JP2016137604A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線を放射する加熱部と、赤外線量に基づいて温度を検出する温度検出部とを用いても加熱部の制御の精度の低下を抑制することができる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射装置11は、連続紙Pにインクを噴射する噴射部14と、噴射部14が連続紙Pに対してインクを噴射可能な領域である液体噴射領域RILを赤外線により加熱する加熱部15と、液体噴射領域RIL内の赤外線に基づいて、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度を検出するIRセンサー29と、加熱部15の出力に基づいてIRセンサー29の第1検出温度を補正し、補正された検出温度である補正温度に基づいて加熱部15を制御する制御装置30とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、媒体を加熱する加熱部を備える液体噴射装置に関する。
従来から、液体噴射装置の一種として、支持部材上に搬送される連続紙等の媒体に対して噴射部からインク等の液体を噴射して媒体に付着させた後、その液体を加熱部で加熱して乾燥させることにより、媒体に画像等を印刷するインクジェット式のプリンターが知られている。また、このようなプリンターとして、媒体に対して噴射部から液体を噴射可能な領域である液体噴射領域の温度を検出する温度検出部と、赤外線を放射する加熱部とを備えたものもある。そして、このプリンターでは、温度検出部により検出された媒体の温度に基づいて印刷中の媒体の液体噴射領域の温度が所定の温度範囲に維持されるように加熱部を制御している(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−45855号公報
媒体における液体噴射領域の温度を非接触で検出する温度検出部として、液体噴射領域の赤外線量に基づいて液体噴射領域の温度を検出する放射温度計が知られている。しかし、このような放射温度計が温度検出部として用いられる場合、放射温度計は、加熱部から液体噴射領域に向けて放射され、その液体噴射領域において反射された赤外線も含めて温度を検出する場合がある。このため、放射温度計が検出した液体噴射領域の温度と、液体噴射領域の実際の温度との間に差が生じてしまう。そして、媒体における液体噴射領域の実際の温度とは異なる温度に基づいて加熱部が制御されると、例えば液体噴射領域の実際の温度が上記所定の温度範囲に維持されないおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、赤外線を放射する加熱部と、赤外線量に基づいて温度を検出する温度検出部とを用いても加熱部の制御の精度の低下を抑制することができる液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、媒体に液体を噴射する噴射部と、前記噴射部が前記媒体に対して前記液体を噴射可能な領域である液体噴射領域を赤外線により加熱する加熱部と、前記液体噴射領域内の赤外線に基づいて、前記液体噴射領域の温度を検出する温度検出部と、前記加熱部の出力に基づいて前記温度検出部の検出温度を補正し、補正された検出温度である補正温度に基づいて前記加熱部を制御する制御部とを備える。
加熱部の出力と加熱部から放出される赤外線とは相関関係を有する。そこで、この構成によれば、加熱部の出力に基づいて温度検出部の検出温度を補正することにより、検出温度から加熱部の赤外線による影響を考慮した温度、すなわち媒体の実際の温度により近い温度を取得することができる。このため、媒体の実際の温度により近い温度に基づいて加熱部を制御することができるため、加熱部の制御の精度の低下を抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記加熱部の出力に応じた補正値を取得し、前記検出温度から前記補正値を減算することにより前記補正温度を演算することが好ましい。
この構成によれば、加熱部の出力に応じて補正値が変更されるため、加熱部の出力に対して補正値が一定である場合と比較して、加熱部の出力の範囲全体に対して補正温度を実際の媒体の温度により近づけることができる。
上記液体噴射装置において、前記補正値は、前記加熱部の出力が大きくなるにつれて大きくなることが好ましい。
加熱部の出力が大きくなるにつれて温度検出部の検出温度と媒体の実際の温度との差である検出誤差が大きくなることがある。そこでこのような場合には、加熱部の出力が大きくなるにつれて補正値を大きく設定することにより、加熱部の出力の範囲全体に対して補正温度を媒体の実際の温度により近い温度にすることができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記媒体の種類に応じて前記補正値を演算することが好ましい。
媒体の種類によって赤外線の反射率が異なるため、加熱部が同じ出力であっても媒体の種類によって温度検出部の検出温度が異なる。すなわち、加熱部が同じ出力であっても温度検出部の検出温度と媒体の実際の温度との差である検出誤差が媒体の種類によって異なる。この点、この構成によれば、媒体の種類に応じた補正値により温度検出部の検出温度を補正することができるため、補正温度が媒体の実際の温度により近い温度となる。
上記液体噴射装置において、前記温度検出部は、前記媒体に対して前記加熱部が配置される側に前記媒体と正対するように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、温度検出部が媒体に対して傾いている構成と比較して、温度検出部による媒体の温度の検出範囲における検出温度のばらつきが小さくなるため、温度検出部の検出精度の低下が抑制される。一方、温度検出部が媒体に対して傾いている構成と比較して、媒体により反射される加熱部の赤外線が温度検出部に進入しやすい。しかし、上述のとおり、加熱部の出力に基づいて温度検出部の検出温度を補正するため、実際の媒体の温度により近い温度に基づいて加熱部の出力を制御することができる。
液体噴射装置の一実施形態の概略構成図。 図1の液体噴射装置の正面構造を示す概略構成図。 液体噴射装置の電気的な構成を示すブロック図。 液体噴射装置により実行される出力制御の手順を示すフローチャート。 出力制御の一部の一実行態様を示すタイムチャート。 加熱部の熱量DUTY値と温度検出部の検出誤差との関係を示すグラフ。 出力制御の一部の一実行態様を示すタイムチャート。
以下、液体噴射装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態の液体噴射装置は、例えば、液体の一例であるインクを媒体に噴射することにより印刷を行うインクジェット式のプリンターで構成される。また、そのプリンターは、印刷方式が媒体の搬送方向と交差する方向である走査方向に噴射部を移動させて印刷を行う、所謂シリアル方式のプリンターである。
図1に示すように、液体噴射装置11は、媒体の一例である長尺シート状の連続紙Pを搬送する搬送装置12と、搬送装置12によって支持部材13上を搬送される連続紙Pに対してインクを噴射して印刷を行う噴射部14と、噴射部14が連続紙Pに対してインクを噴射可能な領域である液体噴射領域RILを加熱する加熱部15とを備えている。また液体噴射装置11は、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度を均一化するための送風部16を備えている。なお、液体噴射領域RILは、噴射部14が連続紙Pの幅方向である走査方向X(図1では紙面と直交する方向)に移動する範囲において噴射部14が連続紙Pにインクを噴射可能な領域である。
搬送装置12は、連続紙Pを繰り出す繰出部17と、繰出部17から繰り出され、噴射部14によって印刷が行われた連続紙Pを巻き取る巻取部18とを備えている。図1では、連続紙Pにおける搬送方向Y(図1の左方向)で噴射部14よりも上流側となる右側の位置に繰出部17が配置される一方、噴射部14よりも下流側となる左側の位置に巻取部18が配置されている。
繰出部17には、走査方向Xに延びる繰出軸17aが回転駆動可能に設けられている。繰出軸17aには、連続紙Pが予めロール状に巻かれた状態で繰出軸17aと一体回転可能に支持されている。そして、繰出軸17aが回転駆動することで繰出軸17aから連続紙Pがその搬送経路の下流側に向かって繰り出される。搬送経路における繰出軸17aの下流側には、連続紙Pを挟持しながら回転駆動することで繰出軸17aから搬送される連続紙Pを支持部材13に導く給紙ローラー対19が設けられている。
搬送経路における噴射部14よりも下流側には、連続紙Pを挟持しながら回転駆動することで連続紙Pにおける印刷済みの領域を支持部材13上から下流側に導く排紙ローラー対20が設けられている。
搬送経路における排紙ローラー対20よりも下流側に配置された巻取部18は、走査方向Xに延びる巻取軸18aが回転駆動可能に設けられている。そして、巻取軸18aが回転駆動することで排紙ローラー対20から搬送される印刷済みの連続紙Pが巻取軸18aによって順次巻き取られる。
噴射部14は、走査方向Xに延びる一対の支持軸22により連続紙Pに対して走査方向Xに移動可能に支持される箱状のキャリッジ21を備えている。キャリッジ21には、連続紙Pと対向する面に複数のノズル23aが形成された液体噴射ヘッド23が搭載されている。液体噴射ヘッド23には、連続紙Pと対向する面の温度、すなわち複数のノズル23aの温度を検出するノズルプレートサーミスタ24が取り付けられている。ノズルプレートサーミスタ24は、熱電素子により構成されている。また、キャリッジ21において連続紙Pとは反対側(上側)には、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金により形成されたL字状のカバー25が取り付けられている。このような構成の噴射部14は、連続紙Pに対して走査方向Xに移動しつつ、複数のノズル23aからインクを連続紙Pに向けて噴射する。
キャリッジ21よりも搬送経路の上流側で一対の支持軸22の間となる位置には、走査方向Xにおける噴射部14の位置を検出するリニアエンコーダー26が設けられている。リニアエンコーダー26は、キャリッジ21に取り付けられた発光素子及び受光素子と、搬送方向Yにおいて発光素子及び受光素子と間隔をおいて対向するスリットとを備えている。
加熱部15は、カバー25の一部よりも上側、かつ搬送方向Yにおいてカバー25と重なる位置に配置されている。すなわち、加熱部15は、カバー25と対向して配置されている。言い換えると、噴射部14において加熱部15と対向する部分は、カバー25により覆われている。加熱部15は、赤外線を放射することにより、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pを加熱するヒーター27を備えている。ヒーター27の上側には、ヒーター27が放射する赤外線を連続紙Pに向けて反射する反射板28が配置されている。
また加熱部15において搬送経路の下流側かつ走査方向Xのホームポジション側(図2参照)には、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度を検出する温度検出部の一例であるIR(infrared)センサー29が設けられている。IRセンサー29は、内蔵された赤外線センサー(図示略)で液体噴射領域RIL内の温度検出領域RDT(図2参照)の赤外線量を非接触で検出することにより液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度を検出する放射温度計である。IRセンサー29は、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pよりも上側に液体噴射領域RILと正対するように配置されている。なお、温度検出領域RDTは、IRセンサー29の仕様により決められる。またホームポジションは、図2に示すように連続紙Pよりも右側となる非印刷領域である。このホームポジションには、液体噴射ヘッド23に対してクリーニング等のメンテナンスを行うメンテナンス機構(図示略)が設けられている。
また、図1に示すように、液体噴射装置11は、搬送装置12、噴射部14、加熱部15、及び送風部16の動作を制御する制御部の一例である制御装置30を備えている。図3に示すように、制御装置30には、IRセンサー29が検出した液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度であり、温度検出部の検出温度である第1検出温度Tir、及びノズルプレートサーミスタ24が検出した複数のノズル23a(図1参照)の温度である第2検出温度Tthが入力される。また制御装置30には、リニアエンコーダー26が検出した噴射部14の走査方向Xの位置である位置信号、及び印刷ジョブが入力される。印刷ジョブは、連続紙Pのサイズ、連続紙Pに印刷する画像等のデータ、及び印刷を実行するための印刷コマンドを含む。
制御装置30は、ヒーター27の出力をPWM制御する加熱制御部31、及び印刷ジョブに基づいてキャリッジ21(図1参照)の走査方向Xへの移動を制御するキャリッジ駆動部32を備えている。また制御装置30は、印刷ジョブに基づいて液体噴射ヘッド23による液体噴射領域RILへのインクの噴射を制御する噴射制御部33、印刷ジョブに基づいて搬送装置12による連続紙Pの搬送を制御する搬送制御部34、及び液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度に基づいて送風部16を制御する送風制御部35を備えている。
加熱制御部31には、メモリー36、温度補正部37、目標温度演算部38、及び第2判定部40が接続されている。メモリー36には、IRセンサー29の第1検出温度Tir、ノズルプレートサーミスタ24の第2検出温度Tth、並びに温度補正部37及び目標温度演算部38において用いる演算式や閾値が記憶されている。温度補正部37には、第1判定部39が接続されている。温度補正部37は、IRセンサー29の第1検出温度Tirから連続紙Pから反射されたヒーター27の赤外線がIRセンサー29に入力された分の影響を考慮してIRセンサー29の検出温度を補正する。第1判定部39は、噴射部14がIRセンサー29の温度の検出に影響を与える範囲に進入したか否かを判定する。目標温度演算部38は、ノズルプレートサーミスタ24の第2検出温度Tthに基づいて、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度を演算する。第2判定部40は、連続紙Pへの印刷が終了したか否かを判定する。加熱制御部31は、メモリー36、温度補正部37、目標温度演算部38、及び第2判定部40から入力された信号に基づいて、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度に一致するようにフィードバック制御を実行する。本実施形態では、フィードバック制御としてPID(Proportional-Integral-Derivative)制御を実行する。
送風制御部35は、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度付近に達したとき、送風部16を駆動させる。これにより、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が均一化される。
上述の構成に基づいて、制御装置30は、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度及び複数のノズル23aの温度に基づいてヒーター27の出力を制御する出力制御を実行する。以下に、出力制御の処理手順について図4のフローチャートを用いて説明する。
まず制御装置30は、第1検出温度Tir、第2検出温度Tth、ヒーター27の出力であるオンDUTY値(以下、単にDUTY値と称する。)、及び媒体の種類を取得する(ステップS1)。なお、媒体の種類は、使用者が印刷に使用する媒体の種類をホストコンピューター又は液体噴射装置11の操作部(ともに図示略)から液体噴射装置11に入力することにより取得される。
次に、制御装置30は、第1判定部39により噴射部14がIRセンサー29の温度の検出に影響を与える範囲に進入したか否かを判定する(ステップS2)。この判定の詳細な内容について図1〜図5を用いて説明する。
噴射部14のカバー25は、アルミニウム等の金属製であるため、ヒーター27の赤外線を反射する。このため、ヒーター27付近に設けられたIRセンサー29は、IRセンサー29が液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度を検出する領域である温度検出領域RDTに噴射部14が進入したとき、カバー25により反射されたヒーター27の赤外線に基づいて温度を検出してしまう。すなわち、IRセンサー29の第1検出温度Tirは、ヒーター27の温度と概ね等しくなる。したがって、IRセンサー29が液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度をヒーター27の温度として誤って検出してしまう。
また、噴射部14がIRセンサー29の温度検出領域RDTに進入しなくても温度検出領域RDT付近に位置したとき、カバー25により反射したヒーター27の赤外線がIRセンサー29の温度の検出に影響を与えるおそれがある。
そこで、制御装置30には、噴射部14がIRセンサー29の温度の検出に影響を与える範囲として、走査方向Xにおいて温度検出領域RDTを包含し、温度検出領域RDTよりも大きい領域であるトリガー判定領域RJT(図2参照)がメモリー36に記憶されている。図2に示すように、トリガー判定領域RJTは、温度検出領域RDTの走査方向Xの中央位置から走査方向Xの両側へ噴射部14の走査方向Xの寸法分ずつ延ばした領域となる。このため、温度検出領域RDTは、走査方向Xにおいてトリガー判定領域RJTの中央に位置している。
そして第1判定部39は、噴射部14の少なくとも一部がトリガー判定領域RJTに進入したとき、トリガー信号STを温度補正部37に出力する。第1判定部39は、噴射部14の少なくとも一部がトリガー判定領域RJTに位置する期間にわたり、トリガー信号STを温度補正部37に出力し続ける。なお、噴射部14の少なくとも一部がトリガー判定領域RJTに進入したか否かの判定は、リニアエンコーダー26の位置信号に基づいて行われる。
例えば、図5は、IRセンサー29が所定の検出周期毎に第1検出温度Tirを検出し、第1検出温度Tirの検出周期よりも長い周期毎に出力制御が実行される場合における噴射部14及びIRセンサー29の動作、出力制御の割込、並びにトリガー信号STの推移を示している。また図5は、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pが温度上昇している状態を示している。このため、図5(e)に示すとおり、時間の経過とともに第1検出温度Tirが上昇している。なお、図5(a)の噴射部14の動作は、噴射部14が温度検出領域RDTに進入している期間を「進入」として示している。
図5に示すとおり、出力制御が実行される時刻t2において、噴射部14の少なくとも一部がトリガー判定領域RJTに進入していないため(図5(d)のトリガー信号STがOFF)、制御装置30は、IRセンサー29が時刻t1で検出した第1検出温度Tir(51℃)を取得する。すなわち制御装置30は、出力制御を実行するとき、IRセンサー29が前回の検出タイミングにおいて検出した第1検出温度Tirを取得する。
一方、時刻t3において噴射部14がトリガー判定領域RJTに進入したとき、図5(d)に示すとおり、第1判定部39はトリガー信号STを出力する。そして噴射部14が温度検出領域RDTに進入した状態におけるIRセンサー29の検出タイミングである時刻t4においては、カバー25により反射されたヒーター27の赤外線がIRセンサー29に進入することによりIRセンサー29がヒーター27の温度(100℃)を第1検出温度Tirとして検出してしまう。
そこで、制御装置30は、トリガー信号STが温度補正部37に入力されているとき、(ステップS2:YES)、ステップS1において取得した第1検出温度Tirに代えて、噴射部14がトリガー判定領域RJTに進入する直前の第1検出温度Tirを取得する(ステップS3)。すなわち、図5において時刻t5で実行される出力制御では、時刻t4でIRセンサー29が検出した第1検出温度Tirが取得されず、噴射部14がトリガー判定領域RJTに進入する直前のIRセンサー29の検出タイミングである時刻t2で検出された第1検出温度Tir(52℃)が取得される。
一方、制御装置30は、トリガー信号STが温度補正部37に入力されていないとき、(ステップS2:NO)、IRセンサー29が前回の検出タイミングで検出した第1検出温度Tir、すなわちステップS1において取得した第1検出温度Tirを維持し、ステップS4に移行する。
次に、制御装置30は、温度補正部37によりステップS1又はステップS3において取得した第1検出温度Tirと、ステップS1において取得したヒーター27のDUTY値及び媒体の種類とに基づいて第1検出温度Tirを補正する(ステップS4)。
第1検出温度Tirの補正の詳細な内容について図3及び図6を用いて説明する。
液体噴射装置11の設計段階において、第1検出温度Tirの補正にあたり、IRセンサー29の取付角度、すなわち連続紙Pに対するIRセンサー29の角度と、媒体の種類と、ヒーター27の能力(ワット数)とに基づくIRセンサー29の検出誤差とヒーター27の熱量DUTY値Hcとの関係が試験等により取得される。IRセンサー29の取付角度及びヒーター27の能力は、液体噴射装置11の設計段階で一義的に決められる。このため、媒体の種類ごとのIRセンサー29の検出誤差とヒーター27の熱量DUTY値Hcとの関係がメモリー36に予め記憶される。なお、ヒーター27の熱量DUTY値Hcは、ヒーター27のワット数とDUTY値との乗算により求められる。
図6は、連続紙Pに対するIRセンサー29の取付角度が90°、すなわち連続紙Pに対してIRセンサー29が正対している状態(図1及び図2参照)であり、ヒーター27が所定のワット数であり、かつ媒体として普通紙が用いられた場合のIRセンサー29の検出誤差とヒーター27の熱量DUTY値Hcとの関係を示している。なお、IRセンサー29の第1検出温度Tirが液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの実際の温度よりも高く検出されるため、IRセンサー29の検出誤差は、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの別途検出された実際の温度からIRセンサー29の第1検出温度Tirを減算して求められる。
そして、図6において複数のプロットされた値からIRセンサー29の検出誤差とヒーター27の熱量DUTY値Hcとの関係の近似曲線を作成することができる。そして図6の近似曲線に示すとおり、IRセンサー29の検出誤差の絶対値は、ヒーター27の熱量DUTY値Hcが大きくなるにつれて大きくなる。IRセンサー29の検出誤差の絶対値を補正値Tcとして図6の近似曲線を示す2次近似式が以下の式(1)により演算される。この補正値Tcは、ヒーター27の熱量DUTY値Hcが大きくなるにつれて大きくなる。
Tc=z1×Hc+z2×Hc+z3 …(1)
なお、「z1」、「z2」、「z3」は連続紙Pの赤外線の反射率によって決められる係数を示している。係数z1〜z3は、媒体の種類ごとに設定され、メモリー36に記憶されている。例えば、光沢紙の場合の係数z1〜z3の値は、普通紙の場合の係数z1〜z3の値よりも大きい。
温度補正部37は、上記式(1)にヒーター27の熱量DUTY値Hcを代入して補正値Tcを演算する。そして温度補正部37は、IRセンサー29の検出誤差の絶対値分の温度をIRセンサー29の第1検出温度Tirから減算することにより液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの実際の温度を求める。すなわち温度補正部37は、以下の式(2)に基づいてIRセンサー29の第1検出温度Tirを補正した補正温度Tmを演算する。そして温度補正部37は、メモリー36、目標温度演算部38、及び加熱制御部31に補正温度Tmを出力する。
Tm=Tir−Tc …(2)
次に、制御装置30は、複数のノズル23aの検出温度である第2検出温度Tthに基づいて目標温度演算部38により液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度を演算する(ステップS5)。
ここで、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度の詳細な演算内容について説明する。
液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度は、メモリー36に予め記憶されている基準目標温度Tgkを含む。基準目標温度Tgkは、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pに対して噴射されたインクが乾燥するのに適した温度である。一方、複数のノズル23aは、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pに隣接しているため、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度の影響を受けやすい。このため、目標温度演算部38は、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度及び複数のノズル23aの温度に基づいて、複数のノズル23aの温度上昇を抑制するように、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度を演算する。その具体的な手順は以下のとおりである。
まず、目標温度演算部38は、第2検出温度Tthと温度閾値Tkとの差(Tth−Tk)を演算し、ノズルプレートサーミスタ24の検出周期毎に積算していく。これにより、目標温度演算部38は、第2検出温度Tthと温度閾値Tkとの差の積分値Diを求める。なお、温度閾値Tkは、複数のノズル23aのインク詰まり等の複数のノズル23aの性能の低下が発生するリスクのある温度であり、試験等により予め設定され、メモリー36に記憶されている。この温度閾値Tkは、基準目標温度Tgkよりも低い。また積分値Diは、ヒーター27の出力が「0」となるときにリセットされる。またノズルプレートサーミスタ24の検出周期は、例えばIRセンサー29の検出周期と同じ長さである。
そして目標温度演算部38は、積分値Diに基づいて以下の式(3)から補正値Tdを求める。なお、式(3)の「G」は、基準目標温度Tgkを低下させる度合を決める定数であり、試験等により予め設定され、メモリー36に記憶されている。
Td=Di×G …(3)
最後に目標温度演算部38は、以下の式(4)のように基準目標温度Tgkから補正値Tdを減算することにより補正目標温度Tgcを演算する。
Tgc=Tgk−Td …(4)
式(3)に示すとおり、補正値Tdは、積分値Diに比例するため、第2検出温度Tthが温度閾値Tkよりも高く、すなわち積分値Diが正の値であり、その積分値Diが大きくなるにつれて補正値Tdは大きくなる。このため、式(4)から補正値Tdが大きくなるにつれて補正目標温度Tgcが低くなることにより、積分値Diが大きくなるにつれて補正目標温度Tgcが低くなる。
ところで、第2検出温度Tthが温度閾値Tkよりも低いとき、第2検出温度Tthと温度閾値Tkとの差が負の値となり、積分値Diが負の値となる場合がある。これにより、上記式(3)及び(4)に基づいて補正目標温度Tgcを演算したと仮定した場合、補正目標温度Tgcが基準目標温度Tgkよりも高くなってしまう。また第2検出温度Tthが温度閾値Tkよりも低い場合、基準目標温度Tgkを変更しなくても複数のノズル23aの性能の低下が発生しない。
そこで、目標温度演算部38は、積分値Diが負の値となるとき、積分値Diを「0」に設定する。これにより、上記式(3)において補正値Tdが「0」となるため、補正目標温度Tgcが基準目標温度Tgkと一致する。
また、積分値Diが大きくなるにつれて補正目標温度Tgcが基準目標温度Tgkよりも低くなる度合が大きくなる。つまり、複数のノズル23aの性能の低下の抑制を優先しすぎると、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pに対して噴射されたインクが乾燥しにくくなるおそれがある。
そこで、目標温度演算部38は、積分値Diにその上限値である積分上限値Dlimを設定し、積分値Diが積分上限値Dlim以上となるとき、上記式(3)の積分値Diに積分上限値Dlimを代入して補正値Tdを演算する。なお、積分上限値Dlimはメモリー36に記憶されている。これにより、補正目標温度Tgcが基準目標温度Tgkに対して過度に低くなることが抑制される。
また、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が基準目標温度Tgkよりも十分に低い場合、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの熱が複数のノズル23aの温度をノズル23aの性能が低下する温度まで上昇させる可能性は低い。一方、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が基準目標温度Tgkに一致する温度又は近い温度の場合、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの熱が複数のノズル23aの温度をノズル23aの性能が低下する温度まで上昇させる可能性が高い。
そこで、目標温度演算部38は、補正温度Tmが補正目標温度Tgc以下の場合、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度を基準目標温度Tgkとして演算し、補正温度Tmが補正目標温度Tgcよりも高い場合、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度を補正目標温度Tgcとして演算する。
以上のとおり、目標温度演算部38は、複数のノズル23aの温度及び液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が低い場合、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度を基準目標温度Tgkとして演算する。一方、目標温度演算部38は、複数のノズル23aの温度が十分に高く、かつ液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が基準目標温度Tgkに近い場合、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度を基準目標温度Tgkよりも低い補正目標温度Tgcとして演算する。
次に、制御装置30は、加熱制御部31により補正温度Tmと液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度とに基づいてヒーター27の目標となるオンDUTY値である目標DUTY値を演算する(ステップS6)。目標DUTY値は、補正温度Tmと液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度との差が大きくなるにつれて大きくなる。そして制御装置30は、DUTY値が目標DUTY値と一致するようにヒーター27を制御する(ステップS7)。
次に、制御装置30は、第2判定部40により印刷ジョブに基づいて連続紙Pへの印刷が終了したか否かを判定する(ステップS8)。制御装置30は、連続紙Pへの印刷が終了したと判定したとき(ステップS8:YES)、出力制御を終了する。制御装置30は、連続紙Pへの印刷が終了したとき、噴射制御部33、キャリッジ駆動部32、及び搬送制御部34が連続紙Pの印刷完了のための処理を実行する。一方、制御装置30は、連続紙Pへの印刷が終了していないと判定したとき(ステップS8:NO)、ステップS1に移行する。
出力制御の一実行態様を図7のタイムチャートを用いて説明する。なお、図7(b)の一点鎖線は、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度の推移を示す。
まず図7に示す時刻t11において、ヒーター27による液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの加熱が開始される。このとき、図7(a)に示すように、ヒーター27のDUTY値は「100%」である。すなわちヒーター27は、最大出力で液体噴射領域RILに位置する連続紙Pを加熱する。これにより、図7(b)に示すように、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が時間の経過とともに上昇する。そして液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度である補正温度Tmが液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度である基準目標温度Tgkにある程度近づいたとき(時刻t12)、ヒーター27のDUTY値が「100%」から低下する。このため、時刻t12以降では、補正温度Tmの温度上昇の度合が小さくなる。
次に図7(c)に示す時刻t13において、連続紙Pへの印刷が開始される。これにともない、ホームポジションからヒーター27が加熱している領域に噴射部14が位置するようになるため、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの熱及びヒーター27の熱により噴射部14の複数のノズル23aの温度である第2検出温度Tthが上昇する。そして図7(b)及び(c)に示すように、時刻t14において第2検出温度Tthが温度閾値Tkよりも大きくなり、補正温度Tmも基準目標温度Tgkに近くなるとき、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度が基準目標温度Tgkから補正目標温度Tgcに変更される。そして時刻t14から時刻t16の期間において第2検出温度Tthが温度閾値Tkよりも高い状態となるため、時刻t14から時刻t16の期間において補正目標温度Tgcが時間の経過とともに低下する。このため、時刻t14から時刻t16の期間において補正温度Tmが時間の経過とともに低下する。これにより、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの熱が複数のノズル23aに与える影響が小さくなるため、図7(c)に示すように、時刻t14から時間の経過とともに第2検出温度Tthの温度の上昇度合が小さくなり、時刻t15において第2検出温度Tthが低下し始める。
一方、時刻t16から時刻t17の期間において第2検出温度Tthが温度閾値Tkよりも低い状態となるため、時刻t16から時刻t17の期間において補正目標温度Tgcが時間の経過とともに上昇する。これにより、液体噴射領域RILにおける連続紙Pの熱が複数のノズル23aに与える影響が大きくなるため、図7(c)に示すように、時刻t16から時間の経過とともに第2検出温度Tthが上昇する。
このように、出力制御によれば、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が噴射部14により連続紙Pに噴射されたインクを乾燥するために必要な温度を維持しつつも、複数のノズル23aの性能が低下することが抑制される。
本実施形態の液体噴射装置11によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)液体噴射装置11は、ヒーター27の熱量DUTY値Hcに基づいてIRセンサー29の第1検出温度Tirを補正し、補正された第1検出温度Tirである補正温度Tmに基づいてヒーター27のDUTY値を設定する。このため、補正温度Tmは、ヒーター27の赤外線が連続紙Pに反射してIRセンサー29に進入することにより発生するIRセンサー29の検出誤差を考慮した温度となる。このため、補正温度Tmが液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの実際の温度により近い温度となる。したがって、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの実際の温度により近い温度に基づいてヒーター27を制御することができる。
(2)液体噴射装置11は、ヒーター27の熱量DUTY値Hcに応じた補正値Tcを取得し、第1検出温度Tirから補正値Tcを減算することにより補正温度Tmを求める。このため、補正値Tcが定数と仮定した場合と比較して、ヒーター27の出力範囲の全体に対して補正温度Tmを液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの実際の温度に近づけることができる。
(3)例えば図6に示すように、ヒーター27の熱量DUTY値Hcが大きくなるにつれてIRセンサー29の検出誤差が大きくなることがある。このような場合にも、ヒーター27の熱量DUTY値Hcが大きくなるにつれて補正値Tcが大きくなるように設定されているため、補正温度Tmを液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの実際の温度により近づけることができる。
(4)媒体の種類によってヒーター27から照射された赤外線の反射率が異なるため、ヒーター27が同じ熱量DUTY値Hcであっても媒体の種類によって第1検出温度Tirが異なる場合がある。この点、本実施形態によれば、上記式(1)の係数z1〜z3の値を媒体の種類に応じて変更するため、媒体の種類に応じて補正値Tcが異なる。このため、媒体の種類に対して適切な補正値Tcを得ることができ、補正温度Tmが液体噴射領域RILに位置する媒体の実際の温度に近づけることができる。
(5)IRセンサー29は、連続紙Pと正対するように配置されている。このため、IRセンサー29が連続紙Pに対して傾いて配置されると仮定した構成と比較して、IRセンサー29の温度検出領域RDTにおいて検出される温度のばらつきが小さくなる。
一方、IRセンサー29が連続紙Pに対して傾いて配置されると仮定した構成と比較して、連続紙Pにより反射されたヒーター27の赤外線がIRセンサー29に進入しやすい。しかし、ヒーター27の熱量DUTY値Hcに基づいてIRセンサー29の第1検出温度Tirが補正されるため、補正温度Tmが液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの実際の温度に近づけることができる。
(6)液体噴射装置11によれば、出力制御において噴射部14が温度検出領域RDT内に位置するときにIRセンサー29が検出した第1検出温度Tirがヒーター27の制御に用いられない。このため、IRセンサー29の誤った第1検出温度Tirに基づいてヒーター27の制御が行われないため、ヒーター27の制御の精度の低下を抑制することができる。
(7)噴射部14が温度検出領域RDT付近に位置する場合にも噴射部14により反射されたヒーター27の赤外線がIRセンサー29に進入する場合がある。この点、本実施形態の出力制御によれば、噴射部14が温度検出領域RDTを包含するトリガー判定領域RJTに進入したときにIRセンサー29が検出した第1検出温度Tirがヒーター27の制御に用いられないため、ヒーター27の制御の精度の低下を一層抑制することができる。
(8)温度検出領域RDTは、走査方向Xにおいてトリガー判定領域RJTの中央に位置している。このため、噴射部14の走査方向Xの往復動に対して噴射部14がIRセンサー29の温度の検出に影響を与えるおそれのある第1検出温度Tirが用いられなくなる範囲が同じになる。このため、噴射部14の往動作及び復動作に対してヒーター27の制御の精度の低下を同様に抑制することができる。
(9)液体噴射装置11は、出力制御において噴射部14がトリガー判定領域RJTに進入したとき、噴射部14がトリガー判定領域RJTに進入する直前にIRセンサー29が検出した第1検出温度Tirに基づいてヒーター27を制御する。このため、噴射部14がIRセンサー29の温度の検出に影響を与えるおそれのある第1検出温度Tirではなく、かつ液体噴射領域RILに位置する連続紙Pのヒーター27による温度変化が反映された第1検出温度Tirを用いてヒーター27を制御する。したがって、ヒーター27の制御の精度の低下を抑制することができる。
(10)噴射部14は、加熱部15と対向する部分を覆うカバー25を備えている。このため、ヒーター27の赤外線が液体噴射ヘッド23に進入することが抑制されることにより、液体噴射ヘッド23が過度に高温となることが抑制される。しかし、カバー25がヒーター27の赤外線を反射するため、噴射部14がIRセンサー29の温度検出領域RDT内に位置するときにIRセンサー29がヒーター27の温度を検出する場合がある。この点、液体噴射装置11は、出力制御において噴射部14が温度検出領域RDTに進入したときにIRセンサー29が検出した第1検出温度Tirが用いられないため、ヒーター27が誤動作することが抑制される。したがって、液体噴射ヘッド23が過度に高温となることと、ヒーター27の誤動作との両方を抑制することができる。
(11)液体噴射装置11は、出力制御においてIRセンサー29の第1検出温度Tir及びノズルプレートサーミスタ24の第2検出温度Tthに基づいてヒーター27のDUTY値を設定するための液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度を演算する。このため、噴射部14の複数のノズル23aの温度を考慮してヒーター27のDUTY値が設定されることにより、複数のノズル23aの温度が高くなるときにヒーター27のDUTY値を小さくするため、複数のノズル23aの温度が過度に高くなることを抑制することができる。
(12)液体噴射装置11は、出力制御において第2検出温度Tthが温度閾値Tkよりも大きく、かつ第2検出温度Tthと温度閾値Tkとの差の積分値Diが大きくなるにつれて液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度を低くする。このため、複数のノズル23aの温度が高い状態が続くほど、ヒーター27のDUTY値が小さくなるため、複数のノズル23aの温度が上昇しにくくなり、かつ低下しやすくなる。
(13)液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が低いとき、連続紙Pの熱が噴射部14の複数のノズル23aに与える影響は小さくなる一方、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度を基準目標温度Tgkに速やかに上昇させる必要がある。一方、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度が高いとき、連続紙Pの熱が複数のノズル23aに与える影響が大きくなる一方、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度は基準目標温度Tgkに近い、又は基準目標温度Tgk以上になっているため、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度を速やかに上昇させる必要がない。
このような事項に基づいて、液体噴射装置11は、第1検出温度Tirが補正目標温度Tgc以下のとき、基準目標温度Tgkに基づいてヒーター27を制御し、第1検出温度Tirが補正目標温度Tgcよりも高いとき、補正目標温度Tgcに基づいてヒーター27を制御する。このため、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pに噴射されたインクが乾燥しやすく、かつ複数のノズル23aの温度上昇を抑制するようにヒーター27を制御することができる。
(14)液体噴射装置11は、液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの温度を均一化するための送風部16を備えている。このため、IRセンサー29による連続紙Pにおける液体噴射領域RILの温度の検出のばらつきが抑制されるため、IRセンサー29の第1検出温度Tirの検出精度の低下が抑制される。
本実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態のIRセンサー29は、連続紙Pに正対して配置されることに限られず、支持部材13上の連続紙Pに対して傾いた状態で配置されてもよい。
・上記実施形態のIRセンサー29は、噴射部14よりも搬送経路の上流側に配置されてもよいし、連続紙Pに対して支持部材13側に配置されてもよい。
・上記実施形態において、第2温度検出部として、熱電素子からなるノズルプレートサーミスタ24に代えて、赤外線等の他の温度検出方式のセンサーを用いてもよい。
・上記実施形態のトリガー判定領域RJTは、温度検出領域RDTの走査方向Xの中央位置から走査方向Xの両端へ噴射部14の走査方向Xの寸法分ずつ延ばした領域としたが、ヒーター27の赤外線が噴射部14に反射してIRセンサー29の温度の検出に影響が過度に大きくならない限り、走査方向Xの範囲を小さくしてもよい。
・上記実施形態において、温度検出領域RDTがトリガー判定領域RJTにおけるホームポジション寄り、又は反ホームポジション寄りに位置してもよい。
・上記実施形態の出力制御のステップS2において、噴射部14の全体がトリガー判定領域RJTに進入したか否かの判定に変更してもよい。
・上記実施形態の出力制御のステップS2において、噴射部14が温度検出領域RDTに進入したか否かの判定に変更してもよい。この場合、温度補正部37は、噴射部14が温度検出領域RDTに進入する直前にIRセンサー29が検出した第1検出温度Tirを取得する。この構成によれば、噴射部14がIRセンサー29の温度の検出に影響を与えた第1検出温度Tirではなく、かつ連続紙Pにおける液体噴射領域RILのヒーター27による温度変化が最も反映された温度を第1検出温度Tirとしてヒーター27を制御するため、ヒーター27の制御の精度の低下を抑制することができる。
・上記実施形態の出力制御のステップS3において、噴射部14がトリガー判定領域RJTに進入する直前の第1検出温度Tirに代えて、噴射部14がトリガー判定領域RJTに進入するときから、IRセンサー29の検出周期において数サイクル前の第1検出温度Tirを取得してもよい。
・上記実施形態の出力制御のステップS3において、噴射部14がトリガー判定領域RJTに進入する直前の第1検出温度Tirに代えて、メモリー36に記憶された代替温度を用いてもよい。この代替温度は、定数でもよいし、IRセンサー29の検出周期において数サイクルの第1検出温度Tirの平均値でもよい。
・上記実施形態の出力制御のステップS4において、ヒーター27の熱量DUTY値Hcと補正係数との関係を予め規定しておき、第1検出温度Tirに補正係数を乗算することにより補正温度Tmを演算してもよい。この補正係数は、ヒーター27の熱量DUTY値Hcが大きくなるにつれて小さくなる。
・上記実施形態の出力制御のステップS4において、補正値Tcを定数としてもよい。また補正値Tcは、媒体の種類のそれぞれに対して異なる定数としてもよい。
・上記実施形態の出力制御のステップS4において、補正値Tcを求める式(1)が媒体の種類に応じて係数z1〜z3の値を変更しているが、媒体の種類にかかわらず係数z1〜z3の各値を一定値として設定してもよい。
・上記実施形態の出力制御のステップS4において、上記式(1)の2次近似式に基づく補正値Tcの演算に代えて、ヒーター27の熱量DUTY値Hcと補正値Tcとの演算テーブルを予め用意し、その演算テーブルに基づいて補正値Tcを求めてもよい。
・上記実施形態の出力制御のステップS5において、基準目標温度Tgkから補正値Tdを減算することにより補正目標温度Tgcを演算することに代えて、ヒーター27の熱量DUTY値Hcと補正係数との関係を予め規定しておき、基準目標温度Tgkに補正係数を乗算することにより補正目標温度Tgcを演算してもよい。この補正係数は、ヒーター27の熱量DUTY値Hcが大きくなるにつれて小さくなる。
・上記実施形態の出力制御のステップS5において、補正値Tdを定数としてもよい。
・上記実施形態の出力制御のステップS5において、補正目標温度Tgcを定数としてもよい。この場合、上記式(3)及び式(4)による演算が省略される。
・上記実施形態の出力制御において、出力制御の割込周期をIRセンサー29の検出周期と同じ、又はIRセンサー29の検出周期よりも短くしてもよい。この構成によれば、補正温度Tmが液体噴射領域RILに位置する連続紙Pの目標温度に速やかに追従することができる。このため、ヒーター27の制御の精度が向上する。
・上記実施形態の加熱部15は、複数のヒーター27を備えてもよい。この場合、各ヒーター27を個別に制御してもよい。また例えば、補正温度Tmが次のように演算される。まず、温度補正部37は、各ヒーター27のDUTY値とワット数との乗算により各ヒーター27の熱量を演算し、各ヒーター27のDUTY値の最大値(100%)とワット数との乗算により各ヒーター27の総熱量を演算する。そして温度補正部37は、各ヒーター27の熱量の総和から各ヒーター27の総熱量の総和を除算することにより、複数のヒーター27の熱量DUTY値Hcを演算する。そして温度補正部37は、上記実施形態と同様に、複数のヒーター27の熱量DUTY値Hcを上記式(1)に代入することにより補正値Tcを演算し、上記式(2)に補正値Tcを代入することにより補正温度Tmを演算する。
・上記実施形態のカバー25は、金属製に限られず、赤外線を反射するコーティングがなされた樹脂製であってもよい。また、カバー25を省略してもよい。
・上記実施形態において、液体噴射装置11は、媒体に印刷することができるものであれば、ドットインパクトプリンターやレーザープリンターであってもよい。また、液体噴射装置11は、印刷機能だけを備えた構成に限定されず、複合機であってもよい。さらに、液体噴射装置11は、シリアルプリンターに限定されず、ラインプリンター又はページプリンターであってもよい。
・媒体は、連続紙Pに限定されず、単票紙、樹脂製のフィルム、金属箔、金属フィルム、樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートフィルム)、織物、不織布、セラミックシート等であってもよい。
・液体噴射ヘッド23から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射ヘッド23から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料などの固形物からなる粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体がインクである場合、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
11…液体噴射装置、14…噴射部、15…加熱部、29…温度検出部の一例であるIRセンサー、30…制御部の一例である制御装置、RIL…液体噴射領域、Tc…補正値、Tir…温度検出部の検出温度である第1検出温度、Tm…補正温度、P…媒体の一例である連続紙。

Claims (5)

  1. 媒体に液体を噴射する噴射部と、
    前記噴射部が前記媒体に対して前記液体を噴射可能な領域である液体噴射領域を赤外線により加熱する加熱部と、
    前記液体噴射領域内の赤外線に基づいて、前記液体噴射領域の温度を検出する温度検出部と、
    前記加熱部の出力に基づいて前記温度検出部の検出温度を補正し、補正された検出温度である補正温度に基づいて前記加熱部を制御する制御部と
    を備える
    液体噴射装置。
  2. 前記制御部は、前記加熱部の出力に応じた補正値を取得し、前記検出温度から前記補正値を減算することにより前記補正温度を演算することを特徴とする
    請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記補正値は、前記加熱部の出力が大きくなるにつれて大きくなることを特徴とする
    請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記制御部は、前記媒体の種類に応じて前記補正値を演算することを特徴とする
    請求項2又は3に記載の液体噴射装置。
  5. 前記温度検出部は、前記媒体に対して前記加熱部が配置される側に前記媒体と正対するように配置されていることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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