JP2016141688A - 光学透明粘着シート - Google Patents

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淳 大西
祐希 細川
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Abstract

【課題】 常温・常湿下だけでなく高温・高湿下においても、優れた粘着性を有し、高温・高湿下における形状変化が生じにくい光学透明粘着シートを提供する。【解決手段】 熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シートであって、上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び、タッキファイヤーを含有し、上記タッキファイヤーは、ロジン系タッキファイヤーを含み、上記タッキファイヤーの含有量は、上記熱硬化性ポリウレタン組成物に対して、1〜10重量%である光学透明粘着シート。【選択図】 図1

Description

本発明は、光学透明粘着シートに関する。
光学透明粘着(OCA:Optical Clear Adhesive)シートは、光学部材の貼り合わせに利用される透明な粘着シートである。近年、スマートフォン、タブレットPC、携帯型ゲーム機、カーナビゲーション装置等の分野でタッチパネルの需要が急速に伸びており、これに伴い、タッチパネルを他の光学部材に貼り合わせるために用いられるOCAシートの需要も増加している。タッチパネルを備えた表示装置は、通常では、液晶パネル等の表示パネル、ITO(酸化インジウムスズ)等からなる透明導電膜を表層に有する透明部材(タッチパネル本体)、及び、透明導電膜を保護するカバーパネル等の光学部材が積層された構造を有し、光学部材間の貼り合わせにOCAシートが用いられている。但し、表示パネルとタッチパネル本体との間は、表示パネルの筐体であるベゼルの端部が存在するために他の光学部材の間隔よりも広く、OCAシートによる貼り合わせはされず、エアギャップと呼ばれる空気層を設けることが一般的であった。
OCAシートとしては、例えば、シリコーン系樹脂組成物やアクリル系樹脂組成物からなるものが知られている。しかしながら、シリコーン樹脂を用いたOCAシートは、粘着力が低いため、光学部材間に空気が入り込み、例えば、表示画面の視認性が低下することがあった。アクリル系樹脂を用いたOCAシートでは、アクリル系樹脂中に残存したアクリル酸や加水分解によって生じた酸成分が、光学部材に使用されている金属を腐食させるという問題が生じることがあった。また、アクリル系樹脂組成物が紫外線硬化型の樹脂組成物である場合には、紫外線照射時にアクリル系樹脂の表層部で反応に必要なフリーラジカルが消費されてしまい、底部が未硬化となるため、厚膜のOCAシートを得ることは困難であった。
また、特許文献1では、熱硬化型ポリウレタン樹脂組成物を用いることが検討されており、水添ダイマージオールと水酸基末端水添ポリブタジエンとを特定の質量割合で使用することで、透明性、破泡性、粘着性、耐白化性、柔軟性を満たす粘着フィルムが得られる、と開示している。
特開2013−18856号公報
光学部材間に空気層であるエアギャップが存在すると、空気層と光学部材の屈折率の差により界面反射が生じるため、表示パネルの視認性が低下する。このため、表示パネルとタッチパネル本体との貼り合わせに適した厚膜のOCAシートが求められていた。また、表示パネルとタッチパネル本体との貼り合わせに用いられるOCAシートには、ベゼルの厚みによって形成される段差を埋めることも求められる。したがって、柔軟性(段差追従性)に優れ、かつ厚膜化が可能なOCAシートが必要であった。
また、OCAシートに求められる重要な特性は粘着力であり、ガラスに対する粘着力が評価指標として一般的に用いられている。OCAシートは、使用環境に変化が生じても、物性に変化が無いことが求められ、粘着力についても、常温・常湿下だけではなく、高温・高湿下においても充分な粘着力があることが求められる。しかしながら、従来のOCAシートは、高温・高湿下では著しく粘着力が低下するという傾向があった。
以上のことから、柔軟性(段差追従性)に優れ、厚膜化が可能であるとともに、常温・常湿下だけでなく高温・高湿下においても優れた粘着性を有するOCAシートが求められていた。
なお、本明細書において、常温・常湿とは、温度23℃・湿度50%のことをいい、高温・高湿とは、温度85℃・湿度85%のことをいう。
本発明者らは、柔軟性(段差追従性)に優れ、厚膜化が可能なOCAシートの材料として、非溶剤系である熱硬化性ポリウレタン組成物に着目した。そして、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物にタッキファイヤー(粘着付与剤)を添加することにより、高温・高湿下におけるOCAシートの粘着力についても確保できることを見出した。
一方で、本発明者らは、タッキファイヤーを含有させるとポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応性が低下することも見出した。ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応が不充分であると、特に柔軟性(段差追従性)を確保するためにα比(ポリオール成分由来のOH基のモル数/ポリイソシアネート成分由来のNCO基のモル数)を1以上にした場合には、高湿・高温下においてOCAシートが溶解し、形状に変化が生じやすいことが分かった。
本発明者らは、更に鋭意検討した結果、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物にロジン系タッキファイヤーを1〜10重量%の範囲で添加することによって、常温・常湿下だけではなく高温・高湿下においても優れた粘着性を有し、かつ高湿・高温下において溶解しないOCAシートが得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の光学透明粘着シートは、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シートであって、上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び、タッキファイヤーを含有し、上記タッキファイヤーは、ロジン系タッキファイヤーを含み、上記タッキファイヤーの含有量は、上記熱硬化性ポリウレタン組成物に対して、1〜10重量%であることを特徴とする。
上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、α比(ポリオール成分由来のOH基のモル数/ポリイソシアネート成分由来のNCO基のモル数)が1以上であり、更にモノイソシアネート成分を含有することが好ましい。
上記光学透明粘着シートの厚さは、50μm以上、2000μm以下であることが好ましい。
本発明の光学透明粘着シートは、常温・常湿下だけでなく高温・高湿下においても、優れた粘着性を有し、高温・高湿下における形状変化が生じにくいものである。また、本発明の光学透明粘着シートは、容易に厚膜化することが可能であり、透明性、柔軟性(段差追従性)、及び、引っ張り強度においても優れたものである。
本発明の光学透明粘着シートを用いたタッチパネル付き表示装置の一例を模式的に示した断面図である。 本発明の光学透明粘着シートの作製に使用する成形装置の一例を説明するための模式図である。 実施例1の両面保護フィルム付き光学透明粘着シートを模式的に示した断面図である。 実施例及び比較例の光学透明粘着シートの粘着力の評価方法を説明するための模式図である。
本発明の光学透明粘着シートは、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シートであって、上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び、タッキファイヤーを含有し、上記タッキファイヤーは、ロジン系タッキファイヤーを含み、上記タッキファイヤーの含有量は、上記熱硬化性ポリウレタン組成物に対して、1〜10重量%であることを特徴とする。なお、本明細書において、「光学透明粘着シート」とは、「光学透明粘着フィルム」と同義である。
上記光学透明粘着シートは、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなり、上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分を含有する。熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応させることにより得られ、下記式(A)に示した構造を有する。
Figure 2016141688
上記式(A)中、Rは、ポリイソシアネート成分のNCO基を除いた部位を表し、R’は、ポリオール成分のOH基を除いた部位を表し、nは、繰り返し単位数を表す。
上記熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物は、アクリル変性されていないことが好ましく、主鎖中にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等に由来する部位が含まれないことが好ましい。アクリル変性されると疎水化されるため、高温・高湿下において水分の凝集が生じやすくなる。この水分の凝集は、白化、発泡等を引き起し、光学特性を損なう。したがって、アクリル変性されていないものとすることで、高温・高湿下において白化、発泡等による光学特性の低下を防止することができる。
上記ポリオール成分及び上記ポリイソシアネート成分としては、いずれも常温(23℃)で液体のものを用いることができ、溶剤を用いずに熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物を得ることができる。タッキファイヤー等の他の成分は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分のいずれかに添加することができ、好ましくは、ポリオール成分に添加される。このように、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物によって光学透明粘着シートを作製する場合、溶剤の除去が必要ないので、均一なシートを厚く形成することができる。これにより、表示パネルと透明導電膜を表層に有する透明部材(タッチパネル)との貼り合せに用いた場合に、ベゼルの段差を被覆することができる。また、本発明の光学透明粘着シートは厚く形成しても光学特性を維持することができるものであり、透明性(ヘイズ)の低下、色付き、発泡(被着体との界面での気泡の発生)を充分に抑制できる。
また、上記光学透明粘着シートは、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなり、柔軟であるため、引っ張り応力が加わったときに、良く伸び、非常に千切れにくい。このため、糊残りすることなく、引き剥がすことが可能である。更に、上記光学透明粘着シートは、柔軟であるとともに厚膜化できることから、耐衝撃性に優れ、透明導電膜を表層に有する透明部材とカバーパネルの貼り合せ、更に他の部材を用いる場合には、表示パネル、又は、透明導電膜を表層に有する透明部材と、他の部材との貼り合せにも用いることができる。更に、本発明の光学透明粘着シートは、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなるため、誘電率が高く、従来のアクリル系樹脂組成物からなる光学透明粘着シートよりも高い静電容量が得られるため、静電容量方式のタッチパネルの貼り合せに好適に用いられる。
[ポリオール成分]
上記ポリオール成分としては特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレントリオール、これらの共重合体等のポリアルキレングリコール、これらに側鎖を導入したり分岐構造を導入したりした誘導体、変成体、さらにはこれらの混合物等が挙げられる。
上記ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ポリカプロテクトングリコール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオール、これらに側鎖を導入したり分岐構造を導入したりした誘導体、変成体、さらにはこれらの混合物等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジアルキルカーボネートとジオールとの反応物が挙げられる。
上記ジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記ジオールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。上記ジオールとしては、炭素数が4〜9の脂環族又は脂環族ジオールが好ましく、例えば、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオ−ル、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、及び、1,9−ノナンジオールを単独で又は2種以上併用して使用することが好ましい。上記ジオールとしては、また、1,6−ヘキサンジオールと3−メチル−1,5−ペンタンジオールとからなるコポリカーボネートジオール、1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールとからなるコポリカーボネートジオールも好ましい。
また、上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリカーボネートグリコール、ポリカーボネートトリオール、ポリカーボネートテトラオール、これらに側鎖を導入したり分岐構造を導入したりした誘導体、変成体、さらにはこれらの混合物等を用いることもできる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、ジカルボン酸とグリコール成分とを脱水縮合させたものが挙げられる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
上記グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、p−キシレンジオール等の芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
以上で例示したジカルボン酸とグリコール成分によって形成されるポリエステルポリオールは、線状の分子構造を有するが、上記ポリエステルポリオールは、3価以上のエステル形成成分を用いた分枝状の分子構造を有するポリエステルであってもよい。上記ジカルボン酸と上記グリコール成分とは、モル比1.1〜1.3にて150〜300℃で反応させればよい。
上記ポリオール成分としては、ポリカーボネートポリオールが好ましい。耐加水分解性、機械的特性及び耐薬品性に優れるからである。また、上記ポリオール成分は、1種類のみを使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記ポリオール成分は、数平均分子量が300〜5000であることが好ましい。ポリオール成分の数平均分子量が300未満である場合には、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応が速すぎて熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物の硬化物を均一なシートに成形することが困難になったり、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物の硬化物の柔軟性が低下して脆くなったりすることがある。ポリオール成分の数平均分子量が5000を超える場合には、ポリオール成分の粘度が高くなりすぎて熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物の硬化物を均一なシートに成形することが困難になったり、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物の硬化物が結晶化して白濁する等の不具合を生じることがある。より好ましいポリオールの数平均分子量は、500〜2000である。
[ポリイソシアネート成分]
上記ポリイソシアネート成分としては特に限定されず、従来公知のポリイソシアネートを用いることができる。上記ポリイソシアネート成分としては、脂肪族ポリイソシアネート(脂環族ポリイソシアネートを含む)が好ましい。光学透明粘着シートの着色や変色がより発生しにくく、長期に渡って光学透明粘着シートの透明性をより確実に確保することができるからである。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化トリレンジイソシアネート、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート、これらの変性体や多量体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート又はその変性体や、イソホロンジイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート及びその変性体が特に好ましい。なお、上記ヘキサメチレンジイソシアネートの変性体としては、具体的には、例えばヘキサメチレンジイソシアネートをイソシアヌレート変性、アロファネート変性及び/又はウレタン変性したもので、平均官能基数が2.0以上のもの等が挙げられる。
上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、α比(ポリオール成分由来のOH基のモル数/ポリイソシアネート成分由来のNCO基のモル数)が1以上であることが好ましい。上記α比が1未満である場合には、ポリイソシアネート成分の配合量が、ポリオール成分の配合量に対して過剰であるため、上記熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物が硬くなり、光学透明粘着シートに要求される柔軟性を確保するのが困難となる。柔軟性が低いと、特に、タッチパネル等の光学部材の貼り合わせで、貼り合わせ面に存在する凹凸及び段差を被覆することができない。また、高温・高湿下での粘着力を確保することができない。上記α比は、1<α<1.5がより好ましい。上記α比が1.5以上になると、上記熱硬化性ポリウレタン組成物が硬化しないことがある。
[タッキファイヤー]
上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、更に、タッキファイヤー(粘着付与剤)を含有する。タッキファイヤーは、粘着性を向上するために添加される添加剤であり、通常分子量が数百〜数千の無定型オリゴマーで、常温で液状又は固形の熱可塑性樹脂である。タッキファイヤーを含有することで、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シートは、その両面において充分な粘着性を有する。
上記タッキファイヤーは、ロジン系タッキファイヤーを含む。ロジン系タッキファイヤーは、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。タッキファイヤーがロジン系タッキファイヤーを含むことで、熱硬化性ポリウレタン組成物との相溶性が向上し、得られる光学透明粘着シートの高温・高湿下における粘着力の低下を防止する効果が得られる。上記タッキファイヤーは、テルペン系タッキファイヤー、石油系タッキファイヤー等の他の種類のタッキファイヤーを含んでもよい。
上記ロジン系タッキファイヤーとしては、例えば、下記化学式(1)〜(8)で表される化合物の誘導体が挙げられる。
Figure 2016141688
上記誘導体としては、例えば、上記化学式(1)〜(8)で表される化合物と酸又は無水物とを反応させて得られる反応物、上記反応物を還元して得られるジオール又はトリオール等が挙げられる。上記化学式(1)〜(8)で表される化合物と反応させる酸としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等、及び、これらの混合物が挙げられ、無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸等、及び、これらの混合物が挙げられる。上記酸又は無水物との反応は、当該技術分野で公知の条件・方法を用いることができる。上記ジオール又はトリオールへの還元は、例えば、水素及び白金触媒を用いる方法、水素化リチウムアルミニウムのような還元剤を用いる方法等の既知の還元方法を用いることができる。
また、上記ロジン系タッキファイヤーのうち市販されているものとしては、例えば、荒川化学工業株式会社製の超淡色ロジン「KR−85」、「KR−612」及び「KR−614」、超淡色ロジンエステル「KE−100」、「KE−311」及び「KE−359」、酸変性超淡色ロジン「KE−604」及び「KR−120」、超淡色重合ロジン「KR−140」、ロジン含有ジオール「D−6011」、「KE−615−3」等が挙げられる。
上記ロジン系タッキファイヤーは、酸価が、1mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が1mgKOH/g以下であれば、ロジン系タッキファイヤーがポリオール成分とポリイソシアネート成分の反応性を阻害することを充分に防止できる。また、上記ロジン系タッキファイヤーは、軟化点が、80〜120℃であることが好ましく、80〜100℃であることがより好ましい。軟化点が80〜120℃であれば、ロジン系タッキファイヤーをポリオール成分中に溶解させる際に、ポリオール成分が熱によって劣化してしまうことを充分に防止できる。
上記タッキファイヤーの含有量は、上記熱硬化性ポリウレタン組成物に対して、1〜10重量%であり、好ましくは、ロジン系タッキファイヤーの含有量が、上記熱硬化性ポリウレタン組成物に対して、1〜10重量%である。タッキファイヤーの含有量が1重量%未満である場合には、光学透明粘着シートの粘着性を充分に向上できないことがあり、特に高温・高湿下における粘着性が不充分になることがある。タッキファイヤーの含有量が10重量%を超える場合には、ポリオール成分とポリイソシアネート成分の反応を阻害し、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物中にウレタン架橋が充分に形成されなくなることがある。その結果、高温・高湿下において光学透明粘着シートが溶融(メルト)して形状変化を生じたり、タッキファイヤーの析出(ブリード)が生じたりする。また、ウレタン架橋を充分に形成するためにポリオール成分とポリイソシアネート成分の反応時間を長くすると、生産性が低下する。
[モノイソシアネート成分]
上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、更にモノイソシアネート成分を含有してもよい。モノイソシアネート成分を含有することにより、光学透明粘着シートに要求される柔軟性を損なうことなく、高温・高湿下における粘着性を向上することができる。上記熱硬化性ポリウレタン組成物の上記α比が1以上である場合には、硬化物中に未反応のOH基が残存することを防止するために、モノイソシアネート成分が用いられることが好ましい。
上記モノイソシアネート成分は、分子内に1個のイソシアネート基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、オクタデシルジイソシアネート(ODI)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI)、イソシアン酸オクチル、イソシアン酸ヘプチル、3−イソシアナートプロピオン酸エチル、イソシアン酸シクロペンチル、イソシアン酸シクロヘキシル、2−メトキシエタンイソシアネート、イソシアナート酢酸エチル、イソシアナート酢酸ブチル、p−トルエンスルフォニルイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。上記モノイソシアネートとしては、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)が好ましい。ポリオール成分との相溶性が良く、疎水性が高いからである。
上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、上記モノイソシアネート成分由来のイソシアネート基のモル比率が、上記ポリイソシアネート成分由来のイソシアネート基及び上記モノイソシアネート成分由来のイソシアネート基の合計量に対して35モル%未満であることが好ましい。上記モル比率が35モル%以上となると、上記熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化が不充分になることがある。上記モル比率は、10モル%以上であることが好ましい。上記モル比率が10モル%未満であると、モノイソシアネート成分の添加による高温・高湿下における粘着性の向上効果が充分に得られないことがある。
[触媒]
上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、更に、触媒を含有してもよい。上記触媒としては、ウレタン化反応に使用される触媒であれば特に限定されず、例えば、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、ジラウリル酸ジメチル錫、ジブチル錫オキシド、オクタン錫等の有機錫化合物;有機チタン化合物;有機ジルコニウム化合物;カルボン酸錫塩;カルボン酸ビスマス塩;トリエチレンジアミン等のアミン系触媒が挙げられる。
上記触媒としては、非アミン系触媒が好ましい。アミン系触媒を用いた場合、上記光学透明粘着シートが変色しやすくなることがある。より好ましい触媒は、ジラウリル酸ジメチル錫である。
上記触媒の添加量は、例えば、ポリオール成分、及び、ポリイソシアネート成分の合計量に対して、0.01〜0.5重量%である。
上記熱硬化性ポリウレタン組成物には、光学透明粘着シートの要求特性を阻害しない範囲で、必要に応じて、着色剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、防徽剤、難燃剤等の各種添加剤が含有されていてもよい。
上記光学透明粘着シートの厚さは特に限定されないが、50μm以上、2000μm以下であることが好ましい。上記厚さが50μm未満である場合には、上記光学透明粘着シートの一方の面を光学部材の表面に貼り付けたときに、光学透明粘着シートによって光学部材の表面に存在する凹凸又は段差を埋めることができず、上記光学透明粘着シートの他方の面と他の光学部材の表面とを充分な接着力で貼り合わせることができないことがある。上記厚さが2000μmを超えると、ヘイズや全光線透過率等の光学性能が充分に得られないことがある。上記光学透明粘着シートの厚さの、より好ましい下限は100μmであり、より好ましい上限は1500μmであり、更に好ましい下限は200μmであり、更に好ましい上限は1000μmである。また、貼り付け面に存在する凹凸又は段差の高さに対して3倍以上の厚さを有することが好ましい。
上記光学透明粘着シートは、光学透明粘着シートとしての性能を確保するために、Haze(ヘイズ)が1%以下であること、全光線透過率が90%以上であることが好ましい。ヘイズ及び全光線透過率は、例えば、HazeMeterNDH2000(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。上記ヘイズは、JIS K 7136に準拠した方法で測定され、上記全光線透過率はJIS K 7361−1に準拠した方法で測定される。
上記光学透明粘着シートは、180°剥離試験で測定した粘着力が、常温・常湿下及び高温・高湿下の両雰囲気下において、ともに1.0N/25mm以上であることが好ましい。1.0N/25mm以上の粘着力があれば、タッチパネル用の光学透明粘着シートとしての要求特性を充足することができるからである。これに対して、上記粘着力が1.0N/25mm未満では、使用時に部分的な浮き(剥がれ)が発生し、その結果、光学性能の低下を引き起こすことがある。上記剥離試験での粘着力は、常温・常湿下及び高温・高湿下の両雰囲気下において、4N/25mm以上、15N/25mm以下であることがより好ましい。上記粘着力が15N/25mm以下であると、タッチパネル等の光学部材の貼り合せに用いた場合に、糊残りなく剥がすことができるので、リワーク性に優れる。また、上記粘着力が大きくなり過ぎると、上記光学透明粘着シートと被着体との間に入った気泡を抜くのが困難になることがある。なお、180°剥離試験の試験方法の詳細については後述する。
上記光学透明粘着シートは、マイクロゴムA硬さが0.5〜25°であることが好ましい。上記マイクロゴムA硬さが0.5°未満では、使用時(光学部材への貼り付け時)の取り扱い性が悪く、粘着シートを変形させてしまうことがある。一方、上記マイクロゴムA硬さが25°を超えると、柔軟性が低く、光学部材に貼り付けた際に、光学部材の表面形状に追従することができず、エアを噛み込んだり、光学部材から剥がれる原因となることがある。また、柔軟性が低いと、特に、タッチパネル等の光学部材の貼り合せで、ベゼルの段差を被覆することができないことがある。より好ましいマイクロゴムA硬さは、0.5〜15°である。マイクロゴムA硬さは、例えば、高分子計器株式会社製、マイクロゴム硬度計MD−1タイプAで測定することができる。マイクロゴム硬度計MD−1タイプAは、スプリング式ゴム硬度計(デュロメータ)A型の約1/5の縮小モデルとして、設計・製作された硬度計であり、測定対象物のサイズが薄くてもスプリング式ゴム硬度計A型の硬度と一致した測定値を取得することができる。
本発明の光学透明粘着シートの用途は特に限定されないが、例えば、表示パネル、タッチパネル、カバーパネル等を互いに貼り合わせるために使用することができる。図1は、本発明の光学透明粘着シートを用いたタッチパネル付き表示装置の一例を模式的に示した断面図である。図1に示す表示装置10では、表示パネル11、光学透明粘着シート12、タッチパネル(ITO透明導電膜付きガラス基板)13、光学透明粘着シート12、及び、透明カバーパネル14がこの順で積層されている。表示パネル11、タッチパネル13及び透明カバーパネル14の3つの光学部材は、2枚の本発明の光学透明粘着シート12により一体化されている。表示パネル11の種類は特に限定されず、例えば、液晶パネル、有機エレクトロルミネッセンスパネル(有機ELパネル)等を用いることができる。
また、表示パネル11は、表示面側に開口が設けられたベゼル(表示パネル11の筐体)11A内に収容されており、ベゼル11Aの開口の外縁には、ベゼル11Aの厚みに対応した段差が存在する。光学透明粘着シート12は、表示パネル11及びベゼル11Aの表示面側を覆って貼り付けられており、上記段差を埋めている。光学透明粘着シート12には、ベゼルの厚みによって形成される段差を埋めるために、段差部に追従することができる柔軟性と、ベゼルの厚みよりも厚いことが求められる。このように、ベゼル11Aに収容された表示パネル11との貼り合わせに用いられる光学透明粘着シートの厚さは、例えば、700μm以上であることが好ましい。本発明の光学透明粘着シートは、700μm以上の厚さにしても、充分な光学特性及び柔軟性を有するものであり、ベゼル11Aに収容された表示パネル11との貼り合わせに好適に用いることができる。
このような表示装置では、本発明の光学透明粘着シートが用いられているため、種々の環境下で使用しても、光学透明粘着シートの粘着力が低下しにくく、長期間に渡って光学部材を互いに密着させることができる。その結果、各光学部材と光学透明粘着シートとの間に空隙が発生しないので、界面反射の増加等による視認性の劣化を防止できる。特に本発明の光学透明粘着シートは、高温・高湿下でも粘着力が低下し難いため、高い信頼性が求められるカーナビゲーション装置に組み込まれた表示装置等に好適である。
本発明の光学透明粘着シートの製法は特に限定されず、例えば、熱硬化性ポリウレタン組成物を調製した後、この組成物を従来公知の方法で熱硬化させつつ成形することにより製造することができる。
製法の具体例としては、まず、所定量のタッキファイヤーを、ポリオール成分に添加し、加温及び攪拌して溶解させることによって、マスターバッチを調製する。続いて、得られたマスターバッチ、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分及び触媒を混合し、ミキサー等で攪拌することによって液状又はゲル状の熱硬化性ポリウレタン組成物を得る。このとき、マスターバッチ又はポリオール成分にモノイソシアネート成分を添加してもよい。その後、即座に熱硬化性ポリウレタン組成物を成形装置に投入し、保護フィルムによって挟んだ状態で熱硬化性ポリウレタン組成物を移動させながら架橋硬化させ、両面の保護フィルムと一体化されたシートを得る。なお、両面の保護フィルムは、光学透明粘着シートの取り扱い性を良くするため、一方の剥離強度が他方の剥離強度よりも大きくなるように調整されていることが好ましい。その後、炉で一定時間架橋反応させることで、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シートを製造することができる。
図2は、本発明の光学透明粘着シートの作製に使用する成形装置の一例を説明するための模式図である。図2に示した成形装置20では、まず、硬化前の液状又はゲル状の熱硬化性ポリウレタン組成物23を、離間して配置された一対のロール22から連続的に送り出されるポリエチレンテレフタレート(PET)製の保護フィルム21の間隙に流し込む。そして、上記間隙に熱硬化性ポリウレタン組成物23を保持した状態で硬化反応(架橋反応)を進行させつつ、加熱装置24内に搬入する。加熱装置24内において、熱硬化性ポリウレタン組成物23は、一対の保護フィルム21間で保持された状態で熱硬化し、熱可塑性ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シート12の成形が完了する。
本発明の光学透明粘着シートの製法としては、硬化前の熱硬化性ポリウレタン組成物を調製した後、各種コーティング装置、バーコート、ドクターブレード等の汎用の成膜装置や成膜方法を用いるものであってもよい。また、遠心成形法を用いて本発明の光学透明粘着シートを作製してもよい。
以下、本発明について実施例を掲げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(配合原料)
下記の実施例及び比較例において、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を調製するために使用した配合原料は以下の通りである。
(A)ポリオール成分
ポリカーボネートポリオール(日本ポリウレタン工業株式会社製、L34、数平均分子量:500)
(B)ポリイソシアネート成分
HDI系ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、HC−247)
(C)タッキファイヤー
ロジン系タッキファイヤー(荒川化学工業株式会社製、KE−604)
ロジン系タッキファイヤー(荒川化学工業株式会社製、KR−120)
(D)触媒
ジラウリル酸ジメチル錫(Momentive社製、Fomrez catalyst UL−28)
(実施例1)
まず、115℃に温調したポリカーボネートポリオールに、固形状のロジン系タッキファイヤーを添加し、攪拌することによって、ポリカーボネートポリオール中にロジン系タッキファイヤーを溶解させたマスターバッチを得た。このとき、マスターバッチにおけるロジン系タッキファイヤーの含有量は30重量%に調整した。次に、ポリカーボネートポリオール100重量部、HDI系ポリイソシアネート133重量部、タッキファイヤーマスターバッチ8重量部、及び、触媒1.2重量部を、自転公転ミキサー(株式会社シンキー社製、あわとり練太郎ARE−310)により、2000rpmで1分間攪拌混合し、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を調製した。
その後、得られた熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物を図2に示した成形装置20に注入し、保護フィルム(表面に離型処理が施されたPETフィルム)21によって挟んだ状態で移動させながら、炉内温度70℃、炉内時間10分間の条件で架橋硬化させ、保護フィルム付きのシートを得た。その後、70℃に調節した炉で12時間架橋反応させ、両面に保護フィルムが設けられた、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シート(以下では、「両面保護フィルム付き光学透明粘着シート」ともいう)を作製した。
図3は、実施例1の両面保護フィルム付き光学透明粘着シートを模式的に示した断面図である。図3に示すように、得られた両面保護フィルム付き光学透明粘着シートは、保護フィルム21、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シート12、保護フィルム21の積層体であった。光学透明粘着シート12の厚さは300μmであった。
(実施例2〜6及び比較例1〜3)
各配合原料の種類及び配合量を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にして厚さ300μmの光学透明粘着シートを作製した。
Figure 2016141688
(光学透明粘着シートの評価)
実施例及び比較例で作製した光学透明粘着シートについて、下記の方法により、(1)マイクロゴムA硬さの測定、(2)粘着力の評価、(3)光学特性の評価、及び、(4)耐久性の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)マイクロゴムA硬さの測定
実施例及び比較例で作製した両面保護フィルム付き光学透明粘着シートを長さ75mm×幅25mmに裁断し試験片とした。各試験片について、高分子計器株式会社製、マイクロゴム硬度計MD−1タイプAを用いて、常温における硬度を測定した。なお、本測定では、直径0.16mmの円柱形で、高さが0.5mmの押針を使用した。各実施例及び比較例に対して4つの試験片を準備し、測定した。各実施例及び比較例で1つの試験片を準備し、5回ずつ測定した。得られた5つの測定値のメジアン(中央値)を、各実施例及び比較例における測定結果とした。
(2)粘着力の評価
下記の方法で180°剥離試験を行い、粘着力(N/25mm)を測定した。図4は、実施例及び比較例の光学透明粘着シートの粘着力の評価方法を説明するための模式図である。実施例及び比較例で作製した両面保護フィルム付き光学透明粘着シートを長さ75mm×幅25mmに裁断し試験片とした。この試験片の片面の保護フィルムを剥離した後、光学透明粘着シート側を長さ75mm×幅25mm×厚さ1.3mmのスライドガラスに貼り付け、圧力0.4MPaで30分間保持し、光学透明粘着シートとスライドガラスとを貼り合わせた。次に、スライドガラスと反対側の保護フィルムを剥離し、図4(a)に示すように、光学透明粘着シート12のスライドガラス31と反対側の面に、厚さ125μmのPETシート(帝人デュポンフィルム株式会社製、メリネックスS)32を貼り合わせた。
その後、図4(b)に示すように、PETシート32を180°方向に引張り、光学透明粘着シート12をスライドガラス31との界面で剥離させ、スライドガラスに対する光学透明粘着シートの粘着力を測定した。各実施例及び比較例に対して2つの試験片を準備し、測定した。得られた2つの測定値の平均値を、各実施例及び比較例における測定結果とした。
(2−1)常温・常湿下の粘着力
上記試験片を常温・常湿下(温度23℃、湿度50%)で12時間保管した後、上記に示した測定方法により粘着力を測定した。
(2−2)高温・高湿下の粘着力
上記試験片を高温・高湿下(温度85℃、湿度85%)で24時間保管した後、上記に示した測定方法により粘着力を測定した。
(3)光学特性の評価
実施例及び比較例で作製した両面保護フィルム付き光学透明粘着シートを長さ75mm×幅25mmに裁断し試験片とした。この試験片の片面の保護フィルムを剥離した後、光学透明粘着シート側を長さ75mm×幅25mm×厚さ1.3mmのスライドガラスに貼り付け、圧力0.4Mpaで30分間保持し、光学透明粘着シートとスライドガラスとを貼り合わせた。その後、スライドガラスと反対側の保護フィルムを剥離し、以下の測定を行った。
(3−1)ヘイズ(Haze)の測定
上記試験片について、濁度計(日本電色工業株式会社製、NDH2000)を用いて、JIS K 7136に準拠した方法により、ヘイズ(Haze)を測定した。各実施例及び比較例に対して3つの試験片を準備し、測定した。得られた3つの測定値の平均値を、各実施例及び比較例における測定結果とした。
(3−2)全光線透過率の測定
上記試験片について、濁度計(日本電色工業株式会社製、NDH2000)を用いて、JIS K 7361−1に準拠した方法により、全光線透過率を測定した。各実施例及び比較例に対して3つの試験片を準備し、測定した。得られた3つの測定値の平均値を、各実施例及び比較例における測定結果とした。
(4)耐久性の評価
実施例及び比較例で作製した両面保護フィルム付き光学透明粘着シートを長さ75mm×幅25mmに裁断し試験片とした。この試験片の片面の保護フィルムを剥離した後、光学透明粘着シート側を長さ75mm×幅25mm×厚さ1.3mmのスライドガラスに貼り付け、圧力0.4Mpaで30分間保持し、光学透明粘着シートとスライドガラスとを貼り合わせた。その後、スライドガラスと反対側の保護フィルムを剥離し、高温・高湿下(温度85℃、湿度85%)で72時間保管した後、目視により光学透明粘着シートの状態を観察した。
耐久性の評価は、光学透明粘着シートの形状が変化しない場合を○、変化した場合を×とした。
Figure 2016141688
上記表1及び2から分かるように、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物に対してロジン系タッキファイヤーを1〜10重量%配合した実施例1〜6の光学透明粘着シートは、高温・高湿下においても、粘着力が高く(4.8N/25mm以上)、かつ形状変化しなかった。一方、ロジン系タッキファイヤーを添加しなかった比較例1の光学透明粘着シートは、高温・高湿下において充分な粘着力が得られなかった。また、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物に対してロジン系タッキファイヤーを11重量%配合した比較例2及び3の光学透明粘着シートは、高温・高湿下において若干溶解し、形状が変化した。
10 表示装置
11 表示パネル
11A ベゼル
12 光学透明粘着シート
13 タッチパネル
14 透明カバーパネル
20 成形装置
21 保護フィルム
22 ロール
23 熱硬化性ポリウレタン組成物
24 加熱装置
31 スライドガラス
32 PETシート

Claims (3)

  1. 熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シートであって、
    前記熱硬化性ポリウレタン組成物は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び、タッキファイヤーを含有し、
    前記タッキファイヤーは、ロジン系タッキファイヤーを含み、
    前記タッキファイヤーの含有量は、前記熱硬化性ポリウレタン組成物に対して、1〜10重量%であることを特徴とする光学透明粘着シート。
  2. 前記熱硬化性ポリウレタン組成物は、α比(ポリオール成分由来のOH基のモル数/ポリイソシアネート成分由来のNCO基のモル数)が1以上であり、更にモノイソシアネート成分を含有することを特徴とする請求項1に記載の光学透明粘着シート。
  3. 前記光学透明粘着シートの厚さは、50μm以上、2000μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学透明粘着シート。
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