JP2016145746A - 試料積載プレート - Google Patents

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Abstract

【課題】試料積載領域に積載され試料に対する電圧の印加が可能な試料積載プレートを提供する。【解決手段】基板110上に試料200を積載するための試料積載領域147を備えた試料積載プレート100であって、表面が絶縁性である基板110と、前記基板110の表面に形成された導電層120と、を有し、前記導電層120には、前記試料積載領域137と前記試料200が積載されない試料非積載領域を区別するための目印であり、前記試料200を積載する側から前記基板110側へと向かい前記基板110が露出した底部を有する溝130が形成されており、前記溝130は、前記試料積載領域137と試料非積載領域とにおいて前記導電層120の少なくとも一部が接続されるように、前記試料積載領域137の外周部に断続的に形成されている試料積載プレート100とする。【選択図】図1

Description

本発明は、試料を積載する試料積載プレートに関する。
質量分析におけるイオン化法の1つとして、マトリックス支援レーザ脱離イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization:MALDI)が知られている。MALDIでは、レーザ光を吸収しにくい分析対象物や、レーザ光で損傷を受けやすいタンパク質などの分析対象物を分析するために、レーザ光を吸収しやすく且つイオン化しやすい物質(マトリックス)に分析対象物を分散させたものを試料とし、この試料にレーザ光を照射することで、試料(マトリックスおよび分析対象物)をイオン化する。
MALDIを用いた質量分析装置では、一般に、サンプルプレート(またはターゲットプレート)と呼ばれる金属製のプレート上に試料を配置し、プレート上に配置された試料に対してレーザ光を照射する。このとき、金属プレートには、レーザ光の照射に伴って生じたイオンを加速させるために、必要に応じて電圧が印加される。
公報記載の従来技術として、導電性を有するステンレス鋼からなる矩形プレートの第1表面に、合成ろう、天然のろう、脂質、有機酸、エステル、ケイ素オイル、もしくはシリカポリマー等の疎水性コーティングを施してなるサンプルプレートを、MALDI分析に用いることが記載されている(特許文献1参照)。
また、他の公報記載の従来技術として、導電性を有するステンレス鋼からなる基板における第一の表面の少なくとも一部に、疎水性コーティングおよびマトリックスと境界ポリマーとの薄膜混合物のコーティングを含む複合コーティングを施してなるサンプルプレートを、MALDI分析に用いることが記載されている(特許文献2参照)。
特表2005−536743号公報 特開2007−502980号公報
MALDIを利用した質量分析を実行する場合、サンプルプレート(試料積載プレート)に積載された試料に試料積載プレートを介して電圧を印加したい、という要請があるが、安価な試料積載プレートも求められており、ステンレス鋼等の導電性の基板に代わり樹脂等の絶縁性基板上に導電層を形成した試料積載プレートも提案されている。このような試料積載プレートは、絶縁性基板上に導電層が形成されているため、基板上の導電層に試料積載のための目印となるマーク等を形成すると、絶縁層から絶縁基板表面が露出してしまい、分析に必要な電圧が試料積載プレート表面の必要箇所に十分印加できずに、分析ができない、または分析結果にばらつきをもたらす要因となっている。
本発明は、このような課題に鑑み、試料積載プレートの基材として表面が絶縁性を有した基板を用いた場合においても、分析に必要な電圧を印加可能な試料積載プレートを提供することを目的とする。
基板上に試料を積載するための試料積載領域を備えた試料積載プレートであって、表面が絶縁性である基板と、前記基板の表面に形成された導電層と、を有し、前記導電層には、前記試料積載領域と前記試料が積載されない試料非積載領域を区別するための目印であり、前記試料を積載する側から前記基板側へと向かい前記基板が露出した底部を有する溝が形成されており、前記溝は、前記試料積載領域と試料非積載領域とにおいて前記導電層の少なくとも一部が接続されるように、前記試料積載領域の外周部に断続的に形成された試料積載プレートとする。
さらに、前記試料非積載領域における前記導電層上には、前記溝部の底部または前記試料積載領域の表面より疎水性である疎水層が形成されている試料積載プレートとする。
さらに、前記溝は、前記試料積載領域に仮想的十字が見える錯視効果に基づき形成される試料積載プレートとする。
さらに、前記導電層は、金属層と透明層が交互に積層された有色積層体であれ試料積載プレートとする。
本発明によれば、試料積載プレートに積載された試料に対する電圧の印加を適切に行うことが可能な試料積載プレートを提供することができる。
(a)、(b)は、本発明の実施の形態が適用される試料積載プレートの全体構成例を示した図である。 試料積載プレートの層構成を説明するための断面図である。 (a)、(b)は、試料積載プレートにおける導電干渉層の構成例を説明するための図である。 (a)〜(c)は、試料積載プレートにおける、1つのアイランドマーク周辺の構成を説明するための図である。 アイランドマークの他の例を示す図である。 MALDI−TOFMS装置の構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<試料積載プレートの構成>
図1は、本実施の形態が適用される試料積載プレート100の全体構成例を示す図である。ここで、図1(a)は試料を積載する側から試料積載プレート100をみた上面図であり、図1(b)は図1(a)におけるIB−IB断面図である。
本実施の形態の試料積載プレート100は、分析対象物を含む試料200(後述する図4参照)を積載した状態で、MALDI−TOFMS(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization - Time of Flight Mass Spectrometry:マトリックス支援レーザ脱離イオン化−飛行時間型質量分析)装置1(後述する図5参照)に装着され、使用される。
この試料積載プレート100は、表面および裏面を有することで板状に形成された基板110と、基板110の表面を覆うように積層されるとともに、その一部には複数の溝130が形成されてなる被覆層120とを備えている。
ここで、試料積載プレート100を構成する基板110は、図1(a)に示すように、横長の長方形において下方に位置する2つの角部を、それぞれ長方形状に打ち抜いた形状を有している。これを別の観点からみれば、基板110は、それぞれが横長となる長方形を、縦に2つ並べた形状を有しているともいえる。そして、試料積載プレート100において、被覆層120は、溝部130の形成部位を除いた基板110の表面を覆うようになっている。なお、この例において、基板110の裏面には、被覆層120等が設けられておらず、基板110の裏面の全体が外部に露出するようになっている。
また、図1(b)に示すように、試料積載プレート100のうち被覆層120に対して溝部130が形成されている部位には、基板110の表面が外部に露出するようになっている。この例において、溝130の幅は数十μm〜数百μmとなっている。
そして、本実施の形態の試料積載プレート100では、被覆層120に形成される複数の溝部130によって、基板110における表面側に、図1(a)に示す各種マーキングが施されている。より具体的に説明すると、まず、試料積載プレート100の表面側且つ中央部には、複数の溝部130によって、アイランドマーク131が形成されている。アイランドマーク131は、試料積載プレート100の表面において予め設定された、試料を積載するための領域である試料積載領域137の外周部にあたる箇所に形成されており、試料積載領域137と試料が基本的に積載されない試料非積載領域138を区別するための目印となる。本実施の形態では、アイランドマーク131は、4つの溝部130が試料積載領域137を囲うよう円形状に配置されており、試料積載領域137と試料非積載領域138とがアイランドマーク137を形成する溝部130により完全に分断されない構成となっている。また本実施の形態の試料積載プレート100において、アイランドマーク131は試料積載プレート100の表面に縦6行×横8列(合計48個)に並べて配置され、各アイランドマーク131の直径は2mmであり、縦あるいは横に隣接する2つのアイランドマーク131同士の間隔も2mmである。
また、試料積載プレート100の表面側において、6行×8列に並べられた複数のアイランドマーク131の左側には、複数の溝部130によって、各アイランドマーク131の行位置を示す行アドレスマーク132が形成されている。なお、この例においては、1行目〜6行目のそれぞれに対し、行アドレスとして、アルファベットの「A」〜「F」がそれぞれ付されている。
さらに、試料積載プレート100の表面側において、6行×8列に並べられた複数のアイランドマーク131の上側には、複数の溝部130によって、各アイランドマーク131の列位置を示す列アドレスマーク133が形成されている。なお、この例においては、1列目〜8列目のそれぞれに対し、列アドレスとして、アラビア数字の「1」〜「8」がそれぞれ付されている。
また、試料積載プレート100の表面側において、6行×8列に並べられた複数のアイランドマーク131の下方左側には、複数の溝部130によって、この試料積載プレート100に付与されたシリアルナンバー134(この例では「000535」)が形成されている。さらに、試料積載プレート100の表面側において、6行×8列に並べられた複数のアイランドマーク131の下方右側には、複数の溝部130によって、この試料積載プレート100に付与されたコードを含むバーコード135が形成されている。
さらにまた、試料積載プレート100の表面側において、6行×8列に並べられた複数のアイランドマーク131のうち、四隅となる部位の近傍および中央部の5カ所には、複数の溝部130によって、それぞれが十字状の形状を有し、後述するMALDI−TOFMS装置1(図5参照)において試料積載プレート100を位置決めする際の目印となるアライメントマーク136が形成されている。
図2は、図1に示す試料積載プレート100の層構成を説明するための断面図(図1(b)の要部拡大図)である。
上述したように、本実施の形態の試料積載プレート100は、基板110と、基板110の表面を覆うように積層されるとともに、その一部には複数の溝部130(図2には2つの溝部130のみを示す)が形成されてなる被覆層120とを有している。
ここで、基板110は、絶縁性を有するセラミックス材料によって構成される。なお、本実施の形態では、基板110が純度96%程度のアルミナセラミックスにて構成されており、その厚さは800μmであって、その表面および裏面の平坦性は5μm以下となっている。ただし、この例では、基板110がセラミックス材料によって構成されていることから、基板110の表面および裏面には、セラミックス(アルミナ)の粒および粒界の存在に起因する微少な凹凸が存在している。そして、基板110は、太陽光等の白色光を照射した際に、白色を呈するようになっている。
また、積載層の一例としての被覆層120は、導電性を有するとともに白色光を照射した際に光干渉により所定の色を呈するように構成され、基板110の上に積層される導電干渉層121と、基板110よりも高い撥水性(疎水性)を有する撥水層122が導電干渉層121の上に積層される構成になり、その上には試料200(後述する図4参照)が積載される。
そして、導電干渉層121は、導電性を有する金属材料で構成されるとともに基板110の上に積層される第1金属層1211と、可視領域において透明な無機材料で構成されるとともに第1金属層1211の上に積層される第1透明層1212と、導電性を有する金属材料で構成されるとともに第1透明層1212の上に積層される第2金属層1213と、可視領域において透明な無機材料で構成されるとともに第2金属層1213上に積層される第2透明層1214と、導電性を有する金属材料で構成されるとともに第2透明層1214の上に積層され、さらに撥水層122の積層対象となる第3金属層1215とを備える。
ここで、導電干渉層121を構成する第1金属層1211、第1透明層1212、第2金属層1213、第2透明層1214、及び第3金属層1215の各構成は、要求される導電性および呈すべき色に応じて、適宜設計変更することができる。ただし、導電干渉層121が呈すべき色は、白色、灰色および黒色などの無彩色を除いた有彩色(赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、紫色など)であることが好ましい。
なお、第1金属層1211、第2金属層1213及び第3金属層1215が金属層としての機能を有しており、第1透明層1212および第2透明層1214が金属化合物層あるいは透明層としての機能を有している。
また、撥水層122は、Si(シリコン)、C(炭素)およびF(フッ素)を含む撥水材によって構成されている。撥水層122を構成する撥水材の水の接触角は120°となっており、撥水層122の厚さは1nm〜2nm程度である。なお、上述した基板110は、この撥水層122よりも親水性が高く設定されたもの(この例ではアルミナ)によって構成されていることになる。
また、本実施の形態では、試料積載領域137の被覆層120は導電干渉層121のみで構成され、試料非積載領域138の被覆層120は導電干渉層121と撥水層122が積層された構成となっている。この構成により、試料は導電干渉層121の最表層の第3金属層1215(Ti)上に積載されるため、試料に対して良好に電圧を印加することが可能となる。また、Tiは親水性であるため、試料が試料積載領域上で適正に濡れ広がり、且つ安定的に滞留することが可能となる。
図3は、上記導電干渉層121の構成例を説明するための図である。ここで、図3(a)は濃紺色を呈する導電干渉層121が得られる第1の構成例を、図3(b)は青色を呈する導電干渉層121が得られる第2の構成例を、それぞれ示している。
図3(a)に示す第1の構成あ例において、第1金属層1211はNi(ニッケル)で構成されるとともに、その厚さは80nmに設定される。また、第1透明層1212はAl(アルミナ)で構成されるとともに、その厚さは80nmに設定される。さらに、第2金属層1213はTi(チタン)で構成されるとともに、その厚さは10nmに設定される。第2透明層1214はSiO(シリカ)で構成されるとともに、その厚さは90nmに設定される、さらにまた第3金属層1215はTi(チタン)で構成され、その厚さは10nmに設定される。
一方、図3(b)に示す第2の構成例において、第1金属層1211はAl(アルミニウム)で構成されるとともに、その厚さは100nmに設定される。また、第1透明層1212はTiO(チタニア)で構成されるとともに、その厚さは70nmに設定される。さらに、第2金属層1213はNi(ニッケル)で構成されるとともに、その厚さは10nmに設定される。第2透明層1214はSiO(シリカ)で構成されるとともに、その厚さは140nmに設定され、さらにまた第3金属層1215はTi(チタン)で構成され、その厚さは10nmに設定される。
本実施の形態では、導電干渉層121として、金属層(より具体的には第1金属層1211、第2金属層1213及び第3金属層1215)、及び透明層(より具体的には第1透明層1212および第2透明層1214)の積層構造を採用することで、外部から入射してくる光(白色光)のうちの特定の波長を、光干渉によって反射するようになっている。ここで、光干渉の度合い(どの波長の光を反射するか)は、導電干渉層121を構成する各層の構成材料(屈折率)および厚さの、相互関係によって決まる。これにより、図3(a)に示す第1の構成例を採用した導電干渉層121は濃紺色を呈することとなり、図3(b)に示す第2の構成例を採用した導電干渉層121は青色を呈することになる。したがって、導電干渉層121の積層構造(構成材料(屈折率)および厚さ)を適宜変更することにより、所望の色(有彩色)を呈する導電干渉層121を得ることが可能になる。
また、本実施の形態では、試料積載プレート100が、白色を呈するアルミナセラミックスで構成される基板110の上に、有彩色(例えば上述した濃紺色あるいは青色)を呈する被覆層120を積載して構成されており、被覆層120に対し溝部130が形成された部位には、基板110が露出している。このため、各溝部130によって試料積載プレート100に形成されるアイランドマーク131、行アドレスマーク132、列アドレスマーク133、シリアルナンバー134、バーコード135およびアライメントマーク136(すべて図1参照)は白色を呈することになり、有彩色を呈する被覆層120とのコントラストによって、これら各マーキングの視認性が高められている。
なお、図3(a)、(b)に示す例では、導電干渉層121を構成する第1金属層1211と第2金属層1213と第3金属層1215とを、異なる金属材料にて構成していたが、これに限られるものではなく、同じ金属材料で構成してもかまわない。また、図3(a)、(b)に示す例では、導電干渉層121を構成する第1金属層1211と第2金属層1213と第3金属層1215とを、それぞれ単一金属(純金属)で構成するようにしていたが、これに限られるものではなく、いずれか一方あるいは両方を合金で構成するようにしてもかまわない。
さらに、図3(a)、(b)に示す例では、導電干渉層121を構成する第1透明層1212と第2透明層1214とを、異なる無機材料にて構成していたが、これに限られるものではなく、同じ無機材料で構成してもかまわない。さらにまた、図3(a)、(b)に示す例では、導電干渉層121を構成する第1透明層1212と第2透明層1214とを、それぞれ金属酸化物で構成するようにしていたが、これに限られるものではなく、いずれか一方あるいは両方を金属窒化物や金属フッ化物などの無機材料で構成するようにしてもかまわない。そして、図3(a)、(b)に示す例では、導電干渉層121を構成する第1透明層1212と第2透明層1214とを、絶縁性を有する材料で構成していたが、これに限られるものではなく、いずれか一方あるいは両方をITO(酸化インジウムチタン)などの導電性を有する無機材料にて構成するようにしてもかまわない。
図4は、図1に示す試料積載プレート100における、1つのアイランドマーク131周辺の構成を説明するための図である。ここで、図4(a)は試料を積載する側から試料積載プレート100をみた上面図であり、図4(b)は図4(a)におけるIVB−IVB断面図であり、図4(c)は図4(a)におけるIVC−IVC断面図である。
なお、図4には、試料積載プレート100に積載される試料200も、併せて示している。
本実施の形態の試料積載プレート100において、アイランドマーク131は円の4箇所が分離した形状に形成された溝部130によって得られ、アイランドマーク131に囲われた領域は試料積載領域137であり、アイランドマーク131の外側は、試料非積載領域138となっている。ただし、被覆層120に対してアイランドマーク131が4箇所分離した形状に形成されていることにより、試料積載領域137と試料非積載領域138とは完全に分断されているわけではなく、一部において接続した(連結した)状態を維持している。具体的には、試料積載領域137と試料非積載領域138との間で、導電干渉層121を有する被覆層120が接続した状態となっている。このような構成とすることで、質量分析行う際に試料積載プレート100に電圧を印加した際に、試料積載プレート100の表面において導通が適正に確保することができ、試料積載領域137上に積載される試料200に適正に電圧が印加できる。なお、この例において、1つの試料積載プレート100には、48個のアイランドマーク131が形成されている(図1参照)ことから、試料積載領域137も48個存在している。そして、この試料積載プレート100には、試料積載領域137の一例としての48個それぞれに対して、試料200が積載され得るようになっている。
次に、本実施の形態のアイランドマーク131の他の例について説明する。図5は、アイランドマークの他の例を示す図である。図5では、試料積載プレート100の溝部130を一本の実線として表わしている。図5に示すアイランドマーク131は、試料積載領域137と試料非積載領域138を区別するための目印となるように構成しつつ、試料積載領域137と試料非積載領域138との間で被覆層120を分断させない構成となっている。図5の(a)では円状の試料積載領域137の外周部に断続的に溝部130を配置した構成であり、(b)は(a)の溝部130を使用積載領域137を囲う方向に二重に配置した構成、(c)は、角状の試料積載領域137の外周部に断続的に溝部130を配置した構成、(d)は試料積載領域137の外周部に試料積載領域137中心から外側に向かう直線状の溝部130を4か所配置した構成である。(a)〜(d)におけるアイランドマーク131は、一つの試料積載領域137の中心に対して対抗する箇所に溝部130が形成されていない溝部130の分断箇所、あるいは試料積載領域137の中心に向かう直線状の溝部130が形成されることで、いわゆる錯視効果により試料積載領域137の中心に仮想的十字が見えるようにし、試料積載領域の中心を認識しやすくした形状となっている。この形状により、試料積載領域137を小さく設定した場合においても、視認性を良好に維持したアイランドマーク131とすることが可能となる。
<試料>
ではここで、本実施の形態の試料積載プレート100に積載される試料200について説明しておく。
後述するMALDI−TOFMS装置1(図6参照)が採用するMALDI(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization:マトリックス支援レーザ脱離イオン化)では、特定波長(例えば紫外)で発振するレーザを特異的に吸収するマトリックス中に、分析対象物を分散させ且つ固化させたものを試料200として用いる。ここで、分析対象物としては、生体から取り出された血液、唾液、痰あるいは尿等の検体や、各種有機化合物等が挙げられる。
また、MALDIにおいて、紫外線レーザを用いる場合に使用されるマトリックスとしては、SA(sinapinic acid)、CHCA(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid)、DHBA(2,5-dihydroxybenzoic acid)、HABA(2-(4-hydroxy phenylazo) benzoic acid)等が挙げられる。
なお、ここでは、試料200が、分析対象物とマトリックスとを含むものとして説明を行ったが、必要に応じて、試料200に、さらにイオン化助剤を添加することもできる。
<試料積載プレートに対する試料の積載方法>
続いて、試料積載プレート100に対する試料200の積載方法について説明を行う。
ここでは、まず、溶媒とマトリックスと分析対象物とを混合してマトリックス中に分析対象物を分散させることにより、液体状の試料200を準備する。液体状の試料200の作製においては、分析対象物に対してマトリックスを過剰に供給する。ここで、マトリックスは白色を呈するものであるため、得られる試料200も白色を呈するようになっている。
なお、本実施の形態では、1つの試料積載プレート100に48個の試料積載領域137が設けられており、各試料積載領域137に対しそれぞれ試料200を積載することが可能である。したがって、1つの試料積載プレート100に対し、分析対象物が異なる試料200を、最大で48種類積載することができる。
次に、被覆層120が上方を向くように試料積載プレート100を設置する。そして、試料積載プレート100における各試料積載領域137に対し、液体状の試料200を供給する。このとき、供給先となる試料積載領域137は、有彩色を呈する試料積載領域137に対応して設けられた、白色を呈するアイランドマーク131(溝130)によって、その判別が容易になっている。なお、液体状の試料200は、例えば滴下によって試料積載領域137に供給してもよいし、例えば塗布によって試料積載領域137に供給してもかまわない。
試料積載領域137に供給された液体状の試料200は、重力の影響により、試料積載領域137の面に沿って放射状に広がろうとする。ただし、液体状の試料200は、試料積載領域137の最上部に位置する撥水層122に供給されていることから、液体状の試料200には、撥水層122により、この放射状の広がりを抑制しようとする力も働く。そして、液体状の試料200を放射状に広げようとする力が、放射状の広がりを抑止しようとする力に打ち勝った場合、液体状の試料200は、試料積載領域137から試料非積載領域138に向けて広がっていくことになる。
ここで、本実施の形態では、試料積載領域137の外側すなわち試料非積載領域138と対向する部位に、溝130によるアイランドマーク131が形成されている。このため、試料積載領域137から試料非積載領域138へと向かう試料200は、試料非積載領域138に到達する前に、アイランドマーク131を構成する溝130の内部へと入り込み、底となる部位すなわち基板110が露出する部位へと到達する。このとき、本実施の形態では、基板110が、上記撥水層122よりも親水性が高いアルミナで構成されていることから、溝130の内部に進入した試料200は、安定した状態で溝130内に滞留する。その結果、アライメントマーク131を構成する溝部130を設けない場合と比較して、試料積載領域137から試料非積載領域138へと移動する試料200を少なくすることが可能となり、試料積載プレート100上での試料200の広がりを抑えること、ひいては、試料積載プレート100上において隣接する2つの試料200が混ざり合ってしまうことを回避することが可能になる。
そして、試料積載プレート100に対し、必要数の試料200の供給が終了した後、試料積載プレート100における各試料積載領域137に積載された各試料200を乾燥、固化させる。試料積載プレート100上で固化した各試料200は、引き続き白色を呈するものとなっている。
以上により、試料積載プレート100に対する各試料200の積載(固定)が完了する。
<試料積載プレートの製造方法>
次に、図1等に示す試料積載プレート100の製造方法について説明する。
(基板形成工程)
最初に、基板110の形成を行う。具体的に説明すると、図1に示す形状に予め成型、焼成された基板110の母材に対し、その表面のおよび裏面に対する研磨を行い、厚さを800μmとし且つ平坦性を5μm以下に設定した基板110を得る。
(被覆層形成工程)
次に、上記基板形成工程によって得られた基板110の表面に対し、導電干渉層121および撥水層122を含む被覆層120を形成する。なお、この例において、第1金属層1211、第1透明層1212、第2金属層1213第2透明層1214、および第3金属層1215を含む導電干渉層121と、撥水層122とは、複数の蒸着源を搭載可能な電子ビーム蒸着装置を用いることで、1バッチのプロセスにて順次積層されるようになっている。
具体的に説明すると、被覆層形成工程のうち、導電干渉層121を形成するプロセスでは、図示しないチャンバ内に配置された基板110の表面に対し、各層に対応する金属材料を蒸着源とし、第1金属層1211、第2金属層1213及び第3金属層1215については高真空中で、また、第1透明層1212および第2透明層1214については酸素雰囲気中で、それぞれ電子ビーム蒸着を行うことにより、順次、目的とする各層を得る。
また、被覆層形成工程のうち、撥水層122を形成するプロセスでは、図示しないチャンバ内に配置されるとともに、上記プロセスによって基板110の表面に既に形成済となっている導電干渉層121(より詳細には第2透明層1214)の露出面に対し、Si(シリコン)、C(炭素)およびF(フッ素)を含む撥水材をスチールウールに含ませたものを蒸着源とし、高真空中で電子ビーム蒸着を行う。そして、スチールウールから蒸発した撥水材が第3金属層1215の上に付着することにより、目的とする撥水層122を得る。なお、被覆層形成工程においては、必要に応じて、基板110を加熱することも可能である。
以上により、基板110における表面の全面にわたって、被覆層120が形成される。
(溝形成工程)
続いて、上記被覆層形成工程により、基板110の表面に形成された被覆層120に対し、Nd−YAGレーザ(発振波長:1054nm)の2次高調波(532nm)を用いて、その照射位置を順次移動させていくことで、溝130の形成を行う。このとき、照射されたレーザによって被覆層120が除去され、基板110の表面が外部に露出する溝130が形成されるように、レーザのパワーや照射時間等が決められる。
そして、基板110の表面に形成された被覆層120に対し、上記プロセスによって複数の溝130を順次形成していく。その結果、基板110上に積層された被覆層120には、複数の溝130によって、アイランドマーク131、行アドレスマーク132、列アドレスマーク133、シリアルナンバー134、バーコード135およびアライメントマーク136が設けられる。
(試料積載領域形成工程)
続いて、試料積載領域137が形成される箇所を除く疎水層122上に、金属やセラミックスで作製されたマスクを設置し、真空中でO2、Ar及びその混合プラズマに疎水層122を暴露することで疎水層122の除去を行い、第3金属層1215を露出させ試料積載領域137を形成する。この時、金属やセラミックスで作製されたマスクはフォトレジスト等で代替えすることも可能である。
以上により、図1等に示す試料積載プレート100が得られる。
<MALDI−TOFMS装置の構成>
図6は、MALDI−TOFMS装置1の構成例を示す図である。
このMALDI−TOFMS装置1は、分析対象物を含む試料200を、MALDI(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization)によってイオン化するとともに、試料200をイオン化して得られた各イオンを、TOFMS(Time of Flight Mass Spectrometry)によって時間的に分離して検出する方式を採用した質量分析装置である。
このMALDI−TOFMS装置1は、試料200が積載された試料積載プレート100を保持するプレート保持部10と、プレート保持部10に保持された試料積載プレート100に積載された試料200にレーザ光を照射するレーザ光源20と、レーザ光の照射に伴って試料200から脱離した、試料200をイオン化して得られた各イオンの飛行経路となる飛行空間を形成することで、各イオンの質量分離を行う質量分離部30と、質量分離部30における飛行空間を経て到達した各イオンを時系列的に検出する検出部40とを備える。
これらのうち、プレート保持部10は、基板110の裏面側を介して試料積載プレート100を搭載するとともに、図5に示すx方向およびx方向に直交するy方向に移動可能に設けられた可動基部11と、それぞれがフック状の形状を有し且つ可動基部11に取り付けられるとともに可動基部11に搭載された試料積載プレート100を挟み込んで保持するクランプ12とを備える。ここで、各クランプ12の自由端側は、可動基部11上に試料積載プレート12を搭載した状態で、試料積載プレート100における試料200の積載面側すなわち被覆層120(図1参照)と接触するようになっている。
本実施の形態において、プレート保持部10を構成する可動基部11およびクランプ12は、ともに導電性を有する金属材料で構成されている。そして、プレート保持部10には、図示しない電源より、可動基部11を介して第1電圧V1が印加されるようになっている。したがって、可動基部11に印加される第1電圧V1は、クランプ12を介して、試料積載プレート100に設けられた被覆層120にも伝達されるようになっている。また、本実施の形態において、プレート保持部10は、可動基部11を介してx方向およびy方向に移動することにより、レーザ光源20からのレーザの照射位置(測定対象位置)に存在する試料200を変更できるようになっている。
次に、レーザ光源20は、パルス発振にて動作する紫外レーザの1種である窒素ガスレーザ(発振波長:337nm)にて構成される。なお、レーザ光源20の発振波長は、試料200を構成するマトリックスの吸収波長に応じて変わり得る。したがって、試料200を構成するマトリックスの種類によっては、窒素ガスレーザとは異なる別のレーザを用いることもあり得る。
さらに、質量分離部30は、プレート保持部20に対向して配置される第1グリッド31と、第1グリッド31に対向して配置される第2グリッド32と、第2グリッド32と検出部40とに対向して配置されるエンドプレート33とを備える。ここで、これら第1グリッド31、第2グリッド32およびエンドプレート33は、それぞれ、金属製の枠体に金属製のグリッドを装着して構成されており、レーザ光源20からのレーザの照射位置に存在する試料200からみて、z方向(x方向とy方向とに直交する方向)の下流側に配置されている。そして、第1グリッド31には、図示しない電源により、第2電圧V2が印加されるようになっている。一方、第2グリッド32およびエンドプレート33は接地されている。
さらにまた、検出部40は、エンドプレート33に対向し、レーザ光源20からのレーザの照射位置に存在する試料200からみて、質量分析部30よりもさらにz方向の下流側に配置されている。
なお、特に図示はしていないが、MALDI−TOFMS装置1において、試料積載プレート100を保持したプレート保持部10、質量分離部30および検出部40は、通常、高真空に設定されたチャンバの内部に配置されるようになっており、飛行空間においてガスの粒子等が飛行の障害とはならないようにされる。
<MALDI−TOFMS装置による質量分析動作>
では、図5に示すMALDI−TOFMS装置1による質量分析動作について、簡単に説明を行う。
質量分析動作を開始する前の状態において、プレート保持部10には、各試料200を積載した試料積載プレート100が取り付けられる。そして、試料積載プレート100を装着した状態で、プレート保持部10の可動基部10をx方向およびy方向に移動させることで、分析の対象となる試料200を測定対象位置に配置する。
また、質量分析動作を開始する前の状態において、プレート保持部10に印加される第1電圧V1、および、質量分離部30における第1グリッド31に印加される第2電圧V2を、同じ大きさ(≠0)に設定する。
そして、質量分析動作の開始に伴い、レーザ光源20から測定対象位置に存在する試料200に向けてレーザ光を照射する。すると、レーザ光が照射された試料200においては、試料200におけるマトリックスがレーザ光を吸収することに伴い、試料200を構成するマトリックスおよび分析対象物がともにイオン化し、z方向に向かって飛行し始める。
このとき、試料積載プレート100を保持するプレート保持部10とプレート保持部10に対向して配置される第1グリッド31とには、上述したように同じ大きさの電圧(第1電圧V1=第2電圧V2)が供給されている。そして、プレート保持部10の可動基部11に印加される第1電圧V1は、クランプ12を介して試料積載プレート100に設けられた被覆層120にも供給される。ここで、被覆層120には、導電性を有する第1金属層1211および第2金属層1213(図2参照)が設けられていることから、被覆層120の電位と、被覆層120に対向する第1グリッド31との電位差がほぼ0となる。その結果、被覆層120が設けられた試料積載プレート100側から第1グリッド31側へとz方向に飛行する各イオンは、電位差による加速がなされない状態で移動していく。
次に、プレート保持部10に供給する第1電圧V1と第1グリッド31に供給する第2電圧V2とに差をつける。なお、飛行するイオンが正に帯電するものである場合には、第1電圧V1>第2電圧V2とし、飛行するイオンが負に帯電するものである場合には、第1電圧V1<第2電圧V2とする。すると、プレート保持部10(被覆層120)と第1グリッド31との間をz方向に沿って飛行するイオンは、両者間の電位差によって加速された状態となり、さらに第2グリッド32およびエンドプレート33を通過して、検出部40へと到達する。
その際、例えば分子量が小さく軽いイオンは、より短い飛行時間にて検出部40に到達することになるが、例えば分子量が大きく重いイオンは、より長い飛行時間にて検出部40に到達することになる。すなわち、飛行するイオンの重さ(分子量の大きさ)に応じて、検出部40に到達する時間が変化することになる。そして、検出部40による検出結果は、図示しない解析装置(例えばコンピュータ装置)へと出力され、この解析装置により、試料200を構成する分析対象物に関する質量分析が行われることになる。
本実施の形態では、試料積載プレート100を構成する基板110として絶縁性を有するセラミックス材料を用いているので、プレート保持部10から基板110を介して、試料積載プレート100に積載される試料200に電圧を印加することは困難となっている。そこで、本実施の形態では、基板110上に形成されるとともに試料200を積載する対象となる被覆層120(より具体的には導電干渉層121)に導電性を持たせることで、試料200に対する電圧の印加を可能としている。
また、本実施の形態では、試料積載プレート100に設けられた被覆層120のうち、アイランドマーク131の内側となる試料積載領域137に、試料200を積載している。ただし、上述したように、アイランドマーク131を試料積載領域137を断続的に囲うような形状とすることで、試料積載領域137と試料非積載領域138とを一体化しているので、試料200を積載する試料積載領域137にも、第1電圧V1が印加されることになる。
ここで、試料積載プレート100では、導電層を構成する第1金属層1211および第2金属層1213がその表面には露出していないが、クランプ12を用いて可動基板11に試料積載プレート100を取り付ける際に形成される傷等によって、クランプ12と第2金属層1213および/または第1金属層1211とが直接接触し、これらの間で導通がとられることになるものと考えられる。
そして、本実施の形態では、試料積載プレート100に設けられた被覆層120の導電干渉層121に、有彩色を呈する機能と導電性を有する機能とを持たせるようにしたので、例えば両者を別々に設ける場合と比較して、試料積載プレート100の構成を簡略化することが可能になる。
また、本実施の形態では、試料積載プレート100における基板として、金属板ではなく、セラミックスで構成された板を採用した。これにより、本実施の形態の試料積載プレート100は、曲げ力やねじれ力に伴う変形が生じにくくなっている。それゆえ、本実施の形態の試料積載プレート100は、基板110上に形成される被覆層120の平坦性を、長期にわたって維持することが可能となる。また、本実施の形態の試料積載プレート100を保持プレート10に装着した際の、試料積載プレート100の変形も抑制されることになる。
なお、本実施の形態では、基板110としてアルミナセラミックスを用いていたが、これに限られるものではなく、他の絶縁性セラミックスを用いてもかまわない。
また、本実施の形態では、電子ビーム蒸着法を用いて、被覆層120を構成する各層の形成を行うようにしていたが、これに限られるものではなく、他の成膜法を用いてもかまわない。
さらに、本実施の形態では、レーザ加工法を用いて試料積載プレート100に溝130を形成するようにしていたが、これに限られるものではなく、他の手法を用いた形成を行ってもかまわない。
1…MALDI−TOFMS装置、10…プレート保持部、20…レーザ光源、30…質量分離部、40…検出部、100…試料積載プレート、110…基板、120…被覆層、120a…島状部、120b…包囲部、121…導電干渉層、122…撥水層、130…溝、131…アイランドマーク、132…行アドレスマーク、133…列アドレスマーク、134…シリアルナンバー、135…バーコード、136…アライメントマーク、137…試料積載領域、138…試料非積載領域、200…試料、1211…第1金属層、1212…第1透明層、1213…第2金属層、1214…第2透明層

Claims (4)

  1. 基板上に試料を積載するための試料積載領域を備えた試料積載プレートであって、
    表面が絶縁性である基板と、
    前記基板の表面に形成された導電層と、を有し、
    前記導電層には、前記試料積載領域と前記試料が積載されない試料非積載領域を区別するための目印であり、前記試料を積載する側から前記基板側へと向かい前記基板が露出した底部を有する溝が形成されており、
    前記溝は、前記試料積載領域と試料非積載領域とにおいて前記導電層の少なくとも一部が接続されるように、前記試料積載領域の外周部に断続的に形成されていることを特徴とする試料積載プレート。
  2. 前記試料非積載領域における前記導電層上には、前記溝部の底部または前記試料積載領域の表面より疎水性である疎水層が形成されていることを特徴とする請求項1の試料積載プレート。
  3. 前記溝は、前記試料積載領域に仮想的十字が見える錯視効果に基づき形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の試料積載プレート。
  4. 前記導電層は、金属層と透明層が交互に積層された有色積層体であれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の試料積載プレート。
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