365に進み、メイン制御基板60は、メダル空エラーの表示要求をセットする。メダル空エラーは、本実施形態では「HEエラー」と称し、このメダル空エラーが発生したときは、獲得数表示LED72(デジット3及び4)に「HE」と表示するため、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)に「DA」の値を記憶し、また、第1サブ制御基板80に「HEエラー」を示すためのコマンド(エラー番号)を送信するため、所定のレジスタ(たとえばEレジスタ)に「2」の値を記憶する。そしてステップS353に進む。
一方、ステップS364において払出しセンサ1の検出時間が所定時間を経過していないと判断したときはステップS363に戻る。
ステップS358において制御時間が所定時間を経過していないと判断され、ステップS359に進むと、メイン制御基板60は、払出しセンサ1信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS360に進み、オンでないと判断したときはステップS357に戻る。
ステップS360では、払出しセンサ1の検出時間をセットする。この処理は、ステップS362と同様である。次にステップS366に進み、メイン制御基板60は、メダル詰まりを検出したか否かを判断する。メダル詰まりを検出したと判断したときはステップS352に進み、検出していないと判断したときはステップS367に進む。
ステップS367では、メイン制御基板60は、払出しセンサ1信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。オンであると判断されたときはステップS368に進み、オンでないと判断されたときはステップSステップS357に進む。
ステップS368では、メイン制御基板60は、払出しセンサ1及び2信号に係るデータがオンであるか否かを判断する。双方がオンであると判断されたときはステップS369に進み、双方がオンでないと判断されたときはステップS366に戻る。
ステップS369では、メイン制御基板60は、払出しセンサ2の検出時間をセットする。次に、図46のステップS370に進み、メイン制御基板60は、メダル詰まりを検出したか否かを判断する。メダル詰まりを検出したと判断したときはステップS352に進み、検出していないと判断したときはステップS371に進む。
ステップS371では、メイン制御基板60は、払出しセンサ2信号に係るデータがオフであるか否かを判断する。払出しセンサ2信号に係るデータがオフでないと判断したときはステップS370に戻り、オフであると判断したときはステップS372に進む。
ステップS372では、メイン制御基板60は、メダル払出しが無効であるか否かを判断する。無効であると判断したときはステップS357に進み、無効でないと判断したときはステップS373に進む。ステップS373では、メイン制御基板60は、払出しセンサ1信号に係るデータがオフであるか否かを判断する。オフであると判断したときはステップS374に進み、オフでないと判断したときはステップS370に戻る。
ステップS374では、残り払出し数(カウント値)を「−1」(「1」減算)する。次にステップS375に進み、メイン制御基板60は、メダル払出しを終了したか否かを判断する。メダル払出しを終了したと判断したときはステップS376に進み、終了していないと判断したときは本フローチャートを終了する。ステップS376では、メイン制御基板60は、ホッパーモータ36の駆動信号をオフにするための処理を行う。具体的には、上述したホッパモータ駆動信号データを「0」にすることにより、次の割込み処理時に出力ポート3のD7ビットが「0」となる。そして本フローチャートによる処理を終了する。
図47は、エラー表示処理(MS_ERROR_DSP)を示すフローチャートである。なお、図47のエラー表示処理は、復帰可能なエラーが発生したときの処理であり、リセットスイッチ53のオン等により復旧する。図47の処理が実行されるときのエラーは、スロットマシン10のホール関係者(管理者)によって解決可能なエラーであり、重大なエラーでない可能性が高いので、割込み禁止のような処理は行わない。
これに対し、図20中、ステップS24で発生したような「復帰不可能エラー」時には、図47の処理は行われない。復帰不可能エラーの発生時には、上述した図25の処理が行われる(割込みが禁止される)。
図47において、先ず、ステップS381では、今回発生したエラー番号を保存する。具体的には、エラー発生前の所定のレジスタ(たとえばEレジスタ)の値をRWM61の所定領域(エラー番号データ)に保存する。各種エラーは、以下の通りである。
CPエラー(エラー番号「5」):図37のステップS238におけるメダル不正通過エラー
CEエラー(エラー番号「4」):図37のステップS248におけるメダル滞留エラー
C1エラー(エラー番号「8」):図38のステップS249におけるメダル異常投入エラー
HPエラー(エラー番号「1」):図45のステップS352におけるメダル詰まりエラー
HEエラー(エラー番号「2」):図45のステップS365におけるメダル空エラー
FEエラー(エラー番号「9」):サブタンク35bが満杯になったことを示す満杯エラー
等である。
なお、復帰可能エラーは、本実施形態で挙げたエラーに限られるものではなく、他にも種類があるが、本実施形態では説明を省略する。
次のステップS382では、エラーが発生する前のブロッカ(45)信号とホッパーモータ(36)駆動信号の状態を退避させる(記憶する)。具体的には、上述したブロッカ信号データ及びホッパーモータ駆動信号データ(「0」又は「1」)を所定のレジスタ(たとえばCレジスタ)に記憶する。
次に、ステップS383に進み、ホッパーモータ(36)駆動信号をオフにする。具体的には、ホッパモータ駆動信号データを「0」にする。これにより、ホッパーモータ36が駆動中であるときは、次の割込み処理からその駆動が停止する。
次のステップS384では、ブロッカ45をオフにする(MS_BLOCKER_OFF;図39)。また、次のステップS385では、スタートスイッチ41の受付け許可フラグをクリアする。この処理は、図36のステップS218と同様であり、メダル管理フラグのD0ビットをオフにする処理である。
次に、ステップS386に進み、獲得枚数の表示を退避する。この処理は、獲得数表示LED72に現時点で表示されている枚数を一時退避し(記憶しておき)、エラー要因の除去後に再表示させるためである。具体的には、RWM61の所定の記憶領域に記憶されている獲得枚数表示データを、所定のレジスタ(たとえばBレジスタ)に記憶する。
次のステップS387では、獲得数表示LED72にエラー情報を表示する処理を行う。具体的には、図47が実行される前に記憶されたDレジスタの値を記憶する。たとえばステップS381において、保存したエラーがCPエラーであるときは、獲得数表示LED72に「CP」と表示するために獲得枚数表示データに「CB」の値を記憶する。
なお、エラー情報についてのセグメント表示については、後述する割込み処理によって行われる。
そしてステップS388に進み、エラー表示開始時の出力要求をセットし、次のステップS389で制御コマンドセット1を実行する。具体的には、Dレジスタに、エラー表示開始を示す「01」を記憶し、Eレジスタに、エラー番号が記憶されているRWM61のエラー番号データ(CPエラーの場合は「05」)を記憶する。ステップS388〜ステップS389により、エラー表示を開始すべき旨の制御コマンド(第1サブ制御手段80に送信すべきコマンド)がセットされる。
次にステップS390に進み、リセットスイッチ53の立ち上がりがあるか(操作されたか)否かを検知し続ける。この処理は、入力ポート1のD4ビットの立ち上がり信号がオンとなったか否かを判断することにより行う。リセットスイッチ53の立ち上がりがあったと判断されたときはステップS391に進み、リセットスイッチ信号の立ち上がりデータをクリアする。次にステップS392に進み、満杯検知信号の検査データをセットする。この処理は、満杯センサ38に係るエラーが発生しているか否か(サブタンク35bがメダルで満杯となっているか否か)を判断するための検査データをセットする処理である。
そして、次のステップS393に進み、満杯エラーであるか否かを判断する。満杯エラーであると判断されたときはステップS397に進み、満杯エラーでないと判断されたときはステップS394に進む。
ステップS394では、払出しセンサ37a及び37bの検査データをセットする。この処理は、払出しセンサ37a及び37bに係る異常を検知したか否かを判断するための検査データをセットする処理である。
次にステップS395に進み、払出しセンサ37a及び37bに係るエラーであるか否かを判断する。払出しセンサ37a及び37bに係るエラーであると判断したときはステップS397に進み、当該エラーでないと判断したときはステップS396に進む。
ステップS396では、投入センサ44a及び44b並びに通路センサ43aの検査データをセットする。この処理は、これらのセンサに係る異常であるか否かを判断するための検査データをセットする処理である。
そして、ステップS397に進み、ステップS392、ステップS394、又はステップS396でセットした検査データに基づき、エラーチェックを行う。
次にステップS398に進み、ステップS397のエラーチェック結果に基づいて、エラー要因が除去されたか否かを判断する。除去されたと判断したときはステップS399に進み、除去されていないと判断したときはステップS390に戻る。ステップS399では、ステップS381でRWM61に保存したエラー番号データをクリアする。次にステップS400に進み、ステップS386で退避した(Bレジスタに一時記憶していた)獲得枚数を、RWM61の所定の記憶領域である獲得枚数表示データに復帰する。したがって、当該処理の以降に実行される割込み処理により、獲得数表示LED72の表示内容がエラー発生前に戻る。
そしてステップS401に進み、エラー表示終了時の出力要求をセットし、次のステップS402で制御コマンドセット1を実行する。ステップS401〜ステップS402により、エラー表示を終了すべき旨の制御コマンド(第1サブ制御手段80に送信すべきコマンド)がセットされる。
次のステップS403では、ステップS382で退避する前の状態に戻す処理を行う。したがって、ステップS382で記憶したエラー発生前のブロッカ(45)信号とホッパーモータ(36)駆動信号との状態を読み込む。具体的には、ステップS382で退避した所定のレジスタ(たとえばCレジスタ)の値に基づいて復帰させる。次にステップS404に進み、所定のレジスタ(たとえばCレジスタ)の値に基づいて、エラー発生前のホッパーモータ駆動信号データを更新する。次のステップS405では、所定のレジスタ(たとえばCレジスタ)の値に基づいて、エラー発生前のブロッカ信号データの値が「1」であったか否かを判断する。この値が「1」であったと判断したときはステップS406に進み、「1」でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。ステップS405では、ブロッカ45をオンにし(MS_BLOCKER_ON ;図31)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上のようにして、図47のエラー処理では、エラー表示開始時及びエラー表示終了時に、第1サブ制御基板80に対して制御コマンドを送信するので、エラーが生じている間、第1サブ制御基板80(実質的には第2サブ制御基板90)は、発生したエラーに関する報知(演出ランプ21、スピーカ22及び画像表示装置23を用いた報知)を行うことができる。
図48は、メイン制御基板60(メインCPU62)による割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン制御基板60は、図26のメインループと並行して、2.235ms周期で、図48に示す割込み処理を行う。
先ず、ステップS601の割込み処理に移行すると、ステップS602では、初期処理として、レジスタ値の退避及び重複割込みの禁止処理を行う。ここでは、メインループで使用しているメインCPU62のレジスタを割込み処理で使用するため、現在のレジスタ値をRWM61のスタック領域に退避する。さらに、割込み処理中に次の割込み処理が開始されないように、割込み禁止フラグをオンにする。このようにするのは、たとえば電源断処理の実行中に割込み処理の実行要求が行われるときがあるからである。
次のステップS603では、電源断を検知したか否かを判断する。ここでは、(図示しない)メイン制御基板60上に設けられた電圧監視装置(電源断検出回路)により、電源電圧が所定値以下になったときには、図11中、入力ポート2のD0ビットに電源断検知信号が入力されるので、その信号の入力があったか否かを検知する。
そして、電源断を検知したときはステップS618の電源断処理(IS_POWER_DOWN )に進み、電源断を検知していないと判断したときはステップS604に進む。
ステップS604では、制御用カウンタ値の更新を行う。たとえば割込み処理ごとに値を更新するカウンターが設けられているので(たとえば、割込み処理回数に基づき所定時間の経過をカウントする場合等が挙げられる)、そのカウンター値の更新を行う。
次のステップS605では、タイマー計測を行う。この計測は、前回の遊技開始時から今回の遊技開始時までに4.1秒を経過したか否か(ウェイト処理)の計測や、図37中、ステップS237の処理で投入センサ1の所定時間を経過したか否か等の計測である。いいかえれば、メインループでセットした時間を減算する処理を実行する。
次に、ステップS606に進み、LED表示制御(IS_LED_OUT;後述する図49)を行う。ここでは、スロットマシン10の状態に応じて、設定値、貯留枚数、獲得枚数、エラー表示内容(エラーコード)等を7セグLED(デジット1〜5)を用いて点灯する処理である。
上述したように、図25に示す復帰不可能エラー(SS_ERROR_STOP )では、メイン処理によりエラー表示を出力したが(ステップS68)、設定変更や設定確認中の設定値、貯留枚数、獲得枚数、復帰可能なエラーの表示は、割込み処理時ごとに、このLED表示制御にて行う。
次にステップS607に進み、入力ポート0〜2(図11)の読み込み処理を行う。これにより、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42等の操作が行われたか否かや、スイッチ信号、各種センサの入力信号が読み込まれ、入力ポート0〜2に基づくデータ(レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータ)を生成し、RWM61に記憶する。次のステップS608では、内蔵乱数のチェック処理を行う。本実施形態では、内蔵乱数にエラーが発生するとオンになるフラグが設けられており、このフラグがオンであるか否かが判断される。
具体的には、たとえば役抽選用の乱数のクロック周波数異常(乱数更新が遅い場合等)を検知したときは、当該エラーフラグがオンにされる。より具体的には、MPUに入力されるSCLK(発振源:12MHz)とRCK(発振源:9MHZ)を備え、RCKに基づいて内蔵乱数を更新するものとする。このとき、「RCK<SCLK/2」を満たした場合にエラーフラグがオンになる。
そして、ステップS609に進み、内蔵乱数にエラーが発生しているか否か(エラーフラグがオンか否か)を判断し、エラーが発生していないと判断されたときはステップS610に進み、エラーが発生していると判断したときは、ステップS24(図25)に進んで、復帰不可能エラー処理(SS_ERROR_STOP )に移行する。このときのエラー表示内容は、「E7」となる。
ステップS610では、リール31の駆動制御を行う。この制御は、リール31単位(左、中、右)で行われるとともに、それぞれ動作状態に応じて、停止中、揺れ変動(後述)中、定速、加速、減速、減速開始、待機が挙げられる。リール31の駆動制御が終了するとステップS611に進み、ポート出力処理を行う。この処理は、(リール用)モータ32、ホッパーモータ36の励磁出力や、ブロッカ45の励磁出力を行う。
次のステップS612では、入力エラーチェック処理(IS_ERROR_CHK;後述する図51)を実行する。この処理は、各種センサに異常がないか否かを判断する処理である。
次のステップS613では、制御コマンドの送信(後述する図54)を行う。この処理は、たとえば出力要求セット及び制御コマンドセット1でセットされた制御コマンド(RWM61のコマンドバッファに記憶されている未送信の制御コマンド)を第1サブ制御基板80に送信する処理である。
具体的には、たとえば上述した図26中、ステップS118(出力要求セット)及びステップS119(制御コマンドセット1)において制御コマンドがコマンドバッファにセットされると、その時点以降の割込み処理(コマンドバッファが空の場合は、原則としては、その時点の次に到来する割込み処理)において、このステップS613によって制御コマンドが第1サブ制御基板80に送信される。
次のステップS614では、RWM61に記憶されている外部信号1〜3のデータをレジスタに記憶する。この処理は、出力ポート6(図13)の各ビットのオン/オフを読み込む処理である。なお、本実施形態では、外部信号1データは、AT信号であり、外部信号2データは、サブボーナス信号であり、外部信号3データは、有利状態(AT又はサブボーナス)を示す信号である。そして、次のステップS615では、外部信号の出力を行う。図4に示すように、外部集中端子板100に対して信号を送信する。
次のステップS616では、乱数更新処理を行う。この処理は、リール31の回転開始時のランダム遅延を行うとき(擬似遊技を終了し、通常遊技を開始するとき)等に、乱数を更新し、各リール31ごとに乱数値に基づく遅延処理を実行する。なお、擬似遊技、ランダム遅延については後述する。
次のステップS617では、ステップS602で退避したレジスタ値を復帰させ、次回割込みの許可を行う。具体的には、割込み処理開始時に記憶していたレジスタデータを復帰するとともに、次回の割込み処理を開始できるように、割込禁止フラグをオフにする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上の処理に示すように、2.235msごとの割込み処理により、貯留数表示LED71、獲得数表示LED72、状態表示LED73(73a〜73g)、設定値表示LED63の点灯/消灯が制御される。
さらに、割込み処理ごとに、第1サブ制御基板80に未送信の制御コマンドがコマンドバッファに記憶されているときは、その送信処理が行われる。
なお、図25の復帰不可能エラーにおいてステップS61で示したように、復帰不可能エラー処理時には、割込み処理を行わない。
復帰不可能エラーは、通常では起こり得ない重大なエラーであり、異常データに基づく処理(入力ポートからのデータに基づくRWM61のデータ更新や、第1サブ制御基板80への制御コマンドの送信)等を実行させないようにするために、割込み自体を禁止している。
いいかえれば、復帰不可能エラー時には、メイン制御基板60から第1サブ制御基板80への制御コマンドの送信が行われないので、制御コマンドセット1を実行しても意味がない。
さらに、復帰不可能エラーの発生時に、制御コマンドのバッファに未送信のコマンドが格納されていた場合は、当該コマンドを第1サブ制御基板80に送信しない。バッファに格納されている制御コマンドが正しくないおそれがあるからである。
図49は、図48のステップS606におけるLED表示制御(IS_LED_OUT)を示すフローチャートである。
先ず、ステップS621では、出力ポート0及び1がオフにされる。図12に示すように、出力ポート0は、デジット信号に対応する出力ポートであり、出力ポート1は、セグメント信号に対応する出力ポートである。これらの出力ポート0及び1について、「00000000」を出力することで、一旦、全LEDの出力を行わないようにする。これにより、LEDの表示を切り替える際に、一瞬でも異なるLEDが同時に点灯して見えてしまうこと(被って表示されてしまうこと)を防止している(残像防止)。
次のステップS622では、LED表示要求カウンタを更新する。図9に示すように、LED表示要求カウンタの更新は、オンすなわち「1」となっているビットを右に一桁シフトする処理である。この更新後の値を、RWM61の所定の記憶領域及びBレジスタに記憶する。そして、ステップS623に進む。
ステップS623では、LED表示要求カウンタが「0」であるか否かを判断する。すなわち、ステップS622で更新した後のLED表示要求カウンタが「0」であるか否かを判断する。「0」であると判断されたときはステップS624に進み、「0」でないと判断されたときはステップS625に進む。
ステップS624では、LED表示要求カウンタを初期化する。ここでは、LED表示要求カウンタの初期化を「00010000」にして、RWM61の所定の記憶領域及びBレジスタに記憶する。そしてステップS625に進む。よって、LED表示要求カウンタは、ステップS622において、「00000001」から「00000000」に更新されたときは、ステップS623で「0」であると判断されるので、ステップS624で「00010000」に更新される。すなわち、一割込み処理内で、「00000001」から「00100000」に更新される。
ステップS625では、今回の割込み処理で表示するデジットのセグメントA〜Gの表示要求の確認をセットする。
この処理では、先ず、LED表示要求フラグの値をAレジスタに記憶する。LED表示要求フラグは、図9に示すように、表示してもよいデジットがオン(「1」)、表示しないデジットがオフ(「0」)となっているフラグである。
次に、LED表示要求カウンタの値(Bレジスタ値)と、LED表示要求フラグの値(Aレジスタ値)とをAND演算(論理積)する。
たとえば、
LED表示要求カウンタの値:00001000
LED表示要求フラグ値 :00001111
AND演算後 :00001000
となる。
あるいは、たとえば、
LED表示要求カウンタの値:00010000
LED表示要求フラグ値 :00001111
AND演算後 :00000000
となる。
そして、上記AND演算の結果、「0」であるときはゼロフラグが「1」となる。
次にステップS626に進み、LED表示要求があるか否かを判断する。ここでは、ステップS625におけるゼロフラグが「1」であるか否かを判断する。「1」であるときは表示要求なしと判断し、ステップS638に進む。一方、「1」でないときは表示要求ありと判断し、ステップS627に進む。
ステップS627では、設定値データを取得する。ここでは、RWM61に記憶された現在の設定値を読み込み、Aレジスタに記憶する。次にステップS628に進み、設定値表示要求があるか否かを判断する。この判断は、上記AND演算の結果、D4ビット(デジット5)が「1」であるか(「00010000」であるか)否かを判断する。そして、設定値表示要求ありと判断したときはステップS635に進み、設定値表示要求なしと判断したときはステップS629に進む。
ステップS629では、RWM61に記憶された獲得枚数表示データを取得し、Aレジスタに記憶する。次のステップS630では、獲得枚数の下位桁の表示要求があるか否か、すなわちデジット4の表示要求であるか否かを判断する。上記AND演算の結果、D3ビット(デジット4)が「1」であるとき(「00001000」であるとき)は、表示要求ありと判断し、それ以外は表示要求なしと判断する。
獲得枚数の下位桁の表示要求ありと判断したときはステップS635に進み、表示要求なしと判断したときはステップS631に進む。
ステップS631では、獲得枚数の上位桁の表示要求があるか否か、すなわちデジット3の表示要求があるか否かを判断する。上記AND演算の結果、D2ビットが「1」であるとき(「00000100」であるとき)は、表示要求ありと判断し、それ以外は表示要求なしと判断する。
獲得枚数の上位桁の表示要求ありと判断したときはステップS634に進み、表示要求なしと判断したときはステップS632に進む。
ここで、ステップS628で設定値表示要求なしと判断され、かつステップS630及びステップS631で獲得枚数表示要求なしと判断されたときは、貯留枚数の表示要求があるということを意味する。したがって、貯留枚数の表示要求があるときはステップS632に進み、貯留枚数読み込み(図30)を行う。そして、読み込んだ貯留枚数データをAレジスタに記憶する。
次にステップS633に進み、今回の割込み処理時の表示要求が、貯留枚数の下位桁(デジット2)の表示要求であるか否かを判断する。上記AND演算の結果、D1ビットが「1」であるとき(「00000010」であるとき)は、下位桁表示要求ありと判断し、ステップS635に進む。これに対し、D1ビットが「1」でないときは、D0ビットが必ず「1」であるはずである。すなわち、貯留枚数の上位桁(デジット1)の表示要求があると判断することができる。したがって、この場合にはステップS634に進む。
ステップS634では、表示データを、貯留枚数の上位桁の表示データに修正する処理を行う。具体的には、Aレジスタに記憶した値の上位4ビットと下位4ビットとを入れ替える処理を行う。
具体的には、貯留枚数の表示データが「08」、すなわち「0000/1000」(なお、上位4ビットと下位4ビットとの間に「/」を表記する)であるときは、「1000/0000」に変換する。また、たとえば貯留枚数が「41」、すなわち「0100/0001」であるときは、「0001/0100」に変換する。そして、ステップS635に進む。
ステップS635では、LEDテーブルのオフセットを生成する。具体的には、Aレジスタ値と、「00001111」とのAND演算(論理積)を行う。この処理は、その後に実行されるセグメントデータを取得するための処理である。そして、その演算結果をAレジスタに記憶する。
たとえば、Aレジスタ値が「10000000」であるときは、「00000000」となる。
また、Aレジスタ値がたとえば「10101100」であるときは、「00001100」となる。
さらにまた、Aレジスタ値がたとえば「00010100」であるときは、「00000100」となる。
ここで記憶されるAレジスタ値が後述するオフセット値となる。
次にステップS636に進み、LEDセグメントテーブルをセットする。この処理は、ROMに記憶されたLEDセグメントテーブルのアドレスをセットする処理である。LEDセグメントテーブルは、図10に示すものであり、先頭アドレスは、「1211」である。
次のステップS637では、セグメントA〜Gの出力データを取得する。ここでは、LEDセグメントテーブルのアドレスにAレジスタ値(オフセット値)を加算することにより、セグメントデータを取得する。そして、取得したデータをHレジスタに記憶する。
たとえば、Aレジスタ値が「00000000」であるときは、オフセット値は「0」であるので、アドレス「1211」のセグメントデータ、すなわち「00111111」を取得し、Hレジスタに記憶する。この結果、表示内容は「0」となる。
また、Aレジスタ値がたとえば「00000100」(オフセット値が「4」)であるときは、アドレス「1215」のセグメントデータ、すなわち「01100110」を取得し、Hレジスタに記憶する。この結果、表示内容は「4」となる。
さらにまた、Aレジスタ値がたとえば「00001100」(オフセット値が「C」)であるときは、アドレス「121D」のセグメントデータ、すなわち「00111001」を取得し、Hレジスタに記憶する。この結果、表示内容は「C」となる。
次にステップS638に進み、セグメントPの表示要求があるか否かを判断する。ここでは、上述したメダル管理フラグに記憶されているデータをAレジスタに記憶する。
メダル管理フラグは、上述したように、
D0:スタートスイッチ41が操作可であるときに「1」
D1:未使用
D2:ブロッカ45がオン状態(メダルの手入れが可能な状態)のときに「1」
D3:リプレイ作動時(メダルが自動投入された状態)のときに「1」
D4:精算処理中であるときに「1」
D5:未使用
D6:設定変更不可フラグ(設定変更が不可状態であるときに「1」)
D7:メダル限界判定(メダル限界枚数であるときに「1」)
からなる1バイトデータである。
そして、メダル管理フラグのデータを記憶したAレジスタ値と、LED表示要求カウンタの値を記憶したBレジスタ値とのAND演算を実行する。そして、AND演算の結果、「0」であるときは、セグメントPの表示要求なしと判断し、「0」でないときは、セグメントPの表示要求ありと判断する。
たとえば、
Aレジスタ値:00001101
Bレジスタ値:00001000
AND演算後:00001000(Aレジスタ)
となり、表示要求ありとなる。
また、たとえば
Aレジスタ値:00000101
Bレジスタ値:00001000
AND演算後:00000000(Aレジスタ)
となり、表示要求なしとなる。
セグメントPの表示要求あり(AND演算後のAレジスタ値が「0」でない)と判断されたときはステップS639に進み、表示要求がないと判断されたときはステップS640に進む。
ステップS639では、セグメントPの出力データをセットする。この処理は、Hレジスタ(ステップS637で記憶したデータ)のD7ビット、すなわち今回の割込み処理において表示要求のあるデジットのD7ビットを「1」にする処理である。
上記のAND演算により、たとえば、今回の割込み処理において表示要求のあるLED(LED表示要求カウンタにおいて「1」となっているデジット)がデジット1であり、そのセグメントPに対応するD7ビットが「1」となったときは、図8に示すように、遊技開始LED73dが点灯対象となる。すなわち、デジット1(貯留数表示LED71の上位桁)と遊技開始LED73dとが同時に点灯する。
同様に、今回の割込み処理において表示要求のあるLEDがデジット3であり、そのセグメントPに対応するD7ビットが「1」となったときは、投入可表示LED73bとデジット3とが同時に点灯する。
また、今回の割込み処理において表示要求のあるLEDがデジット4であり、そのセグメントPに対応するD7ビットが「1」となったときは、リプレイ表示LED73aとデジット4とが同時に点灯する。
さらにまた、今回の割込み処理において表示要求のあるLEDがデジット5であり、そのセグメントPに対応するD7ビットが「1」となったときは、精算表示LED73cとデジッ5とが同時に点灯する。
以上のように、本実施形態では、デジット1〜5の各LEDを表示する場合には、セグメントA〜Gに対応するD0〜D6ビットの7種類があれば十分であるが、8ビットの1バイトデータを用いる際にD7ビットが余るので、そのD7ビットを有効活用し、状態表意LED73中、73a〜73dの点灯制御に用いている。
そして、ステップS640に進み、LED表示データの出力を行う。具体的には、Bレジスタ値(どのデジットをオンにするか)を出力ポート0のアドレスに書き込み、Hレジスタ値(どのセグメントをオンにするか)を出力ポート1のアドレスに書き込む。これにより、該当デジットの該当セグメントが点灯する。
以上のように、本実施形態では、1回の割込み処理で、1つのデジットを点灯させる。すなわち、1回の割込みごと(2.235msごと)に、デジット5→デジット4→・・・→デジット1→デジット5→・・・と点灯対象となるLEDを切り替える。よって、たとえばデジット1である貯留数表示LED71の上位桁を点灯させた後、次に点灯させるのは、5割込み後である「11.18ms」後である。
ここで、LEDの輝度は、点灯時から次の点灯時までに何msの時間間隔を有するかで定まる。本実施形態では、1つのデジットは、上述したように「11.18ms」ごとに1回点灯するように制御されるが、遊技者(ヒト)の目からみれば、デジット1〜4は、ほぼ、常時点灯しているように見えるので、何ら支障はない。
一方、復帰不可能エラーの際には、上述したように、0.128msごとに上位桁と下位桁との点灯切替えを繰り返すので、切替え周期は、割込み周期よりも早くなり、割込み処理におけるLED点灯輝度よりも輝度が高くなる。
図50は、図48において、電源断を検知し、ステップS618に進んだときの電源断処理(IS_POWER_DOWN )を示すフローチャートである。
先ず、ステップS651では、全出力ポート(0〜6)の出力をオフにする。次にステップS652に進み、電源断実行処理フラグ(図20のステップS13等を参照)をRWM61に記憶する。この処理は、電源断割込み処理が実行されていることを示すデータをRWM61に記憶する処理である。
次のステップS653では、制御コマンド読み込みポインタを偶数(1回目)に設定する。上述したように、制御コマンドを送信する場合には、第1制御コマンドと第2制御コマンド(2つの制御コマンド)とを送信する。また、後述するように、1の割込み処理により第1制御コマンドを送信する処理と第2制御コマンドを送信する処理とを、2回実行する。しかし、1回目の制御コマンドを送信した後、2回目の制御コマンドを送信する前に電源断が発生する場合がある。この場合には、再度、1回目の制御コマンドから送信し直す。
したがって、ステップS653の処理は、このような場合に、制御コマンドが記憶されているバッファのアドレスを指定する読み込みポインタを偶数に設定するものである。たとえば、読み込みポインタが「00011111」であったときは、「00011110」に設定する。また、「00011110」のように最初から偶数であるときは、そのままとする。この処理により、指定されるアドレスのバッファが常に偶数となり、第1制御コマンドが格納されているバッファとなる。これにより、簡素なプログラム処理により確実に2度制御コマンドを送信することが可能となる。
次のステップS654では、RWM61のチェックサムデータを算出する。この処理は、プログラムで使用する作業領域(RWM61)を含むチェックサムを算出するものであり、対象となるプログラム使用領域としては、プログラム作業領域、未使用領域、スタックエリア等が挙げられる。
そして、次のステップS655で、チェックサムの全範囲の算出が終了したか否かを判断し、終了していないと判断したときはステップS654に戻ってチェックサムの算出を継続する。一方、チェックサムの算出が終了したと判断したときはステップS656に進む。
ステップS656では、RWM61のチェックサムをRWM61に記憶する。ここで、RWM61に記憶するデータは、再度、RWM61のチェックサムを行うと、「0」を示すデータとなる値(補数データともいう)に加工している。これにより、プログラム開始時においてRWM61のチェックサムを実行する場合に、RWM61の値が正しいか否かは「0」か否かを判定するだけで済むため、プログラム処理の簡素化や処理時間の短縮につながる。そして、ステップS657に進み、リセット待ち状態にする。ここでは、電圧が所定値になると、メイン制御基板60に設けられた電圧監視装置(電源断検出回路)からリセット信号が出力されるので、そのリセット信号の出力を待つ状態となる。ここで、電圧監視装置は、電源電圧が所定値以下になったときには、図11中、入力ポート2のD0ビットに電源断検知信号が入力され、その後、コンデンサと抵抗からなる回路によって所定時間経過した後にリセット信号がMPUに入力されるように構成されている。このとき、電源断時の処理が正常に実行されるような時間となるようにコンデンサや抵抗値が設計されている。
図51は、図48のステップS612における入力エラーチェック処理(IS_ERROR_CHK)を示すフローチャートである。また、図52は、メダルに関するエラーの番号、種類及び内容を示す図である。
まず、入力エラーチェック処理を説明するために必要な、RWM61に記憶されるデータについて説明する。なお、以下に示すデータは、入力エラーチェック処理の説明で用いるデータであり、RWM61に記憶されるデータは、これらのデータに限られるものではない。
a)入力ポート1レベルデータ
入力ポート1レベルデータは、割込み処理ごとに、図11中、入力ポート1からの入力信号(D0〜D7ビット)を読み込み、オンの場合は「1」、オフの場合は「0」とするデータである。たとえばD0ビットの通路センサ43aの信号(のみ)がオン(「1」)であるときは、入力ポート1レベルデータは、「00000001」となる。
b)入力ポート1立ち上がりデータ
入力ポート1レベルデータの更新ごと、すなわち割込み処理ごとに演算されるデータであり、前回割込み時のデータが「0」(オフ)で、今回割込み時のデータが「1」(オン)であるときに「1」とするデータである。
たとえば、前回割込み処理時の入力ポート1レベルデータが「00000000」であり、今回割込み処理時の入力ポート1レベルデータが「00000001」であるとき、入力ポート1立ち上がりデータは、「00000001」となる。
c)入力ポート2レベルデータ
入力ポート2レベルデータは、上記の入力ポート1レベルデータと同様に、割込み処理ごとに、図11中、入力ポート2からの入力信号(D0〜D7ビット)を読み込み、オンの場合は「1」、オフの場合は「0」とするデータである。
d)ブロッカ信号及びホッパーモータ駆動信号データ
ブロッカ信号及びホッパーモータ駆動信号データは、上記のレベルデータ等と同様に、D0〜D7ビットからなる8ビットデータであり、このうち、ブロッカ信号としてD6ビット、ホッパーモータ駆動信号としてD7ビットが用いられる(D0〜D5ビットは未使用)。したがって、D6及びD7ビットの対応関係は、出力ポート3(図12)と同一となる。
ブロッカ45をオンにするときは、D6ビットが「1」となり、ホッパーモータ36をオンにするときはD7ビットが「1」にされる。より具体的には、メインループ内でブロッカ信号及びホッパーモータ駆動信号データを更新し、割込み処理内でブロッカ信号及びホッパーモータ駆動信号データに基づいて出力ポート3のデータを生成し、ブロッカ45等を制御している。
e)投入センサ異常入力検出開始時間データ
投入センサ異常入力検出開始時間データは、投入センサ44a及び44bの異常入力検出を行うためのタイマ値である。本実施形態では、ブロッカ45がオフになったときに初期値として「224」をセットし、一割込みごとに「1」ずつ減算する。そして、この値が「0」となったときに、投入センサ44a及び44bがメダルを検知しているときはエラーとする。
f)投入監視カウンタ
投入監視カウンタは、通路センサ43aの通過異常検出を監視するデータである。本実施形態では、入力ポート1立ち上がりデータにおいて、通路センサ43a(D0ビット)が「1」であるときに「1」加算され(後述する図51のステップS1108)、メダルが正常に通過したと判断したときに「1」減算される(図38のステップS250)。また、このカウント値を、複数遊技にわたる累積値としないようにするため、図31のステップS165においてクリアする。
g)通路センサ滞留時間
通路センサ滞留時間は、通路センサ43aの異常通過検出を行うためのタイマ値である。本実施形態では、通路センサ43aの異常検出を開始するときに「200」の値をセットし、一割込みごとに「1」ずつ減算する。そして、「0」となったときでも通路センサ43aがメダルを検知しているときはエラーとする。
h)ブロッカオフ時監視時間
ブロッカオフ時監視時間は、メダルセレクタとブロッカ45との間でメダルの挟み込みを防止するための時間を監視するタイマ値である。通路センサ43aの立ち上がりデータを検知したときに、初期値として「45」をセットし、一割込みごとに「1」ずつ減算する。そして、この値が「0」となる前まではブロッカ45をオフからオンにしない。
i)払出しセンサ1異常検出データ
払出しセンサ1異常検出データは、払出しセンサ1(37a)への異常入力を検出するためのデータである。その範囲は、「0」〜「4」をとり、発生したエラー番号を特定するときに用いられる。
j)払出しセンサ2異常検出データ
払出しセンサ2異常検出データは、払出しセンサ2(37b)への異常入力を検出するためのデータである。上記の払出しセンサ1(37a)異常検出データと同様に、「0」〜「4」の範囲をとり、発生したエラー番号を特定するときに用いられる。
k)異常入力フラグ
異常入力フラグは、D0〜D7ビットからなる8ビットデータであるが、これらのビットのうちD4〜D6ビットが用いられる(D0〜D3、及びD7は未使用)。D4ビットは、通路センサ43aの滞留異常が生じたときにオン(「1」)となり、D5ビットは、投入センサ2(44b)の異常入力が生じたときにオン(「1」)となり、D6ビットは、払出しセンサ37の異常入力が生じたときにオンとなる。
図51において、ステップS1101〜ステップS1106は、C0エラー(投入センサ2の異常)の有無を判断し、ステップS1107〜ステップS1112は、CHエラー(通路センサ43aの異常)の有無を判断し、ステップS1114〜ステップSステップS1127は、H0エラー(払出しセンサ37aの異常)の有無を判断している。
まず、ステップS1101では、投入関連エラーであるか否かを判断する。ここで、「投入関連エラー」とは、図52中、エラー番号「4」〜「8」のいずれかを指す。
ステップS1101では、以下の処理を実行する。
(1)「_NB_ERR_** 」の値をAレジスタに記憶する。
(2)CレジスタにAレジスタ値を記憶する。
(3)Aレジスタから「_NB_ERR_CE」(=「4」)を減算し、減算結果をAレジスタに記憶する。
(4)Aレジスタ値から「5」を減算し、演算結果が「0」未満のときは、「C(キャリーフラグ)=1」とする。
(5)「C=1」であるとき、投入関連エラーであると判断する。
たとえばHPエラー時では、
Aレジスタ値=1
「1」−「4」=「253」(=「−3」)
「253」−「5」>0
よって、C≠1
となる。
また、CEエラー時には、
Aレジスタ値=4
「4」−「4」=「0」
「0」−「5」<0
よって、C=1
となる。
次のステップS1102では、ブロッカ信号オンの検査を実行する。ここでは、ブロッカ信号及びホッパーモータ駆動信号データの値をAレジスタに記憶する。そして、Aレジスタ値と「01000000」とのAND演算を実行し、その演算結果をAレジスタに記憶する。この処理により、Aレジスタ値は、
ブロッカ信号オン時:「01000000」
ブロッカ信号オフ時:「00000000」
のいずれかとなる。
次のステップS1103における「投入センサ異常入力検出開始時間有効検査」は、Aレジスタ値と、投入センサ異常入力検出開始時間データとをOR演算する処理を実行する。
ここで、投入センサ異常入力検出開始時間データは、上述したように、ブロッカ45がオフになったときに初期値として「224」をセットし、この値を一割込みごとに「1」ずつ減算し、「0」となったときに投入センサ44がメダルを検知しているときはエラーとする。
このように処理するのは、ブロッカ45がオフになった後、「224」割込み(約500ms)間は、投入センサ44がメダルを検知する可能性があるので、ブロッカ45がオフになった後、「224」割込み時間の経過後に、投入センサ44の入力を判断するようにしている。
次にステップS1104に進み、投入センサ異常検出検査の有無を判断する。ここでは、ステップS1103での演算結果が「0」(ゼロフラグが「1」)であるか否かを判断し、「0」であるときは「Yes」(投入センサ異常検出検査有り)と判断する。なお、投入センサ異常検出検査とは、ブロッカ45が正常にオフになっており、かつ、投入センサ異常入力検出開始時間データが「0」であるときに、投入センサ44のオン/オフを判断し、ゴト器具等が挿入されていないか等を判断するための検査である。
ステップS1104で「Yes」であるときはステップS1105に進み、ステップS1104で「No」であるときはステップS1107に進む。
ここで、ステップS1104で「Yes」であるときは、Eレジスタに「00100000」を記憶する。このEレジスタ値は、ステップS1106における入力エラーセット処理で使用する。
ステップS1105では、投入センサ2(44b)の異常検出があるか否かを判断する。ここでは、入力ポート2レベルデータのD2ビットが「1」であるか否かを判断する。D2ビットが「1」であるときは「Yes」と判断し、ステップS1106に進み、「No」と判断したときはステップS1107に進む。
ここで、ステップS1105において「Yes」ということは、ブロッカ45がオフ、かつ投入センサ異常入力検出開始時間データが「0」であるにもかかわらず、投入センサ44bがメダルを検知したこと(すなわち、不正等の異常であること)を意味する。
ステップS1106では、入力エラーセット処理(IS_ERROR_SET;後述する図53)を行う。そしてステップS1107に進む。
ステップS1107では、通路センサ43aの立ち上がりがあるか否かを判断する。ここでは、入力ポート1立ち上がりデータのD0ビットが「1」であるか否かを判断する。D0ビットが「1」であるとき、「Yes」と判断してステップS1108に進み、「No」と判断したときはステップS1110に進む。
ステップS1108では、投入監視カウンタを「+1」加算する処理を実行する。次にステップS1109に進み、通路センサ滞留時間及びブロッカオフ時監視時間をセットする。この処理は、通路センサ滞留時間に初期値「200」をセットし、かつ、ブロッカオフ時監視時間に初期値「45」をセットする処理である。これらの値は、割込み処理時ごとに「1」ずつ減算される。
次にステップS1110に進み、通路センサ43aがオンであるか否かを判断する。この処理は、入力ポート1レベルデータのD0ビットが「1」であるか否かを判断し、「1」であるときは「Yes」と判断してステップS1111に進み、「1」でないときは「No」と判断してステップS1113に進む。ここで、ステップS1110で「Yes」であるときは、Eレジスタに「00010000」を記憶する。このEレジスタ値は、ステップS1112における入力エラーセット処理で使用する。
ステップS1111では、通路センサ43aの滞留時間を経過したか否かを判断する。この処理は、通路センサ滞留時間の値をAレジスタに記憶し、Aレジスタ値が「0」であるとき、「Yes」と判断する。ステップS1111で「Yes」と判断したときはステップS1112に進み、「No」と判断したときはステップS1113に進む。
ステップS1112では、入力エラーセット処理(IS_ERROR_SET)を行う。そしてステップS1113に進む。
ステップS1113では、HPエラー(エラー番号1のメダル詰まりエラー)時であるか否かを判断する。ここでは、Cレジスタ値から「1」を減算し、その演算結果が「0」であるときはHPエラー時であると判断し、「0」でないときはHPエラー時でないと判断する。なお、Cレジスタには、ステップS1101において、エラー番号に対応する値が記憶されている。
HPエラー時であると判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、HPエラー時でないと判断したときはステップS1114に進む。
ステップS1114における「払出しセンサ1(37a)異常検出データRWMアドレスセット」では、払出しセンサ1異常検出データをHLレジスタに記憶する処理を行う。
次のステップS1115における「払出しセンサ2(37b)異常検出データRWM下位アドレスセット」では、払出しセンサ2異常検出データをDEレジスタに記憶する処理を行う。
次のステップS1116における「払出しセンサ1マスクデータ及び払出しセンサ1ビットセット」では、Bレジスタ及びCレジスタに「00001000」を記憶する処理を実行する。
次にステップS1117に進み、ホッパーモータ36の駆動信号がオンであるか否かを判断する。この処理は、「ブロッカ信号及びホッパーモータ駆動信号データ」のD7ビットが「1」であるか否かを判断し、「1」であるときは「Yes」と判断する。ステップS1117で「Yes」のときはステップS1118に進み、「No」であるときはステップS1119に進む。また、ステップS1117で「Yes」のときは、DEレジスタ値とHLレジスタ値とを交換する。これにより、HLレジスタ値は「払出しセンサ2異常検出データ」となり、DEレジスタ値は「払出しセンサ1異常検出データ」となる。このように処理するのは、ホッパーモータ駆動信号がオンであるときは払出しセンサ2を検査対象とし、ホッパーモータ駆動信号がオフであるときは払出しセンサ1を検査対象とするためである。
ステップS1118における「払出しセンサ1,2マスク及び払出しセンサ2ビットセット」では、Bレジスタに「00011000」を記憶し、Cレジスタに「00010000」を記憶する処理を実行する。
次のステップS1119では、払出しセンサチェック用データを生成する。この処理は、具体的には、以下の処理からなる。
(1)入力ポート2レベルデータをAレジスタに記憶する。
(2)Aレジスタ値とBレジスタ値とをAND演算し、その演算結果をAレジスタに記憶する。
具体的には、ステップS1117で「Yes」のときは、Bレジスタ値は「00011000」であるので、この値と入力ポート2レベルデータ値とAND演算すると、D3及びD4ビット以外が「0」となる。
一方、ステップS1117で「No」のときは、Bレジスタ値は、ステップS1116でセットした値(00001000)になるので、この値と入力ポート2レベルデータ値とAND演算すると、D3ビット以外が「0」となる。
(3)Aレジスタ値からCレジスタ値を減算し、Aレジスタ値とCレジスタ値とが一致すると判断したとき、すなわち減算結果が「0」であるとき、ゼロフラグを「1」にする。このゼロフラグは後の処理で用いられる。
具体的には、ステップS1117で「Yes」のときは、Aレジスタ値は、D3及びD4ビット以外が「0」であるので、この値からCレジスタ値(00010000)を減算し、減算結果が「0」であるとき(すなわちゼロフラグが「1」となるとき)は、払出しセンサ1(37a)がオフ、かつ払出しセンサ2(37b)がオンであるときを意味する。
また、ステップS1117で「No」のときは、Aレジスタ値はD3ビット以外が「0」であるので、この値からCレジスタ値(00001000)を減算し、減算結果が「0」であるとき(すなわちゼロフラグが「1」となるとき)は、払出しセンサ1(37a)がオンであるときを意味する。
次のステップS1120における「異常検出データクリア用データセット」では、Aレジスタに「0」を記憶する処理を実行する。次のステップS1121における「チェックを行わないセンサの異常検出データクリア」では、DEレジスタ値が示す番地、すなわち「払出しセンサ1異常検出データ」又は「払出しセンサ2異常検出データ」のデータに、Aレジスタ値「0」を記憶する。
次にステップS1122に進み、払出しセンサ(1又は2)の異常を検出したか否かを判断する。ここでは、上述のゼロフラグが「1」であるか否かを判断する。ゼロフラグが「1」であるときは異常を検出したと判断してステップS1123に進む。一方、ゼロフラグが「1」でないときは異常を検出しないと判断してステップS1125に進む。
上述したように、ゼロフラグが「1」となるのは、ステップS1117で「Yes」のときは払出しセンサ1(37a)がオフ、かつ払出しセンサ2(37b)がオンであるときであり、ステップS1117で「No」のときは、払出しセンサ1(37a)がオンであるときである。
ステップS1123では、払出しセンサ(1又は2)の異常検出時間が経過したか否かを判断する。上述したように、ステップS1117で「Yes」のときは払出しセンサ2(37b)の時間が対象となり、ステップS1117で「No」のときは、払出しセンサ1(37a)の時間が対象となる。ここでの処理は、Aレジスタ値を、HLレジスタが示す番地、すなわち「払出しセンサ1異常検出データ」又は「払出しセンサ2異常検出データ」に記憶する。そして、Aレジスタ値から「4」を減算し、その演算結果が「0」未満であるときは、C(キャリーフラグ)=「1」とする。そして、C(キャリーフラグ)が「1」であるか否かを判断し、「1」でないときは「Yes」、「1」であるときは「No」と判断する。
たとえば、Aレジスタ値=「1」のとき、
1−4<0
となるので、C(キャリーフラグ)=「1」となり、「No」と判断する。
また、たとえばAレジスタ値=「4」のとき、
4−4=0
となるので、C(キャリーフラグ)≠「1」となり、「Yes」と判断する。
ステップS1123で「Yes」のときはステップS1125に進み、「No」のときはステップS1124に進む。
ステップS1124における「払出しセンサ1又は2異常検出データ+1データ生成」では、Aレジスタ値を「1」加算する処理を実行する。
次のステップS1125における「払出しセンサ1又は2異常検出データ更新」では、Aレジスタ値をHLレジスタが示す番地に記憶する。そして、Aレジスタ値から「4」を減算し、その演算結果が「0」未満であるときは、C(キャリーフラグ)=「1」とする。また、Eレジスタに「01000000」を記憶する。このEレジスタ値は、ステップS1127における入力エラーセット処理で使用する。
次のステップS1126では、払出しセンサ1又は2の異常検出時間が経過したか否かを判断する。この処理は、C(キャリーフラグ)=「1」であるか否かを判断し、「1」でないときは「Yes」、「1」であるときは「No」と判断する処理を実行する。
ステップS1126で「Yes」と判断したときはステップS1127に進み、ステップS1126で「No」と判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。ステップS1127では、入力エラーセット処理(IS_ERROR_SET)を実行する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
図53は、図51における「入力エラーセット処理(IS_ERROR_SET)」を示すフローチャートである。
ステップS1141における「異常入力フラグ更新」では、以下の処理を実行する。
(1)異常入力フラグに記憶されているデータをAレジスタに記憶する。
(2)Aレジスタ値をDレジスタに記憶(退避)する。
(3)Aレジスタ値とEレジスタ値とをOR演算し、その演算結果をAレジスタに記憶する。なお、上述したように、入力エラーセット処理がたとえばステップS1106の処理であるときは、ステップS1104で「Yes」となったときにEレジスタに「00100000」が記憶される。
(4)Aレジスタ値を、異常入力フラグに記憶(更新)する。
次に、エラーを送信するか否かのデータと、送信する場合のコマンドを生成する。
(5)Dレジスタ値をAレジスタに記憶する。
(6)Aレジスタ値とEレジスタ値(ステップS1104、S1110、又はS1125で設定された値)とをAND演算し、その演算結果をAレジスタに記憶する。
たとえば、ステップS1110でEレジスタに「00010000」が記憶され、ステップS1112で入力エラーセット処理を実行する場合を例に挙げると、Aレジスタ値が「01000000」であるとき、
Aレジスタ値:01000000
Eレジスタ値:00010000
Aレジスタ値:00000000(AND演算後)
となる。
また、たとえば、ステップS1125でEレジスタに「01000000」が記憶され、ステップS1127で入力エラーセット処理を実行する場合を例に挙げると、Aレジスタ値が「01010000」であるとき、
Aレジスタ値:01010000
Eレジスタ値:01000000
Aレジスタ値:01000000(AND演算後)
となる。
(7)Aレジスタ値とEレジスタ値とをXOR演算する。
たとえば、
Aレジスタ値:00000000
Eレジスタ値:00010000
Aレジスタ値:00010000(XOR演算後)
となる。
また、たとえば、
Aレジスタ値:01000000
Eレジスタ値:01000000
Aレジスタ値:00000000(XOR演算後)
となる。
次にステップS1142に進み、異常入力エラー検出時であるか否かを判断する。ここでは、Aレジスタ値が「0」(ゼロフラグ=「1」)であるときは「No」と判断し、Aレジスタ値が「0」でないときは「Yes」と判断する。「No」と判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、「Yes」と判断したときはステップS1143に進む。
以上の処理により、ステップS1141における異常入力フラグの更新前後で変化があった場合にのみ、ステップS1142で異常入力エラーが検出される。
ステップS1143では、エラー表示開始時の出力要求セット処理を行う。この処理は、Dレジスタに「00000001」を記憶する処理である。そして、ステップS1144に進み、制御コマンドセット2(SS_CMD_SET)を実行する。これにより、制御コマンドデータがRWM61に記憶され、エラーコマンドが第1サブ制御基板80に送信される。そして本フローチャートによる処理を終了する。
なお、スタートスイッチ41の操作後にエラーを検出したときは、全リール31が停止した後(図26中、ステップS113とS114との間)にエラー表示処理(図47)を実行する。また、全リール31の停止後にエラーを検出したときは、図26中、ステップS108の直前にエラー処理を実行する。
換言すると、メイン制御基板60は、入力エラーチェック処理においてエラーコマンドを送信した後、すぐに遊技を停止させることはないものの、後述するように、第1サブ制御基板80は、すぐにエラー報知を行う。このように構成することにより、遊技者による遊技については特定の処理が実行されるまでは進行することができるとともに、エラー報知についてはすぐに実行されるため、ホール店員等はすぐにエラーが発生したことを知ることができる。これにより、エラー発生に伴う不利益を遊技者やホールに与えることがない効率的なプログラムを実現できる。
図54は、図48のステップS613における制御コマンド送信を示すフローチャートである。
先ず、ステップS661では、制御コマンドバッファのアドレスをセットする。メイン制御基板60から第1サブ制御基板80に送信する制御コマンドのデータは、RWM61内において、アドレスに対応付けられたバッファに記憶されている。また、どのアドレスの制御コマンドデータを読み込むかを指定する読み込みポインタを示すデータについても、アドレスに対応付けられてRWM61に記憶されている。このため、ステップS661では、制御コマンドバッファの先頭アドレスと、RWM61に記憶されている読み込みポインタを記憶しているアドレスを取得する。
次にステップS662に進み、読み込みポインタを取得する。この処理は、RWM61の読み込みポインタを記憶している領域から、現在の読み込みポインタを取得する処理である。
次のステップS663では、送信対象となる制御コマンドバッファのアドレスをセットする。この処理は、制御コマンドバッファの先頭アドレスと、読み込みポインタとから、次に読み込みを行うRWM61の制御コマンドバッファのアドレスを算出する処理である。
そして、ステップS664に進み、(送信すべき)制御コマンドを有するか否かを判断する。ステップS663でセットしたアドレスに制御コマンドデータがあるときは制御コマンドありと判断され、そのアドレスのデータが「0」であるときは制御コマンドなしと判断する。制御コマンドありと判断されたときはステップS665に進み、制御コマンドなしと判断されたときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS665では、SCU3データレジスタにアドレスをセットする。本実施形態では、送信用の制御コマンドデータを保存する記憶領域として、SCU3データレジスタを使用しており、このレジスタのアドレスをセットする。
次にステップS666に進み、ステップS665でセットしたアドレス(SCU3データレジスタ)に、第1制御コマンドデータを書き込む。これにより、その第1制御コマンドデータが第1サブ制御基板80に送信される。また、送信対象となる制御コマンドバッファのアドレスのデータを「+1」にする。これにより、第2制御コマンドデータが記憶されているアドレスがセットされる。
次にステップS677に進み、ステップS666と同様に、送信対象となる第2制御コマンドデータをSCU3データレジスタに書き込む。これにより、その第2制御コマンドデータが第1サブ制御基板80に送信される。
次のステップS668では、制御コマンドの送信が完了したか否かを判断する。ここでは、読み込みポインタのデータが奇数であるか否かを判断する。奇数であるときは、2回目の送信であることを示し、偶数であるときは、1回目の送信であることを示す。
このような処理を行うのは、本実施形態では、同一の制御コマンド(第1制御コマンド及び第2制御コマンド)を、2回続けて第1サブ制御板80に送信するためである。
ステップS668において制御コマンドを送信した(読み込みポインタのデータが奇数である)と判断したときはステップS669に進み、送信していないと判断したときはステップS670に進む。
ステップS669では、送信済みの制御コマンドデータをクリアする。すなわち、制御コマンドバッファに記憶されているデータを消去し、RWM61の領域を空にする。
次にステップS670に進み、読み込みポインタのデータを「+1」更新する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上より、一割込みで、第1制御コマンドデータ及び第2制御コマンドデータの2バイトが送信されるとともに、前記一割込みの次の割込みで、前記一割込みで送信した制御コマンドと同一の第1制御コマンドデータ及び第2制御コマンドデータの2バイトが再度送信される。
一方、この制御コマンドデータを受信したサブ制御基板80側では、2回受信した制御コマンドが同一であるか否かを判断し、同一であるときは、その制御コマンドの一方を記憶し、同一でないときはその制御コマンドを記憶しない。したがって、2回の制御コマンドデータの送信において、ノイズの発生等により、同一でない制御コマンドデータが送信されたときは、第1サブ制御基板80側では、その制御コマンドデータに基づく演出処理を実行しないので、誤りのある制御コマンドデータに基づく演出の実行を防止することができる。
なお、2回受信した制御コマンドが同一でなく、かつ一方が誤りであると判断できるときは、正しい方の制御コマンドを記憶するように構成してもよい。たとえば、第1サブ制御基板80側で、メイン制御基板60から送信される制御コマンドの種類を予め記憶しておき、受信した制御コマンドは、記憶したいずれの制御コマンドとも一致しないときは、正しい制御コマンドでないと判断することが挙げられる。
また、同一の制御コマンドを受信しなかった場合に、その回数をカウントし、記憶する手段を設けてもよい。このようにすれば、スロットマシン10の回収時に、制御コマンドが不一致となった回数が何回あったかに基づいて、不正行為等があったか否かの判断材料にすることができる。
次に、第1サブ制御基板80側の情報処理について説明する。本実施形態で説明する第1サブ制御基板80の処理は、以下の通りである。
図55;プログラム開始処理及びメインループ処理
図56;電源断処理
図57;瞬断処理
図58;設定変更開始処理
図59;設定変更終了処理
図60;RWM異常時処理
図61;割込み処理
図55は、第1サブ制御基板80のプログラム開始処理及びメインループ処理を示すフローチャートである。
図55において、ステップS700で電源が投入され、第1サブ制御基板80のプログラムが開始されると、先ず、ステップS701において、第1サブ制御基板80は、割込み処理を禁止する。次のステップS702では、第1サブ制御基板80は、各種初期化処理を実行する。初期化処理としては、第1サブCPU82やRWM81の初期化が挙げられる。
なお、ここで初期化するRWM81は、第1サブCPU82に内蔵されたRWM(レジスタ)ではなく、第1サブ制御基板80上に搭載されるととともにMPU(第1サブCPU82)の外部に設けられたRWMを指す。そして、図55及び図56の説明においてRWM81というときは、この外部RWMを示す。また、ステップS702における当該RWM81の初期化は、電源断によって初期化すべき範囲の初期化(電源断で消去すべきデータの消去)を意味する。
次のステップS703では、第1サブ制御基板80は、チェックサムが一致するか否かを判断する。この処理は、電源投入時にチェックサムを算出し、電源断時にRWM81に記憶していたチェックサムと対比することで、一致するか否かを判断する。
チェックサムが一致すると判断したときはステップS704に進み、チェックサムが一致しないと判断したときはステップS705に進む。
ステップS704では、第1サブ制御基板80のメインループ、すなわち本図のステップS710における「1コマンド処理」中に電源断が発生したか否かを判断する。そして、1コマンド処理中に電源断が発生したと判断したとき(ステップS704で「Yes」のとき)は、本フローチャートによる処理を終了し、電源断前に実行していた1コマンド処理中のプログラムに戻る。これに対し、1コマンド処理中に電源断が発生していないと判断したときはステップS706に進む。
一方、ステップS703からステップS705に進むと、RWM81をクリアする。ここでのRWM81のクリアは、ステップS702で初期化の対象となっていなかったデータについてもクリアすることを意味する。たとえば、RWM81には、電源断ごとに消去(クリア)するデータと、電源断のみでは消去しないデータとが記憶される。電源断のみでは消去しないデータとしては、たとえば、AT終了時から次のATが発動するまでの遊技回数(天井ゲーム数)、第1サブ制御基板80側で管理するサブ遊技状態(ATの当選しやすさを示すステージ(高確率状態、低確率状態等))、演出ステージ等が挙げられる。
ステップS704又はステップS705からステップS706に進むと、第1サブ制御基板80のメインループ処理が開始される。
まず、ステップS706では、第1サブ制御基板80は、実装されているウォッチドッグタイマをクリアする。次にステップS707に進み、ウォッチドッグタイマの動作処理(計測)を開始する。ウォッチドッグタイマは、第1サブCPU82の暴走判定用のパルスを出力するとともに、このパルスの出力数をカウントし続ける。そして、後述するようにウォッチドッグタイマがクリアされるまでにパルス数のカウント値(時間値)が所定値(たとえば「500ms」)となったときは、第1サブCPU82が暴走していると判定し、第1サブ制御基板80の処理を電源投入時の処理に移行する。
次に、ステップS708に進み、(ステップS701で禁止していた)割込み処理を許可する。このステップS708において割込み処理が許可されると、後述する図61に示す割込み処理が行われる。そして、この割込み処理において、演出用データや認証データ等を第2サブ制御基板90に送信する。
メインループ中に、割込み処理が許可されると、メインループを一旦抜けて、予め定められた割込み処理(図61)を実行する。その割込み処理の実行後、再度、メインループに戻る。この処理を定期的に行う。その割込み時間の間隔は、本実施形態では1msである。すなわち、1ms間隔の割込み処理ごとに、後述する図61の処理(制御コマンドを第2サブ制御基板90に送信する処理)を実行する。
次のステップS709では、16ms毎処理(1フレーム毎処理)を行う。第1サブ制御基板80で実行する処理は、16ms毎に1回行う処理(16ms毎処理、又は1フレーム処理)と、16ms以内で行う1コマンド処理とを有する。そして、ステップS709では、これらの処理のうち、16ms毎処理を実行する。
16ms毎処理としては、画像表示装置23(液晶ディスプレイ)が正常に動作しているか否かの監視、スピーカ22の音源アンプが正常に動作しているか否かの監視、電源投入時間の計測、第2サブ制御基板90に送信する制御コマンドをコマンドバッファに記憶する処理、プッシュボタン83や十字キー84の操作に基づくレベルデータや立ち上がりデータ等の生成、ATの抽選に用いる乱数の更新、エラー時間やリール31の駆動時間の計測等を実行する。
次に、ステップS710に進み、1コマンド処理(一命令に対する処理)を実行する。1コマンド処理としては、たとえばATの抽選、サブ状態の移行抽選、演出抽選、第2サブ制御基板90に送信すべき制御コマンドの作成等が挙げられる。
さらに、1コマンド処理として、系統の異なるコマンド(たとえば、第1系統コマンドと第2系統コマンド)を受信した場合には、それぞれのコマンドに対して1コマンド処理を実行する。
たとえば、第1系統コマンドとして、遊技の進行をスムーズに行うために必要なコマンド(役抽選結果を示すコマンド、エラー番号のコマンド、設定変更の開始のコマンド等)とし、第2系統コマンドとして、遊技の進行に直接影響を与えないコマンド(役抽選を行わないときのスタートスイッチ41が操作されたコマンド、リール31の停止制御を行わないときのストップスイッチ42が操作されたコマンド等の入力ポートに入力された情報)としている。
そのような場合、1コマンド処理では、第1系統コマンド→第2系統コマンドのように一連の順序でコマンド処理を実行している。
なお、この1コマンド処理中に電断が生じたときは、完全復帰処理を行う。完全復帰処理では、1コマンド処理中の電断が生じたタイミングから復帰する。
一方、1コマンド処理中以外で電断が生じたときは、通常復帰処理を行う。通常復帰処理では、第1サブCPU82及びRWM81を初期化し、メインループの最初から処理を実行する。
これにより、完全復帰処理では、第1サブCPU82及びRWM81の初期化を行わないので、メイン制御基板60からの制御コマンドデータに基づくAT抽選処理等を実行している途中で電断が生じても、正しい制御コマンドデータに基づいてAT抽選処理等を実行することができる。
1コマンド処理の実行後はステップS711に進み、16msを経過したか否かを判断する。16msを経過したか否かの判断は、本実施形態では、割込み処理ごと(1msごと)に「+1」するカウンタを設け、このカウンタ値が「+16」となったか否かを判断することにより行う。
16msを経過していないと判断したときはステップS710に戻り、1コマンド処理を継続する。一方、ステップS711において16msを経過したと判断したときは、16msをカウントするカウンタ値をリセットし、ステップS706に戻り、ステップS707で開始したウォッチドッグタイマをクリアする。したがって、この時点で、カウントしていたウォッチドッグタイマのパルス数(時間)がクリアされる。
なお、図55に示すように、ウォッチドッグタイマは、16msごとにクリアされるが、一定時間(たとえば500ms)クリアされなかったときは、ウォッチドッグタイマ割込み処理を発生させ、ステップS701に戻るように制御する。
図56は、第1サブ制御基板80における電源断処理を示すフローチャートである。この処理は、第1サブ制御基板80が電源断を検知したときに実行される。本実施形態では、電源断は、割込み処理ごと(1msごと)に検出している。
なお、本実施形態のスロットマシン10では、メイン制御基板60と第1サブ制御基板80とには、それぞれ電源が供給されており、電源断が発生すると、第1サブ制御基板80の方がメイン制御基板60よりも遅れて検知するように構成されている。たとえば、第1サブ制御基板80は、8V電圧が供給されたときに電源復帰処理を行い、メイン制御基板60は、9V電圧が供給されたときに電源復帰処理を行う。このように構成することにより、メイン制御基板60から送信されてくる制御コマンドの受信漏れを防止することができる。
図56において、電源断が検知されると、ステップS721に進み、第1サブ制御基板80は、ウォッチドッグタイマを停止する。次のステップS722では、プログラム処理中であったか否かを判断する。電源断を検知したときに、図55のプログラム開始処理中又はメインループ処理中のいずれであるかを判断する。プログラム開始処理中であると判断されたときはステップS725に進み、メインループ中であると判断されたときはステップS723に進む。
ステップS723では、チェックサムを算出する。そして、次のステップS724において、各種データをRWM81に退避する。ここで、各種データとしては、チェックサムを算出した結果、実行していたプログラム等が挙げられる。
ステップS722又はステップS724からステップS725に進むと、電源断を検知した時から500msを経過したか否かを判断する。500msを経過していないと判断したときはステップS726に進み、500msを経過したと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS726では、電源から復帰したか否かを判断する。復帰したと判断したときは、ステップS727に進んで瞬断処理に移行し、復帰していないと判断したときはステップS725に戻る。
図57は、図56中、ステップS727における瞬断処理を示すフローチャートである。瞬断処理に移行すると、ステップS741では、瞬間発生回数を更新する。瞬間発生回数は、RWM81の所定領域に記憶している。そしてステップS742に進み、ステップS721で停止したウォッチドッグタイマを開始する(停止した時間から計時を開始することだけでなく、最初から計時を開始することも含む)。そして、電源断を検知したプログラムに戻る。
なお、フローチャートでは図示していないが、電源断の発生回数も記憶するように構成されている。これにより、電源断の発生回数、瞬断の発生回数を記憶することにより、スロットマシン10の回収時等において、そのスロットマシン10にどのような挙動が起こっていたか等を知ることができ、不正行為が行なわれていたか否かの根拠の1つとすることができる。
図58は、第1サブ制御基板80における設定変更開始処理を示すフローチャートである。メイン制御基板60において設定値の変更が開始されると、図21の設定変更処理(M_RANK_SET)において、ステップS37で設定変更開始時の出力要求がセットされ、次のステップS38で制御コマンドセット1が実行される。
そして、メイン制御基板60による割込み処理(図48)において、ステップS612の制御コマンド送信(図54)で、設定変更が開始された旨の制御コマンドが送信されるので、第1サブ制御基板80は、この制御コマンドを受信すると、メイン制御基板60側で設定値の変更が開始されたと判断する。これを受けて、図58の処理を開始する。
なお、第1サブ制御基板80は、メイン制御基板60からの制御コマンドを取りこぼすことを防止するため、上述した1ms割込み処理やその他の割込み処理よりも優先度の高い割込み処理(NMIでも良い)により制御コマンド受信処理を実行し、受信した制御コマンドは、第1サブ制御基板80の所定の記憶領域を有するRWM81(チップ内の回路でも良い)に順次記憶していく。
この記憶領域は、設定変更処理においても消去されない記憶領域である。これにより、第1サブ制御基板80の初期化時にメイン制御基板60から制御コマンドが送信された場合であっても、当該コマンドに基づく処理が正常に実行されるようになっている。
設定変更開始処理は、図55のステップS710(1コマンド処理)内において行われる処理である。後述する設定変更終了処理についても同様である。
図58において、ステップS750で設定変更処理が開始されると、ステップS751で、割込み処理を禁止する。ここでの「割込み」とは、第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90に制御コマンドを送信するときの1ms割込みを指す。メイン制御基板60から第1サブ制御基板80に送信される制御コマンドの割込み(2.235msごと)は禁止されない。また、制御コマンド受信処理は、制御コマンドの取りこぼし防止のため、割込み禁止としない。
なお、第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90への1ms割込みを禁止するのは、その後に実行するRWM81の初期化が完了する前に、RWM81に記憶されている情報等が更新されてしまうことや、意図しない制御処理が実行されてしまうことを防止するためである。
たとえば第1例として、第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90に送信するためのコマンドバッファにコマンドAが記憶されていた場合、初期化中に1ms割込みが実行されてしまうと、コマンドAが送信されてしまう可能性がある。そして、第2サブ制御手段90は、受信したコマンドAに基づいて演出を実行してしまう可能性がある。このコマンドAは、初期化処理(設定変更処理)に基づいて本来であればクリアされるべきもの(クリア対象となるRWM81の領域に記憶されているもの)である。そこで、初期化中は、割込み処理を禁止することにより、割込み処理が実行される前に確実にコマンドバッファを初期化することで、上記のような意図しないコマンドの送信や制御処理が実行されてしまうことを防止している。
また、第2例として、1ms割込みによりプッシュボタン83の入力ポートを検知し、検知結果をRWM81に記憶しておき、16回(ループ回数)のすべての割込みでプッシュボタン83がオンであることを検知したときは、16ms毎処理(1フレーム処理;ステップS709)でプッシュボタン83が操作されたと判断する仕様が考えられる。この場合、初期化中に1ms割込みが実行されてしまうと、プッシュボタン83の入力に関するRWM81の記憶領域のデータが更新されてしまう可能性がある。つまり、RWM81のデータの初期化中であるにもかかわらず、プッシュボタン83の操作に応じて新たなデータに更新されてしまう可能性がある。そこで、初期化中は、割込み処理を禁止することにより、RWM81の記憶領域のデータ更新をなくすことができる。
次のステップS752では、第1サブ制御基板80は、ウォッチドッグタイマを停止する。この処理は、その後に実行するRWM81の初期化処理中に、ウォッチドッグタイマのクリア処理が実行されてしまわないようにするためである。いいかえれば、暴走と判断してしまうと、初期化処理が途中で中断してしまうからである。
次にステップS753に進み、第1サブ制御基板80は、RWM81の初期化を開始するアドレスを指定する。ここでは、初期化を行うアドレスの範囲を指定する。次にステップS754に進んで、当該範囲の初期化処理を実行する。
ステップS755では、RWM81の初期化処理が終了したか否かを判断する。初期化処理が終了していないと判断したときは初期化処理を継続し、初期化処理を終了したと判断したときはステップS756に進み、初期化処理を未だ終了していないと判断したときはステップS754に戻って初期化処理を継続する。
ステップS756では、ステップS752で停止したウォッチドッグタイマの停止を解除する。停止の解除とは、ウォッチドッグタイマが停止した途中から計時を開始することを採用する場合と、ウォッチドッグタイマが停止した途中からの計時ではなく、初期値から計時を開始する場合とが考えられる。
次のステップS757では、ステップS751で禁止した割込みを許可する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上のようにして、第1サブ制御基板80は、メイン制御基板60から設定変更開始の制御コマンドを受信したときは、第1サブ制御基板80側において、RWM81の所定範囲の初期化を実行する。
また、上記処理において、ウォッチドッグタイマを停止させてからRWM81の初期化処理に移行するので、初期化処理中にウォッチドッグタイマによる再起動処理が実行しないようにすることができる。
なお、本実施形態では、設定変更開始処理時には、ステップS752においてウォッチドッグタイマを停止したが、これに代えて、ウォッチドッグタイマをクリアする処理とすることも可能である。
図59は、設定変更終了処理を示すフローチャートである。メイン制御基板60において設定値の変更が終了すると、図21の設定変更処理(M_RANK_SET)において、ステップS49で設定変更終了時の出力要求がセットされ、次のステップS50で制御コマンドセット1が実行される。第1サブ制御基板80がこの制御コマンドを受信すると、メイン制御基板60側で設定値の変更が終了したと判断する。
先ず、ステップS760において設定変更終了処理が開始されると、ステップS761では、新しい設定値に基づいて、サブ遊技状態(上述したように、ATの当選しやすさを示すステージ(高確率状態、通常確率状態、低確率状態等)を抽選によって決定する。なお、設定値の情報は、設定変更終了時に送信される制御コマンドデータに含まれる。次のステップS762では、第1サブ制御基板80は、天井ゲーム数(上述したAT発動までの遊技回数)を抽選によって決定する。さらに次のステップS763において、演出ステージ(画像表示装置23等により報知される演出であって、ATの当選しやすさを示すステージによって選択率が異なるもの)を決定する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上のようにして、設定変更処理が開始されると、RWM81の所定範囲を初期化し、サブ遊技状態、天井ゲーム数、演出ステージをクリアする。そして、設定変更終了処理が開始されると、これらを再度抽選で決定し、RWM81に記憶する。
なお、天井ゲーム数は、その前に決定したサブ遊技状態に基づいて決定してもよい。あるいは、一律に、特定の天井ゲーム数を設定してもよい。
また、演出ステージについても、その前に決定したサブ遊技状態に基づいて決定してもよく、サブ遊技状態に基づくことなく独立して決定してもよい。あるいは、一律に、特定の演出ステージに設定してもよい。
図60は、第1サブ制御基板80においてRWM81の異常時処理を示すフローチャートである。図60の処理は、図55中、メインループ処理を実行する前に実行する。図60の処理が実行されるのは、RWM81(ROMを含む)の取り外しを検出した場合や、電源断処理前とRWM81のデータが異なる場合(たとえば、電源断前とチェックサムのデータが異なる場合)等の異常時が挙げられる。
ステップS770でRWM81の異常時処理が開始されると、ステップS771では、RWM81の初期化をすべきアドレスがセットされる。次にステップS772に進み、初期化処理を実行する。
次のステップS773では、初期化が終了したか否かを判断する。処理化が終了していないと判断したときは初期化処理を継続し、初期化が終了したと判断したときはステップS774に進む。なお、上記ステップS771〜S773の処理は、上述したステップS753〜S755の処理と同様である。
ステップS773において初期化処理が終了したと判断されたときはステップS774に進み、第1サブ制御基板80は、サブ遊技状態、天井ゲーム数、演出ステージをセットする。
上述したように、通常の設定変更処理が終了したときは、図59に示すように、サブ遊技状態等が抽選等で決定されるが、図60におけるRWM81の異常時には、予め定めたサブ遊技状態等をセットする。
そして、ここでセットされるサブ遊技状態、天井ゲーム数、演出ステージは、遊技者にとって最も不利な条件に設定する。たとえばサブ遊技状態として、最もATに当選しにくいステージを設定し、天井ゲーム数には最大遊技回数を設定し、演出ステージには、ATの当選期待度が最も低い演出ステージを選択する。このように、初期の状態に設定する処理を「コールド・スタート」等と称し、RWM81の取り外し等の不正が考えられる場合には、ATに関して最も不利な条件を設定するというものである。
なお、第1サブ制御基板80のMPUや外部RWM81には電源断時も電源電圧が供給されているように設計されている。より具体的には、第1サブ制御基板80上(別の基板でも構わない)に蓄電池(コンデンサ、ボタン電池)により電気が蓄えられることにより、RWM81のデータを保持するための電源電圧を供給している。つまり、RWM81が一度取り外されるとRWM81に記憶されていたデータが保持されなくなり、そのRWM81を取り付けた際に電源断が正常に行われた情報等も消去されているため、「コールド・スタート」が実行されるように設計されている。
図61は、図55中、ステップS708において割込みが許可されたときの割込み処理を示すフローチャートである。ステップS708において割込みが許可されると、1msごとに、図61に示す処理を実行する。この割込み処理で実行するのは、第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90に対して制御コマンドデータを送信等する処理である。
第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90に送信する制御コマンドとしては、一般には演出の出力に関するものであるが、認証データやチェックサムデータも含まれる。
特に本実施形態では、1パケット単位でデータを送信し、1パケット分のコマンドには、チェックサムデータを含めている。第2サブ制御基板90は、チェックサムデータを受信することにより、1パケット分のデータが第1サブ制御基板80から送信されたと判断することができる。
一方、第2サブ制御基板90は、第1サブ制御基板80に対し、チェックサムと、受信したコマンドデータ数(又はバイト数)とを送信する。第1サブ制御基板80は、このデータを受信することにより、通信不良(いわゆるコマンドゴケ)の有無を判断することができる。
そして、第1サブ制御基板80は、コマンドごけがあったと判断したとき、又は第2サブ制御基板90から所定時間、返信がなかったときは、再度、1パケット分のデータ(前回送信時と同一のデータ)の送信(リトライ処理)を行う。
ここで、本実施形態では、リトライ処理は、3回までに設定している。リトライ処理の開始時に、同一データのリトライ処理が3回を超すと判断したときは、異常と判断し、そのリトライ処理を実行せずに、第2サブ制御基板90を初期化する処理を実行する。
また、本実施形態では、RWM81の不正を防止するために、RWM81に記憶しているプログラムやデータの少なくとも一部を、RWM91にも記憶している(プログラムやデータの共有)。そして、割込み処理により、第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90に対して、共有しているプログラムやデータ等の整合性を判断するための認証データを送信する。第2サブ制御基板90は、認証データを受信すると、RWM91に記憶しているデータとの整合性を判断し、チェックサムを第1サブ制御基板80に返信すること等を行う。
そして、認証データが一致すると判断したときには特段の処理を行わないが、認証データが不一致であると判断したときは、エラー報知等を実行する。なお、認証データの整合性の判断において、不一致であると判断した時点でエラーとしてもよい。あるいは、全範囲の整合性を判断した後、不一致となる認証データを有するときにエラーとしてもよい。
図61において、ステップS800で割込み処理が開始されると、ステップS801では、第1サブ制御基板80は、制御コマンド(上述した認証データを含む。以下同じ。)を第2サブ制御基板90に送信するための状態を確認する。そして、第1サブ制御基板80の状態に応じて、所定のステップに移行する。本実施形態では、アイドル状態(待機状態ともいう)、データ送信開始待ち状態、データ送信中、返信待ち状態、復旧開始状態、復旧待ち状態を有する。
アイドル状態であるときはステップS802に進み、データ送信開始待ち状態であるときはステップS811に進み、データ送信中であるときは、そのままデータを送信し続ける。返信待ち状態であるときはステップS821に進み、復旧開始状態であるときはステップS831に進み、復旧待ち状態であるときはステップS841に進む。
アイドル状態であり、ステップS802に進むと、第1サブ制御基板80は、未送信の制御コマンドを有するか否かを判断する。未送信のコマンド有りと判断されるとステップS803に進み、未送信のコマンドなしと判断されると本フローチャートによる処理を終了する。ステップS803では、未送信のコマンドを登録するために、未送信のコマンドが格納されているバッファの読込ポインタを更新する。次にステップS804に進み、送信する制御コマンド中、0バイト目の送信要求を行う。この処理は、制御コマンドの0バイト目を判断することにより、後述するTDR(トランスミットデータレジスタ。本実施形態では1バイトレジスタ。以下同じ。)に送信データが書き込まれているか否かを判断するためである。
次にステップS805に進み、TDRがエンプティ(空)であるか否か、すなわち送信データが書き込まれているか(格納されているか)否かを判断する。TDRがエンプティであると判断されるとステップS806に進み、TDRに、送信すべきデータを書き込む(ライト処理)。そしてステップS807に進み、送信データを空にするための割込み許可を行い、本フローチャートを終了する。
なお、TDRにデータが書き込まれると、通常はそのデータは自動で送信されるとともに、送信後は、TDRのデータが自動で空(エンプティ)となる。一方、第2サブ制御基板90が受信の準備が完了していない(初期設定が完了していない)場合には、TDRに書き込まれたデータは送信されないままであるので、TDRにデータがある状態(データ送信開始待ち)となる。その間、第2サブ制御基板90は、「画像復帰中」などの画像出力を行うことを行うことで、画像に関するコマンドを受信できないことを示すことにより、ホール関係者は現状の状態を把握することができる。また、遊技中に意図しない電源断等が発生した場合にも、同様の画像出力を行うことで遊技者にも現在の状況を把握することができる。なお、音声に関するコマンドは先に受信できるように制御することにより、例えばAT中に電源断が発生した場合であっても「画像復帰中」に音声で押し順をナビすることによって操作順序を間違えることなく遊技を進めることもできる。
これに対し、ステップS805においてTDRエンプティでないと判断されたときは、送信すべきデータがTDRに既に書き込まれている状態であるので、ステップS808に進み、データ送信開始待ち状態に更新する。すなわち、本フローチャートによる処理を終了した後、次の割込み処理では、ステップS801で「Yes」となったときはステップS811に移行する。
ステップS801でデータ送信開始待ち状態であると判断されるとステップS811に移行し、上述のステップS805と同様に、TDRがエンプティであるか否かを判断する。ステップS811でTDRがエンプティでない(送信すべきデータが既に書き込まれている)と判断されたときは本フローチャートによる処理を終了する。これに対し、TDRがエンプティであると判断されたときはステップS812に進み、ステップS806と同様にTDRへの書込み(ライト処理)を行う。次に、ステップS813に進み、ステップS807と同様に、送信すべきデータを空にするための割込み許可を行う。そして、ステップS814に進み、コマンド送信状態をデータ送信中に更新する。すなわち、次の割込み処理時には、ステップS801で「Yes」となったときは「データ送信中」となる。
ステップS801で返信待ちと判断されたときはステップS821に進む。
ここで、第2サブ制御基板90に制御コマンドを送信し、1パケット(本実施形態では、最大15バイトデータ)分の制御コマンドを送信した後は、一旦送信を中断し、第2サブ制御基板90からの返信待ち状態に移行する。
第1サブ制御基板80は、制御コマンドを送信すると、タイマによる計時を開始する。そして、ステップS821において、第1サブ制御基板80は、そのタイマによる計測時間が所定の待ち時間を経過したか否かを判断し続ける。所定の待ち時間を経過したと判断したときはステップS823に進み、リトライ処理、すなわち制御コマンドの再送信を行う。ステップS823のリトライ処理に移行すると、図61中、ステップS851に進む。
これに対し、ステップS821において所定の待ち時間を経過していないと判断したときはステップS822に進み、チェックサムエラーであるか否かを判断する。ここで、チェックサムエラーとは、チェックサムを受信し、受信したチェックサムが正しい値でないときに該当する。なお、チェックサムを未だ受信していないときは、ステップS822のチェックサムエラーにはならない。ステップS822においてチェックサムエラーであると判断したときはステップS823に進んでリトライ処理に移行し、チェックサムエラーでないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
なお、図61のフローチャートの例では、第1サブ制御基板80側で、第2サブ制御基板90から返信されてきたチェックサムに基づき、チェックサムエラーであるか否かを判断したが、第2サブ制御基板90側でチェックサムエラーを判断することも可能である。
たとえば、第2サブ制御基板90は、チェックサムを受信すると、第2サブ制御基板90側で演算したチェックサムと対比し、正否を判断してもよい。この場合には、第2サブ制御基板90は、チェックサムが正常であると判断したときは、第1サブ制御基板80に対して返信せず、チェックサムが異常であると判断したときは、第1サブ制御基板80に返信(チェックサムが異常である旨)を行うようにすることもできる。
そして、第1サブ制御基板80は、チェックサムが異常である旨の情報を受信したときには、チェックサムに異常があったと判断する。
ステップS823のリトライ処理に移行すると、ステップS851では、リトライ回数(最初の送信を含む)が3以下であるか否かを判断する。本実施形態では、リトライ回数が「3」を超えたときは、異常であると判断している。
ここで、第1サブ制御基板80は、リトライ回数をカウンタを用いてカウントし、リトライ回数が「3」以下であるか否かを判断する。リトライ回数が「3」以下であると判断されたときはステップS852に進み、復旧開始状態へ移行する。これにより、次の割込み処理時には、ステップS801で「Yes」となったときに、ステップS831以降の処理を行う。
これに対し、ステップS851において、リトライ回数が「3」以下でないと判断されたときは、ステップS853に進み、第1サブ制御基板80は、送信したデータの異常であると判断し、第2サブ制御基板90に対し、初期化要求を行う。そしてステップS854に進み、アイドル状態へ移行する。これにより、次の割込み処理時には、ステップS801で「Yes」となったときはステップS802以降の処理を行う。
ステップS801で復旧開始状態と判断されたときはステップS831に進む。ステップS831では、TDRがエンプティであるか否かを判断する。TDRがエンプティでない(送信すべきデータが書き込まれている)と判断されたときは本フローチャートによる処理を終了する。これに対し、TDRがエンプティであると判断されたときはステップS832に進み、復旧待ち時間(50ms)をセットし、タイマのカウントを開始する。次のステップS833では、TDRへのデータの書込み(ライト処理)を行う。そして、ステップS834に進み、復旧待ち状態に移行する。これにより、次の割込み処理時には、ステップS801で「Yes」となったときはステップS841以降の処理を行う。
ステップS801で復旧待ち状態と判断されたときはステップS841に進む。ステップS841では、所定の待ち時間(上記の50ms)を経過したか否かを判断する。待ち時間を経過していないと判断したときは復旧待ち処理を終了し、待ち時間を経過したと判断したときはステップS842に進む。ステップS842では、登録済みの送信すべきデータをセットする。次のステップS843では、ステップS842でセットしたデータの0バイト目送信要求を行う。そしてステップS844に進み、データ送信開始待ち状態に移行する。これにより、次の割込み処理時には、ステップS801で「Yes」となったときはステップS811以降の処理を行う。
次に、設定変更モード及び設定確認モードにおける画像表示装置23の画像表示内容、及びシステムメニュー(スロットマシン10の設置店(ホール)の店長モード)について説明する。
図62は、設定変更モード及び設定確認モード時の画像表示装置23の画像表示内容を示す図である。
上述したように、設定変更開始時には、メイン制御基板60から第1サブ制御基板80に対して設定変更開始時の制御コマンドが送信される(図21;ステップS37〜S38)。
また、設定確認開始時においても同様に、メイン制御基板60から第1サブ制御基板80に対して設定確認開始の制御コマンドが送信される(図35;ステップS413〜S414)。
これを受けて、第1サブ制御基板80は、第2サブ制御基板90に対しても、設定変更中である旨又は設定確認中である旨の制御コマンドを送信する。これにより、第2サブ制御基板90側においても、設定変更中又は設定確認中であることを認識することができる。
第2サブ制御基板90は、設定変更中又は設定確認中である旨の制御コマンドを受信すると、図62に示すシステムメニューを画像表示装置23に画像表示する。図62中、設定変更中は、「設定変更中」と表示され、設定確認中は「設定確認中」と表示される。
なお、上述したように、設定変更中は、獲得数表示LED72の表示が「−−」となり、設定確認中は、獲得数表示LED72の表示が「00」となる。
さらに、設定変更中や設定確認中や、それに対応するように、枠ランプ21が所定のパターンで点灯する。
図62に示すように、システムメニューの内容として、「音量調整モード」、「遊技待機ランプ色選択モード」、「サイドランプテストモード」が設けられている。さらに、エラー発生履歴、設定変更履歴、現在時刻が表示される。なお、表示内容は、図62に限られるものではない。
また、表示する現在時刻は、設定変更中に十字キー84やプッシュボタン83を用いてホール側の店員が設定することができる。さらにまた、設定確認中においても同様にして現在時刻を設定することができるようにしてもよい。
現在時刻の判断については、第1サブ制御基板80が所有している第1サブCPU82のシステムクロックを用いている。
また、スロットマシン10にエラー(復帰不可能エラー及び復帰可能なエラーの双方を含む)が発生したときには、その発生時の日付と時刻をRWM81に記憶しておき、システムメニュー表示に、表示データを第2サブ制御基板90に送信し、画像表示装置23に画像表示する。なお、第1サブ制御基板80で把握可能な復帰可能エラーの発生のみを記憶し、復帰可能エラーのみ、発生履歴を表示してもよい。
さらにまた、システムメニューでは、設定変更履歴を表示する。図21のステップS49において、設定変更終了時の出力要求セット及び制御コマンド1が実行されると、その制御コマンドが第1サブ制御基板80に送信される。第1サブ制御基板80は、この制御コマンドを受信した時刻(設定変更履歴)をRWM81に記憶しておき、システムメニュー表示時に、設定変更履歴を表示する。もちろん、設定値が確認された情報についても同様に記憶、表示してもよい。また、エラーの発生履歴と設定変更履歴等を合わせた一覧を表示するようにしてもよい。これにより、ホール側の店員は、スロットマシン10にどのような挙動があったのかを把握することができ、不正行為があった場合の早期発見につながる。
なお、上記の現在時刻、エラー発生履歴及び設定変更履歴のデータは、第2サブ制御基板90のRWM91で記憶するようにしてもよい。
また、RWM81及びRWM91のいずれに現在時刻、エラー発生履歴、設定変更履歴を記憶する場合であっても、バックアップ用の電池を用いて、電源断後もその記憶内容を保持する。さらに、電源断時のみでなく、設定変更時やリセットスイッチ53の操作時であっても、これらの時刻、エラー発生履歴、設定変更履歴のデータは消去されない。
図58に示すように、設定変更が開始されると、RWM81の初期化を行うが、上記の時刻、エラー発生履歴、設定変更履歴に関するデータをRWM81に記憶する場合には、ステップS754の処理においても消去されることはない。
図62のシステムメニューにおいて、十字キー84を用いると、カーソルを、「音量調整モード」、「遊技待機ランプ色選択モード」、又は「サイドランプテストモード」のいずれかに配置することができる。そして、カーソルが位置するモードでプッシュボタン83をオンすると、そのモードに移行するように制御する。
図62において、十字キー84によりカーソルを「音量調整モード」に位置させ、プッシュボタン83をオンすると、音量調整モードに移行する。
図63は、音調調整モードを画像表示装置23で画像表示した例を示す図である。スロットマシン10のスピーカ22から出力可能な音量として、複数段階(図63の例では7段階)設けられており、十字キー84を用いて好みの音量にカーソルを配置させる。そして、その位置でプッシュボタン83をオンすると、その音量が確定するとともに、図62のシステムメニューに戻る。音量が設定されると、第2サブ制御基板90は、スピーカ22のアンプIC(図示せず)を制御し、その音量に対応する抵抗値に設定する。
図62において、十字キー84によりカーソルを「遊技待機ランプ色選択モード」に位置させ、プッシュボタン83をオンすると、遊技待機ランプ色選択モードに移行する。
図64は、遊技待機ランプ色選択モードを画像表示装置23で画像表示した例を示す図である。
ここで、「遊技待機ランプ色選択モード」とは、遊技待機中、特に、遊技者の最後の操作が行われてから所定時間(例えば30秒、60秒等)、操作がなかったと判断したときは、スロットマシン10は、デモンストレーションパターンに移行する。デモンストレーションパターンでは、たとえば画像表示装置23に、登場キャラクタ等を画像表示したり、枠ランプ21を所定のパターンで点灯させるように制御する。
ここで、デモンストレーション時に、枠ランプ21をどのようなパターンで点灯させるかを決定するのが、「遊技待機ランプ色選択モード」である。本実施形態では、15種類用意されており、十字キー84でパターンを選択し、プッシュボタン83をオンすると、そのパターンが確定されるとともに、システムメニューに移行する。
また、十字キー84によりいずれかのパターンを選択すると、そのパターンにより、枠ランプ21を点灯させる(サンプル表示する)ように制御する。
そして、いずれかのパターンが選択された状態でプッシュボタン83がオンされると、そのパターンが確定するとともに、システムメニュー画面に戻る。
なお、パターン1〜15は、第2サブ制御基板90のRWM91(又はROM)に記憶されている。そして、この遊技待機ランプ色選択モードで選択されたパターンを記憶しておき、デモンストレーションモードに移行したときは、選択されたパターンを読み込み、そのパターンに従って枠ランプ21を点灯制御する。
図62において、十字キー84によりカーソルを「枠ランプテストモード」に位置させ、プッシュボタン83をオンすると、枠ランプテストモードに移行する。
図65は、枠ランプテストモードを画像表示装置23で画像表示した例を示す図である。枠ランプテストモードは、図1に示したように、スロットマシン10のフロントカバーに設けられた枠ランプ21(上部ランプ及びサイドランプ)に、何らかの不具合が生じ、点灯不良が発生したとき等に、点灯状態をチェックするためのテストモードである。本実施形態では、15種類用意されており、十字キー84でパターンを選択すると、そのパターンで枠ランプ21が点灯する。また、プッシュボタン83をオンすると、そのテストパターン(点灯)が終了して、システムメニューに移行する。このテストモードにより、不良が生じているLEDや、点灯不可能となっている色等を判断することができる。
なお、「遊技待機ランプ色選択モード」のパターン1〜15と同様に、「枠ランプテストモード」のパターン1〜15は、第2サブ制御基板90のRWM91(又はROM)に記憶されている。そして、枠ランプテストモードでいずれかのパターンが選択されると、選択されたパターンを読み込み、そのパターンに従って枠ランプ21を点灯制御する。
また、システムメニュー画面を表示しているときに、設定変更が終了したときや、設定確認が終了したときは、それぞれ遊技可能状態の画面に復帰するように制御する。
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、第1実施形態に対し、復帰不可能エラー処理、及び割込み処理が異なる。以下の説明において、特に言及のない事項は、第1実施形態と同一であるものとする。
図66〜図68は、本発明の第2実施形態である「復帰不可能エラー処理」を示すフローチャートであり、第1実施形態の図25に対応する図である。
第2実施形態の復帰不可能エラー処理としては、図66のパターン1、図67のパターン2、又は図68のパターン3の3種類を有する(いずれを採用してもよい)。
第1実施形態では、復帰不可能エラーが発生したときは、図25中、ステップS61に示すように割込みを禁止し、上位桁(「E」)と下位桁(たとえば図26のステップS24の例では「5」)を表示した。すなわち、復帰不可能エラーの発生時は、割込み処理におけるLED表示制御(図48のステップS606(図49))を行わないようにした。
これに対し、第2実施形態では、復帰不可能エラーの発生時においても、割込み処理によってLED表示制御(図49)を実行し、復帰不可能エラーの内容を表示する。
第2実施形態において、パターン1では、復帰不可能エラー発生時は、図66に示すフローチャートに進む。たとえば、図26において、ステップS115で「Yes」となったような場合が挙げられる。
図66のステップS901では、復帰不可能エラーフラグをオンにする。第2実施形態では、復帰不可能エラーが発生したときにオンとなる復帰不可能エラーフラグが設けられており、RWM61の所定の領域に記憶される。この復帰不可能エラーフラグは、割込み処理において、現在、復帰不可能エラーが発生しているか否かを判断するときに参照されるフラグである。
ステップS901において復帰不可能エラーフラグをオンにし、ステップS902に進む。ステップS902では、出力ポート0〜6を順次オフにする。図25と同様に、図12〜図13で示した出力ポート0〜6を示す各アドレスから、1つの出力ポートずつ、全「0」(「00000000」)を出力する。次のステップS903では、次の出力ポートアドレスをセットする。すなわち、出力ポートを示すアドレスを「1」インクリメントする。たとえば、出力ポート0のアドレスが「0F1(H)」であるときは、次のアドレスとして、出力ポート1のアドレス「0F2(H)」をセットする。
次にステップS904に進み、全出力ポートが終了したか否か、すなわち出力ポート6まで終了したか否かを判断する。終了していないと判断したときはステップS902に戻り、終了したと判断したときはステップS905に進む。
このように、全出力ポート0〜6をオフにすることにより、当該処理が実行される前に出力されていたアクティブ信号がオフされることとなる。これにより、モータ32の焼き付き、メダルの飲み込みを防ぐことができる。例えば、ブロッカ信号を出力している状況において復帰不可能エラーが発生したときは、当該処理を実行しないとブロッカ45がオンの状態(メダル流路を形成している状態)が続くことになる(メダルの検知処理は起こらないのでメダルが飲み込まれる)。
また、モータ32がφ1を出力している状況において復帰不可能エラーが発生したときは、当該処理を実行しないとリセット信号が入力されるまでφ1を出力し続けることとなる。
次のステップS905では、エラー表示セット、具体的には、得数数表示LED72にエラー情報を表示する処理を行う。たとえば、発生した復帰不可能エラーのエラー番号がE5であるときは、獲得数表示LED72に「E5」と表示するために、獲得枚数表示データとして「A5」の値(図10参照)を記憶する。
なお、ここでセットしたエラー情報についてのセグメント表示については、後述する割込み処理によって行われる。
そしてステップS906に進み、エラー表示開始時の出力要求をセットし、次のステップS907で制御コマンドセット1を実行する。具体的には、Dレジスタに、エラー表示開始を示すデータを記憶し、Eレジスタに、エラー番号が記憶されているRWM61のエラー番号データを記憶する。ステップS906〜ステップS907により、エラー表示を開始すべき旨の制御コマンド(第1サブ制御手段80に送信すべきコマンド)がセットされる。
そして、ステップS908に進み、リセット待ち状態にする。この処理は、上述したように、電圧が所定値になると、メイン制御基板60に設けられた電圧監視装置(電源断検出回路)からリセット信号が出力されるので、そのリセット信号の出力を待つ状態となる。
図67は、第2実施形態の復帰不可能エラー処理のパターン2を示すフローチャートである。
図67において、図66と異なる点は、ステップS905とS906との間に、ステップS909としてコマンドクリア処理が設けられている点である。このコマンドクリア処理は、その時点でコマンドバッファに記憶されたコマンドのクリアを行うものである。このように制御する理由としては、復帰不可能エラー発生時には、その時点で、仮にコマンドバッファに第1サブ制御基板80に送信すべきコマンドが記憶(保存)されている場合であっても、復帰不可能エラー発生後のコマンドをサブ側に送信しないようにするためである。これにより、たとえばRWM61に異常が発生した場合であっても誤ったコマンドをサブに送信してしまうことを防止でき、かつ、エラー番号を含んだコマンドを即座に送信することができる。なお、復帰不可能エラーが発生した旨のコマンドは、ステップS906及びS907でセットされ、割込み処理により送信される。
図68は、第2実施形態の復帰不可能エラー処理のパターン3を示すフローチャートである。
図68において、図66と異なる点は、ステップS905とS906との間に、ステップS910及びS911が設けられている点である。
図68のパターン3では、割込み処理の制御コマンド送信処理を用いずに、エラーコマンドを直接送信するものである。具体的には、ステップS910において、SCU3データレジスタのアドレスをセットする。この処理は、上述したステップS665(図54)と同様の処理であり、送信用の制御コマンドデータの記憶領域であるSCU3データレジスタのアドレスをセットする。そして、次のステップS911では、発生した復帰不可能エラーに対応するエラーコマンドを当該レジスタにセットする。これにより、エラーコマンドが第1サブ制御基板80に送信される。つまり、たとえばRWM61に異常が発生した場合であっても誤ったコマンドをサブに送信してしまうことを防止でき、かつ、割込み周期(処理)を待つことなくエラー番号を含んだコマンドを即座に送信することができる。
図69は、第2実施形態における割込み処理を示すフローチャートであり、第1実施形態の図48に対応する図である。第2実施形態においても、メイン制御基板60は、図26のメインループと並行して、2.235ms周期で、図69(又は後述する図70)に示す割込み処理を行う。
第2実施形態の割込み処理は、復帰不可能エラーの発生の有無にかかわらず実行するものである。ただし、復帰不可能エラーが発生していないときは、割込み処理で定められたすべての処理を実行するが、復帰不可能エラーが発生しているときは、割込み処理で定められた一部の処理のみを実行するものである。
図69は、図66及び図67の復帰不可能エラー処理(パターン1及び2)を実行する場合の割込み処理に相当する。また、図68の復帰不可能エラー処理(パターン3)を実行する場合の割込み処理は、後述する図70の処理に相当する。
第2実施形態において、パターン1及び2の復帰不可能エラー処理を実行する場合には、図69の割込み処理を実行する。
先ず、ステップS921の割込み処理に移行すると、ステップS922では、初期処理として、レジスタ値の退避及び重複割込みの禁止処理を行う。ここでは、メインループで使用しているメインCPU62のレジスタを割込み処理で使用するため、現在のレジスタ値をRWM61のスタック領域に退避する。さらに、割込み処理中に次の割込み処理が開始されないように、割込み禁止フラグをオンにする。このようにするのは、たとえば電源断処理の実行中に割込み処理の実行要求が行われるときがあるからである。
次のステップS923では、電源断を検知したか否かを判断する。ここでは、(図示しない)メイン制御基板60上に設けられた電圧監視装置(電源断検出回路)により、電源電圧が所定値以下になったときには、図11中、入力ポート2のD0ビットに電源断検知信号が入力されるので、その信号の入力があったか否かを検知する。
そして、電源断を検知したときはステップS925の電源断処理(IS_POWER_DOWN ;図50)に進み、電源断を検知していないと判断したときはステップS924に進む。
ステップS924では、制御用カウンタ値の更新を行う。たとえば割込み処理ごとに値を更新するカウンターが設けられており(たとえば、割込み処理回数に基づき所定時間の経過をカウントする場合等が挙げられる)、そのカウンター値の更新を行う。
次のステップS926では、タイマー計測を行う。この計測は、前回の遊技開始時から今回の遊技開始時までに4.1秒を経過したか否か(ウェイト処理)の計測や、図37中、ステップS237の処理で投入センサ1の所定時間を経過したか否か等の計測である。いいかえれば、メインループでセットした時間を減算する処理を実行する。
次に、ステップS927に進み、LED表示制御(IS_LED_OUT;図49)を行う。この処理は、スロットマシン10の状態に応じて、設定値、貯留枚数、獲得枚数、エラー表示内容(エラーコード)等を7セグLED(デジット1〜5)を用いて点灯する処理である。
上述したように、第2実施形態では、復帰不可能エラーも含めて、割込み処理時ごとに、ステップS927のLED表示制御にて行う。
次にステップS928に進み、制御コマンドの送信(図54)を行う。この処理は、出力要求セット及び制御コマンドセット1でセットされた制御コマンド(RWM61のコマンドバッファに記憶されている未送信の制御コマンド)を第1サブ制御基板80に送信する処理であり、たとえば上述した図67等のステップS906(出力要求セット)及びステップS907(制御コマンドセット1)において制御コマンドがコマンドバッファにセットされると、その時点以降の割込み処理(コマンドバッファが空の場合は、原則としては、その時点の次に到来する割込み処理)において、このステップS928によって制御コマンドが第1サブ制御基板80に送信される。
次にステップS929に進み、メイン制御基板60は、現時点で復帰不可能エラーが発生しているか否かを判断する。復帰不可能エラー発生時は、図66及び図67のステップS901において復帰不可能エラーフラグがオンとされ、RWM61に記憶されるので、このフラグのオン/オフを判断することにより、復帰不可能エラーの有無を判断する。復帰不可能エラー中でないと判断されたときはステップS930に進み、復帰不可能エラーであると判断されたときはステップS939に進む。
ステップS930では、内蔵乱数のチェック処理を行う。本実施形態では、内蔵乱数にエラーが発生するとオンになるフラグが設けられており、このフラグがオンであるか否かが判断される。
具体的には、たとえば役抽選用の乱数のクロック周波数異常(乱数更新が遅い場合等)を検知したときは、当該エラーフラグがオンにされる。より具体的には、MPUに入力されるSCLK(発振源:12MHz)とRCK(発振源:9MHZ)を備え、RCKに基づいて内蔵乱数を更新するものとする。このとき、「RCK<SCLK/2」を満たした場合にエラーフラグがオンになる。
そして、ステップS931に進み、内蔵乱数にエラーが発生しているか否か(エラーフラグがオンか否か)を判断し、エラーが発生していないと判断されたときはステップS932に進み、エラーが発生していると判断したときは、ステップS940に進む。
ステップS932では、入力ポート0〜2(図11)の読み込み処理を行う。これにより、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42等の操作が行われたか否かや、スイッチ信号、各種センサの入力信号が読み込まれ、入力ポート0〜2に基づくデータ(レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータ)を生成し、RWM61に記憶する。
次のステップS933では、リール31の駆動制御を行う。この制御は、リール31単位(左、中、右)で行われるとともに、それぞれ動作状態に応じて、停止中、揺れ変動(後述)中、定速、加速、減速、減速開始、待機が挙げられる。リール31の駆動制御が終了するとステップS934に進み、ポート出力処理を行う。この処理は、(リール用)モータ32、ホッパーモータ36の励磁出力や、ブロッカ45の励磁出力を行う。
次のステップS935では、入力エラーチェック(IS_ERROR_CHK;図51)を実行する。上述したように、通路センサ43a、投入センサ44a及び44b、払出しセンサ37a及び37bの異常を検出したか否かを判断する。異常を検出したときは、異常発生時の制御コマンドを第1サブ制御基板80に送信する。
次のステップS936では、RWM61に記憶されている外部信号1〜3のデータをレジスタに記憶する。この処理は、出力ポート6(図13)の各ビットのオン/オフを読み込む処理である。なお、本実施形態では、外部信号1データは、AT信号であり、外部信号2データは、サブボーナス信号であり、外部信号3データは、有利状態(AT又はサブボーナス)を示す信号である。そして、次のステップS937では、外部信号の出力を行う。図4に示すように、外部集中端子板100に対して信号を送信する。
次のステップS938では、乱数更新処理を行う。この処理は、リール31の回転開始時のランダム遅延を行うとき(擬似遊技を終了し、通常遊技を開始するとき)等に、乱数を更新し、各リール31ごとに乱数値に基づく遅延処理を実行する。なお、擬似遊技、ランダム遅延については後述する。
次のステップS939では、ステップS922で退避したレジスタ値を復帰させ、次回割込みの許可を行う。具体的には、割込み処理開始時に記憶していたレジスタデータを復帰するとともに、次回の割込み処理を開始できるように、割込禁止フラグをオフにする。なお、この処理は、ステップS929で復帰不可能エラー中であると判断された場合にも実行する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、ステップS931において内蔵乱数にエラーが発生していると判断され、ステップS940に進むと、ステップS939と同様に、レジスタ値の復帰や、次回割込み許可を実行する。ステップS922で実行したレジスタ値の退避を復帰させ、また、割込み禁止処理を解除するための処理である。次にステップS941に進み、復帰不可能エラー処理(図66又は図67)に移行する。このときのエラー表示内容は、「E7」となる。
以上のようにして、第2実施形態では、復帰不可能エラーが発生しているか否かにかかわらず、常に、図69(又は後述する図70)に示す割込み処理を実行する。ただし、復帰不可能エラーが発生している間は、ステップS922〜S928、及びステップS939の処理のみが実行される。これに対し、復帰不可能エラーが発生していないときは、ステップS922〜ステップS939の処理が実行される。
したがって、復帰不可能エラーが発生しているか否かにかかわらず、タイマー計測や、LED表示制御が実行される。そして、LED表示制御により、復帰不可能エラー中であっても、図49の処理により、復帰不可能エラー(「E」系エラー)の番号が獲得数表示LED72に表示される。
一方、復帰不可能エラーが発生していないときは、第1実施形態と同様に、ステップS932の入力ポート読み込み処理や、ステップS933のリール駆動制御処理が実行される。
このように、復帰不可能エラーが発生していないときには、割込み処理において、定められた全処理を行うが、復帰不可能エラーが発生しているときは、割込み処理において、一部の制御処理のみを行うようにする。このようにすれば、第1実施形態のように、復帰不可能エラー処理(図25)内で、復帰不可能エラーの番号を表示することに限らず、割込み処理中のLED表示制御(図49)を用いて復帰不可能エラーの番号を表示することが可能となる。また、復帰不可能エラー中にリール31の駆動処理やポート出力処理を実行しないことにより、リール31の駆動やブロッカ45/ホッパーモータ36の駆動が行われないようにしている。
図70は、第2実施形態における割込み処理を示すフローチャートであって、復帰不可能エラー処理がパターン3(図68)であるときの割込み処理を示すものである。
図69の割込み処理では、ステップS927のLED表示制御の後、復帰不可能エラー中であるか否かを判断するステップS929の前に、制御コマンド送信処理を行っている。これにより、復帰不可能エラー発生中であっても制御コマンド送信処理が実行される。
これに対し、図70では、ステップS929の復帰不可能エラー中であるか否かを判断し、復帰不可能エラー中でないと判断されたときに、制御コマンド送信処理が実行されるようにしている(ステップS935の後)。これにより、復帰不可能エラー中は制御コマンド送信処理を実行せず、復帰不可能エラー中でないときに限り制御コマンド送信処理を実行する。
このように設定したのは、図68の復帰不可能エラー処理(パターン3)では、ステップS910及びS911において、復帰不可能エラー発生時の制御コマンド送信処理をメイン処理側で実行する(割込み処理では実行しない)ためである。
その他の処理は、図69と同様である。
<第3実施形態>
図71及び図72は、第3実施形態における割込み処理を示すフローチャートであり、図71は第1割込み処理を示し、図72は第2割込み処理を示す。
第3実施形態では、上記実施形態と異なり、割込み処理として、独立した2種類の割込み処理を有し、それぞれ、割込み時間が到来したときに実行する。
また、図71に示す第1割込み処理は、復帰不可能エラー中であるか否かにかかわらず常に実行される割込み処理であり、図72に示す第2割込み処理は、復帰不可能エラー中には実行されない割込み処理である。
第3実施形態では、第2割込み処理は、第1実施形態等の割込み処理と同様に、2.235msごとのタイマ割込み処理である。第2割込み処理では、ステップS964のタイマー計測、ステップS968のリール駆動制御(モータ32のステップ制御)、ステップS974の乱数更新処理等、最小単位でのタイマ割込み処理によって実行すべき処理を有するので、2.235msごとのタイマ割込み処理としている。
これに対し、第1割込み処理の割込み時間は、特に制限はないが、たとえば第2割込み処理時間と同一の2.235msに設定することや、第2割込み処理時間よりも遅い5ms、10ms、等に設定することが挙げられる。
さらに、本実施形態では、重複割込みを実行しない。そして、第2割込み処理は、第1割込み処理よりも優先して実行される。このため、たとえば、第2割込み処理の実行中に第1割込み処理の開始時間が到来したときは、第2割込み処理が終了するのを待ち、第2割込み処理が終了した後、第1割込み処理を実行する。
また、たとえば第1割込み処理の実行中に第2割込み処理の開始時間が到来したときは、第1割込み処理を中断し、第2割込み処理を開始する。そして、第2割込み処理が終了した後、第1割込み処理の中断した残りの処理を再開する。これにより、ステップS964のタイマー計測処理やステップS968のリール31駆動処理等は同一の周期で実行することができ、時間を正確に計測することやリール31の駆動を滑らかにすること等ができる。ただし、第1割込み処理を第2割込み処理よりも優先して実行してもよく、あるいは、優先順位を予め定めなくてもよい。
あるいは、第1割込み処理及び第2割込み処理を、連続して実行することも可能である。この場合には、最初に第2割込み処理を実行した後、続いて第1割込み処理を実行する。具体的には、図72のステップS961から割込み処理を開始し、ステップS975の後、図71のステップS951に移行することが挙げられる。また、この場合の割込み処理の時間間隔は、2.235msである。
なお、第3実施形態における復帰不可能エラー処理は、第2実施形態と同様に、図66(パターン1)〜図68(パターン3)のいずれかを採用する。
図71は、第1割込み処理を示すフローチャートである。
先ず、ステップS951の第1割込み処理に移行すると、ステップS952では、初期処理として、レジスタ値の退避処理を行う。ここでは、メインループで使用しているメインCPU62のレジスタを割込み処理で使用するため、現在のレジスタ値をRWM61のスタック領域に退避する。
次のステップS953では、電源断を検知したか否かを判断する。上述したように、図11中、入力ポート2のD0ビットに電源断検知信号が入力されたか否かを検知する。
そして、電源断を検知したときはステップS958に進み、電源断処理(IS_POWER_DOWN ;図50)を実行し、電源断を検知していないと判断したときはステップS954に進む。
ステップS954では、制御用カウンタ値の更新を行う。たとえば割込み処理ごとに値を更新するカウンターが設けられているので(たとえば、割込み処理回数に基づき所定時間の経過をカウントする場合等が挙げられる)、そのカウンター値の更新を行う。
次のステップS955では、LED表示制御(IS_LED_OUT;図49)を行う。この処理により、第2実施形態と同様に、復帰不可能エラー中であっても、第1割込み処理時ごとに、LEDが点灯される。
ステップS956では、制御コマンドの送信(図54)を行う。なお、復帰不可能エラー処理がパターン1(図66)又はパターン2(図67)の場合には、このステップS956により、復帰不可能エラー発生時の制御コマンドを第1サブ制御基板80に送信する。
これに対し、復帰不可能エラー処理がパターン3(図68)の場合には、図68中の処理で復帰不可能エラーが発生した制御コマンドを第1サブ制御基板80に送信する(ステップS910及びS911)。したがって、復帰不可能エラー処理がパターン3の場合には、ステップS956の処理を行わない。
次に、ステップS957に進み、ステップS952で退避したレジスタ値を復帰させる(具体的には、割込み処理開始時に記憶していたレジスタデータを復帰する。)。そして本フローチャートによる処理を終了する。
図72は、第2割込み処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS962では、メイン制御基板60は、現時点で復帰不可能エラーが発生しているか否かを判断する。この処理は、復帰不可能エラーフラグがオンであるか否かにより、復帰不可能エラーの有無を判断する。復帰不可能エラー中でないと判断されたときはステップS963に進み、復帰不可能エラー中であると判断されたときは本フローチャートによる処理を終了する。
なお、ステップS962の処理を設けることにより、復帰不可能エラー中であっても、第2割込み処理の一部(ステップS962)を実行することとなる。しかし、これに限らず、第2割込み処理自体を実行しない(停止する)ように制御することも可能である。たとえば、復帰不可能エラー処理内において、第2割込み処理を停止(中断、禁止)する処理を実行すればよい。
ステップS963では、初期処理として、レジスタ値の退避及び重複割込みの禁止処理を行う。ここでは、メインループで使用しているメインCPU62のレジスタを割込み処理で使用するため、現在のレジスタ値をRWM61のスタック領域に退避する。さらに、割込み処理中に次の割込み処理が開始されないように、割込み禁止フラグをオンにする。
次にステップS964に進み、タイマー計測を行う。この計測は、前回の遊技開始時から今回の遊技開始時までに4.1秒を経過したか否か(ウェイト処理)の計測や、図37中、ステップS237の処理で投入センサ1の所定時間を経過したか否か等の計測(メインループでセットした時間を減算する処理)である。
次のステップS965では、入力ポート0〜2(図11)の読み込み処理を行う。これにより、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42等の操作が行われたか否かや、スイッチ信号、各種センサの入力信号が読み込まれ、入力ポート0〜2に基づくデータ(レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータ)を生成し、RWM61に記憶する。
次のステップS966では、内蔵乱数のチェック処理を行う。本実施形態では、内蔵乱数にエラーが発生するとオンになるフラグが設けられており、このフラグがオンであるか否かが判断される。
具体的には、たとえば役抽選用の乱数のクロック周波数異常(乱数更新が遅い場合等)を検知したときは、当該エラーフラグがオンにされる。より具体的には、MPUに入力されるSCLK(発振源:12MHz)とRCK(発振源:9MHZ)を備え、RCKに基づいて内蔵乱数を更新するものとする。このとき、「RCK<SCLK/2」を満たした場合にエラーフラグがオンになる。
そして、ステップS967に進み、内蔵乱数にエラーが発生しているか否か(エラーフラグがオンか否か)を判断し、エラーが発生していないと判断されたときはステップS968に進み、エラーが発生していると判断したときは、ステップS976に進む。
ステップS968では、リール31の駆動制御を行う。この制御は、リール31単位(左、中、右)で行われるとともに、それぞれ動作状態に応じて、停止中、揺れ変動(後述)中、定速、加速、減速、減速開始、待機が挙げられる。リール31の駆動制御が終了するとステップS969に進み、ポート出力処理を行う。この処理は、(リール用)モータ32、ホッパーモータ36の励磁出力や、ブロッカ45の励磁出力を行う。
次のステップS970では、入力エラーチェック(IS_ERROR_CHK;図51)を実行する。上述したように、通路センサ43a、投入センサ44a及び44b、払出しセンサ37a及び37bの異常を検出したか否かを判断する。異常を検出したときは、異常発生時の制御コマンドを第1サブ制御基板80に送信する。
次のステップS971では、復帰不可能エラー処理がパターン3であるときは、制御コマンドの送信処理を実行する(復帰不可能エラー処理がパターン1又は2であるときは、ステップS971の処理を設けない)。
復帰不可能エラー処理がパターン3であるときは、上述したように、第1割込み処理では制御コマンド送信処理(ステップS956)を実行せず、この第2割込み処理で制御コマンド送信処理を実行する。
次のステップS972では、RWM61に記憶されている外部信号1〜3のデータをレジスタに記憶する。この処理は、出力ポート6(図13)の各ビットのオン/オフを読み込む処理である。そして、次のステップS973では、外部信号の出力を行う(外部集中端子板100に対して信号を送信する)。
次のステップS974では、乱数更新処理を行う。この処理は、リール31の回転開始時のランダム遅延を行うとき(擬似遊技を終了し、通常遊技を開始するとき)等に、乱数を更新し、各リール31ごとに乱数値に基づく遅延処理を実行する。
次のステップS975では、ステップS963で退避したレジスタ値を復帰させ、次回割込みの許可を行う。具体的には、割込み処理開始時に記憶していたレジスタデータを復帰するとともに、次回の割込み処理を開始できるように、割込禁止フラグをオフにする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、ステップS967において内蔵乱数にエラーが発生していると判断され、ステップS976に進むと、ステップS975と同様に、レジスタ値の復帰や、次回割込み許可を実行する。ステップS963で実行したレジスタ値の退避を復帰させ、また、割込み禁止処理を解除するための処理である。次にステップS977に進み、復帰不可能エラー処理(図66〜図68のいずれか)に移行する。
以上のようにして、第3実施形態では、割込み処理として第1割込み処理及び第2割込み処理を設け、復帰不可能エラーが発生していないときは、双方の割込み処理を実行する。これに対し、復帰不可能エラーの発生時は、図72に示すように第2割込み処理をスルーするように制御する。ただし、これに限らず、復帰不可能エラーフラグのオン/オフを判断し、オン(復帰不可能エラーの発生中)のときは、第2割込み処理自体を中止するようにしてもよい。
<第4実施形態>
図73は、第4実施形態における復帰不可能エラー処理を示すフローチャートであり、第1実施形態の図25に対応する図である。第4実施形態では、第1実施形態と同様に、復帰不可能エラーの発生時には、割込みを禁止する(ステップS982)。
また、第4実施形態では、図25のステップS70(表示ウェイト)を有さない。第1実施形態では、上述したように、表示ウェイトとして「255」を設定し、表示ウェイト時間は約0.128msであって。これに対し、第4実施形態では、表示ウェイトを設けることなく、ソフトウェア上で上位桁と下位桁とを(高速で)切り替える。
図73において、ステップS990で上位桁と下位桁とを切り替えた後、ステップS987に戻る。そして、ステップS987〜S990をループする。このことから、上位桁と下位桁との切り替え時間は、ステップS987〜S900の処理時間(実質上、ほぼ「0」)となり、プログラムの処理速度や、LEDの応答速度に依存することとなる。
第1実施形態では、約0.128msの時間中、一方のLEDの点灯時間に設定することで、LEDの一定の明るさ(光束)を確保するようにしているが、近時の高性能のLEDを採用すれば、点灯時間が一瞬(ステップS989のみ)であっても目視に十分な明るさを確保することができる。
<第5実施形態>
図74は、第5実施形態(及び、後述する第6実施形態を含む。)におけるスロットマシン10’の制御の概略を示すブロック図であり、第1実施形態の図4に対応する図である。以下、第1実施形態と異なる点を主として説明する。
第1実施形態では、サブ制御基板として、第1サブ制御基板80と第2サブ制御基板90とを有するが、第5実施形態では、1つのサブ制御基板80’を備える。そして、このサブ制御基板80’は、第1実施形態の第2サブ制御基板90に対応するものである。
また、第5実施形態では、サブ側でAT制御手段を有さず、メイン制御基板60’側に設けられている(AT制御手段62g)。すなわち、第5実施形態では、ATを実行するか否かの決定(抽選等)をメイン側で実行し、ATを実行することに決定したときは、AT中の制御(遊技回数等)についてもメイン側で実行する。そして、サブ制御基板80’に対しては、当選役及び報知の有無(AT中であるか否か)等の情報を送信する。サブ制御基板80’は、メイン制御基板60’から送信されてくる情報に基づいて、押し順の報知等を行う。このため、サブ制御基板80’には、第1実施形態における出力制御手段92bに相当する出力制御手段82cが設けられている。
第1実施形態では、サブ側でATの実行を決定していたため、メイン側に、ATが開始されたことを報知する必要があった。これに対し、第5実施形態のようにATの管理(ATの抽選、開始、実行、終了等)をメイン制御基板60’側で行うようにすれば、複合ベル当選時に、3連続で正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときにAT中であると判断することや、3連続で不正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときにATが終了したと判断する等が不要となり、ATの開始時や終了時の遊技を正確に判断可能となる。
また、AT中において、複合ベルに当選したときの押し順報知は、第1実施形態と同様に、サブ制御基板80’の制御によって画像表示装置23等で行うが、さらに第5実施形態(及び後述する第6実施形態)では、メイン制御基板60’側で独自の押し順報知を行う。
押し順役当選時における正解押し順報知のような出玉に影響を与える報知は、サブ制御基板80’側のみではなく、メイン制御基板60’側においても行うことを目的としたものである。
ここで、メイン制御基板60’側で押し順報知を行う場合には、メイン制御基板60’と電気的に接続された周辺機器(LED等)を用いて行う。このような周辺機器を別個に設けてもよいが、第5実施形態では、獲得数表示LED72を用いる。このため、第5実施形態では、獲得数表示LED72は、押し順報知LEDとしても機能する(図74)。
なお、図74において、押し順報知LED74は、第6実施形態に相当するLEDであり、メイン側で押し順報知を行うとき特有のLEDである(後述)。
さらに、メイン制御基板60’側で押し順を報知するときは、押し順そのものに限らず、当選役(条件装置)の情報であってもよい。具体的には、報知された情報を見て、遊技者が容易に押し順を知ることができる情報に限らず、たとえば当選役(条件装置)の情報(たとえば、複合ベル当選時には、複合ベルA1〜D3のいずれであるか)を報知することで、報知内容自体には押し順の情報そのものを含まないものであってもよい。
あるいは、押し順そのものを含む情報、たとえば「321(右中左)」等の情報を報知してもよい。さらに、「321(右中左)」と報知する場合には、複合ベルD1〜D3当選時には、同一情報を報知してもよく、あるいは、「D1:321」のように、当選役(条件装置)かつ押し順情報を報知してもよい。
本実施形態では、押し順役当選時に、獲得数表示LED72で、正解押し順に関する情報を報知するが、獲得数表示LED72は、2桁のセグメント表示であるので、2桁のセグメント表示が可能な情報を報知する。
第5実施形態では、第1実施形態と同様に、当選役として、複合ベルA1〜D3を備える(図19参照)。
また、第5実施形態では、特別遊技(MB遊技)以外の遊技状態として、複数種類のRTを備える。
図75は、第5実施形態(及び、後述する第6実施形態を含む。)の遊技状態の移行を説明する図である。第5実施形態では、非特別遊技(特別遊技以外の遊技)として、非内部中遊技と内部中遊技とを備える。さらに、非内部中遊技として、図75に示すRT1〜RT3遊技を備える。これらの遊技中には、特別役(MB)が抽選され、特別役に当選すると内部中遊技に移行し、特別役が入賞すると特別遊技(MB遊技)に移行する。特別遊技の終了後は、RT1遊技に移行する。
第5実施形態の非内部中遊技において、RT1遊技は、非ARTに相当し、RT2遊技は、ART準備中に相当し、RT3遊技はARTに相当する。RT1遊技及びRT2遊技は、リプレイの当選確率が通常確率(たとえば、1/7.3程度)である。これに対し、RT3遊技では、リプレイの当選確率は高確率(たとえば、1/2程度)である。
RT1〜RT3遊技のいずれも、第1実施形態と同様に複合ベルの抽選を行う。また、第5実施形態では、リプレイの種類が第1実施形態と異なる。第5実施形態では、リプレイの種類として、ノーマルリプレイ、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2、転落リプレイを備える。
まず、RT1遊技では、昇格リプレイ1及びノーマルリプレイを含むリプレイの重複当選を複数種類(本実施形態では、リプレイ重複1〜4の4種類)備える。これらのリプレイの重複当選では、特定の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは昇格リプレイ1が入賞し、他の押し順でストップスイッチ42が操作されたときはノーマルリプレイが入賞するようにリール31が停止制御される。
ここで、具体的には、たとえばリプレイ重複1に当選したときは、「中左右」が「特定の押し順」に相当し、他の5通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
また、リプレイ重複2に当選したときは、「中右左」が「特定の押し順」に相当し、他の5通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
さらにまた、リプレイ重複3に当選したときは、「右左中」が「特定の押し順」に相当し、他の5通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
さらに、リプレイ重複4に当選したときは、「右中左」が「特定の押し順」に相当し、他の5通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
また、RT2遊技では、昇格リプレイ2及び転落リプレイを含むリプレイの重複当選を複数種類(本実施形態では、リプレイ重複5〜8の4種類)備える。
これらのリプレイの重複当選では、特定の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは昇格リプレイ2が入賞し、他の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは転落リプレイが入賞するようにリール31が停止制御される。
ここで、具体的には、たとえばリプレイ重複5に当選したときは、「中左右」が「特定の押し順」に相当し、他の5通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
また、リプレイ重複6に当選したときは、「中右左」が「特定の押し順」に相当し、他の5通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
さらにまた、リプレイ重複7に当選したときは、「右左中」が「特定の押し順」に相当し、他の5通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
さらに、リプレイ重複8に当選したときは、「右中左」が「特定の押し順」に相当し、他の5通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
さらにまた、RT3遊技では、転落リプレイ及びノーマルリプレイを含むリプレイの重複当選を複数種類(本実施形態では、リプレイ重複9〜12の4種類)備える。これらのリプレイの重複当選では、特定の押し順でストップスイッチ42が操作されたときはノーマルリプレイが入賞し、他の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは転落リプレイが入賞するようにリール31が停止制御される。
ここで、具体的には、たとえばリプレイ重複9に当選したときは、「左中右」、「中左右」、及び「右左中」の3通りが「特定の押し順」に相当し、他の3通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
また、リプレイ重複10に当選したときは、「左右中」、「中右左」、及び「右中左」の3通りが「特定の押し順」に相当し、他の3通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
さらにまた、リプレイ重複11に当選したときは、「左中右」、「左右中」、及び「中左右」の3通りが「特定の押し順」に相当し、他の3通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
さらに、リプレイ重複12に当選したときは、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」の3通りが「特定の押し順」に相当し、他の3通りの押し順が「他の押し順」に相当する。
上記において、昇格リプレイ1及びノーマルリプレイを含むリプレイの重複当選時には、たとえば特定の押し順(1つの押し順)では昇格リプレイ1が入賞し、他の5通りの押し順ではノーマルリプレイが入賞するように設定される。
また、昇格リプレイ2及び転落リプレイを含むリプレイの重複当選時にも上記と同様に、たとえば特定の押し順(1つの押し順)では昇格リプレイ2が入賞し、他の5通りの押し順では転落リプレイが入賞するように設定される。
さらにまた、転落リプレイ及びノーマルリプレイを含むリプレイの重複当選時には、たとえば特定の押し順(3通りの押し順)ではノーマルリプレイが入賞し、他の3通りの押し順では転落リプレイが入賞するように設定される。
そして、図75において、RT1遊技では、AT制御手段62gは、ARTを実行するか否かの決定(抽選)を行う。ARTを実行することに決定したときは、昇格リプレイ1及びノーマルリプレイを含むリプレイ重複1〜4のいずれかの当選となったときに、昇格リプレイ1を入賞させる押し順を報知する。RT1遊技においてノーマルリプレイが入賞したときはRT1遊技を維持するが、昇格リプレイ1が入賞したときは、メイン制御手段60’は、遊技状態をRT1からRT2遊技に移行するように制御する。
さらに、ARTを実行することに決定した後のRT2遊技では、昇格リプレイ2及び転落リプレイを含むリプレイ重複5〜8のいずれかの当選となったときに、昇格リプレイ2を入賞させる押し順を報知する。RT2遊技において昇格リプレイ2が入賞したときはRT3遊技に移行し、転落リプレイが入賞したときは、RT1遊技に移行する。
ART中のRT3遊技では、転落リプレイ及びノーマルリプレイを含むリプレイ重複9〜12のいずれかの当選となったときは、ノーマルリプレイを入賞させる押し順を報知する。ここで、ノーマルリプレイを入賞させる押し順は上記の例では3通り有するので、たとえばそのうちの1つを抽選等で選択して報知する。RT3遊技においてノーマルリプレイが入賞したときはRT3遊技を維持し、転落リプレイが入賞したときはRT1遊技に移行する。
また、RT2遊技及びRT3遊技において、複合ベル当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されなかったとき(ベルコボシ時)には、RT1遊技に移行する。
ARTを実行することに決定した後、RTが昇格してRT3遊技に移行したときは、ARTを開始する。ARTでは、複合ベル当選時に正解押し順を報知するとともに、リプレイ重複当選時にノーマルリプレイを入賞させる押し順を報知する。
また、ARTを終了したときは、その後に、複合ベル当選時、及びリプレイ重複当選時には、正解押し順を報知しない。このため、複合ベル当選時にベルコボシとなったとき、又はリプレイ重複当選時に転落リプレイが入賞したときは、RT1遊技に移行する。したがって、メイン制御基板60’によるARTの終了と、遊技状態(RT)の移行タイミングとは必ずしも一致しない。
なお、RT1遊技において、ARTを実行することに決定していない状態で、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等によって偶然に昇格リプレイ1が入賞してRT2遊技に移行したときであっても、ART当選後のART準備中ではないので、メイン制御基板60’及びサブ制御基板80’は、正解押し順を報知しない。これにより、RT2遊技からRT3遊技に移行する昇格リプレイ2の正解押し順は報知されない。その結果、RT2遊技で抽選されるリプレイ重複当選時に転落リプレイの入賞確率が高くなる。同様に、複合ベル当選時にベルコボシとなる確率が高くなる。したがって、RT3遊技に移行する前にRT1遊技に転落する可能性が高くなる。
第1実施形態では、非ARTとARTとで、同一のRT(内部中遊技)であるので、リプレイの当選確率に変動はない。このため、非ART中であっても、リプレイの当選確率が高くなる。したがって、非ART中のベースを下げるためには、非ART中における押し順ベル当選時の入賞率を低く設定する必要がある。よって、第1実施形態では、左第一停止で押し順正解となる複合ベルを設けていない。
これに対し、第5実施形態では、ARTとなるRT3遊技でのみリプレイの当選確率を高く設定し(ARTとし)、非ARTであるRT1及びRT2遊技では、リプレイの当選確率を1/7.3程度に設定することができる。これにより、非ART中は、リプレイを含む出玉率(ベース)を下げることができるので、たとえば左第一停止時に押し順正解となるベルを設けることも可能となる。
図76は、第5実施形態において、複合ベル又はリプレイ重複当選時に、獲得数表示LED72に表示する内容を示す図である。図76に示すように、第5実施形態では、各複合ベル当選ごと及びリプレイ重複当選ごとに固有の報知内容を割り当てておき、ART当選後、RT1遊技でのリプレイ重複当選時、並びにRT2遊技及びRT3遊技での複合ベル当選時やリプレイ重複当選時に、図76のような報知を行う。たとえば、複合ベルA1当選時には、獲得数表示LED72に「A1」と報知する。さらに、このとき、サブ制御基板80’側では、画像表示装置23に、正解押し順である「中左右」と報知する。
遊技者は、獲得数表示LED72に「A1」と報知されたとき、正解押し順は「中左中」であることを意味する旨を事前に知っていれば、「A1」と報知された情報のみから正解押し順を知ることができる。また、「A1」という報知が、正解押し順は「中左右」であることを意味する旨を事前に知り得ない遊技者であっても、画像表示装置23の報知内容を見ることで、正解押し順を容易に知ることができる。
次に、第5実施形態におけるメイン処理について説明する。
図77は、第5実施形態(及び後述する第6実施形態を含む)におけるメインループ(M_MAIN)処理を示すフローチャートであり、第1実施形態の図26に対応する図である。
図77において、ステップS1001では、スタックポインタをセットする。上述と同様に、スタックポインタとは、電断が生じた場合に、電断発生時のデータ(例えば、レジスタ値、割込み処理前のメインループの命令処理等)を保存するRWM61の領域を指し、スタックポインタのセットとは、そのRWM61の領域において、レジスタ値を初期値にセットする処理である。
次のステップS1002では、遊技開始セット(MS_GAME_SET )を行う。ステップS1002に進むと、図27の処理に移行する。
次のステップS1003ではベットメダルの読み込みを行う。この処理は、現時点においてベットされているメダル枚数が何枚であるかを読み込む処理である。次のステップS1004では、ステップS1003で読み込んだベット枚数に基づき、ベットメダルの有無を判断する。
ステップS1004でベットメダルありと判断したときはステップS1006に進み、ベットメダルなしと判断したときはステップS1005に進んでメダル投入待ち処理(図35;MS_STANDBY_DSP)を行い、ステップS1006に進む。
ステップS1006では、投入されたメダルの管理処理(MS_MEDAL_CHK;図36)を行う。次のステップS1007では、ソフト乱数の更新処理を行う。この処理は、役抽選手段62bで使用する乱数を更新(「1」加算)する処理である。
次のステップS1008では、メイン制御基板60’は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときは、ステップS1009に進み、スタートスイッチ41が操作されていないと判断したときはステップS1003に戻る。
ステップS1009では、役抽選手段62bは、スタートスイッチ41が操作されたタイミングで、すなわちスタートスイッチ41の操作信号の受信時に、乱数値を抽出し、役の抽選を実行する。
次のステップS1010では、ART中に押し順役に当選したか否かを判断する。このステップS1010で「Yes」となるのは、ARTに当選し、ARTを開始するために上述した昇格リプレイを入賞させる押し順を報知する場合、第1実施形態で示したようにART開始時に特殊リプレイを入賞させる押し順を報知する場合、ART中の複合ベル当選時に正解押し順を報知する場合、上述したRT3遊技中のリプレイ重複当選時にノーマルリプレイを入賞させる押し順を報知する場合が挙げられる。
ステップS1010で押し順役に当選したと判断したときはステップS1011に進み、当選していないと判断したときはステップS1012に進む。なお、非ART中は、複合ベル等の押し順役に当選したときであってもステップS1010で「No」となる。
ステップS1011では、押し順報知開始時の処理(後述する図78)を実行する。そしてステップS1012に進む。ここでのステップS1011の処理は、ART中の正解押し順等を報知する場合の報知開始処理に相当する。
次にステップS1012に進み、リール制御手段62cは、リール31の回転を開始する。
ステップS1013では、メイン制御基板60’は、リール31の停止受付けをチェックする。ここでは、ストップスイッチ42の操作信号を受信したか否かを検知し、操作信号を受信したときは、役の抽選結果とリール31の位置とに基づいてリール31の停止位置を決定し、その決定した位置にリール31を停止させるように制御する。
次のステップS1014では、リール制御手段62cは、全リール31が停止したか否かをチェックし、ステップS1015に進む。ステップS1015では、ステップS1011で押し順を報知した場合において、報知した押し順と、遊技者によって操作された押し順とが一致するか否かを判断する。本実施形態では、ART中等において、ステップS1011で押し順報知を開始した場合のみ、ステップS1015で「Yes」と判断される場合があるように設定されている。非ART中であって押し順報知を行っていないときは、ステップS1015では常に「No」となる。
ステップS1015で押し順が不一致であるときはステップS1016に進み、押し順が不一致でないと判断したときはステップS1017に進む。
ステップS1016では、押し順の報知内容の変更処理(後述する図79)を実行する。処理の詳細については後述するが、押し順が不一致である場合において、報知内容を変更することによって遊技者を救済可能であるときは押し順の報知内容を変更し、それ以外の場合には報知内容を消去等するものである。そしてステップS1017に進む。
ステップS1017では、全リール31が停止したか否かを判断し、全リール31が停止したと判断したときはステップS1018に進み、全リール31が停止していないと判断したときはステップS1013に戻る。
ステップS1018では、当該遊技で押し順を報知しているとき(ステップS1011の処理で押し順報知を開始し、かつ、ステップS1016の処理で、報知した押し順を消去等していないとき)は、押し順報知の終了処理(後述する図80)を行う。
次にステップS1019に進み、メイン制御手段60’は、図柄の表示判定を行う。ここでは、入賞判定手段62dにより、有効ラインに、役に対応する図柄の組合せが停止したか否かを判断する。次にステップS1020に進み、メイン制御手段60’は、図柄の表示エラーが発生したか否かを判断する。図柄の表示エラーが発生したと判断したときはステップS1025に進み、表示エラーが発生していないと判断したときはステップS1021に進む。
ここで、リール31の停止は、停止位置決定テーブルに基づき実行されるので、通常は、停止位置決定テーブルで定められた位置以外の位置でリール31が停止する場合はない。しかし、図柄の表示判定の結果、有効ライン上に、本来表示されてはいけない図柄(蹴飛ばし図柄)が表示されたときは、異常であると判定し、ステップS1025に進んで上述した復帰不可能エラー(SS_ERROR_STOP )を実行する。このときのエラー表示は、「E5」である。
ステップS1020において表示エラーが発生していないと判断し、ステップS1021に進むと、役の入賞があったときは、払出し手段62eは、入賞役に対応するメダルの払出しを行う。
次にステップS1022に進み、メイン制御基板60’は、遊技終了チェックを行う。この処理は、当選役フラグ(RWM61)のクリア、ウェイトのセット、フリーズを行う場合にフリーズ状態の移行処理、外端信号を送信する場合の外端信号データの生成処理等を実行する処理である。
また、ステップS1022では、入力ポート2のD5ビットである満杯センサ38の信号を判断し、オンであるときは、満杯エラー(FEエラー)を表示する。
次のステップS1023では、遊技終了時の出力要求をセットする。この処理は、1遊技が終了した旨をサブ制御基板80’に送信するための制御コマンドデータをセットする処理である。
次にステップS1024に進み、メイン制御基板60’は、制御コマンドセット1を実行する。この処理は、制御コマンドバッファに、サブ制御基板80’に送信する制御コマンドデータを記憶する処理である。
そして、ステップS1024の処理を終了すると、再度、ステップS1000に戻る。
図78は、図77中、ステップS1011における押し順報知開始処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1031において、報知データをRWM61の所定の記憶領域に記憶する。たとえば、複合ベルA1に当選し、図76に示すように、「A1」と獲得数表示LED72に報知する場合、「A1」に対応する報知データを、RWM61の獲得枚数表示データを記憶する領域に記憶する。
次にステップS1032に進み、押し順報知開始時の出力要求をセットする。この処理は、押し順報知を開始すること及び報知内容を、サブ制御基板80’に送信するための制御コマンドデータをセットする処理である。
次にステップS1033に進み、メイン制御基板60’は、制御コマンドセット1を実行する。この処理は、制御コマンドバッファに、サブ制御基板80’に送信する制御コマンドデータを記憶する処理である。これにより、次に割込み処理が実行されたとき、制御コマンドデータがサブ制御基板80’に送信される(図48のステップS612、及び図54)。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、上記の制御コマンド送信処理によって、サブ制御基板80’は、押し順報知開始時の制御コマンドを受信すると、画像表示装置23等により押し順の報知を実行する。この場合の報知は、メイン制御基板60’側の「A1」とは異なり、「中左右」等のような実際の正解押し順を報知する。
このようにして、ステップS1031で報知データがRWM61に記憶されると、次に割込み処理が実行されたときに、図48中、ステップS606から図49のLED表示制御に進む。そして、図49中、ステップS629において、RWM61に記憶された報知データが(獲得枚数表示データとして)取得され、Aレジスタに記憶される。その後、ステップS630以降の処理により、たとえば複合ベルA1当選時には、獲得数表示LED72に「A1」と報知される。
図79は、図77中、ステップS1016における報知内容変更処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1041では、報知内容を変更可能か否かを判断する。本実施形態では、複合ベル当選時の正解押し順は、6択であるので、第一停止を間違えると、その時点で不正解押し順となる。このため、複合ベル当選時に第一停止を間違えたときは、その時点で、報知内容の変更は不可能と判断する。
これに対し、上述したように、RT3遊技におけるリプレイ重複当選時に、転落リプレイが入賞しない(ノーマルリプレイが入賞する)押し順を報知した結果、第一停止で遊技者が操作ミスをした場合において、第二停止を適切な押し順で操作すると、転落リプレイが入賞しない場合には、「報知内容の変更が可能」と判断される。
具体的には、リプレイ重複11の当選となった遊技において、左中右、左右中、中左右の押し順で操作するとノーマルリプレイが入賞し(転落リプレイは入賞せず)、中右左、右左中、右中左の押し順では転落リプレイが入賞すると仮定する。
この場合において、メイン制御手段60’は、転落リプレイが入賞しない3通りの押し順中、「左中右」を選択して報知したが、遊技者の操作ミスにより、中ストップスイッチ42を最初に操作してしまったとする。このときは、中右左で操作すると転落リプレイが入賞するが、中左右で操作すると転落リプレイは入賞しない。
そこで、上記のような場合に、中第一停止後、報知内容を「中左右」に変更すれば、遊技者の救済となる(RT1遊技への転落を防止できる)ので、報知内容の変更が可能と判断する。
一方、リプレイ重複当選時に、第一停止時に転落リプレイの入賞が確定するような場合において、転落リプレイの入賞が確定する第一停止操作が行われたとき、たとえば上記の例では右第一停止時は、その後に報知内容を変更しても、転落リプレイの入賞を回避することができない。このような場合には、報知内容の変更は不可能と判断する。
同様に、転落リプレイの入賞が確定する第二停止操作が行われたとき、たとえばリプレイ重複9に当選し、「左中右」と報知した場合において、左第一停止操作の後、右第二停止操作が行われたときは、報知内容の変更は不可能であると判断する。
以上のようにして、ステップS1041において、報知内容の変更が可能であると判断したときはステップS1042に進み、報知内容の変更が不可能と判断したときはステップS1044に進む。
ステップS1042では、変更後の報知データを記憶する。この処理は、ステップS1031と同様に、RWM61の記憶領域中、本来であれば獲得枚数表示データを記憶する領域に、変更後の報知データを記憶する。これにより、次回割込み処理時から、この変更後の報知データが取得され、獲得数表示LED72に報知される。
次のステップS1043では、押し順報知変更時の出力要求をセットし、次のステップS1046で制御コマンドセット1を実行する。これにより、押し順報知が変更された旨の制御コマンドがサブ制御基板80’に送信される。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、サブ制御基板80’は、押し順報知が変更された旨の制御コマンドを受信したときは、画像表示装置23での押し順報知を、変更後の押し順報知に切り替える。たとえば、上記の例でいえば、最初に「左中右」と報知していたものを、「中左右」に変更する。
これに対し、ステップS1041で報知内容の変更が不可能と判断し、ステップS1044に進むと、報知中止処理を実行する。報知の中止としては、たとえば以下の方法が挙げられる。
第1に、獲得数表示LED72に報知した押し順の内容を消去することが挙げられる。この場合には、ステップS1044では、LED表示要求フラグ(図9)の値を、「00000011」(獲得数表示LED72に相当するデジット3及び4のフラグを「0」)に更新する処理である。これにより、デジット3及び4の消灯が可能となり、当該処理以降に割込み処理が実行されたとき、LED表示要求フラグが「0」となっている獲得数表示LED72の消灯が可能となる。
また第2に、ステップS1011で報知を開始する前の状態、たとえば表示内容を「00」に戻すことが挙げられる。この場合には、RWM61の獲得枚数表示データを記憶する領域に、「00」を示す獲得数データを記憶する。
以上のようにして、報知を中止する場合、報知内容を消去する場合や、獲得数表示LED72の表示内容を報知前の状態に戻すことが挙げられる。
ステップS1044からステップS1045に進むと、押し順報知中止時の出力要求をセットし、次のステップS1046で制御コマンドセット1を実行する。これにより、押し順報知が中止された旨の制御コマンドがサブ制御基板80’に送信される。そして本フローチャートによる処理を終了する。サブ制御基板80’は、押し順報知が中止された旨の制御コマンドを受信したときは、画像表示装置23での押し順報知を中止する。
図80は、図77中、ステップS1018の押し順報知終了処理を示すフローチャートである。ステップS1018からステップS1051に進むと、報知終了処理を実行する。この処理は、ステップS1044で示した処理と同様の処理であり、獲得数表示LED72を消灯させるか、又は報知前の表示、たとえば「00」に戻す処理である。
次に、ステップS1052に進み、押し順報知終了時の出力要求をセットし、次のステップS1053で制御コマンドセット1を実行する。これにより、押し順報知を終了した旨の制御コマンドがサブ制御基板80’に送信される。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、サブ制御基板80’は、押し順報知を終了した旨の制御コマンドを受信したときは、画像表示装置23での押し順報知を終了し、押し順報知終了後の演出(たとえば、複合ベル入賞時の演出等)を実行する。
なお、ステップS1016における報知内容変更処理で、獲得数表示LED72を消灯させるか、又は報知前の表示に戻す処理を実行した後は、ステップS1018の処理を再度実行してもよく、あるいはスキップするように制御してもよい。
以上の第5実施形態において、押し順報知開始(ステップS1012)後、押し順不一致時には必ずしも報知内容変更処理(ステップS1016)を実行する必要はなく、押し順不一致後もそのままの報知を継続してもよい。あるいは、押し順不一致時には、報知している押し順を消去等する処理のみを実行してもよい。
また、全リール31の停止後、押し順報知終了処理(ステップS1018)を必ずしも実行する必要はなく、たとえば役が入賞したときに、獲得数表示LED72にメダル獲得枚数が表示される直前まで、押し順報知を継続してもよい。
押し順報知終了処理を実行せず、かつ役の非入賞となって次遊技に移行したとき、ステップS1005のメダル投入待ち処理に移行すると、図35に進み、ステップS422で獲得枚数表示クリア処理が実行されるので、この時点まで押し順報知を継続してもよい。押し順報知を継続しても、ステップS422においてその表示はクリアされることとなる。
なお、第5実施形態及び上述した第1実施形態において、遊技待機表示時間の経過時(図35のステップS422)や、メダルの手入れ投入時又はメダルベット処理時に、獲得枚数表示のクリア処理を実行している(図35のステップS422、図32のステップS175)。ここで、このクリア処理の結果、「00」と表示するときはLED表示要求フラグ(図9)のD2及びD3ビット(デジット3及び4)は「1」のままであるが、獲得数表示LED72を消灯するときは、LED表示要求フラグのD2及びD3ビットを「0」にする。これにより、次の割込み処理から、獲得数表示LED72は消灯される。
また、スタートスイッチ41の操作を検知したとき、すなわちステップS1008(又は図26のステップS108)の後に、LED表示要求フラグのD2及びD3ビットを「0」にする処理を実行することにより、獲得数表示LED72の消灯処理を実行してもよい。
また、上記のように遊技開始時に獲得数表示LED72を消灯している場合において、押し順報知を開始するとき(ステップS1011)は、LED表示要求フラグのD2及びD3ビットを「1」にする処理を実行する。
ただし、スタートスイッチ41の操作を検知したとき(遊技開始時)にLED表示要求フラグのD2及びD3ビットを「0」にする処理を実行するときは、ステップS1008の直後に実行するのではなく、ステップS1010で「No」と判断されたときに実行してもよい。
さらにまた、ステップS1016における報知内容変更処理では、表示内容を「00」に戻すときは、LED表示要求フラグのD2及びD3ビットの「1」を維持する。これに対し、獲得数表示LED72を消灯するときは、LED表示要求フラグのD2及びD3ビットを「0」にする。
さらに、ステップS1018の押し順報知終了処理において、獲得数表示LED72を消灯するときはLED表示要求フラグのD2及びD3ビットを「0」にし、表示内容を「00」に戻すときはLED表示要求フラグのD2及びD3ビットの「1」を維持する。
また、当該遊技で役が入賞し、ステップS1021においてメダル払出しを実行するときは、獲得数表示LED72にメダル払出し枚数を表示する必要がある。
この場合、ステップS1016又はステップS1018の処理において獲得数表示LED72を消灯しているときは、ステップS1021においてLED表示要求フラグのD2及びD3ビットを「1」にする。なお、ART中の複合ベル当選時に押し順を報知した場合には、当該遊技でベルが入賞する可能性が高い。したがって、この場合には、ステップS1018の処理ではLED表示要求フラグのD2及びD3ビットの「1」を維持するようにしてもよい。
さらにまた、ステップS1021において払出しがない場合に「00」と表示するときは、ステップS1021においてLED表示要求フラグのD2及びD3ビットを「1」にしてもよい。
また、第5実施形態のメインループ(図77)において、エラー発生時には、以下のように処理される。
まず、図77に示すように、ステップS1020で表示エラー(復帰不可能エラー)が発生したと判断したときは、ステップS1025に進んで復帰不可能エラー処理が実行される。復帰不可能エラー処理は、上述した図25(第1実施形態)、図66〜図68(第2実施形態)、図73(第4実施形態)のいずれであってもよい。ステップS1020からステップS1025に進んだときは、この時点で、メインループのステップS1021以降の処理(ステップS1000に戻る処理を含む)は中止される。
また、ステップS1020の処理前にステップS1018が実行されることにより、当該遊技で押し順報知が行われたとしても、ステップS1020の時点では、獲得数表示LED72の表示は、上述したように消灯であるか又は「00」の表示である。そして、ステップS1020からステップS1025に進んで復帰不可能エラー処理が実行されると、獲得数表示LED72にエラー番号が表示される。このため、それ以前に「00」と表示されていたときは「00」からたとえば「E5」の表示に切り替わり、それ以前に消灯状態であったときは、消灯状態から「E5」の点灯に切り替わる。
また、ステップS1008のスタートスイッチ41の操作後、リール31の回転中等に発生する可能性のある復帰不可能エラーは、割込み処理時に乱数エラーが発生したときである。第5実施形態では、割込み処理は、第1〜第3実施形態のいずれを実施してもよく、乱数エラーは、図48のステップS609(第1実施形態)、図69又は図70のステップS931(第2実施形態)、図72のステップS967(第3実施形態)で、それぞれ「Yes」となったときに相当する。
この場合には、乱数エラーが発生したと判断されると、復帰不可能エラー処理が実行され、メインループは中止される。たとえばリール31の回転中やメダル払出し時に復帰不可能エラーが発生したときは、復帰不可能エラー処理中の「出力ポート0〜6オフ処理」(たとえば図25の例ではステップS62)により、モータ32の駆動や、ホッパーモータ36の駆動が停止する。
そして、復帰不可能エラー処理が実行されると、上述したように、獲得数表示LED72に、エラー番号が表示される。このため、たとえば獲得数表示LED72に押し順を表示しているとき(リール31の回転中、全リール31の停止前)に復帰不可能エラーが発生したときは、復帰不可能エラー処理の実行によって、獲得数表示LED72の表示は、押し順報知から復帰不可能エラー番号の表示に切り替わる。
上記のような復帰不可能エラーが発生したときは、電源スイッチ51を一旦オフにし、電源断をした後に、設定キー挿入口に設定キーを差し込み、設定キースイッチ52をオンにした状態で、電源スイッチ51を再度オンにする。これにより、設定変更処理(図21)が実行される。そして、設定変更が正常に終了すると、メインループに移行させることができる。
また、スタートスイッチ41の操作後、全リール31の停止前に復帰可能エラーを検出したときは、全リール31が停止した後(図77中、ステップS1017とS1018との間)に復帰可能エラー処理に相当するエラー表示処理(図47)を実行する。
さらにまた、全リール31の停止後に復帰可能エラーを検出したときは、図77中、ステップS1008の直前に復帰可能エラー処理(エラー表示)を実行する。図77(前述の図26も同様)では図示していないが、スタートスイッチ41の操作が受け付け可能であるか否かを判断する前に、復帰可能エラー発生時にいずれかのビットがオン(「1」)となる上述の異常入力フラグを参照することで、復帰可能エラーが発生しているか否かを判断する処理を実行する。そして、当該異常入力フラグのうちのいずれかのビットがオン(「1」)であるときは、その復帰可能エラーに対応するエラー番号を表示するために、エラー表示(図47)に移行する。
換言すると、メイン制御基板60’は、入力エラーチェック処理において復帰可能エラーを検知すると、その制御コマンドをサブ制御基板80’に送信する。そして、その後、すぐに遊技を停止させることはないものの、サブ制御基板80’は、復帰可能エラーに係る制御コマンドを受信すると、ただちに(リール31の回転中、全リール31の停止前であっても)エラー報知を行う。これにより、上述したように、遊技者による遊技については特定の処理が実行されるまでは進行することができるとともに、エラー報知についてはすぐに実行されるため、ホール店員等はすぐに復帰可能エラーが発生したことを知ることができる。なお、サブ制御基板80’は、ART中に当該コマンドを受信したときは、ARTの押し順報知を行いつつ、エラーの報知を行う。これにより、遊技者の当該遊技の利益を損なうことなく、ホール店員にエラーが発生したことを知らせることができる。
次に、第5実施形態において、メイン制御基板60’及びサブ制御基板80’による押し順報知のタイミングについて説明する。
図81は、押し順報知時のメイン制御基板60’からサブ制御基板80’への制御コマンド(押し順情報)の送信と、メイン制御基板60’による押し順報知と、サブ制御基板80’との押し順報知との時間の関係を示すタイミングチャートである。
図81において、押し順報知を実行するときは、図77中、ステップS1011、及び図78に示すように、押し順報知開始時の制御コマンドをサブ制御基板80’に送信する。
また、図77中、ステップS1011の処理の実行後、割込み処理時が実行されることにより、獲得数表示LED72に押し順が報知される。図81の例では、制御コマンドの送信後、わずかに遅延してメイン制御基板60’側で押し順報知が開始されたことを示している。
また、サブ制御基板80’は、押し順報知開始時の制御コマンドを受信すると、押し順報知を開始する。図81の例では、メイン制御基板60’側での報知にわずかに遅延してサブ制御基板80’の報知が実行される例を示している。
また、メイン制御基板60’及びサブ制御基板80’の報知は、第三(最後の)ストップスイッチ42がオンされるまで継続される例を示している。なお、図77の例では、全リール31が停止したか否かの判断(ステップS1017)後に押し順報知の終了処理(ステップS1018)を実行しているが、図81に示すように、第三ストップスイッチ42操作時まで実行するようにしてもよい。
以上の押し順報知タイミングにおいては、
(1)メイン制御基板60’及びサブ制御基板80’での報知開始時は、スタートスイッチ41の操作後、ストップスイッチ42の操作受付け可能状態になる前までであれば、いつでもよい。
(2)報知開始のタイミングは、
a)メイン制御基板60’とサブ制御基板80’との報知開始時が同時になる場合、
b)メイン制御基板60’での報知開始時がサブ制御基板80’よりも先になる場合、
c)サブ制御基板80’での報知開始時がメイン制御基板60’よりも先になる場合
のうち、いずれであってもよい。
(3)メイン制御基板60’側で報知を開始した後に、サブ制御基板80’に制御コマンドを送信してもよい。
(4)報知終了のタイミングは、第二ストップスイッチ42操作時以後であれば、いつでもよい。たとえば、第二ストップスイッチ42操作時、第三ストップスイッチ42操作時、全リール31停止時、のタイミングが挙げられる。
(5)報知終了のタイミングは、
a)メイン制御基板60’とサブ制御基板80’との報知終了時が同時になる場合、
b)メイン制御基板60’での報知終了時がサブ制御基板80’よりも先になる場合、
c)サブ制御基板80’での報知終了時がメイン制御基板60’よりも先になる場合
のうち、いずれであってもよい。
<第6実施形態>
続いて、第6実施形態について説明する。
第5実施形態では、押し順報知をメイン制御基板60’側で行うとき、獲得数表示LED72を用いて押し順を報知するようにした。
これに対し、第6実施形態では、図74に示すように、メイン制御基板60’側で制御するLEDであって、押し順を報知する専用の押し順報知LED74を設けたものである。
この押し順報知LED74は、点灯/消灯を切り替え可能なLEDであって、状態表示LED73で用いたものと同種のものを4個設けたものである。なお、個数は任意であり、個数が多いほど、多くのパターンを報知可能となる。また、LEDの並べ方についても任意であるが、第6実施形態では、4個並設している(図82)。ただし、これに限らず、複数個のLEDの配列は任意である(たとえば、不規則配列も可能である)。
表示基板70上に押し順報知LED74を設けたときに、その配置は任意であるが、たとえば図5中、獲得数表示LED72の右側に配置することが挙げられる。あるいは、中継基板を用いて、他の位置(たとえば、表示窓13の一部)に配置してもよい。
図82は、第6実施形態において、当選役と、押し順報知LED74の点灯パターンとを示す図である。図中、「●」は点灯状態を示し、「○」は消灯状態を示す。
非ART中や、ART中の押し順役非当選時は、非報知時に示すように、4個のLEDはすべて消灯状態となる(「○○○○」)。また、ART当選後の押し順役当選時は、複合ベルであるかリプレイ重複であるか(一番左側のLEDが点灯か否か)と、6種類の押し順に応じて、特有の点灯状態となる。
なお、第1実施形態では、図19に示すように、左第一停止が正解押し順となる複合ベルは存在しないが、図82の例では、複合ベル当選時の正解押し順に、左第一停止となる場合を有するものとして例示している。リプレイ重複当選時も同様に、6通りの正解押し順(RT1遊技及びRT2遊技では昇格リプレイを入賞させる押し順、RT3遊技ではノーマルリプレイを入賞させる押し順)を有するものとして例示している。
第5実施形態の場合には、図76に示すように、当選役(条件装置)と、報知内容とが一対一であったので、たとえば報知内容が「A7」であるとき、当選役は、複合ベルC1であると判断可能となる。
これに対し、第6実施形態では、当選役と報知内容とは対応しておらず、押し順のみを報知するものである。したがって、たとえば複合ベルA1当選時において正解押し順が「中左右」であるときと、複合ベルA2当選時において正解押し順が「中左右」であるときとでは、同一の報知内容(「○○●●」)となる。
このように、押し順を報知可能であれば、当選役(条件装置)については必ずしも報知する必要はない。また、第5実施形態のように、各当選役ごとに特有の報知内容を有するものであれば、それは、押し順報知を行うと同時に、当選役の種類を報知することを意味する。
図83は、第6実施形態において、押し順報知LED74による報知処理(点灯パターンの変化)を示す図である。図83の例では、リプレイ重複11に当選し、正解押し順を「左中右」と報知した例を示している。
まず、図中、(a)は、正常に報知を終了したときを示す。
スタートスイッチ41が操作される前は、押し順報知LED74は、非報知状態(全LEDが消灯状態)である。スタートスイッチ41が操作され、役抽選が行われた結果、リプレイ重複11に当選すると、メイン制御基板60’は、正解押し順(3通り)の中からいずれか1つを抽選等で選択し、押し順報知LED74の点灯を制御する。図83の例では、正解押し順として「左中右」を選択し、「●○○●」と報知した例を示している。そして、遊技者により、第一停止左、第二停止中、第三停止右と操作されると、全リール31が停止するまで(第三停止操作時まで)、押し順報知LED74の上記点灯状態を維持し、全リール31が停止したときに、押し順報知を終了して、押し順報知LED74の全LEDを消灯状態とする。
次に、図中、(b)は、報知を中止したときを示す。
上記と同様に、スタートスイッチ41が操作される前は、押し順報知LED74は、非報知状態(全LEDが消灯状態)である。スタートスイッチ41が操作され、役抽選が行われた結果、リプレイ重複11に当選し、正解押し順として「左中右」を選択すると、押し順報知LED74の点灯を制御して「●○○●」と報知する。
次に、第一停止時にストップスイッチ42の操作ミスが発生し、本来であれば左第一停止とすべきところ、右第一停止としてしまったと仮定する。そして、当該遊技で右第一停止であるとき、その時点で転落リプレイの入賞が確定するものとする。このような場合には、報知内容を変更することはできないので、その時点で報知を中止し、押し順報知LED74の全LEDを消灯状態にする。
さらに、図中、(c)は、報知内容を変更したときを示す。
上記と同様に、スタートスイッチ41が操作される前は、押し順報知LED74は、非報知状態(全LEDが消灯状態)である。スタートスイッチ41が操作され、役抽選が行われた結果、リプレイ重複11に当選し、正解押し順として「左中右」を選択すると、押し順報知LED74の点灯を制御して「●○○●」と報知する。
次に、第一停止時にストップスイッチ42の操作ミスが発生し、本来であれば左第一停止とすべきところ、中第一停止としてしまったと仮定する。そして、当該遊技で中第一停止であるとき、中右左でストップスイッチ42を操作したときは転落リプレイが入賞するが、中左右でストップスイッチ42を操作すればノーマルリプレイが入賞する。したがって、この場合には、押し順報知の変更が可能であると判断し、中第一停止直後に、報知内容を、「中左右」を意味する「●○●●」に変更する。そして、全リール31が停止したときに、押し順報知を終了して、押し順報知LED74の全LEDを消灯状態とする。
なお、上記(b)の例において、ストップスイッチ42の操作ミスが発生したときであっても、そのまま報知を継続し、全リール31の停止時(第三ストップスイッチ42の操作時)に報知を終了するようにしてもよい。
また、上記(c)の例において、第一停止時に、報知内容が変更可能であったと判断したときであっても、他の条件を満たすか否かにより、変更後の内容を報知する場合と、上記(b)のように報知を中止する場合とを設けてもよい。
さらにまた、上記(c)の例において、第一停止時に操作ミスが発生し、「中左右」を意味する報知に変更した後、第二停止でも操作ミスが発生し、右第二停止としたときは、その時点で報知を中止してもよく、変更後の報知については全リール31の停止時(第三ストップスイッチ42の操作時)まで継続してもよい。
また、第6実施形態及び前述の第5実施形態では、全リール31の停止時まで報知を継続したが、たとえば第二停止時点で報知を終了してもよい。具体的には、図77中、ステップS1018の処理を、第二停止終了後に実行してもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)第1実施形態では、AT遊技の開始時に特殊リプレイを入賞させるようにしたが、これに限らず、フリーズ中の擬似遊技を利用して、「赤7」揃い等のAT作動図柄(ATを開始することが遊技者に分かりやすい図柄組合せ)を表示させてもよい(第5実施形態等でも同様である)。
ここで、本遊技と擬似遊技とについて説明する。
「本遊技」とは、操作スイッチの本来の機能(ベットスイッチ40は遊技を開始するためにメダルを投入する機能、スタートスイッチ41は遊技を開始するためにリール31の回転を開始する機能、ストップスイッチ42は、回転中のリール31を役の抽選結果に基づいて最大移動コマ数の範囲内において停止させる機能)が遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっている遊技を指す。
本遊技では、ベットスイッチ40が操作されたときにメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されたときにリール31の回転を開始し(及び役の抽選を行い)、ストップスイッチ42が操作されたときに、役の抽選結果に基づいてリール31を停止させ、リール31の停止時における図柄の組合せによってその遊技における遊技結果を表示する。
これに対し、フリーズ中は、ベットスイッチ40を操作してもメダルが投入されないこと、スタートスイッチ41を操作してもリール31の回転が開始しないこと、ストップスイッチ42を操作しても、リール31が遊技結果を表示しない(リール31が停止しない)こと等は、操作スイッチの機能が本遊技を進行して本遊技での遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態である。
そして、「擬似遊技」とは、このフリーズ中に実行される遊技であって、本遊技と異なり、少なくとも1つの操作スイッチについて、その機能が、本遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっていない遊技を指す。特に、スタートスイッチ41が操作された時から、リール31が定速となってストップスイッチ42の操作受付け可能となるまで(ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になるまで)の間に、擬似遊技を実行する。
擬似遊技の実行のタイミングは、前兆終了後の次遊技である。この次遊技に、擬似遊技で停止させる図柄の組合せ、たとえば「赤7」を狙わせる報知を行う。なお、擬似遊技で「赤7」揃いをさせる場合には、「赤7」揃いを役の図柄の組合せに設定しないようにしてもよい。
フリーズ及び擬似遊技を実行することに決定したときは、次遊技において、本遊技の開始前にフリーズ及び擬似遊技を開始する。
遊技者によりスタートスイッチ41が操作されると、役の抽選を行うとともに、擬似遊技を開始する。一方、スタートスイッチ41が操作されると、リール31の回転を開始する。スタートスイッチ41が操作されたことによりリール31を回転させる場合において、当該遊技で、本遊技の前に擬似遊技を実行する場合には、そのスタートスイッチ41の操作によるリール31の回転開始時は擬似遊技となる。
また、擬似遊技では、遊技者によるストップスイッチ42の操作を契機として、そのストップスイッチ42に対応するリール31を変動させ、遊技結果を表示する停止とは異なる図柄の表示状態とすることにより、遊技結果を示すものではない図柄の組合せの表示状態(リール31の停止に近い状態)となるように制御する。すなわち、ストップスイッチ42の機能は遊技結果を表示するものとして有効になっていないものの、ストップスイッチ42の操作を契機としてリール31の変動を行う。
このときに、ストップスイッチ42の操作を契機として上述したAT作動図柄を表示させることで、AT開始時の演出とする。また、AT作動図柄を表示した時に、外端信号を送信する。
なお、擬似遊技中に、ストップスイッチ42の操作を契機としてAT作動図柄を表示させる場合には、そのAT作動図柄は、本遊技における停止位置決定テーブルを用いる停止制御(最大スベリコマ数が4コマ)と同様の制御を行ってもよいが、ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず(最大スベリコマ数が4コマを超える場合であっても)、AT作動図柄を常に有効ラインに表示するようにリール31を制御してもよい。擬似遊技は、本遊技における最大スベリコマ数の制約を受けないためである。
さらに、擬似遊技中の図柄の表示状態は、リール31(図柄)が一定位置に完全にとどまることなく、揺れ変動を伴うものとする。
ここで、「揺れ変動」とは、図柄が一定の振幅(揺れ幅)をもって上下移動を繰り返すものであり、常に上下移動を繰り返す場合や、静止及び移動を繰り返す場合、たとえば有効ラインを基準として上寄りの位置で所定時間静止した後、下寄りに移動してその位置で所定時間静止した後、再度上寄りに移動して所定時間静止することを繰り返す等の動作である。
より具体的には、図柄の表示状態とした時から390msその位置にとどまり、上寄り位置に移動してその位置で10msとどまり、次に下寄り位置に移動してその位置で10msとどまる、というように、最初は390msとどまり、次に移動及び10msとどまることを繰り返すパターンが挙げられる。
なお、最初のとどまる時間を390msに設定したのは、とどまる時間を500ms未満とすることで、遊技結果を表示する停止と区別するためである。
ただし、a)第1リール31が表示状態となり、第2及び第3リール31が未だ回転中であるときの第1リール31、b)第1及び第2リール31が表示状態となり、第3リール31が未だ回転中であるときの第1及び第2リール31について、揺れ変動を実施するかについては任意である。たとえば、第3(全)リール31が表示状態となるまでは、第1及び第2リール31の表示状態時に揺れ変動を実施せず、第3リール31が表示状態となったときに全リール31について揺れ変動を実施してもよい。
「リール31を停止させること」は、遊技結果を表示することを意味するものなる。そして、遊技結果を一旦表示した後は、その一遊技内で、遊技結果を表示したリール31の再変動を行うことはできない。したがって、擬似遊技中にリール31を停止させてしまうと、その後に本遊技においてリール31を停止させて遊技結果を表示することはできない。
そこで、擬似遊技中は、ストップスイッチ42の操作を契機として、リール31の停止に近い状態(一時的な仮停止、擬似停止)である、揺れ変動を伴う図柄の表示状態とする。すなわち、擬似遊技中の図柄の表示状態は、遊技結果を示す停止ではない。いいかえれば、ストップスイッチ42を操作しても、当該遊技における遊技結果を示すようにリール31が停止することはない。
このため、擬似遊技中の図柄の表示状態は、役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したこと、すなわち役の入賞を意味するものではない。よって、小役入賞時のようなメダルの払出しや、リプレイ入賞時のようなメダルの自動投入が行われることはない。
このようにして、擬似遊技では、すべてのリール31について図柄の表示状態とした後、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されることを待ち、スタートスイッチ41が操作されたときは、擬似遊技及びフリーズを終了し、全リール31の再変動を行う。なお、このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態での操作であり、遊技者が自ら擬似遊技を終了させる(フリーズを解除ないしキャンセルする)操作である。また、リール31の再変動は、ランダム遅延によって、各リール31ごとに、再変動の回転開始タイミングをばらばらにする制御を行う。
以上のようにして、擬似遊技を用いてAT作動図柄を表示するようにすれば、前兆終了後の次遊技でAT作動図柄を表示させ、かつ当該遊技(当該擬似遊技終了後の本遊技)からATを開始することができる。これにより、AT準備中(複合ベル当選時に正解押し順を報知する遊技)を設けることがないので、その分、AT前の出玉率(ベース)を下げることができる。
(2)上記のフリーズは、演出上のウェイトとしても用いられる。たとえば、第1実施系形態のように、特殊リプレイ(「赤7」揃い)を入賞させてAT開始とする場合、AT中の上乗せ時(特定の図柄の組合せを停止表示するもの)、メイン制御基板60側でAT管理を行う場合のAT終了時等に、フリーズを実行することができる。また、フリーズに係る制御コマンドは、メイン制御基板60から第1サブ制御基板80に送信されるので、第1サブ制御手段80は、この制御コマンドを受信したときに、フリーズに対応する演出を表示することができる。
以上のようなフリーズは、遊技(メイン制御基板60側における情報処理)を進行しないという点でウェイト処理と共通する。しかし、フリーズとしてのウェイト処理は、演出(遊技者に見せること)を目的とするものである。
これに対し、たとえば図21のステップS40におけるウェイト処理は、情報処理に時間を要するときにその情報処理の終了を待つための処理であり、フリーズとしてのウェイト処理とは本質的に異なるものである。
(3)上記実施形態では、ATは、基本遊技回数をたとえば「50」とし、この「50」に上乗せされる仕様とした。しかし、これに限らず、継続条件を満たさなくなるまで、1セット所定回数からなるATを継続する仕様であってもよい。この場合には、AT当選時、AT作動図柄(特殊リプレイ)入賞時等に継続率を抽選で決定する。そして、所定のタイミングで継続抽選を実行し、この継続抽選に当選したときは、次のセットのAT(所定遊技回数)を実行する。
(4)LED表示要求フラグは、設定変更中及び設定確認中のみ、D4ビット(デジット5)を「1」とした。しかし、これに限らず、通常中も含めてD4ビットを「1」とし、設定キースイッチ52のオンを検知したことを条件として、デジット5(設定値表示LED63)を点灯させるように制御してもよい。
(5)本実施形態では、エラー番号は、獲得数表示LED72で表示するようにしたが、これに代えて、貯留数表示LED71で表示してもよい。
また、設定変更中は、貯留数表示LED71を表示せず、かつ獲得数表示LED72に「−−」を表示したが、設定確認中と同じ表示を行ってもよい。
さらにまた、設定値表示LED63(デジット5)を設けずに、デジット1〜4のいずれかを、設定値表示LEDと兼用してもよい。たとえば、獲得数表示LED72を設定値表示LEDと兼用する場合には、設定変更中又は設定確認中となったときは、デジット3を消灯にし、デジット4を点灯かつ設定値表示とすればよい。
さらに、設定値表示LED63を設ける場合には、メイン制御基板60、60’上に搭載することに限られるものではなく、他の基板上であってもよい。
たとえば第1に、上述したように、表示基板70を表示窓13の裏面側に配置したときに、その表示基板70上に、フロントカバー11を開放したときに設定値の表示が見えるように設定値表示LED63を取り付けてもよい。
また第2に、上述した設定キースイッチ52及び設定変更/リセットスイッチ53を実装した基板(図3中、メイン制御基板60の右側に隣接する基板)上に設定値表示LED63を取り付けてもよい。
さらにまた第3に、本実施形態では図示していないが、スタートスイッチ41やストップスイッチ42を中継するための基板(メイン制御基板60、60’と接続される)をフロントカバー11の裏面側に配置したときに、その基板上に、フロントカバー11を開放したときに設定値の表示が見えるように設定値表示LED63を取り付けてもよい。
(6)本実施形態のスロットマシン10を利用して、マイスロ遊技を実行することも可能である。
ここで、「マイスロ遊技」とは、以下の内容である。
スロットマシン10は、遊技者の遊技履歴(遊技回数、AT当選回数等)を記憶しておく。遊技終了時に、スロットマシン10は、遊技履歴を二次元コードとして画像表示装置23に画像表示する。
遊技者は、その二次元コードを遊技者自身の携帯通信端末(二次元コードを読み取り可能なCCDを備えるスマートフォン等)で読み取り、スロットマシン10の製造メーカ等が運営するサーバーコンピュータにアクセスする。サーバーコンピュータには、その遊技者の最新の遊技履歴が記憶される。また、サーバーコンピュータは、遊技者が保有する携帯通信端末に対し、パスワードを発行する。遊技者は、遊技開始時に、そのパスワードを入力して遊技を開始すれば、遊技履歴を引き継ぐことができるというものである。
このようなマイスロ遊技では、遊技履歴は、RWM81に記憶しておく。そして、単なる電源のオン/オフ時におけるRWM81の初期化時(ステップS701)には、その遊技履歴を消去するように設定する場合と、消去しないように設定する場合とが挙げられる。
また、設定変更を開始した場合の初期化時(ステップS754)には、遊技履歴を含めて消去する。
たとえば、電源がオフからオンになったときに遊技履歴を消去するようにしておくことにより、設定変更を開始したときの挙動と同じになることで、マイスロ遊技を用いて設定変更をしたか否かということを遊技者には知らせないことが可能となる。
また、電源のオフからオンになったときに遊技履歴を一律に消去してしまうと、遊技中に意図しない電源断が生じた場合に遊技者に不利益を与えてしまう。そこで、電源のオフから時間を計時し、所定時間(例えば2時間)経過した場合は電源のオン時に遊技履歴を消去し、所定時間経過前の場合には、電源オン時に遊技履歴を保持するようにしてもよい。
この遊技履歴は、上述したマイスロ遊技に限らず、例えば画像表示装置23に表示されている遊技に関する実行回数(通常ゲーム数、ATゲーム数、チャンスゾーン中を示すゲーム数)も同様に制御するようにすることができる。
たとえば、電源オフから電源オンによりこれら遊技に関する実行回数の表示は実行しないように制御するが、電源オフから電源オンにより天井までのゲーム数等は内部的に保持することが考えられる。これにより、見た目上の天井と内部的の天井とで相違が生じ、遊技を進めることにより設定変更がされたか否か等の推測の要素ともなり得る。
(7)上記実施形態では、設定変更/リセットスイッチ53を覆う設定ドアを設け、設定ドアスイッチ54のオン/オフを検知することにより、設定ドアの開閉を検知した。しかし、設定ドアは必ずしも設ける必要はない。設定ドア(設定ドアスイッチ54)を設けない場合には、ステップS18における「指定スイッチ」の判断に際し、設定ドアスイッチ54の信号は含まれない。
(8)設定値表示LED63は、7セグから構成したが、たとえば、「6.」のように、7セグに加えて「.」(ドット)を設けてもよい。
この場合、設定値表示LED63のドットを点灯/消灯制御するには、たとえば未使用となっているデジット2のセグメントP信号を割り当てることが可能である。そして、設定変更開始時には、ドットを点灯させ、スタートスイッチ41のオンにより設定値を決定確定させたときには、ドットを消灯させる方法が考えられる。
さらにまた、設定確認中は、設定変更中との区別のため、ドットを消灯することが挙げられる。
(9)図62において、設定変更中と設定確認中とで、表示する情報や、変更可能となるモードを異ならせることも可能である。さらに、変更不可となるモードは、最初から表示させないことも可能である。
たとえば、設定変更中は、図62に表示した内容すべてを画像表示するが設定確認中は、エラー発生履歴を表示せず、かつ音量調整モードを表示しないこと等が挙げられる。
(10)図26に示すように、ステップS104においてベットメダル有りと判断したときはステップS106に進み、ステップS105の処理を行わないようにした。そして、ステップS105において設定確認が可能となるので、ベットメダル有りのときは設定確認を行うことができない。しかし、これに限らず、ベットメダル有り時でも設定確認を可能としてもよい。また、スタートスイッチ41の操作後(ステップS108の後)は、全リール31の停止時(遊技終了時)までは設定確認を行うことができないが、この間でも設定確認を可能としてもよい。
(11)上記実施形態では、精算スイッチ46に係る立ち上がりデータに基づいて精算処理を開始するように制御した。すなわち、精算スイッチ46が操作されることで精算処理を開始するようにした。
しかし、これに限らず、精算スイッチ46を一定時間操作し続けること(押しっぱなし)により精算処理を開始するようにしてもよい。
たとえば、精算スイッチ46に係るレベルデータが、500回の割込み(≒約1100ms)の間、連続でオンであるときに精算処理を開始することが挙げられる。
(12)上記実施形態では、1BBやRB等の遊技状態移行役(当選を持ち越す、いわゆるボーナス役)を設けていないが、これらを設けることは、もちろん、可能である。
さらに、上記実施形態では、MBの当選を持ち越して内部中遊技を作り出したが、これに限らず、1BBやRBを当選させて内部中遊技を作り出してもよい。
(13)デジット点灯時間は、割込み時間である2.235msとしたが、割込み周期は、2.235msに限られるものではない。たとえば第1実施形態における第1サブ制御基板80から第2サブ制御基板90への割込み処理周期である1ms等、種々の時間が挙げられる。そして、デジットの点灯時間を一割込み時間に設定したときには、1つのデジットの点灯時間は、割込み時間に依存する。
(14)第1実施形態では、復帰不可能エラーの上位桁/下位桁切替え時間として、0.128msに設定したが、この時間に限定されるものではない。本実施形態では、Bレジスタの減算で0.128msの計時を行ったが、それ以外の方法でウェイト時間をカウントしてもよい。
(15)本実施形態では、LED表示要求カウンタは、通常中、設定変更中、設定確認中に応じて異なる値としたが、これ以外にも、特有の値をとる状態を設けてもよい。たとえば、遊技終了後から30秒〜60秒間、操作スイッチが操作されなかったときは、遊技待機状態に移行し、この遊技待機状態におけるLED表示要求フラグの値を「00000000」とし、全デジットを消灯に設定してもよい。
(16)連続演出(複数遊技にわたる一連の演出)の出力中に電源断が発生した場合において、第1サブ制御基板80、サブ制御基板80’の電源復帰時には、連続演出中の演出を消去してもよい。
たとえば、4ゲーム間の連続演出(A→B→C→D(AT当選結果報知))において、演出Bを出力した後に電源断が発生した場合には、演出C以降を出力しないことが挙げられる。
ただし、演出D(ATの当選結果)に応じて出力の有無を決定してもよい。たとえば演出DがAT当選報知であるときは、電源復帰後に演出C及び演出D(AT当選報知)を出力する。これに対し、演出DがAT非当選報知の場合には、電源復帰後には、演出C及びDを出力しないことが挙げられる。たとえば、AT当選報知(演出D)の出力が、マイスロ遊技におけるミッションに設定されている場合等には、遊技者のためには上記のように設定することが好ましい。
なお、演出DがAT非当選報知である場合において、その演出の出力がマイスロ遊技のミッションに設定されているときはその演出を出力し、マイスロ遊技のミッションに設定されていない場合にはその演出を出力しないように設定することも可能である。
(17)第1実施形態において、第2サブ制御基板90を画像制御に特化した基板にすることも可能である。この場合、第1サブ制御基板80にはプッシュボタン83、十字キー84、演出ランプ21、及びスピーカ22が接続され、第2サブ制御基板90に画像表示装置23が接続される。
(18)第2及び第3実施形態において、復帰不可能エラー中に割込み処理で実行される処理及び実行されない処理は、例示であり、例示したものに限定されるものではない。復帰不可能エラー発生時には、LED表示制御を実行して復帰不可能エラーに係るエラー番号を表示する処理を含み、かつリール31の駆動制御を実行しないことが必要であるが、他の処理は任意である。
(19)第3実施形態では、第1割込み処理と第2割込み処理とを設けたが、これに限らず、発生したエラー内容等に応じて、さらに第3割込み処理を設ける等、割込み処理の種類をより細分化することも可能である。
(20)第5及び第6実施形態では、メイン制御基板60’は、1つとしたが、これに限らず、2以上のメイン制御基板を設けることも可能である。たとえば、遊技媒体の投入検知及び払出し等を実行するメイン制御基板と、リール31の駆動及びATの制御を実行するメイン制御基板とを設けることが挙げられる。
(21)第6実施形態において、押し順報知LED74は、表示基板70上に設けたが、これに限らず、メイン制御基板60’によって直接制御される構成であれば、どの基板上に設けてもよい。また、押し順報知LED74は、4個のLEDから構成したが、これに限らず、獲得数表示LED72のように、1又は2以上のセブンセグメントLEDから構成してもよい。なお、1個のセブンセグメントLEDから構成する場合、1つの情報を常時表示するのではなく、「1」→「2」→「3」→「1」→・・・等、移動表示を実行することも可能である。
(22)メイン側の押し順報知LEDを、投入表示LED73e〜73gで兼ねることも可能である。この場合、押し順報知LEDは、3個のLEDから構成されるので、全消灯状態を除くと、7種類のパターンを表示することができる。
(23)メイン側の押し順報知LEDを、貯留数表示LED71で兼ねることも可能である。しかし、貯留数表示LED71で押し順報知LEDを兼ねる場合、押し順を報知している間は、貯留数の表示を行うことができないというデメリットがあることから、獲得数表示LED72によって押し順報知LEDを兼ねることが好ましい。
また、本実施形態では、獲得数表示LED72を設けることが前提となっているが、たとえばメイン側で獲得数を表示しなくてもよい。この場合、デジット3及び4を押し順報知(専用の)LED72としてもよい。
(24)第5及び第6実施形態において、メイン制御基板60’からサブ制御基板80’に正解押し順の情報を送信する場合において、非ART中は、正解押し順の情報を送信しないことが望ましい。メイン制御基板60’からサブ制御基板80’に送信する押し順の情報を不正に取得され、ゴト行為に利用されることを防止するためである。
ここで、非ART中は、たとえば複合ベル当選やリプレイ重複当選となったときに、一切の情報を送信しないようにしてもよいが、当選役の種類のみ、たとえば「ベル当選」、「リプレイ当選」(ただし、正解押し順の情報は含まない)の情報を送信してもよい。ベル当選、リプレイ当選の情報をサブ制御基板80’に送信すれば、サブ制御基板80’では、小役当選演出やチャンス演出を実行可能となる。
また、複合ベル当選やリプレイ重複当選となった遊技において、遊技結果の表示後、すなわち第三ストップスイッチ42の操作後や全リール31の停止後は、正解押し順の情報を送信することは差し支えない。
(25)上記実施形態で示したフローチャートにおいて、処理の順序は、図で示した順序に限られるものではなく、処理の順序を入替え可能な場合には、処理の順序を入れ替えることも可能である。
(26)上記実施形態では、遊技機の一例としてスロットマシン10を例に挙げたが、メイン制御基板60(メイン制御手段)からサブ制御基板80、90(サブ制御手段)への制御コマンドの送信等については、弾球遊技機や封入式遊技機等にも適用可能である。
(27)上記実施形態及び上記の各種の変形例は、単独で実施されることに限らず、適宜組み合わせて実施することが可能である。
(28)付記
本願の出願当初の発明(当初発明)は、たとえば以下の当初発明1〜9を挙げることができ、それぞれ、当初発明が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。ただし、当初発明は、以下の当初発明1〜9に限ることを意味するものではない。
なお、本願の請求項に係る当初発明は、以下の当初発明7に相当する。
1.当初発明1
(a)当初発明が解決しようとする課題
特許文献1の技術では、切替えスイッチ100(設定キースイッチ)のオン/オフにより点灯させる表示器を切り替えることができるが、手動によるものであるので、自動制御による複数個の7セグのダイナミック点灯制御ではない。また、払出し枚数表示器50のうち、十位表示器51は常時点灯状態にあるため、一位表示器52と設定値表示器60との点灯を切替えスイッチ100により切り替えても、表示器全体をダイナミック点灯させることにはならない。
ここで、複数個の7セグをダイナミック点灯制御する場合に、割込み周期によるダイナミック点灯を行うことが考えられる。
しかし、遊技機にとって重大なエラー(通常では起こり得ないエラー)が発生したときは、リールモータの駆動制御等を行う割込み処理は禁止されるのが一般的であるので、このような場合に、どのようにしてエラー情報をダイナミック点灯させるかが問題となる。
当初発明が解決しようとする課題は、スロットマシン等の遊技機において、特定のエラーが発生したときであっても、割込み処理により、必要な処理を実行可能にすることである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
第1の解決手段(第2実施形態)は、
遊技の進行を制御するメイン処理(図26;M_MAIN)と、
前記メイン処理の実行中に、前記メイン処理とは異なる処理を割込みによって実行する割込み処理(図69又は図70)と
を備え、
前記メイン制御手段は、
前記割込み処理では、遊技機に発生するエラーのうち特定エラー(復帰不可能エラー)が発生しているか否かを判断し、前記特定エラーが発生していない状況下では前記割込み処理で定められた所定の処理(全処理)を実行し、前記特定エラーが発生している状況下では前記割込み処理で定められた前記所定の処理のうち一部の処理(LED表示制御等)のみを実行するように制御する
ことを特徴とする。
また、第2の解決手段は、第1の解決手段において、
前記メイン制御手段は、
遊技者への有利度が異なる複数の設定値の中からいずれか1つの設定値を決定する設定値決定手段(設定変更手段62a)を備え、
前記特定エラーが発生したときは、前記設定値決定手段による設定値の決定によって復帰可能であり(図21;設定変更処理)、
前記特定エラーとは異なる他のエラーが発生したときは、前記他のエラー要因を除去した後、所定の操作により復帰可能であり(図47;エラー表示)、
前記他のエラーが発生した状況下では、前記割込み処理時には、前記所定の処理を実行する
ことを特徴とする。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特定エラーが発生していない状況下及び特定エラーが発生している状況下のいずれにおいても割込み処理を実行するが、特定エラーが発生している状況下では必要に応じて割込み処理中の一部の処理を実行するので、特定エラーが発生しているか否かに応じて割込み処理を適切に実行することができる。
これにより、たとえば、特定エラーが復帰不可能エラーであり、割込み処理中の一部の処理としてエラー情報を表示する処理を実行すれば、復帰不可能エラーの発生時においても割込み処理を用いてエラー情報を表示することができる。
2.当初発明2
(a)当初発明が解決しようとする課題
特許文献1の技術では、切替えスイッチ100(設定キースイッチ)のオン/オフにより点灯させる表示器を切り替えることができるが、手動によるものであるので、自動制御による複数個の7セグのダイナミック点灯制御ではない。また、払出し枚数表示器50のうち、十位表示器51は常時点灯状態にあるため、一位表示器52と設定値表示器60との点灯を切替えスイッチ100により切り替えても、表示器全体をダイナミック点灯させることにはならない。
ここで、複数個の7セグをダイナミック点灯制御する場合に、割込み周期によるダイナミック点灯を行うことが考えられる。
しかし、遊技機にとって重大なエラー(通常では起こり得ないエラー)が発生したときは、リールモータの駆動制御等を行う割込み処理は禁止されるのが一般的であるので、このような場合に、どのようにしてエラー情報をダイナミック点灯させるかが問題となる。
当初発明が解決しようとする課題は、スロットマシン等の遊技機において、特定のエラーが発生したときであっても、割込み処理により、必要な処理を実行可能とすることである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
当初発明(第3実施形態)は、
遊技の進行を制御するメイン処理(図26;M_MAIN)と、
前記メイン処理の実行中に、前記メイン処理とは異なる処理を割込みによって実行する割込み処理と
を備え、
前記割込み処理は、
第1割込み処理(図71)と、
第1割込み処理とは異なる制御処理を実行する第2割込み処理(図72)と
の少なくとも2種類を有し、
前記メイン制御手段は、
遊技機に発生するエラーのうち、特定エラー(復帰不可能エラー)が発生しているか否かを判断し、
前記特定エラーが発生していない状況下では、第1割込み処理及び第2割込み処理の双方を実行し、
前記特定エラーが発生している状況下では、第1割込み処理を実行するが、第2割込み処理を実行しないように制御する
ことを特徴とする。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特定エラーが発生していない状況下及び特定エラーが発生している状況下のいずれにおいても割込み処理を実行するが、特定エラーが発生している状況下では第1割込み処理のみを実行し、第2割込み処理を実行しないので、特定エラーが発生しているか否かに応じて適切な割込み処理を実行することができる。
これにより、たとえば、特定エラーが復帰不可能エラーであるときは、第1割込み処理ではエラー情報を表示する処理を実行し、第2割込み処理では復帰不可能エラー発生時には必要でない処理を実行すれば、復帰不可能エラーの発生時においても割込み処理を用いてエラー情報を表示することができる。
3.当初発明3
(a)当初発明が解決しようとする課題
特許文献1の技術では、切替えスイッチ100(設定キースイッチ)のオン/オフにより点灯させる表示器を切り替えることができるが、手動によるものであるので、自動制御による複数個の7セグのダイナミック点灯制御ではない。また、払出し枚数表示器50のうち、十位表示器51は常時点灯状態にあるため、一位表示器52と設定値表示器60との点灯を切替えスイッチ100により切り替えても、表示器全体をダイナミック点灯させることにはならない。
ここで、複数個の7セグをダイナミック点灯制御する場合に、割込み周期によるダイナミック点灯を行うことが考えられる。
しかし、遊技機にとって重大なエラー(通常では起こり得ないエラー)が発生したときは、割込み処理は禁止されるのが一般的であるので、このような場合に、どのようにしてエラー情報をダイナミック点灯させるかが問題となる。
当初発明が解決しようとする課題は、スロットマシン等の遊技機において、割込み処理が発生しない特定のエラーが発生したときでも、エラー情報をダイナミック点灯することである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
当初発明(第4実施形態;図73)は、
遊技の進行を制御するメイン制御手段(メイン制御基板60)と、
前記メイン制御手段によって制御され、所定の情報を表示する表示部(獲得数表示LED72)と
を備え、
1つの前記表示部で1つの桁を表示するとともに、複数桁からなる1つの情報を表示可能に複数個の前記表示部を備え、
前記メイン制御手段は、
複数桁からなる情報を表示する表示データを備え、
遊技機に発生するエラーのうち特定エラー(復帰不可能エラー)が発生したと判断したときは、割込み処理を禁止し(ステップS982)、各桁の前記表示部に表示する特定エラーの表示データを取得し(ステップS985及びS986)、1つの桁の前記表示部を点灯するとともに他の1つの桁の前記表示部を消灯する状態とした後、前記他の1つの桁の前記表示部を点灯するとともに前記1つの桁の前記表示部を消灯する状態に切り替える(ステップS987〜S990)
ことを特徴とする。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特定エラーが発生し、割込み処理が禁止されても、特定エラーに関する情報をダイナミック点灯することができる。
4.当初発明4
(a)当初発明が解決しようとする課題
特許文献1の技術では、切替えスイッチ100(設定キースイッチ)のオン/オフにより点灯させる表示器を切り替えることができるが、手動によるものであるので、自動制御による複数個の7セグのダイナミック点灯制御ではない。
一方、ATでは、ストップスイッチの操作情報をサブ側(たとえば、画像表示装置)で報知しているが、サブ側で報知する内容は、メイン側でも報知すべきとの趨勢がある。
当初発明が解決しようとする課題は、スロットマシン等の遊技機において、遊技者にとって有利な操作スイッチに関する情報を報知するときに、メイン制御手段側で報知を行うことである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
第1の解決手段(第5及び第6実施形態;図74)は、
遊技の進行を制御するメイン制御手段(メイン制御基板60’)と、
前記メイン制御手段によって制御され、遊技媒体の獲得数を表示する獲得数表示部(獲得数表示LED72)と、
遊技者が遊技を進行する上で操作する操作スイッチ(ストップスイッチ42等)と
を備え、
前記メイン制御手段は、抽選手段(役抽選手段62b)を備え、
前記抽選手段での抽選結果のうち、前記操作スイッチの操作態様(ストップスイッチ42の押し順)に応じて、遊技者に有利となる遊技結果を表示する場合と表示しない場合とを有する特定抽選結果(複合ベル当選、リプレイ重複当選)を有し、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で、遊技者に有利となる遊技結果を表示するための前記操作スイッチの操作態様に対応する特定情報(正解押し順、条件装置番号)を報知する遊技(ART)を有し、
前記メイン制御手段は、前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で前記特定情報を報知するときは、前記獲得数表示部に前記特定情報を表示する
ことを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
前記メイン制御手段から情報を受信し、演出の出力を制御するサブ制御手段(サブ制御基板80’)を備え、
前記メイン制御手段は、前記獲得数表示部に前記特定情報を表示するときは、遊技者に有利となる遊技結果を表示するための前記操作スイッチの操作態様に対応する情報を前記サブ制御手段に送信し、
前記サブ制御手段は、前記操作スイッチの操作態様に対応する情報を受信したときは、受信した情報に基づいて、前記操作スイッチの操作態様を報知する
ことを特徴とする。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特定情報を報知するときに、獲得数表示部を用いて報知するので、新たな部品点数を増加させることなく(コストを高くすることなく)、メイン制御手段側で特定情報を報知することができる。
5.当初発明5
(a)当初発明が解決しようとする課題
特許文献1の技術では、切替えスイッチ100(設定キースイッチ)のオン/オフにより点灯させる表示器を切り替えることができるが、手動によるものであるので、自動制御による複数個の7セグのダイナミック点灯制御ではない。
一方、ATでは、ストップスイッチの操作情報をサブ側(たとえば、画像表示装置)で報知しているが、サブ側で報知する内容は、メイン側でも報知すべきの趨勢がある。
当初発明が解決しようとする課題は、スロットマシン等の遊技機において、遊技者にとって有利な操作スイッチに関する情報を報知するときに、メイン制御手段側で報知を行うことである。また、当該情報の報知中にエラーが発生したときに、適切な処理を実行することである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
第1の解決手段(第5及び第6実施形態;図74)は、
遊技の進行を制御するメイン制御手段(メイン制御基板60’)と、
前記メイン制御手段によって制御され、遊技媒体の獲得数を表示する獲得数表示部(獲得数表示LED72)と、
遊技者が遊技を進行する上で操作する操作スイッチ(ストップスイッチ42等)と、
前記メイン制御手段から情報を受信し、演出の出力を制御するサブ制御手段(サブ制御基板80’)と
を備え、
前記メイン制御手段は、抽選手段(役抽選手段62b)を備え、
前記抽選手段での抽選結果のうち、前記操作スイッチの操作態様(ストップスイッチ42の押し順)に応じて、遊技者に有利となる遊技結果を表示する場合と表示しない場合とを有する特定抽選結果(複合ベル当選、リプレイ重複当選)を有し、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で、遊技者に有利となる遊技結果を表示するための前記操作スイッチの操作態様に対応する特定情報(正解押し順、条件装置番号)を報知する遊技(ART)を有し、
前記メイン制御手段は、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で前記特定情報を報知するときは、前記獲得数表示部に前記特定情報を表示し、
前記獲得数表示部に前記特定情報を表示しているときに所定のエラー(復帰可能エラー)を検出したときは、前記所定のエラーの情報を前記サブ制御手段に送信するとともに、少なくとも遊技結果が表示されるまでは前記獲得数表示部に前記特定情報を表示し、遊技結果が表示された後に、前記獲得数表示部に表示する情報を前記特定情報から前記所定のエラーの情報に切り替える
ことを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
前記サブ制御手段は、前記所定のエラーの情報を受信したときは、遊技結果が表示される前であっても、前記所定のエラーの情報を報知する
ことを特徴とする。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特定情報を報知するときに、獲得数表示部を用いて報知するので、新たな部品点数を増加させることなく(コストを高くすることなく)、メイン制御手段側で特定情報を報知することができる。
また、特定情報の報知中に所定のエラーが発生したときは、その旨の情報をサブ制御手段に送信するが、メイン制御手段側では遊技結果が表示されるまでは特定情報の報知を継続するので、所定のエラーが発生したときでも遊技を中断する必要がなくなる。
一方、サブ制御手段側では、所定のエラーが発生した旨の情報を受信したときは、直ちに所定のエラーの発生を報知可能となるので、所定のエラーが発生したことを迅速に知らせることが可能となる。
6.当初発明6
(a)当初発明が解決しようとする課題
特許文献1の技術では、切替えスイッチ100(設定キースイッチ)のオン/オフにより点灯させる表示器を切り替えることができるが、手動によるものであるので、自動制御による複数個の7セグのダイナミック点灯制御ではない。
一方、ATでは、ストップスイッチの操作情報をサブ側(たとえば、画像表示装置)で報知しているが、サブ側で報知する内容は、メイン側でも報知すべきとの趨勢がある。
当初発明が解決しようとする課題は、スロットマシン等の遊技機において、遊技者にとって有利な操作スイッチに関する情報を報知するときに、メイン制御手段側で報知を行うことである。また、当該情報の報知中にエラーが発生したときに、適切な処理を実行することである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
当初発明(第5及び第6実施形態;図74)は、
遊技の進行を制御するメイン制御手段(メイン制御基板60’)と、
前記メイン制御手段によって制御され、遊技媒体の獲得数を表示する獲得数表示部(獲得数表示LED72)と、
遊技者が遊技を進行する上で操作する操作スイッチ(ストップスイッチ42等)と、
前記メイン制御手段から情報を受信し、演出の出力を制御するサブ制御手段(サブ制御基板80’)と
を備え、
前記メイン制御手段は、抽選手段(役抽選手段62b)を備え、
前記抽選手段での抽選結果のうち、前記操作スイッチの操作態様(ストップスイッチ42の押し順)に応じて、遊技者に有利となる遊技結果を表示する場合と表示しない場合とを有する特定抽選結果(複合ベル当選、リプレイ重複当選)を有し、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で、遊技者に有利となる遊技結果を表示するための前記操作スイッチの操作態様に対応する特定情報(正解押し順、条件装置番号等)を報知する遊技(ART)を有し、
前記メイン制御手段は、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で前記特定情報を報知するときは、前記獲得数表示部に前記特定情報を表示し、
前記獲得数表示部に前記特定情報を表示しているときに特定エラー(復帰不可能エラー)を検出したときは、遊技結果が表示される前であっても、前記獲得数表示部に表示する情報を前記特定情報から前記特定エラーの情報に切り替える
ことを特徴とする。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特定情報を報知するときに、獲得数表示部を用いて報知するので、新たな部品点数を増加させることなく(コストを高くすることなく)、メイン制御手段側で特定情報を報知することができる。
また、特定情報の報知中に特定エラーが発生したときは、獲得数表示部に表示する情報を特定情報から特定エラーの情報に切り替えるので、特定エラーが発生した旨を直ちに知らせることができる。
7.当初発明7
(a)当初発明が解決しようとする課題
特許文献1の技術では、切替えスイッチ100(設定キースイッチ)のオン/オフにより点灯させる表示器を切り替えることができるが、手動によるものであるので、自動制御による複数個の7セグのダイナミック点灯制御ではない。
一方、ATでは、ストップスイッチの操作情報をサブ側(たとえば、画像表示装置)で報知しているが、サブ側で報知する内容は、メイン側でも報知すべきとの趨勢がある。
当初発明が解決しようとする課題は、スロットマシン等の遊技機において、遊技者にとって有利な操作スイッチに関する情報を報知するときに、メイン制御手段側で報知を行うことである。また、当該情報の報知中にエラーが発生したときに、適切な処理を実行することである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
当初発明(第5及び第6実施形態;図74)は、
遊技の進行を制御するメイン制御手段(メイン制御基板60’)と、
前記メイン制御手段によって制御され、遊技媒体の獲得数を表示する獲得数表示部(獲得数表示LED72)と、
遊技者が遊技を進行する上で操作する操作スイッチ(ストップスイッチ42等)と
を備え、
前記メイン制御手段は、抽選手段(役抽選手段62b)を備え、
前記抽選手段での抽選結果のうち、前記操作スイッチの操作態様(ストップスイッチ42の押し順)に応じて、遊技者に有利となる遊技結果を表示する場合と表示しない場合とを有する特定抽選結果(複合ベル当選、リプレイ重複当選)を有し、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で、遊技者に有利となる遊技結果を表示するための前記操作スイッチの操作態様に対応する特定情報(正解押し順、条件装置番号等)を報知する遊技(ART)を有し、
前記メイン制御手段は、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で前記特定情報を報知するときは、前記獲得数表示部に前記特定情報を表示し、
前記獲得数表示部に前記特定情報を表示しているときに第1エラー(復帰不可能エラー)を検出したときは、遊技結果が表示される前であっても、前記獲得数表示部に表示する情報を前記特定情報から第1エラーの情報に切り替え、
前記獲得数表示部に前記特定情報を表示しているときに第2エラー(復帰可能エラー)を検出したときは、遊技結果が表示されるまでは前記獲得数表示部に前記特定情報を表示し、遊技結果が表示された後、前記獲得数表示部に表示する情報を前記特定情報から第2エラーの情報に切り替える
ことを特徴とする。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特定情報を報知するときに、獲得数表示部を用いて報知するので、新たな部品点数を増加させることなく(コストを高くすることなく)、メイン制御手段側で特定情報を報知することができる。
また、特定情報の報知中にエラーが発生したときは、発生したエラーの内容に応じて適切な処理を実行することができる。たとえば第1エラーが発生したときは、獲得数表示部に表示する情報を特定情報から第1エラーの情報に切り替えるので、第1エラーが発生した旨を直ちに知らせることができる。一方、第2エラーが発生したときは、遊技結果が表示されるまでは特定情報の報知を継続するので、第2エラーが発生したときでも遊技を中断する必要がなくなる。
8.当初発明8
(a)当初発明が解決しようとする課題
特許文献1の技術では、切替えスイッチ100(設定キースイッチ)のオン/オフにより点灯させる表示器を切り替えることができるが、手動によるものであるので、自動制御による複数個の7セグのダイナミック点灯制御ではない。
一方、ATでは、ストップスイッチの操作情報をサブ側(たとえば、画像表示装置)で報知しているが、サブ側で報知する内容は、メイン側でも報知すべきとの趨勢がある。
当初発明が解決しようとする課題は、スロットマシン等の遊技機において、遊技者にとって有利な操作スイッチに関する情報を報知するときに、メイン制御手段側で報知を行うことである。また、当該情報を報知した後、報知した情報に従って操作スイッチが操作されなかったときに、適切な処理を実行することである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
当初発明(第5、第6実施形態)は、
遊技の進行を制御するメイン制御手段(メイン制御基板60’)と、
前記メイン制御手段によって発光を制御する発光部(獲得数表示LED72、押し順報知LED74)と、
遊技者が遊技を進行する上で操作する操作スイッチ(ストップスイッチ42等)と
を備え、
前記メイン制御手段は、抽選手段(役抽選手段62b)を備え、
前記抽選手段での抽選結果のうち、前記操作スイッチの操作態様に応じて、遊技者に有利となる遊技結果を表示する場合と表示しない場合とを有する特定抽選結果(複合ベルの当選、リプレイ重複当選)を有し、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で、遊技者に有利となる遊技結果を表示するための前記操作スイッチの操作態様に対応する特定情報(正解押し順、条件装置番号等)を報知する遊技(ART)を有し、
前記メイン制御手段は、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で前記特定情報を報知するときは、前記特定情報に相当する発光態様で前記発光部を発光させ、
前記特定情報に相当する発光態様で前記発光部を発光させた後、その発光態様に対応する操作態様で前記操作スイッチが操作されなかったときは、
a)前記発光部による発光を消灯する(図77のステップS1016)
又は、
b)前記発光部による発光を、前記特定情報に相当する発光態様で発光させる前の状態に戻すように制御する(図77のステップS1016。たとえば「00」の表示に戻す)
ことを特徴とする。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、メイン制御手段側で特定情報を報知することができる。
また、発光態様に対応する操作態様で操作スイッチが操作されなかったとき(操作ミス時)に、操作ミス時に対応した発光態様に制御することができる。
9.当初発明9
(a)当初発明が解決しようとする課題
特許文献1の技術では、切替えスイッチ100(設定キースイッチ)のオン/オフにより点灯させる表示器を切り替えることができるが、手動によるものであるので、自動制御による複数個の7セグのダイナミック点灯制御ではない。
一方、ATでは、ストップスイッチの操作情報をサブ側(たとえば、画像表示装置)で報知しているが、サブ側で報知する内容は、メイン側でも報知すべきとの趨勢がある。
当初発明が解決しようとする課題は、スロットマシン等の遊技機において、遊技者にとって有利な操作スイッチに関する情報を報知するときに、メイン制御手段側で報知を行うことである。また、当該情報を報知した後、報知した情報に従って操作スイッチが操作されなかったときに、適切な処理を実行することである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
第1の解決手段(第5、第6実施形態)は、
遊技の進行を制御するメイン制御手段(メイン制御基板60’)と、
前記メイン制御手段によって発光を制御する発光部(獲得数表示LED72、押し順報知LED74)と、
遊技者が遊技を進行する上で操作する操作スイッチ(ストップスイッチ42等)と
を備え、
前記メイン制御手段は、抽選手段(役抽選手段62b)を備え、
前記抽選手段での抽選結果のうち、前記操作スイッチの操作態様に応じて、遊技者に有利となる遊技結果を表示する場合と表示しない場合とを有する特定抽選結果(複合ベル当選、リプレイ重複当選)を有し、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で、遊技者に有利となる遊技結果を表示するための前記操作スイッチの操作態様に対応する特定情報(正解押し順、条件装置番号等)を報知する遊技(ART)を有し、
前記メイン制御手段は、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技で前記特定情報を報知するときは、前記特定情報に相当する発光態様で前記発光部を発光させ、
前記特定情報に相当する発光態様で前記発光部を発光させた後、その発光態様に対応する操作態様で前記操作スイッチが操作されなかったときは、それまでの発光態様と異なる発光態様に切り替える
ことを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
前記抽選手段で前記特定抽選結果となった遊技では、前記操作スイッチの操作態様として、遊技者に有利な遊技結果を表示する第1操作態様(RT3遊技においてノーマルリプレイを入賞させる押し順)と、遊技者に不利な遊技結果を表示する第2操作態様(RT3遊技において転落リプレイを入賞させる押し順)とを有し、
前記メイン制御手段は、第1操作態様に対応する発光態様で前記発光部を発光させた後、第1操作態様に対応する操作態様で前記操作スイッチが操作されなかった場合において、その時点で遊技者に不利な遊技結果を表示しない操作態様を有するとき(ノーマルリプレイを入賞させる押し順があるとき)は、その操作態様に対応する発光態様に切り替える
ことを特徴とする。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、メイン制御手段側で特定情報を報知することができる。
また、発光態様に対応する操作態様で操作スイッチが操作されなかったとき(操作ミス時)に、操作ミス時に対応する発光態様に制御することができる。