JP2016144383A - 受電制御回路、ワイヤレス受電装置の制御方法、電子機器 - Google Patents

受電制御回路、ワイヤレス受電装置の制御方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】発振を抑制可能なワイヤレス受電装置を提供する。
【解決手段】受電装置300に使用される制御回路400が提供される。目標電圧範囲設定部404は、平滑コンデンサ306に発生する整流電圧VRECTの目標電圧範囲REFを規定する上限電圧Vと下限電圧Vを設定する。電力制御部406は、整流電圧VRECTを、上限電圧Vおよび下限電圧Vそれぞれと比較し、比較結果にもとづいて電力制御信号DPCを生成する。変調器408は、電力制御信号DPCを変調し、受信コイル302を介してワイヤレス送電装置に送信する。目標電圧範囲設定部404は、整流電圧VRECTの発振状態が検出されると、目標電圧範囲REFを広げる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワイヤレス給電技術に関する。
近年、電子機器への給電方式として、ワイヤレス給電が普及の兆しを見せている。ワイヤレス給電には、電磁誘導(MI:Magnetic Induction)方式と磁気共鳴(MR:Magnetic Resonance)方式の2つの方式が存在するが、MI方式では、現在、(1)WPC(Wireless Power Consortium)が策定した規格「Qi」と、(2)PMA(Power Matters Alliance)が策定した規格(以下、PMA)が主流となっている。
図1は、PMA規格に準拠したワイヤレス給電システム100Rの構成を示す図である。給電システム100Rは、送電装置200R(TX、Power Transmitter)と受電装置300R(RX、Power Receiver)と、を備える。受電装置300Rは、携帯電話端末、スマートホン、オーディオプレイヤ、ゲーム機器、タブレット端末などの電子機器に搭載される。
送電装置200Rは、送信コイル(1次コイル)202、ドライバ204、コントローラ206、復調器208を備える。ドライバ204は、Hブリッジ回路(フルブリッジ回路)あるいはハーフブリッジ回路を含み、送信コイル202に駆動信号S1、具体的にはパルス信号を印加し、送信コイル202に流れる駆動電流により、送信コイル202に電磁界の電力信号S2を発生させる。コントローラ206は、送電装置200R全体を統括的に制御するものであり、具体的には、ドライバ204のスイッチング周波数、あるいはスイッチングのデューティ比を制御することにより、送信電力を変化させる。
受電装置300Rは、受信コイル302、整流回路304、平滑コンデンサ306、変調器308、負荷310、コントローラ312、電源回路314を備える。受信コイル302は、送信コイル202からの電力信号S2を受信するとともに、制御信号S3を送信コイル202に対して送信する。整流回路304および平滑コンデンサ306は、電力信号S2に応じて受信コイル302に誘起される電流IRXを整流・平滑化し、直流電圧VRECTに変換する。
電源回路314は、送電装置200から供給された電力を利用して図示しない二次電池を充電し、あるいは直流電圧VRECTを昇圧あるいは降圧し、コントローラ312やその他の負荷310に供給する。
PMA規格では、送電装置200Rと受電装置300Rの間で通信プロトコルが定められており、受電装置300Rから送電装置200Rに対して、制御信号S3による情報の伝達が可能となっている。この制御信号S3は、後方散乱変調(Backscatter modulation)を利用して、AM(Amplitude Modulation)変調された形で、受信コイル302(2次コイル)から送信コイル202に送信される。
この制御信号S3には、たとえば、受電装置300Rに対する電力供給量を指示する電力制御信号(パケットともいう)、受電装置300Rの固有の情報を示すデータなどが含まれる。復調器208は、送信コイル202の電流あるいは電圧に含まれる制御信号S3を復調する。コントローラ206は、復調された制御信号S3に含まれる電力制御信号にもとづいて、ドライバ204を制御する。
本発明者らは、図1のにおける給電システム100Rにおける電力制御について検討した結果、以下の課題を認識するに至った。
PMA規格において、受電装置300Rのコントローラ312は、負荷310に供給される電力をモニタし、それに応じて、送電装置200からの電力供給量を指示する電力制御信号を生成する。具体的には、整流電圧VRECTに対して目標値が設定され、この目標値の近傍に上限電圧V、下限電圧Vが設定される。コントローラ312は、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REF(V〜V)の間に含まれるように、電力制御信号DPCを生成する。
PMA規格において、電力制御信号DPCは、3つのステート、すなわち、(i)送信電力の維持(第1状態φとする)、(ii)送信電力の増大(第2状態φとする)、(iii)送信電力の減少(第3状態φとする)を取り得る。送電装置200Rは、受電装置300からの電力制御信号DPCにもとづいて送信周波数fTXを変化させることにより、送信電力を制御する。具体的には、電力制御信号DPCが第1状態φであるとき、送信周波数fTXを維持し、送信電力を維持する。電力制御信号DPCが第2状態φであるとき、送信周波数fTXを所定幅(たとえば複数ステップ)ΔfUP、送信電力が増大する方向に変化させる。反対に電力制御信号DPCが第3状態φであるとき、送信周波数fTXを送信電力が低下する方向に、所定幅ΔfDN(たとえば1ステップ)、変化させる。
図2(a)、(b)は、図1の給電システム100Rの電力制御を示す波形図である。図2(a)は、非発振状態における制御を示す。時刻t1において、VRECT<Vであるから、送信電力を増加させるためにコントローラ312は電力制御信号DPCを第2状態φとする。これに応答して、送電装置200Rのコントローラ206が、送信周波数fTXを所定幅ΔfUP変化させると、送信電力が増加し、整流電圧VRECTが上昇する。
時刻t2に、VRECT>Vとなると、送信電力を減少させるためにコントローラ312は電力制御信号DPCを第3状態φとする。これに応答して、送電装置200Rのコントローラ206が、送信周波数fTXを所定幅ΔfDN変化させると、送信電力が減少し、整流電圧VRECTが下降する。続く時刻t3においても、VRECT>Vであり、引き続き電力制御信号DPCが第3状態φとなり、送信電力ひいては整流電圧VRECTはさらに低下する。この動作を繰り返すことにより、整流電圧VRECTは目標電圧範囲V〜Vの間に安定化される。
ところが、図1の給電システム100Rにおいては、送信コイルと受信コイルの位置関係、温度などによっては、整流電圧VRECTが目標電圧範囲V〜V内に安定化せず、発振状態に陥ることがわかった。この発振状態は、送信周波数fTXの変化幅ΔfUP(もしくはΔfDN)と、整流電圧VRECTの変化幅の関係は一定ではなく、状況に応じて変化することに起因する。図2(b)を参照して発振状態を説明する。
時刻t1において、VRECT<Vであるから、電力制御信号DPCが第2状態φとなる。これに応答して送電装置200Rは、送信周波数fTXをΔfUP、変化させ、送信電力を増加させる。これにより整流電圧VRECTがδVUP1、増大する。
時刻t2に、VRECT>Vとなると、送信電力を減少させるためにコントローラ312は電力制御信号DPCを第3状態φとする。これに応答して送電装置200Rは、送信周波数fTXをΔfDN、変化させ、送信電力を減少させる。これにより整流電圧VRECTがδVDN2、低下する。時刻t3においてもVRECT>Vであるため、電力制御信号DPCは第3状態φであり、送信周波数fTXがさらにΔfDN、変化し、整流電圧VRECTがδVDN3、低下する。
時刻t4においても依然としてVRECT>Vである。電力制御信号DPCは第3状態φであり、送信周波数fTXがさらにΔfDN、変化し、整流電圧VRECTがδVDN4、低下する。V−V=ΔVとしたとき、δVDN4>ΔVであると、VRECTは、目標電圧範囲V〜Vに収まらず、下限電圧Vを下回る。この動作が、以降も繰り返されることで、発振状態に陥る。この発振は、系の安定性の観点から望ましくない上、発振によって発熱が増大し、効率が低下するという問題も引き起こす。
かかる発振は、PMA規格に限らず、同様の電力制御を行う将来策定されるであろう別の規格においても生じうる。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは発振を抑制可能なワイヤレス受電装置の提供にある。
本発明のある態様は、ワイヤレス受電装置の制御回路に関する。ワイヤレス受電装置は、受信コイルと、受信コイルの電流を整流する整流回路と、整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、を備える。制御回路は、平滑コンデンサに発生する整流電圧の目標電圧範囲を規定する上限電圧と下限電圧を設定する目標電圧範囲設定部と、整流電圧と、上限電圧および下限電圧それぞれとの比較結果にもとづき、ワイヤレス送電装置の送信電力を制御する電力制御信号を生成する電力制御部と、電力制御信号を変調し、受信コイルを介してワイヤレス送電装置に送信する変調器と、を備える。目標電圧範囲設定部は、整流電圧の発振状態が検出されると、目標電圧範囲を変化させる。
この態様によると、発振が起こらない状態では、整流電圧を、狭い目標電圧範囲内に安定化させることができ、高効率で動作させることができ、発振が起こった場合、あるいは起こりそうな場合には、目標電圧範囲を変化させることで、発振を抑制することができる。
なお、本明細書において、「発振状態の検出」とは、実際に発振状態が起きていることを検出することのみでなく、発振の予兆を検出することも含む。
目標電圧範囲設定部は、整流電圧が目標電圧範囲内に安定化された安定状態から、整流電圧が目標電圧範囲から逸脱した不安定状態に遷移すると、目標電圧範囲を初期化してもよい。
電力制御信号は、送信電力の維持を指示する第1状態、送信電力の増加を指示する第2状態、送信電力の減少を指示する第3状態のいずれかを取ってもよい。目標電圧範囲設定部は、電力制御信号を第3状態とした結果、整流電圧が下限電圧を下回ると、整流電圧が発振状態であると判定してもよい。
電力制御信号に応じて送信電力を段階的に低下させていく過程において、整流電圧が目標電圧範囲を通り越す場合には、発振状態に陥っている可能性が高い。したがってこの態様によれば、発振状態を好適に検出できる。
目標電圧範囲設定部は、整流電圧が目標電圧範囲から逸脱した状態が所定時間連続するとき、整流電圧が発振状態であると判定してもよい。
発振状態では、整流電圧は目標電圧範囲を跨いで遷移するため、目標電圧範囲から逸脱した状態が持続するため、この方法によっても発振状態を好適に検出できる。
目標電圧範囲設定部は、電力制御信号の変動が所定時間持続するとき、整流電圧が発振状態であると判定してもよい。
発振状態では、電力制御信号が一定値を維持することなく変動し続ける。この方法によっても発振状態を好適に検出できる。
電力制御信号は、送信電力の維持を指示する第1状態、送信電力の増加を指示する第2状態、送信電力の減少を指示する第3状態のいずれかを取ってもよい。目標電圧範囲設定部は、電力制御信号が第1状態である期間が所定時間持続すると、安定状態と判定してもよい。
目標電圧範囲設定部は、整流電圧の発振状態が検出されると、目標電圧範囲を広げてもよい。
目標電圧範囲が広がるにしたがい、整流電圧が目標電圧範囲に含まれる可能性を高めることができる。
目標電圧範囲設定部は、下限電圧を低下させることにより、目標電圧範囲を広げてもよい。
整流電圧がリニアレギュレータによって安定化され、負荷に供給されるプラットフォームにおいては、下限電圧を低下させることで、リニアレギュレータの効率の低下を抑制しつつ、発振を抑制でき、また発熱を抑制できる。
目標電圧範囲設定部は、上限電圧を上昇させることにより、目標電圧範囲を広げてもよい。
整流電圧がスイッチングレギュレータによって安定化され、負荷に供給されるプラットフォームにおいては、上限電圧を上昇させてもスイッチングレギュレータの効率の低下はわずかであるため、効率低下を抑制しつつ、発振を抑制できる。あるいは、整流電圧が低下すると後段の負荷が動作不能となるプラットフォームにおいては、上限電圧を上昇させることにより、後段の負荷を確実に動作させることができる。
目標電圧範囲設定部は、整流電圧の発振状態が検出されると、目標電圧範囲をシフトさせてもよい。
整流電圧が取り得る電圧レベルに、目標電圧範囲をシフトすることで、発振を抑制できる。
制御回路は、PMA規格に準拠していてもよい。
制御回路は、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
回路を1つのICとして集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
本発明の別の態様は、ワイヤレス受電装置もしくは電子機器に関する。ワイヤレス受電装置もしくは電子機器は、受信コイルと、受信コイルの電流を整流する整流回路と、整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、上述のいずれかの制御回路と、を備えてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、発振を抑制できる。
PMA規格に準拠したワイヤレス給電システムの構成を示す図である。 図2(a)、(b)は、図1の給電システムの電力制御を示す波形図である。 実施の形態に係る受電装置を備える電子機器のブロック図である。 図4(a)、(b)は、図3の受電装置の動作波形図である。 図5(a)、(b)は、図3の受電装置の別の動作波形図である。 目標電圧範囲設定部の制御を示すフローチャートである。 実施の形態に係る受電装置を備える電子機器を示す図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図3は、実施の形態に係る受電装置300を備える電子機器500のブロック図である。受電装置300は、図示しない送電装置からの電力信号S2を受信し、そのエネルギーを平滑コンデンサ306に蓄え、負荷502に供給する。
受電装置300は、受信コイル302、整流回路304、平滑コンデンサ306、および制御回路400を備える。図3の受電装置300は、PMA規格に準拠しており、図1の給電システム100Rに使用可能である。
受信コイル302は、送信コイル202からの電力信号S2を受信するとともに、制御信号S3を送信コイル202に対して送信する。受信コイル302には、電力信号S2により誘起される電流IRXが流れる。整流回路304の入力側は受信コイル302と接続され、電流IRXを全波もしくは半波整流する。整流回路304はダイオードブリッジ回路であってもよいし、Hブリッジ回路であってもよい。平滑コンデンサ306は、整流回路102の出力と接続され、整流回路102の出力電圧を平滑化する。平滑コンデンサ306に発生する直流電圧(整流電圧という)VRECTが、後段の負荷502に供給される。
負荷502は、電源回路504、二次電池506、各種プロセッサ508を含む。
整流電圧VRECTを用いてプロセッサ508などの電子回路を直接駆動することは困難であるため、電源回路504が設けられる。電源回路504は、リニアレギュレータおよび/またはスイッチングレギュレータ(DC/DCコンバータ)を含み、整流電圧VRECTを適切な電圧レベルにレギュレートし、プロセッサ508に供給する。また電源回路504は、送電装置200から供給された電力を利用して二次電池506を充電する充電回路を含んでもよい。
続いて実施の形態に係る制御回路400について説明する。制御回路400は、電圧測定部402、目標電圧範囲設定部404、電力制御部406、変調器408を備え、ひとつの半導体基板に一体集積化された機能IC(Integrated Circuit)である。なお、整流回路304の一部が制御回路400に集積化されてもよい。
電圧測定部402は、平滑コンデンサ306に生ずる整流電圧VRECTあるいはそれに応じた電圧を測定する。電圧測定部402は、測定された整流電圧VRECTを示すデジタル値DRECTを生成するA/Dコンバータであってもよい。
目標電圧範囲設定部404は、平滑コンデンサ306に発生する整流電圧VRECTの目標電圧範囲REFを規定する上限電圧Vと下限電圧Vを設定し、それらの設定値を示すデジタル値D、Dを出力する。本実施の形態において、目標電圧範囲REFは可変であり、したがって上限電圧Vと下限電圧Vの少なくとも一方が可変となっている。
電力制御部406は、整流電圧VRECTを上限電圧V、下限電圧Vそれぞれと比較し、比較結果にもとづいて電力制御信号DPCを生成する。PMA規格において、電力制御信号DPCは、3つのステート、すなわち、(i)送信電力の維持(第1状態φとする)、(ii)送信電力の増大(第2状態φとする)、(iii)送信電力の減少(第3状態φとする)を取り得る。送電装置200は、受電装置300からの電力制御信号DPCにもとづいて送信周波数fTXを変化させることにより、送信電力を制御する。具体的には、電力制御信号DPCが第1状態φであるとき、送信周波数fTXを維持し、送信電力を維持する。電力制御信号DPCが第2状態φであるとき、送信周波数fTXを所定幅(たとえば複数ステップ)ΔfUP、送信電力が増大する方向に変化させる。反対に電力制御信号DPCが第3状態φであるとき、送信周波数fTXを送信電力が低下する方向に、所定幅ΔfDN(たとえば1ステップ)、変化させる。
変調器408は、電力制御信号DPCを変調した信号を生成し、受信コイル302に流れる電流IRXに変調信号を重畳して、制御信号S3をワイヤレス送電装置に送信する。
目標電圧範囲設定部404は、整流電圧VRECTの発振状態φ1が検出されると、上限電圧Vを増加させ、および/または、下限電圧Vを低下させることにより、目標電圧範囲REFを変化させる。具体的には本実施の形態では、目標電圧範囲REFを広げる。
また目標電圧範囲設定部404は、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REF内に安定化された安定状態φ2から、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFから逸脱した不安定状態φ3に遷移すると、目標電圧範囲REFを初期化する。具体的には、上限電圧Vおよび下限電圧Vがそれぞれの初期値VH0,VH0にリセットされる。不安定状態φ3は、発振状態φ1を包含する。
以上が受電装置300の構成である。続いてその動作を説明する。
図4(a)、(b)は、図3の受電装置300の動作波形図である。
図4(a)は、非発振状態における制御を示す。図4(a)の動作波形は、図2(a)のそれと同様である。目標電圧範囲REFはもっとも狭い初期状態REFとなっている。整流電圧VRECTと、上限電圧VH0、下限電圧VL0の比較結果に応じて電力制御信号DPCが調節され、送信電力が調節されて、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REF内に安定化される。
図4(b)には発振状態における制御が示される。ある期間t0〜t1において、整流電圧VRECTは、初期の目標電圧範囲REF内に安定化することができず、発振状態φ1となっている。制御回路400の目標電圧範囲設定部404は、発振状態φ1を検出すると、目標電圧範囲REFを拡大する。本実施の形態では、上限電圧VH0を1ステップ高い電圧レベルVH1に増大させることで、目標電圧範囲REFに拡大している。
目標電圧範囲REFに拡大した結果、電力制御信号DPCにもとづいて送信周波数fTX、ひいては送信電力を1ステップずつ低下させていく過程において、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFに含まれることとなり、発振状態φ1から抜け出して安定状態φ2となる。
このように実施の形態に係る受電装置300によれば、図4(a)のように発振が起こらない状態では、整流電圧VRECTを、狭い目標電圧範囲REF内に安定化させることができ、その結果、高効率で動作させることができる。図4(b)のように発振が起こった場合、あるいは起こりそうな場合には、目標電圧範囲REFを広げることで、発振を抑制することができる。
本発明者らは、発振を抑制する別のアプローチとして、想定される電圧低下幅δVDNの最大値よりも、目標電圧範囲REFの幅ΔVをあらかじめ大きく設定しておく技術(比較技術という)を検討した。この比較技術によれば、電力制御信号DPCにもとづいて送信電力を1ステップずつ低下させていく過程において、整流電圧VRECTが目標電圧範囲V〜Vに含まれる状態が存在することとなり、発振状態には陥らない。
ここで目標電圧範囲REFの幅ΔVを大きくするには、上限電圧Vを高くし、および/または、下限電圧Vを低くする必要がある。上限電圧Vを高くしすぎると、電源回路314がリニアレギュレータで構成される場合には、整流電圧VRECTが高く安定化されるとリニアレギュレータでの損失が大きくなるという別の問題を引き起こす。下限電圧Vを低くしすぎると、整流電圧VRECTが、後段の負荷を駆動するための最低電圧を下回ってしまい、負荷を駆動できなくなるおそれがある。
実施の形態に係る受電装置300によれば、目標電圧範囲REFを固定せずに、動的に制御することで、比較技術において生ずる問題も最小限にとどめることができる。
図5(a)、(b)は、図3の受電装置300の別の動作波形図である。
図4(b)では、目標電圧範囲REFを1ステップ、拡大することで発振状態が解消されている。しかしながら、状況によっては、1ステップ拡大しただけでは、発振状態φ1が解消しない場合も想定される。そこで目標電圧範囲設定部404は、図5(a)に示すように、発振状態φ1が解消するまで、目標電圧範囲REFを、REF,REF,REF…と、拡大し続けることが望ましい。具体的には、上限電圧VをVH0,VH1,VH2…、VHNと段階的に上昇させることで、目標電圧範囲REFを拡大する。VHNは上限電圧Vの最大値である。
一度拡大した目標電圧範囲REFをそのまま使用し続けると、効率が悪化し、あるいは発熱量が大きくなるという問題が生じうる。そこで目標電圧範囲設定部404は、上述のように、安定状態φ2から不安定状態φ3に遷移すると、目標電圧範囲REFを初期状態REFにリセットする。図5(b)には、目標電圧範囲REFのリセットが示される。
時刻t0以前は、拡大された目標電圧範囲REFのもとで、安定状態φ2が維持されている。時刻t0に、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFから逸脱し、不安定状態φ3に遷移すると、上限電圧Vが初期値VH0にリセットされ、目標電圧範囲REFにリセットされる。
時刻t1においてVRECT>VH0であるから、電力制御信号DPCが低下し、整流電圧VRECTが低下する。時刻t2,t3,t4と電力制御信号DPCが低下すると、やがて整流電圧VRECTは、目標電圧範囲REFに収まる。このときの様子が、実線(i)で示される。
図5(b)には、目標電圧範囲REFをリセットしない場合の波形が一点鎖線(ii)で示される。目標電圧範囲REFが維持される場合、整流電圧VRECT’は、相対的に高い電圧レベルをとることがわかる。したがって後段の電源回路504での損失が大きくなってしまい、効率が低下する。これに対して実施の形態に係る受電装置300によれば、目標電圧範囲REFをリセットすることで、整流電圧VRECTが低い状態で動作することとなるため、効率を改善できる。
図6は、目標電圧範囲設定部404の制御を示すフローチャートである。
はじめに上限電圧VがVH0に初期化され、目標電圧範囲がREFに設定される(S100)。下限電圧Vを可変とする場合には、VをVL0に初期化する。
目標電圧範囲設定部404は、整流電圧VRECTの状態を判定する(S102)。そして非発振状態であれば、目標電圧範囲REFを維持する(S104)。安定状態φ2から不安定状態φ3への遷移が検出されると(S106のY)、目標電圧範囲REFが初期化される(S100)、安定状態φ2が維持される間(S106のN)は、目標電圧範囲REFを維持する(S104)。
整流電圧VRECTの状態判定の結果、(S102)、発振状態であれば、目標電圧範囲REFが拡大される(S104)。そして発振状態か非発振状態かがあらためて判定される(S102)。このループにより、発振状態が収まるまで目標電圧範囲REFが拡大していく。
続いて、整流電圧VRECTが発振状態であるか否かの判定方法について説明する。
(第1の方法)
電力制御信号DPCに応じて送信周波数fTXを変化させながら送信電力を段階的に低下させていく過程において、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFを通り越す場合には、発振状態に陥っているか、もしくはこれから発振状態に陥る可能性が高い。そこで目標電圧範囲設定部404は、電力制御信号DPCを第3状態φとして送信電力を低下させた結果、整流電圧VRECTが下限電圧Vを下回ると、整流電圧VRECTが発振状態φ1の予兆であると判定し、目標電圧範囲REFを変化させる。
あるいは目標電圧範囲設定部404は、複数サイクルにわたり、この状態が持続すると、整流電圧VRECTが発振状態φ1であると判定し、目標電圧範囲REFを変化させてもよい。
(第2の方法)
発振状態φ1では、整流電圧VRECTは目標電圧範囲REFを跨いで遷移するため、目標電圧範囲REFから逸脱した状態が持続する。そこで目標電圧範囲設定部404は、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFから逸脱した状態が所定時間連続するとき、言い換えれば、所定時間の間、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFに一度も含まれないときに、整流電圧VRECTが発振状態φ1であると判定する。
(第3の方法)
発振状態φ3では、電力制御信号DPCが第1状態φをとなることなく変動し続ける。そこで目標電圧範囲設定部404は、電力制御信号DPCの変動が所定時間持続するとき、整流電圧VRECTが発振状態φ1であると判定してもよい。言い換えれば、電力制御信号DPCが、ある判定時間の間、第1状態φを維持した場合に、非発振状態と判定してもよい。
(用途)
最後に、実施の形態に係るワイヤレス受電装置300を用いた電子機器の例を説明する。図7は、実施の形態に係る受電装置300を備える電子機器500を示す図である。図7の電子機器500は、スマートホン、タブレットPCや携帯型ゲーム機、携帯型オーディオプレイヤであり、筐体501の内部には、電源回路504、二次電池506、プロセッサ508、ディスプレイ装置510および上述の受電装置300が内蔵される。プロセッサ508は、無線(RF)部、ベースバンドプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、オーディオプロセッサ等を含んでもよい。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(変形例1)
実施の形態では、上限電圧VをVH0,VH1,VH2,…VHN(ただしVH0<VH1<VH2…<VHN)と段階的に上昇させることにより、目標電圧範囲REFを拡大したが、本発明はそれには限定されない。たとえば、下限電圧Vを、VL0,VL1,VL2,…VLN(ただしVL0>VL1>VL2…>VLN)と段階的に低下させることにより、目標電圧範囲REFを拡大してもよい。
電源回路504がリニアレギュレータで構成されるプラットフォームでは、上限電圧Vを上昇させると、効率が悪化し、発熱量が増加するため好ましくない。このようなプラットフォームでは、下限電圧Vを低下させることで、効率を高めながら、発振を抑制できる。
(変形例2)
あるいは、上限電圧Vと下限電圧Vを両方変化させてもよい。この場合、上限電圧Vを初期値VH0に固定した状態で、下限電圧Vを低下させていき、下限電圧Vが最低値VLNに到達すると、上限電圧Vを上昇させてもよい。あるいは反対に、下限電圧Vを初期値VL0に固定した状態で、上限電圧Vを上昇させていき、上限電圧Vが最大値VHNに到達すると、下限電圧Vを低下させてもよい。あるいは、上限電圧Vと下限電圧Vを交互に変化させてもよいし、それらを同時に1ステップずつ変化させてもよい。
(変形例3)
実施の形態では、PMA規格について説明したが、本発明はそれには限定されず、同様の電力制御を採用する将来策定されるであろう別の規格にも適用可能である。
たとえば実施の形態では、電力制御信号DPCが3状態をとったが、本発明はそれには限定されない。たとえば電力制御信号DPCは、送信電力あるいは送信周波数を指示する多値データであってもよい。この場合、電力制御部406は、整流電圧VRECTが上限電圧Vを超えると電力制御信号DPCを第1方向に変化させ、整流電圧VRECTが下限電圧Vを下回ると電力制御信号DPCを第2方向に変化させる。たとえば第1方向は減少方向、第2方向は増加方向であり、電力制御部406は、整流電圧VRECTが上限電圧Vを超えると電力制御信号DPCを1ステップ、減少させ、整流電圧VRECTが下限電圧Vを下回ると電力制御信号DPCを複数ステップ、増加させる。送電装置200は、電力制御信号DPCに応じた送信電力を受電装置300に送信する。
この変形例では、目標電圧範囲設定部404は、電力制御信号を第1方向に変化させた結果、整流電圧VRECTが下限電圧Vを下回ると、整流電圧VRECTが発振状態であると判定してもよい。
電力制御信号DPCを変化させながら送信電力を段階的に低下させていく過程において、整流電圧VRECTが目標電圧範囲REFを通り越す場合には、発振状態に陥っている可能性が高い。したがってこの態様によれば、発振状態を好適に検出できる。
また目標電圧範囲設定部404は、電力制御信号DPCの変動が所定時間持続するとき、整流電圧VRECTが発振状態であると判定してもよい。
発振状態では、電力制御信号DPCが一定値を維持することなく変動し続ける。この方法によっても発振状態を好適に検出できる。
また目標電圧範囲設定部404は、電力制御信号DPCが同一値を維持する状態が所定時間持続すると、安定状態と判定してもよい。
(変形例4)
実施の形態では、整流電圧VRECTをデジタル値DRECTに変換し、目標電圧範囲設定部404、電力制御部406がデジタル信号処理により、電力制御信号DPCおよび上限電圧V、下限電圧Vを制御したが本発明はそれには限定されない。すなわち、電力制御部406による電力制御信号DPCの制御、目標電圧範囲設定部404による上限電圧V、下限電圧Vの制御のいずれか一方あるいは両方における、一部あるいは全部を、アナログ信号処理によって行ってもよい。たとえば電圧比較に関して、電圧コンパレータを用いて行ってもよい。
(変形例5)
実施の形態では、目標電圧範囲REFを広げることで発振を抑制したが、本発明はそれには限定されない。目標電圧範囲設定部404は、目標電圧範囲REFを上方向あるいは下方向にシフトさせることで、発振を抑制してもよい。これにより、目標電圧範囲REFを広げる場合に比べて整流電圧VRECTの安定性を高めることができる。
また目標電圧範囲REFの拡大とシフトを併用してもよい。
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
S1…駆動信号、S2…電力信号、S3…制御信号、100…給電システム、200…送電装置、202…送信コイル、204…ドライバ、206…コントローラ、208…復調器、300…受電装置、302…受信コイル、304…整流回路、306…平滑コンデンサ、308…変調器、400…制御回路、402…電圧測定部、404…目標電圧範囲設定部、406…電力制御部、408…変調器、500…電子機器、501…筐体、502…負荷、504…電源回路、506…二次電池、508…プロセッサ、REF…目標電圧範囲。

Claims (16)

  1. ワイヤレス受電装置の制御回路であって、
    前記ワイヤレス受電装置は、
    受信コイルと、
    前記受信コイルの電流を整流する整流回路と、
    前記整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記平滑コンデンサに発生する整流電圧の目標電圧範囲を規定する上限電圧と下限電圧を設定する目標電圧範囲設定部と、
    前記整流電圧と、前記上限電圧および前記下限電圧それぞれとの比較結果にもとづき、ワイヤレス送電装置の送信電力を制御する電力制御信号を生成する電力制御部と、
    前記電力制御信号を変調し、前記受信コイルを介して前記ワイヤレス送電装置に送信する変調器と、
    を備え、
    前記目標電圧範囲設定部は、前記整流電圧の発振状態が検出されると、前記目標電圧範囲を変化させることを特徴とする制御回路。
  2. 前記目標電圧範囲設定部は、前記整流電圧が前記目標電圧範囲内に安定化された安定状態から、前記整流電圧が前記目標電圧範囲から逸脱した不安定状態に遷移すると、前記目標電圧範囲を初期化することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
  3. 前記電力制御信号は、送信電力の維持を指示する第1状態、送信電力の増加を指示する第2状態、送信電力の減少を指示する第3状態のいずれかを取り、
    前記目標電圧範囲設定部は、前記電力制御信号が前記第3状態となった結果、前記整流電圧が前記下限電圧を下回ると、前記整流電圧が前記発振状態であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の制御回路。
  4. 前記目標電圧範囲設定部は、前記整流電圧が前記目標電圧範囲から逸脱した状態が所定時間連続するとき、前記整流電圧が前記発振状態であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の制御回路。
  5. 前記目標電圧範囲設定部は、前記電力制御信号が周期的に変動するとき、前記整流電圧が前記発振状態であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の制御回路。
  6. 前記電力制御信号は、送信電力の維持を指示する第1状態、送信電力の増加を指示する第2状態、送信電力の減少を指示する第3状態のいずれかを取り、
    前記目標電圧範囲設定部は、前記電力制御信号が前記第1状態である期間が所定時間持続すると、前記安定状態と判定することを特徴とする請求項2に記載の制御回路。
  7. ワイヤレス受電装置の制御回路であって、
    前記ワイヤレス受電装置は、
    受信コイルと、
    前記受信コイルの電流を整流する整流回路と、
    前記整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記平滑コンデンサに発生する整流電圧の目標電圧範囲を規定する上限電圧と下限電圧を設定する目標電圧範囲設定部と、
    前記整流電圧と、前記上限電圧および前記下限電圧それぞれとの比較結果にもとづき、ワイヤレス送電装置の送信電力を制御する電力制御信号を生成する電力制御部と、
    前記電力制御信号を変調し、前記受信コイルを介してワイヤレス送電装置に送信する変調器と、
    を備え、
    前記電力制御信号は、送信電力の維持を指示する第1状態、送信電力の増加を指示する第2状態、送信電力の減少を指示する第3状態のいずれかを取り、
    前記目標電圧範囲設定部は、前記電力制御信号が前記第3状態となった結果、前記整流電圧が前記下限電圧を下回ると、前記目標電圧範囲を変化させることを特徴とする制御回路。
  8. 前記目標電圧範囲設定部は、前記整流電圧の発振状態が検出されると、前記目標電圧範囲を広げることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の制御回路。
  9. 前記目標電圧範囲設定部は、前記下限電圧を低下させることにより、前記目標電圧範囲を広げることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の制御回路。
  10. 前記目標電圧範囲設定部は、前記上限電圧を上昇させることにより、前記目標電圧範囲を広げることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の制御回路。
  11. 前記目標電圧範囲設定部は、前記整流電圧の発振状態が検出されると、前記目標電圧範囲をシフトさせることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の制御回路。
  12. PMA規格に準拠していることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の制御回路。
  13. ひとつの半導体基板に一体集積化されたことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の制御回路。
  14. 受信コイルと、
    前記受信コイルの電流を整流する整流回路と、
    前記整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、
    請求項1から13のいずれかに記載の制御回路と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  15. ワイヤレス受電装置の制御方法であって、
    前記ワイヤレス受電装置は、
    受信コイルと、
    前記受信コイルの電流を整流する整流回路と、
    前記整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、
    を備え、
    前記制御方法は、
    前記平滑コンデンサに発生する整流電圧の目標電圧範囲を規定する上限電圧と下限電圧を設定するステップと、
    前記整流電圧を、前記上限電圧および前記下限電圧それぞれと比較し、比較結果にもとづき、ワイヤレス送電装置の送信電力を制御する電力制御信号を生成するステップと、
    前記電力制御信号を変調し、前記受信コイルを介して前記ワイヤレス送電装置に送信するステップと、
    を備え、
    前記電力制御信号は、送信電力の維持を指示する第1状態、送信電力の増加を指示する第2状態、送信電力の減少を指示する第3状態のいずれかを取り、
    前記設定するステップは、前記電力制御信号を前記第3状態とした結果、前記整流電圧が前記下限電圧を下回ると、前記目標電圧範囲を変化させることを特徴とする制御方法。
  16. ワイヤレス受電装置の制御方法であって、
    前記ワイヤレス受電装置は、
    受信コイルと、
    前記受信コイルの電流を整流する整流回路と、
    前記整流回路の出力と接続された平滑コンデンサと、
    を備え、
    前記制御方法は、
    前記平滑コンデンサに発生する整流電圧の目標電圧範囲を規定する上限電圧と下限電圧を設定するステップと、
    前記整流電圧を、前記上限電圧および前記下限電圧それぞれと比較し、比較結果にもとづき、ワイヤレス送電装置の送信電力を制御する電力制御信号を生成するステップと、
    前記電力制御信号を変調し、前記受信コイルを介してワイヤレス送電装置に送信するステップと、
    を備え、
    前記設定するステップは、前記整流電圧の発振状態を検出すると、前記目標電圧範囲を変化させることを特徴とする制御方法。
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