JP2016145914A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感光体の表面の凹部の深さに応じた感光体の残寿命をより正確に把握することを可能とする画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、表面に複数の各々独立した凹部が形成された感光体1と、帯電部材2と、帯電電圧を印加する電源E1と、露光装置3と、現像装置4と、トナー像を転写材に転写する転写装置12と、制御部20と、を有し、制御部20は、試験動作において、帯電部材2に直流電圧のみからなる帯電電圧を印加することで感光体1を帯電して試験画像を形成させる構成とする。
【選択図】図13
【解決手段】画像形成装置100は、表面に複数の各々独立した凹部が形成された感光体1と、帯電部材2と、帯電電圧を印加する電源E1と、露光装置3と、現像装置4と、トナー像を転写材に転写する転写装置12と、制御部20と、を有し、制御部20は、試験動作において、帯電部材2に直流電圧のみからなる帯電電圧を印加することで感光体1を帯電して試験画像を形成させる構成とする。
【選択図】図13
Description
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置にて用いられる電子写真感光体(感光体)としては、低価格及び高生産性の利点から、光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)として有機材料を用いた感光層(有機感光層)を支持体上に設けてなる有機感光体が普及している。特に、回転可能なドラム型(円筒形)の感光ドラムが広く用いられている。
有機感光体としては、高感度及び材料設計の多様性の利点から、積層型感光層を有する感光体が主流である。積層型感光層は、光導電性染料や光導電性顔料の電荷発生物質を含有する電荷発生層と、光導電性ポリマーや光導電性低分子化合物の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、が積層されて構成される。
ところで、感光体の表面には、帯電、露光、現像、転写、クリーニングにおいて、電気的外力、機械的外力、又はこれらの両方が直接加えられる。そのため、感光体には、これら外力に対する耐久性が要求される。具体的には、これら外力による表面の傷や摩耗の発生に対する耐久性、すなわち、耐傷性及び耐摩耗性が要求される。有機感光体の表面の耐傷性や耐摩耗性を向上させる技術としては、次のものなどが知られている。結着樹脂として硬化性樹脂を用いた硬化層を表面層とした感光体。炭素−炭素二重結合を有するモノマーと炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送性モノマーとを熱又は光のエネルギーにより硬化重合させることによって形成される電荷輸送性硬化層を表面層とした感光体。同一分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を電子線のエネルギーにより硬化重合させることによって形成される電荷輸送性硬化層を表面層とした感光体。このように、近年、有機感光体の周面の耐傷性や耐摩耗性を向上させる技術として、感光体の表面層を硬化層として、表面層の機械的強度を高める技術がある。
しかしながら、硬度の高い感光体を用いて画像形成を行うと、特に高湿環境下において、「画像流れ」と呼ばれる静電潜像のボケが生じやすくなる。画像流れの発生原因は次のように考えられている。つまり、主に帯電手段によってオゾンやNOxなどの放電生成物が発生し、感光体の表面に付着する。感光体の表面は、表面摩擦係数μが低い上に硬いので削れにくく、表面に付着した放電生成物が除去されにくい。そして、表面に付着した除去されにくい放電生成物が高湿環境下で吸湿して、感光体の表面の電荷保持能力を低下させ、静電潜像のボケを発生させる。したがって、特に感光体の硬度が高い場合には、付着した放電生成物はますます除去されにくくなり、画像流れが生じやすくなる。
画像流れの対策としては、感光体の内部や感光体の近傍にヒータを設置し、感光体の表面の温度を上げることで感光体の表面を乾燥させることが一般的である。しかし、電源投入直後など十分にこれらの手段の効果が得られない段階で画像形成されると、画像流れが発生してしまう場合がある。特に、近年では、省エネなどの観点からヒータを搭載しない装置も存在する。
そこで、特許文献1には、画像流れを防止する目的で、表面に複数の各々独立した凹部を有する感光体を使用する技術が記載されている。
しかしながら、高硬度の感光体であっても、長期間の使用後にはクリーニングブレードとの摺擦などにより表層が徐々に削れていく。これに伴って、図22に示すように、表面に凹部を有する感光体においては、凹部の深さが徐々に浅くなっていく。
画像流れに対しては、凹部が深いほど効果が高いことが判明しており、上記のように凹部が浅くなると、画像流れによる画像不良が発生してしまう虞がある。そのため、感光体の削れにより凹部の深さが減少した場合に、適切な時期に感光体を交換することが望まれる。
感光体の表面の凹部の深さの減少は、その感光体を用いて行った画像出力枚数をカウントしたり、感光体の回転時間や帯電時間を計数したりして、感光体の摩耗量を予測することによって予測できる。しかし、一般に、感光体の表面の凹部の深さは深くても数μmであり、その凹部の深さを減少させる感光体の少ない摩耗量を正確に予測することは難しい。そのため、感光体の削れによる凹部の深さの減少を、直接的に、精度よく検出して、感光体の残寿命をより正確に把握することが求められている。
したがって、本発明の目的は、感光体の表面の凹部の深さに応じた感光体の残寿命をより正確に把握することを可能とする画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、表面に複数の各々独立した凹部が形成された感光体と、前記感光体に近接又は接触して配置され前記感光体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材に前記感光体を帯電させるための帯電電圧を印加する電源と、前記帯電部材によって帯電した前記感光体を露光して静電像を形成する露光装置と、前記露光装置によって前記感光体に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する現像装置と、前記現像装置によって前記感光体に形成されたトナー像を転写材に転写する転写装置と、任意の画像情報に応じたトナー像を形成して転写材に転写して出力する画像形成動作と、前記感光体の残寿命に係る情報を得るための試験画像を形成して転写材に転写して出力する試験動作と、を実行させる制御部と、を有し、前記制御部は、前記試験動作において、前記帯電部材に直流電圧のみからなる帯電電圧を印加することで前記感光体を帯電して前記試験画像を形成させることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の態様によると、表面に複数の各々独立した凹部が形成された感光体と、前記感光体に近接又は接触して配置され前記感光体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材に前記感光体を帯電させるための帯電電圧を印加する電源と、前記帯電部材によって帯電した前記感光体を露光して静電像を形成する露光装置と、前記露光装置によって前記感光体に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する現像装置と、前記現像装置によって前記感光体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写装置と、前記感光体上のトナー像又は前記被転写体上のトナー像の濃度を検出するセンサと、任意の画像情報に応じたトナー像を形成して転写材に転写して出力する画像形成動作と、前記感光体の残寿命に係る情報を得るための試験画像を形成し該試験画像のトナー像の濃度を前記センサにより検出する試験動作と、を実行させる制御部と、を有し、前記制御部は、前記試験動作において、前記帯電部材に直流電圧のみからなる帯電電圧を印加することで前記感光体を帯電して前記試験画像を形成させ、前記センサによる前記試験画像の検出結果に基づいて前記感光体の残寿命を示す情報を報知するための信号を出力することを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、感光体の表面の凹部の深さに応じた感光体の残寿命をより正確に把握することが可能となる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本発明の一実施例に係る画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能な、接触帯電方式、中間転写方式を採用した、タンデム型のレーザビームプリンタである。
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本発明の一実施例に係る画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能な、接触帯電方式、中間転写方式を採用した、タンデム型のレーザビームプリンタである。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。各画像形成部SY、SM、SC、SKは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する。本実施例では、各画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じである。したがって、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用の要素であることを表す符号の末尾のY、M、C、Kは省略して、その要素について総括的に説明する。
図2は、画像形成部Sの構成をより詳しく示す模式的な断面図である。本実施例では、画像形成部Sは、後述する感光体1、帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4、1次転写ローラ5、及び感光体クリーニング装置7を有して構成される。
まず、画像形成装置100は、像担持体としての回転可能なドラム型(円筒形)の感光体(感光ドラム)1を有する。本実施例では、感光体1は、帯電特性が負帯電性の有機感光体であり、アルミニウム製のシリンダ(導電性基体)の表面に、有機材料からなる光電荷発生層と、電荷輸送層(厚さ約20μm)と、を下から順に塗り重ねた構成を有している。ここで、感光体1の表面層は、結着樹脂として硬化性樹脂を用いて硬化層としている。感光体1は、使用による摩耗で表面層が削れ、後述する試験動作により交換が必要と判断された場合などに交換することが可能となっている。感光体1は、実質的に感光体1のみを単独で画像形成装置100の装置本体に対し着脱して交換できるようになっていてもよいし、プロセスカートリッジなどとして他のプロセス機器と一緒に装置本体に対し着脱して交換できるようになっていてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体と、感光体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうちの少なくとも一つと、を一体的にカートリッジ化して、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能としたものである。
なお、本実施例では、感光体1の表面の硬化処理として、結着樹脂に硬化性樹脂を用いた硬化層を用いるものとしたが、これに限定されるものではない。硬化層としては、次のものなどを用いることができる。炭素−炭素二重結合を有するモノマーと炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送性モノマーとを熱又は光のエネルギーにより硬化重合させることによって形成される電荷輸送性硬化層。同一分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を電子線のエネルギーにより硬化重合させることによって形成される電荷輸送性硬化層。
本実施例では、感光体1は、長手方向(回転軸線方向)の長さが340mm、外径が30mmであり、中心支軸を中心に300mm/secのプロセススピード(周速度)で図中矢印R1方向に回転駆動される。また、本実施例では、感光体1の表面には、平坦部と複数の凹部とが形成されているが、この点について詳しくは後述する。
次に、画像形成装置100は、感光体1の表面を一様に帯電処理する帯電手段としてのローラ状の接触式帯電部材である帯電ローラ2を有する。帯電ローラ2は、長手方向(回転軸線方向)の長さが330mm、直径が14mmであり、ステンレス製の芯金(芯材)の外回りに、導電ゴム層を形成した構成を有する。帯電ローラ2は、芯金の長手方向の両端部が、それぞれ軸受け部材により回転自在に保持されると共に、押圧ばねによって感光体1に向かって付勢されている。これにより、帯電ローラ2は、感光体1の表面に所定の押圧力をもって圧接し、感光体1との間に圧接ニップである帯電ニップを形成する。そして、帯電ローラ2は、感光体1の回転に従動して(周速度は300mm/sec)図中矢印R3方向に回転する。帯電ローラ2は、帯電部aにおいて、感光体1との間の微小なギャップにて生じる放電現象を利用して感光体1を帯電させる。帯電ローラ2には、その芯金を介して、印加手段としての帯電電源(高圧電源)E1より、所定の条件の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。本実施例では、帯電電源E1はDC電源部E1aとAC電源部E1bとを有して構成されている。例えば、印加する直流電圧成分(帯電直流電圧)を−500V、交流電圧成分(帯電交流電圧)をその環境における放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧値に設定する。この場合、帯電部aを通過した直後において、回転する感光体1の表面は約−500Vに一様に帯電処理される。なお、画像形成中に印加される帯電直流電圧は、この値に限定されるものではなく、環境や感光体1及び帯電ローラ2の繰り返し使用状況(使用初期からの使用量)などに応じて、良好な画像形成に適した電位に適宜設定される。
ここで、帯電電源E1は、転写材Pに転写して出力する画像を形成する通常の画像形成時は、切り替え部E1cにより、DC電源部E1aとAC電源部E1bとの両方が帯電ローラ2に接続された状態とされる。これにより、通常の画像形成時には、帯電ローラ2には、帯電直流電圧と帯電交流電圧とが重畳された帯電電圧が印加され、感光体1の帯電処理が行われる。一方、本実施例では、帯電電源E1は、帯電交流電圧を重畳せずに、直流電圧のみを帯電ローラ2に印加して、感光体1の帯電処理を行うことが可能となっている。すなわち、詳しくは後述する感光体1の残寿命を把握するための試験動作時には、帯電電源E1は、切り替え部E1cにより、DC電源部E1aのみが帯電ローラ2に接続された状態とされる。これにより、試験動作時には、帯電ローラ2には、帯電交流電圧を重畳せずに、帯電直流電圧のみが印加され、感光体1の帯電処理が行われる。帯電直流電圧のみで感光体1を帯電処理する場合は、帯電交流電圧を重畳する場合に比べて、感光体1の表面を同じ帯電電位の状態にするためには、約2倍の帯電直流電圧を帯電ローラ2に印加する必要がある。図21は、帯電直流電圧と帯電交流電圧とを重畳した場合(DC+AC帯電方式)と、帯電直流電圧のみの場合(DC帯電方式)とでの、帯電直流電圧値と感光体の帯電電位との関係の一例を示す。
次に、画像形成装置100は、帯電処理された感光体1の面に静電潜像を形成する情報書き込み手段(露光手段)としての露光装置3を有する。本実施例では、露光装置3は、半導体レーザを用いたレーザビームスキャナである。露光装置3は、画像読み取り装置やパーソナルコンピュータなどのホスト処理装置(図示せず)から画像形成装置100に送られた画像信号に対応して変調されたレーザ光Lを出力する。これにより、一様に帯電処理された、回転する感光体1の表面を、露光部(露光位置)bにおいてレーザ走査露光(イメージ露光)する。このレーザ走査露光により、感光体1の表面のレーザ光Lが照射された部分の電位の絶対値が低下し、回転する感光体1の表面には、画像情報に対応した静電潜像(静電像)が順次に形成されていく。
次に、画像形成装置100は、感光体1上の静電潜像にトナーを供給し、静電潜像をトナー像(現像剤像)として現像する、現像手段としての現像装置4を有する。現像装置4は、反転現像により、感光体1上の静電潜像を現像する。すなわち、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光体1上の露光部に、感光体1の帯電極性(本実施例では負極性)と同極性に帯電したトナーを付着させることで、トナー像を形成する。現像装置4は、現像剤を担持して感光体1との対向部である現像部cに現像剤を搬送する現像剤担持体としての回転可能な現像スリーブ41を有する。現像スリーブ41の長手方向(回転軸線方向)の長さは325mmである。本実施例では、現像スリーブ41はトナーとキャリアからなる二成分現像剤による磁気ブラシを保持し、これを現像部cで感光体1に接触させながら現像を行う。現像スリーブ41には、印加手段としての現像電源(高圧電源)E2から所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、現像電圧は、直流電圧(現像直流電圧Vdc)と交流電圧(現像交流電圧Vac)とが重畳された振動電圧である。例えば、現像電圧は、所定の直流電圧と、周波数8.0kHz、ピーク間電圧1.8kV、矩形波の交流電圧とが重畳された振動電圧である。この直流電圧は、現像部cにおける感光体1の帯電電位に対して適正なカブリ取り電位差になるように適宜設定される。カブリ取り電位差とは、感光体1の帯電電位と、現像スリーブ41に印加される現像電圧の直流成分との電位差であり、正規の帯電極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを現像スリーブ41側に向かわせるものである。
次に、画像形成装置100は、感光体1に形成されたトナー像を転写材Pに転写する転写装置として中間転写装置12を有する。中間転写装置12は、各感光体1に対向するように配置された、感光体1からのトナー像を一時的に保持して搬送する中間転写体としての無端状のベルトで構成された中間転写ベルト6を有する。中間転写ベルト6は、複数の張架ローラに巻回され、所定の張力が付与された状態で張架されている。中間転写ベルト6は、複数の張架ローラのうちの一つである駆動ローラによって図中矢印R2方向に回転駆動される。中間転写ベルト6の内周面側において、各感光体1Y、1M、1C、1Kと対向する位置に、1次転写手段としてのローラ状の1次転写部材である1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kが配置されている。1次転写ローラ5は、中間転写ベルト6を介して感光体1に向けて付勢(押圧)され、中間転写ベルト6と感光体1とが接触する1次転写部(1次転写ニップ)N1を形成する。また、中間転写ベルト6の外周面側において、複数の張架ローラのうちの一つである2次転写対向ローラと対向する位置に、2次転写手段としてのローラ状の2次転写部材である2次転写ローラ8が配置されている。2次転写ローラ8は、中間転写ベルト6を介して2次転写対向ローラに向けて付勢(押圧)され、中間転写ベルト6と2次転写ローラ8とが接触する2次転写部(2次転写ニップ)N2を形成する。また、中間転写ベルト6の外周面側には、中間転写ベルト6の移動方向において2次転写部N2の下流側かつ最上流の1次転写部N1Yよりも上流側に、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置11が配置されている。なお、1次転写ローラ5が中間転写ベルト6を介して感光体1に所定の押圧力をもって圧接されることで形成された感光体1と中間転写ベルト6との圧接ニップである図1中の1次転写部N1が、図2中の転写部dである。
感光体1上に形成されたトナー像は、1次転写部N1において、1次転写ローラ5の作用により、図中矢印方向R2に回転駆動されている中間転写ベルト6上に順次に静電的に転写(1次転写)される。このとき、1次転写ローラ5には、印加手段としての1次転写電源E3から、トナーの正規の帯電極性(現像時の帯電極性)とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である1次転写電圧(1次転写バイアス)が印加される。本実施例では、1次転写電圧として+600Vの直流電圧が印加される。例えばフルカラー画像形成時には、各画像形成部SY、SM、SC、SKで形成された各色のトナー像が、各1次転写部N1で中間転写ベルト6上に順次に重ね合わせるようにして1次転写される。これにより、4色のトナー像によるフルカラー画像用の多重トナー像が得られる。
中間転写ベルト6へのトナー像の1次転写の進行に合わせて、記録用紙などの転写材Pが、転写材搬送機構(図示せず)から所定の制御タイミングで2次転写部N2に供給される。そして、中間転写ベルト6上のトナー像は、2次転写部N2において、2次転写ローラ8の作用により、2次転写部N2を挟持搬送されていく転写材P上に順次に静電的に転写(2次転写)される。このとき、2次転写ローラ8には、図示しない印加手段としての2次転写電源から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である2次転写電圧(2次転写バイアス)が印加される。フルカラー画像形成時には、中間転写ベルト6上の4色のトナー像は転写材P上に一括して2次転写される。
2次転写部N2を通ってトナー像が転写された転写材Pは、中間転写ベルト6の表面から順次に分離されて、定着手段としての定着装置9へと搬送される。本実施例では、定着装置9は、熱ローラ定着装置であり、この定着装置9により転写材Pはトナー像の定着処理を受けて画像形成物(プリント、コピー)として出力される。
トナー像の1次転写後に感光体1の表面に残留した1次転写残トナーは、感光体クリーニング装置7によって感光体1の表面から除去されて回収される。感光体クリーニング装置7は、クリーニング部eにおいて感光体1に当接するクリーニングブレード71によって、回転する感光体1の表面から1次転写残トナーを掻き取って除去する。本実施例では、クリーニングブレード71は、ウレタンゴムからなる平板状の部材であり、感光体1の長手方向(回転軸線方向)の長さは330mmである。また、クリーニングブレード71は、30gf/cmの線圧で感光体1に押圧されている。
トナー像の2次転写後の中間転写ベルト6の表面に残留した2次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置11により中間転写ベルト6の表面から除去されて回収される。
2.感光体の表面形状
本実施例では、感光体1の表面には、複数の各々独立した凹部が形成されている。図3は、感光体1の表面における特定凹部を有する領域を、感光体1の表面の法線方向から見た写真図である。同写真中で円形に見える部分が特定凹部、それ以外の部分が平坦部である。これら特定凹部、平坦部の定義については後述する。
本実施例では、感光体1の表面には、複数の各々独立した凹部が形成されている。図3は、感光体1の表面における特定凹部を有する領域を、感光体1の表面の法線方向から見た写真図である。同写真中で円形に見える部分が特定凹部、それ以外の部分が平坦部である。これら特定凹部、平坦部の定義については後述する。
なお、特定凹部の形状は、円形に限定されるものではなく、円形以外の任意の形状であってもよい。例えば、楕円、あるいは正方形、長方形、三角形、四角形、五角形、六角形といった多角形などが挙げられる。また、配列についても整列して配置される形状に限定されるものではなく、ランダム配置であってもよい。
図4は、感光体1における特定凹部を有する領域、及び平坦部のみの領域についての、感光体1の長手方向の断面の模式図である。図4(a)に示すように、特定凹部を有する領域においては、感光体1の表面の大部分を占める平坦部に、所定の面積率で特定凹部が形成されている。特定凹部の製法上、特定凹部の周囲には非凹部かつ非平坦部であるリム形状の突起が形成されることがある。また、特定凹部のうち、感光体1の表面(平坦部)の高さ水準の空間を開口部とする。また、図4(b)に示すように、平坦部のみの領域においては、特定凹部や上記リム形状の突起などは存在しない。
本実施例における感光体1の表面の形状について更に詳細に説明する。少なくとも画像形成領域(転写材Pに転写して出力する画像のトナー像の形成に供される領域)における感光体1の表面には、使用前の状態において、複数の深さ2.5±0.2μmかつ開口部最長径20μm以上80μm以下の特定凹部が設けられる。ここで、感光体1の表面の任意の位置に一辺が感光体1の回転方向に対して平行である一辺500μmの正方形領域を配置したものとする。このとき、特定凹部は、その一辺500μmの正方形領域における特定凹部の面積が7500μm2以上88000μm2以下になるように、感光体1の表面に設けられる。さらに、感光体1の表面には、特定凹部に加えて平坦部が設けられる。ここで、感光体1の表面の任意の位置に一辺が感光体1の回転方向に対して平行である一辺500μmの正方形領域を配置したものとする。このとき、平坦部は、その一辺500μmの正方形領域における平坦部の面積が81000μm2以上240000μm2以下になるように、感光体1の表面に設けられる。
ここで、一辺500μmの正方形領域における特定凹部及び平坦部の定義などについて説明する。感光体1の表面の特定凹部や平坦部などは、例えば、レーザ顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子力間顕微鏡などの顕微鏡を用いて観察することができる。まず、感光体1の表面を顕微鏡などで拡大観察する。感光体1の表面が回転方向に沿って湾曲した曲面である場合は、その曲面の断面プロファイルを抽出し、曲線をフィッティングする。その曲線が直線になるように上記断面プロファイルの補正を行い、得られた直線を感光体1の長手方向に拡張した面を基準面とする。得られた基準面から高低差±0.2μm以内の領域を、上記一辺500μmの正方形領域における平坦部とする。平坦部よりも下に位置するものを凹部とする。また、深さ及び開口部最長径に関しては、平坦部から凹部の底面までの最大の距離を凹部の深さとし、平坦部による凹部の断面を凹部の開口部とし、開口部を横切る線分のうち、最も長い線分の長さを凹部の開口部最長径とする。
上記一辺500μmの正方形領域における凹部のうち、上述のようにして求めた深さが0.5μm以上6μm以下の範囲にあり、開口部最長径が20μm以上80μm以下の範囲にあるものが、上記一辺500μmの正方形領域における特定凹部に該当する。
なお、本実施例では、感光体1の表面の複数の凹部は実質的にその全部が特定凹部、特に深さが2.5±0.2μm、開口部最長径が20μm以上80μm以下の特定凹部であり、深さや開口部最長径がこの条件を満たさないものは無視できる程度である。感光体1の表面には、深さ、開口部最長径が、特定凹部に該当しない凹部があってもよいが、上述の条件を満たす特定凹部、平坦部が設けられていることが好ましい。また、以下の説明において、感光体1の表面の凹部の深さは、画像形成領域における平均値で代表するものとする。例えば、感光体2の画像形成領域の中の任意の2cm×2cmの領域における凹部の径の平均値を求めて用いることができる。
ここで、感光体1の表面の凹部は、所定の形状を有する型を感光体1の表面に圧接し形状転写を行う方法で形成することができる。例えば、モールド(型)を有する圧接形状転写加工装置により、感光体1を回転させながら、その表面(周面)に連続的にモールドを接触させ、加圧することにより形成することができる。この他、レーザ照射により、所定の形状の凹部を感光体の表面に形成する方法なども知られている。
3.画像流れの抑制
本実施例のように、特定凹部を有する感光体1を用いることにより、画像流れの抑制効果が飛躍的に向上することが判明している。凹部を疎に配置することが感光体1側からクリーニングブレード71の異常振動、いわゆるビビリを適度に抑制し、安定的で良好な摺擦状態を作り出すとともに、凹部へのクリーニングブレードの圧力を低減することで、他の部分への圧力が増す。そして、圧力が増す非凹部の中でも、効率的なリフレッシュが行いやすい平坦部が多くなることでさらに、感光体1の表面に付着する画像流れの原因物質の除去が行われやすいような表面状態を形成できる。このようなメカニズムにより、画像流れの抑制効果を飛躍的に向上させていると考えられる。
本実施例のように、特定凹部を有する感光体1を用いることにより、画像流れの抑制効果が飛躍的に向上することが判明している。凹部を疎に配置することが感光体1側からクリーニングブレード71の異常振動、いわゆるビビリを適度に抑制し、安定的で良好な摺擦状態を作り出すとともに、凹部へのクリーニングブレードの圧力を低減することで、他の部分への圧力が増す。そして、圧力が増す非凹部の中でも、効率的なリフレッシュが行いやすい平坦部が多くなることでさらに、感光体1の表面に付着する画像流れの原因物質の除去が行われやすいような表面状態を形成できる。このようなメカニズムにより、画像流れの抑制効果を飛躍的に向上させていると考えられる。
しかしながら、前述のように、特定凹部の深さが減少すると、クリーニングブレード71のビビリを抑制して安定的で良好な摺擦状態を作り出す効果、及び、凹部へのクリーニングブレードの圧力を低減して他の部分への圧力を増す効果がいずれも低減する。そのため、画像流れが発生しやすくなる。画像流れを効果的に抑制するためには、感光体1の少なくとも画像形成領域における特定凹部の深さが1.0μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることがより好ましい。
4.感光体のクリーニングブレードの捲れや異音の抑制
本実施例のように、特定凹部を有する感光体1を用いることにより、クリーニングブレード71の捲れや異音の抑制効果が飛躍的に向上することが判明している。クリーニングブレード71の捲れや異音とは、特に硬度の高い感光体1を用いて画像形成を行う場合に、高湿環境下において生じ易くなる異常現象である。
本実施例のように、特定凹部を有する感光体1を用いることにより、クリーニングブレード71の捲れや異音の抑制効果が飛躍的に向上することが判明している。クリーニングブレード71の捲れや異音とは、特に硬度の高い感光体1を用いて画像形成を行う場合に、高湿環境下において生じ易くなる異常現象である。
つまり、特定凹部の深さが減少すると、クリーニングブレード71と感光体1の表面との接触面積が増加し、クリーニングブレード71の摩擦係数が著しく増加して、クリーニングブレード71のビビリ現象が顕在化することが知られている。そして、スティックスリップの振幅運動が大きくなり、感光体1がクリーニングブレード71の振動に共振して、異音を発することがある。また、クリーニングブレード71の振幅が大きくなることによって、クリーニングブレード71が反転し、クリーニングブレード71の捲れを発生させることがある。クリーニングブレード71の捲れが発生した場合は、感光体1の急激な負荷重になり、画像形成装置100の画像形成動作がストップしてしまうことがある。
画像流れの場合と同じく、クリーニングブレード71の捲れや異音に関しても、凹部が深いほど効果が高いことが判明している。凹部が浅くなると、クリーニングブレード71のスティックスリップによる異音が発生しやすくなり、またクリーニングブレード71の捲れにまで至る確率も増加する。
5.凹部の深さの設定
本実施例では、前述の通り、特定凹部の深さの中心を2.5μmとした。特定凹部の深さが3.5μmよりも大きいと、クリーニングブレード71と感光体1の表面の凹部との間のギャップが大きすぎる。そのため、トナーがクリーニングブレード71と感光体1の表面の凹部との間のギャップをすり抜けて、クリーニング不良により画像を汚してしまう虞がある。また、特定凹部の深さが1.0μmよりも小さいと、画像流れやクリーニングブレード71の捲れや異音などの現象を発現させてしまう虞がある。そのため、特定凹部の深さは、2.5μm程度が最も適当である。
本実施例では、前述の通り、特定凹部の深さの中心を2.5μmとした。特定凹部の深さが3.5μmよりも大きいと、クリーニングブレード71と感光体1の表面の凹部との間のギャップが大きすぎる。そのため、トナーがクリーニングブレード71と感光体1の表面の凹部との間のギャップをすり抜けて、クリーニング不良により画像を汚してしまう虞がある。また、特定凹部の深さが1.0μmよりも小さいと、画像流れやクリーニングブレード71の捲れや異音などの現象を発現させてしまう虞がある。そのため、特定凹部の深さは、2.5μm程度が最も適当である。
6.感光体の使用による凹部の深さの減少
画像形成を行うと、感光体1の表面の膜厚が、当接する部材(主にクリーニングブレード71)との摺擦などにより減少する。このとき、図22に示すように、特定凹部を有する領域では、平坦部の高さ水準が低下するため、相対的に平坦部から特定凹部までの深さが減少する。また、摺擦に伴って非凹部かつ非平坦部であるリム形状の突起の部分の高さも減少する。ちなみに、平坦部のみの領域(図示せず)に関しては、全体的に高さ水準が低下するが、表面形状としては平坦なままである。
画像形成を行うと、感光体1の表面の膜厚が、当接する部材(主にクリーニングブレード71)との摺擦などにより減少する。このとき、図22に示すように、特定凹部を有する領域では、平坦部の高さ水準が低下するため、相対的に平坦部から特定凹部までの深さが減少する。また、摺擦に伴って非凹部かつ非平坦部であるリム形状の突起の部分の高さも減少する。ちなみに、平坦部のみの領域(図示せず)に関しては、全体的に高さ水準が低下するが、表面形状としては平坦なままである。
図5は、感光体1の繰り返し使用状況(画像出力枚数)に対する、特定凹部の深さの関係を示すグラフ図である。図5から、画像出力枚数の増加に伴って、特定凹部の深さが減少していくことが分かる。
7.横スジの発現
横スジ(横スジ画像、横スジ現象)とは、感光体1の長手方向(主走査方向)に沿って画像上に現れるスジ状の濃度ムラである。横スジは、帯電ニップ内あるいはその近傍における感光体1と帯電ローラ2との間のギャップにおいて、感光体1に対する帯電能力が充分でなく、感光体1の電位が所望の電位まで到達しているが微小な帯電不良が発生してしまうことにより顕在化する現象である。したがって、横スジは、一般的には、帯電直流電圧と帯電交流電圧とが重畳された帯電電圧を用いて出力した画像では発生しにくい。一方、横スジは、帯電直流電圧のみからなる帯電電圧を用いて出力した画像では発生しやすい。
横スジ(横スジ画像、横スジ現象)とは、感光体1の長手方向(主走査方向)に沿って画像上に現れるスジ状の濃度ムラである。横スジは、帯電ニップ内あるいはその近傍における感光体1と帯電ローラ2との間のギャップにおいて、感光体1に対する帯電能力が充分でなく、感光体1の電位が所望の電位まで到達しているが微小な帯電不良が発生してしまうことにより顕在化する現象である。したがって、横スジは、一般的には、帯電直流電圧と帯電交流電圧とが重畳された帯電電圧を用いて出力した画像では発生しにくい。一方、横スジは、帯電直流電圧のみからなる帯電電圧を用いて出力した画像では発生しやすい。
更に説明すると、帯電直流電圧のみからなる帯電電圧を用いて画像を出力した場合は、ギャップの大きさの微小な振れなどに影響を受ける。そのため、帯電ローラ2から断続的に感光体1に火花放電が発生し、微小な帯電不良状態となりやすく、例えば図12(b)に示すように画像上に横スジとなって現れやすい。一方、帯電直流電圧と帯電交流電圧とが重畳された帯電電圧を用いて出力した場合は、感光体1と帯電ローラ2との間のギャップにおいて火花放電は連続的に非常に安定した状態になる。AC放電が発生するからである。そのため、ギャップの大きさの微小な振れなどで発生した微小な帯電ムラは直ぐに均されて、帯電不良は発生しにくい。
ここでは、感光体1を帯電させるための帯電電圧のうち、帯電直流電圧と帯電交流電圧とが重畳された帯電電圧を「第1帯電電圧(又はAC+DC帯電電圧)」ともいい、帯電直流電圧のみからなる帯電電圧を「第2帯電電圧(又はDC帯電電圧)」ともいう。
8.感光体の表面の凹凸形状と横スジの関係
横スジは、帯電ニップ内あるいはその近傍における感光体1と帯電ローラ2との間のギャップにおいて、感光体1が充分に帯電されるか否かによってその発生の程度が異なる。すなわち、帯電ニップ内あるいはその近傍における感光体1と帯電ローラ2との間のギャップで如何に安定的に放電できるかどうかによっている。
横スジは、帯電ニップ内あるいはその近傍における感光体1と帯電ローラ2との間のギャップにおいて、感光体1が充分に帯電されるか否かによってその発生の程度が異なる。すなわち、帯電ニップ内あるいはその近傍における感光体1と帯電ローラ2との間のギャップで如何に安定的に放電できるかどうかによっている。
平行な電極間で火花放電の生じる電圧Vは、下記式1のパッシェンの法則によって表される。下記式1中、pは気圧、dは帯電部材と被帯電部材との間の距離である。
V=f(pd)・・・(式1)
V=f(pd)・・・(式1)
上記式1に基づいて説明すると、火花放電の生じる電圧Vは、周囲の気圧pと、帯電部材と被帯電部材との間の距離dにそれぞれ比例する。すなわち、印加電圧を一定にした状態で、周囲の気圧がある一定の条件であった場合は、感光体1と帯電ローラ2との間のギャップの大きさに応じて、火花放電を発するか否かが決まる。
図6(a)に示すように、感光体1の表面と帯電ローラ2との間では、感光体1の表面の移動方向において帯電ニップの上流側と下流側において、感光体1と帯電ローラ2との間にギャップが形成される。これら上流側、下流側のギャップが形成された領域に、放電を発生している放電領域(上流放電領域、下流放電領域)が存在する。この放電領域に形成されるギャップの大きさ(距離)によって、パッシェンの法則に従って放電開始電圧が決まる。本実施例の構成では、DC帯電電圧は、−1200Vの直流電圧である。この場合、図6(b)に示すように、パッシェンの法則から、放電を発生するギャップの大きさ(距離)は、20〜21μmであることが分かっている。
ここで、図6(a)に示すように、下流放電領域の放電が発生する感光体1と帯電ローラ2との間の最大ギャップをα[μm]とする。下流放電領域に注目するのは、下流放電領域における放電が、最終的に画像上の横スジに影響するからである。図7は、感光体1の表面の凹部の深さに対する、下流放電領域の放電が発生する感光体1と帯電ローラ2との間の最大ギャップαの関係を示すグラフ図である。図7から、最大ギャップαは、感光体1の表面の凹部の深さの変化に従って変動することが分かる。つまり、図7から、感光体1の表面の凹部の深さが1.5〜2.5μmの間で、感光体1と帯電ローラ2との間のギャップが20〜21μmに到達することがわかる。そのため、DC帯電電圧を用いて画像を出力する場合には、感光体1の表面の凹部の深さが1.5〜2.5μmの深さに該当する間は、横スジが発生することになる。
もちろん、画像形成装置100の構成によって、感光体1や帯電ローラ2の外径や物性、感光体1の回転速度や帯電ローラ2の感光体1に対する侵入量などは異なる。そのため、こらの設定によって、下流放電領域の放電が発生する最大ギャップ、及び感光体1の表面の凹部の深さと、感光体1と帯電ローラ2との間のギャップとの関係は、それぞれ異なる。また、本実施例では、DC帯電電圧は−1200Vの直流電圧としたが、これとは異なる直流電圧を用いる場合は、パッシェンの法則により、放電が開始するギャップの大きさ(距離)も異なる。したがって、本実施例の構成では、横スジが発生する感光体1の表面の凹部の深さを1.5〜2.5μmであるが、それぞれの構成に応じて、感光体1の表面の凹部の深さと横スジの発生レベルの関係は異なる。
本実施例では、詳しくは後述する試験動作においては、意図的に横スジが発生しやすい状態として、感光体1の表面の凹部の深さに係る情報を取得するために、DC帯電電圧帯電(第2帯電電圧)を用いて試験画像を出力する。つまり、DC帯電電圧を用いて試験画像を出力することにより、AC+DC帯電電圧(第1帯電電圧)を用いて画像を出力した際には発生しない微細な帯電不良による横スジが発生するようになる。横スジの発生は、帯電ローラ2と感光体1との間のギャップの大きさ(距離)に影響を受けるため、感光体1の表面の凹形状の深さが変化することにより、横スジの発生レベルが変化する。感光体1の表面の凹部の深さが十分に深い場合は、DC帯電電圧を用いて画像を出力すると、放電領域に感光体1の表面の大きな凹凸が介在することにより、その部分で異常放電が発生し、画像上に横スジが発生する。一方、感光体1の表面の凹部の深さが所定値(本実施例では1.5μm)よりも減少すると、DC帯電電圧を用いて画像を出力した場合でも、異常放電は発生しにくくなるため、横スジは発生しにくくなる。この特性を利用することにより、感光体1の表面の凹部の深さに係る情報を得るための試験画像をDC帯電電圧を用いて出力して、横スジの発生レベルと感光体1の表面の凹部の深さ、さらには感光体1の残寿命とを対応させる。これにより、試験動作時の感光体の表面の凹部の深さの減少レベルを検出することで、感光体1が交換時期に達しているか否かを判断することが可能となる。
9.試験画像及び試験動作
次に、本実施例における感光体1の表面の凹部の深さに係る情報を得るための試験画像及び試験動作について説明する。
次に、本実施例における感光体1の表面の凹部の深さに係る情報を得るための試験画像及び試験動作について説明する。
なお、本実施例では、第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKのそれぞれについて、感光体1の残寿命を把握するために実質的に同じ試験動作を、1回の指示により同時期に連続して順次に行う。以下の説明では、重複を避けるため、1つの画像形成部Sに注目して説明する。
試験画像は、横スジの発生状況の確認しやすさの観点から、所定の濃度のハーフトーン画像が好ましい。本実施例では、試験画像として、図8(a)に示すようにA4サイズの画像形成領域の全域に均一なハーフトーン画像を形成した。しかし、これに限定されるものではなく、試験画像は、例えば図8(b)に示すようにA4サイズの一部にだけハーフトーン画像をパッチ状に形成したものなど、画像形成領域の一部に形成したものであってもよい。また、試験画像は、図8(c)のように、様々な濃度域での横スジの発生レベルを確認できる階調パターンであってもよい。
なお、感光体1の表面は、主走査方向の全域で均一に摩耗せずに、クリーニングブレード71の押圧力分布や、1次転写ローラ5の押圧力分布などに応じて不均一に摩耗することがある。そのため、試験画像は、感光体1の主走査方向における画像形成領域の全域での摩耗の傾向を把握できるような画像であることが望ましい。そのためには、試験画像は、少なくとも感光体1の主走査方向における画像形成領域の中央部及び両端部などの複数箇所に形成することが好ましく、感光体1の主走査方向における画像形成領域の全域に試験画像を形成することがより好ましい。
図9及び図10を参照して、本実施例における試験動作について説明する。図9は、試験動作に係る画像形成装置100の概略制御態様を示すブロック図であり、図10は、試験動作に係る各部の動作シーケンスを示すタイミングチャート図である。
画像形成装置100に設けられた制御手段としての制御部20は、演算処理を行う中心的素子であるCPU21、記憶素子(記憶部)であるROM、RAMなどのメモリ22などを有して構成される。RAMには、センサの検出結果、演算結果などが格納され、ROMには制御プログラム、予め求められたデータテーブルなどが格納されている。本実施例では、制御部20は、画像形成装置100の各部を統括的に制御する。特に、本実施例との関係で言えば、制御部20には、帯電電源E1、現像電源E2、1次転写電源E3、画像形成装置100の装置本体に設けられた操作部13、感光体駆動部14、現像装置駆動部15、露光装置3、定着装置9などが接続されている。そして、本実施例では、制御部20は、サービスマンやユーザーなどの操作者による操作部13からの指示に応じて、試験動作(試験画像出力モード)を実行させ、試験画像を転写材Pに形成して画像形成装置100から出力させる。
制御部20は、操作部13に設けられた操作ボタンを操作することによる操作者の指示に応じて、試験動作(試験画像出力モード)に移行し、感光体駆動部14により感光体1の回転を開始させる。次に、制御部20は、帯電電源E1の切り替え部E1cに帯電電圧をDC帯電電圧に切り替えるよう指示する。そして、制御部20は、帯電電源E1から帯電ローラ2へのDC帯電電圧(本実施例では−1200V)の印加を開始させる。この際、帯電交流電圧はOFF状態である。続いて、制御部20は、現像電源E2から現像装置4の現像スリーブ41への現像直流電圧(本実施例では−450V)の印加を開始させ、その直後に1次転写電源E3から1次転写ローラ5への1次転写直流電圧(本実施例では+700V)の印加を開始させる。ここで、現像スリーブ41の回転を開始させていない状態で現像スリーブ41に現像直流電圧を印加するのは、感光体1と現像スリーブ41との間に存在するトナーが感光体1側へ転移するのを抑制するためである。続いて、制御部20は、現像装置駆動部15により現像スリーブ41の回転を開始させる。帯電ローラ2への帯電電圧の印加開始から現像スリーブ41の回転開始までの時間は、約1秒程度であり、これは感光体1の表面電位が安定するまでに帯電ローラ2を2〜3周通過させるためである。次に、制御部20は、現像スリーブ41の回転開始の直後に、現像電源E2から現像スリーブ41への現像交流電圧の印加を開始させる。なお、現像直流電圧のみの印加でも現像を行うことは可能だが、トナー像の濃度を安定させるためには現像交流電圧を重畳した方がよい。次に、制御部20は、露光装置3から感光体1へのレーザ光の照射を開始させる。このとき、レーザ光による露光パターンは、前述の図8(a)の試験画像のパターンに応じたものとする。
また、制御部20は、露光装置3による露光を終了させた後、上記手順とは逆に、現像交流電圧の印加、現像スリーブ41の回転、1次転写直流電圧の印加、現像直流電圧の印加、帯電直流電圧の印加を順に停止させていく。また、制御部20は、感光体1の表面が充分に除電された後に感光体1の回転を停止させる。感光体1の表面を除電するために、前露光手段を用いて感光体1の表面に光を照射してもよい。
感光体1に形成された試験画像のトナー像は、通常の画像形成の場合と同様にして、感光体1から中間転写ベルト6に1次転写され、中間転写ベルト6から転写材Pに転写され、定着装置9により転写材Pに定着される。こうして、感光体1の表面の凹部の深さに係る情報を示す試験画像が転写材P上に形成された出力物を操作者が手にすることができる。
10.試験画像出力物と感光体の残寿命判断
図11(a)は、DC帯電電圧を用いて出力された試験画像の一例を模式的に示す。この場合、操作者は、例えば図13に示すような、予め用意された試験画像における横スジの状況と感光体1の残寿命とを対応付けるための基準画像である対応チャートと、実際に出力された試験画像と、を比較する。図13の対応チャートでは、横スジの状況と、感光体1の表面の凹部の深さ及び感光体1の残寿命とが対応付けられている。対応チャートは、画像形成装置100の提供者などが、予め実験などを通して横スジの状況と感光体1の表面の凹部の深さ及び感光体1の残寿命との関係を求めることで提供することができる。そして、操作者は、試験画像の出力時の感光体1の表面の凹部の深さが何μm程になっているか、さらには感光体1の残寿命がどの程度になっているかを判断することができる。
図11(a)は、DC帯電電圧を用いて出力された試験画像の一例を模式的に示す。この場合、操作者は、例えば図13に示すような、予め用意された試験画像における横スジの状況と感光体1の残寿命とを対応付けるための基準画像である対応チャートと、実際に出力された試験画像と、を比較する。図13の対応チャートでは、横スジの状況と、感光体1の表面の凹部の深さ及び感光体1の残寿命とが対応付けられている。対応チャートは、画像形成装置100の提供者などが、予め実験などを通して横スジの状況と感光体1の表面の凹部の深さ及び感光体1の残寿命との関係を求めることで提供することができる。そして、操作者は、試験画像の出力時の感光体1の表面の凹部の深さが何μm程になっているか、さらには感光体1の残寿命がどの程度になっているかを判断することができる。
例えば、実際に出力された試験画像における横スジの発生レベルが図12(a)に示す程度であった場合は、図13の対応チャートから、感光体1の表面の凹部の深さが1.0μm程度になっており、感光体1の残寿命が約0%になっていることが把握できる。つまり、前述のように、感光体1の表面の凹部の深さが1.0μm以下になると、画像流れが発生したり、クリーニングブレード71の捲れや異音が発生したりする虞がある。そのため、この場合には、操作者は、早期に感光体1の交換を行うべきであることが把握できる。
また、例えば、実際に出力された試験画像における横スジの発生レベルが図12(b)に示す程度であった場合は、図13の対応チャートから、感光体1の表面の凹部の深さがまだ2.0μm程度であり、感光体1の残寿命が約66%であることが把握できる。この場合、操作者は、まだ感光体1の交換がしばらくの間は必要ないことを把握できる。
このように、感光体1の表面の凹の深さに係る情報を、DC帯電電圧を用いて形成した試験画像を確認することで、感光体1の残寿命を把握することができる。
図11(b)は、変形例として、試験動作において出力された、DC帯電電圧を用いて出力された試験画像(左側)と、AC+DC帯電電圧を用いて出力された比較用試験画像(右側)と、を模式的に示す。本例では、試験画像と比較用試験画像とは、それぞれ別の転写材Pに形成されて出力される。また、比較用試験画像は、帯電電圧として通常の画像形成時と同様のAC+DC帯電電圧を用いることを除いて、ハーフトーンの濃度やパターンなどの他の条件は試験画像の場合と実質的に同一とされて形成される。この場合、感光体1の表面の凹部に応じて発生した横スジ以外の要因で発生したスジ状の濃度ムラを検出することが可能になる。すなわち、比較用試験画像は、AC+DC帯電電圧を用いて出力されるので、感光体1の表面の凹部の深さに応じた横スジは発生しにくい。したがって、試験画像(左側)と比較用試験画像(右側)との両方に対応して発生しているスジ状の濃度ムラは、感光体1の表面の凹部の深さとは無関係に発生しているものであると判断できる。そのため、試験画像を観察して感光体1の凹部の深さ、感光体1の残寿命を判断する際には、そのスジ状の濃度ムラを無視して、試験画像と対応チャートとを確認することができる。これにより、操作者が把握する感光体1の寿命の正確性のレベルを向上させることできる。
なお、比較用試験画像の出力は、試験動作において、上述の試験画像の出力に続いて行うことができる。ただし、試験画像と比較用試験画像とを形成し出力する順番は逆であってもよいし、可能であれば同じ転写材Pに形成して出力してもよい。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、画像形成動作と、試験動作と、を実行させる制御部20を有する。画像形成動作では、任意の画像情報に応じたトナー像を形成して転写材Pに転写して出力する。また、試験動作では、感光体1の残寿命に係る情報を得るための試験画像を形成して転写材Pに転写して出力する。そして、制御部20は、試験動作において、帯電部材2に直流電圧のみからなる帯電電圧を印加することで感光体1を帯電して試験画像を形成させる。また、帯電電源E1は、帯電電圧として、上記画像形成動作時に印加する直流電圧と交流電圧とが重畳された第1帯電電圧と、上記試験動作時に印加する直流電圧のみからなる第2帯電電圧と、を選択的に印加することが可能である。そして、制御部20は、試験動作において更に、帯電電圧として第1帯電電圧を用いて形成した、試験画像と対比可能な比較用試験画像を転写材Pに転写して出力させることができる。
以上、本実施例によれば、使用による摩耗で変化する感光体1の表面の凹部の深さを精度よく検出して、感光体1の残寿命をより正確に把握することが可能となる。これにより、適切な時期に感光体1を交換することによって、画像流れ、クリーニングブレードの捲れや異音といった問題が発生することを抑制することができる。また、感光体1の残寿命をより正確に把握することができるので、マージンを取って早めに感光体1を交換する必要性が低減し、感光体1の長寿命化にも貢献できる。また、画像形成装置100のハード構成を変えることなく、帯電方式を変更するという簡易な方法で、感光体1の残寿命をより正確に把握できるので、画像形成装置100の構成の簡易化にも貢献できる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、実施例1のものと同一又は実施例1のものに対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、実施例1のものと同一又は実施例1のものに対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1と同様に、感光体1の残寿命を把握するための試験動作において、例えば図8(a)に示すようなDC帯電電圧を用いて形成された試験画像を出力する。それに加えて、本実施例では、試験動作において、AC+DC帯電電圧を用いて形成された例えば図13に示すような基準画像である対応チャートを出力する。本実施例では、これら試験画像と対応チャートとは、1回の指示により行われる試験動作において同時期に連続して出力される。対応チャートの情報は、予め実験などを通して求められて制御部20のメモリ22に格納されている。
このように、本実施例では、試験画像と、操作者が感光体1の残寿命を判断するための対応チャートとが、試験動作において同時期に出力される。つまり、本実施例では、制御部20は、試験動作において更に、帯電電圧として第1帯電電圧を用いて形成した、濃度ムラの状況と感光体1の残寿命とを関係付けることを可能とする基準画像を転写材Pに転写して出力させる。これによって、実施例1のように操作者が対応チャートを予め用意して保管あるいは携帯するなどの必要が無くなり、必要時にその場で出力された対応チャートを用いた感光体1の残寿命の把握が可能となる。
対応チャートは、AC+DC帯電電圧を用いて出力されるため、感光体1の表面の凹部の深さに応じた横スジは発生しにくく、基準画像として使用することが可能である。
なお、試験動作において対応チャートを出力するか否かを、例えば操作部13などから操作者が選択できるようになっていてもよい。また、実施例1の変形例と同様に、試験動作において比較用試験画像を更に出力するようにしてもよい。
以上、本実施例によれば、実施例1と同様の効果が得られると共に、対応チャートの保管あるいは携帯の手間を省き、必要時に滞りなく感光体1の残寿命を把握することが可能になる。
実施例3
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、実施例1のものと同一又は実施例1のものに対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、実施例1のものと同一又は実施例1のものに対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、画像形成装置100に設けられたセンサを用いて試験画像の濃度ムラを検出して、画像形成装置100で自動的に感光体1の残寿命を検知し、その検知結果を報知できるようにする。特に、本実施例では、試験画像のトナー像の濃度ムラを中間転写ベルト6上で検出する。
1.光学センサ
本実施例では、図1に示すように、中間転写体ベルト6上に転写された試験画像のトナー像の濃度を検出できるように、濃度検出手段としての光学センサ10が配置されている。より詳細には、中間転写ベルト6の移動方向において最下流の1次転写部N1Kよりも下流かつ2次転写部N2よりも上流の位置で、中間転写ベルト6上の画像形成領域内のトナー像の濃度を検出できるように光学センサ10が配置されている。
本実施例では、図1に示すように、中間転写体ベルト6上に転写された試験画像のトナー像の濃度を検出できるように、濃度検出手段としての光学センサ10が配置されている。より詳細には、中間転写ベルト6の移動方向において最下流の1次転写部N1Kよりも下流かつ2次転写部N2よりも上流の位置で、中間転写ベルト6上の画像形成領域内のトナー像の濃度を検出できるように光学センサ10が配置されている。
図14(a)は、本実施例における光学センサ10の概略構成図である。図14(a)の左右方向が主走査方向(中間転写ベルト6の移動方向と略直交する方向)となる。この光学センサ10は、大きくは、光学系Q、アンプ(AMP)22、ピーク検出回路24、サンプル&ホールド回路26、アンダーピーク検出回路28、及びサンプル&ホールド回路30を有して構成される。光学系Qは、正反射用LED10a及び拡散用LED10bからなる照明光学系、並びに、レンズ10c、フォトダイオード10d及びマスク10eからなる受光光学系を有して構成される。正反射用LED10aは、ブラック色のトナー像の濃度の測定に用いるもので、中間転写体ベルト6上のトナー像を中間転写体ベルト6の面の法線に対し10°の角度で照明する。拡散用LED10bは、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のトナー像の濃度の測定に用いるもので、中間転写体ベルト6上のトナー像を中間転写体ベルト6の面の法線に対し30°の角度で照明する。受光光学系は中間転写体ベルト6の面の法線に対し10°の角度となるよう配置されている。これにより、正反射LED10aによる照明光が中間転写ベルト6の面で正反射した光を受光できる。また、正反射LED10aは、拡散LED10bによる照明光が中間転写ベルト6の面で正反射した光を受光せず、トナーからの拡散光のみを受光することができる。受光光学系のレンズ10cとしては、φ3mm、焦点距離6mmのものを用い、中間転写体ベルト6の表面からレンズまでの距離とレンズからフォトダイオードまでの距離とを等しく12mmとし、光学系の倍率は1倍である。フォトダイオード10dの直前には、センサの検出エリアを規制するマスク10eが設けられている。本実施例ではマスク10eの検出用ウインドウは、1mm×1mmの四角形としている。マスクの検出用ウインドウ以外の部分は迷光防止のため黒色としている。このような受光光学系の配置により、正反射光及び拡散反射光のいずれの場合も光学センサ10の検出エリアをマスクの検出用ウインドウのサイズとほぼ同等の1mm×1mmとすることができる。
中間転写ベルト6上のトナー像の光学像がフォトダイオード10dの受光面上に投影されると、フォトダイオード10dは光学像の濃淡に応じて変化した電流を出力する。フォトダイオード10dから出力された電流はAMP22で電流電圧変換/増幅されたのち、センサ出力信号として制御部20、ピーク検出回路24、アンダーピーク検出回路28、及び、2つのサンプル&ホールド回路26、30に供給される。ピーク検出回路24では、センサ出力信号の最大位置を検出し、ピーク検出信号としてサンプル&ホールド回路26に供給される。サンプル&ホールド回路26では、ピーク検出回路24から出力されるピーク検出信号をトリガとして、AMP22から出力されるセンサ出力信号をホールドする。これにより、センサ出力信号の最大値がホールドされ、ホールド信号として、制御部20に出力される。制御部20では、ホールド信号をもとに画像濃度を計算し画像濃度を制御する。アンダーピーク検出回路28では、センサ出力信号の最小位置を検出し、アンダーピーク検出信号としてサンプル&ホールド回路30に供給する。サンプル&ホールド回路30では、アンダーピーク検出回路から出力されるアンダーピーク検出信号をトリガとして、AMP22から出力されるセンサ出力信号をホールドする。これにより、センサ出力信号の最小値がホールドされ、アンダーピークホールド信号として、制御部20に出力される。制御部20では、ホールド信号をもとに画像濃度を計算し横スジの検出を行う。なお、AMP22、ピーク検出回路24、アンダーピーク検出回路28、サンプル&ホールド回路26、30は一般的な電気回路を用いることとし、ここでの説明は省略する。
また、光学センサ10は、シャッター10fを有する。図14(b)にシャッター10fの構成図を示す。図14(b)はシャッター10fをLED/PD側から見た図である。シャッター10fには測定用窓10gと、センサの出力電圧の基準を得るための基準板10hが設けられている。そして、光学センサ10は、図示しない駆動装置でシャッター10fを図14(b)の左右方向に移動させる機構を備えている。シャッター10fは、通常閉じた状態において基準板10hが受光系光軸上に配置されるような位置にあり、測定時のみシャッター10fが開き測定用窓10gが受光系光軸上に配置されるように移動する。
2.横スジの検出と残寿命の算出
図15は、横スジが発生している際のアンダーピークホールド信号を画像濃度Dに変換した出力結果を示す。画像濃度Dは、中間転写ベルト6上に出力された試験画像に横スジが発生していることにより振れが生じる。基準となる一定の濃度設定で試験画像を形成するため、その基準となる濃度レベルから突出して濃度が高い濃度段差が生じることになる。したがって、制御部20において、そのベースとなる基準濃度からの濃度段差ΔDを算出する。また、図16に示すような濃度段差ΔDと感光体1の残寿命との関係を示す情報が予め実験などを通して求められて、制御部20のメモリ22に格納されている。これにより、制御部20は、算出した濃度段差ΔDから、図16に示すような濃度段差ΔDと感光体1の残寿命との関係を示す情報を用いて、感光体1の残寿命を求めることができる。図15に示すような検出時間(検出位置)と画像濃度Dとの関係を示す情報から求められる濃度段差ΔDに係る情報としては、最大値、最小値、平均値などの任意の情報と感光体1の残寿命とを関係付けることができる。本実施例では、図15に示すような関係を示す情報から求められる濃度段差ΔDの最大値と感光体1の残寿命とが関係付けられているものとする。
図15は、横スジが発生している際のアンダーピークホールド信号を画像濃度Dに変換した出力結果を示す。画像濃度Dは、中間転写ベルト6上に出力された試験画像に横スジが発生していることにより振れが生じる。基準となる一定の濃度設定で試験画像を形成するため、その基準となる濃度レベルから突出して濃度が高い濃度段差が生じることになる。したがって、制御部20において、そのベースとなる基準濃度からの濃度段差ΔDを算出する。また、図16に示すような濃度段差ΔDと感光体1の残寿命との関係を示す情報が予め実験などを通して求められて、制御部20のメモリ22に格納されている。これにより、制御部20は、算出した濃度段差ΔDから、図16に示すような濃度段差ΔDと感光体1の残寿命との関係を示す情報を用いて、感光体1の残寿命を求めることができる。図15に示すような検出時間(検出位置)と画像濃度Dとの関係を示す情報から求められる濃度段差ΔDに係る情報としては、最大値、最小値、平均値などの任意の情報と感光体1の残寿命とを関係付けることができる。本実施例では、図15に示すような関係を示す情報から求められる濃度段差ΔDの最大値と感光体1の残寿命とが関係付けられているものとする。
本実施例では、制御部20は、求めた現状の感光体1の残寿命を示す情報を、メモリ22に保存する。そして、制御部20は、操作者の求めに応じて表示させるなどして、操作者が感光体1の残寿命を示す情報を取得することを可能とする。
3.試験画像及び試験動作
次に、本実施例における感光体1の表面の凹部の深さに係る情報を得るための試験画像及び試験動作について説明する。
次に、本実施例における感光体1の表面の凹部の深さに係る情報を得るための試験画像及び試験動作について説明する。
なお、本実施例では、第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKのそれぞれについて、感光体1の残寿命を把握するために実質的に同じ試験動作を、1回の指示により同時期に連続して順次に行う。以下の説明では、重複を避けるため、1つの画像形成部Sに注目して説明する。
実施例1の場合と同様に、中間転写ベルト6上に形成する試験画像は、所定の濃度のハーフトーン画像が好ましい。本実施例では、試験画像として、図17(a)に示すように、光学センサ10の検出可能な主走査方向の幅で、感光体1の1周分の周長に該当する長さの均一なハーフトーン画像を形成した。しかし、これに限定されるものではなく、試験画像は、例えば図17(b)に示すようにパッチ状のハーフトーン画像を副走査方向(中間転写ベルト6の移動方向)に複数個形成したものであってもよい。これにより、トナーの消費を抑えることができる。
また、本実施例では、光学センサ10は主走査方向の中央部に固定した状態で設置されている。したがって、試験画像は、光学センサ10の固定位置に対応して、主走査方向の中央部に形成される。
ここで、実施例1で説明したように、試験画像は、感光体1の主走査方向における画像形成領域の全域における摩耗の傾向を把握できるような画像であることが望ましい。そのために、例えば光学センサ10を主走査方向に移動可能な構成にしたり、主走査方向において複数個設けたりして、主走査方向の複数箇所、より好ましくは全域で濃度段差ΔDを検出できるようにしてもよい。
図18及び図19を参照して、本実施例における試験動作について説明する。図18は、試験動作に係る画像形成装置100の概略制御態様を示すブロック図であり、図19は、試験動作に係る各部の動作シーケンスを示すタイミングチャート図である。
本実施例における試験動作に係る制御態様は、実施例1におけるものと同様であるが、特に、本実施例との関係で言えば、制御部20には更に、光学センサ10、及び中間転写ベルト駆動部16が接続されている。そして、本実施例では、制御部20は、所定のタイミングで試験動作(感光体残寿命検知モード)を実行させ、感光体1の残寿命を検知して、その検知結果を保存する。また、制御部20は、操作者の指示に応じて、保存されている感光体1の残寿命を示す情報を表示させる。
制御部20は、画像形成装置100のメイン電源がONされるか、又は画像形成装置100がスリープ状態から復帰すると、試験動作(感光体残寿命検出モード)に移行する。そして、感光体駆動部14により感光体1の回転を開始させ、また中間転写ベルト駆動部16により中間転写ベルト6の回転を開始させる。次に、制御部20は、帯電電源E1の切り替え部E1cに帯電電圧をDC帯電電圧に切り替えるよう指示する。そして、制御部20は、帯電電源E1から帯電ローラ2へのDC帯電電圧の印加を開始させる。この際、帯電交流電圧はOFF状態である。続いて、制御部20は、現像電源E2から現像装置4の現像スリーブ41への現像直流電圧の印加を開始させ、その直後に1次転写電源E3から1次転写ローラ5への1次転写直流電圧の印加を開始させる。続いて、制御部20は、現像装置駆動部15により現像スリーブ41の回転を開始させる。次に、制御部20は、現像スリーブ41の回転開始の直後に、現像電源E2から現像スリーブ41への現像交流電圧の印加を開始させる。次に、制御部20は、露光装置3から感光体1へのレーザ光の照射を開始させる。このとき、レーザ光による露光パターンは、前述の図17(a)の試験画像のパターンに応じたものとする。
また、制御部20は、露光装置3による露光を終了させた後、上記手順とは逆に、現像交流電圧の印加、現像スリーブ41の回転、1次転写直流電圧の印加、現像直流電圧の印加、帯電直流電圧の印加を順に停止させていく。また、制御部20は、感光体1の表面が充分に除電された後に感光体1の回転を停止させ、ほぼ同時に中間転写ベルト6の回転も停止させる。感光体1の表面を除電するために、前露光手段を用いて感光体1の表面に光を照射してもよい。
感光体1に形成された試験画像のトナー像は、通常の画像形成の場合と同様にして、感光体1から中間転写ベルト6に転写される。また、中間転写ベルト6に転写された試験画像のトナー像が光学センサ10による検出領域を通過するタイミングで、光学センサ10は前述のようにして正反射光を受光する。そして、制御部20は、光学センサ10が受光した光量を基に、濃度情報Dに変換し、濃度Dの濃度段差成分である濃度段差ΔDを算出する。また、制御部20は、算出した濃度段差ΔDから、図16に示すような濃度段差ΔDと感光体1の残寿命との関係を示す情報を用いて、感光体1の残寿命を導き出し、メモリ22にその感光体1の残寿命を示す情報を保存する。中間転写ベルト6上の試験画像のトナー像は、その後ベルトクリーニング装置11によって中間転写ベルト6上から除去されて回収される。
図20(a)は、試験動作の手順の流れの概略を示すフローチャート図である。上述のように、制御部20は、試験動作が開始されると、感光体1の回転やDC帯電電圧での帯電処理を順次開始させていき(S101)、試験画像のトナー像を中間転写ベルト6に形成させる(S102)。次いで、制御部20は、光学センサ10により中間転写ベルト6上の試験画像のトナー像の濃度を検出させ(S103)、濃度段差ΔDを算出し(S104)、感光体1の残寿命を求めてメモリ22に保存する(S105)。その後、制御部20は、試験動作を終了させる(S106)。また、図20(b)は、感光体1の残寿命を報知する動作の手順の概略を示すフローチャート図である。制御部20は、操作者が操作部13に設けられた操作ボタンを操作することによる指示に応じて(S201)、メモリ22に保存されている感光体1の残寿命を示す情報を読み出す(S202)。そして、制御部20は、現状の感光体1の残寿命を示す情報を操作部13に送信して、操作部13に設けられた表示部(ディスプレイ)に、現状の感光体1の残寿命を示す情報を表示させる(S203)。
ここで、本実施例では、試験動作を実行するタイミングは、メイン電源ON時とスリープ状態からの復帰時としたが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置100の累積の画像出力枚数に応じて設定された所定のタイミングで試験動作を実行してもよい。ただし、感光体1の摩耗は、一日の画像出力枚数レベルでは、それほど大きく変化しないため、感光体1の表面の凹部の深さもそれほど大きくは変化しない。したがって、本実施例のように、メイン電源ON時とスリープ復帰時のみに試験動作を実行することで充分に感光体1の摩耗の推移を把握することができる。また、試験動作には一定の時間を要するため、試験動作を過度に頻繁に実行すると、かえって画像形成装置100の生産性を低下させてしまうことになる。そのため、画像形成装置100の生産性とのバランスを見て、試験動作を実行するタイミングを決めることが望ましい。
なお、感光体1の残寿命を示す情報は、残寿命〜%のような数値に限定されるものではなく、例えば「まだ十分に使用可能です。」、「そろそろ寿命です。交換の準備をしてください。」、「寿命に到達しました。直ちに交換してください。」など、段階的な感光体1の寿命予告であってよい。また、感光体1の残寿命を示す情報の報知方法は、文字による表示に限定されるものでなく、警告ランプの点灯や音声などの任意の形態であってよい。
また、本実施例によれば、画像形成装置100が自動で感光体1の残寿命を検知できる。したがって、制御部20は、操作者による指示に応じて感光体1の残寿命を示す情報を表示することに限定されず、自動で操作部13に感光体1の残寿命を示す情報を表示するなどしてもよい。例えば、制御部20は、予め設定した所定の閾値よりも残寿命が少なくなった場合に、操作部13に感光体1の残寿命を示す情報を表示することができる。この場合、感光体1の残寿命のレベルに応じて段階的に閾値を複数設け、例えば上述のような段階的な寿命予告を表示することができる。
また、感光体1の残寿命を示す情報は、画像形成装置100の装置本体に設けられた操作部13の表示部において表示することに限定されるものではない。例えば、画像形成装置100がネットワークに繋がっている場合、制御部20は所定のタイミングで自動的に又は指示に応じて、サービスステーションなどにおける画像形成装置100と通信可能に接続された機器に情報を送信することができる。これにより、例えばサービスステーションにおいてその情報を基にサービスマンの出動の要否を判断することなどが可能になる。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、感光体上のトナー像又は被転写体上のトナー像の濃度を検出するセンサ10として、被転写体としての中間転写体上のトナー像の濃度を検出する光学センサを有する。また、画像形成装置100は、感光体1の残寿命に係る情報を得るための試験画像を形成し該試験画像のトナー像の濃度をセンサ10により検出する試験動作を実行させる制御部20を有する。そして、制御部20は、試験動作において、帯電部材2に直流電圧のみからなる帯電電圧を印加することで感光体1を帯電して試験画像を形成させ、センサ10による試験画像の検出結果に基づいて感光体1の残寿命を示す情報を報知するための信号を出力する。また、制御部20は、上記報知するための信号を、感光体1の残寿命を示す情報を記憶する記憶部に出力することができる。また、制御部20は、上記報知するための信号を、当該画像形成装置100に設けられた操作部13に出力し、該操作部13において感光体1の残寿命を示す情報を報知させることができる。また、制御部20は、上記報知するための信号を、当該画像形成装置100に通信可能に接続された機器に出力し、該機器において感光体1の残寿命を示す情報を報知させることができる。
以上、本実施例によれば、実施例1と同様に感光体1の残寿命をより正確に把握できると共に、操作者は、必要時に、強制的に試験画像を出力させることなく、画像形成装置100に保持された感光体1の残寿命を示す情報を速やかに取得することができる。
実施例4
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例3のものと同じである。したがって、実施例3のものと同一又は実施例1のものに対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例3のものと同じである。したがって、実施例3のものと同一又は実施例1のものに対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1の変形例と同様に、1回の試験動作において、DC帯電電圧を用いた試験画像と、DC+AC帯電電圧を用いた比較用試験画像と、を対比可能なように形成する。例えば、試験画像と比較用試験画像は連続して中間転写ベルト6に形成することができる。そして、これら試験画像のトナー像の濃度を光学センサ10で検出した結果と、比較用試験画像のトナー像の濃度を光学センサ10で検出した結果に基づいて、感光体1の残寿命を検知する。
本実施例では、試験画像において生じている濃度段差が、比較用試験画像においても生じている濃度段差が重畳されているものと評価できる。したがって、本実施例では、各画像について求められた濃度段差(最大値、最小値、平均値などであってよい。)の差分に基づいて、感光体1の残寿命を求めるようにすることができる。すなわち、濃度段差ΔDは、次式、ΔD=ΔD1―ΔD2により算出すればよい。ここで、ΔD1はDC帯電電圧を用いて形成された試験画像における濃度段差、ΔD2はDC+AC帯電電圧を用いて形成された比較用試験画像における濃度段差である。
このように、本実施例では、制御部20は、センサ10による試験画像の検出結果及びセンサ10による比較用試験画像の検出結果に基づいて、感光体1の残寿命を示す情報を報知するための信号を出力する。特に、本実施例では、制御部20は、試験画像及び比較用試験画像のセンサ10によるそれぞれの検出結果に基づいて試験画像及び比較用試験画像における濃度ムラに係る情報を求める。そして、制御部20は、試験画像における濃度ムラに係る情報と前記比較用試験画像における濃度ムラに係る情報との差分に基づいて、感光体1の残寿命を示す情報を報知するための信号を出力する。本実施例では、濃度ムラに係る情報は、試験画像の基準となる濃度に対して生じた濃度段差の大きさである。
なお、例えば、実施例1の変形例で説明したのと同様に、試験画像と比較用試験画像との両方に存在する濃度ムラは感光体1の凹部の深さに応じて生じた横スジではないものと評価できる場合がある。この場合、各画像について求められた図15に示すような検出時間(検出位置)と画像濃度Dとの関係を示す情報を比較して、両画像に生じている検出時間(検出位置)以外の濃度段差ΔDに基づいて、感光体1の残寿命を求めるようにすることができる。この場合も、上記除外するもの以外の濃度段差ΔDの最大値、最小値、平均値などに基づいて、図16に示すような濃度段差ΔDと感光体1の残寿命との関係から感光体1の残寿命を求めることができる。
以上、本実施例によれは、より精度の高い感光体1の寿命の検知を自動で行えるようになる。
その他
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、実施例3及び4では、被転写体としての中間転写ベルト上で試験画像の濃度ムラを検出したが、これに限定されるものではない。感光体上、又は被転写体としての転写材上で試験画像の濃度ムラを検出するようにしてもよい。転写材上で試験画像の濃度ムラを検出する場合は、転写材上のトナー像が未定着の状態で検出しても、定着した後の状態で検出してもよい。
また、上述の実施例では、中間転写方式の画像形成装置の場合について説明したが、画像形成装置の構成はこれに限定されるものではない。画像形成装置は、感光体からトナー像を直接転写材に転写する構成であってもよい。例えば、上述の実施例における中間転写体に代えて、転写材を担持して搬送する転写材担持体を有し、この転写材担持体に担持された転写材に複数の感光体からトナー像を順次に転写するものが斯界にて周知である。転写材担持体としては、上述の実施例における中間転写ベルトと同様の転写材担持ベルトなどが用いられる。この場合、転写材担持体、転写材担持体を介して感光体に当接する転写部材などによって、感光体から転写材にトナー像を転写させる転写装置が構成される。このような画像形成装置では、実施例3及び4のように試験画像の濃度ムラを光学センサで検出する場合、感光体上、被転写体としての転写材担持体上、被転写体としての転写材上のいずれで検出してもよい。また、画像形成装置は、カラー画像形成装置に限らず、例えばブラック単色などの単色画像形成装置であってもよい。
また、上述の実施例では、帯電部材は感光体に接触するものとして説明したが、前述のような帯電部材と感光体との間のギャップにおける放電現象により感光体を帯電させられれば、帯電部材は感光体に非接触で近接して設けられていてもよい。
1 感光体
2 帯電ローラ
6 中間転写ベルト
20 制御部
100 画像形成装置
E1 帯電電源
E1c 切り替え部
2 帯電ローラ
6 中間転写ベルト
20 制御部
100 画像形成装置
E1 帯電電源
E1c 切り替え部
Claims (10)
- 表面に複数の各々独立した凹部が形成された感光体と、
前記感光体に近接又は接触して配置され前記感光体を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材に前記感光体を帯電させるための帯電電圧を印加する電源と、
前記帯電部材によって帯電した前記感光体を露光して静電像を形成する露光装置と、
前記露光装置によって前記感光体に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記現像装置によって前記感光体に形成されたトナー像を転写材に転写する転写装置と、
任意の画像情報に応じたトナー像を形成して転写材に転写して出力する画像形成動作と、前記感光体の残寿命に係る情報を得るための試験画像を形成して転写材に転写して出力する試験動作と、を実行させる制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記試験動作において、前記帯電部材に直流電圧のみからなる帯電電圧を印加することで前記感光体を帯電して前記試験画像を形成させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記電源は、前記帯電電圧として、前記画像形成動作時に印加する直流電圧と交流電圧とが重畳された第1帯電電圧と、前記試験動作時に印加する直流電圧のみからなる第2帯電電圧と、を選択的に印加することが可能であり、
前記制御部は、前記試験動作において更に、前記帯電電圧として前記第1帯電電圧を用いて形成した、前記試験画像と対比可能な比較用試験画像を転写材に転写して出力させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記試験動作において更に、前記帯電電圧として前記第1帯電電圧を用いて形成した、前記濃度ムラの状況と前記感光体の残寿命とを関係付けることを可能とする基準画像を転写材に転写して出力させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 表面に複数の各々独立した凹部が形成された感光体と、
前記感光体に近接又は接触して配置され前記感光体を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材に前記感光体を帯電させるための帯電電圧を印加する電源と、
前記帯電部材によって帯電した前記感光体を露光して静電像を形成する露光装置と、
前記露光装置によって前記感光体に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記現像装置によって前記感光体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写装置と、
前記感光体上のトナー像又は前記被転写体上のトナー像の濃度を検出するセンサと、
任意の画像情報に応じたトナー像を形成して転写材に転写して出力する画像形成動作と、前記感光体の残寿命に係る情報を得るための試験画像を形成し該試験画像のトナー像の濃度を前記センサにより検出する試験動作と、を実行させる制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記試験動作において、前記帯電部材に直流電圧のみからなる帯電電圧を印加することで前記感光体を帯電して前記試験画像を形成させ、前記センサによる前記試験画像の検出結果に基づいて前記感光体の残寿命を示す情報を報知するための信号を出力することを特徴とする画像形成装置。 - 前記電源は、前記帯電電圧として、前記画像形成動作時に印加する直流電圧と交流電圧とが重畳された第1帯電電圧と、前記試験動作時に印加する直流電圧のみからなる第2帯電電圧と、を選択的に印加することが可能であり、
前記制御部は、前記試験動作において更に、前記帯電電圧として前記第1帯電電圧を用いて前記試験画像と対比可能な比較用試験画像を形成させ、該比較用試験画像のトナー像の濃度を前記センサにより検出させて、前記センサによる前記試験画像の検出結果及び前記センサによる前記比較用試験画像の検出結果に基づいて、前記感光体の残寿命を示す情報を報知するための信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記試験画像及び前記比較用試験画像の前記センサによるそれぞれの検出結果に基づいて前記試験画像及び前記比較用試験画像における濃度ムラに係る情報を求め、前記試験画像における濃度ムラに係る情報と前記比較用試験画像における濃度ムラに係る情報との差分に基づいて、前記感光体の残寿命を示す情報を報知するための信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記濃度ムラに係る情報は、前記試験画像の基準となる濃度に対して生じた濃度段差の大きさであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記報知するための信号を、前記感光体の残寿命を示す情報を記憶する記憶部に出力することを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記報知するための信号を、当該画像形成装置に設けられた操作部に出力し、該操作部において前記感光体の残寿命を示す情報を報知させることを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記報知するための信号を、当該画像形成装置に通信可能に接続された機器に出力し、該機器において前記感光体の残寿命を示す情報を報知させることを特徴とする請求項4〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (2)
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JP2015022736A JP2016145914A (ja) | 2015-02-06 | 2015-02-06 | 画像形成装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2015022736A JP2016145914A (ja) | 2015-02-06 | 2015-02-06 | 画像形成装置 |
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Cited By (2)
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JP2018045114A (ja) * | 2016-09-15 | 2018-03-22 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
JP2019066543A (ja) * | 2017-09-28 | 2019-04-25 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置 |
-
2015
- 2015-02-06 JP JP2015022736A patent/JP2016145914A/ja active Pending
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