JP2016139077A - 表示装置、電気光学装置、及び、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示パネルのシリコンバックプレーンにデータ線駆動回路等を内蔵する表示装置において、表示パネルに表示される画像を補正するために行われる温度測定によって得られる温度測定値の誤差を低減する。【解決手段】この表示装置は、複数列の画素回路に対応して設けられた複数のデータ線を含む表示パネルと、複数のデータ線又はそれらのデータ線に接続される複数の容量を駆動する複数の増幅回路、及び、複数の増幅回路の定電流を切り換える複数のスイッチ回路を含むデータ線駆動回路と、温度を検出して出力電圧を生成する温度センサーと、温度センサーの出力電圧に基づいて測定データを求める温度測定期間において複数の増幅回路の定電流を低減させるように複数のスイッチ回路を制御する制御回路とを含む。【選択図】図2
Description
本発明は、有機EL(Electro-Luminescence:エレクトロルミネッセンス)パネル等の表示パネルを用いた表示装置に関する。さらに、本発明は、そのような表示装置を備える電気光学装置及び電子機器等に関する。
近年において、有機発光ダイオード(以下、OLED(Organic Light Emitting Diode)という)等の発光素子を用いた表示パネルが各種提案されている。例えば、OLEDは温度が高くなると明るくなるので、これを補正する必要がある。そこで、表示パネルのシリコンバックプレーンに温度センサーを内蔵し、温度センサーを用いて測定された温度に基づいて、表示パネルに表示される画像を補正することが行われている。
一般に、シリコンバックプレーンに内蔵される温度センサーは、PN接合ダイオードの順方向電圧の温度特性を利用して、順方向電圧の変化に基づいて温度を検出する。しかしながら、シリコンバックプレーンにデータ線駆動回路等も内蔵する表示装置においては、データ線駆動回路に含まれている増幅器の電流変化等の影響により、電源電位が変動する。その結果、温度センサーにおけるPN接合ダイオードの順方向電圧の測定値に誤差が生じてしまう。
温度センサーの電源ラインとデータ線駆動回路の電源ラインとは分離して配線されているが、端子(パッド)数の制約により、電源端子は共通にせざるを得ない。シリコンバックプレーンにはOLED等の発光素子も搭載されているので、電源端子と外部回路との接続の際に、高温処理を行うことができず、低温での接着処理が行われる。その結果、ある程度のばらつきをもって接続抵抗が発生してしまう。
また、データ線駆動回路は、多数の増幅器を含んでおり、それらの増幅器は、数百ns以内に目標出力電圧に到達する動作スピードを必要とするので、増幅器の電流を大幅に絞ることができない。従って、電源端子と外部回路との間の接続抵抗に発生する電圧の変動を小さくすることができない。さらに、ゲート線駆動回路のスイッチングノイズや増幅器に接続されたデマルチプレクサーのスイッチングノイズが加わると、温度を安定して測定することができない。
関連する技術として、特許文献1には、温度補正処理に使用する動作クロックの影響が電子機器の動作に悪影響を及ぼさないようにして、機器の性能劣化を起こさずに温度補正を行う温度補正回路が開示されている。この温度補正回路は、電子回路の周辺温度を温度センサーにより検出して検出温度値に対応する温度補正データを読み出し、温度補正データをアナログ制御信号に変換して電子回路の動作を温度補正する温度補正回路本体に加え、電子回路の非動作期間を判定する動作期間判定手段と、補正タイミング制御手段とを備えている。
補正タイミング制御手段は、動作期間判定手段によって判定された電子回路の非動作期間に温度補正回路本体を動作させて温度補正動作を行わせ、その他の期間には温度補正回路本体の動作を停止させる。しかしながら、表示装置におけるように電子回路が継続的に動作する場合には、温度補正回路本体が温度補正動作を行うことはできない。
また、特許文献2には、温度変化に起因して生ずる表示画像の輝度変動の改善を簡易に実現することができる画像表示装置の駆動方法が開示されている。この駆動方法は、複数の画素回路と、画素回路周辺の環境温度を測定する温度測定素子とを備えた画像表示装置を準備するステップと、画像信号を容量素子に供給した後に、温度測定素子の測定結果に基づいた補正信号を容量素子に供給するステップと、容量素子に供給された画像信号及び補正信号に基づいて発光素子を発光させるステップとを含む。
この駆動方法によれば、画像信号とは別に温度変化に起因して生ずる表示画像の輝度変動に応じた補正信号を画素回路に供給することにより、発光素子の輝度調整を全階調において共通に行うことができる。しかしながら、特許文献2には、画像表示装置の動作の影響により電源電位が変動して温度測定値に誤差が生じてしまうという問題を解決する手段が開示されていない。
さらに、特許文献3には、駆動回路や有機ELパネルの特性に応じて、定電流回路に供給される電源電圧と非選択電圧とを独立して設定できる有機EL表示装置の駆動装置が開示されている。この駆動装置は、有機ELパネルの周囲温度を検出する温度検出手段と、データ電極ドライバーに供給される電源電圧を作成する第1の電源回路と、非選択電圧を作成する第2の電源回路と、第1及び第2の電源回路のそれぞれに対して、温度検出手段が検出した温度に応じた電圧を出力することを指示する制御データを出力する制御部とを備えている。
それにより、駆動回路や有機ELパネルの特性に応じて、定電流回路に供給される電源電圧を周囲温度に応じて適切に設定できる上に、非選択電圧を、定電流回路に供給される電源電圧とは独立して、適切な値に設定することができる。しかしながら、特許文献3には、駆動装置の動作の影響により電源電位が変動して温度測定値に誤差が生じてしまうという問題を解決する手段が開示されていない。
そこで、本発明の第1の目的は、表示パネルのシリコンバックプレーンにデータ線駆動回路等を内蔵する表示装置において、表示パネルに表示される画像を補正するために行われる温度測定によって得られる温度測定値の誤差を低減することである。また、本発明の第2の目的は、そのような表示装置を備える電気光学装置及び電子機器等を提供することである。
以上の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の1つの観点に係る表示装置は、複数列の画素回路に対応して設けられた複数のデータ線を含む表示パネルと、複数のデータ線又はそれらのデータ線に接続される複数の容量を駆動する複数の増幅回路、及び、複数の増幅回路の定電流を切り換える複数のスイッチ回路を含むデータ線駆動回路と、温度を検出して出力電圧を生成する温度センサーと、温度センサーの出力電圧に基づいて測定データを求める温度測定期間において複数の増幅回路の定電流を低減させるように複数のスイッチ回路を制御する制御回路とを備える。
本発明の1つの観点によれば、複数の増幅回路の定電流を切り換える複数のスイッチ回路と、温度測定期間において複数の増幅回路の定電流を低減させるようにそれらのスイッチ回路を制御する制御回路とを設けたので、温度測定期間における複数の増幅回路の定電流の変化による電源電位の変動を抑制して、表示パネルに表示される画像を補正するために行われる温度測定によって得られる温度測定値の誤差を低減することができる。
ここで、データ線駆動回路が、複数の増幅回路の出力信号がそれぞれ供給され、各々の増幅回路の出力信号を所定数のデータ線又はそれらのデータ線に接続される所定数の容量に時分割で順次供給するように切換動作を行う複数のデマルチプレクサーをさらに含み、制御回路が、温度測定期間において複数のデマルチプレクサーの切換動作を停止させるようにしても良い。それにより、温度測定期間における複数のデマルチプレクサーの切換動作による電源電位の変動を抑制して、温度測定期間において得られる温度測定値の誤差をさらに低減することができる。
また、表示装置が、設定データに従って出力電圧を生成するD/A変換器と、温度センサーの出力電圧をD/A変換器の出力電圧と比較して、比較結果を表す出力信号を生成するコンパレーターと、温度測定期間においてD/A変換器に供給される設定データの初期値を格納する格納部とをさらに備え、制御回路が、初期値に基づいて一連の設定データを生成し、温度測定期間において一連の設定データをD/A変換器に順次供給することにより、コンパレーターの出力信号に基づいて、温度センサーの出力電圧に対応する測定データを求めるようにしても良い。それにより、温度センサーの出力電圧が、限られた範囲の電圧と比較されるので、温度測定期間が短縮される。
さらに、制御回路が、表示パネルに画像が表示されないブランキング期間内において、温度センサーの出力電圧に基づいて測定データを求めるようにしても良い。それにより、画像表示動作に影響を及ぼすことなく、表示装置の動作中に温度が変化しても、画像の明るさの変化又はちらつきを抑圧することができる。
また、制御回路が、1垂直同期期間内において温度測定期間を設定するようにしても良い。それにより、垂直ブランキング期間に対応して温度測定動作を行うことが可能となる。さらに、制御回路が、1水平同期期間内において温度センサーの出力電圧に基づいて測定データを求めるようにしても良い。それにより、水平同期信号に同期するラッチ回路等の動作が温度測定に与える影響を低減することができる。
以上において、制御回路が、複数の温度測定期間において温度センサーの出力電圧に基づいて得られる測定データの値を平均することにより、平均測定値を表す測定データを求めるようにしても良い。それにより、ばらつきの少ない測定データが得られるので、画像補正動作を安定化することができる。
また、本発明の1つの観点に係る電気光学装置は、本発明のいずれかの観点に係る表示装置を備える。さらに、本発明の1つの観点に係る電子機器は、本発明の1つの観点に係る電気光学装置を備える。それにより、電気光学装置又は電子機器の温度が大きく変化しても、表示パネルに表示される画像を正確に補正することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
<電気光学装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置を備える電気光学装置の外観を示す斜視図である。この電気光学装置1は、例えば、ヘッドマウント・ディスプレイにおいて画像を表示するマイクロ・ディスプレイである。
<電気光学装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置を備える電気光学装置の外観を示す斜視図である。この電気光学装置1は、例えば、ヘッドマウント・ディスプレイにおいて画像を表示するマイクロ・ディスプレイである。
図1に示すように、電気光学装置1は、有機ELパネル等の表示パネルを用いた表示装置2と、ケース4と、FPC(Flexible Printed Circuit)基板5とを含んでいる。例えば、表示装置2は、表示部に開口が形成された枠状のケース4に収納され、FPC基板5に接続されている。FPC基板5には、ホストCPU等の外部装置(図示せず)との接続のために複数の端子6が設けられている。
表示装置2は、表示パネルのシリコンバックプレーン(シリコン基板)に設けられたアクティブマトリクス方式の複数の画素回路を含んでいる。各々の画素回路は、OLED等の発光素子や、複数のトランジスター等を含んでいる。また、シリコンバックプレーンには、それらの画素回路を駆動する駆動回路や、温度を検出して出力電圧を生成する温度センサー等が設けられている。
<表示装置の構成>
図2は、図1に示す表示装置の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、表示装置2は、シリコンバックプレーンに設けられた表示コントロール部3を含んでいる。表示コントロール部3には、外部装置から画像データが同期信号に同期して供給される。画像データは、表示パネル10の各画素(ドット)について、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の色成分(例えば、各色成分について8ビット)を含むRGBフォーマットの画像データでも良い。また、同期信号は、垂直同期信号と、水平同期信号と、ドットクロック信号とを含んでも良い。
図2は、図1に示す表示装置の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、表示装置2は、シリコンバックプレーンに設けられた表示コントロール部3を含んでいる。表示コントロール部3には、外部装置から画像データが同期信号に同期して供給される。画像データは、表示パネル10の各画素(ドット)について、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の色成分(例えば、各色成分について8ビット)を含むRGBフォーマットの画像データでも良い。また、同期信号は、垂直同期信号と、水平同期信号と、ドットクロック信号とを含んでも良い。
表示コントロール部3は、供給される画像データに基づいて複数系列の階調データVdataを生成し、階調データVdataをデータ線駆動回路30に供給する。例えば、表示コントロール部3には、表示パネル10における複数の発光素子の輝度(階調レベル)と階調データVdataとを対応付けて格納したルックアップテーブルが設けられている。表示コントロール部3は、そのルックアップテーブルを参照することにより、複数の発光素子について、供給される画像データによって表される階調レベルに対応する階調データVdataを生成する。
また、表示コントロール部3は、同期信号に基づいて各種の制御信号を生成し、それらの制御信号をデータ線駆動回路30等に供給する。例えば、表示コントロール部3は、制御信号Ctrと、正論理の制御信号Gini及び負論理の制御信号/Giniと、正論理の制御信号Gcpl及び負論理の制御信号/Gcplと、正論理の制御信号Sel及び負論理の制御信号/Selとを生成する。制御信号Ctrは、同期信号、クロック信号、及び、イネーブル信号等の複数の制御信号を含んでも良い。
さらに、表示コントロール部3は、電圧生成回路3aを含んでいる。電圧生成回路3aは、各種の電位を生成して、それらの電位をデータ線駆動回路30等に供給する。例えば、電圧生成回路3aは、リセット電位Vorst、初期化電位Vini、表示パネル10における高電位側の電源電位Vel、及び、表示装置2における高電位側の電源電位VDD等を生成する。
また、表示装置2は、表示パネル10と、ゲート線駆動回路(ゲートドライバー)20と、データ線駆動回路(ソースドライバー)30と、温度センサー40と、電圧比較回路50と、制御回路60と、格納部70とを含んでいる。ゲート線駆動回路20〜格納部70は、表示パネル10のシリコンバックプレーンに設けられている。ゲート線駆動回路20及びデータ線駆動回路30は、表示コントロール部3から供給される階調データVdata等に基づいて、表示パネル10に画像を表示する。
図2に示すように、表示パネル10は、複数の画素回路11を含んでいる。例えば、表示パネル10において、R(赤)、G(緑)、B(青)の3種類の画素に対応して、M行×(3N)列の画素回路11が、2次元マトリクス状に配列されている(M及びNは、2以上の整数)。
表示パネル10において、M行の画素回路11に対応して、M本の走査線12が、第1の方向(図中X軸方向)に延在して設けられている。また、(3N)列の画素回路11に対応して、(3N)本のデータ線13aが、第1の方向と略直交する第2の方向(図中Y軸方向)に延在して設けられている。さらに、(3N)本のリセット線14が、第2の方向に延在して設けられている。各々のリセット線14には、所定のリセット電位Vorstが供給される。
なお、図2には示されていないが、各々の走査線12と平行に4本の制御線15〜18が第1の方向に延在して設けられており、各々のデータ線13aと平行に複数のデータ分割線13bが第2の方向に延在して設けられている(図4参照)。1本のデータ分割線13bは、1ブロックを構成する複数の画素回路11に接続される。各々の画素回路11は、1本の走査線12と、3本の制御線15〜17と、1本のデータ線13aと、1本のリセット線14とに電気的に接続される。また、制御線18は、1ブロックを構成する複数の画素回路11を制御するために用いられる。
ゲート線駆動回路20は、制御信号Ctrに従って、1垂直同期期間内にM本の走査線12を1行毎に順次駆動するための走査信号Gwrを生成する。ここで、1垂直同期期間とは、表示パネル10が1コマの画像を表示するのに要する期間(1フレーム期間)をいう。例えば、垂直同期信号の周波数が120Hzであれば、その1周期分の約8.3msの期間が、1垂直同期期間に相当する。
図2においては、第1、2、…、M行の走査線12に供給される走査信号Gwrが、Gwr(1)、Gwr(2)、…、Gwr(M)としてそれぞれ示されている。また、ゲート線駆動回路20は、走査信号Gwrの他にも、走査信号に同期した各種の制御信号を行毎に生成して、それらの制御信号を制御線15〜18に供給する。
データ線駆動回路30は、(3N)本のデータ線13aに対応する(3N)個のレベル制御回路LSと、複数のデマルチプレクサーDMと、階調信号供給回路31とを含んでいる。複数のデマルチプレクサーDMを設けることによって、1グループを構成する所定数のデータ線13aが時分割で駆動される。
階調信号供給回路31は、複数のデマルチプレクサーDMに対応して、複数のDAC(D/A変換器)と、複数の増幅器とを含んでいる。複数のDACは、表示コントロール部3から供給される階調データVdataを複数のアナログの階調信号に変換する。複数の増幅器は、階調データVdataに基づいて得られる複数の階調信号を増幅して、増幅された複数の階調信号を複数のデマルチプレクサーDMの入力端子にそれぞれ供給する。
それらの増幅器は、複数のデータ線13a又はそれらのデータ線13aに接続される複数の保持容量C1(図3参照)を、複数のデマルチプレクサーDMを介して駆動する複数の増幅回路と、それらの増幅回路の定電流を切り換える複数のスイッチ回路とを含んでいる。複数のデマルチプレクサーDMは、各々の増幅回路の出力信号を所定数のデータ線13a又はそれらのデータ線13aに接続される所定数の保持容量C1に時分割で順次供給するように切換動作を行う。
ここで、1グループを構成するデータ線13aの数は、3の倍数としても良い。以下においては、一例として、18本のデータ線13aが1グループを構成する場合について説明する。但し、(3N/18)は、2以上の整数Lであるものとする。その場合には、L個のデマルチプレクサーDM(1)〜DM(L)が、各グループを構成する18本のデータ線13a毎に設けられる。また、制御信号Selとして、Sel(1)〜Sel(18)が用いられると共に、制御信号/Selとして、/Sel(1)〜/Sel(18)が用いられる。
階調信号供給回路31は、表示コントロール部3から供給される階調データVdataをアナログ信号に変換して増幅することにより、L個の階調信号Vd(1)、Vd(2)、…、Vd(L)を生成する。ここで、階調信号Vd(1)、Vd(2)、…、Vd(L)の各々は、18列の画素についての階調信号が時分割多重されたものである。階調信号供給回路31のL個の増幅回路は、階調信号Vd(1)、Vd(2)、…、Vd(L)を、第1、2、…、L番目のグループに対応するデマルチプレクサーDM(1)、DM(2)、…、DM(L)にそれぞれ供給する。
図3は、図2に示すデマルチプレクサー及びレベル制御回路の構成例を示す回路図である。図3においては、第i番目のグループに対応するデマルチプレクサーDM(i)と、デマルチプレクサーDM(i)に接続された複数のレベル制御回路LSとが示されている(iは、1以上でL以下の整数)。以下に、図2及び図3を参照しながら、デマルチプレクサーDM(i)及びレベル制御回路LSについて説明する。
図3に示すように、デマルチプレクサーDM(i)は、列毎に設けられた複数のトランスミッションゲート32を含み、第i番目のグループを構成する18本のデータ線13aに階調信号Vd(i)を時分割で供給する。デマルチプレクサーDM(i)の複数のトランスミッションゲート32の入力端子は互いに共通接続されており、その共通入力端子に階調信号Vd(i)が供給される。
デマルチプレクサーDM(i)において第1列に設けられたトランスミッションゲート32は、制御信号Sel(1)がハイレベル(制御信号/Sel(1)がローレベル)であるときにオン(導通)する。また、デマルチプレクサーDM(i)において第2列に設けられたトランスミッションゲート32は、制御信号Sel(2)がハイレベルであるときにオンする。以下同様に、デマルチプレクサーDM(i)において第18列に設けられたトランスミッションゲート32は、制御信号Sel(18)がハイレベルであるときにオンする。
各々のレベル制御回路LSは、保持容量C1と、トランスミッションゲート33及び34とを含み、データ線13aの電位を制御する。保持容量C1の一方の電極は、トランスミッションゲート32の出力端子に電気的に接続されている。また、保持容量C1の他方の電極は、固定された電位VSSの配線に共通に接続されている。ここで、電位VSSは、論理信号である走査信号や制御信号のローレベルに相当する電位であっても良い。
トランスミッションゲート33の入力端子は、保持容量C1の一方の電極に接続されており、トランスミッションゲート33の出力端子は、データ線13aに接続されている。トランスミッションゲート34の入力端子は、初期化電位Viniの供給線に接続されており、トランスミッションゲート34の出力端子は、データ線13aに接続されている。
初期化電位Viniの供給線には、表示コントロール部3から所定の初期化電位Viniが供給される。表示コントロール部3は、複数列のトランスミッションゲート34の制御端子に制御信号Gini及び/Giniを共通に供給する。複数列のトランスミッションゲート34は、制御信号Giniがハイレベルのときに一斉にオンして、初期化電位Viniの供給線をデータ線13aに電気的に接続し、制御信号Giniがローレベルのときに、両者を電気的に非接続とする。
また、トランスミッションゲート32がオンした際に、保持容量C1の一方の電極には、階調信号供給回路31から階調信号Vd(i)が供給される。表示コントロール部3は、複数列のトランスミッションゲート33に制御信号Gcpl及び/Gcplを共通に供給する。複数列のトランスミッションゲート33は、制御信号Gcplがハイレベルであるときに一斉にオンして、保持容量C1の一方の電極をデータ線13aに電気的に接続し、制御信号Gcplがローレベルのときに、両者を電気的に非接続とする。
<画素回路の構成>
図4は、図2に示す画素回路等の構成例を示す回路図である。図4においては、第m行第n列の画素回路11と、第(m+1)行第n列の画素回路11とによって、1ブロックの画素回路が構成されている。複数の画素回路の回路的な構成は同一であるので、図4には1つの画素回路の構成例が示されている。
図4は、図2に示す画素回路等の構成例を示す回路図である。図4においては、第m行第n列の画素回路11と、第(m+1)行第n列の画素回路11とによって、1ブロックの画素回路が構成されている。複数の画素回路の回路的な構成は同一であるので、図4には1つの画素回路の構成例が示されている。
この例において、画素回路11は、発光素子D1と、画素容量C3と、PチャネルMOSトランジスターQP1〜QP5とを含んでいる。また、表示パネル10には、各列において1ブロックを構成する画素回路11に対応して、転送容量C2と、PチャネルMOSトランジスターQP6とが設けられている。なお、データ線13aとリセット線14との間には、寄生容量Cpが存在する。
発光素子D1は、例えば、シリコン基板に形成されたアノードと光透過性を有するカソードとによって白色の有機EL層を挟持したOLEDである。発光素子D1のアノードは、画素回路毎に個別に設けられる画素電極である。これに対して、発光素子D1のカソードは、全ての画素回路に共通に設けられる共通電極であり、画素回路11における低電位側の電源電位Vctに保たれる。
発光素子D1の出射側(カソード側)には、RGBのいずれかに対応したカラーフィルターが設けられている。なお、白色の有機EL層を挟んで配置される2つの反射層間の光学距離を調整してキャビティ構造を形成し、発光素子D1から出射される光の波長を設定しても良い。この場合には、カラーフィルターが設けられても良いし、設けられなくても良い。
そのような発光素子D1において、アノードからカソードに電流が流れると、アノードから注入された正孔とカソードから注入された電子とが有機EL層で再結合して励起子が生成され、白色光が発生する。このときに発生した白色光は、シリコン基板(アノード)とは反対側のカソードを透過し、カラーフィルターによる着色を経て、表示パネル10から出射される。
また、表示パネル10には、第1の方向に延在するM本の制御線15と、M本の制御線16と、M本の制御線17と、K本の制御線18とが設けられている。ここで、Kは、ブロック数に相当し、画素回路の行数Mを1ブロックに含まれる画素回路の数で割った値(自然数)である。
図2に示すゲート線駆動回路20は、第m行の走査線12に走査信号Gwr(m)を供給する。また、ゲート線駆動回路20は、第m行の制御線15に制御信号Gcmp(m)を供給し、第m行の制御線16に制御信号Gel(m)を供給し、第m行の制御線17に制御信号Gorst(m)を供給し、第kブロックの制御線18に制御信号Gfix(k)を供給する。
データ線13aには、転送容量C2の一方の電極と、トランジスターQP6のソース及びドレインの内の一方とが、電気的に接続されている。また、転送容量C2の他方の電極と、トランジスターQP6のソース及びドレインの内の他方とは、データ分割線13bに電気的に接続されている。
即ち、データ線13aとデータ分割線13bとの間に、転送容量C2とトランジスターQP6とが並列に接続されている。トランジスターQP6のゲートは、制御線18に電気的に接続され、制御信号Gfix(k)が供給される。トランジスターQP6は、主として、データ線13aとデータ分割線13bとの間の電気的な接続を制御するスイッチングトランジスターとして機能する。
トランジスターQP2のソース及びドレインの内の一方は、データ分割線13bに電気的に接続されており、ソース及びドレインの内の他方は、駆動トランジスターQP1のゲートと、画素容量C3の一方の電極とに電気的に接続されている。トランジスターQP2のゲートは、走査線12に電気的に接続され、走査信号Gwr(m)が供給される。トランジスターQP2は、データ分割線13bに接続された転送容量C2の他方の電極と、駆動トランジスターQP1のゲートとの間の電気的な接続を制御するスイッチングトランジスターとして機能する。
画素容量C3の他方の電極は、表示パネル10における高電位側の電源電位Velが供給される電源給電線19に電気的に接続されている。それにより、画素容量C3は、駆動トランジスターQP1のゲート・ソース間の電圧を保持する容量として機能する。
駆動トランジスターQP1のソースは、電源給電線19に電気的に接続されており、ドレインは、トランジスターQP3のソース及びドレインの内の一方と、トランジスターQP4のソースとに電気的に接続されている。駆動トランジスターQP1は、ソース・ゲート間の電圧に応じたドレイン電流を流して発光素子D1を駆動する。
トランジスターQP3のソース及びドレインの内の他方は、データ分割線13bに電気的に接続されている。トランジスターQP3のゲートは、制御線15に電気的に接続され、制御信号Gcmp(m)が供給される。トランジスターQP3は、トランジスターQP2を介して駆動トランジスターQP1のゲートとドレインとの間の電気的な接続を制御するスイッチングトランジスターとして機能する。
トランジスターQP4のドレインは、発光素子D1のアノードとトランジスターQP5のソースとに電気的に接続されている。トランジスターQP4のゲートは、制御線16に電気的に接続され、制御信号Gel(m)が供給される。トランジスターQP4は、駆動トランジスターQP1のドレインと、発光素子D1のアノードとの間の電気的な接続を制御するスイッチングトランジスターとして機能する。
トランジスターQP5のドレインは、リセット線14に電気的に接続され、リセット電位Vorstに保たれている。トランジスターQP5のゲートは、制御線17に電気的に接続され、制御信号Gorst(m)が供給される。トランジスターQP5は、リセット線14と発光素子D1のアノードとの間の電気的な接続を制御するスイッチングトランジスターとして機能する。
トランジスターQP1〜QP6は、シリコン基板のNウエルに形成されても良い。その場合に、トランジスターQP1〜QP6のバックゲート(Nウエル)には、表示パネル10における高電位側の電源電位Velが供給される。なお、トランジスターQP1〜QP6は、薄膜トランジスターであっても良い。
また、画素容量C3としては、駆動トランジスターQP1のゲートに付随する寄生容量を用いても良い。あるいは、画素容量C3として、シリコン基板上に設けられた複数の異なる配線層における配線で層間絶縁膜を挟持することによって形成された容量を用いても良い。
<表示装置の表示動作>
図2〜図4に示す表示装置の表示動作について、図5を参照しながら説明する。図5は、表示装置の表示動作を説明するためのタイミングチャートである。電源投入後にパワーオンリセットが解除されると、表示コントロール部3は、表示装置2に表示動作を開始させると共に、垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCを周期的にローレベルに活性化する。
図2〜図4に示す表示装置の表示動作について、図5を参照しながら説明する。図5は、表示装置の表示動作を説明するためのタイミングチャートである。電源投入後にパワーオンリセットが解除されると、表示コントロール部3は、表示装置2に表示動作を開始させると共に、垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCを周期的にローレベルに活性化する。
図5に示すように、表示コントロール部3は、1水平同期期間(1H)内の所定の期間において、制御信号Sel(1)〜Sel(18)をハイレベルに順次活性化すると共に、制御信号Giniをハイレベルに活性化し、制御信号Gcplをローレベルに非活性化する。それにより、デマルチプレクサーDM(i)において、制御信号Sel(1)〜Sel(18)が印加されるトランスミッションゲート32が順次オンする。また、レベル制御回路LSにおいて、トランスミッションゲート34がオンし、トランスミッションゲート33がオフする。
また、階調信号供給回路31は、上記所定の期間において、第i番目のグループのデータ線13aに対応する階調信号Vd(i)の電位を、第i番目のグループにおける第1列、第2列、…、第18列の画素の階調レベルに対応する階調電位に順番に切り換える。それにより、第i番目のグループにおける第1列、第2列、…、第18列の画素に対応する保持容量C1にそれぞれの階調電位が充電される。上記所定の期間の経過後、表示コントロール部3は、制御信号Giniをローレベルに非活性化し、制御信号Gcplをハイレベルに活性化する。
一方、ゲート線駆動回路20は、1垂直同期期間内の第m番目及び第(m+1)番目の水平同期期間において、第m行の制御線17に供給される制御信号Gorst(m)をローレベルに活性化すると共に、第m行の制御線16に供給される制御信号Gel(m)をハイレベルに非活性化する。
また、ゲート線駆動回路20は、1垂直同期期間内の第m番目の水平同期期間において、第kブロックの制御線18に供給される制御信号Gfix(k)、第m行の走査線12に供給される走査信号Gwr(m)、及び、第m行の制御線15に供給される制御信号Gcmp(m)を、ローレベルに順次活性化する。
さらに、1垂直同期期間内の第m番目及び第(m+1)番目の水平同期期間が終了した後に、ゲート線駆動回路20は、第m行の制御線17に供給される制御信号Gorst(m)をハイレベルに非活性化すると共に、第m行の制御線16に供給される制御信号Gel(m)をローレベルに活性化する。
それにより、第m番目の水平同期期間において、第m行のラインの駆動期間(初期化期間、補償期間、及び、書込期間)が設けられ、第(m+2)番目の水平同期期間以降において、第m行のラインの発光期間が設けられる。そして、1つのラインについて、駆動期間の開始から1垂直同期期間が経過した後に、再び駆動期間が設けられる。従って、発光期間→初期化期間→補償期間→書込期間→発光期間というサイクルが繰り返される。
なお、図4においては、トランジスターQP3が駆動トランジスターQP1のドレインとデータ分割線13bとの間に接続されているが、トランジスターQP3を駆動トランジスターQP1のドレインとゲートとの間に接続しても良い。あるいは、トランジスターQP5を省略しても良い。
また、図4においては、トランジスターQP6及び転送容量C2が2つの画素回路11に対して1つずつ設けられているが、トランジスターQP6及び転送容量C2を1つの画素回路11に対して1つずつ設けても良い。従って、トランジスターQP6及び転送容量C2は、必ずしも画素回路11の外部に配置する必要はなく、画素回路11の内部に配置しても良い。
あるいは、データ線13aをグループ化せずに、デマルチプレクサーDM(図2)を用いないで全てのデータ線13aに階調信号を一斉に供給するようにしても良い。その場合には、階調信号供給回路31の増幅回路が、デマルチプレクサーDMを介さずにデータ線13aを駆動することになる。
さらに、図4においては、画素回路11においてPチャネルMOSトランジスターが用いられているが、PチャネルMOSトランジスターの替りにNチャネルMOSトランジスターを用いても良い。画素回路11においてNチャネルMOSトランジスターを用いる場合には、トランジスターのソース及びドレインの接続関係、及び、ゲート信号の極性が、上記とは逆になる。また、上記の階調信号Vd(i)に対して極性が反転した階調信号を画素回路11に供給すれば良い。あるいは、PチャネルMOSトランジスターとNチャネルMOSトランジスターとを適宜組み合わせて用いても良い。
<増幅器の構成>
図6は、階調信号供給回路において用いられる増幅器の構成例を示す回路図である。図2に示す階調信号供給回路31は、複数の増幅器を含んでいる。図6に示すように、各々の増幅器AMP(i)は、高電位側の電源電位VDD及び低電位側の電源電位VSSが供給されて増幅動作を行う増幅回路A1及びA2と、増幅回路A1及びA2の定電流をそれぞれ高速で切り換えるスイッチ回路S1及びS2とが組み合わされて構成される。
図6は、階調信号供給回路において用いられる増幅器の構成例を示す回路図である。図2に示す階調信号供給回路31は、複数の増幅器を含んでいる。図6に示すように、各々の増幅器AMP(i)は、高電位側の電源電位VDD及び低電位側の電源電位VSSが供給されて増幅動作を行う増幅回路A1及びA2と、増幅回路A1及びA2の定電流をそれぞれ高速で切り換えるスイッチ回路S1及びS2とが組み合わされて構成される。
増幅回路A1は、PチャネルMOSトランジスターQP11〜QP14と、NチャネルMOSトランジスターQN11〜QN15とを含んでいる。トランジスターQP11及びQP12のソースは、電源電位VDDの配線に接続され、ゲートは、トランジスターQP12のドレインに接続されている。
トランジスターQN11及びQN12は、差動対を構成している。トランジスターQN11のドレインは、トランジスターQP11のドレインに接続され、ゲートは、第1の入力端子IN1に接続されている。また、トランジスターQN12のドレインは、トランジスターQP12のドレインに接続され、ゲートは、第2の入力端子IN2に接続されている。
トランジスターQN13〜QN15は、定電流源を構成している。トランジスターQN13〜QN15のドレインは、トランジスターQN11及びQN12のソースに接続され、ゲートには、参照電位VRN1が印加される。スイッチ回路S1がオンしているときに、トランジスターQN13〜QN15は、トランジスターQN11及びQN12に定電流を供給する。例えば、トランジスターQN13、QN14、QN15に流れる定電流の比は、1:4:5となっている。
トランジスターQP13のソースは、電源電位VDDの配線に接続されており、ゲートには、参照電位VRP1が印加される。トランジスターQP14のソースは、トランジスターQP13のドレインに接続されており、ドレインは、出力端子OUTに接続されており、ゲートは、トランジスターQP11及びQN11のドレインに接続されている。
スイッチ回路S1は、NチャネルMOSトランジスターQN16〜QN18を含んでいる。トランジスターQN16〜QN18は、制御信号S1〜S3がゲートにそれぞれ印加されて、定電流源のトランジスターQN13〜QN15に流れる定電流をオン又はオフする。
増幅回路A2は、NチャネルMOSトランジスターQN21〜QN24と、PチャネルMOSトランジスターQP21〜QP25とを含んでいる。トランジスターQN21及びQN22のソースは、電源電位VSSの配線に接続され、ゲートは、トランジスターQN22のドレインに接続されている。
トランジスターQP21及びQP22は、差動対を構成している。トランジスターQP21のドレインは、トランジスターQN21のドレインに接続され、ゲートは、第1の入力端子IN1に接続されている。また、トランジスターQP22のドレインは、トランジスターQN22のドレインに接続され、ゲートは、第2の入力端子IN2に接続されている。
トランジスターQP23〜QP25は、定電流源を構成している。トランジスターQP23〜QP25のドレインは、トランジスターQP21及びQP22のソースに接続され、ゲートには、参照電位VRP2が印加される。スイッチ回路S2がオンしているときに、トランジスターQP23〜QP25は、トランジスターQP21及びQP22に定電流を供給する。例えば、トランジスターQP23、QP24、QP25に流れる定電流の比は、1:4:5となっている。
トランジスターQN23のソースは、電源電位VSSの配線に接続されており、ゲートには、参照電位VRN2が印加される。トランジスターQN24のソースは、トランジスターQN23のドレインに接続されており、ドレインは、出力端子OUTに接続されており、ゲートは、トランジスターQN21及びQP21のドレインに接続されている。
スイッチ回路S2は、PチャネルMOSトランジスターQP26〜QP28を含んでいる。トランジスターQP26〜QP28は、制御信号S1〜S3が3つのインバーターを介してゲートにそれぞれ印加されて、定電流源のトランジスターQP23〜QP25に流れる定電流をオン又はオフする。
このように構成された増幅器AMP(i)は、入力端子IN1と入力端子IN2との間に印加される階調信号を差動増幅して、増幅された階調信号Vd(i)を出力端子OUTからデマルチプレクサーDM(i)を介して保持容量C1に供給する(図3参照)。
<温度センサー周辺の構成>
図7は、表示装置において用いられる温度センサー周辺の構成例を示す図である。温度センサー40は、表示パネル10(図2)の周辺に設けられ、抵抗R1〜R3と、PNPトランジスターQ1及びQ2と、オペアンプ41とを含んでおり、表示パネル10の周辺の温度を検出して出力電圧を生成する。オペアンプ41には、電源電位VDD及びVSSが供給される
図7は、表示装置において用いられる温度センサー周辺の構成例を示す図である。温度センサー40は、表示パネル10(図2)の周辺に設けられ、抵抗R1〜R3と、PNPトランジスターQ1及びQ2と、オペアンプ41とを含んでおり、表示パネル10の周辺の温度を検出して出力電圧を生成する。オペアンプ41には、電源電位VDD及びVSSが供給される
抵抗R1は、オペアンプ41の出力端子とトランジスターQ1のエミッターとの間に接続されている。また、抵抗R2及びR3は、オペアンプ41の出力端子とトランジスターQ2のエミッターとの間に直列に接続されている。トランジスターQ1及びQ2のコレクター及びベースは、電源電位VSSの配線に接続されている。従って、トランジスターQ1及びQ2の各々は、PN接合ダイオードと等価である。
オペアンプ41の出力端子から抵抗R1を介してトランジスターQ1に電流が流れて、トランジスターQ1のエミッター・コレクター間の電圧が、PN接合ダイオードの順方向電圧と等しくなる。また、オペアンプ41の出力端子から抵抗R2及びR3を介してトランジスターQ2に電流が流れて、トランジスターQ2のエミッター・コレクター間の電圧が、PN接合ダイオードの順方向電圧と等しくなる。PN接合ダイオードの順方向電圧の温度特性により、トランジスターQ1及びQ2のエミッター・コレクター間の電圧は、温度に依存して変化する。
オペアンプ41の非反転入力端子は、トランジスターQ1のエミッターに接続されており、反転入力端子は、抵抗R2と抵抗R3との接続点に接続されている。オペアンプ41は、トランジスターQ1のエミッター電位と、トランジスターQ2のエミッター電位を抵抗R2及び抵抗R3で分圧した電位との差を増幅することにより、温度に依存して変化する出力電圧を生成する。
電圧比較回路50は、参照電圧生成回路51と、DAC(D/A変換器)52と、コンパレーター53とを含んでいる。参照電圧生成回路51は、定電圧源51aと、オペアンプ51bと、抵抗R4及びR5とを含んでいる。オペアンプ51bには、電源電位VDD及びVSSが供給される。
オペアンプ51bの非反転入力端子は、定電圧源51aに接続されており、反転入力端子は、抵抗R4の一端に接続されている。また、抵抗R4の他端と電源電位VSSの配線との間には、抵抗R5が接続されている。オペアンプ51bの出力端子は、抵抗R4と抵抗R5との接続点に接続されている。
オペアンプ51bは、抵抗R4及びR5と共にボルテージフォロワーを構成し、定電圧源51aから供給される参照電圧VREFを低インピーダンスで出力する。それにより、参照電圧生成回路51は、参照電圧VREFを生成して、出力端子からDAC52に供給する。
DAC52は、複数の抵抗R11、R12、・・・と、複数のスイッチ回路SW1、SW2、・・・と、設定回路52aとを含んでおり、制御回路60から供給される設定データに従って出力電圧を生成する。以下においては、一例として、DAC52が127個の抵抗と128個のスイッチ回路とを含む場合について説明する。
抵抗R11、R12、・・・は、参照電圧生成回路51の出力端子と電源電位VSSの配線との間に直列に接続されている。スイッチ回路SW1〜SW128は、抵抗R11、R12、・・・のいずれかの端子とコンパレーター53の反転入力端子との間に接続されている。
抵抗R11、R12、・・・は、参照電圧生成回路51から供給される参照電圧VREFを分圧して、126種類の分圧電圧を生成する。従って、スイッチ回路SW1〜SW128は、参照電圧VREFと、126種類の分圧電圧と、基準電圧である電源電位VSSとの内の1つを選択することが可能である。
設定回路52aは、制御回路60から供給される設定データに従って、スイッチ回路SW1〜SW128のオン/オフを制御する複数の制御信号を生成する。例えば、設定データ1、2、…、128に従ってスイッチ回路SW1、SW2、…、SW128が順次オンすることにより、DAC52は、参照電圧VREFから基準電圧VSSまでの128種類の電圧を出力することが可能である。
コンパレーター53の非反転入力端子には、温度センサー40の出力電圧が印加され、反転入力端子には、DAC52の出力電圧が印加される。コンパレーター53は、温度センサー40の出力電圧をDAC52の出力電圧と比較して、比較結果を表す出力信号CMIを生成する。出力信号CMIは、制御回路60に供給される。
制御回路60は、例えば、デジタル回路及び/又はアナログ回路で構成され、データ線駆動回路30(図2)及び電圧比較回路50等を制御する。制御回路60は、温度センサー40の出力電圧に基づいて測定データを求める期間(温度測定期間)において、一連の設定データをDAC52の設定回路52aに順次供給することにより、コンパレーター53の出力信号CMIに基づいて、温度センサー40の出力電圧に対応する測定データを求める。
例えば、制御回路60は、DAC52の出力電圧が時間と共に下降するように一連の設定データを生成する。温度センサー40の出力電圧がDAC52の出力電圧よりも小さければ、コンパレーター53の出力信号CMIはローレベルとなり、温度センサー40の出力電圧がDAC52の出力電圧よりも大きければ、コンパレーター53の出力信号CMIはハイレベルとなる。制御回路60は、コンパレーター53の出力信号CMIがローレベルからハイレベルに変化したときの設定データを、温度センサー40の出力電圧に対応する測定データとして求める。
格納部70は、例えば、複数のレジスターで構成され、初期値格納部71と、測定データ格納部72と、基準データ格納部73とを含んでいる。温度センサー40の出力電圧をDAC52の出力電圧と比較して測定データを求める際に、DAC52の出力電圧を参照電圧VREFから基準電圧VSSまで変化させたのでは時間がかかる。従って、温度測定を短時間で行う場合には、DAC52の出力電圧の初期値を温度センサー40の出力電圧に近い値に設定することが望ましい。そこで、初期値格納部71は、温度測定期間においてDAC52に供給される設定データの初期値を格納している。
温度測定を短時間で行う場合に、制御回路60は、初期値格納部71に格納されている設定データの初期値に基づいて一連の設定データを生成し、温度測定期間において、一連の設定データをDAC52の設定回路52aに順次供給する。例えば、測定データの値が65近傍になると予測される場合に、設定データの初期値を55に設定すれば、温度センサー40の出力電圧をDAC52の出力電圧と10回程度比較することによって、コンパレーター53の出力信号CMIがローレベルからハイレベルになる。それにより、制御回路60は測定データを求めることができるので、温度測定期間が短縮される。制御回路60は、求めた測定データを測定データ格納部72に格納する。
基準データ格納部73は、基準状態(例えば、温度25℃)における温度センサー40の出力電圧を表す基準データを格納している。制御回路60は、測定データを基準データと比較することにより、表示パネル10(図2)の周辺の温度に対応する温度データを求める。例えば、温度データは、測定データによって表される測定値と基準データによって表される基準値との差に基づいて求められる。
図2に示すように、制御回路60は、求めた温度データTdを表示コントロール部3に送信する。表示コントロール部3は、設定データの初期値、基準データ、及び、温度データ等を含むルックアップテーブルを格納するEPROM等の不揮発性メモリーを有している。表示コントロール部3は、電源投入時に、設定データの初期値及び基準データを表示装置2の制御回路60に送信する。制御回路60は、受信した設定データの初期値及び基準データを初期値格納部71及び基準データ格納部73にそれぞれ格納する。
また、表示コントロール部3は、温度データTdに基づいて、表示パネル10における発光素子の輝度を制御する。このように、表示パネル10の周辺において測定された温度に基づいて発光素子の輝度を制御することにより、画像の明るさの変化又はちらつきを抑圧することができる。例えば、発光素子の輝度の制御は、階調データVdataの値を変更したり、電圧生成回路3aのレギュレーターが生成する電源電位Velを変更したりすることによって行われる。
しかしながら、表示装置の動作中に温度を測定する場合には、データ線駆動回路30に含まれている増幅器の電流変化等の影響により、電源電位VDD及びVSSが変動する。その結果、温度センサー40におけるPN接合ダイオードの順方向電圧の測定値に誤差が生じてしまう。以下に、その問題について詳しく説明する。
温度センサー40の電源ラインとゲート線駆動回路20及びデータ線駆動回路30の電源ラインとは分離して配線されているが、端子(パッド)数の制約により、電源端子は共通となっている。シリコンバックプレーンにはOLED等の発光素子も搭載されているので、電源端子と外部回路との接続の際に、高温処理を行うことができず、低温での接着処理が行われる。その結果、ある程度のばらつきをもって接続抵抗が発生してしまう。実測値としては、電源電位VDDの接続抵抗が約12Ω〜約24Ωの範囲で分布し、電源電位VSSの接続抵抗が約4Ω〜約16Ωの範囲で分布する例が存在する。
また、データ線駆動回路30は、例えば、216個の増幅器を含んでおり、それらの増幅器は、数百ns以内に目標出力電圧に到達する動作スピードを必要とするので、増幅器の電流を大幅に絞ることができない。従って、電源端子と外部回路との間の接続抵抗に発生する電圧の変動を小さくすることができない。
図8は、増幅器の動作と電源電位の変動との関係を示す波形図である。図8においては、水平同期信号HSYNCの波形と、増幅器AMP(1)〜AMP(3)のスイッチ回路にそれぞれ印加される制御信号S1〜S3の波形と、増幅器AMP(1)〜AMP(3)の出力波形と、電源電位VDDの配線に流れる電流I(VDD)の波形とが示されている。
この例においては、3つの増幅器AMP(1)〜AMP(3)の定電流が0.2mAであるから、216個の増幅器の定電流は14.4mAとなる。従って、電源電位VDDの接続抵抗が10Ωである場合に、216個の増幅器の定電流による電源電位VDDの変動が144mVとなる。また、ばらつきによって電源電位VDDの接続抵抗が10Ω増加すると、電源電位VDDの変動が144mV増加する。
さらに、図2に示すゲート線駆動回路20やデマルチプレクサーDMのスイッチングノイズが加わると、温度を安定して測定することができない。一方、電源投入時に1回だけ温度測定を行い、それによって得られた温度データでルックアップテーブルを書き換える場合には、表示装置の動作中に表示パネル10の温度が上昇しても、温度の補正が追随できない。例えば、温度が高くなるとOLEDは明るくなるので、これを補正する必要がある。
そこで、本実施形態においては、制御回路60が、電源投入時のみならず、表示装置の動作中においても、表示パネル10に画像が表示されないブランキング期間内において、温度センサー40の出力電圧に基づいて測定データを求めるようにしている。それにより、表示装置の動作中に温度が変化しても、画像の明るさの変化又はちらつきを抑圧することができる。
<温度測定動作>
図9は、電源投入時における温度測定動作を説明するためのタイミングチャートである。図9に示すように、図2に示す電気光学装置1の電源を投入すると、パワーオンリセット信号がローレベルからハイレベルに非活性化されることにより、表示装置2及び表示コントロール部3のリセットが解除される。それに伴い、垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCが、周期的にローレベルに活性化される。但し、この時点においては、表示パネル10に画像が表示されない。
図9は、電源投入時における温度測定動作を説明するためのタイミングチャートである。図9に示すように、図2に示す電気光学装置1の電源を投入すると、パワーオンリセット信号がローレベルからハイレベルに非活性化されることにより、表示装置2及び表示コントロール部3のリセットが解除される。それに伴い、垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCが、周期的にローレベルに活性化される。但し、この時点においては、表示パネル10に画像が表示されない。
図7に示す制御回路60は、DAC52の出力電圧を参照電圧VREFから基準電圧VSSまで変化させるように設定データを生成してDAC52に供給し、温度センサー40の出力電圧をDAC52の出力電圧と比較するコンパレーター53の出力信号CMIに基づいて測定データを求める。それにより、温度センサー40の出力電圧が広範囲な電圧と比較されるので、測定データが確実に求められる。制御回路60は、求めた測定データを測定データ格納部72に格納する。
さらに、制御回路60は、複数の温度測定期間において温度センサー40の出力電圧に基づいて得られる測定データの値を平均することにより、平均測定値を表す測定データを求めても良い。図9には、1垂直同期期間において4回の温度測定が行われ、4回の温度測定によって得られた測定データの値を平均することにより、平均測定値を表す測定データが確定する例が示されている。それにより、ばらつきの少ない測定データが得られるので、画像補正動作を安定化することができる。
また、制御回路60は、電源投入時に得られた測定データに基づいて設定データの初期値を設定し、測定データ格納部72に格納しても良い。例えば、電源投入時に得られた測定データの値が65であれば、制御回路60は、その値に所定の値を減算又は加算することにより、設定データの初期値として55を設定する。
図10は、表示装置の動作中における温度測定動作を説明するためのタイミングチャートである。例えば、垂直同期信号VSYNCがローレベルに2回活性化された後に、図2に示す表示パネル10に画像が表示される。各々の垂直同期期間内には、表示パネル10に画像が表示されない期間(垂直ブランキング期間)が含まれている。
そこで、制御回路60は、垂直ブランキング期間内において、DAC52の出力電圧を限られた範囲で変化させるように設定データを生成してDAC52に供給し、温度センサー40の出力電圧をDAC52の出力電圧と比較するコンパレーター53の出力信号CMIに基づいて測定データを求める。それにより、画像表示動作に影響を及ぼすことなく、表示装置の動作中に温度が変化しても、画像の明るさの変化又はちらつきを抑圧することができる。
DAC52の出力電圧を限られた範囲で変化させるために、制御回路60は、初期値格納部71に格納されている設定データの初期値に基づいて一連の設定データを生成する。それにより、温度センサー40の出力電圧をDAC52の出力電圧と比較する回数が少なくなるので、温度測定期間が短縮される。
1垂直同期期間内における垂直ブランキング期間の位置は、ユーザーが設定できる場合がある。そのような場合に、表示コントロール部3は、1垂直同期期間内における垂直ブランキング期間の位置に関する位置情報を表示装置2に送信し、表示装置2の制御回路60は、位置情報を格納部70に格納する。従って、制御回路60は、格納部70に格納されている位置情報に基づいて、1垂直同期期間内において温度測定期間を設定することが可能である。それにより、垂直ブランキング期間に対応して温度測定動作を行うことができる。
但し、ブランキング期間においても、表示装置2内のラッチ回路等は、水平同期信号に同期して動作している。そこで、制御回路60は、1水平同期期間内において温度センサー40の出力電圧に基づいて測定データを求めるようにしても良い。それにより、水平同期信号に同期するラッチ回路等の動作が温度測定に与える影響を低減することができる。その場合に、1垂直同期期間内における温度測定期間の位置に関する情報は、例えば、1フレーム中のライン番号によって表される。
また、制御回路60は、表示装置の動作中においても、複数の温度測定期間において温度センサー40の出力電圧に基づいて得られる測定データの値を平均することにより、平均測定値を表す測定データを求めても良い。図10には、第2〜第5フレーム期間において得られる測定データの値を平均することにより、第6フレーム期間において、平均測定値を表す測定データが確定する例が示されている。一方、256フレーム期間において得られる測定データの値を平均するようにしても良い。その場合には、画像補正動作を一層安定化することができる。
さらに、制御回路60は、温度センサー40の出力電圧に基づいて測定データを求める温度測定期間においてデータ線駆動回路30に含まれている複数の増幅回路の定電流を低減させるように複数のスイッチ回路を制御する。それにより、温度測定期間における複数の増幅回路の定電流の変化による電源電位の変動を抑制して、表示パネル10に表示される画像を補正するために行われる温度測定によって得られる温度測定値の誤差を低減することができる。
例えば、図6に示す増幅器AMP(i)おいて、制御信号S1〜S3をローレベルに非活性化すれば、スイッチ回路を構成するトランジスターQN16〜QN18及びQP26〜QP28がオフして、定電流を停止させることができる。あるいは、制御信号S1をハイレベルに維持しながら制御信号S2及びS3をローレベルに非活性化すれば、トランジスターQN16及びQP26がオンを維持し、トランジスターQN17、QN18、QP27、及び、QP28がオフして、例えば、定電流を1/10にすることができる。
図11は、増幅器の定電流の制御を説明するための波形図である。垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCは、周期的にローレベルに活性化される。但し、図11においては、1垂直同期期間における水平同期信号HSYNCの数が実際よりも少なく示されている。
図2に示す制御回路60は、1水平同期期間内において温度測定期間を設定し、温度測定期間において設定データの値を変化させることにより、温度センサー40の出力電圧に基づいて測定データを求める。また、制御回路60は、温度測定期間において、制御信号S1をハイレベルに維持しながら制御信号S2及びS3をローレベルに非活性化する。
さらに、制御回路60は、温度測定期間において、デマルチプレクサーDM(1)〜DM(L)の切換動作を停止させるようにしても良い。それにより、温度測定期間におけるデマルチプレクサーDM(1)〜DM(L)の切換動作による電源電位の変動を抑制して、温度測定期間において得られる温度測定値の誤差をさらに低減することができる。
図12は、デマルチプレクサーの切換動作の制御を説明するための波形図である。図2に示す制御回路60は、1水平同期期間内に設定された温度測定期間において、設定データの値を変化させると共に、コンパレーター53(図7)の出力信号CMIがローレベルからハイレベルに活性化されたときの設定データの値を測定データの値として求める。また、制御回路60は、温度測定期間において、制御信号Sel(1)〜Sel(18)をローレベル又はハイレベルに固定する。それにより、デマルチプレクサーDM(1)〜DM(L)が切換動作を停止する。
<電子機器>
次に、本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器の実施形態について説明する。図1に示す電気光学装置1は、画素が小サイズなので高精細な表示を行う用途に向いている。そこで、電子機器として、ヘッドマウント・ディスプレイを例に挙げて説明する。
次に、本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器の実施形態について説明する。図1に示す電気光学装置1は、画素が小サイズなので高精細な表示を行う用途に向いている。そこで、電子機器として、ヘッドマウント・ディスプレイを例に挙げて説明する。
図13は、ヘッドマウント・ディスプレイの外観を示す斜視図であり、図14は、ヘッドマウント・ディスプレイの光学的な構成を示す平面図である。図13に示すように、ヘッドマウント・ディスプレイ100は、一般的な眼鏡と同様に、テンプル110と、ブリッジ120と、レンズ101L及び101Rとを備えている。また、図14に示すように、ヘッドマウント・ディスプレイ100には、ブリッジ120の近傍であってレンズ101L及び101Rの奥側(図中下側)に、左眼用の電気光学装置1Lと右眼用の電気光学装置1Rとが設けられる。
電気光学装置1Lの画像表示面は、図14において左側となるように配置されている。それにより、電気光学装置1Lの表示画像は、光学レンズ102Lを介して図中L方向に出射する。ハーフミラー103Lは、電気光学装置1Lの表示画像を図中B方向に反射させる一方、図中F方向から入射した光を透過させる。
電気光学装置1Rの画像表示面は、電気光学装置1Lとは反対に、図14において右側となるように配置されている。それにより電気光学装置1Rの表示画像は、光学レンズ102Rを介して図中R方向に出射する。ハーフミラー103Rは、電気光学装置1Rの表示画像を図中B方向に反射させる一方、図中F方向から入射した光を透過させる。
このような構成によって、ヘッドマウント・ディスプレイ100のユーザーは、電気光学装置1L及び1Rの表示画像を、外部の風景と重ね合わせたシースルー状態で観察することができる。また、ヘッドマウント・ディスプレイ100において、視差を伴う両眼用画像の内の左眼用画像を電気光学装置1Lに表示させ、右眼用画像を電気光学装置1Rに表示させることにより、表示された画像があたかも奥行や立体感を持つかのようにユーザーに知覚させることができる(3D表示)。
なお、電気光学装置1は、ヘッドマウント・ディスプレイ100の他にも、ビデオカメラやレンズ交換式のデジタルカメラにおける電子式ビューファインダー等の電子機器に適用することが可能である。本実施形態によれば、電気光学装置又は電子機器の温度が大きく変化しても、表示パネルに表示される画像を正確に補正することができる。
上記の実施形態においては、発光素子としてOLEDを用いる場合について説明したが、本発明においては、例えば、無機発光ダイオードやLED(Light Emitting Diode)等のように、電流に応じた輝度で発光する発光素子を用いることができる。このように、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
1、1L、1R…電気光学装置、2…表示装置、3…表示コントロール部、3a…電圧生成回路、4…ケース、5…FPC基板、6…端子、10…表示パネル、11…画素回路、12…走査線、13a…データ線、13b…データ分割線、14…リセット線、15〜18…制御線、19…電源給電線、20…ゲート線駆動回路、30…データ線駆動回路、31…階調信号供給回路、32〜34…トランスミッションゲート、40…温度センサー、41…オペアンプ、50…電圧比較回路、51…参照電圧生成回路、51a…定電圧源、51b…オペアンプ、52…DAC、52a…設定回路、53…コンパレーター、60…制御回路、70…格納部、71…初期値格納部、72…測定データ格納部、73…基準データ格納部、100…ヘッドマウント・ディスプレイ、101L、101R…レンズ、102L、102R…光学レンズ、103L、103R…ハーフミラー、110…テンプル、120…ブリッジ、LS…レベル制御回路、DM…デマルチプレクサー、A1、A2…増幅回路、S1、S2、SW1〜SW128…スイッチ回路、D1…発光素子、QP1〜QP28…PチャネルMOSトランジスター、QN11〜QN28…NチャネルMOSトランジスター、Q1、Q2…PNPトランジスター、C1…保持容量、C2…転送容量、C3…画素容量、Cp…寄生容量、R1〜R12…抵抗
Claims (9)
- 複数列の画素回路に対応して設けられた複数のデータ線を含む表示パネルと、
前記複数のデータ線又はそれらのデータ線に接続される複数の容量を駆動する複数の増幅回路、及び、前記複数の増幅回路の定電流を切り換える複数のスイッチ回路を含むデータ線駆動回路と、
温度を検出して出力電圧を生成する温度センサーと、
前記温度センサーの出力電圧に基づいて測定データを求める温度測定期間において前記複数の増幅回路の定電流を低減させるように前記複数のスイッチ回路を制御する制御回路と、
を備える表示装置。 - 前記データ線駆動回路が、前記複数の増幅回路の出力信号がそれぞれ供給され、各々の増幅回路の出力信号を所定数のデータ線又はそれらのデータ線に接続される所定数の容量に時分割で順次供給するように切換動作を行う複数のデマルチプレクサーをさらに含み、
前記制御回路が、温度測定期間において前記複数のデマルチプレクサーの切換動作を停止させる、請求項1記載の表示装置。 - 設定データに従って出力電圧を生成するD/A変換器と、
前記温度センサーの出力電圧を前記D/A変換器の出力電圧と比較して、比較結果を表す出力信号を生成するコンパレーターと、
温度測定期間において前記D/A変換器に供給される設定データの初期値を格納する格納部と、
をさらに備え、前記制御回路が、前記初期値に基づいて一連の設定データを生成し、温度測定期間において一連の設定データを前記D/A変換器に順次供給することにより、前記コンパレーターの出力信号に基づいて、前記温度センサーの出力電圧に対応する測定データを求める、請求項1又は2記載の表示装置。 - 前記制御回路が、前記表示パネルに画像が表示されないブランキング期間内において、前記温度センサーの出力電圧に基づいて測定データを求める、請求項1〜3のいずれか1項記載の表示装置。
- 前記制御回路が、1垂直同期期間内において温度測定期間を設定する、請求項1〜4のいずれか1項記載の表示装置。
- 前記制御回路が、1水平同期期間内において前記温度センサーの出力電圧に基づいて測定データを求める、請求項1〜5のいずれか1項記載の表示装置。
- 前記制御回路が、複数の温度測定期間において前記温度センサーの出力電圧に基づいて得られる測定データの値を平均することにより、平均測定値を表す測定データを求める、請求項1〜6のいずれか1項記載の表示装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の表示装置を備える電気光学装置。
- 請求項8記載の電気光学装置を備える電子機器。
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-
2015
- 2015-01-29 JP JP2015015100A patent/JP2016139077A/ja active Pending
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