JP2016140558A - ゴルフスイングの評価方法、ゴルフスイングのシミュレーション方法及びゴルフクラブの選定方法 - Google Patents
ゴルフスイングの評価方法、ゴルフスイングのシミュレーション方法及びゴルフクラブの選定方法 Download PDFInfo
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シミュレーションによってゴルフスイングの評価を行うことで、ゴルフクラブの振りやすさ等の指標について、ゴルファーの感覚のような定性的な判断だけではなく、定量的に判断することができる。
また、本発明は、ゴルフクラブの条件変化を加味して、適したゴルフクラブを選定できる、ゴルフクラブの選定方法を提供することを目的とする。
本発明のゴルフスイングの評価方法は、特性の異なる2本以上のゴルフクラブについてスイングを行い、スイング時のスイング特徴量を前記ゴルフクラブごとに取得し、該取得したスイング特徴量の差異を抽出してスイング評価の指標として用いることを特徴とする。
これによって、ゴルフクラブの条件変化を加味した状態で、ゴルフスイングを高精度に評価できる。
これによって、ゴルフクラブの条件変化を加味して、より適したゴルフクラブを選定できる。
また、本発明によれば、ゴルフクラブの条件変化を加味して、適したゴルフクラブを選定できる、ゴルフクラブの選定方法を提供することが可能となる。
(ゴルフスイングの評価方法)
まず、本発明によるゴルフスイングの評価方法の一実施形態について説明する。
本発明のゴルフスイングの評価方法は、特性の異なる2本以上のゴルフクラブについてスイングを行い、スイング時のスイング特徴量を前記ゴルフクラブごとに取得し、該取得したスイング特徴量の差異を抽出してスイングの評価に加味することを特徴とする。
本発明は、上記構成を具えることで、ゴルフクラブの条件変化を加味した状態で、ゴルフスイングの評価を定量的に行うことが可能となる。
そのため、本発明では、特性の異なる2本以上のゴルフクラブについてスイングを行い、スイング時のスイング特徴量(例えば、ゴルファーがゴルフクラブに及ぼすトルク量)を前記ゴルフクラブごとに取得し、取得したスイング特徴量の差異(例えば、トルク量の差)をスイング評価の指標として用いることによって、ゴルフクラブの性状によって変化したゴルフスイングの特徴(例えば、性状の異なるクラブを用いてスイングした場合の、ヘッドスピードの違いや、スイング軌道の違い、ゴルフクラブの振りやすさの感覚の違い等)についても、スイング評価に加味することが可能となり、より精密なゴルフスイングの評価ができる。
前記ゴルフクラブの特性については、上述した例の中でも、固有振動数であることが好ましい。前記ゴルフクラブの固有振動数は、数値が変わることでスイングに大きく影響を与える傾向があり、この固有振動数に着目することで、ゴルフクラブの条件を変えた際のスイング特徴量の変化を確実に把握でき、より高精度にゴルフスイングの評価を行えるためである。なお、前記ゴルフクラブの固有振動数については、例えば、片側固定端による(グリップ側を固定端として)固有振動数測定によって測定できる。
なお、前記トルク量とは、ゴルファーがゴルフクラブをスイングした時にゴルフクラブに及ぼすトルク量のことであり、その回転軸は、ゴルフクラブシャフト軸周りと、フェース面に平行で且つゴルフクラブシャフト軸に垂直なベクトルとして定義されるフェース軸周りの2つが例示できる。なお、シャフト軸周りのトルク量は、例えば、トルク量をT、軸周りの慣性モーメントをI、角速度をω、角加速度をdω/dtとすると、T=Idω/dtで表すことができる。そのため、角加速度を測定することによってトルク量のピークを求めることが可能である。なお、Iの値はクラブによらずほぼ一定である。また、各加速度は、軸周りの角速度の時系列データを測定し、そのデータを微分することで算出できる。
ここで、例えば前記トルク量を測定する場合には、ゴルフクラブに加速度センサを取り付け、ゴルフクラブの運動を逆動力学的に解析することでゴルファーがゴルフクラブに及ぼしたトルクを算出することができる。
ゴルフクラブの特性が異なることによって生じるスイングへの影響を効果的に加味することができる点からは、前記各ゴルフクラブのスイング特徴量の差のうち、前記ゴルフクラブの特性が最も異なるゴルフクラブ同士の差(例えば、前記ゴルフクラブの特性が固有振動数の場合、最も固有振動数の大きなゴルフクラブのスイングによって得られたスイング特徴量と、最も固有振動数の小さなゴルフクラブのスイングによって得られたスイング特徴量との差)を算出することが好ましい。
前記スイング特徴量の差異をスイング評価の指標として用いる手法としては、例えば、後述するように、シミュレーションにより作成したゴルフスイングのデータに、前記スイング特徴量の差異を加味することで、ゴルフクラブの特性変化を加味したスイングデータを作成し、ゴルフスイングを評価する方法が挙げられる。また、ゴルフスイングのデータに加えず、前記スイング特徴量の差異自体を解析し、ゴルフクラブの特性変化によって与えられる影響を考察し、ゴルフスイングを評価する際に利用することもできる。
次に、本発明のゴルフスイングのシミュレーション方法の一実施形態について説明する。
本発明のゴルフスイングのシミュレーション方法は、電子計算機を用いてゴルフスイングをシミュレーションする方法であって、特性の異なる2本以上のゴルフクラブについてスイングを行い、各ゴルフクラブでのスイング特徴量を取得し、該スイング特徴量の差異を抽出し、作成したゴルフスイングのモデルに加えることを特徴とする。
本発明のゴルフスイングのシミュレーション方法は、上記構成を具えることで、ゴルフクラブの性状によって変化したゴルフスイングの特徴についても、スイングのモデルに加味することが可能となり、より精密にゴルフスイングの評価ができる。
例えば、モーションセンサや、加速度センサを用いて、スイングデータを取得し、取得したスイングデータに基づいてシミュレーションを行うことで、ゴルフスイングのモデルを作成できる。ここで、「ゴルフスイングのモデル」とは、前記シミュレーションによってスイング時のゴルクラブの挙動を予測するものである。
例えば、シミュレーションによって作成したゴルフスイングのモデルに対して、前記スイング特徴量の差を加えることで、ゴルフクラブの特性変化を加味したスイングモデルを作成する方法が挙げられる。
次に、本発明のゴルフクラブの選定方法の一実施形態について説明する。
本発明のゴルフクラブの選定方法は、上述した、ゴルフスイングの評価方法又はゴルフスイングのシミュレーション方法によって、ゴルフスイングの評価を行い、その評価結果に基づいてゴルフクラブの選定を行うことを特徴とする。
本発明のゴルフスイングのシミュレーション方法は、上記構成を具えることで、ゴルフクラブの性状によって変化したゴルフスイングの特徴についても加味した上で、ゴルファーに適したゴルフクラブの選定を行うことができる。
クラブ長さや、番手、クラブヘッドの条件が同じであり、固有振動数のみが異なる2本のゴルフクラブを用意した。各ゴルフクラブの固有振動数は、片側固定端による測定で6Hzと、2Hzである。
そして、それぞれのゴルフクラブを用いてスイングした際のトルク量について、各ゴルフクラブに装着した加速度計(加速度測定上限24G(235m/s2)、角速度測定上限2000dps、サンプリング間隔500Hz)を用いて逆動力学的に算出することで計測した。なお、スイングについては、それぞれのクラブについて1回ずつとした。
それぞれのゴルフクラブについて、取得したトルク量の経時的変化を図1に示す。
その結果、インパクト前の最大値は、固有振動数の小さいクラブを用いたスイングのほうがトルク量の最大値が約40%程度小さいことがわかった。
このインパクト前のトルク量の最大値の違いを、ゴルフスイングのモデルに反映することで、例えば、ゴルフクラブの硬さに応じてゴルファーがゴルフクラブに及ぼすトルクの変化を反映することができ、より正確にゴルフクラブを変更した時の性能予測が可能となる。
クラブ長さや、番手、クラブヘッドの条件が同じであり、固有振動数のみが異なる2本のゴルフクラブを用意した。各ゴルフクラブの固有振動数は、片側固定端による測定で6Hzと、2Hzである。
そして、それぞれのゴルフクラブを用いてスイングした際のトルク量について、各ゴルフクラブに装着した加速度計(加速度測定上限24G(235m/s2)、角速度測定上限2000dps、サンプリング間隔500Hz)を用いて逆動力学的に算出することで計測した。なお、スイングについては、実施例1とは異なるゴルファーが行い、それぞれのクラブについて1回ずつスイングした。
それぞれのゴルフクラブについて、取得したトルク量の経時的変化を図2に示す。
その結果、トルク量が0となった時点からインパクトまでの時間は、固有振動数の小さいクラブを用いたスイングのほうがインパクトまでの時間が0.01秒程度長いことがわかった。
このトルク量が0となった時点からインパクトまでの時間の違いを、ゴルフスイングのモデルに反映することで、例えば、ゴルフクラブの硬さに応じて、ゴルファーがゴルフクラブに及ぼすトルクのタイミングの変化を反映することができるため、ゴルフクラブのしなり戻りのタイミングを最適化することが可能となる。
さらに、本発明によれば、ゴルフクラブの条件変化を加味して、適したゴルフクラブを選定できる、ゴルフクラブの選定方法を提供することが可能となる。
Claims (7)
- 特性の異なる2本以上のゴルフクラブについてスイングを行い、スイング時のスイング特徴量を前記ゴルフクラブごとに取得し、該取得したスイング特徴量の差異を抽出してスイング評価の指標として用いることを特徴とする、ゴルフスイングの評価方法。
- 前記ゴルフクラブの特性が、固有振動数であることを特徴とする、請求項1に記載のゴルフスイングの評価方法。
- 前記各ゴルフクラブの固有振動数は、最大の固有振動数を有するゴルフクラブの最小の固有振動数を有するゴルフクラブに対する比が2〜6倍であることを特徴とする、請求項2に記載のゴルフスイングの評価方法。
- 前記スイング特徴量が、前記ゴルフクラブのトルクに関する特徴量であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフスイングの評価方法。
- 前記トルクに関する特徴量が、インパクト前の前記トルク量の最大値、該トルク量の最大値を計測した時点からインパクトまでの時間、及び、トルク量が0となった時点からインパクトまでの時間のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項4に記載のゴルフスイングの評価方法。
- 電子計算機を用いてゴルフスイングをシミュレーションする方法であって、
特性の異なる2本以上のゴルフクラブを用いてスイングを行い、各ゴルフクラブでのスイング特徴量を取得し、該スイング特徴量の差異を抽出し、作成したゴルフスイングのモデルに加えることを特徴とする、ゴルフスイングのシミュレーション方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴルフスイングの評価方法又は請求項6に記載のゴルフスイングのシミュレーション方法によって、ゴルフスイングの評価を行い、該評価結果に基づいてゴルフクラブの選定を行うことを特徴とする、ゴルフクラブの選定方法。
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JP2018089111A (ja) * | 2016-12-02 | 2018-06-14 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | シミュレーション装置、シミュレーション方法およびシミュレーションシステム |
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US20030040380A1 (en) * | 2001-04-05 | 2003-02-27 | Wright Ian C. | Method for matching a golfer with a particular golf club style |
JP2009005760A (ja) * | 2007-06-26 | 2009-01-15 | Univ Kansai | ゴルフクラブ解析方法 |
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