本発明の光学部材の貼り合わせ方法は、第一の光学部材と第二の光学部材とを厚さ500μm以上の光学透明粘着シートを用いて貼り合わせる方法であって、上記光学透明粘着シートは、ポリウレタンからなり、真空環境下で、上記光学透明粘着シートを介して上記第一の光学部材と上記第二の光学部材とを貼り合わせる真空貼り合わせを行い、上記真空貼り合わせ後に、大気圧よりも高い圧力へ加圧せずに常温〜60℃で保持することを特徴とする。
まず、図1〜3を用いて、本発明の貼り合わせのプロセスについて説明する。本発明の貼り合わせのプロセスは、(1)真空貼り合わせを行い、その後、(2)大気圧よりも高い圧力へ加圧せずに常温〜60℃で保持するものである。
(1)真空貼り合わせ
図1は、真空貼り合わせの手順を説明する図であり、第一の光学部材と光学透明粘着シートとを貼り合わせる場合の一例を示している。
真空貼り合わせにおいては、まず、図1(a)に示したように、真空チャンバーの上部5a及び下部5bが分離した大気圧環境の真空チャンバー内で、第一の光学部材1と光学透明粘着シート12とを対向配置させる。このとき、第一の光学部材1は、上下動可能なステージ6上に載置され、ステージ6に吸着されて固定される。一方、光学透明粘着シート12は、真空チャンバーの上部5aに吸着によって固定される。
次に、図1(b)に示したように、吸引孔7から真空チャンバー内の気体を排出し、真空チャンバー内を減圧する。真空チャンバー内を真空環境とすることで、貼り合わせ界面に気泡が混入することを抑制できる。真空環境の圧力(真空度)は、大気圧よりも低ければよく、例えば、10〜200Paに設定される。
次に、図1(c)に示したように、ステージ6を上昇させ、第一の光学部材1と光学透明粘着シート12とを接触させる。第一の光学部材1と光学透明粘着シート12とを強固に接着させるため、ステージ6によって加圧されてもよく、例えば、100〜400kPaで加圧される。
以上の手順で第一の光学部材1と光学透明粘着シート12の一方の面とを貼り合わせた後、同様にして、光学透明粘着シート12の他方の面と第二の光学部材1とを貼り合わせることにより、第一の光学部材と第二の光学部材とを光学透明粘着シートを用いて貼り合わせた積層体が得られる。図2は、真空貼り合わせで得られた積層体の様子を示した図である。図2中の矢印は、積層体3の内部及び近傍に存在する気体に対して加わる力の方向を模式的に示している。図2に示したように、真空環境下では、積層体3及びその近傍から気体が取り除かれるので、光学透明粘着シート12と第一の光学部材1との貼り合わせ界面、光学透明粘着シート12と第二の光学部材2との貼り合わせ界面及び、光学透明粘着シート12中に、気泡が混入することを抑制できる。
(2)真空貼り合わせ後の保持
真空貼り合わせ後には、積層体を大気圧よりも高い圧力へ加圧せずに常温〜60℃で保持する。積層体の保持方法としては、単に室内に放置してもよいし、60℃以下であれば図3に示したようにオーブン8中で加熱してもよい。加熱温度は、例えば40〜60℃に設定される。
なお、本発明では、真空貼り合わせ後に、オートクレーブ処理(加温加圧処理)を行わずに、積層体を大気圧で保持する。従来の一般的な光学透明粘着シートの貼り付け後には、オートクレーブ処理(加温加圧処理)を行い、貼り合わせ界面に発生した気泡を除去していたが、本発明者は、厚さ500μm以上の厚膜の光学透明粘着シートを用いる場合にオートクレーブ処理を行うと、オートクレーブ処理後にディレイバブルが発生しやすいことを見出した。なお、厚膜の光学透明粘着シートは、従来の一般的な薄膜の光学透明粘着シートでは被覆できなかった被着体表面の凹凸又は段差であっても、充分に被覆できることから、光学透明粘着シートの用途拡大に寄与するものである。
以下、図4及び5を参照して、厚膜の光学透明粘着シートを用いたときにディレイバブルが発生しやすい理由について詳しく説明する。
まず、従来の一般的な光学透明粘着シートは薄かったため、積層体の側面で光学透明粘着シートが露出していることは考慮されていなかった。図4(a)に示したように、薄膜の光学透明粘着シート112で貼り合わされた積層体103の場合、上下面(貼り合わせ面)には気圧が加わるが、側面は面積が小さいため、気圧の影響は無視できる程度であった。
一方、図4(b)に示したように、厚膜の光学透明粘着シート12で貼り合わされた積層体3の場合、光学透明粘着シート12の厚さに応じて側面の面積が大きくなるため、気圧の影響を考慮する必要が生じる。具体的には、図5(a)に示したように、厚膜の光学透明粘着シート12で貼り合わされた積層体3の場合、気圧によって、分子レベルの大きさの微小気体12aが、光学透明粘着シート12内に側面から溶け込む。このような微小気体12aが光学透明粘着シート12内に多数存在すると、微小気体12a同士が結合していき、図5(b)に示したように、目視可能な大きさの気泡(ディレイバブル)12bが光学透明粘着シート12内に形成されることになる。オートクレーブ処理を行うと、微小気体12aの溶け込みが促進されることから、ディレイバブル12bが発生しやすくなってしまう。
以上のように、厚さ500μm以上の厚膜の光学透明粘着シートを用いる場合には、オートクレーブ処理を省略することが望ましい。一方で、オートクレーブ処理を省略すると、貼り合わせ時に生じる貼り合わせ界面の気泡を除去できないことが懸念される。これに対して、本発明では、光学透明粘着シートとして、ポリウレタンからなるものを使用することによって、貼り付け後のオートクレーブ処理を省略することを可能にしている。ポリウレタンは、柔軟性に優れていることから、貼り合わせ時に生じる貼り合わせ界面の気泡や、大気圧下で溶け込んだ微小気体を消失させることができる。微小気体を消失させるのに充分な柔軟性を有するために、光学透明粘着シート(ポリウレタン)は、40℃環境下におけるせん断貯蔵弾性率が1.0×105Pa以下であることが好ましく、5.0×104Pa以下であることがより好ましい。
本発明において、光学透明粘着シートにより貼り合わせる光学部材は、第一の光学部材と第二の光学部材である。上記第一の光学部材及び上記第二の光学部材の種類は特に限定されず、例えば、タッチパネル(タッチセンサー)、表示パネル、カバーパネル等が挙げられ、中でも、上記第一の光学部材がタッチパネルであり、上記第二の光学部材が表示パネルであることが好ましい。上記第一の光学部材及び上記第二の光学部材の貼り合わせ面の材質は特に限定されず、例えば、ガラス等の無機物であってもよいし、ポリカーボネート等の有機物(樹脂)であってもよい。上記表示パネルが、偏光板を備える液晶パネルである場合には、貼り合わせ面の材質が、偏光板の保護層を構成するトリアセチルセルロース(TAC)であってもよい。
図6は、光学透明粘着シートを用いたタッチパネル付き表示装置の一例を模式的に示した分解斜視図である。図6に示すタッチパネル付き表示装置10では、表示パネル11、光学透明粘着シート12、タッチパネル(タッチセンサー)13、光学透明粘着シート12、及び、カバーパネル14が順に積層されている。表示パネル11、タッチパネル13、及び、カバーパネル14の3つの光学部材は、2枚の光学透明粘着シート12により一体化されている。
表示パネル11の種類は特に限定されず、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の薄型ディスプレイを用いることができる。表示パネル11は、光学透明粘着シート12と接する表面に、偏光板等の光学フィルムを備えるものであってもよい。表示パネル11の光学透明粘着シート12と接する表面の材質は特に限定されず、ガラス、樹脂等が用いられる。
タッチパネル13としては、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式等の検出方式のものが用いられる。タッチパネル13は、例えば、ガラス基板上に、ITO(酸化インジウムスズ)等からなる透明導電膜が設けられた構成を有する。
カバーパネル14は、タッチパネル13の表面を外部からの衝撃、汚れ等から保護する役割を有する。カバーパネル14の材質は、ガラスであってもよいし、樹脂であってもよいし、それらを組み合わせたもの(例えば、ガラス板の表面を樹脂でコーティングしたもの)であってもよい。
図7は、図6に示したタッチパネル付き表示装置の断面模式図である。図7に示したように、表示パネル11は、表示面側に開口が設けられたベゼル(表示パネル11の筐体、図6では図示を省略)11A内に収容されており、ベゼル11Aの開口の外縁には、ベゼル11Aの厚みに対応した段差が存在する。光学透明粘着シート12は、表示パネル11及びベゼル11Aの表示面側を覆って貼り付けられており、ベゼル11Aの厚みに対応した段差を被覆している。これにより、各光学部材と光学透明粘着シートとの間に空隙が発生しないので、界面反射の増加等による視認性の低下を防止することができる。光学透明粘着シート12には、ベゼル11Aの厚みによって形成される段差を被覆するために、段差部に追従することができる柔軟性(段差追従性)と、ベゼル11Aの厚みよりも厚いことが求められる。このように、ベゼル11Aに収容された表示パネル11との貼り合わせに用いられる場合、光学透明粘着シート12の厚みは、例えば、700μm以上であることが好ましい。
次に、本発明の光学部材の貼り合わせ方法に用いられる光学透明粘着シートについて、詳しく説明する。
上記光学透明粘着シートは、OCA(Optically Clear Adhesive)と呼ばれるシート状の基材レス粘着テープであり、ポリウレタンからなる。ポリウレタンは、熱、湿気又は光等によってポリウレタン組成物を硬化させたものである。
ポリウレタンは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを下記反応式で示したように反応させることにより得られ、下記式(A)に示した構造を有する。
上記式(A)中、Rは、ポリイソシアネート成分のNCO基を除いた部位を表し、R’は、ポリオール成分のOH基を除いた部位を表し、nは、繰り返し単位数を表す。
ポリウレタンは、アクリル変性されていないことが好ましく、主鎖中にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等に由来する部位が含まれないことが好ましい。ポリウレタンがアクリル変性されると、疎水化されるため、高温・高湿下において水分の凝集が生じやすくなる。この水分の凝集は、白化、発泡等を引き起こし、光学特性を損なうことがある。したがって、ポリウレタンをアクリル変性されていないものとすることで、高温・高湿下において白化、発泡等による光学特性の低下を防止することができる。
ポリオール成分及びポリイソシアネート成分としては、いずれも常温(18〜28℃)で液体のものを用いることができ、溶剤を用いずにポリウレタンを得ることができる。タッキファイヤー等の他の成分は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分のいずれかに添加することができ、好ましくは、ポリオール成分に添加される。このように、ポリウレタンによって光学透明粘着シートを作製する場合、溶剤の除去が必要ないため、均一なシートを厚く形成することができる。このため、光学透明粘着シートを、表示パネルと透明導電膜を表層に有する光学部材(タッチパネル)との貼り合わせに用いる場合、ベゼルの段差を被覆することができる。また、ポリウレタンからなる光学透明粘着シートは厚く形成しても光学特性を維持することができるものであり、透明性(ヘイズ)の低下、色付き、発泡(被着体との界面での気泡の発生)を充分に抑制することができる。
また、ポリウレタンからなる光学透明粘着シートは、柔軟であるため、引っ張り応力が加わったときに、良く伸び、非常に千切れにくい。このため、糊残りすることなく、引き剥がすことが可能である。また、上記光学透明粘着シートは、柔軟であるとともに厚膜化できることから、耐衝撃性に優れる。更に、上記光学透明粘着シートは、誘電率が高く、従来のアクリル系樹脂組成物からなる光学透明粘着シートよりも高い静電容量が得られるので、静電容量方式のタッチパネルの貼り合わせに好適に用いられる。
[ポリオール成分]
上記ポリオール成分としては特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレントリオール、これらの共重合体等のポリアルキレングリコール、これらに側鎖を導入したり分岐構造を導入したりした誘導体、変成体、更にはこれらの混合物等が挙げられる。
上記ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ポリカプロテクトングリコール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオール、これらに側鎖を導入したり分岐構造を導入したりした誘導体、変成体、更にはこれらの混合物等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジアルキルカーボネートとジオールとの反応物が挙げられる。
上記ジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート;エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記ジオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。ジオールとしては、炭素数が4〜9の脂環族又は脂環族ジオールが好ましく、例えば、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオ−ル、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、及び、1,9−ノナンジオールを、単独で用いる又は2種類以上を併用することが好ましい。ジオールとしては、また、1,6−ヘキサンジオールと3−メチル−1,5−ペンタンジオールとからなるコポリカーボネートジオール、1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールとからなるコポリカーボネートジオールも好ましい。
また、上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリカーボネートグリコール、ポリカーボネートトリオール、ポリカーボネートテトラオール、これらに側鎖を導入したり分岐構造を導入したりした誘導体、変成体、更にはこれらの混合物等を用いることもできる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、ジカルボン酸とグリコール成分とを脱水縮合させたものが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;p−キシレンジオール等の芳香族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、以上で例示したジカルボン酸及びグリコール成分によって形成される場合には、線状の分子構造を有するが、3価以上のエステル形成成分を用いた分枝状の分子構造を有するポリエステルであってもよい。ジカルボン酸とグリコール成分とは、モル比1.1〜1.3にて150〜300℃で反応させればよい。
上記ポリオール成分の数平均分子量は、300以上、5000以下であることが好ましい。ポリオール成分の数平均分子量が300未満である場合には、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応が速過ぎてポリウレタンを均一なシートに成形することが困難になったり、ポリウレタンの柔軟性が低下して脆くなったりすることがある。ポリオール成分の数平均分子量が5000を超える場合には、ポリオール成分の粘度が高くなり過ぎてポリウレタンを均一なシートに成形することが困難になったり、ポリウレタンが結晶化して白濁したりする等の不具合が生じることがある。ポリオール成分の数平均分子量は、500以上、2000以下であることがより好ましい。
上記ポリオール成分は、好ましくは、オレフィン骨格を有するものであり、すなわち主鎖がポリオレフィン又はその誘導体によって構成されたものである。オレフィン骨格を有するポリオール成分としては、例えば、1,2−ポリブタジエンポリオール、1,4−ポリブタジエンポリオール、1,2−ポリクロロプレンポリオール、1,4−ポリクロロプレンポリオール等のポリブタジエン系ポリオールや、ポリイソプレン系ポリオール、それらの二重結合を水素又はハロゲン等で飽和化したものが挙げられる。また、上記ポリオール成分は、ポリブタジエン系ポリオール等に、スチレン、エチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等のオレフィン化合物を共重合させたポリオールやその水添物であってもよい。上記ポリオール成分は、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。オレフィン骨格を有するポリオール成分は、1種類のみ用いられてもよいし、2種類以上用いられてもよい。
上記オレフィン骨格を有するポリオール成分のうち公知のものとしては、例えば、出光興産社製の水酸基末端ポリイソプレンを水添して得られるポリオレフィンポリオール(「EPOL(エポール、登録商標)」、数平均分子量:2500)、日本曹達社製の両末端水酸基水素化ポリブタジエン(「GI−1000」、数平均分子量:1500)、三菱化学社製のポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(「ポリテール(登録商標)」)等が挙げられる。
[ポリイソシアネート成分]
上記ポリイソシアネート成分としては特に限定されず、従来公知のポリイソシアネートを用いることができる。上記ポリイソシアネート成分は、好ましくは、イソシアネート基を有する脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシネートと、エチレンオキシドユニットを有するエーテル化合物とを反応させて得られる変性ポリイソシアネートである。脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシネートを用いることにより、光学透明粘着シートの着色や変色がより発生しにくく、長期に渡って光学透明粘着シートの透明性をより確実に確保することができる。また、エチレンオキシドユニットを有するエーテル化合物を反応させた変性体とすることによって、ポリイソシアネート成分は、親水性部分(エチレンオキシドユニット)の作用によって白化を抑制することができ、疎水性部分(その他のユニット)の作用によって低極性のタッキファイヤー、可塑剤等との相溶性を発揮することができる。
上記脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシネートは、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシネート、及び、脂肪族及び/又は脂環族のジイソシアネートを出発物質として得られるポリイソシアネートの少なくとも一種を意味する。
上記脂肪族ポリイソシネート及び脂環族ポリイソシネートの具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート、それらの変性体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。上記具体例のなかでも、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びそれらの変性体が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート及びその変性体が特に好ましい。なお、ヘキサメチレンジイソシアネートの変性体としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートをイソシアヌレート変性、アロファネート変性、及び/又は、ウレタン変性したもの等が挙げられる。
上記エチレンオキシドユニットを有するエーテル化合物としては、例えば、アルコール類、フェノール類及び/又はアミン類のエチレンオキシド付加物が挙げられ、親水性を高める観点から、1分子当たり6個以上のエチレンオキシドユニットを有するものが好適に用いられる。
上記アルコール類としては、例えば、1価アルコール類、2価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブチレンジオール、ペオペンチルグリコール等)、3価アルコール類(グリセリン、トリメチロールプロパン等)が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記フェノール類としては、例えば、ハイドロキノン、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF等)、フェノール化合物のホルマリン低縮合物(ノボラック樹脂、レゾールの中間体)が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記エチレンオキシドユニットの含有量は、ポリウレタン組成物の全体に対して、1重量%以上、20重量%以下であることが好ましい。上記含有量が1重量%未満であると、充分に白化を抑制できないおそれがある。上記含有量が20重量%を超えると、低極性のタッキファイヤー、可塑剤等との相溶性が低下することによって、ヘイズ等の光学特性が低下するおそれがある。
上記変性ポリイソシアネートの1分子当たりのイソシアネート基の数は、平均で2.0以上であることが好ましい。上記イソシアネート基の数が平均で2.0未満であると、架橋密度の低下により、組成物リウレタン組成物が充分に硬化しないおそれがある。
ポリウレタン組成物は、α比(ポリオール成分由来のOH基のモル数/ポリイソシアネート成分由来のNCO基のモル数)が1以上であることが好ましい。α比が1未満である場合には、ポリイソシアネート成分の配合量が、ポリオール成分の配合量に対して過剰であるため、ポリウレタンが硬くなり、光学透明粘着シートに要求される柔軟性を確保することが困難となる。光学透明粘着シートの柔軟性が低いと、特に、タッチパネル等の光学部材を貼り合わせる場合、貼り合わせ面に存在する凹凸及び段差を被覆することができない。また、光学透明粘着シートに要求される粘着力を確保することができない。α比は、1<α<2.0を満たすことがより好ましい。α比が2.0以上である場合には、ポリウレタン組成物が充分に硬化しないことがある。
[タッキファイヤー]
上記ポリウレタン組成物は、更に、タッキファイヤー(粘着付与剤)を含有することが好ましい。タッキファイヤーは、粘着力を向上するために添加される添加剤であり、通常、分子量が数百〜数千の無定型オリゴマーで、常温で液状又は固形の熱可塑性樹脂である。ポリウレタン組成物がタッキファイヤーを含有することで、ポリウレタンからなる光学透明粘着シートの粘着力を向上させることができる。
上記タッキファイヤーとしては特に限定されず、例えば、石油樹脂系タッキファイヤー、炭化水素樹脂系タッキファイヤー、ロジン系タッキファイヤー、テルペン系タッキファイヤー等を含むものが挙げられる。これらは1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。
上記タッキファイヤーとしては、上記オレフィン骨格を有するポリオール成分等との相溶性に優れることから、石油樹脂系タッキファイヤーが好適に用いられる。上記石油樹脂系タッキファイヤーの中でも、ジシクロペンタジエンと芳香族化合物の共重合体を水素添加して得られる水添石油樹脂が好適に用いられる。ジシクロペンタジエンは、C5留分から得られる。上記芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物が挙げられる。ジシクロペンタジエンとビニル芳香族化合物との割合は特に限定されないが、重量基準で、ジシクロペンタジエン:ビニル芳香族化合物=70:30〜20:80であることが好ましく、60:40〜40:60であることがより好ましい。上記水添石油樹脂の好ましい軟化点は90〜160℃、好ましいビニル芳香族化合物単位含有量は35質量%以下、好ましい臭素価は0〜30g/100g、好ましい数平均分子量は500〜1100である。上記水添石油樹脂のうち公知のものとしては、例えば、出光興産社製の「アイマーブP−100」が挙げられる。
上記タッキファイヤーとしては、上記オレフィン骨格を有するポリオール成分等との相溶性に優れることから、炭化水素樹脂系タッキファイヤーが好適に用いられる。上記炭化水素樹脂系タッキファイヤーの中でも、脂環族飽和炭化水素樹脂が好適に用いられる。上記脂環族飽和炭化水素樹脂のうち公知のものとしては、例えば、荒川化学工業社製の「アルコンP−100」が挙げられる。
上記タッキファイヤーは、酸価が1mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が1mgKOH/g以下であれば、タッキファイヤーがポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応を阻害するのを充分に防止することができる。また、タッキファイヤーの軟化点は、80℃以上、120℃以下であることが好ましく、80℃以上、100℃以下であることがより好ましい。軟化点が80℃以上、120℃以下である場合には、タッキファイヤーをポリオール成分中に溶解させる際に、ポリオール成分が熱によって劣化してしまうのを充分に防止することができる。
上記タッキファイヤーの含有量は、ポリウレタン組成物に対して、1重量%以上、20重量%以下であることが好ましい。タッキファイヤーの含有量が1重量%未満である場合には、光学透明粘着シートの粘着力を充分に向上できないことがあり、特に、高温・高湿下における粘着力が不充分になることがある。タッキファイヤーの含有量が20重量%を超える場合には、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応を阻害し、ポリウレタン中にウレタン架橋が充分に形成されなくなることがある。その結果、高温・高湿下において光学透明粘着シートが溶解して形状が変化したり、タッキファイヤーが析出(ブリード)したりすることがある。また、ウレタン架橋を充分に形成するためにポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応時間を長くすると、生産性が低下する。
[可塑剤]
上記ポリウレタン組成物は、更に、可塑剤を含有してもよい。可塑剤の添加により、低硬度化されることで、光学透明粘着シートの取り扱い性や段差追従性を向上することができる。
上記可塑剤としては、熱可塑性樹脂に柔軟性を付与するために用いられる化合物であれば特に限定されないが、相溶性及び耐候性の観点から、カルボン酸系可塑剤を含むことが好ましい。上記カルボン酸系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル(フタル酸系可塑剤)や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、マレイン酸エステル、安息香酸エステル、ポリ−α−オレフィン等が挙げられる。これらは1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。上記カルボン酸系可塑剤のうち公知のものとしては、例えば、BASF社製の「DINCH」、新日本理化社製の「サンソサイザーDUP」、イオネスオリゴマーズ社製の「Durasyn(登録商標)148」が挙げられる。
[触媒]
上記ポリウレタン組成物は、更に、触媒を含有してもよい。触媒としては、ウレタン化反応に用いられる触媒であれば特に限定されず、例えば、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、ジラウリル酸ジメチル錫、ジブチル錫オキシド、オクタン錫等の有機錫化合物;有機チタン化合物;有機ジルコニウム化合物;カルボン酸錫塩;カルボン酸ビスマス塩;トリエチレンジアミン等のアミン系触媒が挙げられる。
上記触媒としては、非アミン系触媒が好ましい。アミン系触媒を用いる場合、光学透明粘着シートが変色しやすくなることがある。より好ましい触媒は、ジラウリル酸ジメチル錫である。
上記触媒の添加量は、例えば、ポリオール成分、及び、ポリイソシアネート成分の合計量に対して、0.01重量%以上、0.1重量%以下である。
上記ポリウレタン組成物は、更に、モノイソシアネート成分を含有してもよい。モノイソシアネート成分は、分子内に1個のイソシアネート基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、オクタデシルジイソシアネート(ODI)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI)、イソシアン酸オクチル、イソシアン酸ヘプチル、3−イソシアナートプロピオン酸エチル、イソシアン酸シクロペンチル、イソシアン酸シクロヘキシル、2−メトキシエタンイソシアネート、イソシアナート酢酸エチル、イソシアナート酢酸ブチル、p−トルエンスルフォニルイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。なお、上記ポリウレタン組成物は、モノイソシアネート成分を含有しないものであることが好ましい。
上記ポリウレタン組成物には、光学透明粘着シートの要求特性を阻害しない範囲で、必要に応じて、着色剤、安定剤、酸化防止剤、防徽剤、難燃剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
上記光学透明粘着シートの厚みは、500μm以上である。厚みが500μm以上であれば、ディレイバブルが発生しやすいことから、本発明の貼り合わせ方法を適用する利点が大きい。上記光学透明粘着シートの厚みは、2000μm以下であることが好ましい。厚みが2000μmを超える場合には、ヘイズや全光線透過率等の光学特性が充分に得られないことがある。光学透明粘着シートの厚みのより好ましい上限は1000μmである。また、光学透明粘着シートは、被着体の貼り付け面に存在する凹凸又は段差の高さに対して2倍以上の厚みを有することが好ましい。
上記光学透明粘着シートは、ヘイズが1%以下であることが好ましく、また、全光線透過率が90%以上であることが好ましい。ヘイズ及び全光線透過率は、例えば、日本電色工業社製の濁度計「HazeMeter NDH2000」を用いて測定することができる。ヘイズは、JIS K 7136に準拠した方法で測定され、全光線透過率は、JIS K 7361−1に準拠した方法で測定される。
上記光学透明粘着シートは、180°剥離試験で測定される粘着力が、常温・常湿下において2N/25mm以上であることが好ましく、5N/25mm以上であることがより好ましく、10N/25mm以上であることが更に好ましく、高温・高湿下において1.0N/25mm以上であることが好ましい。180°剥離試験での粘着力は、常温・常湿下において、10N/25mm以上、15N/25mm以下であることが特に好ましい。また、高温・高湿下において、4N/25mm以上、15N/25mm以下であることがより好ましく、10N/25mm以上、15N/25mm以下であることが更に好ましい。光学透明粘着シートの粘着力が15N/25mm以下であれば、光学透明粘着シートをタッチパネル等の光学部材の貼り合わせに用いた場合に、糊残りなく剥がすことができるので、リワーク性に優れる。また、光学透明粘着シートの粘着力が大きくなり過ぎると、光学透明粘着シートと被着体との間に入った気泡を抜くのが困難になることがある。
上記光学透明粘着シートのマイクロゴムA硬さは、0.5°以上、25°以下であることが好ましい。マイクロゴムA硬さが0.5°未満である場合には、使用時(光学部材への貼り付け時)の取り扱い性が悪く、光学透明粘着シートを変形させてしまうことがある。一方、マイクロゴムA硬さが25°を超える場合には、光学透明粘着シートの柔軟性が低く、光学部材に貼り付ける際に、光学部材の表面形状に追従することができず、空気を噛み込んでしまうことで、光学部材から剥がれる原因となることがある。また、光学透明粘着シートの柔軟性が低いと、特に、タッチパネル等の光学部材を貼り合わせる際に、ベゼルの段差を被覆することができないことがある。光学透明粘着シートのマイクロゴムA硬さは、10°以下であることがより好ましく、5°以下であることが更に好ましい。マイクロゴムA硬さは、例えば、高分子計器社製のマイクロゴム硬度計「MD−1タイプA」を用いて測定することができる。マイクロゴム硬度計「MD−1タイプA」は、スプリング式ゴム硬度計(デュロメータ)A型の約1/5の縮小モデルとして、設計・製作された硬度計であり、測定対象物のサイズが薄くてもスプリング式ゴム硬度計A型の硬度と一致した測定値を取得することができる。
上記光学透明粘着シートの製法は特に限定されず、例えば、ポリウレタン組成物を調製した後、この組成物を従来公知の方法で熱硬化させつつ成形する方法が挙げられる。製法の具体例としては、まず、所定量のタッキファイヤーを、ポリオール成分に添加し、加温及び攪拌して溶解させることによって、マスターバッチを調製する。続いて、得られたマスターバッチ、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び、必要に応じて触媒等の他の成分を混合し、ミキサー等で攪拌することによって、液状又はゲル状のポリウレタン組成物を得る。その後、即座にポリウレタン組成物を成形装置に投入し、一対の離型フィルムによって挟んだ状態でポリウレタン組成物を移動させながら架橋硬化させることで、ポリウレタン組成物が半硬化され、一対の離型フィルムと一体化されたシートを得る。その後、炉で一定時間架橋反応させることで、ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シートが得られる。
図8は、光学透明粘着シートの作製に用いる成形装置の一例を説明するための模式図である。図8に示す成形装置20では、まず、硬化前の液状又はゲル状のポリウレタン組成物23を、離間して配置された一対のロール22から連続的に送り出される一対の離型フィルム(PETフィルム)21の間隙に流し込む。そして、一対の離型フィルム21の間隙にポリウレタン組成物23を保持した状態で硬化反応(架橋反応)を進行させつつ、加熱装置24内に搬入する。加熱装置24内において、ポリウレタン組成物23は、一対の離型フィルム(PETフィルム)21間に保持された状態で熱硬化し、ポリウレタンからなる光学透明粘着シート12の成形が完了する。
また、本発明の光学部材の貼り合わせ方法を用いて、上記第一の光学部材、上記光学透明粘着シート、及び、上記第二の光学部材からなる積層体を得る積層体の製造方法もまた、本発明の一態様である。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、120℃に温調したポリカーボネート系ポリオール(東ソー社製の「ON−K36PC」、数平均分子量:2000)に、固形状の水添石油樹脂系タッキファイヤー(荒川化学社製の「パインクリスタル」)を添加し、攪拌することによって、ポリカーボネート系ポリオール中にタッキファイヤーを溶解させたタッキファイヤーマスターバッチを得た。タッキファイヤーマスターバッチ中のタッキファイヤーの含有量は10重量%に調整した。次に、ポリカーボネート系ポリオール100重量部、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系ポリイソシアネート(東ソー社製)15重量部、タッキファイヤーマスターバッチ100重量部、及び、触媒(ジラウリル酸ジメチル錫(Momentive社製の「Fomrez catalyst UL−28」))0.02重量部を、往復回転式撹拌機アジター(AJITER)を用いて1分30秒間攪拌混合し、ポリウレタン組成物を調製した。
その後、得られたポリウレタン組成物を図8に示した成形装置20に注入した。そして、ポリウレタン組成物を一対の離型フィルム(表面に離型処理が施されたPETフィルム)21によって挟んだ状態で搬送しつつ、炉内温度70℃、炉内時間10分間の条件で架橋硬化させ、離型フィルム21付きのシートを得た。その後、70℃に調節した加熱装置24で12時間架橋反応させ、両面に離型フィルム21が設けられた、ポリウレタン組成物の硬化物からなる光学透明粘着シート12を作製した。光学透明粘着シート12の厚みは1000μmであった。
真空環境下で、図1に示した方法で、光学透明粘着シートを介して第一の光学部材(ガラス基板)と第二の光学部材(ガラス基板)とを真空貼り合わせを行った。真空貼り合わせ後に、大気圧、常温(18〜28℃)の環境中に12時間放置し、貼り合わせが完了した。
(実施例2、3)
真空貼り合わせにおける押し圧及び真空度を下記表1のように変更したことを除いて実施例1と同様にして貼り合わせを行った。
(比較例1〜3)
真空貼り合わせの直後にオートクレーブ内に投入し、圧力0.3MPa、常温(18〜28℃)の環境中で14時間保持したことを除いて実施例1〜3と同様にして貼り合わせを行った。
(評価)
実施例及び比較例で貼り合わせが完了した後の光学透明粘着シートについて、貼り付け界面及び端部における気泡の発生状況を目視で観察した。なお、オートクレーブ内に投入した比較例1〜3の光学透明粘着シートについては、オートクレーブから取り出し、大気圧、常温(18〜28℃)の環境中に1時間放置した後に観察した。観察結果を表1に示した。