JP2016147566A - 発電制御装置 - Google Patents

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【課題】主制御装置が発電装置の制御についての指示を行う機能を有していないものであっても、発電装置を制御することが可能な発電制御装置を提供する。【解決手段】エンジン10の制御を実施する第1制御装置30と、エンジン10とは異なる車載装置12,19の制御を実施する第2制御装置31,32と、を備え、第1制御装置30がエンジン回転速度情報及びエンジン負荷情報を第2制御装置31,32へ送信する車両制御システムに設けられ、エンジン10の回転により発電する発電装置22の制御を実施する発電制御装置33であって、エンジン回転速度情報及びエンジン負荷情報に基づいて、エンジン10が燃焼休止の状態であり、かつ発電装置22が回生発電可能な状態であることを判定する判定手段と、判定手段による判定結果に基づいて、発電装置22の発電を制御する発電制御手段と、を備えることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載された発電機を制御する発電制御装置に関する。
従来、車両に搭載された発電機を制御するものとして、特許文献1に記載の発電制御装置がある。特許文献1に記載の制御装置では、第1制御装置がエンジンの回転数及びアクセル開度を取得し、第1制御装置が車両の走行状態に基づいて回生発電を行うか否かの判定を行っている。一方、発電制御装置は、第1制御装置から回生発電を行うか否かの指令を受け、その指令に基づいて発電機を制御している。
特開2006−182274号公報
特許文献1に記載の発電制御装置は、第1制御装置からの指令に基づいて回転電機を制御するものである。そのため、第1制御装置が回生発電を行うか否かの判定を行う機能を有していないものであれば、当然、発電制御装置では回転電機の制御を行うことができない。そのため、特許文献1に記載された発電制御装置を車両に搭載する場合には、第1制御装置には回生発電を行うか否かの判定を行う機能を付加する必要が生ずる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、エンジンの制御を行う第1制御装置が発電装置の制御についての指示を行う機能を有していないものであっても、発電装置を制御することが可能な発電制御装置を提供することにある。
本発明は、エンジンと、前記エンジンへ供給される空気量を示すアクセル開度情報と、前記エンジンの回転軸の回転数を示す回転数情報とを取得し、そのアクセル開度情報と回転数情報とに基づいて前記エンジンを制御する主制御装置と、前記エンジンの前記回転軸に接続された発電装置と、を備える車両に搭載され、前記発電装置を制御する発電制御装置であって、前記主制御装置から前記アクセル開度情報及び前記回転数情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記アクセル開度情報及び前記回転数情報に基づいて、前記発電装置を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
第2制御装置は、第1制御装置からエンジン回転速度情報及びエンジン負荷情報を入力し、それらの情報に基づいて車載装置の制御を実施し、発電制御装置も同様に第1制御装置からエンジン回転速度情報及びエンジン負荷情報を入力し、それらの情報に基づいて発電装置の発電制御を実施する。この場合、発電制御装置では、これ以外の第2制御装置と共通の送信情報に基づいて発電制御を実施することができる。つまり、発電制御装置では、第1制御装置から発電の実施及び停止に関する直接的な指令を受けなくても、第2制御装置と同様のエンジン回転速度情報やエンジン負荷情報といった汎用的な情報に基づいて発電制御を実施できる。
その結果、第1制御装置が発電装置の制御についての指示を行う機能を有していないものであっても、発電制御装置により発電装置を制御することできる。
実施形態に係る発電制御装置を備える車両制御システムの概略構成を示す図である。 発電制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。 実施形態に係る制御を行った場合のタイムチャートである。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る発電制御装置は、エンジンを駆動源とする車両に搭載されている。その発電制御装置を備える車両制御システムの概略構成を図1に示す。
図1において、エンジン10は例えば多気筒ガソリンエンジンであり、図示しないインジェクタや点火装置(イグナイタ等)等を備えている。エンジン10のクランク軸11には自動変速装置12が接続されている。自動変速装置12は、ロックアップクラッチ13及び自動変速機14を備えており、都度設定される変速比によりクランク軸11の回転力を変速して出力軸15に伝達する。
ロックアップクラッチ13は電磁クラッチ又は油圧クラッチにより構成されており、制御指示に従って切替手段として機能し、契合状態と非契合状態とが切り替えられる。ロックアップクラッチ13が契合状態であれば、ロックアップクラッチ13を介して、クランク軸11と出力軸15との間で動力の伝達が可能であり、ロックアップクラッチ13が非契合状態であれば、ロックアップクラッチ13を介する、クランク軸11と出力軸15との間での動力の伝達は行われない。自動変速機14は、多段式の自動変速機構であり、遊星歯車や、遊星歯車の回転軸を断続するクラッチ機構等によって構成されており、制御指示に従って変速段を切り替える。
出力軸15には、ディファレンシャルギア16を介して車軸17が接続されており、その車軸17には、車輪18が接続されている。また、車輪18には、図示しない油圧回路等により駆動されることで各車輪18に対して制動力を付与するブレーキ19が設けられている。
加えて、クランク軸11には、複数のプーリ及びベルト等により構成される回転伝達機構21を介して、発電装置である交流発電機22が接続されている。この交流発電機22は、複数の素子を備えた周知の発電機であるため、その具体的な構成については省略する。クランク軸11が回転すると、その回転動力が回転伝達機構21を介して交流発電機22に伝達される。このとき、交流発電機22が備える素子に対して、発電を行うための制御が行われていれば、交流発電機22では交流電圧が誘起される。その交流電圧は交流発電機22で直流電圧へと変換され、バッテリ23へと供給される。
バッテリ23は、例えば端子電圧が12Vの鉛バッテリであり、蓄積された電力により、車両に備えられた電子機器等へ電力を供給したり、車両の始動時に、図示しないスタータモータへ電力を供給したりする。
エンジン10のインジェクタ及びイグナイタは、第1制御装置であるエンジンECU30により制御される。エンジンECU30は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン10を制御する。
具体的には、エンジンECU30は、アクセルポジションセンサ41からアクセル操作情報を取得し、クランク角センサ42からはパルス信号を取得する。アクセル操作情報は、車両の運転者によるアクセルの操作量を示す情報であり、エンジンECU30はそのアクセル操作情報について演算処理を行うことにより、アクセル開度情報を得る。アクセル開度情報は、エンジン10の負荷を表す情報であるため、エンジン負荷情報ということもできる。一方、クランク角センサ42から取得するパルス信号について、エンジンECU30が演算処理を行うことにより、クランク軸11の単位時間当たりの回転数を表す回転数情報、及び、回転角を表す回転角情報を求める。この回転数情報は、エンジン10のクランク軸11の回転速度も表しているため、エンジン回転速度情報ということもできる。
エンジンECU30は、得られたアクセル開度情報に基づいて、エンジン10の吸気経路に設けられたスロットルバルブの開度、及び、インジェクタから供給する燃料の量を演算する。また、回転数情報及び回転角情報に基づいて、インジェクタからの燃料の供給タイミング、及び、イグナイタによる点火タイミングを演算する。また、そのアクセル開度情報に基づいて、そして、算出した供給タイミング及び点火タイミングにより、エンジン10を制御する。
加えて、エンジンECU30は、通信手段として機能する第1通信回線51及び/又は第2通信回線52を介して、第2制御装置である下位のECUと通信可能に接続されている。下位のECUとしては、ブレーキ19を制御するブレーキECU31、及び、自動変速装置12を制御するトランスミッションECU32が挙げられる。これら下位のECUへは、第1通信回線51を介してアクセル開度情報が送信され、第2通信回線52を介して回転数情報が送信される。
ブレーキECU31は、取得したアクセル開度情報に基づいて、車軸17の回転に対するエンジンブレーキによる減速トルクを推定する。そして、運転者によりブレーキ操作が行われている場合に、エンジンブレーキによる減速トルクとブレーキ操作によると減速トルクにより、車輪18のロックが生じると判断された場合には、ブレーキ19による減速トルクを弱める制御を行う。
トランスミッションECU32は、取得したアクセル開度情報と回転数情報とに基づき、最適な減速比となるように、変速段の切り替えを行う。また、トランスミッションECU32には、車速センサ43から第3通信回線53を介して、車両の速度(車速V)を示す車速情報が入力される。なお、車速情報はエンジンECU30を介して入力されてもよく、エンジンECU30以外の、他の上位のECUを介して入力されてもよい。
トランスミッションECU32は、取得した車速情報とアクセル開度情報とに基づいて、ロックアップクラッチ13を契合状態とするか、非契合状態とするかを判定する。アクセル開度情報が、アクセルが全閉であることを示しており、且つ車速Vが車速閾値Vthを下回っていれば、車両は惰性で走行しており、且つ、停止寸前であるといえる。この状態でロックアップクラッチ13を契合状態としていれば、車軸17の回転が停止することに起因して、エンジン10が停止するおそれがある。そのため、ロックアップクラッチ13を非契合状態とし、車軸17の減速力がエンジン10の回転軸に伝わらないようにする。
なお、下位のECUとしてブレーキECU31とトランスミッションECU32を挙げたが、下位のECUはこれらに限られず、車両に設けられた各種機器を制御する、その他のECU等の制御装置が設けられていてもよい。また、ブレーキECU31及びトランスミッションECU32へは、回転数情報及び/又はアクセル開度情報に限られず、その他の情報が入力されてもよく、ブレーキECU31及びトランスミッションECU32で行われる制御は、上述したものに限られず、その他の制御を行うものとしてもよい。
加えて、本実施形態では、エンジンECU30から送信されるアクセル開度情報及び回転数情報は、下位のECUに加えて、第1通信回線51及び第2通信回線52を介して発電制御装置33にも入力される。そして、発電制御装置33が、入力されたアクセル開度情報及び回転数情報に基づいて交流発電機22により発電を行うか否かを判定し、発電を行うと判定した場合には、交流発電機22を制御して発電を行い、バッテリ23へ充電する。
図2は、発電制御装置33が実行する一連の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに係る処理は所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
まず、エンジンECU30から取得したアクセル開度情報に基づき、アクセルが全閉であり、エンジン10が燃料休止の状態であるか否かを判定する(S51)。これは、車両の運転者によるアクセル操作が行われておらず、車両が惰性で走行している状態であるか、若しくは、車両が停止している状態であることを示している。なお、S51の判定では、アクセル開度情報が数値で表されるものであれば、その値は完全にゼロである必要はなく、アクセルが全閉であると認められる値を用いればよい。
アクセルが全閉である判定されると(S51:YES)、続いて、エンジンECU30から取得した回転数情報に基づき、クランク軸11の回転数Neが、回転数閾値Nthよりも大きいか否かを判定する(S52)。このとき、回転数Neが回転数閾値Nthよりも大きければ(S52:YES)、クランク軸11と出力軸15とは、ロックアップクラッチ13を介して接続されており、クランク軸11へは出力軸15の回転が伝達されている状態である。そのため、回生発電可能と判定し、交流発電機22を制御することにより回生発電を実行し(S53)、バッテリ23への充電を行う。
一方、回転数Neが回転数閾値Nth以下である場合(S52:NO)、クランク軸11と出力軸15とは、ロックアップクラッチ13により接続されておらず、クランク軸11がエンジン10のアイドリングに基づく回転数Neで回転していることを意味する。この場合に回生発電を行えば、回転数Neがさらに低下し、それによりエンジン10が停止するおそれがある。そのため、回生発電を行わず(S54)、一連の処理を終了する。
加えて、アクセルが全閉でないと判定された場合(S51:NO)、運転者によりアクセルが踏み込まれていることを意味する。このときに回生発電を行えば、クランク軸11において必要なトルクを得られないおそれがあるため、この場合においても回生発電を行わず(S54)、一連の処理を終了する。なお、バッテリ23の容量が低下していれば、車両の定速走行時等において交流発電機22を駆動し、バッテリ23への充電を行うものとしてもよい。
なお、発電制御装置33は、S51及びS52において判定手段として機能し、S53及びS54において、判定手段の判定結果に基づく制御を行う発電制御手段として機能するといえる。
続いて、本実施形態に係る制御を行った場合のタイムチャートを、図3に示す。なお、図3では、運転者によるブレーキ操作が行わない状態で、車両が減速する例を示している。
まず、時刻t1までは、アクセル開度が一定であり、それに伴い回転数Neも一定であるため、車速Vが一定値となっている。時刻t1において、運転者によるアクセル操作が行われなくなると、エンジン10は燃焼休止状態となり、回転数Neは減少に転じる。このとき、クランク軸11と出力軸15とは、ロックアップクラッチ13を介して接続されており、回転数Neは、車輪18の回転に基づくものとなる。ゆえに、発電制御装置33は、回生発電を行うとの判定を行い、交流発電機22へ制御信号を送信する。そして、交流発電機22では回生発電が行われる。
続く時刻t2において、車速Vが車速閾値Vthを下回れば、トランスミッションECU32によりロックアップクラッチ13が非契合状態とされ、回転数Neは回転数閾値Nthを下回る。そのため、発電制御装置33は回生発電を行わないと判定し、交流発電機22では回生発電が行われない。このとき、クランク軸11と出力軸15とが接続されていないため、時刻t2以降の車速Vの減少量は主に摩擦力に起因するものとなる。したがって、時刻t2以降の車速Vの減少量は、時刻t1から時刻t2にかけての減少量よりも小さいものとなる。
ところで、発電制御装置33は、ロックアップクラッチ13が非契合状態となり、それにより、回転数Neが回転数閾値Nthを下回ることを条件に、回生発電を行わないものとしている。そのため、時刻t2においてロックアップクラッチ13が非契合状態とされてから、発電制御装置33が回生発電を行わないと判定して、交流発電機22における回生発電が終了するまでにタイムラグが生ずる。そのため、回転数Neが一時的にアイドリング回転数を下回った後、時刻t3において交流発電機22における発電が終了し、回転数Neは回転数閾値Nthよりも小さいアイドリング回転数となる。
なお、図3では、車両が減速して停止するまでの例を示しているが、図2のフローチャートで示した通り、車両が減速状態であるときに運転者によりアクセル操作が行われ、車両が非減速状態となった場合には、回生発電は停止される。
上記構成により、本実施形態に係る発電制御装置33は、以下の効果を奏する。
・発電制御装置33は、上位のECUであるエンジンECU30からアクセル開度情報と回転数情報とを取得することにより、回生発電を行うか否かを判定している。このアクセル開度情報及び回転数情報は、ブレーキECU31やトランスミッションECU32等の、他の下位のECUにおいても用いられるものである。そのため、エンジンECU30が回生発電を行うか否かを判定する手段を備えていなくても、発電制御装置33により回生発電の制御を行うことができる。
・回生発電を行うか否かの判定を、アクセルが全閉であり、且つ、クランク軸11の回転数Neが回転数閾値Nthよりも大きいことを条件としている。そのため、運転者の意思による車両の加速時等、エンジン10により大きなトルクが要求される場合では、交流発電機22による発電を抑制することができる。一方、クランク軸11と出力軸15とが接続されておらず、クランク軸11がアイドリング回転数で回転している状態では、交流発電機22による発電を行わないことにより、エンジン10の停止を抑制することができる。
<変形例>
・上記実施形態では、アクセル開度情報と回転数情報とを用いて回生発電を行うか否かを判定しているが、回生発電を行うか否かを、車速V等をも用いて判定してもよい。
・上記実施形態では、エンジン回転速度情報として回転数情報を採用しているが、回転数以外の、エンジン10のクランク軸11の回転速度を表す情報を採用してもよい。また、エンジン負荷情報としてアクセル開度情報を採用しているが、エンジン10の吸気経路に設けられたスロットルバルブの開度を示す情報を、エンジン負荷情報として採用してもよい。
・上記実施形態では、自動変速装置12がクラッチ装置としてロックアップクラッチ13を備えるものとしているが、ロックアップクラッチ13を備えず、他のクラッチ装置である流体クラッチ等の動力伝達手段により、クランク軸11と自動変速機14とを接続してもよい。
・上記実施形態では、運転者により車両が運転操作されるものとしているが、車両の運転操作の少なくとも一部を制御装置により自動的に行うものとしてもよい。
10…エンジン、12…自動変速装置、19…ブレーキ、22…交流発電機、30…エンジンECU、31…ブレーキECU、32…トランスミッションECU、33…発電制御装置。

Claims (2)

  1. エンジン(10)の制御を実施する第1制御装置(30)と、前記エンジンとは異なる車載装置(12,19)の制御を実施する第2制御装置(31,32)と、これらの制御装置を通信可能とする通信手段(51,52)とを備え、前記第1制御装置が前記通信手段を介してエンジン回転速度情報及びエンジン負荷情報を送信する車両制御システムに設けられ、前記エンジンの回転により発電する発電装置(22)の制御を実施する発電制御装置(33)であって、
    前記通信手段を介して前記エンジン回転速度情報及び前記エンジン負荷情報が入力され、
    前記エンジン回転速度情報及び前記エンジン負荷情報に基づいて、前記エンジンが燃焼休止の状態であり、かつ前記発電装置が回生発電可能な状態であることを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づいて、前記発電装置の発電を制御する発電制御手段と、を備えることを特徴とする発電制御装置。
  2. 前記車載装置として前記エンジンの回転軸と車軸との契合及び非契合を切り替えるクラッチ装置(13)を備えるとともに、前記第2制御装置が、車速に基づいて前記クラッチ装置の切り替えを制御する車両制御システムに適用され、
    前記発電制御手段は、前記エンジン負荷情報が、前記車両が減速状態から非減速状態になったことを示す場合、又は前記エンジン回転速度情報が、前記クラッチ装置が契合状態から非契合状態になったことを示す場合に、前記発電装置の発電を停止させる請求項1に記載の発電制御装置。
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