JP2016137151A - 密閉部材及び磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】密閉性能を向上させることができる密閉部材及び磁気共鳴イメージング装置を提供する。【解決手段】密閉部材は、磁気共鳴イメージング装置における傾斜磁場コイル及びボアチューブの間の空間を密閉するために適用される真空シール材であって、中心軸の方向である軸方向に交わる断面がリング状である空間を密閉するリング状の密閉部材である。密閉部材は、第1接合部103によりリング状に形成される第1リング部101と、前記空間の周方向において前記第1接合部103と異なる位置の第2接合部104によりリング状に形成され、前記第1リング部101と前記軸方向に並ぶように一体成形される第2リング部102とを有する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、密閉部材及び磁気共鳴イメージング装置に関する。
従来、騒音対策の1つとして、音の伝搬経路に真空領域を介在させることで、空気伝搬音を低減する静音化技術が知られている。例えば、磁気共鳴イメージング装置では、音の発生源である傾斜磁場コイルの周辺に真空領域を設けることで、被検体である患者の耳元へ伝わる音を低減する。
上記の静音化技術では、真空領域を設ける位置に密閉容器を配置し、密閉容器内の空気を真空ポンプで排出させることで、音の伝搬経路に真空領域を介在させる。例えば、磁気共鳴イメージング装置では、略円筒形状に形成される傾斜磁場コイルの周囲を真空領域で囲むために、略円筒形状の密閉容器が用いられる。このため、密閉容器を形成する密閉部材は、真空領域を設ける位置や形状に応じて、様々な形状のものが適用される。
本発明が解決しようとする課題は、密閉性能を向上させることができる密閉部材及び磁気共鳴イメージング装置を提供することである。
実施形態に係る密閉部材は、中心軸の方向である軸方向に交わる断面がリング状である空間を密閉するリング状の密閉部材であって、第1接合部によりリング状に形成される第1リング部と、前記空間の周方向において前記第1接合部と異なる位置の第2接合部によりリング状に形成され、前記第1リング部と前記軸方向に並ぶように一体成形される第2リング部とを有する。
以下、図面を参照して、実施形態に係る密閉部材及び磁気共鳴イメージング装置を説明する。
(実施形態)
以下、実施形態に係る密閉部材の一例である真空シール材100の構造について説明する。なお、以下に説明する真空シール材100の構造はあくまでも一例であり、他の態様については後述する。
以下、実施形態に係る密閉部材の一例である真空シール材100の構造について説明する。なお、以下に説明する真空シール材100の構造はあくまでも一例であり、他の態様については後述する。
図1は、実施形態に係る真空シール材100の構造の一例を示す斜視図である。図1には、真空シール材100の外観を例示する。
図1に示すように、真空シール材100は、リング状(環状)に形成される密閉部材である。真空シール材100は、例えば、重なった2つの円筒部材(円筒部材10,20)の間に配置され、それらの間の空間を密閉する(図4参照)。具体的には、真空シール材100は、円筒部材10及び円筒部材20の間に挿入されることで、真空シール材100、円筒部材10、及び円筒部材20により囲まれる空間(以下、密閉空間と表記する)を形成させる。言い換えると、円筒部材10及び円筒部材20の間の空間は、真空シール材100の中心軸の方向である軸方向に交わる断面がリング状であり、この断面の大きさと同程度の大きさの真空シール材100により塞がれることで、密閉空間が形成される。そして、密閉空間の空気を真空ポンプにより排出させることで、密閉空間が真空状態となる。なお、真空状態には、真空に近い低圧状態も含まれる。なお、中心軸とは、真空シール材100の環(リング)の中心を示す基準を指し、真空シール材100の構成に含まれる部材(物体)ではない。
例えば、真空シール材100は、押出成形された一本の成形物がリング状に接合されることで形成される。具体的には、真空シール材100は、密閉空間に近い側のリング部101と、密閉空間から遠い側のリング部102とを有する。
リング部101は、接合部103によりリング状に形成される。この接合部103は、例えば、押出成形された成形物をリング状にするために、接着剤により接合された部分である。
リング部102は、接合部104によりリング状に形成される。この接合部104は、接合部103と同様に、接着剤により接合された部分であり、周方向において接合部103と異なる位置にある。また、リング部102は、穴105,106,107,108,109を有する。この穴105,106,107,108,109については、後述する。
このように、真空シール材100は、軸方向に並ぶ2つのリング部101,102が一体成形された二重構造を有する。そして、これら2つのリング部101,102の周方向において、各接合部103,104は、異なる位置にある。
図2は、実施形態に係る真空シール材100の構造の一例を示す展開図である。図2には、真空シール材100を接合部103,104で切断して展開した状態を例示する。具体的には、接合部103は、断面103aと断面103bとに展開され、接合部104は、断面104aと断面104bとに展開される。言い換えると、リング部101は、断面103aと断面103bとを接合することでリング状に形成され、リング部102は、断面104aと断面104bとを接合することでリング状に形成される。なお、展開した真空シール材100の長軸方向は、真空シール材100の円周方向(周方向)に対応する。
図2に示すように、リング部101は、リング部101を長軸方向に貫通する空洞110を有する(リング部101に空洞110が形成される)。また、リング部102は、リング部102を長軸方向に貫通する空洞111を有する(リング部102に空洞111が形成される)。また、穴105,106,107,108,109のそれぞれは、リング部102を軸方向に貫通し、リング部101の空洞110に到達する穴である。なお、穴105,106,107,108,109のそれぞれは、丸穴に限らず、スリット形状の穴であってもよい。
図3は、実施形態に係る真空シール材100の構造の一例を示す断面図である。図3には、穴105の位置において、周方向に直交する面で真空シール材100を切断した断面図を例示する。なお、図3の下方向は、真空シール材100の内周方向(中心軸に近い方向)に対応し、図3の上方向は、真空シール材100の外周方向(中心軸から遠い方向)に対応する。
図3に示すように、リング部101及びリング部102のそれぞれは、内部にリング状の空洞(空洞110又は空洞111)を有する中空構造である。また、リング部101及びリング部102のそれぞれは、内周面が平面であり、外周面が曲面(外周方向に凸の曲面)である「D型」形状である。つまり、真空シール材100は、D型形状のリング部101及びリング部102が中心軸方向に並んだ「B型」形状である。
ここで、真空シール材100は、外周面に溝112を有する。この溝112は、D型形状のリング部101及びリング部102の間に形成される。また、真空シール材100は、厚み113を有する。
なお、図3では図示を省略したが、真空シール材100は、それぞれの気泡が独立して存在する独立気泡を有する発泡体である。これにより、真空シール材100は、密閉空間への空気の流入を防ぐ。この独立気泡の大きさは、表面(真空シール材100の外表面及び空洞表面)から離れた深い部分ほど大きくなり、表面に近い部分ほど小さくなる。そして、真空シール材100の表面には、ほとんど独立気泡が存在しないスキン層が形成される。
図4は、実施形態に係る真空シール材100の構造の一例を示す断面図である。図4には、真空シール材100が密閉空間を形成する場合の断面図を例示する。
図4に示すように、真空シール材100は、重なった2つの円筒部材10,20の間に配置される。具体的には、円筒部材10は、略円筒形状に形成される。また、円筒部材20は、略円筒形状に形成され、円筒部材10より小さい径を有し、円筒部材10の内側に配置される。
ここで、円筒部材10及び円筒部材20の間には、それらの径の大きさの違いにより、間隔5の空間が形成される。真空シール材100は、この空間を密閉するために、円筒部材10及び円筒部材20の間に配置される。具体的には、真空シール材100の厚み113は、間隔5の距離よりも大きく形成される。このため、真空シール材100は、押し潰された状態で円筒部材10及び円筒部材20の間に挿入される。なお、真空シール材100が円筒部材10及び円筒部材20の間に挿入される場合、密閉空間に近い側にリング部101が位置するように挿入される。
また、円筒部材20は、突起21を有する。このため、円筒部材10及び円筒部材20の間に挿入された真空シール材100は、突起21の位置で固定される。これにより、真空シール材100は、密閉空間を形成する。なお、図4において、密閉空間は、円筒部材10、円筒部材20、及び真空シール材100により囲まれ、突起21を含む空間である。
なお、図4では図示を省略したが、真空シール材100の表面には、真空用のシリコングリス(真空グリス)等が塗布された状態で、円筒部材10及び円筒部材20の間に挿入される。これにより、真空シール材100と、円筒部材10又は円筒部材20との接触面がある程度粗くても、真空シール材100は、密閉性能を発揮することができる。
図5は、実施形態に係る真空シール材100の構造の一例を示す断面図である。図5には、密閉空間が真空状態にされた場合の断面図を例示する。
図5に示すように、密閉空間が真空状態にされることにより、真空シール材100が密閉空間の方向(白抜き矢印の方向)に引っ張られ、部分的に変形する。通常、シール材は、変形すると、接触面に隙間を生じさせる場合がある。しかしながら、真空シール材100は、穴105,106,107,108,109から流入する大気により、真空シール材100の空洞110の表面に大気圧(約0.1MPa)がかかっているため、領域6,7の接触面に隙間が生じにくい。
上述してきたように、実施形態に係る真空シール材100は、軸方向に交わる断面がリング状である空間を密閉するリング状の密閉部材である。また、真空シール材100は、接合部103によりリング状に形成されるリング部101と、周方向において接合部103と異なる位置の接合部104によりリング状に形成され、リング部101と軸方向に並ぶように一体成形されるリング部102とを有する。このため、実施形態に係る真空シール材100は、密閉性能を向上させることができる。例えば、真空シール材100は、空気が漏れるリーク経路(リークパス)が形成されにくいので、密閉性能を向上させることができる。
ここで、リーク経路による空気漏れについて説明する。一般的に、リーク経路は、接着剤等により接合される接合部の付近に形成されやすい。これは、接合部が必ずしも精密に接合されないことに起因する。例えば、接合される端面同士にズレが生じた場合、接合部の周囲には段差が形成される。この段差は、他の部材(例えば、円筒部材10,20等)と密着しない部分となる。このように、密着しない部分によって密閉空間側と大気側とが繋がれてしまうと、その経路がリーク経路となり、大気(空気)が密閉空間内に流入してしまう。
また、真空グリスによって接合部の段差が埋められたとしても、密閉空間が真空状態にされることで真空グリスが密閉空間内に吸引されてしまい、リーク経路が形成されることがある。例えば、段差に埋められた真空グリスにも大気圧がかかっているため、密閉空間が真空状態にされると、真空グリスは大気圧により押され、密閉空間内に容易に吸引されてしまう。この結果、段差に埋められた真空グリスが枯渇することで、リーク経路が形成され、大気が密閉空間内に流入してしまう。
これに対して、実施形態に係る真空シール材100は、2つのリング部101,102により二重に形成され、各接合部103,104が周方向の異なる位置にある。このため、接合部が精密に接合されず、各接合部103,104の周囲に段差が形成されたとしても、段差によって密閉空間側と大気側とが繋がれない。具体的には、リング部101の接合部103は、大気側とは繋がっておらず、リング部102の接合部104は、密閉空間側とは繋がっていない。これにより、この段差に埋められた真空グリスは、大気圧によって押されても密閉空間内に容易に吸引されない。このため、真空シール材100は、リーク経路が形成されにくいので、密閉性能を向上させることができる。
また、例えば、真空シール材100は、リング部101及びリング部102の間の外周面に溝112を有する。この溝112には、真空シール材100が円筒部材10及び円筒部材20の間に挿入された際に、真空シール材100に塗布された真空グリスが溜まる。このため、真空シール材100は、真空グリスが枯渇するリスクを低減するので、リーク経路の形成を抑制することができる。
また、例えば、真空シール材100において、溝112は、突起21の反対側の面(リング部101及びリング部102の間の面)にある。これは、リーク経路が、突起21の反対側の面に形成されやすいからである。このため、真空シール材100は、リーク経路が形成されやすい位置に溝112を有するので、効果的にリーク経路の形成を抑制することができる。
(真空シール材100の製造方法)
図6A及び図6Bは、実施形態に係る真空シール材100の製造方法の一例について説明するための図である。
図6A及び図6Bは、実施形態に係る真空シール材100の製造方法の一例について説明するための図である。
図6Aに示すように、例えば、真空シール材100は、まず、一本の成形物30として押出成形される。この成形物30は、成形物30を長軸方向に貫通する2つの空洞31,32を有する。なお、図6Aでは説明を省略するが、成形物30は、長軸方向に交わる断面がB型形状であり、溝(溝112に対応する)を有する(図3参照)。
そして、成形物30は、矢印33,34に示す位置及び方向で切断される。この各矢印33,34は、成形物30を長軸方向の異なる位置において、同一方向に切断することを示す。具体的には、成形物30は、まず、空洞32を含む部分が、長軸方向に交わる断面で切断される。次に、成形物30は、空洞31,32の間が長軸方向に切断される(範囲35,36に対応)。そして、成形物30は、空洞31を含む部分が、長軸方向に交わる断面で切断される。これにより、成形物30は、図6Bに示すように、真空シール材100の形状に切り出される。
そして、図6Bに示すように、真空シール材100は、図示の矢印の位置及び方向に、空洞31に到達する穴が開けられる。この結果、真空シール材100は、図2に示した構造に形成される。すなわち、空洞31は、空洞110に対応し、空洞32は、空洞111に対応する。そして、上述したように、断面103aと断面103bとが接合されることで、リング部101が形成され、断面104aと断面104bとが接合されることで、リング部102が形成される(図1,2参照)。なお、範囲35の面及び範囲36の面は、リング状に形成される場合に互いに接触する部分であるが、この部分は接着剤で接合されず、真空グリスが塗布されることで互いに密着される。
このように、真空シール材100は、周方向において各接合部103,104が異なる位置にあるリング状に形成される。
なお、リング部101及びリング部102が一体形成される部分の長さ、及び、分離している部分の長さ(範囲35,36の長さ)は、任意に変更されてよい。ただし、一体形成される部分は、分離している部分と比較してリーク経路が形成されにくいため、一体形成される部分が長い方が好ましい。
また、ここでは、範囲35,36が互いに接触する部分が接着剤で接合されない場合を説明したが、この部分は接着剤により接合されてもよい。ただし、接合する場合、当該部分に段差が生じるとリーク経路の形成につながるため、精密に接合することが好ましい。
(他の断面形状)
上述した真空シール材100の断面形状はあくまでも一例であり、真空シール材100は、他の断面形状を有していてもよい。そこで、以下では、真空シール材100の他の断面形状について説明する。
上述した真空シール材100の断面形状はあくまでも一例であり、真空シール材100は、他の断面形状を有していてもよい。そこで、以下では、真空シール材100の他の断面形状について説明する。
図7A〜図7Fは、実施形態に係る真空シール材100の他の断面形状の一例を示す断面図である。図7A〜図7Fには、穴105の位置において、周方向に交わる面で真空シール材100を切断した断面図を例示する。なお、図7A〜図7Fにおいて、下方向は、真空シール材100の内周方向(中心軸に近い方向)に対応し、上方向は、真空シール材100の外周方向(中心軸から遠い方向)に対応する。
図7Aに示す例では、真空シール材100は、2つのリング部101,102のそれぞれが、異なる厚みを有する。すなわち、真空シール材100は、必ずしも2つのリング部101,102のそれぞれが同一の大きさを有していなくても、密閉性能を向上させることができる。ただし、溝112に真空グリスを溜めておくためには、2つのリング部101,102のそれぞれが同程度の反発力で他の部材に密着していることが好ましい。このため、真空シール材100は、図3に示すように、2つのリング部101,102のそれぞれが同一の大きさを有するのが好ましい。
図7B及び図7Cに示す例では、真空シール材100は、2つのリング部101,102のそれぞれが、異なる断面形状に形成される。具体的には、図7Bにおいて、リング部101は、D型に形成され、リング部102は、中空の四角形に形成される。また、図7Cにおいて、リング部101は、D型に形成され、リング部102は、中空の三角形に形成される。すなわち、真空シール材100は、必ずしも2つのリング部101,102のそれぞれが同一の断面形状を有していなくても、密閉性能を向上させることができる。ただし、突起21を有する円筒部材20に真空シール材100を密着させるためには、少なくともリング部101がD型形状であることが好ましい。
図7Dに示す例では、真空シール材100は、リング部102が軸方向の空洞111を有しない。また、図示しないが、真空シール材100は、リング部101が空洞110を有していなくてもよい。すなわち、真空シール材100は、必ずしも2つのリング部101,102のそれぞれが空洞を有していなくても、密閉性能を向上させることができる。ただし、密閉空間を真空状態にした場合における領域6,7の接触面の密着性を高めるためには、真空シール材100は、少なくとも空洞110を有していることが好ましい(図5参照)。なお、真空シール材100が空洞110を有する場合には、空洞110に大気を流入されるために、穴105を有することが好ましい。
図7Eに示す例では、真空シール材100は、軸方向におけるリング部102の幅がリング部101の幅と異なり、リング部101の幅よりも狭い。すなわち、真空シール材100は、軸方向におけるリング部101,102のそれぞれの幅が異なっていても、密閉性能を向上させることができる。ただし、リング部102は、溝112に真空グリスを溜めておくために十分な幅を有することが好ましい。
図7Fに示す例では、真空シール材100は、2つのリング部101,102のそれぞれが、丸型の断面形状に形成される。すなわち、真空シール材100は、2つのリング部101,102のそれぞれが、必ずしもD型形状でなくても、密閉性能を向上させることができる。
なお、図7A〜図7Fに示した断面形状も一例に過ぎず、他の態様にて実現されてもよい。例えば、真空シール材100は、必ずしも溝112を有していなくてもよい。この場合においても、真空シール材100は、各接合部103,104が異なる位置にあることで、各接合部103,104における密閉性能を向上させることができる。
また、ここでは、溝112が外周面側にある場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、溝112は、内周面側にあってもよいし、外周面及び内周面の双方にあってもよい(図7F参照)。すなわち、真空シール材100は、リング部101及びリング部102の間であって、外周面及び内周面の少なくとも一方に溝を有していればよい。ただし、上述したように、リーク経路は突起21の反対側の面に形成されやすい。このため、突起21が内周面側にある場合には、溝112は、真空シール材100の外周面にあるのが好ましい。また、突起21が外周面側にある場合には、溝112は、真空シール材100の内周面にあるのが好ましい。
(磁気共鳴イメージング装置での適用例)
上述した真空シール材100は、例えば、磁気共鳴イメージング装置に適用される。真空シール材100は、磁気共鳴イメージング装置に適用されることで、後述する傾斜磁場コイルの振動による騒音を低減することができる。なお、以下では、磁気共鳴イメージング装置をMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置と称する。
上述した真空シール材100は、例えば、磁気共鳴イメージング装置に適用される。真空シール材100は、磁気共鳴イメージング装置に適用されることで、後述する傾斜磁場コイルの振動による騒音を低減することができる。なお、以下では、磁気共鳴イメージング装置をMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置と称する。
図8及び図9を用いて、磁気共鳴イメージング装置での適用例を説明する。まず、図8を用いて、MRI装置200による撮像に関連する構成について説明する。次に、図9を用いて、MRI装置200の各部と真空シール材100との関連について説明する。なお、図9において、傾斜磁場コイル203は、図4の円筒部材10に対応し、ボアチューブ242は、図4の円筒部材20に対応する。
図8は、実施形態に係る真空シール材100が適用されるMRI装置200の構成例を示すブロック図である。図8に示すように、MRI装置200は、静磁場磁石201と、静磁場電源202と、傾斜磁場コイル203と、傾斜磁場電源204と、寝台205と、寝台制御部206と、WB(Whole Body)コイル207と、送信部208と、受信コイル209と、受信部210と、シーケンス制御部220と、計算機230とを備える。なお、MRI装置200に、被検体P(例えば、人体)は含まれない。また、図8に示す構成は一例に過ぎない。
静磁場磁石201は、中空の略円筒形状に形成された磁石であり、内部の空間に静磁場を発生する。静磁場磁石201は、例えば、超伝導磁石等であり、静磁場電源202から電流の供給を受けて励磁する。静磁場電源202は、静磁場磁石201に電流を供給する。なお、静磁場磁石201は、永久磁石でもよく、この場合、MRI装置200は、静磁場電源202を備えなくてもよい。また、静磁場電源202は、MRI装置200とは別に備えられてもよい。また、略円筒形状には、真円の円筒形状のみならず、MRI装置200の機能を大きく損なわない範囲で歪んだ楕円の円筒形状も含まれる。
傾斜磁場コイル203は、中空の略円筒形状に形成されたコイル構造体であり、静磁場磁石201の内側に配置される。傾斜磁場コイル203は、互いに直交するx、y、及びzの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成されており、これら3つのコイルは、傾斜磁場電源204から個別に電流の供給を受けて、x、y、及びzの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生する。傾斜磁場コイル203によって発生するx、y、及びzの各軸の傾斜磁場は、例えば、スライスエンコード傾斜磁場GSE(若しくはスライス選択傾斜磁場GSS)、位相エンコード傾斜磁場GPE、及び周波数エンコード傾斜磁場GROである。傾斜磁場コイル203は、例えば、これら3つのコイルがエポキシ樹脂等で含浸されて形成される。傾斜磁場電源204は、傾斜磁場コイル203に電流を供給する。
寝台205は、被検体Pが載置される天板205aを備え、寝台制御部206による制御の下、天板205aを、被検体Pが載置された状態で、傾斜磁場コイル203の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、寝台205は、長手方向が静磁場磁石201の中心軸と平行になるように設置される。寝台制御部206は、計算機230による制御の下、寝台205を駆動して天板205aを長手方向及び上下方向へ移動する。
WBコイル207は、傾斜磁場コイル203の内側に配置され、送信部208からRFパルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。また、WBコイル207は、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられる磁気共鳴信号(以下、適宜「MR(Magnetic Resonance)信号」)を受信し、受信したMR信号を受信部210に出力する。
送信部208は、対象とする原子の種類及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルスをWBコイル207に供給する。
受信コイル209は、傾斜磁場コイル203の内側に配置され、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられるMR信号を受信する。受信コイル209は、MR信号を受信すると、受信したMR信号を受信部210へ出力する。
なお、上述したWBコイル207及び受信コイル209は一例に過ぎない。例えば、受信コイル209は、必ずしも備えられていなくても良い。また、WBコイル207及び受信コイル209は、送信機能のみを備えたコイル、受信機能のみを備えたコイル、及び送受信機能を備えたコイルのうち、1つ若しくは複数を組み合わせることによって構成されれば良い。
受信部210は、受信コイル209から出力されるMR信号を検出し、検出したMR信号に基づいてMRデータを生成する。具体的には、受信部210は、受信コイル209から出力されるMR信号をデジタル変換することによってMRデータを生成する。また、受信部210は、生成したMRデータをシーケンス制御部220へ送信する。
シーケンス制御部220は、計算機230から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源204、送信部208及び受信部210を駆動することによって、被検体Pの撮像を行う。ここで、シーケンス情報は、撮像を行うための手順を定義した情報である。シーケンス情報には、傾斜磁場コイル203に供給する電流の強さや電流を供給するタイミング、送信部208がWBコイル207に供給するRFパルスの強さやRFパルスを印加するタイミング、受信部210がMR信号を検出するタイミング等が定義される。例えば、シーケンス制御部220は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
また、シーケンス制御部220は、傾斜磁場電源204、送信部208及び受信部210を制御して被検体Pを撮像した結果、受信部210からMR信号データを受信すると、受信したMR信号データを計算機230へ転送する。
計算機230は、MRI装置200の全体制御や、MR画像の生成等を行う。例えば、計算機230は、操作者から入力される撮像条件に基づいてシーケンス制御部220に撮像シーケンスを実行させる。また、計算機230は、シーケンス制御部220から送信されたMR信号データに基づいて画像を再構成する。計算機230は、再構成された画像を記憶部に格納したり、表示部に表示したりする。なお、計算機230は、例えば、コンピュータ等の情報処理装置である。
図9は、実施形態に係る真空シール材100が適用されるMRI装置200の架台の内部構造を説明するための図である。図9には、静磁場磁石201の中心軸を通るyz平面における断面図を例示する。なお、図9において、傾斜磁場コイル203は、図4の円筒部材10に対応し、ボアチューブ242は、図4の円筒部材20に対応する。また、ボアチューブ242は、突起を有する。
図9に示すように、架台は、例えば、被検体Pが置かれる略円筒形状の空間(ボア)を有し、架台カバー240により囲まれた構造である。架台の内部には、略円筒形状の静磁場磁石201及び傾斜磁場コイル203が設置される。ここで、傾斜磁場コイル203は、静磁場磁石201の内部の空間において、コイル支持部241a,241bにより支持される。コイル支持部241a,241bは、防振材によって形成される。なお、コイル支持部241a,241bとしては、傾斜磁場コイル203の振動を低減しつつその重量を支えるために、例えば、ゴム又は発泡弾性体等の防振材によって形成される。
また、傾斜磁場コイル203の内部の空間には、被検体Pが置かれる空間(ボア)を形成するボアチューブ242が配置される。このボアチューブ242は、強度を確保するために、ガラス繊維と、エポキシ樹脂又はポリエステル樹脂とを用いたフィラメントワインディング成形(FW成形)によって略円筒形状に形成される。また、ボアチューブ242には、WBコイル207が設置される。
また、ボアには、天板205aが移動する寝台レール243が設置される。寝台レール243は、寝台レール支持部244により静磁場磁石201から支持される。また、ボアチューブ242は、ボアチューブ支持部245により静磁場磁石201から支持される。
ここで、実施形態に係る真空シール材100は、例えば、傾斜磁場コイル203及びボアチューブ242の間の空間を密閉するために適用される。具体的には、傾斜磁場コイル203及びボアチューブ242の両端面において、2つの真空シール材100a、100bがそれぞれ挿入される。
このように、真空シール材100a、100bは、傾斜磁場コイル203及びボアチューブ242の間に形成される円筒形状の空間を密閉する。そして、この空間(密閉空間)の空気を真空ポンプにより排出させることで、密閉空間が真空状態となる。これにより、傾斜磁場コイル203とボアとの間に真空領域が形成されるので、真空シール材100は、被検体Pの耳元へ伝わる傾斜磁場コイル203の音を低減することができる。
なお、傾斜磁場コイル203の振動による騒音は、真空シール材100a,100b自体を媒体として伝わる固体伝搬音としても被検体Pの耳元へ伝わる。この固体伝搬音を低減するためには、真空シール材100a,100bと傾斜磁場コイル203との接触面積を減らすことが好ましい。このため、固体伝搬音を低減するためには、MRI装置200には、例えば、図7Cや図7Eに例示の断面形状の真空シール材100が適用されるのが好ましい。
また、ここでは、真空シール材100がMRI装置200に適用される場合を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、真空シール材100は、重なった2つの円筒部材(円筒部材10,20)の間に配置され、それらの間の空間を密閉する場合には、種々の態様にて適用可能である。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、密閉性能を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 真空シール材
101 リング部
102 リング部
101 リング部
102 リング部
Claims (10)
- 中心軸の方向である軸方向に交わる断面がリング状である空間を密閉するリング状の密閉部材であって、
第1接合部によりリング状に形成される第1リング部と、
前記空間の周方向において前記第1接合部と異なる位置の第2接合部によりリング状に形成され、前記第1リング部と前記軸方向に並ぶように一体成形される第2リング部と
を有する、密閉部材。 - 前記第1リング部と前記第2リング部との間であって、前記中心軸に対する前記密閉部材の外周面及び内周面の少なくとも一方に溝を有する、請求項1に記載の密閉部材。
- 前記溝は、前記空間の内周面側に突起がある場合に、外周面にある、請求項2に記載の密閉部材。
- 前記溝は、前記空間の外周面側に突起がある場合に、内周面にある、請求項2に記載の密閉部材。
- 前記第1リング部は、内部にリング状の空洞を有する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の密閉部材。
- 前記第2リング部を前記軸方向に貫通し、前記第1リング部の空洞に到達する穴を更に有する、請求項5に記載の密閉部材。
- 前記第2リング部は、内部にリング状の空洞を有する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の密閉部材。
- 前記第1リング部は、周方向に交わる断面が、外周方向に凸のD型形状である、請求項1〜7のいずれか一つに記載の密閉部材。
- 前記第2リング部は、周方向に交わる断面が、外周方向に凸のD型形状である、請求項1〜8のいずれか一つに記載の密閉部材。
- 略円筒形状に形成された静磁場磁石と、
前記静磁場磁石の内側に略円筒形状に形成された傾斜磁場コイルと、
前記傾斜磁場コイルの内側に略円筒形状に形成された円筒部と、
前記傾斜磁場コイルと前記円筒部との間の第1空間、及び、前記傾斜磁場コイルと前記静磁場磁石との間の第2空間のうち少なくとも一方の空間を密閉するリング状の密閉部材であって、第1接合部によりリング状に形成される第1リング部と、前記空間の周方向において前記第1接合部と異なる位置の第2接合部によりリング状に形成され、前記第1リング部と軸方向に並ぶように一体成形される第2リング部とを有する密閉部材と
を備える、磁気共鳴イメージング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015014733A JP2016137151A (ja) | 2015-01-28 | 2015-01-28 | 密閉部材及び磁気共鳴イメージング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015014733A JP2016137151A (ja) | 2015-01-28 | 2015-01-28 | 密閉部材及び磁気共鳴イメージング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016137151A true JP2016137151A (ja) | 2016-08-04 |
Family
ID=56559547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015014733A Pending JP2016137151A (ja) | 2015-01-28 | 2015-01-28 | 密閉部材及び磁気共鳴イメージング装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2016137151A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019177047A1 (ja) * | 2018-03-15 | 2019-09-19 | シンフォニアテクノロジー株式会社 | 密閉設備 |
-
2015
- 2015-01-28 JP JP2015014733A patent/JP2016137151A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019177047A1 (ja) * | 2018-03-15 | 2019-09-19 | シンフォニアテクノロジー株式会社 | 密閉設備 |
JP2019158074A (ja) * | 2018-03-15 | 2019-09-19 | シンフォニアテクノロジー株式会社 | 密閉設備 |
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