JP2016133741A - 感光性樹脂組成物、および電子装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、および電子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスに優れた樹脂膜を作製し得る感光性樹脂組成物を実現する。【解決手段】感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、を含む感光性樹脂組成物であって、前記感光性樹脂組成物に対して120℃、180秒の条件で熱処理して得られる第1樹脂膜に対する純水の接触角をθ1とし、前記第1樹脂膜に対して320℃、30分の条件で熱処理して得られる第2樹脂膜に対する純水の接触角をθ2とした場合に、θ1およびθ2がいずれも70°以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、および電子装置に関する。
電子装置の製造に際して、感光性樹脂組成物が用いられることがある。このような技術としては、たとえば特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1は、ポリイミド系樹脂またはその前駆体、キノンジアジド化合物、溶媒および界面活性剤を含有する感光性樹脂組成物であって、上記界面活性剤がシリコン系界面活性剤およびフッ素原子を有する界面活性剤を含むものに関する技術である。
特開2010−243748号公報
上述のように、電子装置の製造に際して、感光性樹脂組成物が用いられる場合がある。この場合、たとえば感光性樹脂組成物を塗布して得た塗布膜に対して露光、現像を行うことにより、パターニングされた樹脂膜が得られることとなる。しかしながら、樹脂膜の作製に際して、樹脂膜中に泡が生じるおそれがあった。この場合、樹脂膜を備える電子装置の信頼性を低下させることが懸念される。一方で、このような樹脂膜に対しては、電子装置を構成する封止樹脂に対する密着性を向上させることも求められている。これまでは、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスに優れた樹脂膜を作製し得る感光性樹脂組成物を実現することは困難であった。
本発明によれば、
アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、を含む感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物に対して120℃、180秒の条件で熱処理して得られる第1樹脂膜に対する純水の接触角をθとし、前記第1樹脂膜に対して320℃、30分の条件で熱処理して得られる第2樹脂膜に対する純水の接触角をθとした場合に、θおよびθがいずれも70°以上である感光性樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、
上述の感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜を備える電子装置が提供される。
本発明によれば、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスに優れた樹脂膜を作製し得る感光性樹脂組成物を実現することができる。
本実施形態に係る電子装置の一例を示す断面図である。 GBL(γ−ブチロラクトン)に対する界面活性剤の添加量と、GBL溶液の表面張力と、の関係を示すグラフである。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、を含む。また、感光性樹脂組成物に対して120℃、180秒の条件で熱処理して得られる第1樹脂膜に対する純水の接触角をθとし、上記第1樹脂膜に対して320℃、30分の条件で熱処理して得られる第2樹脂膜に対する純水の接触角をθとした場合に、θおよびθがいずれも70°以上である。
上述のとおり、感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜については、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスを向上させることが求められている。なお、樹脂膜に生じる泡は、下地膜に対するはじきや、気泡のまきこみ等に起因するものと推測されている。鋭意検討の結果、本発明者は、感光性樹脂組成物のプリベーク後における接触角θとポストベーク後における接触角θをいずれも70°以上とすることにより、感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜について、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスを向上させることができることを新たに見出した。本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、このような知見に基づいて実現されたものである。したがって、本実施形態によれば、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスに優れた樹脂膜を作製し得る感光性樹脂組成物を実現することが可能となる。
以下、本実施形態に係る感光性樹脂組成物、および電子装置について詳細に説明する。
まず、感光性樹脂組成物について説明する。
感光性樹脂組成物は、たとえば永久膜を形成するために用いられる。この場合、感光性樹脂組成物を硬化させることにより、永久膜を構成する硬化膜が得られることとなる。永久膜は、たとえば窒化膜や酸化膜等の絶縁膜、Al配線等の金属膜、またはガラス基板やSi基板等の各種基板上に設けることができる。本実施形態においては、たとえば感光性樹脂組成物を塗布して得られる樹脂膜を露光および現像により所望の形状にパターニングした後、当該樹脂膜を熱処理等によって硬化させることにより永久膜が形成される。
感光性樹脂組成物を用いて形成される永久膜としては、たとえば表面保護膜、層間膜、またはダム材が挙げられる。なお、感光性樹脂組成物の用途は、これに限定されない。本実施形態においては、少なくとも一部が封止樹脂に接触する永久膜を、感光性樹脂組成物を用いて形成する場合が一例として挙げられる。
表面保護膜は、電子部品や電子装置の表面に形成され、当該表面を保護するための絶縁膜を指し、その種類はとくに限定されない。このような表面保護膜としては、たとえば半導体素子上に設けられるパッシベーション膜もしくはバッファーコート層、またはフレキシブル基板上に設けられるカバーコートが挙げられる。
層間膜は、多層構造中に設けられる絶縁膜を指し、その種類はとくに限定されない。層間膜としては、たとえば半導体素子の多層配線構造を構成する層間絶縁膜、配線基板を構成するビルドアップ層もしくはコア層等の半導体装置用途において用いられるものが挙げられる。また、層間膜としては、たとえば表示装置における薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))を覆う平坦化膜、液晶配向膜、MVA(Multi Domain Vertical Alignment)型液晶表示装置のカラーフィルタ基板上に設けられる突起、もしくは有機EL素子の陰極を形成するための隔壁等の表示装置用途において用いられるものも挙げられる。
ダム材は、たとえば基板上に光学素子等を配置するための中空部分を形成するために用いられるスペーサが挙げられる。
本実施形態では、感光性樹脂組成物に対して120℃、180秒の条件で熱処理して得られる第1樹脂膜に対する純水の接触角をθとし、上記第1樹脂膜に対して320℃、30分の条件で熱処理して得られる第2樹脂膜に対する純水の接触角をθとした場合において、θおよびθがいずれも70°以上である。これにより、上述したとおり、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスに優れた樹脂膜を作製し得る感光性樹脂組成物を実現することが可能となる。この理由は明らかではないが、感光性樹脂組成物のプリベーク後とポストベーク後における純水に対する濡れ性を低下させることが、消泡性や封止樹脂に対する密着性の向上と相関していることによるものと考えられている。
接触角θは、たとえば75°以上であることがより好ましい。これにより、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、をより効果的に向上させることができる。一方で、接触角θの上限値は、とくに限定されない。泡の抑制と密着性のバランスの向上や、感光性樹脂組成物の基板裏面への回り込みを抑制する等して作業性を向上させる観点からは、接触角θが98°以下であることが好ましく、95°以下であることがより好ましい。
また、接触角θの上限値は、とくに限定されない。泡の抑制と封止樹脂に対する密着性のバランスをより効果的に向上させる観点からは、接触角θが95°以下であることが好ましく、90°以下であることがより好ましい。
本実施形態では、たとえばDropmaster500(協和界面科学(株)製)を用いて25℃において純水の液滴を第1樹脂膜表面に静置し、10秒後における接触角の値を計測することを10回繰り返し、その平均値を算出して、これを接触角θとすることができる。また、接触角θの測定についても、接触角θと同様にして行うことができる。また、第1樹脂膜は、たとえばウェハ上に感光性樹脂組成物をスピンコート等により塗布して塗布膜を得た後、当該塗布膜に対して熱処理を施すことにより形成することができる。
なお、本実施形態においては、たとえば感光性樹脂組成物の調製方法や、感光性樹脂組成物を構成する各成分の種類や配合割合をそれぞれ適切に選択することによって、接触角θおよび接触角θをともに所望の範囲内とすることが可能となる。感光性樹脂組成物の調製方法としては、たとえば各成分の混合を窒素雰囲気下にて行うことが重要であると考えられている。また、界面活性剤を含む場合には、界面活性剤以外の各成分を混合して得た混合物に、界面活性剤を有機溶剤へ溶解させて得た溶液(以下、界面活性剤溶液とも呼ぶ)を添加すること等が接触角θおよび接触角θに影響を与え得るものと考えられている。この場合には、界面活性剤を有機溶剤へ添加した後に25℃の条件下で1日間放置して界面活性剤溶液を調製することや、界面活性剤溶液を上記混合物に添加する際に撹拌混合機の回転を止めることも重要であると考えられる。さらには、界面活性剤溶液中における界面活性剤の濃度も、接触角θおよび接触角θに影響を与え得る要素の一つと推測されている。本実施形態においては、たとえば界面活性剤の添加に伴う界面活性剤溶液の表面張力の低下がほとんど見られなくなる時点における界面活性剤溶液中の界面活性剤の濃度をαと定義して、界面活性剤溶液中における界面活性剤の濃度がα×0.5以下となるように、有機溶剤へ界面活性剤を添加することができる。なお、本実施形態に係る感光性樹脂組成物の調製方法は、これらに限定されるものではない。
本実施形態においては、感光性樹脂組成物の調整直後における25℃での粘度をηとし、60℃の条件下にて7日間保管した後における25℃での粘度をηとして、たとえばη/ηを2.0以下とすることができる。これにより、感光性樹脂組成物の保存性を向上させることができる。このため、長期間保存した場合においても、作業性や樹脂膜の平坦性を良好に維持することが可能となる。なお、感光性樹脂組成物の粘度は、たとえば東機産業株式会社製TVE−22Hデジタル粘度計を用いて測定することができる。
感光性樹脂組成物の保存性をより効果的に向上させる観点からは、たとえばη/ηが1.7以下であることがより好ましい。一方で、η/ηの下限値は、とくに限定されないが、たとえば1.0とすることができる。なお、本実施形態においては、たとえば感光性樹脂組成物の調製方法や、感光性樹脂組成物を構成する各成分の種類や配合割合をそれぞれ適切に選択することによって、η/ηを所望の範囲内とすることが可能となる。
感光性樹脂組成物は、上述のとおり、アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、を含んでいる。これにより、感光性樹脂組成物を塗布して得られる塗布膜を、リソグラフィによってパターニングすることが可能となる。
以下、感光性樹脂組成物を構成する各成分について詳述する。
((A)アルカリ可溶性樹脂)
アルカリ可溶性樹脂(A)は、たとえばフェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体およびポリイミド前駆体等のアミド結合を有する前駆体、ならびに当該前駆体を脱水閉環して得られる樹脂、および下記式(1)で示される共重合体から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、感光性樹脂組成物の現像性や硬化性、成膜性、保存性、感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜の封止樹脂に対する密着性や機械的強度を向上させる観点、上記樹脂膜における泡の発生を抑制する観点からは、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、アミド結合を有する前駆体、および下記式(1)で示される共重合体から選択される一種または二種以上を含むことがより好ましい。これらの中でも、感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜について、泡の抑制と封止樹脂に対する密着性のバランスを向上させる観点からは、アミド結合を有する前駆体、および下記式(1)で示される共重合体のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、アミド結合を有する前駆体を含むことがとくに好ましい。
Figure 2016133741
式(1)中、lおよびmは共重合体中におけるモル含有率(モル比)を示し、l+m≦1、0.1≦l≦0.9、0.1≦m≦0.9である。nは0、1または2である。R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。R、R、RおよびRは、互いに同一であってもよく、また互いに異なっていてもよい。Aは下記式(2a)、(2b)、(2c)または(2d)により示される構造単位である。上記式(1)により示される共重合体には、下記式(2a)、(2b)、(2c)および(2d)から選択される1種または2種以上の構造単位Aが含まれる。本実施形態においては、少なくとも下記式(2a)、(2b)および(2c)から選択される1種または2種以上の構造単位Aが含まれることが好ましい。なお、上記式(1)で示される共重合体は、上記式(1)に示す構造単位以外の他の構造単位を含んでいてもよい。
Figure 2016133741
式(2a)および式(2b)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜18の有機基である。
本実施形態において、上記式(1)で示される共重合体には、上記式(2a)により示される構造単位A、および上記式(2c)により示される構造単位Aを含むことが好ましい。また、これらとともに、上記式(2b)により示される構造単位Aをさらに含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物について、フォトリソグラフィ工程におけるアルカリ現像液への溶解性を調整することが容易となる。
本実施形態において、R、R、RおよびRを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられ、これらのなかから選択できる。アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられ、これらのなかから選択できる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。なお、R、R、RまたはRとしてアルキル基を含むことにより、感光性樹脂組成物の製膜性を向上させることができる。また、R、R、RまたはRとしてアリール基を含むことにより、感光性樹脂組成物について、リソグラフィ工程におけるアルカリ現像液を用いた現像の際の膜減りを抑えることができる。
また、前述したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。R、R、RおよびRの少なくともいずれか1つをハロアルキル基とすることで、感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜の誘電率を低下させることができる。なお、感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜の光透過性を高める観点から、R、R、RおよびRのいずれかが水素であることが好ましく、R、R、RおよびRすべてが水素であることがより好ましい。
本実施形態において、R、RおよびRを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられ、これらのなかから選択できる。ここでアルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
また、前述したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。
上記式(1)に示される共重合体は、たとえば下記式(3)で表されるノルボルネン型モノマーに由来した繰り返し単位と、下記式(4)に示す無水マレイン酸に由来した繰り返し単位と、が交互に配列されてなる交互共重合体であることが好ましい。なお、上記式(1)に示される共重合体は、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。
下記式(4)に示す無水マレイン酸に由来した繰り返し単位とは、上記式(1)中のAにより表される構造単位である。なお、アルカリ可溶性樹脂(A)には、低分子量成分として下記式(3)および(4)により示されるモノマーが含まれていてもよい。
Figure 2016133741
式(3)中、nは0、1または2であり、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。
アルカリ可溶性樹脂(A)におけるアミド結合を有する前駆体としては、たとえば下記一般式(5)により示される繰り返し単位を有するものを用いることができる。
Figure 2016133741
式(5)中、XおよびYは、有機基である。Rは、水酸基、−O−R、アルキル基、アシルオキシ基、またはシクロアルキル基であり、複数有する場合にはそれぞれ同一であっても異なっても良い。Rは、水酸基、カルボキシル基、−O−R、または−COO−Rであり、複数有する場合にはそれぞれ同一であっても異なっても良い。RおよびRにおけるRは、炭素数1〜15の有機基である。Rとして水酸基がない場合、Rの少なくとも1つはカルボキシル基である。Rとしてカルボキシル基がない場合は、Rの少なくとも1つは水酸基である。mは0〜8の整数であり、nは0〜8の整数である。
なお、一般式(5)により示されるアミド樹脂において、X、Y、R〜R、mおよびnは、それぞれ繰り返し単位毎に同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
一般式(5)で表される構造を有するアミド結合を有する前駆体において、加熱脱水または触媒を用いた脱水反応を生じさせることにより、ポリイミド樹脂もしくはポリベンゾオキサゾール樹脂、またはイミド結合とオキサゾール環を含む共重合体が生成される。アルカリ可溶性樹脂(A)としてアミド結合を有する前駆体を用いる場合、アルカリ可溶性樹脂(A)は、ポリイミド樹脂およびポリベンゾオキサゾール樹脂のうちの一方または双方をさらに含んでいてもよい。
一般式(5)により示されるアミド結合を有する前駆体がポリベンゾオキサゾール前駆体である場合、Rの少なくとも一つは水酸基である。この場合、加熱脱水または触媒を用いた脱水反応により、Rとアミド構造との間において脱水閉環が起こり、オキサゾール環を有するポリベンゾオキサゾール樹脂が生成される。このとき、アルカリ可溶性樹脂(A)には、ポリベンゾオキサゾール前駆体またはポリベンゾオキサゾール樹脂の少なくとも一方が含まれることとなる。
また、一般式(5)により示されるアミド結合を有する前駆体がポリイミド前駆体である場合、Rの少なくとも一つはカルボキシル基である。この場合、加熱脱水または触媒を用いた脱水反応により、Rとアミド構造との間において脱水閉環(イミド化)が起こり、ポリイミド樹脂が生成される。このとき、アルカリ可溶性樹脂(A)には、ポリイミド前駆体またはポリイミド樹脂の少なくとも一方が含まれることとなる。
一般式(5)で表される繰り返し単位を有するアミド結合を有する前駆体において、RおよびRとしては、アミド結合を有する前駆体のアルカリ水溶液に対する溶解性を調節する上で、水酸基またはカルボキシル基が保護基Rで保護された基を含むことができる。このようなRとしては−O−Rを、Rとしては−O−Rまたは−COO−Rを、それぞれ用いることができる。Rとしての炭素数1〜15の有機基としては、たとえばホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、およびテトラヒドロピラニル基が挙げられる。
一般式(5)で表される構造を有するアミド結合を有する前駆体のXとしての有機基は、とくに限定されるものではないが、たとえばベンゼン環、ナフタレン環またはビスフェノール構造等の構造からなる芳香族基、ピロール環またはフラン環等の構造からなる複素環式有機基、およびシロキサン基が挙げられる。より具体的には以下に示されるものが好ましい。これらは、1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2016133741
(*は、一般式(5)におけるNH基に結合することを示す。Aは、アルキレン基、置換アルキレン基、−O−C−O−、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−NHC(=O)−または単結合である。Rは、アルキル基、アルキルエステル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた1つを示し、繰り返し単位毎に同一であっても異なっていてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、アルキルエステル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた1つを示す。sは0〜4の整数である。R〜Rはそれぞれ有機基である。ここでは、一般式(5)に示すXの置換基Rは省略している)
これらの中でもとくに好ましいものとしては、たとえば以下に示すもの(一般式(5)に示すRが示されているものを含む)が挙げられる。
Figure 2016133741
(*は一般式(5)におけるNH基に結合することを示す。式中Aは、アルキレン基、置換アルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−NHC(=O)−、−CH−、−C(CH)H−、−C(CH−、−C(CF−、または単結合である。R10は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基およびシクロアルキル基からなる群から選ばれた1つであり、R10が複数ある場合、各R10はそれぞれ同じでも異なってもよい。cは0以上3以下の整数である)
上記Aとしてのアルキレン基、置換アルキレン基の具体的な例としては、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CHCH)(CHCH)−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−CH(CH(CH)−、−C(CH)(CH(CH)−、−CH(CHCHCHCH)−、−C(CH)(CHCHCHCH)−、−CH(CHCH(CH)−、−C(CH)(CHCH(CH)−、−CH(CHCHCHCHCH)−、−C(CH)(CHCHCHCHCH)−、−CH(CHCHCHCHCHCH)−、および−C(CH)(CHCHCHCHCHCH)−が挙げられる。これらの中でも、−CH−、−CH(CH)−、および−C(CH−が、アルカリ水溶液だけでなく、溶剤に対しても十分な溶解性を持ち、よりバランスに優れるアミド結合を有する前駆体を得ることができることから好ましい。
一般式(5)で表される構造を有するアミド結合を有する前駆体におけるYは有機基であり、このような有機基としてはXと同様のものが挙げられる。一般式(5)におけるYとしては、たとえばベンゼン環、ナフタレン環またはビスフェノール構造等の構造からなる芳香族基、ピロール環、ピリジン環またはフラン環等の構造からなる複素環式有機基、およびシロキサン基等が挙げられる。より具体的には以下に示されるものが好ましい。これらは、1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2016133741
(*は、一般式(5)におけるC=O基に結合することを示す。Jは、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−NHC(=O)−、−C(CF−または単結合である。R13は、アルキル基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ベンジルエーテル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた1つを示し、繰り返し単位毎に同じでも異なってもよい。R14は、水素原子、アルキル基、アルキルエステル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた1つを示す。tは0以上2以下の整数である。R15〜R18は、有機基である。ここでは、一般式(5)に示すYの置換基Rは省略している)
これらの中でもとくに好ましいものとしては、たとえば以下に示すもの(一般式(5)に示すRが示されているものを含む)が挙げられる。
なお、以下に示すもののうちテトラカルボン酸二無水物由来の構造については、一般式(5)におけるC=O基に結合する位置が両方メタ位であるもの、両方パラ位であるものを挙げているが、メタ位とパラ位をそれぞれ含む構造でもよい。
Figure 2016133741
Figure 2016133741
Figure 2016133741
(*は一般式(5)におけるC=O基に結合することを示す。R19は、アルキル基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ベンジルエーテル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた1つを表し、繰り返し単位毎に同じでも異なっていてもよい。R20は、水素原子または炭素数1以上15以下の有機基から選ばれた1つを示し、一部が置換されていてもよい。uは0以上2以下の整数である)
一般式(5)で表されるアミド結合を有する前駆体の場合、低温で硬化した硬化物の機械物性、耐熱性に影響を及ぼさない程度に、当該前駆体の末端のアミノ基を、アルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基または環式化合物基を含む酸無水物またはモノカルボン酸を用いて、アミドとして末端封止することもできる。
アルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基または環式化合物基を含む酸無水物またはモノカルボン酸としては、たとえばマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、イタコン酸無水物、ヘット酸無水物、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、4−エチニルフタル酸無水物、および4−フェニルエチニルフタル酸無水物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよく、末端封止したアミド部分の一部が脱水閉環していてもよい。
また、一般式(5)で表されるアミド結合を有する前駆体の場合、当該前駆体の末端のカルボン酸残基を、アルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基または環式化合物基を含むアミン誘導体を用いて、アミドとして末端封止することもできる。
一般式(5)で表されるアミド結合を有する前駆体の場合、低温で硬化した硬化物の機械物性、耐熱性に影響を及ぼさない程度に、末端の少なくとも一方に、窒素含有環状化合物により末端封止した基を有してもよい。これにより、金属配線(特に銅配線)等との密着性を向上することができる。窒素含有環状化合物としては、たとえば1−(5−1H−トリアゾイル)メチルアミノ基、3−(1H−ピラゾイル)アミノ基、4−(1H−ピラゾイル)アミノ基、5−(1H−ピラゾイル)アミノ基、1−(3−1H−ピラゾイル)メチルアミノ基、1−(4−1H−ピラゾイル)メチルアミノ基、1−(5−1H−ピラゾイル)メチルアミノ基、(1H−テトラゾル−5−イル)アミノ基、1−(1H−テトラゾル−5−イル)メチル−アミノ基、および3−(1H−テトラゾル−5−イル)ベンズ−アミノ基が挙げられる。
一般式(5)で表される構造を有するアミド結合を有する前駆体は、たとえば一般式(5)におけるXを含むジアミン、ビス(アミノフェノール)または2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物と、Yを含むテトラカルボン酸二無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸、ジカルボン酸ジクロライドまたはジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物と、を反応させて合成することができる。ジカルボン酸を用いる場合には、アミド結合を有する前駆体の反応収率等を高めるため、ジカルボン酸に1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
アルカリ可溶性樹脂(A)におけるフェノール樹脂としては、たとえばノボラック型フェノール樹脂に代表されるフェノール化合物とアルデヒド化合物との反応物、またはフェノールアラルキル樹脂に代表されるフェノール化合物とジメタノール化合物類との反応物を用いることができる。これらの中でも、フェノール化合物とアルデヒド化合物を反応させて得られるフェノール樹脂を用いることが、現像工程における膜減りを抑える観点、また製造コストの観点からとくに好ましい。
フェノール化合物としては、とくに限定されないが、たとえばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾールもしくはp−クレゾール等のクレゾール類、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノールもしくは3,5−キシレノール等のキシレノール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノールもしくはp−エチルフェノール等のエチルフェノール類、イソプロピルフェノール、ブチルフェノールもしくはp−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類、またはレゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロールもしくはフロログルシン等の多価フェノール類を用いることができる。これらのフェノール化合物は、単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
アルデヒド化合物としては、アルデヒド基を有する有機基であればとくに限定されないが、たとえばホルマリン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、またはサリチルアルデヒドを用いることができる。ベンズアルデヒドとしては、アルキル基、アルコキシ基もしくはヒドロキシ基のうちの少なくとも1種により置換されたもの、または無置換のものを使用することができる。これらのアルデヒド化合物は、単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
本実施形態においては、たとえば上記フェノール化合物と上記アルデヒド化合物を酸触媒の下で反応させ合成することにより、アルカリ可溶性樹脂(A)であるフェノール樹脂が得られる。酸触媒としては、とくに限定されないが、たとえばシュウ酸、硝酸、硫酸、硫酸ジエチル、酢酸、p−トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、またはベンゼンスルホン酸を用いることができる。
ジメタノール化合物としては、とくに限定されないが、たとえば1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、4,4'−ビフェニルジメタノール、3,4'−ビフェニルジメタノール、3,3'−ビフェニルジメタノールもしくは2,6−ナフタレンジメタノール等のジメタノール化合物、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、4,4'−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,4'−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,3'−ビス(メトキシメチル)ビフェニルもしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸メチル等のビス(アルコキシメチル)化合物、または1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,3−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(ブロモメチル)ベンゼン、1,3−ビス(ブロモメチル)ベンゼン、4,4'−ビス(クロロメチル)ビフェニル、3,4'−ビス(クロロメチル)ビフェニル、3,3'−ビス(クロロメチル)ビフェニル、4,4'−ビス(ブロモメチル)ビフェニル、3,4'−ビス(ブロモメチル)ビフェニルもしくは3,3'−ビス(ブロモメチル)ビフェニル等のビス(ハルゲノアルキル)化合物を用いることができる。これらのジメタノール化合物は、単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂(A)におけるヒドロキシスチレン樹脂としては、ヒドロキシスチレンやスチレンまたはこれらの誘導体を、ラジカル重合、カチオン重合やアニオン重合させることにより得られた重合反応物または共重合反応物を用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量は、感光性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、たとえば40重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。これにより、感光性樹脂組成物を用いて形成される永久膜の耐熱性や機械的強度、耐久性を向上させることができる。また、アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量は、感光性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、たとえば90重量%以下であることが好ましく、85重量%以下であることがより好ましい。これにより、リソグラフィにおける解像性の向上を図ることができる。また、アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量を上述の範囲とすることにより、泡の抑制と封止樹脂に対する密着性のバランスの向上に寄与することも可能である。
なお、感光性樹脂組成物中における不揮発成分の割合(重量%)は、たとえば次のように測定することができる。まず、重量(w)を測定したアルミカップ中に、試料として感光性樹脂組成物を1.0g量り取る。このとき、試料とアルミカップの全重量をwとする。次いで、アルミカップを、210℃に調整した熱風乾燥機中で常圧下、1時間保持した後、熱風乾燥機から取り出して室温まで冷却する。次いで、冷却した試料とアルミカップの全重量(w)を測定する。そして、以下の式から感光性樹脂組成物中における不揮発成分の割合(重量%)を算出する。
不揮発分(重量%)=(w−w)/(w−w)×100
((B)感光剤)
感光剤(B)としては、光により酸を発生する化合物を用いることができ、たとえば感光性ジアゾキノン化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩もしくはスルホニウム・ボレート塩などのオニウム塩、2−ニトロベンジルエステル化合物、N−イミノスルホネート化合物、イミドスルホネート化合物、2,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン化合物、またはジヒドロピリジン化合物を用いることができる。この中でも、感度や溶剤溶解性に優れる感光性ジアゾキノン化合物を用いることがとくに好ましい。感光性ジアゾキノン化合物としては、たとえば以下に示すものを使用することができる。
Figure 2016133741
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(n2は、1以上、5以下の整数である)
以上の各化合物において、Qは、下記(a)〜(c)に示す構造のいずれか、または水素原子である。ただし、各化合物のQのうち、少なくとも1つは下記(a)〜(c)に示す構造のいずれかである。感光性樹脂組成物の透明性、誘電率の観点から、感光剤(B)としては、Qが(a)または(b)であるo−ナフトキノンジアジドスルホン酸誘導体を用いることがより好ましい。
Figure 2016133741
感光剤(B)の含有量は、たとえばアルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して1重量部以上50重量部以下であることが好ましく、5重量部以上40重量部以下であることがより好ましく、10重量部以上30重量部以下であることがとくに好ましい。これにより、良好なパターニング性能を有する感光性樹脂組成物を実現することが可能となる。
((C)架橋剤)
感光性樹脂組成物は、たとえば架橋剤(C)を含むことができる。架橋剤(C)は、とくに限定されないが、たとえば反応性基として環状エーテル基を有する化合物を含むことが好ましく、グリシジル基またはオキセタニル基を有する化合物を含むことがより好ましい。これらの中でも、カルボキシル基や水酸基等の活性水素を持つ官能基との反応性の観点からは、グリシジル基を有するエポキシ化合物を含むことがとくに好ましい。
架橋剤(C)として用いられるエポキシ化合物としては、たとえばアリルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA(又はF)のグリシジルエーテル、等のグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタンジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテルや、(株)ダイセル製のセロキサイド2021、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド8000、エポリードGT401などの脂環式エポキシ、2,2'−(((((1−(4−(2−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)プロパン−2−イル)フェニル)エタン−1,1−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ))ビス(メチレン))ビス(オキシラン)(たとえば、Techmore VG3101L((株)プリンテック製))、エポライト100MF(共栄社化学工業(株)製)、エピオールTMP(日油(株)製)、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(新日本理化(株)製、昭和電工(株)製等)などの脂肪族グリシジルエーテル、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ビス(グリシジルオキシ)−1,1'−ビフェニルなどの芳香族グリシジルエーテル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−(オキシラン−2−イル・メトキシ)プロピル)トリ・シロキサン(たとえば、DMS−E09(ゲレスト社製))等を用いることができる。また、たとえばLX−01(ダイソー(株)製)、jER1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828、液状型825(商品名;三菱化学(株)製)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、jER807(商品名;三菱化学(株)製)などのビスフェノールF型エポキシ樹脂、jER152、同154(商品名;三菱化学(株)製)、EPPN201、同202(商品名;日本化薬(株)製)などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN102、同103S、同104S、1020、1025、1027(商品名;日本化薬(株)製)、jER157S70(商品名;三菱化学(株)製)などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アラルダイトCY179、同184(商品名;ハンツマンアドバンスドマテリアル製)、ERL−4206、4221、4234、4299(商品名;ダウケミカル社製)、エピクロン200、同400(商品名;DIC(株)製)、jER871、同872(商品名;三菱化学(株)製)などの環状脂肪族エポキシ樹脂、Poly[(2−oxiranyl)−1,2−cyclohexanediol]2−ethyl−2−(hydroxymethyl)−1,3−propanediol ether (3:1)等の多官能脂環式エポキシ樹脂、EHPE−3150((株)ダイセル製)を使用することもできる。感光性樹脂組成物は、上記において例示したエポキシ化合物を一種または二種以上含むことが可能である。
架橋剤(C)として用いられるオキセタニル基を有するオキセタン化合物としては、たとえば1,4−ビス{[(3−エチルー3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、4,4'−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4'−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタンー3−イル)メトキシ]ベンゼン等が挙げられる。感光性樹脂組成物は、上記において例示したオキセタン化合物を一種または二種以上含むことが可能である。また、感光性樹脂組成物は、エポキシ化合物とオキセタン化合物を併用することもできる。
また、架橋剤(C)は、たとえば1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3,5−ベンゼントリメタノール、4,4−ビフェニルジメタノール、2,6−ピリジンジメタノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、4,4'−メチレンビス(2,6−ジアルコキシメチルフェノール)等に例示されるメチロール基を有する化合物;1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、4,4'−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,4'−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,3'−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,6−ナフタレンジカルボン酸メチル、4,4'−メチレンビス(2,6−ジメトキシメチルフェノール)等に例示されるアルコキシメチル基を有する化合物;ヘキサメチロールメラミン、ヘキサブタノールメラミン等に例示されるメチロールメラミン化合物;ヘキサメトキシメラミン等に例示されるアルコキシメラミン化合物;テトラメトキシメチルグリコールウリル等に例示されるアルコキシメチルグリコールウリル化合物;メチロールベンゾグアナミン化合物;ジメチロールエチレンウレア等に例示されるメチロールウレア化合物;ジシアノアニリン、ジシアノフェノール、シアノフェニルスルホン酸等に例示されるシアノ化合物;1,4−フェニレンジイソシアナート、3,3'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアナート等に例示されるイソシアナート化合物;N,N'−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N'−メチレンジマレイミド等に例示されるマレイミド化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。
架橋剤(C)の含有量は、たとえばアルカリ可溶性樹脂(A)全体を100重量部として1重量部以上であることが好ましく、3重量部以上であることがより好ましい。一方で、架橋剤(C)の含有量は、たとえばアルカリ可溶性樹脂(A)全体を100重量部として30重量部以下であることが好ましく、15重量部以下であることがより好ましい。架橋剤(C)の含有量をこのような範囲に調整することにより、感光性樹脂組成物における、反応性と、保存性と、のバランスをより効果的に向上させることが可能となる。また、感光性樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜について、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスの向上に寄与することもできる。
((D)界面活性剤)
感光性樹脂組成物は、たとえば界面活性剤(D)を含むことができる。界面活性剤(D)は、たとえばフッ素基を含む化合物であるフッ素系界面活性剤、シロキサン結合を主骨格とする化合物であるシリコン系界面活性剤、およびポリエーテル等のアルキル系界面活性剤から選択される一種または二種以上を含む。これらの中でも、感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜について、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスを向上させる観点からは、フッ素系界面活性剤、およびシリコン系界面活性剤のうちの一方または双方を少なくとも含むことがより好ましい。とくに、樹脂膜中における泡を抑制する観点からは、フッ素系界面活性剤を含むことが好ましい。また、感光性樹脂組成物の保存性を向上させる観点からは、フッ素系界面活性剤およびアルキル系界面活性剤のうちの一方または双方を含むことがとくに好ましい。
界面活性剤(D)の含有量は、たとえばアルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して0.005重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましい。また、界面活性剤(D)の含有量は、たとえばアルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して30重量部以下であることが好ましく、20重量部以下であることがより好ましい。これにより、感光性樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜について、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスをより効果的に向上させることができる。界面活性剤(D)としてシリコン系界面活性剤を含む場合には、樹脂膜中に泡が発生することをより確実に抑制する観点から、界面活性剤(D)の含有量をアルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して0.5重量部以上20重量部以下とすることがより好ましく、2重量部以上10重量部以下とすることがとくに好ましい。また、界面活性剤(D)としてフッ素系界面活性剤を含む場合には、泡の抑制と密着性のバランスをより効果的に向上させる観点から、界面活性剤(D)の含有量をアルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下とすることがより好ましく、0.1重量部以上5重量部以下とすることがとくに好ましい。
((E)シランカップリング剤)
感光性樹脂組成物は、たとえばシランカップリング剤(E)を含むことができる。これにより、感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜の他の部材に対する密着性をより効果的に向上させることが可能となる。シランカップリング剤(E)は、たとえばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、およびメタクリルシランから選択される一種または二種以上を含むことができる。
これらを例示すると、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミンの加水分解物等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤(E)の含有量は、たとえばアルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して1重量部以上であることが好ましく、3重量部以上であることがより好ましい。また、シランカップリング剤(E)の含有量は、たとえばアルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して20重量部以下であることが好ましく、15重量部以下であることがより好ましい。これにより、感光性樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜における、泡の抑制と、封止樹脂に対する密着性と、のバランスの向上に寄与することが可能となる。
なお、感光性樹脂組成物は、上述の各成分以外に、必要に応じて硬化剤、酸化防止剤、フィラー、増感剤等の添加物のうち1種または2種以上を含んでいてもよい。
(溶剤)
感光性樹脂組成物は、たとえば溶剤を含むことができる。この場合、感光性樹脂組成物は、たとえばワニス状となる。溶剤は、たとえばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、およびピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等から選択される一種または二種以上を含む。
溶剤の含有量は、とくに限定されないが、たとえばアルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して100重量部以上であることが好ましく、130重量部以上であることがより好ましい。また、溶剤の含有量は、たとえばアルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して300重量部以下であることが好ましく、250重量部以下であることがより好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の作業性をより効果的に向上させることができる。
次に、電子装置100の一例について説明する。
本実施形態に係る電子装置100は、上述の感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜を備えている。これにより、信頼性に優れた電子装置100を実現することが可能となる。感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、たとえば表面保護膜、層間膜、またはダム材等の電子装置100を構成する永久膜として使用される。また、感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、たとえば少なくとも一部が電子装置100を構成する封止樹脂に接触するように設けることができる。
図1は、本実施形態に係る電子装置100の一例を示す断面図である。
半導体装置100は、基板10と、基板10上に搭載された半導体素子20と、半導体素子20を封止する封止樹脂30と、を備えた半導体パッケージである。図1では、半導体装置100がBGAパッケージである場合が例示されている。この場合、基板10のうちの半導体素子20を搭載する表面とは反対側の裏面には、複数の半田ボール50が設けられる。半導体素子20は、ボンディングワイヤ40を介して基板10へ電気的に接続される。一方で、半導体素子20は、基板10上にフリップチップ実装されていてもよい。
図1に示す例においては、たとえば半導体素子20のうちの基板10と接触する一面と反対側の他面上に、半導体素子20を覆う表面保護膜として、感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜を形成することができる。また、基板10のうちの半導体素子20を搭載する表面上に、基板10を覆う表面保護膜として、感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜を形成することもできる。これらの表面保護膜として形成される上記硬化膜は、基板10および半導体素子20を封止する封止樹脂30に接触することとなる。一方で、図1に示す例では、基板10や半導体素子20を構成する層間膜として、感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜が形成されていてもよい。
封止樹脂30は、半導体封止用樹脂組成物として通常用いられる樹脂組成物の硬化物により構成され得るものであり、たとえばエポキシ樹脂組成物の硬化物により構成される。封止樹脂30は、たとえば封止用樹脂組成物をトランスファー成形法または圧縮成形法等の公知の方法を用いて封止成形することにより形成される。
次に、電子装置100の製造方法の一例について説明する。
電子装置100は、たとえば感光性樹脂組成物を用いて永久膜を形成する工程を備えている。永久膜を形成する上記工程は、たとえば次のように行われる。まず、上述の感光性樹脂組成物を塗布して樹脂膜を得る。次いで、上記樹脂膜に対し、熱処理(プリベーク)を施す。次いで、上記樹脂膜に対し、露光および現像を行い、パターニング処理を施す。次いで、上記樹脂膜に対し熱処理(ポストベーク)を施し、硬化させる。これにより、感光性樹脂組成物を硬化して得られる永久膜が形成されることとなる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。
(アルカリ可溶性樹脂(A)の合成)
温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸21.43g(0.083モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール・一水和物22.43g(0.166モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物40.87g(0.083モル)と、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン36.62g(0.100モル)とを入れ、N−メチル−2−ピロリドン296.96gを加えて溶解させた。その後、オイルバスを用いて75℃にて15時間反応させた。次に、N−メチル−2−ピロリドン34.88gに溶解させた3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物6.98g(0.0425モル)を加え、さらに3時間攪拌して反応を終了した。これにより、アルカリ可溶性樹脂(A)を得た。
(感光性樹脂組成物の調製)
各実施例、各比較例のそれぞれについて、ワニス状の感光性樹脂組成物を次のようにして調整した。まず、界面活性剤(D)のGBL(γ−ブチロラクトン)溶液を調整した。ここでは、GBLへ界面活性剤(D)を添加した後、25℃の条件下で1日間放置することによりGBL溶液を得た。また、界面活性剤(D)の添加に伴うGBL溶液の表面張力の低下がほとんど見られなくなる時点におけるGBL溶液中の界面活性剤(D)の濃度をαと定義して、GBL溶液中における界面活性剤(D)の濃度がα×0.5以下となるように、GBLへ界面活性剤(D)を添加した。図2には、後述する界面活性剤1について、GBLに対する添加量と、GBL溶液の表面張力と、の関係が示されている。
次いで、窒素雰囲気下において、アルカリ可溶性樹脂(A)、感光剤(B)、架橋剤(C)、およびシランカップリング剤(E)を有機溶剤であるGBLに添加して混合物を得た後、撹拌混合機を用いて回転数250rpmの条件で撹拌した。次いで、撹拌混合機の回転を止めた後、窒素雰囲気下にて、上記混合物に上記で得られた界面活性剤(D)のGBL溶液を添加した。次いで、界面活性剤(D)が添加された上記混合物を、窒素雰囲気下にて、撹拌混合機を用いて回転数100rpmの条件で撹拌した。これにより、ワニス状の感光性樹脂組成物を得た。
各実施例、各比較例のそれぞれについて、得られた感光性樹脂組成物における、アルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対する各成分の配合割合(重量部)は表1に示すとおりである。また、各成分の詳細は下記のとおりである。
(感光剤(B))
下記式(11)により示される化合物
Figure 2016133741
(式(11)中、Qは水素または下記式(11−1)により示される構造である。Q全体のうちの90%は、下記式(11−1)により示される構造である)
Figure 2016133741
上記式(11)により示される化合物は、次のようにして合成した。まず、温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、式(12)で表されるフェノール11.04g(0.026モル)と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド18.81g(0.070モル)と、アセトン170gと、を入れて撹拌し、溶解させた。次いで、反応溶液の温度が35℃以上にならないようにウォーターバスでフラスコを冷やしながら、トリエチルアミン7.78g(0.077モル)とアセトン5.5gの混合溶液をゆっくり滴下した。そのまま室温で3時間反応させた後、酢酸1.05g(0.017モル)を添加し、さらに30分反応させた。次いで、反応混合物をろ過した後、ろ液を水/酢酸(990ml/10ml)の混合溶液に投入した。次いで、沈殿物を濾集して水で充分洗浄した後、真空下で乾燥した。これにより、上記式(11)の構造で表される化合物を得た。
Figure 2016133741
(架橋剤(C))
ビスフェノールA型エポキシ化合物(jER825、三菱化学(株)製)
(界面活性剤(D))
界面活性剤1:フッ素系界面活性剤(FC4432、スリーエムジャパン社製)
界面活性剤2:シリコン系界面活性剤(BYK−348、ビックケミ−ジャパン社製)
界面活性剤3:アルキル系界面活性剤(パイオニンP−1028−P、竹本油脂社製)
(シランカップリング剤(E))
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503P、信越化学工業(株)製)
(接触角の測定)
各実施例、各比較例のそれぞれについて、得られた感光性樹脂組成物の接触角θおよびθを、次のようにして測定した。まず、感光性樹脂組成物を6インチウェハに塗布した後、120℃、180秒の条件下で熱処理を施し、ウェハ上に第1樹脂膜を形成した。次いで、第1樹脂膜表面に対する純水の接触角θを測定した。なお、ここでは、Dropmaster500(協和界面科学(株)製)を用いて25℃において純水の液滴を第1樹脂膜表面に静置し、10秒後における接触角の値を計測することを10回繰り返し、その平均値を算出して、これを接触角θ(°)とした。
次いで、第1樹脂膜が形成されたウェハに対し、オーブン中で320℃、30分の条件で熱処理を施した。これにより、第1樹脂膜が加熱されてなる第2樹脂膜を得た。次いで、第2樹脂膜表面に対する純水の接触角θ(°)を測定した。なお、接触角θの測定は、接触角θと同様にして行った。結果を表1に示す。
(泡の抑制評価)
各実施例および各比較例について、次のようにして泡の抑制評価を行った。まず、上記で得られた感光性樹脂組成物を5mlのガラスシリンジに充填した後、泡抜きのために24時間静置した。次いで、感光性樹脂組成物を充填したガラスシリンジをシリンジポンプ(ヒュージョンタッチ100・CX07100、アイシス(株)製)にセットし、0.8mlを滴下速度10ml/分、滴下高さ0.5cmでシリコンウェハ上に滴下した。次いで、スピンナーを用いて5000rpm、5秒の条件で感光性樹脂組成物を塗り広げ、120℃、150秒の条件下で熱処理して、樹脂膜を得た。次いで、得られた樹脂膜の表面状態を干渉縞検査ランプ(フナテック株式会社製FNA−35)下で観察し、樹脂膜に生じた白モヤの数をカウントした。ここでは、白モヤが観察されなかったものを◎、10個未満の白モヤが観察されたものを○、10個以上の白モヤが観察されたものを×として、泡の抑制評価を行った。なお、白モヤとは、干渉縞検査ランプ下の観察により確認できる白いもや状の部分を指す。結果を表1に示す。
(封止樹脂への密着性評価)
各実施例、各比較例のそれぞれについて、得られた感光性樹脂組成物を8インチシリコンウェハに、スピンナー(D−SPIN80A・大日本スクリーン株式会社製)を用いて塗布し、120℃、180秒熱処理し、大部分の溶媒を揮発させハンドリング可能になるようにした。これをオーブン(CLH−21CDH・光洋サーモシステム株式会社製)に投入し、窒素を流して酸素濃度を20ppmにした。次に、酸素濃度を20ppmに保ったまま、オーブンにて150℃で30分間、320℃で30分間の順で加熱処理して硬化させ、膜厚約5μmの硬化膜付きシリコンウェハを得た。この硬化膜付きシリコンウェハの上に、半導体封止用エポキシ樹脂組成物(SUMIKON(登録商標)EME−G700、住友ベークライト株式会社製)を用いて、トランスファー成形機により金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、2×2×4mm(横×縦×高)の大きさの封止樹脂硬化物を成形した。次に、プレッシャークッカー処理(125℃、2.3atm、100%RH)で24時間処理した後、引っ張り試験機を用いて硬化膜上に成形した封止樹脂硬化物に剪断処理を行い、剪断処理後の界面を観察した。このような評価を8個のサンプルについて行い、全てのサンプルについて硬化膜と封止樹脂硬化物との界面剥離が無いものを◎、1個のサンプルについて上記界面剥離が観察されたものを○、2個以上のサンプルについて上記界面剥離が観察されたものを×とした。結果を表1に示す。
Figure 2016133741
(η/ηの測定)
実施例1、4、7、比較例5のそれぞれについて、得られた感光性樹脂組成物のη/ηを測定した。まず、上記で得られた感光性樹脂組成物の調製直後における粘度を測定し、これをηとした。次いで、感光性樹脂組成物を60℃の条件下にて7日間保管した後、当該感光性樹脂組成物の粘度を測定し、これをηとした。なお、粘度η、ηの測定は、東機産業株式会社製TVE−22Hデジタル粘度計を用いて25℃で行った。そして、測定結果からη/ηを算出した。結果を表2に示す。
Figure 2016133741
η/ηの値が2.0以下である実施例1、4、比較例5の感光性樹脂組成物については、25℃の条件下に30日間放置した後においても、作業性や樹脂膜の平坦性が非常に良好であった。一方で、η/ηの値が2.0超過である実施例7の感光性樹脂組成物については、25℃の条件下に30日間放置した後における作業性や樹脂膜の平坦性が、実施例1、4、比較例5よりも劣っていた。
100 半導体装置
10 基板
20 半導体素子
30 封止樹脂
40 ボンディングワイヤ
50 半田ボール

Claims (7)

  1. アルカリ可溶性樹脂(A)と、感光剤(B)と、を含む感光性樹脂組成物であって、
    前記感光性樹脂組成物に対して120℃、180秒の条件で熱処理して得られる第1樹脂膜に対する純水の接触角をθとし、前記第1樹脂膜に対して320℃、30分の条件で熱処理して得られる第2樹脂膜に対する純水の接触角をθとした場合に、θおよびθがいずれも70°以上である感光性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物において、
    前記感光性樹脂組成物の調整直後における25℃での粘度をηとし、60℃の条件下にて7日間保管した後における25℃での粘度をηとして、η/ηが2.0以下である感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物において、
    架橋剤(C)を備える感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか一項に記載の感光性樹脂組成物において、
    界面活性剤(D)を備える感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか一項に記載の感光性樹脂組成物において、
    シランカップリング剤(E)を備える感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか一項に記載の感光性樹脂組成物において、
    層間膜、表面保護膜、またはダム材として用いられる永久膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜を備える電子装置。
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