JP2016145961A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
定着装置のヒータの長さを最大サイズの用紙に対応したものにすると、小サイズの用紙を通紙した場合、端部(非通紙部)の温度上昇が大きくなるため用紙の搬送速度を遅くして生産性を落とす必要がある。
この問題に対処すべく、定着ローラの内部に中央部の配光分布が密なハロゲンヒータと、端部付近の配光分布が密なハロゲンヒータとを設け、小サイズの用紙のときは中央部の配光分布が密なハロゲンヒータのみを点灯する定着装置が知られている。
用紙全体における使用頻度はごく少ないものの、A3サイズよりも一回り大きいA3ノビと称されるサイズ(以下、「A3Nサイズ」という)や13インチサイズ(以下、「13INサイズ」という)といった大サイズ(特殊サイズ)の用紙も使用される場合がある。
このような大サイズの用紙に対応した配光分布を有するハロゲンヒータを別途設けようとしても、小型化に基づく定着ローラの径サイズの制約があり困難である。
ベルト部材の内部には、ベルト部材の長手方向(用紙幅方向)で配光分布が異なる複数のハロゲンヒータが設けられている。
定着ローラとしてのベルト部材の長手方向の両端部には、ベルト部材の回転方向におけるニップの上流側の位置に大サイズの用紙に対応可能な端部熱源が、ベルト部材の内面または外面に接触するように部分的に設けられている。
端部熱源を部分的に設ける構成とすることにより、大サイズ専用のハロゲンヒータを追加することなく簡単な構成で大サイズの用紙にも対応可能となる。
さらに、搬送される用紙に定着されなかった残留トナーが端部熱源の位置のベルト部材上で再溶融され、これが固着トナーとして残るといった不具合も発生していた。
先ず、本実施形態を説明する前に従来の構成及びその問題点について詳細に説明する。
用紙がB5等の小サイズの場合は、図15(a)に示すように、中央部の配光分布が密なハロゲンヒータ28aのみを点灯し、A3サイズ等の大サイズの場合にはハロゲンヒータ28aと、端部付近の配光分布が密なハロゲンヒータ28bとを一緒に、かつ適当なオン・オフ配分で点灯することで様々なサイズの用紙に対応している。
特に使用頻度が高いA4またはLTサイズの用紙に関しても生産性を上げるべく横方向に通紙されることが多い。
このため定着の加熱幅としては、約300mmを確保しておけばほとんどの場合、機種によっては99%以上を網羅することができる。
一方で、用紙全体に対する使用頻度はごく少ないが、A3Nサイズや13INサイズといったA3幅よりも大サイズの用紙対応性も要求されている。
このため、A3幅よりも大サイズの用紙幅に合わせて端部配光分布が密な範囲を長くしたハロゲンヒータを用いざるを得ない。
上述のように、使用頻度で考えると300mm幅程度の加熱が圧倒的に多いが、このような加熱幅が必要なときに上記発光幅の長いハロゲンヒータを用いた場合には330mm幅近辺まで加熱されてしまい、差分の消費エネルギが無駄になる。
さらには、A3またはA4横サイズでの通紙時に330mm幅の端部付近が温度上昇してしまい、これを冷やすために生産性を落としたりファンを設けたりする必要があった。
反射板を設けた場合には、ヒータ端部が異常に温度上昇するといった不具合も発生していた。
このような問題に対処すべく、特許文献1に記載の定着装置が提案されている。
このため、長手方向最端部まで必要十分に加熱するためには、図15(b)に破線で示すように、端部付近の配光分布が密なハロゲンヒータ28bの発光部長さを用紙幅よりも長くする必要がある。
しかしながら、実際の用紙幅はA3であるのに対し、加熱幅はこれよりも広いA3’となり、結果として連続通紙した場合に非通紙部の温度上昇を来たすこととなる。
この課題解決のために、非通紙部にハロゲンヒータの長くした部分から発光される余分な光を遮光するための部材を設ける対策等も見られるが、連続通紙中に遮光部材の過度の温度上昇が発生する問題がある。
また、非通紙部までハロゲンヒータを発光させなければならないことは、必要以上にエネルギを要していることとなり、省エネルギの観点からも望ましくない。
まず、図1に基づいて、本実施形態に係る画像形成装置の構成の概要を説明する。
画像形成装置100は、複数の色画像を形成する作像部が中間転写ベルトの移動方向に沿って並置されたタンデム方式のカラープリンタである。
その後、記録媒体としての用紙Sに対して2次転写工程によりトナー像が一括転写される。
各感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラムの回転に従い画像形成処理するための装置が配置されている。
感光体ドラム20Bkの周囲には、感光体ドラム20Bkの回転方向に沿って、画像形成処理を行う帯電装置30Bk、現像装置40Bk、1次転写ローラ12Bk及びクリーニング装置50Bkが順に配置されている。
帯電装置30Bkによる帯電後、感光体ドラム20Bkの表面に光書込装置8により画像情報に基づく光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。
静電潜像は現像装置40Bkによりトナー像として可視化される。
上記1次転写は、中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20に対向して配設された1次転写ローラ12による電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkは、中間転写ベルト11の移動方向の上流側からこの色順で並んでいる。
各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkは、イエロ、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成するための画像ステーションに備えられている。
また、画像形成装置100は、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11に従動して連れ回りする2次転写手段としての2次転写ローラ5を有している。
また、画像形成装置100は、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11上をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置13を有している。
光書込装置8は、4つの画像ステーションの下方に、これらに対向して配設されている。
光書込装置8は、各感光体ドラム20に対して、色毎に対応した書き込み光Lbを出射して各感光体ドラム20に静電潜像を形成する。
図1では、便宜上、ブラック画像の画像ステーションのみを対象として書き込み光に符号Lbを付けているが、その他の画像ステーションにおいても同様である。
シート給送装置61から搬送されてきた用紙Sは、画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、レジストローラ対4により中間転写ベルト11と2次転写ローラ5との間の2次転写部に向けて繰り出される。
用紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことは、図示しないセンサによって検知される。
定着済みの用紙Sは排紙ローラ対7により排紙トレイとしての画像形成装置本体の上面に排出される。
画像形成装置本体の上面の下方には、イエロ、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y,9C,9M,9Bkが備えられている。
従動ローラ73は、中間転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えており、このため従動ローラ73にはバネ等を用いた付勢手段が設けられている。
中間転写ベルトユニット10と、1次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkと、2次転写ローラ5と、中間転写ベルトクリーニング装置13とで転写装置71が構成されている。
シート給送装置61は、最上位の用紙Sの上面に当接する給送ローラ3を有しており、給送ローラ3が反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の用紙Sをレジストローラ対4に向けて給送する。
中間転写ベルトクリーニング装置13は、中間転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取って除去する。
中間転写ベルトクリーニング装置13はまた、中間転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための排出手段を有している。
図2に示すように、定着装置150は、薄肉で可撓性を有する無端状の定着部材としての定着ベルト14と、定着ベルト14の外部において定着ベルト14に対向して配置された対向部材としての加圧ローラ16とを有している。定着ベルト14は筒状(円筒状)に形成されている。
定着ベルト14の内部には、定着ベルト14と加圧ローラ16との間に用紙Sを挟持して搬送するニップNを形成するためのニップ形成ユニット18が設けられている。
ニップ形成ユニット18は、加圧ローラ16に対向して定着ベルト14の内側に配置されたニップ形成部材22と、ニップ形成部材22の両端部に一体に設けられた端部熱源としての端部ヒータ24と、ニップ形成部材22と端部ヒータ24の定着ベルト14の内面に対向する面を覆う熱移動補助部材25と、ニップ形成部材22を加圧ローラ16からの加圧力に対抗して保持するステー部材26とを有している。
熱移動補助部材25は、端部ヒータ24の熱が局所的に留まることを防止し、積極的に熱を拡散移動させて端部ヒータ24の加熱による温度不均一性を低減するために設けられている。
このため、熱移動補助部材25は短時間で熱移動が可能な材料であることが望ましく、熱伝導率の高い銅やアルミニウム、銀といった部材であることが望ましい。コスト、入手性、熱伝導率特性、加工性を総合的に考慮すると、銅を用いることが最も望ましい。
熱移動補助部材25は、図16に示すように摺動シートとしての低摩擦シート6を介して定着ベルト14の内面と摺動する。
低摩擦シート6にフッ素グリースやシリコーンオイルなどの潤滑剤を塗布することで、摺動トルクを低減することができる。
低摩擦シート6を設けることなく、熱移動補助部材25が定着ベルト14の内面に直に接触する構成としてもよい。
定着ベルト14は、ステー部材26の開口側、換言すればニップNと反対側において、ハロゲンヒータ28a,28bにより内面側から輻射熱で直接加熱される。
反射部材31は、ハロゲンヒータ28a,28bからの輻射熱等によりステー部材26が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギ消費を抑制するために設けられている。
反射部材31を設ける代わりに、ステー部材26の内面に断熱もしくは鏡面処理を行っても同様の効果を得ることができる。
離型性を得るためにゴム層16bの表面には、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)からなる層厚が5〜50μmの離型層が設けてある。
加圧ローラ16は、画像形成装置に設けられたモータ等の駆動源からギヤを介して駆動力が伝達され、回転する。
また、加圧ローラ16はスプリング等により定着ベルト14側に押し付けられており、加圧ローラ16のゴム層16bが押し潰されて変形することにより、用紙搬送方向に所定のニップ幅Nwが形成される。
ゴム層16bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ内部にヒータが無い場合はスポンジゴムを用いてもよい。
スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト14の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。
ベルトの表層はPFAまたはPTFE層等の離型層を有し、トナーが付着しないように離型性を持たせている。
ベルトの基材とPFAまたはPTFE層との間には、他にシリコーンゴムの層等で形成する弾性層があってもよい。
シリコーンゴム層がない場合は熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着画像を押し潰して定着するときにベルト表面の微妙な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に含む定着ムラ(光沢ムラ)が残るという不具合が生じる。
定着ベルト14は、加圧ローラ16の回転により接触摩擦で連れ回り回転する。
定着ベルト14はニップNで挟み込まれて回転するが、ニップN以外では両端部を円筒状のまま保持されており、定着ベルト14の断面形状は安定的に円形状に維持される。
また、図2に示すようにニップNの用紙搬送方向下流側には、定着ベルト14から用紙Sを分離する分離部材32が設けられている。
ニップNの形状は、定着ベルト14側が凹む凹形状の方が用紙先端の排出方向が加圧ローラ16寄りになり、分離性が向上するのでジャムの発生が抑制される。
この場合、ニップ形成部材22の定着ベルト14に対向する面を凹状とし、熱移動補助部材25を薄肉としてこれに沿わせるように形成してもよい。
本実施形態では、加圧ローラ16を定着ベルト14側へ押圧してニップNを形成する構成としたが、ニップ形成ユニット18を加圧ローラ16側へ押圧してニップNを形成する構成としてもよい。
ステー部材26は、ニップ形成部材22を支持するために十分な撓み強度を備えており、材質としてはステンレスや鉄といった金属材料、セラミックス等の金属酸化物が用いられる。
定着ベルト14の両端部をガイドするフランジ36は、定着ベルト14の内径とほぼ同等の外径を有し、定着ベルト14の両端から内側に5〜10mm入り込む長さを有している。
定着ベルト14は、フランジ36によりガイドされることにより、走行中(回転中)においてもその断面形状を円形状に維持される。
フランジ36のニップNに対応する部分は、ニップ形成ユニット18を所定の位置に配置するために開口されている。
ステー部材26は、定着ベルト14の軸方向全体にわたって延びる長さを有し、両側を側板34に固定され位置決めされた状態で支持されている。
熱移動補助部材25は、直方体状のニップ形成部材22の定着ベルト14の内面に対向する面を覆うように嵌合されて一体化され、突条26b,26c間に収容されて位置決めされる。熱移動補助部材25とニップ形成部材22との一体構成は、接着等の手段により側面26aに固定される。
ニップ形成部材22の長手方向の両端部には、段差部としての凹部22a,22bが形成され、これらには端部ヒータ24a,24bが収容されて接着等の手段により固定されている。
熱移動補助部材25の加圧ローラ16に対向する面はニップ形成面25aとして機能するが、機械的強度上、実質的にニップ形成面として機能するのはニップ形成部材22の加圧ローラ16に対向する接触面22cである。
端部ヒータ24aは、外形が10mm×20mm程度のセラミック基材51に発熱部材である抵抗発熱体52をパターニングし、その上に薄膜のガラス層による絶縁層53を積層して構成されている。端部ヒータ24aの端部には、電源及びスイッチング素子と接続される端子54が設けられている。
本実施形態に用いられる端部ヒータ24a,24bは、凹部22a,22bと接する側に抵抗発熱体52を有しており、その面側にそれぞれ端子54が設けられている。
端部ヒータ24a,24bは、図18に示すように、定着ベルト14と接しない側に抵抗発熱体52を配置することにより、万が一絶縁層53が破損しても供給される電力が定着ベルト14に到達しないように構成されている。特に定着ベルト14が後述のように金属で構成されている場合には、定着ベルト内の金属を通じて画像形成装置内の他の部品、一例として公知の定着ベルトに対する接触サーミスタに悪影響が及ぶ可能性が高まる。従って、定着ベルト14と抵抗発熱体52との沿面距離確保のために、上述した構成がより好適となる。
ハロゲンヒータ28bは、長手方向における両端部の配光分布が密なA3サイズ等の用紙に対応したハロゲンヒータである。
用紙Sが小サイズのときはハロゲンヒータ28aのみが点灯され、長手方向端部の非通紙部が無駄に加熱されることや、連続通紙による端部の過昇温が防止される。
端部ヒータ24a,24bは、長手方向における加熱範囲の少なくとも一部がハロゲンヒータ28bの加熱範囲の同方向における端部と重なるように配置されている。換言すれば、端部ヒータ24a,24bは、ハロゲンヒータ28bの用紙幅の最端部に対応する位置の配熱出力の低下を補完するように配置されている。
端部ヒータ24a,24bは、ハロゲンヒータ28bの最端部における配熱出力の低下部分を補完するためのヒータであるため、その長さは20mm程度の小型なヒータで済む。
本実施形態の構成によれば、定着ベルト14の周方向におけるニップの範囲内で、長手方向の両端部ないし端部近傍に端部ヒータ24a,24bを追加するという簡単な構成の付加によって、ハロゲンヒータ特有の加熱特性に基づく端部の温度低下問題を解消することができる。
定着ベルト14及び加圧ローラ16が十分温まり、ハロゲンヒータ特有の加熱特性に基づく端部の温度低下が減少してきた場合には、ハロゲンヒータ28a及び28b、あるいはハロゲンヒータ28aのみ通電し、端部ヒータ24a,24bには通電しない。
これにより、非通紙部における端部温度上昇現象を最小限にすることができ、必要以上に定着ベルトを加熱することがないので効率的で省エネルギ化を実現できる。
本実施形態によれば、図15(b)で示した、発光部長さを用紙幅よりも長くしたハロゲンヒータ28bを用いることによる無駄なエネルギ消費を防止することができる。
A3サイズの幅やA4サイズを横向きにしたA4横の幅と、A3Nサイズ(329mm)及び13INサイズ(330mm)との差は32〜33mmである。
従って、定着ベルト14の長手方向両端部のみを加熱する方式の場合、上記の半分である16〜16.5mmの幅だけ端部を加熱できれば、A3サイズからA3Nサイズ等へ用紙対応幅が広がる。
換言すれば、ハロゲンヒータ28bの端部における配光分布が密でない部分や温度低下が起こる部分を部分的に加熱できれば、ハロゲンヒータ28bの発光幅を延ばしたのと同等の機能が得られ、A3Nサイズ等の大サイズの用紙にも対応可能となる。
A3サイズ以下の用紙を通紙する場合には、ハロゲンヒータ28a及び28b、あるいはハロゲンヒータ28aのみ通電し、端部ヒータ24a,24bには通電しない。
ハロゲンヒータ28bをA3Nサイズ等の大サイズの用紙に対応可能な加熱構成とすると、大サイズの用紙を通紙しない場合にもその部分を加熱することになって無駄なエネルギを消費することになる。
本実施形態の構成によれば、ニップ領域において定着ベルト14の両端部ないし両端近傍に対応する位置に端部ヒータ24a,24bを追加するという簡単な構成の付加によって上記問題を解消することができる。
すなわち、端部ヒータ24a,24bを単に設けるだけではその部分だけが局所的に昇温し、定着ベルト14の長手方向の温度均一性が確保できずに定着むらが生じる可能性がある。
そこで、定着ベルト14全体の温度均一性を確保すべく、伝熱性の良い熱移動補助部材25が設けられている。
端部ヒータ24a,24bで生じた熱は熱移動補助部材25を介して定着ベルト14の全体にわたって移動し、これにより定着ベルト14全体の温度均一化(温度勾配の均し)が促進される。
熱移動補助部材25の伝熱性は、ハロゲンヒータ特有の加熱特性に基づく端部の温度低下の抑制にも寄与する。
換言すれば、端部ヒータ24a,24bの定着ベルト14の内面に対向する面は、ニップ形成部材22の定着ベルト14の内面に対向する接触面22cの長手方向の延長面としてなり、同一平面上に位置する。
定着ベルト14の内面に対向する端部ヒータ24a,24bの面は熱移動補助部材25に密着しているため、端部ヒータ24a,24bの熱は熱移動補助部材25により全体的に移動する。
熱移動補助部材25の高熱伝導率の効果により、端部ヒータ24a,24bの加熱幅よりも定着ベルト14の内面を幅広かつ滑らかなに加熱することができる。
このことにより、局所的に加熱しすぎることなく、広範囲にわたって緩やかに加熱することができ、温度制御しやすくなる。
定着ベルト14の内面に対向するニップ形成部材22の接触面22cと熱移動補助部材25の定着ベルト14の内面に対向する面25aとは、矢印F方向の高さが同一となっている。
定着ベルト14の内面に接触するこれらの面は、摺動性を高めるために摩擦係数を低減するような施しを行うことが望ましく、例えばPFA、PTFEといったフッ素系の塗装やコーティングを施すことが望ましい。
これにより、定着ベルト14と端部ヒータ24a,24bとが間接的に密着した状態でのベルト走行が得られ、伝熱性の向上によって端部ヒータ24a,24bによる良好な加熱効率を維持できる。
また、端部ヒータ24a,24bによる定着ベルト14に対する加熱部位がニップ領域内に存在するので、特許文献1のようにニップとは異なる部位で加熱することによる未転写トナーの再溶融の問題も生じない。
換言すれば、ニップを形成するための加圧力を利用して端部ヒータ24a、24bと定着ベルト14とを密着させるようにしているので、特許文献1のような構成における走行性と伝熱不良とのトレードオフの問題も生じない。
また本実施形態では、端部ヒータ24a,24bを定着ベルト14の内方に設ける構成としたので、定着ベルト14の回転を妨げることなく内側からベルト端部を加熱することができる。
さらに、端部ヒータ24a,24bの定着ベルト14の内面に接触する部分を別な滑らかな材料で構成すれば、摺動抵抗を低く抑えることができベルト走行を安定に保つことができる。
端部ヒータ24a,24bについては、長手方向における両端1対の配置構成にとどまらず、例えば様々な用紙サイズに応じて複数対あってもよい。
端部ヒータ24a,24bはハロゲンヒータ28bよりもさらに軸方向外側に設けても良い。このような場合にはより多くの紙サイズに対応することができ、また高精度に加熱することが可能となり、より望ましい。
この構成により、定着ベルト14が圧力を受けるニップNに端部ヒータ24a,24bが設けられていることから定着ベルト14が圧力を受ける箇所を1箇所とすることができ、定着ベルトが走行不良となる虞を低減することが可能なニップ形成ユニットを提供することができる。これにより良好な画像形成動作を継続して行うことが可能な定着装置、及び画像形成装置を提供することができる。
このため、端部ヒータ24a,24bとハロゲンヒータ28a,28bを一緒のタイミングで加熱すると中央部側の内側だけ先に加熱されてしまい、無駄なエネルギを消費することになる。
また、通紙により熱が奪われると、PTCの特性上、目標温度に復帰するための加熱時間が端部ヒータ24a,24bはハロゲンヒータ28a,28bよりも長くかかる。
すなわち、定着ベルト14の両端部ないし両端近傍を加熱する端部ヒータ24a、24bを使用するときは、端部の温度上昇に合わせてその他の通常サイズ紙に対応したハロゲンヒータ28a、28bを加熱制御する。
これにより、端部ヒータ24a、24bの発熱量が低い場合、通常サイズ紙に対応したヒータ加熱部のみ先に昇温されてしまい、必要以上にエネルギが消費されることを防ぐことができる。
また、端部ヒータを使用するサイズの用紙を搬送する場合の搬送速度を、それ以外のサイズの用紙の搬送速度よりも遅くする。
このようにして使用頻度の低い大サイズの用紙の生産性を落とすことで、両端部の加熱ヒータ(端部ヒータ24a,24b)を簡略化ないし低コスト化でき、効率的となる。
端部ヒータ24a,24bは、ハロゲンヒータ28a,28bを制御するために検知した温度に基づいて加熱制御するようにしてもよい。
このようにすれば、端部ヒータ24a,24bの専用の温度検知手段を必要としないため、コストダウンとなる。
ニップ形成ユニット63は、ニップ形成部材22と、端部ヒータ24a,24bと、ニップ形成部材22を加圧ローラ16からの加圧力に対抗して保持するステー部材64とを有している。
ステー部材64は、ニップ形成部材22を受けるべくステー部材26と同様に構成された受け部64aと、ほぼ三角形の断面形状を呈した脚部64bとを一体的に有している。
脚部64bと定着ベルト14との間には、輻射熱により定着ベルト14をその内面側から直接加熱する定着熱源としてのハロゲンヒータ28a,28bが配置されている。
ハロゲンヒータ28a,28bによる加熱効率を上げるため、ハロゲンヒータ28a,28bから放射される光を定着ベルト14へ反射する円弧形状の板材からなる反射部材65が、脚部64bとハロゲンヒータ28a,28bとの間に設けられている。
なお、反射部材65を設ける代わりに、脚部64bの外面に断熱もしくは鏡面処理を行ってもよい。この場合は、反射部材65を設ける場合に比して加熱効率が若干低下することとなる。
このため、強度に優れたステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属材料が定着ベルト14の基材材料として用いられる場合が多い。
ここで基材46に求められる性能としては、定着ベルト14を構成した際の耐久性、柔軟性、及び定着温度での使用に耐え得る耐熱性が挙げられ、弾性層47、離型層48もこれ等の性能を満足するように形成する。
さらに、定着ベルト14の基材46としては、ステンレスよりもニッケルの方が適している。これは、強度が高く、耐久性にも優れ、また電鋳プロセスにより無端状ベルトの製造が容易であるためである。
用紙をセンター基準で搬送する場合、端部ヒータ24a,24bは常に同時に通電するので、図11に示すように、端部ヒータ24a,24bは電源44に直列に電気接続されている。
このような接続構成とすることで、端部ヒータ24a,24bを個別にオン・オフする構成に比べて電気制御が簡単になる。
また、片側の端部ヒータが故障したときとき、両者の電気接続を同時に絶つことができて安全性を確保できる。
ハロゲンヒータ28aはスイッチSW1により、ハロゲンヒータ28bはスイッチSW2により、端部ヒータ24a,24bはスイッチSW3により通電をオン・オフされる。
A3サイズより大きいサイズの用紙を通紙する場合には、図12(c)に示すようにハロゲンヒータ28a,28b及び端部ヒータ24a,24bが同時に通電される。
また、非通紙部の温度上昇も回避することが可能となる。
従って、図13に示すように、ハロゲンヒータ28bを端部ヒータ24a,24bと直列に繋ぐ配線を施し、スイッチSW1,SW4によって経路を切り換えながら電力供給を制御しても同様の効果を発揮することができる。
このようにすれば制御装置をさらに簡素化することができる。
ここでは、ハロゲンヒータ28bと端部ヒータ24a,24bとは温度特性が異なるので、経路の切り換えで両者の温度を調整している。
A3サイズの用紙を通紙する場合には、図14(b)に示すようにハロゲンヒータ28a,28bが共に通電される。
A3サイズより大きいサイズの用紙を通紙する場合には、図14(c)に示すようにハロゲンヒータ28a,28b及び端部ヒータ24a,24bが同時に通電される。
図11、図13において、ハロゲンヒータ28bと端部ヒータ24とを直列に繋ぐ配線を例示したが、大サイズの用紙のときはハロゲンヒータ28aも同時に点灯しているので、ハロゲンヒータ28aと端部ヒータ24とを直列に繋ぐ配線でも同様の効果を発揮できる。
図20に示した構成では、端部ヒータ24aと端部ヒータ24bとは並列に接続されている。このため、スイッチSW3がオフの場合、端部ヒータ24a,24bにはマイナス電極のみが接続されているので電流は流れない。
スイッチSW3をオンに切り替えると端部ヒータ24a,24bにはプラス電極がそれぞれ接続され、電源44からの電力が端部ヒータ24a,24bにそれぞれ供給されて端部ヒータ24a,24bが発熱する。
このような構成とすれば、一方の端部ヒータがショートした場合には、図示しないヒューズを加えることによって過電流による熱暴走を阻止することができ、安全性を向上することができる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
16 対向部材(加圧ローラ)
18 ニップ形成ユニット
22 ニップ形成部材
24a、24b 端部熱源(端部ヒータ)
25 熱移動補助部材
28a、28b 定着熱源(ハロゲンヒータ)
100 画像形成装置
150 定着装置
S 記録媒体(用紙)
Claims (15)
- 可撓性を有し回転可能に支持された無端状で筒状の定着部材と、
前記定着部材の外部に配置され、該定着部材に対向する対向部材と、
前記定着部材の長手方向における通紙領域の少なくとも中央部を加熱する定着熱源と、
前記定着部材の内部に設けられ、前記定着部材と前記対向部材との間に記録媒体を挟持して搬送するニップを形成するためのニップ形成部材と、
前記ニップ形成部材に設けられ、前記定着部材の前記長手方向における端部の内面を加熱する端部熱源と、
前記定着部材と前記端部熱源とに接触する熱移動補助部材とを有する定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、
前記ニップ形成部材は前記熱移動補助部材に接触する接触面を有し、該接触面は前記端部熱源の前記内面を加熱する面と同一高さに設けられていることを特徴とする定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、
前記熱移動補助部材は前記端部熱源の前記定着部材の内面に対向する面を覆い、前記熱移動補助部材の前記定着部材の内面に接触する面と前記ニップ形成部材の前記定着部材の内面に接触するニップ形成面とは前記定着部材の内面に当接する方向の高さが同一であることを特徴とする定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、
前記熱移動補助部材に接触する接触面と、複数の前記端部熱源とを有し、前記熱移動補助部材を介して前記定着部材と対向する面は前記長手方向の端部から第1の端部熱源、前記接触面、第2の端部熱源の順に並ぶように構成されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし4の何れか一つに記載の定着装置において、
前記熱移動補助部材は摺動シートを介して前記内面に接触することを特徴とする定着装置。 - 請求項2に記載の定着装置において、
前記端部熱源の前記熱移動補助部材と接触する面は前記接触面の延長面内に配設されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項2に記載の定着装置において、
前記熱移動補助部材は前記端部熱源の前記内面を加熱する面と前記接触面とを前記長手方向にわたって覆う形状を有していることを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし7の何れか一つに記載の定着装置において、
前記端部熱源は前記長手方向における加熱範囲の少なくとも一部が前記定着熱源の加熱範囲の同方向における端部と重なるように配置されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし7の何れか一つに記載の定着装置において、
前記端部熱源は前記長手方向における加熱範囲の少なくとも一部が前記定着熱源の配熱出力の低下部分と重なるように配置されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし9の何れか一つに記載の定着装置において、
前記端部熱源と前記熱移動補助部材とが前記ニップ形成部材と一体構成されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし10の何れか一つに記載の定着装置において、
前記端部熱源はPTC特性を有することを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし11の何れか一つに記載の定着装置において、
前記端部熱源は直列に電気接続されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし12の何れか一つに記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項13に記載の画像形成装置において、
前記端部熱源と前記定着熱源とは独立して加熱制御されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13または14に記載の画像形成装置において、
前記端部熱源は前記定着熱源を制御するために検知した温度に基づいて加熱制御されることを特徴とする画像形成装置。
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