JP2016144383A - 受電制御回路、ワイヤレス受電装置の制御方法、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受電装置300に使用される制御回路400が提供される。目標電圧範囲設定部404は、平滑コンデンサ306に発生する整流電圧VRECTの目標電圧範囲REFを規定する上限電圧VHと下限電圧VLを設定する。電力制御部406は、整流電圧VRECTを、上限電圧VHおよび下限電圧VLそれぞれと比較し、比較結果にもとづいて電力制御信号DPCを生成する。変調器408は、電力制御信号DPCを変調し、受信コイル302を介してワイヤレス送電装置に送信する。目標電圧範囲設定部404は、整流電圧VRECTの発振状態が検出されると、目標電圧範囲REFを広げる。
【選択図】図3
Description
なお、本明細書において、「発振状態の検出」とは、実際に発振状態が起きていることを検出することのみでなく、発振の予兆を検出することも含む。
電力制御信号に応じて送信電力を段階的に低下させていく過程において、整流電圧が目標電圧範囲を通り越す場合には、発振状態に陥っている可能性が高い。したがってこの態様によれば、発振状態を好適に検出できる。
発振状態では、整流電圧は目標電圧範囲を跨いで遷移するため、目標電圧範囲から逸脱した状態が持続するため、この方法によっても発振状態を好適に検出できる。
発振状態では、電力制御信号が一定値を維持することなく変動し続ける。この方法によっても発振状態を好適に検出できる。
目標電圧範囲が広がるにしたがい、整流電圧が目標電圧範囲に含まれる可能性を高めることができる。
整流電圧がリニアレギュレータによって安定化され、負荷に供給されるプラットフォームにおいては、下限電圧を低下させることで、リニアレギュレータの効率の低下を抑制しつつ、発振を抑制でき、また発熱を抑制できる。
整流電圧がスイッチングレギュレータによって安定化され、負荷に供給されるプラットフォームにおいては、上限電圧を上昇させてもスイッチングレギュレータの効率の低下はわずかであるため、効率低下を抑制しつつ、発振を抑制できる。あるいは、整流電圧が低下すると後段の負荷が動作不能となるプラットフォームにおいては、上限電圧を上昇させることにより、後段の負荷を確実に動作させることができる。
整流電圧が取り得る電圧レベルに、目標電圧範囲をシフトすることで、発振を抑制できる。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
回路を1つのICとして集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
整流電圧VRECTを用いてプロセッサ508などの電子回路を直接駆動することは困難であるため、電源回路504が設けられる。電源回路504は、リニアレギュレータおよび/またはスイッチングレギュレータ(DC/DCコンバータ)を含み、整流電圧VRECTを適切な電圧レベルにレギュレートし、プロセッサ508に供給する。また電源回路504は、送電装置200から供給された電力を利用して二次電池506を充電する充電回路を含んでもよい。
図4(a)、(b)は、図3の受電装置300の動作波形図である。
はじめに上限電圧VHがVH0に初期化され、目標電圧範囲がREF0に設定される(S100)。下限電圧VLを可変とする場合には、VLをVL0に初期化する。
電力制御信号DPCに応じて送信周波数fTXを変化させながら送信電力を段階的に低下させていく過程において、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFを通り越す場合には、発振状態に陥っているか、もしくはこれから発振状態に陥る可能性が高い。そこで目標電圧範囲設定部404は、電力制御信号DPCを第3状態φCとして送信電力を低下させた結果、整流電圧VRECTが下限電圧VHを下回ると、整流電圧VRECTが発振状態φ1の予兆であると判定し、目標電圧範囲REFを変化させる。
発振状態φ1では、整流電圧VRECTは目標電圧範囲REFを跨いで遷移するため、目標電圧範囲REFから逸脱した状態が持続する。そこで目標電圧範囲設定部404は、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFから逸脱した状態が所定時間連続するとき、言い換えれば、所定時間の間、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFに一度も含まれないときに、整流電圧VRECTが発振状態φ1であると判定する。
発振状態φ3では、電力制御信号DPCが第1状態φAをとなることなく変動し続ける。そこで目標電圧範囲設定部404は、電力制御信号DPCの変動が所定時間持続するとき、整流電圧VRECTが発振状態φ1であると判定してもよい。言い換えれば、電力制御信号DPCが、ある判定時間の間、第1状態φAを維持した場合に、非発振状態と判定してもよい。
最後に、実施の形態に係るワイヤレス受電装置300を用いた電子機器の例を説明する。図7は、実施の形態に係る受電装置300を備える電子機器500を示す図である。図7の電子機器500は、スマートホン、タブレットPCや携帯型ゲーム機、携帯型オーディオプレイヤであり、筐体501の内部には、電源回路504、二次電池506、プロセッサ508、ディスプレイ装置510および上述の受電装置300が内蔵される。プロセッサ508は、無線(RF)部、ベースバンドプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、オーディオプロセッサ等を含んでもよい。
実施の形態では、上限電圧VHをVH0,VH1,VH2,…VHN(ただしVH0<VH1<VH2…<VHN)と段階的に上昇させることにより、目標電圧範囲REFを拡大したが、本発明はそれには限定されない。たとえば、下限電圧VLを、VL0,VL1,VL2,…VLN(ただしVL0>VL1>VL2…>VLN)と段階的に低下させることにより、目標電圧範囲REFを拡大してもよい。
あるいは、上限電圧VHと下限電圧VLを両方変化させてもよい。この場合、上限電圧VHを初期値VH0に固定した状態で、下限電圧VLを低下させていき、下限電圧VLが最低値VLNに到達すると、上限電圧VHを上昇させてもよい。あるいは反対に、下限電圧VLを初期値VL0に固定した状態で、上限電圧VHを上昇させていき、上限電圧VHが最大値VHNに到達すると、下限電圧VHを低下させてもよい。あるいは、上限電圧VHと下限電圧VLを交互に変化させてもよいし、それらを同時に1ステップずつ変化させてもよい。
実施の形態では、PMA規格について説明したが、本発明はそれには限定されず、同様の電力制御を採用する将来策定されるであろう別の規格にも適用可能である。
電力制御信号DPCを変化させながら送信電力を段階的に低下させていく過程において、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFを通り越す場合には、発振状態に陥っている可能性が高い。したがってこの態様によれば、発振状態を好適に検出できる。
発振状態では、電力制御信号DPCが一定値を維持することなく変動し続ける。この方法によっても発振状態を好適に検出できる。
実施の形態では、整流電圧VRECTをデジタル値DRECTに変換し、目標電圧範囲設定部404、電力制御部406がデジタル信号処理により、電力制御信号DPCおよび上限電圧VH、下限電圧VLを制御したが本発明はそれには限定されない。すなわち、電力制御部406による電力制御信号DPCの制御、目標電圧範囲設定部404による上限電圧VH、下限電圧VLの制御のいずれか一方あるいは両方における、一部あるいは全部を、アナログ信号処理によって行ってもよい。たとえば電圧比較に関して、電圧コンパレータを用いて行ってもよい。
実施の形態では、目標電圧範囲REFを広げることで発振を抑制したが、本発明はそれには限定されない。目標電圧範囲設定部404は、目標電圧範囲REFを上方向あるいは下方向にシフトさせることで、発振を抑制してもよい。これにより、目標電圧範囲REFを広げる場合に比べて整流電圧VRECTの安定性を高めることができる。
Claims (16)
- ワイヤレス受電装置の制御回路であって、
前記ワイヤレス受電装置は、
受信コイルと、
前記受信コイルの電流を整流する整流回路と、
前記整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、
を備え、
前記制御回路は、
前記平滑コンデンサに発生する整流電圧の目標電圧範囲を規定する上限電圧と下限電圧を設定する目標電圧範囲設定部と、
前記整流電圧と、前記上限電圧および前記下限電圧それぞれとの比較結果にもとづき、ワイヤレス送電装置の送信電力を制御する電力制御信号を生成する電力制御部と、
前記電力制御信号を変調し、前記受信コイルを介して前記ワイヤレス送電装置に送信する変調器と、
を備え、
前記目標電圧範囲設定部は、前記整流電圧の発振状態が検出されると、前記目標電圧範囲を変化させることを特徴とする制御回路。 - 前記目標電圧範囲設定部は、前記整流電圧が前記目標電圧範囲内に安定化された安定状態から、前記整流電圧が前記目標電圧範囲から逸脱した不安定状態に遷移すると、前記目標電圧範囲を初期化することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
- 前記電力制御信号は、送信電力の維持を指示する第1状態、送信電力の増加を指示する第2状態、送信電力の減少を指示する第3状態のいずれかを取り、
前記目標電圧範囲設定部は、前記電力制御信号が前記第3状態となった結果、前記整流電圧が前記下限電圧を下回ると、前記整流電圧が前記発振状態であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の制御回路。 - 前記目標電圧範囲設定部は、前記整流電圧が前記目標電圧範囲から逸脱した状態が所定時間連続するとき、前記整流電圧が前記発振状態であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の制御回路。
- 前記目標電圧範囲設定部は、前記電力制御信号が周期的に変動するとき、前記整流電圧が前記発振状態であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の制御回路。
- 前記電力制御信号は、送信電力の維持を指示する第1状態、送信電力の増加を指示する第2状態、送信電力の減少を指示する第3状態のいずれかを取り、
前記目標電圧範囲設定部は、前記電力制御信号が前記第1状態である期間が所定時間持続すると、前記安定状態と判定することを特徴とする請求項2に記載の制御回路。 - ワイヤレス受電装置の制御回路であって、
前記ワイヤレス受電装置は、
受信コイルと、
前記受信コイルの電流を整流する整流回路と、
前記整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、
を備え、
前記制御回路は、
前記平滑コンデンサに発生する整流電圧の目標電圧範囲を規定する上限電圧と下限電圧を設定する目標電圧範囲設定部と、
前記整流電圧と、前記上限電圧および前記下限電圧それぞれとの比較結果にもとづき、ワイヤレス送電装置の送信電力を制御する電力制御信号を生成する電力制御部と、
前記電力制御信号を変調し、前記受信コイルを介してワイヤレス送電装置に送信する変調器と、
を備え、
前記電力制御信号は、送信電力の維持を指示する第1状態、送信電力の増加を指示する第2状態、送信電力の減少を指示する第3状態のいずれかを取り、
前記目標電圧範囲設定部は、前記電力制御信号が前記第3状態となった結果、前記整流電圧が前記下限電圧を下回ると、前記目標電圧範囲を変化させることを特徴とする制御回路。 - 前記目標電圧範囲設定部は、前記整流電圧の発振状態が検出されると、前記目標電圧範囲を広げることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の制御回路。
- 前記目標電圧範囲設定部は、前記下限電圧を低下させることにより、前記目標電圧範囲を広げることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の制御回路。
- 前記目標電圧範囲設定部は、前記上限電圧を上昇させることにより、前記目標電圧範囲を広げることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の制御回路。
- 前記目標電圧範囲設定部は、前記整流電圧の発振状態が検出されると、前記目標電圧範囲をシフトさせることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の制御回路。
- PMA規格に準拠していることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の制御回路。
- ひとつの半導体基板に一体集積化されたことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の制御回路。
- 受信コイルと、
前記受信コイルの電流を整流する整流回路と、
前記整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、
請求項1から13のいずれかに記載の制御回路と、
を備えることを特徴とする電子機器。 - ワイヤレス受電装置の制御方法であって、
前記ワイヤレス受電装置は、
受信コイルと、
前記受信コイルの電流を整流する整流回路と、
前記整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、
を備え、
前記制御方法は、
前記平滑コンデンサに発生する整流電圧の目標電圧範囲を規定する上限電圧と下限電圧を設定するステップと、
前記整流電圧を、前記上限電圧および前記下限電圧それぞれと比較し、比較結果にもとづき、ワイヤレス送電装置の送信電力を制御する電力制御信号を生成するステップと、
前記電力制御信号を変調し、前記受信コイルを介して前記ワイヤレス送電装置に送信するステップと、
を備え、
前記電力制御信号は、送信電力の維持を指示する第1状態、送信電力の増加を指示する第2状態、送信電力の減少を指示する第3状態のいずれかを取り、
前記設定するステップは、前記電力制御信号を前記第3状態とした結果、前記整流電圧が前記下限電圧を下回ると、前記目標電圧範囲を変化させることを特徴とする制御方法。 - ワイヤレス受電装置の制御方法であって、
前記ワイヤレス受電装置は、
受信コイルと、
前記受信コイルの電流を整流する整流回路と、
前記整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、
を備え、
前記制御方法は、
前記平滑コンデンサに発生する整流電圧の目標電圧範囲を規定する上限電圧と下限電圧を設定するステップと、
前記整流電圧を、前記上限電圧および前記下限電圧それぞれと比較し、比較結果にもとづき、ワイヤレス送電装置の送信電力を制御する電力制御信号を生成するステップと、
前記電力制御信号を変調し、前記受信コイルを介してワイヤレス送電装置に送信するステップと、
を備え、
前記設定するステップは、前記整流電圧の発振状態を検出すると、前記目標電圧範囲を変化させることを特徴とする制御方法。
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