JP6790518B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
定着装置のヒータの長さを最大サイズの用紙に対応した長さとすると、小サイズの用紙を通紙した際に非通紙部である端部の温度上昇が大きくなるため、用紙の搬送速度を落として生産性を下げる必要がある。
この問題点に対処すべく、定着ローラの内部に中央部の配光分布が密なハロゲンヒータと端部付近の配光分布が密なハロゲンヒータとを配設し、小サイズの用紙を用いる場合には中央部の配光分布が密なハロゲンヒータのみを点灯させる定着装置が知られている。
本発明は、上述した問題点を解決し、定着部材の安定した走行を維持しながら良好な加熱効率を得ることが可能な定着装置の提供を目的とする。
先ず、本実施形態を説明する前に従来の構成及びその問題点について詳細に説明する。
用紙がB5等の小サイズの場合は、図15(a)に示すように、中央部の配光分布が密なハロゲンヒータ28aのみを点灯し、A3サイズ等の大サイズの場合にはハロゲンヒータ28aと、端部付近の配光分布が密なハロゲンヒータ28bとを一緒に、かつ適当なオン・オフ配分で点灯することで様々なサイズの用紙に対応している。
一方で、用紙全体に対する使用頻度はごく少ないが、A3ノビサイズや13インチサイズといったA3幅よりも大サイズの用紙対応性も要求されている。
上述のように、使用頻度で考えると300mm幅程度の加熱が圧倒的に多いが、このような加熱幅が必要なときに上記発光幅の長いハロゲンヒータを用いた場合には330mm幅近辺まで加熱されてしまい、差分の消費エネルギが無駄になる。さらには、A3またはA4横サイズでの通紙時に330mm幅の端部付近が温度上昇してしまい、これを冷やすために生産性を落としたりファンを設けたりする必要があった。また、反射板を設けた場合には、ヒータ端部が異常に温度上昇するといった不具合も発生していた。
このような問題に対処すべく、特許文献1に記載の定着装置が提案されている。
しかしながら、実際の用紙幅はA3であるのに対し、加熱幅はこれよりも広いA3’となり、結果として連続通紙した場合に非通紙部の温度上昇を来たすこととなる。この課題解決のために、非通紙部にハロゲンヒータの長くした部分から発光される余分な光を遮光するための部材を設ける対策等も見られるが、連続通紙中に遮光部材の過度の温度上昇が発生する問題がある。
また、非通紙部までハロゲンヒータを発光させなければならないことは、必要以上にエネルギを要していることとなり、省エネルギの観点からも望ましくない。
まず、図1に基づいて、本実施形態に係る画像形成装置の構成の概要を説明する。
画像形成装置100は、複数の色画像を形成する作像部が中間転写ベルトの移動方向に沿って並置されたタンデム方式のカラープリンタである。
感光体ドラム20Bkの周囲には、感光体ドラム20Bkの回転方向に沿って、画像形成処理を行う帯電装置30Bk、現像装置40Bk、1次転写ローラ12Bk及びクリーニング装置50Bkが順に配置されている。帯電装置30Bkによる帯電後、感光体ドラム20Bkの表面に光書込装置8により画像情報に基づく光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。静電潜像は現像装置40Bkによりトナー像として可視化される。
各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkは、中間転写ベルト11の移動方向の上流側からこの色順で並んでいる。各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkは、イエロ、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成するための画像ステーションに備えられている。
また、画像形成装置100は、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11に従動して連れ回りする2次転写手段としての2次転写ローラ5を有している。また、画像形成装置100は、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11上をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置13を有している。光書込装置8は、4つの画像ステーションの下方に、これらに対向して配設されている。
図1では、便宜上、ブラック画像の画像ステーションのみを対象として書き込み光に符号Lbを付けているが、その他の画像ステーションにおいても同様である。
画像形成装置本体の上面の下方には、イエロ、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y,9C,9M,9Bkが備えられている。
シート給送装置61は、最上位の用紙Sの上面に当接する給送ローラ3を有しており、給送ローラ3が反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の用紙Sをレジストローラ対4に向けて給送する。
図2に示すように、定着装置150は、薄肉で可撓性を有する無端状の定着部材としての定着ベルト14と、定着ベルト14の外部において定着ベルト14に対向して配置された対向部材としての加圧ローラ16とを有している。定着ベルト14は筒状(円筒状)に形成されている。
定着ベルト14の内部には、定着ベルト14と加圧ローラ16との間に用紙Sを挟持して搬送するニップNを形成するためのニップ形成ユニット18が設けられている。ニップ形成ユニット18は、加圧ローラ16に対向して定着ベルト14の内側に配置されたニップ形成部材22と、ニップ形成部材22の両端部に一体に設けられた端部熱源としての端部ヒータ24と、ニップ形成部材22と端部ヒータ24の定着ベルト14の内面に対向する面を覆う熱移動補助部材25と、ニップ形成部材22を加圧ローラ16からの加圧力に対抗して保持するステー部材26とを有している。
加圧ローラ16は、画像形成装置に設けられたモータ等の駆動源からギヤを介して駆動力が伝達されて回転する。また、加圧ローラ16はスプリング等により定着ベルト14側に付勢されており、加圧ローラ16のゴム層16bが押し潰されて変形することにより、用紙搬送方向に所定のニップ幅Nwが形成される。
ステー部材26は、ニップ形成部材22を支持するために十分な撓み強度を備えており、材質としてはステンレスや鉄といった金属材料、セラミックス等の金属酸化物が用いられる。
定着ベルト14は、フランジ36によりガイドされることにより、走行中(回転中)においてもその断面形状を円形状に維持される。フランジ36のニップNに対応する部分は、ニップ形成ユニット18を所定の位置に配置するために開口されている。
熱移動補助部材25は、直方体状のニップ形成部材22の定着ベルト14の内面に対向する面を覆うように嵌合されて一体化され、突条26b,26c間に収容されて位置決めされる。熱移動補助部材25とニップ形成部材22との一体構成は、接着等の手段により側面26aに固定される。
ニップ形成部材22の長手方向の両端部には、段差部としての凹部22a,22bが形成され、これらには端部ヒータ24a,24bが収容されて接着等の手段により固定されている。
熱移動補助部材25の加圧ローラ16に対向する面はニップ形成面25aとして機能するが、機械的強度上、実質的にニップ形成面として機能するのはニップ形成部材22の加圧ローラ16に対向する接触面22cである。
端部ヒータ24aは、外形が10mm×20mm程度のセラミック基材51に発熱部材である抵抗発熱体52をパターニングし、その上に薄膜のガラス層による絶縁層53を積層して構成されている。端部ヒータ24aの端部には、電源及びスイッチング素子と接続される端子54が設けられている。
端部ヒータ24a,24bは、図18に示すように、定着ベルト14と接しない側に抵抗発熱体52を配置することにより、万が一絶縁層53が破損しても供給される電力が定着ベルト14に到達しないように構成されている。特に定着ベルト14が後述のように金属で構成されている場合には、定着ベルト内の金属を通じて画像形成装置内の他の部品、一例として公知の定着ベルトに対する接触サーミスタに悪影響が及ぶ可能性が高まる。従って、定着ベルト14と抵抗発熱体52との沿面距離確保のために、上述した構成がより好適となる。
端部ヒータ24a,24bは、長手方向における加熱範囲の少なくとも一部がハロゲンヒータ28bの加熱範囲の同方向における端部と重なるように配置されている。換言すれば、端部ヒータ24a,24bは、ハロゲンヒータ28bの用紙幅の最端部に対応する位置の配熱出力の低下を補完するように配置されている。
本実施形態の構成によれば、定着ベルト14の周方向におけるニップの範囲内で、長手方向の両端部ないし端部近傍に端部ヒータ24a,24bを追加するという簡単な構成の付加によって、ハロゲンヒータ特有の加熱特性に基づく端部の温度低下問題を解消することができる。
なお、端部ヒータ24a,24bにおいてもハロゲンヒータ28a,28bと同様に長手方向端部において配熱出力の低下が発生する。このため、ハロゲンヒータ28bと端部ヒータ24a,24bとの境界部で配熱出力の落ち込みが発生すると、特にノビサイズ紙等の定型サイズよりも幅が広い用紙の端部で定着不良が発生する虞があるため、ハロゲンヒータ28b及び端部ヒータ24a,24bの配熱出力が100%となる端部同士を長手方向の境界位置とすることが望ましい。
定着ベルト14及び加圧ローラ16が十分温まり、ハロゲンヒータ特有の加熱特性に基づく端部の温度低下が減少してきた場合には、ハロゲンヒータ28a及び28bあるいはハロゲンヒータ28aのみに通電を行い、端部ヒータ24a,24bには通電しない。これにより、非通紙部における端部温度上昇現象を最小限にすることができ、必要以上に定着ベルトを加熱することがないので効率的で省エネルギ化を実現できる。
本実施形態によれば、図15(b)で示した、発光部長さを用紙幅よりも長くしたハロゲンヒータ28bを用いることによる無駄なエネルギ消費を防止することができる。
従って、定着ベルト14の長手方向両端部のみを加熱する方式の場合、上記の半分である16〜16.5mmの幅だけ端部を加熱できれば、A3サイズからA3Nサイズ等へ用紙対応幅が広がる。換言すれば、ハロゲンヒータ28bの端部における配光分布が密でない部分や温度低下が起こる部分を部分的に加熱できれば、ハロゲンヒータ28bの発光幅を延ばしたのと同等の機能が得られ、A3Nサイズ等の大サイズの用紙にも対応可能となる。
本実施形態の構成によれば、ニップ領域において定着ベルト14の両端部ないし両端近傍に対応する位置に端部ヒータ24a,24bを追加するという簡単な構成の付加によって上記問題を解消することができる。
そこで、定着ベルト14全体の温度均一性を確保すべく、伝熱性の良好な熱移動補助部材25が設けられている。端部ヒータ24a,24bで生じた熱は熱移動補助部材25を介して定着ベルト14の全体にわたって移動し、これにより定着ベルト14全体の温度均一化(温度勾配の均し)が促進される。熱移動補助部材25の伝熱性は、ハロゲンヒータ特有の加熱特性に基づく端部の温度低下の抑制にも寄与する。
定着ベルト14の内面に対向する端部ヒータ24a,24bの面は熱移動補助部材25に密着しているため、端部ヒータ24a,24bの熱は熱移動補助部材25により全体的に移動する。熱移動補助部材25の高熱伝導率の効果により、端部ヒータ24a,24bの加熱幅よりも定着ベルト14の内面を幅広かつ滑らかなに加熱することができる。この構成により、局所的に加熱しすぎることなく広範囲にわたって緩やかに加熱することができ、温度制御を簡単に行うことができる。
定着ベルト14の内面に対向するニップ形成部材22の接触面22cと熱移動補助部材25の定着ベルト14の内面に対向する面25aとは、矢印F方向の高さが同一となるように構成されている。
定着ベルト14の内面に接触するこれらの面は、摺動性を高めるために摩擦係数を低減するような施しを行うことが望ましく、例えばPFA、PTFEといったフッ素系の塗装やコーティングを施すことが望ましい。
また、端部ヒータ24a,24bによる定着ベルト14に対する加熱部位がニップ領域内に存在するので、特許文献1のようにニップとは異なる部位で加熱することによる未転写トナーの再溶融の問題も生じない。
換言すれば、ニップを形成するための加圧力を利用して端部ヒータ24a、24bと定着ベルト14とを密着させるようにしているので、特許文献1のような構成における走行性と伝熱不良とのトレードオフの問題も生じない。
また本実施形態では、端部ヒータ24a,24bを定着ベルト14の内方に設ける構成としたので、定着ベルト14の回転を妨げることなく内側からベルト端部を加熱することができる。
さらに、端部ヒータ24a,24bの定着ベルト14の内面に接触する部分を別な滑らかな材料で構成すれば、摺動抵抗を低く抑えることができベルト走行を安定に保つことができる。端部ヒータ24a,24bについては、長手方向における両端1対の配置構成にとどまらず、例えば様々な用紙サイズに応じて複数対あってもよい。
端部ヒータ24a,24bはハロゲンヒータ28bよりもさらに軸方向外側に設けてもよい。このような場合にはより多くの紙サイズに対応することができ、また高精度に加熱することが可能となり、より望ましい。
この構成により、定着ベルト14が圧力を受けるニップNに端部ヒータ24a,24bが設けられていることから定着ベルト14が圧力を受ける箇所を1箇所とすることができ、定着ベルトが走行不良となる虞を低減することが可能なニップ形成ユニットを提供することができる。これにより良好な画像形成動作を継続して行うことが可能な定着装置、及び画像形成装置を提供することができる。
これにより、端部ヒータ24a、24bの発熱量が低い場合、通常サイズ紙に対応したヒータ加熱部のみ先に昇温されてしまい、必要以上にエネルギが消費されることを防ぐことができる。
また、端部ヒータを使用するサイズの用紙を搬送する場合の搬送速度を、それ以外のサイズの用紙の搬送速度よりも遅くする。このようにして使用頻度の低い大サイズの用紙の生産性を落とすことで、両端部の加熱ヒータ(端部ヒータ24a,24b)を簡略化ないし低コスト化でき、効率的となる。
ニップ形成ユニット63は、ニップ形成部材22と、端部ヒータ24a,24bと、ニップ形成部材22を加圧ローラ16からの加圧力に対抗して保持するステー部材64とを有している。ステー部材64は、ニップ形成部材22を受けるべくステー部材26と同様に構成された受け部64aと、ほぼ三角形の断面形状を呈した脚部64bとを一体的に有している。
脚部64bと定着ベルト14との間には、輻射熱により定着ベルト14をその内面側から直接加熱する定着熱源としてのハロゲンヒータ28a,28bが配置されている。ハロゲンヒータ28a,28bによる加熱効率を上げるため、ハロゲンヒータ28a,28bから放射される光を定着ベルト14へ反射する円弧形状の板材からなる反射部材65が、脚部64bとハロゲンヒータ28a,28bとの間に設けられている。
なお、反射部材65を設ける代わりに、脚部64bの外面に断熱もしくは鏡面処理を行ってもよい。この場合は、反射部材65を設ける場合に比して加熱効率が若干低下することとなる。
ニップ形成ユニット17は、ニップ形成部材22と、端部ヒータ24a,24bと、ニップ形成部材22を加圧ローラ16からの加圧力に対抗して保持するステー部材19とを有している。ステー部材19は、断面がそれぞれほぼL字形状を呈する第1部材19Aと第2部材19Bとから構成されている。
第1部材19A及び第2部材19Bは各ハロゲンヒータ28a,28bを仕切っており、それぞれニップ形成部材22に固定されている。第1部材19A及び第2部材19Bはハロゲンヒータ28a,28bの長手方向に直線的に延在しており、ステー部材19の断面はほぼT字形状に形成されている。
また、各ハロゲンヒータ28とステー部材19との間に反射部材21を備え、各ハロゲンヒータ28からの輻射熱等によりステー部材19が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギ消費を抑制することができる。反射部材21に代えて、ステー部材19の表面に断熱または鏡面処理を行っても、同様の作用効果を得ることができる。
さらに、定着ベルト14の基材46としては、ステンレスよりもニッケルの方が適している。これは、強度が高く、耐久性にも優れ、また電鋳プロセスにより無端状ベルトの製造が容易であるためである。
用紙をセンター基準で搬送する場合、端部ヒータ24a,24bは常に同時に通電するので、図11に示すように、端部ヒータ24a,24bは電源44に直列に電気接続されている。このような接続構成とすることで、端部ヒータ24a,24bを個別にオン・オフする構成に比べて電気制御が簡単になる。また、片側の端部ヒータが故障したとき、両者の電気接続を同時に断つことができ安全性を確保できる。
ハロゲンヒータ28aはスイッチSW1により、ハロゲンヒータ28bはスイッチSW2により、端部ヒータ24a,24bはスイッチSW3により通電をオン・オフされる。
ここでは、ハロゲンヒータ28bと端部ヒータ24a,24bとは温度特性が異なるので、経路の切り換えで両者の温度を調整している。
図11、図13において、ハロゲンヒータ28bと端部ヒータ24とを直列に繋ぐ配線を例示したが、大サイズの用紙のときはハロゲンヒータ28aも同時に点灯しているので、ハロゲンヒータ28aと端部ヒータ24とを直列に繋ぐ配線でも同様の効果を発揮できる。
図20に示した構成では、端部ヒータ24aと端部ヒータ24bとは並列に接続されている。このため、スイッチSW3がオフの場合、端部ヒータ24a,24bにはマイナス電極のみが接続されているので電流は流れない。スイッチSW3をオンに切り替えると端部ヒータ24a,24bにはプラス電極がそれぞれ接続され、電源44からの電力が端部ヒータ24a,24bにそれぞれ供給されて端部ヒータ24a,24bが発熱する。
このような構成とすれば、一方の端部ヒータがショートした場合には、図示しないヒューズを加えることによって過電流による熱暴走を阻止することができ、安全性を向上することができる。
このような問題点を解決すべく、定着ベルト14の内部から熱移動補助部材25に伝達された熱をニップ形成部材22の樹脂パッドやステー等の反対側の面に逃がすことなく長手方向に伝達させつつ、端部ヒータ24から熱伝達し易く省エネ効果が高い熱伝達補助部材を、本発明の第2の実施形態として以下に説明する。
具体的には、接触領域80bを非接触領域80cよりも熱伝導率の高い他の材質で作成し、接触領域80bと非接触領域80cとを一体化して熱移動補助部材80を形成する。
この構成により、端部ヒータ24と接触する接触領域80bからの熱が伝わり易く、非接触領域80cは定着ベルト14から伝達された熱がニップ形成部材22側に逃げることを防止できるので、長手方向に熱を拡散させることで用紙を効率的に暖めることができ、熱効率がよく省エネ性に優れた定着装置を提供することができる。
この構成により、中間部材82cによって定着ベルト14から伝達された熱がニップ形成部材22側に逃げることを防止できるので、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
この構成により、端部ヒータ24a,24bの熱を熱移動補助部材80,81,82に効率よく伝達することができ、効果的な加熱効果、すなわち無駄な熱のない省エネ性能を得ることができる。
熱移動補助部材の定着ベルト14との接触点と定着ベルト14を移動させたときの潤滑剤通過量について評価すると、熱移動補助部材の表面粗さは粗い方が潤滑剤の通過量が多く、圧力が高くなればなるほど通過量が減少する。結果として、接触点における表面粗さを粗く、圧力を低くすることにより潤滑剤のニップ内流入量が増大して低トルクを維持することができる。接触点における表面粗さは、粗すぎると定着ベルト14との摩擦係数である摺動トルクが増加するので、具体的にはRa0.5〜5μm程度が望ましい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
15 熱伝導部材(塗布部材)
16 対向部材(加圧ローラ)
22 ニップ形成部材
24a,24b 端部熱源(端部ヒータ)
25,80,81,82,83 熱移動補助部材
28a,28b 定着熱源(ハロゲンヒータ)
80a,81a,82a 端部熱源と接触する面(裏面)
80b,81b,82b 接触領域
80c,81c 非接触領域
82c 中間部材
83a 定着部材と接触する面(表面)
83b 第1の領域
83c 第2の領域
100 画像形成装置
150 定着装置
S 記録媒体(用紙)
Claims (7)
- 可撓性を有し回転可能に支持された無端状の定着部材と、
前記定着部材の外部に配置され、該定着部材に対向する対向部材と、
前記定着部材の長手方向における通紙領域の少なくとも中央部を加熱する定着熱源と、
前記定着部材の内部に設けられ、前記定着部材と前記対向部材との間に記録媒体を挟持して搬送するニップを形成するニップ形成部材と、
前記定着部材の周方向における前記ニップの範囲内に位置し、前記ニップ形成部材に設けられ前記定着部材の前記長手方向における端部を加熱する端部熱源と、
前記定着部材に接触する一方の面と前記端部熱源に接触する前記一方の面と対向する他方の面とを有する熱移動補助部材とを有し、
前記熱移動補助部材は、前記端部熱源と接触する面の前記端部熱源と接触する接触領域の熱伝導率が前記端部熱源と接触する面の他の領域である非接触領域の熱伝導率よりも高く、
前記熱移動補助部材及び前記ニップ形成部材よりも熱伝導率が低く、前記熱移動補助部材と前記ニップ形成部材との間であって前記非接触領域と対応する部位に設けられた中間部材を有する定着装置。 - 請求項1記載の定着装置において、
前記非接触領域には凹凸が設けられていることを特徴とする定着装置。 - 請求項1または2記載の定着装置において、
前記接触領域には、その熱伝導率が前記非接触領域の熱伝導率よりも高い熱伝導部材が設けられていることを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし3の何れか一つに記載の定着装置において、
前記熱移動補助部材は、前記定着部材と接触する面の前記接触領域と対応する領域である第1の領域の表面粗さが前記定着部材と接触する面の他の領域である第2の領域の表面粗さよりも平滑に形成されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項4記載の定着装置において、
前記第2の領域には、前記熱移動補助部材と前記定着部材との摺動性を向上させる滑性部材が設けられていることを特徴とする定着装置。 - 請求項4または5記載の定着装置において、
前記第2の領域に潤滑剤を有することを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし6の何れか一つに記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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