JP2016141717A - ラクトン重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
そして、本発明のラクトン重合体の製造方法により得られるラクトン重合体は色相に優れる。また、低分子量成分の混入割合が低く、分子量分布が狭いため、最終製品にブリードアウトやブルーミングが発生することを抑制することができる。
そのため、本発明のラクトン重合体の製造方法は、工業的にラクトン重合体を製造する方法として好適であり、本発明の製造方法により得られるラクトン重合体は、ポリウレタンやウレタン(メタ)アクリレート等の樹脂原料として有用である。また、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂などに流動性等を付与する樹脂改質剤としても好適に使用することができる。
本発明におけるリン化合物は、下記式(1)で表される。リン化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における有機酸ビスマス塩を構成する有機酸には、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、及び芳香族カルボン酸が含まれる。従って、有機酸ビスマス塩には、脂肪族カルボン酸ビスマス塩、脂環式カルボン酸ビスマス塩、及び芳香族カルボン酸ビスマス塩が含まれる。有機酸ビスマス塩は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明では、上記リン化合物と有機酸ビスマス塩を併用するため、色相に優れたラクトン重合体が得られる。
本発明における環状エステルとしては、例えば、α−アセトラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ζ−エナントラクトン、η−カプリロラクトン(=8−ヒドロキシオクタン酸ラクトン)、12−ヒドロキシドデカン酸ラクトン、13−ヒドロキシトリデカン酸ラクトン、14−ヒドロキシテトラデカン酸ラクトン、15−ヒドロキシペンタデカン酸ラクトン等の3〜16員の環状エステル等を挙げることができる。
本発明のラクトン重合体の製造方法では、活性水素を含む官能基を有する化合物を開始剤として使用することが好ましい。開始剤を使用することにより重合反応が制御され、分子量分布の狭いラクトン重合体が得られる。
ガス導入管、撹拌装置、冷却管、温度調節器を備えた1リットルの4ツ口フラスコに、開始剤としての2−ヒドロキシエチルアクリレート2.9mol(336.9g、環状エステル100モルに対して50モル)、環状エステルとしてのε−カプロラクトン5.8mol(663.1g)、メトキノン0.5g、リン酸ジフェニル(DPP)0.1g(環状エステルと開始剤の総量に対して、100ppm)、ネオデカン酸ビスマス(III)塩0.007g(環状エステルと開始剤の総量に対して、7ppm)を加え、7%O2雰囲気下で、110℃に加熱し撹拌した[DPP/ネオデカン酸ビスマス(III)塩(モル比)=41/1]。
ガスクロマトグラフィで反応液中のε−カプロラクトン濃度を測定し、ε−カプロラクトン濃度が1%未満になったところで反応液を冷却して反応を停止して、ラクトン重合体を得た。得られたラクトン重合体の分子量分布、及び色相を下記方法で測定した。
高速GPC装置を用いて、ポリスチレン標品との比較から数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を求め、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
測定条件は下記の通りである。
測定装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」、東ソー(株)製
移動相:テトラヒドロフラン
<色相:APHA>
ASTM D 1209に準拠して測定した。
ネオデカン酸ビスマス(III)塩に代えて、2−エチルヘキサン酸ビスマス(III)塩0.008g(環状エステルと開始剤の総量に対して、8ppm)を使用した以外は実施例1と同様に行って[DPP/2−エチルヘキサン酸ビスマス(III)塩(モル比)=32/1]、ラクトン重合体を得た。
ネオデカン酸ビスマス(III)塩を使用しなかった以外は実施例1と同様に行って、ラクトン重合体を得た。
ガス導入管、撹拌装置、冷却管、温度調節器を備えた1リットルの4ツ口フラスコに、開始剤としてのネオペンチルグリコール0.5mol(52.0g、環状エステル100モルに対して6モル)、環状エステルとしてのε−カプロラクトン8.3mol(948.0g)、リン酸ジフェニル(DPP)0.1g(環状エステルと開始剤の総量に対して、100ppm)、ネオデカン酸ビスマス(III)塩0.007g(環状エステルと開始剤の総量に対して、7ppm)を加え、窒素雰囲気下で、180℃に加熱し撹拌した[DPP/ネオデカン酸ビスマス(III)塩(モル比)=41/1]。
ガスクロマトグラフィで反応液中のε−カプロラクトン濃度を測定し、ε−カプロラクトン濃度が0.5%未満になったところで反応液を冷却して反応を停止して、ラクトン重合体を得た。得られたラクトン重合体の分子量分布、及び色相を上記方法で測定した。
ネオデカン酸ビスマス(III)塩を使用しなかった以外は実施例3と同様に行って、ラクトン重合体を得た。
ガス導入管、撹拌装置、冷却管、温度調節器を備えた1リットルの4ツ口フラスコに、開始剤としての2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.1mol(532.8g、環状エステル100モルに対して100モル)、環状エステルとしてのε−カプロラクトン4.1mol(467.2g)、メトキノン2g、リン酸ジフェニル(DPP)0.1g(環状エステルと開始剤の総量に対して、100ppm)、ネオデカン酸ビスマス(III)塩0.007g(環状エステルと開始剤の総量に対して、7ppm)を加え、7%O2雰囲気下で、110℃に加熱し撹拌した[DPP/ネオデカン酸ビスマス(III)塩(モル比)=41/1]。
ガスクロマトグラフィで反応液中のε−カプロラクトン濃度を測定し、ε−カプロラクトン濃度が1%未満になったところで反応液を冷却して反応を停止して、ラクトン付加物を得た。得られたラクトン付加物の分子量分布、及び色相を上記方法で測定した。
ネオデカン酸ビスマス(III)塩を使用しなかった以外は実施例4と同様に行って、ラクトン付加物を得た。
ガス導入管、撹拌装置、冷却管、温度調節器を備えた1リットルの4ツ口フラスコに、開始剤としての2−ヒドロキシエチルアクリレート2.9mol(336.9g、環状エステル100モルに対して50モル)、環状エステルとしてのε−カプロラクトン5.8mol(663.1g)、メトキノン0.5g、ビス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート(DXP)0.12g(環状エステルと開始剤の総量に対して、120ppm)、ネオデカン酸ビスマス(III)塩0.007g(環状エステルと開始剤の総量に対して、7ppm)を加え、7%O2雰囲気下で、110℃に加熱し撹拌した[DXP/ネオデカン酸ビスマス(III)塩(モル比)=33/1]。
ガスクロマトグラフィで反応液中のε−カプロラクトン濃度を測定し、ε−カプロラクトン濃度が1%未満になったところで反応液を冷却して反応を停止して、ラクトン重合体を得た。得られたラクトン重合体の分子量分布、及び色相を上記方法で測定した。
ネオデカン酸ビスマス(III)塩を使用しなかった以外は実施例5と同様に行って、ラクトン重合体を得た。
Claims (7)
- 下記式(1)で表されるリン化合物と有機酸ビスマス塩の共存下で、環状エステルを開環重合することによりラクトン重合体を得るラクトン重合体の製造方法。
- 有機酸ビスマス塩が、炭素数2〜18の脂肪族カルボン酸のビスマス塩である請求項1に記載のラクトン重合体の製造方法。
- 有機酸ビスマス塩が、ネオデカン酸ビスマス(III)塩である請求項1に記載のラクトン重合体の製造方法。
- リン化合物と有機酸ビスマス塩を100/1〜5/1(前者/後者;モル比)の割合で使用する請求項1〜3の何れか1項に記載のラクトン重合体の製造方法。
- 活性水素を含む官能基を有する化合物を開始剤として使用する請求項1〜4の何れか1項に記載のラクトン重合体の製造方法。
- 環状エステルが、置換基を有していてもよい、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ζ−エナントラクトン、又はη−カプリロラクトンである請求項1〜5の何れか1項に記載のラクトン重合体の製造方法。
- リン化合物がリン酸ジフェニルである請求項1〜6の何れか1項に記載のラクトン重合体の製造方法。
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JP2011201946A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-10-13 | Toray Ind Inc | 脂肪族ポリエステル樹脂の製造方法および組成物 |
JP2013513008A (ja) * | 2009-12-08 | 2013-04-18 | アルケマ フランス | 少なくとも一つの環状モノマーからポリマーを製造する方法 |
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