JP2016140939A - バンドソー - Google Patents

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正 金澤
鈴木 康之
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
五史 小川
Itsufumi Ogawa
五史 小川
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Abstract

【課題】切断作業が正常に終了した際、又は、回転中に帯鋸が破損や外れた場合に速やかにモータを自動停止させるようにしたバンドソーを提供する。【解決手段】第一及び第二の鋸車と、第一の鋸車を回転させるモータと、第一及び第二の鋸車の外周間に張架された帯鋸と、モータの回転を制御する制御部を有するバンドソーにおいて、制御部は作業時のモータの電流51を検出し、作業が終了してモータの電流が無負荷状態に対応する第一の電流閾値以下になった場合には、所定時間T1が経過後にモータの回転を自動停止させる。また、作業中に帯鋸が破損した場合には電流値52が第二の閾値以下になったことを検出して、所定時間T2(但しT2<T1)の経過後のモータの回転を自動停止させる。【選択図】図6

Description

本発明は、材料を鋸車に張架された帯鋸により切断等の加工を行うバンドソーに関し、特に、運転中に帯鋸が折損した時、帯鋸がはずれた時、または正常に切断作業が終了した時にモータを自動的に停止させる制御に関する。
電気モータを駆動源とするバンドソー(帯鋸盤)が広く用いられている。例えば特許文献1には、作業者によるトリガスイッチの操作に応じてモータを回転させて駆動鋸車を駆動し、駆動鋸車と従動鋸車の外周間に張架されるエンドレスの帯鋸を回転させることにより鉄パイプ等の被切断材を切断するバンドソーが開示されている。作業者は切断作業が終了した場合は、トリガスイッチのトリガを離すことにより作業が終了する。
特開2012−139753号公報
特許文献1に示す技術は携帯可能なバンドソーであるため、作業中に帯鋸が折損したか、帯鋸がはずれた等の異常が発生した場合には、作業者がそれを認識してトリガレバーを離すことによってモータを停止させるようにしていた。しかしながら、バンドソーを定置スタンドにセットして使用する場合や、トリガスイッチを引いた状態で維持できるオンロック機構を有するバンドソーの場合は、作業中に帯鋸が折損したか、帯鋸がはずれた等の異常が発生したことに気がついて作業者がトリガスイッチを戻す操作をするのに、操作の遅れが生ずる恐れがある。バンドソーは2つの鋸車間に張り渡された帯鋸が回転しガイドローラによって捻るようにして保持される、回転による曲げだけでなく、ねじり(せん断)を常に受けるため、刃先の寿命だけで無く胴部が寿命となることもあり、折損する恐れもある。そのため、切断終了後にはすぐにトリガを戻すようにしないと、帯鋸寿命が短くなってしまう。
また、定置スタンドにバンドソーをセットして使用する場合や、トリガスイッチを引いた状態で維持できるオンロック機構を設定して正常に切断作業を終了したとしても切断終了後すぐにはスイッチを切れないため、帯鋸の寿命が短くなりやすい。また、鋸車の径が小さい小型のバンドソーにおいては、帯鋸の曲げる部分の回転半径が小さいために帯鋸にかかる曲げ力が大きいため、不必要な無負荷運転の継続は帯鋸の寿命と密接に関係する。さらに、切断終了後に無負荷状態で回転を無駄に継続させることは無駄な電力を消費することになるため、できるだけ避けることが好ましい。特にバッテリを電源とする携帯型のバンドソーにおいては、切断作業時間の減少につながる。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、切断作業が正常に終了した際にモータの回転を自動的に停止させるようにしたバンドソーを提供することにある。
本発明の他の目的は、帯鋸の回転中に帯鋸が破損した場合に、速やかにモータを自動停止させるように構成したバンドソーを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、帯鋸の切断終了時又は異常発生時にモータの回転を停止させる自動停止モードを設け、自動停止モードを有効にするか又は無効にするかを選択できるようにしたバンドソーを提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、第一及び第二の鋸車と、第一の鋸車を回転させるモータと、第一及び第二の鋸車を回転可能に支持する第一及び第二の鋸車ベースと、第一及び第二の鋸車の外周間に張架された帯鋸と、モータの回転を制御する制御部を有するバンドソーにおいて、制御部は、作業時のモータの電流を検出し、作業が終了してモータの電流が無負荷状態に対応する第一の電流閾値以下になった場合には、モータの回転を停止させるようにした。このように切断作業が終了したら速やかに帯鋸の回転を停止させるので、帯鋸の長寿命化を図ることができる。ここで第一の電流閾値は、無負荷時に計測された電流値に所定の値を加えることによって算出される。また第一の電流閾値は、モータの回転開始後に計測された無負荷電流値Iに基づいて更新されるようにした。
本発明の他の特徴によれば、制御部は第一の電流閾値の値を予めメモリに格納しておき、検出された電流値Iと比較することによって作業の終了を検出するようにした。また、モータの回転速度を変更するための速度変更手段を設け、第一の電流閾値をモータの回転速度に合わせて設定するようにして、モータの回転速度に応じた最適な電流閾値を設けるようにした。制御部は、モータの回転が開始してモータの電流が第一の電流閾値を越えた後に、モータの電流が第一の電流閾値以下になったか否かの判定を開始し、モータの電流が第一の電流閾値以下の状態が所定時間T以上継続したらモータの回転を停止させる。
本発明のさらに他の特徴によれば、第一及び第二の鋸車と、第一の鋸車を回転させるモータと、第一及び第二の鋸車をハウジングの両端に回転可能に支持する第一及び第二の鋸車ベースと、第一及び第二の鋸車の外周間に張架された帯鋸と、帯鋸に所定の張力を保持するように第二の鋸車を外周側に付勢する弾性部材と、モータの回転を制御する制御部を有するバンドソーにおいて、制御部はモータの電流を監視し、モータの電流値が、帯鋸が正常に張架されている際の無負荷電流値Iよりも低い第二の電流閾値以下になった場合にモータの回転を停止させるようにした。また、制御部は、モータの電流が第二の電流閾値以下の状態が所定時間T以上継続したらモータの回転を停止させるようにした。
本発明によれば、運転中に帯鋸が折損した時、帯鋸がはずれた時、または、切断作業が終了した時に、作業者がトリガスイッチを切らなくてもマイコンが電流値を検知することによってモータの回転を自動で停止させるので、回転継続により帯鋸にかかる曲げ応力、せん断応力を抑えられるので、帯鋸の寿命向上を図ることができる。また、切断中に帯鋸が折損またははずれた場合に、マイコンが電流値の異常下降を感知して運転を自動停止させるので、破損した帯鋸が鋸車やその他の箇所に接触又はこすれて破損させることを効果的に回避できる。
本発明の実施例に係るバンドソー1の正面図である。 本発明の実施例に係るバンドソー1を定置式スタンド101に取り付けた状態を示す図である。 図2の従動鋸車3の取付構造を説明するための部分断面図である。 本発明の実施例に係るバンドソー1の制御ブロック回路図である。 本発明の実施例に係るバンドソー1の自動停止モードでの制御の概略を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係るバンドソー1のおけるモータの電流値を用いた切断完了又は折損の検出の仕方を説明するための概略図である。 本発明の実施例に係るバンドソー1の制御部の詳細な制御手順を示すフローチャートである。 図7のステップ80のモータ自動停止処理の詳細手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係るバンドソー1の切断が正常に終了した時の電流値を示す図である。 本発明の実施例に係るバンドソー1の切断時に帯鋸が破断した際の電流値を示す図である。 本発明の実施例に係るバンドソー1の切断時に帯鋸が外れたり異物を挟み込んだりした際の電流値を示す図である。 本発明の実施例に係るバンドソー1のダイヤルと無負荷電流値の関係を示すテーブルの一例である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、上下左右の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
図1は本発明の実施例に係るバンドソー1の正面図である。バンドソー1は、図示しない給電用の電源コードにより給電される交流電力によって駆動される。給電がなされた状態で、作業者がトリガ12aを操作すると、ハウジング6内に配置されたモータが回転を開始する。ハウジング6の一方側(鋸車ベース4)には駆動鋸車が設けられ、ハウジング6の他方側(鋸車ベース5)には従動鋸車が設けられる。モータは、図示しない回転伝達機構によって駆動鋸車を回転させる。回転駆動される駆動鋸車は、その回転力を帯鋸10に伝達し、帯鋸10を矢印の方向に周回移動させる。駆動鋸車及び従動鋸車は円形の滑車であり、それらの間に張架されるエンドレスの帯鋸(バンドソー)10を回転させることにより鉄パイプ等の被切断材を切断する。従動鋸車は、周回移動する帯鋸10によって従動的に回転する。ハウジング6の中央部には略正方形の開口部9が形成され、開口部9の左右両側には、帯鋸10を案内するための帯鋸ガイド7、8が設けられる。ハウジング6の右側の一端部にはハンドル部13が設けられ、上方左側付近(他端部)には、帯鋸10の切断方向と略垂直方向に延びる補助ハンドル15が設けられる。ここでは見えないが、補助ハンドル15の取付部付近には、バンドソー1の電源スイッチが配置される。
バンドソー1によって切断作業を行う場合は、電源スイッチを入れた後に一方の手でハンドル部13を把持して、他方の手で補助ハンドル15を把持してバンドソー1を被切断材の上側に移動させ、帯鋸10の面方向が切断予定面と一致するように位置づける。そして作業者はトリガ12aを引くことにより、帯鋸10を回転方向に回転させ、この状態にてバンドソー1を被切断材に向けて下方に移動させる。この際、帯鋸10の面方向が鉄パイプ等の被切断材と正しい角度(鉄パイプならその長手方向と垂直方向)に位置させながらバンドソー1を移動させることが重要である。この切断の際には帯鋸10の回転によって被切断材に対してバンドソー1を回転方向に移動させる力が加わるため、被切断材が押される側にガイドプレート11を設けることによって、作業者はバンドソー1を被切断材側(反回転方向側)に押さえることができ、切断予定面にて切断できる。鋸車ベース4、5は広義のハウジング(筐体)の一部を構成するものであって鋸車を軸支するためのフレームの役目を兼用し、鋸車ベース4、5とハウジング6は一体式又は別体式に製造される。第一の鋸車たる駆動鋸車と、第二の鋸車たる従動鋸車は、ハウジング(筐体)の両端に回転可能に支持される。左側の帯鋸ガイド8は鋸車ベース4に固定される図示しない取付アームに設けられ、取付アームの位置はボルト36を緩めることによって帯鋸10の移動方向と同方向に移動可能であり、ボルト36を長穴5a内の任意の位置で締めることで帯鋸ガイド8の位置を固定できる。このように帯鋸ガイド8を可動式の取付アームによって固定するようにしたので、切断対象の大きさに合わせて帯鋸10を良好にガイドすることができ、高い切断精度を維持することが可能となる。駆動鋸車側には帯鋸ガイド7が設けられるが、帯鋸ガイド7側は帯鋸10の移動方向と同方向又は反対方向に移動可能としても良いし固定式としても良い。
鋸車ベース5には、帯鋸10による切断部分を照射するための照明装置19が設けられ、照明装置19の近傍にはその点灯をオン又はオフするためのライトスイッチ25が設けられる。ここでは照明装置19をLEDにて構成できる。鋸車ベース5のほぼ中央付近には、帯鋸10の周速設定用の速度調整ダイヤル16が設けられ、速度調整ダイヤル16を回転させる事によって所望のモータの回転速度を1〜6の間で設定できる。速度調整ダイヤル16の下方には従動鋸車3へのテンションを設定又は開放することにより帯鋸10の取付け又は取り外しを行うためのテンションレバー30が設けられる。
図2は本発明の実施例に係るバンドソー1を定置式スタンド101に取り付けた状態を示す正面図であって、鋸車カバー17の記載を一部省略して駆動鋸車2と従動鋸車3が見えるように図示している。定置式スタンド101はベース102を有し、ベース102には切断すべき被切断材(図示せず)を固定するための固定手段(バイス装置)が装着される。バイス装置は、被切断材を支持する固定バイス110と可動バイス111が対向するように配置したものであり、可動バイス111を移動させるためのノブ113を有するネジ112を有する。ベース102に対するネジ112の固定は、クラッチ114を介して行われる。ベース102からは、車輪104付きの延長ベース103が延びるように設けられ、延長ベース103には、揺動軸105によってヒンジ107が軸支される。ヒンジ107の揺動軸105と同軸には、捻りバネ等のスプリング106が設けられる。ヒンジ107の揺動軸105とは離れた端部側にはバンドソー1を保持するための装着部108が設けられる。装着部108にバンドソー1を取り付けて、ネジ109にて固定することによりバンドソー1が定置式スタンド101に固定される。
トリガ12a(図1参照)が操作されると、ハウジング6内に配置された図示しないモータが回転し、その回転力を用いて動力伝達機構によって駆動鋸車2が駆動される。駆動鋸車2が回転することによって帯鋸10も回転し、その回転に従って鋸車ベース5側に軸支される従動鋸車3も従動して回転する。駆動鋸車2及び従動鋸車3は、外周に円筒面を有する回転する円盤であって、帯鋸10はそれらの外周面に沿って張架される。帯鋸10は2つの鋸車(滑車)にベルトのようにかけて用いられ、帯状の鋼板の片側に鋸刃を刻んだものである。図示していないが駆動鋸車2及び従動鋸車3の外周面には鋸車ラバーがはめ込み式で取り付けられ、帯鋸10は駆動鋸車又は従動鋸車の外周面と鋸車ラバーを介して接触する。帯鋸ガイド7(図1参照)、帯鋸ガイド8はそれぞれ2組のガイドローラを有し、駆動鋸車2又は従動鋸車3の外周面に対して所定の角度だけ斜め(60度未満)になるように帯鋸10を捻るようにして保持する。捻られた帯鋸10の角度は、ハウジング6の正立方向とほぼ平行となる角度である。この結果、開口部における露出された帯鋸10は、被切断材に対してほぼ垂直に押し当てられることが可能となる。
定置式スタンド101を用いて切断作業を行う際には、作業者は図示しない被切断材をベース102の上面に載せ、クラッチ114を動作させて可動バイス111を移動させて被切断材に突き当てる。次にノブ113を回転させて被切断材を固定する。次にバンドソー1を矢印120のように移動させて帯鋸10を被切断材に押し当て、トリガスイッチ12をオンにしてオンロックボタン14を押してオンロック状態とする。オンロックボタン14は、トリガスイッチ12のトリガ12aを引いた状態(オン状態)を維持できるオンロック機構の動作スイッチであり、トリガ12aを引いた状態でオンロックボタン14を押すことによってオンロック手段が動作する(オンロック状態となる)。切断時には帯鋸10に衝撃が掛からないように、加える荷重を製品の自重のみとして、無理に荷重をかけないようにする。作業者は切り終わったらトリガスイッチ12を再度引いてオンロック状態を解除すると同時にトリガもオフ状態になる。
図3は従動鋸車3(図2参照)の取付け構造を説明するための部分断面図であって、(1)は帯鋸10を径方向外側にテンションを掛けて張った状態を示し、(2)は帯鋸10のテンションを緩めた状態を示している。通常、バンドソー1においては適正なテンションを掛けて張った状態で帯鋸10を駆動する。そのため帯鋸10を案内する2つの鋸車のうち、モータによって駆動されない従動鋸車3に、テンションを掛ける機構を設けている。ここでは、カム部材33と弾性部材たるスプリング34を用いることによって従動鋸車3の回転軸31を軸支する基台35を、駆動鋸車2(図2参照)と離れる方向又は近づく方向に移動可能なように構成した。図3(1)において、テンションレバー30の一端側は回転軸32に固定される。回転軸32の他端側には偏心カム32aが設けられ、テンションレバー30を回転させる事によって偏心カム32aの位置を変えることにより基台35の位置を変えることができる。このようにして図3(1)の状態から図3(2)のようにテンションレバー30を約180度回転させる事によって、帯鋸10に所定の張力を保持するように付勢するため、従動鋸車3の外周面と鋸車ベース5との間隔がd1からd2のように変更される。従って、作業中に帯鋸10が破断した場合は、スプリング34によってかかるテンションが消滅し、帯鋸10を介してモータに伝わる負荷が一気に減少するので、その状態で駆動鋸車2だけ空転した際のモータの電流値Iは、帯鋸10を付けたままの無負荷電力よりも小さくなる。
図4は本発明の実施例に係るバンドソー1の制御ブロック回路図である。本実施例では、モータ20は3相のブラシレスDCモータで構成される。モータ20はインナーロータ型で、一対のN極およびS極を含む永久磁石を埋め込んで構成されたロータ20bと、電気角120°の電流の通電区間に制御されるスター結線された3相巻線U、V、Wからなるステータ20aを含んで構成される。モータ20の近傍には、ロータ20bの回転位置を検出するために60°毎に配置された3つの位置検出素子26a〜26cが設けられる。
インバータ回路23は、3相ブリッジ形式に接続された6個のFET(以下、単に「トランジスタ」という。)Q1〜Q6と、FETにそれぞれ接続されるフライホイールダイオードD1〜D6から主に構成される。インバータ回路23への入力用電源として、本実施例では直流源40から供給される直流を用いる。本実施例では、電源コード18(図2参照)を用いて供給される商用電源(交流)を図示しない整流回路を用いて直流源40とするが、ニカド電池、リチウムイオン電池等の二次電池を直流源40として用いても良い。二次電池を場合は、ハウジング6の一部に電動工具用の電池パック(図示せず)を装着可能に構成し、電池パックの電極と接触する端子から電源をインバータ回路23に供給すると良い。トランジスタQ1〜Q6の各ゲートはゲートドライバ22に接続され、ソースまたはドレインはスター結線された電機子巻線U、VおよびWに接続される。ゲートドライバ22は、マイコン21からの出力に基づいてトランジスタQ1〜Q6にPWM信号を供給する。インバータ回路23は、ゲートドライバ22から出力されたPWM信号のパルス幅の制御によってスイッチング動作を行い、直流源40からインバータ回路23に印加される直流を、3相(U相、V相、W相)交流Vu、Vv、Vwとして、電機子巻線U、V、Wへ供給することによりモータ20の回転速度を制御する。
インバータ回路23の制御や、モータ20のオンオフ及び回転速度制御はマイコン(マイクロコンピュータ)21によって制御される。マイコン21は電流検出器(モータ電流検出手段)24の出力からモータ20に流れる電流値を検出する。電流検出器24はインバータ回路23と直流源40との間に直列に接続されたシャント抵抗24aと、シャント抵抗24aの両端の電圧を測定して差分をとる差動増幅器24bを含んで構成され、差動増幅器24bの出力がマイコン21のA/D変換器に入力される。本実施例ではシャント抵抗24aを直流源40とインバータ回路23の間に設けてFETに流れる電流値を検出する方式であるが、シャント抵抗24aをインバータ回路23とモータ20の間に設けて、モータ20に流れる電流を直接検出するようにしても良い。
マイコン21のA/D変換器にはさらに、トリガスイッチ12の出力と、速度調整ダイヤル16の出力が入力される。マイコン21は、処理プログラムとデータに基づいて駆動信号を出力するためのCPUと、後述するフローチャートを実行するプログラムや制御データを記憶するためのROMと、データを一時記憶するためのRAMと、タイマ等を含んで構成されるもので、制御部の中枢となるものである。マイコン21は電流検出器24によってモータ20に流れる電流値を監視し、切断作業によって上昇した電流値が減少して所定の時間経過したら、モータ20への電源供給を遮断させる。マイコン21には、帯鋸10の異常状態を報知するための手段、即ちLED29と、それを点灯させるためのLEDドライバ28が接続される。尚、帯鋸10の異常状態を報知する手段は、光だけで無く音も併用して報知するように構成しても良い
トリガスイッチ12は、トリガ12aの移動ストロークに応答してオン又はオフのいずれかの状態に切り替える切替スイッチであり、この出力がハイ信号又はロー信号(又はゼロ信号)としてマイコン21に入力される。トリガスイッチ12にはトリガ12aをオン状態の時に機械的にロック可能となるようにオンロックボタン14が設けられる。速度調整ダイヤル16は、図示しない可変抵抗器を含んで構成され、その出力がマイコン21のA/D変換器に入力されることにより、マイコン21はモータの回転速度(=帯鋸の走行速度)の設定値を識別することができる。
マイコン21はモータ20のロータ20bの回転位置を検出するホールIC等の位置検出素子26a〜26cが出力する位置信号に基づき、モータ20の回転速度を検出すると共に、内蔵のタイマモジュールによりトランジスタQ1〜Q6のPWMデューティ比の設定及び転流制御を行い、モータ20の回転速度と回転方向を制御する。この際、速度調整ダイヤル16の設定量に応じてモータ20の印加電圧、すなわちPWM信号のデューティ比を設定する。
図5は本発明の実施例に係るバンドソー1の制御の概略を示すフローチャートである。作業者がトリガ12aを引いてバンドソー1の回転を起動すると(ステップ41)、帯鋸10の無負荷運転が開始される(ステップ42)。無負荷運転とは、帯鋸10が被切断物を切断しない状態(無負荷)で回転(空転)する運転状態を指すものである。次に、作業者は走行する帯鋸10を被切断材に近づけて切断を開始する(ステップ43)。この状態でモータ20は、切断に伴う負荷を受けた状態で回転することになる。切断作業が正常に終了した場合は、切断完了後は再び無負荷状態になるので(ステップ44)、マイコン21はモータ20に流れる電流値が負荷状態の高い値から無負荷状態に移行した電流変動を感知することにより(ステップ47)、モータ20への駆動電力を停止させて切断作業のため運転を自動停止する(ステップ48)。
しかしながら、ステップ43の後の切断時において帯鋸10が折損、例えば破断することがある。通常、負荷状態でモータ20が回転中に帯鋸10が破断すると、モータ20に掛かる負荷が大きく低下するため、モータ20の電流値がステップ42の無負荷電流よりもさらに低くなる(ステップ45)。そこでマイコン21は、この電流値を検出し(ステップ47)、モータ20への駆動電力を停止させる(ステップ48)。一方、切断時において帯鋸10がはずれることがありうる。負荷状態でモータ20が回転中に帯鋸10が鋸車からはずれると、モータ20に掛かる負荷が大きく低下して、ステップ42での無負荷電流よりもさらに低くなるので(ステップ46)、この電流値を検出し(ステップ47)、モータ20への駆動電力を停止させる。このように本実施例では、被切断材、切断方法、帯鋸10の種類、帯鋸10の刃先の状態などによって変動する複数種類の電流値を感知することによって、モータ20の回転を適切に停止させるようにした。
図6は本発明の実施例に係るバンドソー1のおける電流値による切断完了又は折損の検出の仕方を説明するための概略図である。横軸は時間の経過であり(単位:秒)、縦軸はモータ20に流れる電流値(単位:A)である。ここでは速度調整ダイヤル16が“3”の位置の時の電流値51を模式的に示しており、時刻tにてトリガ12aを引くとモータ20の回転が開始され、帯鋸10が一定の回転数で回転し、そのときの電流が無負荷電流値Iとなる。周知のように通常はモータ20を起動した際に大きな起動電流が発生するが、ここでは起動電流の図示を省略している。作業者が帯鋸10を被切断材に近づけて時刻tにて切断作業を開始すると、切断に伴うモータ20にかかる負荷が増大するため、矢印51aで示すように実線で示す電流値51は大きく上昇し、切断中は矢印51bのように所定の負荷電流(ここでは約20A)が流れる。矢印51cの時点で切断が終了するとモータ20に流れる電流値51が大きく減少する。すると電流値51が矢印51dのように第一の閾値を下回り、矢印51eのようにもとの無負荷電流値Iに戻る。作業者はトリガを離すことによりモータ20の回転が停止させることができるが、本実施例では矢印51dにて第一の閾値を下回った状態が所定の時間T1だけ経過したらマイコン21がモータ20の回転を自動的に停止させるものである。
ここで矢印52aの時点で点線で示す電流値52のように、何らかの原因で帯鋸10の折損、例えば破断が起きた場合にはモータ20の電流値52は急激に低下し、矢印52bにて第一の閾値を下回り、矢印52cにて第二の閾値を下回る。これは図2で説明したように帯鋸10は従動鋸車3によって周回方向外周側にテンションを掛けられているので、このテンションが開放された際のモータ20の負荷が急激に低下するためである。そして、駆動鋸車2だけが空転することになるので、矢印52dで示す“折損時の無負荷電流”は第二の閾値を下回った状態で安定する。作業者は時刻t又はそれ以前に異常状態を認識してトリガ12aを離すことによりモータ20の回転が停止させるが、本実施例では矢印52cにて第二の閾値を下回ったら速やかに(時間T2の経過後たる時刻t)に、マイコン21がモータ20の回転を自動的に停止させる。
本実施例では、第一と第二の閾値を利用することによりマイコン21がモータ20の回転を自動停止するものであって、第一の閾値を下回ってから所定の時間T1が経過したらモータ20を停止させる。また、第二の閾値を下回ってから所定の時間T2が経過したらモータ20を停止させる。ここで、時間T1に対して時間T2が十分短くなるように構成すると好ましく、電流値52が矢印52bの時点で第一の閾値を下回って時間T1が経過するよりも、矢印52cの時点で第二の閾値を下回って時間T2が経過する時間のほうが早く到達するようにすると良い。こうすれば、折損発生時には迅速にモータ20を停止することができ、矢印51d、51eのような正常に切断作業が終了した場合には、その作業終了を確実に確認した後にモータ20の回転を終了させることができるので、電流検出値のばらつきやノイズ等の影響を抑制し、安定した自動停止動作を行うことができる。
次に、図7のフローチャートを用いて本発明の実施例に係るバンドソー1の制御部における制御手順を説明する。図7に示す一連の手順は、マイコンにあらかじめ格納されたプログラムによってソフトウェア的に実行可能である。本実施例の手順は、バンドソー1の電源コード18をコンセント(図示せず)に差して図示しない電源スイッチがオンになると開始される。まず、マイコン21は、作業者によってトリガ12aが引かれて“トリガON”の状態になったかどうかを判断し、トリガONになっていない場合は、ONになるまで待機する(ステップ61)。トリガONになったら、マイコン21はインバータ回路23を駆動することによりモータ20に対して所定の駆動電流を供給することによりモータ20を起動する(ステップ62)。
次にマイコン21は、設定されているバンドソー1の動作モードが本実施例の特徴である“自動停止モード”か否かを判定する(ステップ63)。本実施例のバンドソー1では、“自動停止モード”を作動させるか非作動にするかを選択するためのモード切替スイッチ(図示せず)を有するものとし、作業者が事前に“自動停止モード”の使用の有無を選択可能とした。図示しないモード切替スイッチは、ハウジング6の任意の位置に設けて、作業開始前に作業者が自動停止モードをオン(実行する)か、オフ(実行しない)に選択できるようにすると良い。ここで“自動停止モード”でない場合は従来のトリガスイッチ12による制御方法を実行し、マイコン21は、作業者がトリガ12aを引いている状態(トリガON)の時はモータ20を回転させて、作業者がトリガ12aを離した状態(トリガOFF)でモータ20を停止させる(ステップ76、77)。
ステップ63にて“自動停止モード”が選択されている場合は、マイコン21は速度調整ダイヤル16(図1参照)の設定値に応じた無負荷電流値Iを、図示しないメモリから読み取ると共に、“自動停止モード”を実行するために必要な閾値の算出やカウンタの初期化を行う(ステップ64)。ここでは、メモリから読み取られた速度調整ダイヤル16の設定値に対応する無負荷電流値Iに所定の値αを加算することにより第一の電流閾値を算出し、無負荷電流値Iから所定の値βを減算することにより第二の電流閾値を算出する。同時に、トリガONになった後に所定の切断作業を行ったか否かを示す“負荷フラグ”を0にクリアする。負荷フラグは、切断作業をする前が“0”であって、切断作業が行われた場合に“1”がセットされる。さらに、マイコン21は経過時間をカウントするための2つの値T1とT2のカウント値をゼロにする。
次に、マイコン21は、メモリから無負荷電流値Iを読み出してから0.2秒が経過するまで待機する(ステップ65)。これは、モータ20の起動直後に急激に増加する起動電流の影響を防ぐため、又は速度調整ダイヤル16が切替えられた直後の一時的な電流変動の影響を防ぐためである。この経過時間の設定はモータ20の電流値の監視を開始するためのタイミングを決めるためのディレイタイムTの設定であり、このディレイタイム中の電流値の検出は行われない。ここではディレイタイムTを0.2秒としたが、このディレイタイムTは使われるモータ20や帯鋸10や駆動系の特性に合わせて適宜設定すれば良い。次にマイコン21は、トリガONの状態が維持されているかを判定する(ステップ66)。ここでトリガ12aが戻されている場合はステップ77に進み、モータ20の回転を停止させて処理を終了する。
ステップ66でトリガONの状態が継続されていたら、マイコン21は電流検出器24の出力からモータ20に流れる電流値Iを測定し(ステップ67)、測定された電流値が第二の閾値以下であるか否かを判定する(ステップ68)。ここで、測定された電流値が第二の閾値以下の場合は、第二の閾値以下が継続した時間T2をカウントするためのカウンタをカウントアップする(ステップ78)。次にマイコン21は、カウントされた時間T2が所定の値B以上になったか否かを判定し、B以上の場合はステップ80に移動しモータ20の自動停止処理を行う。ステップ80の詳細手順については図8にて後述する。ステップ79にて時間T2が所定の値B未満の場合は、ステップ69に進む。尚、ステップ68においてYESの際に直接ステップ80に移行するようにして、直ちにモータ20を停止するように構成しても良いが、何らかの理由による突発的な電流減少や、ノイズの影響等を効果的に防止するために、マイコン21が第二の閾値以下の電流を複数回継続して検出した後にステップ80に移行するようにした。このように第二の閾値以下の電流を複数回継続して検出したとしても、電流値の検出のサンプリング周波数が十分高いため、作業者から見たら瞬時に帯鋸10の回転が停止するように感じる。ここでは時間T2は0.2秒程度とすれば良い。
次にマイコン21は測定された電流値が第一の閾値以下であるか否かを判定する(ステップ69)。ここでNOの場合は、ステップ70に移動し、負荷フラグが1でなければ負荷フラグを“1”にセットし(ステップ70、71)、ステップ75に進む。ステップ70にて負荷フラグが既に“1”の場合は、ステップ71を実行せずにステップ75に進む。ステップ75では速度調整ダイヤル16が切替えられたか否かを判定し、切替えられたらステップ64に進み、切替えられていなかったらステップ66に進む。
ステップ69において測定された電流値Iが第一の閾値以下の場合は、第一の閾値以下が継続した時間をカウントするための時間T1をカウントアップする(ステップ72)。但し、時間T1のカウントアップは負荷フラグが1の場合のみ行い、負荷フラグが0の場合(トリガがONになった直後であって無負荷時での回転が継続している場合)は時間T1のカウントアップを行わない。ステップ78とステップ72のカウントアップは平行して行われ、ステップ78でカウントアップがされる場合は同時にステップ72におけるカウントアップも行われることになる。次に、マイコン21は時間T1が所定の時間Aを経過したかどうかを判定する(ステップ73)。ここでは、時間Aの値を時間B(0.2秒)に比べて十分長くすると良く、例えば1〜5秒程度に設定すると良い。本実施例では2秒に設定する。ステップ73でNOの場合はステップ75に進み、YESの場合は、測定された電流値Iを実測した無負荷電流値Iとしてマイコン21の図示しないメモリのデータを更新する(ステップ74)。
このように実際のバンドソー1の状態に応じて無負荷電流値Iを更新するようにすれば、経年変化による帯鋸10の伸びや、作業環境(例えば気温)の変化に起因する帯鋸10の変形による無負荷電流値Iの変化に対応することができる。ここで図12を用いてメモリに格納される無負荷電流値Iの更新手順を説明する。図12はマイコン21内部又は外部のメモリにテーブル形式で格納されるものである。ここでは速度調整ダイヤル16の設定値“1”〜“6”に対応した無負荷電流値98が、“a”〜“f”のように予めインプットされている。ここではa〜fで示しているが、実際には数値として格納される。例えばダイヤル位置が3の場合は、無負荷電流値Iたるc=7.0(A)となる。これらa〜fについては、予め実験等によって最適な値を求めて、バンドソー1の製造工程において予め設定しておくと良い。図7のステップ74においては、メモリの内容を変更して、99の欄のようにaをAに、dをDに、fをFのようにインプットされた値に更新する。尚、ここではデフォルト記録値(98)と、更新された記録値(99)を別々に格納する例を示しているがデフォルト記録値(99)に直接上書きする形で更新するようにしても良い。再び図7に戻る。ステップ74が終了したら、マイコン21はモータ20の自動停止処理を実行して処理を終了する(ステップ80)。次にモータ20の自動停止処理の詳細について図8を用いて説明する。
図8は図7のステップ80の内容を示すものである。最初にマイコン21はLEDドライバ28(図4参照)に点灯指示を出力することによりLED29(図4参照)を点灯させる(ステップ81)。LED29は例えば赤色であって、マイコン21がトリガ12aの動作に反してモータ20を停止させた場合に点灯する。次に、マイコン21はインバータ回路23からモータ20への駆動電力の供給を停止することによりモータ20を停止させる(ステップ82)。この際、モータ20に対して電気的な制動を行うように制御しても良い。次にマイコン21は、作業者がトリガ12aを開放して“トリガON”の状態が解除されたか、又は、LED29を点灯させる所定時間(例えば2秒)が経過したかを判定する(ステップ83)。所定時間経過前にトリガONの状態が維持されている場合はそのまま待機し、トリガ12aの引き動作が解除されてトリガOFFの状態になったか、又は、所定時間が経過したらマイコン21はLED29を消灯させて自動停止処理を終了する(ステップ84)。
本実施例では以上のように制御することによって、正常切断終了時には切断完了後に速やかにモータ20の電流を停止させることができ、異常発生時には直ちにモータ20の電流を停止させることができるので、従来技術のように運転中に帯鋸が折損した時や帯鋸がはずれた時、また、切断作業が終了した時に運転を継続してしまう事態を効果的に回避できる。さらに、電流監視によって作業終了を判断しているので、新たなセンサを組み込む必要が無く、コスト上昇を大幅に抑制しつつ自動停止処理を行う事ができる。次に、図9〜図11を用いて本実施例のモータ20に流れる電流値の推移を説明する。
図9はバンドソー1を用いて鉄パイプ等の切断作業を行う際のモータ電流の大きさを示す図である。縦軸は電流値(単位A)であり、横軸は時間経過(単位sec.)であり、ここでは速度調整ダイヤル16が“3”の時の状態を示している。時刻tにおいて作業者がトリガ12aを引くことよりモータ20が始動すると、モータ20には矢印91aのような大きな起動電流が流れ、その後矢印91bのように低下して低い電流値(無負荷電流値I)で落ち着く。時刻tにおいて作業者が切断を開始すると被切断材から受ける切断抵抗から徐々に電流値91が増加し、切断中は矢印91cのようにおおよそ20〜30Aの範囲内で推移し、時刻t付近において切断が終了する。電流値91は矢印91dのように急激に低下し、矢印91eの時点、即ち時刻tにおいて第一の電流閾値にまで低下し、時刻tにて無負荷電流値Iまで下がり、そこで安定する。ここでマイコン21は、第一の電流閾値にまで低下した時刻tにおいて時間T1のカウントを開始し、T1が所定の値(例えば2秒)に到達した時刻tにおいてモータ20への電力供給を停止してモータ20の回転を停止させる。モータ20が停止したら作業者はトリガ12aを離して切断作業を終了する。尚、マイコン21がモータ20を自動的に停止させる前(時刻t〜tの間)に作業者がトリガ12aを離すことによりモータ20を停止させるようにしても良い。このようにマイコン21がモータ電流を監視することによって切断作業の終了時に、作業者がトリガ12aを戻さなくても運転を自動停止させるようにした。尚、時刻t直後のモータ20の始動時において電流値91は起動電流のため瞬間的に増大するので、時刻tから所定時間Tだけ電流値91の測定を行わないか、あるいは測定してもその結果を用いないようにした。時間Tの長さはモータ20や帯鋸10等の特性によって適宜設定すれば良く、ここではt=0.25秒とした。時刻t〜時刻tの電流値91及び時刻t〜時刻tの電流値91は、切断作業を開始する前と終了した後の状態であり、いわゆる“無負荷電流値I”であって、帯鋸10が付いた状態で切断をせずに空転させたときのモータ電流の大きさである。この無負荷電流値Iだけでなく、時刻t〜時刻tの間のいわゆる“切断時電流値”は、速度調整ダイヤル16によって設定された回転速度に応じて変化するものであるので注意されたい。
図10はバンドソー1を用いて鉄パイプ等の切断作業を行う際のモータ電流の大きさを示す図であって、切断時に帯鋸10が破断した際の電流値93を示す図である。時刻tにから時刻tまでの流れは図9と同じである。切断作業中に時刻t付近で帯鋸10が破断してしまうと、矢印93dのように電流値93が急激に低下する。そして矢印93eのように時刻tの直前で第一の閾値付近となり、時刻tにて矢印93fで示すように第二の閾値以下まで低下する。ここでマイコン21は、第一の電流閾値まで低下した時から時間T1のカウントを開始し、第二の電流閾値まで低下した時から時間T2のカウントを開始し、これらのカウントのいずれかが所定値に届いたら、モータ20への電力供給を停止してモータ20の回転を停止させる。ここでは、第二の電流閾値まで低下した時刻tから時刻tまでに時間T2が先に経過するので、時刻tにてモータ20の回転が停止する。以上のように制御することによって、マイコン21は切断作業の正常終了時だけで無く、切断時に帯鋸10が破断した際にもモータ20の回転を速やかに停止させることができる。
図11はバンドソー1を用いて鉄パイプ等の切断作業を行う際のモータ電流の大きさを示す図であって、切断時に帯鋸10が鋸車から外れたり異物を挟み込んだりした際の電流値96を示す図である。時刻tにから時刻tまでの流れは図9、図10と同じである。切断作業中に時刻t付近で帯鋸10が急に鋸車から外れると、矢印96dのように電流値96が急激に低下する。そして時刻tと時刻tの間くらいで第一の閾値付近となり、時刻tで一旦第二の閾値以下まで低下する。ここでマイコン21は、第一の電流閾値まで低下した時から時間T1のカウントを開始し、第二の電流閾値まで低下した時から時間T二のカウントを開始する。時刻t経過後に電流値96は再び第二の電流閾値以上に上昇して、第一の電流閾値と第二の電流閾値の間くらいになるが、電流値96が第一の電流閾値にならない限り時間T2のカウントは遮断されないように構成しても良い。このようにすれば、時刻tから時間T2が経過した時刻tにおいてマイコン21はモータ20の回転を速やかに停止させることができる。尚、電流値96が第一の電流閾値にならない限り時間T2のカウントは遮断されないようにする方法だけでなく他の方法でカウントするようにしても良い。例えば、時間T1、T2を閾値以下の継続時間でカウントするので無く、電流値のサンプリング周期に対応した検出回数にて設定して、第一又は第二の電流閾値以下の検出回数の累積値が所定サンプリング回数分に到達したらマイコン21がモータ20の回転を速やかに停止させるように構成しても良い。このように構成すればノイズの影響による測定誤差を除去することができる。
本実施例によれば、切断作業が終了して切断作業してない時にはマイコン21がモータ20の回転を自動的に停止するように構成したので電力消費量を抑えることができる。この効果は、電源がバッテリを用いるコードレス式のバンドソーの場合に大きく、1つのバッテリによる作業回数、作業時間を向上させることができる。また、切断作業終了後の無駄な帯鋸回転が削減されるので、特に小径の鋸車を用いる小型のバンドソーにおいては、帯鋸の寿命を効果的に向上させることができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば上述の実施例では携帯型のバンドソーについて説明したが、携帯できないバンドソーであっても同様に適用できる。また、電流値を検出してモータ20を停止させる自動停止処理においては、無負荷電流値Iや、それ以下の電流値を検出するようにしたが、それだけでなく切断作業中に電流値Iが過大になった状態を検出して、モータ20の停止制御を行う過負荷時の自動停止制御と併用しても良い。また、電流閾値は、モータ20の回転開始後や回転停止直前に計測された無負荷電流値Iに基づいて更新されるように構成したが、無負荷電流値Iを更新せずに予め格納されている値のみを使用するような構成としても良い。
1 バンドソー 2 駆動鋸車
3 従動鋸車 4 (第一の)鋸車ベース
5 (第二の)鋸車ベース 5a 長穴
6 ハウジング 7、8 帯鋸ガイド
9 開口部 10 帯鋸
11 ガイドプレート 12 トリガスイッチ
12a トリガ 13 ハンドル部
14 オンロックボタン 15 補助ハンドル
16 速度調整ダイヤル 17 鋸車カバー
18 電源コード 19 照明装置
20 モータ 20a ステータ
20b ロータ 21 マイコン
22 ゲートドライバ 23 インバータ回路
24 電流検出器 24a シャント抵抗
24b 差動増幅器 25 ライトスイッチ
26a〜26c 位置検出素子 28 LEDドライバ
29 LED 30 テンションレバー
31、32 回転軸 32a 偏心カム
33 カム部材 34 スプリング
35 基台 36 ボルト
40 直流源 51、52 電流値
91、93、96 電流値 101 定置式スタンド
102 ベース 103 延長ベース
104 車輪 105 揺動軸
106 スプリング 107 ヒンジ
108 装着部 109 ネジ
110 固定バイス 111 可動バイス
112 ネジ 113 ノブ
114 クラッチ
無負荷電流値
Td ディレイタイム
T1 第一の電流閾値を下回ってからモータ20を停止させるまでの時間
T2 第二の電流閾値を下回ってからモータ20を停止させるまでの時間

Claims (10)

  1. 第一及び第二の鋸車と、前記第一の鋸車を回転させるモータと、該第一及び第二の鋸車を回転可能に支持する第一及び第二の鋸車ベースと、前記第一及び第二の鋸車の外周間に張架された帯鋸と、前記モータの回転を制御する制御部を有するバンドソーにおいて、
    前記制御部は、作業時の前記モータの電流を検出し、作業が終了して前記モータの電流が無負荷状態に対応する第一の電流閾値以下になった場合には、前記モータの回転を停止させることを特徴とするバンドソー。
  2. 前記第一の電流閾値は無負荷時に計測された電流値に所定の値を加えて算出することを特徴とする請求項1に記載のバンドソー。
  3. 前記制御部は前記第一の電流閾値の値を予めメモリに格納しておき、検出された電流値Iと比較することを特徴とする請求項1に記載のバンドソー。
  4. 前記第一の電流閾値は、前記モータの回転開始後に計測された無負荷電流値Iに基づいて更新されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のバンドソー。
  5. 前記モータの回転速度を変更するための速度変更手段を設け、前記第一の電流閾値は前記モータの回転速度に合わせて設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のバンドソー。
  6. 前記モータの回転が開始して前記モータの電流が前記第一の電流閾値を越えた後に、前記モータの電流が前記第一の電流閾値以下になったか否かの判定を開始することを特徴とする請求項4又は5に記載のバンドソー。
  7. 前記制御部は、前記モータの電流が前記第一の電流閾値以下の状態が所定時間T1以上継続したら前記モータの回転を停止させることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のバンドソー。
  8. 前記制御部が前記第一の電流閾値に基づいて前記モータの回転を停止させる自動停止モードを、作動させるか又は非作動にするかを切り替えるモード切替スイッチを設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のバンドソー。
  9. 第一及び第二の鋸車と、前記第一の鋸車を回転させるモータと、該第一及び第二の鋸車をハウジングの両端に回転可能に支持する第一及び第二の鋸車ベースと、前記第一及び第二の鋸車の外周間に張架された帯鋸と、前記帯鋸に所定の張力を保持するように前記第二の鋸車を前記第一の鋸車から離れる方向に付勢する弾性部材と、前記モータの回転を制御する制御部を有するバンドソーにおいて、
    前記制御部は、前記モータの電流を監視し、前記モータの電流が、前記帯鋸が正常に張架されている際の無負荷電流値Iよりも低い第二の電流閾値以下になった場合に前記モータの回転を停止させることを特徴とするバンドソー。
  10. 前記制御部は、前記モータの電流が第二の電流閾値以下の状態が所定時間T2以上継続したら前記モータの回転を停止させることを特徴とする請求項9に記載のバンドソー。

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