JP2016135031A - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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Kazunari Moriya
一成 守屋
平本 健二
Kenji Hiramoto
健二 平本
雅史 難波
Masafumi Namba
雅史 難波
中井 英雄
Hideo Nakai
英雄 中井
伊藤 嘉昭
Yoshiaki Ito
嘉昭 伊藤
三浦 徹也
Tetsuya Miura
徹也 三浦
山田 堅滋
Katashige Yamada
堅滋 山田
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Abstract

【課題】コスト低減及び効率制御が可能な可変界磁型の回転電機の制御装置を提供する。
【解決手段】ステータと、ステータに対向配置され、回転軸方向に互いに対向配置された第1ロータ要素及び第2ロータ要素を含み第2ロータ要素が第1ロータ要素に対して相対回転可能なロータとを備える回転電機を制御する制御装置。制御装置は、第1ロータ要素に対する第2ロータ要素の位相角を目標位相角に向けて制御するための電流マップを予め記憶部120に記憶し、この電流マップを用いてフィードフォワード制御で第2ロータ要素の回転角を制御して位相角を調整する。このとき、電流係数kの値を調整して位相角の0度と180度の間の遷移を可能とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、可変界磁型の回転電機の制御装置に関する。
特許文献1には、モータの環状の2ロータが内外に対して同軸に配置される二重構造において両ロータ間の位相差を変更する機構を小型化するモータの制御装置が記載されている。2つのロータ間の位相差を検出する位相差検出器と、モータの出力軸の回転位置(外側ロータの回転角度)を検出するレゾルバ等の位置センサを備え、両ロータ間に生じる磁力トルクを打ち消すトルクを発生させるようにステータに界磁電流を流し、その磁力トルクの打ち消し後に内側ロータを回転させるトルクを発生させるように界磁電流を強める制御を行うことが記載されている。
特開2011−155740号公報
しかしながら、上記従来技術では、2つのロータ間の位相差を検出する位相差検出器と、モータの出力軸の回転位置を検出する位置センサという2種類の検出器を備えており、さらなる小型化ないしコスト低減が困難である。
また、内側ロータを回転させるトルクを発生させるように界磁電流を強める制御を行うものの、トルクの最適化については十分検討されておらず、より一層の効率的制御が求められている。
本発明の目的は、従来よりもさらにコスト低減・効率制御が可能な回転電機の制御装置を提供することにある。
本発明は、ステータと、前記ステータと対向配置され、かつ、回転軸方向に互いに対向配置された第1ロータ要素及び第2ロータ要素を含み、前記第2ロータ要素は前記第1ロータ要素に対して相対回転可能なロータとを備える回転電機を制御する制御装置であって、前記制御装置は、前記第1ロータ要素に対する前記第2ロータ要素の位相角を目標位相角に向けて制御すべく前記ステータの電流指令値を生成して出力する場合に、前記第2ロータ要素を回転させて前記位相角が前記目標位相角となるような電流指令値を生成して出力することを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記制御装置は、電流実効値が所定値以下となるように前記電流指令値を生成して出力する。
本発明の他の実施形態では、前記制御装置は、前記目標位相角に応じた電流パターンが予め記憶された記憶部を備え、記憶された前記電流パターンを参照し、前記目標位相角に対応する電流パターンに基づくフィードフォワード制御で前記電流指令値を生成して出力する。
本発明のさらに他の実施形態では、前記制御装置は、前記記憶部に記憶された前記電流パターンの電流値を所定の係数で増幅して前記電流指令値を生成する。
本発明のさらに他の実施形態では、前記制御装置は、前記位相角を180度から0度に遷移させる場合の係数と、前記位相角を0度から180度に遷移させる場合の係数を互いに異なる値とする。
本発明のさらに他の実施形態では、前記制御装置は、前記目標位相角と現在の位相角との差分に基づくフィードバック制御で前記電流指令値を生成して出力する。
また、本発明は、ステータと、前記ステータと対向配置され、かつ、回転軸方向に互いに対向配置された第1ロータ要素及び第2ロータ要素を含み、前記第2ロータ要素は前記第1ロータ要素に対して相対回転可能なロータとを備える回転電機を制御する制御装置であって、前記制御装置は、前記第1ロータ要素に対する前記第2ロータ要素の位相角を目標位相角に向けて制御すべく前記ステータの電流指令値を生成して出力する場合に、前記第1ロータ要素に印加されるトルクが0ないし0近傍の所定値に維持されるように制御するとともに、前記第2ロータ要素を回転させて前記位相角が前記目標位相角となるような電流指令値を生成して出力することを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記制御装置は、前記位相角毎の前記第1ロータ要素の電流進角と電流との第1の対応関係、及び前記位相角毎の前記第2ロータ要素の電流進角と電流との第2の対応関係を記憶する記憶部を備え、現在の位相角に対応する前記第1の関係及び前記第2の関係に基づき前記第1ロータ要素のトルク指令に対する前記第1ロータ要素の目標電流実効値及び目標電流進角を生成する。
また、本発明は、ステータと、前記ステータと対向配置され、かつ、回転軸方向に互いに対向配置された第1ロータ要素及び第2ロータ要素を含み、前記第2ロータ要素は前記第1ロータ要素に対して相対回転可能なロータとを備える回転電機を制御する制御装置であって、前記制御装置は、前記第1ロータ要素に対する前記第2ロータ要素の位相角を目標位相角に向けて制御すべく前記ステータの電流指令値を生成して出力する場合に、前記第2ロータ要素を回転させて前記位相角が前記目標位相角となるような電流指令値であってその電流実効値が所定値以下となる電流指令値を生成して出力することを特徴とする。
また、本発明は、ステータと、前記ステータと対向配置され、かつ、回転軸方向に互いに対向配置された第1ロータ要素及び第2ロータ要素を含み、前記第2ロータ要素は前記第1ロータ要素に対して相対回転可能なロータとを備える回転電機を制御する制御装置であって、前記制御装置は、前記目標位相角に応じた電流パターンが予め記憶された記憶部を備え、前記第1ロータ要素に対する前記第2ロータ要素の位相角を目標位相角に向けて制御すべく前記ステータの電流指令値を生成して出力する場合に、前記第2ロータ要素を回転させて前記位相角が前記目標位相角となるような電流指令値を、前記記憶部に記憶された前記電流パターンを参照し、前記目標位相角に対応する電流パターンに基づくフィードフォワード制御で生成して出力することを特徴とする。
本発明によれば、コスト低減を図り、第1ロータ要素と第2ロータ要素の位相角を効率的に制御することができる。
回転電機の基本構成図である。 主ロータと副ロータの位相関係説明図である。 フィードバック制御の構成図である。 逆極(180度)から同極(0度)に遷移する場合の電流パターン図である。 同極から逆極に遷移する場合の電流パターン図である。 フィードフォワード制御の構成図である。 逆極から同極に遷移する場合の制御パターン図である。 同極から逆極に遷移する場合の制御パターン図である。 主ロータ及び副ロータの二次元等トルクマップの説明図である。 経路距離と副ロータトルクの関係を示すグラフ図である。 経路距離と電流実効値及び電流進角の関係を示すグラフ図である。 実施形態の処理フローチャートである。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
<回転電機の基本構成>
まず、可変界磁型回転電機の基本構成について説明する。
図1は、本実施形態における回転電機の基本構成図であり、回転電機の回転軸方向と直交する方向から見た断面図である。
回転電機は、ケーシングに固定されたステータ24と、径方向においてステータ24と所定のギャップを空けて対向し、ステータ24に対して相対回転可能なロータ28を備える。図1の例では、ロータ28がステータ24の内周側の位置でステータ24と対向配置される。
ステータ24は、ステータコア36と、ステータコア36にその周方向に沿って配設された複数相であるU相、V相、W相の3相のステータコイル38u,38v,38wを含む。3相のステータコイル38u,38v,38wに3相の交流電流が流れることで、ステータ周方向に回転する回転磁界が生じる。
ロータ28は、回転軸方向に隣接した状態でステータ24と径方向に対向配置された主ロータ(第1ロータ要素)40と副ロータ(第2ロータ要素)42を含む。主ロータ40と副ロータ42は、回転軸方向にギャップを空けて対向配置される。図1では、主ロータ40が副ロータ42よりも回転軸方向一方側(図の左側)に配置され、主ロータ40がステータコア36の回転軸方向一方側と径方向に対向し、副ロータ42がステータコア36の回転軸方向他方側(図の右側)と径方向に対向する。
主ロータ40は、複数の電磁鋼板が回転軸方向に積層された主ロータコア46と、主ロータコア46にその周方向に沿って互いに等間隔で配設された複数の主永久磁石48n,48sを含む。主永久磁石48nは外周側がN極であり、主永久磁石48sは外周側がS極である。主永久磁石48n,48sが周方向に交互に配置されることで、主永久磁石48n,48sの極性が周方向に交互に異なる。
副ロータ42は、複数の電磁鋼板が回転軸方向に積層された副ロータコア54と、副ロータコア54にその周方向に沿って互いに等間隔で配設された複数の副永久磁石56n,56sを含む。副永久磁石56nは外周側がN極であり、副永久磁石56sは外周側がS極である。副永久磁石56n,56sが周方向に交互に配置されることで、副永久磁石56n,56sの極性が周方向に交互に異なる。副永久磁石56n,56sの周方向間隔は、主永久磁石48n,48sの周方向間隔に等しい。
主ロータシャフト26には、拘束板61,62が溶接等により固定される。拘束板61,62は、回転軸方向に互いに間隔をおいて配置され、拘束板62が拘束板61より回転軸方向一方側に配置され、主ロータ40が回転軸方向に拘束板61,62の間に挟持される。主ロータ40は、主ロータシャフト26とキー溝やスプライン等により係合し、主ロータシャフト26及び拘束板61,62と一体回転する。
副ロータシャフト52には、拘束板63,64が溶接等により固定される。拘束板63,64は、回転軸方向に互いに間隔をおいて配置され、拘束板63が拘束板64より回転軸方向一方側に配置され、副ロータ42が回転軸方向において拘束板63,64の間に挟持される。副ロータ42は、副ロータシャフト52とキー溝やスプライン等により係合し、副ロータシャフト52及び拘束板63,64と一体回転する。副ロータシャフト52は、ベアリング50により主ロータシャフト26に対して相対回転可能に支持され、副ロータ42が主ロータ40に対して相対回転可能である。副ロータ42と主ロータ40の位相角のとり得る範囲に応じて位相角を制限するストッパを設けてもよい。
主ロータ40と副ロータ42の位相関係が変化することで、ステータ24に作用するロータ28の界磁磁束が変化する。主ロータ40と副ロータ42で同一極性の主永久磁石48nと副永久磁石56n(あるいは主永久磁石48sと副永久磁石56s)が周方向の同位相に配置される同極対向状態の場合、界磁磁束は最大となる。他方、副ロータ42が主ロータ40に対して相対回転し、主永久磁石48nと副永久磁石56n(あるいは主永久磁石48sと副永久磁石56s)が電気角で180度ずれる逆極対向状態の場合、界磁磁束は最小あるいはゼロとなる。
図2は、主ロータ40及び副ロータ42のみを取り出した斜視図である。図2(a)は、主ロータ40と副ロータ42が同極対向状態であり、位相角をγとすると、γ=0度(deg)の状態である。このとき、ステータ24に作用するロータ28の界磁磁束は最大となる。図2(b)は、主ロータ40と副ロータ42が逆極対向状態であり、γ=180度(deg)の状態である。このとき、ステータ24に作用するロータ28の界磁磁束は最小となる。
このように、本実施形態の回転電機は、主ロータ40と副ロータ42の位相関係を変化させる、つまり主ロータ40と副ロータ42を相対回転させて位相角γを変化させることでステータ24に作用するロータ28の界磁磁束を変化させる可変界磁型の回転電機として機能する。
可変界磁型の回転電機は、例えばハイブリッド自動車等の電動車両のモータジェネレータ(MG)として用いられる。そして、車載の電子制御装置(ECU)70によってMGを動作させる場合に主ロータ40と副ロータ42の位相角が0度となるように制御してステータ24の鎖交磁束を最大化し、MGを動作させない場合に主ロータ40と副ロータ42の位相角が180度となるように制御してステータ24の鎖交磁束を最小化する。
本実施形態では、ECU70により主ロータ40と副ロータ42の位相角を所望の値に制御する際に、位相角は0度あるいは180度のいずれかに制御されるが、0度と180度の間の任意の角度に制御する場合にも適用し得る。
<主ロータ40と副ロータ42の位相角の制御>
次に、ECU70における位相角の制御について説明する。位相角の制御には、フィードバック(FB)制御とフォードフォワード(FF)制御があり、これらについて順次説明する。但し、いずれの制御においても、副ロータ42の回転のみを考慮してステータ電流の電流指令値Iを生成する。
<位相角のフィードバック制御>
図3は、主ロータ40に対して副ロータ42を相対的に回転させて位相角γを所望の値に制御するためのECU70が備えるフィードバック制御構成図である。フィードバック制御器は、差分器100,104,114、微分器106、増幅器102,108、τ−I変換テーブル110、電流制御器112を備える。
位相角の指令値γと現在の位相角γの差分は差分器100で算出され、増幅器102で係数Kγが乗じられる。他方、現在の位相角γの変化速度が微分器106で算出され、増幅器108で係数Kfが乗じられる。両者の差分が差分器104で算出され、この差分が副ロータ42のトルク指令値τとなる。
τ−I変換テーブル110は、副ロータ42のトルク指令値τと電流指令値Iとの対応関係を規定するテーブルであり、予め実験あるいはシミュレーションで定めてECUのメモリに格納される。τ−I変換テーブル110は、例えば電流当たりのトルクが最大となるように規定される。ECUは、τ−I変換テーブルを用いて副ロータ42のトルク指令値τ、すなわち目標位相角γと現在の位相角γとの差分に基づきこの差分を解消するためのトルク指令値τに対応する電流指令値Iを生成し、さらに電流制御器112で電流指令値Iを電圧指令値Vに変換してステータコイル38u、38v、38wにステータ電流を供給して回転電機(モータ)を駆動する。主ロータ40の回転角θmと副ロータ42の回転角θsの位相角γ=θs−θmが位相角検出器としての差分器114で検出され、指令値γにフィードバックされる。
図4は、図3に示すフィードバック制御器で制御した場合の、副ロータ42から見たときの電流パターンである。逆極(180度)から同極(0度)に遷移させる場合の電流パターンであり、d軸電流id及びq軸電流iqの時間変化を示す。
また、図5は、図3に示すフィードバック制御器で制御した場合の、副ロータ42から見たときの電流パターンである。図4の場合と逆に、同極(0度)から逆極(180度)に遷移させる場合の電流パターンである。
ここで、増幅器102、108での係数、すなわちゲインを調整することで、電流実効値が所定値を超えないように制御することができる。
以上は、副ロータ42から見たid電流及びiq電流の電流制御による位相角γの制御であるが、主ロータ40のトルクに関しては、主ロータ40が回転しないように制御すればよく、具体的には主ロータ40のトルクを0ないし0近傍の所定値に維持すればよい。このことは、主ロータ40のトルクを実質的に0とみなし、副ロータ42のトルクを制御して副ロータ42のみを回転させることを考慮した電流指令値Iを生成することを意味し、制御が簡易化される。主ロータ40のトルクを0ないし0近傍の所定値に維持するための制御方法については、さらに後述する。
他方、このようなフィードバック制御では、主ロータ40及び副ロータ42の回転角を検出するセンサが必要となる。
そこで、図4及び図5に示す電流パターンを予め検出、あるいはシミュレーションで求めてマップ化する。これにより、逆極から同極に遷移する場合の副ロータ42のid電流及びiq電流の時間変化を示すマップと、同極から逆極に遷移する場合の副ロータ42のid電流及びiq電流の時間変化を示すマップが得られる。そして、得られた電流マップをメモリに記憶し、これらのマップを参照してフィードフォワード制御により副ロータ42を相対的に回転させて位相角γを所望の値に制御する。フィードフォワード制御とすることで、現在の位相角をフィードバックする必要がなくなり、検出器数が削減される。
<位相角のフィードフォワード制御>
図6は、ECU70が備えるフィードフォワード制御構成図である。フィードフォワード制御器は、電流マップを記憶する記憶部120、増幅器122、電流制御器124を備える。
記憶部120は、図4及び図5に示す電流パターンのマップを記憶し、時間毎の電流値を出力する。増幅器122は、電流係数kを乗じて電流指令値Iを出力する。電流制御器124は、図3の電流制御器112と同様に、電流指令値Iを電圧指令値Vに変換して出力する。
図7は、図6に示すフィードフォワード制御器で制御した場合における、逆極から同極に遷移する場合の位相角γ及びロータ角の時間変化である。図7(a)は位相角γの時間変化であり、電流係数kを変化させた場合の時間変化を示す。図7(b)は主ロータ40のロータ角θm及び副ロータ42のロータ角θsの時間変化を示す。電流係数kを変化させることで電流指令値Iが変化するため、位相角γ及びロータ角の時間変化の傾向ないし度合いが変化する。図示されるように、電流係数kの値によっては、逆極から同極に達する場合もあれば達しない場合もあり得る。具体的には、電流係数kが1以下の場合には逆極から同極に遷移できず、電流係数kが1を超える場合に逆極から同極に遷移できる。このことは、フィードバック制御により得られる電流パターンそのものを用いてフィードフォワード制御しても位相角γを所望の値に制御できず、電流係数kを1より大きく設定して電流値を増大させることでフィードフォワード制御により位相角γを所望の値に制御できることを意味する。
図8は、図6に示すフィードフォワード制御器で制御した場合における、同極から逆極に遷移する場合の位相角γ及びロータ角の時間変化である。図8(a)は位相角γの時間変化であり、電流係数kを変化させた場合の時間変化を示す。図8(b)は主ロータ40のロータ角θm及び副ロータ42のロータ角θsの時間変化を示す。電流係数kを変化させることで電流指令値Iが変化するため、位相角γ及びロータ角の時間変化の傾向ないし度合いが変化する。図7と同様に、電流係数kの値によっては、同極から逆極に達する場合もあれば達しない場合もあり得る。電流係数kを1より大きく設定して電流値を増大させることでフィードフォワード制御により位相角γを所望の値に制御できる。
<係数の調整>
以上のように、フィードバック制御における増幅器102,108の係数は、電流実効値を所定値以下とするように設定し、フィードフォワード制御における増幅器122の係数kは、k>1となるように設定することで、確実に位相角γを所望の値、すなわち同極(0度)あるいは逆極(180度)に制御することができる。また、ストッパがある場合、係数kを大きくしていくとストッパに強く当たることになり音や衝撃が発生する。これを緩和するためには係数kを小さく設定すればよい。
但し、図7及び図8を比較すればわかるように、フィードフォワード制御において、逆極から同極に遷移させる場合と、同極から逆極に遷移させる場合とで、電流係数kの値による変化は異なる。すなわち、逆極から同極に遷移させる場合の方が、同極から逆極に遷移させる場合よりも、係数kの値の大小が遷移の度合いに与える影響が相対的に大きい。従って、逆極から同極に遷移させる場合の電流係数kと、同極から逆極に遷移させる場合の電流係数kを同一とするのではなく、互いに異なる値とすることも可能である。例えば、逆極から同極に遷移させる場合の電流係数kをk=1.4とし、同極から逆極に遷移させる場合の電流係数kをk=1.2とする等である。勿論、このことは、逆極から同極に遷移させる場合の電流係数kと、同極から逆極に遷移させる場合の電流係数kを同一とする態様を排除するものでないことは言うまでもなく、制御のさらなる簡易化を図る観点から電流係数を一律に設定することも好適である。電流係数kの値はECU70のメモリに予め記憶させておく。あるいは、使用環境(温度、経年数、緊急度)により可変にすることも好適である。
<主ロータ40のトルク制御>
次に、主ロータ40のトルクを0ないし0近傍の所定値に維持するための制御について説明する。この制御は、フィードバック制御及びフィードフォワード制御のいずれにも共通する制御である。また、これまでフィードバック制御・フィードフォワード制御において副ロータ42の回転のみを考慮していたが、この制御を組み合わせることで主ロータ40の回転も考慮した制御が可能となる。
図9は、主ロータ40のトルクを算出する模式図である。
まず、位相角γ毎に、主ロータ40の電流進角と電流との対応関係を規定するマップ200を作成してECU70のメモリに記憶しておく。
次に、位相角γ毎のマップ200において、指令された主ロータ40の等トルク線を算出する。図において、等トルク線を破線で示す。
他方、位相角γ毎に、副ロータ42の電流進角と電流との対応関係を規定するマップ202を作成してECU70のメモリに記憶しておく。
そして、マップ200で算出した等トルク線を、マップ202に投影(あるいは反映)させて、等トルク線上に位置する副ロータ42のトルクを算出してプロットする。
図10は、このようにして等トルク線を用いてプロットした副ロータ42のトルクである。横軸は等トルク線の基準点からの経路距離であり、縦軸は算出した副ロータ42のトルクである。このグラフにおいて、副ロータ42の指令値に対応する経路距離を目標経路距離として算出する。なお、副ロータ42の指令値に対応する経路距離が存在しない場合には、例えば副ロータ42のトルクが最大値となる経路距離を目標経路距離として近似する。
図11は、指定された主ロータ40の等トルク線の経路距離と電流実効値、及び電流進角をプロットしたものである。このグラフにおいて、図10で算出された目標経路距離に対応する電流実効値及び電流進角をそれぞれ目標電流実効値及び目標電流進角として算出する。
図12は、主ロータ40のトルクを所定値以下に維持するためのECU70の制御フローチャートである。
まず、ECU70は、主ロータ40及び副ロータ42のトルク指令値、及び現在の位相角γを読み込む(S101)。フィードバック制御の場合、位相角検出器で現在の位相角γを検出すればよく、フィードフォワード制御の場合、位相角γは0度あるいは180度のいずれかの値であり、0度あるいは180度に設定されたときにこの状態を維持するロック機構を備えていれば、現在の位相角γは既知となるため位相角検出器は不要である。
次に、位相角γ毎の主ロータ40の電流進角と電流との関係を規定するマップ200(これを三次元マップM1と称する。ここで、「三次元」は、電流進角、電流、位相角γの3つのパラメータにより規定されることを示す)を用いて、現在の位相角γに対応する電流進角と電流との関係から、主ロータ40のトルク指令に対応する等トルク線を算出する(S102)。この等トルク線は、等トルクとなる電流進角と電流の組(電流進角、電流)の集合であり、一次元マップM3と称する。
次に、位相角γ毎の副ロータ42の電流進角と電流との関係を規定するマップ202(これを三次元マップM2と称する)を用いて、現在の位相角γに対応する電流進角と電流の関係から、一次元マップM3の電流進角と電流の組に対応する副ロータ42の電流進角と電流の組を算出する(S103)。副ロータ42の電流進角と電流の組の集合を一次元マップM4と称する。
次に、算出された一次元マップM4を参照して、副ロータ42のトルク指令値に対応する目標経路距離を算出し、この目標経路距離に対応する目標電流実効値と電流進角を決定する(S104)。
このとき、算出された一次元マップM4を参照しても、副ロータ42のトルク指令値に対応する目標経路距離が存在しない場合には(S105でNO)、副ロータ42の最大トルクが得られる経路距離を目標経路距離として近似し、近似した目標経路距離に対応する目標電流実効値と電流進角を決定する(S106)。
以上のように、本実施形態では、フィードバック制御あるいはフィードフォワード制御により副ロータ42の回転角のみを制御して主ロータ40と副ロータ42の位相角γを所望の値に制御することができるので、効率的に位相角γを制御できる。また、特にフィードフォワード制御を用いることで、検出器を削減してコスト低減を図るとともに、効率的に位相角γを制御できる。
また、本実施形態では、記憶部120に記憶される電流マップは、フィードバック制御における係数を調整して電流実効値が所定値以下となるように調整された電流値であるため、フィードバック制御あるいはフィードフォワード制御において消費電流を低減することができる。
さらに、本実施形態では、図10あるいは図12のS105、S106で説明したように、副ロータ42のトルク指令に対応する目標経路距離が存在しない場合に、最大トルクが得られる経路距離で近似しているが、他の方法で近似してもよく、例えば副ロータ42のトルクが所定のしきい値以上となるような経路距離を目標経路距離として、電流進角及び電流実効値を算出すればよい。
24 ステータ、28 ロータ、36 ステータコア、40 主ロータ(第1ロータ要素)、42 副ロータ(第2ロータ要素)、70 電子制御装置(ECU)。

Claims (10)

  1. ステータと、
    前記ステータと対向配置され、かつ、回転軸方向に互いに対向配置された第1ロータ要素及び第2ロータ要素を含み、前記第2ロータ要素は前記第1ロータ要素に対して相対回転可能なロータと、
    を備える回転電機を制御する制御装置であって、
    前記制御装置は、前記第1ロータ要素に対する前記第2ロータ要素の位相角を目標位相角に向けて制御すべく前記ステータの電流指令値を生成して出力する場合に、前記第2ロータ要素を回転させて前記位相角が前記目標位相角となるような電流指令値を生成して出力する
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  2. 前記制御装置は、電流実効値が所定値以下となるように前記電流指令値を生成して出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記制御装置は、前記目標位相角に応じた電流パターンが予め記憶された記憶部を備え、記憶された前記電流パターンを参照し、前記目標位相角に対応する電流パターンに基づくフィードフォワード制御で前記電流指令値を生成して出力する
    ことを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記制御装置は、前記記憶部に記憶された前記電流パターンの電流値を所定の係数で増幅して前記電流指令値を生成する
    ことを特徴とする請求項3記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記制御装置は、前記位相角を180度から0度に遷移させる場合の係数と、前記位相角を0度から180度に遷移させる場合の係数を互いに異なる値とする
    ことを特徴とする請求項4記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記制御装置は、前記目標位相角と現在の位相角との差分に基づくフィードバック制御で前記電流指令値を生成して出力する
    ことを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の回転電機の制御装置。
  7. ステータと、
    前記ステータと対向配置され、かつ、回転軸方向に互いに対向配置された第1ロータ要素及び第2ロータ要素を含み、前記第2ロータ要素は前記第1ロータ要素に対して相対回転可能なロータと、
    を備える回転電機を制御する制御装置であって、
    前記制御装置は、前記第1ロータ要素に対する前記第2ロータ要素の位相角を目標位相角に向けて制御すべく前記ステータの電流指令値を生成して出力する場合に、前記第1ロータ要素に印加されるトルクが0ないし0近傍の所定値に維持されるように制御するとともに、前記第2ロータ要素を回転させて前記位相角が前記目標位相角となるような電流指令値を生成して出力する
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  8. 前記制御装置は、前記位相角毎の前記第1ロータ要素の電流進角と電流との第1の対応関係、及び前記位相角毎の前記第2ロータ要素の電流進角と電流との第2の対応関係を記憶する記憶部を備え、現在の位相角に対応する前記第1の関係及び前記第2の関係に基づき前記第1ロータ要素のトルク指令に対する前記第1ロータ要素の目標電流実効値及び目標電流進角を生成する
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  9. ステータと、
    前記ステータと対向配置され、かつ、回転軸方向に互いに対向配置された第1ロータ要素及び第2ロータ要素を含み、前記第2ロータ要素は前記第1ロータ要素に対して相対回転可能なロータと、
    を備える回転電機を制御する制御装置であって、
    前記制御装置は、前記第1ロータ要素に対する前記第2ロータ要素の位相角を目標位相角に向けて制御すべく前記ステータの電流指令値を生成して出力する場合に、前記第2ロータ要素を回転させて前記位相角が前記目標位相角となるような電流指令値であってその電流実効値が所定値以下となる電流指令値を生成して出力する
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  10. ステータと、
    前記ステータと対向配置され、かつ、回転軸方向に互いに対向配置された第1ロータ要素及び第2ロータ要素を含み、前記第2ロータ要素は前記第1ロータ要素に対して相対回転可能なロータと、
    を備える回転電機を制御する制御装置であって、
    前記制御装置は、前記目標位相角に応じた電流パターンが予め記憶された記憶部を備え、
    前記第1ロータ要素に対する前記第2ロータ要素の位相角を目標位相角に向けて制御すべく前記ステータの電流指令値を生成して出力する場合に、前記第2ロータ要素を回転させて前記位相角が前記目標位相角となるような電流指令値を、前記記憶部に記憶された前記電流パターンを参照し、前記目標位相角に対応する電流パターンに基づくフィードフォワード制御で生成して出力する
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
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