JP2016135529A - ワークの切断方法 - Google Patents

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大輔 仲俣
Daisuke Nakamata
大輔 仲俣
進之介 市川
Shinnosuke Ichikawa
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Abstract

【課題】長尺のワークの切断においても、ワークの端部から切り出されたウェーハにおけるWarpの悪化を抑制できるワークの切断方法を提供する。【解決手段】ワークの切断において、ワイヤー2を複数の溝付きローラ3に巻掛けし、該溝付きローラ3にスラリーを供給しつつ、前記ワイヤー2を走行させながらワークWに押し当てて、該ワークWをウェーハ状に切断する方法であって、切断する前記ワークWの端部の熱膨張による軸方向の変位量に応じて、前記溝付きローラ3に供給するスラリーの温度を、前記ワークWの切り始め及び切り終わりにおける前記スラリーの温度よりも、前記ワークWの切断中における前記スラリーの温度の方が低温になるように制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤーソーを用いて、ワーク(例えばシリコンインゴット、化合物半導体のインゴット等)から多数のウェーハを切り出す切断方法に関する。
近年、ウェーハの大型化が望まれており、この大型化に伴い、ワーク(以下、インゴットということもある)の切断には専らワイヤーソーが使用されている。
ワイヤーソーは、ワイヤー(高張力鋼線)を高速走行させて、ここにスラリーを掛けながら、ワークを押し当てて切断し、多数のウェーハを同時に切り出す装置である。
ここで、図12に、一般的なワイヤーソー101の一例の概要を示す。
図12に示すように、ワイヤーソー101は、主に、ワークWを切断するためのワイヤー102、ワイヤー102を巻回した溝付きローラ103、ワイヤー102に張力を付与するためのワイヤー張力付与機構104、切断されるワークWを下方へと送り出すワーク送り機構105、切断時に溝付きローラ103、ワイヤー102にスラリーを供給するスラリー供給機構106で構成されている。
ワイヤー102は、一方のワイヤーリール107から繰り出され、トラバーサ108を介してダンサローラ109からなるワイヤー張力付与機構104を経て、溝付きローラ103に入っている。ワイヤー102がこの溝付きローラ103に300〜400回程度巻掛けられることによりワイヤー列が形成される。ワイヤー102はもう一方のワイヤー張力付与機構104’を経てワイヤーリール107’に巻き取られている。
また、溝付きローラ103は鉄鋼製円筒の周囲にポリウレタン樹脂を圧入し、その表面に一定のピッチで溝を切ったローラであり、巻掛けられたワイヤー102が、駆動用モータ110によって予め定められた走行距離で往復方向に駆動できるようになっている。
なお、ワークWの切断時には、ワーク送り機構105によって、ワークWは保持されつつ押し下げられ、溝付きローラ103に巻回されたワイヤー102に送り出される。
また、溝付きローラ103、巻掛けられたワイヤー102の近傍にはノズル115が設けられており、切断時にスラリータンク116から溝付きローラ103、ワイヤー102にスラリーを供給できるようになっている。また、スラリータンク116にはスラリーチラー117が接続されており、供給するスラリーの温度を調整できるようになっている。
このようなワイヤーソー101を用い、ワイヤー102にワイヤー張力付与機構104を用いて適当な張力をかけて、駆動用モータ110によりワイヤー102を往復方向に走行させながら、供給されたスラリー中の遊離砥粒をワイヤー102によりワイヤー溝(ワークの切断溝)の奥部に押しつけながら溝底部のワークを削り取ることによって切断する。
しかしながら、上記のようなワイヤーソー101を用いてワークWをウェーハ状に切断し、実際に切断されたウェーハの形状を調べてみると、Warpが生じてしまっていた。このWarpは半導体ウェーハの切断における重要品質の1つであり、製品の品質要求が高まるにつれ、一層の低減が望まれている。
Warpの発生原因は、溝付きローラ及びワークの熱膨張、ワーク送りの真直度、切断中のワイヤーのたわみの影響が重畳したものであることが知られており、それを解決するための手段として、特許文献1や特許文献2のような方法が取られていた。
特許文献1には、インゴットを切断するときに、軸方向に変化するインゴットの変位量を測定し、それに対応させて溝付きローラ軸方向の変位量を制御(溝付きローラに流れる冷却水温度・流量調整等)することで、軸方向に変化するインゴットの全長に対してのワイヤーの相対位置を制御しながら切断する方法が開示されている。
特許文献2には、スラリーの供給温度を、ワークの切断開始から切断終了までの間上昇させながらワークを切断するように、制御しながら切断することで、ワークに描かれる切断軌跡を直線的にして、ワークを切断する方法が開示されている。
特開2008−213110号公報 国際公開第2009/78130
しかしながら、ワークの熱膨張による軸方向の変化量(熱膨張量とも言う)は、ワークの中心から遠くなる程大きくなっていくため、特許文献1に記載の方法では、ワークが長尺になると、溝付きローラの軸方向の変位量を制御しきれなくなり、Warpの悪化を引き起こしていた。
また、ワークの切断開始から切断終了までの間上昇させながらワークを切断するような特許文献2に記載の方法でも、ワークが長尺になる程、ワークの切断軌跡が直線と掛け離れてしまうため、Warpの低減が困難であった。
このように、従来の方法では、生産効率の良い長尺のワークの切断を行う場合、ワークの端部から切り出されたウェーハにおけるWarpの悪化を十分に抑制することができなかった。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、長尺のワークの切断においても、ワークの端部から切り出されたウェーハにおけるWarpの悪化を抑制できるワークの切断方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、ワイヤーを複数の溝付きローラに巻掛けし、該溝付きローラにスラリーを供給しつつ、前記ワイヤーを走行させながらワークに押し当てて、該ワークをウェーハ状に切断する方法であって、
切断する前記ワークの端部の熱膨張による軸方向の変位量に応じて、前記溝付きローラに供給するスラリーの温度を、前記ワークの切り始め及び切り終わりにおける前記スラリーの温度よりも、前記ワークの切断中における前記スラリーの温度の方が低温になるように制御することを特徴とするワークの切断方法を提供する。
このようにすれば、長尺のワークの切断においても、ワークの端部から切り出されたウェーハにおけるWarpの悪化を抑制できる。
このとき、切断する前記ワークの端部の熱膨張による軸方向の変位量と、前記ワークの端部を切断する前記ワイヤーが巻掛けされている前記溝付きローラの軸方向の変位量とを一致させるように、前記溝付きローラに供給するスラリーの温度を制御することが好ましい。
このようにすれば、長尺のワークの切断においても、ワークの端部から切り出されたウェーハにおけるWarpの悪化を確実に抑制できる。
またこのとき、前記ワークの切断中における前記スラリーの温度を、
前記ワークの長さが200mm未満の場合には1℃以上2℃以下、前記ワークの長さが200mm以上360mm未満の場合には1℃以上4℃以下、前記ワークの長さが360mm以上の場合には2℃以上6℃以下の範囲内で、前記ワークの切り始め及び切り終わりにおける前記スラリーの温度よりも低温にすることが好ましい。
このようにすれば、長尺のワークの切断においても、ワークの端部から切り出されたウェーハにおけるWarpの悪化をより確実に抑制でき、歩留まりを向上できる。
本発明のワークの切断方法であれば、長尺のワークの切断においても、ワークの端部から切り出されたウェーハにおけるWarpの悪化を抑制できる
本発明で用いることができるワイヤーソーの一例を示した概略図である。 ワークの切断を開始した時における溝付きローラの表面温度を示した概略図である。 ワークの切断中における溝付きローラの表面温度の分布を示した概略図である。 ワークの切断中における溝付きローラの表面温度の分布及び、溝付きローラの熱膨張による径方向の変位を示した概略図である。 溝付きローラの熱膨張による変位が生じる前と、変位が生じた後でのワイヤー溝位置の変位を示した概略図である。 ワークの熱膨張及び熱収縮がワークの切断に与える影響を示した図である。 ワークの熱膨張による軸方向の変位量を示した図である。 溝付きローラに供給するスラリーの温度がtの場合における溝付きローラの変位の様子及び、溝付きローラとワークの軸方向の変位量を示した図である。 溝付きローラに供給するスラリーの温度がt’の場合における溝付きローラの変位の様子及び、溝付きローラとワークの軸方向の変位量を示した図である。 溝付きローラに供給するスラリーの温度がt、t’の場合におけるWarpの分布を示す図である。 溝付きローラとワークの軸方向の変位量を示した図である。 一般的なワイヤーソーの一例を示した概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述したように、近年、長尺のワークの切断を行う場合、ワークの端部から切り出されたウェーハにおけるWarpの悪化を十分に抑制することができないという問題があった。
そこで、本発明者らはこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。
その結果、切断するワークの端部の熱膨張による軸方向の変位量は、ワークが長尺になる程、大きくなるので、このワークの変位量に合わせて、溝付きローラの軸方向の変位量を大きくすれば、ワークの端部から切り出されたウェーハのWarpの悪化を抑制できることに想到した。さらに、溝付きローラに供給するスラリーの温度を、ワークの切り始め及び切り終わりにおけるスラリーの温度よりも、ワークの切断中におけるスラリーの温度の方が低温になるように制御することで、溝付きローラの軸方向の変位量をワークの変位量に合わせることができることに想到した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
まず、本発明のワークの切断方法で使用することができるワイヤーソーについて説明する。
図1に示すように、ワイヤーソー1は、主に、ワークWを切断するためのワイヤー2、ワイヤー2を巻回した溝付きローラ3、ワイヤー2に張力を付与するためのワイヤー張力付与機構4、切断されるワークWを下方へと送り出すワーク送り機構5、切断時に溝付きローラ3、ワイヤー2にスラリーを供給するスラリー供給機構6で構成されている。
ワイヤー2は、一方のワイヤーリール7から繰り出され、トラバーサ8を介してダンサローラ9からなるワイヤー張力付与機構4を経て、溝付きローラ3に入っている。ワイヤー2がこの溝付きローラ3に300〜400回程度巻掛けられることによりワイヤー列が形成される。ワイヤー2はもう一方のワイヤー張力付与機構4’を経てワイヤーリール7’に巻き取られている。
また、溝付きローラ3は鉄鋼製円筒の周囲にポリウレタン樹脂を圧入し、その表面に一定のピッチで溝を切ったローラであり、巻掛けられたワイヤー2が、駆動用モータ10によって予め定められた走行距離で往復方向に駆動できるようになっている。
ワークWの切断時には、ワーク送り機構5によって、ワークWは保持されつつ押し下げられ、溝付きローラ3に巻回されたワイヤー2に送り出される。
また、溝付きローラ3、巻掛けられたワイヤー2の近傍にはノズル15が設けられており、切断時にスラリータンク16から溝付きローラ3、ワイヤー2にスラリーを供給できるようになっている。また、スラリータンク16にはスラリーチラー17が接続されており、供給するスラリーの温度を調整できるようになっている。
次に、このワイヤーソー1を用いた場合の本発明のワークの切断方法の一実施形態について説明する。
ワイヤー2にワイヤー張力付与機構4を用いて適当な張力をかけて、駆動用モータ10によりワイヤー2を往復方向に走行させる。ワークWをこのワイヤー2に押し付けることでワークWの切断を開始する。
図2に示すように、ワークWの切断を開始して、ワークWを切り始めたときには、溝付きローラ3の表面の温度はtで一定であり、溝付きローラ3の径方向及び軸方向に変位は見られない。
なお、本発明においてワークWの切り始めとは、ワイヤー2がワークWの表面に接し、切断が開始されたときであるが、開始から数mm程度の範囲を切断しているときも含めることができる。
さらに供給されたスラリー中の遊離砥粒をワイヤー2によりワイヤー溝(ワークの切断溝)の奥部に押しつけながら溝底部を削り取ることによって、ワークWを切り進んでいくと、ワークWの切削熱の影響を受けて溝付きローラ3の表面温度が上昇していく。
ワイヤー2がワークWの径方向の中央部を切断しているときには、溝付きローラ3の表面温度の分布は図3に示すようになる。図3に示すように、ワークWを切断しているワイヤー2が巻掛けされている溝付きローラ3の表面では、ワークWの切削熱の影響を受けて温度がtとなり、それ以外の部分では、溝付きローラ3に直接掛かるスラリー18の温度の影響を受けて表面の温度はtとなるとすると、溝付きローラ3の表面の温度t、t、tの関係は、t>t>tとなる。
このように、溝付きローラ3の表面の温度に、t>tのような温度差が生じることによって、熱膨張による変位量の差が生じ、図4に示すように、溝付きローラ3の表面には径方向に急激な段差が生じる。
このような溝付きローラ3の熱膨張による影響で、図5に示すように、変位前のワイヤー溝位置pは、径方向にa、軸方向にb変位して、変位後のワイヤー溝位置p’に移る。
図5に示すように、このときの溝付きローラ3の軸方向の変位量bの分布において、その大きさが最も大きくなる特異点が段差部分で生じる。
発明者らは、溝付きローラ3に供給するスラリーの温度を変化させることで、特異点における変位の大きさ、すなわち、変位の最大量が変化することを見出した。
具体的には、溝付きローラ3に供給するスラリーの温度をtよりもさらに低温のt’に制御した場合、特異点における変位の大きさがより顕著に大きくなることを発見した。
一方、ワークWの切断中に生じる切削熱によって、ワークW自身も熱膨張する。
図6に示すように、ワークWは、切り始めでは変位は見られないが、切り進めていくうちにだんだんと熱膨張していき、切り終わり近傍では熱収縮する。このようにしてワークWの切断中に、ワークWに変位が生じることによって、図6に示すように、切断後のウェーハにWarpが生じてしまう。
本発明においてワークWの切り終わりは、切断を完了する時点であるが、その手前数mm程度を切断しているときも含めることができる。
図7に示すように、ワークWの中心からの距離が遠いほどワークWの熱膨張による変位量が大きくなる傾向がある。すなわち、ワークWの端部において、ワークWの軸方向の変位量が最大となる。
図8は、溝付きローラに供給するスラリーの温度がtの場合における溝付きローラの径方向及び軸方向の変位の様子を示している。図8のグラフの曲線は溝付きローラの軸方向の変位量を示し、点線はワークの軸方向の変位量を示している。
図9は、溝付きローラに供給するスラリーの温度がtよりも低温のt’の場合における溝付きローラの径方向及び軸方向の変位の様子を示している。図9のグラフの曲線は溝付きローラの軸方向の変位量を示し、点線はワークの軸方向の変位量を示している。
図8、9に示すように、溝付きローラ3に供給するスラリーの温度をt(図8)よりもさらに低温のt’に制御した(図9)場合、特異点における変位の大きさをより大きくすることができる。
Warpの程度は、ワークの熱膨張による軸方向の変位量と、溝付きローラの軸方向の変位量の差分で定義される。
具体的には、図8のグラフの場合、溝付きローラの軸方向の変位量を示す曲線と、ワークの軸方向の変位量を示す点線との差分で、Warpは表される。図8のグラフから求められるWarpは、図10のtで示す曲線のようになる。同様にして、図9のグラフから求められるWarpは図10のt’で示す曲線のようになる。上記したようにt>t’である。
図10に示したt’で示される曲線は、tで示される曲線よりもWarpが低減されていることが分かる。
溝付きローラ3に供給するスラリーの温度を制御して、溝付きローラ3の変位の最大量を、切断するワークWの端部の熱膨張による軸方向の変位量に合わせるように制御することで、ワークWの端部から切り出されたウェーハのWarpを低減することができる。具体的には、切断するワークの端部の熱膨張による軸方向の変位量に応じて、溝付きローラに供給するスラリーの温度を、ワークの切り始め及び切り終わりにおけるスラリーの温度よりも、ワークの切断中におけるスラリーの温度の方が低温になるように制御する。
このとき、切断するワークWの端部の熱膨張による軸方向の変位量に応じて、ワークWの端部を切断するワイヤー2が巻掛けされている溝付きローラ3の軸方向の変位量とを一致させるように、スラリーの温度を制御することが好ましい。
図11は、このようにスラリーの温度を制御して、本発明の切断方法を実施したときの、ワークWおよび溝付きローラ3の軸方向の変位量を示している。点線WbはワークWの長さが140mmの場合、点線WbはワークWの長さが260mmの場合、点線WbはワークWの長さが400mmの場合のそれぞれのワークWの軸方向の変位量を示している。
曲線3bは溝付きローラ3に供給するスラリーの温度をt、3bは溝付きローラ3に供給するスラリーの温度をt’、3bは切断中に溝付きローラ3に供給するスラリーの温度をt’’に制御したときの溝付きローラ3の軸方向の変位量を示している(t>t’>t’’としている)。図11に示すように、曲線3b−3bはそれぞれ、特異点における変位量のピーク値を示しており、この値が、ワークWの変位量の値と一致している。
このようにして、スラリーの温度を制御し、特異点における変位の大きさを制御して、特異点を適切な大きさにする、すなわち、ワークの熱膨張に応じた大きさにすることによって、長尺のワークWの切断においても、ワークWの端部から切り出されたウェーハのWarpを確実に低減することができる。
切断するワークWの端部の熱膨張による軸方向の変位量は、ワークWの長さが長いほど大きくなるため、切断するワークの長さが長いほど、ワークWの切断中におけるスラリーの温度をより低温にする(すなわち、t>t’>t’’とする)ことが好ましい。
さらに具体的には、ワークWの切断中におけるスラリーの温度を、ワークWの長さが200mm未満の場合には1℃以上2℃以下、ワークWの長さが200mm以上360mm未満の場合には1℃以上4℃以下、ワークWの長さが360mm以上の場合には2℃以上6℃以下の範囲内で、ワークWの切り始め及び切り終わりにおけるスラリーの温度よりも低温にすることで、上記Warp低減の効果を確実に奏することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すようなワイヤーソー1を用い、本発明の切断方法を実施した。
ワイヤーソー1として、コマツNTC製のものを用いた。ワイヤー2の直径は130μm、ワイヤー2に付与する張力は25N、ワイヤー新線供給量は100m/分、ワイヤー反転サイクルは120秒、ワイヤー走行速度は平均700m/分、スラリー砥粒はGC#2000、スラリー砥粒濃度(クーラント/砥粒)は50/50とした。このような切断条件で、ワイヤー2及び溝付きローラ3にスラリーを掛けながら直径300mmのシリコンインゴット(以下、単にワークとも言う)を切断した。
実施例1において、切断対象のワークは長さ140mmのものを用いた。
また、ワークWの切り始め及び切り終わりにおける溝付きローラ3に供給するスラリーの温度を24.0℃とした。そして、切断中(切断中央)おける溝付きローラ3に供給するスラリーの温度を、切り始め及び切り終わりのスラリーの温度よりも2.0℃低温となるように22.0℃とした。
ワークWの切断終了後、ワークの両端部および中央部から得られたアズカットウェーハのWarpをウェーハ形状測定器であるコベルコ科研製のSBW−331で測定した。
このときの結果を表1に示す。なお、表1のP面側、およびK面側は、それぞれワークの端部を表し、Ctrは中央部を表している。
また、表1では、Warpを、平均的なWarp値を1.0とした場合の相対値(%)で表した。
表1に示したように、実施例1のWarpの相対値は、後述する比較例1〜3の全てと比べて低減し、Warpが改善されていることが確認された。
(実施例2)
切断対象のワークの長さを実施例1よりも長い260mmとし、ワークの切断中におけるスラリーの温度を21.5℃とした以外は、実施例1と同様にしてワークの切断を行った(温度の差は2.5℃)。
このときのウェーハのWarpを実施例1と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
その結果、表1に示したように、実施例2のWarpの相対値は、後述する比較例1〜3の全てと比べて低減し、Warpが改善されていることが確認された。さらに、実施例1よりも長尺のワークを切断しているにも関わらず、実施例1と比べてWarpが同等以上に改善されていた。
(実施例3)
切断対象のワークの長さを実施例1、2よりも長い400mmとし、ワークの切断中におけるスラリーの温度を18.1℃とした以外は、実施例1と同様にしてワークの切断を行った(温度の差は5.9℃)。
このときのウェーハのWarpを実施例1と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
その結果、表1に示したように、実施例3のWarpの相対値は、後述する比較例1〜3の全てと比べて低減し、Warpが改善されていることが確認された。さらに、実施例1よりも長尺のワークを切断しているにも関わらず、実施例1と比べてWarpが同等以上に改善されていた。
(実施例4)
ワークの切断中におけるスラリーの温度を18.1℃とした以外は、実施例1と同様にして、長さを140mmのワークの切断を行った(温度の差は5.9℃)。
そして、このときのウェーハのWarpを実施例1と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
その結果、表1に示したように、実施例4のWarpの相対値は、後述する比較例1〜3の全てと比べて低減し、Warpが改善されていることが確認された。
さらに、実施例4の場合、実施例1と比べて、切断中のスラリーの温度をさらに低温にしたため、溝付きローラの軸方向の変位量の特異点における変位の大きさが更に顕著に大きくなり、ワークの端部から切り出したウェーハの表面形状が平坦形状とならず凹形状となった。
この結果から、切断中のスラリー温度を低温にすることで、Warpの低減のみならず、ウェーハの表面形状の制御をすることも可能であることが確認できた。
(比較例1)
ワークの切り始め、切り終わり、および切断中における溝付きローラに供給するスラリーの温度を、24.0℃で変化させずにワークの切断を行ったこと以外は、実施例1と同様な条件で、長さ140mmのワークを切断した。
その後、実施例1と同様の方法でウェーハのWarpを評価し、結果を表1に示した。
表1に示すように、比較例1では、アズカットウェーハのWarpの相対値は、実施例1よりも増加し、平坦度が悪化していることが確認された。
(比較例2)
ワークの切り始め、切り終わり、および切断中における溝付きローラに供給するスラリーの温度を、24.0℃で変化させずにワークの切断を行ったこと以外は、実施例2と同様な条件で、長さ260mmのワークを切断した。
その後、実施例2と同様の方法でウェーハのWarpを評価し、結果を表1に示した。
表1に示すように、比較例2では、Warpの相対値は、実施例2よりも増加し、平坦度が悪化していることが確認された。
(比較例3)
ワークの切り始め、切り終わり、および切断中における溝付きローラに供給するスラリーの温度を、24.0℃で変化させずにワークの切断を行ったこと以外は、実施例3と同様な条件で、長さ400mmのワークを切断した。
その後、実施例3と同様の方法でウェーハのWarpを評価し、結果を表1に示した。
表1に示すように、比較例3では、Warpの相対値は、実施例3よりも増加し、平坦度が悪化していることが確認された。
比較例1−3の結果が実施例の結果より悪化したのは、比較例1−3では、溝付きローラの特異点の変位量が、それぞれ実施例1−3における特異点の変位量と比べて小さく、ワークの端部の熱膨張による軸方向の変化量に比べて、ワークの端部を切断するワイヤーが巻掛けされている溝付きローラの軸方向の変位量が小さかったためであると考えられる。
Figure 2016135529
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ワイヤーソー、 2…ワイヤー、 3…溝付きローラ、
4、4’…ワイヤー張力付与機構、 5…ワーク送り機構、 6…スラリー供給機構、
7、7’…ワイヤーリール、 8…トラバーサ、 9…ダンサローラ、
10…駆動用モータ、 15…ノズル、 16…スラリータンク、
17…スラリーチラー、 18…スラリー、 W…ワーク。

Claims (3)

  1. ワイヤーを複数の溝付きローラに巻掛けし、該溝付きローラにスラリーを供給しつつ、前記ワイヤーを走行させながらワークに押し当てて、該ワークをウェーハ状に切断する方法であって、
    切断する前記ワークの端部の熱膨張による軸方向の変位量に応じて、前記溝付きローラに供給するスラリーの温度を、前記ワークの切り始め及び切り終わりにおける前記スラリーの温度よりも、前記ワークの切断中における前記スラリーの温度の方が低温になるように制御することを特徴とするワークの切断方法。
  2. 切断する前記ワークの端部の熱膨張による軸方向の変位量と、前記ワークの端部を切断する前記ワイヤーが巻掛けされている前記溝付きローラの軸方向の変位量とを一致させるように、前記溝付きローラに供給するスラリーの温度を制御することを特徴とする請求項1に記載のワークの切断方法。
  3. 前記ワークの切断中における前記スラリーの温度を、
    前記ワークの長さが200mm未満の場合には1℃以上2℃以下、前記ワークの長さが200mm以上360mm未満の場合には1℃以上4℃以下、前記ワークの長さが360mm以上の場合には2℃以上6℃以下の範囲内で、前記ワークの切り始め及び切り終わりにおける前記スラリーの温度よりも低温にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワークの切断方法。
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