JP2016149197A - 燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質膜・電極構造体とセパレータに位置ずれが生じることが可及的に抑制されるとともに、耐久性に優れた燃料電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】燃料電池10は、発電ユニット12を備える。発電ユニット12は、外周部に第1樹脂枠部材58が設けられた第1MEA16aと、第1セパレータ14とを溶融凝固部位98aを介して仮止めした第1仮組立体82を経て製造される。溶融凝固部位98aは、第1樹脂枠部材58及び第1セパレータ14を当接させて形成した当接部位を、第1セパレータ14の面14bから加熱して、第1樹脂枠部材58を溶融させた後、冷却して凝固させることにより形成される。溶融凝固部位98aは、長辺と前記長辺の長さ以下の短辺を備えた略矩形状であって、短辺の長さが1〜5mmの範囲内であり、且つ面積が3mm2以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、外周部に樹脂枠部材を有する電解質膜・電極構造体と、セパレータとを積層して仮止めした仮組立体を経て得られる燃料電池及びその製造方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜の一面側にアノード電極を、前記固体高分子電解質膜の他面側にカソード電極を、それぞれ配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。電解質膜・電極構造体は、セパレータによって挟持されることにより発電セル(単位セル)を構成している。燃料電池では、通常、数十〜数百の発電セルが積層されて、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
このような燃料電池では、積層された各発電セルのアノード電極とカソード電極とに、それぞれ反応ガスである燃料ガスと酸化剤ガスとを供給するべく、所謂、内部マニホールドを構成する場合が多い。従って、反応ガスのシール性等を確保するために、MEAとセパレータとを正確に位置決めして組み立てる必要がある。
ところで、燃料電池では、比較的高価な固体高分子電解質膜の使用量を削減するために、固体高分子電解質膜の薄膜化が図られている。その際、薄膜化する分強度が低下する固体高分子電解質膜を保護するために、樹脂枠部材を組み込んだ枠付きMEAが採用されている。このような樹脂枠部材は、反りが発生し易い。従って、MEAとセパレータとを正確に位置決めして組み立てることが困難になる。
そこで、本出願人は、枠付きMEAとセパレータとを正確且つ容易に位置決めするべく、特許文献1に記載の燃料電池を提案している。この燃料電池は、MEAとセパレータとを一体化した構造体を経て組み立てられる。すなわち、先ず、構造体を形成するべく、MEAとセパレータとを正確に位置決めして積層し、互いに当接させた状態で、樹脂枠部材の所定の複数の位置をスポット状に加熱溶融する。従って、特に反りが発生し易い樹脂枠部材を用いた場合であっても、上記の通り、MEAとセパレータとを溶着して一体化するため、樹脂枠部材をセパレータに確実に固定して、構造体を得ることができる。この構造体を複数積層することで、MEAとセパレータの相互のずれの発生が可及的に抑制された燃料電池を容易に組み立てることが可能になる。
特開2014−132548号公報
ところで、MEAとセパレータとの相互のずれの発生を抑制するためには、上記の通り、燃料電池の組立時に、構造体における樹脂枠部材とセパレータとの溶着状態が維持されている必要がある。一方で、この溶着状態が燃料電池の運転時に維持されていると、樹脂枠部材とセパレータとの間に、電解質膜の膨張・収縮等に伴う余分な応力が生じて、燃料電池の耐久性が低下する懸念がある。従って、このような応力の発生を回避するためには、樹脂枠部材とセパレータとを剥離した状態で燃料電池を運転する必要がある。
すなわち、燃料電池の組立時には、樹脂枠部材とセパレータとが溶着された状態を維持でき、且つ燃料電池の運転時には、樹脂枠部材とセパレータとの溶着箇所を剥離できる仮組立体を形成し、該仮組立体を経て燃料電池を得ることが求められる。
本発明は、上記の問題を考慮してなされたものであり、MEAとセパレータに位置ずれが生じることが可及的に抑制されるとともに、耐久性に優れた燃料電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、外周部に樹脂枠部材を有する電解質膜・電極構造体と、セパレータとを積層して仮止めした仮組立体を経て燃料電池を得る燃料電池の製造方法であって、前記電解質膜・電極構造体と前記セパレータとを積層し、前記樹脂枠部材及び前記セパレータの一方の面同士を当接させて当接部位を形成する工程と、前記セパレータの他方の面から前記当接部位を加熱して、前記樹脂枠部材を溶融させることにより、溶融凝固部位を形成する工程と、前記溶融凝固部位を介して前記セパレータと前記樹脂枠部材とを仮止めして得た前記仮組立体を積層して前記燃料電池を得る工程とを備え、前記溶融凝固部位は、長辺と前記長辺の長さ以下の短辺を備えた略矩形状であって、前記短辺の長さが1〜5mmの範囲内であり、且つ面積が3mm2以上であることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池の製造方法では、上記の通り、樹脂枠部材とセパレータとを互いに当接させた当接部位を加熱して溶融凝固部位を形成し、溶着により一体化して仮組立体を得る。このため、特に反りが発生し易い樹脂枠部材を用いた場合であっても、樹脂枠部材をセパレータに確実に固定することができる。
また、溶融凝固部位の面積を上記の通り設定している。これにより、仮組立体のせん断強度を、燃料電池の組立時に、MEAとセパレータの溶着状態を十分に維持することが可能な大きさとすることができる。
一方、溶融凝固部位の短辺を上記の通り設定しているので、燃料電池の運転時には、仮組立体におけるMEAとセパレータの溶着箇所を容易に剥離させることができる。すなわち、溶融凝固部位は、燃料電池の運転時に、MEAでの電気化学反応によって生じる生成水の蒸気や、電解質膜を湿潤状態に維持するべく燃料ガスとともに供給される水蒸気等に曝される。
溶融凝固部位が水蒸気に曝されると、その縁部からセパレータとの界面に水分が侵入していき、該溶融凝固部位縁部から内方に向かって自然剥離が進行する。短辺を上記のように設定すると、溶融凝固部位のセパレータとの界面全体に水分が早期に浸入するので、溶融凝固部位全体を効率的且つ容易にセパレータから剥離することができる。これによって、燃料電池の運転時に電解質膜が膨張・収縮すること等に伴って、樹脂枠部材とセパレータとの間に余分な応力が生じることを回避できる。
以上から、燃料電池の組立時には、樹脂枠部材とセパレータとが溶着された状態を維持でき、且つ燃料電池の運転時には、樹脂枠部材とセパレータとの溶着箇所を剥離できる仮組立体を形成することができる。この仮組立体を経ることで、MEAとセパレータに位置ずれが生じることが可及的に抑制されるとともに、耐久性に優れた燃料電池を得ることができる。
また、本発明は、外周部に樹脂枠部材を有する電解質膜・電極構造体と、セパレータとを積層して仮止めした仮組立体を経て得られる燃料電池であって、前記樹脂枠部材が溶融凝固して形成され、前記仮組立体の形成時に前記樹脂枠部材と前記セパレータとの間を仮止めする溶融凝固部位を有し、前記溶融凝固部位は、長辺と前記長辺の長さ以下の短辺を備えた略矩形状であって、前記短辺の長さが1〜5mmの範囲内であり、且つ面積が3mm2以上であることを特徴とする。
溶融凝固部位は、燃料電池の初回の運転よりも前の段階である、燃料電池の組立時には、樹脂枠部材とセパレータとを溶着により仮止めして、仮組立体を形成する。一方、燃料電池の初回の運転以降では、溶融凝固部位が、燃料電池の運転に伴う水蒸気に曝されること等により、樹脂枠部材とセパレータとの溶着を剥離させるため、仮組立体を形成しない。
この溶融凝固部位では、上記の通り、短辺及び面積が設定されている。これによって、仮組立体のせん断強度が調整されるため、樹脂枠部材とセパレータとの溶着状態を維持した状態で、燃料電池を組み立てることができる。すなわち、この場合、MEAとセパレータとを正確に位置決めして仮組立体を形成し、この仮組立体を積層することで燃料電池を得ることができるため、MEAとセパレータに位置ずれが生じることを可及的に抑制できる。また、特に反りが発生し易い樹脂枠部材を用いた場合であっても、樹脂枠部材をセパレータに確実に固定して、仮組立体を形成するため、MEAとセパレータとを正確に位置決めすることができる。
一方、燃料電池の運転時に、溶融凝固部位が水蒸気に曝されると、溶融凝固部位が上記の形状に形成されていることにより、溶融凝固部位のセパレータとの界面全体に水分が早期に浸入して自然剥離が進行する。これによって、溶融凝固部位全体を効率的且つ容易にセパレータから剥離することができる。従って、本発明の燃料電池では、運転時に電解質膜が膨張・収縮すること等に伴って、樹脂枠部材とセパレータとの間に余分な応力が生じることを回避できる。
以上から、本発明の燃料電池は、MEAとセパレータに位置ずれが生じることを可及的に抑制できるとともに、耐久性を向上させることができる。
本発明では、溶融凝固部位の短辺を1〜5mmの範囲内とし、且つ面積を3mm2以上として形成した仮組立体を経て燃料電池を得る。これによって、燃料電池の組立時には、正確に位置決めしたMEAとセパレータとの溶着状態を十分に維持することができる。一方、燃料電池の運転時には、溶融凝固部位全体を効率的且つ容易にセパレータから剥離することができるため、電解質膜の膨張・収縮に伴って、樹脂枠部材とセパレータとの間に余分な応力が生じることを回避できる。
従って、MEAとセパレータに位置ずれが生じることが可及的に抑制され、且つ耐久性に優れた燃料電池を得ることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池を構成する発電ユニットの要部分解斜視説明図である。 図1中のII−II線断面説明図である。 図1の第1セパレータの正面説明図である。 図1の第1電解質膜・電極構造体の正面説明図である。 加熱装置により前記第1セパレータと前記第1電解質膜・電極構造体の第1樹脂枠部材とを溶着する際の説明図である。 図1の溶融凝固部位の概略説明図である。 実施例に係る仮組立体について、溶融凝固部位の面積とせん断強度との関係を示すグラフである。 実施例に係る仮組立体について、溶融凝固部位の短辺の長さと自然剥離時間との関係を示すグラフである。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る燃料電池10は、発電ユニット12を備える。複数の発電ユニット12は、水平方向(矢印A方向)又は鉛直方向(矢印C方向)に沿って互いに積層されてスタックを構成する。このスタックは、例えば、図示しない燃料電池電気自動車に搭載される。
発電ユニット12は、第1セパレータ14、第1電解質膜・電極構造体(第1MEA)16a、第2セパレータ18、第2電解質膜・電極構造体(第2MEA)16b及び第3セパレータ20を設ける。
以下の説明では、第1セパレータ14、第2セパレータ18及び第3セパレータ20を総称してセパレータともいう。また、第1MEA16a及び第2MEA16bを総称して、電解質膜・電極構造体(MEA)ともいう。
これらのセパレータは、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した横長形状の金属板により構成される。セパレータは、平面が矩形状を有するとともに、金属製薄板を波形状にプレス加工することにより、断面凹凸形状に成形される。
図1に示すように、発電ユニット12の長手方向(矢印B方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス入口連通孔22a及び燃料ガス出口連通孔24bが設けられる。具体的には、酸化剤ガス入口連通孔22a及び燃料ガス出口連通孔24bは、セパレータの長手方向(矢印B方向)の一端縁部にそれぞれ設けられる。酸化剤ガス入口連通孔22aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する一方、燃料ガス出口連通孔24bは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。
発電ユニット12の長手方向(矢印B方向)の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔24a、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔22bが設けられる。
発電ユニット12の短手方向(矢印C方向)の両端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔22a側の一方に、矢印A方向に互いに連通して冷却媒体を供給するための一対の冷却媒体入口連通孔25aが設けられる。発電ユニット12の短手方向の両端縁部には、燃料ガス入口連通孔24a側の他方に、冷却媒体を排出するための一対の冷却媒体出口連通孔25bが設けられる。
発電ユニット12の長手方向の一端縁部及び他端縁部には、それぞれ矢印C方向の略中央にノック用孔部27a、27bが形成される。ノック用孔部27a、27bには、それぞれ図示しない樹脂製のノックピンが挿入されることにより、発電ユニット12内でセパレータ間の位置決めを行う。
図3に示すように、第1セパレータ14の第1MEA16aに向かう面14aには、酸化剤ガス入口連通孔22aと酸化剤ガス出口連通孔22bとに連通する第1酸化剤ガス流路26が形成される。
第1酸化剤ガス流路26は、矢印B方向に延在する複数の波状流路溝部(直線状流路溝部でもよい)26aを有する。第1酸化剤ガス流路26の入口近傍及び出口近傍には、それぞれ複数の入口エンボス部28a及び出口エンボス部28bが設けられる。
入口エンボス部28aと酸化剤ガス入口連通孔22aとの間には、ブリッジ部を構成する複数本の入口連結溝30aが形成される。出口エンボス部28bと酸化剤ガス出口連通孔22bとの間には、ブリッジ部を構成する複数本の出口連結溝30bが形成される。
図1に示すように、第1セパレータ14の面14bには、一対の冷却媒体入口連通孔25aと一対の冷却媒体出口連通孔25bとに連通する冷却媒体流路32が形成される。冷却媒体流路32は、第1酸化剤ガス流路26の裏面形状と後述する第2燃料ガス流路42の裏面形状とが重なり合って形成される。
第2セパレータ18の第1MEA16aに向かう面18aには、燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス出口連通孔24bとに連通する第1燃料ガス流路34が形成される。第1燃料ガス流路34は、矢印B方向に延在する複数の波状流路溝部(直線状流路溝部でもよい)34aを有する。
燃料ガス入口連通孔24aの近傍には、前記燃料ガス入口連通孔24aと第1燃料ガス流路34とを連通する複数の供給流路溝部36aが形成される。複数の供給流路溝部36aは、ブリッジである蓋体37aにより覆われる。燃料ガス出口連通孔24bの近傍には、前記燃料ガス出口連通孔24bと第1燃料ガス流路34とを連通する複数の排出流路溝部36bが形成される。複数の排出流路溝部36bは、ブリッジである蓋体37bにより覆われる。
第2セパレータ18の第2MEA16bに向かう面18bには、酸化剤ガス入口連通孔22aと酸化剤ガス出口連通孔22bとに連通する第2酸化剤ガス流路38が形成される。第2酸化剤ガス流路38は、矢印B方向に延在する複数の波状流路溝部(直線状流路溝部でもよい)を有する。
図1に示すように、第3セパレータ20の第2MEA16bに向かう面20aには、燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス出口連通孔24bとに連通する第2燃料ガス流路42が形成される。第2燃料ガス流路42は、矢印B方向に延在する複数の波状流路溝部(直線状流路溝部でもよい)42aを有する。
燃料ガス入口連通孔24aの近傍には、前記燃料ガス入口連通孔24aと第2燃料ガス流路42とを連通する複数の供給流路溝部44aが形成される。複数の供給流路溝部44aは、ブリッジである蓋体45aにより覆われる。燃料ガス出口連通孔24bの近傍には、前記燃料ガス出口連通孔24bと第2燃料ガス流路42とを連通する複数の排出流路溝部44bが形成される。複数の排出流路溝部44bは、ブリッジである蓋体45bにより覆われる。
第3セパレータ20の面20bには、第2燃料ガス流路42の裏面形状である冷却媒体流路32の一部が形成される。第3セパレータ20の面20bには、前記第3セパレータ20に隣接する第1セパレータ14の面14bが積層されることにより、冷却媒体流路32が一体に設けられる。
第1セパレータ14の面14a、14bには、この第1セパレータ14の外周端縁部を周回して第1シール部材46が一体成形される。第2セパレータ18の面18a、18bには、この第2セパレータ18の外周端縁部を周回して第2シール部材48が一体成形される。第3セパレータ20の面20a、20bには、この第3セパレータ20の外周端縁部を周回して第3シール部材50が一体成形される。
第1シール部材46、第2シール部材48及び第3シール部材50としては、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール材が用いられる。
図3に示すように、第1シール部材46は、第1セパレータ14の面14aにおいて、酸化剤ガス入口連通孔22a及び酸化剤ガス出口連通孔22bと、第1酸化剤ガス流路26との外周を取り囲む第1凸状シール部46aを有する。図2に示すように、第1凸状シール部46aは、第1MEA16aを挟んで積層される第2セパレータ18の第2シール部材48に当接する。第1凸状シール部46aは、後述する第1樹脂枠部材58の外周に位置して配置される外側シール部材を構成する。
第1セパレータ14の面14aには、第1シール部材46と一体に位置決めリブ46arが形成される。位置決めリブ46arは、第1MEA16aと第1セパレータ14とを相対的に位置決めする機能を有し、必要に応じて設けられる。
第1シール部材46は、図1に示すように、第1セパレータ14の面14bにおいて、冷却媒体入口連通孔25a及び冷却媒体出口連通孔25bと冷却媒体流路32との外周を取り囲む第2凸状シール部46bを有する。
第2シール部材48は、第2セパレータ18の面18aにおいて、第1燃料ガス流路34を囲繞する第1凸状シール部48aを有する。図2に示すように、第1凸状シール部48aは、第2セパレータ18に隣接する第1MEA16aの第1樹脂枠部材58に当接する内側シール部材を構成する。
第2シール部材48は、面18bにおいて、酸化剤ガス入口連通孔22a及び酸化剤ガス出口連通孔22bと第2酸化剤ガス流路38との外周を取り囲む第2凸状シール部48bを有する。図2に示すように、第2凸状シール部48bは、第2MEA16bを挟んで積層される第3セパレータ20の第3シール部材50に当接する。第2凸状シール部48bは、後述する第2樹脂枠部材60の外周に位置して配置される外側シール部材を構成する。
図2に示すように、面18bには、第2シール部材48と一体に位置決めリブ48brが形成される。位置決めリブ48brは、第2MEA16bと第2セパレータ18とを相対的に位置決めする機能を有し、必要に応じて設けられる。
図1に示すように、第3シール部材50は、第3セパレータ20の面20aにおいて、第2燃料ガス流路42を囲繞する第1凸状シール部50aを有する。図2に示すように、第1凸状シール部50aは、第3セパレータ20に隣接する第2MEA16bの第2樹脂枠部材60に当接する内側シール部材を構成する。
第3シール部材50は、第3セパレータ20の面20bにおいて、冷却媒体入口連通孔25a及び冷却媒体出口連通孔25bと冷却媒体流路32との外周を取り囲む第2凸状シール部(外側シール部材)50bを有する。
図2に示すように、MEAは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜(電解質膜)52と、前記電解質膜52を挟持するカソード電極54及びアノード電極56とを備える。カソード電極54は、アノード電極56及び電解質膜52の平面寸法(表面寸法)よりも小さな平面寸法(表面寸法)を有する段差型MEAを構成している。
なお、カソード電極54、アノード電極56及び電解質膜52は、同一の平面寸法に設定してもよく、また、前記アノード電極56は、前記カソード電極54及び前記電解質膜52の平面寸法よりも小さな平面寸法を有していてもよい。
カソード電極54及びアノード電極56は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、例えば、電解質膜52の両面に形成される。
第1MEA16aは、カソード電極54の終端部外方に位置して電解質膜52の外周縁部に第1樹脂枠部材58が、例えば、射出成形等により一体成形される。第2MEA16bは、カソード電極54の終端部外方に位置して電解質膜52の外周縁部に第2樹脂枠部材60が、例えば、射出成形等により一体成形される。
なお、第1樹脂枠部材58及び第2樹脂枠部材60は、別体で成形するとともに、接着剤等で第1MEA16a及び第2MEA16bに接合してもよい。第1樹脂枠部材58及び第2樹脂枠部材60を構成する樹脂材としては、例えば、汎用プラスチックの他、エンジニアリングプラスチックや、PES(ポリエーテルサルホン)等のスーパーエンジニアリングプラスチック等が採用される。
図1及び図4に示すように、第1樹脂枠部材58のカソード電極54側の面には、酸化剤ガス入口連通孔22aと第1酸化剤ガス流路26の入口側との間に位置して入口バッファ部62aが設けられる。また、第1樹脂枠部材58のカソード電極54側の面には、酸化剤ガス出口連通孔22bと第1酸化剤ガス流路26の出口側との間に位置して、出口バッファ部62bが設けられる。入口バッファ部62a及び出口バッファ部62bは、複数本のライン状凸部及びエンボス部を有する。以下に説明するバッファ部は、同様に構成される。
第1樹脂枠部材58のアノード電極56側の面には、燃料ガス入口連通孔24aと第1燃料ガス流路34との間に位置して入口バッファ部68aが設けられる。また、第1樹脂枠部材58のアノード電極56側の面には、燃料ガス出口連通孔24bと第1燃料ガス流路34との間に位置して、出口バッファ部68bが設けられる。第1樹脂枠部材58の矢印B方向両端部には、ノックピンを通過させるための切り欠き部70a、70bが形成される。
第1樹脂枠部材58の入口バッファ部62aの近傍及び出口バッファ部62bの近傍には、複数の溶融凝固部位98aが設けられる。溶融凝固部位98aは、第1樹脂枠部材58を溶融凝固して形成されたものであり、その詳細については後述する。
図1に示すように、第2MEA16bに設けられる第2樹脂枠部材60は、カソード電極54側の面に、酸化剤ガス入口連通孔22aと第2酸化剤ガス流路38との間に位置して入口バッファ部74aが設けられる。また、第2樹脂枠部材60のカソード電極54側の面には、酸化剤ガス出口連通孔22bと第2酸化剤ガス流路38との間に位置して、出口バッファ部74bが形成される。
第2樹脂枠部材60のアノード電極56側の面には、燃料ガス入口連通孔24aと第2燃料ガス流路42との間に位置して入口バッファ部80aが設けられる。また、第2樹脂枠部材60のアノード電極56側の面には、燃料ガス出口連通孔24bと第2燃料ガス流路42との間に位置して、出口バッファ部80bが設けられる。第2樹脂枠部材60の矢印B方向両端部には、ノックピンを通過させるための切り欠き部81a、81bが形成される。
第2樹脂枠部材60の入口バッファ部80aの近傍及び出口バッファ部80bの近傍には、上記の溶融凝固部位98aと同様に、後述する複数の溶融凝固部位98bが設けられる。
発電ユニット12同士が互いに積層されることにより、一方の発電ユニット12を構成する第1セパレータ14と、他方の発電ユニット12を構成する第3セパレータ20との間には、冷却媒体流路32が形成される。
本実施形態では、発電ユニット12は、第1仮組立体82と、第2仮組立体84と、第3セパレータ20とが積層されて組み立てられる。第1仮組立体82は、第1MEA16aと第1セパレータ14とが積層されて構成され、発電ユニット12の組立時には、互いの間が溶着により仮止めされている。具体的には、この仮止めは、第1MEA16aの第1樹脂枠部材58と、第1セパレータ14の加熱部位96a(図2及び図3参照)とが、該第1樹脂枠部材58に形成された溶融凝固部位98aを介して溶着されることにより形成されている。
第2仮組立体84は、第2MEA16bと第2セパレータ18とが積層されて構成され、発電ユニット12の組立時には、互いの間が溶着により仮止めされている。具体的には、この仮止めは、第2MEA16bの第2樹脂枠部材60と、第2セパレータ18の加熱部位96b(図2参照)とが、該第2樹脂枠部材60に形成された溶融凝固部位98bを介して溶着されることにより形成されている。
すなわち、発電ユニット12を製造する場合、はじめに、第1仮組立体82、第2仮組立体84を作製する。具体的には、第1仮組立体82を得るべく、先ず、第1MEA16aと第1セパレータ14とを積層し、第1樹脂枠部材58の一方の面58aと、第1セパレータ14の一方の面14aとを当接させることにより、当接部位を形成する。そして、この当接部位のうち、第1セパレータ14の加熱部位96aをその他方の面14b側から、図5に示す加熱装置90により加熱して、第1樹脂枠部材58を溶融する。
加熱装置90は、基台部92と電気ヒータで加熱された加熱棒体94とを備える。基台部92は、第1樹脂枠部材58との当接面が平坦な形状を有する。加熱棒体94は、第1セパレータ14との当接面が平坦な形状を有することが好ましいが、例えば、先端が滑らかなR形状を有していてもよい。基台部92の当接部の表面積は、加熱棒体94の当接部の表面積よりも大きい。
なお、加熱装置90に代えて、例えば、レーザ加熱装置(図示せず)等の種々の加熱装置で第1セパレータ14の加熱部位96aを直接加熱してもよい。
基台部92上には、第1樹脂枠部材58が載置されるとともに、該第1樹脂枠部材58上には、第1セパレータ14が載置される。第1セパレータ14は、位置決めリブ46arにより第1MEA16aに対して位置決めされる。第1セパレータ14の接合箇所には、予め粗面化処理が施されることが好ましい。接合強度の向上が図られるからである。また、第1セパレータ14の全周に亘って第1酸化剤ガス流路26を囲繞する平坦部が形成される。なお、第2セパレータ18でも、同様である。
そして、所定の温度に加熱した加熱棒体94を、加熱部位96aの面14bに対して、所定の加圧力で押圧する。これによって、第1セパレータ14を介して第1樹脂枠部材58が加熱されるため、第1樹脂枠部材58の一部が溶融する。次いで、加熱棒体94の温度を低下させることにより、溶融部位を固化し、第1樹脂枠部材58に溶融凝固部位98aを形成する。
図3に示すように、第1セパレータ14の複数の位置に上記の加熱部位96aが設けられる。これにより、図4に示すように、上記の加熱部位96aに対応する第1樹脂枠部材58の複数の位置に溶融凝固部位98aが設けられる。この溶融凝固部位98aを介して、第1セパレータ14と第1樹脂枠部材58とを溶着により一体化する。その結果、第1セパレータ14と第1MEA16aとが、互いに正確に位置決めされた状態で、一体化された第1仮組立体82が得られる。
一方、上記と同様に、第2MEA16b及び第2セパレータ18についても、互いに積層し、第2樹脂枠部材60の一方の面60aと、第2セパレータ18の一方の面18aとを当接させて当接部位を形成する。そして、この当接部位のうち、加熱部位96bを第2セパレータ18の他方の面18b側から、加熱装置90により加熱して第2樹脂枠部材60を溶融する。その後、溶融部位を凝固させることで、溶融凝固部位98bを形成する。
第1セパレータ14と同様に、第2セパレータ18の複数の位置に加熱部位96bが設けられる。これにより、加熱部位96bに対応する第2樹脂枠部材60の複数の位置に溶融凝固部位98b(図1参照)が設けられる。この溶融凝固部位98bを介して、第2セパレータ18と第2樹脂枠部材60とを溶着により一体化する。その結果、第2セパレータ18と第2MEA16bとが、互いに正確に位置決めされた状態で、一体化された第2仮組立体84が得られる。
このため、特に反りが発生し易い第1樹脂枠部材58、第2樹脂枠部材60が用いられても、第1樹脂枠部材58、第2樹脂枠部材60のそれぞれを第1セパレータ14、第2セパレータ18に確実に固定することができる。
上記のように形成した第1仮組立体82及び第2仮組立体84と、さらに第3セパレータ20を、ノック用孔部27a、27bに挿入されるノックピン(図示せず)を用いて積層することにより、発電ユニット12を組み立てる。この際、図6に示すように、溶融凝固部位98a、98bの形状は、セパレータの長手方向(矢印B方向)に沿って延在する長辺L1と短辺L2を備えた略矩形状であり、前記短辺L2が1〜5mmの範囲内となり、且つ面積が3mm2以上となるように設定されている。
なお、長辺L1の延在する方向は、上記セパレータの長手方向に沿う方向に限定されるものではない。一方、上記の第1仮組立体82及び第2仮組立体84は搬送する際等に前記長手方向に沿って撓みやすい。従って、前記長辺L1の方向を前記長手方向と一致させた方が前記撓みによる剥がれが発生し難いので、好ましい。
これにより、溶融凝固部位98a、98bにおける特性について、せん断強度を15N以上とし、且つ水蒸気自然剥離時間を120時間以下とすることができる。このように、せん断強度を調整することによって、発電ユニット12の組立時に、MEAとセパレータの溶着状態を十分に維持することが可能になる。従って、発電ユニット12内の位置決め及び複数の前記発電ユニット12同士の位置決めが容易且つ効率的に遂行されるという利点がある。
上記のようにして組み立てられる発電ユニット12を積層して、スタックを構成することにより、燃料電池10を得ることができる。この燃料電池10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔22aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔24aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔25aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、一部が酸化剤ガス入口連通孔22aから入口バッファ部62aを通って第1セパレータ14の第1酸化剤ガス流路26に供給される。酸化剤ガスは、他の一部が入口バッファ部74aを通って第2セパレータ18の第2酸化剤ガス流路38に導入される。
酸化剤ガスは、図1、図3及び図4に示すように、第1酸化剤ガス流路26に沿って矢印B方向(水平方向)に移動し、第1MEA16aのカソード電極54に供給される。また、酸化剤ガスは、第2酸化剤ガス流路38に沿って矢印B方向に移動し、第2MEA16bのカソード電極54に供給される。
一方、燃料ガスは、図1に示すように、燃料ガス入口連通孔24aから供給流路溝部36a、44aに導入される。供給流路溝部36aでは、燃料ガスが、入口バッファ部68aを通って第2セパレータ18の第1燃料ガス流路34に供給される。供給流路溝部44aでは、燃料ガスが、入口バッファ部80aを通って第3セパレータ20の第2燃料ガス流路42に供給される。
燃料ガスは、第1燃料ガス流路34に沿って矢印B方向に移動し、第1MEA16aのアノード電極56に供給される。また、燃料ガスは、第2燃料ガス流路42に沿って矢印B方向に移動し、第2MEA16bのアノード電極56に供給される。
従って、MEAでは、各カソード電極54に供給される酸化剤ガスと、各アノード電極56に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。一層詳細には、アノード電極56に供給され、ガス拡散層を通過した燃料ガス中の水素ガスが電極触媒層で電離し、プロトン(H+)と電子が生成される。電子は、燃料電池10に電気的に接続された外部負荷(図示せず)を付勢するための電気エネルギとして取り出され、一方、プロトンは、電解質膜52を介してカソード電極54に到達する。なお、プロトンは、電解質膜52に含まれる水を伴って、アノード電極56側からカソード電極54側へ移動する。
カソード電極54の電極触媒層では、前記プロトンと、外部負荷を付勢した後に該カソード電極54に到達した電子と、該カソード電極54に供給されてガス拡散層を通過した酸化剤ガス中の酸素ガスとが結合する。この結果、水が生成される。以下、この水を生成水ともいう。
以上の電極反応の最中、電解質膜52に良好なプロトン伝導性を発現させるためには、該電解質膜52を湿潤状態に維持する必要がある。このため、燃料ガス入口連通孔24aには、予め水蒸気を含有する燃料ガスが供給されてもよい。
次いで、MEAの各カソード電極54に供給されて消費された酸化剤ガスは、出口バッファ部62b、74bを通って酸化剤ガス出口連通孔22bに排出される。MEAのアノード電極56に供給されて消費された燃料ガスは、出口バッファ部68b、80bを通って燃料ガス出口連通孔24bに排出される。
一方、左右一対の冷却媒体入口連通孔25aに供給された冷却媒体は、図1に示すように、冷却媒体流路32に導入される。冷却媒体は、各冷却媒体入口連通孔25aから冷却媒体流路32に供給され、一旦矢印C方向内方に沿って流動した後、矢印B方向に移動してMEAを冷却する。この冷却媒体は、矢印C方向外方に移動した後、一対の冷却媒体出口連通孔25bに排出される。
従って、燃料電池10の運転時には、電極触媒層内での電気化学反応により生じる生成水の蒸気や、燃料ガスとともに供給される水蒸気等に、溶融凝固部位98a、98bが曝されることになる。この際、上記の通り、溶融凝固部位98a、98bは長辺L1及び短辺L2から構成され、その長辺L1と面積とが上記の範囲に設定されることにより、水蒸気自然剥離時間が上記の範囲に調整されている。
このため、溶融凝固部位98a、98bが水蒸気に曝されると、その短辺の両端側の縁部から中心に向かって自然剥離を進行させて、溶融凝固部位98a、98bの全体を効率的且つ容易にセパレータから剥離することができる。これによって、燃料電池10の運転時に電解質膜52が膨張・収縮すること等に伴って、第1樹脂枠部材58、第2樹脂枠部材60とセパレータとの間に余分な応力が生じることを回避できる。
以上から、第1仮組立体82及び第2仮組立体84では、発電ユニット12の組立時には、第1樹脂枠部材58及び第2樹脂枠部材60とセパレータとが溶着された状態を良好に維持できる。一方で、燃料電池10の運転時には、第1樹脂枠部材58及び第2樹脂枠部材60とセパレータとの溶着を容易に剥離することができる。このように形成された第1仮組立体82及び第2仮組立体84を経ることで、MEAとセパレータに位置ずれが生じることが可及的に抑制されるとともに、耐久性に優れた燃料電池10を得ることができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
樹脂枠部材にPES(ポリエーテルサルホン)を採用し、且つセパレータにステンレス鋼(SUS)を採用して測定試料用の仮組立体を形成し、該仮組立体について、せん断強度の測定試験を行った。具体的には、以下に示す通り、実施例に係る仮組立体を作製した。
先ず、セパレータ中の接合部位に、粗面化処理として、レーザクリーニングを行った。次に、セパレータと樹脂枠部材とを積層し、該樹脂枠部材の一方の面と、セパレータの上記粗面化処理を行った一方の面とを当接させることにより、当接部位を形成した。次に、この当接部位のうち、セパレータの加熱部位に対して、上記の加熱装置により1Nの加重を付与しつつ、450℃で10秒ずつ加熱することにより、長辺L1が4.0mm、短辺L2が1.5mm(面積6mm2)となる溶融凝固部位を形成した。このようにして、セパレータと樹脂枠部材とを溶着により仮止めして得た仮組立体を実施例1とする。
溶融凝固部位の長辺L1を6.0mm、短辺L2を2.0mm(面積12.0mm2)とした以外は、実施例1に係る仮組立体と同様にして実施例2に係る仮組立体を得た。
溶融凝固部位の長辺L1を6.7mm、短辺L2を2.5mm(面積16.8mm2)とした以外は、実施例1に係る仮組立体と同様にして実施例3に係る仮組立体を得た。
溶融凝固部位の長辺L1を6.8mm、短辺L2を4.5mm(面積30.6mm2)とした以外は、実施例1に係る仮組立体と同様にして実施例4に係る仮組立体を得た。
上記の実施例1〜3に係る仮組立体について、せん断強度を測定した。せん断強度の測定は上記仮組立体の樹脂枠部材とセパレータを引っ張り試験機で保持し、前記溶着凝固部位の面に水平な方向(図6中の矢印C方向)に引っ張ることで測定した。
このようにして得られたせん断強度の測定結果を図7に示す。図7は、溶融凝固部位の面積と剥離強度との関係を示すグラフである。
図7から、溶融凝固部位の面積を3mm2以上とすることにより、仮組立体のせん断強度を15N以上として、燃料電池の組立時に、MEAとセパレータの溶着状態を十分に維持することが可能な大きさとすることが可能であることが分かる。
また、上記の実施例1、3及び4に係る仮組立体について、水蒸気自然剥離時間を測定した。該剥離時間の測定は、仮組立体を温度85℃、相対湿度100%の雰囲気中に置くことにより行った。その結果を図8に示す。図8は、溶解凝固部位の短辺の長さL2と自然剥離時間との関係を示すグラフである。
図8から、実施例1、3及び4の仮組立体では、溶融凝固部位による溶着が120時間以内に剥離することが確認された。従って、溶融凝固部位の短辺L2及び面積を上記の範囲に設定することにより、燃料電池の運転時に、溶融凝固部位が水蒸気に曝されて、溶融凝固部位全体を効率的且つ容易にセパレータから剥離することができる。従って、本発明の燃料電池では、運転時に電解質膜が膨張・収縮すること等に伴って、樹脂枠部材とセパレータとの間に余分な応力が生じることを回避できる。
10…燃料電池 12…発電ユニット
14、18、20…セパレータ 16a、16b…電解質膜・電極構造体
22a…酸化剤ガス入口連通孔 22b…酸化剤ガス出口連通孔
24a…燃料ガス入口連通孔 24b…燃料ガス出口連通孔
25a…冷却媒体入口連通孔 25b…冷却媒体出口連通孔
26、38…酸化剤ガス流路 30a…入口連結溝
30b…出口連結溝 32…冷却媒体流路
34、42…燃料ガス流路 36a…供給流路溝部
36b…排出流路溝部 46、48、50…シール部材
52…固体高分子電解質膜 54…カソード電極
56…アノード電極 58、60…樹脂枠部材
82、84…仮組立体 90…加熱装置
92…基台部 94…加熱棒体
96a、96b…加熱部位 98a、98b…溶融凝固部位

Claims (2)

  1. 外周部に樹脂枠部材を有する電解質膜・電極構造体と、セパレータとを積層して仮止めした仮組立体を経て燃料電池を得る燃料電池の製造方法であって、
    前記電解質膜・電極構造体と前記セパレータとを積層し、前記樹脂枠部材及び前記セパレータの一方の面同士を当接させて当接部位を形成する工程と、
    前記セパレータの他方の面から前記当接部位を加熱して、前記樹脂枠部材を溶融させることにより、溶融凝固部位を形成する工程と、
    前記溶融凝固部位を介して前記セパレータと前記樹脂枠部材とを仮止めして得た前記仮組立体を積層して前記燃料電池を得る工程と、を備え、
    前記溶融凝固部位は、長辺と前記長辺の長さ以下の短辺を備えた略矩形状であって、前記短辺の長さが1〜5mmの範囲内であり、且つ面積が3mm2以上であることを特徴とする燃料電池の製造方法。
  2. 外周部に樹脂枠部材を有する電解質膜・電極構造体と、セパレータとを積層して仮止めした仮組立体を経て得られる燃料電池であって、
    前記樹脂枠部材が溶融凝固して形成され、前記仮組立体の形成時に前記樹脂枠部材と前記セパレータとの間を仮止めする溶融凝固部位を有し、
    前記溶融凝固部位は、長辺と前記長辺の長さ以下の短辺を備えた略矩形状であって、前記短辺の長さが1〜5mmの範囲内であり、且つ面積が3mm2以上であることを特徴とする燃料電池。
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