JP2016134930A - 太陽光発電診断装置および太陽光発電診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽光発電システムにおける発電診断の精度確保が容易となる太陽光発電診断装置および太陽光発電診断方法を提供する。【解決手段】太陽光発電部の状態を診断する太陽光発電診断装置10であって、複数の太陽光発電部による発電量に関する発電量情報を取得する取得部12と、太陽光発電部に関する位置情報を記憶する記憶部14と、位置情報に基づいて複数の太陽光発電部を複数のグループに分け、発電量情報に基づいて所定の太陽光発電部における発電量に対する他の太陽光発電部における発電量の乖離度を算出し、算出した乖離度に基づいた太陽光発電部の状態診断を、グループ毎に行う演算部11と、が設けられていることを特徴とする。このようにすることにより、複数の太陽光発電部を有する太陽光発電システムにおける発電診断の精度確保が容易になるという効果を奏する。【選択図】図2
Description
本発明は、太陽光発電診断装置および太陽光発電診断方法に関する。
近年、化石燃料の使用に伴う二酸化炭素等の排出による地球の温暖化など、地球環境とエネルギーに対する関心が高まっている。このような状況の下、太陽光を電力に変換する太陽電池を用いた太陽光発電システムは、無尽蔵かつクリーンなエネルギー源として注目されている。
上述の太陽光発電システムでは、期待通りの発電が行われているか否かの診断を行うために、センサを用いた発電出力の測定が行われている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載された技術では、センサにより測定された発電出力を、日照状況の情報や、発電を行うモジュールの配置位置の情報に基づいて補正し、補正後の発電出力を比較等することで診断が行われている。
上述の特許文献1に記載された技術では、発電出力の補正方法によって診断の精度が変動し、診断の精度が確保しにくいという問題があった。例えば、異なる配置位置のモジュールの発電出力に含まれる影響を補正によって除去する場合、除去される程度が配置位置によって異なることがある。この場合に、補正後の発電出力を比較して診断を行ったとしても、診断の精度が確保しにくかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、太陽光発電システムにおける発電診断の精度確保が容易となる太陽光発電診断装置および太陽光発電診断方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様に係る太陽光発電診断装置は、太陽光発電部の状態を診断する太陽光発電診断装置であって、複数の前記太陽光発電部による発電量に関する発電量情報を取得する取得部と、前記太陽光発電部に関する位置情報を記憶する記憶部と、前記位置情報に基づいて前記複数の太陽光発電部を複数のグループに分け、前記発電量情報に基づいて所定の太陽光発電部における発電量に対する他の太陽光発電部における発電量の乖離度を算出し、算出した前記乖離度に基づいた前記太陽光発電部の状態診断を、前記グループ毎に行う演算部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る太陽光発電診断装置は、太陽光発電部の状態を診断する太陽光発電診断装置であって、複数の前記太陽光発電部による発電量に関する発電量情報を取得する取得部と、前記太陽光発電部に関する位置情報を記憶する記憶部と、前記位置情報に基づいて前記複数の太陽光発電部を複数のグループに分け、前記発電量情報に基づいて所定の太陽光発電部における発電量に対する他の太陽光発電部における発電量の乖離度を算出し、算出した前記乖離度に基づいた前記太陽光発電部の状態診断を、前記グループ毎に行う演算部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る太陽光発電診断方法は、太陽光発電部の状態を診断する太陽光発電診断方法であって、複数の太陽光発電部による発電量に関する発電量情報を取得する取得ステップと、前記太陽光発電部に関する位置情報に基づいて前記複数の太陽光発電部を複数のグループに分け、前記発電量情報に基づいて所定の太陽光発電部における発電量に対する他の太陽光発電部における発電量の乖離度を算出する乖離度算出ステップと、前記グループ毎に、算出した前記乖離度に基づいた前記太陽光発電部の状態診断を行う診断ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る太陽光発電診断装置、および、第2の態様に係る太陽光発電診断方法によれば、位置情報に基づいて分けられたグループ毎に太陽光発電部の状態診断を行うため、例えば、複数の太陽光発電部からなる太陽光発電システムにおける相対的な配置位置が似ている複数の太陽光発電部を一つのグループとし、当該グループ単位で状態診断が行われる。このように、配置位置が似ている複数の太陽光発電部は、配置位置が似ていない太陽光発電部と比較して、日射条件が似ている。そのため、配置位置が似ている複数の太陽光発電部は、配置位置が似ていない太陽光発電部と比較して、発電量の変化傾向も似る傾向にある。そのため、配置位置が似ていない太陽光発電部も含めて状態診断を行う場合と比較して、故障等のように特定の太陽光発電部にのみに発生した不具合による発電量の変化を検出しやすくなる。言い換えると、状態診断を行う際に、太陽光発電システムの相対的な配置位置に起因する発電量の変化傾向の影響を受けにくくなる。
上記発明の第1の態様において前記記憶部は、算出された前記乖離度を記憶し、前記演算部は、前記記憶部に記憶された前記乖離度に基づいて、所定の乖離度であるサンプル値を基準とする他の乖離度との差が予め定められた閾値以上であるか否かにより、前記グループ毎に前記太陽光発電部の状態を診断することが好ましい。
上記発明の第2の態様において前記診断ステップでは、記憶された前記乖離度に基づいて、所定の乖離度であるサンプル値を基準とする他の乖離度との差が予め定められた閾値以上であるか否かにより、前記グループ毎に前記太陽光発電部の状態を診断することが好ましい。
このように、それぞれのグループに紐づけされた乖離度を用いて、グループごとに状態診断を行うことにより、診断の精度を確保しやすくなる。つまり、それぞれのグループごとに、所定の乖離度であるサンプル値、および予め定められた閾値を定め、それぞれのグループごとにサンプル値を基準とする他の乖離度との差を求め、この差が予め定められた閾値以上であるか否かの判定を行うことにより、グループごとに状態診断が行われる。
本発明の太陽光発電診断装置および太陽光発電診断方法によれば、位置情報に基づいて分けられたグループ毎に太陽光発電部の状態診断を行うことにより、複数の太陽光発電部を有する太陽光発電システムにおける発電診断の精度確保が容易になるという効果を奏する。
この発明の一実施形態に係る太陽光発電診断装置および太陽光発電診断方法について、図1から図6を参照しながら説明する。
本実施形態では、本願発明の太陽光発電診断装置10を、図1に示す太陽光発電システム50の診断を行う例に適用して説明する。ここで、太陽光発電システム50は、系統連系型のシステムである。太陽光発電システム50では、太陽電池アレイ51にて発電された電力は、パワーコンディショナ56(以下「PCS56」とも表記する。)を介して、商用系統などの電力系統へ供給される。PCS56は、太陽電池アレイ51で発電された電力をDC/AC変換し、効率的に電力を取り出すものである。
本実施形態では、本願発明の太陽光発電診断装置10を、図1に示す太陽光発電システム50の診断を行う例に適用して説明する。ここで、太陽光発電システム50は、系統連系型のシステムである。太陽光発電システム50では、太陽電池アレイ51にて発電された電力は、パワーコンディショナ56(以下「PCS56」とも表記する。)を介して、商用系統などの電力系統へ供給される。PCS56は、太陽電池アレイ51で発電された電力をDC/AC変換し、効率的に電力を取り出すものである。
太陽電池アレイ51は、一辺が1〜2m程度の太陽電池モジュール52から構成されたものである。太陽電池モジュール52は、一辺が10cm程度の太陽電池セル53を縦横に並べて構成されたものであり、この太陽電池モジュール52を直列に接続したものを太陽電池ストリング(太陽光発電部)54と呼ぶ。
次に、本発明の要部である太陽光発電診断装置10について説明する。図2に示すように、太陽光発電診断装置10は、太陽光発電システム50に対して用いられるものである。太陽光発電診断装置10は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、ハードディスク、入出力インタフェース等を有するコンピュータシステムである。ROM等に記憶されている制御プログラムは、CPUを診断部(演算部)11として機能させるものであり、I/Oインタフェースを受信部(取得部)12と送信部13として機能させるものであり、ハードディスク等を記憶部14として機能させるものである。太陽光発電診断装置10には、その他に、ユーザ設定を入力する入力部15と、診断結果を表示させる表示部16と、が主に設けられている。
受信部12は、太陽光発電システム50側の電力計測部21や日射/温度計測部22から各種の情報を取得するものである。なお、電力計測部21や日射/温度計測部22からの情報は、有線で取得されるようにしてもよいし、無線で取得されるようにしてもよい。
電力計測部21は太陽電池ストリング54で発電された電力量を計測し、計測した発電量を表す情報を送信するものである。なお、電力計測部21はPCS56の機能として実現されるが、電力計測部21自体がPCS56の機能として実現されてもよい。
本実施形態では発電量は、1分間の平均発電量である例に適用して説明する。詳しく説明すると、電力計測部21は、太陽電池ストリング54にて発電される電力を所定秒(例えば6秒)ごとにサンプリングし、1分間の平均の発電量を送信する例に適用して説明する。
日射/温度計測部22は日射量及び温度情報を計測し、計測した日射量を表す情報、および温度を表す情報を送信するものである。日射/温度計測部22は、電力計測部21と同一の間隔で、あるいは所定間隔(例えば10分間隔)で、日射量情報及び温度情報を送信する。本実施形態では、10分間隔で、その時点での日射量情報及び太陽電池アレイ51のパネル周りの気温情報が送信される例に適用して説明する。
なお、上述のように日射量や気温の瞬時値を表す情報を送信してもよいし、所定期間における平均日射量を表す情報や平均温度を表す情報を送信してもよい。また、温度情報は、上述のように気温を表す情報であってもよいし、パネルの温度そのものを表す情報であてもよい。パネルの温度を表す情報の場合には、例えば、パネルの裏面温度を表す情報を挙げることができる。
記憶部14は、受信部12にて受信された電力計測部21や日射/温度計測部22からの各種情報や、入力部15から入力されたユーザ設定の情報や、太陽光発電システム50における太陽電池ストリング54の配置位置の情報や、診断部11における診断に関する情報などが記憶されるものである。
本実施形態において太陽電池ストリング54の配置位置の情報は、隣接する太陽電池ストリング54のグルーピングが可能な情報である例に適用して説明するが、その他に、太陽電池アレイ51における上段に属する太陽電池ストリング54のグループと、下段に属する太陽電池ストリング54のグループとに分けることが可能な情報であってもよい。
さらに、太陽電池ストリング54の配置位置の情報は、複数の太陽光発電システム50を有する発電所における中央付近に配置された太陽電池ストリング54のグループと、端付近に配置された太陽電池ストリング54のグループとに分けることが可能な情報であってもよい。このようにすることで、発電所の周囲を囲うフェンスの影による影響を受けやすいグループと、受けにくいグループとに分けることができ、フェンスの影による影響を考慮しやすくなる。
診断部11は、太陽電池ストリング54にて発電される発電量の乖離度を、太陽電池ストリング54が属するグループごとに算出するものであり、算出した乖離度に基づいて太陽電池ストリング54の状態を診断するものでもある。診断部11における処理内容については、後述する。
表示部16は、診断部11における太陽電池ストリング54の診断結果を表示するものである。表示部16で表示される情報は、送信部13を介して診断部11から入力される。表示部16としては、例えば、液晶表示装置などの表示装置を用いることができる。
送信部13は、入力部15や表示部16や外部コンピュータシステム等と通信可能に接続されるものである。所定条件成立が成立した場合には、診断部11における診断結果を外部コンピュータシステムに出力する際に用いられるものでもある。
次に、本実施形態の太陽光発電診断装置10による太陽光発電システム50の診断方法について、図3を参照しながら説明する。
太陽光発電診断装置10による診断が開始されると、診断部11は以下に説明する一連の処理を繰り返し行う。この一連の処理は、所定の時間間隔をあけて行われてもよいし、連続して行われてもよい。
太陽光発電診断装置10による診断が開始されると、診断部11は以下に説明する一連の処理を繰り返し行う。この一連の処理は、所定の時間間隔をあけて行われてもよいし、連続して行われてもよい。
まず、図3のフローチャートに示すように、診断部11は、太陽電池ストリング54の配置位置に関する情報を記憶部14に登録する処理を行う(S11)。登録する情報は、例えば、入力部15を用いて太陽光発電診断装置10に入力される。なお、S11の処理は、太陽光発電診断装置10が最初に診断を行う場合や、太陽光発電システム50が追加して配置された場合にのみ行い、それ以外では省略してもよい。
次に診断部11は、発電量の情報、日射の情報、気温の情報を取得する処理を行う(S12:取得ステップ)。具体的には、受信部12を介して電力計測部21から発電量の情報、並びに、日射/温度計測部22から日射の情報および気温の情報を取得する処理を行う。
これらの情報を取得すると診断部11は、取得された発電量の情報、日射の情報および気温の情報(以降「発電量の情報等」とも表記する。)を記憶部14に記憶させる処理を行う(S13)。なお、発電量の情報等は、当該情報を取得した時刻、および、発電を行った太陽電池ストリング54の配置位置の情報と紐づけられて記憶される。
その後、診断部11は、同一グループに属する太陽電池ストリング54の間で乖離度を算出する処理を行い、算出した乖離度を記憶部14に記憶させる処理を行う(S14:乖離度算出ステップ)。この処理では、同一グループに紐づけられた太陽電池ストリング54の発電量の情報に基づいて乖離度を算出する処理が行われる。乖離度の算出は、複数の太陽電池ストリング54のうち一の太陽電池ストリング54を選択し、一の太陽電池ストリング54の発電量を所定の基準値とし、他の太陽電池ストリング54の発電量と所定の基準値との差を算出することにより行われる。
S14の算出処理を行うと診断部11は、日射量が日射に関する閾値(以降「日射閾値」とも表記する。)以上であるか否かを判定する処理を行う(S15)。本実施形態では、日射閾値は太陽光発電システム50の種類や設置位置等に応じて予め定められた値であって、記憶部14に記憶されている例に適用して説明する。この場合、診断部11は、記憶部14から日射閾値を呼び出し、取得した日射量の情報と日射閾値とを比較することにより上述の判定を行う。
S15の判定処理において日射量が日射閾値以上であると判定された場合(YESの場合)には、診断部11は、グループごとに記憶部14からサンプルとする乖離度(以降「サンプル値」とも表記する。)を読み出す処理を行う(S16)。サンプル値は、記憶部14に記憶された複数の乖離度から任意に選択したものであってもよいし、特定の太陽電池ストリング54に関連する乖離度であってもよい。
サンプル値を読みだすと診断部11は、サンプル値と他の乖離度との差である乖離が乖離に関する閾値(以降「乖離閾値」とも表記する。)以上であるか否かを判定する処理をグループごとに行う(S17:診断ステップ)。本実施形態では、乖離閾値は太陽光発電システム50の種類や設置位置や設置されてからの経過期間等に応じて予め定められた値であって、記憶部14に記憶されている例に適用して説明する。この場合、診断部11は、記憶部14から乖離閾値を呼び出し、算出した乖離と乖離閾値とを比較することにより上述の判定を行う。
S17の判定処理において乖離が乖離閾値以上であると判定された場合(YESの場合)には、診断部11は、乖離が乖離閾値以上と判定された太陽電池ストリング54が故障していると判定する(S18)。S18の処理が終了したのち、または、S17の判定処理において乖離が乖離閾値未満であると判定された場合(NOの場合)には、診断部11による一連の診断処理が終了し、その後、次の一連の診断処理が行われる。
なお、診断部11は、S18の処理で故障しているとの判定を行った後、警報を通知する処理を行ってもよい。警報を通知する方法としては、表示部16に警報を表示することにより通知を行う方法や、警報音を発することにより通知を行う方法を例示することができる。
を例示することができる。
を例示することができる。
上記の構成の太陽光発電診断装置10によれば、位置情報に基づいて分けられたグループ毎に太陽電池ストリング54の状態診断を行うため、例えば、複数の太陽電池ストリング54からなる太陽光発電システム50における相対的な配置位置が似ている複数の太陽電池ストリング54を一つのグループとし、当該グループ単位で状態診断が行われる。このように、配置位置が似ている複数の太陽電池ストリング54は、配置位置が似ていない太陽電池ストリング54と比較して、日射条件が似ている。そのため、配置位置が似ている複数の太陽電池ストリング54は、配置位置が似ていない太陽電池ストリング54と比較して、発電量の変化傾向も似る傾向にある。そのため、配置位置が似ていない太陽電池ストリング54も含めて状態診断を行う場合と比較して、故障等のように特定の太陽電池ストリング54にのみに発生した不具合による発電量の変化を検出しやすくなる。言い換えると、状態診断を行う際に、太陽光発電システム50の相対的な配置位置に起因する発電量の変化傾向の影響を受けにくくなる。
例えば、4つの太陽光発電システム50に対して診断を行う場合について、図4から図6を参照しながら説明する。本実施形態の診断方法を用いないで単純に4つの太陽光発電システム50の発電量を時刻の経過とともに表したのが図4のグラフである。このグラフでは、第1の太陽光発電システム50の発電量を菱形(◇)でプロットし、第2の太陽光発電システム50の発電量を四角(□)でプロットし、第3の太陽光発電システム50の発電量を三角(△)でプロットし、第4の太陽光発電システム50の発電量を丸(○)でプロットしている。また、このグラフの縦軸で表す発電量は、第1から第4の太陽光発電システム50の発電量の平均値で規格化した値を用いている。図4のグラフに示されているように、本実施形態の診断方法を用いない場合、それぞれの太陽光発電システム50の発電量が分散しており、故障等の診断が行いにくくなっている。
これに対して、本実施形態の診断方法を用いて隣接する太陽電池ストリング54のグループごとに発電量を時刻の経過とともに表したのが図5(a)および図5(b)のグラフである。具体的には、第1の太陽光発電システム50の太陽電池ストリング54の発電量(◇)、および、これに隣接する第2の太陽光発電システム50の太陽電池ストリング54の発電量(□)を表したのが図5(a)であり、第3の太陽光発電システム50の太陽電池ストリング54の発電量(△)、および、これに隣接する第4の太陽光発電システム50の太陽電池ストリング54の発電量(○)を表したのが図5(b)である。図5(a)のグラフおよび図5(b)のグラフに示されているように、それぞれの発電量は同様な変化をしており、故障等の診断を行いやすくなっている。さらに、図5(a)のグラフにおけるA1で示される発電量、および、図5(b)のグラフにおけるA2で示される発電量は、その前後の時刻における発電量とは大きく異なる値となっているが、互いに同様な変化をしているため、太陽電池ストリング54の故障ではなく、影等の外部要因によって値が変化したと診断することができる。
その一方で、本実施形態の診断方法を用いた場合であっても、配置位置が離れた太陽電池ストリング54をグループとした場合の発電量を時刻の経過とともに表したのが図6(a)のグラフである。具体的には、第1の太陽光発電システム50の太陽電池ストリング54の発電量(◇)、および、これとは離れた第3の太陽光発電システム50の太陽電池ストリング54の発電量(△)を表したものである。このグラフに示されているように、それぞれの発電量は同様な変化をしているが、B1やB2で示される発電量は、その前後の時刻における発電量と大きく異なる値をとっており、他方の発電量とも異なる値をとっている。そのため、この部分の変化が、太陽電池ストリング54の故障であるのか、影等の外部要因によるものなのか、診断が困難となっている。
また、本実施形態の診断方法の変形例として、太陽電池ストリング54を太陽電池アレイ51の上段グループと、下段グループに分けて診断を行った場合について図Cを参照しながら説明する。図6(b)は、それぞれの太陽光発電システム50における上段グループに属する太陽電池ストリング54の発電量を時刻の経過とともに表したものである。このグラフに示されているように、それぞれの発電量は同様な変化をしており、故障等の診断を行いやすくなっている。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記の実施の形態においては、太陽電池モジュール52を直列に接続した太陽電池ストリング54単位で診断を行う例に適用して説明したが、太陽電池ストリング54単位の他にも接続箱単位で診断を行ってもよく、診断を行う単位を特に限定するものではない。
10…太陽光発電診断装置、11…診断部(演算部)、12…受信部(取得部)、14…記憶部、54…太陽電池ストリング(太陽光発電部)、S12…取得ステップ、S14…乖離度算出ステップ、S17…診断ステップ
Claims (4)
- 太陽光発電部の状態を診断する太陽光発電診断装置であって、
複数の前記太陽光発電部による発電量に関する発電量情報を取得する取得部と、
前記太陽光発電部に関する位置情報を記憶する記憶部と、
前記位置情報に基づいて前記複数の太陽光発電部を複数のグループに分け、
前記発電量情報に基づいて所定の太陽光発電部における発電量に対する他の太陽光発電部における発電量の乖離度を算出し、算出した前記乖離度に基づいた前記太陽光発電部の状態診断を、前記グループ毎に行う演算部と、
が設けられていることを特徴とする太陽光発電診断装置。 - 前記記憶部は、算出された前記乖離度を記憶し、
前記演算部は、前記記憶部に記憶された前記乖離度に基づいて、所定の乖離度であるサンプル値を基準とする他の乖離度との差が予め定められた閾値以上であるか否かにより、前記グループ毎に前記太陽光発電部の状態を診断することを特徴とする請求項1記載の太陽光発電診断装置。 - 太陽光発電部の状態を診断する太陽光発電診断方法であって、
複数の太陽光発電部による発電量に関する発電量情報を取得する取得ステップと、
前記太陽光発電部に関する位置情報に基づいて前記複数の太陽光発電部を複数のグループに分け、前記発電量情報に基づいて所定の太陽光発電部における発電量に対する他の太陽光発電部における発電量の乖離度を算出する乖離度算出ステップと、
前記グループ毎に、算出した前記乖離度に基づいた前記太陽光発電部の状態診断を行う診断ステップと、
を有することを特徴とする太陽光発電診断方法。 - 前記診断ステップでは、記憶された前記乖離度に基づいて、所定の乖離度であるサンプル値を基準とする他の乖離度との差が予め定められた閾値以上であるか否かにより、前記グループ毎に前記太陽光発電部の状態を診断することを特徴とする請求項3記載の太陽光発電診断方法。
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