JP2016139746A - 積層配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、導電基板間の電気的接続信頼性に優れた積層配線基板を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、第1基材と、上記第1基材の一方の表面上に形成された第1多孔性導電層と、上記第1多孔性導電層の上記第1基材とは反対側の表面上、または上記第1基材および上記第1多孔性導電層の間に形成された第1接着層と、を有する第1導電基板、および、第2基材と、上記第2基材の一方の表面上に形成された第2多孔性導電層と、上記第2多孔性導電層の上記第2基材とは反対側の表面上、または上記第2基材および上記第2多孔性導電層の間に形成された第2接着層と、を有する第2導電基板を有し、上記第1導電基板および上記第2導電基板は、互いが対向する対向領域を有するように配置され、上記対向領域には、上記第1多孔性導電層および上記第2多孔性導電層を貫通する接続針が配置されていることを特徴とする積層配線基板を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、導電基板間の電気的接続信頼性に優れた積層配線基板に関するものである。
従来、対向配置された導電基板間を電気的に接続する方法としては、はんだを用いて導電基板の導電層間を接着する方法がある。
しかしながら、はんだを用いた場合には、基板の耐熱性によっては十分にはんだを加熱することができず、導電基板の導電層間を安定的に電気的接続することができないといった問題がある。また、導電層とはんだとの間の濡れ性が低い場合にも、導電基板の導電層間を安定的に電気的接続することができないといった問題がある。
このような問題に対して、ステープルを用いて接続する方法が知られている。
例えば、特許文献1および特許文献2では、基材と、基材の一方の表面上に形成された導電層と、を有する導電基板を積層し、積層された導電基板の導電層を導電性のステープルを用いて電気的に接続する方法が記載されている。
より具体的には、両導電層をステープルで貫通し固定することにより、導電層間をステープルを介して電気的に接続する方法が記載されている。
このような方法によれば、多層化された積層配線基板を容易に形成することができる。
また、接続時の加熱の問題がなく、導電層との濡れ性の問題も生じない。
特開2000−286548号公報 特開2003−6600号公報
しかしながら、導電層が金属蒸着膜等である場合には、ステープルが導電層を貫通することが容易ではなく、貫通箇所の周辺の導電層は、貫通箇所の導電層と繋がったまま、ステープルの貫通方向に引っ張られて変形することがある。
このような導電層の変形は、ステープルおよび導電層の間の接続不良を生じることがあり、導電基板間の電気的接続信頼性が低いものとなることがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、導電基板間の電気的接続信頼性に優れた積層配線基板を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、第1基材と、上記第1基材の一方の表面上に形成された第1多孔性導電層と、上記第1多孔性導電層の上記第1基材とは反対側の表面上、または上記第1基材および上記第1多孔性導電層の間に形成された第1接着層と、を有する第1導電基板、および、第2基材と、上記第2基材の一方の表面上に形成された第2多孔性導電層と、上記第2多孔性導電層の上記第2基材とは反対側の表面上、または上記第2基材および上記第2多孔性導電層の間に形成された第2接着層と、を有する第2導電基板を有し、上記第1導電基板および上記第2導電基板は、互いが対向する対向領域を有するように配置され、上記対向領域には、上記第1多孔性導電層および上記第2多孔性導電層を貫通する接続針が配置されていることを特徴とする積層配線基板を提供する。
なお、以下、第1基材および第2基材、第1多孔性導電層および第2多孔性導電層、第1接着層および第2接着層、ならびに、第1導電基板および第2導電基板、をそれぞれ単に基材、多孔性導電層、接着層および導電基板と称する場合がある。
本発明によれば、多孔性導電層が多孔質であることにより、接続針が多孔性導電層を貫通するように配置された場合であっても、多孔性導電層の変形が少ないものとすることができる。
このため、導電基板間の電気的接続信頼性に優れた積層配線基板とすることができる。
本発明においては、上記第1接着層は、上記第1導電基板の最外層に形成されており、上記第1導電基板は、上記第1接着層が、上記第2導電基板と対向するように配置されていることが好ましい。第1導電基板および第2導電基板が安定的に固着した積層配線基板とすることができるからである。
本発明においては、上記接続針は、上記第1導電基板および上記第2導電基板を貫通するように配置されていることが好ましい。第1導電基板および第2導電基板が安定的に固着した積層配線基板とすることができるからである。
本発明は、導電基板間の電気的接続信頼性に優れた積層配線基板を提供できるという効果を奏する。
本発明の積層配線基板の一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の積層配線基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の積層配線基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の積層配線基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の積層配線基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる導電基板の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明に用いられる導電基板の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明に用いられる導電基板の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の積層配線基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の積層配線基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の積層配線基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の積層配線基板の製造方法の一例を示す工程図である。 積層配線基板の導通の確認方法を説明する説明図である。
以下、本発明の積層配線基板について詳細に説明する。
本発明の積層配線基板は、第1基材と、上記第1基材の一方の表面上に形成された第1多孔性導電層と、上記第1多孔性導電層の上記第1基材とは反対側の表面上、または上記第1基材および上記第1多孔性導電層の間に形成された第1接着層と、を有する第1導電基板、および、第2基材と、上記第2基材の一方の表面上に形成された第2多孔性導電層と、上記第2多孔性導電層の上記第2基材とは反対側の表面上、または上記第2基材および上記第2多孔性導電層の間に形成された第2接着層と、を有する第2導電基板を有し、上記第1導電基板および上記第2導電基板は、互いが対向する対向領域を有するように配置され、上記対向領域には、上記第1多孔性導電層および上記第2多孔性導電層を貫通する接続針が配置されていることを特徴とするものである。
このような本発明の積層配線基板について図面を参照して説明する。
図1は本発明の積層配線基板の一例を示す概略平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図1および図2に示すように、本発明の積層配線基板10は、第1基材2aと、上記第1基材2aの一方の表面上に形成された第1多孔性導電層3aと、上記第1多孔性導電層3aの上記第1基材2aとは反対側の表面上に形成された第1接着層4aと、を有する第1導電基板1a、および、第2基材2bと、上記第2基材2bの一方の表面上に形成された第2多孔性導電層3bと、上記第2多孔性導電層3bの上記第2基材2bとは反対側の表面上に形成された第2接着層4bと、を有する第2導電基板1bを有し、上記第1導電基板1aおよび上記第2導電基板1bは、互いが対向する対向領域11を有するように配置され、上記対向領域11には、上記第1多孔性導電層1aおよび上記第2多孔性導電層1bを貫通する接続針5が配置されているものである。
なお、図1および図2においては、第1導電基板1aは、第1基材2a、第1多孔性導電層3aおよび第1接着層4aがこの順で積層し、第1接着層4aが第1導電基板1aの最外層に形成された第1構造のものであり、第2導電基板1bは、第2基材2b、第2多孔性導電層3bおよび第2接着層4bがこの順で積層し、第2接着層4bが第2導電基板1bの最外層に形成された第1構造のものである。
また、上記対向領域11で、上記第1導電基板1aは、上記第1接着層4aが上記第2導電基板1bと対向するように配置されているものである。
さらに、上記接続針5は、上記第1導電基板1aおよび上記第2導電基板1bを貫通するように2つ形成されるものであり、接続針の2つの端部を第2導電基板の外側で連結させて固定する外側連結固定部6bと、第1導電基板の外側において2つの接続針の2つの端部のそれぞれに設けられた独立固定部6aと、が形成されているものである。
図1および図2では、上記第1導電基板1aおよび第2導電基板1bのそれぞれに複数の第1多孔性導電層3aおよび第2多孔性導電層3bが形成され、それぞれの平面視上重なる第1多孔性導電層3aおよび第2多孔性導電層3b間が接続針により接続されるものである。
また、この例では、多孔性導電層(3aおよび3b)は、対向領域11において平面視上重なるように接続端子部7が形成され、接続端子部7同士が接続針により接続されているものである。
図1では、説明の容易のため、接着層の記載を省略するものである。
本発明によれば、多孔性導電層が多孔質であることにより、接続針が多孔性導電層を貫通するように配置された場合であっても、多孔性導電層の変形が少ないものとすることができる。
また、多孔性導電層の変形が少ないことにより、積層配線基板を接続針および多孔性導電層の間が安定的に接続されたものとすることができ、導電基板間の電気的接続信頼性に優れた積層配線基板とすることができる。
ここで、多孔性導電層が多孔質であることにより、多孔性導電層の変形が少ないものとすることができる理由については、以下のように推察される。
すなわち本発明において、多孔性導電層は多孔質であるため、脆性が付与されるので、従来の蒸着層とは異なり、転写時にバリの発生が少なく、また大きな結晶粒が含まれることもない。したがって、多孔性導電層は、良好な箔切れ性を得ることができる。
このため、接続針を多孔性導電層を貫通するように配置するために多孔性導電層に対して接続針が押し付けられた際には、多孔性導電層を接続針の外形形状に沿って容易に切断し、分離することができる。
したがって、接続針が多孔性導電層を貫通する際に、貫通箇所周辺の多孔性導電層が貫通箇所の多孔性導電層に引っ張られ、追従することを抑制でき、多孔性導電層の変形を抑制できるのである。
また、後述するように、多孔性導電層は、金属粒子同士が焼結し、融着しているものである。
ここで、金属粒子はその粒子径を小さくすると、低温で焼結することが知られている。本発明においては、このような金属粒子がナノ粒子化するとその金属粒子の融点よりも格段に低い温度で焼結する性質を利用して、金属粒子を低温で焼結して多孔性導電層を形成することができる。したがって、基材に損傷を与えることが少なく、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。特に、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材を用いることができる点で非常に有用である。
また、本発明において、多孔性導電層は、例えば基材上に金属粒子を含有する金属粒子分散液を塗布し、焼成することで形成することができ、基材との密着性が良好な多孔性導電層を得ることができる。したがって、密着性向上のために、基材上に別の層を形成したり表面処理を施したりする必要がない。
また、本発明においては、上述したように、多孔性導電層は多孔質であるため、多孔性導電層の孔の内部に接着層由来の成分を入り込ませることができるので、多孔性導電層および接着層が接触する表面積が大きくなるのみならず、アンカー効果により多孔性導電層および接着層の密着性を高めることができる。また、これにより、多孔性導電層が割れる等の破損を防ぐと共に、破損した場合でもその場に保持されたものとすることができる。
また、多孔性導電層を構成する金属等の導電性材料は、酸化されることで導電性が低下する場合があり、多孔性導電層の導電性が低下するおそれがある。これに対し、本発明においては、上述したように、多孔性導電層は多孔質であり、多孔性導電層の孔の内部に接着層由来の成分を入り込ませることができるので、導電基板における多孔性導電層を構成する金属等の導電性材料を接着層に含まれる接着材料等の接着層由来の成分で保護することができ、多孔性導電層の酸化を抑制することができる。したがって、多孔性導電層の導電性の低下が抑制された積層配線基板とすることができる。
本発明の積層配線基板は、第1導電基板、第2導電基板および接続針を有するものである。
以下、本発明の積層配線基板における各構成について説明する。
1.導電基板
本発明における導電基板は、第1導電基板および第2導電基板を含むものである。
上記第1導電基板および第2導電基板は、互いが対向する対向領域を有するように配置されるものである。
また、第1導電基板および第2導電基板は、基材(第1基材および第2基材)、多孔性導電層(第1多孔性導電層および第2多孔性導電層)、および接着層(第1接着層および第2接着層)を有するものである。
ここで、対向領域とは、第1導電基板および第2導電基板が平面視上重なる領域をいうものである。
(1)導電基板の層構造および対向配置方法
上記第1導電基板および第2導電基板は、それぞれ、基材と、上記基材の一方の表面上に形成された多孔性導電層と、上記多孔性導電層の上記基材とは反対側の表面上、または上記基材および上記多孔性導電層の間に形成された接着層と、を有するものである。
したがって、上記第1導電基板および第2導電基板の層構造は、それぞれ、基材、多孔性導電層および接着層がこの順で積層し、接着層が最外層に形成された第1構造、および、基材、接着層および多孔性導電層がこの順で積層し、多孔性導電層が最外層に形成された第2構造のいずれかである。
このような第1導電基板および第2導電基板の層構造の組み合わせとしては、第1導電基板および第2導電基板が、共に第1構造である組み合わせ(第1組み合わせ)、第1導電基板が第1構造であり、第2導電基板が第2構造である組み合わせ(第2組み合わせ)、および第1導電基板および第2導電基板が共に第2構造である組み合わせ(第3組み合わせ)と、することができる。
本発明においては、なかでも、上記組み合わせが第1組み合わせまたは第2組み合わせであること、すなわち、上記第1導電基板が上記第1構造であり、上記第1接着層は、上記第1導電基板の最外層に形成されていることが好ましい。
上記組み合わせが第1組み合わせまたは第2組み合わせである場合、少なくとも上記第1導電基板は、第1接着層が上記第1導電基板の最外層に形成された第1構造となる。このため、上記対向領域で、上記第1導電基板は、上記第1接着層が上記第2導電基板と対向するように配置することができ、第1導電基板および第2導電基板を第1接着層を介して固着することができる。このため、第1導電基板および第2導電基板が安定的に固着した積層配線基板とすることができるからである。
図3、図4および図5は、本発明の積層配線基板の他の例を示す概略断面図である。
また、既に説明した図2、および図3は、上記層構造の組み合わせが第1組み合わせであり、図4および図5は、上記層構造の組み合わせが第2組み合わせである例を示すものである。
なお、図3〜図5中の符号については、既に説明した図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記第1導電基板および第2導電基板の対向面としては、両導電基板の多孔性導電層を接続針により電気的に接続できるものであれば特に限定されるものではない。
上記第1導電基板の対向面は、上記第1導電基板および第2導電基板の層構造の組み合わせが上記第1組み合わせまたは上記第2組み合わせである場合には、第1接着層であること、すなわち、上記対向領域で、上記第1導電基板は、上記第1接着層が上記第2導電基板と対向するように配置されていることが好ましい。第1導電基板および第2導電基板を第1接着層を介して固着することができ、第1導電基板および第2導電基板が安定的に固着した積層配線基板とすることができるからである。
既に説明した図1〜図5は、第1導電基板の対向面が第1接着層である例を示すものである。また、図3は、第2導電基板の対向面も第2接着層である例を示すものである。
上記対向領域の第1導電基板および第2導電基板は、第1導電基板および第2導電基板のそれぞれの対向する面同士が、直接接しないように配置されるものであっても良く、直接接するように配置されるものであっても良い。
第1導電基板および第2導電基板での上記対向領域の形成箇所としては、第1多孔性導電層および第2多孔性導電層を電気的に接続できる箇所であれば良く、第1導電基板および第2導電基板の一部であっても良く、全面であっても良い。
既に説明した図1〜図5は、上記形成箇所が第1導電基板および第2導電基板の一部である場合の例を示すものである。図6は、上記形成箇所が第1導電基板および第2導電基板の全面である場合の一例を示すものである。また、図6では、上記第1導電基板および第2導電基板のそれぞれに複数の第1多孔性導電層および第2多孔性導電層が形成され、それぞれの平面視上重なる第1多孔性導電層および第2多孔性導電層間が接続針により接続されるものである。
なお、図6中の符号については、既に説明した図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
(2)基材
上記基材は、多孔性導電層および接着層を支持するものである。
また、上記基材は、第1基材および第2基材を含むものである。
このような基材としては、絶縁性を有し、所望の支持性を有するものであれば特に限定されるものではなく、樹脂基材、紙基材等を用いることができる。
本発明においては、なかでも、上記基材が樹脂基材であることが好ましい。本発明においては、金属粒子を低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるため、基材に損傷を与えることが少なく、耐熱性の高い基材を用いる必要はなく、耐熱性の低い基材も使用することができる。特に、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材を用いることができる点で非常に有用である。また、フレキシブル性を有する積層配線基板とすることができるからである。さらに、多孔性導電層間の接続のために接続針を貫通させることが容易だからである。
上記樹脂基材としては、一般的な樹脂基材を用いることができる。樹脂基材の好適な具体例としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ガラス−エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリノルボルネン等のポリシクロオレフィン、液晶性高分子化合物等の樹脂フィルムが挙げられる。なかでも、上記樹脂基材は、ポリエチレンテレフタレート等の安価な汎用プラスチックの樹脂基材が好適である。
上記基材の膜厚としては、所望の支持性を有するものとすることができるものであれば良く、一般的な導電基板に用いられるものと同様とすることができる。
(3)多孔性導電層
本発明に用いられる多孔性導電層は、上記基材の一方の表面上に形成されるものである。
また、上記多孔性導電層は、第1多孔性導電層および第2多孔性導電層を含むものである。
ここで、多孔性導電層とは、多数の孔を有する導電層をいい、同じ体積を持つ孔の無い導電層よりも表面積が拡大されている。
多孔性導電層を構成する導電性材料としては、例えば金属、金属酸化物を挙げることができる。多孔性導電層を構成する導電性材料は1種でもよく2種以上であってもよい。
中でも、上記導電性材料は金属が好ましい。金属の粒子は、より低温で焼結して多孔性導電層を形成することができるからである。
金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、モリブデン、アルミニウム、アンチモン、スズ、クロム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、鉛等が挙げられる。中でも、導電性やコスト等の観点から、上記金属は、銀、銅が好ましい。金属は1種であってもよく2種以上であってもよい。
金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫、アンチモンドープ酸化錫等が挙げられる。
多孔性導電層中の孔の形状は、少なくとも一部の孔に接着材料等の接着層由来の成分が入り込める形状であればよく、特に限定されない。上記形状は、少なくとも多孔性導電層の接着層側の面には、多数の孔が互いに連結した連通孔を有することが好ましい。
多孔性導電層の空孔率としては、導電性および密着性を両立可能な範囲に適宜調整すればよく、特に限定されない。具体的には、多孔性導電層の空孔率は5%〜50%の範囲内であることが好ましく、中でも10%〜45%の範囲であることが好ましく、特に15%〜40%の範囲内であることが好ましい。空孔率が大きすぎると、多孔性導電層と基材との密着性が低下するおそれがある。また、空孔率が小さすぎると、多孔性導電層の空孔部の内部に接着層由来の成分が入り込むことによる上述の効果が十分に得られない場合がある。
なお、多孔性導電層の空孔率は、多孔性導電層を構成する導電性材料が存在していない部分を表すものであり、接着層由来の成分が混在している部分も含まれる。
多孔性導電層の空孔率は、接着層形成前の多孔性導電層の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像から確認することができる。具体的には、得られたSEM像から孔の面積と多孔性導電層の面積とをそれぞれ算出し、孔の面積を多孔性導電層の面積で除することにより上記断面における空孔率を求めることができる。また、空孔率は、基材を除く多孔性導電層から算出し、基材と多孔性導電層と界面の孔は、多孔性導電層の方に含める。
また、空孔率は、導電基板の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像から確認することもできる。具体的には、得られたSEM像から孔の面積と、接着層由来の成分の面積と、多孔性導電層の面積とをそれぞれ算出し、孔の面積と接着層由来の成分の面積との合計を、多孔性導電層の面積で除することにより上記断面における空孔率を求めることができる。
導電基板の大きさに応じて適宜複数の断面について同様に空孔率を求め、その平均値を多孔性導電層の空孔率とする。
上記断面観察を行う面積としては、各箇所で50nm×50nm以上とすることができる。
また、上記空孔率の平均値は、より具体的には、ランダムに選択された10箇所以上で求められた空孔率の平均値とすることができる。
上記多孔性導電層の厚みは、導電性を有し、かつ、接続針が貫通可能なものであればよく、0.01μm〜50μm程度とすることができ、好ましくは0.05μm〜10μmの範囲内、特に好ましくは0.1μm〜5μmの範囲内である。
上記多孔性導電層は、基材の全面に形成されるものであっても良いが、パターン状に形成されるものであることが好ましい。上記多孔性導電層が、平面視上、パターン状となるように形成されるものであることにより、上記多孔性導電層を配線層として用いることが容易だからである。これにより積層配線基板を機能性に優れたものとすることができるからである。なお、配線層としての使用には、アンテナとしての使用も含まれるものである。
既に説明した図1および図2は、多孔性導電層が、平面視上パターン状となるように形成される例を示すものである。
上記多孔性導電層は、上記対向領域内に、接続端子部が形成されているものであっても良い。第1導電基板および第2導電基板の多孔性導電層間の電気的接続が容易だからである。
このような接続端子部の形状等については、一般的な導電基板における接続端子と同様とすることができ、接続針の大きさ等に合わせて適宜設定されるものである。
既に説明した図1および図2は、多孔性導電層が、接続端子部を有する例を示すものである。
上記多孔性導電層の形成方法としては、所望の膜厚および平面視形状の上記多孔性導電層を形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、基材上に金属粒子を含有する金属粒子分散液を塗布し、焼成する方法を用いることができる。
図7は、多孔性導電層の形成方法の一例を示す工程図である。図7に例示するように、多孔性導電層の形成方法は、基材2を準備し、基材2上に金属粒子分散液13aを塗布し(図7(a))、次いで、基材2上の金属粒子分散液13aに対して加熱hを行うことにより乾燥させることで金属粒子を含有する塗膜を形成し(図7(b))、その後、塗膜13bに対して表面波プラズマ処理pを施すことにより塗膜13bに含まれる金属粒子同士を焼結させることにより(図7(c))、多孔質である多孔性導電層3を得る方法が挙げられる(図7(d))。
金属粒子としては、焼成後に導電性を生じる金属粒子の中から適宜選択して用いることができる。
なお、本願明細書において、金属粒子とは、金属状態の粒子に加えて、合金状態の粒子や、金属化合物の粒子等も含まれるものである。
金属粒子を構成する金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、モリブデン、アルミニウム、アンチモン、スズ、クロム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、鉛等が挙げられる。中でも、上記金属は、導電性やコスト等の観点から、銀、銅が好ましい。金属粒子を構成する金属は1種であってもよく2種以上であってもよい。また、2種以上の金属がコアシェル構造を形成しているものや、金属状態の粒子の表面が酸化または窒化されているもの等を上記金属粒子として用いてもよい。金属粒子は、表面が酸化されていてもよく、また内部まで酸化されていてもよい。
また、金属化合物の粒子を構成する金属化合物としては、例えば金属酸化物、金属窒化物、金属水素化物、金属水酸化物、有機金属化合物等が挙げられる。これらの金属化合物は、焼成時に分解されて金属状態となるものであることが好ましい。上記金属化合物の粒子は、例えば、還元して導電性を発現する金属化合物の粒子、具体的には酸化第一銅、酸化第二銅、酸化銀、窒化銅、水素化銅等の金属化合物の粒子を挙げることができる。また、金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫、アンチモンドープ酸化錫等も挙げられる。
金属粒子は1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属粒子は金属ナノ粒子であることが好ましい。すなわち、多孔性導電層は、金属ナノ粒子の焼結体であることが好ましい。金属ナノ粒子を含有する金属粒子分散液を塗布し、焼成して多孔性導電層を形成する場合には、孔径や結晶粒径を箔切れ性に好適な範囲に制御することができるからである。
金属粒子の平均粒子径は、1nm〜200nmの範囲であることが好ましく、中でも2nm〜150nmの範囲内、特に2nm〜100nmの範囲内が好ましい。平均粒子径が上記範囲内であると、多孔性導電層を形成する際に用いられる金属粒子分散液の分散安定性が良好であり、多孔性導電層を形成した際の導電性が良好となり、また融点が低く維持され、十分な焼結が可能であり、高い導電性が得られる。
ここで、金属粒子の平均粒子径は、金属粒子分散液中の金属粒子の平均一次粒子径であり、透過型電子顕微鏡による観察像から測定することができる。
なお、上記金属粒子の平均一次粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、透過型電子顕微鏡写真(TEM)(例えば、日立ハイテク製 H−7650)にて粒子像を測定し、ランダムに選択した100個の一次粒子の最長部の長さの平均値を平均一次粒径とすることができる。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
金属粒子の調製方法としては、例えば、メカノケミカル法等による金属粉または金属酸化物粉を粉砕して得る物理的な方法;CVD法や蒸着法、スパッタ法、熱プラズマ法、レーザー法のような化学的な乾式法;熱分解法、化学還元法、電気分解法、超音波法、レーザーアブレーション法、超臨界流体法、マイクロ波合成法等による化学的な湿式法と呼ばれる方法が挙げられる。
得られた金属粒子は、金属粒子分散液とするために、金属粒子を、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子化合物やグラフト共重合高分子化合物のような保護剤、界面活性剤、金属または金属酸化物と相互作用するようなチオール基やアミノ基、水酸基、カルボキシル基を有する化合物で被覆することが好ましい。また、金属粒子の合成法によっては、原料の熱分解物や酸化物が粒子表面を保護し、分散性に寄与する場合もある。熱分解法や化学還元法等の湿式法の場合は、還元剤等がそのまま金属粒子の保護剤として作用することがある。また、金属粒子分散液の分散安定性を高めるために、金属粒子の表面処理を行ったり、金属粒子分散液に高分子化合物、イオン性化合物、界面活性剤等からなる分散剤を添加したりしてもよい。
金属粒子分散液に用いられる分散媒としては、金属粒子を分散させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば水、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えばアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる。
また、金属粒子分散液には、必要に応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、あるいは安定剤等を添加してもよい。
金属粒子分散液は、固形分濃度が5質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましく、中でも10質量%〜90質量%の範囲内、特に15質量%〜85質量%の範囲内であることが好ましい。固形分濃度が上記範囲内であると、十分な導電性が得られ、また粘度が十分に低く、基材への金属粒子分散液の塗布が容易である。
なお、固形分とは、分散媒以外の全ての成分をいうものである。
基材上に金属粒子分散液を塗布する際には、基材上の全面に金属粒子分散液を塗布してもよく、基材上にパターン状に金属粒子分散液を塗布してもよい。
基材上に金属粒子分散液を塗布する方法としては、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、コンマコート、バーコート、ナイフコート、ダイコート、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷等を挙げることができる。基材上にパターン状に金属粒子分散液を塗布する場合には、微細なパターニングを行うことができるという観点から、上記塗布方法は、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷が好ましい。
金属粒子分散液の塗布後は、通常の方法で乾燥を行ってもよい。乾燥方法としては、例えば、一般的なオーブン等を用いて、80℃〜140℃程度の温度で0.1分〜20分程度加熱する乾燥方法が挙げられる。乾燥後の塗膜の厚みは、塗布量や金属粒子の平均粒子径等を調整することで制御することができるが、通常、0.01μm〜100μm程度であり、好ましくは0.1μm〜50μmの範囲内である。
金属粒子分散液の塗膜を焼成する方法としては、金属粒子を焼結できる方法であればよく、一般的な焼成方法を適用することができる。例えば、上記焼成方法としては、加熱処理、光処理、プラズマ処理による方法等が挙げられる。塗膜を焼成することにより、金属粒子の焼結体からなる多孔性導電層が得られる。
加熱処理としては、例えばホットプレート加熱、熱風加熱、熱板や熱ロールによるホットプレス法が挙げられる。
光処理としては、例えばレーザー処理、紫外線ランプ処理、赤外線ランプ処理、遠赤外線ランプ処理、フラッシュ光ランプ処理等が挙げられる。
プラズマ処理は、還元性を示す水素、一酸化炭素、アンモニア、アルコール等のガスを電離してプラズマ状態とし、反応性の高い活性種を生成させる処理であり、例えば、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ、容量結合プラズマ、誘導結合プラズマ、大気圧プラズマ、マイクロ波プラズマ、マイクロ波エネルギーの印加により発生するマイクロ波表面波プラズマ等が挙げられる。中でも、上記プラズマ処理は、マイクロ波表面波プラズマ処理が好ましい。
なお、上記の焼成方法は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
マイクロ波表面波プラズマは、プラズマ密度が高く、電子温度が低い特性を有し、塗膜を低温かつ短時間で焼成処理することが可能であり、緻密かつ平滑な多孔性導電層を形成することができる。マイクロ波表面波プラズマは、処理面に対して、面内で均一の密度のプラズマが照射される。その結果、他の焼成方式と比べて、マイクロ波表面波プラズマは、面内で部分的に金属粒子の焼結が進行する等、不均一な膜が形成されることが少なく、また粒成長を防ぐことができるため、非常に緻密で、平滑な膜が得られる。また、マイクロ波表面波プラズマは、面内処理室内に電極を設ける必要がないので、電極由来の不純物のコンタミネーションを防ぐことができ、また処理材料に対して異常な放電によるダメージを防ぐことができる。さらに、マイクロ波表面波プラズマは、樹脂基材を用いる場合には、樹脂基材のダメージが少なく、またその他の層へのダメージも少ない。
また、マイクロ波表面波プラズマは、樹脂基材に対する多孔性導電層の密着性を高めるのに好適である。この理由としては、マイクロ波表面波プラズマは、基材と多孔性導電層との界面で水酸基やカルボキシル基等の極性官能基を発生させやすいためと推測される。特にポリエステル基材に対して、還元性ガス雰囲気下で発生するプラズマを用いた場合には、基材のエステル結合に、還元性ガスを有するガスのプラズマが反応し、基材の界面側に改質が起こり、極性の高い反応基が多く発生するために、多孔性導電層と基材との界面での密着性が向上するものと推察している。したがって、マイクロ波表面波プラズマは、従来のように基材表面を予めプラズマ処理等により粗化して、多孔性導電層との密着性を向上させる方法に比較しても、基材と多孔性導電層との密着性が高い点で優れている。
なお、マイクロ波表面波プラズマの条件については、例えば特開2010−86825号公報に記載の条件を適用することができる。
焼成時の雰囲気としては、多孔性導電層を構成する導電性材料の種類に応じて適宜選択される。
金属を含有する多孔性導電層を形成する場合には、焼成時の雰囲気は、不活性ガスまたは還元性ガスの雰囲気とすることが好ましく、中でも還元性ガスの雰囲気とすることが好ましい。還元性ガス雰囲気の場合、金属粒子表面に存在する酸化物が還元除去され、導電性の良好な多孔性導電層を形成することができる。そのため、金属を含有する多孔性導電層を形成する場合には、金属粒子として、表面が酸化されている金属粒子や、内部まで酸化されている金属粒子を用いることができる。
還元性ガスとしては、例えば、水素、一酸化炭素、アンモニア、およびこれらの混合ガス等が挙げられる。上記還元性ガスは、中でも、水素ガスが好ましい。金属粒子表面に付着した有機物の除去には水素ガスが好適である。
還元性ガスには、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の不活性ガスを混合してもよい。この場合、プラズマが発生し易くなる等の効果がある。
一方、金属酸化物を含有する多孔性導電層を形成する場合には、窒素やアルゴン等の不活性ガスと、必要に応じて酸素とを含んだ雰囲気とすればよい。
さらに、銅を含有する多孔性導電層を形成する場合には、水素プラズマや窒素プラズマによる方法が好ましい。特に水素プラズマで行うことで、3×10−6Ω・cm〜3×10−5Ω・cm程度の比抵抗が得られ、また基材との密着性が良好な多孔性導電層を形成することができるからである。
焼成温度としては、金属粒子を焼結できる温度であればよく、金属粒子の種類や粒子径、焼成方法等に応じて適宜選択される。中でも、焼成温度は、基材の耐熱温度以下であることが好ましく、銀粒子を例とすれば、100℃〜150℃の範囲内が好ましい。
焼成時間としては、金属粒子の種類、焼成方法等に応じて適宜選択される。例えば銀粒子を加熱処理により焼成する場合、焼成時間は10分〜120分の範囲内、中でも15分〜40分の範囲内であることが好ましい。また、例えば銅粒子を水素プラズマにより焼成する場合、焼成時間は1分〜10分の範囲内、中でも2分〜5分の範囲内であることが好ましい。
(4)接着層
上記接着層は、上記多孔性導電層の上記基材とは反対側の表面上または上記基材および上記多孔性導電層の間に形成されるものである。
また、上記接着層は、第1接着層および第2接着層を含むものである。
接着層に含まれる接着材料としては、絶縁性を有し、接続針により多孔性導電層間が電気的に接続可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、加熱し、溶融または軟化して、粘着性または接着性を発現するものであればよく、一部が硬化する硬化性樹脂を用いてもよい。
具体的には、上記熱可塑性樹脂は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、スチレン―ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、スチロール樹脂、ポリオレフィン、ウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の従来の接着剤として既知のものが広く使用できる。熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱硬化性樹脂としては、室温付近では粘着性または接着性を発現するものであればよく、一定の温度と時間が掛ると硬化反応が積極的に発生し、粘着性または接着性が低下する熱硬化性樹脂を用いてもよい。
具体的には、上記熱硬化性樹脂は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
このような熱硬化性樹脂は1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂としては、例えば紫外線、可視光線、赤外線等の特定波長の光の照射によって硬化し、粘着性または接着性が低下するものを用いることができる。具体的には、感光性樹脂として、多官能(メタ)アクリル樹脂に光重合開始剤を処方したもの、あるいはエポキシ樹脂に光酸発生剤または光塩基発生剤を処方した光硬化性ワニス等、既知のものが広く使用できる。また、感光性樹脂は、溶剤希釈型、W/Oエマルジョン型、溶剤を含まないノンソル型を用いてもよい。このような感光性樹脂は1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、接着層には、接着材料以外に添加剤が含まれていてもよい。接着材料が熱可塑性樹脂である場合、添加剤としては、例えば分散剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等を挙げることができる。接着材料が熱硬化性樹脂である場合、添加剤としては、架橋剤、熱重合開始剤等を挙げることができる。
上記接着層の膜厚としては、接続針を用いて第1導電基板および第2導電基板を電気的に接続できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、接着層の膜厚は、0.01μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、特に0.5μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。
上記膜厚が上述の範囲内であることにより、上記多孔性導電層を安定的に保護可能な接着層とすることができるからである。また、接着層が導電基板の最外層に形成されている場合、一方の導電基板を他方の導電基板に安定的に固着すること、または、接着層および多孔性導電層を他の基材上に転写することが容易なものとすることができるからである。
なお、上記接着層の膜厚は、上記多孔性導電層の膜厚を含むものである。具体的には、図2および図4のaで示されるものである。
また、上記第1導電基板と上記第2導電基板とを用いて積層配線基板を形成する前、すなわち、上記第1導電基板および第2導電基板を重ね合わせる前における第1導電基板および第2導電基板の対向領域での接着層の膜厚については、上記接着層の膜厚と同様とすることができる。
上記接着層は、上記多孔性導電層の空孔部に入り込んでない状態であっても良く、上記多孔性導電層の空孔部に入り混んだ状態であっても良い。また、接着層が多孔性導電層の空孔部に入り込んでいる場合には、多孔性導電層の全ての空孔部を埋めない程度に入り込んだ状態とすることができる。
上記接着層の形成方法としては、所望の膜厚の接着層を形成可能な方法であれば特に限定されるものではない。上記形成方法は、例えば、上記接着材料が熱可塑性樹脂である場合には、接着層の材料を加熱溶融したものを多孔性導電層上に塗布し、次いで、冷却することにより固化させる方法を挙げることができる。
なお、塗布方法については、上記金属粒子分散液の塗布方法と同様の方法を用いることができる。
また、上記接着層は、上記接着材料が熱硬化性樹脂または光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂である場合、対向領域以外が加熱または光照射により硬化されているものであっても良い。
(5)導電基板
本発明における導電基板は、基材、多孔性導電層および接着層を含むものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
上記導電基板の製造方法としては、基材、多孔性導電層および接着層が所定の順番で積層したものとすることができる方法であれば特に限定されるものではない。
例えば、上記導電基板が基材、多孔性導電層および接着層がこの順で積層した第1構造である場合、導電基板の製造方法としては、基材上に多孔性導電層を形成した後に、接着層を形成する方法を用いることができる。
また、多孔性導電層がパターン状である場合の第1構造の導電基板の製造方法としては、金属粒子分散液をパターン状に塗布する方法であっても良いが、基材の全面に多孔性導電層が形成された導電基板用基材を準備し、パターン状に残す箇所以外の箇所の多孔性導電層を熱転写等により除去する方法であっても良い。
図8は、パターン状の多孔性導電層を有する第1構造の導電基板の製造方法の一例を示す工程図である。また、図8は、接着材料が熱可塑性樹脂である場合の例を示すものである。図8に例示するように、導電基板の製造方法は、基材2、多孔性導電層3および接着層4がこの順で積層した導電基板用基材1Xと、転写用基板21と、を準備し(図8(a))、導電基板用基材1Xの接着層4と転写用基板21とを接触させた状態で、多孔性導電層3のうちパターン状に残す箇所以外の部位をサーマルヘッドプリンタのサーマルヘッド等の加熱体22で加熱することにより接着層4と共に多孔性導電層3を転写用基板21側に転写させ、接着層4のうち加熱されておらず粘着性または接着性が低い低接着部位のみを基材2に残し(図8(b))、加熱した箇所を冷却した後に転写用基板21を剥離することにより、パターン状の多孔性導電層3を有する導電基板1を得るものとすることができる(図8(c))。
なお、この方法では、接着層4も多孔性導電層3と同一パターンで形成されるものとなる。
また、図8中の符号については、既に説明した図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この場合の接着層を構成する接着材料として含まれる熱可塑性樹脂としては、加熱圧着により基材から転写用基板へと接着層および多孔性導電層を転写できるものが選択されるものである。
また、多孔性導電層がパターン状である場合の導電基板の製造方法としては、接着材料が熱硬化性樹脂または光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂である場合、パターン状に残す箇所の多孔性導電層を加熱または光照射により、粘着性または接着性が低い低接着部位を形成した後、転写用基板を接触することで、未加熱または未照射部位を転写用基板に転写させことで、パターン状に残す箇所以外の箇所の多孔性導電層を除去する方法を用いることもできる。
光照射を行う方法としては、フォトマスク等の遮光部と開口部とからなるパターンを介して露光する方法や、レーザーによる直接描画法等を挙げることができる。
上記導電基板が基材、接着層および多孔性導電層がこの順で積層した第2構造である場合、導電基板の製造方法としては、例えば、転写基材、多孔性導電層および接着層がこの順で積層した転写基板と、基材と、を準備し、転写基板の接着層および多孔性導電層を基材に転写する方法を挙げることができる。
上記製造方法は、接着材料が熱可塑性樹脂である場合には、より具体的には図9に例示するように、転写基材32、多孔性導電層3および接着層4がこの順で積層された転写基板31を準備し、転写基板31の接着層4と基材2とを対向するように配置し接触させる対向配置工程と(図9(a))、転写基板31および基材2を加熱および加圧する加熱加圧工程と(図9(b))、転写基板31および基材2を冷却する冷却工程と(図示せず)、を有し、次いで転写基板31に含まれる転写基材32を剥離することにより、基材2、接着層4、および多孔性導電層3がこの順で積層した導電基板1を得る方法を用いることができる(図9(c))。
なお、図9中の符号については、既に説明した図8のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この場合の接着層を構成する接着材料として含まれる熱可塑性樹脂としては、加熱圧着により転写基材から基材へと接着層および多孔性導電層を転写できるものが選択されるものである。
また、接着材料が熱硬化性樹脂または光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂である場合、上記製造方法として、上記加熱加圧工程に代えて、転写基板および基材を加圧する加圧工程を行う方法を用いることができる。また、上記加圧工程は、必要に応じて加熱処理、光照射処理等を行うものであっても良い。
2.接続針
本発明における接続針は、上記対向領域において、上記第1多孔性導電層および上記第2多孔性導電層を貫通するように配置されるものである。
ここで、第1多孔性導電層および上記第2多孔性導電層を貫通するように配置されるとは、接続針が、上記第1多孔性導電層の外側から第2多孔性導電層の外側まで連続して配置されていることをいうものである。
このような接続針の第1導電基板および第2導電基板の厚み方向の貫通箇所としては、第1多孔性導電層および第2多孔性導電層を貫通するように配置されるもの、すなわち、第1多孔性導電層の外側から第2多孔性導電層の外側まで貫通するように配置されるものであれば特に限定されるものではない。
上記貫通箇所は、上記第1導電基板および上記第2導電基板の少なくとも一方を貫通するように配置されるもの、すなわち、第1導電基板および第2導電基板の少なくとも一方の導電基板の外側から他方の導電基板の多孔性導電層の外側まで貫通するものとすることができるが、上記第1導電基板および上記第2導電基板を貫通するように配置されるもの、すなわち、上記第1導電基板の外側から上記第2導電基板の外側まで貫通するように配置されるものであることが好ましい。
上記貫通箇所であることにより、上記第1導電基板および第2導電基板を対向領域で安定的に固定されたものとすることができるからである。また、これにより、積層配線基板を電気的接続信頼性により優れたものとすることができるからである。
なお、既に説明した図2〜図5および図10は、接続針が上記第1導電基板および上記第2導電基板を貫通するように配置される例を示すものである。また、図11は、接続針が上記第1導電基板のみを貫通し、第2導電基板を貫通しないように配置される例を示すものである。また、図11では、接続針の一方の端部が第2導電基板の多孔性導電層の外側まで貫通するように形成される場合を示すものである。
また、外側とは、第1導電基板および第2導電基板の、第1導電基板および第2導電基板の対向面とは反対側をいうものである。
なお、図10および図11中の符号については、既に説明した図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、上記接続針の形成数、すなわち、電気的に接続される1組の第1多孔性導電層および第2多孔性導電層を電気的に接続する接続針の数としては、1以上であれば良く、2以上であっても良い。
本発明においては、なかでも、上記接続針の形成数が2以上であることが好ましい。
平面視上重なるように配置された第1導電基板および第2導電基板のそれぞれに含まれる多孔性導電層間の電気的接続をより安定的なものとすることができるからである。
なお、既に説明した図1〜図6は、接続針の形成数が2である場合を示すものである。また、図10および図11は、接続針の形成数が1である場合を示すものである。
上記接続針の形状は、第1多孔性導電層および第2多孔性導電層を貫通し、上記第1多孔性導電層および第2多孔性導電層間を電気的に接続可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、柱形状、平面板形状等とすることができる。
上記接続針の形状が柱形状である場合、その断面形状としては、上記第1導電基板および第2導電基板のいずれかを外側から貫通することができるものであれば良く、四角形等の矩形状、円形状および楕円形状等とすることができる。また、上記接続針の形状が平面板形状である場合、その断面形状としては、長方形状とすることができる。
なお、既に説明した図1〜図6および図10〜図11は、接続針の形状が柱形状である場合の例を示すものである。また、図12は、接続針の形状が、平面板形状である場合の例を示すものである。
また、図12中の符号については、既に説明した図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記接続針の構成材料としては、導電性を有し、第1多孔性導電層および第2多孔性導電層を貫通することができる程度の剛性を有するものであれば良く、例えば、金属材料を用いることができる。
上記金属材料としては、具体的には、ステンレス、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、銀、鉛、亜鉛、チタン、クロム、タングステン、金、白金およびこれらの合金等を挙げることができる。
上記接続針は、上記接続針が第1導電基板および第2導電基板から外れることを防止するための固定部が接続針の端部に形成されていることが好ましい。
上記接続針の端部に固定部が形成されていることにより、接続針を上記第1導電基板および第2導電基板に対して容易に固定することが可能となり、第1導電基板および第2導電基板間を安定的に固着できる。このため、第1導電基板および第2導電基板の電気的接続性をより安定的なものとすることができるからである。
上記固定部の形成箇所としては、接続針の端部のうち導電性基板の外側に露出するものであれば特に限定されるものではなく、接続針の両端であっても良く、接続針の一方の端部に設けられていてもよい。
既に説明した図1〜図6は、接続針の両端に固定部が形成される例を示すものである。また、既に説明した図10〜図12は、接続針の一方の端部、より具体的には、第1導電基板の外側の端部のみに固定部が形成される例を示すものである。
上記固定部は、個々の接続針を第1導電基板および第2導電基板に対して固定する独立固定部であっても良いが、複数の接続針を第1導電基板および第2導電基板のいずれか一方の導電基板の外側で連結させて固定する外側連結固定部であってもよい。
既に説明した図1〜図6は、接続針の第2導電基板の外側の端部が外側連結固定部6bで連結され、第1導電基板の外側の端部が独立固定部6aである場合の一例を示すものである。
上記固定部は、複数の接続針を固定する場合には、上記外側連結固定部を含むことが好ましい。個々の接続針に独立固定部を設ける場合に比べて、複数の接続針の固定を容易に行うことができるからである。また、外側連結固定部と接続針とが一体で形成されている場合は、複数の接続針を第1導電基板および第2導電基板に対して容易に配置することができるからである。
上記固定部は、上記接続針の端部に接続されるものであるが、上記接続針と一体で形成されるものであっても良く、接続針と別体で形成されているものであってもよい。
上記独立固定部の形成方法としては、上記独立固定部が上記接続針と一体で形成されている場合、上記接続針の端部を所定の形状に折り曲げて形成する方法を用いることができる。
上記固定部の形状については、上記接続針を上記第1導電基板および第2導電基板の対向領域に固定することができるものであれば特に限定されず、上述した接続針の形状に合わせて適宜選択して用いることができる。
上記固定部の形状は、例えば、上記接続針の貫通方向に対して略直角方向に形成されたものとすることができる。
上記接続針は、その端部に機能性部材が接続されているものであっても良い。また、機能性部材の接続端子部を上記接続針として用いるものであっても良い。
上記機能性部材は、上記接続針の端部に接続され、第1導電基板および第2導電基板の多孔性導電層と電気的に接続されることにより、所望の機能を発揮できるものであればよい。
このような機能性部材としては、例えば、プリント配線基板、電磁波シールド材、アンテナ、パワー半導体、各種センサー用電極(タッチセンサー、バイオセンサー、温度センサー、ガスセンサー、光センサー、圧力センサー)、ディスプレイ用電極、太陽電池用電極等が挙げられる。
3.積層配線基板
本発明の積層配線基板は、第1導電基板、第2導電基板および接続針を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
上記その他の構成としては、第1導電基板および第2導電基板に挟持される中間導電基板を挙げることができる。
また、中間導電基板としては、第1導電基板および第2導電基板の多孔性導電層と電気的に接続できるものとすることができ、例えば、第3基材と、上記第3基材の一方の表面上に形成された第3多孔性導電層と、上記第3多孔性導電層の上記第3基材とは反対側の表面上または上記第3基材および上記第3多孔性導電層の間に形成された第3接着層とを有するものとすることができる。
このような第3基材、第3多孔性導電層、第3接着層および中間導電基板については、上記「1.導電基板」の項に記載の基材、多孔性導電層、接着層および導電基板と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記積層配線基板の用途としては、一般的な配線基板に用いることができ、なかでも、電気的信頼性が要求される配線基板に好ましく用いることができる。
より具体的には、上記積層配線基板は、プリント配線基板、電磁波シールド材、アンテナ、パワー半導体、ノイズフィルタ、コンデンサ電極、各種センサー用電極(タッチセンサー、バイオセンサー、温度センサー、ガスセンサー、光センサー、圧力センサー、フローセンサー)、ディスプレイ用電極、太陽電池用電極、ICカード、RFID等の作製、および接合材、コネクタ材に利用することができる。
また、本発明の積層配線基板は、非接触型ICカードに記録された情報の不正読み取りを防止するための電磁波シールド層、共振周波数を変調させるための導電層として使用することができる。例えば、カードの一部に多孔性導電層を付与して読み取りができない状態として輸送し、使用時に接着層ごとスクラッチして取り除くことが可能である。本発明の積層配線基板は、多孔性導電層を有するので、接着層の粘着力を制御することで、スクラッチで容易に剥離させることが可能である。
上記積層配線基板の製造方法としては、上記第1導電基板および上記第2導電基板にそれぞれ含まれる上記多孔性導電層を接続針を用いて電気的に接続できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記製造方法としては、例えば、第1導電基板および第2導電基板をそれぞれの対向領域で対向配置させ、次いで、接続針を、第1導電基板および第2導電基板の少なくとも一方の外側から貫通し、第1導電基板および第2導電基板にそれぞれ含まれる多孔性導電層を貫通するように押し込む方法を挙げることができる。
図13は、積層配線基板の製造方法の一例を示す工程図である。図13に例示するように、積層配線基板の製造方法は、第1導電基板1aおよび第2導電基板1bを準備し、第1導電基板1aおよび第2導電基板1bを対向領域で、対向するように配置する対向配置工程と(図13(a))、第1導電基板1aおよび第2導電基板1bの対向領域内の多孔性導電層3(3aおよび3b)が平面視上重なる箇所に対して、接続針5を、第2導電基板の外側から所定の力sで押し込むことにより、接続針5が第1導電基板1aおよび第2導電基板1bにそれぞれ含まれる多孔性導電層3(3aおよび3b)の両者を貫通し、さらに、第1導電基板の外側まで貫通させる接続工程と(図13(b))、接続針5の端部を折り曲げて、固定部を形成する固定部形成工程(図13(c))と、を有することにより、接続針5により第1導電基板1aおよび第2導電基板1bの多孔性導電層3(3aおよび3b)が電気的に接続された積層配線基板10を得るものとすることができる。
なお、図13中の符号については、既に説明した図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、上記対向配置工程後において、第1導電基板および第2導電基板の組み合わせが上記第1組み合わせまたは第2組み合わせであり、上記第1導電基板の上記対向面が第1接着層である場合、第1導電基板および第2導電基板の対向領域を圧着することにより、第1接着層を介して第1導電基板および第2導電基板間を接着する接着工程を有するものであっても良い。少なくとも第1導電基板の第1接着層により第1導電基板および第2導電基板間を固着させることができる。このため、第1導電基板および第2導電基板の電気的接続安定性に優れたものとすることができるからである。
上記接着工程は、第1接着層に含まれる接着材料が熱可塑性樹脂である場合、対向領域の第1導電基板および第2導電基板を加熱することで、第1接着層を加熱する加熱処理を行うものであっても良い。また、第1導電基板および第2導電基板同士を加熱圧着する際の加熱温度としては、第1接着層に含まれる接着材料として含まれる熱可塑性樹脂が流動性を示すことができる温度以上であれば良く、第1接着層の種類等に応じて適宜設定することができる。
また、接着材料が熱硬化性樹脂または光照射により粘着性または接着性が低下する感光性樹脂である場合、上記接着工程は、第1導電基板および第2導電基板が接した状態で対向領域の第1導電基板および第2導電基板を加熱または光照射するものであっても良く、対向配置した第1導電基板および第2導電基板の全体を加熱または光照射するものであっても良い。上記接着工程は、接着材料が上記感光性樹脂である場合、光照射と共に加熱するものであっても良い。
また、上記接着工程において、導電基板同士を接着する際に加える圧力としては、接着材料を流動させて、第1導電基板および第2導電基板を安定的に固着できるものであれば良く、第1接着層の種類および上記加熱温度等に応じて適宜設定することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[合成例1:銅粒子の合成]
200ml三ッ口フラスコ中に、水酸化銅 10.0g(和光純薬工業製)、デカン酸 34.5g(花王製ルナック10−98)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)18.5gを量り取った。この混合液を撹拌しながら100℃まで加熱し、その温度を20分維持した。その後、3−エトキシプロピルアミン 41.3g(広栄化学工業製)を添加し、100℃で10分加熱、撹拌した。この混合液を、氷浴を用いて10℃まで冷却した後、氷浴中でヒドラジン一水和物 10.0gをPGME 18.5g(関東化学製)に溶解させた溶液を添加し、10分撹拌した。その後、反応溶液を100℃まで加熱し、その温度を10分維持した。30℃まで冷却後、ヘキサン66gを添加した。遠心分離後、上澄み液を除去した。沈殿物をヘキサンで洗浄し、銅粒子を得た。
得られた銅粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、平均一次粒径は65nmであった。
[調製例1:銅粒子分散体の調製]
合成例1で得られた銅粒子40質量部、高分子分散剤としてソルスパース 41000(ルーブリゾール製)4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)56質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで2時間分散し、銅粒子分散体1を得た。
[製造例1:導電フィルムAの作製]
PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)に銅粒子分散体1をミヤバー#4を使って塗布し、温風乾燥機で80℃、3分乾燥させ、赤銅光沢を持つフィルムを得た。その後、水素ガスを導入圧力20Paで導入しながら、マイクロ波表面波プラズマ処理装置(MSP−1500、ミクロ電子株式会社製)を用いて、マイクロ波出力450Wで240秒間焼成し、導電層として多孔性導電層を有する導電フィルムAを得た。
[製造例2:導電フィルムBの作製]
PETフィルム(商品名 コスモシャイン A4100、東洋紡製、膜厚100μm)に銅をスパッタ法により製膜し、導電層として蒸着導電層を有する導電フィルムBを得た。
[導電フィルムの評価]
(導電層のシート抵抗値の測定)
導電層の導電性評価は、表面抵抗計(ダイアインスツルメンツ社製「ロレスタGP」、PSPタイププローブ)を用いて、4探針法によりシート抵抗値を測定することにより行った。導電フィルムAの多孔性導電層のシート抵抗値は0.20Ω/□であり、導電フィルムBの蒸着導電層のシート抵抗値は0.075Ω/□であった。
(導電層の膜厚の測定)
導電層の膜厚評価は下記の通り行った。作製した導電フィルムについて保護層として導電層上部に真空蒸着法にてカーボンを、スパッタ法にて白金を順次積層し、次いでFIB(集束イオンビーム、日立ハイテク製 FB−2100)を用いてタングステンを積層後、導電層の断面を作製した。その後、SEM(日立ハイテク製 S−4800)を用いて基板を45°傾斜させた状態にて導電層断面を観察し、SEM像より膜厚を測定した。膜厚は30k〜40kの倍率で測定したSEM像内で10箇所測長し、傾斜分を補正した後、その平均値を膜厚とした。導電フィルムAおよびBの導電層の膜厚は400nmであった。この結果から導電フィルムAの体積抵抗値は8μΩ・cmであり、導電フィルムBの体積抵抗値は3μΩ・cmであることがわかった。
(導電層の空孔率の測定)
導電層の空孔率測定は下記の通り行った。上記膜厚測定において得られたSEM像における、孔の面積と導電層の面積とをそれぞれ算出し、孔の面積を導電層の面積で除することにより当該断面における空孔率を求めた。
より具体的には、上記測定は、上記「導電層の膜厚の測定」と同様の方法により30k〜40kの倍率で撮影したSEM像を用いた。また、空孔率は、多孔性導電層の異なる10箇所で測定し、平均(各箇所での空孔率の合計を10で除したもの)することにより求めた。なお、各箇所での空孔率の測定はSEM像内の400nm×400nmの正方形断面内で行った。
その結果、導電フィルムAの多孔性導電層の空孔率は35%であった。また、導電フィルムBの導電層には空孔がなかった。
[実施例1]
接着剤である大日精化製 TM−R850(LV−NT)K3にメチルイソブチルケトン(MIBK)30重量%相当を追加し、十分撹拌することで塗布液を調整した。これを導フィルムAの銅箔面上にミヤバー#4で塗布、温風乾燥機で90℃、1分乾燥させて、多孔性導電層上に接着層が形成された導電基板Aを得た。
次にこの導電基板Aを20mm×100mmサイズに2枚切りだし、長辺の端部から20mmが重なるように接着層の形成面同士を重ね合わせ、重ね合わせた部分を接続針としてマックス社製ステープル(商品名 マックス針 No10−1M)を、ステープラーを用いて積層させた導電基板Aを貫通、固定化することで、積層配線基板を作製した。
[比較例1]
導電フィルムAの代わりに導電フィルムBを用いた以外は、実施例1と同様の手順で積層配線基板を作製した。
[積層配線基板の評価]
実施例および比較例で作製された積層配線基板について、接着層上からの導通の確認、接着層除去後の導通の確認、および接着層の導電層上の膜厚を測定した。
(接着層上からの導通の確認)
実施例および比較例の積層配線基板を構成する2つの導電基板のそれぞれ積層配線基板の端部から5mm程度の箇所での接着層側にテスターをあてることにより導通の確認を行った。
その結果、実施例および比較例の積層配線基板のいずれにおいても導通は確認できなかった。
(接着層除去後の導通の確認)
実施例および比較例の積層配線基板の積層配線基板を構成する2つの導電基板のそれぞれの端部近傍(端部から5mm程度までの領域)の接着層をアセトンを使って除去し、図14に示すように、導電層3(3aおよび3b)の露出箇所13を形成し、2つの導電基板のそれぞれの露出箇所の導電層に対してテスターをあてることにより導通の確認を行った。
その結果、実施例1では、導通が確認された。
一方、比較例1では、導通が確認できなかった。比較例1の積層配線基板では、接続針であるステープルをステープラーにより貫通させる際に、基材であるPETフィルムと多孔性導電層間の界面の一部において剥離が発生していることが確認できた。これにより導通が確認できなかったと推察される。
これにより、導電層として多孔性導電層を用いることにより、導電層は絶縁性材料により被覆されているが貫通針を通じて配線形成され、はんだを使わず、室温環境においても手軽に配線形成できることが確認できた。
1、1a、1b … 導電基板
2、2a、2b … 基材
3、3a、3b … 多孔性導電層
4、4a、4b … 接着層
5 … 接続針
6a、6b … 固定部
7 … 接続端子部
10 … 積層配線基板

Claims (3)

  1. 第1基材と、前記第1基材の一方の表面上に形成された第1多孔性導電層と、前記第1多孔性導電層の前記第1基材とは反対側の表面上、または前記第1基材および前記第1多孔性導電層の間に形成された第1接着層と、を有する第1導電基板、および、
    第2基材と、前記第2基材の一方の表面上に形成された第2多孔性導電層と、前記第2多孔性導電層の前記第2基材とは反対側の表面上、または前記第2基材および前記第2多孔性導電層の間に形成された第2接着層と、を有する第2導電基板を有し、
    前記第1導電基板および前記第2導電基板は、互いが対向する対向領域を有するように配置され、
    前記対向領域には、前記第1多孔性導電層および前記第2多孔性導電層を貫通する接続針が配置されていることを特徴とする積層配線基板。
  2. 前記第1接着層は、前記第1導電基板の最外層に形成されており、前記第1導電基板は、前記第1接着層が、前記第2導電基板と対向するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の積層配線基板。
  3. 前記接続針は、前記第1導電基板および前記第2導電基板を貫通するように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層配線基板。
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