JP2016145285A - 変性共役ジエン系重合体及びそれを含むゴム組成物 - Google Patents

変性共役ジエン系重合体及びそれを含むゴム組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を更に改良し得る変性共役ジエン系重合体、及びそれを用いたゴム組成物を提供すること。
【解決手段】アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物が、共役ジエン系重合体の末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに共有結合してなる変性共役ジエン系重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、低発熱性及び耐摩耗性を向上し得る変性共役ジエン系重合体及びそれを含むゴム組成物に関するものである。
昨今、省エネルギーの観点から、転がり抵抗の小さいタイヤが求められている。そのため、タイヤのトレッド等に使用するゴム組成物として、tanδが低く、低発熱性に優れたゴム組成物が求められている。また、トレッド用のゴム組成物においては、低発熱性に加え、耐摩耗性に優れることが求められている。これに対して、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を改良するためには、ゴム組成物中のカーボンブラックやシリカ等の充填材とゴム成分との親和性を向上させる種々の試みがなされている。
例えば、特許文献1では、天然ゴム、天然ゴムラテックス凝固物及び天然ゴムカップランプからなる群から選択される少なくとも一種の天然ゴム原材料に、極性基含有化合物を、機械的せん断力を与えてグラフト重合又は付加させてなる変性天然ゴムが提案されている。
また、特許文献2では、天然ゴムラテックスに極性基含有メルカプト化合物を添加し、該極性基含有メルカプト化合物を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子に付加させてなる変性天然ゴムラテックスが開示されている。
さらに、特許文献3〜6では、天然ゴムラテックスに種々の極性基含有単量体をグラフト重合してなる変性天然ゴムが提案されている。
しかしながら、カーボンブラック及び/又はシリカからなる補強性充填材との親和性を更に向上させ、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を更に改良し得るゴム成分を得るべく、変性共役ジエン系重合体を更に改良する余地があった。
特開2006−152171号公報 特開2006−152045号公報 特開2004−359716号公報 特開2004−359717号公報 特開2004−359713号公報 特開2004−359714号公報
本発明は、このような状況下で、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を更に改良し得る変性共役ジエン系重合体、及びそれを用いたゴム組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために、種々の化合物で共役ジエン系重合体を変性することを試みて、特定の化合物で変性することにより、本発明の課題を解決し得ることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物が共役ジエン系重合体の末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに共有結合してなる変性共役ジエン系重合体、及びその変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物である。
本発明によれば、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を更に改良し得る変性共役ジエン系重合体、及びそれを用いたゴム組成物を提供することができる。
[変性共役ジエン系重合体]
本発明は、アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物が、共役ジエン系重合体の末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに共有結合してなる変性共役ジエン系重合体である。
本発明の変性共役ジエン系重合体に用いられる共役ジエン系重合体は、モノマー単位成分(共重合体の一部)として非共役オレフィンを含まない重合体(ポリマー)であることが好ましい。なお、スチレン及びアクリロニトリルは、非共役オレフィンに含まれないものとする。
前記共役ジエン系重合体としては、特に制限はなく、ジエン系単独重合体及びジエン系共重合体のいずれでも良く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然ゴム(NR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン三元共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム(IBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴムなどが挙げられる。これらの内、天然ゴム及び乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムが好ましく、天然ゴムが特に好ましい。
[アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物]
本発明に係るアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物は、特に制限されないが、アミノ酸、ペプチド、ポリアミノ酸及びタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係るアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物は、チロシン、チロシンを含むペプチド(末端にチロシンを含んでもよい。)、チロシンを含むポリアミノ酸(末端にチロシンを含んでもよい。)、システィン、システィンを含むペプチド(末端にシスティンを含んでもよい。)、システィンを含むポリアミノ酸(末端にシスティンを含んでもよい。)、トリプトファン、トリプトファンを含むペプチド(末端にトリプトファンを含んでもよい。)、トリプトファンを含むポリアミノ酸(末端にトリプトファンを含んでもよい。)、グルタミン酸やアスパラギン酸などの酸性アミノ酸、グルタミン酸やアスパラギン酸などの酸性アミノ酸を含むペプチド(末端に酸性アミノ酸を含んでもよい。)、グルタミン酸やアスパラギン酸などの酸性アミノ酸を含むポリアミノ酸(末端に酸性アミノ酸を含んでもよい。)、リシン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸、リシン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸を含むペプチド(末端に塩基アミノ酸を含んでもよい。)、並びにリシン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸を含むポリアミノ酸(末端に塩基アミノ酸を含んでもよい。)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好適に挙げられる。
上記の内、本発明に係るアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物としては、チロシン、チロシンを含むペプチド、チロシンを含むポリアミノ酸、システィン、システィンを含むペプチド、並びにシスティンを含むポリアミノ酸からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が特に好適に挙げられる。
本発明に係るアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物において、ペプチドとは、複数のアミノ酸がアミド結合で連なったものをいう。ポリアミノ酸とは、複数のアミノ酸の繰り返し単位からなるポリマー(例えば側鎖のカルボキシル基とアミン基などでポリマー化しているものも含まれる。)をいい、ポリペプチドとも称される。
また、アミノ酸残基数とは、タンパク質、ポリアミノ酸又はペプチドに含まれるアミノ酸残基の数(末端を含む)をいい、本発明においては、アミノ酸残基数をAAで表わす。すなわち、2AAとは、アミノ酸残基数2を表す。平均アミノ酸残基数とは、アミノ酸残基数の相加平均値をいう。
本発明に係るアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物がペプチドである場合は、アミノ酸残基数2(2AA)以上アミノ酸残基数130(130AA)以下であることが好ましく、アミノ酸残基数2(2AA)以上アミノ酸残基数100(100AA)以下であることがより好ましく、アミノ酸残基数2(2AA)以上アミノ酸残基数10(10AA)以下であることが更に好ましい。2AA以上であれば、すなわち、ペプチドであれば、アミノ基およびカルボキシル基がポリマーから少し離れるため立体障害の影響が抑えられフィラーと相互作用しやすい。また、側鎖の数が増えるためフィラーと相互作用する可能性があがるためであり、130AA以下であれば、フィラーとの相互作用を高めたまま、ポリマーゲルの増加を抑えられるからであるからである。
また、チロシン、システィン等のアミノ酸は、アミノ酸残基数が1(1AA)である。1AAであるアミノ酸は、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を改良する効果が高く、好ましい。
従って、本発明に係るアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の平均アミノ酸残基数(AA)は、1以上130以下であることが好ましく、1以上100以下であることがより好ましく、1以上10以下であることが更に好ましい。
本発明において、平均アミノ酸残基数(AA)は、以下の方法で測定する。
変性共役ジエン系重合体の供試サンプルを再沈によって非共有結合のタンパク、ペプチド等を除去した後、赤外分光法で、赤外線の吸光スペクトルを測定し、変性共役ジエン系重合体のアミド結合特有の吸収波長を定量して、変性共役ジエン系重合体の供試サンプル100g中のアミド結合量(mmol)を算出する。
次に、次式(a)により、総アミノ酸量を求め、次式(b)により、結合ペプチドの平均アミノ酸残基数(AA)を求める。なお、変性度の定義及び測定方法は後述する。
変性度+アミド結合量=総アミノ酸量(mmol)・・・(a)
(総アミノ酸量/変性度)=平均アミノ酸残基数(AA)・・・(b)
本発明に係るアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物中のアミノ酸は、生体内に存在する20種以外でもよい。
本発明において、変性度(ミリモル)とは、変性共役ジエン系重合体100g中の前記アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の結合量[mmol(ミリモル)]をいう。本発明において、変性共役ジエン系重合体100g中の前記アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の結合量が0.005〜55mmolであることが好ましく、0.01〜27mmolであることがより好ましく、0.05〜16mmolであることが更に好ましい。
天然ゴムにおいては、変性度が高過ぎると伸長結晶性に悪影響を及ぼす可能性があるため、低ロス性と両立させるためには変性度2.0mmol以下が特に望ましい。
変性度は、以下の方法で測定する。
変性共役ジエン系重合体の供試サンプルを6N塩酸中に、110℃、24時間浸漬し、加水分解反応させ、再沈によって非共有結合のアミノ酸やペプチドを除去した後、熱分解ガスクロマトグラフィー(熱分解GC)によって変性共役ジエン系重合体の供試サンプル100g中のアミノ酸量(mmol)を定量し、変性度(mmol)とする。
なお、プロテアーゼ等を用いてラテックス中に含まれるたんぱく質を切断することでペプチドを作成することができる。
本発明に係るアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物は、共役ジエン系重合体の分子鎖末端、及び/又は分子鎖内の二重結合又は二重結合のα位と反応して、本発明の変性共役ジエン系重合体が形成される。
本発明の変性共役ジエン系重合体は、本発明に係るアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の内、チロシン、チロシンを含むペプチド(末端にチロシンを含んでもよい。)、並びにチロシンを含むポリアミノ酸(末端にチロシンを含んでもよい。)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である場合は、その化合物のフェノキシ基が、ラッカーゼ等のフェノールオキシダーゼによりフェノキシ・ラジカルとなり、このラジカルが、共役ジエン系重合体の末端に付加して、及び/又は分子鎖内(主鎖及び側鎖の少なくとも一方)の二重結合又は二重結合のα位に付加して形成されることが好ましい。
フェノールオキシダーゼとしては、ラッカーゼが好ましい。ラッカーゼはフェノール類を酸化する能力を持つ酸化酵素である。
また、本発明に係るアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物が、システィン、システィンを含むペプチド(末端にシスティンを含んでもよい。)、システィンを含むポリアミノ酸(末端にシスティンを含んでもよい。)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の場合は、チオール基の反応性が高いので、反応触媒がなくても、共役ジエン系重合体の末端と、及び/又は分子鎖内(主鎖及び側鎖の少なくとも一方)の二重結合と容易に反応する。但し、反応を促進させる等の目的で、所望により2,2’−アゾジイソブチロニトリル(AIBN)、パーオキサイド等のラジカル重合開始剤を添加してもよい。
本発明の変性共役ジエン系重合体は、ポリマーゲル量が少ない方が好ましい。ここで、ポリマーゲルとは、重合体中の重合体分子が架橋等により三次元的な網目構造を形成し高分子量となった重合体中の成分をいい、通常、重合体中のトルエン不溶解成分をいう。変性共役ジエン系重合体中にポリマーゲルが多量に存在すると、変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物の加工性が低下するので、ポリマーゲル量が少ないことが好ましい。この観点から、変性共役ジエン系重合体中のポリマーゲル量は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、12質量%以下が更に好ましい。ポリマーゲル量は、ゴム0.2gをトルエンに一晩膨潤させ、遠心分離機を用いて、35000rpmで1.5時間処理し、沈降したゲルをドラフト内に2日間放置乾燥して秤量し、ポリマーゲルとして、処理前のゴムの全体質量で割た値を質量%で表す。
また、本発明の変性共役ジエン系重合体は、例えば、以下のようにして製造される。
本発明においては、一般に、天然ゴム及び合成共役ジエン系重合体から選ばれる少なくとも1種の共役ジエン系重合体の、ラテックス、水乳化状物又は水分散物に水及び必要に応じて乳化剤を加えた溶液中に、上記アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物を加え、所定の温度で撹拌することで、上記アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物を共役ジエン系重合体のラテックス、水乳化状物又は水分散物中の共役ジエン系重合体分子の末端、及び/又は分子鎖内(主鎖及び側鎖の少なくとも一方)の二重結合に付加反応させる。なお、共役ジエン系重合体のラテックス、水乳化状物又は水分散物ヘの、上記アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の添加においては、予め共役ジエン系重合体のラテックス、水乳化状物又は水分散物中に所望により乳化剤を加えてもよいし、アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物を乳化剤で乳化した後に共役ジエン系重合体のラテックス、水乳化状物又は水分散物に加えてもよい。また、必要に応じて、更にラッカーゼ、AIBN,有機過酸化物等の反応触媒を添加することもできる。なお、共役ジエン系重合体のラテックス、水乳化状物又は水分散物及び/又はアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の乳化に使用できる乳化剤としては、特に限定されず、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
本発明の変性共役ジエン系重合体にカーボンブラックやシリカ等の充填材を配合して、ゴム組成物の加工性を低下させることなく低発熱性及び耐摩耗性を向上させるには、各共役ジエン系重合体分子に上記アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物が少量且つ均一に導入されることが重要であるため、上記変性反応は、撹拌しながら行うことが好ましく、例えば、共役ジエン系重合体のラテックス、水乳化状物又は水分散物、及びアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物等の上記成分を反応容器に仕込み、30〜80℃で10分〜24時間反応させることで、共役ジエン系重合体分子に上記アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物が付加した変性共役ジエン系重合体のラテックス、水乳化状物又は水分散物が得られる。このようにして得た変性共役ジエン系重合体のラテックス、水乳化状物又は水分散物は、そのままラテックス、水乳化状物又は水分散物の状態で使用してもよいし、さらに凝固及び乾燥することにより固形状態にして使用してもよい。なお、ゴム組成物に使用する場合は、固形ゴムとして用いることが好ましい。固形ゴムとして使用する場合は、上記変性共役ジエン系重合体のラテックス、水乳化状物又は水分散物を凝固し、洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー、二軸押出機等の乾燥機を用いて乾燥することで、固形状態の変性共役ジエン系重合体が得られる。ここで、変性共役ジエン系重合体のラテックス、水乳化状物又は水分散物を凝固するのに用いる凝固剤としては、特に限定されるものではないが、ギ酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩が挙げられる。
本発明の変性共役ジエン系重合体における、アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の添加量が0.01質量部以上であれば、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を特に好適に改良することができる。アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の添加量が10質量部以下であれば、粘弾性、S−S特性(引張試験機における応力−歪曲線)等の共役ジエン系重合体本来の物理特性を大きく変えることはなく、共役ジエン系重合体本来の優れた物理特性を確保すると共に、ゴム組成物の加工性を維持又は向上することが、特に好適に可能となる。
本発明に係るゴム組成物のゴム成分は、上記変性共役ジエン系重合体に加えて、他のジエン系ゴムを本発明の目的を逸脱しない範囲で含むことができる。例えば、ゴム成分中、変性共役ジエン系重合体50〜100質量%及び他のジエン系ゴム50〜0質量%が好ましい。他のジエン系ゴムとしては、天然ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム(Cl−IIR、Br−IIR等)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム(EBR)、プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム(PBR)、クロロプレンゴム等を用いることができる。変性共役ジエン系重合体は1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよく、他のジエン系ゴムも1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
本発明に係るゴム組成物は、上記変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分に加えて、更に充填材を含有することが好ましい。ここで、充填材の配合量は、特に限定されるものではないが、上記変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して5〜150質量部の範囲が好ましく、10〜100質量部の範囲が更に好ましい。充填材の配合量が5質量部以上であれば、好適に補強性を得ることができ、150質量部以下であれば、加工性の悪化を防ぐことができる。
本発明に係るゴム組成物に配合される充填材としては、カーボンブラック及び無機充填材から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
カーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック、特にSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。窒素吸着比表面積(NSA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)が30〜250m/gであることが好ましい。
このカーボンブラックは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において、カーボンブラックは無機充填材に含まれない。
本発明に係るゴム組成物に配合される無機充填材としては、低発熱性と耐摩耗性の両立の観点からシリカが好ましい。シリカとしては市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式沈殿法(沈降法)シリカ、湿式ゲル化法シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、湿式沈殿法シリカを用いるのが特に好ましい。シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)は40〜350m/gであるのが好ましい。BET表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET表面積が80〜350m/gの範囲にあるシリカが更に好ましく、BET表面積が120〜350m/gの範囲にあるシリカが特に好ましい。このようなシリカとしては東ソー・シリカ株式会社製、商品名「Nipsil AQ」(BET比表面積 =205m/g)、「Nipsil KQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m/g)等の市販品を用いることができる。
本発明に係るゴム組成物に配合される無機充填材として、シリカ以外に、又はシリカに加えて下記一般式(3)で表される無機化合物を用いることができる。
dM・xSiO・zHO ・・・(3)
ここで、一般式(3)中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、d、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。
尚、一般式(3)において、x、zがともに0である場合には、該無機化合物はアルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。
また、前記一般式(3)中のMがアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましく、水酸化アルミニウム[Al(OH)]が特に好ましい。
本発明における無機充填材は、シリカ単独であっても良いし、シリカと一般式(3)で表される無機化合物の1種以上とを併用しても良い。
本発明に係るゴム組成物において、通常、ゴム組成物に配合されるステアリン酸、樹脂酸、亜鉛華等の加硫活性剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明における混練装置として、バンバリーミキサー、噛合い式インターナルミキサー、ロール、インテンシブミキサー、ニーダー、二軸押出機等が用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、付加量、変性度、ポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を下記の方法により評価した。
1.付加量
付加量は、変性共役ジエン系重合体100質量部に結合したアミノ基及びカルボキシル基を含有する化合物の結合量(質量部)である。変性共役ジエン系重合体の供試サンプルを6N塩酸中に、110℃、24時間浸漬し、加水分解反応させ、再沈によって非共有結合のアミノ酸やペプチドを除去したのち熱分解ガスクロマトグラフィー(GC)によって変性共役ジエン系重合体の供試サンプル100質量部中のアミノ酸量(質量部)を定量し、付加量とした。
2.変性度
変性度は、変性共役ジエン系重合体100g中のアミノ基及びカルボキシル基を含有する化合物の結合量[mmol(ミリモル)]である。変性共役ジエン系重合体の供試サンプルを6N塩酸中に、110℃、24時間浸漬し、加水分解反応させ、再沈によって非共有結合のアミノ酸やペプチドを除去したのち熱分解ガスクロマトグラフィー(GC)によって変性共役ジエン系重合体の供試サンプル100g中のアミノ酸量(mmol)を定量し、変性度(mmol)とした。
3.平均アミノ酸残基数(AA)
変性共役ジエン系重合体の供試サンプルを再沈によって非共有結合のタンパク、ペプチド等を除去した後、赤外分光法で、赤外線の吸光スペクトルを測定し、変性共役ジエン系重合体のアミド結合特有の吸収波長を定量して、変性共役ジエン系重合体の供試サンプル100g中のアミド結合量(mmol)を算出した。
次に、次式(a)により、総アミノ酸量を求め、次式(b)により、結合ペプチドの平均アミノ酸残基数(AA)を求めた。
変性度+アミド結合量=総アミノ酸量(mmol)・・・(a)
(総アミノ酸量/変性度)=平均アミノ酸残基数(AA)・・・(b)
4.ポリマーゲル量
ゴム0.2gをトルエンに一晩膨潤させ、遠心分離機を用いて、35000rpmで1.5時間処理し、沈降したゲルをドラフト内に2日間放置乾燥して秤量し、ポリマーゲルとして、処理前のゴムの全体質量で割た値を質量%で表した。
5.低発熱性(tanδ指数)
上島製作所製スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用い、周波数52Hz、初期歪10%、測定温度60℃、動歪1%で(E”/E’)=tanδを測定し、加硫ゴム組成物1及び2において比較例1の加硫ゴム組成物1でのtanδを100として、又は加硫ゴム組成物3において比較例3のtanδを100として下記式にて指数表示した。指数値が小さい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
低発熱性指数={(供試加硫ゴム組成物のtanδ)/(比較例1の加硫ゴム組成物1のtanδ又は比較例3の加硫ゴム組成物3のtanδ)}×100
6.耐摩耗性(指数)
JIS K 6264−2:2005に準拠し、ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温でスリップ率25%の条件で試験を行い、摩耗量の逆数を、加硫ゴム組成物1において比較例1のtanδを100として、加硫ゴム組成物2において比較例1のtanδを100として、又は加硫ゴム組成物3において比較例3のtanδを100として下記式にて指数表示した。数値が大きいほど、耐摩耗性が良好である。
耐摩耗性指数={(比較例1又は3の加硫ゴム組成物の摩耗量)/(供試加硫ゴム組成物の摩耗量)}×100
製造例1
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
天然ゴムのフィールドラテックスに水を添加して、乾燥ゴム濃度30質量%のラテックスを得た。このラテックス2000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、をチロシン10.8g(天然ゴム成分100質量部に対して1.8質量部)及びラッカーゼ(ノボザイムズ製、商品名「NS81268」)0.6gを加えて乳化したものを添加し、撹拌しながら50℃で1時間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
(凝固及び乾燥工程)
次に、上記変性天然ゴムラテックスにギ酸を加えpHを4.7に調整し、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムである変性共役ジエン系重合体Aを得た。得られた変性共役ジエン系重合体Aにおけるチロシンの付加量、変性度、ポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を上記の方法により評価した。表1及び表3に結果を示す。チロシンの平均アミノ酸残基数(AA)は、1である。
製造例2
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
乾燥ゴム濃度30質量%に調整したフィールドラテックス2000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、システィン7.2g(1.2質量部)を添加し、これらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌した。
次に、重合開始剤としてtert−ブチルハイドロパーオキサイド2.4gとテトラエチレンペンタミン2.4gとを加え、40℃で1時間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
(凝固及び乾燥工程)
次に、製造例1と同様に凝固及び乾燥工程を経て、変性天然ゴムである変性共役ジエン系重合体Bを得た。得られた変性共役ジエン系重合体Bにおけるシスティンの付加量、変性度、ポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を上記の方法により評価した。表1及び表3に結果を示す。システィンの平均アミノ酸残基数(AA)は、1である。
製造例3、5、7及び10
アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物としてチロシン 10.8g(1.8質量部)の代わりに、表1に示すアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物を表1に示す量添加する以外は、上記製造例1と同様にして変性共役ジエン系重合体C、E、G及びKを得た。得られた変性共役ジエン系重合体C、E、G及びKにおけるアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の付加量、変性度、ポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を上記の方法により評価した。表1及び表3に結果を示す。各アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の平均アミノ酸残基数(AA)を表1に示す。
製造例4及び6
アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物としてシスティン1.2g(1.2質量部)の代わりに、表1に示すアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物を表1に示す量添加する以外は、上記製造例2と同様にして変性共役ジエン系重合体D及びFを得た。得られた変性共役ジエン系重合体D及びFにおけるアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の付加量、変性度、ポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を上記の方法により評価した。表1及び表3に結果を示す。各アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の平均アミノ酸残基数(AA)を表1に示す。
製造例8、9及び10
まず、天然ゴムラテックスを遠心分離してセラム相を回収し、このセラム相のpHを4.7に調整して、反応液Aを作成した。
次に、乾燥後の重量600gの天然ゴムのカップランプを1ミリ角に細断し、反応液A(1500ml)に浸漬した。さらに、製造例8では、チロシン21.6g(3.6質量部)とラッカーゼ(ノボザイムズ製、商品名「NS81268」)0.6gを加え、撹拌しながら1時間反応させた。製造例9では、末端にチロシンを有するペプチド(10AA)(ランダム合成)24.0g(4.0質量部)とラッカーゼ(ノボザイムズ製、商品名「NS81268」)0.6gを加え、撹拌しながら1時間反応させた。得られた変性天然ゴムについて、製造例1と同様に乾燥工程を経て、変性天然ゴムである変性共役ジエン系重合体H及びJを得た。製造例10では、末端にチロシンを有するペプチド(10AA)(ランダム合成)24.0g(4.0質量部)の代わりに、Trpsin inhibitor 20.1kDa を24.0g(4.0質量部)を添加した以外は製造例9と同様に変性共役ジエン系重合体Kを得た。また、得られた変性共役ジエン系重合体H、J及びKにおけるアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の付加量、変性度、ポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を上記の方法により評価した。表1及び表3に結果を示す。各アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の平均アミノ酸残基数(AA)を表1に示す。
製造例11
上記天然ゴムラテックスを、変性反応工程を経ずに、直接、凝固及び乾燥させて無変性共役ジエン系重合体Lを調製して、無変性共役ジエン系重合体Lとした。無変性共役ジエン系重合体Lにおけるポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を上記の方法により評価した。表1及び表3に結果を示す。
製造例12
インドネシアにおいて、標準的なブロック状の天然ゴムであるSIR20を無変性共役ジエン系重合体Mとして用いて、無変性共役ジエン系重合体Mとした。無変性共役ジエン系重合体Mにおけるポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を上記の方法により評価した。表1及び表3に結果を示す。
製造例13及び14
乾燥後の重量600gの溶液重合SBR(LANXESS社製、商品名「Buna VSL 5025−0 HM」(登録商標)、結合スチレン含量25質量%、1,2−結合ブタジエン含量50質量%)の塊を1ミリ角に細断し、水(1500ml)に浸漬した。さらに、製造例13では、チロシン30.0g(5.0質量部)とラッカーゼ(ノボザイムズ製、商品名「NS81268」)0.6gを加え、撹拌しながら3時間反応させた。製造例14では、末端にチロシンを有するペプチド(10AA)(ランダム合成)48.0g(8.0質量部)とラッカーゼ(ノボザイムズ製、商品名「NS81268」)0.6gを加え、撹拌しながら3時間反応させた。得られた変性天然ゴムについて、減圧下70℃で乾燥し、変性天然ゴムである変性共役ジエン系重合体N及びOを得た。得られた変性共役ジエン系重合体N及びOにおけるアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の付加量、変性度、ポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を上記の方法により評価した。表1及び表3に結果を示す。各アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の平均アミノ酸残基数(AA)を表1に示す。
製造例15及び16
製造例15では、システイン25g(5.0質量部)及びジラウロイルパーオキシド1gを、製造例16では、末端にシスティンを有するペプチド(10AA)(ランダム合成)40g(8.0質量部)及びジラウロイルパーオキシド1gを、4Lシクロヘキサン中の溶液SBR[LANXESS社製、商品名「Buna VSL(登録商標)5025−0 HM」、結合スチレン含量25質量%、1,2−結合ブタジエン含量50質量%]500gの溶液に80℃で添加した。次に混合物を、80℃で6時間攪拌した。次いで、安定剤[LANXESS社製、商品名「Vulkanox(登録商標)4020」]2.5gを添加し、溶媒を水蒸気で留去した。減圧下70℃で乾燥し、変性天然ゴムである変性共役ジエン系重合体P及びQを得た。得られた変性共役ジエン系重合体P及びQにおけるアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の付加量、変性度、ポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を上記の方法により評価した。表1及び表3に結果を示す。各アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の平均アミノ酸残基数(AA)を表1に示す。
製造例17
溶液SBR[LANXESS社製、商品名「Buna VSL(登録商標)5025−0 HM」、結合スチレン含量25質量%、1,2−結合ブタジエン含量50質量%]を変性することなく用いて、無変性共役ジエン系重合体Rとした。無変性共役ジエン系重合体Rにおけるポリマーゲル量、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を上記の方法により評価した。表1及び表3に結果を示す。
Figure 2016145285

{注}
添加量は、共役ジエン系重合体100質量部に対するアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の添加量(質量部)である。
また、付加量は、共役ジエン系重合体100質量部に結合したアミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の結合量(質量部)である。
*1: L−チロシン、東京化成工業株式会社製
*2: L−システィン、和光純薬工業株式会社製
*4: 末端にシスティンを有するペプチド(10AA)(ランダム合成)、シグマアルドリッチ社製
*5: 末端にチロシンを有するペプチド(20AA)(ランダム合成)、シグマアルドリッチ社製
*6: 末端にシスティンを有するペプチド(20AA)(ランダム合成)、シグマアルドリッチ社製
*7: Ribonuclease A、124AA、和光純薬工業株式会社製
*8: Trpsin inhibitor、181AA、和光純薬工業株式会社製
実施例1〜14及び比較例1〜3
表2に示す配合内容のゴム組成物1、2及び3により、密閉混練機であるバンバリーミキサーで混練して実施例1〜14及び比較例1〜3の29種類のゴム組成物を調製した。これらの29種類のゴム組成物を145℃、40分の条件で加硫した後、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2016145285

[注]
*11: 製造例1〜10において調製された、変性共役ジエン系重合体A〜K及び製造例11及び12において記載された無変性共役ジエン系重合体L及びM
*12: 製造例13〜16において調製された、変性共役ジエン系重合体N〜Q及び製造例17において記載された無変性共役ジエン系重合体R
*13: JSR株式会社製、商品名「BR01」
*14: 東海カーボン株式会社製、N339、商品名「シーストKH」
*15: 東ソー・シリカ株式会社製、湿式沈殿法シリカ、商品名「Nipsil AQ」

*16: ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)*17: 三共油化工業株式会社製プロセスオイル、商品名「A/Oミックス」
*18: Rheinchemie社製オゾン亀裂防止剤ワックス、商品名「Antiluux(登録商標)654」
*19: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
*20: N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー DZ」
*21: N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー CZ」
*22: 1,3−ジフェニルグアニジン、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーD」
*23: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーDM」
*24: N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーNS」
Figure 2016145285

第3表から明らかなように、実施例1〜10のゴム組成物は、比較例1〜2のゴム組成物と比較して、カーボンブラック配合ゴム組成物であるゴム組成物1及びシリカ配合ゴム組成物であるゴム組成物2のいずれにおいても、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)が良好であった。
また、実施例11〜14のゴム組成物は、比較例3のゴム組成物と比較して、シリカ配合ゴム組成物3において、低発熱性(tanδ指数)及び耐摩耗性(指数)が良好であった。
本発明の変性共役ジエン系重合体をゴム組成物のゴム成分として用いることにより、低発熱性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を得ることができるので、乗用車用、小型トラック用、軽乗用車用、軽トラック用及び大型車両用{トラック・バス用、オフロードタイヤ用(建設車両用、鉱山用車両用等)}等の各種タイヤ(特に、各種空気入りラジアルタイヤ)の各部材、特に各種空気入りラジアルタイヤのトレッド用部材(特にトレッド接地部用部材)のゴム組成物として好適に用いられる。

Claims (6)

  1. アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物が、共役ジエン系重合体の末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに共有結合してなる変性共役ジエン系重合体。
  2. 前記化合物が、アミノ酸、ペプチド、ポリアミノ酸及びタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体。
  3. 前記化合物の平均アミノ酸残基数(AA)が、1以上130以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の変性共役ジエン系重合体。
  4. 前記変性共役ジエン系重合体100g中の前記アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物の結合量が、0.005〜55mmolであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体。
  5. 前記共役ジエン系重合体が天然ゴムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体を含むことを特徴とするゴム組成物。
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