JP2016142257A - 遠心ポンプシステム - Google Patents

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若井 宗弥
Muneya Wakai
宗弥 若井
公彦 光田
Kimihiko Mitsuta
公彦 光田
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Abstract

【課題】円板摩擦損失を低減することを可能とする遠心ポンプを提供する。
【解決手段】液体を圧送するための遠心ポンプを備える遠心ポンプシステムであって、遠心ポンプは、インペラと、インペラを収容するケーシングと、インペラの軸方向におけるインペラとケーシングとの間の隙間を、インペラの径方向に並ぶ複数の空間部に仕切る少なくとも一つの仕切部と、を備え、遠心ポンプシステムは、複数の空間部に気体を供給するための気体供給装置を備え、気体供給装置は、複数の空間部のうち第1空間部に対して第1の供給圧力で気体を供給するとともに、複数の空間部のうちインペラの径方向において第1空間部の外側に位置する第2空間部に対して第1の供給圧力よりも高い第2の供給圧力で気体を供給するよう構成される。
【選択図】 図1

Description

本開示は、遠心ポンプシステムに関する。
液体を圧送するための手段の一つとして遠心ポンプが使用される場合がある。遠心ポンプでは、円板摩擦損失が生じることが知られている。
ここで、図8を用いて円板摩擦損失について説明する。図8に示すように、遠心ポンプ001は、インペラ002と、インペラ002を収容するケーシング004とを備えている。インペラの軸方向におけるインペラとケーシングとの間には、インペラの前方に位置する前方隙間006と、インペラの後方に位置する後方隙間008が設けられている。前方隙間は、インペラの軸方向における前シュラウド042とケーシングとの間の隙間であり、後方隙間008は、インペラの軸方における後シュラウド044とケーシングとの間の隙間である。
前方隙間及び後方隙間に流入した液体は、インペラの回転に伴って該液体の粘性に応じた摩擦力を発生させるため、動力損失が生じる。斯かる動力損失が円板摩擦損失と称されており、円板摩擦損失を低減することにより遠心ポンプの効率を向上することが可能となる。
特許文献1に開示される遠心ポンプでは、斯かる円板摩擦損失を低減するために、前方隙間と後方隙間のそれぞれに多孔質物質を設けるとともに外気を導入し、多孔質物質とインペラとの間の液体中に表面張力を利用して気泡層を形成させている。
特開昭58−85400号公報
ところで、本発明者の知見によれば、遠心ポンプにおける上記隙間内の圧力は、インペラの径方向において外側に向かうにつれて高くなる。このため、特許文献1に記載の遠心ポンプでは、隙間へ供給される気体の量は、インペラの径方向において外側に向かうにつれて少なくなりやすい。また、インペラの表面の移動速度は径方向において外側に向かうにつれて大きくなるため、インペラの径方向において外側へ向かうにつれて液体の粘性に起因する摩擦力も大きくなりやすい。したがって、特許文献1に記載の遠心ポンプでは、上記隙間のうち摩擦力の大きくなりやすい領域ほど供給される気体の量が少なくなってしまうため、円板摩擦損失の低減効果が限定的である。
本発明は、上述したような従来の課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、遠心ポンプの円板摩擦損失を低減することを可能とする遠心ポンプシステムを提供することである。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る液体を圧送するための遠心ポンプを備える遠心ポンプシステムであって、前記遠心ポンプは、インペラと、前記インペラを収容するケーシングと、前記インペラの軸方向における前記インペラと前記ケーシングとの間の隙間を、前記インペラの径方向に並ぶ複数の空間部に仕切る少なくとも一つの仕切部と、を備え、前記遠心ポンプシステムは、前記複数の空間部に気体を供給するための気体供給装置を備え、前記気体供給装置は、前記複数の空間部のうち第1空間部に対して第1の供給圧力で前記気体を供給するとともに、前記複数の空間部のうち前記インペラの径方向において前記第1空間部の外側に位置する第2空間部に対して前記第1の供給圧力よりも高い第2の供給圧力で前記気体を供給するよう構成される。
上記(1)に記載の遠心ポンプシステムによれば、少なくとも一つの仕切部によって仕切られた複数の空間部のうち、インペラの径方向において相対的に外側に位置する第2空間部に対する気体の供給圧力が、相対的に内側に位置する第1空間部に対する気体の供給圧力よりも高く設定されている。このため、上記隙間内にインペラの径方向の圧力分布(インペラの径方向外側に向かうにつれて高くなる圧力分布)が存在していても、第1空間部と第2空間部のそれぞれに対して、適量の気体を供給することが可能となる。例えば、第1空間部に対する気体の供給量が第2空間部に対する気体の供給量よりも極端に少なくなってしまう状態を回避することができ、第1空間部と第2空間部のそれぞれに対する気体の供給量を比較的均一にすることができる。したがって、円板摩擦損失を効果的に低減できる。これにより、遠心ポンプの高効率化を実現することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の遠心ポンプシステムにおいて、前記仕切部の各々は、前記ケーシングの内面から前記インペラの軸方向に突出する円環状のリブである。
上記(2)に記載の遠心ポンプシステムによれば、簡易な構成で上記隙間を複数の空間部に仕切ることができ、簡易な構成で円板摩擦損失を低減することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の遠心ポンプシステムにおいて、前記インペラと前記ケーシングとの間の前記隙間には、円環状の板部材が設けられ、前記円環状の板部材には前記複数の空間部としての複数の貫通孔が設けられる。
上記(3)に記載の遠心ポンプシステムによれば、複数の貫通孔が設けられた円環状の板部材を用いて複数の空間部を形成することにより、ケーシングとは別体の部材を用いて簡易な構成で隙間を複数の空間部に仕切ることができる。したがって、簡易な構成で円板摩擦損失を低減することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)に記載の遠心ポンプシステムにおいて、前記円環状の板部材はハニカム構造を有する。
上記(4)に記載の遠心ポンプシステムによれば、上記(3)に記載の板部材の良好な強度を実現しつつ、簡易な構成で上記隙間を複数の空間部に仕切ることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)に記載の遠心ポンプシステムにおいて、前記複数の貫通孔の間の前記肉厚部は、前記ケーシングのうち前記インペラの軸方向に当該肉厚部に対向する部分に対して、間隔を空けて設けられる。
上記(5)に記載の遠心ポンプシステムによれば、肉厚部とケーシングの間に間隔があるため、上記隙間内に供給された気体が拡散しながら複数の貫通孔に供給される。このため、複数の貫通孔に対して効率的に気体を供給することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れか1項に記載の遠心ポンプシステムにおいて、前記複数の空間部の各々には、多孔質部材が設けられる。
上記(6)に記載の遠心ポンプシステムによれば、空間部の各々に供給された気体が多孔質部材を通過する際に気泡状となり、多孔質部材とインペラとの間の隙間部のうち多孔質部材側(多孔質部材の表面上)に気泡層が生じるため、円板摩擦損失をより効果的に低減することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れか1項に記載の遠心ポンプシステムにおいて、前記インペラと前記ケーシングとの間の前記隙間は、前記インペラの軸方向におけるインペラの後シュラウドとケーシングとの間の隙間である。
上記(7)に記載の遠心ポンプシステムによれば、インペラの軸方向における後シュラウドとケーシングとの間の隙間で生じる円板摩擦損失を低減することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(6)に記載の遠心ポンプシステムにおいて、前記インペラと前記ケーシングとの間の前記隙間は、前記インペラの前シュラウドと、前記ケーシングとの間の隙間である
上記(8)に記載の遠心ポンプシステムによれば、インペラの軸方向における前シュラウドとケーシングとの間の隙間で生じる円板摩擦損失を低減することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(7)に記載の遠心ポンプシステムにおいて、前記ハブには、前記隙間に連通するとともに前記インペラのスラストバランスを調整するためのバランスホールが設けられ、前記少なくとも一つの仕切部は、前記インペラの径方向において前記バランスホールの外側に設けられた複数の仕切部を含み、前記複数の仕切部の各々は、前記ケーシングの内面から前記インペラの軸方向に突出する複数の円環状のリブであり、前記複数の仕切部のうち、前記インペラの径方向において相対的に内側に位置する前記仕切部の前記インペラの軸方向の長さは、前記インペラの径方向において相対的に外側に位置する仕切部の前記インペラの軸方向の長さよりも短い。
上記隙間に連通するバランスホールがハブに設けられている場合、上記隙間の複数の空間部に供給された気体は、バランスホールへ向かって流れる。このため、インペラの径方向内側に向かうにつれて隙間を流れる気泡の量が増加する。この点、上記(9)に記載の遠心ポンプシステムによれば、複数の仕切部のうち、インペラの径方向において相対的に内側に位置する仕切部(円環状のリブ)のインペラの軸方向の長さが、インペラの径方向において相対的に外側に位置する仕切部のインペラの軸方向の長さよりも短い。このため、インペラの径方向内側に向かうにつれて気泡の量が増加しても、インペラの径方向内側の後方仕切部による気泡の流れを遮る作用が相対的に弱いため、バランスホールへの気泡のスムーズな流れを実現することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れか1項に記載の遠心ポンプシステムにおいて、前記気体供給装置をそれぞれ制御する制御装置を更に備え、前記制御装置は、前記インペラの回転速度が大きいほど前記第1圧力及び前記第2圧力をそれぞれ大きくするように前記気体供給装置を制御するよう構成される。
上記(10)に記載の遠心ポンプシステムによれば、インペラの回転速度が大きいほど第1圧力及び第2圧力をそれぞれ大きくするように気体供給装置が制御されるため、インペラの回転速度に応じてケーシング内の圧力が変化しても、上記隙間に適量の気体を供給することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れか1項に記載の遠心ポンプシステムであって、前記遠心ポンプは、海底油田から原油を圧送するよう構成される。
上記(11)に記載の遠心ポンプシステムによれば、海底油田から原油を圧送するためには、高揚程の遠心ポンプを好適に使用することができる。ただし、原油の粘度は一般的に高いため、原油を遠心ポンプで圧送する場合には、円板摩擦損失による効率低下が大きくなりやすい。この点、上記(1)乃至(10)の何れか1項に記載の遠心ポンプシステムによれば、円板摩擦損失を低減することによって遠心ポンプの高効率化を実現することができるため、海底油田から原油を圧送するための遠心ポンプシステムとして好適に使用することができる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る遠心ポンプシステムは、空気を輸送するための空気輸送ラインを更に備え、前記気体供給装置は、前記空気輸送ラインに接続されるとともに、前記空気輸送ラインによって輸送された前記空気を前記気体として前記複数の空間部に供給するよう構成される上記(11)に記載の遠心ポンプシステム。
上記(12)に記載の遠心ポンプシステムによれば、これにより、空気を入手しにくい海底油田から原油を圧送するために遠心ポンプを用いる場合であっても、上記複数の空間部に上記気体として空気を供給することができ、円板摩擦損失を低減することができる。
(13)本発明の少なくとも一実施形態に係る遠心ポンプシステムは、上記(11)に記載の遠心ポンプシステムであって、前記海底油田から前記原油とともに産出された天然ガスを輸送するための天然ガス輸送ラインを更に備え、前記気体供給装置は、前記天然ガス輸送ラインに接続されるとともに、前記天然ガス輸送ラインによって輸送された前記天然ガスを前記気体として前記複数の空間部に供給するよう構成される。
上記(13)に記載の遠心ポンプシステムによれば、空気を入手しにくい海底油田から原油を圧送するために遠心ポンプを用いる場合であっても、天然ガス輸送ラインを有効活用して、上記複数の空間部に上記気体として天然ガスを供給することができる。したがって、空気を上記複数の空間部に供給する場合(例えば海上から海底まで空気を輸送する場合)と比較して、遠心ポンプシステムの構成を簡素化することができる。
(14)本発明の少なくとも一実施形態に係る遠心ポンプシステムは、上記(11)に記載の遠心ポンプシステムであって、前記海底油田における油層に圧入するための二酸化炭素を前記海底油田へ輸送するための二酸化炭素輸送ラインを更に備え、前記気体供給装置は、前記二酸化炭素輸送ラインに接続されるとともに、前記二酸化炭素輸送ラインによって輸送された前記二酸化炭素を前記気体として前記複数の空間部に供給するよう構成される。
上記(14)に記載の遠心ポンプシステムによれば、空気を入手しにくい海底油田から原油を圧送するために遠心ポンプを用いる場合であっても、二酸化炭素輸送ラインを有効活用して、上記複数の空間部に上記気体として二酸化炭素を供給することができる。したがって、空気を上記複数の空間部に供給する場合(例えば海上から海底まで空気を輸送する場合)と比較して、遠心ポンプシステムの構成を簡素化することができる。
(15)本発明の少なくとも一実施形態に係る遠心ポンプシステムは、上記(11)乃至(14)の何れか1項に記載の遠心ポンプシステムであって、前記遠心ポンプの吐出流体から前記気体を分離回収する分離回収装置と、前記分離回収装置と前記気体供給装置とを接続する気体回収ラインと、を備え、前記気体供給装置は、前記気体回収ラインによって回収された前記気体を前記複数の空間部に供給するよう構成される。
上記(15)に記載の遠心ポンプシステムによれば、上記複数の空間部に供給した気体を分離回収装置及び気体回収ラインを用いて回収し再利用することによって気体の使用量を削減することができる。海底では空気を入手しにくいため、上記(15)に記載の遠心ポンプシステムは、海底油田から原油を圧送するための遠心ポンプを含むシステムとして好適に使用することができる。
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、円板摩擦損失を低減することを可能とする遠心ポンプが提供される。
一実施形態に係る遠心ポンプシステムの断面構成を模式的に示す図である。 一実施形態に係る遠心ポンプシステムの断面構成を模式的に示す図である。 一実施形態に係る遠心ポンプシステムの断面構成を模式的に示す図である。 一実施形態に係る遠心ポンプシステムの断面構成を模式的に示す図である。 一実施形態に係る遠心ポンプシステムの断面構成を模式的に示す図である。 一実施形態に係る遠心ポンプシステムの断面構成を模式的に示す図である。 一実施形態に係る遠心ポンプシステムの概略構成を模式的に示す図である。 円板摩擦損失について説明するための、遠心ポンプの断面構成を模式的に示す図である。 一実施形態に係る遠心ポンプシステムの断面構成を模式的に示す図である。 一実施形態に係る遠心ポンプシステムの断面構成を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態に係る遠心ポンプシステム100(100a)の断面構成を模式的に示す図である。図2は、一実施形態に係る遠心ポンプシステム100(100b)の断面構成を模式的に示す図である。図3は、一実施形態に係る遠心ポンプシステム100(100c)の断面構成を模式的に示す図である。図4は、一実施形態に係る遠心ポンプシステム100(100d)の断面構成を模式的に示す図である。図5は、一実施形態に係る遠心ポンプシステム100(100e)の断面構成を模式的に示す図である。図6は、一実施形態に係る遠心ポンプシステム100(100f)の断面構成を模式的に示す図である。
幾つかの実施形態では、例えば図1〜図6に示すように、遠心ポンプシステム100(100a〜100f)は、インペラ2と、インペラ2を収容するケーシング4とを含む遠心ポンプ1と、気体供給装置16とを備えている。インペラ2は、ハブ38と、ハブ38の外周面に設けられたブレード40と、インペラ2の軸方向においてブレード40に対してケーシング4の吸入口10と反対側に位置し、ハブ38からインペラ2の径方向に沿って延在する後シュラウド44を含む。幾つかの実施形態では、例えば図1〜図5に示すように、インペラ2は、インペラ2の軸方向においてブレード40に対して遠心ポンプの吸入口10側に位置する前シュラウド42をさらに含む所謂クローズ型のインペラである。一実施形態では、例えば図6に示すように、インペラ2は前シュラウドを含まない所謂オープン型のインペラである。
幾つかの実施形態では、例えば図1〜図6に示すように、インペラ2の軸方向におけるインペラ2とケーシング4との間には、インペラの前方に位置する前方隙間6と、インペラ2の後方に位置する後方隙間8が設けられている。幾つかの実施形態では、例えば図1〜図5に示すように、前方隙間6は、インペラ2の軸方向における前シュラウド42とケーシング4との間の隙間である。幾つかの実施形態では、例えば図1〜図6に示すように、後方隙間8は、インペラ2の軸方向における後シュラウド44とケーシング4との間の隙間である。なお、本明細書では、インペラ2の「前方」とは、インペラ2の軸方向においてインペラ2に対してケーシング4の吸入口10側を意味することとし、インペラ2の「後方」とは、インペラ2の軸方向においてインペラ2に対して吸入口10と反対側を意味することとする。
幾つかの実施形態では、例えば図1〜図5に示すように、遠心ポンプ1は、少なくとも一つの前方仕切部12を備えている。少なくとも一つの前方仕切部12は、前方隙間6をインペラ2の径方向に並ぶ複数の空間部7に仕切るよう構成されている。また、気体供給装置16は、複数の空間部7に気体gを供給するよう構成されている。ここで、気体供給装置16は、複数の空間部7のうち第1空間部に対して第1供給圧力で気体gを供給するとともに、複数の空間部7のうちインペラの径方向において第1空間部の外側に位置する第2空間部に対して第1供給圧力よりも高い第2供給圧力で気体gを供給するよう構成されている。
例えば、図1に示す実施形態では、複数の空間部7のうち空間部7aに対する気体gの供給圧力は低圧であり、複数の空間部7のうちインペラ2の径方向において空間部7aの外側に位置する空間部7bに対する気体gの供給圧力は高圧である。また、図1に示す実施形態では、空間部7aに対しては、気体供給装置16に接続された低圧ライン62からケーシング4の開口部68を介して低圧の気体gが供給される。また、空間部7bに対しては、気体供給装置16に接続された高圧ライン66から、ケーシング4の開口部72(インペラ2の径方向において開口部68よりも外側に設けられた開口部72)を介して高圧の気体gが供給される。
また、例えば図2〜図5に示す幾つかの実施形態では、複数の空間部7のうち空間部7aに対する気体gの供給圧力は低圧であり、複数の空間部7のうちインペラ2の径方向において空間部7aの外側に位置する空間部7bに対する気体gの供給圧力は中圧であり、複数の空間部7のうちインペラ2の径方向において空間部7bの外側に位置する空間部7cに対する気体gの供給圧力は高圧である。図2〜図5に示す幾つかの実施形態では、空間部7aに対しては、気体供給装置16に接続された低圧ライン62からケーシング4の開口部68を介して低圧の気体gが供給される。また、空間部7bに対しては、気体供給装置16に接続された中圧ライン64から、ケーシング4の開口部70(インペラ2の径方向において開口部68よりも外側に設けられた開口部70)を介して中圧の気体gが供給される。また、空間部7cに対しては、気体供給装置16に接続された高圧ライン66から、ケーシング4の開口部72(インペラ2の径方向において開口部70よりも外側に設けられた開口部72)を介して高圧の気体gが供給される。
このように、図1〜図5に示す幾つかの実施形態では、複数の空間部7のうち第1空間部に第1供給圧力で気体gを供給するとともに、複数の空間部7のうちインペラの径方向において第1空間部の外側に位置する第2空間部に第1供給圧力よりも高い第2供給圧力で気体gを供給することにより、前方隙間6内にインペラ2の径方向の圧力分布(インペラ2の径方向外側に向かうにつれて高くなる圧力分布)が存在していても、第1空間部と第2空間部のそれぞれに対して、適量の気体を供給することが可能となる。例えば、第1空間部に対する気体の供給量が第2空間部に対する気体の供給量よりも極端に少なくなってしまう状態を回避することができ、第1空間部と第2空間部のそれぞれに対する気体の供給量を比較的均一にすることができる。したがって、円板摩擦損失を効果的に低減できる。
幾つかの実施形態では、例えば図1〜図6に示すように、遠心ポンプ1は、少なくとも一つの後方仕切部14を備えている。少なくとも一つの後方仕切部14は、後方隙間8をインペラ2の径方向に並ぶ複数の空間部9に仕切るよう構成されている。この場合、気体供給装置16は、複数の空間部9のうち第1空間部に対して第1供給圧力で気体gを供給するとともに、複数の空間部9のうちインペラの径方向において第1空間部の外側に位置する第2空間部に対して第1供給圧力よりも高い第2供給圧力で気体gを供給するよう構成されている。
例えば、図1及び図6に示す幾つかの実施形態では、複数の空間部9のうち空間部9aに対する気体gの供給圧力は低圧であり、複数の空間部9のうちインペラ2の径方向において空間部9aの外側に位置する空間部9bに対する気体gの供給圧力は高圧である。図1及び図6に示す幾つかの実施形態では、空間部9aに対しては、気体供給装置16に接続された低圧ライン62からケーシング4の開口部74を介して低圧の気体gが供給される。また、空間部9bに対しては、気体供給装置16に接続された高圧ライン66から、ケーシング4の開口部78(インペラ2の径方向において開口部74よりも外側に設けられた開口部78)を介して高圧の気体gが供給される。
また、例えば図2〜図5に示す幾つかの実施形態では、複数の空間部9のうち空間部9aに対する気体の供給圧力は低圧であり、複数の空間部9のうちインペラ2の径方向において空間部9aの外側に位置する空間部9bに対する気体gの供給圧力は中圧であり、複数の空間部9のうちインペラ2の径方向において空間部9bの外側に位置する空間部9cに対する気体gの供給圧力は高圧である。図2〜図5に示す幾つかの実施形態では、空間部9aに対しては、気体供給装置16に接続された低圧ライン62からケーシング4の開口部74を介して低圧の気体gが供給される。また、空間部9bに対しては、気体供給装置16に接続された中圧ライン64から、ケーシング4の開口部76(インペラ2の径方向において開口部74よりも外側に設けられた開口部78)を介して中圧の気体gが供給される。また、空間部9cに対しては、気体供給装置16に接続された高圧ライン66から、ケーシング4の開口部78(インペラ2の径方向において開口部76よりも外側に設けられた開口部78)を介して高圧の気体gが供給される。
このように、図2〜図5に示す幾つかの実施形態では、複数の空間部7のうち第1空間部に第1供給圧力で気体gを供給するとともに、複数の空間部7のうちインペラの径方向において第1空間部の外側に位置する第2空間部に第1供給圧力よりも高い第2供給圧力で気体gを供給することにより、後方隙間8内にインペラ2の径方向の圧力分布(インペラ2の径方向外側に向かうにつれて高くなる圧力分布)が存在していても、第1空間部と第2空間部のそれぞれに対して、適量の気体を供給することが可能となる。例えば、第1空間部に対する気体の供給量が第2空間部に対する気体の供給量よりも極端に少なくなってしまう状態を回避することができ、第1空間部と第2空間部のそれぞれに対する気体の供給量を比較的均一にすることができる。したがって、円板摩擦損失を効果的に低減できる。
幾つかの実施形態では、例えば図1〜図4に示すように、前方仕切部12の各々は、ケーシング4の内面からインペラ2の軸方向に突出する円環状のリブである。これにより、簡易な構成で前方隙間6を複数の空間部7に仕切ることができ、簡易な構成で円板摩擦損失を低減することができる。なお、図1に示す実施形態では、インペラ2の径方向における開口部68と開口部72の間の位置に前方仕切部12としての円環状のリブが設けられる。また、図2〜図4に示す幾つかの実施形態では、インペラ2の径方向における開口部68と開口部70の間の位置、及びインペラ2の径方向における開口部70と開口部72の間の位置に、それぞれ、前方仕切部12としての円環状のリブが設けられる。前方仕切部12としての円環状のリブは、それぞれ、インペラ2の回転軸5と同心円状に配置されている。
幾つかの実施形態では、例えば図1〜図4、及び図6に示すように、後方仕切部14の各々は、ケーシング4の内面からインペラ2の軸方向に突出する円環状のリブである。後方仕切部14としての円環状のリブは、インペラ2の回転軸5と同心円状に配置されている。これにより、簡易な構成で後方隙間8を複数の空間部9に仕切ることができ、簡易な構成で円板摩擦損失を低減することができる。なお、図1及び図6に示す幾つかの実施形態では、インペラ2の径方向における開口部74と開口部78の間の位置に後方仕切部14としての円環状のリブが設けられる。また、図2〜図4に示す幾つかの実施形態では、インペラ2の径方向における開口部74と開口部76の間の位置、及びインペラ2の径方向における開口部76と開口部78の間の位置に、それぞれ、後方仕切部14としての円環状のリブが設けられる。後方仕切部14としての円環状のリブは、それぞれ、インペラ2の回転軸5と同心円状に配置されている。
幾つかの実施形態では、例えば図5に示すように、前方隙間6には、インペラ2の軸方向を厚さ方向とする円環状の板部材22が設けられ、円環状の板部材22には複数の空間部7としての複数の貫通孔24が設けられる。この場合、前方仕切部12の各々は、円環状の板部材22のうち複数の貫通孔24の間の肉厚部26である。このように、複数の貫通孔24が設けられた円環状の板部材22を用いて複数の空間部7を形成することにより、ケーシング4とは別体の部材を用いて簡易な構成で前方隙間6を複数の空間部7に仕切ることができる。したがって、簡易な構成で円板摩擦損失を低減することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図5に示すように、後方隙間8には、インペラ2の軸方向を厚さ方向とする円環状の板部材30が設けられ、円環状の板部材30には複数の空間部9としての複数の貫通孔32が設けられる。この場合、後方仕切部14の各々は、円環状の板部材30のうち複数の貫通孔32の間の肉厚部34である。このように、複数の貫通孔32が設けられた円環状の板部材30を用いて複数の空間部9を形成することにより、ケーシング4とは別体の部材を用いて簡易な構成で後方隙間8を複数の空間部9に仕切ることができる。したがって、簡易な構成で円板摩擦損失を低減することができる。
幾つかの実施形態では、図5に示す円環状の板部材22はハニカム構造を有している。これにより、板部材22の良好な強度を実現しつつ、簡易な構成で前方隙間6を複数の空間部7に仕切ることができる。なお、ここでの「ハニカム構造」とは、広義のハニカム構造であって、複数の貫通孔24の各々の形状は、例えば円柱形状や四角柱形状であってもよいが、強度上の観点から正六角柱形状であってもよい。また、円環状の板部材22がハニカム構造を有している場合において、図5に示すように、複数の貫通孔24の間の肉厚部26は、ケーシング4のうちインペラ2の軸方向に肉厚部26と対向する対向部分28に対して、インペラ2の軸方向に間隔dを空けて設けてもよい。これにより、開口部68,70,72から前方隙間6内に供給された気体gが拡散して複数の貫通孔24に供給されるため、複数の貫通孔24に効率的に気体を供給することができる。
幾つかの実施形態では、図5に示すように、インペラ2の軸方向における板部材22とケーシング4との間には、ケーシング4の内面からインペラ2の軸方向に突出する少なくとも一つの円環状の前方リブ80(仕切部)が設けられていることが望ましい。図5に示す実施形態では、前方リブ80は、インペラ2の径方向において開口部68と開口部70の間の位置からインペラ2の軸方向に突出する前方リブ80aと、インペラ2の径方向において開口部70と開口部72の間の位置からインペラ2の軸方向に突出する前方リブ80bとを含む。
幾つかの実施形態では、図5に示すように、インペラ2の軸方向における板部材30とケーシング4の内面との間には、ケーシング4の内面からインペラ2の軸方向に突出する少なくとも一つの円環状の後方リブ82(仕切部)が設けられていることが望ましい。図5に示す実施形態では、後方リブ82は、インペラ2の径方向において開口部74と開口部76の間の位置からインペラ2の軸方向に突出する後方リブ82aと、インペラ2の径方向において開口部76と開口部78の間の位置からインペラ2の軸方向に突出する後方リブ82bとを含む。
幾つかの実施形態では、図5に示す円環状の板部材30はハニカム構造を有している。これにより、板部材30の良好な強度を実現しつつ、簡易な構成で後方隙間8を複数の空間部7に仕切ることができる。なお、ここでの「ハニカム構造」とは、広義のハニカム構造であって、複数の貫通孔32の各々の形状は、例えば円柱形状や四角柱形状であってもよいが、強度上の観点から正六角柱形状であってもよい。また、円環状の板部材30がハニカム構造を有している場合において、図5に示すように、複数の貫通孔32の間の肉厚部34は、ケーシング4のうちインペラ2の軸方向に肉厚部34と対向する対向部分36に対して間隔dを空けて設けてもよい。これにより、後方隙間8内に供給された気体gが拡散して複数の貫通孔32に供給されるため、複数の貫通孔32に効率的に気体を供給することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図3に示すように、複数の空間部7の各々には、多孔質部材18が設けられる。これにより、空間部7の各々に供給された気体gが多孔質部材18を通過する際に気泡状となり、多孔質部材18とインペラ2との間の隙間部11のうち多孔質部材18側(多孔質部材18の表面上)に気泡層が生じるため、円板摩擦損失をより効果的に低減することができる。なお、図1、図2、図4及び図5に示した実施形態においても同様に、複数の空間部7の各々に多孔質部材を設ければ、同様の理由で円板摩擦損失をより効果的に低減することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図3に示すように、複数の空間部9の各々には、多孔質部材20が設けられる。これにより、空間部9の各々に供給された気体gが多孔質部材20を通過する際に気泡状となり、多孔質部材20とインペラ2との間の隙間部13のうち多孔質部材20側(多孔質部材20の表面上)に気泡層が生じるため、円板摩擦損失をより効果的に低減することができる。なお、図1、図2、図4〜図6に示した実施形態においても同様に、複数の空間部9の各々に多孔質部材を設ければ、同様の理由で円板摩擦損失をより効果的に低減することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図1〜図6に示すように、ハブ38には、後方隙間8に連通するとともにインペラ2のスラストバランスを調整するためのバランスホール46が設けられている。また、図1〜図4、及び図6に示す幾つかの実施形態では、少なくとも一つの後方仕切部14は、インペラ2の径方向においてバランスホール46の外側に設けられた複数の後方仕切部14を含み、複数の後方仕切部14の各々は、ケーシング4の内面からインペラ2の軸方向に突出する複数の円環状のリブである。一実施形態では、例えば図4に示すように、複数の後方仕切部14のうち、インペラ2の径方向において相対的に内側に位置する後方仕切部14のインペラ2の軸方向の長さを、インペラ2の径方向において相対的に外側に位置する後方仕切部14のインペラ2の軸方向の長さより短くしてもよい。
後方隙間8に連通するバランスホール46がハブ38に設けられている場合、後方隙間8の複数の空間部9に供給された気体は、バランスホール46へ向かって流れる。このため、インペラ2の径方向内側に向かうにつれて後方隙間8を流れる気泡の量が増加する。この点、図4に示す遠心ポンプシステム100(100d)によれば、上述のように、複数の後方仕切部14のうち、インペラ2の径方向において相対的に内側に位置する後方仕切部14(円環状のリブ)のインペラ2の軸方向の長さが、インペラ2の径方向において相対的に外側に位置する後方仕切部14のインペラ2の軸方向の長さよりも短い。このため、インペラ2の径方向内側に向かうにつれて気泡の量が増加しても、インペラ2の径方向内側の後方仕切部14による気泡の流れを遮る作用が相対的に弱いため、バランスホール46への気泡のスムーズな流れを実現することができる。
幾つかの実施形態では、遠心ポンプシステム100(100a〜100f)は、図1〜図6に示すように、インペラ2の回転軸5の回転速度を検出するためのセンサ48と、気体供給装置16を制御するための制御装置50を更に備える。
幾つかの実施形態では、図1〜図5に示す制御装置50は、センサ48によって検出したインペラ2の回転速度が大きいほど複数の空間部7に対する気体gの供給圧力の各々(低圧、高圧(及び中圧))を大きくするように気体供給装置16を制御するよう構成される。これにより、インペラ2の回転速度に応じてケーシング4内の圧力が変化しても、複数の空間部7に適量の気体gを供給することができる。
幾つかの実施形態では、図1〜図6に示す制御装置50は、センサ48によって検出したインペラ2の回転速度が大きいほど複数の空間部9に供給する気体gの圧力の各々(低圧、高圧(及び中圧))を大きくするように気体供給装置16を制御するよう構成される。これにより、インペラ2の回転速度に応じてケーシング4内の圧力が変化しても、後方隙間8に適量の気体gを供給することができる。
幾つかの実施形態では、図1〜図6に示す遠心ポンプ1は、海底油田から原油を圧送するための遠心ポンプであってもよい。海底油田から原油を圧送するためには、高揚程の遠心ポンプを好適に使用することができる。ただし、原油の粘度は比較的高いため、原油を遠心ポンプで圧送する場合には、円板摩擦損失による効率低下が大きくなりやすい。この点、上述した遠心ポンプシステム100(100a〜100f)によれば、円板摩擦損失を低減することによって遠心ポンプの効率低下を抑制することができるため、海底油田から原油の圧送に好適に使用することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図1〜図6に示す遠心ポンプシステム100(100a〜100f)は、空気を輸送するための空気輸送ライン52を備えていても良い。この場合、気体供給装置16は、空気輸送ライン52に接続され、空気輸送ライン52によって輸送された空気を気体gとして複数の空間部7と複数の空間部9の少なくとも一方に供給するよう構成される。これにより、空気を入手しにくい海底油田から原油を圧送するために遠心ポンプ1を用いる場合であっても、複数の空間部7と複数の空間部9の少なくとも一方に空気を供給して、円板摩擦損失を低減することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図1〜図6に示す遠心ポンプシステム100(100a〜100f)は、海底油田から原油とともに産出された天然ガスを輸送するための天然ガス輸送ライン54を備えていても良い。この場合、気体供給装置16は、天然ガス輸送ライン54に接続され、天然ガス輸送ライン54によって輸送された天然ガスを気体gとして複数の空間部7と複数の空間部9の少なくとも一方に供給するよう構成される。これにより、空気を入手しにくい海底油田から原油を圧送するために遠心ポンプ1を用いる場合であっても、天然ガス輸送ライン54を有効活用して、複数の空間部7と複数の空間部9の少なくとも一方に天然ガスを供給することができる。したがって、空気を複数の空間部7と複数の空間部9の少なくとも一方に供給する場合(例えば海上から海底まで空気を輸送する場合)と比較して、システム構成を簡素化することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図1〜図6に示す遠心ポンプシステム100(100a〜100f)は、海底油田における油層に圧入するための二酸化炭素(石油増進回収法で使用する二酸化炭素)を海底油田へ輸送するための二酸化炭素輸送ライン56を備えていても良い。この場合、気体供給装置16は、二酸化炭素輸送ライン56に接続され、二酸化炭素輸送ライン56によって輸送された二酸化炭素を気体gとして複数の空間部7と複数の空間部9の少なくとも一方に供給するよう構成される。これにより、空気を入手しにくい海底油田から原油を圧送するために遠心ポンプ1を用いる場合であっても、二酸化炭素輸送ライン56を有効活用して、空間部7と複数の空間部9の少なくとも一方に二酸化炭素を供給することができる。したがって、空気を空間部7と複数の空間部9の少なくとも一方に供給する場合(例えば海上から海底まで空気を輸送する場合)と比較して、システム構成を簡素化することができる。
幾つかの実施形態では、遠心ポンプシステム100(100a〜100f)は、例えば図7に示すように、遠心ポンプ1の吐出流体から気体gを分離回収する分離回収装置58と、分離回収装置58と気体供給装置16とを接続する気体回収ライン60と、を備える。気体供給装置16は、気体回収ライン60によって回収された気体gを複数の空間部7と複数の空間部9の少なくとも一方に供給するよう構成される。このように、分離回収装置58及び気体回収ライン60を設けて気体gを再利用することによって、気体を確保しにくい海底油田において気体の使用量を削減することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、図3に示す実施形態では、前方仕切部12の先端が多孔質部材18に対してインペラ2の軸方向に突出しているが、例えば図9に示すように前方仕切部12の先端が多孔質部材18と面一になるよう構成されていてもよいし、図10に示すように前方仕切部12の先端が多孔質部材18よりもインペラ2の軸方向に引っ込んでいてもよい。
また、図3に示す実施形態では、後方仕切部14の先端が多孔質部材18に対してインペラ2の軸方向に突出しているが、例えば図9に示すように後方仕切部14の先端が多孔質部材18と面一になるよう構成されていてもよいし、図10に示すように後方仕切部14の先端が多孔質部材18よりもインペラ2の軸方向に引っ込んでいてもよい。
1 遠心ポンプ
2 インペラ
4 ケーシング
5 回転軸
6 前方隙間
7(7a,7b,7c) 空間部
9(9a,9b,9c) 空間部
8 後方隙間
10 吸入口
11 隙間部
12 前方仕切部
13 隙間部
14 後方仕切部
16 気体供給装置
18 多孔質部材
20 多孔質部材
22 板部材
24 貫通孔
26 肉厚部
28 対向部分
30 板部材
32 貫通孔
34 肉厚部
36 対向部分
38 ハブ
40 ブレード
42 前シュラウド
44 後シュラウド
46 バランスホール
48 センサ
50 制御装置
52 空気輸送ライン
54 天然ガス輸送ライン
56 二酸化炭素輸送ライン
58 分離回収装置
60 気体回収ライン
62 低圧ライン
64 中圧ライン
66 高圧ライン
68,70,72,68,70,72,74,76,78 開口部
100 遠心ポンプシステム

Claims (15)

  1. 液体を圧送するための遠心ポンプを備える遠心ポンプシステムであって、
    前記遠心ポンプは、
    インペラと、
    前記インペラを収容するケーシングと、
    前記インペラの軸方向における前記インペラと前記ケーシングとの間の隙間を、前記インペラの径方向に並ぶ複数の空間部に仕切る少なくとも一つの仕切部と、
    を備え、
    前記遠心ポンプシステムは、前記複数の空間部に気体を供給するための気体供給装置を備え、
    前記気体供給装置は、前記複数の空間部のうち第1空間部に対して第1の供給圧力で前記気体を供給するとともに、前記複数の空間部のうち前記インペラの径方向において前記第1空間部の外側に位置する第2空間部に対して前記第1の供給圧力よりも高い第2の供給圧力で前記気体を供給するよう構成された遠心ポンプシステム。
  2. 前記仕切部の各々は、前記ケーシングの内面から前記インペラの軸方向に突出する円環状のリブである請求項1に記載の遠心ポンプシステム。
  3. 前記インペラと前記ケーシングとの間の前記隙間には円環状の板部材が設けられ、
    前記円環状の板部材には前記複数の空間部としての複数の貫通孔が設けられる請求項1に記載の遠心ポンプシステム。
  4. 前記円環状の板部材はハニカム構造を有する請求項3に記載の遠心ポンプシステム。
  5. 前記複数の貫通孔の間の前記肉厚部は、前記ケーシングのうち前記インペラの軸方向に当該肉厚部に対向する部分に対して、間隔を空けて設けられる請求項4に記載の遠心ポンプシステム。
  6. 前記複数の空間部の各々には、多孔質部材が設けられる請求項1乃至5の何れか1項に記載の遠心ポンプシステム。
  7. 前記インペラと前記ケーシングとの間の前記隙間は、前記インペラの後シュラウドと前記ケーシングとの間の隙間である請求項1乃至6の何れか1項に記載の遠心ポンプシステム。
  8. 前記インペラと前記ケーシングとの間の前記隙間は、前記インペラの前シュラウドと、前記ケーシングとの間の隙間である請求項1乃至6の何れか1項に記載の遠心ポンプシステム。
  9. 前記ハブには、前記隙間に連通するとともに前記インペラのスラストバランスを調整するためのバランスホールが設けられ、
    前記少なくとも一つの仕切部は、前記インペラの径方向において前記バランスホールの外側に設けられた複数の仕切部を含み、
    前記複数の仕切部の各々は、前記ケーシングの内面から前記インペラの軸方向に突出する円環状のリブであり、
    前記複数の仕切部のうち、前記インペラの径方向において相対的に内側に位置する前記仕切部の前記インペラの軸方向の長さは、前記インペラの径方向において相対的に外側に位置する仕切部の前記インペラの軸方向の長さよりも短い、請求項7に記載の遠心ポンプシステム。
  10. 前記気体供給装置をそれぞれ制御するための制御装置を更に備え、
    前記制御装置は、前記インペラの回転速度が大きいほど前記第1圧力及び前記第2圧力をそれぞれ大きくするように前記気体供給装置を制御するよう構成された請求項1乃至9の何れか1項に記載の遠心ポンプシステム。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の遠心ポンプシステムであって、前記遠心ポンプは、海底油田で産出された原油を圧送するよう構成された遠心ポンプシステム。
  12. 空気を輸送するための空気輸送ラインを更に備え、
    前記気体供給装置は、前記空気輸送ラインに接続されるとともに、前記空気輸送ラインによって輸送された前記空気を前記気体として前記複数の空間部に供給するよう構成された請求項11に記載の遠心ポンプシステム。
  13. 前記海底油田から前記原油とともに産出された天然ガスを輸送するための天然ガス輸送ラインを更に備え、
    前記気体供給装置は、前記天然ガス輸送ラインに接続されるとともに、前記天然ガス輸送ラインによって輸送された前記天然ガスを前記気体として前記複数の空間部に供給するよう構成された請求項11に記載の遠心ポンプシステム。
  14. 前記海底油田における油層に圧入するための二酸化炭素を前記海底油田へ輸送するための二酸化炭素輸送ラインを更に備え、
    前記気体供給装置は、前記二酸化炭素輸送ラインに接続されるとともに、前記二酸化炭素輸送ラインによって輸送された前記二酸化炭素を前記気体として前記複数の空間部に供給するよう構成された請求項11に記載の遠心ポンプシステム。
  15. 前記遠心ポンプの吐出流体から前記気体を分離回収する分離回収装置と、
    前記分離回収装置と前記気体供給装置とを接続する気体回収ラインと、を備え、
    前記気体供給装置は、前記気体回収ラインによって回収された前記気体を前記複数の空間部に供給するよう構成された請求項11乃至14の何れか1項に記載の遠心ポンプシステム。

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