JP2016135850A - ポリウレタン樹脂、オーバーコート用組成物およびポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン樹脂、オーバーコート用組成物およびポリウレタン樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐環境性、擦傷性に優れ、硬化時の反りも少ない金属ナノワイヤ用の保護膜用樹脂。【解決手段】カルボキシル基を含むポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p1)のアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、および(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した特定のシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)の少なくとも一方と、ポリイソシアネート化合物(Q)との反応生成物であるポリウレタン樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂及びそれを用いたオーバーコート樹脂に関する。より具体的には、本発明は、金属インク、特に金属ナノワイヤインクを焼成した導電パターンの保護膜に適したポリウレタン樹脂に関する。
透明導電膜は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス型ディスプレイ、太陽電池(PV)およびタッチパネル(TP)の透明電極、帯電防止(ESD)フィルムならびに電磁波遮蔽(EMI)フィルム等の種々の分野で使用されている。これらの透明導電膜としては、従来、ITO(酸化インジウム錫)を用いたものが使われてきたが、インジウムの供給安定性が低い、製造コストが高い、柔軟性に欠ける、および成膜時に高温が必要であるという問題があった。そのため、ITOに代わる透明導電膜の探索が活発に進められている。それらの中でも、金属ナノワイヤを含有する透明導電膜は、導電性、光学特性、および柔軟性に優れること、ウェットプロセスで成膜が可能であること、製造コストが低いこと、成膜時に高温を必要としないことなどから、ITO代替透明導電膜として最適である。たとえば、銀ナノワイヤを含み、高い導電性、光学特性、柔軟性を有する透明導電膜が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、銀ナノワイヤを含有する透明導電膜は、銀重量当たりの表面積が大きく、種々の化合物と反応し易いために環境耐性に欠けるという問題があり、工程中に使用される種々の薬剤や洗浄液の影響や、長期保管によってさらされる空気中の酸素や水分の影響等により、ナノ構造体が容易に腐食し、導電性が低下しやすい。また、特に電子材料などの用途では、基板の表面への微粒子状の不純物やちりやホコリなどの付着や混入を防ぐために、ブラシ等を用いた物理的洗浄工程が用いられる場合が多いが、この工程によっても表面が傷つけられることに問題になる。
これを解決するため、銀ナノワイヤを含む透明導電膜の表面に保護膜を積層し、該透明導電膜に環境耐性および耐擦傷性を付与する試みが多く行われている。銀ナノワイヤを含有する透明導電膜に使用される保護膜としては、これまでに、ウレタン樹脂等を用いた透明導電膜用の保護膜、ポリエステルポリアミド酸とエポキシ樹脂を含む各種光学材料用の保護膜、無機ケイ素酸化物を用いた保護膜等が知られている(特許文献1〜5参照)。
特表2010−507199号公報 特開2008−156546号公報 特開2009−205924号公報 特開2011−204649号公報 特開2011−102003号公報
従来の銀ナノワイヤを含有する透明導電膜に使用される保護膜は、耐環境性、擦傷性、硬化時の反り抑制といった特性を全て満たすようなものではなく、さらなる改良が求められている。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐環境性、擦傷性に優れ、硬化時の反りも少ない金属ナノワイヤ用の保護膜用樹脂の提供にある。
本発明のある態様は、ポリウレタン樹脂である。当該ポリウレタン樹脂は、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した下記式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)およびカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した下記式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)の少なくとも一方と、ポリイソシアネート化合物(Q)との反応生成物(ウレタン)であることを特徴とする。
上式(p1)中、nは1〜50の整数、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基である。
上式(p2)中、nは1〜10の整数、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子を含めた炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団である。
上記態様のポリウレタン樹脂において、前記カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)が(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物の反応生成物に基づくポリウレタン骨格であってもよい。前記(a1)ポリイソシアネート化合物はイソシアナト基(−NCO基)中の炭素原子以外の炭素原子の数が6〜30である脂環式化合物であってもよい。前記(a2)ポリオール化合物がポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンポリオールであってもよい。前記(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物が、ヒドロキシ基、炭素原子数が1または2のヒドロキシアルキル基から選択されるいずれかを2つ有する分子量が200以下のカルボン酸またはアミノカルボン酸であることが好適である。2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニンからなる群の1種または2種以上であってもよい。
上式(p1)中、nは1〜10の整数、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基、あるいはR、Rの少なくとも一方が水素原子でありかつ他方が炭素原子数が1〜10のアルキル基、またはフェニル基のものが好適である。また、式(p2)中、nは1〜3の整数、Aは炭素原子数が6〜12の脂環構造であるものが好適である。
ポリイソシアネート化合物(Q)は、脂肪族イソシアネート化合物またはそれより誘導されたブロックイソシアネートであってもよい。また、ポリイソシアネート化合物(Q)は、カプロラクタム、ケトオキシム、フェノール、2級アミンからなる群より選ばれる活性水素を持つ化合物でブロックされているものであってもよい。
本発明の他の態様はオーバーコート用組成物である。当該オーバーコート用組成物は、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した下記式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、およびカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した下記式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、の少なくとも一方と、ポリイソシアネート化合物(Q)と、溶媒と、を含む。
上式(p1)中、nは1〜50の整数、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基である。
上式(p2)中、nは1〜10の整数、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子を含めた炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団である。
本発明のさらに他の態様はポリウレタン樹脂の製造方法である。当該ポリウレタン樹脂の製造方法は、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)を有するポリウレタン樹脂に含まれるカルボキシル基と式(x1)で表されるアルケンオキサイドおよび式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドの少なくとも一方とを反応させる工程と、上記工程で得られたヒドロキシ基含有樹脂(P)にポリイソシアネート化合物(Q)を反応させる工程と、を備えることを特徴とする。
式(x1)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基を表す。
(式(x2)中、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子を含めた炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団を表す。)
前記式(x1)で表されるアルケンオキサイドがエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはスチレンオキサイドであってもよい。前記式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドがシクロヘキセンオキサイドであってもよい。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、耐環境性、擦傷性に優れ、硬化時の反りも少ない金属ナノワイヤ用の保護膜用樹脂が提供される。
合成例5に係る樹脂組成物のH−NMRスペクトルである。 実施例5に係る樹脂組成物のIRスペクトルである。 反り試験の方法を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態に係るポリウレタン樹脂は、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した下記式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、およびカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した下記式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)の少なくとも一方と、ポリイソシアネート化合物(Q)との反応生成物であることを特徴とする。上記ポリウレタン樹脂の酸価は0〜60が好適である。
式(p1)中、nは1〜50の整数であり、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜10である。nが50より大きくなると、親水性が高くなり吸湿率が大きくなるために絶縁信頼性が低くなる。R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基であり、入手のし易さを考慮すると好ましくはR、Rは、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基、あるいはR、Rの少なくとも一方が水素原子でありかつ他方が炭素原子数が1〜10のアルキル基、またはフェニル基である。
式(p2)中、nは1〜10の整数であり、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3である。Aは当該Aが結合する2つの炭素原子を含めた炭素原子数が4〜14、好ましくは6〜12の脂環式炭化水素基を形成する原子団である。
<ヒドロキシ含有樹脂(P)を構成する、カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)>
カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)の数平均分子量は、1,000〜100,000であることが好ましく、3,000〜50,000であると更に好ましい。ここで、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと表記)で測定したポリスチレン換算の値である。分子量が1,000未満では、印刷後の塗膜の伸度、可撓性、並びに強度を損なうことがあり、100,000を超えると溶媒へのポリウレタンの溶解性が低くなる上に、溶解しても粘度が高くなりすぎるために、使用面で制約が大きくなることがある。
本明細書においては、特に断りのない限り、GPCの測定条件は以下のとおりである。
装置名 :日本分光株式会社製HPLCユニット HSS−2000
カラム :ShodexカラムLF−804
移動相 :テトラヒドロフラン
流速 :1.0mL/min
検出器 :日本分光株式会社製 RI−2031Plus
温度 :40.0℃
試料量 :サンプルループ 100μリットル
試料濃度:約0.1質量%に調製
カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)の酸価は10〜140mgKOH/gであることが好ましく、15〜130mgKOH/gであると更に好ましい。酸価が10mgKOH/g未満では、後述する脂肪族オキサイドとの反応点が少なく脂肪族オキサイドを付加する効果が乏しい。140mgKOH/gを超えるとカルボキシル基を含有するウレタン樹脂としての溶媒への溶解性が低く、また溶解したとしても粘度が高くなりすぎ、ハンドリングが難しい。
また、本明細書において、樹脂の酸価は以下の方法により測定した値である。
100ml三角フラスコに試料約0.2gを精密天秤にて精秤し、これにエタノール/トルエン=1/2(質量比)の混合溶媒10mlを加えて溶解する。更に、この容器に指示薬としてフェノールフタレインエタノール溶液を1〜3滴添加し、試料が均一になるまで十分に攪拌する。これを、0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを、中和の終点とする。その結果から下記の計算式を用いて得た値を、樹脂の酸価とする。
酸価(mgKOH/g)=〔B×f×5.611〕/S
B:0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液の使用量(ml)
f:0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液のファクター
S:試料の採取量(g)
カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)は、より具体的には、(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物をモノマーとして用いて合成される、すなわち(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物との反応生成物に基づく骨格を有する。換言すると、(a1)ポリイソシアネート化合物と(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物との反応生成(ウレタン結合)単位と、(a2)ポリオール化合物と(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物との反応生成(ウレタン結合)単位とを有するポリウレタン樹脂の骨格である。以下、各モノマーについてより詳細に説明する。
(a1)ポリイソシアネート化合物
(a1)ポリイソシアネート化合物としては、通常、1分子当たりのイソシアナト基が2個であるジイソシアネートが用いられる。ポリイソシアネート化合物としては、たとえば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)がゲル化をしない範囲で、トリフェニルメタントリイソシアネートのような、イソシアナト基を3個以上有するポリイソシアネートも少量使用することができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2'−ジエチルエーテルジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、3−イソシアネートメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDI、イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン(水添MDI)、水素化(1,3−または1,4−)キシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、たとえば、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、(1,2,1,3,または1,4)−キシレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、3,3'−メチレンジトリレン−4,4'−ジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネートは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(a1)ポリイソシアネート化合物として、イソシアナト基(−NCO基)中の炭素原子以外の炭素原子の数が6〜30である脂環式化合物を用いることにより、後述の実施の形態に係るポリウレタン樹脂から形成される保護膜は、特に高温高湿時の信頼性に高く、電子機器部品の部材に向いている。
上記脂環式化合物は、(a1)ポリイソシアネート化合物の中に、(a1)ポリイソシアネート化合物の総量(100mol%)に対して、10mol%以上、好ましくは20mol%、さらに好ましくは30mol%以上含まれることが望ましい。
上記脂環式化合物としては、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
(a2)ポリオール化合物
(a2)ポリオール化合物(ただし、(a2)ポリオール化合物には、後述するカルボキシル基を有する(a3)ジヒドロキシ化合物は含まれない。)の数平均分子量は通常250〜50,000であり、好ましくは400〜10,000、より好ましくは500〜5,000である。この分子量は前述した条件でGPCにより測定したポリスチレン換算の値である。
(a2)ポリオール化合物は、たとえば、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、両末端水酸基化ポリシリコーン、および水酸基のみに酸素原子を含み炭素原子数が18〜72であるポリオール化合物である。これらの中でも保護膜としての耐水性、絶縁信頼性、基材との密着性のバランスを考慮するとポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオールが好ましい。
上記ポリカーボネートポリオールは、炭素原子数3〜18のジオールを原料として、炭酸エステルまたはホスゲンと反応させることにより得ることができ、たとえば、以下の構造式(1)で表される。
式(1)において、Rは対応するジオール(HO−R−OH)から水酸基を除いた残基であり、nは正の整数、好ましくは2〜50である。
式(1)で表されるポリカーボネートポリオールは、具体的には、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコールまたは1,2−テトラデカンジオールなどを原料として用いることにより製造できる。
上記ポリカーボネートポリオールは、その骨格中に複数種のアルキレン基を有するポリカーボネートポリオール(共重合ポリカーボネートポリオール)であってもよい。共重合ポリカーボネートポリオールの使用は、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)の結晶化防止の観点から有利な場合が多い。また、溶媒への溶解性を考慮すると、分岐骨格を有し、分岐鎖の末端に水酸基を有するポリカーボネートポリオールが併用されることが好ましい。
上記ポリエーテルポリオールは、炭素原子数2〜12のジオールを脱水縮合、または炭素原子数2〜12のオキシラン化合物、オキセタン化合物、もしくはテトラヒドロフラン化合物を開環重合して得られたものであり、たとえば以下の構造式(2)で表される。
式(2)において、Rは対応するジオール(HO−R−OH)から水酸基を除いた残基であり、nは正の整数、好ましくは4〜50である。上記炭素原子数2〜12のジオールは一種を単独で用いて単独重合体とすることもできるし、2種以上を併用することにより共重合体とすることもできる。
上記式(2)で表されるポリエーテルポリオールとしては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ−1,2−ブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(ポリ1,4−ブタンジオール)、ポリ−3−メチルテトラメチレングリコール、ポリネオペンチルグリコール等のポリアルキレングリコールが挙げられる。また、(ポリエーテルポリオール)の相溶性、(ポリエーテルポリオール)の疎水性を向上させる目的で、これらの共重合体、たとえば1,4−ブタンジオール−ネオペンチルグリコール等も用いることができる。
上記ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸及びジオールを脱水縮合またはジカルボン酸の低級アルコールのエステル化物とジオールとのエステル交換反応をして得られるものであり、たとえば以下の構造式(3)で表される。
式(3)において、Rは対応するジオール(HO−R−OH)から水酸基を除いた残基であり、Rは対応するジカルボン酸(HOCO−R−COOH)から2つのカルボキシル基を除いた残基であり、nは正の整数、好ましくは2〜50である。
上記ジオール(HO−R−OH)としては、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコールまたは1,2−テトラデカンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、3−キシリレングリコール、1,4−キシリレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
上記ジカルボン酸(HOCO−R−COOH)としては、具体的には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ブラシル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。
上記ポリラクトンポリオールは、ラクトンの開環重合物とジオールとの縮合反応、またはジオールとヒドロキシアルカン酸との縮合反応により得られるものであり、たとえば以下の構造式(4)で表される。
式(4)において、Rは対応するヒドロキシアルカン酸(HO−R−COOH)から水酸基およびカルボキシル基を除いた残基であり、Rは対応するジオール(HO−R−OH)から水酸基を除いた残基であり、nは正の整数、好ましくは2〜50である。
上記ヒドロキシアルカン酸(HO−R−COOH)としては、具体的には、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシペンタン酸、5−ヒドロキシヘキサン酸等が挙げられる。
上記ポリブタジエンポリオールは、たとえば、ブタジエンやイソプレンをアニオン重合により重合し、末端処理により両末端に水酸基を導入して得られるジオール、及びそれらの二重結合を水素還元して得られるジオールである。
ポリブタジエンポリオールとしては、具体的には、1,4−繰り返し単位を主に有する水酸基化ポリブタジエン(たとえば、Poly bd R−45HT、Poly bd R−15HT(出光興産株式会社製))、水酸基化水素化ポリブタジエン(たとえば、ポリテール(登録商標)H、ポリテール(登録商標)HA(三菱化学株式会社製))、1,2−繰り返し単位を主に有する水酸基化ポリブタジエン(たとえば、G−1000、G−2000,G−3000(日本曹達株式会社製))、水酸基化水素化ポリブタジエン(たとえば、GI−1000、GI−2000、GI−3000(日本曹達株式会社製))、水酸基化ポリイソプレン(たとえば、Poly IP(出光興産株式会社製))、水酸基化水素化ポリイソプレン(たとえば、エポール(登録商標、出光興産株式会社製))が挙げられる。
上記両末端水酸基化ポリシリコーンは、たとえば以下の構造式(5)で表される。
式(5)において、Rは独立に炭素原子数2〜50の脂肪族炭化水素二価残基または芳香族炭化水素二価残基であり、nは正の整数、好ましくは2〜50である。これらはエーテル基を含んでいてもよく、複数個あるR10は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である。
上記両末端水酸基化ポリシリコーンの市販品としては、たとえば信越化学工業株式会社製「X−22−160AS、KF6001、KF6002、KF−6003」などが挙げられる。上記「水酸基のみに酸素原子を含み炭素原子数が18〜72であるポリオール化合物」としては、具体的にはダイマー酸を水素化した骨格を有するジオール化合物が挙げられ、その市販品としては、たとえば、コグニス社製「SOVERMOL(登録商標)908」などが挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、(a2)ポリオール化合物として繰り返し単位を有さない分子量300以下のジオールを用いることもできる。このような低分子量ジオールとしては、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコール、1,2−テトラデカンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,3−キシリレングリコール、1,4−キシリレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、またはジプロピレングリコールなどが挙げられる。
(a3)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物
(a3)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物としては、ヒドロキシ基、炭素原子数が1または2のヒドロキシアルキル基から選択されるいずれかを2つ有する分子量が200以下のカルボン酸またはアミノカルボン酸であることが架橋点を制御できる点で好ましい。具体的には2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン等が挙げられ、この中でも、溶媒への溶解度から、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が特に好ましい。これらの(a3)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前述のカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)を有するポリウレタン樹脂は、上記の3成分((a1)、(a2)および(a3))のみから合成が可能であるが、このポリウレタンに更にラジカル重合性やカチオン重合性を付与する目的で、あるいはポリウレタン末端のイソシアナト基や水酸基の残基の影響を抑制する目的で、さらに(a4)モノヒドロキシ化合物および/または(a5)モノイソシアネート化合物を反応させて合成することができる。
(a4)モノヒドロキシ化合物
(a4)モノヒドロキシ化合物として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、アリルアルコール、アリロキシエタノール等のラジカル重合性二重結合を有する化合物、グリコール酸、ヒドロキシピバリン酸等カルボン酸を有する化合物が挙げられる。
(a4)モノヒドロキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物の中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、グリコール酸、ヒドロキシピバリン酸が好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
この他、(a4)モノヒドロキシ化合物として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等が挙げられる。
(a5)モノイソシアネート化合物
(a5)モノイソシアネート化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、ジイソシアネート化合物への2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、アリルアルコール、アリロキシエタノールのモノ付加体等のラジカル性炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。
また、末端の水酸基残基の影響を抑制する目的で用いるモノイソシアネートヒドロキシ化合物としては、フェニルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート等が挙げられる。
前述のカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)を有するポリウレタン樹脂は、ジブチル錫ジラウリレートのような公知のウレタン化触媒の存在下または非存在下で、適切な有機溶媒を用いて、上記した(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物、および必要に応じて(a4)モノヒドロキシ化合物や(a5)モノイソシアネート化合物を反応させることにより合成ができるが、無触媒で反応させた方が、最終的にスズ等の混入を考える必要がなく好適である。
上記有機溶媒は、イソシアネート化合物と反応性が低いものであれば特に限定されないがアミン等の塩基性官能基を含まず、沸点が110℃以上、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上である溶媒が好ましい。このような溶媒としては、たとえば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサン、イソホロン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム及び塩化メチレン等を挙げることができる。
なお、生成するポリウレタン樹脂の溶解性が低い有機溶媒は好ましくないこと、および電子材料用途においてポリウレタンをインクの原料にすることを考えると、これらの中でも、特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
原料の仕込み行う順番については特に制約はないが、通常は(a2)ポリオール化合物および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物を先に仕込み、溶媒に溶解させた後、20〜150℃、より好ましくは60〜120℃で、(a1)ポリイソシアネート化合物を滴下しながら加え、その後、30〜160℃、より好ましくは50℃〜130℃でこれらを反応させる。
原料の仕込みモル比は、目的とするポリウレタン樹脂の分子量および酸価に応じて調節するが、ポリウレタン樹脂に(a4)モノヒドロキシ化合物を導入する場合には、ポリウレタン分子の末端がイソシアナト基になるように、(a2)ポリオール化合物および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物よりも(a1)ポリイソシアネート化合物を過剰に(水酸基の合計よりもイソシアナト基が過剰になるように)用いる必要がある。
具体的には、これらの仕込みモル比は、(a1)ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基:((a2)ポリオール化合物の水酸基+(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物の水酸基)が、0.5〜1.5:1、好ましくは0.8〜1.2:1より好ましくは0.95〜1.05:1である。
また、(a2)ポリオール化合物の水酸基:(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物の水酸基が、1:0.1〜30、好ましくは1:0.3〜10である。
(a4)モノヒドロキシ化合物を用いる場合には、((a2)ポリオール化合物+(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物)のモル数よりも(a1)ポリイソシアネート化合物のモル数を過剰とし、(a4)モノヒドロキシ化合物を、イソシアナト基の過剰モル数に対して、0.5から1.5倍モル量、好ましくは0.8〜1.2倍モル量で用いることが好ましい。
(a5)モノイソシアネート化合物を用いる場合には、(a1)ポリイソシアネート化合物のモル数よりも((a2)ポリオール化合物+(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物)のモル数を過剰とし、水酸基の過剰モル数に対して、0.5〜1.5倍モル量、好ましくは0.8〜1.2倍モル量で用いることが好ましい。
(a4)モノヒドロキシ化合物をカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)に導入するためには、(a2)ポリオール化合物および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物と(a1)ポリイソシアネート化合物との反応がほぼ終了した時点で、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)の両末端に残存しているイソシアナト基と(a4)モノヒドロキシ化合物とを反応させるために、反応溶液中に(a4)モノヒドロキシ化合物を20〜150℃、より好ましくは70〜120℃で滴下し、その後同温度で保持して反応を完結させる。
(a5)モノイソシアネート化合物をカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)に導入するためには、(a2)ポリオール化合物および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物と(a1)ポリイソシアネート化合物との反応がほぼ終了した時点で、(A)ポリウレタン骨格の両末端に残存している水酸基と(a5)モノイソシアネート化合物とを反応させるために、反応溶液中に(a5)モノイソシアネート化合物を20〜150℃、より好ましくは50〜120℃で滴下し、その後同温度で保持して反応を完結させる。
<ヒドロキシ含有樹脂(P)を構成する、脂肪族オキサイド開環付加部(B1)、(B2)>
脂肪族オキサイド開環付加部(B1)、(B2)は、前述のカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)を有するポリウレタン樹脂に含まれるカルボキシル基(−COOH)に下記式(x1)で表されるアルケンオキサイドまたは式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドを含む脂肪族オキサイドを各々反応させることにより構成される。所定の割合の両者の混合物を反応させることもできる。この場合には、上記式(p1)で表されるユニットと上記式(p2)で表されるユニットとが混在するヒドロキシ含有樹脂(P)が得られる。なお、下記式(x1)で表されるアルケンオキサイドおよび式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドの両方がポリウレタン骨格(A)の同じカルボキシル基に付加重合する場合もある。
式(x1)中、R、Rは、式(p1)中のR、Rと同等、すなわち、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基を表す。入手が容易である点で、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基、あるいはR、Rの少なくとも一方が水素原子であり、かつ他方が炭素原子数が1〜10のアルキル基、またはフェニル基のものが好ましい。具体的には、上記式(x1)で表されるアルケンオキサイドとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドが挙げられる。
式(x2)中、Aは式(p2)中のAと同等、すなわち、炭素原子数が2〜12の単環式脂肪族炭化水素基または複環式脂肪族炭化水素基であり、炭素原子数が4〜14の脂環構造を形成している。入手が容易である点で、炭素原子数が6〜12の脂環構造であるものが好ましい。具体的には、上記式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドとして、シクロヘキセンオキサイド、シクロオクテンオキサイド、シクロドセンオキサイド、ジシクロペンタジエンのモノオキサイドなどのシクロアルケンオキサイドが挙げられる。
前述のカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と上記脂肪族オキサイドを反応させる条件としては、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)を合成した溶液にエポキシ基とカルボン酸の反応を促進する触媒を添加し、50℃〜160℃、より好ましくは80℃〜140℃に加熱して反応させる。反応温度が低すぎると速度が遅くなりすぎるし、反応温度が高すぎるとゲル化のおそれがある。反応時間は2〜48時間、好ましくは3〜24時間、より好ましくは4〜12時間である。
カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と上記脂肪族オキサイドの使用量としては、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対して脂肪族オキサイドのエポキシ基が0.5当量〜50当量となる量であることが好ましく、0.7当量〜20当量であることがより好ましく、1当量〜10当量であることがさらに好ましい。上記当量が、0.5よりも低いと生成する水酸基濃度が低くなり、イソシアナト基との反応点が低くなり好ましくない。上記当量が50当量を超えると、樹脂自体の吸湿率が下がる等の悪影響が出てくる。
前述のカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と上記式(x1)で表されるアルケンオキサイドおよび式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドの少なくとも一方を含む脂肪族オキサイドとを反応させて得られるヒドロキシ含有樹脂(P)は、未反応のカルボキシル基を一部含むこともできる。未反応のカルボキシル基を有することで基材や金属配線との密着性が向上する場合もある。未反応のカルボキシル基の量が元のカルボキシル基の量に対して50%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%となるように反応させて、酸価が0〜50mg−KOH/g、好ましくは0〜30mg−KOH/g、より好ましくは0〜10mg−KOH/gのヒドロキシ含有ポリウレタン樹脂を得ることができる。得られるヒドロキシ含有ポリウレタン樹脂は式(p1)または式(p2)で表される構造を含む。
式中R、R、Aは、前記式(x1)または式(x2)中の同符号のものと同じである。nは1〜50の整数、nは1〜10の整数であり、好ましいnは1〜30の整数、好ましいnは1〜5の整数であり、より好ましいnは1〜10の整数、より好ましいnは1〜3の整数である。なお、ヒドロキシ含有ポリウレタン樹脂は、式(p1)または式(p2)で示されるようにポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に括弧で示される単位が整数個結合された構造を有するが、全てのカルボキシル基に括弧で示される単位が結合される必要はない。すなわち、各々のカルボキシル基に結合される括弧で示される単位数が同一である必要はなく、上記の通り結合されていない未反応のカルボキシル基を有してもよい。各々のカルボキシル基に結合されている括弧で示される単位数を確認することはできないので、後述の実施例では平均値を算出している。カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対して脂肪族オキサイドのエポキシ基が0.5当量〜50当量となる量で反応させることにより、nおよびnの平均値は理論上0.5〜50となりうるが、実際には理論値よりは小さな値となる。nの好ましい平均値は0.4〜10であり、0.5〜5であることがより好ましい。nの好ましい平均値は0.4〜10であり、0.5〜5であることがより好ましい。
このようにして得られたヒドロキシ含有樹脂(P)は水酸基を持つため、水酸基価として水酸基濃度を測定して官能基数を測定できる。水酸基価の好ましい範囲としては、元のウレタン樹脂が末端の水酸基を持っている場合にはそれも含めて、10〜140mg−KOH/g、より好ましくは20〜140mg−KOH/g、更に好ましくは30〜140mg−KOH/gである。
また、上記反応は不活性ガスまたは空気雰囲気で行うことができるが、エチレンオキサイドのような引火性の高い化合物の場合には、不活性ガス雰囲気下で行う必要があり、また、沸点も非常に低いので加圧下で反応を行う必要がある。
反応触媒としては、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)に含まれるカルボキシル基が触媒としても作用するが、更に反応速度や重合度を上げる目的で塩基性化合物を添加することができる。塩基性化合物として、たとえば、3級アミン、ホスフィン化合物、4級アンモニウムハイドロオキサイドが挙げられる。より具体的には、3級アミンとして、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、DBU(登録商標)(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール等が挙げられる。ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリフェニルフォスファイト、トリメチルホスフィン、トリメチルフォスファイト等が挙げられる。4級アンモニウムハイドロオキサイドとしては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドが挙げられる。これらの使用量は、あまりに少ないと添加した効果が無く、多すぎると得られるポリウレタン樹脂の電気絶縁性が低下するので、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と脂肪族オキサイドの合計質量に対して0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%使用される。
<ポリイソシアネート化合物(Q)>
次に、このようにして得られた、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)とカルボキシル基の少なくとも一部に結合した前記式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、およびカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)とカルボキシル基の少なくとも一部に結合した前記式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ基含有樹脂(P)の少なくとも一方にポリイソシアネート化合物(Q)を反応させる。
なお、ヒドロキシ基含有樹脂(P)中の水酸基に対してポリイソシアネート化合物(Q)中のイソシアナト基が当量となるように反応させることが望ましいが、ポリイソシアネート化合物(Q)中のイソシアナト基の当量からのずれが−20%〜+20%程度以内であれば、使用可能である。
このようなポリイソシアネート化合物としては、たとえば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、3−イソシアネートメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDI、イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン(水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、たとえば、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、上記以外のポリイソシアネート化合物(Q)として、たとえば、イソシアネート化合物と活性水素基含有化合物との反応によるイソシアネート基末端化合物、これら化合物の反応物(たとえば、アダクト型ポリイソシアネートや、アロファネート化反応、カルボジイミド化反応、ウレトジオン化反応、イソシアヌレート化反応、ウレトンイミン化反応、ビウレット化反応等によるイソシアネート変性体等)、又はこれらの混合物等を挙げることができる。
これらのポリイソシアネート化合物(Q)は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、これらのポリイソシアネート化合物(Q)は原料ポリイソシアネート化合物に原料ポリオール化合物の水酸基に対して過剰のイソシアネートが残るようにして反応させて得られたプレポリマーであってもよい。
当該プレポリマーを得るためのポリオール化合物とは、イソシアナト基に対して反応性を有する水酸基を2個以上含む化合物をいい、具体的には、たとえば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、たとえば、一分子中に1個以上の活性水素(水酸基)を持つ重合性モノマーと、これに共重合可能なモノマーの共重合物が挙げられる。
一分子中に1個以上の活性水素を持つ重合性モノマーとしては、たとえば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等のアクリル酸ヒドロキシエステル類、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル等のメタクリル酸ヒドロキシエステル類、グリセリンのアクリル酸モノエステル若しくはメタクリル酸モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モノエステル若しくはメタクリル酸モノエステル、又はこれらの水酸基にε−カプロラクトンを開環重合させることにより得られるモノマー等が挙げられる。
上記重合性モノマーと共重合可能なモノマーとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド類、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、たとえば、縮合ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール等が挙げられる。
縮合ポリエステルポリオールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のジオール類と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸との反応物が挙げられる。
具体的には、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール等のアジペート系縮合ポリエステルジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール等のアゼレート系縮合ポリエステルジオール等を例示できる。
ポリカーボネートポリオールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のジオール類と、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネートとの反応物等が挙げられる。具体的には、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリ3−メチルペンタメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等が例示される。
ポリラクトンポリオールとしては、たとえば、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物の開環重合物等が挙げられる。具体的にはポリカプロラクトンジオール等が例示される。
ポリエーテルポリオールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA等の活性水素原子を2個以上含む化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマーを付加重合させた反応物が挙げられる。モノマーを2種以上付加重合させた反応物の場合、ブロック付加、ランダム付加又は両者の混合系でもよい。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が例示される。
エポキシポリオールとしては、たとえば、ノボラック型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラン型、グリシジルエーテル型、グリコールエーテル型、脂肪族不飽和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪酸エステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、ハロゲン化型、レゾルシン型等のエポキシポリオールが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(Q)は、複数のイソシアナト基を有していればよいが、これらのイソシアナト基のうち少なくとも1つが活性水素もつ化合物でブロックされていてもよい。
イソシアナト基がブロックされている化合物としては、たとえば、公知のブロック剤、たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール、ニトロフェノール、クロロフェノール、レゾルシノール等のフェノール類、ベンゼンチオール等のチオール類、ε−カプロラクタム等のカプロラクタム類、エチルカーバメイト等のカーバメイト類、アセチルアセトン等のケトエノール類、メチルエチルケトンオキシム等のケトオキシム類、ジイソプロピルアミン、トリアゾール、3,5−ジメチルピラゾール等の2級アミン類、重亜硫酸曹達等を用いて、前述のポリイソシアネート化合物又はそれらの変性体、プレポリマーをブロックした化合物を挙げることができる。これらの中でもカプロラクタム、ケトオキシム、フェノール、2級アミンからなる群より選ばれる活性水素を持つ化合物が室温での安定性と高温での保護基が外れて硬化する速度とのバランスの観点で好ましい。
また、これらのポリイソシアネート化合物(Q)とヒドロキシ基含有樹脂(P)とのウレタン化反応を促進するために、ジブチル錫ラウレートのような硬化促進触媒を使用することもできる。
このような硬化促進触媒としては錫化合物以外にも、DBUのような強塩基アミンとフェノール、カルボン酸化合物との塩や特殊アミン化合物、アセチルアセトン金属錯体やビスマスやアルミニウムやジルコニウム錯体等の非錫系化合物を使用することができる。
硬化促進触媒用の錫化合物として、たとえば、日東化成株式会社製のネオスタン U−100、ネオスタン U−130、ネオスタン U−200など、Air Products製のDabco(登録商標) T−12、Dabco T−120、Dabco T−125などが挙げられる。
硬化促進触媒用の非錫化合物として、たとえば、サンアプロ株式会社製のU−CAT SA 1、U−CAT SA 102、U−CAT SA 102−50など、楠本化成株式会社製のK−KAT(登録商標)348、 K−KATXC−C227、 K−KATXK−628など、日本化成産業株式会社製のナーセム アルミニウム、ナーセム クロム、ナーセム 第二コバルトなどが挙げられる。
<ポリウレタン樹脂>
前記カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)および前記カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)の少なくとも一方と、ポリイソシアネート化合物(Q)とを反応させることにより、ヒドロキシ基含有樹脂(P)の脂肪族オキサイド開環付加部(B1)および(B2)の少なくとも一部とポリイソシアネート化合物(Q)のイソシアナト基が反応した、(*1)−O−CONH−(*2)(*1はヒドロキシ基含有樹脂(P)の残基を表し、*2はポリイソシアネート化合物(Q)の残基を表す)結合を有する反応生成物であるポリウレタン樹脂(以後、ポリウレタン樹脂という。)が生成する。
ポリウレタン樹脂は、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した前述の式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、およびカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)の少なくとも一方に、ポリイソシアネート化合物(Q)を反応させて得られるものの1種でもよいし、2種類以上の混合物でもよい。後者の場合、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した前述の式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)と、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)とポリイソシアネート化合物(Q)との反応生成物、前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)とポリイソシアネート化合物(Q)との反応生成物の混合物であってもよい。
得られる反応生成物中には、例えば下式で表される構造式で表されるものを含む。
上式中Rはポリイソシアネート化合物(Q)からイソシアナト基またはブロックイソシアナト基を除いた残基を表す。なお、上式ではポリイソシアネート化合物(Q)としてジイソシアネート化合物の両端のイソシアナト基がともに反応した構造を示しているが、一方のイソシアナト基のみ反応した構造を含んでもよい。さらに反応生成物中にはその他の構造物(例えば反応前駆体)を含む多種多様な構造のものを含むことがあり、反応生成物(ポリウレタン樹脂)を構成する特定の構造やそれらの配合割合を規定することは難しい。
本発明の他の実施の形態に係るオーバーコート用組成物は、前述のカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、およびカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、の少なくとも一方と、ポリイソシアネート化合物(Q)と、溶媒と、を含む。前述のカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、およびカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)の少なくとも一方と、ポリイソシアネート化合物(Q)を、適切な溶媒に溶解させ、必要に応じて硬化促進触媒と印刷や塗工のために添加材を配合して、オーバーコート用組成物(保護膜インク)とすることができる。このオーバーコート用組成物(保護膜インク)を導電パターンが形成された基材に塗布、製膜した後硬化反応させることにより本実施の形態のポリウレタン樹脂からなるオーバーコート膜(保護膜)が得られる。
オーバーコート用組成物(保護膜インク)に用いられる溶媒は、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、または、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)の合成に用いた溶媒をそのまま使用することもできるし、粘度や印刷性の調整のために他の溶媒を添加することもできる。また、他の溶媒を用いることもできる。他の溶媒を用いる場合には、新たな溶媒を添加する前後に反応溶媒を留去し、溶媒を置換してもよい。
ただし、操作の煩雑性やエネルギーコストを考えるとヒドロキシ含有樹脂の合成に用いた溶媒をそのまま用いることが好ましい。
粘度や印刷性の調整のために用いることのできる溶媒は、印刷様式によっても異なるが、イソシアネート化合物との反応性が低いものであれば特に限定されないがアミン等の塩基性官能基を含まず、沸点が60℃以上、好ましくは110℃以上である溶媒が好ましい。このような溶媒としては、たとえば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサン、イソホロン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム及び塩化メチレン等を挙げることができる。
また前述のイソシアネートのブロック化合物をポリイソシアネート化合物(Q)として用いる場合には、イソシアネートと反応するようなメタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等も溶媒として使用することができる。
保護膜インク中の固形分濃度は所望する膜厚や印刷方法によっても異なるが、20〜90質量%が好ましく、30質量%〜80質量%がより好ましい。
調合した保護膜インクは、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、インクジェット法などの印刷法により、導電パターンがある基材上に印刷パターンを形成し、この印刷パターンを必要に応じて溶媒を留去後に、加熱処理、光照射またはマイクロ波加熱を行うことにより、硬化させて導電パターンの保護膜とする。
上記導電パターンが形成される基材としては、たとえばポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ゼオノア(登録商標)フィルム、ポリカーボネートフィルムが挙げられる。
導電パターンとしては、銀や銅等の金属及び/または金属酸化物の粒子、ナノワイヤ、ナノチューブ等をインク化して基材上に印刷パターンを形成し、この印刷パターンを導体化したものが挙げられる。特に銀ナノ粒子インクや銀ナノワイヤインクを用いて透明導電パターンを作製する場合には、銀の単位質量当たりの表面積が大きく微細配線等は高温高湿時の絶縁信頼性が低いため、上述の実施の形態に係る保護膜樹脂により保護は有効である。
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)の合成例
[合成例1]
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた2L三口フラスコに、ポリオール化合物としてC−1015N(株式会社クラレ製、ポリカーボネートジオール、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、分子量964)211g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物として2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)40.0g、および溶媒としてγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)379gを仕込み、90℃で前記2,2−ジメチロールブタン酸を溶解させた。
反応液の温度を70℃まで下げ、滴下ロートにより、ポリイソシアネートとしてデスモジュール(登録商標)−W(メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、住化バイエルウレタン株式会社製)128gを30分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で1時間、次いで100℃で1時間、次いで120℃で2時間反応を行い、ほぼイソシアネートが消失したことをIRによって確認した後、更に120℃にて1.5時間反応を行った。得られたカルボキシル基含有ポリウレタンの数平均分子量は34100、その固形分の酸価は40.2mgKOH/gであった。
<生成物の同定>
メタノ−ル10gに上記合成後の反応液1gを滴下し、静置後、デカンテ−ションにて上澄みを除いた。再度メタノ−ル10gを添加し静置・上澄み除去を3回繰り返し、最後に残分を減圧濃縮し、固形状の樹脂を得た。得られた樹脂の同定をH−NMR測定(JEOL製JNM−EX270、重クロロホルムに溶解し測定)、IR測定(Nicolet6700、AgCl板に塗布し測定)を用い実施し、得られた樹脂は、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)であることが確認された。
[合成例2]
合成例1と同様な装置を用いて、ポリオール化合物としてG−1000(日本曹達株式会社製、両末端水酸基化ポリブタジエン(1,2−骨格90%)、分子量1539)211g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物として2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)63.4g、溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(株式会社ダイセル製)400g、およびポリイソシアネートとしてデスモジュール(登録商標)−I(イソホロンジイソシアネート)、住化バイエルウレタン株式会社製)125gを用いて合成例1と同様に反応を行った。得られたカルボキシル基含有ポリウレタンの数平均分子量は10900、その固形分の酸価は60.3mgKOH/gであった。
[合成例3]
合成例1と同様な装置を用いて、ポリオール化合物として分子量1000のPTXG−1000(1,4−ブタンジオール−ネオペンチルグリコールのポリエーテル共重合体(旭化成せんい株式会社製)117g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物として2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)64.1g、溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート(株式会社ダイセル製)304g、およびポリイソシアネートとしてデスモジュール(登録商標)−I(イソホロンジイソシアネート、住化バイエルウレタン株式会社製)122gを用いて、合成例1と同様に反応を行った。得られたカルボキシル基含有ポリウレタンの数平均分子量は6120、その固形分の酸価は79.8mgKOH/gであった。
[合成例4]
合成例1と同様な装置を用いて、ポリオール化合物としてクラレポリオールC−1090(株式会社クラレ製、ポリカーボネートジオール、原料ジオールモル比:3‐メチル−1,5−ペンタンジオール+1,6−ヘキサンジオール原料90:10、分子量992)206g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物として2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)63.4g、溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(株式会社ダイセル製)400g、およびポリイソシアネートとしてNBDI(ノルボルナンジイソシアネート、三井化学ファイン株式会社製)131gを用いて合成例1と同様に反応を行った。得られたカルボキシル基含有ポリウレタンの数平均分子量は6570、その固形分の酸価は60.6mgKOH/gであった。
カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、または、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)の合成例
[合成例5]
合成例1で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価40.2mg−KOH/g)100gを300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、窒素ガス圧0.5MPa下で80℃まで昇温して、エチレンオキサイド(三菱化学株式会社製)4.84gを、マスフローコントローラーを介してオートクレーブに導入し、120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応におけるポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対するエチレンオキサイド(エポキシ基)のモル比((Epoxy)/(Acid))は3である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物1という)の固形分の数平均分子量は22700、酸価は0.2mg−KOH/g、水酸基価は37.1mg−KOH/g、固形分濃度は52質量%であった。
<生成物の同定>
メタノ−ル10gに上記合成後の反応液1gを滴下し、静置後、上澄みを除いた。再度メタノ−ルを添加し静置・上澄み除去を3回繰り返し、最後に残分を減圧濃縮し、液状の樹脂を得た。得られた樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定より実施し、NMR測定における2.4ppm付近にエポキシ環が開環したプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、得られた樹脂は、エチレンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。また、NMR測定における0.8ppm〜2.5ppmのプロトン比と2.5ppm〜5.0ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したエチレンオキサイド(式(p1)中のn)の平均値は、2.5であった。図1、2に、それぞれ、合成例5で得られた樹脂組成物1のH−NMRスペクトル、IRスペクトルを示す。
[合成例6]
合成例1で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価40.2mg−KOH/g)100gを300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、プロピレンオキサイド(東京化成株式会社より購入)8.32gをポンプにてオートクレーブに導入し、窒素ガス圧を0.5MPaかけて120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応におけるポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対するプロピレンオキサイド(エポキシ基)のモル比((Epoxy)/(Acid))は、4である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物2という)の固形分の数平均分子量は28000、酸価はほぼゼロ、水酸基価は38.4mg−KOH/g、固形分濃度は54質量%であった。
<生成物の同定>
合成例5同様の精製により得られた固形状の樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定より実施し、NMR測定における2.4ppm付近にエポキシ環が開環したプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、プロピレンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。NMR測定における0.8ppm〜2.5ppmのプロトン比と2.5ppm〜5.0ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したプロピレンオキサイド(式(p1)中のn)の平均値は、1.6であることが確認された。
[合成例7]
合成例2で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価60.3mg−KOH/g)100gを300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、窒素ガス圧0.5MPaで80℃まで昇温して、エチレンオキサイド9.68gを、マスフローコントローラーを介してオートクレーブに導入し、120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応におけるポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対するエチレンオキサイド(エポキシ基)のモル比((Epoxy)/(Acid))は、4である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物3という)の固形分の数平均分子量は6800、酸価は0.2mg−KOH/g、水酸基価は57.8mg−KOH/g、固形分濃度は53質量%であった。
<生成物の同定>
合成例5同様の精製により得られた液状の樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定より実施し、NMR測定における2.4ppm付近にエポキシ環が開環したプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、エチレンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。また、NMR測定における5.0ppm〜6.5ppmのプロトン比と0.8ppm〜4.9ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したエチレンオキサイド(式(p1)中のn)の平均値は、3.5であることが確認された。
[合成例8]
合成例3で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価79.8mg−KOH/g)100gを300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、窒素ガス圧0.5MPaで80℃まで昇温して、エチレンオキサイド12.8gを、マスフローコントローラーを介してオートクレーブに導入し、120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応におけるポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対するエチレンオキサイド(エポキシ基)のモル比((Epoxy)/(Acid))は、4である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物4という)の固形分の数平均分子量は7400、酸価は0.5mg−KOH/g、水酸基価は73.6mg−KOH/g、固形分濃度は56質量%であった。
<生成物の同定>
合成例5同様の精製により得られた液状の樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定より実施し、NMR測定における2.4ppm付近にエポキシ環が開環したプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、エチレンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。また、NMR測定における0.8ppm〜2.5ppmのプロトン比と2.5ppm〜5.0ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したエチレンオキサイド(式(p1)中のn)の平均値は、3.7であることが確認された。
[合成例9]
合成例4で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価60.6mg−KOH/g)100gを300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、窒素ガス圧0.5MPaで80℃まで昇温して、エチレンオキサイド9.73gを、マスフローコントローラーを介してオートクレーブに導入し、120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応におけるポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対するエチレンオキサイド(エポキシ基)のモル比((Epoxy)/(Acid))は、4である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物5という)の固形分の数平均分子量は8900、酸価は0.1mg−KOH/g、水酸基価は60.1mg−KOH/g、固形分濃度は54質量%であった。
<生成物の同定>
合成例5同様の精製により得られた液状の樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定より実施し、NMR測定における2.4ppm付近にエポキシ環が開環したプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、エチレンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。また、NMR測定における0.8ppm〜2.5ppmのプロトン比と2.5ppm〜5.0ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したエチレンオキサイド(式(p1)中のn)の平均値は、3.6であることが確認された。
[合成例10]
合成例1で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価40.2mg−KOH/g)100gにシクロヘキセンオキサイド(和光純薬株式会社より購入)3.52g、触媒としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製)0.05gを加え、300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、窒素ガス圧を0.5MPaかけて120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応におけるポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対するエチレンオキサイド(エポキシ基)のモル比((Epoxy)/(Acid))は、1である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物6という)の固形分の数平均分子量は30100、酸価は4.5mg−KOH/g、水酸基価は32.3mg−KOH/g、固形分濃度は52質量%であった。
<生成物の同定>
合成例5同様の精製により得られた液状の樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定より実施し、NMR測定における3.1ppm付近にエポキシ環が開環したプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、シクロヘキセンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。また、NMR測定における0.8ppm〜2.5ppmのプロトン比と2.5ppm〜5.0ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したシクロヘキセンオキサイド(式(b2)中のn)の平均値は、0.6であることが確認された。
[合成例11]
合成例1で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価40.2mg−KOH/g)100gにスチレンオキサイド(東京化成株式会社より購入)6.48g、触媒としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製)0.05gを加え、300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、窒素ガス圧を0.5MPaかけて120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応におけるポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対するエチレンオキサイド(エポキシ基)のモル比((Epoxy)/(Acid))は、1である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物7という)の固形分の数平均分子量は28100、酸価は1.6mg−KOH/g、水酸基価は35.3mg−KOH/g、固形分濃度は53質量%であった。
<生成物の同定>
合成例5同様の精製により得られた液状の樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定より実施し、NMR測定における7.3ppm付近にベンゼン環由来のプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、スチレンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。また、NMR測定における7.0ppm〜7.5ppmのプロトン比(重クロロホルム由来のピ−クを除く)と0.8ppm〜5.0ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したスチレンオキサイド(式(p1)中のn)の平均値は、0.8であることが確認された。
なお、水酸基価の測定は以下のように行った。
200mlナス型フラスコに試料約2.0g程度を精密天秤にて精秤し、これにアセチル化試薬5mlをピペットを用いて加える。ジムロート冷却管を付け95℃から100℃に調節したオイルバスで1時間加熱する。放冷後純水1mlを用いてフラスコ壁面についた液体を洗い入れ、フラスコを良く振り動かし、更にジムロートを付け5℃から100℃に調節したオイルバスで10分間加熱する。放冷後、エタノール5mlでフラスコの壁を洗う。フェノールフタレイン溶液数滴を指示薬として加え、0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときを終点とする。
また、試料を入れずに上記試験を行い空試験とする。
その結果から下記の計算式を用いて得た値を、樹脂の水酸基価とする。
水酸基価(mgKOH/g)=[(B−C)×f×28.05]/S+D
B:空試験に用いた0.5mol/L水酸化カリウム−エタノール溶液の量(ml)
C:滴定に用いた0.5mol/L水酸化カリウム−エタノール溶液の量(ml)
f:0.5mol/L水酸化カリウム−エタノール溶液のファクター
S:試料の採取量(g)
D:酸価
なお、アセチル化試薬は無水酢酸25gを100mlの褐色メスフラスコに入れ、ピリジンを加えて100mlにしたものを用いる。
銀ナノワイヤ塗布膜の作製
銀ナノワイヤ(ワイヤ径約40nm、長さ約10μm)をエタノールに分散し(0.25質量%)、この溶液をルミラー(登録商標)125U98(東レ株式会社製)にドロップコートにより3滴塗布し、6時間風乾することにより、上記銀ナノワイヤを堆積した。次に、NovaCentrix社製のキセノン照射装置Pulse Forge3300を使用し、パルス光の照射条件は光源の駆動電圧600V、照射時間60μ秒でパルス光を照射して透明導電パターンを作製した。表面抵抗は大凡10Ωであった。
実施例1〜10、比較例1〜2<保護膜樹脂としての評価>
表1に示した、ポリイソシアネート化合物(Q)(デスモジュール(登録商標)−I、)、ブロックイソシアネート(デスモジュール(登録商標)BL4265SN、デュラネート(登録商標)SBB−70P、デュラネート(登録商標)17B−60P)、Dabco T−12触媒(ジブチル錫ジラウレート、DBTDL)を用いて表2の配合で混合した後、自転・公転真空ミキサー あわとり練太郎 ARV−310(株式会社シンキー製)を用いて良く混合し(自転500回転、公転1500回転で5分間)、塗布用のインク(実施例1〜10)を作製した。
得られたインクをバーコーターにより、ルミラー(登録商標)125U98(東レ株式会社製)上に表面抵抗が大凡100Ωになるように塗布された銀ナノワイヤ塗布膜に塗布し、風乾後120℃、1時間で樹脂を硬化させた。比較例1としてインクを被覆しない場合を示し、比較例2として市販のオーバーコート樹脂(JELCON IN−10C:十条ケミカル株式会社製オーバーコート樹脂、UV照射により硬化(ハロゲンランプを用いて、室温で200mj/cmを照射))を用いた場合を示した。
<反りの評価>
基材上に銀ナノワイヤを堆積後実施例1〜10のインクを塗布(保護膜を形成)した硬化前のフィルムを10cm×5cmに切り出し、塗布面を上にして120℃、1時間で硬化を行った(比較例2は室温でのUV照射による)。硬化後のフィルムを土台表面(基準面)に載置し、図3に示すように、フィルム端部の反りを測定した。
<密着性評価>
新しい刃を付けたカッターナイフを用いて1mm間隔で切込みを上記硬化後のフィルムに11本入れた後、90°向きを変えてさらに11本引いて100個の1mm角のマス目を形成した。カットした印刷面に付着するようにセロハン粘着テープを貼りつけ、セロハン粘着テープ上を消しゴムでこすって塗膜にテープを付着させた。テープを付着させてから1〜2分後にテープの端を持って印刷面に直角に保ち、瞬間的にひきはがして、旧JIS K5400に従って判定した。結果を表2に示す。
<信頼性試験>
100℃の高温槽、85℃、相対湿度85%の調節した恒温恒湿槽に表2に成分を示した塗布膜を入れ、500時間経過前後の表面抵抗を測定した。得られた結果を表2に示す。なお、表面抵抗は非接触式抵抗測定器(ナプソン株式会社製EC−80P)を用いて測定した。

Claims (14)

  1. カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した下記式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、およびカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した下記式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)の少なくとも一方と、ポリイソシアネート化合物(Q)との反応生成物であることを特徴とするポリウレタン樹脂。
    上式(p1)中、nは1〜50の整数、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基である。
    上式(p2)中、nは1〜10の整数、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子を含めた炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団である。
  2. 前記ポリウレタン骨格(A)が(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物の反応生成物に基づくポリウレタン骨格である請求項1に記載のポリウレタン樹脂。
  3. 前記(a1)ポリイソシアネート化合物はイソシアナト基(−NCO基)中の炭素原子以外の炭素原子の数が6〜30である脂環式化合物である請求項1または2に記載のポリウレタン樹脂。
  4. 前記(a2)ポリオール化合物がポリカーボネートジオールまたはポリブタジエンポリオールである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂。
  5. 前記(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物が、ヒドロキシ基、炭素原子数が1または2のヒドロキシアルキル基から選択されるいずれかを2つ有する分子量が200以下のカルボン酸またはアミノカルボン酸である請求項2乃至4のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂。
  6. 前記(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物が2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニンからなる群の1種または2種以上である請求項5に記載のポリウレタン樹脂。
  7. 前記式(p1)中のnが1〜10であり、R、Rが、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基、あるいはR、Rの少なくとも一方が水素原子であり、かつ他方が炭素原子数が1〜10のアルキル基、またはフェニル基である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂。
  8. 前記式(p2)中のnが1〜3の整数であり、Aが当該Aが結合する2つの炭素原子を含めた炭素原子数が6〜12の脂環式炭化水素基を形成する原子団である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂。
  9. 前記ポリイソシアネート化合物(Q)が、脂肪族イソシアネート化合物またはそれより誘導されたブロックイソシアネートである請求項1乃至8のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂。
  10. 前記ポリイソシアネート化合物(Q)は、カプロラクタム、ケトオキシム、フェノール、2級アミンからなる群より選ばれる活性水素を持つ化合物でブロックされているイソシアナト基を含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂。
  11. カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した下記式(p1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B1)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、およびカルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した下記式(p2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B2)を有するヒドロキシ含有樹脂(P)、の少なくとも一方と、
    ポリイソシアネート化合物(Q)と、
    溶媒と、
    を含むオーバーコート用組成物。
    上式(p1)中、nは1〜50の整数、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基である。
    上式(p2)中、nは1〜10の整数、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子を含めた炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団である。
  12. カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)を有するポリウレタン樹脂に含まれるカルボキシル基と式(x1)で表されるアルケンオキサイドおよび式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドの少なくとも一方とを反応させる工程と、
    上記工程で得られたヒドロキシ基含有樹脂(P)にポリイソシアネート化合物(Q)を反応させる工程と、
    を備えることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
    式(x1)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基を表す。
    (式(x2)中、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子を含めた炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団を表す。)
  13. 前記式(x1)で表されるアルケンオキサイドがエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはスチレンオキサイドである請求項12に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
  14. 前記式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドがシクロヘキセンオキサイドである請求項12または13に記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
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