JP2016142120A - 天井構造 - Google Patents
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ブレースは、例えば、水平面に対して傾斜して直線状に延びる軽量鉄骨の部材であり、このブレースの上端は、ブレース金具を介して吊りボルトの上部に係止され、下端は、天井下地である野縁受けや野縁に係止される。
また、ブレースに引張力または圧縮力が作用すると、基部と躯体との間にせん断力が作用する。この発明によれば、吊り部材にナットを螺合して、基部を躯体の下面に押圧したので、このせん断力に対して、吊り部材のせん断応力だけでなく、基部と躯体との間の摩擦力で抵抗できる。
ブレースは、天井内の設備や梁型を避けて配置するため、設計上の位置に正確に配置することは困難であるが、この発明によれば、取付治具を吊り部材に後付けできるので、施工段階で取付治具の取付位置を調整できる。
ここで、半割ナットを重ねて、これら半割ナットのスリットが重なった部分を、吊り部材が螺合されるねじ孔とした。そして、ロック部材により、これら半割ナット同士の相対位置を保持した。よって、既存の天井下地に、ナットを容易に取り付けることができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る天井構造1の断面図である。
補強ブレース30は、取付治具14に接合されており、この取付治具14は、吊りボルト11を用いて、上階の躯体2に固定されている。
取付治具14は、躯体2の下面に設けられて吊りボルト11が貫通する平板状の基部40と、基部40に立設されて補強ブレース30が連結される板状の壁部50と、を有する。
吊りボルト11は、全周に亘ってねじが刻設されており、躯体2に打ち込まれたインサート3に螺合されている。この吊りボルト11には、基部40を躯体2の下面に押圧するナット60が螺合される。
第1基部41には、中心部から一辺縁に至るスリット411が形成されている。
また、この第1基部41の壁部50の外側には、係止部412が立設されている。
この第2基部42と壁部50とは、山形鋼で一体に形成されており、第2基部42と壁部50との間には、一対のスチフナ52が設けられている。
また、このとき、第1基部41の係止部412に第2基部42が係止して、第1基部41と第2基部42とが面内方向に相対移動するのを防止する。
壁部50には、複数の貫通孔51A、51B、51C、51Dが設けられており、補強ブレース30は、貫通孔51A〜51Dに選択的にボルト固定される。なお、本実施形態では、補強ブレース30は、貫通孔51Bにボルト固定されている。
同様に、貫通孔51B〜51Dに補強ブレース30を取付けて、この補強ブレース30の水平面に対する角度をそれぞれ50°、55°、60°に設定することにより、補強ブレース30の中心軸が、吊りボルト11の根元(つまり吊りボルト11と躯体2との接合部分)を通るようになっている。
半割ナット61には、中心部から一辺縁に至るスリット611が形成されている。このスリット611の内端側には、ねじが刻設されている。
これら半割ナット61のスリット611で吊りボルト11を両側から挟み込んで、半割ナット61を重ねることにより、スリット611同士の重なった部分が、吊りボルト11が螺合されるねじ孔63となる。
まず、取付治具14に吊りボルト11を挿通する。すなわち、第1基部41と第2基部42とを吊りボルト11を挟み込むように重ねて配置することにより貫通孔43を形成し、この貫通孔43に吊りボルト11を挿通する。
(1)補強ブレース30の上端部が接合される取付治具14を、吊りボルト11を用いて躯体2に固定したので、補強ブレース30の上端部の中心軸が吊りボルト11と躯体2との接合部分の近傍つまり吊りボルト11のほぼ根元を通る。したがって、補強ブレース30に引張力Pまたは圧縮力が作用しても、吊りボルト11にモーメントがほとんど発生しないから、吊りボルト11が曲げ破壊するのを確実に防止できる。
また、補強ブレース30に引張力Pまたは圧縮力が作用すると、基部40と躯体2との間にせん断力が作用するが、吊りボルト11にナット60を螺合して、基部40を躯体2の下面に押圧したので、このせん断力に対して、吊りボルト11のせん断応力だけでなく、基部40と躯体2との間の摩擦力で抵抗できる。
また、取付治具14を吊りボルト11に後付けできるので、施工段階で取付治具14付位置を調整できる。
ここで、半割ナット61を重ねて、これら半割ナット61のスリット611が重なった部分を、吊りボルト11が螺合されるねじ孔63とした。そして、ロック部材62により、これら半割ナット61同士の相対位置を保持した。よって、既存の天井下地に、ナット60を容易に取り付けることができる。
図7は、本発明の第2実施形態に係る取付治具14Aを下方から見上げた平面図である。図8は、図7のB−B断面図であり、図9は、図7のC−C断面図である。
本実施形態では、一対の壁部50Aで補強ブレース30を支持した点が、第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
一対の壁部50Aは、第1基部41上に互いに対向して形成される。係止部412は、この第1基部41の一対の壁部50A同士の間の辺縁に立設されている。
一対の壁部50Aには、複数の貫通孔51A、51B、51C、51D、51E、51Fが設けられており、補強ブレース30は、貫通孔51A〜51Fに選択的にボルト固定される。なお、本実施形態では、補強ブレース30は、貫通孔51Cにボルト固定されている。
図12は、本発明の第3実施形態に係るナット60Aの断面図および下方から見た平面図である。
本実施形態では、ナット60の代わりにナット60Aを用いる点が、第1、2実施形態と異なり、その他の構成は第1、2実施形態と同様である。
雌プレート81のスリット811は、雌プレート81の中心部から一辺縁に至るものであり、このスリット811の内端側には、ねじが刻設されている。
例えば、上述の各実施形態では、ナット60、60Aを、複数の部材を組み合わせて吊りボルト11に後付けできるようにしたが、これに限らず、予め、通常のナットを吊りボルトに嵌めておいてもよい。
2…躯体
3…インサート
10…軽量鉄骨下地(天井下地)
11…吊りボルト(吊り部材)
12…野縁受け(下地部材)
13…野縁(下地部材)
14、14A…取付治具
20…天井材
30…補強ブレース
31…貫通孔
40…基部
41…第1基部(部材)
42…第2基部(部材)
43…貫通孔
44…ボルト
45、46…ナット
50、50A…壁部
51A、51B、51C、51D、51E、51F…貫通孔
52…スチフナ
60、60A…ナット
61…半割ナット
62…ロック部材
63…ねじ孔
70…貫通孔
71…コンクリートビス
81…雌プレート
82…雄プレート
83…ロック部材
84…ねじ孔
411…スリット
412…係止部
421…スリット
611…スリット
621…スリット
811…スリット
821…凹部
831…スリット
Claims (4)
- 天井裏空間に設けられた天井下地と、当該天井下地の下端に取り付けられる板状の天井材と、前記天井下地の上部と下部とを連結するブレースと、を備える天井構造であって、
前記天井下地は、上階の躯体から下方に延びる複数の吊り部材と、当該吊り部材に支持される棒状の下地部材と、を備え、
前記ブレースの上端部が接合される取付治具が、前記吊り部材を用いて前記上階の躯体に固定されていることを特徴とする天井構造。 - 前記取付治具は、前記吊り部材が貫通する平板状の基部と、当該基部に立設されて前記ブレースが連結される板状の壁部と、を有し、
前記吊り部材には、ナットが螺合されて、前記基部を前記躯体の下面に押圧することを特徴とする請求項1に記載の天井構造。 - 前記基部は、中心部から一辺縁に至るスリットが形成された2つの部材を重ねて構成され、
前記スリット同士が重なった部分は、前記吊り部材が貫通する貫通孔となることを特徴とする請求項2に記載の天井構造。 - 前記ナットは、中心部から一辺縁に至るスリットが形成されてかつ重ねて配置された2つの半割ナットと、当該2つの半割ナットを覆うロック部材と、を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の天井構造。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180052205A (ko) * | 2016-11-10 | 2018-05-18 | 포엠 주식회사 | 내진 천장 구조 및 이의 시공 방법 |
Citations (4)
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JPS6019217Y2 (ja) * | 1978-07-13 | 1985-06-10 | 松下電工株式会社 | 天井の構造 |
US5791639A (en) * | 1995-11-27 | 1998-08-11 | Johnston; Russell M. | Framing member support stand |
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JP2008208687A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-09-11 | Soujiro Sakami | 天井吊ボルトの耐震補強装置 |
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