JP2016019718A - ゴルフクラブのフィッティング装置、方法及びプログラム - Google Patents

ゴルフクラブのフィッティング装置、方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ゴルファーに合った最適な振り易さを特定することができるゴルフクラブのフィッティング装置を提供する。
【解決手段】
指標算出部及び最適指標特定部を備えるゴルフクラブのフィッティング装置が提供される。指標算出部は、複数のゴルフクラブのスイング動作を計測した計測値に基づいて、ゴルフクラブ毎に、スイング動作を特徴付ける指標であるスイング指標を算出する。最適指標特定部は、指標算出部により算出されたスイング指標に基づいて、第1回帰直線と第2回帰直線との交点を特定し、当該交点又はその近傍での振り易さ指標を特定する。第1回帰直線は、ゴルフクラブの振り易さを表す振り易さ指標に対しスイング指標が概ね一定となる一定領域におけるスイング指標の回帰直線である。第2回帰直線は、スイング指標が振り易さ指標である最適指標又は最適指標帯に概ね比例する比例領域におけるスイング指標の回帰直線である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフクラブのフィッティング装置、方法及びプログラムに関する。
従来より、ゴルファーに適したゴルフクラブの選択を支援するための様々なフィッティング方法が提案されている。典型的なフィッティング方法とは、ゴルフクラブをゴルファーに試打させ、この間のスイング動作を計測装置により計測し、当該計測値を解析することにより最適なゴルフクラブを選定するというものである。このとき、何を基準にフィッティングを行うかは、フィッティングの良否を決定する重要なファクターであり、従来より、様々な基準が提案されている。例えば、特許文献1は、ゴルフクラブのシャフトの曲げ剛性に基づくフィッティング方法を開示している。
特開2013−226375号公報
ところで、ゴルフクラブの選択に当たり、振り易さは1つのフィッティングの基準となるが、振り易ければ振り易い程よいというものではない。例えば、ゴルフクラブが軽い程、振り易くはなるが、ゴルフクラブとの衝突によりボールに伝わる運動エネルギーは小さくなり、飛距離は伸びなくなる。かといって、ゴルフクラブが重過ぎても、振りにくくなってしまい、飛距離は伸びなくなる。
本発明は、ゴルファーに合った最適な振り易さを特定することができるゴルフクラブのフィッティング装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明者らは、ヘッド速度やトルク発揮量等の所定のスイング指標と、ゴルフクラブの重量やグリップエンド周りの慣性モーメント等のゴルフクラブの振り易さとの間には、概ね図1に示すような関係があることを発見した。例えば、ゴルフクラブが重くなる程、ゴルファーの力ではゴルフクラブを振り切ることができなくなり、ヘッド速度が小さくなる。かといって、ある一定以上軽くしても、ヘッド速度は頭打ちとなる(図1(A)参照)。フルスイング以上の力では振ることができないからである。或いは、ゴルフクラブが重い程、スイング中のトルク発揮量は増加するが、ある一定以上重くなると、ゴルファーの限界に達し、トルク発揮量は頭打ちとなる(図1(B)参照)。すなわち、それ以上振り易くしても、又は振りにくくしても、ゴルファーの限界に達すれば、スイング指標が伸びなくなる。本発明の第1観点から第9観点は、当該知見に基づく発明である。
本発明の第1観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置は、取得部と、指標算出部と、最適指標特定部とを備える。前記取得部は、複数のゴルフクラブのスイング動作を計測した計測値を取得する。前記指標算出部は、前記計測値に基づいて、前記ゴルフクラブ毎に、前記スイング動作を特徴付ける指標であるスイング指標を算出する。前記最適指標特定部は、前記指標算出部により算出された前記スイング指標に基づいて、第1回帰直線と第2回帰直線との交点を特定し、前記交点又はその近傍での前記ゴルフクラブの振り易さを表す振り易さ指標である最適指標又は最適指標帯を特定する。前記第1回帰直線は、前記振り易さ指標に対し前記スイング指標が概ね一定となる一定領域における前記スイング指標の回帰直線である。前記第2回帰直線は、前記スイング指標が前記振り易さ指標に概ね比例する比例領域における前記スイング指標の回帰直線である。
ここでは、図1に示すような一定領域における第1回帰直線と、比例領域におけるスイング指標の第2回帰直線との交点又はその近傍の振り易さ指標が特定される。この交点は、それ以上振り易くしても、又は振りにくくしても、スイング指標が伸びなくなるゴルファーの限界に対応する点(図1の変化点)である。従って、ここでは、ゴルファーの限界に対応した最適なスイング指標を実現する最適な振り易さ指標が特定される。すなわち、ゴルファーに合った最適な振り易さを特定することができる。
本発明の第2観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置は、第1観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置であって、前記取得部は、前記振り易さ指標が極端に小さいゴルフクラブの前記スイング動作を計測した第1計測値、及び、前記振り易さ指標が極端に大きいゴルフクラブの前記スイング動作を計測した第2計測値を取得する。前記最適指標特定部は、前記第1計測値に基づく前記スイング指標に基づいて、前記第1回帰直線を特定し、前記第2計測値に基づく前記スイング指標に基づいて、前記第2回帰直線を特定する、又は、前記第2計測値に基づく前記スイング指標に基づいて、前記第1回帰直線を特定し、前記第1計測値に基づく前記スイング指標に基づいて、前記第2回帰直線を特定する。
図1に示すとおり、スイング指標は、ある点を境にして、振り易さ指標に比例する比例領域と、振り易さ指標に関わらず概ね一定となる一定領域とに分かれる。従って、通常、振り易さ指標の極端に小さいゴルフクラブによるスイング動作の計測値(第1計測値)と、振り易さ指標の極端に大きいゴルフクラブによるスイング動作の計測値(第2計測値)とは、必ず一定領域及び比例領域のいずれかに分かれて属することになる。ここでは、当該知見に基づき、第1計測値に基づいて第1回帰直線及び第2回帰直線の一方が特定され、第2計測値に基づいて第1回帰直線及び第2回帰直線の他方が特定される。その結果、少ない試打数で、第1回帰直線及び第2回帰直線を特定することができる。
なお、スイング指標と振り易さ指標との関係を図1のとおり示しているが、実際には、変化点近傍では、変化の緩やかな領域が存在すると考えられる。そして、このような変化の緩やかな領域での計測値に基づいて一定領域及び比例領域が特定されると、解析の精度が低下する虞がある。しかしながら、ここでは、以上のように、振り易さ指標の極端に小さいゴルフクラブ及び極端に大きいゴルフクラブによる計測値が用いられるため、このような問題を回避することができる。
本発明の第3観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置は、第1観点又は第2観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置であって、前記最適指標特定部は、1本のゴルフクラブによる前記計測値に基づく前記スイング指標に対応する点を通り、傾きがゼロの直線として、前記第1回帰直線を特定する。
ここでは、1本のゴルフクラブの試打のみで、第1回帰直線を特定することができる。
本発明の第4観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係るゴルフクラブのフィッティング装置であって、前記最適指標特定部は、前記スイング動作時のコック解放タイミング及びインパクト時のヘッド速度の少なくとも一方を説明変数とする前記第2回帰直線の傾きの回帰式に基づいて、前記第2回帰直線を特定する。
本発明者らは、第2回帰直線の傾き(比例領域における比例定数)が、スイング動作時のコック解放タイミング及び/又はインパクト時のヘッド速度と相関することを発見した。そこで、ここでは、第2回帰直線の傾きが、スイング動作時のコック解放タイミング及びインパクト時のヘッド速度の少なくとも一方に基づいて算出される。従って、少ない試打数で、第2回帰直線を特定することができる。
本発明の第5観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置は、第4観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置であって、前記最適指標特定部は、1本のゴルフクラブによる前記計測値に基づく前記スイング指標に対応する点を通り、前記回帰式に基づいて算出された前記傾きを有する直線として、前記第2回帰直線を特定する。
ここでは、1本のゴルフクラブの試打のみで、第2回帰直線を特定することができる。
本発明の第6観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置は、第1観点から第5観点のいずれかに係るゴルフクラブのフィッティング装置であって、前記振り易さ指標には、前記ゴルフクラブの重量、前記ゴルフクラブのグリップエンド周りの慣性モーメント及びゴルファーの肩周りの慣性モーメントの少なくとも1つが含まれる。
ここでは、ゴルフクラブの重量、グリップエンド慣性モーメント及びゴルファーの肩周りの慣性モーメントの少なくとも1つに基づいて、ゴルフクラブの振り易さが評価される。
本発明の第7観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置は、第1観点から第6観点のいずれかに係るゴルフクラブのフィッティング装置であって、前記スイング指標には、ヘッド速度、トルク発揮量、平均トルク、平均仕事率及びエネルギー発揮量の少なくとも1つが含まれる。
ここでは、ヘッド速度、トルク発揮量、平均トルク、平均仕事率及びエネルギー発揮量の少なくとも1つに基づいて、スイング指標が評価される。
本発明の第8観点に係るゴルフクラブのフィッティング装置は、第1観点から第7観点のいずれかに係るゴルフクラブのフィッティング装置であって、前記最適指標又は前記最適指標帯に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定する最適クラブ特定部をさらに備える。
ここでは、最適指標又は最適指標帯に合致する複数本のゴルフクラブの中から、特にヘッド速度を高めることができるゴルフクラブを特定することができる。
本発明の第9観点に係るゴルフクラブのフィッティング方法は、以下のステップを含む。ここでは、第1観点と同様の効果を奏することができる。
(1)計測機器を用いて複数のゴルフクラブのスイング動作を計測するステップ。
(2)前記スイング動作の計測値に基づいて、前記ゴルフクラブ毎に、前記スイング動作を特徴付ける指標であるスイング指標を算出するステップ。
(3)前記算出されたスイング指標に基づいて、前記ゴルフクラブの振り易さを表す振り易さ指標に対し前記スイング指標が概ね一定となる一定領域における前記スイング指標の第1回帰直線を特定するステップ。
(4)前記算出されたスイング指標に基づいて、前記スイング指標が前記振り易さ指標に概ね比例する比例領域における前記スイング指標の第2回帰直線を特定するステップ。
(5)前記第1回帰直線と前記第2回帰直線との交点を特定し、前記交点又はその近傍での前記振り易さ指標である最適指標又は最適指標帯を特定するステップ。
本発明の第10観点に係るゴルフクラブのフィッティング方法は、第9観点に係るゴルフクラブのフィッティング方法であって、以下のステップをさらに含む。ここでは、第8観点と同様の効果を奏することができる。
(6)前記最適指標又は前記最適指標帯に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定するステップ。
本発明の第11観点に係るゴルフクラブのフィッティングプログラムは、以下のステップをコンピュータに実行させる。ここでは、第1観点と同様の効果を奏することができる。(1)前記スイング動作を計測した計測値を取得するステップ。
(2)前記計測値に基づいて、前記ゴルフクラブ毎に、前記スイング動作を特徴付ける指標であるスイング指標を算出するステップ。
(3)前記算出されたスイング指標に基づいて、前記ゴルフクラブの振り易さを表す振り易さ指標に対し前記スイング指標が概ね一定となる一定領域における前記スイング指標の第1回帰直線を特定するステップ。
(4)前記算出されたスイング指標に基づいて、前記スイング指標が前記振り易さ指標に概ね比例する比例領域における前記スイング指標の第2回帰直線を特定するステップ。
(5)前記第1回帰直線と前記第2回帰直線との交点を特定し、前記交点又はその近傍での前記振り易さ指標である最適指標又は最適指標帯を特定するステップ。
プログラム。
本発明の第12観点に係るゴルフクラブのフィッティングプログラムは、第11観点に係るゴルフクラブのフィッティングプログラムであって、以下のステップをさらにコンピュータに実行させる。ここでは、第8観点と同様の効果を奏することができる。
(6)前記最適指標又は前記最適指標帯に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定するステップ。
本発明によれば、ゴルファーの限界に対応した最適なスイング指標を実現する最適な振り易さ指標が特定される。すなわち、ゴルファーに合った最適な振り易さを特定することができる。
スイング指標と振り易さ指標との関係を示す図。 本発明の一実施形態に係るゴルフスイング解析装置を備えるゴルフスイング解析システムを示す図。 ゴルフスイング解析システムの機能ブロック図。 ゴルフクラブのグリップを基準とするxyz局所座標系を説明する図。 (A)アドレス状態を示す図。(B)トップ状態を示す図。(C)インパクト状態を示す図。(D)フィニッシュ状態を示す図。 第1変換処理の流れを示すフローチャート。 アドレスの時刻を導出する処理の流れを示すフローチャート。 スイング平面を説明する図。 肩挙動導出工程の流れを示すフローチャート。 二重振り子モデルを概念的に説明する図。 指標算出工程の流れを示すフローチャート。 二重振り子モデルを概念的に説明する別の図。 スイング指標の1つであるエネルギー発揮量を説明する図。 ヘッド速度及びゴルフクラブ重量の関係を示す第1実験データ。 ヘッド速度及びゴルフクラブ重量の関係を示す第2実験データ。 ヘッド速度及びゴルフクラブ重量の関係を示す第3実験データ。 ヘッド速度及びゴルフクラブ重量の関係を示す第4実験データ。 最適指標特定工程を説明する図。 シミュレーションによるヘッド速度の等高線図。 別のシミュレーションによるヘッド速度の等高線図。 さらに別のシミュレーションによるヘッド速度の等高線図。 シミュレーションによるコック角の等高線図。 最適クラブ特定工程を説明する図。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブのフィッティング装置、方法及びプログラムについて説明する。
<1.ゴルフクラブのフィッティングシステムの概略構成>
図2及び図3に、本実施形態に係るゴルフクラブ4のフィッティング装置2を備えるフィッティングシステム(以下、解析システム100)の全体構成を示す。フィッティング装置2は、ゴルファー7によるゴルフクラブ4のスイング動作を計測した計測データに基づいて、ゴルファー7に適したゴルフクラブ4の選択を支援する装置である。スイング動作の計測は、ゴルフクラブ4のグリップ42に取り付けられたセンサユニット1(計測機器)により行われる。フィッティング装置2は、このセンサユニット1とともに、解析システム100を構成する。
以下、センサユニット1及びフィッティング装置2の構成について説明した後、フィッティング処理の流れについて説明する。
<1−1.センサユニットの構成>
センサユニット1は、図2及び図4に示すとおり、ゴルフクラブ4のグリップ42におけるヘッド41と反対側の端部(グリップエンド)に取り付けられており、グリップ42の挙動を計測する。なお、ゴルフクラブ4は、一般的なゴルフクラブであり、シャフト40と、シャフト40の一端に設けられたヘッド41と、シャフト40の他端に設けられたグリップ42とから構成される。センサユニット1は、スイング動作の妨げとならないよう、小型且つ軽量に構成されている。図3に示すように、本実施形態に係るセンサユニット1には、加速度センサ11、角速度センサ12及び地磁気センサ13が搭載されている。また、センサユニット1には、これらのセンサ11〜13による計測データを外部のフィッティング装置2に送信するための通信装置10も搭載されている。なお、本実施形態では、通信装置10は、スイング動作の妨げにならないように無線式であるが、ケーブルを介して有線式にフィッティング装置2に接続するようにしてもよい。
加速度センサ11、角速度センサ12及び地磁気センサ13はそれぞれ、グリップ42を基準としたxyz局所座標系におけるグリップ加速度、グリップ角速度及びグリップ地磁気を計測する。より具体的には、加速度センサ11は、x軸、y軸及びz軸方向のグリップ加速度ax,ay,azを計測する。角速度センサ12は、x軸、y軸及びz軸周りのグリップ角速度ωx,ωy,ωzを計測する。地磁気センサ13は、x軸、y軸及びz軸方向のグリップ地磁気mx,my,mzを計測する。これらの計測データは、所定のサンプリング周期Δtの時系列データとして取得される。なお、xyz局所座標系は、図4に示すとおりに定義される3軸直交座標系である。すなわち、z軸は、シャフト40の延びる方向に一致し、ヘッド41からグリップ42に向かう方向が、z軸正方向である。x軸は、ヘッド41のトゥ−ヒール方向にできる限り沿うように配向され、y軸は、ヘッド41のフェース面の法線方向にできる限り沿うように配向される。
本実施形態では、加速度センサ11、角速度センサ12及び地磁気センサ13による計測データは、通信装置10を介してリアルタイムにフィッティング装置2に送信される。しかしながら、例えば、センサユニット1内の記憶装置に計測データを格納しておき、スイング動作の終了後に当該記憶装置から計測データを取り出して、フィッティング装置2に受け渡すようにしてもよい。
<1−2.フィッティング装置の構成>
図3を参照しつつ、フィッティング装置2の構成について説明する。フィッティング装置2は、CD−ROM、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体20に格納された本実施形態に係るゴルフクラブのフィッティングプログラム3を、当該記録媒体20から汎用のパーソナルコンピュータにインストールすることにより製造される。フィッティングプログラム3は、センサユニット1から送られてくる計測データに基づいてスイング動作を解析し、ゴルファー7に適したゴルフクラブを選択するのを支援する情報を出力するためのソフトウェアである。フィッティングプログラム3は、フィッティング装置2に後述する動作を実行させる。
フィッティング装置2は、表示部21、入力部22、記憶部23、制御部24及び通信部25を備える。そして、これらの部21〜25は、バス線26を介して接続されており、相互に通信可能である。本実施形態では、表示部21は、液晶ディスプレイ等で構成され、後述する情報をユーザに対し表示する。なお、ここでいうユーザとは、ゴルファー7自身やそのインストラクター等の、フィッティングの結果を必要とする者の総称である。また、入力部22は、マウス、キーボード、タッチパネル等で構成することができ、フィッティング装置2に対するユーザからの操作を受け付ける。
記憶部23は、ハードディスク等の不揮発性の記憶装置により構成される。記憶部23内には、フィッティングプログラム3が格納されている他、センサユニット1から送られてくる計測データが保存される。通信部25は、フィッティング装置2と外部装置との通信を可能にする通信インターフェースであり、センサユニット1からデータを受信する。
制御部24は、CPU、ROMおよびRAM等から構成することができる。制御部24は、記憶部23内のフィッティングプログラム3を読み出して実行することにより、仮想的に取得部24A、指標算出部24B、最適指標特定部24C、表示制御部24D及び最適クラブ特定部24Eとして動作する。各部24A〜24Eの動作の詳細については、後述する。
<2.フィッティング処理>
続いて、解析システム100による、ゴルフクラブ4のフィッティング処理の流れについて説明する。本実施形態に係るフィッティング処理は、以下の6つの工程から構成されている。
(1)xyz局所座標系でのグリップ加速度ax,ay,az、グリップ角速度ωx,ωy,ωz及びグリップ地磁気mx,my,mzの計測データを計測する計測工程
(2)計測工程で得られたxyz局所座標系での計測データを、XYZ全体座標系でのグリップ加速度aX,aY,aZ及びグリップ角速度ωX,ωY,ωZに変換する第1変換工程(第1変換工程では、XYZ全体座標系でのグリップ速度vX,vY,vZも導出される。)
(3)XYZ全体座標系でのグリップ42の挙動(グリップ角速度ωX,ωY,ωZ及びグリップ速度vX,vY,vZ)を、スイング平面P(後述する)内でのグリップ42の挙動へと変換する第2変換工程
(4)スイング平面P内でのグリップ42の挙動に基づいて、スイング平面P内でのゴルファー7の疑似的な肩の挙動を導出する肩挙動導出工程
(5)グリップ42の挙動及び疑似的な肩の挙動に基づいて、スイング動作を特徴付けるスイング指標(本実施形態では、ヘッド速度)を算出する指標算出工程
(6)指標算出工程で算出されたスイング指標の値を、振り易さ指標−スイング指標平面内にプロットし、ゴルファー7に合った最適な振り易さ指標(本実施形態では、ゴルフクラブ4の重量)を特定する最適指標特定工程
(7)最適指標特定工程で特定された最適な振り易さ指標に合致する複数本のゴルフクラブの中から、特にヘッド速度を高めることができるゴルフクラブを特定する最適クラブ特定工程
以下、これらの工程を順に説明する。
なお、XYZ全体座標系は、図2に示すとおりに定義される3軸直交座標系である。すなわち、Z軸は、鉛直下方から上方に向かう方向であり、X軸は、ゴルファー7の背から腹に向かう方向であり、Y軸は、地平面に平行でボールの打球地点から目標地点に向かう方向である。
<2−1.計測工程>
計測工程では、ゴルファー7により、上述のセンサユニット1付きの複数のゴルフクラブ4がスイングされる。本実施形態では、極端に軽い1本のゴルフクラブ4と、極端に重いゴルフクラブ2本とが試打される。このとき、極端に軽いゴルフクラブ4と、極端に重いゴルフクラブ4(2本のうちより軽い方)との重量の差は、30g以上あることが好ましく、40g以上あることがより好ましい。また、極端に重い2本のゴルフクラブ4の間の重量の差は、5g以上あることが好ましく、10g以上あることがより好ましい。例えば、275g,315g,325gというような3本のゴルフクラブ4を選択することができる。
また、本実施形態では、ゴルファー7に合った最適な振り易さ指標として、ゴルフクラブ4の最適重量が算出される。そのため、試打用のゴルフクラブ4としては、長さやバランス等の重量以外のゴルフクラブ4の諸元については、ゴルファー7の希望に合ったものを用意することが好ましい。さらに、ゴルフクラブ4のヘッド及び/又はグリップエンド等の部位に様々な重量調整用のウェイトを嵌め込むことができるゴルフクラブ4を使用すれば、試打用の様々な重量のゴルフクラブ4を簡便に用意することができる。
続いて、以上のような複数本のゴルフクラブ4のスイング中のグリップ加速度ax,ay,az、グリップ角速度ωx,ωy,ωz及びグリップ地磁気mx,my,mzの計測データが
、センサユニット1により計測される。この計測データは、センサユニット1の通信装置10を介してフィッティング装置2に送信される。一方、フィッティング装置2側では、取得部24Aが通信部25を介してこれを受信し、ゴルフクラブ4毎に分けて、記憶部23内に格納する。本実施形態では、少なくともアドレスからインパクトまでの時系列の計測データが計測される。
なお、ゴルフクラブのスイング動作は、一般に、アドレス、トップ、インパクト、フィニッシュの順に進む。アドレスとは、図5(A)に示すとおり、ゴルフクラブ4のヘッド41をボール近くに配置した初期の状態を意味し、トップとは、図5(B)に示すとおり、アドレスからゴルフクラブ4をテイクバックし、最もヘッド41が振り上げられた状態を意味する。インパクトとは、図5(C)に示すとおり、トップからゴルフクラブ4が振り下ろされ、ヘッド41がボールと衝突した瞬間の状態を意味し、フィニッシュとは、図5(D)に示すとおり、インパクト後、ゴルフクラブ4を前方へ振り抜いた状態を意味する。
また、計測工程では、以上の複数本のゴルフクラブ4の各々が、複数回ずつ、好ましくは5回以上ずつ試打されることが好ましい。この場合、1本のゴルフクラブ4による計測データの平均値を算出し、以降の演算に使用することができる。また、ミスショットや計測ミス等による異常値を取り除くため、計測データの標準偏差σを算出し、試打全ての計測データが好ましくは平均値±1.65σ以内に、より好ましくは平均値±1.28σ以内に収まるような計測データを得ることが好ましい。そして、当該チェックを行うべく、制御部24により計測データの標準偏差σを算出するようにし、このσの値が以上の条件を満たしていない場合には、計測の追加又はやり直しを求めるメッセージを表示部21上に表示させるようにしてもよい。なお、計測データ自体の平均値ではなく、計測データに基づいて算出される加工値(例えば、後述するヘッド速度Vh)の平均値を算出するようにしてもよい。加工値の平均値を算出する場合も、同じく標準偏差σに基づくデータの信頼性のチェックを行うことができる。
<2−2.第1変換工程>
以下、図6を参照しつつ、xyz局所座標系の計測データをXYZ全体座標系の値へと変換する第1変換工程について説明する。なお、以下では、簡単のため、1本のゴルフクラブ4による計測データに基づく処理を説明するが、実際には、ゴルフクラブ4毎の計測データに対し、以下の処理が行われるものとする。その後の第2変換工程、肩挙動導出工程及び指標算出工程についても、同様である。
具体的には、まず、取得部24Aが、記憶部23内に格納されているxyz局所座標系でのグリップ加速度ax,ay,az、グリップ角速度ωx,ωy,ωz及びグリップ地磁気mx,my,mzの時系列の計測データを読み出す(ステップS1)。
次に、ステップS1で読み出されたxyz局所座標系での時系列の計測データに基づいて、指標算出部24Bが、インパクト、トップ及びアドレスの時刻ti,tt,taを導出する(ステップS2)。本実施形態では、まずインパクトの時刻tiが導出され、インパクトの時刻tiに基づいてトップの時刻ttが導出され、トップの時刻ttに基づいてアドレスの時刻taが導出される。
具体的には、グリップ角速度ωxのサンプリング周期Δt当たりの増分が閾値である300deg/sを最初に超えた時刻が、仮のインパクトの時刻として設定される。そして、この仮のインパクトの時刻から所定の時間を溯った時刻から、仮のインパクトの時刻までで、グリップ角速度ωxのサンプリング周期Δt当たりの増分が200deg/sを超えた時刻が検出され、インパクトの時刻tiとして設定される。
次に、インパクトの時刻tiよりも前の時刻であって、グリップ角速度ωyが負から正へ切り替わった時刻が、トップの時刻ttとして特定される。また、アドレスの時刻taは、図7のフローチャートに従って算出される。
続くステップS3では、指標算出部24Bが、アドレスからインパクトまでの時刻tにおける姿勢行列N(t)を算出する。今、姿勢行列を以下の式で表すとする。姿勢行列N(t)は、時刻tにおけるXYZ全体座標系をxyz局所座標系に変換するための行列である。
姿勢行列N(t)の9つの成分の意味は、以下のとおりである。
成分a:全体座標系のX軸と、局所座標系のx軸とのなす角度の余弦
成分b:全体座標系のY軸と、局所座標系のx軸とのなす角度の余弦
成分c:全体座標系のZ軸と、局所座標系のx軸とのなす角度の余弦
成分d:全体座標系のX軸と、局所座標系のy軸とのなす角度の余弦
成分e:全体座標系のY軸と、局所座標系のy軸とのなす角度の余弦
成分f:全体座標系のZ軸と、局所座標系のy軸とのなす角度の余弦
成分g:全体座標系のX軸と、局所座標系のz軸とのなす角度の余弦
成分h:全体座標系のY軸と、局所座標系のz軸とのなす角度の余弦
成分i:全体座標系のZ軸と、局所座標系のz軸とのなす角度の余弦
ここで、ベクトル(a,b,c)は、x軸方向の単位ベクトルを表し、ベクトル(d,e,f)は、y軸方向の単位ベクトルを表し、ベクトル(g,h,i)は、z軸方向の単位ベクトルを表している。
また、姿勢行列N(t)は、Z−Y−Z系のオイラー角の考え方に従うと、以下の式で表すことができる。ただし、φ,θ,ψは、Z軸、Y軸、Z軸周りの回転角度とする。
アドレスからインパクトまでの姿勢行列N(t)を算出するに当たり、まず、アドレスの時刻taにおける姿勢行列N(ta)が算出される。具体的には、以下の式に従って、アドレス時のφ,θが算出される。なお、以下の式は、アドレス時にはゴルフクラブ4は静止しており、加速度センサ11によって鉛直方向の重力のみが検出されることを利用している。以下の式中のグリップ加速度ax,ay,azは、アドレス時の値である。
続いて、以下の式に従って、アドレス時のψが算出される。
ただし、上式中のmxi,myiの値は、以下の式に従って算出される。また、以下の式中のグリップ地磁気mx,my,mzは、アドレス時の値である。
以上より、アドレス時のφ,θ,ψが、xyz局所座標系でのグリップ加速度ax,ay,az及びグリップ地磁気mx,my,mzに基づいて算出される。そして、これらのφ,θ,ψの値を数2の式に代入することにより、アドレス時の姿勢行列N(ta)が算出される。
続いて、アドレス時の姿勢行列N(ta)をサンプリング周期Δt間隔で時々刻々更新してゆくことにより、アドレスからインパクトまでの姿勢行列N(t)が算出される。具体的に説明すると、まず、姿勢行列N(t)は、クォータニオンの4変数q1,q2,q3,q4(q4がスカラー部)を用いて、以下の式で表される。
従って、数1及び数7より、クォータニオンの4変数q1,q2,q3,q4は、以下の式に従って、算出することができる。
今、アドレス時の姿勢行列N(ta)を規定するa〜iの値は既知である。よって、以上の式に従って、まず、アドレス時のクォータニオンの4変数q1,q2,q3,q4が算出される。
そして、時刻tから微小時刻経過後のクォータニオンq’は、時刻tにおけるクォータニオンqを用いて以下の式で表される。
また、クォータニオンの4変数q1,q2,q3,q4の時間変化を表す1階微分方程式は、以下の式で表される。
数9及び数10の式を用いれば、時刻tのクォータニオンを順次、次の時刻t+Δtのクォータニオンへと更新することができる。ここでは、アドレスからインパクトまでのクォータニオンが算出される。そして、アドレスからインパクトまでのクォータニオンの4変数q1,q2,q3,q4を数7の式に順次代入してゆくことにより、アドレスからインパクトまでの姿勢行列N(t)が算出される。
次に、ステップS4では、指標算出部24Bが、アドレスからインパクトまでの姿勢行列N(t)に基づいて、アドレスからインパクトまでのxyz局所座標系でのグリップ加速度ax,ay,az及びグリップ角速度ωx,ωy,ωzの時系列データを、XYZ全体座標系での時系列データに変換する。変換後のグリップ加速度aX,aY,aZ及びグリップ角速度ωX,ωY,ωZは、以下の式に従って算出される。
続くステップS5では、指標算出部24Bは、グリップ加速度aX,aY,aZの時系列データを積分することにより、アドレスからインパクトまでのXYZ全体座標系でのグリップ速度vX,vY,vZを導出する。このとき、アドレスからインパクトまでのグリップ速度vX,vY,vZを、トップにおいて0m/sとなるように、オフセットを行うことが好ましい。例えば、任意の時刻tにおけるオフセットは、時刻tにおけるグリップ速度vX,vY,vZから、(トップの時刻ttでのグリップ速度vX,vY,vZ)×t/(tt−ta)を減算することにより行われる。
<2−3.第2変換工程>
以下、第1変換工程で算出されたXYZ全体座標系でのグリップ42の挙動を、スイング平面P内でのグリップ42の挙動へと変換する第2変換工程について説明する。本実施形態では、スイング平面Pは、XYZ全体座標系の原点を含み、Y軸及びインパクト時のゴルフクラブ4のシャフト40と平行な面として定義される(図8参照)。第2変換工程では、指標算出部24Bは、XYZ全体座標系でのグリップ速度vX,vY,vZ及びグリップ角速度ωX,ωY,ωZをスイング平面P内へ射影したグリップ速度vpX,vpY,vpZ
及びグリップ角速度ωpX,ωpY,ωpZを算出する。
具体的には、シャフト40の延びる方向を表す、姿勢行列N(t)に含まれるz軸ベクトル(g,h,i)に基づいて、X軸正方向から見た(ゴルファー7を正面から見た)シャフト40の傾きの時系列データを算出する。そして、この時系列データに基づいて、X軸正方向から見てシャフト40がZ軸と平行になる時刻を特定し、これをインパクトの時刻tiとする。なお、ここでのインパクトの時刻tiは、既出のインパクトの時刻tiと一致するとは限らない。続いて、このインパクトの時刻tiにおける姿勢行列N(ti)に含まれるz軸ベクトル(g,h,i)に基づいて、Y軸負方向から見たシャフト40の傾きを算出する。すなわち、インパクト時にY軸負方向から見たシャフト40とX軸との為す角度α’を算出し、これをスイング平面角度とする。
スイング平面角度α’が求まると、これを用いてXYZ全体座標系における任意の点をスイング平面Pに射影するための射影変換行列Aを、以下のとおり算出することができる。ただし、α=90°−α’である。
ここでは、以上の射影変換行列Aに基づいて、以下の式に従って、アドレスからインパクトまでの射影変換後のグリップ速度vpX,vpY,vpZ及びグリップ角速度ωpX,ωpY,ωpZの時系列データが算出される。
なお、以上の演算により得られるグリップ速度(vpY,vpZ)は、スイング平面P内でのグリップ速度(ベクトル)を表しており、グリップ角速度ωpXは、スイング平面Pに対して垂直な軸周りの角速度を表している。ここでは、以下の式に従って、アドレスからインパクトまでのスイング平面P内でのグリップ速度(スカラー)が算出される。
また、ここでは、後の計算に必要となる、スイング平面P内におけるトップでのシャフト40の傾きも算出される。具体的には、まず、トップでの姿勢行列N(tt)に含まれるz軸ベクトル(g,h,i)を、射影変換行列Aを用いて、以下の式に従ってスイング平面P内に射影する。ただし、射影後のベクトルを(g’,h’,i’)とする。
以上の式により特定されるベクトル(h’,i’)は、スイング平面P内におけるトップでのシャフト40の傾きを表すベクトルである。従って、以上の計算結果を以下の式に代入することにより、スイング平面P内におけるトップでのシャフト40の傾きβが算出される。
<2−4.肩挙動導出工程>
以下、図9を算出しつつ、スイング平面P内でのグリップの挙動(グリップ速度VGE及びグリップ角速度ωpX)に基づいて、スイング平面P内の疑似的な肩の挙動を導出する肩挙動導出工程について説明する。本実施形態では、ゴルフクラブ4の挙動は、ゴルファー7の肩及びグリップ42(或いは、これを握るゴルファーの手首)を節点とし、ゴルファー7の腕及びゴルフクラブ4をリンクとする二重振り子モデルに基づいて解析される。ただし、肩の挙動は直接的に実測されるのではなく、実測されたグリップの挙動に基づいて、疑似的な肩の挙動として導出される。以下では、特に断らない限り、単に「肩」という場合も、このような疑似的な肩を意味するものとする。疑似的な肩とグリップ42(手首)との間を直線的に延びるものとして定義される疑似的な「腕」についても同様である。
グリップの挙動から肩の挙動を特定するに当たり、本実施形態に係る二重振り子モデルは、以下の(1)〜(5)を前提とする。図10は、以下の前提条件を概念的に説明する図である。
(1)スイング平面P上において、グリップ42(手首)は肩を中心として円運動する。(2)スイング平面P上において、肩とグリップ42との距離(半径)Rは、一定である。
(3)肩は、スイング動作中は動かない(ただし、回転する)。
(4)スイング平面P上において、トップでの腕とゴルフクラブ4との為す角度は90°である。
(5)インパクト時の腕は、X軸正方向から見てZ軸下方を向く。
以上の前提の下、指標算出部24Bは、スイング平面P内におけるトップからインパクトまでのグリップ42の移動距離Dを算出する(ステップS21)。移動距離Dは、トップからインパクトまでのグリップ速度VGEを積分することにより導出される。
続いて、指標算出部24Bは、スイング平面P内におけるトップからインパクトまでの腕の回転角度γを算出する(ステップS22)。回転角度γは、第2変換工程で算出されたトップでのシャフト40の傾きβに基づいて算出される。次に、指標算出部24Bは、半径R=D/γを算出する(ステップS23)。
そして、指標算出部24Bは、以下の式に従って、肩の挙動として、スイング平面P内におけるトップからインパクトまでの肩周りの角速度(腕の角速度)ω1を算出する。すなわち、腕の角速度ω1は、計測によるグリップ速度VGEが反映された値となる。
ω1=VGE/R
<2−5.指標算出工程>
以下、図11を参照しつつ、グリップ42の挙動及び肩の挙動に基づいてスイング指標を算出する指標算出工程について説明する。本実施形態では、スイング指標として、ヘッド速度Vhが算出される。
具体的には、まず、ステップS31では、指標算出部24Bは、トップからインパクトまでの腕の角速度ω1を積分し、トップからインパクトまでの腕の回転角度θ1を算出する。このとき、台形積分を用いることが好ましい。なお、回転角度θ1は、図12のように定義され、図12の紙面は、スイング平面Pに等しい。以下では、図12に示されるスイング平面P内での新たなXY座標系に基づいて、解析が進められる。スイング平面P内での新たなXY座標系のX軸、Y軸は、上述したXYZ全体座標系のX軸、Y軸とは異なる軸である。
また、指標算出部24Bは、トップからインパクトまでの腕の角速度ω1を微分し、トップからインパクトまでの角加速度ω1’を算出する。次に、指標算出部24Bは、トップからインパクトまでの腕の重心の位置(X1,Y1)、速度(VX1,VY1)及び加速度(AX1,AY1)を算出する。これらの値は、上述した計算結果を以下の式に代入することにより算出される。
ただし、rは、肩から腕の重心までの距離である。本実施形態では、腕の重心は、腕の中心にあるものと仮定される。従って、R=2rである。
次に、ステップS32では、指標算出部24Bは、ステップS31と同様の演算をグリップ42周りについても行う。すなわち、トップからインパクトまでのグリップ角速度ωpX=グリップ42周りのゴルフクラブ4の角速度ω2を積分し、トップからインパクトまでのグリップ42周りのゴルフクラブ4(シャフト40)の回転角度θ2を算出する。このときも、台形積分を用いることが好ましく、回転角度θ2は、図12のように定義される。
続いて、指標算出部24Bは、トップからインパクトまでのゴルフクラブ4の角速度ω2を微分し、トップからインパクトまでの角加速度ω2’を算出する。次に、指標算出部24Bは、トップからインパクトまでのゴルフクラブ4の重心の位置(X2,Y2)、速度(VX2,VY2)及び加速度(AX2,AY2)を算出する。これらの値は、上述した計算結果を以下の式に代入することにより算出される。
ただし、Lは、グリップ42からゴルフクラブ4の重心までの距離である。Lの値は、ゴルフクラブ4のスペックであり、予め定められているものとする。
次に、ステップS33では、指標算出部24Bは、上述した計算結果を以下の式に代入することにより、トップからインパクトまでのグリップ42に発生する拘束力R2=(RX2,RY2)を算出する。以下の式は、並進方向の力の釣り合いに基づくものである。ただ
し、m2は、ゴルフクラブの質量であり、gは、重力加速度である。また、m2は、ゴルフクラブ4のスペックであり、予め定められているものとする。
続くステップS34では、指標算出部24Bは、上述した計算結果を以下の式に代入することにより、トップからインパクトまでの肩周りのトルクT1及びグリップ42周りのトルクT2を算出する。
ただし、I1は、腕の重心周りの慣性モーメントであり、I2は、ゴルフクラブ4の重心周りの慣性モーメントである。本実施形態では、腕の重心周りの慣性モーメントI1は、腕の重心が腕の中心にあるとの仮定の下、I1=m12/3として算出される。m1は、腕の質量であり、本実施形態では、腕の質量m1は、適宜予め定められているものとする。例えば、解析を開始する前に、ゴルファー7の体重を入力しておき、入力された体重に所定の係数を掛ける等して、自動的に腕の質量が算出される。また、I2は、ゴルフクラブ4のスペックであり、予め定められているものとする。
続くステップS35では、指標算出部24Bは、上述した計算結果に基づいて、トップからインパクトまでの二重振り子の系全体での仕事率(パワー)E’を算出する。系全体での仕事率E’は、腕の仕事率E1’とゴルフクラブ4の仕事率E2’の合計として算出される。具体的には、E’は、肩の速度ベクトルをvsとし、グリップ42の速度ベクトルをvgとして、以下の式で表される。ただし、R1は、肩に発生する拘束力である。また、vs,vgはそれぞれ、肩の位置ベクトルds、グリップ42の位置ベクトルdg=ds+(2X1,2Y1)を一階微分することにより算出可能である。
また、本実施形態では、肩は動かないため、vs=(0,0)となり、系全体での仕事率E’は、以下の式に従って算出される。指標算出部24Bは、上述した計算結果を以下の式に代入することにより、トップからインパクトまでの系全体での仕事率E’を算出する。
続くステップS36では、指標算出部24Dは、トップ以降で腕の仕事率E1’が正から負へ転じる時刻tcを特定し、トップの時刻ttから時刻tcまでの腕の仕事量(エネルギー)E1を算出する。腕の仕事量E1は、時刻tt〜tcまでの区間で腕の仕事率E1’を積分することにより、算出される(図13参照)。なお、仕事量E1は、時刻tt〜tcの間に腕で発揮される仕事量(エネルギー)を表す指標と考えることができるから、この意味で、腕のエネルギー発揮量と呼ぶことができる。また、指標算出部24Dは、エネルギー発揮量E1に基づいて、E1_AVE=E1/(tc−tt)を算出する。E1_AVEは、時刻tt〜tcの間の腕の平均仕事率、又は時刻tt〜tcの間に腕で発揮される平均的な単位時間当たりのエネルギー量(平均エネルギー発揮量)を意味する。
また、指標算出部24Bは、トップ以降で系全体での仕事率E’が正から負へ転じる時刻tdを特定し、トップの時刻ttから時刻tdまでの系全体での仕事量(エネルギー)Eを算出する。系全体での仕事量Eは、時刻tt〜tdまでの区間で系全体での仕事率E’を積分することにより、算出される。なお、仕事量Eは、時刻tt〜tdの間に系全体で発揮される仕事量(エネルギー)を表す指標と考えることができるから、この意味で、系全体でのエネルギー発揮量と呼ぶことができる。また、指標算出部24Bは、エネルギー発揮量Eに基づいて、EAVE=E/(td−tt)を算出する。EAVEは、時刻tt〜tdの間の系全体での平均仕事率、又は時刻tt〜tdの間に系全体で発揮される平均的な単位時間当たりのエネルギー量(平均エネルギー発揮量)を意味する。
続くステップS37では、指標算出部24Bは、スイング中のコック解放タイミングtrを算出する。なお、本発明者らは、実験を通して、スイング指標となるインパクト時のヘッド速度Vhが、スイング中のコック解放タイミングtr、エネルギー発揮量E1及び平均仕事量率(平均エネルギー発揮量)E1_AVEのそれぞれと相関があることを発見した。そこで、ここでは、インパクト時のヘッド速度Vhを算出すべく、コック解放タイミングtrが算出される。本実施形態では、コック解放タイミングは、時刻tt〜tdまでの区間で仕事率E1’が最大となる時刻が、コック解放タイミングtrとして特定される(図13参照)。
続くステップS38では、指標算出部24Bは、コック解放タイミングtr及び平均仕事率E1_AVEに基づいて、インパクト時のヘッド速度Vhを算出する。具体的には、インパクト時のヘッド速度Vhは、下の式に従って算出される。なお、k1,k2,k3は、予め行われた多数の実験結果から重回帰分析により得られた定数であり、記憶部23内に予め保持されている値である。以上より、指標算出工程が終了する。
h=k1・E1_AVE+k2・tr+k3
以上の指標算出工程が終了すると、極端に軽い1本のゴルフクラブ4に由来するヘッド速度Vhと、極端に重い2本のゴルフクラブ4に由来するヘッド速度Vhとが算出される。以下では、極端に軽い1本のゴルフクラブ4に由来するヘッド速度VhをVh1と表し、極端に重い2本のゴルフクラブ4の軽い方に由来するヘッド速度VhをVh2と表し、極端に重い2本のゴルフクラブ4の重い方に由来するヘッド速度VhをVh3と表す。
<2−6.最適指標特定工程>
以下、指標算出工程で算出されたスイング指標であるヘッド速度Vh1〜Vh3に基づいて、ゴルファー7に合ったゴルフクラブ4の最適重量mOPを特定する最適指標特定工程について説明する。具体的には、本実施形態では、ヘッド速度Vh1〜Vh3の値をm2(ゴルフクラブ重量)―Vh(ヘッド速度)平面内にプロットすることにより得られるグラフに基づいて、最適重量mOPが特定される。
なお、以下に説明する最適指標特定工程のアルゴリズムは、ヘッド速度Vhとゴルフクラブ重量m2とが図1に示すような関係を有することに基づく。図14〜図17は、4人のゴルファーに様々な重量のゴルフクラブを試打させたときの計測データを、m2―Vh平面内にプロットしたグラフの例である。これらのグラフからは、ヘッド速度Vhは、ある点Pcを境にして、ゴルフクラブ重量m2に比例する比例領域と、ゴルフクラブ重量m2に関わらず概ね一定となる一定領域とに分かれることが分かる。すなわち、ゴルフクラブが重くなると、ゴルファーの力ではゴルフクラブを振り切ることができなくなり、ヘッド速度Vhが小さくなる。かといって、ある一定以上軽くしても、フルスイング以上の力では振ることができないため、ヘッド速度Vhは頭打ちとなる。すなわち、ゴルファーの限界に達し、それ以上軽くしてもヘッド速度Vhが伸びなくなる点が存在することが分かる。そして、ヘッド速度Vhが同じであれば、ゴルフクラブ重量m2が大きい方が運動エネルギーが大きくなり、ゴルフボールの初速度が速くなると考えられる。従って、飛距離を伸ばす観点からは、変化点Pcに対応するゴルフクラブ重量が最適であると言える。
以上の知見に基づいて、まず、最適指標特定部24Cは、m2―Vh平面内にヘッド速度Vh1に対応する点P1をプロットし、当該点P1を通り、傾きがゼロの直線l1(第1回帰直線)を特定する(図18(A)参照)。
続いて、最適指標特定部24Cは、m2―Vh平面内にヘッド速度Vh2,Vh3に対応する点P2,P3をプロットし、当該点P2,P3を通る直線l2(第2回帰直線)を特定する(図18(B)参照)。
続いて、最適指標特定部24Cは、直線l1,l2の交点Pcを特定し、交点Pcに対応するゴルフクラブ重量m2を特定し、最適重量mopとする(図18(C)参照)。なお、本実施形態では、計測データの信頼性のチェックのため、Vh2>Vh3であり、かつ、点Pcが点P1と点P2をとの間にあるか否かが判断される。そして、この条件が満たされない場合には、計測が正しくなされていないと判断されるため、計測のやり直しを求めるメッセージが表示部21上に出力される。ただし、点Pcが点P1よりも左側にあった場合において、Pc,P1,P2の3点の回帰直線の相関係数が所定値以上(例えば、0.8以上)である場合には、エラー処理を行うのではなく、P1に対応するゴルフクラブ重量m2をゴルフクラブ重量mopとすることもできる。
そして、最適指標特定部24Cは、最適重量mopを中心とする所定の幅の領域を特定し、ゴルフクラブ4の最適重量帯とする(図18(D)参照)。誤差の影響を吸収するためである。具体的には、例えば、最適重量帯を、最適重量mopを中心とする±5gの領域とすることができる。この場合において、上述したσが所定値以下の場合には、正確な計測ができていると判断されるため、最適重量の幅を小さくしてもよい。例えば、最適重量帯を、最適重量mopを中心とする±3gの領域とすることができる。
以上の処理が終わると、表示制御部24Dは、最適重量mop及び最適重量帯を表示部21上に表示させる。これにより、ゴルファー7は、自身に最適なゴルフクラブ4の重量mop及びその近傍の最適重量帯を把握し、これに基づいてゴルフクラブ4を選択することができる。また、以上の出力値の説得性を向上させるべく、表示制御部24Dは、図18(D)に示すグラフも併せて表示部21上に表示させることもできる。また、表示制御部24Dは、参考として、ヘッド速度Vhの他、算出されたエネルギー発揮量E,E1及び平均仕事率EAVE,E1_AVEも表示部21上に表示させることもできる。
<2−7.最適クラブ特定工程>
以下、最適指標特定工程で特定された最適重量帯に属する複数本のゴルフクラブ(以下、候補クラブ)の中から、特にヘッド速度を高めることができるゴルフクラブ(以下、最適クラブ)を特定する最適クラブ特定工程について説明する。最適クラブは、フィッティングを行っているゴルファー7が各候補クラブを用いた場合のグリップエンド慣性モーメントIG及びスイング慣性モーメントISの値に基づいて特定される。
なお、グリップエンド慣性モーメントIGとは、グリップエンド周りの慣性モーメントであり、IG=I2+m22として算出される。一方、スイング慣性モーメントISは、スイング中の肩周りの慣性モーメントであり、以下の式に従って算出可能である。
S=I2+m2(2r+L)2+I1+m12
ただし、各ゴルファー7については、ゴルフクラブが変わっても腕の重量は同じである。従って、簡単のため、本実施形態におけるスイング慣性モーメントISは、腕の回転分の慣性モーメントを省略し、以下の式に従って定義される。
S=I2+m2(2r+L)2
以下に説明する最適クラブ特定工程のアルゴリズムは、ヘッド速度Vh、グリップエンド慣性モーメントIG及びスイング慣性モーメントISが、図19〜図21に示すような関係を有することに基づく。図19〜図21は、本発明者らが行ったシミュレーションの結果である。図19中のIG−IS平面内の13個の点(丸)は、被験者がスペックの異なる13本のゴルフクラブをスイングしたときの(IG,IS)を示す点である。ただし、本データは、実際に13本のゴルフクラブを被験者に試打させて得たデータではなく、1本のゴルフクラブ(以下、基準クラブ)を試打させ、このときのデータからシミュレーションにより得たデータである。
基準クラブのスペック(ゴルフクラブ重量m2[g],重心位置L[mm],慣性モーメントI2[kg・cm2])は、(272,936,453)であった。また、基準クラブには、上記計測工程で用いられたようなセンサユニット1が取り付けられた。そして、当該基準クラブを被験者に試打させ、上述したアルゴリズムと同様のアルゴリズムに従って逆動力学解析を行い、肩周りのトルクT1、グリップ42周りのトルクT2及び腕長さRを算出した。続いて、これらのパラメータT1,T2,Rを一定と仮定した上で、13本のゴルフクラブのスペック(ゴルフクラブ重量m2、重心距離L、慣性モーメントI2等)の値を用いて、順運動力学解析を行った。なお、図19のシミュレーションでは、ゴルフクラブ重量m2=272g(一定)のゴルフクラブが用いられ、基準クラブを除く残りの12本のゴルフクラブのスペック(L,I2)は、(941,192)(941,138)(938.5,324)(936,507)(941,83)(938.5,270)(933.5,633)(931,809)(936,399)(933.5,578)(931,755)(931,700)とされた。以上の順運動力学解析により、各ゴルフクラブによるヘッド速度Vh、グリップエンド慣性モーメントIG及びスイング慣性モーメントISが算出された。図19中に引かれている10本の斜線は、13個のヘッド速度Vhの値に基づいて導出されたヘッド速度Vhの等高線である。
同様のシミュレーションを異なる13本のゴルフクラブに対し行った結果が、図20及び図21である。具体的には、図20のシミュレーションでは、重心位置L=936cm(一定)のゴルフクラブが用いられ、基準クラブを除く残りの12本のゴルフクラブのスペック(m2,I2)は、(284,349)(284,294)(278,400)(272,507)(284,240)(278,346)(266,560)(260,666)(272,399)(266,506)(260,612)(260,557)とされた。また、図21のシミュレーションでは、慣性モーメントI2=453kg・cm2(一定)のゴルフクラブが用いられ、基準クラブを除く残りの12本のゴルフクラブのスペック(L,m2)は、(932.6,293)(930.9,297)(934.3,282)(937.8,267.6)(929.2,302)(932.5,287)(933.5,258)(943.5,244)(934.2,276.4)(937.8,262)(941.5,248)(939.7,252)とされた。
以上の図19〜図21の等高線図は、0.1m/s刻みで引かれている。これらの等高線に添えられている数値は、基準クラブでのヘッド速度Vhを0.0m/sとしたときの相対的なヘッド速度Vhの値である。これらの等高線図からは、IG−IS平面内では、右下にいくにつれてヘッド速度Vhが向上し、左上にいくほど低下することが分かる。言い換えると、スイング慣性モーメントISの値が小さくなり、グリップエンド慣性モーメントIGが大きくなる程、ヘッド速度Vhが向上することが分かる。この傾向は、ゴルフクラブ重量m2が一定であるか、重心位置Lが一定であるか、慣性モーメントI2が一定であるか等の条件には依存しない。
ところで、一般に、グリップエンド慣性モーメントIGやスイング慣性モーメントISが増大すると、重心の位置がヘッド側に近づくためゴルフクラブが振りにくくなり、ヘッド速度Vhが低下すると考えられている。しかしながら、本発明者らは、図19〜図21のシミュレーション結果から、たとえグリップエンド慣性モーメントIGが増大したとしても、当該増分に対するスイング慣性モーメントISの増分を一定値以下とすれば、むしろヘッド速度Vhを向上させることができることに気が付いた。発明者らはさらに検討を進め、このことは、図22に示す別のシミュレーションの結果から説明できることが分かった。
図22は、図19のシミュレーションにおいて、被験者が13本のゴルフクラブをスイングしたときの13個のコック角の値に基づいて導出されたコック角の等高線図である。なお、ここでいうコック角とは、コック解放タイミングtrにおける腕とゴルフクラブとの為す角度(図12に一定鎖線で示される角度)である。
図22の等高線は、0.5°刻みで引かれている。これらの等高線に添えられている数値は、基準クラブでのコック角を0.0°としたときの相対的な角度である。これらの等高線図からは、IG−IS平面内では、右へいくにつれてコック角が小さくなり、左にいくほど大きくなることが分かる。言い換えると、グリップエンド慣性モーメントIGが大きくなる程、コック角が小さくなることが分かる。一方で、等高線が概ね上下方向に延びていることから、コック角はスイング慣性モーメントISには影響を受けない。なお、簡単のため、図19に対応するシミュレーションの結果のみを示したが、図20及び図21に対応するシミュレーションにおいても、コック角に関し同様の傾向が確認された。
また、コック角が小さいとは、リストコックが溜まっており、スイング中にゴルフクラブがゴルファーの胴体の近くを通ることを意味する。従って、コック角が小さい場合には、実効的なスイング慣性モーメントISが小さくなり、ヘッド速度Vhの上昇が期待される。
以上より、グリップエンド慣性モーメントIGが増大したとしても、スイング慣性モーメントISの増分を一定値以下とすれば、ゴルフクラブが振りにくくなることによるデメリットよりも、コック角が小さくなることによるメリットが勝り、ヘッド速度Vhが向上することが分かる。すなわち、グリップエンド慣性モーメントIGを大きくし、スイング慣性モーメントISを小さくすることができれば、ヘッド速度Vhを向上させることができる。
以上の知見に基づいて、最適クラブ特定工程が実行される。まず、最適クラブ特定部24Eは、フィッティングの対象となる複数本のゴルフクラブ(以下、対象クラブ)の中から、候補クラブを絞り込む。具体的には、記憶部23内には、各対象クラブのスペックを示す情報(以下、スペック情報)が予め格納されている。本実施形態では、ここでいうスペックとして、各対象クラブに対し、ゴルフクラブ重量m2、ゴルフクラブ4の重心周りの慣性モーメントI2及びグリップ42からゴルフクラブ4の重心までの距離(重心距離)L等の値が格納されている。従って、最適クラブ特定部24Eは、記憶部23内の当該スペック情報を参照することにより、対象クラブの中から、候補クラブとして、最適重量帯に属するゴルフクラブを全て特定する。なお、候補クラブが1本しかない場合には、以下の処理は省略され、当該一本の候補クラブが、最適クラブとして特定される。
一方、候補クラブが複数本存在する場合には、これらの候補クラブの中から特にヘッド速度を高めることが可能なゴルフクラブである、最適クラブが特定される。具体的には、最適クラブ特定部24Eは、上述した定義式に従って、フィッティングを行っているゴルファー7が各候補クラブをスイングしたときの、グリップエンド慣性モーメントIG及びスイング慣性モーメントISを導出する。このとき、計測工程から最適指標特定工程までの工程で既に算出されているパラメータRと、候補クラブのスペック(ゴルフクラブ重量m2、重心距離L、慣性モーメントI2等)の値を用いて、順運動力学解析が実行される。この場合、再度ゴルファー7に、候補クラブをスイングしてもらう必要はない。
各候補クラブに対応する慣性モーメントIG,ISが判明すると、最適クラブ特定部24Eは、複数本の候補クラブの中から、スイング慣性モーメントISがより小さく、グリップエンド慣性モーメントIGのより大きいゴルフクラブを特定し、これを最適クラブとする。具体的には、最適クラブ特定部24Eは、各候補クラブに対応する(IG,IS)の点をIG−IS平面内にプロットし、最も右下にくる点に対応する候補クラブを最適クラブと判定する。例えば、図23(A)に示すような3本の候補クラブA,B,Cが存在する場合には、候補クラブCが最適クラブと判定される。一方、図23(B)のような3本の候補クラブA,B,Cが存在する場合には、B,Cの候補クラブに関しては、どちらが右下に存在しているのか判定することができない。この場合には、B,Cの両方が最適クラブとして判定される。
なお、図23(B)のB,Cに対応する複数本の候補クラブも、IG−IS平面内に図19〜図21に示したような等高線を引くことができれば、優劣を判断することができる。従って、別の実施形態では、最適クラブ特定部24Eが、既に算出済みのパラメータT1,T2,Rと、様々な所定のゴルフクラブのスペック(ゴルフクラブ重量m2、重心距離L、慣性モーメントI2等)の値を用いて、順動力学解析により、IG−IS平面内におけるヘッド速度Vhの等高線を導出するようにしてもよい。なお、この等高線は、ゴルファー7に依存するものである。そして、この等高線の傾きから、B,Cのような複数本の候補クラブに対応するヘッド速度Vhの高低を判断し(図23(C)参照)、最も高いものを最適クラブと判定することができる。
以上の処理が終わると、表示制御部24Dは、最適クラブを特定する情報を表示部21上に表示させる。これにより、ゴルファー7は、自身に最適なゴルフクラブを把握することができる。また、以上の出力値の説得性を向上させるべく、表示制御部24Dは、図23(A)〜(C)に示すグラフも併せて表示部21上に表示させることもできる。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<3−1>
上記実施形態では、ゴルファー7のスイング動作を計測する計測機器として、加速度センサ、角速度センサ及び地磁気センサの3つを有するセンサユニット1が使用されたが、計測機器を他の構成とすることもできる。例えば、地磁気センサを省略することもできる。この場合には、統計的手法により、xyz局所座標系からXYZ全体座標系へと計測データを変換することが可能である。なお、このような手法については、公知技術であるため(要すれば、特開2013−56074号公報参照)、ここでは詳細な説明を省略する。或いは、計測機器として、三次元計測カメラを使用することもできる。三次元計測カメラにより、ゴルファーやゴルフクラブ、ゴルフボールの挙動を計測する手法についても、公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、三次元計測カメラを用いた場合には、計測データのxyz局所座標系からXYZ全体座標系への変換工程を省略することもでき、直接的にXYZ全体座標系でのグリップの挙動を計測することができる。
<3−2>
上記実施形態では、ヘッド速度Vhは、コック解放タイミングtr及び平均仕事率E1_AVEを説明変数とする重回帰式に基づいて算出されたが、その他の方法で算出することも可能である。例えば、スイング中のコック解放タイミングtr、エネルギー発揮量E1及び平均仕事率E1_AVEの少なくとも1つを説明変数として含む回帰式に基づいて算出するようにしてもよい。勿論、これら3つパラメータの全てを説明変数としてもよい。或いは、以下の式に従って幾何学的に算出することもできる。ただし、Lclubは、ゴルフクラブのスペックであるゴルフクラブの長さである。また、ヘッド速度Vhは、カメラ等からなる計測機器を用いて直接的に計測することもできる。
シャフト40の先端のヘッドの位置ベクトル(dhX,dhY
hX=2X1+Lclubcosθ2
hY=2Y1+Lclubsinθ2
シャフト40の先端のヘッドの速度ベクトル(VhX,VhY
hX=2VX1−Lclubω2sinθ2
hY=2VY1+Lclubω2cosθ2
h=sqrt(VhX 2+VhY 2
<3−3>
上記実施形態では、ヘッド速度Vhに基づいてゴルフクラブ4の最適重量mopが算出されたが、ヘッド速度Vh以外のスイング指標と、ゴルフクラブ4の重量m2以外の振り易さ指標との間でも、図1に示すような関係が成立する。具体的には、例えば、上述したエネルギー発揮量E,E1及び平均仕事率EAVE,E1_AVEは、最適な振り易さ指標を算出するためのスイング指標として使用することができる。また、以下に説明するトルク発揮量Tti及び平均トルクTAVEも、スイング指標として使用することができる。なお、エネルギー発揮量E,E1及び平均仕事率量EAVE,E1_AVEは、図1(A)のモデルに当てはめることができ、トルク発揮量Tti及び平均トルクTAVEは、図1(B)のようなモデルに当てはめることができる。
また、グリップエンド慣性モーメントIG及びスイング慣性モーメントISを、振り易さ指標とすることができる。なお、本明細書で説明されるスイング指標と、振り易さ指標とは、任意に組み合わせることができる。
また、グリップエンド慣性モーメントIGを振り易さ指標とする場合には、計測工程での試打に用いるゴルフクラブ4は、極端にグリップエンド慣性モーメントIGの大きいゴルフクラブと、極端にグリップエンド慣性モーメントIGの小さいゴルフクラブとすることが好ましい。この場合において、極端に大きいグリップエンド慣性モーメントIG(複数本ある場合には、最小のもの)と、極端に小さいグリップエンド慣性モーメントIG(複数本ある場合には、最大のもの)との差は、250kg・cm2以上であることが好ましく、400kg・cm2以上であることがさらに好ましい。また、比例領域に属する2本のゴルフクラブ4間のIGの差は、100kg・cm2以上であることが好ましく、125kg・cm2以上であることがさらに好ましい。また、比例領域に属する2本のゴルフクラブ4によるヘッド速度Vh間の差は、0.8m/s以上であることが好ましく、1.0m/s以上であることがさらに好ましい。
(トルク発揮量Tti及び平均トルクTAVE
トルク発揮量Ttiは、肩周りのトルクT1をスイング期間で積分した値であり、例えば、トップからインパクトまでの区間で積分することにより算出される。Ttiは、スイング中に二重振り子の系全体で発揮されるトルク発揮量を意味する。なお、トルク発揮量Ttiを算出するに当たり、正のトルクT1だけを積分してもよいし、トルクT1の平均値を積分してもよい。
平均トルクTAVEは、系全体で発揮される単位時間当たりの平均的なトルクであり、例えば、TAVE=Tti/(ti−tt)として算出することができる。
<3−4>
計測工程において試打されるゴルフクラブ4の本数は、上記実施形態では3本としたが、これに限られない。より多くのゴルフクラブ4による計測データを取得し、これに基づくより多くの点をスイング指標−振り易さ指標平面内にプロットすることで、より正確なスイング指標の回帰直線l1,l2を算出することもできる。このような回帰直線l1,l2は、最小二乗法等の方法で算出することができる。
また、計測工程において試打されるゴルフクラブ4の本数を、2本とすることもできる。すなわち、1本のゴルフクラブ4による計測データに基づいて第1回帰直線l1を算出し、1本のゴルフクラブ4による計測データに基づいて第2回帰直線l2を算出することもできる。
具体的に説明すると、本発明者らは、少なくともヘッド速度Vh−ゴルフクラブ重量m2の関係に基づく解析においては、第2回帰直線l2の傾きは、コック解放タイミングtr及びヘッド速度Vhのそれぞれと相関があることを確認した。従って、第2回帰直線l2の傾きは、コック解放タイミングtr及び/又はヘッド速度Vhを説明変数とする回帰式により表すことができる。すなわち、比例領域における回帰直線l2の傾きuは、以下の式によって算出することができる(tr,Vhの両方を説明変数とする場合)。
u=w1・tr+w2・Vh+w3
係数w1,w2,w3は、多数の実験データから重回帰分析により算出することができる。また、係数w1,w2,w3を重回帰分析に基づいて算出するに当たっては、ヘッド速度Vh等に基づいてテスターを層別化して、層毎に算出することもできる。
そして、以上のように第2回帰直線l2の傾きが求められる場合には、第2回帰直線l2を、当該傾きを有し、計測データに基づくスイング指標に対応する点を通る直線として算出することができる。
<3−5>
上記実施形態では、第1回帰直線l1を振り易さ指標の軸に対して平行な直線としたが、傾きを有する直線としてもよい。図17の実験データに示すとおり、スイング指標が振り易さ指標に対して緩やかに変化する(概ね一定となる)場合もあるからである。この場合、第1回帰直線l1の算出に当たっても、複数のゴルフクラブ4の計測データを計測する等し、第2回帰直線l2と同様の方法で第1回帰直線l1を特定することができる。
1 センサユニット(計測装置)
2 フィッティング装置
3 フィッティングプログラム
4 ゴルフクラブ
7 ゴルファー
24A 取得部
24B 指標算出部
24C 最適指標特定部
41 ヘッド
42 グリップ

Claims (12)

  1. ゴルフクラブのフィッティング装置であって、
    複数のゴルフクラブのスイング動作を計測した計測値を取得する取得部と、
    前記計測値に基づいて、前記ゴルフクラブ毎に、前記スイング動作を特徴付ける指標であるスイング指標を算出する指標算出部と、
    前記指標算出部により算出された前記スイング指標に基づいて、前記ゴルフクラブの振り易さを表す振り易さ指標に対し前記スイング指標が概ね一定となる一定領域における前記スイング指標の第1回帰直線と、前記スイング指標が前記振り易さ指標に概ね比例する比例領域における前記スイング指標の第2回帰直線との交点を特定し、前記交点又はその近傍での前記振り易さ指標である最適指標又は最適指標帯を特定する最適指標特定部と
    を備える、
    フィッティング装置。
  2. 前記取得部は、前記振り易さ指標が極端に小さいゴルフクラブの前記スイング動作を計測した第1計測値、及び、前記振り易さ指標が極端に大きいゴルフクラブの前記スイング動作を計測した第2計測値を取得し、
    前記最適指標特定部は、前記第1計測値に基づく前記スイング指標に基づいて、前記第1回帰直線を特定し、前記第2計測値に基づく前記スイング指標に基づいて、前記第2回帰直線を特定する、又は、前記第2計測値に基づく前記スイング指標に基づいて、前記第1回帰直線を特定し、前記第1計測値に基づく前記スイング指標に基づいて、前記第2回帰直線を特定する、
    請求項1に記載のフィッティング装置。
  3. 前記最適指標特定部は、1本のゴルフクラブによる前記計測値に基づく前記スイング指標に対応する点を通り、傾きがゼロの直線として、前記第1回帰直線を特定する、
    請求項1又は2に記載のフィッティング装置。
  4. 前記最適指標特定部は、前記スイング動作時のコック解放タイミング及びインパクト時のヘッド速度の少なくとも一方を説明変数とする前記第2回帰直線の傾きの回帰式に基づいて、前記第2回帰直線を特定する、
    請求項1から3のいずれかに記載のフィッティング装置。
  5. 前記最適指標特定部は、1本のゴルフクラブによる前記計測値に基づく前記スイング指標に対応する点を通り、前記回帰式に基づいて算出された前記傾きを有する直線として、前記第2回帰直線を特定する、
    請求項4に記載のフィッティング装置。
  6. 前記振り易さ指標には、前記ゴルフクラブの重量、グリップエンド慣性モーメント及びゴルファーの肩周りの慣性モーメントの少なくとも1つが含まれる、
    請求項1から5のいずれかに記載のフィッティング装置。
  7. 前記スイング指標には、ヘッド速度、トルク発揮量、平均トルク、平均仕事率及びエネルギー発揮量の少なくとも1つが含まれる、
    請求項1から6のいずれかに記載のフィッティング装置。
  8. 前記最適指標又は前記最適指標帯に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定する最適クラブ特定部
    をさらに備える、請求項1から7のいずれかに記載のフィッティング装置。
  9. ゴルフクラブのフィッティング方法であって、
    計測機器を用いて複数のゴルフクラブのスイング動作を計測するステップと、
    前記スイング動作の計測値に基づいて、前記ゴルフクラブ毎に、前記スイング動作を特徴付ける指標であるスイング指標を算出するステップと、
    前記算出されたスイング指標に基づいて、前記ゴルフクラブの振り易さを表す振り易さ指標に対し前記スイング指標が概ね一定となる一定領域における前記スイング指標の第1回帰直線を特定するステップと、
    前記算出されたスイング指標に基づいて、前記スイング指標が前記振り易さ指標に概ね比例する比例領域における前記スイング指標の第2回帰直線を特定するステップと、
    前記第1回帰直線と前記第2回帰直線との交点を特定し、前記交点又はその近傍での前記振り易さ指標である最適指標又は最適指標帯を特定するステップと
    を備える、方法。
  10. 前記最適指標又は前記最適指標帯に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定するステップ
    をさらに備える、請求項9に記載の方法。
  11. ゴルフクラブのフィッティングプログラムであって、
    前記スイング動作を計測した計測値を取得するステップと、
    前記計測値に基づいて、前記ゴルフクラブ毎に、前記スイング動作を特徴付ける指標であるスイング指標を算出するステップと、
    前記算出されたスイング指標に基づいて、前記ゴルフクラブの振り易さを表す振り易さ指標に対し前記スイング指標が概ね一定となる一定領域における前記スイング指標の第1回帰直線を特定するステップと、
    前記算出されたスイング指標に基づいて、前記スイング指標が前記振り易さ指標に概ね比例する比例領域における前記スイング指標の第2回帰直線を特定するステップと、
    前記第1回帰直線と前記第2回帰直線との交点を特定し、前記交点又はその近傍での前記振り易さ指標である最適指標又は最適指標帯を特定するステップと
    をコンピュータに実行させる、
    プログラム。
  12. 前記最適指標又は前記最適指標帯に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定するステップ
    をさらにコンピュータに実行させる、請求項11に記載のプログラム。
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