JP2016135694A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】媒体が加熱されすぎることを抑制しつつ、媒体のデカールを効果的に行うことができる記録装置を提供する。【解決手段】インクジェット式プリンター11は、ロール紙RPが搬送される搬送経路25と、搬送経路25に設けられ、ロール紙RPを挟むことでロール紙RPの曲がり癖を矯正する方向にロール紙RPを曲げてデカールを行うデカール機構26と、搬送経路25におけるデカール機構26が設けられた位置とは異なる位置に設けられ、ロール紙RPを加熱するヒーター48とを備える。そして、インクジェット式プリンター11は、ロール紙RPがヒーター48によって加熱されてからデカール機構26によってデカールされるようにロール紙RPを搬送する加熱デカール動作が実行可能に構成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどの記録装置に関する。
一般に、記録装置の一種としてインクジェット式プリンターが広く知られている。このようなプリンターの中には、ロール状に巻かれた連続シートから繰り出されて搬送されるシートにプリントヘッドからインクを噴射して印刷を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のようなプリンターでは、シート(媒体)に巻き癖(曲がり癖)がついているため、こうしたシートの巻き癖を矯正するためのデカール部(デカール機構)がシートの搬送経路に設けられている。
このデカール部は、内部にヒーターが組み込まれたデカールローラーと、デカールローラーとでシートを挟む第1ピンチローラーとを備えている。そして、デカールローラーと第1ピンチローラーとでシートを挟みながら当該シートに対してデカールローラーのヒーターから熱を付与することで、当該シートのデカール(曲がり癖の矯正)を行うようにしている。
ところで、上述のようなプリンターでは、デカールローラーと第1ピンチローラーとでシートを挟みながら加熱することでシートのデカールを行っているため、シートが加熱されすぎて熱によるダメージを受けるおそれがあるという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、媒体が加熱されすぎることを抑制しつつ、媒体のデカールを効果的に行うことができる記録装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する記録装置は、媒体が搬送される搬送経路と、前記搬送経路に設けられ、前記媒体を挟むことで前記媒体の曲がり癖を矯正する方向に前記媒体を曲げてデカールを行うデカール機構と、前記搬送経路における前記デカール機構が設けられた位置とは異なる位置に設けられ、前記媒体を加熱する加熱部とを備え、前記媒体が前記加熱部によって加熱されてから前記デカール機構によってデカールされるように当該媒体を搬送する加熱デカール動作が実行可能である。
上記課題を解決する記録装置は、媒体が搬送される搬送経路と、前記搬送経路に設けられ、前記媒体を挟むことで前記媒体の曲がり癖を矯正する方向に前記媒体を曲げてデカールを行うデカール機構と、前記搬送経路における前記デカール機構が設けられた位置とは異なる位置に設けられ、前記媒体を加熱する加熱部とを備え、前記媒体が前記加熱部によって加熱されてから前記デカール機構によってデカールされるように当該媒体を搬送する加熱デカール動作が実行可能である。
この構成によれば、媒体がデカール機構とは異なる位置に配置された加熱部によって加熱されてからデカール機構によってデカール(曲がり癖の矯正)される。このため、媒体のデカール中に媒体が加熱されることはないので、媒体が加熱されすぎることを抑制しつつ、媒体のデカールを効果的に行うことが可能となる。
上記記録装置において、前記デカール機構は、第1ローラー、第2ローラー、及び固定曲面部を有し、前記媒体は、前記デカールが行われる際に、前記第1ローラーと前記第2ローラーとで挟まれ、且つ前記第1ローラーと前記固定曲面部との間に位置することが好ましい。
この構成によれば、媒体が固定曲面部にガイドされながら第1ローラーと第2ローラーとで挟まれるので、媒体のデカールを好適に行うことが可能となる。
上記記録装置において、前記デカール機構は、第1ローラー、第2ローラー、及び第3ローラーを有し、前記媒体は、前記デカールが行われる際に、前記第1ローラーと前記第2ローラーとで挟まれ、且つ前記第1ローラーと前記第3ローラーとの間に位置することが好ましい。
上記記録装置において、前記デカール機構は、第1ローラー、第2ローラー、及び第3ローラーを有し、前記媒体は、前記デカールが行われる際に、前記第1ローラーと前記第2ローラーとで挟まれ、且つ前記第1ローラーと前記第3ローラーとの間に位置することが好ましい。
この構成によれば、媒体が回転可能な第3ローラーにガイドされながら第1ローラーと第2ローラーとで挟まれるので、媒体の搬送時の抵抗を低減しつつ媒体のデカールを円滑に行うことが可能となる。
上記記録装置において、前記加熱デカール動作は、電源が入れられる度に実行されることが好ましい。
通常、記録装置を長期間使用しなかった場合には、媒体に曲がり癖が強くついてしまう。この点、この構成によれば、記録装置の電源が入れられる度に媒体の加熱デカール動作が行われるので、媒体に強くついた曲がり癖を好適に解消することが可能となる。
通常、記録装置を長期間使用しなかった場合には、媒体に曲がり癖が強くついてしまう。この点、この構成によれば、記録装置の電源が入れられる度に媒体の加熱デカール動作が行われるので、媒体に強くついた曲がり癖を好適に解消することが可能となる。
上記記録装置において、前記媒体は、当該媒体における他の部分よりも曲がり癖が強くついた部分である強曲がり癖部を有しており、前記加熱デカール動作では、前記デカール機構が前記媒体における前記強曲がり癖部を挟んだ状態で当該媒体の搬送が所定時間停止されることが好ましい。
この構成によれば、デカール機構が媒体における強曲がり癖部を挟んだ状態で当該媒体の搬送が所定時間停止されるので、加熱済みの媒体の強曲がり癖部が徐々に自然冷却されながらデカールされる。したがって、媒体の強曲がり癖部のデカールを効果的に行うことが可能となる。
上記記録装置において、記録済みの前記媒体を加熱して乾燥するための乾燥部を備え、前記乾燥部は、前記加熱部を兼ねていることが好ましい。
この構成によれば、乾燥部が加熱部を兼ねているため、乾燥部と加熱部とを別々に設ける場合に比べて部品点数を低減することが可能となる。
この構成によれば、乾燥部が加熱部を兼ねているため、乾燥部と加熱部とを別々に設ける場合に比べて部品点数を低減することが可能となる。
以下、記録装置をインクジェット式プリンターに具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、記録装置の一例としてのインクジェット式プリンター11は、外部機器(図示略)が接続可能とされ、インクジェット式プリンター11の外装を構成する略直方体状の筐体部12を備えている。筐体部12の前面における上端部の中央部には、媒体の一例としてのロール紙RPが排出される排出口13が設けられている。ロール紙RPは、印刷がなされて排出口13から排出される際に所定の長さに切断されてカット紙CPとなる。
図1に示すように、記録装置の一例としてのインクジェット式プリンター11は、外部機器(図示略)が接続可能とされ、インクジェット式プリンター11の外装を構成する略直方体状の筐体部12を備えている。筐体部12の前面における上端部の中央部には、媒体の一例としてのロール紙RPが排出される排出口13が設けられている。ロール紙RPは、印刷がなされて排出口13から排出される際に所定の長さに切断されてカット紙CPとなる。
筐体部12の前面における排出口13の横には、インクジェット式プリンター11を操作するための操作部14が設けられている。操作部14は、インクジェット式プリンター11の電源を入れたり切ったりするための電源スイッチ14aを有している。筐体部12の前面において、排出口13の下側には前面カバー15が着脱可能に取り付けられ、前面カバー15の下側には引き出し式の保持フレーム16の一部が露出している。
また、筐体部12の前面における保持フレーム16の両側には、開閉カバー17が回動可能に取り付けられている。開閉カバー17は、下端側に設けられた回動軸(図示略)を中心に回動させることによって開閉される。そして、開閉カバー17が開放されると、液体の一例であるインクを収容するインクカートリッジ18が着脱可能に装着されるカートリッジホルダー(図示略)が露出する。
図2に示すように、筐体部12内における保持フレーム16上には、ロール紙ホルダー20が設けられている。ロール紙ホルダー20には、ロール紙RPが筐体部12の幅方向X(図2では紙面と直交する方向)に延びる支軸21を介して回転可能に支持されている。すなわち、ロール紙RPは、ロール紙ホルダー20により、支軸21とともに支軸21を回転中心として回転可能に支持されている。
支軸21は、給紙モーター22(図5参照)によって正逆両方向に回転駆動されるようになっている。したがって、ロール紙RPは、給紙モーター22(図5参照)によって支軸21を介して正逆両方向に回転駆動されるようになっている。また、筐体部12内には、ロール状態から巻き解かれるロール紙RPを排出口13のある下流側に向かって搬送するための搬送経路25が設けられている。
搬送経路25は、ロール紙ホルダー20に支軸21を介して支持されたロール紙RPの前側から下方に向かって延びてから後方に屈曲し、ロール紙RPの下側及び後側を回り込んでロール紙RPよりも高い位置まで上方に向かって延びた後、前方に湾曲してから排出口13まで真っ直ぐ水平に延びている。
搬送経路25は、その上流端部、すなわち搬送経路25におけるロール紙RPの前斜め下方の位置に、ほぼ直角に曲がる屈曲部25aを有している。そして、搬送経路25における屈曲部25aの直ぐ下流側には、ロール紙RPの曲がり癖を矯正するデカールを行うためのデカール機構26が設けられている。
図2及び図3に示すように、デカール機構26は、第1ローラー27と、第2ローラー28と、屈曲部25aの一部を形成する曲面29aを有した固定曲面部29と、第1ローラー27を移動させるための移動装置30とを備えている。第1ローラー27は、第2ローラー28及び固定曲面部29よりも下側に、ほぼ鉛直方向に沿って移動可能な状態で配置されている。第2ローラー28及び固定曲面部29は、所定間隔を置いて互いに前後方向(図2及び図3では左右方向;幅方向Xと直交する方向)に並ぶように、それぞれ位置が固定された状態で配置されている。そして、ロール紙RPは、第1ローラー27と固定曲面部29との間、及び第1ローラー27と第2ローラー28との間を通って下流側へ搬送される。
また、第1ローラー27は、移動装置30の駆動により、ロール紙RPを押圧しないレリース位置(図3で示す位置)と、ロール紙RPを押圧して第2ローラー28とで挟むニップ位置(図4で示す位置)との間で移動される。そして、第1ローラー27がニップ位置にある状態では、曲がり癖のついたロール紙RPは、固定曲面部29にガイドされながら曲がり癖が矯正される方向に曲げられてデカールされる。
このとき、第1ローラー27は前後方向において第2ローラー28と固定曲面部29との間に位置するとともに、ロール紙RPは前後方向において第1ローラー27と固定曲面部29との間に位置する。本実施形態において、第2ローラー28は筐体部12内に配置された搬送モーター31によって駆動される駆動ローラーによって構成され、第1ローラー27はニップ位置(図4で示す位置)にあるときに第2ローラー28の回転駆動力がロール紙RPを介して伝達されることで従動回転する従動ローラーによって構成されている。
図2に示すように、搬送経路25におけるデカール機構26よりも下流側には、ロール紙RPに搬送力を付与する第1搬送ローラー対32、第2搬送ローラー対33、給紙ローラー対34、上流側排紙ローラー対35、及び下流側排紙ローラー対36が適宜間隔を置いて設けられている。これらのローラー対32〜36は、搬送モーター31によって回転駆動される。
搬送経路25における第2搬送ローラー対33と給紙ローラー対34との間には、ロール紙RPが巻き掛けられてロール紙RPの搬送方向を約90°変化させる中間ローラー37が回転可能に配置されている。搬送経路25における第1搬送ローラー対32の直ぐ下流側には、ロール紙RPの先端を検出する第1紙端センサー38が設けられている。
搬送経路25における給紙ローラー対34と中間ローラー37との間には、ロール紙RPの先端を検出する第2紙端センサー39が設けられている。搬送経路25における上流側排紙ローラー対35と下流側排紙ローラー対36との間には、ロール紙RPの先端を検出する第3紙端センサー40が設けられている。
搬送経路25における給紙ローラー対34と上流側排紙ローラー対35との間には、ロール紙RPを下側から支持する支持台41が配置されている。支持台41とロール紙RPを挟んで対向する位置には、支持台41に支持されたロール紙RPに上側からインクを吐出して付着させることで記録(印刷)を行う記録部42が設けられている。記録部42は、幅方向Xに往復移動可能なキャリッジ43と、キャリッジ43の下端部に支持されて複数のノズルからインクを吐出する記録ヘッド45とを備えている。キャリッジ43は、筐体部12内に配置されたキャリッジモーター46の駆動により往復移動される。
搬送経路25における下流側排紙ローラー対36の下流側にはロール紙RPを下側から支持する支持板47が配置されている。支持板47におけるロール紙RPを支持する側の面(上面)とは反対側の面(下面)には、支持板47上の記録済みのロール紙RPを加熱して乾燥するための乾燥部及び加熱部の一例としてのヒーター48と、支持板47の温度を検出する温度センサー49とが設けられている。
したがって、ヒーター48は、搬送経路25におけるデカール機構26が設けられた位置とは異なる位置に設けられている。そして、ヒーター48により支持板47が加熱されて、ヒーター48の熱が支持板47を介して支持板47上を搬送される記録済みのロール紙RPに伝わることで、ロール紙RPが乾燥される。なお、本実施形態では、乾燥部が加熱部を兼ねている。
搬送経路25における支持板47の下流側にはロール紙RPを挟持する挟持ローラー対50が配置され、挟持ローラー対50の下流側にはロール紙RPを例えば単位長さに切断してカット紙CPとするカッター51が設けられている。カッター51は、通常、ロール紙RPの搬送経路25から退避した待機位置(図6で示す位置)で待機しており、ロール紙RPを切断するときに搬送経路25の切断位置(図2で示す位置)へ移動される。
挟持ローラー対50は、カッター51がロール紙RPを切断する際に、ロール紙RPにおけるカッター51によって切断される位置よりも搬送経路25の上流側でロール紙RPを挟持して固定する。カッター51によってロール紙RPを切断することによって生じたカット紙CPは、排出口13から排出される。
次に、インクジェット式プリンター11の電気的構成について説明する。
図5に示すように、インクジェット式プリンター11は、インクジェット式プリンター11全体を統括的に制御する制御部52を備えている。制御部52は、モータードライバー53、モータードライバー54、及びモータードライバー55を介してキャリッジモーター46、搬送モーター31、及び給紙モーター22とそれぞれ電気的に接続されている。
図5に示すように、インクジェット式プリンター11は、インクジェット式プリンター11全体を統括的に制御する制御部52を備えている。制御部52は、モータードライバー53、モータードライバー54、及びモータードライバー55を介してキャリッジモーター46、搬送モーター31、及び給紙モーター22とそれぞれ電気的に接続されている。
さらに、制御部52は、移動装置30、カッター51、記録ヘッド45、ヒーター48、ロータリーエンコーダー56、温度センサー49、第1紙端センサー38、第2紙端センサー39、第3紙端センサー40、及び電源スイッチ14aとそれぞれ電気的に接続されている。
そして、制御部52は、センサー38,39,40,49及び電源スイッチ14aから送信される信号に基づいて、モータードライバー53,54,55を介してモーター46,31,22の駆動をそれぞれ制御するとともに、移動装置30、カッター51、記録ヘッド45、及びヒーター48をそれぞれ制御する。
また、制御部52は、カウンター57を備えている。ロータリーエンコーダー56は、搬送モーター31の出力軸に取着された円板状の符号板と、符号板に穿孔された一定ピッチのスリットを透過した光を検出するセンサーとを備えている。制御部52は、ロータリーエンコーダー56からロール紙RPの移動量に比例する数のパルスを入力し、その入力したパルスの数を、カウンター57で計数する。
制御部52は、上記入力したパルスの数を、ロール紙RPの先端が搬送経路25の下流側へ搬送されるときに加算し、搬送経路25の上流側へ搬送されるときに減算することで、ロール紙RPの先端の搬送経路25における位置を把握する。すなわち、制御部52は、例えば第1紙端センサー38でロール紙RPの先端が検出されたときにカウンター57をリセットすることで、搬送経路25における第1紙端センサー38の位置を基準としたロール紙RPの先端の位置を把握する。
次に、インクジェット式プリンター11の作用について説明する。
図6に示すように、インクジェット式プリンター11は、電源スイッチ14aが切られているときには、ロール紙RPの先端が搬送経路25における第1搬送ローラー対32と第1紙端センサー38との間に位置する待機状態となっている。この待機状態で長時間放置されると、ロール紙RPにおける搬送経路25の屈曲部25aに位置する部分は、ロール紙RPにおける他の部分よりも曲がり癖が強くついた強曲がり癖部KMとなってしまう。
図6に示すように、インクジェット式プリンター11は、電源スイッチ14aが切られているときには、ロール紙RPの先端が搬送経路25における第1搬送ローラー対32と第1紙端センサー38との間に位置する待機状態となっている。この待機状態で長時間放置されると、ロール紙RPにおける搬送経路25の屈曲部25aに位置する部分は、ロール紙RPにおける他の部分よりも曲がり癖が強くついた強曲がり癖部KMとなってしまう。
このため、インクジェット式プリンター11は、電源スイッチ14aが入れられる度に、ロール紙RPの強曲がり癖部KMがヒーター48によって加熱されてからデカール機構26によってデカールされるようにロール紙RPを搬送する加熱デカール動作を実行する。そして、加熱デカール動作が開始されると、まず、図7に示すように、強曲がり癖部KMが支持板47上に移動するようにロール紙RPが搬送されて、強曲がり癖部KMがヒーター48の熱によって加熱(本実施形態では、加熱温度が80℃で加熱時間が1〜2秒程度に設定されている)される。
引き続き、ロール紙RPを巻き戻すように搬送して、図2及び図3に示すように強曲がり癖部KMを支持板47上からデカール機構26のある位置まで移動させて停止させた後、図4に示すように第1ローラー27をニップ位置に移動させて、強曲がり癖部KMが第1ローラー27と第2ローラー28とで挟まれた状態にする。すなわち、ロール紙RPを強曲がり癖部KMの曲がり癖が矯正される方向に曲げた状態で停止させた状態にする。
そして、この状態を所定時間(本実施形態では10秒)維持することで、加熱済みの強曲がり癖部KMが徐々に自然冷却されながらデカールされる。すなわち、強曲がり癖部KMは、暖かい状態でデカールされながら自然冷却されるので、デカールされた後の形状が維持され易くなる。これにより、加熱デカール動作が終了する。
そして、加熱デカール動作が終了すると、ロール紙RPの先端が支持台41上まで移動するようにロール紙RPを搬送する頭出しを行った後、ロール紙RPの記録(印刷)を行う記録動作が開始される。記録動作が開始されると、キャリッジ43が幅方向Xに往復移動しながら記録ヘッド45の各ノズル44から支持台41上のロール紙RPにインクが吐出されながら、ロール紙RPが徐々に下流側へ搬送される。
これにより、支持台41上のロール紙RPにインクが付着することで、ロール紙RPの記録(印刷)が行われる。このとき、ロール紙RPは、全体的にデカール機構26によるデカールが行われており、特に曲がり癖の強い部分である強曲がり癖部KMにおいては加熱デカール動作の実行によるデカールが行われている。このため、ロール紙RPが支持台41上で反り上がってキャリッジ43とともに往復移動する記録ヘッド45に接触することが効果的に抑制される。
引き続き、記録済みのロール紙RPは、その搬送経路25の下流側へ搬送され、支持板47上を搬送される過程でヒーター48による熱が付与されて乾燥される。そして、乾燥されたロール紙RPは、排出口13から筐体部12外へ排出される際に、挟持ローラー対50に挟持された状態でカッター51により所定の長さに切断されてカット紙CPとなる。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)加熱デカール動作の実行により、ロール紙RPの強曲がり癖部KMがデカール機構26とは異なる位置に配置されたヒーター48によって加熱されてからデカール機構26によってデカール(曲がり癖の矯正)される。このため、強曲がり癖部KMのデカール中に強曲がり癖部KMが加熱されることはないので、強曲がり癖部KMが加熱されすぎることを抑制しつつ、強曲がり癖部KMのデカールを効果的に行うことができる。
(1)加熱デカール動作の実行により、ロール紙RPの強曲がり癖部KMがデカール機構26とは異なる位置に配置されたヒーター48によって加熱されてからデカール機構26によってデカール(曲がり癖の矯正)される。このため、強曲がり癖部KMのデカール中に強曲がり癖部KMが加熱されることはないので、強曲がり癖部KMが加熱されすぎることを抑制しつつ、強曲がり癖部KMのデカールを効果的に行うことができる。
(2)デカール機構26は、第1ローラー27、第2ローラー28、及び固定曲面部29を有し、ロール紙RPは、第1ローラー27をニップ位置に移動させた(デカール機構26によるデカールが行われる)際に、第1ローラー27と第2ローラー28とで挟まれ、且つ第1ローラー27と固定曲面部29との間に位置している。このため、ロール紙RPが固定曲面部29にガイドされながら第1ローラー27と第2ローラー28とで挟まれるので、ロール紙RPのデカールを好適に行うことができる。
(3)加熱デカール動作は、インクジェット式プリンター11の電源(電源スイッチ14a)が入れられる度に実行される。通常、インクジェット式プリンター11を長期間使用しなかった場合には、ロール紙RPに曲がり癖が強くついてしまう。この点、本実施形態によれば、インクジェット式プリンター11の電源(電源スイッチ14a)が入れられる度に加熱デカール動作が行われてロール紙RPの強曲がり癖部KMがデカールされるので、強曲がり癖部KMの曲がり癖を好適に解消することができる。
(4)加熱デカール動作では、強曲がり癖部KMが第1ローラー27と第2ローラー28とで挟まれた状態でロール紙RPの搬送が所定時間(本実施形態では10秒)停止される。このため、加熱済みの強曲がり癖部KMが徐々に自然冷却されながらデカールされる。すなわち、強曲がり癖部KMは、暖かい状態でデカールされながら自然冷却されるので、デカールされ易く且つデカールされた後の形状が維持され易くなる。したがって、強曲がり癖部KMのデカールを効果的に行うことができる。
(5)記録済みのロール紙RPを加熱して乾燥するための乾燥部として機能するヒーター48は、加熱デカール動作でロール紙RPの強曲がり癖部KMを加熱する加熱部としても機能している。したがって、乾燥部が加熱部を兼ねているため、乾燥部と加熱部とを別々に設ける場合に比べて部品点数を低減することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図8に示すように、インクジェット式プリンター11のデカール機構26において、固定曲面部29を第3ローラー60に変更してもよい。このようにすれば、図9に示すように、第1ローラー27をニップ位置に移動させてロール紙RPのデカールを行う際に、ロール紙RPが回転可能な第3ローラー60にガイドされながら第1ローラー27と第2ローラー28とで挟まれる。このため、上記実施形態に比べてロール紙RPの搬送時の抵抗を低減しつつロール紙RPのデカールを円滑に行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図8に示すように、インクジェット式プリンター11のデカール機構26において、固定曲面部29を第3ローラー60に変更してもよい。このようにすれば、図9に示すように、第1ローラー27をニップ位置に移動させてロール紙RPのデカールを行う際に、ロール紙RPが回転可能な第3ローラー60にガイドされながら第1ローラー27と第2ローラー28とで挟まれる。このため、上記実施形態に比べてロール紙RPの搬送時の抵抗を低減しつつロール紙RPのデカールを円滑に行うことができる。
・乾燥部と加熱部とは、別々のヒーター48で構成し、搬送経路25における互いに異なる位置に配置するようにしてもよい。この場合、加熱部は、搬送経路25におけるデカール機構26よりも上流側の位置に配置してもよいし、デカール機構26よりも下流側の位置に配置してもよい。
・乾燥部(加熱部)は、温風を供給してロール紙RPを加熱する温風ヒーターによって構成してもよい。
・加熱デカール動作では、強曲がり癖部KMが第1ローラー27と第2ローラー28とで挟まれた状態でロール紙RPの搬送を、必ずしも所定時間(本実施形態では10秒)停止する必要はない。
・加熱デカール動作では、強曲がり癖部KMが第1ローラー27と第2ローラー28とで挟まれた状態でロール紙RPの搬送を、必ずしも所定時間(本実施形態では10秒)停止する必要はない。
・加熱デカール動作において、ロール紙RPの強曲がり癖部KMが第1ローラー27と第2ローラー28とで挟まれた状態でロール紙RPの搬送を停止させる時間は、ロール紙RPの種類に応じて適宜変更してもよい。
・加熱デカール動作において、ロール紙RPの強曲がり癖部KMをヒーター48で加熱する温度と時間は、ロール紙RPの種類に応じて適宜変更してもよい。
・加熱デカール動作は、必ずしもインクジェット式プリンター11の電源(電源スイッチ14a)が入れられる度に実行する必要はない。
・加熱デカール動作は、必ずしもインクジェット式プリンター11の電源(電源スイッチ14a)が入れられる度に実行する必要はない。
・インクジェット式プリンター11にタイマー機能を備えさせ、インクジェット式プリンター11の電源(電源スイッチ14a)が入れっぱなしで放置された場合に、所定時間毎に加熱デカール動作を行うようにしてもよい。
・加熱デカール動作の実行により、ロール紙RPにおける強曲がり癖部KM以外の部分のデカールを行うようにしてもよい。
・デカール機構26における第1ローラー27及び第2ローラー28のうち少なくとも一方を、ロール紙RPを摺動させながらガイドする曲面を有した部材によって構成してもよい。
・デカール機構26における第1ローラー27及び第2ローラー28のうち少なくとも一方を、ロール紙RPを摺動させながらガイドする曲面を有した部材によって構成してもよい。
・インクジェット式プリンター11は、ロール紙RPの幅全体と対応した長尺状の固定された液滴吐出部を備える、いわゆるフルラインタイプに変更してもよい。この場合の液滴吐出部は、ノズルが形成された複数の単位ヘッド部を並列配置することによって記録範囲(印刷範囲)がロール紙RPの幅全体に亘るようにしてもよいし、単一の長尺ヘッドにロール紙RPの幅全体に亘るように多数のノズルを配置することによって、記録範囲がロール紙RPの幅全体に亘るようにしてもよい。
・上記実施形態において、記録装置は、インク以外の他の液体を吐出する液滴吐出装置であってもよい。なお、液滴吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液滴吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液滴吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する液滴吐出装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する液滴吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液滴吐出装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液滴吐出装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液滴吐出装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液滴吐出装置であってもよい。
11…記録装置の一例としてのインクジェット式プリンター、25…搬送経路、26…デカール機構、27…第1ローラー、28…第2ローラー、29…固定曲面部、48…乾燥部及び加熱部の一例としてのヒーター、60…第3ローラー、KM…強曲がり癖部、CP…媒体の一例としてのカット紙、RP…媒体の一例としてのロール紙。
Claims (6)
- 媒体が搬送される搬送経路と、
前記搬送経路に設けられ、前記媒体を挟むことで前記媒体の曲がり癖を矯正する方向に前記媒体を曲げてデカールを行うデカール機構と、
前記搬送経路における前記デカール機構が設けられた位置とは異なる位置に設けられ、前記媒体を加熱する加熱部と
を備え、
前記媒体が前記加熱部によって加熱されてから前記デカール機構によってデカールされるように当該媒体を搬送する加熱デカール動作が実行可能であることを特徴とする記録装置。 - 前記デカール機構は、第1ローラー、第2ローラー、及び固定曲面部を有し、
前記媒体は、前記デカールが行われる際に、前記第1ローラーと前記第2ローラーとで挟まれ、且つ前記第1ローラーと前記固定曲面部との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記デカール機構は、第1ローラー、第2ローラー、及び第3ローラーを有し、
前記媒体は、前記デカールが行われる際に、前記第1ローラーと前記第2ローラーとで挟まれ、且つ前記第1ローラーと前記第3ローラーとの間に位置することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記加熱デカール動作は、電源が入れられる度に実行されることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の記録装置。
- 前記媒体は、当該媒体における他の部分よりも曲がり癖が強くついた部分である強曲がり癖部を有しており、
前記加熱デカール動作では、前記デカール機構が前記媒体における前記強曲がり癖部を挟んだ状態で当該媒体の搬送が所定時間停止されることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の記録装置。 - 記録済みの前記媒体を加熱して乾燥するための乾燥部を備え、
前記乾燥部は、前記加熱部を兼ねていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の記録装置。
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JP2015010974A JP2016135694A (ja) | 2015-01-23 | 2015-01-23 | 記録装置 |
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JP (1) | JP2016135694A (ja) |
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2015
- 2015-01-23 JP JP2015010974A patent/JP2016135694A/ja active Pending
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