JP2016147988A - 接着材料及び切断物の製造方法 - Google Patents

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Shigeru Nomura
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Abstract

【課題】高い光硬化性と、光硬化後の高いガス発生効率とを両立することができる接着材料を提供する。【解決手段】本発明に係る接着材料は、光硬化性化合物と、光重合開始剤と、ガス発生剤と、インドール化合物とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性化合物、光重合開始剤及びガス発生剤を含む接着材料に関する。また、本発明は、上記接着材料を用いて、切断対象物を切断する切断物の製造方法に関する。
ガラス板などの切断対象物をレーザー等で切断する際には、切断効率を高めるために、複数の切断対象物を重ねて切断することがある。複数の切断対象物を重ねて切断することで、切断回数を減らすことができる。
下記の特許文献1には、樹脂板の表面側、及び裏面側にガラスフィルムが貼り合わされたガラスフィルム積層体を、レーザーを照射することで溶断するガラスフィルム積層体の切断方法が開示されている。
また、下記の特許文献2には、ハードディスク用のガラス基板の穴あけ加工時において、ガラス基板同士を仮接着するための接着剤が開示されている。この接着剤は、(メタ)アクリレート化合物、光重合開始剤、及び、気体発生剤を含有する。上記(メタ)アクリレート化合物の60重量%以上が、芳香族及び/又は脂環式構造を骨格に有する。上記接着剤は、上記(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、上記気体発生剤を5重量部以上含有する。
特開2014−091660号公報 特開2010−079958号公報
複数の切断対象物を重ねて切断し、切断後に再度切断対象物を分離させる場合は、強固な接着性と、再剥離性との両方が必要になる。複数の切断対象物を重ねて、強固に接着させる場合は接着後に光刺激を与えて硬化させることがあるが、特許文献2に記載のような光刺激応答性の気体発生剤を含有する接着性物質を用いた場合、上記接着性物質を架橋、硬化させる際に、気体発生剤からのガスの発生を、充分に抑制できないことがある。また、硬化後に、気体発生剤から充分にガスが発生しないことがある。つまり、高い光硬化性と、光硬化後の高いガス発生効率とを両立することが困難である。
本発明の目的は、高い光硬化性と、光硬化後の高いガス発生効率とを両立することができる接着材料を提供することである。また、本発明の目的は、上記接着材料を用いて、切断対象物を切断する切断物の製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、光硬化性化合物と、光重合開始剤と、ガス発生剤と、インドール化合物とを含む、接着材料が提供される。
本発明に係る接着材料のある特定の局面では、前記ガス発生剤が、熱刺激応答性を有するガス発生剤である。
本発明に係る接着材料のある特定の局面では、前記ガス発生剤の10時間半減期温度が50℃以上100℃以下である。
本発明に係る接着材料のある特定の局面では、接着材料は、複数の切断対象物を、接着材料の硬化物を介して貼り合わせた状態で、複数の切断対象物を切断するために用いられる。
本発明に係る接着材料のある特定の局面では、接着材料は、複数の切断対象物間に前記接着材料を配置して、複数の切断対象物を貼り合わせるために前記接着材料を光硬化させて、硬化物を形成する貼合工程と、貼り合わされた切断対象物を切断して、貼り合わされた切断物を得る切断工程と、貼り合わされた切断物における硬化物中の前記ガス発生剤からガスを発生させて、硬化物から切断物を剥離する剥離工程とを経て、切断物を得るために用いられる。
本発明に係る接着材料のある特定の局面では、前記剥離工程において、貼り合わされた切断物を50℃以上100℃以下の液に浸漬させる。
本発明に係る接着材料のある特定の局面では、前記切断対象物がガラス板である。
本発明の広い局面によれば、複数の切断対象物間に、上述した接着材料を配置して、複数の切断対象物を貼り合わせるために接着材料を光硬化させて、硬化物を形成する貼合工程と、貼り合わされた切断対象物を切断して、貼り合わされた切断物を得る切断工程と、貼り合わされた切断物における硬化物中の前記ガス発生剤からガスを発生させて、硬化物から切断物を剥離する剥離工程とを備える、切断物の製造方法が提供される。
本発明に係る接着材料は、光硬化性化合物と、光重合開始剤と、ガス発生剤と、インドール化合物とを含むので、高い光硬化性と、光硬化後の高いガス発生効率とを両立することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る接着材料は、光硬化性化合物と、光重合開始剤と、ガス発生剤と、インドール化合物とを含む。
本発明では、上記の構成が備えられているため、光硬化時にガス発生剤からガスを、かなり発生し難くした状態で、十分に光硬化させることができる。このため、光硬化時に、接着材料に貼り合わされた部材の剥離を抑えることができる。さらに、光硬化時に、ガス発生剤の消費量が抑えられるので、光硬化後にガスを効率的に発生させることができる。このため、光硬化後に、硬化物中のガス発生剤からガスを効率的に発生させて、硬化物に貼り合わされた部材を効率的に剥離することができる。
上記接着材料は、液状(接着剤組成物)であってもよく、フィルム状であってもよい。塗布性に優れているので、上記接着材料は液状であることが好ましい。
以下、上記接着材料に用いられる各成分の詳細を説明する。
(光硬化性化合物)
上記光硬化性化合物は、バインダー樹脂として作用することができる。上記光硬化性化合物の好ましい例としては、アクリル化合物及びエポキシ化合物等が挙げられる。但し、上記光硬化性化合物は、これらの化合物に限定されない。上記光硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。
上記アクリル化合物は特に限定されない。上記アクリル化合物として、ポリ(メタ)アクリレート等の高分子材料を用いることができる。この高分子材料を構成するモノマーの共重合体を用いてもよい。すなわち、上記アクリル化合物は、(メタ)アクリル重合体であることが好ましい。なお、上記(メタ)アクリル重合体には、(メタ)アクリル共重合体が含まれる。
上記アクリル化合物のSP値は好ましくは7以上、好ましくは10.5以下である。上記アクリル化合物のSP値が上記下限以上及び上記上限以下であると、アクリル化合物とガス発生剤との相溶性がより一層良好になる。
上記アクリル化合物におけるSP値(溶解度パラメータ)は、Fedors法(R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14,147(1974))を用いて算出可能である。
上記ポリ(メタ)アクリレートを構成する(メタ)アクリレートモノマーは、鎖状化合物及び環状化合物のいずれであってもよい。上記鎖状化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルヘキシル、及び(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。上記環状化合物としては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、及び(メタ)アクリル酸イソボロニル等が挙げられる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。
上記ポリ(メタ)アクリレートは、例えば、(メタ)アクリレートモノマーと、(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよい。上記ビニルモノマーとしては、特に限定されず、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、カルボキシアルキル(メタ)アクリレート類(カルボキシエチルアクリレートなど)のカルボキシル基含有ビニルモノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの水酸基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレートなどの窒素含有ビニルモノマー等が挙げられる。上記ビニルモノマーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記(メタ)アクリレートモノマーと上記ビニルモノマーとの組合せとしては、特に限定されず、(メタ)アクリル酸ブチルと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ブチルと(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリル酸とN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドとの組合せ等が挙げられる。(メタ)アクリレートモノマーとビニルモノマーとの共重合比(質量比)は、98:2〜51:49の範囲内であることが好ましい。
ガスの発生効率をより一層高めるために、上記ポリ(メタ)アクリレートは、ポリメチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ブチル・(メタ)アクリル酸共重合体、及び(メタ)アクリル酸ブチル・(メタ)アクリルアミド共重合体からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。また、ガスの発生効率を更に一層高めるために、上記ポリ(メタ)アクリレートは、アミノ基又はカルボニル基を有することが好ましい。
上記アクリル化合物の多くは、粘着性を有するので、部材上に上記接着材料を容易に配置することができる。例えば、粘着性を有する接着材料は、部材の表面に容易に貼り付けることができる。
上記光硬化性化合物の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは60万以上、好ましくは200万以下、より好ましくは160万以下である。上記光硬化性化合物の重量平均分子量が上記下限以上であると、光硬化性化合物自体の凝集力の低下が抑えられ、上記ガス発生剤等を上記接着材料中に、強固に保持することができる。上記光硬化性化合物の重量平均分子量が上記上限以下であると、上記接着材料を各種の形態に加工することが容易になる。
上記光硬化性化合物100質量部に対して、上記ガス発生剤の含有量は、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。
(光重合開始剤)
上記光重合開始剤は、上記光硬化性化合物を硬化させる。上記光重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤の好ましい例としては、Irg907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、Irg819DW((ビス−2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフインオキサイド)、Irg784(ビス(η5−2−4−シクロペンタジエン−1-イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム)等が挙げられる。
上記光重合開始剤は、上記ガス発生剤に対して、光増感剤として作用してもよい。この場合には、光硬化後に残留している光重合開始剤が、光硬化後にガス発生剤からガスを発生させる際に、ガスの発生効率を高めることができる。
上記ガス発生剤100質量部に対して、上記光重合開始剤の含有量は、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。また、上記光重合開始剤の含有量は、上記光硬化性化合物100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記光重合開始剤の含有量が上記下限以上であると、光硬化性化合物が充分に光硬化する。上記光重合開始剤の含有量が上記上限以下であると、光重合開始剤に由来する残存物が少なくなり、充分にガスが発生しやすくなる。
(ガス発生剤)
上記ガス発生剤としては、光の照射又は熱の付与により分解して、ガスを発生する化合物等が挙げられる。上記ガス発生剤は、熱刺激応答性を有するガス発生剤であることが好ましい。上記ガス発生剤は、熱及び光刺激応答性を有するガス発生剤であってもよい。上記ガス発生剤としては、アゾ化合物、アジド化合物及びポリオキシアルキレン化合物等が挙げられる。これらの化合物では、光の照射又は熱の付与により、光分解反応が進行する。ガスの発生効率を効果的に高める観点からは、上記ガス発生剤は、アゾ化合物又はアジド化合物であることが好ましい。上記ガス発生剤は、上記アゾ化合物であることが好ましく、上記アジド化合物であることも好ましい。上記ガス発生剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アゾ化合物としては、アゾアミド化合物、アゾニトリル化合物、アゾアミジン化合物及びサイクリックアゾアミジン化合物等が挙げられる。
上記アゾ化合物の具体例としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾイリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミダイン)ハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミダイン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミダイン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、特定の波長域の光又は熱等の外部刺激を受けることにより窒素ガスを発生させる。
上記アゾ化合物は、衝撃によっては気体を発生しないことから、取り扱いが極めて容易である。上記アゾ化合物は、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生させることもない。上記アゾ化合物を用いれば、光の照射を中断することで、気体の発生を中断させることもできる。このため、上記アゾ化合物を上記ガス発生剤として用いることにより、ガス発生量の制御が容易である。
上記ガス発生剤として用いられる上記アジド化合物としては、例えば、スルフォニルアジド基又はアジドメチル基を有するアジド化合物が挙げられる。上記アジド化合物は、スルフォニルアジド基又はアジドメチル基を有することが好ましい。上記アジド化合物は、スルフォニルアジド基を有することが好ましく、アジドメチル基を有することも好ましい。
上記スルフォニルアジド基を有する化合物の好ましい例としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016147988
上記式(1)において、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、炭化水素基、炭化水素基に置換基が結合した基又はアルコキシ基である。上記式(1)中のR〜Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。上記炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、環状であってもよい。上記炭化水素基は、飽和の炭化水素基であってもよく、不飽和の炭化水素基であってもよい。上記アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
上記式(1)において、R〜Rの内の少なくとも1つの基は、炭化水素基又は炭化水素基に置換基が結合した基であることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましい。R〜Rが炭化水素基又は炭化水素基に置換基が結合した基である場合に、該炭化水素基の炭素数は1以上、好ましく3以上、より好ましくは6以上、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。また、上記炭化水素基に置換基が結合した基における置換基としては、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記式(1)のR〜Rにおいて、上記アルコキシ基の炭素数は1以上、好ましくは3以上、より好ましくは6以上、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは12以下である。また、上記アルコキシ基が置換基を有する場合に、該置換基としては、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記式(1)において、Rは、アミド基、炭化水素基、炭化水素基に置換基が結合した基又はアルコキシ基であることが好ましい。また、上記式(1)において、R,R,R及びRはそれぞれ、水素原子であることが好ましい。
アジドメチル基を有するアジド化合物としては、例えば、グリシジルアジドポリマーが挙げられる。上記グリシジルアジドポリマーとしては、側鎖にアジドメチル基を有し、かつ末端に水酸基を有する脂肪族ポリエーテルが好ましい。
本発明では、特定の吸光度を有するガス発生剤が、特定の吸光度又は吸光度のピーク波長を有する光重合開始剤と組み合わされて、適宜選択して用いられる。
上記ガス発生剤の10時間半減期温度は好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、好ましくは100℃以下、より好ましくは98℃以下、更に好ましくは95℃以下である。10時間半減期が50℃のガス発生剤では、室温に近く、長時間安定してガスの発生を保てにくくなる傾向がある。10時間半減期温度が100℃に近いガス発生剤では、例え沸騰水に浸漬してもガスが発生するまでの時間が長くなり、剥離工程のタクトが長くなる。50℃〜100℃の条件下に硬化物を晒すことで、ガスを効率的に発生させることができる。
(インドール化合物)
上記インドール化合物は、光硬化時に、ガス発生剤からのガスの発生を効果的に抑制する。一方で、光硬化はさほど阻害しない。上記インドール化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記インドール化合物の好ましい例としては、3−ベンゾイル−1H−インドール及び2−フェニル−3−ベンゾイル−1H−インドール、BONASORB UA3911(オリエンタル化学社製 化学構造非開示)等が挙げられる。
上記ガス発生剤100質量部に対して、上記インドール化合物の含有量は、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下である。
(他の成分)
上記接着材料は、タッキファイヤー、シランカップリング剤、架橋剤及び無機充填材等を含んでもいてもよい。
上記接着材料は、上記シランカップリング剤を含むことがより好ましい。但し、上記接着材料は、上記シランカップリング剤を含んでいなくてもよい。上記シランカップリング剤の使用により、上記接着材料の接着力がより一層高くなる。
上記シランカップリング剤は、アミノ基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤の具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス[(3−トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これら以外のアミノ基を有するシランカップリング剤を用いてもよい。上記アミノ基を有するシランカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
アミノ基を有さないシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するシランカップリング剤、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
上記ガス発生剤100質量部に対して、上記シランカップリング剤の含有量は、好ましくは0.0001質量部以上、より好ましくは0.0003質量部以上、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.3質量部以下である。上記シランカップリング剤の含有量が上記下限以上であると、接着材料の部材に対する初期接着力及び初期アンカー力がより一層高くなる。上記シランカップリング剤の含有量が上記上限以下であると、余剰の上記シランカップリング剤によるガス発生量の低下がより一層抑えられる。
上記接着材料は、上記架橋剤を含むことがより好ましい。但し、上記接着材料は、上記架橋剤を含んでいなくてもよい。上記架橋剤の使用により、上記接着材料の接着力がより一層高くなる。
(接着材料の他の詳細)
上記接着材料は、複数の切断対象物を、接着材料の硬化物を介して貼り合わせた状態で、複数の切断対象物を切断するために好適に用いられる。
上記接着材料は、複数の切断対象物間に接着材料を配置して、複数の切断対象物を貼り合わせるために接着材料を光硬化させて、硬化物を形成する貼合工程と、貼り合わされた切断対象物を切断して、貼り合わされた切断物を得る切断工程と、貼り合わされた切断物における硬化物中の上記ガス発生剤からガスを発生させて、硬化物から切断物を剥離する剥離工程とを経て、切断物を得るために好適に用いられる。
上記剥離工程において、貼り合わされた切断物を50℃以上100℃以下の条件に晒すことが好ましい。上記剥離工程において、貼り合わされた切断物を50℃以上100℃以下の液に浸漬させることがより好ましい。これらの場合には、剥離を容易に行うことができる。また、液中で剥離を行うことで、切断物の損傷を抑えることができる。
上記切断対象物としては、ガラス板、ポリカーボネート板及びポリメチルメタクリレート板等が挙げられる。切断対象物を介して接着材料に光を照射する観点からは、上記切断対象物は、光を透過可能であることが好ましい。上記切断対象物がガラス板であることが好ましい。ガラス板は、効率的に切断することが求められることが多い。一方で、ガラス板は割れやすく、取扱いに注意が必要である。上記接着材料の使用により、光硬化中又は光硬化後にガラス板の剥離が生じ難く、ガラス板が割れにくくなる。
本発明に係る切断物の製造方法は、複数の切断対象物間に、本発明に係る接着材料を配置して、複数の切断対象物を貼り合わせるために接着材料を光硬化させて、硬化物を形成する貼合工程と、貼り合わされた切断対象物を切断して、貼り合わされた切断物を得る切断工程と、貼り合わされた切断物における硬化物中の上記ガス発生剤からガスを発生させて、硬化物から切断物を剥離する剥離工程とを備える。本発明に係る接着材料を用いて、上記の各工程によって切断物を製造することで、精度よくかつ効率的に切断物を得ることができる。このように切断物を製造する場合には、上記接着材料は、仮接着材料である。
光照射を行う装置としては特に限定されず、紫外線を発生する発光ダイオード(UV−LED)、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、及び超高圧水銀ランプ等が挙げられる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されず、要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
以下の材料を用意した。
(光硬化性化合物)
EBECRYL3700(ダイセル・オルネクス社製)
エポキシエステル80FMA(共栄社化学社製)
IRR−214(ダイセル・オルネクス社製)
(シランカップリング剤)
KBM−403(信越化学工業社製)
(ガス発生剤)
V−59(和光純薬工業社製)
(光重合開始剤)
Irg907(BASF社製)
Irg819(BASF社製)
Irg784(BASF社製)
(インドール化合物)
UA3911(オリエンタル化学社製)
3−ベンゾイル−1H−インドール
2−フェニル−3−ベンゾイル−1H−インドール
(アントラセン化合物:インドール化合物とは異なる化合物)
UV1221(川崎化成工業社製、アントラセン化合物)
UV1331(川崎化成工業社製、アントラセン化合物)
(チオキサントン化合物:インドール化合物とは異なる化合物)
ジエチルチオキサントン(日本化薬社製、チオキサントン化合物)
(実施例1〜9及び比較例1〜12)
下記の表1に示す配合成分を下記の表1に示す配合量で配合して、液状の接着材料を得た。
(評価)
(1)光硬化時のガスの発生
2枚のガラス板を用意した。ガラス板の大きさは、幅52mm、長さ76mm、厚さ1.25mmである。2枚のガラス板間に、得られた接着材料0.2gを厚みが50μmとなるように配置した。次に、高圧水銀水銀灯を用いて、波長365nmの光を、以下の条件1〜5のいずれかで照射して、接着材料を光硬化させた。この結果、硬化物により貼り合わされたガラス板積層体を得た。
条件1:積算光量800mJ/cm及び照射時間10秒
条件2:積算光量2400mJ/cm及び照射時間30秒
条件3:積算光量4800mJ/cm及び照射時間60秒
条件4:積算光量9600mJ/cm及び照射時間120秒
条件5:積算光量144000mJ/cm及び照射時間180秒
光硬化時のガスの発生を以下の基準で評価した。
[光硬化時のガスの発生の判定基準]
○:目視にて、ガスが発生していない
△:目視にて、わずかにガスが発生しており、ガスの発生に伴う外観変化が認められる
×:目視にて、明らかにガスの発生が認められる
(2)光硬化後の硬化状態
上記の評価(1)で得られた得られたガラス板積層体において、光硬化後の硬化状態を以下の基準で評価した。
[光硬化後の硬化状態]
○:硬化(流動性がなく、完全に固まっている)
△:半硬化(流動性はないが、完全には固まっていない)
×:未硬化(流動性がある)
(3)ガス発生後の剥離
上記の評価(1)で、光照射を条件1で行って得られたガラス板積層体を、レーザー光を照射することで切断した。硬化物により貼り合わされた切断物を85℃の温水中に浸漬し、最大で5分間放置した。放置中に、硬化物からガラス板が剥離しているか否かを評価した。ガス発生後の剥離を以下の基準で判定した。
[ガス発生後の剥離]
○:3分後迄に剥離
△:3分経過後、5分後迄に剥離
×:5分後に剥離せず
詳細及び結果を下記の表1に示す。
Figure 2016147988

Claims (8)

  1. 光硬化性化合物と、光重合開始剤と、ガス発生剤と、インドール化合物とを含む、接着材料。
  2. 前記ガス発生剤が、熱刺激応答性を有するガス発生剤である、請求項1に記載の接着材料。
  3. 前記ガス発生剤の10時間半減期温度が50℃以上100℃以下である、請求項1又は2に記載の接着材料。
  4. 接着材料は、複数の切断対象物を、接着材料の硬化物を介して貼り合わせた状態で、複数の切断対象物を切断するために用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着材料。
  5. 接着材料は、複数の切断対象物間に接着材料を配置して、複数の切断対象物を貼り合わせるために接着材料を光硬化させて、硬化物を形成する貼合工程と、貼り合わされた切断対象物を切断して、貼り合わされた切断物を得る切断工程と、貼り合わされた切断物における硬化物中の前記ガス発生剤からガスを発生させて、硬化物から切断物を剥離する剥離工程とを経て、切断物を得るために用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着材料。
  6. 前記剥離工程において、貼り合わされた切断物を50℃以上100℃以下の液に浸漬させる、請求項5に記載の接着材料。
  7. 前記切断対象物がガラス板である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の接着材料。
  8. 複数の切断対象物間に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着材料を配置して、複数の切断対象物を貼り合わせるために接着材料を光硬化させて、硬化物を形成する貼合工程と、
    貼り合わされた切断対象物を切断して、貼り合わされた切断物を得る切断工程と、
    貼り合わされた切断物における硬化物中の前記ガス発生剤からガスを発生させて、硬化物から切断物を剥離する剥離工程とを備える、切断物の製造方法。
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