JP2016149916A - 回転電機 - Google Patents

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真人 白波瀬
岳志 朝永
Takeshi Tomonaga
岳志 朝永
服部 宏之
Hiroyuki Hattori
宏之 服部
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Abstract

【課題】回転電機において、軸受電圧に起因するジュール損失の抑制と軸受電食の抑制とを可能とすることである。【解決手段】回転電機60は、ロータ軸62に固定されるロータ12と、ステータ14と、ロータ12とステータ14を内部に収容するモータケース16と、モータケース16に固定されロータ軸62を回転自在に支持する軸受30,40と、ロータ軸62の軸方向に沿って配置される導体部材66と、ロータ軸62周りの不均衡磁束50によって軸受30,40に生じる電圧差を軸受電圧VIとして、軸受30,40の絶縁破壊電圧以上の軸受電圧VIに対しては低いインピーダンスを有し、軸受30,40の絶縁破壊電圧未満の軸受電圧VIに対しては高いインピーダンスを有して、軸受30,40の外部において導体部材66とステータ14との間に設けられる軸受外部回路80とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機に係り、特に、ロータを支持する軸受に軸受電圧が発生し得る構造を有する回転電機に関する。
回転電機において、ロータ軸周りに不均衡な磁束分布があると、不均衡磁束の周りに誘導電圧が生じ、その誘導電圧によってステータに対しロータ軸を支持する軸受のステータ側とロータ軸側との間に軸受電圧が発生する。軸受電圧が高くなって絶縁破壊電圧以上になると、軸受を介したロータ軸とステータのループに誘導電流が流れる。これによって軸受に電流集中が生じジュール損失が発生する。また軸受に電食現象が生じて軸受面が損傷し、ロータ軸の回転に異音が生じ、回転負荷が重くなり、回転電機の動作に支障が生じる。
これを防止するため、特許文献1では、ロータ軸の軸方向に形成した貫通穴に導体部材を挿入し、ステータと導体部材とを短絡して軸受に誘導電流を流さない方法を開示している。
特開2014−011827号公報
特許文献1の方法では、ロータ軸に沿って配置される導体部材とステータとがループ状に短絡されているので、不均衡磁束による誘導電流は、軸受を介したロータ軸とステータのループよりも、導体部材とステータを短絡したループに流れる。したがって、不均衡磁束による軸受電圧が発生しても軸受に電流が流れず軸受電食を防止できる。その反面、軸受電圧が絶縁破壊電圧以下のときでも導体部材には軸受電圧による電流が流れ、その分のジュール損失が回転電機の効率の低下につながる。
また、特許文献1の構造では導体部材とステータが短絡されているので、不均衡磁束による軸受電圧がそのままでは検出できず、軸受電圧に応じた電食抑制制御を行うことができない。
本発明の目的は、軸受電圧に起因するジュール損失の抑制と軸受電食の抑制とを可能とする回転電機を提供することである。他の目的は、軸受電圧に応じて電食抑制制御を行える回転電機を提供することである。以下の手段は、これらの目的の少なくとも1つに貢献する。
本発明に係る回転電機は、ロータ軸に固定されるロータと、ロータの内周側に配置されるステータと、ロータとステータを内部に収容するモータケースと、モータケースに固定されロータ軸を回転自在に支持する軸受と、ロータ軸の軸方向に沿って配置される導体部材と、ロータ軸周りの不均衡磁束によってモータケースとロータ軸の間に電圧差があるときに軸受に生じる電圧差を軸受電圧として、軸受の絶縁破壊電圧以上の軸受電圧に対しては低いインピーダンスを有し、軸受の絶縁破壊電圧未満の軸受電圧に対しては高いインピーダンスを有して、軸受の外部において導体部材とステータとの間に設けられる軸受外部回路と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る回転電機において、軸受外部回路は、軸受の絶縁破壊電圧以下のツェナー電圧を有するツェナー素子の2つについてそれぞれのアノード側を互いに接続し、一方側のカソードを導体部材に接続し、他方側のカソードをステータに接続するツェナー回路であることが好ましい。
本発明に係る回転電機において、不均衡磁束による軸受電圧が交流電圧でありその周波数が高いほど高い電圧となる軸受交流電圧であって、軸受外部回路は、軸受交流電圧の周波数が高い領域で低いインピーダンスを有し、軸受交流電圧の周波数が低い領域で高いインピーダンスを有する容量型回路であることが好ましい。
本発明に係る回転電機において、不均衡磁束による軸受電圧が交流電圧でありその周波数が特定周波数領域で高い電圧となる軸受交流電圧であって、軸受外部回路は、軸受交流電圧の特定周波数領域で低いインピーダンスを有する共振回路であることが好ましい。
本発明に係る回転電機において、軸受外部回路は、軸受電圧検出部と、軸受電圧が軸受の絶縁破壊電圧以上であると検出されたときに、導体部材とステータの間を短絡するスイッチ素子と、を含むことが好ましい。
本発明に係る回転電機において、スイッチ素子に代えて、軸受電圧検出部の検出値に応じて回転電機の運転条件を変更し軸受電圧を低下させる制御信号を出力する制御部を含むことが好ましい。
本発明に係る回転電機は、軸受の絶縁破壊電圧以上の軸受電圧に対しては低いインピーダンスを有し、軸受の絶縁破壊電圧未満の軸受電圧に対しては高いインピーダンスを有する軸受外部回路が導体部材とステータとの間に設けられる。これによって、不均衡磁束による軸受電圧が絶縁破壊電圧以上となったときに、導体部材とステータとが低いインピーダンスで接続されるので、特許文献1と同様に、軸受に電流が流れず、軸受電食を抑制できる。また、不均衡磁束による軸受電圧が絶縁破壊電圧未満のときは、導体部材とステータとの間が高インピーダンスとなるので、導体部材に流れる電流が抑制されてそのジュール損失が低く抑えられる。
本発明に係る回転電機において、軸受の絶縁破壊電圧以下のツェナー電圧を有するツェナー素子の2つについてそれぞれのアノード側を互いに接続し、一方側のカソードを導体部材に接続し、他方側のカソードをステータに接続する。これによって、軸受電圧がツェナー電圧以上となると導体部材とステータとが低インピーダンスで導通し、それまでは、導体部材とステータとの間が絶縁状態である。これによって、軸受電食を抑制し、導体部材のジュール損失を抑制できる。
本発明に係る回転電機において、不均衡磁束による軸受電圧が交流電圧でありその周波数が高いほど高い電圧となる軸受交流電圧であるときは、軸受交流電圧の周波数が高く軸受交流電圧が高い領域では、導体部材とステータとの間が容量型の低いインピーダンスで接続される。これにより、軸受に電流が流れず、軸受電食が抑制される。また、軸受交流電圧の周波数が低く軸受交流電圧が低い領域では、導体部材とステータとの間が容量型の高いインピーダンスとなるので、導体部材のジュール損失が抑制される。
本発明に係る回転電機において、不均衡磁束による軸受電圧が交流電圧でありその周波数が特定周波数領域で高い電圧となる軸受交流電圧であるときは、軸受交流電圧の特定周波数領域で低いインピーダンスを有する共振回路で導体部材とステータとが接続される。これにより、軸受交流電圧が高いときに電流が流れず、軸受電食が抑制される。また、軸受交流電圧が低いときには、導体部材とステータとの間が高いインピーダンスとなるので、導体部材のジュール損失が抑制される。
本発明に係る回転電機において、軸受外部回路は、軸受電圧検出部を有する。これにより、不均衡磁束による軸受電圧が検出される。そして検出された軸受電圧が軸受の絶縁破壊電圧以上であるときに、導体部材とステータとの間がスイッチ素子で短絡される。これにより軸受電食を抑制でき、また、軸受電圧が絶縁破壊電圧以下のときには導体部材とステータとの間が電気的に開放されるので、導体部材のジュール損失をゼロにすることができる。
本発明に係る回転電機において、スイッチ素子に代えて設けられる制御部は、軸受電圧検出部の検出値に応じて回転電機の運転条件を変更し軸受電圧を低下させる制御信号を出力する。これにより、軸受電圧の大きさに応じて、例えば回転電機の回転数等を変更する等によって、不均衡磁束を低減する処理を行い、軸受電食の抑制を行うことができる。
不均衡磁束によって軸受電食が生じることを説明する図である。図1(a)は回転電機の全体断面図であり、(b)は軸受部分の拡大図である。 本発明に係る実施の形態における回転電機の構成図である。 本発明に係る実施の形態における回転電機の軸受外部回路としてのツェナー回路を示す図である。 不均衡磁束による軸受電圧の周波数依存性を示す図である。 本発明に係る実施の形態における回転電機の軸受外部回路としての容量型回路を示す図である。 本発明に係る実施の形態における回転電機の軸受外部回路としての共振回路を示す図である。 本発明に係る実施の形態における回転電機の軸受外部回路として、軸受電圧検出部とスイッチとを含む回路を示す図である。 本発明に係る実施の形態における回転電機の軸受外部回路として、軸受電圧検出部と制御部とを含む回路を示す図である。 図8における制御の手順を示すフローチャートである。 比較例として軸受外部回路を有さない回転電機についての断面図である。 図2と図1と図10の作用比較図である。横軸は軸受電圧で縦軸は電流である。図11(a)は、図2の作用を示す図、(b)は図1の作用を示す図、(c)は図10の作用を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、回転電機がハイブリッド車両に搭載されるものとするが、これは説明のための例示であって、これ以外の用途であって回転電機が高速回転するものであれば本発明が適用される。また、回転電機として、三相5極でステータにコイルが巻回されロータに磁石が設けられる同期型回転電機を述べるが、これは説明のための例示であって、これ以外の形式であってもよい。例えば、ロータがリラクタンス型でもよく、埋め込み磁石型でもよい。極数は5極以外でもよい。また、不均衡磁束は、ロータ軸の回転周波数を基準として15次の不均衡としたが、一般的にn次の不均衡としてよい。軸受は、コロと外輪と内輪で構成されるものを述べるが、潤滑油を用いてステータ側とロータ軸側との間が絶縁状態となる軸受であれば本発明が適用できる。
以下で述べる形状、寸法、材質等は、説明のための例示であって、回転電機の仕様等に合わせ、適宜変更が可能である。
最初に、回転電機において軸受電食が生じる現象について、図1を用いて説明する。図1は、一般的な回転電機10の断面図である。図1(a)は全体断面図であり、(b)は軸受周りの拡大図である。回転電機10は、ハイブリッド車両に搭載される三相同期型のモータ・ジェネレータである。回転電機10は、ロータ12とステータ14と、モータケース16と、ロータ軸20と、軸受30,40とを含む。
ロータ12は、所定の形状に成形された複数の積層鋼板を積層して形成される円環状の磁性体部品であるロータコアに磁極を形成する複数の永久磁石を埋め込んだもので、中心にロータ軸20と固定するための穴が設けられる。ロータコアとしては、積層鋼板に代えて、磁性粉末を一体化成形したものを用いてもよい。図1では永久磁石の図示を省略した。永久磁石は、ステータ14に巻回されるコイルに所定の通電を行うことで発生する回転磁界と協働してトルクを発生し、これによってロータコアと一体となってロータ軸20を回転させる。
ステータ14は、円環状のステータコアと、ステータコアに巻回されるコイルとを含む。ステータコアは、ロータコアと同様に、所定の形状に成形された複数の積層鋼板を積層して形成される円環状の磁性体部品である。積層鋼板に代えて、磁性粉末を一体化成形したものを用いてもよい。図1では、ステータコアに巻回されたコイルとして、ステータコアの軸方向の両端部に突き出る部分であるコイルエンド18を示した。
モータケース16は、ステータ14の外周側を固定しロータ軸20の両端を軸受30,40で回転自在に支持し、ステータ14の内周側に所定の磁気ギャップを空けてロータ12を配置して収納する。かかるモータケース16としては、適当な強度と耐熱性と耐油性とを有する金属材料を所定の形状に成形したものを用いる。金属材料としては、鋳鉄等の鉄材が用いられる。
ロータ軸20は、ロータ12の中心穴に固定配置され、ステータ14とロータ12の協働によってロータ12が回転するときは、ロータ12と一体となって回転し、トルクを出力する回転電機10の出力軸である。
軸受30,40は、モータケース16の軸方向両端部に設けられる軸受支持穴に配置され、ロータ軸20の両端を回転自在に支持する転がり軸受である。軸受30,40の構造は同じであるので、軸受30に代表させ、図1(b)に軸受30周りの拡大図を示した。軸受30は、ステータ14に固定される外輪32と、ロータ軸20に固定される外輪32と、内輪34の内側の軸受面と内輪34の外側の軸受面によって転がり自在に支持される円筒形のコロ36とを含んで構成される。コロ36の外周面と、コロ36が転がる内輪34の軸受面及び外輪32の軸受面には潤滑油が供給され、コロ36の回転によって絶縁膜である油膜38が形成される。
図1(a)の不均衡磁束50は、ロータ軸20の周りについて不均衡な分布をする磁束である。不均衡磁束50が生じる理由としては、ロータ軸20に対してロータ12とステータ14が完全な軸対称でない機械的な非対称性が考えられる。例えば、軸受30,40の不均一摩耗等によるものも含まれる。もう1つは、ロータ軸20に対して、磁束の流れが完全な軸対称性でない磁気的非対称性が考えられる。ハイブリッド車両では、回転電機が高速回転することが多く、その軸受電食は、磁気的非対称性による不均衡磁束の高周波変動によることが主原因と考えられる。
図1(a)に、回転電機10の長手方向をX方向として示した。X方向はロータ軸20の延びる方向である。不均衡磁束50の磁束φはX軸周りに円環状に流れる。図1(a)に磁束φの流れる方向をθ方向として示した。θ方向は、右ねじがθ方向に切られているとしてその進む方向が+Xの方向となる回転方向である。不均衡磁束50が変動するとき、不均衡磁束50の変動を打ち消すように交流の誘導電圧VIが生じる。電流の流れるパスがあると誘導電圧VIの正負の方向に従って誘導電流IIが流れる。誘導電流IIの流れる方向は、磁束φの周りに円環状に生じ、磁束φを打ち消す逆磁束を発生する方向である。図1(a)に示すように、誘導電流IIの流れる方向は、円環状の磁束φの中心軸側であるロータ軸20の側で+Xから−Xへ向かう方向であり、円環状の磁束φの外側であるモータケース16側で−Xから+Xへ向かう方向である。
誘導電流IIが流れるパスとしては、ステータ14が固定されるモータケース16−軸受30−ロータ軸20−軸受40−モータケース16がある。図1(b)に示すように、油膜38が存在し、その膜厚が有する絶縁破壊電圧V0よりも誘導電圧VIが低い間は、軸受30は外輪32とコロ36、コロ36と内輪34の間が絶縁されているので、上記パスに誘導電流IIは流れず外輪32と外輪32の間に誘導電圧VIが生じる。外輪32はモータケース16に接続され、内輪34はロータ軸20に接続されるので、モータケース16とロータ軸20との間に電圧差が生じるときに軸受30にも電圧差が生じる。軸受に生じる電圧差を軸受電圧と呼ぶと、軸受電圧は誘導電圧VIと同じもので交流電圧である。以下では、場合によって誘導電圧VIを軸受電圧VIと言い換える。
軸受電圧VIが油膜38の絶縁破壊電圧V0以上になると、場合によってスパーク56等が生じ、外輪32−コロ36−内輪34の間が導通し、誘導電流IIが流れる。このときは、絶縁破壊電圧V0以上となった部分等に電流集中が生じジュール損失が発生する。また外輪32や内輪34に電食現象が生じて軸受面が損傷し、ロータ軸20の回転に異音が生じ、回転負荷が重くなり、回転電機10の動作に支障が生じる。
以上が回転電機10において軸受電食が生じる現象の説明である。軸受電食が生じない方法として、特許文献1(図11参照)では、ロータ軸20に対し平行に導体部材を配置し、導体部材とモータケース16とでループ状の導体パスを形成し、そこに誘導電流IIを流す。軸受30,40を経由するパスよりも導体部材を経由するパスの方が低い抵抗値となるようにすれば、軸受30,40に誘導電流IIが流れず軸受電食は生じない。その反面、導体部材によって常時ループ状の導体パスが存在するので、軸受電圧VIが軸受30の絶縁破壊電圧V0以下の低い電圧であってもこの導体パスに電流が流れ、その分のジュール損失が回転電機の効率の低下につながる。
図2は、軸受電食を抑制し、ジュール損失を低減することができる回転電機60の構成を示す図である。回転電機60は、図1の回転電機10と比べて、主に2つの点で相違する。
1つは、ロータ軸62の軸方向に沿って導体部材66が配置されることである。導体部材66は、ロータ軸62においてその軸方向に沿って中心貫通穴64を設け、その中に配置される。導体部材66が回転するロータ軸62に接触しないように、中心貫通穴64の内径は導体部材66の外径よりも小さく設定される。かかる導体部材66は、高い導電率を有する金属材料の棒材を用いる。例えば、鉄、アルミニウム、銅等の棒材が用いられる。
導体部材66の+X方向の一端側は、モータケース16の+X方向の一端側から延びる一端部材72に電気的に接続される。なお、ロータ軸62のトルク出力を取り出す出力軸部70がこの一端側の内側に設けられる。導体部材66の−X方向の他端側は、モータケース16の−X方向の他端側に設けられる他端部材74と絶縁材78を介して支持される。つまり、導体部材66の一端側はモータケース16に短絡され、他端側はモータケース16から絶縁されて配置される。
もう1つは、軸受電食抑制外部回路80である。以下では、軸受電食抑制外部回路80を単に、軸受外部回路80と呼ぶ。軸受外部回路80は、2つの端子82,84を有し、端子82は、導体部材66の他端側に接続され、端子84はモータケース16の他端部材74と接続される。これにより、導体部材66−端子82−軸受外部回路80−端子84−モータケース16−導体部材66の回路ループ86が形成され、端子82と端子84の間に軸受電圧VIが現れる。
軸受外部回路80は、軸受30,40に電食を生じさせる誘導電流IIが流れないようようにし、かつジュール損失を抑制するための回路である。
図3から図6は、軸受外部回路80として、軸受30,40の絶縁破壊電圧V0以上の軸受電圧VIに対しては低いインピーダンスを有し、軸受30,40の絶縁破壊電圧V0未満の軸受電圧VIに対しては高いインピーダンスを有する回路の例を示す図である。
図3は、軸受外部回路80としてツェナー回路90を用いる例である。ツェナー回路90は、軸受30,40の絶縁破壊電圧V0以下のツェナー電圧VTを有するツェナー素子92,94の2つを互いに逆接続の関係で直列接続したものである。2つのツェナー素子92,94は、それぞれのアノード(A)側が互いに接続され、一方側のカソード(K)が端子82として導体部材66に接続され、他方側のカソード(K)が端子84として、他端部材74からモータケース16を介してステータ14に接続される。
これによって、軸受電圧VIがツェナー電圧VT以下のときは端子82と端子84の間が高インピーダンスとなって誘導電流IIが導体部材66に流れずジュール損失が発生しない。また、軸受電圧VIがツェナー電圧VT以上となると端子82と端子84の間が低インピーダンスとなり、誘導電流IIが導体部材66に流れ、軸受30,40には流れないので軸受電食を抑制できる。
軸受30,40の絶縁破壊電圧V0の大きさは、軸受30,40の寸法と、油膜38を構成する潤滑油の材質によって予め分かっているので、ツェナー素子92,94としては、軸受30,40の絶縁破壊電圧V0よりやや低めのツェナー電圧VTを有するものを用いる。これによって、軸受30,40に発生する軸受電圧VIが絶縁破壊電圧V0より小さいツェナー電圧VT以上となるときに、誘導電流IIがツェナー回路を介して導体部材66に流れるようにできる。
図1で述べたように、不均衡磁束は変動する。回転電機10が回転動作すると、その回転数に応じて軸受電圧VIも変動するので、これを周波数fで振幅の絶対値がVIである軸受交流電圧と呼ぶ。図4は、軸受交流電圧の周波数fとその振幅の絶対値VIとの関係を示す図である。パラメータとしては回転電機10の駆動電流をとった。図4に示すように、回転電機10が高速回転になるほど周波数fが上昇するので軸受交流電圧の絶対値VIが高くなる。また、回転電機10の出力トルクが大きくなるほど駆動電流が大きくなるので軸受交流電圧の絶対値VIが高くなる。
図5は、軸受外部回路80として容量型回路96を用いる例である。容量型回路96は、コンデンサで構成でき、軸受交流電圧の周波数fが高い領域で低いインピーダンスを有し、軸受交流電圧の周波数が低い領域で高いインピーダンスを有する。コンデンサの両端子の一方側は端子82として導体部材66に接続され、他方側は端子84として、他端部材74からモータケース16を介してステータ14に接続される。
これによって、周波数fが低く軸受交流電圧の絶対値VIが小さい領域では端子82と端子84の間が高インピーダンスとなり導体部材66を流れる電流が少ないので、ジュール損失を抑制できる。また、周波数fが高く軸受交流電圧の絶対値VIが大きい領域では端子82と端子84の間が低インピーダンスとなり導体部材66を流れる電流を大きくでき、その分軸受30,40に流れる誘導電流IIが少なくなるので、軸受電食を抑制できる。
図6は、図5の容量型回路96の変形例で、軸受外部回路80として共振回路98を用いる例である。共振回路98としてはコンデンサ100とコイル102を直列接続して構成される。共振回路98は、コンデンサ100の容量値Cとコイル102のインダクタンスLで定まる特定周波数領域で低いインピーダンスを有し、それ以外の周波数領域では高いインピーダンスを有する。共振回路98の両端子の一方側は端子82として導体部材66に接続され、他方側は端子84として、他端部材74からモータケース16を介してステータ14に接続される。
回転電機10の構造と駆動条件が決まれば、軸受30,40の軸受電圧VIが絶縁破壊電圧V0となる回転電機10の閾値回転数が分かるので、その回転数に対応する軸受交流電圧の閾値周波数fthが分かる。共振回路98の特定周波数領域の設定について閾値周波数fthを含むようにする。例えば、共振回路98の共振周波数を閾値周波数fthとする。
これによって、周波数が低く特定周波数領域にまだ入ってないときは、共振回路98のインピーダンスが高く導体部材66を流れる電流が少ないので、ジュール損失を抑制できる。また、周波数fが高くなって特定周波数領域に入ると、端子82と端子84の間が低インピーダンスとなり導体部材66を流れる電流を大きくでき、その分軸受30,40に流れる誘導電流IIが少なくなるので、軸受電食を抑制できる。
図7から図9は、軸受外部回路80に軸受電圧検出部104を設け、軸受電圧VIを検出し、検出された軸受電圧VIに応じてジュール損失抑制と軸受電食の抑制とを行う例を示す図である。
図7の軸受検出回路104では、端子82,84の間に軸受電圧VIが現われるので、これを軸受電圧検出部104で検出する。軸受電圧検出部104としては一般的な電圧検出手段を用いることができる。検出された軸受電圧VIはスイッチ素子106に送られる。スイッチ素子106は、端子82,84の間に直列接続され、軸受電圧検出部104から送られてくる信号が予め定めた閾値電圧以上となるときにオンする閾値電圧作動型スイッチ回路である。
スイッチ素子106がオンすると、端子82と端子84の間が短絡状態となり、オフのときは開放状態である。閾値電圧は、軸受30,40の絶縁破壊電圧V0よりやや低めに設定される。これによって、軸受30,40に発生する軸受電圧VIがスイッチ素子106の閾値電圧以上となったときに、スイッチ素子106が短絡状態となり、誘導電流IIがスイッチ素子106を通して介して導体部材66に流れ、軸受30,40に流れないので、軸受電食を防止できる。軸受30,40に発生する軸受電圧VIがスイッチ素子106の閾値電圧よりも低いときは、スイッチ素子106が開放状態であるので、導体部材66に誘導電流IIが流れず、ジュール損失が発生しない。
図8に示す軸受外部回路80は、図7におけるスイッチ素子106に代えて、軸受電圧検出部104の検出値に応じて回転電機10の運転条件を変更し軸受電圧VIを低下させる制御信号110を出力する制御部108を含む。図7では、閾値電圧を境にして導体部材66とステータ14との間が短絡状態か開放状態となるが、図8では、軸受電圧VIの大きさに応じて、回転電機10の動作条件を変更できる。図4に示されるように、軸受電圧VIは周波数依存性と駆動電流依存性を有するので、軸受電食を抑制するためには、回転電機10において、回転数や出力トルクを変更することがよい。
図9は、制御部108の制御処理の手順を示すフローチャートである。まず、軸受電圧検出部104によって軸受電圧VIを検出する(S10)。検出は、予め定めた制御周期で行われる。次に、検出された軸受電圧VIが軸受30,40の絶縁破壊電圧V0以上か否かが判断される(S12)。判断が肯定されると、軸受電圧低減処理を行うための制御信号110が制御部108から出力される。出力された制御信号は、図示しない回転電機制御装置に伝送される(S14)。S14の処理が終了し、またはS12の判断が否定されたときは、S10に戻る。このようにして、軸受電圧VIが常時監視され、必要に応じて回転電機10の回転数やトルクの変更処理が行われる。
なお、図8の軸受外部回路80の構成を、図3、図5、図6、図7のいずれか1の構成と併用してもよい。そのようにすることで、回転電機10の運転状況によって回転数やトルク等の変更が難しいときでも、図3、図5、図6、図7のいずれか1の構成を用いることで、軸受電食の抑制、ジュール損失の抑制を行うことができる。
上記構成の作用効果を従来技術と比較して以下に説明する。比較する従来技術としては、図1で説明した回転電機10と、特許文献1で述べられている回転電機59である。特許文献1の回転電機59の構造を図10に示す。この回転電機59は、図2の回転電機60から軸受外部回路80を設けず、導体部材66の一端部がモータケース16の一端部材72に電気的に接続され、導体部材66の他端部がモータケース16の他端部材74に電気的に接続される。これによって、モータケース16を介したステータ14と導体部材66とで常時ループ状の導体パス85が形成される。
図11は、本発明に係る技術と従来技術とを比較した図である。図11の各図において、横軸に軸受電圧VIを取り、縦軸にジュール損失を発生する箇所の電流を取った。本発明に係る技術は、軸受外部回路80の構成によってその作用効果の内容がやや異なるので、図3のツェナー回路90を軸受外部回路80として用いる例を取り上げた。図11(a)は、本発明に係る回転電機60について、(b)は従来技術の回転電機10について、(c)は従来技術の図10の回転電機59についての図である。
図11(a)に示すように、図2の回転電機60においてツェナー電圧VTを軸受30,40の絶縁破壊電圧V0よりも低く設定するので、軸受電圧VIがツェナー電圧VT未満である範囲では軸受外部回路80の電流=0である。軸受電圧VIがツェナー電圧VTに達すると、ツェナー回路90が導通し電流が流れる。そのことを軸受外部回路80のI−V特性として太線で示した。したがって、軸受30,40の生じる軸受電圧VIはツェナー電圧VT以上にはならず、軸受電食が生じない。また、軸受電圧VIがツェナー電圧VT未満である範囲では、軸受30,40の油膜38、導体部材66、軸受外部回路80のいずれにおいても誘導電流IIが流れず、それによるジュール損失=0である。
図11(b)に示すように、図1の回転電機10においては、導体部材66も軸受外部回路80も設けられないので、軸受電圧VIが絶縁破壊電圧V0に達すると、軸受30,40において油膜38が破れ、外輪32と内輪34の間がコロ36を介して導通し電流が流れる。そのことを軸受30のI−V特性として太線で示した。したがって、軸受電圧VIが絶縁破壊電圧V0未満である範囲では、軸受30,40の油膜38に誘導電流IIが流れず、それによるジュール損失=0である。
図11(c)に示すように、図10の回転電機59においては、導体部材66とモータケース16が常時短絡状態であるので、軸受30,40には誘導電流IIが流れないので、軸受電食は生じない。しかし軸受電圧VIが発生すればそれに応じて電流が流れる。そのことを導体部材66のI−V特性として太線で示した。したがって、軸受電圧VIに応じて導体部材66に誘導電流IIが流れ、その分ジュール損失が発生する。
このように、本発明に係る構成によれば、ロータ軸20周りの不均衡磁束50によってモータケース16とロータ軸20との間に電圧差が生じるときに、軸受電食を抑制しながら、ジュール損失を抑制することができる。
10,59,60 回転電機、12 ロータ、14 ステータ、16 モータケース、18 コイルエンド、20,62 ロータ軸、30,40 軸受、32 外輪、34 内輪、36 コロ、38 油膜、50 不均衡磁束、56 スパーク、64 中心貫通穴、66 導体部材、70 出力軸部、72 一端部材、74 他端部材、78 絶縁材、80 軸受(電食抑制)外部回路、82,84 端子、85 導体パス、86 回路ループ、90 ツェナー回路、92,94 ツェナー素子、96 容量型回路、98 共振回路、100 コンデンサ、102 コイル、104 軸受電圧検出部、106 スイッチ素子、108 制御部、110 制御信号。

Claims (6)

  1. ロータ軸に固定されるロータと、
    ロータの内周側に配置されるステータと、
    ロータとステータを内部に収容するモータケースと、
    モータケースに固定されロータ軸を回転自在に支持する軸受と、
    ロータ軸の軸方向に沿って配置される導体部材と、
    ロータ軸周りの不均衡磁束によってモータケースとロータ軸との間に電圧差があるときに軸受に生じる電圧差を軸受電圧として、軸受の絶縁破壊電圧以上の軸受電圧に対しては低いインピーダンスを有し、軸受の絶縁破壊電圧未満の軸受電圧に対しては高いインピーダンスを有して、軸受の外部において導体部材とステータとの間に設けられる軸受外部回路と、
    を備えることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    軸受外部回路は、
    軸受の絶縁破壊電圧以下のツェナー電圧を有するツェナー素子の2つについてそれぞれのアノード側を互いに接続し、一方側のカソードを導体部材に接続し、他方側のカソードをステータに接続するツェナー回路であることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1に記載の回転電機において、
    不均衡磁束による軸受電圧が交流電圧でありその周波数が高いほど高い電圧となる軸受交流電圧であって、
    軸受外部回路は、
    軸受交流電圧の周波数が高い領域で低いインピーダンスを有し、軸受交流電圧の周波数が低い領域で高いインピーダンスを有する容量型回路であることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1に記載の回転電機において、
    不均衡磁束による軸受電圧が交流電圧でありその周波数が特定周波数領域で高い電圧となる軸受交流電圧であって、
    軸受外部回路は、
    軸受交流電圧の特定周波数領域で低いインピーダンスを有する共振回路であることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1に記載の回転電機において、
    軸受外部回路は、
    軸受電圧検出部と、
    軸受電圧が軸受の絶縁破壊電圧以上であると検出されたときに、導体部材とステータの間を短絡するスイッチ素子と、
    を含むことを特徴とする回転電機。
  6. 請求項5に記載の回転電機において、
    スイッチ素子に代えて、軸受電圧検出部の検出値に応じて回転電機の運転条件を変更し軸受電圧を低下させる制御信号を出力する制御部を含むことを特徴とする回転電機。
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